JP2022112924A - 双極型鉛蓄電池 - Google Patents

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憲治 廣田
Kenji Hirota
芳延 平
Yoshinobu Taira
英郎 西久保
Hideo Nishikubo
健一 須山
Kenichi Suyama
広樹 田中
Hiroki Tanaka
康雄 中島
Yasuo Nakajima
雅進 新垣
Masayuki Aragaki
彰 田中
Akira Tanaka
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Abstract

【課題】間隔を開けて積層配置された複数のセル部材と、複数のセル部材を個別に収容する複数の空間を形成する複数の空間形成部材と、を有し、空間形成部材がセル部材の正極側および負極側の少なくとも一方を覆う基板とセル部材の側面を囲う枠体とが一体に合成樹脂で形成されているものである双極型鉛蓄電池において、枠体の対向面同士の直接接合による接合構造を有しながら、十分な接合強度が発揮されるものを提供する。【解決手段】枠体の対向面同士が直接接合され、一方の対向面164は全面が接触面であり、他方の対向面144は、基板面に沿う方向Xにおいて、一方の対向面164より外側および内側に、一方の対向面164とは接触しない非接触面144a,144bを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、双極型鉛蓄電池に関する。
近年、太陽光や風力等の自然エネルギを利用した発電設備が増えている。このような発電設備においては、発電量を制御することができないことから、蓄電池を利用して電力負荷の平準化を図るようにしている。すなわち、発電量が消費量よりも多いときには差分を蓄電池に充電する一方、発電量が消費量よりも小さいときには差分を蓄電池から放電するようにしている。上述した蓄電池としては、経済性や安全性等の観点から、鉛蓄電池が多用されている。このような従来の鉛蓄電池としては、例えば、下記特許文献1に記載された双極型鉛蓄電池が知られている。
この双極型鉛蓄電池は、額縁形で樹脂製のフレームの内側に、樹脂製の基板が取り付けられている。基板の両面には鉛層が配設されている。基板の一面の鉛層には、正極用活物質層が隣接し、他面の鉛層には、負極用活物質層が隣接している。また、額縁形で樹脂製のスペーサを有し、その内側には、電解液を含浸させたガラスマットが配設されている。そして、フレームとスペーサとを交互に複数積層し、フレームとスペーサとの間が接着剤等で接着されている。また、基板に設けた貫通穴を介して、基板の両面の鉛層が接続されている。
すなわち、特許文献1に記載された双極型鉛蓄電池は、正極用活物質層を有する正極、負極用活物質層を有する負極、および正極と負極との間に介在するセパレータ(ガラスマット)を備え、間隔を開けて積層配置された、複数のセル部材と、複数のセル部材を個別に収容する複数の空間を形成する、複数の空間形成部材と、を有している。また、空間形成部材は、セル部材の正極側および負極側の少なくとも一方を覆う基板と、セル部材の側面を囲う枠体(二極式プレートおよび端部プレートの枠部とスペーサ)と、を含んでいる。また、セル部材と空間形成部材の基板とが交互に積層状態で配置され、セル部材同士が直列に電気的に接続され、隣接する枠体の対向面同士が接合されている。
特表2014-530450号公報
このような双極型鉛蓄電池において、基板と枠体が一体に合成樹脂で形成された空間形成部材を用いる場合、複数のセル部材収容空間を形成する方法として、枠体の対向面同士を振動溶接等で直接接合する方法を採用することが考えられる。しかし、枠体の対向面同士を接触させて直接接合する方法では、十分な接合強度が得られない可能性がある。
本発明の課題は、間隔を開けて積層配置された複数のセル部材と、複数のセル部材を個別に収容する複数の空間を形成する複数の空間形成部材と、を有し、空間形成部材がセル部材の正極側および負極側の少なくとも一方を覆う基板とセル部材の側面を囲う枠体とが一体に合成樹脂で形成されているものである双極型鉛蓄電池において、枠体の対向面同士の直接接合による接合構造を有しながら、十分な接合強度が発揮されるものを提供することである。
前述した課題を解決するための本発明の一態様は、以下の構成(1)~(4)を有する双極型鉛蓄電池である。
(1)正極用活物質層を有する正極、負極用活物質層を有する負極、および前記正極と前記負極との間に介在するセパレータ(電解質層)を備え、間隔を開けて積層配置された、複数のセル部材を有する。また、前記複数のセル部材を個別に収容する複数の空間を形成する、複数の空間形成部材を有する。前記空間形成部材は、前記セル部材の前記正極側および前記負極側の少なくとも一方を覆う基板と、前記セル部材の側面を囲う枠体と、を含む。
(2)前記基板と前記枠体は一体に合成樹脂で形成されている。
(3)前記セル部材と前記空間形成部材の前記基板とが交互に積層された状態で配置され、前記複数のセル部材が直列に電気的に接続されている。
(4)前記枠体の対向面同士の直接接合(接触状態での接合、例えば振動溶接での接合)による接合構造を有する。前記接合構造において、一方の前記対向面は全面が接触面であり、他方の前記対向面は、前記基板の面に沿う方向において、前記一方の対向面より外側および内側に、一方の対向面とは接触しない非接触面を有する。
本発明によれば、間隔を開けて積層配置された複数のセル部材と、複数のセル部材を個別に収容する複数の空間を形成する複数の空間形成部材と、を有し、空間形成部材がセル部材の正極側および負極側の少なくとも一方を覆う基板とセル部材の側面を囲う枠体とが一体に合成樹脂で形成されているものである双極型鉛蓄電池において、枠体の対向面同士の直接接合による接合構造を有しながら、十分な接合強度が発揮されるものを提供することが可能になる。
本発明の一実施形態である双極型鉛蓄電池の概略構成を示す断面図である。 図1の双極型鉛蓄電池の部分拡大図である。 図1の双極型鉛蓄電池を構成する空間形成部材の積層および結合状態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
〔全体構成〕
先ず、この実施形態の双極(バイポーラ)型鉛蓄電池の全体構成について説明する。
図1に示すように、この実施形態の双極型鉛蓄電池100は、複数のセル部材110と、複数枚のバイプレート(空間形成部材)120と、第一のエンドプレート(空間形成部材)130と、第二のエンドプレート(空間形成部材)140と、カバープレート170とを有する。図1ではセル部材110が三個積層された双極型鉛蓄電池100を示しているが、セル部材110の数は電池設計により決定される。また、バイプレート120の数はセル部材110の数に応じて決まる。
図2は、図1から、二枚のバイプレート120の部分を抜き出して説明している図である。
図1~図3に示すように、セル部材110の積層方向をZ方向(図1~図3の上下方向)とし、Z方向に垂直な方向で且つ互いに垂直な方向をX方向およびY方向とする。
セル部材110は、正極111、負極112、およびセパレータ(電解質層)113を備えている。セパレータ113には電解液が含浸されている。正極111は、正極用鉛箔111aと正極用活物質層111bを有する。負極112は負極用鉛箔112aと負極用活物質層112bを有する。セパレータ113は、正極111と負極112との間に介在している。セル部材110において、正極用鉛箔111a、正極用活物質層111b、セパレータ113、負極用活物質層112b、および負極用鉛箔112aは、この順に積層されている。
正極用鉛箔111aおよび負極用鉛箔112aのX方向およびY方向の寸法は、正極用活物質層111bおよび負極用活物質層112bのX方向およびY方向の寸法より大きい。Z方向の寸法(厚さ)は、正極用鉛箔111aの方が負極用鉛箔112aより大きく(厚く)、正極用活物質層111bの方が負極用活物質層112bより大きい(厚い)。
複数のセル部材110は、Z方向に間隔を開けて積層配置され、この間隔の部分にバイプレート120の基板121が配置されている。つまり、複数のセル部材110は、バイプレート120の基板121を間に挟んだ状態で積層されている。
複数枚のバイプレート120と第一のエンドプレート130と第二のエンドプレート140は、複数のセル部材110を個別に収容する複数の空間(セル)Cを形成するための部材である。
図2に示すように、バイプレート120は、平面形状が長方形の基板121と、基板121の四つの端面を覆う枠体122と、基板121の両面から垂直に突出する柱部123とからなり、基板121と枠体122と柱部123は一体に合成樹脂で形成されている。なお、基板121の各面から突出する柱部123の数は一つであってもよいし、複数であってもよい。
Z方向において、枠体122の寸法は基板121の寸法(厚さ)より大きく、柱部123の突出端面間の寸法は枠体122の寸法と同じである。そして、複数のバイプレート120が枠体122および柱部123同士を接触させて積層することにより、基板121と基板121との間に空間Cが形成され、互いに接触する柱部123同士により、空間CのZ方向の寸法が保持される。
正極用鉛箔111a、正極用活物質層111b、負極用鉛箔112a、負極用活物質層112b、およびセパレータ113には、柱部123を貫通させる貫通穴111c,111d,112c,112d,113aがそれぞれ形成されている。
バイプレート120の基板121は、板面を貫通する複数の貫通穴121aを有する。基板121の一面に第一の凹部121bが、他面に第二の凹部121cが形成されている。第一の凹部121bの深さは第二の凹部121cより深い。第一の凹部121bおよび第二の凹部121cのX方向およびY方向の寸法は、正極用鉛箔111aおよび負極用鉛箔112aのX方向およびY方向の寸法に対応させてある。
バイプレート120の基板121は、Z方向で、隣り合うセル部材110の間に配置されている。
バイプレート120の基板121の第一の凹部121bに、セル部材110の正極用鉛箔111aが接着剤層150を介して配置されている。
カバープレート170は、正極用鉛箔111aの外縁部を覆うためのものであり、薄板状の枠体で、長方形の内形線および外形線を有する。そして、カバープレート170の内縁部が正極用鉛箔111aの外縁部と重なり、カバープレート170の外縁部が基板121の一面の第一の凹部121bの周縁部と重なっている。つまり、カバープレート170の内形線をなす長方形は、正極用活物質層111bの外形線をなす長方形より小さく、カバープレート170の外形線をなす長方形は、第一の凹部121bの開口面をなす長方形より大きい。
接着剤層150は、正極用鉛箔111aの端面から第一の凹部121bの開口側の外縁部まで回り込んで、カバープレート170の内縁部と正極用鉛箔111aの外縁部との間にも配置され、カバープレート170の外縁部と基板121の一面との間にも配置されている。つまり、カバープレート170は接着剤層150により、基板121の一面の第一の凹部121bの周縁部と正極用鉛箔111aの外縁部とに亘って固定されている。これにより、正極用鉛箔111aの外縁部は、第一の凹部121bの周縁部との境界部においてもカバープレート170で確実に覆われている。
また、バイプレート120の基板121の第二の凹部121cに、セル部材110の負極用鉛箔112aが接着剤層150を介して配置されている。なお、負極用鉛箔112aの外縁部も、正極用鉛箔111aの外縁部を覆っているカバープレート170と同様のカバープレートで覆われていても良い。
バイプレート120の基板121の貫通穴121aに導通体160が配置され、導通体160の両端面は、正極用鉛箔111aおよび負極用鉛箔112aと接触し、結合されている。つまり、導通体160により正極用鉛箔111aと負極用鉛箔112aとが電気的に接続されている。その結果、複数のセル部材110の全てが電気的に直列に接続されている。
図1に示すように、第一のエンドプレート130は、セル部材110の正極側を覆う基板131と、セル部材110の側面を囲う枠体132と、基板131の一面(最も正極側に配置されるバイプレート120の基板121と対向する面)から垂直に突出する柱部133とからなる。基板131の平面形状は長方形であり、基板131の四つの端面が枠体132で覆われ、基板131と枠体132と柱部133が一体に合成樹脂で形成されている。なお、基板131の一面から突出する柱部133の数は一つであってもよいし、複数であってもよいが、柱部133と接触させるバイプレート120の柱部123に対応させる。
Z方向において、枠体132の寸法は基板131の寸法(厚さ)より大きく、柱部133の突出端面間の寸法は枠体132の寸法と同じである。そして、最も外側(正極側)に配置されるバイプレート120の枠体122および柱部123に対して、枠体132および柱部133を接触させて積層することにより、バイプレート120の基板121と第一のエンドプレート130の基板131との間に空間Cが形成され、互いに接触するバイプレート120の柱部123と第一のエンドプレート130の柱部133とにより、空間CのZ方向の寸法が保持される。
最も外側(正極側)に配置されるセル部材110の正極用鉛箔111a、正極用活物質層111b、およびセパレータ113には、柱部133を貫通させる貫通穴111c,111d,113aがそれぞれ形成されている。
第一のエンドプレート130の基板131の一面に凹部131bが形成されている。凹部131bのX方向およびY方向の寸法は、正極用鉛箔111aのX方向およびY方向の寸法に対応させてある。
第一のエンドプレート130の基板131の凹部131bに、セル部材110の正極用鉛箔111aが接着剤層150を介して配置されている。また、バイプレート120の基板121と同様に、カバープレート170が接着剤層150により基板131の一面側に固定され、正極用鉛箔111aの外縁部が、凹部131bの周縁部との境界部においてもカバープレート170で確実に覆われている。
また、第一のエンドプレート130は、凹部131b内の正極用鉛箔111aと電気的に接続された正極端子を備えている。
第二のエンドプレート140は、セル部材110の負極側を覆う基板141と、セル部材110の側面を囲う枠体142と、基板141の一面(最も負極側に配置されるバイプレート120の基板121と対向する面)から垂直に突出する柱部143とからなる。基板141の平面形状は長方形であり、基板141の四つの端面が枠体142で覆われ、基板141と枠体142と柱部143が一体に合成樹脂で形成されている。なお、基板141の一面から突出する柱部143の数は一つであってもよいし、複数であってもよいが、柱部143と接触させるバイプレート120の柱部123に対応させる。
Z方向において、枠体142の寸法は基板131の寸法(厚さ)より大きく、二つの柱部143の突出端面間の寸法は枠体142の寸法と同じである。そして、最も外側(負極側)に配置されるバイプレート120の枠体122および柱部123に対して、枠体142および柱部143を接触させて積層することにより、バイプレート120の基板121と第二のエンドプレート140の基板141との間に空間Cが形成され、互いに接触するバイプレート120の柱部123と第二のエンドプレート140の柱部143とにより、空間CのZ方向の寸法が保持される。
最も外側(負極側)に配置されるセル部材110の負極用鉛箔112a、負極用活物質層112b、およびセパレータ113には、柱部143を貫通させる貫通穴112c,112d,113aがそれぞれ形成されている。
第二のエンドプレート140の基板141の一面に凹部141bが形成されている。凹部141bのX方向およびY方向の寸法は、負極用鉛箔112aのX方向およびY方向の寸法に対応させてある。
第二のエンドプレート140の基板141の凹部141bに、セル部材110の負極用鉛箔112aが接着剤層150を介して配置されている。
また、第二のエンドプレート140は、凹部141b内の負極用鉛箔112aと電気的に接続された負極端子を備えている。
なお、上記説明から分かるように、バイプレート120は、セル部材110の正極側および負極側の両方を覆う基板121と、セル部材110の側面を囲う枠体122と、を含む空間形成部材である。第一のエンドプレート130は、セル部材110の正極側を覆う基板131と、セル部材110の側面を囲う枠体132と、を含む空間形成部材である。第二のエンドプレート140は、セル部材110の負極側を覆う基板141と、セル部材110の側面を囲う枠体142と、を含む空間形成部材である。
〔バイプレート、第一および第二のエンドプレートの枠体について〕
以下において、バイプレート120の枠体122、第一のエンドプレートの枠体132、および第二のエンドプレートの枠体142に共通の構成を説明する場合は、これらの枠体122,132,142を単に「枠体」として説明する。
図1~図3に示すように、枠体の四つの端面(外側面、図3はX方向の一端面を示している)には、多数の凹部12が形成されている。凹部12は、Z方向で対向する一面12aおよび他面12bと、X方向またはY方向で対向する一面12cおよび他面12dと、平面でない底面12eを有する。
つまり、枠体は、隣り合う凹部12を仕切る壁部13、多数の凹部12のZ方向で対向する一面12aを連続して形成する第一の板部14、多数の凹部12のZ方向および他面12bを連続して形成する第二の板部15、および第二の板部15から第一の板部14とは反対側(図1~図3の上側)に延びる脚部16を有する。
第一の板部14の第二の板部15とは反対側(図1~図3の下側)の面はX方向の両端が面取りしてあり、面取り部を除いた面(他方の対向面)144のX方向の寸法L2は、脚部16の第二の板部15とは反対側(図1~図3の上側)の面(一方の対向面)164のX方向の寸法L1より大きい。両寸法の関係は、比(L2/L1)が5/4以上2以下であることが好ましく、比(L2/L1)が3/2(つまり、L1:L2=2:3)がさらに好ましく、例えばL1は4mm、L2は6mmである。
また、底面12eは段差を有し、段差に沿う面12fは凹部12のZ方向(セル部材110の積層方向)の中間位置に存在する。図2の線Eは、段差に沿う面12fのZ方向での位置を示す線である。つまり、底面12eは、面積が同じで深さの異なる第一の底面12gおよび第二の底面12hを有する。バイプレート120の正極111側の底面である第一の底面12gの深さ(X方向の寸法)は、バイプレート120の負極112側の底面である第二の底面12hの深さより浅い。
そして、双極型鉛蓄電池100は、枠体の対向面同士の振動溶接による接合構造を有し、この接合構造において、枠体同士の対向面である脚部16の面164と第一の板部14の面144とが、直接、振動溶接で接合されている。また、脚部16の面(一方の対向面)164の全面が接触面であり、第一の板部14の面(他方の対向面)144は、基板面に沿う方向(図1~図3に示されている断面ではX方向)において、脚部16の面164より外側および内側に、脚部16の面164とは接触しない非接触面144a,144bを有する。さらに、脚部16の面164と接触しない第一の板部14の非接触面144a,144bと、脚部16の外側面および内側面と、で形成される角部に、補強部17が存在する。
なお、枠体が有する四つの端面のうちの一つの端面には、空間Cに電解液を入れるための注入穴を形成する切り欠き部が形成されている。この切り欠き部は、例えば図1で右側に存在する枠体の側面に形成されている場合、枠体をX方向に貫通し、枠体のZ方向の両端面から半円弧状に凹む形状を有する。そして、この切り欠き部は上述の接合構造に関与せず、振動溶接により上述の接合構造が形成される際に、対向する切り欠き部によって円形の注入穴が形成される。
〔製造方法〕
この実施形態の双極型鉛蓄電池100は、以下の各工程を有する方法で製造することができる。
<正負極用鉛箔付きバイプレートの作製工程>
先ず、バイプレート120の基板121を、第一の凹部121b側を上に向けて作業台に置き、第一の凹部121bに接着剤を塗布し、第一の凹部121b内に正極用鉛箔111aを入れる。その際に、正極用鉛箔111aの貫通穴111cにバイプレート120の柱部123を通す。この接着剤を硬化させて、基板121の一面に正極用鉛箔111aを貼り付ける。
次に、基板121の第二の凹部121c側を上に向けて作業台に置き、貫通穴121aに導通体160を挿入する。次に、第二の凹部121cに接着剤を塗布し、第二の凹部121c内に負極用鉛箔112aを入れる。その際に、負極用鉛箔112aの貫通穴112cにバイプレート120の柱部123を通す。この接着剤を硬化させて、基板121の他面に負極用鉛箔112aを貼り付ける。
次に、基板121の第一の凹部121b側を上に向けて作業台に置き、正極用鉛箔111aの外縁部の上および第一の凹部121bの縁部となる基板121の上面に接着剤を塗布し、その上にカバープレート170を載せて接着剤を硬化させる。これにより、カバープレート170を、正極用鉛箔111aの外縁部の上とその外側に連続する基板121の部分(第一の凹部121bの周縁部)の上に亘って固定する。正極用鉛箔111aの外縁部の上に配置されている部分の寸法(L3)は、外側に連続する基板121の部分の上に配置されている部分の寸法(L4)より大きく(例えばL3:L4=5:4に)する。
次に、抵抗溶接を行って、導通体160で正極用鉛箔111aと負極用鉛箔112aとを接続する。これにより、正負極用鉛箔付きのバイプレート120を得る。この正負極用鉛箔付きのバイプレート120を必要枚数だけ用意する。
<正極用鉛箔付きエンドプレートの作製工程>
第一のエンドプレート130の基板131を、凹部131b側を上に向けて作業台に置き、凹部131bに接着剤を塗布し、凹部131b内に正極用鉛箔111aを入れて接着剤を硬化させる。その際に、正極用鉛箔111aの貫通穴111cにエンドプレート130の柱部133を通す。この接着剤を硬化させて、基板131の一面に正極用鉛箔111aを貼り付ける。
次に、正極用鉛箔111aの外縁部の上および凹部131bの縁部となる基板131の上面に接着剤を塗布し、その上にカバープレート170を載せて接着剤を硬化させる。これにより、カバープレート170を、正極用鉛箔111aの外縁部の上とその外側に連続する基板131の部分の上に亘って固定する。正極用鉛箔111aの外縁部の上に配置されている部分の寸法(L3)は、外側に連続する基板131の部分の上に配置されている部分の寸法(L4)より大きく(例えばL3:L4=5:4に)する。
これにより、正極用鉛箔付きエンドプレートを得る。
<負極用鉛箔付きエンドプレートの作製工程>
第二のエンドプレート140の基板141を、凹部141b側を上に向けて作業台に置き、凹部141bに接着剤を塗布し、凹部141b内に負極用鉛箔112aを入れて接着剤を硬化させる。その際に、負極用鉛箔112aの貫通穴112cに第二のエンドプレート140の柱部143を通す。この接着剤を硬化させて、基板141の一面に負極用鉛箔112aが貼り付けられた第二のエンドプレート140を得る。
<プレート同士を積層して接合する工程>
先ず、正極用鉛箔111aおよびカバープレート170が固定された第一のエンドプレート130を、正極用鉛箔111aを上に向けて作業台に置き、カバープレート170の中に正極用活物質層111bを入れて正極用鉛箔111aの上に置く。その際に、正極用活物質層111bの貫通穴111dに第一のエンドプレート130の柱部133を通す。次に、正極用活物質層111bの上に、セパレータ113、負極用活物質層112bを置く。
次に、この状態の第一のエンドプレート130の上に、正負極用鉛箔付きのバイプレート120の負極用鉛箔112a側を下に向けて置く。その際に、バイプレート120の柱部123を、セパレータ113の貫通穴113aおよび負極用活物質層112bの貫通穴112dに通して、第一のエンドプレート130の柱部133の上に載せるとともに、第一のエンドプレート130の枠体132の脚部16の上に、バイプレート120の枠体122の第一の板部14を載せる。
この状態で、第一のエンドプレート130を固定し、バイプレート120を基板121の対角線方向に1.6mmの振幅で振動させながら振動溶接を行う。これにより、第一のエンドプレート130の枠体132の脚部16の上に、バイプレート120の枠体122の第一の板部14が接合され、第一のエンドプレート130の柱部133の上にバイプレート120の柱部123が接合される。その結果、第一のエンドプレート130の上にバイプレート120が接合され、第一のエンドプレート130とバイプレート120とで形成される空間Cにセル部材110が配置され、バイプレート120の上面に正極用鉛箔111aが露出した状態となる。
次に、このようにして得られた、第一のエンドプレート130の上にバイプレート120が接合されている結合体の上に、正極用活物質層111b、セパレータ113、および負極用活物質層112bをこの順に載せた後、さらに、別の正負極用鉛箔付きのバイプレート120を、負極用鉛箔112a側を下に向けて置く。この状態で、この結合体を固定し、別の正負極用鉛箔付きのバイプレート120を基板121の対角線方向に1.6mmの振幅で振動させながら振動溶接を行う。この振動溶接工程を、必要な枚数のバイプレート120が第一のエンドプレート130の上に接合されるまで続けて行う。
最後に、全てのバイプレート120が接合された結合体の最も上側のバイプレート120の上に、正極用活物質層111b、セパレータ113、および負極用活物質層112bをこの順に載せた後、さらに、第二のエンドプレート140を、負極用鉛箔112a側を下に向けて置く。この状態で、この結合体を固定し、第二のエンドプレート140を基板141の対角線方向に1.6mmの振幅で振動させながら振動溶接を行う。これにより、全てのバイプレート120が接合された結合体の最も上側のバイプレート120の上に、第二のエンドプレート140が接合される。
また、振動溶接工程において、第一の板部14および脚部16を形成する合成樹脂が溶けて、第一の板部14の非接触面144a,144bと脚部16の外側面および内側面との間に移動した状態で冷えて固まることで、非接触面144a,144bと、脚部16の外側面および内側面と、で形成される角部に、補強部17が形成される。
<電解液を入れる工程>
上述の各プレート同士の積層、接合工程において、枠体の対向面同士の振動溶接による接合構造が形成され、対向する枠体の切り欠き部によって、双極型鉛蓄電池100の例えばX方向の一端面の各空間Cの位置に、円形の注入穴が形成されている。この注入穴から各空間Cの内部に電解液を入れて、セパレータ113に電解液を含浸させる。
なお、注入穴は、上述のように、予め枠体に切り欠き部を設けることで形成してもよいし、枠体の接合後にドリル等を用いて開けてもよい。
〔作用、効果〕
実施形態の双極型鉛蓄電池100は、枠体の対向面同士の振動溶接による接合構造(直接接合による接合構造)を有し、この接合構造において、一方の対向面144は全面が接触面であり、他方の対向面164は、X方向およびY方向(基板面に沿う方向)において、一方の対向面144より外側および内側に非接触面144a,144bを有している。また、L1は4mm、L2は6mmであり(つまり、L2/L1=5/4以上2以下を満たし)、基板121,141の対角線方向に1.6mmの振幅で振動させながら振動溶接を行っているため、振動溶接時に枠体の対向面同士が常時全面接触している。
よって、振動溶接時に枠体の対向面同士が全面接触しない状態になる時があるように構成された双極型鉛蓄電池と比較して、枠体の対向面同士の接合強度が高くなっている。また、補強部17が存在することで、補強部17がない場合よりも接合強度が高くなる。
実施形態の双極型鉛蓄電池100は、枠体の四つの端面(外側面)に形成された多数の凹部12により、枠体の端面における外気に触れる表面積が増大するため、このような凹部を設けていない双極型鉛蓄電池と比較して放熱性が高くなる。また、凹部12の底面12eが段差を有するため、凹部12の底面が平坦な場合と比較して、枠体の端面における外気に触れる表面積が増大するため、放熱性がより高くなる。
さらに、凹部12の底面12eが有する段差に沿う面12fが、凹部12のZ方向の中間位置に存在するため、凹部12のZ方向の中間位置からずれた位置に存在している場合と比較して、基板121の正極111側からの熱および負極112側からの熱が合流する位置で、より効果的な放熱がなされるようになる。
その結果、実施形態の双極型鉛蓄電池100によれば、内部に熱が籠ることに伴う電池性能の悪化が防止できる。
さらに、枠体の端面に凹部を設ける場合、振動溶接時の加圧に対する枠体の機械的強度の低下が懸念される。これに対して、実施形態の双極型鉛蓄電池100では、X方向およびY方向に多数の凹部12を設けることで生じたZ方向に延びる壁部13により、振動溶接時の加圧に対する枠体の機械的強度の低下が低減されて、変形が抑制される。その結果、振動溶接による接合の確実性が高くなる。
さらに、カバープレート170で正極用鉛箔111aの外縁部が、第一の凹部121bの周縁部との境界部においても確実に覆われているため、電解液中の硫酸で腐食されて正極111にグロースが生じた場合でも、正極用鉛箔111aの端部に電解液が浸入することが抑制される。その結果、「正極鉛箔111aと接着剤層150との界面に電解液が浸入して、基板121の貫通穴121aと導通体160との隙間を経由して、負極用鉛箔111aに到達すること」が抑制されるため、実施形態の双極型鉛蓄電池100は、短絡が防止されて電池性能の低下が生じにくくなる効果も奏する。
〔実施形態と本発明の一態様との違い〕
上記実施形態では、正極用鉛箔付エンドプレートの上に正負極用鉛箔付バイプレートを必要枚数、振動溶接により接合し、さらにその上に負極用鉛箔付エンドプレートを振動溶接により接合する方法を採用しているが、プレート同士の接合方法はこれに限らない。つまり、負極用鉛箔付エンドプレートの上に正負極用鉛箔付バイプレートを必要枚数、振動溶接により接合し、さらにその上に正極用鉛箔付エンドプレートを振動溶接により接合する方法を採用してもよい。
12 枠体の凹部
12e 凹部の平坦でない底面
12f 段差に沿う面
12g 第一の底面
12h 第二の底面
13 隣り合う凹部を仕切る壁部
14 第一の板部
15 第二の板部
16 脚部
17 補強部
100 双極(バイポーラ)型鉛蓄電池
110 セル部材
111 正極
112 負極
111a 正極用鉛箔
112a 負極用鉛箔
111b 正極用活物質層
112b 負極用活物質層
113 セパレータ
120 バイプレート
121 バイプレートの基板
121a 基板の貫通穴
121b 基板の第一の凹部
121c 基板の第二の凹部
122 バイプレートの枠体
130 第一のエンドプレート
131 第一のエンドプレートの基板
132 第一のエンドプレートの枠体
140 第二のエンドプレート
141 第二のエンドプレートの基板
142 第二のエンドプレートの枠体
144a,144b 非接触面
144 第一の板部の面(他方の対向面)
150 接着剤層
160 導通体
164 脚部の面(一方の対向面)
170 カバープレート
C セル(セル部材を収容する空間)
E 段差に沿う面のZ方向での位置を示す線

Claims (4)

  1. 正極用活物質層を有する正極、負極用活物質層を有する負極、および前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを備え、間隔を開けて積層配置された、複数のセル部材と、
    前記複数のセル部材を個別に収容する複数の空間を形成する、複数の空間形成部材と、
    を有し、
    前記空間形成部材は、前記セル部材の前記正極側および前記負極側の少なくとも一方を覆う基板と、前記セル部材の側面を囲う枠体と、を含み、
    前記基板と前記枠体は一体に合成樹脂で形成され、
    前記セル部材と前記空間形成部材の前記基板とが交互に積層された状態で配置され、
    前記複数のセル部材が直列に電気的に接続され、
    前記枠体の対向面同士の直接接合による接合構造を有し、前記接合構造において、一方の前記対向面は全面が接触面であり、他方の前記対向面は、前記基板の面に沿う方向において、前記一方の対向面より外側および内側に、前記一方の対向面とは接触しない非接触面を有する双極型鉛蓄電池。
  2. 前記基板の面に沿う方向における前記一方の対向面の寸法L1に対する前記他方の対向面の寸法L2の比(L2/L1)は5/4以上2以下を満たす請求項1記載の双極型鉛蓄電池。
  3. 前記比(L2/L1)は3/2である請求項2記載の双極型鉛蓄電池。
  4. 前記非接触面と、前記接触面を有する前記枠体の前記基板の面に沿う方向における外側面および内側面と、で形成される角部に、補強部が存在する請求項1~3のいずれか一項に記載の双極型鉛蓄電池。
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