JP2022117405A - スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体、その製造方法及びスパッタリングターゲットの回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本開示は、曲げ強度の低いターゲットを用いた場合や、ターゲットとバッキングプレートとの線膨張係数の差が大きく異なる場合であっても、ターゲットの破損や剥離が抑制でき、不純物の揮発による汚染が抑制でき、ターゲット材として使われる高価な材料の損失を抑制しながら、ターゲット材の剥離回収を容易にできるスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を提供する。【解決手段】本開示に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体は、バッキングプレート1が、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5と、押圧面6と、を有し、スパッタリングターゲット2は、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9と、を有し、ターゲット側面9が押圧面6で押圧されていることによって、スパッタリングターゲット2がバッキングプレート1に固定されている。【選択図】図2
Description
本開示は、HDD(ハードディスクドライブ)、半導体等の製造工程で使用されるスパッタリング装置に設置するための好適なスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体、その製造方法及びスパッタリングターゲットの回収方法に関する。
スパッタリングターゲットをHDD、半導体等の製造工程で使用されるスパッタリング装置に設置するために、一般的には、バッキングプレートと呼ばれる部材にスパッタリングターゲットを接合したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体が用いられる。スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体において、バッキングプレートを固定することによって、バッキングプレートを介してスパッタリングターゲットがスパッタリング装置に設置されることとなる。
バッキングプレートは、スパッタリングターゲットを支持する部材であり、またプラズマに晒される事によるスパッタリングターゲットの温度の上昇を抑制するための冷却を担う部材であることから、銅系材料、アルミニウム系材料などの熱伝導の高い材料で形成される。また、スパッタリングターゲットとバッキングプレートとは熱伝導のために密着性が維持されていなければならない。
スパッタリングターゲットとバッキングプレートとの接合は、一般的にボンディングと呼ばれる、インジウムやスズなどの低融点で真空における蒸気圧の低い材料をインサート材として使用する接合方法や、導電性を有する樹脂を用いて接合する方法が行われている。
しかし、スパッタリングターゲットの温度が、インサート材として使用しているインジウムやスズなどの融点より上昇してしまうと、インジウムやスズが揮発することにより成膜した膜に不純物として混入することがあり、高純度が要求される用途においては致命的な問題となる。
ボンディングの問題を解決するために、インサート材となる低融点金属を使用せずにスパッタリングターゲットとバッキングプレートに向かい合わせの圧力を掛け、温度を上げた状態で時間を掛けて拡散接合を行う技術がある(例えば、特許文献1~3を参照。)。
特許文献1では、耐力15~20kgf/mm2の耐力15~20kgf/mm2耐力15~20kgf/mm2タンタルからなるスパッタリングターゲットに対してバッキングプレートの耐力がスパッタリングターゲットの耐力よりも同じ又は高い材料とし、スパッタリングターゲットとバッキングプレートとを拡散接合した組立体とすることにより、熱膨張と収縮によって生じるスパッタリングターゲットの反りの方向を制御していることが開示されている。
特許文献2では、1000℃以上の融点を有するターゲット材と、該ターゲット材の融点よりも低い融点を有する金属または合金から選択される1種以上のインサート材と、バッキングプレートとを固相拡散接合することで100%接合率の高い密着性と高い接合強度が得られることが開示されている。
特許文献3では、スパッタリングターゲットの全面を埋め込むサンドイッチ構造とした後に、熱間等静水圧圧縮(HIP)や単軸熱間圧縮(UHP)で400-600℃に加熱圧縮を施して拡散接合させ、その後、スパッタリングターゲットとバッキングプレートを削り出すことでアセンブリを作製する方法が開示されている。
しかし、特許文献1に記載の発明のように、曲げ強度の低い材料で形成されたスパッタリングターゲットの場合、スパッタリングターゲットとバッキングプレートとの線膨張係数の差が大きく異なると、高温で拡散接合したのち冷却して熱収縮したときにスパッタリングターゲットが破損することがある。そのため、拡散接合を低温で行うこともあるが、拡散接合しないか十分な強度が得られない。
また、線膨張係数の差が大きく異なるスパッタリングターゲットとバッキングプレートとを、加熱と加圧によって拡散接合のみ行っても、スパッタリングターゲットの使用時において、温度の上昇下降を繰り返すと接合界面に疲労が蓄積して破壊し、剥離することがある。
また、特許文献2に記載の発明では、スパッタリングターゲットの使用時において、温度がインサート材の融点まで上昇するとインサート材が溶融されてスパッタリングターゲットが剥離することもある。この様な傾向は、大型のターゲットを使用し、高純度を要求される半導体製造で発生しやすい。
また、線膨張係数の差を緩和するためにスパッタリングターゲットとバッキングプレートの中間付近の線膨張係数を持つインサート材を入れるなどの応力を緩和させる手段もあるが、ボンディングによって金属接合したときや導電性樹脂を使用して接合したときと同様に、インサート材が揮発し、不純物の混入の問題が解決されない。
また、特許文献3に記載の発明では、スパッタリングターゲットとバッキングプレートは強固な拡散接合が形成されるまで行われるため、スパッタリングターゲットとバッキングプレートとの線膨張係数の差が大きく、かつ、スパッタリングターゲットの材質によっては、スパッタリングターゲットの拡散接合工程において、スパッタリングターゲットの割れが発生することがある。
そこで、本開示の目的は、曲げ強度の低いスパッタリングターゲットを用いた場合や、スパッタリングターゲットとバッキングプレートとの線膨張係数の差が大きく異なる場合であっても、スパッタリングターゲットの破損や剥離が抑制でき、また、不純物の揮発による汚染が抑制でき、さらには、ターゲット材として使われる高価な材料の損失を抑制しながら、ターゲット材の剥離回収を容易にすることができるスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体、その製造方法及びスパッタリングターゲットの回収方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、バッキングプレートの押圧面でターゲット側面を押圧して固定することにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体は、バッキングプレートにスパッタリングターゲットが接合されたスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体において、前記バッキングプレートは、プレート面と、プレート裏面と、プレート側面と、押圧面と、を有し、前記スパッタリングターゲットは、ターゲット面と、前記プレート面と向かい合うターゲット裏面と、ターゲット側面と、を有し、前記ターゲット側面が前記押圧面で押圧されていることによって、前記スパッタリングターゲットが前記バッキングプレートに固定されていることを特徴とする。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記押圧面の押圧は前記バッキングプレートの熱収縮によって生じていることが好ましい。ターゲット側面とバッキングプレートの押圧面とのカシメによる接合強度を向上させることに加え、スパッタリングターゲット及びバッキングプレートの厚さ方向に対してもカシメによる接合強度を向上させることができ、その結果、スパッタリングターゲットの使用時の接合強度を保ち、熱伝導を良好に保つことができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記バッキングプレートは、前記プレート面に凹部を有し、該凹部の側面が前記押圧面であることが好ましい。ターゲット側面とバッキングプレートの押圧面とのカシメによる接合強度を向上させることに加え、スパッタリングターゲット及びバッキングプレートの厚さ方向に対してもカシメによる接合強度を向上させることができ、その結果、スパッタリングターゲットの使用時の接合強度を保ち、熱伝導を良好に保つことができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記バッキングプレートは、前記プレート面に凸部を有し、該凸部の側面が前記押圧面であることが好ましい。ターゲット側面とバッキングプレートの押圧面とのカシメによる接合強度を向上させることに加え、スパッタリングターゲット及びバッキングプレートの厚さ方向に対してもカシメによる接合強度を向上させることができ、その結果、スパッタリングターゲットの使用時の接合強度を保ち、熱伝導を良好に保つことができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記バッキングプレートは、留め具を有し、該留め具の側面が前記押圧面であることが好ましい。ターゲット側面とバッキングプレートが有する留め具の押圧面とのカシメによる接合強度を向上させることに加え、スパッタリングターゲット及びバッキングプレートの厚さ方向に対してもカシメによる接合強度を向上させることができ、その結果、スパッタリングターゲットの使用時の接合強度を保ち、熱伝導を良好に保つことができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記留め具は、前記バッキングプレートの前記プレート面又は前記プレート側面に固定されていることが好ましい。留め具がバッキングプレートに取り付けられた構造であると、バッキングプレートの加工が容易となり、また、留め具を複雑な構造とすることもできる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記ターゲット側面は凹凸部分を有し、前記押圧面は凹凸部分を有し、かつ、前記ターゲット側面の凹凸部分と前記押圧面の凹凸部分とは、互いに嵌め込みあう構造となっていることが好ましい。スパッタリングターゲット及びバッキングプレートの厚さ方向に対する動きを制御することができ、その結果、スパッタリングターゲットの使用時の接合強度を保ち、熱伝導を良好に保つことができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートの界面に2.5mm以下の中間層を有し、該中間層は、Ni、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせからなることが好ましい。中間層を設けることでスパッタリングターゲットのターゲット裏面とバッキングプレートのプレート面との接合強度を向上させるとともに、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの界面に中間層を設けていることから、スパッタリングターゲットで中間層は覆われるため、中間層の材質が揮発して不純物となって基板に付着することを抑制することができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートの界面に10μm以下の中間層を有し、該中間層は、Ni、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる薄膜であることが好ましい。中間層を設けることでスパッタリングターゲットのターゲット裏面とバッキングプレートのプレート面の接合強度を向上させるとともに、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの界面に中間層を設けていることから、スパッタリングターゲットで中間層は覆われるため、中間層の材質が揮発して不純物となって基板に付着することを抑制することができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートの界面に1.0mm以下の中間層を有し、該中間層は、In、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせからなることが好ましい。中間層を設けることでスパッタリングターゲットのターゲット裏面とバッキングプレートのプレート面の接合強度を向上させるとともに、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの界面に中間層を設けていることから、スパッタリングターゲットで中間層は覆われるため、中間層の材質が揮発して不純物となって基板に付着することを抑制することができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートの界面に2層以上の中間層を有し、該中間層は、2.5mm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせ、10μm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる薄膜、または、1.0mm以下のIn、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせからなることが好ましい。中間層を2層以上設けることでスパッタリングターゲットのターゲット裏面とバッキングプレートのプレート面の接合強度を向上させるとともに、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの界面に中間層を設けていることから、スパッタリングターゲットで中間層は覆われるため、中間層の材質が揮発して不純物となって基板に付着することを抑制することができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記スパッタリングターゲットの材質がAl-Sc合金、Ru、Ru合金、Ir又はIr合金であることが好ましい。1000℃以上の高融点材料でもスパッタリングターゲットの反りや割れを抑制しつつ、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの接合強度を向上させることができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記スパッタリングターゲットの材質がLi系酸化物、Co系酸化物、Ti系酸化物又はMg系酸化物であることが好ましい。1000℃以上の高融点材料でもスパッタリングターゲットの反りや割れを抑制しつつ、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの接合強度を向上させることができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記バッキングプレートの材質がAl、Al合金、Cu、Cu合金、Fe又はFe合金であり、前記バッキングプレートの線膨張係数が30.0×10-6/℃以下であることが好ましい。バッキングプレートの熱伝導性が良いものを用いることで、加熱時においてバッキングプレートが膨張し、バッキングプレートの押圧面内にスパッタリングターゲットを挿入することができるとともに、冷却時においてバッキングプレートが収縮し、バッキングプレートの押圧面によってターゲット側面をカシメすることにより接合体を形成することができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記スパッタリングターゲットの曲げ強度が500MPa以下である形態を包含する。スパッタリングターゲットとバッキングプレートの接合体は、曲げ強さが弱いスパッタリングターゲットにも適用できる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記バッキングプレートの押圧面は、前記ターゲット側面を挟んで向かい合わせの位置に配置された対となる面を少なくとも有し、該対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離と、前記ターゲット側面のうち前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触しているスパッタリングターゲットの接触面同士の距離との関係が(数1)~(数5)を満たすことが好ましい。
(数1)DTG>DBP
(数2)DBP=DTG-ΔD×C
(数3)ΔD=DBP×ΔT×CTEBP-DTG×ΔT×CTETG
(数4)DTG-ΔD×4.0≦DBP≦DTG-ΔD×0.5
(数5)CTEBP>CTETG
ただし、DBP、DTG、ΔD、C、T、ΔT、CTEBP及びCTETGはそれぞれ次のことを意味する。
DBP:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離(mm)
DTG:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触するスパッタリングターゲットの接触面同士の距離(mm)
T:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させる温度(℃)(ただし、T>室温)
ΔT:T-室温(℃)
CTEBP:温度Tにおけるバッキングプレートの線膨張係数(1/℃)
CTETG:温度Tにおけるスパッタリングターゲットの線膨張係数(1/℃)
C:係数(ただし、C=0.5~4.0)
ΔD:室温から温度Tまで昇温させたときのバッキングプレートとスパッタリングターゲットの熱膨張量の差(mm)
ターゲット側面とバッキングプレートの押圧面とのカシメによってスパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合するときに、スパッタリングターゲットの割れや反りを抑制することができる。
(数1)DTG>DBP
(数2)DBP=DTG-ΔD×C
(数3)ΔD=DBP×ΔT×CTEBP-DTG×ΔT×CTETG
(数4)DTG-ΔD×4.0≦DBP≦DTG-ΔD×0.5
(数5)CTEBP>CTETG
ただし、DBP、DTG、ΔD、C、T、ΔT、CTEBP及びCTETGはそれぞれ次のことを意味する。
DBP:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離(mm)
DTG:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触するスパッタリングターゲットの接触面同士の距離(mm)
T:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させる温度(℃)(ただし、T>室温)
ΔT:T-室温(℃)
CTEBP:温度Tにおけるバッキングプレートの線膨張係数(1/℃)
CTETG:温度Tにおけるスパッタリングターゲットの線膨張係数(1/℃)
C:係数(ただし、C=0.5~4.0)
ΔD:室温から温度Tまで昇温させたときのバッキングプレートとスパッタリングターゲットの熱膨張量の差(mm)
ターゲット側面とバッキングプレートの押圧面とのカシメによってスパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合するときに、スパッタリングターゲットの割れや反りを抑制することができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記バッキングプレートの押圧面は、前記ターゲット側面を挟んで向かい合わせの位置に配置された対となる面を少なくとも有し、該対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離と、前記ターゲット側面のうち前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触しているスパッタリングターゲットの接触面同士の距離との関係が(数6)~(数10)を満たすことが好ましい。
(数6)DTG>DBP
(数7)DBP=DTG-ΔD×C
(数8)ΔD=DBP×ΔT×CTEBP-DTG×ΔT1×CT1ETG
(数9)DTG-ΔD×4.0≦DBP≦DTG-ΔD×0.5
(数10)CTEBP>CT1ETG
ただし、DBP、DTG、ΔD、C、T、ΔT、T1、ΔT1、CTEBP及びCT1ETGはそれぞれ次のことを意味する。
DBP:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離(mm)
DTG:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触するスパッタリングターゲットの接触面同士の距離(mm)
T:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させるときのバッキングプレートの温度(℃)(ただし、T>室温、T>T1)
ΔT:T-室温(℃)
T1:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させるときのスパッタリングターゲットの温度(℃)(ただし、T1≧室温、T>T1)
ΔT1:T1-室温(℃)
CTEBP:温度Tにおけるバッキングプレートの線膨張係数(1/℃)
CT1ETG:温度T1におけるスパッタリングターゲットの線膨張係数(1/℃)
C:係数(ただし、C=0.5~4.0)
ΔD:室温から温度Tまで昇温させたときのバッキングプレートと室温から温度T1まで昇温させたときのスパッタリングターゲットの熱膨張量の差(mm)
ターゲット側面とバッキングプレートの押圧面とのカシメによってスパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合するときに、スパッタリングターゲットの割れや反りを抑制することができる。
(数6)DTG>DBP
(数7)DBP=DTG-ΔD×C
(数8)ΔD=DBP×ΔT×CTEBP-DTG×ΔT1×CT1ETG
(数9)DTG-ΔD×4.0≦DBP≦DTG-ΔD×0.5
(数10)CTEBP>CT1ETG
ただし、DBP、DTG、ΔD、C、T、ΔT、T1、ΔT1、CTEBP及びCT1ETGはそれぞれ次のことを意味する。
DBP:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離(mm)
DTG:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触するスパッタリングターゲットの接触面同士の距離(mm)
T:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させるときのバッキングプレートの温度(℃)(ただし、T>室温、T>T1)
ΔT:T-室温(℃)
T1:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させるときのスパッタリングターゲットの温度(℃)(ただし、T1≧室温、T>T1)
ΔT1:T1-室温(℃)
CTEBP:温度Tにおけるバッキングプレートの線膨張係数(1/℃)
CT1ETG:温度T1におけるスパッタリングターゲットの線膨張係数(1/℃)
C:係数(ただし、C=0.5~4.0)
ΔD:室温から温度Tまで昇温させたときのバッキングプレートと室温から温度T1まで昇温させたときのスパッタリングターゲットの熱膨張量の差(mm)
ターゲット側面とバッキングプレートの押圧面とのカシメによってスパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合するときに、スパッタリングターゲットの割れや反りを抑制することができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記スパッタリングターゲットは、前記スパッタリングターゲットの前記ターゲット面の全周囲に前記バッキングプレートの前記プレート面が露出するように該バッキングプレートに嵌め込まれていることが好ましい。ターゲット側面とバッキングプレートの押圧面とのカシメによってスパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合した後でもプレート面の露出部を利用してスパッタリング装置にスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を容易に設置することができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、前記ターゲット面が前記プレート面よりも突出していることが好ましい。ターゲット側面とバッキングプレートの押圧面とのカシメによってスパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合するときに、スパッタリングターゲットの割れや反りを抑制することができる。また製造する際には、スパッタリングターゲット面のみ押圧して接合できる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法は、プレート面と、プレート裏面と、プレート側面と、押圧面とを有するバッキングプレートと、ターゲット面と、前記プレート面と向かい合うターゲット裏面と、ターゲット側面とを有するスパッタリングターゲットと、を準備する工程1と、前記バッキングプレートを加熱して熱膨張させる工程2と、前記ターゲット側面と前記バッキングプレートの押圧面とを向かい合わせになるように、前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートとを配置する工程3と、前記バッキングプレートを冷却して、前記ターゲット側面が、前記押圧面で押圧されたカシメ構造を形成する工程4と、を有することを特徴とする。バッキングプレートの押圧面によってターゲット側面をカシメすることによりスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を製造することができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法では、前記工程1と前記工程2の間又は前記工程2と前記工程3の間に、中間層となる材料を前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートとの接触箇所に充填又はコーティングする工程5をさらに有することが好ましい。ターゲット裏面とバッキングプレートのプレート面との接合強度を向上させ、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができるスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を製造することができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法では、前記工程3と前記工程4の間に、前記スパッタリングターゲットのターゲット裏面と前記バッキングプレートのプレート面とを拡散させるために、前記スパッタリングターゲットを押圧する工程6をさらに有することが好ましい。スパッタリングターゲットのターゲット裏面とバッキングプレートのプレート面を拡散させることにより、スパッタリングターゲットのターゲット裏面とバッキングプレートのプレート面とを全体にわたって接合させ、密着性が向上して熱伝導を効率よく行わせることができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法では、少なくとも前記工程2、前記工程3及び前記工程4において、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)、放電プラズマ焼結法(SPS)及びホットプレートによる加熱法のうち少なくとも1つの方法を用いて行うことが好ましい。スパッタリングターゲットとバッキングプレートとの接合をより確実に行い、密着性が向上して熱伝導を効率よく行うことができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法では、前記工程6において、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)及び放電プラズマ焼結法(SPS)の少なくとも1つの方法を用いて行うことが好ましい。スパッタリングターゲットのターゲット裏面とバッキングプレートのプレート面とを拡散させることにより、スパッタリングターゲットのターゲット裏面とバッキングプレートのプレート面とを全体にわたって接合させ、密着性が向上して熱伝導を効率よく行わせることができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法では、前記工程6において、10Pa以下の減圧雰囲気又は酸素濃度1000ppm以下の雰囲気とし、加熱温度を100~1000℃とし、かつ、押圧を0Pa以上80MPa以下の範囲とすることが好ましい。スパッタリングターゲットの酸素含有量を抑制することができる。
本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法では、前記工程4の後に、押圧又は加熱と押圧の工程及び冷却の工程を1組として1回行う又は2回以上繰り返し行うことが好ましい。スパッタリングターゲットの反りを抑制しつつ、スパッタリングターゲットのターゲット裏面とバッキングプレートのプレート面との接合強度をより向上させることができ、密着性が向上して熱伝導を効率よく行うことができる。
本発明に係るスパッタリングターゲットの回収方法は、本発明に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を加熱して、前記ターゲット側面から前記押圧面を離すまで熱膨脹させる工程Aと、前記スパッタリングターゲットを前記バッキングプレートから取り外して、前記スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体から前記スパッタリングターゲットを回収する工程Bと、を有することを特徴とする。
本開示は、曲げ強度の低いスパッタリングターゲットを用いた場合や、スパッタリングターゲットとバッキングプレートとの線膨張係数の差が大きく異なる場合であっても、スパッタリングターゲットの破損や剥離が抑制でき、また、不純物の揮発による汚染が抑制でき、さらには、ターゲット材として使われる高価な材料の損失を抑制しながら、ターゲット材の剥離回収を容易にすることができるスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体、その製造方法及びスパッタリングターゲットの回収方法を提供することができる。
以降、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。図中、各接合体において、同一名称の部位には、形状によらず、同一の符号を付した。
〈スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体〉
(形態1-1:バッキングプレートが凹部を有し、ターゲット側面の下部に切り欠きを有する形態)
図1及び図2を参照して、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を説明する。本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体100は、バッキングプレート1にスパッタリングターゲット2が接合されたスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体において、バッキングプレート1は、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5と、押圧面6と、を有し、スパッタリングターゲット2は、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9と、を有し、ターゲット側面9が押圧面6で押圧されていることによって、スパッタリングターゲット2がバッキングプレート1に固定されている。図2で示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体100では、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部は切り欠きを有し、ターゲット面7よりも小径のターゲット裏面8が形成されており、バッキングプレート1のプレート面3にスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と相似形の関係を有する凹部17が形成されている。スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の取り除き方としては、例えば、ターゲット側面9の下部において、ターゲット側面9を基準面として一定の深さの切り欠きを、ターゲット側面9の全周にわたって又は周方向の一部分において設ける。なお、本実施形態では、切り欠きにおける側面についてもターゲット側面9に含め、ターゲット側面9の下部と表現する。スパッタリングターゲット2がバッキングプレート1の凹部17に挿入されたとき、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8はバッキングプレート1の凹部17のプレート面3と当接する関係にあり、凹部17の側面16は押圧面6となってスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧し、バッキングプレート1にスパッタリングターゲット2が固定されている。
(形態1-1:バッキングプレートが凹部を有し、ターゲット側面の下部に切り欠きを有する形態)
図1及び図2を参照して、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を説明する。本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体100は、バッキングプレート1にスパッタリングターゲット2が接合されたスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体において、バッキングプレート1は、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5と、押圧面6と、を有し、スパッタリングターゲット2は、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9と、を有し、ターゲット側面9が押圧面6で押圧されていることによって、スパッタリングターゲット2がバッキングプレート1に固定されている。図2で示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体100では、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部は切り欠きを有し、ターゲット面7よりも小径のターゲット裏面8が形成されており、バッキングプレート1のプレート面3にスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と相似形の関係を有する凹部17が形成されている。スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の取り除き方としては、例えば、ターゲット側面9の下部において、ターゲット側面9を基準面として一定の深さの切り欠きを、ターゲット側面9の全周にわたって又は周方向の一部分において設ける。なお、本実施形態では、切り欠きにおける側面についてもターゲット側面9に含め、ターゲット側面9の下部と表現する。スパッタリングターゲット2がバッキングプレート1の凹部17に挿入されたとき、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8はバッキングプレート1の凹部17のプレート面3と当接する関係にあり、凹部17の側面16は押圧面6となってスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧し、バッキングプレート1にスパッタリングターゲット2が固定されている。
図1において、環状に網掛けをした箇所は、ターゲット側面9の下部に設けた切り欠きによって形成された平面とプレート面3との接触面の箇所を示しており、接触面は環状となっている。ただし、スパッタリングターゲット2の破損や剥離が抑制でき、不純物の揮発による汚染が抑制できるときは、不連続の接触面となっていてもよい。
なお、バッキングプレート1に設けられた凹部17は、バッキングプレート1の凹部17の側面16の全周に押圧面6を設け、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧してもよく、スパッタリングターゲット2の使用時においてスパッタリングターゲット2がバッキングプレート1から剥離しなければ、バッキングプレート1の凹部17の側面16に部分的に押圧面6を設け、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧してもよい。
図1及び図2では、円板形状のバッキングプレート1に円板形状のスパッタリングターゲット2が接合されている形態を示したが、図3に示すように長方形のバッキングプレート1に長方形のスパッタリングターゲット2が接合されている形態であってもよい。B‐B断面は、図2に示したA-A断面と同様の形状を有する。また、長方形の形状には正方形の形状が包含される。図3においても、環状に網掛けをした箇所は、ターゲット側面9の下部に設けた切り欠きによって形成された平面とプレート面3との接触面の箇所を示している。
(形態1-2:バッキングプレートが凹部を有し、ターゲット側面の下部に切り欠きがない形態)
図4で示す本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体200では、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8の形状を、切り欠きを設けずにそのままにして、バッキングプレート1のプレート面3にスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と相似形の関係を有する凹部17を形成し、スパッタリングターゲット2がバッキングプレート1の凹部17に挿入されたとき、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8はバッキングプレート1の凹部17のプレート面3と当接する関係にあり、凹部17の側面16は押圧面6となってスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧することもできる。
図4で示す本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体200では、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8の形状を、切り欠きを設けずにそのままにして、バッキングプレート1のプレート面3にスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と相似形の関係を有する凹部17を形成し、スパッタリングターゲット2がバッキングプレート1の凹部17に挿入されたとき、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8はバッキングプレート1の凹部17のプレート面3と当接する関係にあり、凹部17の側面16は押圧面6となってスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧することもできる。
なお、バッキングプレート1に設けられた凹部17は、バッキングプレート1の凹部17の側面16の全周に押圧面6を設けてスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧してもよく、スパッタリングターゲット2の使用時においてスパッタリングターゲット2がバッキングプレート1から剥離しなければ、バッキングプレート1の凹部17の側面16の部分的に押圧面6を設けてスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧してもよい。
(形態2-1:バッキングプレートが凸部を有し、ターゲット側面の下部に切り欠きを有する形態)
図5で示す本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体300では、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部は切り欠きを有し、ターゲット面7よりも小径のターゲット裏面8が形成されており、バッキングプレート1のプレート面3にスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8の輪郭と相似形の内輪郭を有する凸部13が形成されている。スパッタリングターゲット2がバッキングプレート1の凸部13の内側の領域に挿入されたとき、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8はバッキングプレート1の凸部13の内側の領域のプレート面3と当接する関係にあり、凸部13の内側の側面は押圧面6となってスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧することもできる。
図5で示す本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体300では、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部は切り欠きを有し、ターゲット面7よりも小径のターゲット裏面8が形成されており、バッキングプレート1のプレート面3にスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8の輪郭と相似形の内輪郭を有する凸部13が形成されている。スパッタリングターゲット2がバッキングプレート1の凸部13の内側の領域に挿入されたとき、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8はバッキングプレート1の凸部13の内側の領域のプレート面3と当接する関係にあり、凸部13の内側の側面は押圧面6となってスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧することもできる。
このとき、凸部13の形成方法としては、(1)バッキングプレート1のプレート面3を切削して凸部13を形成する方法(図5に図示。)、(2)バッキングプレート1とは別に留め具を用意し、必要に応じて前記留め具の内輪郭をスパッタリングターゲット2のターゲット側面の輪郭と相似形となるように適宜加工した後、留め具をねじ止め、拡散接合、溶接などの方法を用いてバッキングプレート1のプレート面3に接合することによって凸部13を形成する方法(図20に図示。)がある。
なお、バッキングプレート1に設けられた凸部13は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9に対して全周凸部を設けてバッキングプレート1の凸部内側の押圧面6でスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧してもよく、スパッタリングターゲット2の使用時においてスパッタリングターゲット2がバッキングプレート1から剥離しなければ、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9に対して部分的に凸部13を設けてバッキングプレート1の凸部内側の押圧面6でスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧してもよい。
(形態2-2:バッキングプレートが凸部を有し、ターゲット側面の下部に切り欠きがない形態)
図6で示す本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体400では、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部は切り欠きを設けずに、ターゲット裏面8の形状をそのままにして、バッキングプレート1のプレート面3にスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8の輪郭と相似形の内輪郭を有する凸部13を形成し、スパッタリングターゲット2がバッキングプレート1の凸部13の内側の領域に挿入されたとき、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8はバッキングプレート1の凸部13の内側の領域のプレート面3と当接する関係にあり、凸部13の内側の側面は押圧面6となってスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧することもできる。
図6で示す本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体400では、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部は切り欠きを設けずに、ターゲット裏面8の形状をそのままにして、バッキングプレート1のプレート面3にスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8の輪郭と相似形の内輪郭を有する凸部13を形成し、スパッタリングターゲット2がバッキングプレート1の凸部13の内側の領域に挿入されたとき、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8はバッキングプレート1の凸部13の内側の領域のプレート面3と当接する関係にあり、凸部13の内側の側面は押圧面6となってスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧することもできる。
なお、バッキングプレート1に設けられた凸部13は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9に対して全周凸部を設けてバッキングプレート1の凸部内側の押圧面6でスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧してもよく、スパッタリングターゲット2の使用時においてスパッタリングターゲット2がバッキングプレート1から剥離しなければ、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9に対して部分的に凸部13を設けてバッキングプレート1の凸部内側の押圧面6でスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧してもよい。
本実施形態では、例えば、図1~図6に示した形態において、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9をバッキングプレート1の押圧面6で押圧するときは、バッキングプレートの熱収縮を利用して押圧することが好ましい。室温において、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8をバッキングプレート1の押圧面6の内側よりも大きくなるようにあらかじめ加工しておく。スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8をバッキングプレート1の押圧面6の内側に挿入するときは、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させることによってバッキングプレート1の押圧面6の内側をスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8より大きくする。その後、バッキングプレート1の押圧面6の内側にスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8を挿入して、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1の凹部17の内側のプレート面3若しくは凸部13の内側のプレート面3とを当接させた後、バッキングプレート1を冷却してバッキングプレート1の押圧面6の内側を小さくすることによって、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9をバッキングプレート1の押圧面6で押圧することができる。スパッタリングターゲット2のターゲット側面9をバッキングプレート1の押圧面6で押圧するために、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8がバッキングプレート1の凹部開口面若しくは凸部内側の開口面よりも大きいことが好ましい。
(形態3:バッキングプレートが凸部を有し、凸部の押圧面が凹凸部を有し、ターゲット側面の下部に除去部(小径部)を有し、除去部の側面が凹凸部を有する形態)
図7に示すように、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体500では、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9は凹凸部分18を有し、バッキングプレート1の押圧面6は凹凸部分19を有し、かつ、ターゲット側面9の凹凸部分18とバッキングプレート1の押圧面6の凹凸部分19とは、互いに嵌め込みあう構造となっていることが好ましい。ターゲット側面9の凹凸部分18は、図7に示すように、スパッタリングターゲット2がターゲット側面9に切り欠きを有するときは、切り欠きに凹凸部分18を設けることが好ましい。スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6との押圧による接合強度を向上させることに加え、スパッタリングターゲット2及びバッキングプレート1の厚さ方向に対しても押圧による接合強度を向上させることができる。その結果、スパッタリングターゲット2の使用時の接合強度を保ち、熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の側面方向及び厚さ方向とバッキングプレート1の押圧面6の側面方向及び厚さ方向の押圧による接合強度が十分であれば、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1の凸部13の内側のプレート面3との接合強度は意図的に弱めることもできるため、スパッタリングターゲット2の使用後において、バッキングプレート1からスパッタリングターゲット2の剥離、回収を容易に行うことができる。図7におけるスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の凹凸部分18とバッキングプレート1の押圧面6の凹凸部分19については、図7(A)~図7(N)などに示される凹凸の形態を用いて当接させてもよい。また、凸部13の外側の側面とスパッタリングターゲット2のターゲット側面9とは、例えば、図7及び図7(A)~図7(N)に示すように段差のない連側面を形成していることが好ましいが、図7(O)又は図7(P)に示すように段差があってもよい。図7(O)は、ターゲット側面9が凸部13の外側の側面よりも外側に突出している形態である。図7(P)は、凸部13の外側の側面がターゲット側面9よりも外側に突出している形態である。
図7に示すように、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体500では、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9は凹凸部分18を有し、バッキングプレート1の押圧面6は凹凸部分19を有し、かつ、ターゲット側面9の凹凸部分18とバッキングプレート1の押圧面6の凹凸部分19とは、互いに嵌め込みあう構造となっていることが好ましい。ターゲット側面9の凹凸部分18は、図7に示すように、スパッタリングターゲット2がターゲット側面9に切り欠きを有するときは、切り欠きに凹凸部分18を設けることが好ましい。スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6との押圧による接合強度を向上させることに加え、スパッタリングターゲット2及びバッキングプレート1の厚さ方向に対しても押圧による接合強度を向上させることができる。その結果、スパッタリングターゲット2の使用時の接合強度を保ち、熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の側面方向及び厚さ方向とバッキングプレート1の押圧面6の側面方向及び厚さ方向の押圧による接合強度が十分であれば、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1の凸部13の内側のプレート面3との接合強度は意図的に弱めることもできるため、スパッタリングターゲット2の使用後において、バッキングプレート1からスパッタリングターゲット2の剥離、回収を容易に行うことができる。図7におけるスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の凹凸部分18とバッキングプレート1の押圧面6の凹凸部分19については、図7(A)~図7(N)などに示される凹凸の形態を用いて当接させてもよい。また、凸部13の外側の側面とスパッタリングターゲット2のターゲット側面9とは、例えば、図7及び図7(A)~図7(N)に示すように段差のない連側面を形成していることが好ましいが、図7(O)又は図7(P)に示すように段差があってもよい。図7(O)は、ターゲット側面9が凸部13の外側の側面よりも外側に突出している形態である。図7(P)は、凸部13の外側の側面がターゲット側面9よりも外側に突出している形態である。
(形態4-1:中間層を有する形態)
図8に示すように、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600では、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に2.5mm以下の中間層10を有し、中間層10は、Ni、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせからなることが好ましい。中間層10によってスパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の線膨張係数の差を緩和することで加熱による膨張や冷却による収縮の繰り返しによるスパッタリングターゲット2の破損や反りをより抑制することができる。また、中間層10を設けることでスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレートの凹部17のプレート面3との接合強度を向上させるとともに、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に中間層10を設けていることから、スパッタリングターゲット2で中間層10は覆われるため、中間層10の材質が揮発して不純物となって基板に付着することを抑制することができる。中間層10についてNi、Cr、Al、Cuの元素を選択した理由は、密着性、熱伝導及び線膨張係数の観点から好適だからである。中間層10が板材である場合、板材が2.5mmより厚いとバッキングプレート1の凹部をより深く設けなければならないため、バッキングプレート1の厚みを増やさなければならないことが発生する場合がある。中間層10が粉末層である場合、加熱によって、粉末の状態である形態、粉末が焼結した形態、又は粉末が加熱によって溶融した形態がある。なお、粉末が加熱によって溶融した形態は、中間層10が板材である形態と類似する。中間層10は、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1の凹部17のプレート面3との間に設けることが好ましいが、これに加えてさらに、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6が設けられている内側の箇所との界面に設けてもよい。
図8に示すように、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600では、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に2.5mm以下の中間層10を有し、中間層10は、Ni、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせからなることが好ましい。中間層10によってスパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の線膨張係数の差を緩和することで加熱による膨張や冷却による収縮の繰り返しによるスパッタリングターゲット2の破損や反りをより抑制することができる。また、中間層10を設けることでスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレートの凹部17のプレート面3との接合強度を向上させるとともに、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に中間層10を設けていることから、スパッタリングターゲット2で中間層10は覆われるため、中間層10の材質が揮発して不純物となって基板に付着することを抑制することができる。中間層10についてNi、Cr、Al、Cuの元素を選択した理由は、密着性、熱伝導及び線膨張係数の観点から好適だからである。中間層10が板材である場合、板材が2.5mmより厚いとバッキングプレート1の凹部をより深く設けなければならないため、バッキングプレート1の厚みを増やさなければならないことが発生する場合がある。中間層10が粉末層である場合、加熱によって、粉末の状態である形態、粉末が焼結した形態、又は粉末が加熱によって溶融した形態がある。なお、粉末が加熱によって溶融した形態は、中間層10が板材である形態と類似する。中間層10は、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1の凹部17のプレート面3との間に設けることが好ましいが、これに加えてさらに、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6が設けられている内側の箇所との界面に設けてもよい。
(形態4-2:中間層を有する形態)
図8に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600では、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を設け、凹部17のプレート面3に中間層10を設けることついて説明したが、図9に示すスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体700のように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13の押圧面6を形成した場合においても同様に中間層10を設けることができる。
図8に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600では、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を設け、凹部17のプレート面3に中間層10を設けることついて説明したが、図9に示すスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体700のように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13の押圧面6を形成した場合においても同様に中間層10を設けることができる。
(形態4-3:中間層を有する形態)
図8に示した形態と同様に、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600では、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に10μm以下の中間層10を有し、中間層10は、Ni、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる薄膜であることが好ましい。中間層10によってスパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の線膨張係数の差を緩和することで加熱による膨張や冷却による収縮の繰り返しによるスパッタリングターゲット2の破損や反りをより抑制することができる。中間層10の膜厚が10μmより厚くても中間層10を形成する時間を要するだけであり、中間層10としての効果は10μm以下のものとあまり効果が変わらない。また、中間層10を設けることでスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1の凹部17のプレート面3との接合強度を向上させるとともに、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に中間層10を設けていることから、スパッタリングターゲット2で中間層10は覆われるため、中間層10の材質が揮発して不純物となって基板に付着することを抑制することができる。中間層10についてNi、Cr、Al、Cuの元素を選択した理由は、密着性、熱伝導及び線膨張係数の観点から好適だからである。薄膜は、スパッタリングによる薄膜であることが好ましく、バッキングプレート1の凹部17のプレート面3に成膜することが好ましい。また、厚さ10μm以下の箔でもよい。中間層10は、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1の凹部17のプレート面3との間に設けることが好ましいが、これに加えてさらに、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6が設けられている内側の箇所との界面に設けてもよい。
図8に示した形態と同様に、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600では、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に10μm以下の中間層10を有し、中間層10は、Ni、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる薄膜であることが好ましい。中間層10によってスパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の線膨張係数の差を緩和することで加熱による膨張や冷却による収縮の繰り返しによるスパッタリングターゲット2の破損や反りをより抑制することができる。中間層10の膜厚が10μmより厚くても中間層10を形成する時間を要するだけであり、中間層10としての効果は10μm以下のものとあまり効果が変わらない。また、中間層10を設けることでスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1の凹部17のプレート面3との接合強度を向上させるとともに、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に中間層10を設けていることから、スパッタリングターゲット2で中間層10は覆われるため、中間層10の材質が揮発して不純物となって基板に付着することを抑制することができる。中間層10についてNi、Cr、Al、Cuの元素を選択した理由は、密着性、熱伝導及び線膨張係数の観点から好適だからである。薄膜は、スパッタリングによる薄膜であることが好ましく、バッキングプレート1の凹部17のプレート面3に成膜することが好ましい。また、厚さ10μm以下の箔でもよい。中間層10は、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1の凹部17のプレート面3との間に設けることが好ましいが、これに加えてさらに、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6が設けられている内側の箇所との界面に設けてもよい。
(形態4-4:中間層を有する形態)
図8に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600では、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を設け、凹部17のプレート面3に中間層10を設けることついて説明したが、図9に示すスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体700のように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13の押圧面6を形成した場合においても同様に中間層10を設けることができる。
図8に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600では、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を設け、凹部17のプレート面3に中間層10を設けることついて説明したが、図9に示すスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体700のように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13の押圧面6を形成した場合においても同様に中間層10を設けることができる。
(形態4-5:中間層を有する形態)
図8に示した形態と同様に、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600は、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に1.0mm以下の中間層10を有し、中間層10は、In、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせからなることが好ましい。中間層10によってスパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の線膨張係数の差を緩和することで加熱による膨張や冷却による収縮の繰り返しによるスパッタリングターゲット2の破損や反りをより抑制することができる。また、中間層10を設けることでスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1の凹部17のプレート面3との接合強度を向上させるとともに、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に中間層10を設けていることから、スパッタリングターゲット2で中間層10は覆われるため、中間層10の材質が揮発して不純物となって基板に付着することを抑制することができる。中間層10についてIn、Znの元素を選択した理由は、密着性、熱伝導及び線膨張係数の観点から好適だからである。中間層10が板材である場合、板材が1.0mmより厚いとバッキングプレート1の凹部をより深く設けなければならないため、バッキングプレート1の厚みを増やさなければならないことが発生する場合がある。中間層10が粉末層である場合、加熱によって、粉末の状態である形態、粉末が焼結した形態、又は粉末が加熱によって溶融した形態がある。なお、粉末が加熱によって溶融した形態は、中間層10が板材である形態と類似する。中間層10は、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1のプレート面3との間に設けることが好ましいが、これに加えてさらに、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6が設けられている内側の箇所との界面に設けてもよい。
図8に示した形態と同様に、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600は、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に1.0mm以下の中間層10を有し、中間層10は、In、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせからなることが好ましい。中間層10によってスパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の線膨張係数の差を緩和することで加熱による膨張や冷却による収縮の繰り返しによるスパッタリングターゲット2の破損や反りをより抑制することができる。また、中間層10を設けることでスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1の凹部17のプレート面3との接合強度を向上させるとともに、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。また、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に中間層10を設けていることから、スパッタリングターゲット2で中間層10は覆われるため、中間層10の材質が揮発して不純物となって基板に付着することを抑制することができる。中間層10についてIn、Znの元素を選択した理由は、密着性、熱伝導及び線膨張係数の観点から好適だからである。中間層10が板材である場合、板材が1.0mmより厚いとバッキングプレート1の凹部をより深く設けなければならないため、バッキングプレート1の厚みを増やさなければならないことが発生する場合がある。中間層10が粉末層である場合、加熱によって、粉末の状態である形態、粉末が焼結した形態、又は粉末が加熱によって溶融した形態がある。なお、粉末が加熱によって溶融した形態は、中間層10が板材である形態と類似する。中間層10は、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1のプレート面3との間に設けることが好ましいが、これに加えてさらに、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6が設けられている内側の箇所との界面に設けてもよい。
(形態4-6:中間層を有する形態)
図8に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600では、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を設け、凹部17のプレート面3に中間層10を設けることについて説明したが、図9に示すスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体700のように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13の押圧面6を形成した場合においても同様に中間層10を設けることができる。
図8に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体600では、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を設け、凹部17のプレート面3に中間層10を設けることについて説明したが、図9に示すスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体700のように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13の押圧面6を形成した場合においても同様に中間層10を設けることができる。
(形態4-7:中間層を有する形態)
図10に示すように、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体800は、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に2層の中間層10を有し、中間層10aは、2.5mm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせ、10μm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる薄膜、または、1.0mm以下のIn、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせのいずれかからなり、中間層10bは、2.5mm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせ、10μm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる薄膜、または、1.0mm以下のIn、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせのいずれかからなることが好ましい。中間層10によってスパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の線膨張係数の差を緩和することで加熱による膨張や冷却による収縮の繰り返しによるスパッタリングターゲット2の破損や反りをより抑制することができる。バッキングプレート1との界面に設置された中間層10aをNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金、In、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる各種形態の材料で形成する理由は、密着性、熱伝導及び線膨張係数の観点から好適だからである。また、スパッタリングターゲット2との界面に設置された中間層10bをNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金、In、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる各種形態の材料で形成する理由は、密着性、熱伝導及び線膨張係数の観点から好適だからである。なお、図10では中間層が2層の形態を示したが、上記で説明した中間層の効果が得られていれば、中間層が3層以上の形態でもよい。
図10に示すように、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体800は、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の界面に2層の中間層10を有し、中間層10aは、2.5mm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせ、10μm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる薄膜、または、1.0mm以下のIn、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせのいずれかからなり、中間層10bは、2.5mm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせ、10μm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる薄膜、または、1.0mm以下のIn、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせのいずれかからなることが好ましい。中間層10によってスパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の線膨張係数の差を緩和することで加熱による膨張や冷却による収縮の繰り返しによるスパッタリングターゲット2の破損や反りをより抑制することができる。バッキングプレート1との界面に設置された中間層10aをNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金、In、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる各種形態の材料で形成する理由は、密着性、熱伝導及び線膨張係数の観点から好適だからである。また、スパッタリングターゲット2との界面に設置された中間層10bをNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金、In、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる各種形態の材料で形成する理由は、密着性、熱伝導及び線膨張係数の観点から好適だからである。なお、図10では中間層が2層の形態を示したが、上記で説明した中間層の効果が得られていれば、中間層が3層以上の形態でもよい。
(形態4-8:中間層を有する形態)
図10に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体800では、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を設け、凹部17のプレート面3に中間層10a、10bを設けることについて説明したが、図11に示すスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体900のように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13の押圧面6を形成した場合においても同様に中間層10a、10bを設けることができる。
図10に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体800では、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を設け、凹部17のプレート面3に中間層10a、10bを設けることについて説明したが、図11に示すスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体900のように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13の押圧面6を形成した場合においても同様に中間層10a、10bを設けることができる。
(スパッタリングターゲットの材質)
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体は、スパッタリングターゲット2の材質がAl-Sc合金、Ru、Ru合金、Ir又はIr合金を用いることができる。また、Li系酸化物、Co系酸化物、Ti系酸化物又はMg系酸化物なども用いることもできる。1000℃以上の高融点材料でもスパッタリングターゲットの反りや割れを抑制しつつ、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの接合強度を向上させることができる。
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体は、スパッタリングターゲット2の材質がAl-Sc合金、Ru、Ru合金、Ir又はIr合金を用いることができる。また、Li系酸化物、Co系酸化物、Ti系酸化物又はMg系酸化物なども用いることもできる。1000℃以上の高融点材料でもスパッタリングターゲットの反りや割れを抑制しつつ、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの接合強度を向上させることができる。
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体は、バッキングプレート1の材質がAl、Al合金、Cu、Cu合金、Fe又はFe合金であり、線膨張係数が30.0×10-6/℃以下であることが好ましい。線膨脹係数は、好ましくは28.5×10-6/℃以下であり、さらに好ましくは27.3×10-6/℃以下である。線膨張係数が30.0×10-6/℃より大きいと、バッキングプレート1の加熱による膨張や冷却による収縮が繰り返し発生することによってスパッタリングターゲットの割れや反りが発生してしまうため、線膨張係数が30.0×10-6/℃以下であることが好ましい。また、バッキングプレートの熱伝導性が良いものを用いることで、加熱時においてバッキングプレートが膨張し、バッキングプレートの押圧面内にスパッタリングターゲットを挿入することができるとともに、冷却時においてバッキングプレートが収縮し、バッキングプレートの押圧面によってターゲット側面9をカシメすることにより接合体を形成することができる。線膨張係数の下限は、6.0×10-6/℃以上であることが好ましい。
[スパッタリングターゲットの曲げ強度]
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体は、スパッタリングターゲット2の曲げ強度が500MPa以下であるものにも適用することができる。本実施形態は、曲げ強さが弱いスパッタリングターゲットにも適用できる。なお、曲げ強度は、例えば、JIS R 1601:2008の規格に基づいて測定される。
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体は、スパッタリングターゲット2の曲げ強度が500MPa以下であるものにも適用することができる。本実施形態は、曲げ強さが弱いスパッタリングターゲットにも適用できる。なお、曲げ強度は、例えば、JIS R 1601:2008の規格に基づいて測定される。
[線膨脹係数を含む関係式](ΔTが共通)
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、バッキングプレート1の押圧面6は、ターゲット側面9を挟んで向かい合わせの位置に配置された対となる面を少なくとも有し、該対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離と、前記ターゲット側面のうち前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触しているスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離との関係が(数1)~(数5)を満たすことが好ましい。
(数1)DTG>DBP
(数2)DBP=DTG-ΔD×C
(数3)ΔD=DBP×ΔT×CTEBP-DTG×ΔT×CTETG
(数4)DTG-ΔD×4.0≦DBP≦DTG-ΔD×0.5
(数5)CTEBP>CTETG
ただし、DBP、DTG、ΔD、C、T、ΔT、CTEBP及びCTETGはそれぞれ次のことを意味する。
DBP:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離(mm)
DTG:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触するスパッタリングターゲットの接触面同士の距離(mm)
T:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させる温度(℃)(ただし、T>室温)
ΔT:T-室温(℃)
CTEBP:温度Tにおけるバッキングプレートの線膨張係数(1/℃)
CTETG:温度Tにおけるスパッタリングターゲットの線膨張係数(1/℃)
C:係数(ただし、C=0.5~4.0)
ΔD:室温から温度Tまで昇温させたときのバッキングプレートとスパッタリングターゲットの熱膨張量の差(mm)
ここで、バッキングプレート1の平面の形状が長方形であるとき、スパッタリングターゲット2の長辺とバッキングプレート1の長辺を対応させ、スパッタリングターゲット2の短辺とバッキングプレート1の短辺とを対応させる。(数1)に示されるごとく、室温では、スパッタリングターゲット2の接触面同士の距離の方がバッキングプレート1の押圧面同士の距離よりも大きく、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の押圧面6の内側に入れることはできない。ここで、室温は25℃とする。ここで、(1)の形態として、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2の両方を温度Tまで昇温させる形態を考える。バッキングプレート1を室温からバッキングプレートを熱膨張させる温度Tまで昇温させると、バッキングプレート1の押圧面同士の距離は、(DBP×ΔT×CTEBP)で求められる長さの熱膨張をする。また、スパッタリングターゲット2を室温から温度Tまで昇温させると、スパッタリングターゲット2の接触面同士の距離は、(DTG×ΔT×CTETG)で求められる長さの熱膨張をする。したがって、線膨脹係数について(数5)の関係が成立するとき、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2の両方を温度Tまで昇温させると、ΔDの長さ分だけ、バッキングプレート1の押圧面6がスパッタリングターゲット2の接触面よりも熱膨張する。この熱膨張によって、バッキングプレート1の押圧面同士の距離がスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離と同じ又は大きくなれば、バッキングプレート1の押圧面6の内側にスパッタリングターゲット2を嵌め込むことが可能となる。そして、室温まで降温させると、(数1)に示される関係によって、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧することになる。前記の(1)の形態において、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧することを可能にするには、バッキングプレート1の熱膨脹によって、バッキングプレート1の押圧面同士の距離がスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離を逆転しなければならない。そこで、室温におけるバッキングプレート1の押圧面同士の距離を、室温におけるスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離と比較して、どれだけ小さく設定することができるかの関係を示したのが(数2)及び(数4)である。(数2)及び(数4)においてCは係数であるが、Cが0.5~4.0の範囲内であるとき、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧してスパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合するときに、スパッタリングターゲットの割れや反りを抑制することができる。
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、バッキングプレート1の押圧面6は、ターゲット側面9を挟んで向かい合わせの位置に配置された対となる面を少なくとも有し、該対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離と、前記ターゲット側面のうち前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触しているスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離との関係が(数1)~(数5)を満たすことが好ましい。
(数1)DTG>DBP
(数2)DBP=DTG-ΔD×C
(数3)ΔD=DBP×ΔT×CTEBP-DTG×ΔT×CTETG
(数4)DTG-ΔD×4.0≦DBP≦DTG-ΔD×0.5
(数5)CTEBP>CTETG
ただし、DBP、DTG、ΔD、C、T、ΔT、CTEBP及びCTETGはそれぞれ次のことを意味する。
DBP:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離(mm)
DTG:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触するスパッタリングターゲットの接触面同士の距離(mm)
T:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させる温度(℃)(ただし、T>室温)
ΔT:T-室温(℃)
CTEBP:温度Tにおけるバッキングプレートの線膨張係数(1/℃)
CTETG:温度Tにおけるスパッタリングターゲットの線膨張係数(1/℃)
C:係数(ただし、C=0.5~4.0)
ΔD:室温から温度Tまで昇温させたときのバッキングプレートとスパッタリングターゲットの熱膨張量の差(mm)
ここで、バッキングプレート1の平面の形状が長方形であるとき、スパッタリングターゲット2の長辺とバッキングプレート1の長辺を対応させ、スパッタリングターゲット2の短辺とバッキングプレート1の短辺とを対応させる。(数1)に示されるごとく、室温では、スパッタリングターゲット2の接触面同士の距離の方がバッキングプレート1の押圧面同士の距離よりも大きく、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の押圧面6の内側に入れることはできない。ここで、室温は25℃とする。ここで、(1)の形態として、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2の両方を温度Tまで昇温させる形態を考える。バッキングプレート1を室温からバッキングプレートを熱膨張させる温度Tまで昇温させると、バッキングプレート1の押圧面同士の距離は、(DBP×ΔT×CTEBP)で求められる長さの熱膨張をする。また、スパッタリングターゲット2を室温から温度Tまで昇温させると、スパッタリングターゲット2の接触面同士の距離は、(DTG×ΔT×CTETG)で求められる長さの熱膨張をする。したがって、線膨脹係数について(数5)の関係が成立するとき、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2の両方を温度Tまで昇温させると、ΔDの長さ分だけ、バッキングプレート1の押圧面6がスパッタリングターゲット2の接触面よりも熱膨張する。この熱膨張によって、バッキングプレート1の押圧面同士の距離がスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離と同じ又は大きくなれば、バッキングプレート1の押圧面6の内側にスパッタリングターゲット2を嵌め込むことが可能となる。そして、室温まで降温させると、(数1)に示される関係によって、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧することになる。前記の(1)の形態において、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧することを可能にするには、バッキングプレート1の熱膨脹によって、バッキングプレート1の押圧面同士の距離がスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離を逆転しなければならない。そこで、室温におけるバッキングプレート1の押圧面同士の距離を、室温におけるスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離と比較して、どれだけ小さく設定することができるかの関係を示したのが(数2)及び(数4)である。(数2)及び(数4)においてCは係数であるが、Cが0.5~4.0の範囲内であるとき、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧してスパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合するときに、スパッタリングターゲットの割れや反りを抑制することができる。
本実施形態では、上記で説明した(1)バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2の両方を温度Tまで昇温させる形態のみならず、(2)バッキングプレート1を温度Tまで昇温させ、スパッタリングターゲット2を温度Tよりも低い温度T1までしか昇温させない形態、及び(3)バッキングプレート1を温度Tまで昇温させ、スパッタリングターゲット2を昇温させない形態を包含する。
[線膨脹係数を含む関係式](ΔT(BP)とΔT1(TG)で異なる)
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、バッキングプレート1の押圧面6は、ターゲット側面9を挟んで向かい合わせの位置に配置された対となる面を少なくとも有し、該対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離と、前記ターゲット側面のうち前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触しているスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離との関係が(数6)~(数10)を満たすことが好ましい。
(数6)DTG>DBP
(数7)DBP=DTG-ΔD×C
(数8)ΔD=DBP×ΔT×CTEBP-DTG×ΔT1×CT1ETG
(数9)DTG-ΔD×4.0≦DBP≦DTG-ΔD×0.5
(数10)CTEBP>CT1ETG
ただし、DBP、DTG、ΔD、C、T、ΔT、T1、ΔT1、CTEBP及びCT1ETGはそれぞれ次のことを意味する。
DBP:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離(mm)
DTG:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触するスパッタリングターゲットの接触面同士の距離(mm)
T:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させるときのバッキングプレートの温度(℃)(ただし、T>室温、T>T1)
ΔT:T-室温(℃)
T1:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させるときのスパッタリングターゲットの温度(℃)(ただし、T1≧室温、T>T1)
ΔT1:T1-室温(℃)
CTEBP:温度Tにおけるバッキングプレートの線膨張係数(1/℃)
CT1ETG:温度T1におけるスパッタリングターゲットの線膨張係数(1/℃)
C:係数(ただし、C=0.5~4.0)
ΔD:室温から温度Tまで昇温させたときのバッキングプレートと室温から温度T1まで昇温させたときのスパッタリングターゲットの熱膨張量の差(mm)
ここで、(3)の形態について、同様に検討すると、バッキングプレート1を室温からバッキングプレートを熱膨張させる温度Tまで昇温させると、バッキングプレート1の押圧面同士の距離は、(DBP×ΔT×CTEBP)で求められる長さの熱膨張をする。また、スパッタリングターゲット2は室温のままであるから、スパッタリングターゲット2の接触面同士の距離は、熱膨張しない。そうすると、バッキングプレート1のみを温度Tまで昇温することによって熱膨脹させると、バッキングプレート1の押圧面同士の距離は(DBP×ΔT×CTEBP)で求められる長さ分だけ熱膨張し、バッキングプレート1の押圧面同士の距離がスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離よりも熱膨張することによってバッキングプレート1の押圧面6の内側にスパッタリングターゲット2を嵌め込むことが可能となる。そして、室温まで降温させると、(数6)に示される関係によって、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧することになる。前記の(3)の形態において、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧することを可能にするには、バッキングプレート1の熱膨脹によって、バッキングプレート1の押圧面同士の距離がスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離を逆転しなければならない。そこで、室温におけるバッキングプレート1の押圧面同士の距離を、室温におけるスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離と比較して、どれだけ小さく設定することができるかの関係を示したのが(数7)及び(数9)である。(数7)及び(数9)においてCは係数であるが、Cが0.5~4.0の範囲内であるとき、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧してスパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合するときに、スパッタリングターゲットの割れや反りを抑制することができる。
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、バッキングプレート1の押圧面6は、ターゲット側面9を挟んで向かい合わせの位置に配置された対となる面を少なくとも有し、該対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離と、前記ターゲット側面のうち前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触しているスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離との関係が(数6)~(数10)を満たすことが好ましい。
(数6)DTG>DBP
(数7)DBP=DTG-ΔD×C
(数8)ΔD=DBP×ΔT×CTEBP-DTG×ΔT1×CT1ETG
(数9)DTG-ΔD×4.0≦DBP≦DTG-ΔD×0.5
(数10)CTEBP>CT1ETG
ただし、DBP、DTG、ΔD、C、T、ΔT、T1、ΔT1、CTEBP及びCT1ETGはそれぞれ次のことを意味する。
DBP:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離(mm)
DTG:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触するスパッタリングターゲットの接触面同士の距離(mm)
T:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させるときのバッキングプレートの温度(℃)(ただし、T>室温、T>T1)
ΔT:T-室温(℃)
T1:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させるときのスパッタリングターゲットの温度(℃)(ただし、T1≧室温、T>T1)
ΔT1:T1-室温(℃)
CTEBP:温度Tにおけるバッキングプレートの線膨張係数(1/℃)
CT1ETG:温度T1におけるスパッタリングターゲットの線膨張係数(1/℃)
C:係数(ただし、C=0.5~4.0)
ΔD:室温から温度Tまで昇温させたときのバッキングプレートと室温から温度T1まで昇温させたときのスパッタリングターゲットの熱膨張量の差(mm)
ここで、(3)の形態について、同様に検討すると、バッキングプレート1を室温からバッキングプレートを熱膨張させる温度Tまで昇温させると、バッキングプレート1の押圧面同士の距離は、(DBP×ΔT×CTEBP)で求められる長さの熱膨張をする。また、スパッタリングターゲット2は室温のままであるから、スパッタリングターゲット2の接触面同士の距離は、熱膨張しない。そうすると、バッキングプレート1のみを温度Tまで昇温することによって熱膨脹させると、バッキングプレート1の押圧面同士の距離は(DBP×ΔT×CTEBP)で求められる長さ分だけ熱膨張し、バッキングプレート1の押圧面同士の距離がスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離よりも熱膨張することによってバッキングプレート1の押圧面6の内側にスパッタリングターゲット2を嵌め込むことが可能となる。そして、室温まで降温させると、(数6)に示される関係によって、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧することになる。前記の(3)の形態において、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧することを可能にするには、バッキングプレート1の熱膨脹によって、バッキングプレート1の押圧面同士の距離がスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離を逆転しなければならない。そこで、室温におけるバッキングプレート1の押圧面同士の距離を、室温におけるスパッタリングターゲット2の接触面同士の距離と比較して、どれだけ小さく設定することができるかの関係を示したのが(数7)及び(数9)である。(数7)及び(数9)においてCは係数であるが、Cが0.5~4.0の範囲内であるとき、スパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧してスパッタリングターゲットとバッキングプレートとを接合するときに、スパッタリングターゲットの割れや反りを抑制することができる。
(2)の形態は、(1)の形態と(3)の形態の中間の形態であるから、同様にスパッタリングターゲット2の接触面をバッキングプレート1の押圧面6で押圧することになる。
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、スパッタリング装置に前記スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を容易に設置できるようにするために、スパッタリングターゲット2が、前記スパッタリングターゲットのターゲット面の全周囲にバッキングプレート1のプレート面が露出するように該バッキングプレートに嵌め込まれている形態を包含する。この形態は、例えば図1又は図3に図示されている。
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体では、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を製造する際に、スパッタリングターゲット面のみ押圧して接合できるようにするために、前記スパッタリングターゲットのターゲット面が前記バッキングプレートのプレート面よりも突出している形態を包含する。この形態は、例えば図12~図23に図示されている。
〈スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法〉
[製造方法の第1例]
(工程1)
次に図12を参照しながら、図2に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体100の製造方法の第一例について説明する。まず、図12(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図12(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を形成する。凹部17は底面15と側面16を有し、凹部17の底面15はスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と当接するためのプレート面3であり、凹部17の側面16はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の凹部17に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。これにより、スパッタリングターゲット2の切り欠きを含む下部を凹部17に嵌め込もうとしても、嵌め込むことができない。
[製造方法の第1例]
(工程1)
次に図12を参照しながら、図2に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体100の製造方法の第一例について説明する。まず、図12(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図12(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を形成する。凹部17は底面15と側面16を有し、凹部17の底面15はスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と当接するためのプレート面3であり、凹部17の側面16はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の凹部17に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。これにより、スパッタリングターゲット2の切り欠きを含む下部を凹部17に嵌め込もうとしても、嵌め込むことができない。
(工程2)
次に図12(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる。
次に図12(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる。
(工程3)
工程2において、加熱によってバッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなると、図12(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凹部17に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2において、加熱によってバッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなると、図12(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凹部17に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図12(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
次に図12(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
[製造方法の第2例]
(工程1)
次に図13を参照しながら、図2に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体100の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図13(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図13(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を形成する。凹部17は底面15と側面16を有し、凹部17の底面15はスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と当接するためのプレート面3であり、凹部17の側面16はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の凹部17に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。これにより、スパッタリングターゲット2の切り欠きを含む下部を凹部17に嵌め込もうとしても、嵌め込むことができない。
(工程1)
次に図13を参照しながら、図2に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体100の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図13(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図13(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を形成する。凹部17は底面15と側面16を有し、凹部17の底面15はスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と当接するためのプレート面3であり、凹部17の側面16はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の凹部17に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。これにより、スパッタリングターゲット2の切り欠きを含む下部を凹部17に嵌め込もうとしても、嵌め込むことができない。
次に、図13(C)に示すように、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8をバッキングプレート1のプレート面3の凹部17上に設置する。このとき、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさは、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設けているため、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部は、バッキングプレート1の凹部17に充填されていない。
(工程2)
次に図13(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱する。このとき、最初はバッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる。
次に図13(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱する。このとき、最初はバッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる。
(工程3)
工程2を経て、図13(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凹部17に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2を経て、図13(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凹部17に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図13(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
次に図13(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
[製造方法の第3例]
(工程1)
次に図14を参照しながら、図4に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体200の製造方法の第一例について説明する。まず、図14(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図14(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を形成する。凹部17は底面15と側面16を有し、凹部17の底面15はスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と当接するためのプレート面3であり、凹部17の側面16はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。このとき、バッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し小さめに設ける。これにより、スパッタリングターゲット2を凹部17に嵌め込もうとしても、嵌め込むことができない。
(工程1)
次に図14を参照しながら、図4に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体200の製造方法の第一例について説明する。まず、図14(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図14(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を形成する。凹部17は底面15と側面16を有し、凹部17の底面15はスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と当接するためのプレート面3であり、凹部17の側面16はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。このとき、バッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し小さめに設ける。これにより、スパッタリングターゲット2を凹部17に嵌め込もうとしても、嵌め込むことができない。
(工程2)
次に図14(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
次に図14(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
(工程3)
工程2において、加熱によってバッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなると、図14(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凹部17に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2において、加熱によってバッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなると、図14(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凹部17に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図14(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
次に図14(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
[製造方法の第4例]
(工程1)
次に図15を参照しながら、図4に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体200の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図15(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図15(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を形成する。凹部17は底面15と側面16を有し、凹部17の底面15はスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と当接するためのプレート面3であり、凹部17の側面16はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。このとき、バッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔の大きさよりも少し小さめに設ける。
(工程1)
次に図15を参照しながら、図4に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体200の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図15(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図15(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凹部17を形成する。凹部17は底面15と側面16を有し、凹部17の底面15はスパッタリングターゲット2のターゲット裏面8と当接するためのプレート面3であり、凹部17の側面16はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。このとき、バッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔の大きさよりも少し小さめに設ける。
次に、図15(C)に示すように、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8をバッキングプレート1のプレート面3の凹部17上に設置する。このとき、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔は、バッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設けているため、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9は、バッキングプレート1の凹部17に充填されていない。
(工程2)
次に図15(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱する。このとき、最初はバッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
次に図15(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱する。このとき、最初はバッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の凹部17の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
(工程3)
工程2を経て、図15(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凹部17に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2を経て、図15(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凹部17に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図15(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の凹部17の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
次に図15(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の凹部17の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
[製造方法の第5例]
(工程1)
次に図16を参照しながら、図5に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体300の製造方法の第一例について説明する。まず、図16(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図16(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13を形成する。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。ここで、凸部13以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、凸部13の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。
(工程1)
次に図16を参照しながら、図5に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体300の製造方法の第一例について説明する。まず、図16(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図16(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13を形成する。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。ここで、凸部13以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、凸部13の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。
(工程2)
次に図16(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる
次に図16(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる
(工程3)
工程2において、加熱によってバッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなると、図16(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の凸部13の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2において、加熱によってバッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなると、図16(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の凸部13の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図16(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の凸部13の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
次に図16(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の凸部13の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
[製造方法の第6例]
(工程1)
次に図17を参照しながら、図5に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体300の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図17(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図17(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13を形成する。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。ここで、凸部13以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、凸部13の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。
(工程1)
次に図17を参照しながら、図5に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体300の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図17(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図17(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13を形成する。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。ここで、凸部13以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、凸部13の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。
次に図17(C)に示すように、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8をバッキングプレート1のプレート面3の凸部13上に設置する。このとき、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさは、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設けているため、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部は、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填されていない。
(工程2)
次に図17(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱する。このとき、最初はバッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる。
次に図17(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱する。このとき、最初はバッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる。
(工程3)
工程2を経て、図17(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の凸部13の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2を経て、図17(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の凸部13の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図17(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の凸部13の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
次に図17(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の凸部13の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
[製造方法の第7例]
(工程1)
次に図18を参照しながら、図6に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体400の製造方法の第一例について説明する。まず、図18(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図18(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13を形成する。また、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し小さめに設ける。ここで、凸部13以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、凸部13の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。
(工程1)
次に図18を参照しながら、図6に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体400の製造方法の第一例について説明する。まず、図18(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図18(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13を形成する。また、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し小さめに設ける。ここで、凸部13以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、凸部13の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。
(工程2)
次に図18(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときにバッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
次に図18(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときにバッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
(工程3)
工程2において、加熱によってバッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなると、図18(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2において、加熱によってバッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなると、図18(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図18(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の凸部13の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
次に図18(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の凸部13の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
[製造方法の第8例]
(工程1)
次に図19を参照しながら、図6に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体400の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図19(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図19(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13を形成する。また、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し小さめに設ける。ここで、凸部13以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、凸部13の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。
(工程1)
次に図19を参照しながら、図6に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体400の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図19(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、を準備する。ここで、図19(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に凸部13を形成する。また、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し小さめに設ける。ここで、凸部13以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、凸部13の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。
次に図19(C)に示すように、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8をバッキングプレート1のプレート面3の凸部13上に設置する。このとき、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔は、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設けているため、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9は、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填されていない。
(工程2)
次に図19(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱する。このとき、最初はバッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
次に図19(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱する。このとき、最初はバッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときに、バッキングプレート1の凸部13の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
(工程3)
工程2を経て、図19(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の凸部13の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2を経て、図19(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凸部13の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の凸部13の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図19(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の凸部13の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
次に図19(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の凸部13の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
[製造方法の第9例]
(工程1)
次に図20を参照しながら、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体301の製造方法の第一例について説明する。スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体301は、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体300の凸部13がバッキングプレート1から削り出して形成したのに対して、凸部13と同じ役割を有する留め具11をバッキングプレート1に固定した点で相違する。まず、図20(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、留め具11を準備する。次に、図20(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。ここで、留め具11以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、留め具11の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。また、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する手段としては、ねじ止め又は接合の方法が例示できる。接合の方法としてはさらに拡散接合又は溶接などの方法が例示できる。
(工程1)
次に図20を参照しながら、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体301の製造方法の第一例について説明する。スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体301は、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体300の凸部13がバッキングプレート1から削り出して形成したのに対して、凸部13と同じ役割を有する留め具11をバッキングプレート1に固定した点で相違する。まず、図20(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、留め具11を準備する。次に、図20(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。ここで、留め具11以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、留め具11の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。また、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する手段としては、ねじ止め又は接合の方法が例示できる。接合の方法としてはさらに拡散接合又は溶接などの方法が例示できる。
(工程2)
次に図20(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときにバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる。
次に図20(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときにバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる。
(工程3)
工程2を経て、図20(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の留め具11の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2を経て、図20(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の留め具11の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図20(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の留め具11の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
次に図20(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の留め具11の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
[製造方法の第10例]
(工程1)
次に図21を参照しながら、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体301の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図21(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、留め具11を準備する。次に、図21(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。ここで、留め具11以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、留め具11の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。また、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する手段としては、ねじ止め又は接合の方法が例示できる。接合の方法としてはさらに拡散接合又は溶接などの方法が例示できる。
(工程1)
次に図21を参照しながら、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体301の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図21(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、留め具11を準備する。次に、図21(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する。また、スパッタリングターゲット2の下部で、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填する部分のターゲット側面9を取り除き、切り欠きを形成する。スパッタリングターゲット2の取り除かれた箇所のターゲット側面9の下部の大きさ、すなわち、ターゲット裏面8の大きさは、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設ける。ここで、留め具11以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、留め具11の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための押圧面6となる。また、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する手段としては、ねじ止め又は接合の方法が例示できる。接合の方法としてはさらに拡散接合又は溶接などの方法が例示できる。
次に図21(C)に示すように、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8をバッキングプレート1のプレート面3の留め具11上に設置する。このとき、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさは、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設けているため、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部は、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填されていない。
(工程2)
次に図21(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときにバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる。
次に図21(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさより少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときにバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部の大きさよりも少し大きくなる。
(工程3)
工程2を経て、図21(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の留め具11の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2を経て、図21(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部とバッキングプレート1の留め具11の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図21(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の留め具11の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
次に図21(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9の下部が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部がバッキングプレート1の留め具11の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
[製造方法の第11例]
(工程1)
次に図22を参照しながら、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体401の製造方法の第一例について説明する。スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体401は、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体400の凸部13がバッキングプレート1から削り出して形成したのに対して、凸部13と同じ役割を有する留め具11をバッキングプレート1に固定した点で相違する。まず、図22(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、留め具11を準備する。次に、図22(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する。このとき、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し小さめに設ける。ここで、留め具11以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、留め具11の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。また、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する手段としては、ねじ止め又は接合の方法が例示できる。接合の方法としてはさらに拡散接合又は溶接などの方法が例示できる。
(工程1)
次に図22を参照しながら、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体401の製造方法の第一例について説明する。スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体401は、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体400の凸部13がバッキングプレート1から削り出して形成したのに対して、凸部13と同じ役割を有する留め具11をバッキングプレート1に固定した点で相違する。まず、図22(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、留め具11を準備する。次に、図22(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する。このとき、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し小さめに設ける。ここで、留め具11以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、留め具11の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。また、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する手段としては、ねじ止め又は接合の方法が例示できる。接合の方法としてはさらに拡散接合又は溶接などの方法が例示できる。
(工程2)
次に図22(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときにバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
次に図22(C)に示すように、バッキングプレート1を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1を加熱していくと、バッキングプレート1が膨張する。そしてさらにバッキングプレート1を加熱して膨張させたときにバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
(工程3)
工程2を経て、図22(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の留め具11の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2を経て、図22(D)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填することができる。その結果、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の留め具11の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図22(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の留め具11の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
次に図22(E)に示すように、バッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1が収縮し、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の留め具11の押圧面6によって押圧され、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。工程2において、バッキングプレート1を加熱するが、スパッタリングターゲット2は一緒に加熱していない。なお、バッキングプレート1から熱伝導を受けてスパッタリングターゲット2が昇温することはあり得る。そして、工程4において、バッキングプレート1の冷却にともなってスパッタリングターゲット2が降温することはあり得る。バッキングプレート1の加熱は例えばホットプレートを用いることで行われる。
[製造方法の第12例]
(工程1)
次に図23を参照しながら、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体401の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図23(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、留め具11を準備する。次に、図23(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する。このとき、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し小さめに設ける。ここで、留め具11以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、留め具11の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。また、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する手段としては、ねじ止め又は接合の方法が例示できる。接合の方法としてはさらに拡散接合又は溶接などの方法が例示できる。
(工程1)
次に図23を参照しながら、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体401の製造方法の第二例について説明する。バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式である。加熱は、例えば、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)又は放電プラズマ焼結法(SPS)などによって行うことができる。まず、図23(A)に示すように、プレート面3と、プレート裏面4と、プレート側面5とを有するバッキングプレート1と、ターゲット面7と、プレート面3と向かい合うターゲット裏面8と、ターゲット側面9とを有するスパッタリングターゲット2と、留め具11を準備する。次に、図23(B)に示すように、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する。このとき、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し小さめに設ける。ここで、留め具11以外の箇所でターゲット裏面8と当接する箇所もプレート面3となり、留め具11の側面はスパッタリングターゲット2のターゲット側面9を押圧するための押圧面6となる。また、バッキングプレート1のプレート面3に留め具11を固定する手段としては、ねじ止め又は接合の方法が例示できる。接合の方法としてはさらに拡散接合又は溶接などの方法が例示できる。
次に図23(C)に示すように、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8をバッキングプレート1のプレート面3の留め具11上に設置する。このとき、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔は、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔より少し大きめに設けているため、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9は、バッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填されていない。
(工程2)
次に図23(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときにバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
次に図23(D)に示すように、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱して熱膨張させる。このとき、最初はバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔は、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔より少し小さめに設けているが、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2を加熱していくと、バッキングプレート1の方がスパッタリングターゲット2より膨張する。そしてさらにバッキングプレート1及びスパッタリングターゲット2を加熱して膨張させたときにバッキングプレート1の留め具11の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも少し大きくなる。
(工程3)
工程2を経て、図23(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填することができ、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の留め具11の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
工程2を経て、図23(E)に示すように、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の留め具11の押圧面6間に充填することができ、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の留め具11の押圧面6とを向かい合わせになるように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1とを配置することができる。
(工程4)
次に図23(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の留め具11の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
次に図23(F)に示すように、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1を冷却して、ターゲット側面9が、押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成する。工程4の冷却によってバッキングプレート1がスパッタリングターゲット2よりも冷却時の収縮が大きくなり、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9がバッキングプレート1の留め具11の押圧面6によって締め付けられ、冷却時の収縮によるカシメによって接合することができる。
(工程5)
本実施形態では、工程1と工程2、又は、工程2と工程3の間に、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1のプレート面3の界面に中間層10となる材料を充填又はコーティングする工程5をさらに有していてもよい。具体的には、図12、14、16、18、20、22の各図において、(C)または(C)の前後で行うことが好ましく、換言すると(B)と(C)の間、(C)を行っている間または(C)と(D)の間で中間層を形成することが好ましく(各図において不図示)、図8~図11に示した中間層を有するスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を製造することができる。なお、図10、11では中間層が2層の形態を示したが、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の密着性の確保などの中間層の効果が得られていれば、中間層が3層以上の形態でもよい。
本実施形態では、工程1と工程2、又は、工程2と工程3の間に、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1のプレート面3の界面に中間層10となる材料を充填又はコーティングする工程5をさらに有していてもよい。具体的には、図12、14、16、18、20、22の各図において、(C)または(C)の前後で行うことが好ましく、換言すると(B)と(C)の間、(C)を行っている間または(C)と(D)の間で中間層を形成することが好ましく(各図において不図示)、図8~図11に示した中間層を有するスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を製造することができる。なお、図10、11では中間層が2層の形態を示したが、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の密着性の確保などの中間層の効果が得られていれば、中間層が3層以上の形態でもよい。
また、バッキングプレート1とスパッタリングターゲット2とを両方加熱する方式でも、工程1と工程2、又は、工程2と工程3の間に、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1のプレート面3の界面に中間層10となる材料を充填又はコーティングする工程5をさらに有していてもよい。具体的には、図13、15、17、19、21、23の各図において、(B)と(C)の間で中間層を形成することが好ましく(各図において不図示)、図8~図11に示した中間層を有するスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を製造することができる。なお、図10、11では中間層が2層の形態を示したが、スパッタリングターゲット2とバッキングプレート1の密着性の確保などの中間層の効果が得られていれば、中間層が3層以上の形態でもよい。
(工程6)
本実施形態において、工程3と工程4の間に、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1のプレート面3とを拡散させるために、スパッタリングターゲット2を押圧する工程6をさらに有することが好ましい。押圧によって、面と面とが密着するとスパッタリングターゲット2とバッキングプレート1との拡散、又は、スパッタリングターゲット2と中間層10との拡散及び中間層10とバッキングプレート1との拡散をさせることができ、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。さらに、スパッタリングターゲット2を押圧することによって収縮時のスパッタリングターゲットの反りの防止にも役立つ。
本実施形態において、工程3と工程4の間に、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1のプレート面3とを拡散させるために、スパッタリングターゲット2を押圧する工程6をさらに有することが好ましい。押圧によって、面と面とが密着するとスパッタリングターゲット2とバッキングプレート1との拡散、又は、スパッタリングターゲット2と中間層10との拡散及び中間層10とバッキングプレート1との拡散をさせることができ、密着性が向上して熱伝導を良好に保つことができる。さらに、スパッタリングターゲット2を押圧することによって収縮時のスパッタリングターゲットの反りの防止にも役立つ。
(工程2、工程3及び工程4における加熱方法)
本実施形態では、少なくとも工程2、工程3及び工程4において、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)、放電プラズマ焼結法(SPS)及びホットプレートによる加熱法のうち少なくとも1つの方法を用いて行うことが好ましい。加熱と冷却を行うことができる装置であれば適用することができ、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)、放電プラズマ焼結法(SPS)及びホットプレートによる加熱法のうち少なくとも1つの方法を用いて行う。冷却には自然放冷が含まれる。
本実施形態では、少なくとも工程2、工程3及び工程4において、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)、放電プラズマ焼結法(SPS)及びホットプレートによる加熱法のうち少なくとも1つの方法を用いて行うことが好ましい。加熱と冷却を行うことができる装置であれば適用することができ、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)、放電プラズマ焼結法(SPS)及びホットプレートによる加熱法のうち少なくとも1つの方法を用いて行う。冷却には自然放冷が含まれる。
(工程6における加熱方法)
本実施形態では、工程6において、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)及び放電プラズマ焼結法(SPS)の少なくとも1つの方法を用いて行うことが好ましい。加熱と押圧を同時に行うことができる装置であれば適用することができ、ホットプレス焼結法(HP),熱間等方加圧焼結法(HIP)、放電プラズマ焼結法(SPS)のいずれかを用いて行うことができる。
本実施形態では、工程6において、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)及び放電プラズマ焼結法(SPS)の少なくとも1つの方法を用いて行うことが好ましい。加熱と押圧を同時に行うことができる装置であれば適用することができ、ホットプレス焼結法(HP),熱間等方加圧焼結法(HIP)、放電プラズマ焼結法(SPS)のいずれかを用いて行うことができる。
(工程6における雰囲気)
また、本実施形態では、工程6において、10Pa以下の減圧雰囲気又は酸素濃度1000ppm以下の雰囲気とし、加熱温度を100~1000℃とし、かつ、押圧を0Pa以上80MPa以下の範囲とすることが好ましい。スパッタリングターゲットの酸素含有量を抑制することができる。
また、本実施形態では、工程6において、10Pa以下の減圧雰囲気又は酸素濃度1000ppm以下の雰囲気とし、加熱温度を100~1000℃とし、かつ、押圧を0Pa以上80MPa以下の範囲とすることが好ましい。スパッタリングターゲットの酸素含有量を抑制することができる。
ホットプレート方式で、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を製造した後、さらに、放電プラズマ焼結法(SPS)などで再度加熱と押圧を行ってもよい。
図2に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体100は、図12、13に示すようにバッキングプレート1を熱膨脹させて、スパッタリングターゲット2を嵌め込んだ後で冷却することによって製造できる。また、図4に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体200は、図14、15に示すようにバッキングプレート1を熱膨脹させて、スパッタリングターゲット2を嵌め込んだ後で冷却することによって製造できる。また、図5に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体300は、図16、17に示すようにバッキングプレート1を熱膨脹させて、スパッタリングターゲット2を嵌め込んだ後で冷却することによって製造できる。また、図6に示したスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体400は、図18、19に示すようにバッキングプレート1を熱膨脹させて、スパッタリングターゲット2を嵌め込んだ後で冷却することによって製造できる。
また、本実施形態では、工程4の後に、押圧又は加熱と押圧の工程及び冷却の工程を1組として1回行う又は2回以上繰り返し行うことが好ましい。押圧又は加熱と押圧の工程及び冷却の工程を1組として1回行う又は2回以上繰り返し行うことで、スパッタリングターゲットのターゲット裏面とバッキングプレートのプレート面との接合強度をより向上させることや、密着性をより向上させて熱伝導をより効率よく行うことができる。
(スパッタリングターゲットの回収方法)
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体がスパッタリング装置に装着され、使用された場合であって、スパッタリングターゲットが消耗した場合について説明する。本実施形態に係るスパッタリングターゲットの回収方法は、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を加熱して、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも大きくなるまで熱膨脹させる工程Aと、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1から取り外して、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体からスパッタリングターゲットを回収する工程Bと、を有する。スパッタリングターゲット2を取り外す形態には、スパッタリングターゲット2をそのまま取り外す形態と、スパッタリングターゲット2に衝撃を加えて取り外す形態が含まれる。
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体がスパッタリング装置に装着され、使用された場合であって、スパッタリングターゲットが消耗した場合について説明する。本実施形態に係るスパッタリングターゲットの回収方法は、本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を加熱して、バッキングプレート1の押圧面6同士の間隔がスパッタリングターゲット2のターゲット側面9同士の間隔よりも大きくなるまで熱膨脹させる工程Aと、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1から取り外して、スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体からスパッタリングターゲットを回収する工程Bと、を有する。スパッタリングターゲット2を取り外す形態には、スパッタリングターゲット2をそのまま取り外す形態と、スパッタリングターゲット2に衝撃を加えて取り外す形態が含まれる。
(変形例1)
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体において、スパッタリングターゲットを設置する箇所でスパッタリングターゲットのターゲット裏面より少し小さいバッキングプレートのプレート面を一段高く形成した後、一段高く形成したバッキングプレートの側面に留め具を固定してバッキングプレートの押圧面を形成し、バッキングプレートの加熱による膨張と冷却による収縮を利用してバッキングプレートの押圧面内にスパッタリングターゲットを固定してもよい。
本実施形態に係るスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体において、スパッタリングターゲットを設置する箇所でスパッタリングターゲットのターゲット裏面より少し小さいバッキングプレートのプレート面を一段高く形成した後、一段高く形成したバッキングプレートの側面に留め具を固定してバッキングプレートの押圧面を形成し、バッキングプレートの加熱による膨張と冷却による収縮を利用してバッキングプレートの押圧面内にスパッタリングターゲットを固定してもよい。
(変形例2)
凸部13を設けた形態において、凸部13の一部を留め具11に置き換えてもよい。すなわち、バッキングプレート1が、凸部13と留め具11の両方を有していてもよい。
凸部13を設けた形態において、凸部13の一部を留め具11に置き換えてもよい。すなわち、バッキングプレート1が、凸部13と留め具11の両方を有していてもよい。
以下、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。
(実施例1)
図8に相当する接合体を作製する。まず、曲げ強度が138MPaであるΦ50×7t(単位:mm)のAl-30原子%Scスパッタリングターゲット2と、Φ70×8t(単位:mm)のAl合金であるA6061のバッキングプレート1を準備した。線膨張係数は、Al-30原子%Scが13.5×10-6/℃、A6061が23.6×10-6/℃である。次に、バッキングプレート1のスパッタリングターゲット2の設置箇所に、スパッタリングターゲット2の直径より0.1mm小さく、深さ2mmの凹部17を旋盤にて加工した。次に、バッキングプレート1の凹部17の底面15に、0.1mm厚のNi板材を中間層10の材料として充填した。次に、バッキングプレート1の凹部17の上にAl-30原子%Scスパッタリングターゲット2を設置した。このときスパッタリングターゲット2は凹部17にははまらず、Ni板材の上方(凹部17の底面15から2mmの隙間を開けて)にある。次に、放電プラズマ焼結機を用いて10Pa以下の減圧雰囲気下で250℃に昇温後、スパッタリングターゲット2を、凹部17の開口面が熱膨脹によって広がったバッキングプレート1の凹部17に充填した。その後、10MPaでスパッタリングターゲット2を押圧しながら、400℃まで昇温し、1時間保持して拡散接合を行った。その後、冷却してターゲット側面9が押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成した。その結果を図24に示す。図24に示すように、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6はカシメにより固着し、ターゲット裏面8も隙間無くNiが充填されて、熱伝導が良く拡散接合が行われ、そのとき、スパッタリングターゲット2の割れは発生しなかった。
図8に相当する接合体を作製する。まず、曲げ強度が138MPaであるΦ50×7t(単位:mm)のAl-30原子%Scスパッタリングターゲット2と、Φ70×8t(単位:mm)のAl合金であるA6061のバッキングプレート1を準備した。線膨張係数は、Al-30原子%Scが13.5×10-6/℃、A6061が23.6×10-6/℃である。次に、バッキングプレート1のスパッタリングターゲット2の設置箇所に、スパッタリングターゲット2の直径より0.1mm小さく、深さ2mmの凹部17を旋盤にて加工した。次に、バッキングプレート1の凹部17の底面15に、0.1mm厚のNi板材を中間層10の材料として充填した。次に、バッキングプレート1の凹部17の上にAl-30原子%Scスパッタリングターゲット2を設置した。このときスパッタリングターゲット2は凹部17にははまらず、Ni板材の上方(凹部17の底面15から2mmの隙間を開けて)にある。次に、放電プラズマ焼結機を用いて10Pa以下の減圧雰囲気下で250℃に昇温後、スパッタリングターゲット2を、凹部17の開口面が熱膨脹によって広がったバッキングプレート1の凹部17に充填した。その後、10MPaでスパッタリングターゲット2を押圧しながら、400℃まで昇温し、1時間保持して拡散接合を行った。その後、冷却してターゲット側面9が押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成した。その結果を図24に示す。図24に示すように、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9とバッキングプレート1の押圧面6はカシメにより固着し、ターゲット裏面8も隙間無くNiが充填されて、熱伝導が良く拡散接合が行われ、そのとき、スパッタリングターゲット2の割れは発生しなかった。
(実施例2)
図7、特に図7(F)に相当する接合体において中間層を設けた接合体を作製する。まず、熔解法にて作製したΦ156×6t(単位:mm)のルテニウムスパッタリングターゲット2と、上段がΦ156×7tで下段がΦ240×137t(単位:mm)の凸形状を有する黄銅のバッキングプレート1を準備した。線膨張係数は、ルテニウムが6.75×10-6/℃、黄銅が21.2×10-6/℃である。次に、スパッタリングターゲット2の側面の下部を、スパッタリングターゲット2の外周から内側に8mm及びターゲット裏面8から高さ3mmを研削加工により取り除き、切り欠き部を形成した。その後、スパッタリングターゲット2の側面の下部を、ターゲット裏面8から切り欠き部の平面に向けてスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の凹凸部分18を切削加工により形成した。切削加工後のスパッタリングターゲット2の切り欠き部の画像を図25(A)に示した。次に、バッキングプレート1の凸形状箇所において、Φ139.6mm、深さ3mmの切削加工を行い、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための凸部13を形成した。さらに、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の凹凸部分18と符合する位置でバッキングプレート1の凸部13の押圧面6に凹凸部分19を形成した。次に、バッキングプレート1の凸部13の内側のプレート面3に0.2mm厚のAlの板材を充填した。次に、Alの板材を充填したバッキングプレート1をホットプレートで230℃に昇温後、バッキングプレート1の押圧面6をスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部より膨張させた後、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部をバッキングプレート1の凸部13の内側に充填した。その後、自然冷却での熱収縮によりカシメを行い、スパッタリングターゲット-バッキングプレート接合体を得た。接合後、放電プラズマ焼結機を用いて10Pa以下の減圧雰囲気で、10MPaでスパッタリングターゲット2のターゲット面7からバッキングプレート1のプレート面3に向けて加圧しながら400℃まで昇温し、1時間保持にて拡散接合を行った後、冷却した。スパッタリングターゲット-バッキングプレート接合体の全体画像を図25(B)に示した。スパッタリングターゲット-バッキングプレート接合体の部分拡大画像を図25(C)に示した。スパッタリングターゲット-バッキングプレート接合体は、前記ターゲット側面9の凹凸部分18と前記押圧面6の凹凸部分19とは、互いに嵌め込みあう構造を有するとともに、バッキングプレート1の押圧面6でスパッタリングターゲット2の外周側面9の下部を押圧することでカシメにより固着し、かつ、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1のプレート面3はAl板を介して密着するとともに、スパッタリングターゲット2の割れは発生しなかった。
図7、特に図7(F)に相当する接合体において中間層を設けた接合体を作製する。まず、熔解法にて作製したΦ156×6t(単位:mm)のルテニウムスパッタリングターゲット2と、上段がΦ156×7tで下段がΦ240×137t(単位:mm)の凸形状を有する黄銅のバッキングプレート1を準備した。線膨張係数は、ルテニウムが6.75×10-6/℃、黄銅が21.2×10-6/℃である。次に、スパッタリングターゲット2の側面の下部を、スパッタリングターゲット2の外周から内側に8mm及びターゲット裏面8から高さ3mmを研削加工により取り除き、切り欠き部を形成した。その後、スパッタリングターゲット2の側面の下部を、ターゲット裏面8から切り欠き部の平面に向けてスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の凹凸部分18を切削加工により形成した。切削加工後のスパッタリングターゲット2の切り欠き部の画像を図25(A)に示した。次に、バッキングプレート1の凸形状箇所において、Φ139.6mm、深さ3mmの切削加工を行い、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部を押圧するための凸部13を形成した。さらに、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の凹凸部分18と符合する位置でバッキングプレート1の凸部13の押圧面6に凹凸部分19を形成した。次に、バッキングプレート1の凸部13の内側のプレート面3に0.2mm厚のAlの板材を充填した。次に、Alの板材を充填したバッキングプレート1をホットプレートで230℃に昇温後、バッキングプレート1の押圧面6をスパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部より膨張させた後、スパッタリングターゲット2のターゲット側面9の下部をバッキングプレート1の凸部13の内側に充填した。その後、自然冷却での熱収縮によりカシメを行い、スパッタリングターゲット-バッキングプレート接合体を得た。接合後、放電プラズマ焼結機を用いて10Pa以下の減圧雰囲気で、10MPaでスパッタリングターゲット2のターゲット面7からバッキングプレート1のプレート面3に向けて加圧しながら400℃まで昇温し、1時間保持にて拡散接合を行った後、冷却した。スパッタリングターゲット-バッキングプレート接合体の全体画像を図25(B)に示した。スパッタリングターゲット-バッキングプレート接合体の部分拡大画像を図25(C)に示した。スパッタリングターゲット-バッキングプレート接合体は、前記ターゲット側面9の凹凸部分18と前記押圧面6の凹凸部分19とは、互いに嵌め込みあう構造を有するとともに、バッキングプレート1の押圧面6でスパッタリングターゲット2の外周側面9の下部を押圧することでカシメにより固着し、かつ、スパッタリングターゲット2のターゲット裏面8とバッキングプレート1のプレート面3はAl板を介して密着するとともに、スパッタリングターゲット2の割れは発生しなかった。
(実施例3)
図4に相当する接合体において、ターゲット側面に凹凸部分を設け、押圧面に凹凸部分を設け、さらに中間層を設けた接合体を作製する。まず、熔解法にて作製したΦ156×9t(単位:mm)のルテニウムスパッタリングターゲット2と、Φ240×20t(単位:mm)の黄銅のバッキングプレート1を準備した。線膨張係数は、ルテニウムが6.75×10-6/℃、黄銅が21.2×10-6/℃である。次に、ターゲット側面9に、側面方向に沿って環状の0.5mmの環状凹部を旋盤で形成した。これによって、ターゲット側面9に、環状凹部の底面を基準として凸となる環状凸部が形成される。次に、バッキングプレート1のスパッタリングターゲット2の設置箇所に、スパッタリングターゲット2の直径より0.4mm小さく、深さ4mmの凹部17を旋盤にて加工する。さらにスパッタリングターゲット2の環状凸部と符合する位置のバッキングプレート1の凹部17の側面16に0.5mmの環状凹部を形成した。次に、バッキングプレート1の凹部17の底面15に0.1mm厚のNiの板材及び微量のIn粉末を充填した。この微量のIn粉末は、Niの板材周りの隙間に充填される。次に、バッキングプレート1の凹部17の上にスパッタリングターゲット2を設置した。次に、放電プラズマ焼結機を用いて10Pa以下の減圧雰囲気で250℃に昇温後、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凹部17に充填する。充填後、10MPaでスパッタリングターゲット2を押圧しながら、さらに400℃まで昇温し、1時間保持にて拡散接合を行った後、冷却してターゲット側面9が押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成した。その結果を図26に示す。接合体は、ターゲット側面9の凹凸部分18と凹部17の側面16の凹凸部分19とが互いに嵌め込みあう構造を有している。図26に示すようにターゲット側面9とバッキングプレートの凹部17の側面16とはカシメにより固着し、ターゲット裏面8も隙間無くNi、Inが充填されて、熱伝導が良く拡散接合が行われながら、スパッタリングターゲット2の割れは発生しなかった。
図4に相当する接合体において、ターゲット側面に凹凸部分を設け、押圧面に凹凸部分を設け、さらに中間層を設けた接合体を作製する。まず、熔解法にて作製したΦ156×9t(単位:mm)のルテニウムスパッタリングターゲット2と、Φ240×20t(単位:mm)の黄銅のバッキングプレート1を準備した。線膨張係数は、ルテニウムが6.75×10-6/℃、黄銅が21.2×10-6/℃である。次に、ターゲット側面9に、側面方向に沿って環状の0.5mmの環状凹部を旋盤で形成した。これによって、ターゲット側面9に、環状凹部の底面を基準として凸となる環状凸部が形成される。次に、バッキングプレート1のスパッタリングターゲット2の設置箇所に、スパッタリングターゲット2の直径より0.4mm小さく、深さ4mmの凹部17を旋盤にて加工する。さらにスパッタリングターゲット2の環状凸部と符合する位置のバッキングプレート1の凹部17の側面16に0.5mmの環状凹部を形成した。次に、バッキングプレート1の凹部17の底面15に0.1mm厚のNiの板材及び微量のIn粉末を充填した。この微量のIn粉末は、Niの板材周りの隙間に充填される。次に、バッキングプレート1の凹部17の上にスパッタリングターゲット2を設置した。次に、放電プラズマ焼結機を用いて10Pa以下の減圧雰囲気で250℃に昇温後、スパッタリングターゲット2をバッキングプレート1の凹部17に充填する。充填後、10MPaでスパッタリングターゲット2を押圧しながら、さらに400℃まで昇温し、1時間保持にて拡散接合を行った後、冷却してターゲット側面9が押圧面6で押圧されたカシメ構造を形成した。その結果を図26に示す。接合体は、ターゲット側面9の凹凸部分18と凹部17の側面16の凹凸部分19とが互いに嵌め込みあう構造を有している。図26に示すようにターゲット側面9とバッキングプレートの凹部17の側面16とはカシメにより固着し、ターゲット裏面8も隙間無くNi、Inが充填されて、熱伝導が良く拡散接合が行われながら、スパッタリングターゲット2の割れは発生しなかった。
(比較例1)
曲げ強度が138MPaであるΦ70×7t(単位:mm)のAl-30原子%Scスパッタリングターゲットと、Φ80×8t(単位:mm)のAl合金であるA6061のバッキングプレートを準備した。線膨張係数は、Al-30原子%Scが13.5×10-6/℃、A6061が23.6×10-6/℃である。次に、バッキングプレート上にAl-30原子%Scスパッタリングターゲットを設置した。次に、放電プラズマ焼結機を用いて、真空雰囲気で500℃に昇温後、10MPaでスパッタリングターゲットを押圧しながら1時間保持にて拡散接合を行った。その結果を図27に示す。接合体は、バッキングプレートに凹部17が形成されておらず、カシメ構造を有していない。図27に示すように、スパッタリングターゲットとバッキングプレートは接合されているが、線膨張係数の差が大きいため、バッキングプレートの冷却時にスパッタリングターゲットが圧縮の応力を受けて割れてしまった。
曲げ強度が138MPaであるΦ70×7t(単位:mm)のAl-30原子%Scスパッタリングターゲットと、Φ80×8t(単位:mm)のAl合金であるA6061のバッキングプレートを準備した。線膨張係数は、Al-30原子%Scが13.5×10-6/℃、A6061が23.6×10-6/℃である。次に、バッキングプレート上にAl-30原子%Scスパッタリングターゲットを設置した。次に、放電プラズマ焼結機を用いて、真空雰囲気で500℃に昇温後、10MPaでスパッタリングターゲットを押圧しながら1時間保持にて拡散接合を行った。その結果を図27に示す。接合体は、バッキングプレートに凹部17が形成されておらず、カシメ構造を有していない。図27に示すように、スパッタリングターゲットとバッキングプレートは接合されているが、線膨張係数の差が大きいため、バッキングプレートの冷却時にスパッタリングターゲットが圧縮の応力を受けて割れてしまった。
(比較例2)
曲げ強度が138MPaであるΦ70×7t(単位:mm)のAl-30原子%Scスパッタリングターゲットと、Φ80×8t(単位:mm)のAl合金であるアルミ青銅のバッキングプレートを準備した。線膨張係数は、Al-30原子%Scが13.5×10-6/℃、アルミ青銅が16.5×10-6/℃である。次に、バッキングプレート上にAl-30原子%Scスパッタリングターゲットを設置した。次に、放電プラズマ焼結機を用いて、真空雰囲気で500℃に昇温後、10MPaでスパッタリングターゲットを押圧しながら1時間保持にて拡散接合を行った。その結果を図28に示す。接合体は、バッキングプレートに凹部17が形成されておらず、カシメ構造を有していない。図28に示すように、比較例1よりもスパッタリングターゲットの線膨張係数とバッキングプレートの線膨張係数を近づけてみたが、スパッタリングターゲットとバッキングプレートとの線膨張係数の差があるため、スパッタリングターゲットが圧縮の応力を受けて割れるとともに、バッキングプレートへの接合が不十分であるためバッキングプレートからスパッタリングターゲットが剥離した。
曲げ強度が138MPaであるΦ70×7t(単位:mm)のAl-30原子%Scスパッタリングターゲットと、Φ80×8t(単位:mm)のAl合金であるアルミ青銅のバッキングプレートを準備した。線膨張係数は、Al-30原子%Scが13.5×10-6/℃、アルミ青銅が16.5×10-6/℃である。次に、バッキングプレート上にAl-30原子%Scスパッタリングターゲットを設置した。次に、放電プラズマ焼結機を用いて、真空雰囲気で500℃に昇温後、10MPaでスパッタリングターゲットを押圧しながら1時間保持にて拡散接合を行った。その結果を図28に示す。接合体は、バッキングプレートに凹部17が形成されておらず、カシメ構造を有していない。図28に示すように、比較例1よりもスパッタリングターゲットの線膨張係数とバッキングプレートの線膨張係数を近づけてみたが、スパッタリングターゲットとバッキングプレートとの線膨張係数の差があるため、スパッタリングターゲットが圧縮の応力を受けて割れるとともに、バッキングプレートへの接合が不十分であるためバッキングプレートからスパッタリングターゲットが剥離した。
(比較例3)
焼結法にてΦ194×10t(単位:mm)のルテニウムスパッタリングターゲットと、Φ240×20t(単位:mm)の無酸素銅のバッキングプレートを準備した。線膨張係数は、ルテニウムが6.75×10-6/℃、無酸素銅が16.2×10-6/℃である。次に、バッキングプレート上にルテニウムスパッタリングターゲットを設置した。次に、放電プラズマ焼結機を用いて、真空雰囲気で700℃に昇温後、10MPaでスパッタリングターゲットを押圧しながら1時間保持にて拡散接合を行った。その結果を図29に示す。接合体は、バッキングプレートに凹部17が形成されておらず、カシメ構造を有していない。図29に示すように、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの線膨張係数の差があるため、スパッタリングターゲットが圧縮の応力を受けて割れてしまった。
焼結法にてΦ194×10t(単位:mm)のルテニウムスパッタリングターゲットと、Φ240×20t(単位:mm)の無酸素銅のバッキングプレートを準備した。線膨張係数は、ルテニウムが6.75×10-6/℃、無酸素銅が16.2×10-6/℃である。次に、バッキングプレート上にルテニウムスパッタリングターゲットを設置した。次に、放電プラズマ焼結機を用いて、真空雰囲気で700℃に昇温後、10MPaでスパッタリングターゲットを押圧しながら1時間保持にて拡散接合を行った。その結果を図29に示す。接合体は、バッキングプレートに凹部17が形成されておらず、カシメ構造を有していない。図29に示すように、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの線膨張係数の差があるため、スパッタリングターゲットが圧縮の応力を受けて割れてしまった。
(比較例4)
焼結法にてΦ180×5t(単位:mm)のルテニウムスパッタリングターゲットと、バッキングプレートとして用いる無酸素銅で作製したCANと呼ばれる15mm厚の容器にΦ180.1mm、深さ10mmの凹部を形成したものを準備した。線膨張係数は、ルテニウムが6.75×10-6/℃、無酸素銅が16.2×10-6/℃である。次に、CANにスパッタリングターゲットを内包した後、その上から無酸素銅で作製したΦ180×5tの蓋をスパッタリングターゲットの上に乗せ、CAN内を真空にして封止した。次に、HIP装置を用いて、500℃に昇温後、100MPaでCANを加圧して拡散接合を行った。このとき容器が全面から加圧され、容器とターゲットが拡散接合された。拡散接合後に、旋盤を用いてスパッタリングターゲットとバッキングプレートを削り出した。その結果を図30に示す。図30に示すように、拡散接合は出来ていたが、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの線膨張係数の差があるため、スパッタリングターゲットが圧縮の応力を受けて中央部から細かな割れが外周に向けて放射状に発生して割れてしまった。
焼結法にてΦ180×5t(単位:mm)のルテニウムスパッタリングターゲットと、バッキングプレートとして用いる無酸素銅で作製したCANと呼ばれる15mm厚の容器にΦ180.1mm、深さ10mmの凹部を形成したものを準備した。線膨張係数は、ルテニウムが6.75×10-6/℃、無酸素銅が16.2×10-6/℃である。次に、CANにスパッタリングターゲットを内包した後、その上から無酸素銅で作製したΦ180×5tの蓋をスパッタリングターゲットの上に乗せ、CAN内を真空にして封止した。次に、HIP装置を用いて、500℃に昇温後、100MPaでCANを加圧して拡散接合を行った。このとき容器が全面から加圧され、容器とターゲットが拡散接合された。拡散接合後に、旋盤を用いてスパッタリングターゲットとバッキングプレートを削り出した。その結果を図30に示す。図30に示すように、拡散接合は出来ていたが、スパッタリングターゲットとバッキングプレートの線膨張係数の差があるため、スパッタリングターゲットが圧縮の応力を受けて中央部から細かな割れが外周に向けて放射状に発生して割れてしまった。
50,100,200,300,301,400,401,500,600,700,800,900 スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体
1 バッキングプレート
2 スパッタリングターゲット
3 バッキングプレートのプレート面
4 バッキングプレートのプレート裏面
5 バッキングプレートのプレート側面
6 バッキングプレートの押圧面
7 スパッタリングターゲットのターゲット面
8 スパッタリングターゲットのターゲット裏面
9 スパッタリングターゲットのターゲット側面
10 中間層
10a バッキングプレートとの界面に設置された中間層
10b スパッタリングターゲットとの界面に設置された中間層
11 留め具
13 バッキングプレートのプレート面に設けた凸部
15 バッキングプレートの凹部の底面
16 バッキングプレートの凹部の側面
17 バッキングプレートの凹部
18 スパッタリングターゲットのターゲット側面の凹凸部分
19 バッキングプレートの押圧面の凹凸部分
1 バッキングプレート
2 スパッタリングターゲット
3 バッキングプレートのプレート面
4 バッキングプレートのプレート裏面
5 バッキングプレートのプレート側面
6 バッキングプレートの押圧面
7 スパッタリングターゲットのターゲット面
8 スパッタリングターゲットのターゲット裏面
9 スパッタリングターゲットのターゲット側面
10 中間層
10a バッキングプレートとの界面に設置された中間層
10b スパッタリングターゲットとの界面に設置された中間層
11 留め具
13 バッキングプレートのプレート面に設けた凸部
15 バッキングプレートの凹部の底面
16 バッキングプレートの凹部の側面
17 バッキングプレートの凹部
18 スパッタリングターゲットのターゲット側面の凹凸部分
19 バッキングプレートの押圧面の凹凸部分
Claims (27)
- バッキングプレートにスパッタリングターゲットが接合されたスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体において、
前記バッキングプレートは、プレート面と、プレート裏面と、プレート側面と、押圧面と、を有し、
前記スパッタリングターゲットは、ターゲット面と、前記プレート面と向かい合うターゲット裏面と、ターゲット側面と、を有し、
前記ターゲット側面が前記押圧面で押圧されていることによって、前記スパッタリングターゲットが前記バッキングプレートに固定されていることを特徴とするスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。 - 前記押圧面の押圧は前記バッキングプレートの熱収縮によって生じていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記バッキングプレートは、前記プレート面に凹部を有し、該凹部の側面が前記押圧面であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記バッキングプレートは、前記プレート面に凸部を有し、該凸部の側面が前記押圧面であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記バッキングプレートは、留め具を有し、該留め具の側面が前記押圧面であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記留め具は、前記バッキングプレートの前記プレート面又は前記プレート側面に固定されていることを特徴とする請求項5に記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記ターゲット側面は凹凸部分を有し、
前記押圧面は凹凸部分を有し、かつ、
前記ターゲット側面の凹凸部分と前記押圧面の凹凸部分とは、互いに嵌め込みあう構造となっていることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。 - 前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートの界面に2.5mm以下の中間層を有し、該中間層は、Ni、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせからなることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートの界面に10μm以下の中間層を有し、該中間層は、Ni、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる薄膜であることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートの界面に1.0mm以下の中間層を有し、該中間層は、In、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせからなることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートの界面に2層以上の中間層を有し、該中間層は、
2.5mm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせ、
10μm以下のNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種の金属又はNi、Cr、Al、Cuの少なくともいずれか一種を含む合金からなる薄膜、または、
1.0mm以下のIn、Znの少なくともいずれか一種の金属又はIn、Znの少なくともいずれか一種を含む合金からなる板材、粉末、又は該板材と該粉末の組み合わせからなることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。 - 前記スパッタリングターゲットの材質がAl-Sc合金、Ru、Ru合金、Ir又はIr合金であることを特徴とする請求項1~11のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記スパッタリングターゲットの材質がLi系酸化物、Co系酸化物、Ti系酸化物又はMg系酸化物であることを特徴とする請求項1~11のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記バッキングプレートの材質がAl、Al合金、Cu、Cu合金、Fe又はFe合金であり、前記バッキングプレートの線膨張係数が30.0×10-6/℃以下であることを特徴とする請求項1~13のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記スパッタリングターゲットの曲げ強度が500MPa以下であることを特徴とする請求項1~14のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記バッキングプレートの押圧面は、前記ターゲット側面を挟んで向かい合わせの位置に配置された対となる面を少なくとも有し、
該対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離と、前記ターゲット側面のうち前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触しているスパッタリングターゲットの接触面同士の距離との関係が(数1)~(数5)を満たすことを特徴とする請求項1~15のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
(数1)DTG>DBP
(数2)DBP=DTG-ΔD×C
(数3)ΔD=DBP×ΔT×CTEBP-DTG×ΔT×CTETG
(数4)DTG-ΔD×4.0≦DBP≦DTG-ΔD×0.5
(数5)CTEBP>CTETG
ただし、DBP、DTG、ΔD、C、T、ΔT、CTEBP及びCTETGはそれぞれ次のことを意味する。
DBP:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離(mm)
DTG:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触するスパッタリングターゲットの接触面同士の距離(mm)
T:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させる温度(℃)(ただし、T>室温)
ΔT:T-室温(℃)
CTEBP:温度Tにおけるバッキングプレートの線膨張係数(1/℃)
CTETG:温度Tにおけるスパッタリングターゲットの線膨張係数(1/℃)
C:係数(ただし、C=0.5~4.0)
ΔD:室温から温度Tまで昇温させたときのバッキングプレートとスパッタリングターゲットの熱膨張量の差(mm) - 前記バッキングプレートの押圧面は、前記ターゲット側面を挟んで向かい合わせの位置に配置された対となる面を少なくとも有し、
該対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離と、前記ターゲット側面のうち前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触しているスパッタリングターゲットの接触面同士の距離との関係が(数6)~(数10)を満たすことを特徴とする請求項1~15のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
(数6)DTG>DBP
(数7)DBP=DTG-ΔD×C
(数8)ΔD=DBP×ΔT×CTEBP-DTG×ΔT1×CT1ETG
(数9)DTG-ΔD×4.0≦DBP≦DTG-ΔD×0.5
(数10)CTEBP>CT1ETG
ただし、DBP、DTG、ΔD、C、T、ΔT、T1、ΔT1、CTEBP及びCT1ETGはそれぞれ次のことを意味する。
DBP:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面同士の距離(mm)
DTG:室温における、前記対となるバッキングプレートの押圧面と接触するスパッタリングターゲットの接触面同士の距離(mm)
T:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させるときのバッキングプレートの温度(℃)(ただし、T>室温、T>T1)
ΔT:T-室温(℃)
T1:バッキングプレートを熱膨張させてスパッタリングターゲットを嵌合させるときのスパッタリングターゲットの温度(℃)(ただし、T1≧室温、T>T1)
ΔT1:T1-室温(℃)
CTEBP:温度Tにおけるバッキングプレートの線膨張係数(1/℃)
CT1ETG:温度T1におけるスパッタリングターゲットの線膨張係数(1/℃)
C:係数(ただし、C=0.5~4.0)
ΔD:室温から温度Tまで昇温させたときのバッキングプレートと室温から温度T1まで昇温させたときのスパッタリングターゲットの熱膨張量の差(mm) - 前記スパッタリングターゲットは、前記スパッタリングターゲットの前記ターゲット面の全周囲に前記バッキングプレートの前記プレート面が露出するように該バッキングプレートに嵌め込まれていることを特徴とする請求項1~17のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- 前記ターゲット面が前記プレート面よりも突出していることを特徴とする請求項1~18のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体。
- プレート面と、プレート裏面と、プレート側面と、押圧面とを有するバッキングプレートと、ターゲット面と、前記プレート面と向かい合うターゲット裏面と、ターゲット側面とを有するスパッタリングターゲットと、を準備する工程1と、
前記バッキングプレートを加熱して熱膨張させる工程2と、
前記ターゲット側面と前記バッキングプレートの押圧面とを向かい合わせになるように、前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートとを配置する工程3と、
前記バッキングプレートを冷却して、前記ターゲット側面が、前記押圧面で押圧されたカシメ構造を形成する工程4と、
を有することを特徴とするスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法。 - 前記工程1と前記工程2の間又は前記工程2と前記工程3の間に、中間層となる材料を前記スパッタリングターゲットと前記バッキングプレートとの接触箇所に充填又はコーティングする工程5をさらに有することを特徴とする請求項20に記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法。
- 前記工程3と前記工程4の間に、前記スパッタリングターゲットのターゲット裏面と前記バッキングプレートのプレート面とを拡散させるために、前記スパッタリングターゲットを押圧する工程6をさらに有することを特徴とする請求項20又は21に記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法。
- 少なくとも前記工程2、前記工程3及び前記工程4において、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)、放電プラズマ焼結法(SPS)及びホットプレートによる加熱法のうち少なくとも1つの方法を用いて行うことを特徴とする請求項20~22のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法。
- 前記工程6において、ホットプレス焼結法(HP)、熱間等方加圧焼結法(HIP)及び放電プラズマ焼結法(SPS)の少なくとも1つの方法を用いて行うことを特徴とする請求項22に記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法。
- 前記工程6において、10Pa以下の減圧雰囲気又は酸素濃度1000ppm以下の雰囲気とし、加熱温度を100~1000℃とし、かつ、押圧を0Pa以上80MPa以下の範囲とすることを特徴とする請求項22又は24に記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法。
- 前記工程4の後に、押圧又は加熱と押圧の工程及び冷却の工程を1組として1回行う又は2回以上繰り返し行うことを特徴とする請求項20~25のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体の製造方法。
- 請求項1~19のいずれか一つに記載のスパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体を加熱して、前記ターゲット側面から前記押圧面を離すまで熱膨脹させる工程Aと、
前記スパッタリングターゲットを前記バッキングプレートから取り外して、前記スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体から前記スパッタリングターゲットを回収する工程Bと、を有することを特徴とするスパッタリングターゲットの回収方法。
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TW110135824A TW202214893A (zh) | 2020-09-30 | 2021-09-27 | 濺鍍靶材-背板接合體、其製造方法及濺鍍靶材之回收方法 |
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JP2021144278A Pending JP2022117405A (ja) | 2020-09-30 | 2021-09-03 | スパッタリングターゲット‐バッキングプレート接合体、その製造方法及びスパッタリングターゲットの回収方法 |
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- 2021-09-03 JP JP2021144278A patent/JP2022117405A/ja active Pending
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