JP2022108159A - 電動作業機器に用いられるスイッチ機構及び電動作業機器 - Google Patents

電動作業機器に用いられるスイッチ機構及び電動作業機器 Download PDF

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史佳 齋藤
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Abstract

【課題】新規なスイッチ機構を提供する。【解決手段】モータ2によって駆動する電動作業機器1に設けられ、モータの起動と停止とを切り替えるためのスイッチ機構50は、電動作業機器の備えるハウジング10に移動可能に配置され、移動によってモータへの電力の供給と供給停止とを切り替える第1スイッチ60と、ハウジングに移動可能に配置され、移動によって第1スイッチを移動させてモータへの電力の供給と供給停止とを切り替える第2スイッチ70と、ハウジングに移動可能に配置され、移動によって第1スイッチの移動の許可と移動の規制とを切り替える第3スイッチ80と、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、電動作業機器に用いられるスイッチ機構及び電動作業機器に関する。
電動作業機器には、電動作業機器の備えるモータへの電力の供給と供給停止とを切り替えるためのスイッチが用いられる。特許文献1には、移動によってモータへの電力の供給と停止とを切り替えるトリガスイッチと、移動によってトリガスイッチを移動させてモータへの電力の供給と停止とを切り替えるスライドスイッチと、を備えるクリーナーが記載されている。
特開2020-18637号公報
特許文献1記載のスイッチでは、スライドスイッチを操作することで、手指を離してもトリガスイッチを操作した状態を保持することが可能に構成されている。しかし、近年、電動作業機器において、モータへの電力の供給と停止とを切り替えるための新規なスイッチ機構が求められていた。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の第1の形態によれば、モータによって駆動する電動作業機器に設けられ、前記モータの起動と停止とを切り替えるためのスイッチ機構が提供される。このスイッチ機構は、第1スイッチと、第2スイッチと、第3スイッチとを備える。前記第1スイッチは、記電動作業機器の備えるハウジングに移動可能に配置され、移動によって前記モータへの電力の供給と供給停止とを切り替えるように構成されている。前記第2スイッチは、前記ハウジングに移動可能に配置され、移動によって前記第1スイッチを移動させて前記モータへの電力の供給と供給停止とを切り替えるように構成されている。前記第3スイッチは、前記ハウジングに移動可能に配置され、移動によって前記第1スイッチの移動の許可と移動の規制とを切り替えるように構成されている。
この形態のスイッチ機構によれば、使用者は、第1スイッチと第2スイッチとのいずれを使用しても、モータの起動と停止とを切り替えることができる。また、第3スイッチは、移動によって第1スイッチの移動の許可と規制とを切り替えるので、モータへの電力の供給を行うために、使用者には、第3スイッチを移動させることが求められる。そのため、モータが不用意に起動して電動作業機器が起動することを抑制可能な、新規なスイッチ機構を提供することができる。
(2)上記形態において、前記第1スイッチは、前記ハウジングに対して引き込み操作が可能な引き込み操作部材を備えていてもよい。前記引き込み操作部材は、前記ハウジングに対して引き込まれることで前記モータへの電力の供給を行い、前記ハウジングに対して引き込まれた状態から元の位置に復帰することで前記モータへの電力の供給を停止するように構成されていてもよい。
この形態によれば、引き込み操作部材は、ハウジングに対して引き込み操作部材が引き込まれることでモータへの電力の供給を行い、元の位置に復帰することでモータへの電力の供給を停止するので、使用者にとって操作性のよいスイッチ機構を提供することができる。
(3)上記形態において、前記第2スイッチは、前記ハウジングに対してスライド操作が可能なスライド操作部材を備えていてもよい。
この形態によれば、使用者は、スライド操作部材をスライド操作することで、引き込み操作部材を移動させてモータへの電力の供給と停止とを切り替えることができる。
(4)上記形態において、前記スライド操作部材は、第1方向へスライド操作されると前記引き込み操作部材を前記ハウジングに対して引き込むように構成されていてもよい。また、前記スライド操作部材は、前記第1方向とは逆の方向である第2方向へスライド操作されると、前記引き込み操作部材を元の位置に復帰可能にするように構成されていてもよい。
この形態によれば、スライド操作部材を第1方向へスライド操作することで、引き込み操作部材を引き込むことができるので、使用者は、引き込み操作部材を手指で引き込み操作することなく、スライド操作部材を第1方向へスライド操作させることで、モータへの電力の供給を行うことができる。そのため、スイッチ機構の利便性を高めることができる。
(5)上記形態において、前記第2スイッチは、前記スライド操作部材を前記第2方向へ付勢する弾性部材を備えていてもよい。
この形態によれば、弾性部材によりスライド操作部材を第2方向へ付勢することで、第1スイッチを元の位置に復帰させることができる。そのため、例えば、使用者の手指や物体が、意図せずスライド操作部材に接触した場合に、モータへの電力の供給が行われることを抑制することができる。したがって、電動作業機器が不用意に起動することをより抑制可能なスイッチ機構を提供することができる。
(6)上記形態において、前記ハウジングは、前記第1方向へスライド操作された前記スライド操作部材を位置決めするように構成された溝部を備えていてもよい。また、前記スライド操作部材は、前記溝部に係合可能に構成された操作凸部を備えていてもよい。
この形態によれば、ハウジングの溝部にスライド操作部材の操作凸部を係合することで、引き込み操作部材が引き込まれた状態を継続することができる。したがって、引き込み操作部材を手指で引き込んだり、スライド操作部材を第1方向へ押し続けることなく、モータへの電力の供給を継続することができる。
(7)上記形態において、前記第3スイッチは、前記ハウジングに対して押し込み操作が可能に構成されていてもよい。
この形態によれば、第3スイッチをハウジングに対して押し込むことで、引き込み操作部材の移動の許可と規制とを切り替えることができる。
(8)上記形態において、前記第3スイッチは、前記ハウジングに対して押し込み操作されることで前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの移動を許可し、前記ハウジングに対して押し込み操作された状態から元の位置に復帰することで、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの移動を規制するように構成されていてもよい。
この形態によれば、使用者が第3スイッチを押し込み操作して第1スイッチ又は第2スイッチを操作(移動)することでモータへ電力を供給し、第3スイッチが元の位置に復帰した場合に第1スイッチ及び第2スイッチの操作(移動)を規制してモータへの電力の供給を行わないように構成された、新規なスイッチ機構を提供することができる。
(9)上記形態において、前記第1方向及び前記第2方向は、前記ハウジングの長軸方向に沿った方向であってもよい。前記第3スイッチは、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチに対して前記第1方向に配置されていてもよい。また、前記第3スイッチは、前記ハウジングの前記長軸方向に交差する幅方向に沿って延び、前記幅方向に移動可能に構成された操作軸部と、前記操作軸部から前記第2方向へ突出するように構成された第3突出部とを備えていてもよい。前記第3突出部は、前記ハウジングに対して押し込み操作がされていないときに前記幅方向の第1位置にあり、かつ、前記引き込み操作部材における前記第1方向を向いた端面に接触するように構成されていてもよい。さらに、前記第3突出部は、前記ハウジングに対して押し込み操作がされると、前記操作軸部とともに前記幅方向において前記第1位置から移動して、前記端面との接触を解除するように構成されていてもよい。さらに、第3突出部は、前記ハウジングに対して押し込み操作がされると、前記操作軸部とともに前記幅方向において前記第1位置から移動して、前記引き込み操作部材の前記第1方向への移動を許可するように構成されていてもよい。
この形態によれば、押し込み操作によって第3突出部を幅方向に移動させて引き込み操作部材の端面との接触を解除する構成により、引き込み操作部材の移動の許可と規制とを切り替えることができる。
(10)上記形態において、前記操作軸部は、前記幅方向に延びる一対の第1軸部と、前記第3突出部が接続された第2軸部と、を備えていてもよい。前記第2軸部は、前記一対の第1軸部に接続され前記一対の第1軸部から前記第1方向に向けて屈曲するように構成されていてもよい。第3スイッチにおいて、前記第3突出部と前記第2軸部とは、前記第1方向に窪んだ窪み部を構成するように形成されていてもよい。前記引き込み操作部材は、前記第3スイッチが前記ハウジングに対して押し込み操作されると、前記幅方向において前記窪み部内に移動するように構成されていてもよい。
この形態によれば、第3スイッチが押し込み操作されると、引き込み操作部材は、窪み部内において移動することができる。また、窪み部は第1方向に窪んでいるので、第3スイッチが窪み部を備えていない構成と比較して、第3スイッチが押し込み操作された場合における引き込み操作部材の第1方向への移動を、より許容することができる。
(11)上記形態において、前記第3スイッチは、前記操作軸部の前記幅方向における端部に設けられ、使用者が押し込み操作するための第3操作部を備えていてもよい。前記第3操作部は、少なくとも前記第3突出部が前記第1位置にあるときに、前記ハウジングの前記幅方向における側壁に設けられた開口内に位置するように構成されていてもよい。
この形態によれば、押し込み操作がされていないときには、第3操作部は、ハウジングの側壁に設けられた開口内に位置し、側壁から突出していないので、使用者が意図せず第3操作部を操作することが抑制される。そのため、例えば、使用者の手指や物体が、意図せず第3操作部に接触した場合に、引き込み操作部材の移動が許可されて、モータへの電力の供給が行われることを抑制することができる。その結果、電動作業機器が不用意に起動することをより抑制可能なスイッチ機構を提供することができる。
(12)上記形態において、前記ハウジングは、前記モータを収容するモータハウジングと、前記モータハウジングに対して前記第2方向に配置され、使用者が前記電動作業機器を把持するためのハンドルハウジングと、を備えていてもよい。前記第3スイッチは前記モータハウジングに移動可能に設けられていてもよい。
この形態によれば、モータハウジングに第3スイッチが配置された、電動作業機器が不用意に起動することを抑制可能なスイッチ機構を提供することができる。
(13)上記形態において、前記引き込み操作部材の少なくとも一部は、前記ハウジングの前記側壁に交差する、前記ハウジングの下壁から露出するように構成されていてもよい。また、前記スライド操作部材の少なくとも一部は、前記下壁に対向する前記ハウジングの上壁から露出するように構成されていてもよい。
この形態によれば、引き込み操作部材の少なくとも一部はハウジングの下壁から露出するので、使用者は、引き込み操作部材を引き込みやすい。また、スライド操作部材の少なくとも一部は、ハウジングの上壁から露出するので、使用者は、手指でスライド操作部材をスライド操作しやすい。そのため、操作性のよいスイッチ機構を提供することができる。また、ハウジングを構成する壁のうち、同じ壁から引き込み操作部材とスライド操作部材とが露出する構成と比較して、スイッチ機構を小さく構成することができる。
(14)本開示の第2の形態によれば、前記スイッチ機構と、前記ハウジングに収容された前記モータとを備え、前記モータによって駆動される電動作業機器が提供される。この形態の電動作業機器によれば、使用者は、第1スイッチと第2スイッチとのいずれを使用しても、モータの起動と停止とを切り替えて、電動作業機器の駆動と駆動の停止とを切り替えることができる。また、第3スイッチは、移動によって第1スイッチの移動の許可と規制とを切り替えるので、電動作業機器を駆動させるために、使用者には、第3スイッチを移動させることが求められる。そのため、不用意に起動することが抑制された、電動作業機器を提供することができる。
(15)上記形態の電動作業機器は、前記ハウジングから一端部が突出し、前記モータにより駆動されて回転するスピンドルと、前記スピンドルに装着される先端工具と、を有していてもよい。前記先端工具として研削ホイールを使用可能であり、前記電動作業機器は、グラインダとして機能するように構成されていてもよい。
この形態によれば、使用者は、第1スイッチと第2スイッチとのいずれを使用しても、モータの起動と停止とを切り替えて、グラインダの駆動と駆動の停止とを切り替えることができる。また、第3スイッチは、移動によって第1スイッチの移動の許可と規制とを切り替えるので、グラインダを駆動させるために、使用者には、第3スイッチを移動させることが求められる。そのため、不用意に起動することが抑制されたグラインダを提供することができる。
第1実施形態におけるグラインダを示す斜視図である。 第1実施形態におけるグラインダの上面図である。 第1実施形態におけるグラインダの断面図である。 図3のIV-IV断面図の一部であり、第3スイッチがロックオフ状態である場合の第3スイッチと第1スイッチとを示す図である。 第3スイッチがロックオフ解除状態である場合の第3スイッチと第1スイッチとを示す図である。 第3スイッチがロックオフ状態であり、第1スイッチ及び第2スイッチがオフである場合のスイッチ機構の断面図である。 第3スイッチがロックオフ解除状態であり、第1スイッチ及び第2スイッチがオフである場合のスイッチ機構の断面図である。 第3スイッチがロックオフ解除状態であり、引き込み操作部材が引き込まれた様子を説明するための断面図である。 第3スイッチがロックオフ解除状態であり、スライド操作部材が前方にスライドされた様子を説明するための断面図である。 第2実施形態におけるグラインダを示す斜視図である。 第2実施形態におけるグラインダの断面図である。 図11のXII-XII断面図の一部であり、第3スイッチがロックオフ状態である場合の第3スイッチと第1スイッチとを示す図である。 第3スイッチがロックオフ解除状態である場合の第3スイッチと第1スイッチとを示す図である。 第3スイッチがロックオフ状態であり、第1スイッチ及び第2スイッチがオフである場合のスイッチ機構の断面図である。 第3スイッチがロックオフ解除状態であり、第1スイッチ及び第2スイッチがオフである場合のスイッチ機構の断面図である。 第3スイッチがロックオフ解除状態であり、引き込み操作部材が引き込まれた様子を説明するための断面図である。 第3スイッチがロックオフ解除状態であり、スライド操作部材が前方にスライドされた様子を説明するための断面図である。
<第1実施形態>
図1から図9までを参照して、第1実施形態に係る電動作業機器と、電動作業機器に適用されるスイッチ機構50とについて説明する。電動作業機器は、モータ2によって駆動する作業機器である。電動作業機器は、電気機器とも呼ばれる。本実施形態の電動作業機器は、工具装着部31に研削ホイールを装着可能な、いわゆるディスクグラインダ(以下、グラインダ1とも呼ぶ)である。
<グラインダの概略構成>
まず、グラインダ1の概略構成について説明する。図1から図3に示すように、グラインダ1は、主に、ハウジング10と、モータ2と、スピンドル3と、第1スイッチ60と第2スイッチ70と第3スイッチ80とを含むスイッチ機構50と、を備える。
ハウジング10は、グラインダ1の外郭を規定する。ハウジング10は、全体として長尺状の中空体として構成されている。図3に示すように、ハウジング10の一端部には、スピンドル3が収容されている。スピンドル3は、その回転軸A1がハウジング10の長軸A0に交差するように配置されている。本実施形態では、スピンドル3の回転軸A1とハウジング10の長軸A0とは概ね直交する。スピンドル3の長軸方向における一端部は、ハウジング10から突出し、外部へ露出している。この一端部は、先端工具(不図示)を着脱可能な工具装着部31を構成する。また、ハウジング10の長軸方向における他端部には、モータ2への給電用の電源コード19が接続される。
以下では、説明の便宜上、グラインダ1の方向に関し、回転軸A1の延在方向を上下方向と定義する。上下方向において、スピンドル3の工具装着部31側を下側、反対側を上側と定義する。また、回転軸A1に直交し、かつ、ハウジング10の長軸方向に対応する方向を前後方向と定義する。前後方向において、スピンドル3が収容されているハウジング10の一端部側を前側、電源コード19が接続される他端部側を後側と定義する。前後方向は、前へ向かう前方向(第1方向)と後へ向かう後方向(第2方向)とを合わせた方向である。また、上下方向及び前後方向に直交する方向を、左右方向と定義する。左右方向は、ハウジング10の幅方向でもある。
ハウジング10は、スピンドルハウジング11と、モータハウジング12と、ハンドルハウジング13とを含む。スピンドルハウジング11、モータハウジング12、ハンドルハウジング13は、前から後に、この順で設けられている。モータハウジング12は、スピンドルハウジング11よりも上下方向に大きく形成されており、モータハウジング12の上面は、スピンドルハウジング11の上面よりも上方に位置する。ハンドルハウジング13は、スピンドルハウジング11及びモータハウジング12よりも小径に形成されており、使用者によって把持される把持部を構成する。以下、ハウジング10を構成する壁部のうち、上方に位置する壁部を「上壁」とも呼び、下方に位置する壁部を「下壁」とも呼ぶ。また、幅方向に位置し、ハウジング10の側面を構成する壁部を「側壁」とも呼ぶ。
スピンドル3は、上述のように、スピンドルハウジング11に配置されている。スピンドル3は、上下方向に延在している。スピンドル3は、スピンドルハウジング11に保持された2つのベアリングによって、回転軸A1周りに回転可能に支持されている。スピンドル3の上端部には、大ベベルギア33が固定されている。スピンドル3の下端部に設けられた工具装着部31は、2つのフランジを含む。先端工具91は、これらのフランジによって上側と下側から挟持され、スピンドル3に対して固定される。なお、スピンドルハウジング11の前端部の下端には、加工作業で生じた被加工物の破片や粉塵の飛散を抑制するとともに、先端工具91から使用者を保護するためのホイールカバー18が取り外し可能に装着されている。工具装着部31及びホイールカバー18の構成については周知であるため、詳細な説明は省略する。
モータ2は、スピンドル3の後であって、モータハウジング12に配置されている。モータ2は、スイッチ機構50の操作によって電力が供給されることで駆動する。本実施形態では、モータ2として、直流ブラシレスモータが採用されている。モータ2は、ステータ及びロータを含むモータ本体部21と、ロータから延設されたモータシャフト23とを有する。モータシャフト23は、モータハウジング12に保持された2つのベアリングによって、回転軸A2周りに回転可能に支持されている。モータシャフト23の回転軸A2は、スピンドル3の回転軸A1に直交して、前後方向に延在している。本実施形態では、ハウジング10の長軸A0とモータシャフト23の回転軸A2とは略一致する。モータシャフト23のうち、モータ本体部21と前側のベアリングの間の部分には、モータ2の冷却用のファン27が固定されている。
モータシャフト23の前端部には、小ベベルギア24が固定され、スピンドル3の大ベベルギア33に噛合している。小ベベルギア24及び大ベベルギア33は、減速機構を構成する。モータシャフト23の回転は、小ベベルギア24と大ベベルギア33によって回転速度が減速された上で、スピンドル3に伝達される。これにより、モータ2の駆動に伴ってスピンドル3が回転軸A1周りに回転され、工具装着部31に固定された先端工具がスピンドル3と共に回転駆動される。
図1及び図2に示すように、スピンドルハウジング11には、補助ハンドル(不図示)を装着するための装着部14が設けられている。補助ハンドルは、使用者がグラインダ1を両手で保持することを可能とし、加工作業において、使用者がハウジング10に生じる反動トルクに対抗する保持力を高めるための部材である。補助ハンドルは、スピンドルハウジング11から幅方向に突出するように、装着部14に装着される。
以上で説明したグラインダ1は、工具装着部31に装着された先端工具を回転駆動するように構成されている。使用者がハンドルハウジング13と補助ハンドルとを両手で把持し、スイッチ機構50を操作することで先端工具が回転駆動され、加工材に対して研削、研磨、切断等の加工作業が行われる。
<スイッチ機構の全体構成>
スイッチ機構50は、第1スイッチ60と第2スイッチ70と第3スイッチ80とを含む。まず、各スイッチについて簡単に説明する。第1スイッチ60は、移動によってモータ2への電力の供給と供給停止とを切り替えるためのスイッチである。本実施形態では、第1スイッチ60の一部は、ハンドルハウジング13の前部、かつ、下部(下壁13B)に設けられた開口131から露出している。第1スイッチ60は、ハンドルハウジング13に対する引き込み操作が可能に構成されている。第1スイッチ60は、引き込みスイッチやトリガスイッチとも呼ばれる。
第2スイッチ70は、第2スイッチ70の移動によって第1スイッチ60を移動させることにより、モータ2への電力の供給と供給停止とを切り替えるためのスイッチである。本実施形態では、第2スイッチ70の一部は、ハンドルハウジング13の前部、かつ、上部(上壁13U)に設けられた開口132から露出している。第2スイッチ70は、ハンドルハウジング13に対するスライド操作が可能に構成されている。第2スイッチ70は、スライドスイッチとも呼ばれる。
第3スイッチ80は、移動によって第1スイッチ60の移動の許可と規制とを切り替えるためのスイッチである。上述したように、第2スイッチ70は、移動によって第1スイッチ60を移動させるので、第1スイッチ60の移動が規制される場合には、第2スイッチ70の移動も規制される。第3スイッチ80は、第1スイッチ60及び第2スイッチ70の移動(操作)の有効と無効とを切り替えるためのスイッチということもできる。第3スイッチ80は、第1スイッチ60及び第2スイッチ70の不用意なオン操作によってモータ2に電力が供給されることを防止する機能を有している。第3スイッチ80は、ハウジング10に対する押し込み操作が可能に構成されており、ハウジング10に対して押し込まれることによって、第1スイッチ60及び第2スイッチ70がオフ状態でロックされていること(ロックオフ)を解除するように構成されている。第3スイッチ80は、ロックオフスイッチとも呼ばれる。
グラインダ1は、第3スイッチ80が操作されてロックオフが解除されると、第1スイッチ60に対する引き込み操作や、第2スイッチ70に対するスライド操作に応じて、オン状態(モータ2の起動指示を受け付けた状態)に切り替えられる。
<第3スイッチの構成>
まず、第3スイッチ80について説明する。図4は、第3スイッチ80がモータハウジング12に対して押し込まれていない状態(ロックオフ状態)を示している。図5は、第3スイッチ80がモータハウジング12に対して押し込まれた状態(ロックオフ解除状態)を示す、図4に対応した断面図である。第3スイッチ80は、ロックオフ状態のときには、第1スイッチ60の移動を規制するように構成されている。そして、第3スイッチ80は、ロックオフが解除されると、第1スイッチ60の移動を許可するように構成されている。図4及び図5には、第3スイッチ80を含むスイッチ機構50の構造を説明するための仮想平面として、モータハウジング12及びハンドルハウジング13の長軸A0を含み上下方向に沿った平面P1が示されている。
第3スイッチ80は、モータハウジング12に対して押し込み操作が可能な押し込み操作部材として構成されている。第3スイッチ80は、操作軸部84と、第3突出部87と、一対の第3操作部81と、一対の弾性部材89とを備える。
操作軸部84は、概ね左右方向に沿って延びるように形成された部材である。操作軸部84は、モータハウジング12に対して左右方向に移動可能に形成されている。本実施形態では、操作軸部84は、モータハウジング12の側壁12Sに設けられた開口121から平面P1へ向けて延びる一対の第1軸部85と、一対の第1軸部85に接続され、平面P1付近において前方に屈曲するように形成された第2軸部86とを備える。第2軸部86の左右方向における略中央部は、ロックオフ状態において平面P1に位置する。
第3突出部87は、第2軸部86の左右方向における略中央部から、後部に向かって突出するように形成された部位である。図4に示すように、ロックオフ状態では、第3突出部87は、左右方向において平面P1に位置する。図4に示すロックオフ状態において、第3突出部87の後端は、第1スイッチ60の前端面615Fと接触(当接)している。ロックオフ状態における第3突出部87の位置を、ロックオフ位置(第1位置)とも呼ぶ。第3突出部87は、第1スイッチ60の前方への移動を規制する規制部として機能する。
第3突出部87と第2軸部86とは、前方に向けて窪んだ窪み部90を構成する。左右方向における窪み部90の幅は、第1スイッチ60の前端面615Fの幅よりも、大きく構成されている。
第3操作部81は、第3スイッチ80において使用者が押し込み操作するための部材である。一対の第3操作部81は、平面P1を向いた開口82と、開口82の周囲に形成されたフランジ83とを有する、有底筒状に形成されている。一対の第3操作部81は、操作軸部84の左右端に夫々嵌合されている。モータハウジング12の開口121は、第3操作部81の左右方向の端面よりも僅かに大きく形成されている。ロックオフ状態(図4)では、第3操作部81(第3操作部81の端面)は、モータハウジング12の側壁12Sに概ね沿う。
弾性部材89は、左右方向において、開口121の周囲の側壁12Sと、第3操作部81のフランジ83との間に配置されている。弾性部材89は、第3突出部87(操作軸部84)がロックオフ位置に戻るように、フランジ83を介して操作軸部84を付勢する。
図4に示すロックオフ状態から、使用者が、一対の第3操作部81のうちいずれか一方を平面P1へ向かう方向へ押し込むと、操作軸部84は、左右方向に沿って、押し込まれた方向へと移動する。また、第3突出部87は、操作軸部84の移動に伴って左右方向に沿って押し込まれた方向へと移動する。その結果、第3突出部87は、第1スイッチ60の前端面615Fとの当接位置(ロックオフ位置)から移動する。
図5には、一対の第3操作部81のうち、右部の第3操作部81が押し込まれ、操作軸部84が左へ移動した状態が示されている。第3突出部87がロックオフ位置から移動した結果、第3スイッチ80は、図5に示すように、第1スイッチ60との当接を解除したロックオフ解除状態へと移行する。ロックオフ解除状態では、第1スイッチ60の前端面615Fは、幅方向において、第3スイッチ80の窪み部90内に位置する。そのため、ロックオフ解除状態では、第1スイッチ60の引き込み操作部材61(詳細は後述)は、前方向への移動が可能となる。
なお、第3スイッチ80がロックオフ解除状態になると、押し込まれた側とは逆の弾性部材89はフランジ83と側壁12Sとの間で縮む。第3操作部81は、平面P1から離れる方向に移動してモータハウジング12の開口121から突出する。図5に示す例では、右部の第3操作部81が押し込まれて操作軸部84が左へ移動し、左部の第3操作部81が開口121から突出した様子が示されている。このように、本実施形態では、第3スイッチ80がロックオフ解除状態になると、第3操作部81の一方はモータハウジング12の開口121から突出するので、使用者は、第3スイッチ80がロックオフ解除状態であることを視認しやすい。また、第3スイッチ80がロックオフ状態であるとき、第3操作部81は側壁12Sに沿うように、開口121内に位置するので、使用者は、第3スイッチ80がロックオフ状態であることを視認しやすい。
第3スイッチ80がロックオフ解除状態になると、第1スイッチ60や第2スイッチ70によるグラインダ1(モータ2)のオン操作が可能となる。本実施形態では、上述したように、弾性部材89は、第3突出部87(操作軸部84)がロックオフ位置に戻るように、フランジ83を介して操作軸部84を付勢している。しかし、第3操作部81が押し込まれた状態で引き込み操作部材61が引き込み操作されると、引き込み操作部材61が第3突出部87と干渉するので、第3突出部87のロックオフ位置への復帰が妨げられる。その結果、使用者が第3操作部81を押し込み操作を継続しなくとも、第3スイッチ80のロックオフ解除状態が維持される。
なお、詳細は後述するが、第3操作部81が押し込まれた状態で第2スイッチ70が前方へスライド操作されると、第2スイッチ70のスライド操作に伴って第1スイッチ60が引き込まれる。その結果、引き込み操作部材61が第3突出部87と干渉するので、第3突出部87のロックオフ位置への移動が妨げられる。その結果、使用者が第3操作部81を押し込み操作を継続しなくとも、第3スイッチ80のロックオフ解除状態が維持される。
引き込み操作部材61が引き込まれた状態から元の位置に復帰すると、第3突出部87は、弾性部材89の付勢力によってロックオフ位置に戻る。つまり、第1スイッチ60を元の位置に復帰させたり、第2スイッチ70を元の位置に復帰させることで、第3スイッチを、ロックオフ解除状態(図5)から、ロックオフ状態(図4)に戻すことができる。
<第1スイッチの構成>
次に、第1スイッチ60について説明する。第1スイッチ60は、ハンドルハウジング13に配置されている。第1スイッチ60は、引き込み操作部材61と、信号出力部62と、弾性部材63とを備える。
引き込み操作部材61は、ハンドルハウジング13の前部であって、かつ、ハンドルハウジング13の下部に配置されている。図6に示すように、引き込み操作部材61の一部は、ハンドルハウジング13の前部、かつ、下部(下壁13B)に設けられた開口131から、下方に突出している。引き込み操作部材61は、基部611と、操作部612と、突出部613と、延在部614とを有する。基部611と操作部612と突出部613と延在部614とは、単一部材で形成されている。
基部611は、引き込み操作部材61において概ね前後方向に延在した部分である。基部611には、軸610が配置されている。軸610aは、左右方向に沿って配置され、ハンドルハウジング13に対して回動可能に構成されている。基部611と操作部612と突出部613と延在部614とは、軸610を中心にして回動する。
操作部612は、引き込み操作部材61において使用者が操作する部分である。操作部612は、基部611の後端部に接続されている。操作部612の一部は、開口131から露出している。操作部612は、開口131に引き込まれたり、引き込まれた状態から元の位置に復帰したりする。
突出部613は、基部611の前端部から下方に突出した部分である。突出部613の下部には、弾性部材63が組付けられている。弾性部材63は、引き込まれた引き込み操作部材61を元の位置に復帰させるための弾性力を、引き込み操作部材61に与える。
延在部614は、基部611の前端部から前上方に延在した部分である。延在部614の延在方向は、基部611の延在方向に対して鈍角である。延在部614は、平面状の上端面614Fを有する。上端面614Fは、基部611の延在方向と略平行に配置されている。
延在部614は、前方を向く前端面615Fを有する。前端面615Fは、前後方向においてモータハウジング12とハンドルハウジング13との接続部位付近に位置している。また、前端面615Fは、左右方向において、平面P1付近に位置している。前端面615Fは、第3スイッチ80がロックオフ状態であるとき、第3スイッチ80の第3突出部87に接触している(図4、図6参照)。このとき、引き込み操作部材61の前方への移動は規制される。一方、第3スイッチ80が押し込み操作されて第3スイッチ80の第3突出部87がロックオフ位置から左右方向に移動すると、前端面615Fは、左右方向において窪み部90内に位置するようになる(図5参照)。このとき、引き込み操作部材61は、幅方向において窪み部90内で移動可能であり、引き込み操作部材61の前方への移動は規制されない。
このように構成された引き込み操作部材61は、第3スイッチ80がロックオフ解除状態である場合に、軸610を中心にして回動する。操作部612が開口131に引き込まれると、引き込み操作部材61が軸610を中心に反時計回りに回動し、突出部613及び延在部614は下方に移動する。操作部612が元の位置に戻ると、引き込み操作部材61が軸610を中心に時計回りに回動し、突出部613及び延在部614は上方に移動する。
信号出力部62は、引き込み操作部材61の操作によってトリガ信号を出力可能な、電子回路を含む。信号出力部62は、いわゆるマイクロスイッチを構成する。信号出力部62は、ハンドルハウジング13の内部に配置される。トリガ信号とは、モータ2を起動させる指令信号である。信号出力部62は、引き込み操作部材61が引き込まれると、モータ2を駆動する指令信号を出力し、引き込み操作部材61が元の位置に戻ると、モータ2を駆動する指令信号の出力を停止する。
以下、図7及び図8を用いて、第3スイッチ80がロックオフ解除状態である場合の第1スイッチ60の動作について説明する。図7に示すように、引き込み操作部材61が開口131から突出しているとき、引き込み操作部材61と信号出力部62とは離間している。このとき、信号出力部62からトリガ信号が出力されないため、グラインダ1は停止している。
図8に示すように、引き込み操作部材61が開口131内に引き込まれると、引き込み操作部材61が軸610を中心に反時計回りに回動して、信号出力部62と接触する。これにより、信号出力部62からトリガ信号が出力されて、モータ2への電力の供給が開始される。すなわち、グラインダ1が動作する。
なお、上述したように、第3スイッチ80の弾性部材89は、第3突出部87(操作軸部84)がロックオフ位置に戻るように、フランジ83を介して操作軸部84を付勢している。第3スイッチ80の第3操作部81が押し込まれた状態で、引き込み操作部材61が引き込み操作されると、第3突出部87と引き込み操作部材61とが干渉して、第3スイッチ80のロックオフ位置への移動が妨げられる。その結果、使用者が第3操作部81に対する押し込み操作を継続しなくとも、第3スイッチ80のロックオフ解除状態が維持される。
図7に示す状態から、使用者が引き込み操作部材61から手指を離すと、弾性部材63の弾性力によって、引き込み操作部材61は軸610を中心に時計回りに回動して信号出力部62から離れる。これにより、信号出力部62からのトリガ信号の出力が停止されて、モータ2への電力の供給が停止される。すなわち、グラインダ1が停止する。
なお、使用者が引き込み操作部材61から手指を離して引き込み操作部材61が元の位置に復帰すると、引き込み操作部材61と第3スイッチ80の第3突出部87との干渉が解除される。そのため、第3突出部87は、弾性部材89の付勢力により、ロックオフ位置に戻る。つまり、本実施形態のスイッチ機構50では、使用者が引き込み操作部材61から手指を離すだけで、第3スイッチ80を、ロックオフ解除状態(図5)から、ロックオフ状態(図4)に戻すことができる。
<第2スイッチの構成>
次に、図7及び図9を用いて、第2スイッチ70及び第2スイッチ70による第1スイッチ60の移動について説明する。第2スイッチ70は、ハンドルハウジング13に配置されている。第2スイッチ70は、スライド操作部材71と、弾性部材73とを備える。
スライド操作部材71は、ハンドルハウジング13の前部であって、かつ、ハンドルハウジング13の上部に配置されている。スライド操作部材71の一部は、ハンドルハウジング13の前部、かつ、上部(上壁13U)に設けられた開口132から、上方に突出している。本実施形態では、ハンドルハウジング13の上壁13Uには、下方に向けて窪んだ窪み部133が形成されており、開口132は、当該窪み部133の底部133Bに設けられている。また、開口132の前方には、窪み部133の底部133Bよりも下方に窪んで形成された、凹部134が設けられている。凹部134の前方には、その上端面が凹部134よりも上方に位置するように設けられた、開口前壁136が設けられている。凹部134と開口前壁136とは、凹部134から開口前壁136に向けて上方に傾斜する傾斜面135によって接続されている。さらに、凹部134の前方には、スライド操作部材71を前方に位置決めするための溝部138が設けられている。
スライド操作部材71は、移動によって引き込み操作部材61を移動させて、モータ2への電力の供給と供給停止とを切り替える。より詳しくは、スライド操作部材71は、開口132内を前後方向にスライドすることによって引き込み操作部材61を回動させて、モータ2の起動と停止とを切り替える。スライド操作部材71は、基部711と、操作部712と、突出部713と、弾性部材支持部714とを有する。基部711と操作部712と突出部713と弾性部材支持部714とは、単一部材で形成されている。
基部711は、ブロック状に形成され、スライド操作部材71のうち開口132内に配置された部位である。操作部712は、第2スイッチ70において使用者が操作する部分である。操作部712は、基部711の上部に配置されている。操作部712は、開口132から露出している。
本実施形態では、操作部712は、ハンドルハウジング13における窪み部133の底部133Bの上に配置されている。図6から図9に示すように、操作部712は、操作部712の下面712Bと窪み部133の底部133Bとが上下方向に離間するように、ハンドルハウジング13に配置されている。操作部712の前端部には、下面712Bから下方に突出する操作凸部715が設けられている。本実施形態での第2スイッチ70は、スライド操作部材71が後部に位置付けられているとき(図6から図8参照)、操作凸部715が凹部134内に位置するように構成されている。
突出部713は、基部711の下部に配置され、基部711から前方下部に突出する部位である。弾性部材支持部714は、基部711における突出部713の上に配置されている。弾性部材支持部714と、弾性部材支持部714の前方に設けられた壁部139との間には、弾性部材73が組付けられている。弾性部材73は、スライド操作部材71を後方位置に復帰させるための弾性力を、スライド操作部材71に与える。
図8及び図9を用いて、第2スイッチ70のスライド操作と、第2スイッチ70の操作に伴う第1スイッチ60の移動とについて説明する。図8に示すように、第1スイッチ60が引き込まれておらず、第2スイッチ70が後部に位置付けられているとき、第2スイッチ70の突出部713は、第1スイッチ60の延在部614から離間している。このとき、引き込み操作部材61と信号出力部62とは離間しており、信号出力部62からトリガ信号が出力されないため、グラインダ1は停止している。なお、本実施形態では、スライド操作部材71は、弾性部材73により後方に付勢されている。また、スライド操作部材71における操作部712の前方には、傾斜面135と開口前壁136とが位置している。そのため、例えば、スライド操作部材71に意図せず手指や物体が接触した場合であっても、スライド操作部材71は、前方に移動し難い。
使用者が、スライド操作部材71を弾性部材73の付勢力に逆らって後方(図7参照)から前方に移動させると、突出部713は、第1スイッチ60の延在部614に接触して延在部614を前方に押す。突出部713に押された延在部614は、軸610を中心にして反時計回りに回動して、引き込み操作部材61(操作部612)を開口131内に引き込む。そうすると、引き込み操作部材61が信号出力部62と接触する。その結果、信号出力部62からトリガ信号が出力されて、グラインダ1が動作する。
さらに、使用者が、弾性部材73の付勢力に逆らって、スライド操作部材71を傾斜面135及び開口前壁136に沿わせて前方へ移動させ、図9に示すように、溝部138に操作凸部715を係合させると、第2スイッチ70は、前方で位置決めされてロックされる(ロックオン状態)。その結果、引き込み操作部材61が開口131内に引き込まれた状態が継続され、信号出力部62からのトリガ信号の出力が継続される。その結果、グラインダ1が継続して動作可能となる。
このとき、図9に示すように、突出部713は、延在部614の上端面614Fに乗り上げる。延在部614には、弾性部材63の弾性力によって、上方に向かって押す力が作用する。また、上端面614Fに乗り上げた突出部713は、延在部614が初期位置に復帰することを抑制する。これらにより、スライド操作部材71は、引き込み操作部材61を引き込んだ状態で保持することができる。
図9に示す状態から、第2スイッチ70を後方にスライドすると、突出部713は延在部614の上端面614Fから離間する。そうすると、引き込み操作部材61は、弾性部材63の弾性力によって信号出力部62から離れるので、信号出力部62からのトリガ信号の出力が停止される。その結果、グラインダ1が停止する。なお、本実施形態では、スライド操作部材71は弾性部材73によって後方に付勢されている。そのため、溝部138に操作凸部715が係合していない状態で、使用者がスライド操作部材71から手指を離した場合、スライド操作部材71は後方に復帰し、グラインダ1は停止する。
また、本実施形態では、操作部712の下面712Bと、底部133Bとは上下方向に離間している。そのため、使用者は、操作部712の後部を下方に押すことで、溝部138と操作凸部715との係合を解除することができる。溝部138と操作凸部715との係合が解除されると、弾性部材73の付勢力によって、スライド操作部材71は後方に復帰する(図7参照)。つまり、使用者は、操作部712の後部を下方に押すだけで、グラインダ1を停止させることができる。
<第1実施形態の効果>
以上で説明した本実施形態のスイッチ機構50及びグラインダ1によれば、以下の効果を奏する。
(A1)本実施形態のスイッチ機構50によれば、第2スイッチ70によって第1スイッチ60を移動させて、モータ2への電力の供給と供給停止とを切り替えることができるので、使用者は、第1スイッチ60と第2スイッチ70とのいずれを使用しても、モータ2の起動と停止とを切り替えることができる。また、第3スイッチ80は、移動によって第1スイッチ60の移動の許可と規制とを切り替えるので、モータ2への電力の供給を行うために、使用者には、第3スイッチ80を移動させることが求められる。そのため、利便性が高く、かつ、スイッチ機構50を備えるグラインダ1が不用意に起動することを抑制可能な、新規なスイッチ機構50を提供することができる。
(A2)第1スイッチ60は、ハウジング10に対して引き込み操作が可能な引き込み操作部材61を備えており、引き込み操作部材61は、ハウジング10に対して引き込まれることでモータ2への電力の供給を行い、ハウジング10に対して引き込まれた状態から元の位置に復帰することでモータ2への電力の供給を停止するように構成されている。そのため、使用者にとって操作性のよいスイッチ機構50を提供することができる。また、信号出力部62は、いわゆるマイクロスイッチを構成しているので、機械式接点のスイッチと異なり、引き込み操作部材61の操作荷重が低い状態であっても、モータ2への電力の供給を行うことができる。そのため、操作性のよいスイッチ機構50を提供することができる。また、マイクロスイッチを用いてモータ2を起動させるため、スイッチ機構50を小さく構成することができる。その結果、スイッチ機構50を備えるグラインダ1を小さく構成することができる。
(A3)第2スイッチ70は、ハウジング10に対してスライド操作が可能なスライド操作部材71を備えているので、使用者は、スライド操作部材71をスライド操作することで、引き込み操作部材61を移動させて、モータ2への電力の供給と停止とを切り替えることができる。
(A4)スライド操作部材71は、ハウジング10の長軸方向に沿った前方向(第1方向)へスライド操作されると引き込み操作部材61をハウジング10に対して引き込み、後方向(第2方向)へスライド操作されると、引き込み操作部材61を元の位置に復帰可能にするように構成されている。そのため、使用者は、引き込み操作部材61を手指で引き込み操作することなく、モータ2への電力の供給を行うことができる。したがって、利便性の高いスイッチ機構50を提供することができる。
(A5)第2スイッチ70(スライド操作部材71)は、第2スイッチ70を第2方向へ付勢する弾性部材73を備える。そのため、弾性部材73によりスライド操作部材71を第2方向へ付勢して、第1スイッチ60を元の位置に復帰させることができる。したがって、例えば、使用者の手指や物体が、意図せずスライド操作部材71に接触した場合に、モータ2への電力の供給が行われることを抑制することができる。その結果、グラインダ1が不用意に起動することをより抑制可能な、スイッチ機構50を提供することができる。
(A6)ハウジング10は、前方へスライド操作されたスライド操作部材71を位置決めするように構成された、溝部138を備え、スライド操作部材71は、溝部138に係合可能に構成された操作凸部715を備えている。そのため、溝部138にスライド操作部材71の操作凸部715を係合することで、引き込み操作部材61が引き込まれた状態を継続することができる。したがって、引き込み操作部材61を手指で引き込んだり、スライド操作部材71を前方に押し続けることなく、モータ2への電力の供給を継続することができる。その結果、利便性の高いスイッチ機構50を提供することができる。
(A7)第3スイッチ80は、ハウジング10に対して押し込み操作が可能に構成されているので、使用者は、第3スイッチ80をハウジング10に対して押し込むことで、引き込み操作部材61の移動の許可と規制とを切り替えることができる。
(A8)さらに、第3スイッチ80は、第1スイッチ60及び第2スイッチ70に対して前方に配置されており、第3スイッチ80は、幅方向に移動可能に構成された操作軸部84と、操作軸部84から後方へ突出するように構成された第3突出部87とを備える。第3突出部87は、第3スイッチ80に対する押し込み操作がされていないときに、幅方向のロックオフ位置(第1位置)にあり、引き込み操作部材61の前端面615Fに接触して引き込み操作部材61の前方への移動を規制する。第3突出部87は、第3スイッチ80に対する押し込み操作がされると、操作軸部84とともに第1位置から移動して前端面615Fとの接触を解除し、引き込み操作部材61の前方への移動を許可する。そのため、押し込み操作によって第3突出部87を幅方向に移動させる簡易な構成により、引き込み操作部材61の移動の許可と規制とを切り替えることができる。
(A9)操作軸部84は、一対の第1軸部85と、第3突出部87が接続された第2軸部86とを備える。第2軸部86は、一対の第1軸部85に接続され前方に向けて屈曲するように構成されている。そして、第3スイッチ80において、第3突出部87と第2軸部86とは、前方に向けて窪んだ窪み部90を構成している。左右方向における窪み部90の幅は、前端面615Fの幅よりも大きく構成されている。そのため、第3スイッチ80が押し込み操作されて第3突出部87が移動すると、引き込み操作部材61は、窪み部90内において移動することができる。また、窪み部90は前方に窪んでいるので、第3スイッチ80が窪み部90を備えていない構成と比較して、第3スイッチ80が押し込み操作された場合における引き込み操作部材61の前方への移動を、より許容することができる。したがって、例えば、ハウジング10に対する引き込み操作部材61の配置の自由度を高めることができる。また、スイッチ機構50を備えるグラインダ1を小型化することができる。
(A10)第3スイッチ80は、操作軸部84の幅方向における端部に設けられ、使用者が押し込み操作するための第3操作部81を備えている。第3操作部81は、第3突出部87が第1位置にあるときに、ハウジング10の幅方向における側壁12Sに設けられた開口121内に位置する。そのため、押し込み操作がされていないときには、第3操作部81は開口121内に位置し、側壁12Sから突出していないので、使用者が意図せず第3操作部81を操作することが抑制される。したがって、例えば、使用者の手指や物体が、意図せず第3操作部81に接触した場合に、引き込み操作部材61の移動が許可されて、モータ2への電力の供給が行われることを抑制することができる。その結果、利便性が高く、かつ、グラインダ1が不用意に起動することをより抑制可能な、スイッチ機構50を提供することができる。
(A11)ハウジング10は、モータハウジング12と、ハンドルハウジング13とを備える。第3スイッチ80は、モータハウジング12に設けられ、引き込み操作部材61は、ハンドルハウジング13の下壁13Bからその一部が露出するように設けられ、スライド操作部材71は、ハンドルハウジング13の上壁13Uからその一部が露出するように設けられている。そのため、使用者は、ハンドルハウジング13を把持しながら引き込み操作部材61を引き込みやすい。また、使用者は、ハンドルハウジング13を把持しながら、手指でスライド操作部材71をスライド操作しやすい。したがって、操作性のよいスイッチ機構50を提供することができる。また、スイッチ機構50を備えるグラインダ1を小型化することができる。
(A12)本実施形態のグラインダ1は、上記のスイッチ機構50を備えている。そのため、使用者は、第1スイッチ60と第2スイッチ70とのいずれを使用しても、モータ2の起動と停止とを切り替えて、グラインダ1の駆動と駆動の停止とを切り替えることができる。また、第3スイッチ80は、移動によって第1スイッチ60の移動の許可と規制とを切り替えるので、グラインダ1を駆動させるために、使用者には、第3スイッチ80を移動させることが求められる。そのため、利便性が高く、かつ、電動作業機器が不用意に起動することを抑制可能な、グラインダ1を提供することができる。
<第2実施形態>
<グラインダの構成>
以下の説明では、上述の実施形態と同様の構成については同じ符号を使用し、その説明を省略する。図10及び図11には、工具装着部31に先端工具91が装着された、第2実施形態におけるグラインダ1aが示されている。本実施形態のグラインダ1aは、第1実施形態のグラインダ1aと同様に、第1スイッチ60aと、第2スイッチ70と、第3スイッチ80aとを備えるスイッチ機構50aを有する。グラインダ1aでは、ハウジング10aの備えるハンドルハウジング13aの下壁13Baにおいて、前後方向における略全域に開口131aが設けられており、当該開口131aに第1スイッチ60aが配置されている。また、第3スイッチ80aにおける第3操作部81は、モータハウジング12aの側壁12Saに設けられた、開口121aの内側に位置している。グラインダ1aのその他の構成については、第1実施形態とほぼ同様である。
<第3スイッチの構成>
図12及び図13に示すように、第3スイッチ80aの操作軸部84aは、ロックオフ状態(図12)及びロックオフ解除状態(図13)において、第3操作部81の左右端がモータハウジング12aの左右の側壁12Saの内側に位置するように形成されている。そのため、本実施形態では、ロックオフ状態及びロックオフ解除状態において、使用者が意図せず第3スイッチ80aを操作することがより抑制される。第3スイッチ80aのその他の構成は、第1実施形態の第3スイッチ80と同様であるため説明を省略する。
<第1スイッチの構成>
図14及び図15を用いて第1スイッチ60aについて説明する。第1スイッチ60aは、ハンドルハウジング13aに配置されている。第1スイッチ60aは、第1実施形態の第1スイッチ60に比べて大型に形成されたトリガスイッチであり、ハンドルハウジング13aの下壁13Baに設けられた開口131aに配置されている。本実施形態の第1スイッチ60aは、使用者の手指にくわえ、掌全体で操作することも可能に構成されている。第1スイッチ60aは、引き込み操作部材61aと、信号出力部62aと、弾性部材63aとを備える。
引き込み操作部材61aは、ハンドルハウジング13aの下部全体に配置されている。引き込み操作部材61aの一部は、開口131aから下方に突出している。引き込み操作部材61aは、主に、基部611aと、操作部612aと、弾性部材支持部64aと、回動部65aとを備える。
基部611aは、開口131aにおける前部に配置され、引き込み操作部材61aにおいて概ね上下方向に延在した部分である。基部611aの上端部には、軸610aが配置されている。軸610aは、左右方向に沿って配置されており、ハンドルハウジング13aに対して回動可能に構成されている。基部611aと操作部612aとは単一部材で形成されており、これらは軸610aを中心にして回動する。
操作部612aは、引き込み操作部材61aにおいて使用者が操作する部分である。操作部612aは、基部611aの後端部に接続されている。操作部612aは、少なくとも一部が開口131aから露出するように、ハンドルハウジング13aに配置されている。操作部612aは、開口131aに引き込まれたり、引き込まれた状態から元の位置に復帰したりする。操作部612aにおける前部分には、上方に突出する突出部614aが設けられている。
弾性部材支持部64aは、基部611aの後であって操作部612aの上全体に配置され、概ね前後方向に延びる部材である。弾性部材支持部64aの前端部には、下方に突出する突出部613aが設けられている。突出部613aの下部には、弾性部材63aが組付けられている。弾性部材支持部64aは、操作部612aが引き込まれた場合に、操作部612aの突出部614aを介して、操作部612aを元の位置に復帰させる。
回動部65aは、基部611aの前方に配置された軸620aを中心として回動するように構成された部材である。軸620aは、ハンドルハウジング13aに対して左右方向に沿って配置されている。回動部65aは、軸620aから後方に延びる第1延在部651aと、軸620aから上方に延びる第2延在部652aとを備える。第1延在部651aは、軸610aを介して基部611aと連結されている。第2延在部652aは、その上端部が、第2スイッチ70の突出部713の前方に位置するように設けられている(図14及び図15参照)。
第2延在部652aは、前方に突出する部位に設けられて前方を向く前端面655Faと、後方を向く後端面656Faとを備える。前端面655Faは、前後方向においてモータハウジング12aとハンドルハウジング13aとの接続部位付近に位置している。また、前端面655Faは、左右方向において、平面P1付近に位置している(図12及び図13参照)。前端面655Faは、第3スイッチ80aがロックオフ状態であるとき、第3スイッチ80aの第3突出部87に接触している(図12、図14参照)。このとき、引き込み操作部材61a(回動部65a)の前方への移動は規制される。一方、第3スイッチ80aがロックオフ解除状態のとき、第3スイッチ80aの第3突出部87は、第1位置から左右方向に移動し、前端面655Faは、左右方向において窪み部90内に位置する(図13参照)。このとき、引き込み操作部材61a(回動部65a)の前方への移動は規制されない。後端面656Faについては詳細を後述する。
このように構成された引き込み操作部材61aは、第3スイッチ80がロックオフ解除状態である場合に、軸610aを中心にして回動する。操作部612aが開口131aに引き込まれると、引き込み操作部材61aが軸610aを中心に反時計回りに回動し、基部611aは、操作部612aの回動に伴って上方へ移動する。回動部65aは、基部611aの回動とともに、軸620aを中心に反時計回りに回動する。
信号出力部62aは、第1実施形態と同様に、引き込み操作部材61aの操作によりトリガ信号を出力可能な電子回路を含む。信号出力部62aは、引き込み操作部材61aが引き込まれると、モータ2を駆動する指令信号を出力し、引き込み操作部材61aが元の位置に戻ると、モータ2を駆動する指令信号の出力を停止する。
以下、図15及び図16を用いて、第3スイッチ80aがロックオフ解除状態であるときの第1スイッチ60aの動作について説明する。図15に示すように、引き込み操作部材61aが開口131から突出しているとき、引き込み操作部材61aの基部611aと信号出力部62aとは離間している。信号出力部62aからトリガ信号が出力されないため、グラインダ1aは停止している。
図16に示すように、引き込み操作部材61a(操作部612a)が開口131a内に引き込まれると、引き込み操作部材61aが軸610aを中心に反時計回りに回動して、基部611aが上方に移動する。上方に移動した基部611aは、信号出力部62aと接触する。これにより、信号出力部62aからトリガ信号が出力されて、グラインダ1aが動作する。
図16に示す状態から、使用者が引き込み操作部材61aから手指を離すと、弾性部材63aの弾性力によって、引き込み操作部材61aは、軸610aを中心に時計回りに回動し、基部611aが信号出力部62aから離れる。これにより、信号出力部62aからのトリガ信号の出力が停止されて、モータ2が停止する。すなわち、グラインダ1aが停止する。
以下、図15及び図17を用いて、第2スイッチ70の操作に伴う第1スイッチ60aの移動について説明する。第2スイッチ70は、第1実施形態と同様の構成を備える。
使用者が第2スイッチ70のスライド操作部材71を、弾性部材73の付勢力に逆らって後部(図16)から前方に移動させると、第2スイッチ70の突出部713は、上述した回動部65aの第2延在部652aにおける後端面656Faに接触し、第2延在部652aを前方へ移動させる。そうすると、回動部65aの第1延在部651aが、軸620aを中心に回動して上方へ移動する。第2延在部652aは、軸610aを介して第1スイッチ60aの基部611aと接続されているので、基部611aは第1延在部651aとともに上方へ移動する。その結果、基部611aと信号出力部62aとが接触して、信号出力部62aからトリガ信号が出力されて、グラインダ1aが動作する。つまり、第1実施形態と同様に、本実施形態でも、第2スイッチ70のスライド操作部材71が前方に移動すると、第1スイッチ60aの引き込み操作部材61aは、開口131aに引き込まれて信号出力部62aと接触し、その結果、グラインダ1aが動作する。
さらに、使用者が、弾性部材73の付勢力に逆らって、スライド操作部材71を前方へ移動させ、図17に示すように、溝部138に操作凸部715を係合させると、第2スイッチ70は、前方で位置決めされてロックされる(ロックオン状態)。その結果、信号出力部62aからのトリガ信号の出力が継続されて、グラインダ1aが継続して動作可能となる。
また、図17に示す状態から、第2スイッチ70を後方にスライドすると、突出部713は、回動部65aの後端面656Faから離間する。そして、引き込み操作部材61aは、弾性部材63aの弾性力によって、信号出力部62aから離れる。信号出力部62からのトリガ信号の出力が停止されて、グラインダ1が停止する。
<第2実施形態の効果>
以上で説明した第2実施形態のスイッチ機構50a及びグラインダ1aによれば、第1スイッチ60aが、ハウジング10aの備えるハンドルハウジング13aの下壁13Baにおいて、前後方向における略全域に開口131aが設けられており、当該開口131aに第1スイッチ60aが配置されている点と、第3スイッチ80aにおける第3操作部81が、モータハウジング12aの側壁12Saに設けられた、開口121aの内側に位置している点とを除いて、第1実施形態と同様の構成を備える。そのため、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果(A1)~(A12)を奏する。
加えて、本実施形態では、第3スイッチ80aの操作軸部84aは、ロックオフ状態(図12参照)及びロックオフ解除状態(図13参照)において、第3操作部81の左右端がモータハウジング12aの左右の側壁12Saの内側に位置するように形成されているので、ロックオフ状態及びロックオフ解除状態において、使用者が意図せず第3スイッチ80aを操作することがより抑制される。したがって、グラインダ1が不用意に起動することをより抑制可能なスイッチ機構50aを提供することができる。
<他の実施形態>
上記実施形態において、スイッチ機構50、50aは、引き込み操作部材61、61aの引き込み操作を継続するように構成された、ロックオンスイッチを備えていてもよい。
第3スイッチ80、80aは、モータハウジング12、12aに限らず、ハウジング10、10aにおける他の部位に設けられていてもよい。例えば、第3スイッチ80、80aは、ハンドルハウジング13、13aに設けられていてもよい。また、第3スイッチ80、80aは、側壁12S、12Saに限らず、ハウジング10、10aの上壁や下壁に設けられていてもよい。
第1スイッチ60、60a及び第2スイッチ70は、ハンドルハウジング13、13aに限らず、ハウジング10、10aにおける他の部位に設けられていてもよく、例えば、モータハウジング12、12aやスピンドルハウジング11に設けられていてもよい。また、第2スイッチ70は、上壁13Uに限らず、ハウジング10、10aの側壁や下壁に設けられていてもよい。
第3スイッチ80、80aの第3操作部81は、操作軸部84、84aと一体に形成されていてもよい。第3スイッチ80、80aは、窪み部90を備えていなくともよい。
第3スイッチ80、80aは、弾性部材89によって第1位置に復帰するように構成されていなくともよい。つまり、第3スイッチ80、80aは、使用者がロックオフ解除操作を行うと、ロックオフ解除状態を維持するように構成されていてもよい。例えば、第3スイッチ80、80aは、レバーがハウジング10、10aに対して起立していない場合に、前端面615F、655Faと第3突出部87とが当接し、レバーが起立すると前端面615F、655Faと第3突出部87との当接を解除し、かつ、その状態を維持するように構成された、レバー型のスイッチ(ロックオフレバー)であってもよい。
第1スイッチ60、60a、第2スイッチ70、第3スイッチ80、80aとして、それぞれ、トリガスイッチ、スライドスイッチ、押し込み操作型のスイッチ以外の構成を採用してもよい。
第2スイッチ70は、操作凸部715を備えていなくともよい。グラインダ1、1aは、スライド操作部材71の前方へのスライド操作を継続することで、モータ2への電力の供給を継続するように構成されていてもよい。
上記実施形態では、第2スイッチ70では、スライド操作部材71は前後方向に移動可能であり、前方向へ移動されることでモータ2がオンされるように構成されていたが、スライド操作部材71は後方向に移動されることでモータ2がオンされるように構成されていてもよい。また、第2スイッチ70は、スライド操作部材71の操作方向が左右方向、あるいは上下方向になるようにハウジング10、10aに配置されていてもよい。
グラインダ1、1aは、バッテリパックを装着可能な装着部を備えていてもよい。モータ2には、当該バッテリパックから電力が供給されてもよい。
グラインダ1、1aに装着可能な先端工具として、砥石、ゴムパッド、ブラシ、ブレード等が用いられてもよい。また、スイッチ機構50、50aは、グラインダ1、1aに限らず、モータ2に電力が供給されることによって作動することが可能な電動作業機器や、モータ2に電力が供給されることによって先端工具91を駆動する電動工具に適用可能である。
<対応関係>
上記実施形態の各構成要素と本開示の技術の各構成要素の対応関係を以下に示す。グラインダ1、1aは、「電動作業機器」、又は「グラインダ」の一例である。
モータ2は、「モータ」の一例である。
スイッチ機構50、50aは、「スイッチ機構」の一例である。
第1スイッチ60、60aは、「第1スイッチ」の一例である。
第2スイッチ70は、「第2スイッチ」の一例である。
第3スイッチ80、80aは、「第3スイッチ」の一例である。
ハウジング10、10aは、「ハウジング」の一例である。
引き込み操作部材61、61aは、「引き込み操作部材」の一例である。
スライド操作部材71は、「スライド操作部材」の一例である。
前方向は、「第1方向」の一例であり、後方向は「第2方向」の一例である。
弾性部材73は、「弾性部材」の一例である。
溝部138は、「溝部」の一例である。操作凸部715は、「操作凸部」の一例である。
長軸A0は、「長軸」の一例である。
操作軸部84、84aは、「操作軸部」の一例である。
第3突出部87は、「第3突出部」の一例である。
ロックオフ位置は、「第1位置」の一例である。
前端面615F、655Faは、「端面」の一例である。
第1軸部85、第2軸部86は、「第1軸部」、「第2軸部」の一例である。
窪み部90は、「窪み部」の一例である。
第3操作部81は、「第3操作部」の一例である。
モータハウジング12、12aは、「モータハウジング」の一例である。ハンドルハウジング13、13aは、「ハンドルハウジング」の一例である。
側壁12S、12Saは、「側壁」の一例である。上壁13Uは、「上壁」の一例である。下壁13B、13Baは、「下壁」の一例である。
スピンドル3は、「スピンドル」の一例である。先端工具91は、「先端工具」の一例である。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1...グラインダ
1a...グラインダ
2...モータ
3...スピンドル
10...ハウジング
10a...ハウジング
11...スピンドルハウジング
12...モータハウジング
12S...側壁
12a...モータハウジング
12Sa...側壁
13...ハンドルハウジング
13B...下壁
13U...上壁
13a...ハンドルハウジング
13Ba...下壁
14...装着部
18...ホイールカバー
19...電源コード
21...モータ本体部
23...モータシャフト
24...小ベベルギア
27...ファン
31...工具装着部
33...大ベベルギア
50...スイッチ機構
50a...スイッチ機構
60...第1スイッチ
60a...第1スイッチ
61...引き込み操作部材
61a...引き込み操作部材
62...信号出力部
62a...信号出力部
63...弾性部材
63a...弾性部材
64a...弾性部材支持部
65a...回動部
70...第2スイッチ
71...スライド操作部材
73...弾性部材
80...第3スイッチ
80a...第3スイッチ
81...第3操作部
82...開口
83...フランジ
84...操作軸部
84a...操作軸部
85...第1軸部
86...第2軸部
87...第3突出部
89...弾性部材
90...窪み部
91...先端工具
121...開口
121a...開口
131...開口
131a...開口
132...開口
133...窪み部
133B...底部
134...凹部
135...傾斜面
136...開口前壁
138...溝部
139...壁部
610...軸
610a...軸
611...基部
611a...基部
612...操作部
612a...操作部
613...突出部
613a...突出部
614...延在部
614F...上端面
614a...突出部
615F...前端面
620a...軸
651a...第1延在部
652a...第2延在部
655Fa...前端面
656Fa...後端面
711...基部
712...操作部
712B...下面
713...突出部
714...弾性部材支持部
715...操作凸部
A0...長軸
P1...平面
A1...回転軸
A2...回転軸

Claims (15)

  1. モータによって駆動する電動作業機器に設けられ、前記モータの起動と停止とを切り替えるためのスイッチ機構であって、
    前記電動作業機器の備えるハウジングに移動可能に配置され、移動によって前記モータへの電力の供給と供給停止とを切り替える第1スイッチと、
    前記ハウジングに移動可能に配置され、移動によって前記第1スイッチを移動させて前記モータへの電力の供給と供給停止とを切り替える第2スイッチと、
    前記ハウジングに移動可能に配置され、移動によって前記第1スイッチの移動の許可と移動の規制とを切り替える第3スイッチと、
    を備える、スイッチ機構。
  2. 請求項1に記載のスイッチ機構であって、
    前記第1スイッチは、前記ハウジングに対して引き込み操作が可能な引き込み操作部材を備え、
    前記引き込み操作部材は、前記ハウジングに対して引き込まれることで前記モータへの電力の供給を行い、前記ハウジングに対して引き込まれた状態から元の位置に復帰することで前記モータへの電力の供給を停止する、スイッチ機構。
  3. 請求項2に記載のスイッチ機構であって、
    前記第2スイッチは、前記ハウジングに対してスライド操作が可能なスライド操作部材を備える、スイッチ機構。
  4. 請求項3に記載のスイッチ機構であって、
    前記スライド操作部材は、第1方向へスライド操作されると前記引き込み操作部材を前記ハウジングに対して引き込み、前記第1方向とは逆の方向である第2方向へスライド操作されると、前記引き込み操作部材を元の位置に復帰可能にする、スイッチ機構。
  5. 請求項4に記載のスイッチ機構であって、
    前記第2スイッチは、前記スライド操作部材を前記第2方向へ付勢する弾性部材を備える、スイッチ機構。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のスイッチ機構であって、
    前記ハウジングは、前記第1方向へスライド操作された前記スライド操作部材を位置決めするための溝部を備え、
    前記スライド操作部材は、前記溝部に係合可能な操作凸部を備える、スイッチ機構。
  7. 請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載のスイッチ機構であって、
    前記第3スイッチは、前記ハウジングに対して押し込み操作が可能に構成されている、スイッチ機構。
  8. 請求項7に記載のスイッチ機構であって、
    前記第3スイッチは、前記ハウジングに対して押し込み操作されることで前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの移動を許可し、前記ハウジングに対して押し込み操作された状態から元の位置に復帰することで、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの移動を規制するように構成されている、スイッチ機構。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のスイッチ機構であって、
    前記第1方向及び前記第2方向は、前記ハウジングの長軸方向に沿った方向であり、
    前記第3スイッチは、
    前記第1スイッチ及び前記第2スイッチに対して前記第1方向に配置されており、
    前記長軸方向に交差する前記ハウジングの幅方向に沿って延び、前記幅方向に移動可能な操作軸部と、前記操作軸部から前記第2方向へ突出する第3突出部とを備え、
    前記第3突出部は、
    前記ハウジングに対して押し込み操作がされていないときに前記幅方向における第1位置にあり、かつ、前記引き込み操作部材における前記第1方向を向いた端面に接触し、
    前記ハウジングに対して押し込み操作がされると、前記操作軸部とともに前記幅方向において前記第1位置から移動して、前記端面との接触を解除する、スイッチ機構。
  10. 請求項9に記載のスイッチ機構であって、
    前記操作軸部は、
    前記幅方向に延びる一対の第1軸部と、
    前記一対の第1軸部に接続され前記一対の第1軸部から前記第1方向に向けて屈曲した第2軸部であって、前記第3突出部が接続された、第2軸部と、を備え、
    前記第3突出部と前記第2軸部とは、前記第1方向に窪んだ窪み部を構成しており、
    前記引き込み操作部材の前記端面は、前記第3スイッチが前記ハウジングに対して押し込み操作されると、前記幅方向において前記窪み部内に移動する、スイッチ機構。
  11. 請求項9又は請求項10に記載のスイッチ機構であって、
    前記第3スイッチは、前記操作軸部の前記幅方向における端部に設けられ、使用者が押し込み操作するための第3操作部を備え、
    前記第3操作部は、前記第3突出部が前記第1位置にあるときに、前記ハウジングの前記幅方向における側壁に設けられた開口内に位置する、スイッチ機構。
  12. 請求項11に記載のスイッチ機構であって、
    前記ハウジングは、前記モータを収容するモータハウジングと、前記モータハウジングに対して前記第2方向に配置され、使用者が前記電動作業機器を把持するためのハンドルハウジングと、を備え、
    前記第3スイッチは前記モータハウジングに移動可能に設けられ、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは前記ハンドルハウジングに移動可能に設けられている、スイッチ機構。
  13. 請求項11又は請求項12に記載のスイッチ機構であって、
    前記引き込み操作部材の少なくとも一部は、前記ハウジングの前記側壁に交差する下壁から露出し、
    前記スライド操作部材の少なくとも一部は、前記下壁に対向する前記ハウジングの上壁から露出する、スイッチ機構。
  14. 請求項1から請求項13までのいずれか一項に記載のスイッチ機構と、前記ハウジングに収容された前記モータと、を備え、前記モータによって駆動される、電動作業機器。
  15. 請求項14に記載の電動作業機器であって、
    前記ハウジングから一端部が突出し、前記モータにより駆動されて回転するスピンドルと、
    前記スピンドルに装着される先端工具と、を有し、
    前記先端工具として研削ホイールを使用可能であり、グラインダとして機能する、電動作業機器。
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