JP2022108825A - ウェザーストリップの製造方法 - Google Patents

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雅人 小林
Masahito Kobayashi
航大 尾崎
Kodai Ozaki
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Abstract

【課題】従来よりも簡便な方法で、直線部材とコーナー部材との接着性に優れ、かつ、融着部での耐熱性にも優れたウェザーストリップを製造するための方法を提供する。【解決手段】本発明に係るウェザーストリップの製造方法は、少なくとも、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)と、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)と、架橋剤と、を溶融混練して熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(a)と、前記熱可塑性エラストマー中間体と、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロック(c1)を有するとともに、中間に1,2-ビニル結合含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体の水素添加物であるオレフィン系ブロック共重合体(C)と、結晶性エチレン系樹脂(D)と、をブレンドして混合物を得る工程(b)と、前記混合物を射出成形機で成形する工程(c)と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ウェザーストリップの製造方法に関する。
熱可塑性エラストマー(TPE:Thermoplastic Elastomer)は、自動車、家電、医療、食品、電線及び日用品等の種々の分野で使用されている。特に自動車分野では、熱可塑性エラストマーは、主に生産性、低コスト、デザインの自由度、軽量化、及びリサイクル性の観点から、加硫ゴムの代替材料として注目されている。
中でも、自動車用部品の1つであるウェザーストリップは、加硫ゴムから熱可塑性エラストマーに置き換わる傾向にある。例えば特許文献1には、オレフィン系ゴム、水添ブロック共重合体、及び前記オレフィン系ゴム以外のポリオレフィン系樹脂を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなるウェザーストリップが開示されている。
特開2016-113614号公報
近年、自動車デザインの多様化により、ウェザーストリップの設計にあたっては、熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体と、結晶性エチレン系樹脂からなる成形体とを溶融接着させた複合部材へのニーズが高まっている。例えば、あらかじめ成形された結晶性エチレン系樹脂からなる直線部材をコーナー成形用金型にインサートした後、熱可塑性エラストマー組成物を射出成形することで、直線部材とコーナー部材とが熱可塑性エラストマー組成物の熱融着により接着されたウェザーストリップを製造することができる。
しかしながら、このようなウェザーストリップは、直線部材とコーナー部材との接着性が十分とはいえなかった。特に、直線部材とコーナー部材との融着部での耐熱性が不十分であり、加熱により融着部が容易に破壊されてしまうという課題があった。
本発明に係る幾つかの態様は、従来よりも簡便な方法で、直線部材とコーナー部材との接着性に優れ、かつ、融着部での耐熱性にも優れたウェザーストリップを製造するための方法を提供する。
本発明に係るウェザーストリップの製造方法の一態様は、
少なくとも、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)と、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)と、架橋剤と、を溶融混練して第1の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(a)と、
前記第1の熱可塑性エラストマー中間体と、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロック(c1)を有するとともに、中間に1,2-ビニル結合含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体の水素添加物であるオレフィン系ブロック共重合体(C)と、結晶性エチレン系樹脂(D)と、をブレンドして混合物を得る工程(b)と、
前記混合物を射出成形機で成形する工程(c)と、
を含む。
前記ウェザーストリップの製造方法の一態様において、
前記第1の熱可塑性エラストマー中間体、前記成分(C)、及び前記成分(D)の何れもが、ペレット又は粉末であってもよい。
前記ウェザーストリップの製造方法のいずれかの態様において、
前記工程(b)において、前記第1の熱可塑性エラストマー中間体100質量部に対して、前記成分(C)5~30質量部と、前記成分(D)10~50質量部とをブレンドして混合物を得てもよい。
本発明に係るウェザーストリップの製造方法の一態様は、
少なくとも、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)と、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)と、架橋剤と、を溶融混練して第1の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(a)と、
前記第1の熱可塑性エラストマー中間体と、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロック(c1)を有するとともに、中間に1,2-ビニル結合含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体の水素添加物であるオレフィン系ブロック共重合体(C)と、を溶融混練して第2の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(b-1)と、
前記第2の熱可塑性エラストマー中間体と、結晶性エチレン系樹脂(D)と、をブレンドして混合物を得る工程(b-2)と、
前記混合物を射出成形機で成形する工程(c)と、
を含む。
前記ウェザーストリップの製造方法の一態様において、
前記第2の熱可塑性エラストマー中間体及び前記成分(D)の何れもが、ペレット又は粉末であってもよい。
前記ウェザーストリップの製造方法のいずれかの態様において、
前記成分(D)が、重量平均分子量が1,000~30,000のポリエチレン(D1)を含んでもよい。
本発明に係るウェザーストリップの製造方法の一態様は、
少なくとも、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)と、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)と、架橋剤と、を溶融混練して第1の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(a)と、
前記第1の熱可塑性エラストマー中間体と、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロック(c1)を有するとともに、中間に1,2-ビニル結合含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体の水素添加物であるオレフィン系ブロック共重合体(C)と、結晶性エチレン系樹脂(D)と(但し、重量平均分子量が1,000~30,000のポリエチレンを除く)、を溶融混練して第3の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(b’-1)と、
前記第3の熱可塑性エラストマー中間体と、重量平均分子量が1,000~30,000のポリエチレン(D1)と、をブレンドして混合物を得る工程(b’-2)と、
前記混合物を射出成形機で成形する工程(c)と、
を含む。
前記ウェザーストリップの製造方法の一態様において、
前記第3の熱可塑性エラストマー中間体及び前記成分(D1)の何れもが、ペレット又は粉末であってもよい。
前記ウェザーストリップの製造方法のいずれかの態様において、
前記工程(c)において、
前記射出成形機のL/D=16~25、圧縮比=1~3であり、
成形条件が、シリンダー温度=200~280、スクリュー回転数=20~400rpm、背圧=1~20MPaであってもよい。
前記ウェザーストリップの製造方法のいずれかの態様において、
前記成分(B)の融点が135℃以上であってもよい。
前記ウェザーストリップの製造方法のいずれかの態様において、
前記成分(C)に含まれる前記共役ジエン重合体ブロック(c1)と前記共役ジエン重合体ブロック(c2)の合計を100質量部とした場合に、前記共役ジエン重合体ブロック(c1)の含有割合が5~90質量部であってもよい。
前記ウェザーストリップの製造方法のいずれかの態様において、
前記工程(a)において、前記成分(A)100質量部に対して、前記成分(B)を1~25質量部混合してもよい。
本発明に係るウェザーストリップの製造方法によれば、従来よりも簡便な方法で、直線部材とコーナー部材との接着性に優れ、かつ、融着部での耐熱性にも優れたウェザーストリップを製造することができる。
本実施形態で使用される射出成形機の構造を模式的に示した図である。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。
本明細書において、「X~Y」のように記載された数値範囲は、数値Xを下限値として含み、かつ、数値Yを上限値として含むものとして解釈される。
なお、本明細書中においては、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)を「成分(A)」と、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)を「成分(B)」と、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロック(c1)を有するとともに、中間に1,2-ビニル結合含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体を水素添加物であるオレフィン系ブロック共重合体(C)を「成分(C)」と、結晶性エチレン系樹脂(D)を「成分(D)」と、それぞれ略して用いることがある。
1.ウェザーストリップの製造方法
本発明の一実施形態に係るウェザーストリップの製造方法は、
少なくとも、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)と、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)と、架橋剤と、を溶融混練して熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(a)と、
前記熱可塑性エラストマー中間体と、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロック(c1)を有するとともに、中間に1,2-ビニル結合
含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体の水素添加物であるオレフィン系ブロック共重合体(C)と、結晶性エチレン系樹脂(D)と、をブレンドして混合物を得る工程(b)と、
前記混合物を射出成形機で成形する工程(c)と、
を含む。
以下、本実施形態に係るウェザーストリップの製造方法の各工程について説明する。
1.1.工程(a)
工程(a)は、少なくとも、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)と、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)と、架橋剤と、を溶融混練して第1の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程である。工程(a)で得られる第1の熱可塑性エラストマー中間体は、動的架橋熱可塑性エラストマー(TPV)とも呼ばれるものである。TPVは、マトリクス相である熱可塑性樹脂中に、架橋ゴム粒子がドメイン相として高密度に微分散した海島構造を特徴とする多相系高分子材料である。
原料成分の溶融混練は、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、ニーダ、多軸スクリュー押出機、ロール等の一般的な混和機を用いた溶融混練手段が用いられる。
工程(a)では、少なくとも、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)、及び架橋剤を混練機に投入して溶融混練すればよいが、上記の成分以外にも必要に応じて、架橋助剤、老化防止剤、耐候剤、脂肪酸誘導体、シリコーン化合物、着色剤(酸化チタン、カーボンブラック等)、伸展油等の添加剤を投入してもよい。これらの添加剤は、成形体の表面にブリードアウトするのを抑制するため、上記成分(A)及び成分(B)と相容性の高いものが好ましい。以下、工程(a)で使用される各原料について説明する。
<エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)>
成分(A)は、エチレンに由来する繰り返し単位と、α-オレフィンに由来する繰り返し単位と、を含有する共重合体ゴムである。成分(A)は、エチレン及びα-オレフィン以外の単量体に由来する繰り返し単位を含有してもよい。また、成分(A)は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよいが、ランダム共重合体であることが好ましい。
α-オレフィンとしては、炭素数3以上10以下のα-オレフィンが好ましく、炭素数3以上8以下のα-オレフィンがより好ましい。α-オレフィンの具体例としては、プロピレン、1-ブテン、2-メチルプロペン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等が挙げられる。成分(A)を合成するにあたって、これらのα-オレフィンは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
エチレン及びα-オレフィン以外の単量体としては、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等の炭素数4以上8以下の共役ジエン化合物;ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ジシクロオクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン等の炭素数5以上15以下の非共役ジエン化合物;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、炭素数5以上15以下の非共役ジエン化合物が好ましく、5-エチリデ
ン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエンがより好ましい。成分(A)を合成するにあたって、これらのエチレン及びα-オレフィン以外の単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
成分(A)の全質量を100質量%としたときに、成分(A)中のエチレンに由来する繰り返し単位の含有割合は、好ましくは40~85質量%であり、より好ましくは50~80質量%であり、特に好ましくは55~70質量%である。
成分(A)の全質量を100質量%としたときに、成分(A)中のα-オレフィンに由来する繰り返し単位の含有割合は、好ましくは10~50質量%であり、より好ましくは15~45質量%であり、特に好ましくは25~40質量%である。
成分(A)の全質量を100質量%としたときに、成分(A)中のエチレン及びα-オレフィン以外の単量体に由来する繰り返し単位の含有割合は、好ましくは0~15質量%であり、より好ましくは0~8質量%であり、特に好ましくは0~5質量%である。
成分(A)中の、各単量体に由来する繰り返し単位の含有割合は、赤外分光法により求めることができる。具体的には、赤外分光光度計を用いて、成分(A)の赤外吸収スペクトルを測定し、「赤外吸収スペクトルによるポリエチレンのキャラクタリゼーション(高山、宇佐美 等著)」又は「Die Makromolekulare Chemie,177、461(1976)(McRae、M.A.,MadamS,W.F.等著)」に記載の方法にしたがって、成分(A)中の、各単量体に由来する繰り返し単位の含有割合を算出することができる。
成分(A)の具体例としては、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体、エチレン-プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-プロピレン-1-オクテン共重合体、エチレン-プロピレン-5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体、エチレン-プロピレン-ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン-プロピレン-1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン-プロピレン-5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体等が挙げられる。これらの中でも、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体が好ましい。これらの成分(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
成分(A)の製造例としては、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体等の公知の錯体系触媒の存在下、エチレンと、α-オレフィンと、エチレン及びα-オレフィン以外の単量体とを共重合する方法が挙げられる。重合方法としては、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等が挙げられる。
<α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)>
成分(B)は、α-オレフィンに由来する繰り返し単位を含有する結晶性の熱可塑性樹脂である。成分(B)は、50%未満のエチレンに由来する繰り返し単位を含有してもよい。
α-オレフィンとしては、炭素数3以上20以下のα-オレフィンが好ましい。α-オレフィンの具体例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、2-メチルプロペン、1
-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、2-エチル-1-ヘキセン、2,2,4-トリメチル-1-ペンテン等が挙げられる。成分(B)を合成するにあたって、これらのα-オレフィンは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
成分(B)中の、各単量体に由来する繰り返し単位の含有割合は、成分(A)における各単量体単位の含有割合と同様の方法により求めることができる。
成分(B)としては、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体等が挙げられる。
プロピレンランダム共重合体としては、例えば、
(1)プロピレンに由来する繰り返し単位と、エチレンに由来する繰り返し単位とを含有する、プロピレン-エチレンランダム共重合体、
(2)プロピレンに由来する繰り返し単位と、エチレンに由来する繰り返し単位と、炭素数4以上20以下のα-オレフィンに由来する繰り返し単位とを含有する、プロピレン-エチレン-α-オレフィンランダム共重合体、
(3)プロピレンに由来する繰り返し単位と、炭素数4以上20以下のα-オレフィンに由来する繰り返し単位とを含有する、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体、
等が挙げられる。
プロピレン単独重合体及びプロピレンランダム共重合体の製造方法としては、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体等の公知の錯体系触媒の存在下、プロピレン等を重合する方法が挙げられる。重合方法としては、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等が挙げられる。
成分(B)の融点は、好ましくは135℃以上であり、より好ましくは145℃以上であり、特に好ましくは150℃以上である。成分(B)の融点が135℃以上であると、得られる成形体に耐熱性を付与することができ、とりわけ他の成形体との融着部における耐熱性を向上させることができる。
JIS K7210に準拠して、温度230℃、荷重21.2Nの条件で測定される成分(B)のメルトフローレートは、熱可塑性エラストマー被着体及び結晶性エチレン系樹脂被着体の双方に対する良好な接着性を得る観点から、好ましくは0.1~50g/10分であり、より好ましくは0.1~25g/10分であり、特に好ましくは0.1~15g/10分である。
JIS K7112に準拠して測定される成分(B)の密度は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.85g/cm以上0.95g/cm以下であり、より好ましくは0.87g/cm以上0.93g/cm以下である。
工程(a)において、成分(B)の添加量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは1~25質量部であり、より好ましくは5~22質量部であり、特に好ましくは10~20質量部である。
<架橋剤>
架橋剤としては、有機過酸化物、硫黄化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でも有機過酸化物が好ましい。架橋剤を投入することで、成分(A)が架橋されて架橋ゴム粒子が形成され、該架橋ゴム粒子が成分(B)中に微分散した海島構造を有する熱可塑性エラストマー中間体が形成される。
有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエステル類等が挙げられる。有機過酸化物の具体例としては、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、tert-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、2,2,4-トリメチルペンチル-2-ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゾハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、tert-ブチルパーオキサイド、1,1-ジ(tert-ブチルパーオキシ)3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ-tert-ブチルパーオキシシクロヘキサン、イソブチルパーオキサイド、ビス-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
硫黄化合物としては、一塩化硫黄、二塩化硫黄等が挙げられる。
工程(a)において、架橋剤の添加量は、成分(A)及び成分(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1~20質量部であり、より好ましくは0.3~10質量部であり、特に好ましくは0.5~5質量部である。
1.2.工程(b)
工程(b)では、工程(a)で得られた第1の熱可塑性エラストマー中間体と、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロック(c1)を有するとともに、中間に1,2-ビニル結合含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体の水素添加物であるオレフィン系ブロック共重合体(C)と、結晶性エチレン系樹脂(D)と、をブレンドして混合物を得る工程である。あらかじめ各原料をブレンドしておくことにより各原料が均質化されるので、直線部材(熱可塑性エラストマー又は結晶性エチレン系樹脂)とコーナー部材(上記混合物の成形体)との接着性に優れ、かつ、融着部での耐熱性に優れたウェザーストリップを製造することができる。
工程(b)においては、第1の熱可塑性エラストマー中間体、成分(C)、及び成分(D)の何れもが、ペレット又は粉末であることが好ましい。すなわち、工程(b)においては、熱可塑性エラストマー中間体、成分(C)、及び成分(D)を、混合機等を用いてドライブレンドした混合物を得ることが好ましい。混合機としては、タンブラーミキサー、ドラムミキサー等の粉体を混合できるものであれば特に制限されない。
本発明における「ペレット」とは、加工しやすくするために粒子状にしたものをいう。ペレットの平均粒径は、好ましくは1~20mmであり、より好ましくは1~10mmであり、特に好ましくは1~5mmである。一方、本発明における「粉末」とは、平均粒径が1mm未満の粒子の集合体のことをいう。
なお、工程(b)においては、上記のように成分(C)と成分(D)とを一度にブレンドしてもよいし、成分(C)と成分(D)とを別工程でブレンドしてもよいし、成分(D)の一部又は全部を別工程でブレンドしてもよい。
具体的には、工程(b)においては、第1の熱可塑性エラストマー中間体と成分(C)とを溶融混練して第2の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(b-1)と、第2
の熱可塑性エラストマー中間体と成分(D)とをブレンドして混合物を得る工程(b-2)と、に分けて実施してもよい。工程(b-2)においては、第2の熱可塑性エラストマー中間体及び成分(D)の何れもが、ペレット又は粉末であることが好ましい。
また、工程(b)においては、第1の熱可塑性エラストマー中間体と成分(C)と成分(D)の一部(重量平均分子量が1,000~30,000のポリエチレンを除く。)とを溶融混練して第3の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(b’-1)と、第3の熱可塑性エラストマー中間体と重量平均分子量が1,000~30,000のポリエチレン(D1)とをブレンドして混合物を得る工程(b’-2)と、に分けて実施してもよい。工程(b’-2)においては、第3の熱可塑性エラストマー中間体及び成分(D1)の何れもが、ペレット又は粉末であることが好ましい。
以下、工程(b)で使用される各原料について説明する。
<第1の熱可塑性エラストマー中間体>
上記工程(a)で得られた第1の熱可塑性エラストマー中間体(動的架橋熱可塑性エラストマー(TPV))である。詳細は上述のとおりである。
第1の熱可塑性エラストマー中間体の添加量は、第1の熱可塑性エラストマー中間体、成分(C)及び成分(D)の総質量を100質量部としたときに、好ましくは45~85質量部であり、より好ましくは50~80質量部であり、特に好ましくは55~75質量部である。
<オレフィン系ブロック共重合体(C)>
成分(C)は、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロック(c1)(以下、「ブロック(c1)」ともいう。)を有するとともに、中間に1,2-ビニル結合含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロック(c2)(以下、「ブロック(c2)」ともいう。)を有するブロック共重合体を水素添加してなるオレフィン系ブロック共重合体である。ここで、ブロック(c1)及びブロック(c2)は、水素添加前のブロックである。成分(C)と成分(D)を併用することによって、熱可塑性エラストマー被着体に対する良好な接着性と、結晶性エチレン系樹脂被着体に対する良好な接着性とを両立させた成形体(複合部材)の製造が可能となる。
なお、本明細書における「1,2-ビニル結合含量」とは、赤外吸収スペクトル法を用い、モレロ法により算出した、シス-1,4-結合、トランス-1,4-結合、及び1,2-ビニル結合のうち、1,2-ビニル結合の含量を意味する。ここで、1,2-ビニル結合含量は、水素添加前の重合体の1,2-ビニル結合含量を意味する。
ブロック(c1)は、1,3-ブタジエンを主成分とする重合体ブロックであることが好ましい。なお、「1,3-ブタジエンを主成分とする」とは、ブロック(c1)の繰り返し単位全体の90質量%以上、好ましくは95質量%以上が1,3-ブタジエンに由来する繰り返し単位であることをいう。また、水素添加後の結晶の融点の降下を抑制し、機械的強度を保つ観点からは、ブロック(c1)の1,2-ビニル結合含量は、25mol%以下であり、好ましくは20mol%以下であり、より好ましくは15mol%以下である。
ブロック(c1)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは25,000~650,000であり、より好ましくは50,000~450,000である。数平均分子量(Mn)が25,000以上であると、機械的物性が向上する傾向にある。数平均分子量(Mn)が650,000以下であると、加工性が向上する傾向にある。なお、成分(C)は両末
端にブロック(c1)を有するが、ブロック(c1)の数平均分子量(Mn)とは、両末端のブロック(c1)の数平均分子量(Mn)の合計を意味する。
ブロック(c2)は、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位を有する共役ジエン重合体ブロックである。共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、3-ブチル-1,3-オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらの中でも、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエンが好ましく、1,3-ブタジエンがより好ましい。なお、ブロック(c2)は、二種以上の単量体単位から構成されていてもよい。
ブロック(c2)の1,2-ビニル結合含量は、25mol%を超えるものであり、好ましくは25mol%を超え95mol%以下であり、より好ましくは25mol%を超え85mol%以下である。成分(C)の柔軟性を保つ観点からは、ブロック(c2)の1,2-ビニル結合含量が25mol%を超えることが好ましい。
ブロック(c2)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは5,000~650,000であり、より好ましくは20,000~550,000である。数平均分子量(Mn)が5,000以上であると、機械的物性が向上する傾向にある。数平均分子量(Mn)が650,000以下であると、加工性が向上する傾向にある。
成分(C)の分子構造中のブロック(c2)には、芳香族ビニル重合体ブロックが含有されていてもよい。ブロック(c2)に芳香族ビニル重合体ブロックが含有されている場合、芳香族ビニル重合体ブロックの含有割合は、ブロック(c2)の繰り返し単位全体を100質量%とした場合に、低温特性及び柔軟性を維持する観点から、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、特に好ましくは25質量%以下である。
成分(C)の分子構造中のブロック(c2)の繰り返し単位となる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、tert-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1-ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N-ジエチル-p-アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等が挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
成分(C)に含まれるブロック(c1)とブロック(c2)の合計を100質量部とした場合に、ブロック(c1)の含有割合は、好ましくは5~90質量部であり、より好ましくは10~80質量部である。ブロック(c1)の含有割合が5質量部以上であると、成分(A)に対して、成分(C)が相対的に十分な結晶性を呈することが容易となり、化学架橋によらない三次元網目構造を形成し易くなる傾向にある。一方、ブロック(c1)の含有割合が90質量部以下であると、過度に硬度が上昇するのを回避することができる。なお、本明細書における「三次元網目構造」とは、化学架橋によらず結合して三次元方向に網目状の構造を形成したものを指す。
水添前のオレフィン系ブロック共重合体は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒;ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒等の不活性有機溶媒中において、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物、又は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とこれらと共重合可能な他の単量体を、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてリビングアニオン重
合することにより得ることができる。なお、得られた水添前のオレフィン系ブロック共重合体を水素添加することによって、成分(C)を容易に得ることができる。
重合開始剤として用いられる有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物等を挙げることができる。これらの中でも、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム等の有機リチウム化合物が好ましい。有機アルカリ金属化合物の使用量については特に限定されないが、通常、単量体100質量部に対して、0.02~5質量部、好ましくは0.03~1.5質量部用いられる。
重合温度は、通常-10~150℃、好ましくは0~120℃である。重合系の雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガスにより置換することが好ましい。重合圧力は、単量体及び溶媒を液相に維持するのに十分な圧力の範囲内で行えばよく、特に限定されるものではない。単量体を重合系に投入する方法としては特に限定されないが、例えば、一括、連続的、間欠的、又はこれらを組み合わせた方法を挙げることができる。
水添前のオレフィン系ブロック共重合体は、複数の共重合体の分子鎖がカップリング残基を介して結合した共重合体であってもよい。このような共重合体は、上述の方法で得られたブロック共重合体に対してカップリング剤を使用することにより調製可能である。
使用可能なカップリング剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、1,2,4-トリビニルベンゼン、エポキシ化1,2-ポリブタジエン、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ベンゼン-1,2,4-トリイソシアナート、シュウ酸ジメチル、フタル酸ジエチル、テレフタル酸ジエチル、炭酸ジエチル、1,1,2,2-テトラクロロエタン、1,4-ビス(トリクロロメチル)ベンゼン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、(ジクロロメチル)トリクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラエトキシシラン、テトラクロロ錫、1,3-ジクロロ-2-プロパノン等が挙げられる。
成分(C)は、上述のようにして得られた水添前のオレフィン系ブロック共重合体を部分的又は選択的に水素添加することにより得ることができる。水素添加の方法及び反応条件については特に限定はなく、通常、20~150℃、0.1~10MPaの水素加圧下、水添触媒の存在下で行われる。
水素添加率は、水添触媒の量、水添反応時の水素圧力、又は反応時間等を変えることにより任意に選定することができる。水添触媒として、通常は、元素周期表Ib、IVb、Vb、VIb、VIIb、VIII族金属のいずれかを含む化合物、例えば、Ti、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt原子を含む化合物を用いることができる。具体的には、例えば、Ti、Zr、Hf、Co、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Re等のメタロセン系化合物;Pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の単体に担持させた担持型不均一系触媒;Ni、Co等の金属元素の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機アルミニウム等の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒;Ru、Rh等の有機金属化合物又は錯体;及び水素を吸蔵させたフラーレンやカーボンナノチューブ等を挙げることができる。なかでも、Ti、Zr、Hf、Co、Niのいずれかを含むメタロセン化合物は、不活性有機溶媒中、均一系で水添反応できる点で好ましい。更に、Ti、Zr、Hfのいずれかを含むメタロセン化合物が好ましい。特に、チタノセン化合物とアルキルリチウムとを反応させた水添触媒は安価で工業的に特に有用な触媒であるので好ましい。なお、前記水添触媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。水添後は、必要に応じて触媒の残渣を除去し、又はフェノール系又はアミン系の老化防止剤を添加した後、成分(C)を単離する。成分(C)は、例えば、水添ジエン系共重合体溶液にアセトン又はアルコール等を
加えて沈殿させる方法、水添ジエン系共重合体溶液を熱湯中に撹拌下で投入し、溶媒を蒸留除去する方法等により単離することができる。
成分(C)の水素添加率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95~100%である。水素添加率が80%以上であると、熱安定性及び耐久性が向上する傾向にある。
成分(C)の数平均分子量(Mn)は、好ましくは50,000~700,000であり、より好ましくは100,000~600,000である。数平均分子量(Mn)が50,000以上であると、耐熱性、強度、流動性、及び加工性が向上する傾向にある。数平均分子量(Mn)が700,000以下であると、流動性、加工性、及び柔軟性が向上する傾向にある。なお、成分(C)は、例えば、特開平3-128957号公報に開示される方法によって得ることができる。
JIS K7210に準拠して、温度230℃、荷重21.2Nの条件で測定される成分(C)のメルトフローレートは、熱可塑性エラストマー被着体及び結晶性エチレン系樹脂被着体の双方に対する良好な接着性を得る観点から、好ましくは0.1~20g/10分であり、より好ましくは0.5~10g/10分であり、特に好ましくは1~5g/10分である。
JIS K7112に準拠して測定される成分(C)の密度は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.85g/cm以上0.95g/cm以下であり、より好ましくは0.86g/cm以上0.92g/cm以下である。
上述のようにして得られた複数の水添されたオレフィン系ブロック共重合体が、カップリング剤残基を介して連結されたものを、成分(C)として用いることもできる。すなわち、成分(C)は、[(c1)-(c2)-(c1)]-X(但し、nは3以上の整数、Xはカップリング剤残基を示す。)であってもよい。更に、カップリング剤残基が、ブロック(c1)及びブロック(c2)に対して分子量が十分に小さく、成分(C)の結晶性に影響しない範囲であれば、成分(C)は、[(c1)-(c2)]-X(但し、nは3以上の整数、Xはカップリング剤残基を示す。)であってもよい。
また、成分(C)は、官能基で変性された変性水添オレフィン系ブロック共重合体であってもよい。この官能基としては、カルボキシ基、酸無水物基、ヒドロキシ基、エポキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、イソシアネート基、スルホニル基、スルホネート基、及びオキサゾリン基からなる群より選択される少なくとも1種を使用することができる。変性方法は、公知の方法を使用することができる。この変性水添オレフィン系ブロック共重合体中の官能基の含有量は、変性水添オレフィン系ブロック共重合体を構成する繰り返し単位全体を100mol%とした場合に、好ましくは0.01~10mol%であり、より好ましくは0.1~8mol%であり、特に好ましくは0.15~5mol%である。官能基を導入するために使用できる好ましい単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等を挙げることができる。
成分(C)の添加量は、第1の熱可塑性エラストマー中間体、成分(C)及び成分(D)の合計量を100質量部としたときに、好ましくは4~20質量部であり、より好ましくは5~18質量部であり、特に好ましくは6~16質量部である。
<結晶エチレン系樹脂(D)>
成分(D)は、結晶エチレン系樹脂であり、エチレンを主な繰り返し単位とする樹脂である。成分(D)は、50%未満のエチレン以外の単量体に由来する繰り返し単位を含有してもよい。成分(C)と成分(D)を併用することによって、熱可塑性エラストマー被着体に対する良好な接着性と、結晶性エチレン系樹脂被着体に対する良好な接着性とを両立させた成形体(複合部材)の製造が可能となる。
エチレン以外の単量体としては、炭素数3以上10以下のα-オレフィン;1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等の炭素数4以上8以下の共役ジエン化合物;ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ジシクロオクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン等の炭素数5以上15以下の非共役ジエン化合物;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸が挙げられる。
成分(D)としては、エチレン単独重合体、エチレンに由来する繰り返し単位とエチレン以外の単量体に由来する繰り返し単位とを含有するエチレン共重合体が挙げられる。成分(D)の中でも、エチレン単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ペンテン共重合体、エチレン-4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体が好ましく、高密度ポリエチレンがより好ましい。
また、成分(D)の一部又は全部に、重量平均分子量1,000~30,000のポリエチレン(D1)を使用することも好ましい。成分(D)中の成分(D1)の使用割合は、成分(D)を100質量%としたときに、20質量%以上含むことが好ましく、40質量%以上がより好ましい。一方、成分(D)の全量が成分(D1)であってもよいが、成分(D)中の成分(D1)は80質量%以下が好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
JIS K7210に準拠して、温度190℃、荷重21.2Nの条件で測定される成分(D)のメルトフローレートは、結晶性エチレン系樹脂からなる成形体に対する良好な接着性を得る観点から、好ましくは0.01~200g/10分であり、より好ましくは1~100g/10分であり、特に好ましくは5~30g/10分である。成分(D1)を使用する場合には、温度140℃で測定される成分(D1)の溶融粘度は、結晶性エチレン系樹脂からなる成形体に対する非常に良好な接着性を得る観点から、好ましくは10~30,000mPa・sであり、より好ましくは30~25,000mPa・sであり、特に好ましくは100~10,000mPa・sである。
JIS K7112に準拠して測定される成分(D)の密度は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.91g/cm以上0.97g/cm以下であり、より好ましくは0.94g/cm以上0.97g/cm以下である。
成分(D)は、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒等の重合触媒の存在下、エチレンと、必要に応じてエチレン以外の単量体とを重合することにより製造することができる。該重合方法としては、溶液重合法、バルク重合法、スラリー重合法、気相重合法等を挙げることができ、これらは2種以上組み合わせてもよい。
成分(D)の添加量は、熱可塑性エラストマー中間体、成分(C)及び成分(D)の合
計量を100質量部としたときに、好ましくは10~40質量部であり、より好ましくは15~35質量部であり、特に好ましくは20~30質量部である。
1.3.工程(c)
工程(c)は、工程(b)で得られた混合物を射出成形機で成形する工程である。
本実施形態で使用される射出成形機のシリンダー方式としては、図1に示すような、1本のスクリュー14に、成形材料の可塑化、混練、計量、射出の機能を持たせたスクリュー(インライン)方式であることが好ましい。図1に示す射出成形機100は、原料の投入口であるホッパー10と、シリンダー12と、シリンダー12内を回転するスクリュー14と、溶融混練された原料を金型に射出する先端部16と、シリンダー12の外側に設けられたヒーター18と、金型20と、を備えている。
射出成形の基本的な流れは、以下の通りである。
(1)工程(b)で得られた混合物をホッパー10に投入し、スクリュー14を回転させることによって該混合物を溶融混練しながらシリンダー12の前方へ送る。この混合物は、シリンダー12の外側に設けられたヒーター18から伝わった熱及び混練よって発生する摩擦熱(せん断熱)により溶融する。
(2)溶融した前記混合物は、圧縮混練されながら先端部16へ送られるとともに、スクリュー14は後方へ下がっていく。次いで、スクリュー後方から背圧をかけ、先端に集められた混合物が密度の高い状態にする。
(3)スクリュー先端に集められた混合物は、設定されたスクリュー位置まで計量される。
(4)計量された混合物は、スクリュー14を前方に押し込むことで、金型20内に射出される。
(5)金型20を保圧しながら放熱して冷却した後、金型20から成形体を取り出す。金型冷却温度は、30~60℃とすることが好ましい。
ここで、スクリュー14の長さ/直径の比(L/D)は、16~25であることが好ましく、17~24であることがより好ましく、18~24であることが特に好ましい。また、スクリュー14の圧縮比は、1.0~3.0であることが好ましく、1.5~2.9であることがより好ましく、2.0~2.8であることが特に好ましい。長さ/直径の比(L/D)と圧縮比が前記範囲未満であると混合物の分散不良、前記範囲を超えると摩擦熱が大きくなり材料が劣化してしまう恐れがある。スクリュー14の表面には、クロム系、チタン系、窒化物系、炭素系など、公知のコーティングを施してもよい。
本実施形態で使用される射出成形機100には、計量や射出動作の安定性を向上させるために、スクリューの回転や背圧を制御する機構などを設けてもよい。スクリュー回転数は、20~400rpmであることが好ましく、50~350rpmであることがより好ましく、50~300rpmであることが特に好ましい。また、背圧は、1~20MPaであることが好ましく、2~15MPaであることがより好ましく、5~10MPaであることが特に好ましい。スクリュー回転数と背圧が前記範囲未満であると混合物の分散不良、前記範囲を超えると摩擦熱が大きくなり材料が劣化してしまう恐れがある。
本実施形態で使用される射出成形機100のシリンダー温度は、200~280℃であることが好ましく、210~270℃であることがより好ましく、220~260℃であることが特に好ましい。また、射出率は、10~100cc/secとすることが好ましい。シリンダー温度と射出率が前記範囲外であると被着体との接着性が不良となる恐れがある。
本実施形態で使用される射出成形機100の駆動方式、型締め方式、射出方向は、適宜選択でき、駆動方式としては、油圧式、電動式、ハイブリッド式;型締め方式としては、直圧式、トグル式;射出方向としては、横型、縦型などがそれぞれ挙げられる。
1.4.作用効果
本実施形態に係るウェザーストリップの製造方法によれば、工程(b)において、第1の熱可塑性エラストマー中間体、成分(C)及び成分(D)をあらかじめブレンドして混合物を製造しておくことにより、各原料が均質化されるので、直線部材(熱可塑性エラストマー又は結晶性エチレン系樹脂)とコーナー部材(上記混合物の成形体)との接着性に優れ、かつ、融着部での耐熱性に優れたウェザーストリップを製造することができる。混合される、第1の熱可塑性エラストマー中間体、成分(C)及び成分(D)の各々が、ペレット又は粉末である場合、より均質化されやすく、射出成形機のホッパーへの原料投入も容易となるため好ましい。
2.実施例
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、下記製造例、実施例及び比較例中の「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
2.1.実施例1~6、比較例1~3
2.1.1.工程(a)
下表1に示した種類及び量の、エチレン・α-オレフィン系共重合ゴム(A)、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)、架橋剤、架橋助剤、黒色顔料、老化防止剤、耐候剤、高級脂肪酸アミド、ポリジメチルシロキサンA(動粘度100cSt)、ポリジメチルシロキサンB(動粘度1000cSt)を、神戸製鋼所社製二軸押出機「KTX30」(型式名)に投入して、シリンダ温度210℃、スクリュー回転数300rpm、吐出30kg/hの条件で溶融混練りし、直径2mm、長さ4mmの円柱状の熱可塑性エラストマー組成物中間体-1のペレットを製造した。
2.1.2.工程(b)
次いで、下表1に示した種類及び量の、熱可塑性エラストマー中間体-1、オレフィン系ブロック共重合体(C)又はオレフィン系ブロック共重合体(C’)、結晶性エチレン系樹脂(D)、結晶性エチレン系樹脂(D1-1)、結晶性エチレン系樹脂(D1-2)の各ペレットをヘンシェルミキサーにて1分間ブレンドして、実施例1~6及び比較例1~3で使用する混合物を製造した。
2.1.3.評価方法
2.1.3.1.被着体の作製
(1)熱可塑性エラストマー被着体の作製
Exxon Mobil社製の「Santoprene121-73W175」を、射出成形機(住友重機械工業社製、商品名「SE75EV-C250」、L/D=23、圧縮比=2.6)により、120mm×120mm×2mmの大きさに成形したシートを作製した。このシートを、ダンベルカッターで長さ60mm、幅50mmに打ち抜き、これを熱可塑性エラストマー被着体とした。
(2)結晶性エチレン系樹脂被着体の作製
日本ポリエチレン社製の「ノバテックHD HJ590N」を、射出成形機(住友重機械工業社製、商品名「SE75EV-C250」、L/D=23、圧縮比=2.6)により、120mm×120mm×2mmの大きさに成形したシートを作製した。このシートを、ダンベルカッターで長さ60mm、幅50mmに打ち抜き、これを結晶性エチレン系
樹脂被着体とした。
2.1.3.2.接合体の作製(工程(c))
(1)熱可塑性エラストマー被着体との接合体の作製
まず、射出成形機(住友重機械工業社製、商品名「SE75EV-C250」、L/D=23、圧縮比=2.6)の割型内に、上記で作製した熱可塑性エラストマー被着体を予め貼り付けた。次いで、上記で製造した混合物の何れかをホッパーに投入し、欠部(熱可塑性エラストマー被着体を貼り付けた割型内)に収まるように、上記欠部内に射出成形し(シリンダー温度=260℃、スクリュー回転数=150rpm、背圧=10MPa)、上記混合物の成形体と上記熱可塑性エラストマー被着体とを射出融着した平板(120mm×120mm×2mm(縦×横×厚さ))を得た。次いで、この平板を、JIS-2号ダンベルカッターで打ち抜いて試験片(ダンベル状試験片)を得た。
(2)結晶性エチレン系樹脂被着体との接合体の作製
まず、射出成形機(住友重機械工業社製、商品名「SE75EV-C250」、L/D=23、圧縮比=2.6)の割型内に、上記で作製した結晶性エチレン系樹脂被着体を予め貼り付けた。次いで、上記で製造した混合物の何れかをホッパーに投入し、欠部(結晶性エチレン系樹脂被着体を貼り付けた割型内)に収まるように、上記欠部内に射出成形し(シリンダー温度=260℃、スクリュー回転数=150rpm、背圧=10MPa)、上記混合物の成形体と上記結晶性エチレン系樹脂被着体とを射出融着した平板(120mm×120mm×2mm(縦×横×厚さ))を得た。次いで、この平板を、JIS-2号ダンベルカッターで打ち抜いて試験片(ダンベル状試験片)を得た。
2.2.比較例4
2.2.1.工程(a)
下表1に示した種類及び量の、エチレン・α-オレフィン系共重合ゴム(A)、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B-1)、架橋剤、架橋助剤、黒色顔料、老化防止剤、耐候剤、高級脂肪酸アミド、ポリジメチルシロキサンA(動粘度100cSt)、ポリジメチルシロキサンB(動粘度1000cSt)を、神戸製鋼所社製二軸押出機「KTX30」(型式名)に投入して、シリンダ温度210℃、スクリュー回転数300rpm、吐出30kg/hの条件で溶融混練りし、直径2mm、長さ4mmの円柱状の熱可塑性エラストマー組成物中間体-1のペレットを製造した。
2.2.2.工程(c)
次いで、工程(b)を行わずに、上記工程(c)において、下表1に示した種類及び量の、熱可塑性エラストマー中間体-1、オレフィン系ブロック共重合体(C)、結晶性エチレン系樹脂(D)を、射出成形機のホッパーへ直接投入した以外は実施例1と同様にして、各試験片を得た。
2.3.実施例7~8
2.3.1.工程(a)
下表1に示した種類及び量の、エチレン・α-オレフィン系共重合ゴム(A)、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B-1)、架橋剤、架橋助剤、黒色顔料、老化防止剤、耐候剤、高級脂肪酸アミド、ポリジメチルシロキサンA(動粘度100cSt)、ポリジメチルシロキサンB(動粘度1000cSt)を、神戸製鋼所社製二軸押出機「KTX30」(型式名)に投入して、シリンダー温度210℃、スクリュー回転数300rpm、吐出30kg/hの条件で溶融混練りし、直径2mm、長さ4mmの円柱状の熱可塑性エラストマー組成物中間体-1のペレットを製造した。
2.3.2.工程(b-1)
次いで、工程(a)で得られた第1の熱可塑性エラストマー組成物中間体-1、オレフィン系ブロック共重合体(C)を、神戸製鋼所社製二軸押出機「KTX30」(型式名)に投入して、シリンダー温度210℃、スクリュー回転数300rpm、吐出30kg/hの条件で溶融混練りし、直径2mm、長さ4mmの円柱状の熱可塑性エラストマー組成物中間体-2のペレットを製造した。
2.3.3.工程(b-2)
次いで、工程(b-1)で得られた熱可塑性エラストマー組成物中間体-2、結晶性エチレン系樹脂(D)及び/又は結晶性エチレン系樹脂(D1-1)の各ペレットをヘンシェルミキサーにて1分間ブレンドして、実施例7~8で使用する混合物を製造した。
2.4.実施例9
2.4.1.工程(a)
下表1に示した種類及び量の、エチレン・α-オレフィン系共重合ゴム(A)、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B-1)、架橋剤、架橋助剤、黒色顔料、老化防止剤、耐候剤、高級脂肪酸アミド、ポリジメチルシロキサンA(動粘度100cSt)、ポリジメチルシロキサンB(動粘度1000cSt)を、神戸製鋼所社製二軸押出機「KTX30」(型式名)に投入して、シリンダー温度210℃、スクリュー回転数300rpm、吐出30kg/hの条件で溶融混練りし、直径2mm、長さ4mmの円柱状の熱可塑性エラストマー組成物中間体-1のペレットを製造した。
2.4.2.工程(b’-1)
次いで、工程(a)で得られた熱可塑性エラストマー組成物中間体-1、オレフィン系ブロック共重合体(C)、結晶性エチレン系樹脂(D)を、神戸製鋼所社製二軸押出機「KTX30」(型式名)に投入して、シリンダー温度210℃、スクリュー回転数300rpm、吐出30kg/hの条件で溶融混練りし、直径2mm、長さ4mmの円柱状の熱可塑性エラストマー組成物中間体-3のペレットを製造した。
2.4.3.工程(b’-2)
次いで、工程(b’-1)で得られた熱可塑性エラストマー組成物中間体-3、結晶性エチレン系樹脂(D1-1)の各ペレットをヘンシェルミキサーにて1分間ブレンドして、実施例9で使用する混合物を製造した。
2.5.評価試験
上記で作製した各試験片について、以下の試験を行うことにより評価を行った。その結果を下表1に示す。
(1)接着性
上記で作製した各試験片を、射出融着部を起点に180度、10回折り曲げ、下記の基準で評価した。
(評価基準)
A:融着部の破壊がなく、接着性が良好である。
B:融着部の破壊が生じ、接着性が不良である。
(2)耐熱性
85℃に調整した恒温槽内へ、上記で得られた試験片の片端に200gfの加重を付けて吊り下げ、2時間、24時間、48時間静置し、下記の基準で評価した。
(評価基準)
A:48時間静置後の融着部の破壊がなく、耐熱性が非常に良好である。
B:24時間静置後の融着部の破壊がなく、耐熱性が良好である。
C:2時間未満での融着部が破断し、耐熱性が不良である。
2.6.評価結果
下表1に、各実施例及び比較例で作製した熱可塑性エラストマー中間体及び混合物の組成、並びに各評価結果を示す。
Figure 2022108825000002
上表1に記載された各成分には、以下に示すものを用いた。
・エチレン・α-オレフィン系共重合ゴム(A):エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン三元共重合体(エチレン単位含量66質量%、5-エチリデン-2-ノルボルネン単位含量4.5質量%、極限粘度4.6)50質量%とパラフィン系軟化剤(ダイアナプロセスオイルPW90、出光興産社製)との混合物
・α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B-1):商品名「ノバテックPP MA2」、日本ポリプロ社製、プロピレンホモポリマー、融点159℃、密度0.90g/cm、メルトフローレート(230℃、荷重21.2N)16g/10分
・α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B-2):商品名「ノバテックPP FL02A」、日本ポリプロ社製、プロピレンランダム共重合体、融点139℃、密度0.90g/cm、メルトフローレート(230℃、荷重21.2N)20g/10分
・α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B-3):商品名「ノバテックPP FX4E」、日本ポリプロ社製、プロピレンランダム共重合体、融点132℃、密度0.90g/cm、メルトフローレート(230℃、荷重21.2N)5.3g/10分
・オレフィン系ブロック共重合体(C):商品名「DYNARON 6200P」、JSR社製、密度0.88g/cm、メルトフローレート(230℃、荷重21.2N)2.5g/10分、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロックを有するとともに、中間に1,2-ビニル結合含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロックを有する、ブロック共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体
・オレフィン系ブロック共重合体(C’):商品名「INFUSE 9007」、ダウ・ケミカル社製、密度0.87g/cm、メルトフローレート(230℃、荷重21.2N)0.5g/10分、エチレン・オクテン-1共重合体
・結晶性エチレン系樹脂(D):商品名「ノバテックHD HJ490」、日本ポリエチレン社製、重量平均分子量120,000、融点131℃、密度0.96g/cm、メルトフローレート(190℃、荷重21.2N)20g/10分、エチレン・プロピレン共重合体
・結晶性エチレン系樹脂(D1-1):商品名「LICOCENE PE 5301」、クラリアント社製、重量平均分子量4,800、融点129℃、ポリエチレン
・結晶性エチレン系樹脂(D1-2):商品名「EXCEREX 40800T」、三井化学社製、重量平均分子量6,900、融点128℃、ポリエチレン
・架橋剤:商品名「パーヘキサ25B-40」、日油社製、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン
・架橋助剤:商品名「バルノックPM」、大内新興化学工業社製、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド
・黒色顔料:結晶性プロピレン系樹脂とカーボンブラックの混合物(カーボンブラック含有量40%)
・老化防止剤:商品名「アデカスタブAO-60」、ADEKA社製、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
・耐候剤:商品名「アデカスタブLA-52」、ADEKA社製、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ブタン-1,2,3,4-テトラカルボキシラート
・高級脂肪酸アミド:商品名「ニュートロン-S」、日本精化社製、エルカ酸アミド
・ポリジメチルシロキサンA:商品名「DOWSIL SH200 Fluid 100cSt」、ダウ・東レ社製、動粘度:100cSt
・ポリジメチルシロキサンB:商品名「DOWSIL SH200 Fluid 1000cSt」、ダウ・東レ社製、動粘度:1000cSt
上表1の評価結果より、実施例1~9の製造方法によれば、熱可塑性エラストマー被着体及び結晶性エチレン系樹脂被着体の双方に対する接着性に優れ、かつ、融着部での耐熱性にも優れる接合体が得られることがわかった。
比較例1の製造方法では、成分(C)の代わりにオレフィン系ブロック共重合体(C’)を使用したため、熱可塑性エラストマー被着体や結晶性エチレン系樹脂被着体と接着したものの、熱可塑性エラストマー被着体との融着部及び結晶性エチレン系樹脂被着体との融着部の双方において耐熱性が不十分であった。
比較例2の製造方法では、成分(C)を使用していないため、熱可塑性エラストマー被着体との接合体において、接着性及び耐熱性が不十分であった。
比較例3の製造方法では、成分(C)及び成分(D)を使用していないため、結晶性エチレン系樹脂被着体との接合体において、接着性及び耐熱性が不十分であった。
比較例4の製造方法では、工程(b)を経ることなく、直接原料を投入したため、熱可塑性エラストマー被着体や結晶性エチレン系樹脂被着体との接着強度が低く、また、熱可塑性エラストマー被着体との融着部及び結晶性エチレン系樹脂被着体との融着部の双方において耐熱性が不十分であった。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を包含する。また本発明は、上記の実施形態で説明した構成の本質的でない部分を他の構成に置き換えた構成を包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成をも包含する。さらに本発明は、上記の実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成をも包含する。

Claims (12)

  1. 少なくとも、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)と、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)と、架橋剤と、を溶融混練して第1の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(a)と、
    前記第1の熱可塑性エラストマー中間体と、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロック(c1)を有するとともに、中間に1,2-ビニル結合含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体の水素添加物であるオレフィン系ブロック共重合体(C)と、結晶性エチレン系樹脂(D)と、をブレンドして混合物を得る工程(b)と、
    前記混合物を射出成形機で成形する工程(c)と、
    を含む、ウェザーストリップの製造方法。
  2. 前記第1の熱可塑性エラストマー中間体、前記成分(C)、及び前記成分(D)の何れもが、ペレット又は粉末である、請求項1に記載のウェザーストリップの製造方法。
  3. 前記工程(b)において、前記第1の熱可塑性エラストマー中間体100質量部に対して、前記成分(C)5~30質量部と、前記成分(D)10~50質量部とをブレンドして混合物を得る、請求項1または請求項2に記載のウェザーストリップの製造方法。
  4. 少なくとも、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)と、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)と、架橋剤と、を溶融混練して第1の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(a)と、
    前記第1の熱可塑性エラストマー中間体と、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロック(c1)を有するとともに、中間に1,2-ビニル結合含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体の水素添加物であるオレフィン系ブロック共重合体(C)と、を溶融混練して第2の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(b-1)と、
    前記第2の熱可塑性エラストマー中間体と、結晶性エチレン系樹脂(D)と、をブレンドして混合物を得る工程(b-2)と、
    前記混合物を射出成形機で成形する工程(c)と、
    を含む、ウェザーストリップの製造方法。
  5. 前記第2の熱可塑性エラストマー中間体及び前記成分(D)の何れもが、ペレット又は粉末である、請求項4に記載のウェザーストリップの製造方法。
  6. 前記成分(D)が、重量平均分子量が1,000~30,000のポリエチレン(D1)を含む、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のウェザーストリップの製造方法。
  7. 少なくとも、エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム(A)と、α-オレフィン系結晶性熱可塑性樹脂(B)と、架橋剤と、を溶融混練して第1の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(a)と、
    前記第1の熱可塑性エラストマー中間体と、両末端に1,2-ビニル結合含量が25mol%以下の共役ジエン重合体ブロック(c1)を有するとともに、中間に1,2-ビニル結合含量が25mol%超の共役ジエン重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体の水素添加物であるオレフィン系ブロック共重合体(C)と、結晶性エチレン系樹脂(D)と(但し、重量平均分子量が1,000~30,000のポリエチレンを除く)、を溶融混練して第3の熱可塑性エラストマー中間体を製造する工程(b’-1)と、
    前記第3の熱可塑性エラストマー中間体と、重量平均分子量が1,000~30,00
    0のポリエチレン(D1)と、をブレンドして混合物を得る工程(b’-2)と、
    前記混合物を射出成形機で成形する工程(c)と、
    を含む、ウェザーストリップの製造方法。
  8. 前記第3の熱可塑性エラストマー中間体及び前記成分(D1)の何れもが、ペレット又は粉末である、請求項7に記載のウェザーストリップの製造方法。
  9. 前記工程(c)において、
    前記射出成形機のL/D=16~25、圧縮比=1~3であり、
    成形条件が、シリンダー温度=200~280、スクリュー回転数=20~400rpm、背圧=1~20MPaである、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のウェザーストリップの製造方法。
  10. 前記成分(B)の融点が135℃以上である、請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のウェザーストリップの製造方法。
  11. 前記成分(C)に含まれる前記共役ジエン重合体ブロック(c1)と前記共役ジエン重合体ブロック(c2)の合計を100質量部とした場合に、前記共役ジエン重合体ブロック(c1)の含有割合が5~90質量部である、請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載のウェザーストリップの製造方法。
  12. 前記工程(a)において、前記成分(A)100質量部に対して、前記成分(B)を1~25質量部混合する、請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のウェザーストリップの製造方法。
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