JP2022110605A - ケーブル、センシングケーブル、およびセンシングシステム - Google Patents

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Masateru Tadakuma
繁弘 高坂
Shigehiro Kosaka
隆一 杉崎
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Abstract

【課題】例えば、形状の検出が可能な構成をより容易に構築することができるなど、より改善されたケーブル、センシングケーブル、およびセンシングシステムを得る。【解決手段】ケーブルは、例えば、伝送線と、伝送線とは別に設けられたセンシングケーブルと、を備え、センシングケーブルは、それぞれコアと当該コアを取り囲むクラッドとを有し、複数のセンシング光ファイバと、複数のセンシング光ファイバを互いに間隔をあけた状態で保持する保持部材と、を有する。また、ケーブルは、例えば、保持部材として、センシングケーブルの長手方向に延びてそれぞれセンシング光ファイバを収容する複数の溝が設けられた第一保持部材を有してもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、ケーブル、センシングケーブル、およびセンシングシステムに関する。
従来、光ファイバは様々な物理量を検出するために用いられている(特許文献1参照)。
また、近年では、マルチコア光ファイバの長手方向における局所的な曲げを検出することによって、そのマルチコア光ファイバの長手方向における形状を検出する技術が開発されている(非特許文献1~3参照)。ケーブルがある曲げ半径で変形した場合、ケーブル中心でのファイバ伸縮を基準として考えると、曲りの内側に位置するファイバは短縮し、外側に位置するファイバは伸長する。このケーブル内の断面内の位置の違いによるファイバの歪量の違いから、ケーブルがどちらの方向にどれだけ変形しているかを推定することができる。
特開2017-32979号公報
J. P. Moore, "Shape sensing using multi-core fiber," in Proc. Opt. Fiber Commun. Conf., 2015, p. Th1C.2. J. P. Moore and M. D. Rogge, "Shape sensing using multi-core fiber optic cable and parametric curve solutions," Opt. Express, vol. 20, no. 3, pp. 2967 - 2973, 2012. Paul S. Westbrook, Tristan Kremp, Kenneth S. Feder, Wing Ko, Eric. M. Monberg, Hongchao Wu, Debra A. Simoff, Thierry F. Taunay, and Roy M. Ortiz, "Continuous Multicore Optical Fiber Grating Arrays for Distributed Sensing Applications" J. Lightw. Technol., vol. 35, no. 6, pp. 1248 - 1252, March 2017. 山田裕介、中島和秀、倉嶋利雄、「通信用光ファイバの強度保証と破断特性評価技術」、NEW GLASS、Vol.27 No.106、2012. M. Froggatt and J. Moore, "High-spatial-resolution distributed strain measurement in optical fiber with Rayleigh scatter" Appl. Opt. 37, 1735-1740 1998. H. Ohno, H. Naruse, M. Kihara, and A. Shimada, "Industrial Applications of the BOTDR Optical Fiber Strain Sensor"Optical Fiber Technology 7, 45-64 2001. Y. Mizuno, W. Zou, Z. He,and K. Hotate, "Proposal of Brillouin optical correlation-domain reflectometry (BOCDR)" OPTICS EXPRESS Vol. 16, No. 16 12148-12153 2008. X. Bao, D. J. Webb and D. A. Jackson, "32km Distributed Temperature Sensor Based on Brillouin Loss in an Optical Fiber," Optics Letters, vol. 18, no. 18, p.1561, September 1993. K. Hotate, T. Hasegawa, "Measurement of Brillouin Gain Spectrum Distribution along an Optical Fiber Using a Correlation-Based Technique-Proposal, Experiment and Simulation", IEICE TRANS. ELECTRON., Vol.,E83-C, No.3 405-412 2000.
ケーブルには、伝送線として電力線を含む電力ケーブルや、伝送線として光ファイバやメタル線等の通信線を備える通信ケーブルや、光ファイバと電力線とを含む複合ケーブルなど、様々が種類のケーブルが存在する。これらのケーブルにおいて、その形状を検出することは重要である。例えば、通信ケーブルにおいては、敷設時あるいは敷設後の周囲環境の影響などにより、ケーブルの形状が変化して、その形状の変化が内部の光ファイバ線の光伝送特性に影響を与える場合がある。また、ケーブルの形状の変化は、ケーブルの損傷や破断を引き起こす場合もある。ケーブルの種類やその使用形態の多様化に応じて、ケーブルの形状のセンシングに対する要求は高まっている。
このようなケーブルの形状のセンシングにおいて、例えば、形状の検出が可能な構成をより容易に構築することができるなど、より改善されたケーブル、センシングケーブル、およびセンシングシステムが得られれば、有益である。
本発明のケーブルは、例えば、伝送線と、前記伝送線とは別に設けられたセンシングケーブルと、を備え、前記センシングケーブルは、それぞれコアと当該コアを取り囲むクラッドとを有した3本以上のセンシング光ファイバと、前記3本以上のセンシング光ファイバを互いに間隔をあけた状態で保持する保持部材と、を有する。
前記ケーブルは、前記保持部材として、前記センシングケーブルの長手方向に延びてそれぞれ前記センシング光ファイバを収容する複数の溝が設けられた第一保持部材を有してもよい。
前記ケーブルは、前記保持部材として、それぞれ前記センシング光ファイバを保持する複数の保持部が設けられ前記センシングケーブルの長手方向に間隔をあけて設けられた複数の第二保持部材を有してもよい。
前記ケーブルは、前記保持部材として、前記センシングケーブルの長手方向に延びて前記複数の第二保持部材を固定した第三保持部材を有してもよい。
前記ケーブルは、前記保持部材として、前記センシング光ファイバと並行して前記センシングケーブルの長手方向に延びた第四保持部材を有してもよい。
前記ケーブルは、前記第四保持部材として、前記センシング光ファイバと前記センシングケーブルの周方向にずれて位置された第五保持部材を有してもよい。
前記ケーブルは、前記第四保持部材として、3本以上のセンシング光ファイバに対して前記センシングケーブルの径方向内側に位置された第六保持部材を有してもよい。
前記ケーブルにあっては、前記センシングケーブルは、前記3本以上のセンシング光ファイバを接合するか、あるいは前記センシング光ファイバと前記保持部材とを接合する接合部材を有してもよい。
前記ケーブルにあっては、前記センシングケーブルにおいて、前記3本以上のセンシング光ファイバが、多重螺旋状に配置されてもよい。
前記ケーブルにあっては、少なくとも一つの前記センシング光ファイバに含まれる前記コアが、長手方向において屈折率が周期的に変化しているファイバブラッググレーティングコアを含んでもよい。
前記ケーブルは、前記センシングケーブルとして、前記ケーブルにおいて螺旋状に配置された第一センシングケーブルを備えてもよい。
前記ケーブルは、前記センシングケーブルとして、前記ケーブルの第一軸心に沿う第二センシングケーブルを備えてもよい。
前記ケーブルにあっては、前記ケーブルの第一軸心から前記センシングケーブルの第二軸心までの第一距離、および前記第二軸心から前記センシング光ファイバの第三軸心までの第二距離が、前記ケーブルの許容される最小曲げ半径における前記センシング光ファイバの歪量が所定の閾値以下となるよう、設定されてもよい。
前記ケーブルにあっては、前記伝送線は電力線であってもよい。
前記ケーブルにあっては、前記伝送線は通信線であってもよい。
本発明のセンシングケーブルは、例えば、それぞれコアと当該コアを取り囲むクラッドとを有し、3本以上のセンシング光ファイバと、前記3本以上のセンシング光ファイバを互いに間隔をあけた状態で保持する保持部材と、を有する。
本発明のセンシングケーブルは、例えば、コアと当該コアを取り囲むクラッドとを有したセンシング光ファイバを有し、前記センシング光ファイバは、折り返され長手方向に延びた複数の区間を有する。
前記センシングケーブルにあっては、前記複数の区間は第一区間と第二区間とを含み、前記第一区間は、前記センシングケーブルの第二軸心と直交する断面において、当該第二軸心に対して当該第二軸心と交差する第一方向に離間して位置され、前記第二区間は、前記断面において、前記第二軸心を通り前記第一方向と直交する第二方向に延びる仮想線に対して、前記第一区間とは反対側に位置されてもよい。
前記センシングケーブルにあっては、前記複数の区間は、前記センシングケーブルの第二軸心と直交する断面において、略回転対称となる位置に配置されてもよい。
本発明のケーブル形状のセンシングシステムは、例えば、前記ケーブルの前記センシング光ファイバに入力する試験光を出力する光源部と、前記試験光のそれぞれに起因して発生し、前記コアのそれぞれの前記一方の端部から出力する後方散乱光に関して測定を行う測定部と、前記測定部におけるそれぞれの前記後方散乱光に関する測定結果をもとに、前記コアのそれぞれの歪みを算出し、前記算出したそれぞれの歪みをもとに前記ケーブルの形状を算出する演算部と、を備える。
本発明のケーブル形状のセンシングシステムは、例えば、前記センシングケーブルの前記センシング光ファイバに入力する試験光を出力する光源部と、前記試験光に対応して前記センシング光ファイバで生じた後方散乱光を測定する測定部と、前記測定部における前記後方散乱光の測定結果を前記区間のそれぞれの測定結果に分割し、前記複数の区間の測定結果に基づいて前記センシングケーブルの形状を算出する演算部と、を備える。
前記ケーブル形状のセンシングシステムにあっては、前記後方散乱光のそれぞれはレイリー散乱光であり、光周波数領域反射法を用いて前記コアのそれぞれの歪みを算出することができるよう構成されてもよい。
前記ケーブル形状のセンシングシステムにあっては、前記後方散乱光のそれぞれはブリユアン散乱光であり、前記ブリユアン散乱光に関する測定結果をもとに、前記コアのそれぞれの歪みを算出することができるよう構成されてもよい。
前記ケーブル形状のセンシングシステムにあっては、試験光を前記センシング光ファイバに入力するとともに、前記試験光に対応して前記複数の区間から出力された後方散乱光を前記測定部に入力する光デバイスを備えてもよい。
前記ケーブル形状のセンシングシステムは、前記試験光を前記光デバイスに伝送する試験光伝送路と、前記試験光伝送路とは別個に設けられ、前記後方散乱光を前記光デバイスから前記測定部に伝送する後方散乱光伝送路と、を備えてもよい。
前記ケーブル形状のセンシングシステムは、前記センシング光ファイバとして複数のセンシング光ファイバを備え、前記複数のセンシング光ファイバの一方の端部に入力するポンプ光を出力するポンプ光源と、前記複数のセンシング光ファイバの他方の端部に入力するプローブ光を出力するプローブ光源と、を有した光源部と、前記複数のセンシング光ファイバにおいて前記ポンプ光によってブリユアン増幅された前記プローブ光の測定を行う測定部と、前記複数のセンシング光ファイバに前記ポンプ光および前記プローブ光のそれぞれを入力するとともに、前記複数のセンシング光ファイバからの前記プローブ光を前記測定部に入力する光デバイスと、前記測定部における前記複数のセンシング光ファイバからの前記プローブ光の測定結果に基づいて、前記センシング光ファイバのそれぞれの歪みを算出し、当該算出した歪みに基づいて前記センシングケーブルの形状を算出する演算部と、を備えてもよい。
前記ケーブル形状のセンシングシステムは、前記センシング光ファイバとして長手方向の端部で折り返されるとともに直列に接続された少なくとも四つの区間を有したセンシング光ファイバを備え、前記センシング光ファイバの一方の端部に入力するポンプ光を出力するポンプ光源と、前記センシング光ファイバの他方の端部に入力するプローブ光を出力するプローブ光源と、を有した光源部と、前記センシング光ファイバにおいて前記ポンプ光によってブリユアン増幅された前記プローブ光の測定を行う測定部と、前記ポンプ光および前記プローブ光のそれぞれを前記センシング光ファイバに入力するとともに、前記センシング光ファイバの前記一方の端部からの前記プローブ光を前記測定部に入力する光デバイスと、前記測定部における前記センシング光ファイバからの前記プローブ光の測定結果を、前記少なくとも四つの区間のそれぞれの測定結果に分割し、当該少なくとも四つの区間のそれぞれの歪みを算出し、当該算出した歪みに基づいて前記センシングケーブルの形状を算出する演算部と、を備えてもよい。
前記ケーブル形状のセンシングシステムは、前記ポンプ光を前記光デバイスに伝送するポンプ光伝送路と、前記プローブ光を前記光デバイスに伝送するプローブ光伝送路と、前記ポンプ光伝送路とプローブ光伝送路は別個の、前記コアから出力された前記プローブ光を前記光デバイスから前記測定部に伝送する後方伝搬プローブ光伝送路と、を備えてもよい。
前記ケーブル形状のセンシングシステムにあっては、前記測定部による測定結果に基づいて前記センシングケーブルの長手方向における温度分布を求め、前記算出された歪みを、前記温度分布に基づいて補正してもよい。
本発明によれば、例えば、形状の検出が可能な構成をより容易に構築することができるなど、より改善されたケーブル、センシングケーブル、およびセンシングシステムを得ることができる。
図1は、第1実施形態のケーブルの例示的かつ模式的な断面図である。 図2は、第1実施形態のセンシングケーブルの例示的かつ模式的な断面図である。 図3は、第1実施形態のセンシングケーブルの例示的かつ模式的な斜視図である。 図4は、第1変形例のケーブルの例示的かつ模式的な断面図である。 図5は、第2実施形態のケーブルの例示的かつ模式的な断面図である。 図6は、第3実施形態のセンシングケーブルの例示的かつ模式的な断面図である。 図7は、第2変形例のセンシングケーブルの例示的かつ模式的な断面図である。 図8は、第3変形例のセンシングケーブルの例示的かつ模式的な断面図である。 図9は、第4変形例のセンシングケーブルの例示的かつ模式的な断面図である。 図10は、第4変形例のセンシングケーブルの例示的かつ模式的な側面図である。 図11は、第4実施形態のケーブルの曲げ半径、第一距離、および第二距離を示す例示的な模式図である。 図12は、実施形態のセンシング光ファイバの長手方向の位置による歪量の変化の一例を示すグラフである。 図13は、図12の構成例において、第一距離を変えた場合の、最大歪量の変化の一例を示すグラフである。 図14は、実施形態のセンシング光ファイバの長手方向の位置による歪量の変化の別の一例を示すグラフである。 図15は、図14の構成例において、第二距離を変えた場合の、最大歪量の変化の一例を示すグラフである。 図16は、第5実施形態のセンシングシステムの模式的な構成図である。 図17は、第6実施形態のセンシングシステムの模式的な構成図である。 図18は、第7実施形態のセンシングシステムの模式的な構成図である。 図19は、第8実施形態のシステムの模式的な構成図である。 図20は、第9実施形態のシステムの模式的な構成図である。 図21は、第10実施形態のシステムの模式的な構成図である。 図22は、第11実施形態のシステムの模式的な構成図である。 図23は、第12実施形態のシステムの模式的な構成図である。
以下、本発明の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態および変形例の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態および変形例に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
以下に示される実施形態および変形例は、同様の構成を備えている。各実施形態および変形例の構成によれば、当該同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。また、以下では、それら同様の構成には同様の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。
本明細書において、序数は、部品や部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
また、以下の各図において、センシングケーブルは、簡単のため、単なる円で示される場合がある。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のケーブル10の長手方向に垂直な断面図である。ケーブル10は、断面が円形の複合ケーブルであって、電力を伝送する伝送線である電力線1と、アース線2と、光信号を伝送する通信線である光ファイバ線3と、センシングケーブル4と、内部被覆層5と、テンションメンバ6と、外部被覆層7と、充填材8と、を備えている。電力線1、アース線2、光ファイバ線3、内部被覆層5、テンションメンバ6、外部被覆層7、充填材8は、ケーブル10の構造を構成する構造材である。なお、本実施形態では、ケーブル10は、複数の電力線1、一つのアース線2、複数の光ファイバ線3、一つのセンシングケーブル4、および複数のテンションメンバ6を、備えているが、電力線1、アース線2、光ファイバ線3、センシングケーブル4、およびテンションメンバ6の数や、太さ、構成、レイアウトは、この例には限定されない。光ファイバ線3は、伝送線の一例である。
電力線1およびアース線2は、それぞれ、導体からなる撚り線と当該撚り線の外周を被覆する樹脂等からなる絶縁性被覆とを有している。3本の電力線1は、長手方向において螺旋状に撚られている。光ファイバ線3は、それぞれ、コアとクラッドとを有した所謂ガラス光ファイバと、当該クラッドの周囲を取り囲む合成樹脂等で作られた被覆と、を有している。なお、光ファイバ線3は、それぞれ、複数のガラス光ファイバを含んでいてもよい。
内部被覆層5は、ケーブル10の内部に設けられている。内部被覆層5は、樹脂等により、電力線1、アース線2、光ファイバ線3、およびセンシングケーブル4の周囲を取り囲むように構成されている。内部被覆層5の内部の隙間の部分はシリコーン等の充填材8で充填されている。
複数のテンションメンバ6は、内部被覆層5の周囲を取り囲むように配置されている。各テンションメンバ6は、それぞれ鋼線やFRP等を有しており、ケーブル10に掛かる外力から内部の線材(主に伝送線である電力線1および光ファイバ線3)を保護している。外部被覆層7は、ケーブル10の外周を構成し、一例としては、金属線等を含むブレード被覆である。
図2は、センシングケーブル4の長手方向に垂直な断面図である。図2に示されるように、センシングケーブル4は、3本のセンシング光ファイバ4aと、センシング光ファイバ4aとしては用いられない光ファイバ4bと、テンションメンバ4cと、被覆層4dと、接合材4fと、を有している。
センシング光ファイバ4aは、コア4a1と、クラッド4a2と、を有した所謂ガラス光ファイバである。センシング光ファイバ4aは、センシングケーブル4の長手方向に延びている。なお、センシング光ファイバ4aは、例えば合成樹脂材料で作られクラッド4a2の周囲を取り囲む被覆を有してもよい。
ケーブル10が局所的に曲がると、その曲がりに応じてセンシングケーブル4もそれぞれ曲がり、歪む。その結果、ケーブル10の長手方向における形状の変化に応じて、複数のセンシング光ファイバ4aの長手方向における形状および歪み分布も変化する。よって、複数のセンシング光ファイバ4aの長手方向における歪み分布を、非特許文献1,2に開示される方法によって検出することにより、センシングケーブル4ひいてはケーブル10の長手方向における形状を検出することができる。なお、本実施形態では、センシングケーブル4は、ケーブル10の軸心Ax1を通る位置に配置され、当該軸心Ax1に沿って、ケーブル10の長手方向に延びている。軸心Ax1は、第一軸心の一例である。また、本実施形態では、センシングケーブル4は、第二センシングケーブルの一例である。
光ファイバ4bは、コア4b1と、クラッド4b2と、を有した所謂ガラス光ファイバである。光ファイバ4bは、センシングケーブル4の長手方向に延びている。本実施形態では、光ファイバ4bは、センシング光ファイバ4aと同じスペックを有しているが、これには限定されず、光ファイバ4bは、センシング光ファイバ4aとは異なるスペックを有してもよい。光ファイバ4bは、通信やセンシングには利用されないため、ダミーファイバとも称されうる。なお、光ファイバ4bは、例えば合成樹脂材料で作られクラッド4b2の周囲を取り囲む被覆を有してもよい。
テンションメンバ4cは、センシングケーブル4の断面の略中心に位置され、センシングケーブル4の軸心Ax2に沿って、当該軸心Ax2を通る位置で、センシングケーブル4の長手方向に延びている。テンションメンバ4cは、鋼線やFRP等によって作られうる。なお、テンションメンバ4cは、例えば合成樹脂材料で作られ周囲を取り囲む被覆を有してもよい。軸心Ax2は、第二軸心の一例である。
複数のセンシング光ファイバ4aと、複数の光ファイバ4bとは、テンションメンバ4cの周囲を取り囲むように、配置されている。言い換えると、テンションメンバ4cは、複数のセンシング光ファイバ4aおよび複数の光ファイバ4bに対して、センシングケーブル4の径方向内側に配置されている。
テンションメンバ4cの周囲において、複数のセンシング光ファイバ4aと、複数の光ファイバ4bとは、交互に配置されている。すなわち、光ファイバ4bは、それぞれ、センシング光ファイバ4aとセンシングケーブル4の周方向に並んでいる。言い換えると、光ファイバ4bは、センシング光ファイバ4aに対してセンシングケーブル4の周方向にずれて位置されている。また、光ファイバ4bは、それぞれ、二つのセンシング光ファイバ4aの間に位置されている。
被覆層4dは、複数のセンシング光ファイバ4aおよび複数の光ファイバ4bの周囲を取り囲んでいる。被覆層4dは、例えば合成樹脂材料によって作られうる。
接合材4fは、センシング光ファイバ4a、光ファイバ4b、テンションメンバ4c、および被覆層4dの間に介在し、センシング光ファイバ4a、光ファイバ4b、テンションメンバ4c、および被覆層4dを接合している。接合材4fは、センシング光ファイバ4aと、センシング光ファイバ4a以外の構成要素とを、接合するとともに、複数のセンシング光ファイバ4aを間接的に接合している。また、接合材4fは、センシングケーブル4の長手方向の全体に渡って設けられてもよいし、センシングケーブル4の長手方向において所定間隔をあけて部分的に設けられてもよい。接合材4fは、例えば、合成系接着剤である。また、接合材4fとしては、フッ化樹脂や、シリコーン樹脂、紫外線硬化樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ABS系樹脂などを、使用してもよい。接合材4fは、接合部材の一例である。なお、接合材4fは、複数のセンシング光ファイバ4aを直接的に接合してもよい。また、センシング光ファイバ4a、光ファイバ4b、テンションメンバ4c、および被覆層4dの間には、接合材4fに替えて充填材が充填されてもよいし、介在する部材が無くてもよい。
図3は、センシングケーブル4の一部区間の模式的な斜視図である。なお、図3では、センシング光ファイバ4aの形状のみが示されており、当該センシング光ファイバ4a以外の構成要素の図示が省略されている。図3に示されるように、センシングケーブル4では、複数のセンシング光ファイバ4aが、それぞれ、センシングケーブル4の長手方向に沿って、軸心Ax2およびテンションメンバ4cの周りで互いに所定の間隔を維持しながら螺旋状に、延びている。すなわち、複数のセンシング光ファイバ4aは、多重螺旋状に配置されている。本実施形態では、一例として、3本のセンシング光ファイバ4aが、三重螺旋状に配置されている。なお、テンションメンバ4cは、軸心Ax2に沿って延びている。また、光ファイバ4bは、それぞれセンシング光ファイバ4aの間で螺旋状に延びている。すなわち、3本の光ファイバ4bも三重螺旋状(多重螺旋状)に配置されている。
図2,3から明らかとなるように、複数のセンシング光ファイバ4aは、軸心Ax2と直交する各断面において、所定の位置関係で、本実施形態では、軸心Ax2回りに略120°間隔で、言い換えると、センシングケーブル4の周方向に略等間隔で、回転対称となる位置関係に、配置されている。また、図2に示されるように、軸心Ax2と直交する断面において、センシング光ファイバ4a-1は、軸心Ax2から方向Drに離間して位置されるとともに、他のセンシング光ファイバ4a-2,4a-3は、軸心Ax2を通り方向Drと直交する仮想線Lvに対して、センシング光ファイバ4a-1とは反対側に位置されている。なお、センシング光ファイバ4a-2が軸心Ax2から方向Drに離間しているとした場合、並びにセンシング光ファイバ4a-3が軸心Ax2から方向Drに離間しているとした場合においても、他の二つのセンシング光ファイバ4aとの間に、同様の位置関係が成り立つ。このような配置によれば、例えば、センシングケーブル4が曲がった場合に、複数のセンシング光ファイバ4a間で歪みの差がより大きくなるため、検出感度がより向上するという利点が得られる。方向Drは、第一方向の一例である。
上述した構成のセンシングケーブル4において、光ファイバ4b、テンションメンバ4c、および被覆層4dは、複数のセンシング光ファイバ4aを、互いに間隔をあけた姿勢で保持している。すなわち、光ファイバ4b、テンションメンバ4c、および被覆層4dは、保持部材の一例である。光ファイバ4b、テンションメンバ4c、および被覆層4dは、いずれもセンシング光ファイバ4aと並行してセンシングケーブル4の長手方向に延びており、第四保持部材の一例でもある。光ファイバ4bは、センシング光ファイバ4aとセンシングケーブル4の周方向にずれて位置されており、第五保持部材の一例でもある。また、テンションメンバ4cは、センシング光ファイバ4aに対してセンシングケーブル4の径方向内側に位置されており、第六保持部材の一例でもある。
さらに、本実施形態では、センシング光ファイバ4a、光ファイバ4b、およびテンションメンバ4cの外径が略同じであり、1本のテンションメンバ4cの周囲に、センシング光ファイバ4aおよび光ファイバ4bが、1本ずつ交互に、合計6本配置されている。よって、長手方向の各位置での軸心Ax2と直交する断面においては、センシング光ファイバ4a、光ファイバ4b、およびテンションメンバ4cが、最密充填に近い形態で配置され、さらに、それらの周囲を被覆層4dが取り囲んでいる。したがって、本実施形態では、長手方向の各位置において、3本のセンシング光ファイバ4aは、仮想的な正三角形の三つの頂点上に配置されることになる。このような構成によれば、センシングケーブル4の長手方向において3本のセンシング光ファイバ4aの相対的な位置関係を維持できる構成を、比較的簡素な構成によって実現することができる。なお、センシング光ファイバ4a、光ファイバ4b、およびテンションメンバ4cの本数や、太さ、レイアウト等は、本実施形態には限定されず、種々に変更して実施可能である。例えば、センシング光ファイバ4aは、4本以上でもよい。また、光ファイバ4b、テンションメンバ4c、および被覆層4dのスペックによって、センシングケーブル4の剛性や強度を調整することができる。
なお、上記実施形態におけるセンシング光ファイバ4aや光ファイバ4bは、国際通信連合(international telecommunication union)で規定されたG.652、G.653、G.654、G.655、G.656、G.657に準拠するシングルモード光ファイバであってもよい。
以上、説明したように、本実施形態では、センシングケーブル4は、それぞれコア4a1と当該コア4a1を取り囲むクラッド4a2とを有した複数のセンシング光ファイバ4aと、当該複数のセンシング光ファイバ4aを互いに間隔をあけた状態で保持する保持部材として、光ファイバ4b、テンションメンバ4c、および被覆層4dと、を有している。
このような構成により、センシングケーブル4の長手方向に渡って、複数のセンシング光ファイバ4aを、互いに離間しかつ所定の相対位置に位置された状態に、維持することができるので、複数のセンシング光ファイバ4aの長手方向の歪み分布に基づいて、センシングケーブル4ひいてはケーブル10の曲がり状態を、より精度よく検出することができる。また、センシングケーブル4は、それぞれ光ファイバとしての複数のセンシング光ファイバ4aを有しており、比較的簡素な構成によって実現することができるため、特殊な構造を備えたセンシングケーブルに比べて、製造の手間やコストをより低減することができる。また、複数のセンシング光ファイバ4aがセンシングケーブル4としてユニット化されているため、ケーブル10内に複数のセンシング光ファイバ4aが別々に組み込まれる場合に比べて、製造の手間やコストをより低減することができる。なお、センシングケーブル4は、3本のセンシング光ファイバ4aを有したが、これには限定されず、3本以上のセンシング光ファイバ4aを有してもよい。
また、本実施形態では、センシングケーブル4は、センシング光ファイバ4aと並行してセンシングケーブル4の長手方向に延びた第四保持部材として、光ファイバ4b、テンションメンバ4c、および被覆層4dを有している。
また、本実施形態では、センシングケーブル4は、センシング光ファイバ4aとセンシングケーブル4の周方向にずれて位置された第五保持部材として、光ファイバ4bを有している。
また、本実施形態では、センシングケーブル4は、複数のセンシング光ファイバ4aに対してセンシングケーブル4の径方向内側に位置された第六保持部材として、テンションメンバ4cを有している。
また、本実施形態では、センシングケーブル4は、複数のセンシング光ファイバ4aを接合するか、あるいはセンシング光ファイバ4aと保持部材とを接合する接合部材として、接合材4fを有している。
このような構成によれば、例えば、センシングケーブル4の長手方向に渡って、複数のセンシング光ファイバ4aの間隔、および相対的な位置関係を、比較的簡素な構成によって維持することができる。
また、本実施形態では、センシングケーブル4において、複数のセンシング光ファイバ4aは、多重螺旋状に配置されている。
このような構成によれば、例えば、センシングケーブル4が軸心Ax2を中心軸としてねじれが生じた場合に、当該ねじれの向きを算出することができる。センシング光ファイバ4aが螺旋状になっている場合、生じたねじれの向きが、センシング光ファイバ4aが螺旋状に回っている向きと同じ向きである場合、センシング光ファイバ4aに生じるひずみは増加する方向である。他方、生じたねじれの向きが、センシング光ファイバ4aが螺旋状に回っている向きと逆の向きである場合、センシング光ファイバ4aに生じるひずみは螺旋状態を緩和する方向であるため、歪量は小さくなる。したがって歪量の増減により、どちらの方向にねじれたかを判別することができる。なお、センシング光ファイバ4aが螺旋状ではなく直線状態である場合には、ねじれの向きを判別することができない。
また、本実施形態では、少なくとも一つのセンシング光ファイバ4aに含まれるコア4a1が、長手方向において屈折率が周期的に変化しているファイバブラッググレーティングコアを含んでもよい。ファイバブラッググレーティングコアの屈折率は、長手方向に周期的に変化する。コア4a1として、少なくとも部分的に、ファイバブラッググレーティングコアを有したセンシング光ファイバ4aにあっては、特定の波長の光を効率的に後方に戻すことができる。これにより、コア4a1における後方散乱光の強度を増加することができるので、センシング光ファイバ4aの歪み分布、ひいてはセンシングケーブル4およびケーブル10の曲がり状態の検出感度を、向上することができる(非特許文献3参照)。
また、本実施形態では、センシングケーブル4は、ケーブル10の軸心Ax1に沿って延びている。
このような構成によれば、例えば、ケーブル10の軸心Ax1の曲がり状態を、より精度よく検出することができる。
[第1変形例]
図4は、第1実施形態の変形例である第1変形例のケーブル10Aの長手方向に垂直な断面図である。図4に示されるように、本変形例のケーブル10Aは、センシングケーブル4の位置が第1実施形態とは異なっている点を除き、第1実施形態のケーブル10と同様の構成を備えている。センシングケーブル4は、軸心Ax1から離れ、電力線1とアース線2と内部被覆層5との間に位置されている。また、センシングケーブル4は、軸心Ax1周りを長手方向に沿って螺旋状に延びている。なお、センシングケーブル4は、電力線1と光ファイバ線3との間や、アース線2と光ファイバ線3との間に位置されてもよい。本変形例では、センシングケーブル4は、第一センシングケーブルの一例である。
本変形例によれば、例えば、ケーブル10A内において、電力線1や、アース線2、光ファイバ線3の間のスペースを、センシングケーブル4を配索するスペースとして、より有効に活用することができる。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態のケーブル10Bの長手方向に垂直な断面図である。図5に示されるように、ケーブル10Bは、光信号を伝送する伝送線である複数の光ファイバテープ心線3Bと、センシングケーブル4と、テンションメンバ6Bと、外部被覆層7Ba、7Bbと、スロット材9Bと、を備えている。スロット材9Bは、ケーブル10Bの長手方向に延びている。
スロット材9Bは、その外周において周方向に等間隔で設けられた複数の溝9aが設けられている。溝9aは、それぞれ、軸心Ax1の周りにS撚り(左撚り)、Z撚り(右撚り)、あるいはそれを組み合わせ撚り方向が長手方向に一定間隔で反転しているSZ撚りで、延びている。すなわち、複数の溝9aにおいては、多重の撚りが設けられている。スロット材9Bは、例えば、合成樹脂材料によって作られうる。
センシングケーブル4は、スロット材9の複数の溝9aのうちの一つに収容されている。他の溝9aには、径方向に積層された複数の光ファイバテープ心線3Bが収容されている。光ファイバテープ心線3Bは、並列に配置された被覆付きの光ファイバ素線と、当該並列に配置された光ファイバ素線を一括で覆う被覆と、を有している。なお、光ファイバテープ心線3Bと、センシングケーブル4とが、同じ溝9aに収容されてもよい。
また、スロット材9Bの断面中心に近い位置には、長手方向に延びる貫通孔が設けられ、当該貫通孔に、テンションメンバ6Bが挿入されている。テンションメンバ6Bは、軸心Ax1と重なる位置で、長手方向に延びている。
外部被覆層7Baは、例えば、不織布テープがスロット材9の外周に巻かれることにより形成されたものであり、押巻とも呼ばれる。また、ケーブル10Bの最外周を構成する外部被覆層7Bbは合成樹脂材料によって作られうる。
本実施形態によれば、スロット材9に設けられた溝9aにセンシングケーブル4を収容することができる。よって、例えば、ケーブル10Bの製造工程において、センシングケーブル4をケーブル10B内により容易に組み込むことができるという効果や、センシングケーブル4が、ケーブル10B内で、所期の位置および姿勢で配置されやすいという効果が得られる。
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態のセンシングケーブル4Cの長手方向に垂直な断面図である。図6に示されるように、センシングケーブル4Cは、センシングケーブル4の長手方向に延びるスロット材4eを有している。スロット材4eには、その外周において、センシングケーブル4Cの径方向外側に開放された複数の溝4e1が設けられている。複数の溝4e1は、当該周方向に所定の間隔で設けられている。本実施形態では、一例として、3つの溝が、センシングケーブル4の周方向に、等間隔、すなわち120°間隔で、設けられている。また、溝4e1は、それぞれ、軸心Ax2の周りに螺旋状に延びている。すなわち、複数の溝4e1は、多重螺旋状に設けられている。スロット材4eは、例えば、合成樹脂材料によって作られうる。なお、本実施形態では、溝4e1は、スロットとも称されうる。
複数のセンシング光ファイバ4aは、それぞれ、スロット材4eの溝4e1に収容されている。上述したように、複数の溝4e1は、多重螺旋状に設けられている。よって、複数のセンシング光ファイバ4aは、多重螺旋状に配置される。スロット材4eは、センシング光ファイバ4aを保持する保持部材の一例であり、第一保持部材の一例でもある。また、スロット材4eは、センシング光ファイバ4aと並行してセンシングケーブル4の長手方向に延びており、第四保持部材の一例でもある。
また、スロット材4eの断面中心に近い位置には、長手方向に延びる貫通孔が設けられ、当該貫通孔に、テンションメンバ4cが挿入されている。テンションメンバ4cは、軸心Ax2と重なる位置で、長手方向に延びている。
本実施形態によれば、スロット材4eに設けられた溝4e1にセンシング光ファイバ4aを収容することができる。よって、例えば、センシングケーブル4Cの製造工程において、センシング光ファイバ4aをセンシングケーブル4C内により容易に組み込むことができるという効果や、センシング光ファイバ4aが、センシングケーブル4C内で、所期の位置および姿勢で配置されやすいという効果が得られる。
なお、図6において、センシング光ファイバ4aがスロット材4eに設けられた溝4e1内に固定されていれば、テンションメンバ4cは必ずしも必要ない。
[第2変形例]
図7は、第3実施形態の変形例である第2変形例のセンシングケーブル4Dの長手方向に垂直な断面図である。図7に示されるように、本変形例では、テンションメンバ4cの断面中心に近い位置には、センシングケーブル4Dの長手方向に延びる貫通孔が設けられ、当該貫通孔に、センシング光ファイバ4aが挿入されている。センシング光ファイバ4aは、軸心Ax2と重なる位置で、長手方向に延びている。本変形例によれば、センシングケーブル4D内に、より多くのセンシング光ファイバ4aを設けることができる。
また、図7から明らかとなるように、4本のセンシング光ファイバ4aは、軸心Ax2と直交する断面において、回転対称となる位置に配置されている。また、図7に示されるように、軸心Ax2と直交する断面において、センシング光ファイバ4a-1は、軸心Ax2から方向Drに離間して位置されるとともに、他のセンシング光ファイバ4a-2,4a-3は、軸心Ax2を通り方向Drと直交する仮想線Lvに対して、センシング光ファイバ4a-1とは反対側に位置されている。なお、センシング光ファイバ4a-2が軸心Ax2から方向Drに離間しているとした場合、並びにセンシング光ファイバ4a-3が軸心Ax2から方向Drに離間しているとした場合においても、他の二つのセンシング光ファイバ4aとの間に、同様の位置関係が成り立つ。このような配置によれば、例えば、センシングケーブル4Dが曲がった場合に、複数のセンシング光ファイバ4a間で歪みの差がより大きくなるため、検出感度がより向上するという利点が得られる。
[第3変形例]
図8は、第1実施形態の変形例である第3変形例のセンシングケーブル4Eの長手方向に垂直な断面図である。図8に示されるように、本変形例では、第1実施形態のテンションメンバ4cに替えて、通信やセンシングに利用されない光ファイバ4bが配置されている。軸心Ax2に沿って配置された光ファイバ4bも、ダミーファイバと称されうる。本変形例では、軸心Ax2に沿って配置された光ファイバ4bは、第六保持部材の一例である。
[第4変形例]
図9は、第3実施形態の変形例である第4変形例のセンシングケーブル4Fの長手方向に垂直な断面図であり、図10は、センシングケーブル4Fの一部区間の側面図である。図9,10に示されるように、本変形例では、センシングケーブル4Fは、複数のスロット材4eを有している。スロット材4eは、それぞれセンシングケーブル4Fの長手方向に比較的薄い板状の形状を有している。また、複数のスロット材4eは、当該長手方向に所定の間隔、例えば、等間隔で離間している。スロット材4eは、例えば、合成樹脂材料によって作られうる。なお、図9に示されているスロット材4eは、図10において最も左側に位置されているスロット材4eである。
本変形例でも、スロット材4eには、その外周において、センシングケーブル4Fの径方向外側に開放された複数の溝4e1が設けられている。複数の溝4e1は、センシングケーブル4Fの周方向に、等間隔、すなわち120°間隔で、設けられ、センシングケーブル4Fの長手方向に延びている。なお、本変形例では、溝4e1は、切欠とも称されうる。
また、本変形例でも、スロット材4eの断面中心に近い位置には、長手方向に延びる貫通孔が設けられ、当該貫通孔に、テンションメンバ4cが挿入されている。テンションメンバ4cは、軸心Ax2と重なる位置で、長手方向に延びている。また、テンションメンバ4cは、鋼線やFRP等によって作られうる。
複数のスロット材4eは、テンションメンバ4cに対して、いずれも同じ姿勢で固定されている。よって、各スロット材4eにおいて、複数の溝4e1(4e1-1,4e1-2,4e1-3)も、テンションメンバ4cに対して、同じ姿勢で配置されている。
図9に示されるように、溝4e1には、それぞれセンシング光ファイバ4aが収容されている。図10に示されるように、複数のセンシング光ファイバ4a、本変形例では3本のセンシング光ファイバ4a(4a-1,4a-2,4a-3)は、それぞれ、軸心Ax2の周りに螺旋状に延びるよう、複数のスロット材4eの溝4e1に収容されている。具体的に、センシング光ファイバ4a-1は、図10の最も左側のスロット材4eでは、溝4e1-1に収容され、図10の左右方向中間に位置するスロット材4eでは、溝4e1-2に収容され、図10の最も右側のスロット材4eでは、溝4e1-3に収容されている。センシング光ファイバ4a-2は、図10の最も左側のスロット材4eでは、溝4e1-2に収容され、図10の左右方向中間に位置するスロット材4eでは、溝4e1-3に収容され、図10の最も右側のスロット材4eでは、溝4e1-1に収容されている。また、センシング光ファイバ4a-3は、図10の最も左側のスロット材4eでは、溝4e1-3に収容され、図10の左右方向中間に位置するスロット材4eでは、溝4e1-1に収容され、図10の最も右側のスロット材4eでは、溝4e1-2に収容されている。これにより、3本のセンシング光ファイバ4a(4a-1,4a-2,4a-3)は、それぞれ、図9のビューにおいて、反時計回り方向に捻じれるように、軸心Ax2およびテンションメンバ4cの周りを、螺旋状に延びることができる。このように、本変形例のセンシングケーブル4Eのように、当該センシングケーブル4Eの長手方向に延びるテンションメンバ4cと、当該テンションメンバ4cに長手方向に所定間隔で固定された複数のスロット材4eと、を有し、各スロット材4eに複数の溝4e1が設けられ、溝4e1のそれぞれにセンシング光ファイバ4aが収容される構成にあっても、複数のセンシング光ファイバ4aは、センシングケーブル4Eの長手方向に沿って、軸心Ax2周りに多重螺旋状に配策されうる。スロット材4eは、第二保持部材の一例であり、テンションメンバ4cは、第三保持部材の一例である。また、溝4e1は、保持部の一例である。
以上のように、本変形例では、センシングケーブル4Eは、それぞれセンシング光ファイバ4aを保持する複数の保持部としての溝4e1が設けられセンシングケーブル4Eの長手方向に間隔をあけて設けられた複数の第二保持部材として、スロット材4eを有している。
このような構成によれば、例えば、スロット材4eをより短く構成することができ、当該スロット材4eを構成する材料の量をより削減することができる。
また、本変形例では、センシングケーブル4Eは、当該センシングケーブル4Eの長手方向に延びて複数のスロット材4eを固定した第三保持部材として、テンションメンバ4cを有している。
このような構成によれば、例えば、テンションメンバ4cによって複数のスロット材4eの捻じれのような互いの位置ずれを抑制することができ、当該複数のスロット材4eによってセンシング光ファイバ4aをより安定的に保持することができる。なお、センシングケーブル4Eは、第三保持部材として、テンションメンバ4cに替えて、センシングケーブル4Eの最外層となる被覆層(不図示)を有してもよいし、長手方向に延びた他の部材を有してもよい。また、センシングケーブル4Eは、複数のセンシング光ファイバ4aを直接的に接合するかあるいはテンションメンバ4cや被覆層のような他の部材を介して間接的に接合する接合部材を有してもよいし、複数のセンシング光ファイバ4aの間に介在する介在部材を有してもよい。接合部材は、例えば、合成系接着剤であってもよいし、介在部材は、例えば、シリコーンのような充填部材であってもよい。
[第4実施形態]
図11は、第4実施形態のセンシングケーブル4Gを備えたケーブル10Gの長手方向に垂直な面における断面図である。図11は、ケーブル10Gが曲げ半径Rで曲がった状態を示している。曲げ半径Rは、曲げ中心C0とケーブル10Gの軸心Ax1との距離である。
ここで、ケーブル10Gの軸心Ax1とセンシングケーブル4Gの軸心Ax2との距離をD1、軸心Ax2とセンシング光ファイバ4aの軸心Ax3との距離をD2、ケーブル10内でのセンシングケーブル4Gの長手方向での捩れの一周期の長さをH(以下、第一捩れピッチと称する)、センシング光ファイバ4aの長手方向の捩れの一周期の長さをh(以下、第二捩れピッチ)、とすると、ケーブル10Gが曲げ半径Rで屈曲した場合のセンシング光ファイバ4aに生じる歪量εは、以下の式(1)で表される。
Figure 2022110605000002
式(1)から、距離D1および距離D2が長くなるほど、また、曲げ半径Rが小さくなるほど、歪量εが大きくなることがわかる。距離D1は、第一距離の一例であり、距離D2は、第二距離の一例である。軸心Ax3は、第三軸心の一例である。
図12は、一例として、R=500[mm]、D1=6[mm]、D2=1.35[mm]、H=900[mm]、h=50[mm]の場合の、センシング光ファイバ4aの長手方向での歪量εの値を示す。横軸は、センシング光ファイバ4aの基準点からの長手方向の距離である。なお歪量εは、歪が存在していない時のセンシング光ファイバ4aの長さに対する変化量を示し、ε=1の場合に、歪がかかっていない状態を示す。
ケーブル10Gの形状を算出するための歪分布測定においては、センシング光ファイバ4aに生じる歪量εがより大きい方が、相対的な測定誤差の割合が小さくなり、測定精度は向上する。しかしながら、センシング光ファイバ4aが、製造時にプルーフレベル:x[%](x:伸び率)で試験されているとすると(非特許文献4参照)、ケーブル10の曲げ変形によってセンシング光ファイバ4aにかかる歪量εがプルーフレベル:x[%]以上になると、当該センシング光ファイバ4aの信頼性が大きく低下する。プルーフレベルは、所定の閾値の一例である。
すなわち、ケーブル10Gの形状算出の精度を上げるためには、センシング光ファイバ4aに発生する歪量εが大きい方が望ましいが、歪量εには、センシング光ファイバ4aが破断せず信頼性を確保できる上限がある。上述したように歪量εは、距離D1,D2が大きくなるほど大きくなるから、距離D1,D2は、ケーブル10の許容される最小曲げ半径において、歪量εが上限値以下となる範囲で設定すればよい。なお、所定の閾値は、プルーフレベルと同じであってもよいし、プルーフレベルより低く設定してもよい。
図13は、図12の例において、曲げ半径R、距離D2、第一捩れピッチH、および第二捩れピッチhは不変とし、距離D1を変えた場合、言い換えると、図12の例においてケーブル10G内でのセンシングケーブル4Gの位置のみを変えた場合の、センシング光ファイバ4aに生じる最大引っ張り歪量εmaxの変化を示している。
一例として、センシングケーブル4Gが、プルーフレベル:1[%]で試験したセンシング光ファイバ4aを有する場合、当該センシング光ファイバ4aにプルーフレベルと同等の歪:1[%」がかかる距離D1の長さは、D1=3.705[mm](上限値)となる。また、別の一例として、センシングケーブル4Gが、プルーフレベル:2[%]で試験したセンシング光ファイバ4aを有する場合、当該センシング光ファイバ4aにプルーフレベルと同等の歪:2[%」がかかる距離D1の長さは、D1=8.7818[mm](上限値)となる。センシング光ファイバ4aの信頼性を担保するためには、ケーブル10G内において、距離D1が上限値を超えない位置に、センシングケーブル4Gを配置する必要がある。
また、図14は、一例として、R=500[mm]、D1=0[mm]、D2=1.35[mm]、H=900[mm]、h=50[mm]の場合のセンシング光ファイバ4aの長手方向での歪量εの値を示す。横軸は、センシング光ファイバ4aの基準点からの長手方向の距離である。第1実施形態のケーブル10の場合にあっては、センシングケーブル4は、ケーブル10の断面中心に位置しており、距離D1は0である。すなわち、図14は、第1実施形態の場合を示している。
図15は、図14の例において、曲げ半径R、距離D1、第一捩れピッチH、および第二捩れピッチhは不変とし、距離D2を変えた場合、言い換えると、図14の例においてセンシングケーブル4G内でのセンシング光ファイバ4aの位置のみを変えた場合の、センシング光ファイバ4aに生じる最大引っ張り歪量εmaxの変化を示している。
一例として、センシングケーブル4Gが、プルーフレベル:1[%]で試験したセンシング光ファイバ4aを有する場合、当該センシング光ファイバ4aにプルーフレベルと同等の歪:1[%」がかかる距離D1の長さは、D2=5.0[mm](上限値)となる。また、別の一例として、センシングケーブル4Gが、プルーフレベル:2[%]で試験したセンシング光ファイバ4aを有する場合、当該センシング光ファイバ4aにプルーフレベルと同等の歪:2[%」がかかる距離D2の長さは、D2=10.0[mm](上限値)となる。センシング光ファイバ4aの信頼性を担保するためには、センシングケーブル4G内において、距離D2が上限値を超えない位置に、センシング光ファイバ4aを配置する必要がある。
[第5実施形態]
図16は、第5実施形態のセンシングシステム100Aの構成図である。本実施形態のセンシングシステム100Aは、第1実施形態等のように3本のセンシング光ファイバ4aを有したセンシングケーブル4(若しくは当該センシングケーブル4を有したケーブル10)、あるいは第2変形例のように4本のセンシング光ファイバ4aを有したセンシングケーブル4D(若しくは当該センシングケーブル4Dを有したケーブル10)の形状を検出するためのものである。センシングシステム100Aは、光源部110Aと、光デバイス120Aと、測定部130Aと、演算部140Aと、を備えている。センシングシステム100Aは、光周波数領域反射法(optical frequency domain reflectometry、以下、OFDRと記す)を適用することができる。ここで、OFDRの構成は、例えば、非特許文献5に記載されている。光源部110Aは、所定の周期で波長(周波数)の掃引された試験光L1を、延長ケーブル150A中の試験光伝送路152Aに入力する。また、光源部110Aは、参照光L2を、測定部130Aに入力する。
延長ケーブル150Aは、後方散乱光伝送路151Aと、これとは別個の試験光伝送路152Aと、を有している。試験光伝送路152Aは、光源部110Aから出力された試験光L1を光デバイス120Aに伝送する。
光デバイス120Aは、光サーキュレータ121Aを有している。光サーキュレータ121Aは、試験光L1をセンシングケーブル4のセンシング光ファイバ4a(のコア4a1)に入力する。光サーキュレータ121Aからの試験光L1は、センシング光ファイバ4a-1の一方の端部に入力される。センシング光ファイバ4a-1に入力された試験光L1は、末端接続部180において、他のセンシング光ファイバ4a-2の他方の端部に入力される。センシング光ファイバ4a-2に入力された試験光L1は、センシングケーブル4の一方の端部において、他のセンシング光ファイバ4a-3に入力される。センシング光ファイバ4a-3に入力された試験光L1は、当該センシング光ファイバ4a-3を通り、当該センシング光ファイバ4a-3の他方の端部に到達する。すなわち、本実施形態では、複数のセンシング光ファイバ4aが直列に接続されており、当該直列に接続されて統合されたセンシング光ファイバ4aは、長手方向の端部で折り返された複数の区間を有している。この場合の3本のセンシング光ファイバ4a-1~4a-3は、複数の区間の一例である。
また、センシングケーブル4Dが4本のセンシング光ファイバ4aを有している場合にあっては、センシング光ファイバ4a-3の他方の端部に到達した試験光L1は、他のセンシング光ファイバ4a-4の他方の端部に入力される。センシング光ファイバ4a-4に入力された試験光L1は、センシング光ファイバ4a-4を通り、センシング光ファイバ4a-4の一方の端部に到達する。この場合の4本のセンシング光ファイバ4a-1~4a-3は、複数の区間の一例である。
センシング光ファイバ4a-1~4a-4では、試験光L1に起因して、長手方向にわたってレイリー散乱光が発生し、後方散乱光として試験光L1とは反対方向に伝送され、試験光L1が入力されたセンシング光ファイバ4a-1の端部から出力される。光サーキュレータ121Aは、出力された後方散乱光L3を延長ケーブル150Aの後方散乱光伝送路151Aに入力する。後方散乱光伝送路151Aに出力された後方散乱光L3は、測定部130Aで測定される。
測定部130Aでは、入力された参照光L2と後方散乱光L3とを干渉させ、電気信号に変換する。演算部140Aは、この電気信号を解析することによりセンシング光ファイバ4aの長手方向における歪みの分布の情報を得ることができる。データ処理の詳細は、非特許文献5に記されている。
演算部140Aは、それぞれの後方散乱光に関する測定結果をもとに、複数のセンシング光ファイバ4a-1~4a-4のそれぞれの歪みを算出し、算出したそれぞれの歪みをもとにセンシングケーブル4,4D(ケーブル10)の形状を算出する。具体的に、演算部140Aは、干渉信号の波形のデータをフーリエ変換することにより得られたセンシング光ファイバ4aの長手方向における歪みの分布の情報を含むデータ信号をもとに、歪みの分布を算出し、さらに算出した歪みの分布をもとに、センシングケーブル4,4D(ケーブル10)の形状を算出する。この方法はFrenet-Serret equationsを光ファイバの長手方向に適用する公知の計算法である(非特許文献1,2)。
本実施形態では、センシングシステム100は、OFDRの原理を用いることができるように構成されている。OFDRは、数mmから数μmといった高い空間分解能を実現することが可能であり、本発明のセンシングシステムに導入することにより、光ファイバ長手方向により精密な測定結果を得ることができる。
ただし、本発明のセンシングシステムにおいて用いる測定原理はOFDRに限られない。例えば、センシング光ファイバ4aからの後方散乱光としてブリユアン散乱光をそれぞれ測定し、それぞれのブリユアン散乱光に関する測定結果をもとに、センシング光ファイバ4aのそれぞれの歪みを算出することができるよう、センシングシステムを、ソフトウェア的およびハードウェア的に構成してもよい。この場合、センシングシステムは、Brillouin optical time domain reflectometry(以下、BOTDRと記す)、Brillouin optical correlation domain reflectometry(以下、BOCDRと記す)の原理を用いることができるように構成する。BOTDRについては、非特許文献6に、また、BOCDRについては、非特許文献7に、それぞれ記されている。
BOTDRを使用する場合、光源部110Aは、パルス化された試験光L1を、延長ケーブル150A中の試験光伝送路152Aに入力する。また、光源部110Aは、連続光である参照光L2を、測定部130Aに入力する。
BOCDRを使用する場合、光源部110Aは、周波数が正弦波変調された試験光L1を、延長ケーブル150A中の試験光伝送路152Aに入力する。また、光源部110Aは、参照光L2を、測定部130Aに入力する。
BOTDRあるいはBOCDRを使用する場合、上記OFDRの場合と異なり、センシング光ファイバ4a-1~4a-4から、試験光L1に起因して長手方向にわたって発生するブリユアン後方散乱光が観測される。
また、BOTDRあるいはBOCDRを使用する場合、測定部130Aは、レイリー散乱光を除去して、ブリユアンストークス光のみを抽出した後、参照光L2と合波し、電気信号に変換する。測定部130Aは、ブリユアン散乱光の周波数成分だけを検波する。
演算部140Aは、それぞれの後方散乱光に関する測定結果をもとに、複数のセンシング光ファイバ4a-1~4a-4のそれぞれの歪みを算出し、算出したそれぞれの歪みをもとにセンシングケーブル4,4D(ケーブル10)の形状を算出する。具体的に、演算部140Aは、ブリユアン散乱光の周波数成分から周波数変化量を求め、その値からセンシング光ファイバ4aの長手方向における歪みの分布を算出し、さらに算出した歪みの分布をもとに、センシングケーブル4,4D(ケーブル10)の形状を算出する。
ブリユアン散乱を測定するセンシングシステムは、長い測定可能距離を有するという利点を持つ。したがって、センシングケーブル4,4D(ケーブル10)の全長およびセンシングケーブル4,4D(ケーブル10)に実装するセンシング光ファイバ4aの全長に応じて、これらのセンシングシステムを適宜選択することができる。
以上説明したように、本実施形態のセンシングシステム100Aは、センシングケーブル4,4D(ケーブル10)の形状を検出することができる。
[第6実施形態]
図17は、第6実施形態のセンシングシステム100Bの構成図である。本実施形態のセンシングシステム100Bは、第2変形例のように4本のセンシング光ファイバ4aを有したセンシングケーブル4D、若しくは当該センシングケーブル4Dを有したケーブル10の形状を検出するためのものである。センシングシステム100Bは、光デバイス120Bと、演算部140Bと、光源部110Bと測定部130Bと、延長ケーブル150Bと、を備えている。センシングシステム100Bは、Brillouin optical correlation domain analysis(以下、BOTDAと記す)あるいはBrillouin optical time domain analysis(以下、BOCDAと記す)の原理を用いることができるよう、ソフトウェア的およびハードウェア的に構成されたものである。BOTDAについては、非特許文献8に、また、BOCDAについては、非特許文献9に、それぞれ記されている。
BOTDAを使用する場合、光源部110B、パルス形状のポンプ光と、連続光であるプローブ光を出力する。
BOCDAを使用する場合、光源部110Bは、パルス形状のポンプ光と、周波数が変調されたプローブ光とを、出力する。プローブ光は、測定対象であるセンシング光ファイバ4aのブリユアン周波数シフト量(ストークスシフト量)に相当する周波数の正弦波で変調されている。
延長ケーブル150Bは、後方散乱光伝送路151B,152Bと、これらとは別個の試験光伝送路153B,154Bと、を有している。試験光伝送路153Bは、光源部110Bから出力されたプローブ光を光デバイス120Bに伝送する。また、試験光伝送路154Bは、光源部110Bから出力されたポンプパルス光を光デバイス120Bに伝送する。
光デバイス120Bは、1×2カプラ121B,122Bと、光アイソレータ123B,124Bと、光サーキュレータ125B,126Bと、を有している。1×2カプラ121Bの1ポート側は、試験光伝送路153Bに接続され、2ポート側は、それぞれ、光アイソレータ123B,124Bのそれぞれの入力ポートに接続されている。1×2カプラ122Bの1ポート側は、試験光伝送路154Bに接続され、2ポート側は、それぞれ、光サーキュレータ125B,126Bのそれぞれの2ポート側の入力ポートに接続されている。光サーキュレータ125B,126Bのそれぞれの2ポート側の他方は、それぞれ、後方散乱光伝送路151B,152Bに接続されている。光アイソレータ123B,124Bの出力ポートは、互いに異なるセンシング光ファイバ4aに接続されている。光サーキュレータ125B,126Bの1ポート側は、互いに異なるセンシング光ファイバ4aに接続されている。
1×2カプラ121Bは、試験光伝送路153Bから入力されたプローブ光を2分岐し、分岐したプローブ光を、光アイソレータ123B,124Bのそれぞれに入力する。光アイソレータ123B,124Bは、それぞれ、入力されたプローブ光をセンシング光ファイバ4a-1,4a-2(のコア4a1)に入力する。1×2カプラ122Bは、試験光伝送路154Bから入力されたポンプパルス光を2分岐し、分岐したプローブ光を、光サーキュレータ125B,126Bのそれぞれに入力する。光サーキュレータ125B,126Bは、それぞれ、入力されたポンプパルス光をセンシング光ファイバ4a-3,4a-4(のコア4a1)に入力する。
センシング光ファイバ4a-1,4a-4は、光アイソレータ123B、光サーキュレータ125Bが接続されている側とは反対側の末端接続部180で接続されている。また、センシング光ファイバ4a-2,4a-3は、光アイソレータ124B,光サーキュレータ126Bが接続されている側とは反対側の末端接続部180で接続されている。すなわち、センシングケーブル4は、センシング光ファイバ4a-1,4a-4が直列に接続されて統合されたセンシング光ファイバ4aと、センシング光ファイバ4a-2,4a-3が直列に接続されて統合されたセンシング光ファイバ4aと、を備えている。
センシング光ファイバ4a-1,4a-4およびセンシング光ファイバ4a-2,4a-3は、それぞれ、ポンプパルス光を、一方の端部から他方の端部に伝送するとともに、プローブ光を、ポンプパルス光とは逆方向に、他方の端部から一方の端部に伝送する。伝送中、ポンプパルス光に起因して、センシング光ファイバ4aのそれぞれの長手方向にわたってブリユアン散乱光が発生し、プローブ光がブリユアン増幅されポンプパルス光とは反対方向に伝送し、ポンプパルス光が入力された光サーキュレータ125B,126Bに入力される。光サーキュレータ125B,126Bは、それぞれ、センシング光ファイバ4a-1,4a-4を透過しブリユアン増幅されたプローブ光Lb1、センシング光ファイバ4a-2,4a-3を透過しブリユアン増幅されたプローブ光Lb2を、後方散乱光伝送路151B,152Bに入力する。後方散乱光伝送路151Bは、ブリユアン増幅されたプローブ光Lb1を伝送し、測定部130Baに入力する。また、後方散乱光伝送路152Bは、ブリユアン増幅されたプローブ光Lb2を伝送し、測定部130Bbに入力する。
BOTDAを使用する場合、測定部130Ba,130Bbは、それぞれ、後方散乱光伝送路151B,152Bから出力された光を受信し、電流信号に変換して演算部140Bに入力する。
他方、BOCDRを使用する場合、測定部130Ba,130Bbは、それぞれ、後方散乱光伝送路151B,152Bから出力された光を受信し、電流信号に変換し、さらにプローブ光の変調と同期したロックイン検出された信号を、演算部140Bに入力する。
演算部140Bは、ブリユアン散乱光の周波数成分から周波数変化量を求め、その値からセンシング光ファイバ4aの長手方向における歪みの分布を算出する。さらに算出した歪みの分布をもとに、センシングケーブル4D(ケーブル10)の形状を算出する。この方法はFrenet-Serret equationsを光ファイバの長手方向に適用する公知の計算法である(非特許文献1,2)。
以上説明したように、本実施形態のセンシングシステム100Bは、センシングケーブル4D(ケーブル10)の形状を検出することができる。
[第7実施形態]
図18は、第7実施形態のセンシングシステム100Cの構成図である。本実施形態のセンシングシステム100Cは、第2実施形態のように4本のセンシング光ファイバ4aを有したセンシングケーブル4D、若しくはセンシングケーブル4Dを有したケーブル10の形状を検出するためのものである。センシングシステム100Cは、光源部110Cと、延長ケーブル150Cと、光デバイス120Cと、測定部130Cと、演算部140Cと、を備えている。センシングシステム100Cは、上記第6実施形態のセンシングシステム100Bと同様に、BOTDAあるいはBOCDAの原理を用いることができるようにソフトウェア的およびハードウェア的に構成されたものである。
BOTDAを使用する場合、BOCDRを使用する場合のそれぞれにおいて、光源部110Cは、上記第6実施形態のセンシングシステム100Bと同様の構成を有し、同様に作動するので、説明を省略する。
延長ケーブル150Cは、後方散乱光伝送路151Cと、これらとは別個の試験光伝送路152Cおよび153Cと、を有している。試験光伝送路152Cは、光源部110Cから出力されたプローブ光を光デバイスに伝送する。試験光伝送路153Cは、光源部110Cから出力されたポンプ光を光デバイスに伝送する。
延長ケーブル150Cは、ポンプ光およびプローブ光を光デバイス120Cに入力する。光デバイス120Cは、光アイソレータ121Cと光サーキュレータ122Cとを有する。光アイソレータ121Cは、プローブ光をセンシング光ファイバ4a-1に入力する。また光サーキュレータ122Cは、ポンプ光をセンシング光ファイバ4a-1とは異なるセンシング光ファイバ4a-4に入力する。
光アイソレータ121Cからのプローブ光は、センシング光ファイバ4a-1,4a-2,4a-3,4a-4をこの順に経由して光サーキュレータ122Cに到達し、遮断される。
他方、光サーキュレータ122Cからのポンプ光は、センシング光ファイバ4a-4,4a-3,4a-2,4a-1をこの順に経由して光アイソレータ121Cに到達し、遮断される。
光サーキュレータ122Cは、ブリユアン増幅されたプローブ光を延長ケーブル150C内の後方散乱光伝送路151Cに入力する。後方散乱光伝送路151Cは、ブリユアン増幅されたプローブ光を測定部130Cに入力する。
BOTDAを使用する場合、BOCDRを使用する場合のそれぞれにおいて、測定部130Cは、上記第6実施形態のセンシングシステム100Bと同様の構成を有し、同様に作動する。すなわち、測定部130Cは、複数のセンシング光ファイバ4a-1~4a-4のそれぞれの一方の端部から入力されたブリユアン増幅されたプローブ光に関して測定を行い、電気信号を演算部140Cに出力する。
演算部140Cでは、検出されたデジタルデータからこれらのファイバの長手方向での歪分布状態を連続的に算出することができる。そしてセンシング光ファイバ4a-1~4a-4のそれぞれの歪分布状態のデータに分割し、それぞれの歪みをもとにセンシングケーブル4D(ケーブル10)の形状を算出する。この方法はFrenet-Serret equationsを光ファイバの長手方向に適用する公知の計算法である(非特許文献1,2)。
以上説明したように、本実施形態のセンシングシステム100Cは、センシングケーブル4D(ケーブル10)の形状を検出することができる。
また、その他の実施形態として、第5~第7実施形態のセンシングシステム100A~100Cの構成において、延長ケーブル150A~150Cを削除し、延長ケーブル150A~150Cを介さずに、光源部110A~110Cからの試験光L1を光デバイス120A~120Cに入力し、センシング光ファイバ4aのそれぞれからの後方散乱光L3a,L3b,L3c,L3dを測定部130A~130Cに入力する構成としてもよい。
[第8実施形態]
上記第5~第7実施形態に記載されるようなセンシングシステム100,100Aは、様々なシステムに適用できる。以下では、センシングシステム100(または100A~100C)を備えたシステムの実施形態について説明する。
図19は、センシングシステム100を備えた第7実施形態のシステム1000の構成図である。このシステム1000は、ケーブル10A,10と、センシングシステム100とを備えている。システム1000は、海Sに浮かぶ海洋探査船1001と、無人探査機であるランチャー1002と、子機であるビークル1003とを備えており、海底を探査する海底探査システムとして構成されている。システム1000は、センシングシステムとも称されうる。
センシングシステム100は、海洋探査船1001に搭載されている。ケーブル10Aは、センシングシステム100と接続されている。ケーブル10Aは、一次ケーブルとも呼ばれ、ケーブル10と同様の断面構造を有しており、その長さは例えば10kmと比較的長い。
ランチャー1002は、ケーブル10Aを介して海洋探査船1001と接続されている。ランチャー1002は、各種探査装置を搭載しており、ビークル1003を収容、誘導、回収するための機構を備えている。
ケーブル10は、ランチャー1002を介し、ケーブル10Aと接続されている。ケーブル10は、2次ケーブルとも呼ばれ、その長さは例えば200mと比較的短い。
ビークル1003は、ケーブル10によってランチャー1002と接続している。ビークル1003は、ランチャー1002から発進し、海底の近傍を移動する。ビークル1003は、各種探査装置を搭載している。ビークル1003は、ケーブル10A,10において、センシングシステム100から試験光が入力される端部とは反対側の先端部側に位置する。
ケーブル10A,10は、海洋探査船1001からランチャー1002やビークル1003に電力を供給したり、通信を行ったりする機能を有する複合ケーブルである。
第5実施形態で説明したように、センシングシステム100は、ケーブル10A,10の形状を検出することができる。
海中においては、ケーブル10A,10は潮の流れによって動いているが、その挙動は不明なことが多い。場合によってはケーブル10A,10の歪みが特定の箇所に集中したり、ケーブル10A,10の捩れの一部がケーブル先端部に伝わったりしてキンクが発生し、損傷の原因になる場合もある。そのためケーブル10A,10の構造設計としてトルクバランスに配慮した設計が行われている。しかしながら、上記した局所的な歪やキンクの発生、あるいは海底面に近い位置では海底から突起している岩との接触による損傷など、ケーブル10A,10の破断につながる要因を確実に避けることは困難である。
これに対して、このシステム1000では、センシングシステム100が、ケーブル10A,10の形状を検出することができるので、ケーブル10A,10を海中から回収することなく、局所的な歪やキンクが発生している箇所を特定できる。その結果、ケーブル10A,10の損傷や破断をある程度予測することができる。また、これにより、より効率的なケーブルの検査や、歪やキンク発生のメカニズムの解明のためのデータを収集することができる。
また、センシングシステム100の演算部140は、ケーブル10Aとケーブル10との形状をもとに、測定対象物であるビークル1003の、海洋探査船1001に対する3次元的な相対位置を算出してもよい。これにより、システム1000は、ビークル1003の3次元的な相対位置を検出することができる。なお、海洋探査船1001はGPS機器を搭載しており、GPS機器は、海洋探査船1001の地球上における絶対位置(経緯度)の情報を得ることができる。この場合、演算部140は、海洋探査船1001の位置情報をGPS機器から取り込み、その位置情報と、ケーブル10Aとケーブル10との形状の情報をもとに、海中でのビークル1003の3次元的な絶対位置を検出することができる。
[第9実施形態]
図20は、センシングシステム100Bを備えた第9実施形態のシステム1000Aの構成図である。このシステム1000Aは、ケーブル10と、センシングシステム100Bとを備えている。システム1000Aは、センシングシステムとも称されうる。センシングシステム100Bは、光デバイス120Aと、演算部140と、光源/測定部160と、一次ケーブル170Bと、を備えている。光デバイス120A、演算部140、光源/測定部160は、図17に示すセンシングシステム100Aにおける対応する要素と同様の構成であるので、説明を省略する。なお、演算部140と、光源/測定部160とは、海洋探査船1001に搭載されている。光デバイス120Aは、ランチャー1002に搭載されている。
一次ケーブル170Bの構成は、ケーブル10の構成からセンシング光ファイバ4a(センシングケーブル4)を削除し、図17に示す延長ケーブル150Bと同様の4本の後方散乱光伝送路と、これらとは別個の試験光伝送路とを追加したものである。一次ケーブル170Bの長さは例えば10kmと比較的長い。
一次ケーブル170Bは、複合ケーブルであり、ケーブル10と同様に、海洋探査船1001とランチャー1002とビークル1003との間での、電力供給と通信とに使用される。また、一次ケーブル170Bは、延長ケーブル150Bと同様に、試験光L1を試験光伝送路によって光デバイス120Aに伝送する機能を有する。また、一次ケーブル170Bは、ケーブル10のセンシング光ファイバ4aからの後方散乱光L3a,L3b,L3c,L3dのそれぞれを、4本の後方散乱光伝送路のそれぞれによって光源/測定部160に伝送する機能を有する。
このシステム1000Aでは、センシングシステム100Bは、光源/測定部160から、一次ケーブル170Bを介して、数km以上という長いケーブルの先に接続されたケーブル10の形状を検出することができる。特に、一次ケーブル170Bの先端側に位置し、海底にも近く、キンク等が発生しやすいケーブル10の形状を好適に検出することができる。
また、センシングシステム100Bの演算部140は、ケーブル10の形状をもとに、測定対象物であるビークル1003の、海洋探査船1001に対する大凡の3次元的な相対位置を算出してもよい。これにより、システム1000は、ビークル1003の大凡の3次元的な相対位置を検出することができる。なお、演算部140は、海洋探査船1001の位置情報をGPS機器から取り込み、その位置情報と、ケーブル10Aとケーブル10との形状の情報をもとに、海中でのビークル1003の大凡の3次元的な絶対位置を検出することができる。
[第10実施形態]
図21は、センシングシステム100を備えた第10実施形態のシステム1000Bの構成図である。このシステム1000Bでは、ケーブル10の形状を検出するセンシングシステム100は、ランチャー1002に搭載されている。海洋探査船1001とランチャー1002とは、電力供給と通信とに使用される複合ケーブルである一次ケーブル1004で接続されている。システム1000Bは、センシングシステムとも称されうる。
このシステム1000Bでは、一次ケーブル1004の先端側に位置し、海底にも近く、キンク等が発生しやすいケーブル10の形状を好適に検出することができる。
なお、ランチャー1002は一次ケーブル1004のケーブル長相当の深海に達することができるので、高い水圧が掛かる。そのため、ランチャー1002搭載するセンシングシステム100は、その全体を耐水圧用容器内に設置する等、耐水圧用の構成とする必要がある。
[第11実施形態]
図22は、センシングシステム100を備えた第11実施形態のシステム1000Cの構成図である。このシステム1000Cは、ケーブル10A,10と、センシングシステム100と、距離測定装置であるソナー装置1005とを備えている。すなわち、システム1000Cは、図18に示すシステム1000の構成にソナー装置1005を追加した構成を有する。システム1000Cは、センシングシステムとも称されうる。
ソナー装置1005は、ビークル1003に搭載されている。ソナー装置1005は、海底SFの所定箇所に向かって音波信号SSを送信し、その所定箇所で反射した音波信号を受信する。これにより、ソナー装置1005から海底SFの所定箇所までの距離を測定する。
上述したように、システム1000では、海中でのビークル1003の3次元的な絶対位置を検出することができる。さらに、システム1000Cでは、演算部140は、ビークル1003の3次元的な絶対位置の情報と、ソナー装置1005が測定した海底SFの所定箇所までの距離の情報とを用いて、海底SFの所定箇所の3次元的な絶対位置を算出することができる。そして、ソナー装置1005が海底SFまでの距離の測定を様々な箇所に対して行うことによって、演算部140は、海底SFの3次元的な座標を算出することができる。その結果、システム1000Cは、海底SFの3次元的な座標や形状を検出することができる。この場合、海底SFが、ケーブル10の先端部側に位置する測定対象物に相当する。
なお、上記第8実施形態~第11実施形態では、位置または形状を検出する測定対象物はビークル1003や海底SFであるが、位置または形状を検出する測定対象物はこれらに限られない。例えば、本発明のセンシングシステムは、建造物内に侵入し、建造物内部を調査する調査ロボットの位置や、建造物の内部の形状を検出する用途にも適用可能である。
[第12実施形態]
図23は、センシングシステム100を備えた第12実施形態のシステム2000の構成図である。このシステム2000は、ケーブル10と、センシングシステム100とを備えている。システム2000は、センシングシステムとも称されうる。ケーブル10は、測定対象物である鉄道等の線路2001に沿って敷設されている。ケーブル10は線路2001と接しており、長手方向において連続的または断続的に固定されている。
線路2001が伸縮や屈曲等、形状変形すると、それに応じてケーブル10の形状も変化する。センシングシステム100は、ケーブル10の形状変形を検出することによって、線路2001の変形をセンシングできる。これにより、システム2000では、線路2001における形状的な異常の発生を監視することができる。
なお、測定対象物は、線路に限らず、橋梁等の構造物でもよい。また、センシングシステム100に換えてセンシングシステム100Aを用いてセンシングシステムを構成してもよい。センシングシステム100Aを用いた場合、センシングシステム100Aのケーブル10を測定対象物に敷設し、延長ケーブル150Aによって演算部140および光源/測定部160を、測定対象物から遠隔の地点に設置することができる。これにより、例えば演算部140および光源/測定部160を設置しにくいまたは測定者が到達し難い山奥等に存在する建造物等の形状をケーブル10でセンシングし、形状的な異常の発生を監視することができる。
また、上記第5実施形態~第12実施形態のシステムのケーブル10は、他の実施形態の実施形態や変形例のケーブル10A,10B,10Gやこれらに類似するケーブルに置き換えることができるし、ケーブル10に含まれるセンシングケーブル4は、他の実施形態や変形例のセンシングケーブル4C~4Fやこれらに類似するセンシングケーブルに置き換えることができる。また、センシング光ファイバ4aの数も、4には限定されない。
また、一般的に、光ファイバは温度の変化によって伸縮する。そのためセンシング光ファイバ4aの歪分布測定を行う際、センシング光ファイバ4aの温度が変化すると歪測定に影響を生じる。そのため、センシングシステム100,100A~100Cの演算部において、センシング光ファイバ4aの少なくとも1つからの後方散乱光の測定結果をもとに、形状を検出するケーブルの長手方向における温度分布を求め、算出された複数のセンシング光ファイバ4aのそれぞれの歪みを、温度分布をもとに補正することが好ましい。このようなセンシング光ファイバ4aの長手方向における温度分布測定は、センシング光ファイバ4a中のラマン散乱の変化を用いたR-OTDR(ラマンOTDR)法や、ブリユアン散乱の周波数変化を用いたBOTDR法、BOTDA法、BOCDA法、BOCDR法を用いることができる。したがって、センシングシステム100,100A,100Bやこれを備えたシステム1000,1000A~1000C,2000はこれらの方法を使用して温度分布を測定し、これをもとに歪みを補正できるようにソフトウェア的およびハードウェア的に構成されていることが好ましい。なお、温度分布を測定するために使用するセンシング光ファイバ4aは、センシングケーブル4内のいずれの位置にあるものでもよい。
以上、本発明の実施形態および変形例が例示されたが、上記実施形態および変形例は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
1…電力線(伝送線)
2…アース線
3…光ファイバ線(伝送線、通信線)
3B…光ファイバテープ心線
4…センシングケーブル(第一センシングケーブル、第二センシングケーブル)
4C~4G…センシングケーブル
4a,4a-1,4a-2,4a-3,4a-4…センシング光ファイバ
4a1…コア
4a2…クラッド
4b…光ファイバ(保持部材、第四保持部材、第五保持部材、第六保持部材)
4b1…コア
4b2…クラッド
4c…テンションメンバ(保持部材、第三保持部材、第四保持部材、第六保持部材)
4d…被覆層(保持部材、第三保持部材、第四保持部材)
4e…スロット材(保持部材、第一保持部材、第二保持部材、第四保持部材)
4e1,4e1-1,4e1-2,4e1-3…溝(保持部)
4f…接合材(接合部材)
5…内部被覆層
6,6B…テンションメンバ
7,7Ba,7Bb…外部被覆層
8…充填材
9,9B…スロット材
9a…溝
10,10A,10B,10G…ケーブル
100,100A,100B,100C …センシングシステム
110A,110B,110C…光源部
120A,120B,120C…光デバイス
121A,125B,126B,122C…光サーキュレータ
123B,124B,121C…光アイソレータ
121B,122B…1×2カプラ
130A,130B,130Ba,130Bb,130C…測定部
140,140A,140B,140C…演算部
150A,150B,150C…延長ケーブル
151A,151B,152B,151C…後方散乱光伝送路
152A,153B,154B,152C,153C…試験光伝送路
160…光源/測定部
170B,1004…一次ケーブル
180…末端接続部
1000,1000A~1000C,2000…システム(センシングシステム)
1001…海洋探査船
1002…ランチャー
1003…ビークル
1005…ソナー装置
2001…線路
Ax1…軸心(第一軸心)
Ax2…軸心(第二軸心)
Ax3…軸心(第三軸心)
C0…中心
D1…距離(第一距離)
D2…距離(第二距離)
Dr…方向(第一方向)
H…第一捩れピッチ
h…第二捩れピッチ
L1…試験光
L2…参照光
L3,L3a,L3b,L3c,L3d…後方散乱光
Lb1,Lb2…プローブ光
Lv…仮想線
S…海
SF…海底
SS…音波信号
R…曲げ半径

Claims (29)

  1. 伝送線と、
    前記伝送線とは別に設けられたセンシングケーブルと、
    を備え、
    前記センシングケーブルは、
    それぞれコアと当該コアを取り囲むクラッドとを有した3本以上のセンシング光ファイバと、
    前記3本以上のセンシング光ファイバを互いに間隔をあけた状態で保持する保持部材と、
    を有した、ケーブル。
  2. 前記保持部材として、前記センシングケーブルの長手方向に延びてそれぞれ前記センシング光ファイバを収容する複数の溝が設けられた第一保持部材を有した、請求項1に記載のケーブル。
  3. 前記保持部材として、それぞれ前記センシング光ファイバを保持する複数の保持部が設けられ前記センシングケーブルの長手方向に間隔をあけて設けられた複数の第二保持部材を有した、請求項1または2に記載のケーブル。
  4. 前記保持部材として、前記センシングケーブルの長手方向に延びて前記複数の第二保持部材を固定した第三保持部材を有した、請求項3に記載のケーブル。
  5. 前記保持部材として、前記センシング光ファイバと並行して前記センシングケーブルの長手方向に延びた第四保持部材を有した、請求項1~4のうちいずれか一つに記載のケーブル。
  6. 前記第四保持部材として、前記センシング光ファイバと前記センシングケーブルの周方向にずれて位置された第五保持部材を有した、請求項5に記載のケーブル。
  7. 前記第四保持部材として、3本以上のセンシング光ファイバに対して前記センシングケーブルの径方向内側に位置された第六保持部材を有した、請求項5または6に記載のケーブル。
  8. 前記センシングケーブルは、前記3本以上のセンシング光ファイバを接合するか、あるいは前記センシング光ファイバと前記保持部材とを接合する接合部材を有した、請求項1~7のうちいずれか一つに記載のケーブル。
  9. 前記センシングケーブルにおいて、前記3本以上のセンシング光ファイバが、多重螺旋状に配置された、請求項1~8のうちいずれか一つに記載のケーブル。
  10. 少なくとも一つの前記センシング光ファイバに含まれる前記コアが、長手方向において屈折率が周期的に変化しているファイバブラッググレーティングコアを含む、請求項1~9のうちいずれか一つに記載のケーブル。
  11. 前記センシングケーブルとして、前記ケーブルにおいて螺旋状に配置された第一センシングケーブルを備えた、請求項1~10のうちいずれか一つに記載のケーブル。
  12. 前記センシングケーブルとして、前記ケーブルの第一軸心に沿う第二センシングケーブルを備えた、請求項1~11のうちいずれか一つに記載のケーブル。
  13. 前記ケーブルの第一軸心から前記センシングケーブルの第二軸心までの第一距離、および前記第二軸心から前記センシング光ファイバの第三軸心までの第二距離が、前記ケーブルの許容される最小曲げ半径における前記センシング光ファイバの歪量が所定の閾値以下となるよう、設定された、請求項1~12のうちいずれか一つに記載のケーブル。
  14. 前記伝送線は電力線である、請求項1~13のうちいずれか一つに記載のケーブル。
  15. 前記伝送線は通信線である、請求項1~14のうちいずれか一つに記載のケーブル。
  16. それぞれコアと当該コアを取り囲むクラッドとを有し、3本以上のセンシング光ファイバと、
    前記3本以上のセンシング光ファイバを互いに間隔をあけた状態で保持する保持部材と、
    を有した、センシングケーブル。
  17. コアと当該コアを取り囲むクラッドとを有したセンシング光ファイバを有し、
    前記センシング光ファイバは、折り返され長手方向に延びた複数の区間を有した、センシングケーブル。
  18. 前記複数の区間は第一区間と第二区間とを含み、
    前記第一区間は、前記センシングケーブルの第二軸心と直交する断面において、当該第二軸心に対して当該第二軸心と交差する第一方向に離間して位置され、
    前記第二区間は、前記断面において、前記第二軸心を通り前記第一方向と直交する第二方向に延びる仮想線に対して、前記第一区間とは反対側に位置された、
    請求項17に記載のセンシングケーブル。
  19. 前記複数の区間は、前記センシングケーブルの第二軸心と直交する断面において、略回転対称となる位置に配置された、請求項17または18に記載のセンシングケーブル。
  20. 請求項1~15のうちいずれか一つに記載のケーブルの前記センシング光ファイバに入力する試験光を出力する光源部と、
    前記センシング光ファイバから前記試験光に対応して出力された後方散乱光の測定を行う測定部と、
    前記測定部における前記センシング光ファイバのそれぞれの前記後方散乱光の測定結果に基づいて前記ケーブルの形状を算出する演算部と、
    を備えた、ケーブル形状のセンシングシステム。
  21. 請求項17~19のいずれか一つに記載のセンシングケーブルの前記センシング光ファイバに入力する試験光を出力する光源部と、
    前記試験光に対応して前記センシング光ファイバで生じた後方散乱光を測定する測定部と、
    前記測定部における前記後方散乱光の測定結果を前記区間のそれぞれの測定結果に分割し、前記複数の区間の測定結果に基づいて前記センシングケーブルの形状を算出する演算部と、
    を備えた、ケーブル形状のセンシングシステム。
  22. 前記後方散乱光のそれぞれはレイリー散乱光であり、
    光周波数領域反射法を用いて前記コアのそれぞれの歪みを算出することができるよう構成された、請求項20または21に記載のケーブル形状のセンシングシステム。
  23. 前記後方散乱光のそれぞれはブリユアン散乱光であり、
    前記ブリユアン散乱光に関する測定結果をもとに、前記コアのそれぞれの歪みを算出することができるよう構成された請求項20または21に記載のケーブル形状のセンシングシステム。
  24. 試験光を前記センシング光ファイバに入力するとともに、前記試験光に対応して前記複数の区間から出力された後方散乱光を前記測定部に入力する光デバイスを備えた、請求項21に記載のケーブル形状のセンシングシステム。
  25. 前記試験光を前記光デバイスに伝送する試験光伝送路と、
    前記試験光伝送路とは別個に設けられ、前記後方散乱光を前記光デバイスから前記測定部に伝送する後方散乱光伝送路と、
    を備えた、請求項24に記載のケーブル形状のセンシングシステム。
  26. 前記センシング光ファイバとして複数のセンシング光ファイバを備え、
    前記複数のセンシング光ファイバの一方の端部に入力するポンプ光を出力するポンプ光源と、前記複数のセンシング光ファイバの他方の端部に入力するプローブ光を出力するプローブ光源と、を有した光源部と、
    前記複数のセンシング光ファイバにおいて前記ポンプ光によってブリユアン増幅された前記プローブ光の測定を行う測定部と、
    前記複数のセンシング光ファイバに前記ポンプ光および前記プローブ光のそれぞれを入力するとともに、前記複数のセンシング光ファイバからの前記プローブ光を前記測定部に入力する光デバイスと、
    前記測定部における前記複数のセンシング光ファイバからの前記プローブ光の測定結果に基づいて、前記センシング光ファイバのそれぞれの歪みを算出し、当該算出した歪みに基づいて前記センシングケーブルの形状を算出する演算部と、
    を備えた、請求項21に記載のケーブル形状のセンシングシステム。
  27. 前記センシング光ファイバとして長手方向の端部で折り返されるとともに直列に接続された少なくとも四つの区間を有したセンシング光ファイバを備え、
    前記センシング光ファイバの一方の端部に入力するポンプ光を出力するポンプ光源と、前記センシング光ファイバの他方の端部に入力するプローブ光を出力するプローブ光源と、を有した光源部と、
    前記センシング光ファイバにおいて前記ポンプ光によってブリユアン増幅された前記プローブ光の測定を行う測定部と、
    前記ポンプ光および前記プローブ光のそれぞれを前記センシング光ファイバに入力するとともに、前記センシング光ファイバの前記一方の端部からの前記プローブ光を前記測定部に入力する光デバイスと、
    前記測定部における前記センシング光ファイバからの前記プローブ光の測定結果を、前記少なくとも四つの区間のそれぞれの測定結果に分割し、当該少なくとも四つの区間のそれぞれの歪みを算出し、当該算出した歪みに基づいて前記センシングケーブルの形状を算出する演算部と、
    を備えた、請求項21に記載のケーブル形状のセンシングシステム。
  28. 前記ポンプ光を前記光デバイスに伝送するポンプ光伝送路と、
    前記プローブ光を前記光デバイスに伝送するプローブ光伝送路と、
    前記ポンプ光伝送路とプローブ光伝送路は別個の、前記コアから出力された前記プローブ光を前記光デバイスから前記測定部に伝送する後方伝搬プローブ光伝送路と、
    を備えた、請求項26または27に記載のケーブル形状のセンシングシステム。
  29. 前記測定部による測定結果に基づいて前記センシングケーブルの長手方向における温度分布を求め、前記算出された歪みを、前記温度分布に基づいて補正する、請求項20~28のうちいずれか一つに記載のケーブル形状のセンシングシステム。
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