JP2022107330A - 印刷装置およびマスク牽引方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷位置と格納位置との間のマスクの搬送を効率化し、マスクチェンジャにおけるマスクの格納枚数の増加を実現できる。【解決手段】印刷装置は、所定の印刷パターンが設けられたマスクを介して基板に半田ペーストを印刷する印刷装置であって、マスクを格納する格納部と、格納されたマスクが備える枠の側面を吸着して、格納部からマスクを引き出す牽引部と、を有する。【選択図】図3
Description
本開示は、印刷装置およびマスク牽引方法に関する。
特許文献1には、基板の品種変更に応じて、スクリーンマスクを簡単に自動交換できるスクリーン印刷装置が開示されている。スクリーン印刷装置は、印刷部と、この印刷部の側方に設けられた収納部(マスクチェンジャ)を備える。スクリーン印刷装置は、印刷部が、本体フレームと、この本体フレームに摺動自在に配設されるスクリーンマスクと、このスクリーンマスク上を摺動するスキージとを有する。マスクチェンジャは、スクリーンマスクのストッカーを有し、移動体と、この移動体を印刷部とマスクチェンジャとの間を移動させる移動手段と、この移動体に設けられ、かつ印刷部にてスクリーンマスクをクリーニングするクリーニングユニットと、このスクリーンマスクのマスク枠に着脱自在に係合するようにこの移動体に設けられる連結部材と、この連結部材の駆動手段とから成る、クリーニング部を備える。
スクリーン印刷装置は、作業者によるスクリーンマスクの供給作業の効率化、生産性を向上させるために、搭載可能なスクリーンマスクの枚数を増やすことが望まれている。しかし、このようにマスクチェンジャを備えるスクリーン印刷装置は、マスクチェンジャに内蔵するスクリーンマスクの枚数を増やす場合、装置が大型化しやすいという課題があった。
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、印刷位置と格納位置との間のマスクの搬送を効率化し、マスクチェンジャにおけるマスクの格納枚数の増加を実現する印刷装置およびマスク牽引方法を提供することを目的とする。
本開示は、所定の印刷パターンが設けられたマスクを介して基板に半田ペーストを印刷する印刷装置であって、前記マスクを格納する格納部と、格納された前記マスクが備える枠の側面を吸着して、前記格納部から前記マスクを引き出す牽引部と、を有する、印刷装置を提供する。
また、本開示は、所定の印刷パターンが設けられたマスクを介して基板に半田ペーストを印刷する印刷装置が行うマスク牽引方法であって、前記マスクを格納する格納部に格納された前記マスクが備える枠の側面を吸着し、前記格納部から前記マスクを引き出して前記半田ペーストの印刷位置へ牽引する、マスク牽引方法を提供する。
本開示によれば、印刷位置と格納位置との間のマスクの搬送を効率化し、マスクチェンジャにおけるマスクの格納枚数の増加を実現できる。
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る印刷装置およびマスク牽引方法の構成および作用を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
まず、図1を参照して、実施の形態1における印刷装置11について説明する。図1は、実施の形態1に係る印刷装置11の全体斜視図である。
本実施の形態1に係る印刷装置11は、印刷対象物としての基板KB(図2参照)の上面に、半田ペースト等のペーストPst(図2参照)を印刷する印刷部13と、この印刷部13に供給されるマスク27(図2参照)を格納するマスクチェンジャ15とが一体的に構成された装置である。印刷装置11は、印刷部13と、マスクチェンジャ15と、を含んで構成される。
印刷部13は、印刷部カバー17によって覆われた基台19(図2参照)の上に基板搬送保持部21を有し、搬送された基板KBにペーストPstを印刷する。
マスクチェンジャ15は、印刷部13の後部に隣接して設けられる。マスクチェンジャ15の筐体23はマガジン25を収納可能な内部空間SP(図2参照)を有しており、筐体23の後面側の下部には、内部空間SPに対してマスク27を収納したマガジン25を出し入れ可能な開口部29が設けられる。マスクチェンジャ15は、印刷部13にマスク27を供給するためのマスク通過開口71(図2参照)を有し、このマスク通過開口71を通じて印刷部13の内部と空間的に繋がる。マスクチェンジャ15の筐体23は、警報音または警報画面を出力可能なタッチパネル31、あるいは他の照明装置(例えば、LED等)を後面側の上部に有する。
次に、図2~図4を参照して、印刷部13およびマスクチェンジャ15の概要について説明する。図2は、発明の実施の形態1に係る印刷装置11の部分透視斜視図である。図3は、実施の形態1に係る印刷装置11の透視側面図である。図4は、実施の形態1における印刷部の部分断面側面図である。
基板搬送保持部21は、上方にマスクガイド33が設けられている。マスクガイド33は、上方にマスク保持部35が配置されている。マスク保持部35は、上方に印刷ヘッド37、スクレイパユニット39、マスク上面クリーナ41および気体吹付け部43がそれぞれ設けられている。また、マスク保持部35の上方には、左右の2つのマスク保持部昇降シリンダ45のそれぞれと、前後左右の4つのシリンダ47のそれぞれと、が設けられている。マスク保持部35の下方には、カメラ移動機構49およびカメラ51と、マスク下面クリーナ53が設けられている。
気体吹付け部43は、ペーストPstで汚れる前(すなわち使用前、あるいはマスク27に最初のペーストPstが供給される前)のマスク27の上面をクリーニングする使用前マスククリーナとして機能する。気体吹付け部43は、マスク27の移動経路の上方をマスク27の移動方向(X軸方向)に対して交差する横方向に延びた管状部55と、管状部55の一端側に繋がるバルブ部57と、を備えている。管状部55は、2つの後述する前後方向ガイド部の後端側に、2つの前後方向ガイド部のそれぞれを跨ぐようにして設けられている。
マスク下面クリーナ53は、マスク下面クリーナガイド(不図示)によって、マスクガイド33の下方の領域を、Y軸方向に移動自在に設けられている。マスク下面クリーナ53は、マスク下面クリーナ53に設けられた移動ベース連結部(不図示)によってカメラ移動機構49の移動ベース59との間で連結され、移動ベース59と一体となってY軸方向に移動する。
マスク下面クリーナ53は、移動ベース59によってY軸方向に移動されないときは、マスク27が搬送されて、ペーストPstが印刷される印刷位置の前方に位置するクリーナ待機位置で待機する(図2参照)。マスク下面クリーナ53は、マスク下面クリーナガイドに設けられた下面クリーナ昇降部(不図示)によって、マスクガイド33に対して(つまり、印刷位置に搬送されたマスク27に対して)昇降自在となっている。
カメラ移動機構49は、マスクチェンジャ15が備える後述のマガジン25と印刷部13内のマスク27の印刷位置との間でマスク27を移動(搬送)可能な機能を有する。詳細には、カメラ移動機構49は、マガジン25からマスク27を引き出して印刷部13内に移動させて、印刷位置の途中まで移動させたり、印刷部13内の印刷位置からマスク27をマガジン25に戻すまでの経路の途中まで移動させたりする機能を有する。カメラ移動機構49は、X軸方向に延びて設けられた移動ベース59と、移動ベース59に設けられたYZアクチュエータ61によってY方向およびZ方向に移動自在な牽引部の一例としての吸着部63を備えている。
マスクチェンジャ15は、印刷部13の後部に隣接して設けられており、筐体23、マガジン25、昇降機65、下側センサ67、上側センサ69、マスク通過開口71および昇降体73を備える。昇降機65は、水平面内に拡がった形状を有する昇降体73の一端側に設けられたナット部75と、ナット部75に螺合して上下方向に延びたボール螺子77と、ボール螺子77を回転駆動する昇降体昇降モータ79と、を備えている。
昇降機65は、昇降体昇降モータ79が作動によりボール螺子77が回転し、ボール螺子77に設けられたナット部75を介して昇降体73が昇降する。昇降機65は、マガジン25を支持する昇降体73を作業空間SP1と供給空間SP2との間で昇降させることにより、筐体23の開口部29から搬入されたマガジン25を、筐体23の開口部29とその開口部29から離れた位置である作業空間SP1との間で移動させる収納体移動機構として機能する。
基板搬送保持部21は、搬入コンベア81、中間コンベア83、搬出コンベア85、基板保持部87および多段テーブル89のそれぞれを備える。搬入コンベア81、中間コンベア83および搬出コンベア85は、この順でX軸方向(左右方向とする)に並んでおり、搬入コンベア81、中間コンベア83、搬出コンベア85の順に基板KBを受け渡して搬送する。
基板保持部87は、中間コンベア83とともにユニットを構成しており、中間コンベア83が搬入コンベア81から受け取った基板KBを中間コンベア83から持ち上げた状態に支持するとともに、その基板KBの両側をクランプして保持する。多段テーブル89は、基台19上に設けられており、中間コンベア83と基板保持部87とにより構成されるユニットの全体を、基台19に対してXY平面上と上下方向(Z軸方向)とに移動させる。
図5は、実施の形態1における印刷部13の部分平面図である。基板搬送保持部21(図4参照)は、上方にマスクガイド33が設けられている。マスクガイド33は、Y軸方向(前後方向とする)に延びてX軸方向に対向するように平行に配置された一対の前後方向ガイド部91と、一対の前後方向ガイド部91の前方端部にX軸方向に延びて設けられた左右方向ガイド部93と、を有している。一対の前後方向ガイド部91のそれぞれは、断面がL字状となるように形成され、水平部95と水平部95の外側に形成された垂直部97とを有する。一方、左右方向ガイド部93は、一対の前後方向ガイド部91のそれぞれの水平部95と連接されて構成される。
図6は、実施の形態1に係る印刷装置11が備える印刷部13の部分平面図である。マスクガイド33は、上方にマスク保持部35が配置されている。マスク保持部35は、平面視において矩形形状を有しており、その左右のY軸辺のそれぞれがマスクガイド33の一対の前後方向ガイド部91のそれぞれの上方に位置し、前側のX軸辺のそれぞれが左右方向ガイド部93の上方に位置する。マスクガイド33は、マスク保持部35によってマスク27の四辺のそれぞれが押さえられる。
図7は、マスク27の一例を示す平面図である。マスク27は、略矩形状の金属板により構成される。マスク27は、中央部に基板KBの表面に形成された電極パターン(不図示)の配置に対応する配置でパターン開口99が形成されている。マスク27は、外周が枠101によって支持される。印刷装置11内におけるマスク27の枠101は、Y方向の前側が前枠体103、Y方向の後側が後枠体105、X方向の右側が右枠体107、X方向の左側が左枠体109により構成される。
マスクガイド33が有する一対の前後方向ガイド部91のそれぞれの後端側は、水平面(XY平面)上においてマスクチェンジャ15の近傍位置(つまり、マスク27の引き出し、および収納が行われるマスク通過開口71付近)まで延びており、印刷部13内におけるマスク27の印刷位置とマスクチェンジャ15のマガジン25との間で搬送されるマスク27の搬送経路となる。一対の前後方向ガイド部91は、上面に段差によるガイド111(図5参照)がY軸方向に延びて形成され、印刷位置とマスクチェンジャ15内のマガジン25との間で移動する略矩形状のマスク27の左右の側面を案内する。
図8は、マスク保持部35によるマスク27の保持状態を示す下面図である。マスク27は、三辺がマスクガイド33とマスク保持部35とによって挟まれた状態となる。これにより、マスク27は、平面状態に保持される。気体吹付け部43は、下面側にX軸方向に並んで設けられた複数の気体噴出孔113のそれぞれが設けられている。
図9は、マスクガイド33によりガイドされるマスク27の様子を示す正面図である。2つのマスク保持部昇降シリンダ45のそれぞれと、4つのシリンダ47のそれぞれとは、マスクガイド33の左右の前後方向ガイド部91のそれぞれが有する垂直部97に固定して設けられる。左右の2つのマスク保持部昇降シリンダ45のそれぞれは、マスク保持部35のY軸方向に延びる左右の2つの直線部分のそれぞれの中間部の上方に設けられている。4つのシリンダ47のそれぞれは、マスク保持部35の四隅もしくはその近傍の上方に設けられている。マスク27は、前後方向ガイド部91の水平部95と、前後左右の4つのシリンダ47の押さえロッド115により押圧されるマスク保持部35と、によって枠101が押さえられる。
図10は、実施の形態1における印刷部13の部分側面図である。マスク保持部昇降シリンダ45の出力軸である昇降ロッド117の下端は、マスク保持部35に固定されている。昇降ロッド117は、マスク保持部35のY軸方向の中間位置に結合されている。マスク保持部35は、左右の2つのマスク保持部昇降シリンダ45のそれぞれの昇降ロッド117を同期して駆動させることで、水平姿勢を維持したままマスクガイド33の上方で昇降させることができる。4つのシリンダ47のそれぞれは、その出力軸である押さえロッド115を駆動させることで、マスク保持部35の四隅を下方に押圧することができる。
マスク保持部35は、左右の2つのマスク保持部昇降シリンダ45のそれぞれによってマスクガイド33に押し付けられている。略矩形状に形成されたマスク27の四辺のうちの三辺は、マスクガイド33とマスク保持部35とによって挟まれた状態となる。これにより、マスク27は略水平に保持される。
印刷ヘッド37は、X軸方向に延びてY軸方向に移動自在に設けられたスキージベース119と、スキージベース119の下方に設けられた2つのスキージ121と、スキージベース119の上面側に設けられたスキージ昇降駆動部123と、を備えている。2つのスキージ121のそれぞれは、Y軸方向に対向して配置されている(図11参照)。スキージ昇降駆動部123は、2つのスキージ121のそれぞれをスキージベース119の下方に個別に昇降させる。
図11は、実施の形態1における印刷部13の平面図である。スキージベース119は、Y軸方向に延びた形状を有している。スキージベース119は、Y軸方向に延びてX軸方向に対向するように平行に配置された2つのスキージベースガイド125のそれぞれによって左右の両端部が支持されている。2つのスキージベースガイド125のうち一方のスキージベースガイド125の外側(X軸方向の外側)には、Y軸方向に延びたスキージベース移動ボール螺子127が設けられている。スキージベース移動ボール螺子127は、スキージベース119に設けられたスキージベースナット129に螺合している。スキージベース移動ボール螺子127は、スキージベース駆動モータ131と連結され、スキージベース駆動モータ131の駆動によってスキージベース移動ボール螺子127が回転すると、スキージベースナット129を介してスキージベース119がY軸方向に移動する。
スクレイパユニット39は、マスク27のペーストPstを回収するペースト回収部として機能する。スクレイパユニット39は、図10および図11に示すように、X軸方向に延びたスクレイパベース133と、スクレイパベース133に設けられたスクレイパ昇降シリンダ135と、スクレイパ昇降シリンダ135によって昇降されるスクレイパ保持部137と、スクレイパ保持部137に保持されたスクレイパ139と、を備えている。スクレイパベース133は、スキージベース119と同様に、2つのスキージベースガイド125のそれぞれによって左右の両端部が支持される。スクレイパベース133は、スキージベース119に設けられたスクレイパユニット連結部141(図10参照)によってスキージベース119に連結され、そのスキージベース119に連結された状態で、スキージベース119と一体となってY軸方向に移動する。スクレイパユニット39は、スクレイパ昇降シリンダ135を駆動させてスクレイパ保持部137(図10参照)が昇降することで、スクレイパ139が昇降する。
マスク上面クリーナ41は、スクレイパユニット39によってペーストPstが回収された後のマスク27の上面をクリーニングする機能を有するものであり、図10および図11に示すように、スキージベース119に取り付けられている。これにより、マスク上面クリーナ41は、スキージベース119と一体となってY軸方向に移動し、印刷ヘッド37とともに印刷位置に搬送されたマスク27に対して移動する。マスク上面クリーナ41は、スキージベース119に設けられ、上面クリーナ昇降部143を介してスキージベース119に取り付けられており、上面クリーナ昇降部143を作動させることで、スキージベース119に対してマスク上面クリーナ41を昇降させることができる。
図6に示す移動ベース59は、Y軸方向に延びてX軸方向に対向するように平行に配置された2つの移動ベースガイド145のそれぞれによって左右の両端部が支持される。2つの移動ベースガイド145のそれぞれのうち一方の移動ベースガイド145は、外側(X軸方向の外側)にY軸方向に延びた移動ベース移動ボール螺子147が設けられている。移動ベース移動ボール螺子147は、移動ベース59に設けられた移動ベースナット149に螺合する。移動ベース移動ボール螺子147は、移動ベース駆動モータ151が連結されており、移動ベース駆動モータ151が駆動して移動ベース移動ボール螺子147が回転すると、この回転する移動ベースナット149を介して移動ベース59がY軸方向に移動する。
図12は、管状部55によるマスク27上面への気体の吹き付けの様子を示した斜視図である。気体吹付け部43は、マスク27の移動経路の上方をマスク27の移動方向(X軸方向)に対して交差する横方向に延びた管状部55と、管状部55の一端側に繋がるバルブ部57と、を備えている。管状部55は、2つの前後方向ガイド部91のそれぞれの後端側に、2つの前後方向ガイド部91のそれぞれを跨ぐようにして設けられている。
管状部55は、バルブ部57を介して高圧気体GSを供給して複数の気体噴出孔113(図11参照)のそれぞれから下方に位置するマスク27の上面に向かって高圧気体GSを噴射する。なお、マスク上面クリーナ41は、マスク27の上面に気体を吹き付けるもの(つまり、ブローするもの)に限定されず、例えばマスク27の上面を吸引するもの、ブラッシングするもの、またはマスク27の上面を拭き取るもの等であってもよい。
カメラ移動機構49は、移動ベース59にカメラ51のカメラ筐体153が取り付けられている。カメラ筐体153は、略六面体形状で形成される。カメラ筐体153は、下面に下方撮像カメラ155、上面に上方撮像カメラ157のそれぞれの鏡筒が光軸をZ軸に沿う方向で取り付けられている。
カメラ移動機構49は、移動ベース59のY軸方向への移動によって吸着部63をY軸方向に移動させることができる。吸着部63は、さらにYZアクチュエータ61によって、移動ベース59に対してY軸に沿う方向とZ軸に沿う方向とに移動することができる。このYZアクチュエータ61の移動機構は、ラックとピニオンとにより構成される直線駆動機構、リニアモータ機構等であってよい。
吸着部63は、カメラ移動機構49により、マスク通過開口71の直前まで移動される。吸着部63は、マスク通過開口71の直前まで移動された状態で、YZアクチュエータ61により供給対象となるマスク27の格納高さ(Z軸方向)まで昇降された後、YZアクチュエータ61により後方に移動されて、マスクチェンジャ15の内部に進入し、マガジン25内に格納されたマスク27の枠101(具体的には、前枠体103)の位置まで移動される。また、吸着部63は、このマスク対向位置からさらにY軸方向に移動される。これにより、吸着部63は、枠101に対する吸着位置の微調整が可能となる。吸着位置に微調整された吸着部63は、マスクチェンジャ15のマガジン25に格納されたマスク27が備える枠101(具体的には、前枠体103)の側面を吸着して、マガジン25の内部からマスク通過開口71を通じて、印刷部13内へマスク27を引き出すことができる。
マスク27の引き出し動作および収納動作は、カメラ移動機構49と、印刷ヘッド37と、により実行される。カメラ移動機構49は、マガジン25内から印刷部13内の印刷位置の途中までマスク27を引き出す。印刷ヘッド37は、印刷部13内の途中まで引き出された状態のマスク27を、印刷処理が行われる印刷位置まで搬送する。
吸着部63は、例えば印刷装置11に設けられる空気圧回路(不図示)に配管接続される。空気圧回路は、空圧発生源が接続される。空圧発生源は、真空ポンプと、エア供給源とを含む。吸着部63は、真空バルブを介して空圧発生源とブローバルブに接続される。真空バルブは、後述する制御部159により入力ポートと出力ポートとを切り替えることにより、吸着部63の真空圧とブロー圧とを切り替え可能にする。
マスクチェンジャ15およびカメラ移動機構49は、マガジン25に収納されたマスク27をマガジン25から引き出して印刷位置まで搬送することで、マスク27を印刷部13に供給可能な部材供給装置161を構成する。
次に、図13を参照して、マスク27のマガジン25と印刷位置との間の搬送(つまり、引き出し動作または収納動作)を実行するための各機構についてさらに説明する。図13は、実施の形態1におけるマスク27の引き出し動作または収納動作を実行する各機構の概略図である。
印刷ヘッド37は、制御部159における印刷動作制御部169(図14参照)により制御されて、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に駆動される。印刷ヘッド37は、吸着部63によってマスクチェンジャ15内のマガジン25から引き出されたマスク27の枠101の側面に当接する押さえロッド115を有する。押さえロッド115は、シリンダ110に連結されて、シリンダ110と一体となってY軸に沿う方向に駆動される。押さえロッド115は、Z軸方向に昇降されてマスク27の枠101の側面に当接し、Y軸に沿う方向に駆動されて、マスク27を前後方向に搬送する。
シリンダ110は、基板KBにペーストPstを印刷する印刷ヘッド37に設けられ、印刷ヘッド37と一体となって駆動される。印刷ヘッド37は、X軸に沿う方向に延在するスキージベース119を有する。印刷動作制御部169は、スキージベース駆動モータ131を駆動させ、スキージベース119と一体的に構成されたシリンダ110の押さえロッド115がY軸に沿う方向に移動される。つまり、印刷動作制御部169は、押さえロッド115を枠101に当接させた状態でY軸に沿う方向に移動させることで、マスクガイド33に沿ってマスク27を印刷位置まで搬送することができる。
印刷ヘッド37は、スキージ昇降駆動部123に設けられた2つのZ軸モータ163のそれぞれにより、スキージベース119の下方に2つのスキージ121のそれぞれを個別に昇降させる。これにより、スキージ121は、マスク27より上方の退避位置への移動が可能となる。つまり、スキージ121は、退避位置に移動する際に、マスク27の枠101に対する干渉が回避可能となる。
吸着部63は、基板KBの上面およびマスク27の下面を撮像するカメラ51を備えたカメラ移動機構49に設けられる。カメラ移動機構49は、X軸に沿う方向に延在する移動ベース59を有する。カメラ移動機構49は、移動ベース59に対して、移動ベース59の延在方向(X軸に沿う方向)に移動自在に設けられる。この移動ベース59には、移動ベースナット149が固定される。移動ベースナット149は、Y軸に沿う方向に延在する移動ベース移動ボール螺子147と螺合される。移動ベース移動ボール螺子147は、移動ベース駆動モータ151により駆動される。移動ベース駆動モータ151が駆動され、移動ベース移動ボール螺子147を介して移動ベースナット149が移動することにより、移動ベース59に設けられた吸着部63は、カメラ51とともにY軸に沿う方向に移動される。これにより、吸着部63に枠101が吸着されたマスク27は、マスクガイド33によりY軸に沿う方向に搬送される。
また、制御部159における印刷動作制御部169(図14参照)は、マスク27の枠101の側面に押さえロッド115が当接した状態で、スキージベース駆動モータ131を駆動することにより、マスク27を印刷位置に搬送したり(つまり、引き出し動作)、印刷位置にあるマスク27をマスクチェンジャ15側に向かって搬送したりする(つまり、収納動作)ことができる。
また、制御部159におけるマスク搬送設置制御部167(図14参照)は、枠101の側面に吸着部63が当接した状態で、移動ベース駆動モータ151およびYZアクチュエータ61のそれぞれを駆動することにより、マスク通過開口71を通じてマガジン25からマスク27を引き出したり、押さえロッド115により印刷位置よりも後方に搬送されたマスク27を、マスク通過開口71を通じてマガジン25に収納したりする。
次に、実施の形態1に係る印刷装置11の制御系統について説明する。図14は、実施の形態1に係る印刷装置11の制御系統を示すブロック図である。
印刷装置11における制御部159は、所謂プロセッサであり、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成されて、メモリ(不図示)と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、制御部159は、メモリに保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。なお、ここでいう各部は、基板搬送保持制御部165、マスク搬送設置制御部167、印刷動作制御部169、撮像制御部171、吸着制御部173および昇降機制御部175等である。
基板搬送保持制御部165は、基板搬送保持部21による基板KBの搬送制御(具体的には、搬入制御、搬出制御)、および保持制御を実行する。また、基板搬送保持制御部165は、カメラ51により撮像された基板KBの撮像画像に基づいて、マスク27に対する基板KBの位置合わせ制御を実行する。
マスク搬送設置制御部167は、カメラ移動機構49によるマスク27の引き出し制御および収納制御を行う。具体的に、マスク搬送設置制御部167は、移動ベース駆動モータ151による移動ベース59のY軸方向への移動制御と、YZアクチュエータ61による吸着部63のY軸方向およびZ軸方向への移動制御と、吸着部63による枠101の側面への吸着制御と、をそれぞれ実行する。
印刷動作制御部169は、印刷ヘッド37による印刷制御を行う。具体的に、印刷動作制御部169は、スキージベース駆動モータ131によるスキージベース119(不図示)のY軸方向への移動制御と、スキージ昇降駆動部123によるスキージ121の昇降制御と、をそれぞれ実行する。
撮像制御部171は、所定の基板搬送位置で基板搬送保持部21によって保持された基板KBの下面と、印刷位置に搬送されたマスク27の上面とを、カメラ51の制御を実行して撮像させる。具体的に、撮像制御部171は、移動ベース駆動モータ151による移動ベース59のY軸方向への移動制御と、移動ベース59に沿ったカメラ51のX軸方向への移動制御と、カメラ51が備える下方撮像カメラ155による基板KBの上面の撮像制御と、カメラ51が備える上方撮像カメラ157によるマスク27の下面の撮像制御と、をそれぞれ実行する。
吸着制御部173は、制御部159から送信されたマスク吸着を開始する旨の制御指令に基づいて、空気圧回路に設けられた真空バルブにポート切替信号を送信し、真空ポンプにより吸着部63内部を負圧にして、吸着部63に枠101(具体的には、枠101の前枠体103)の側面を吸着させる。また、吸着制御部173は、制御部159から送信されたマスク吸着を終了する旨の制御指令に基づいて、空気圧回路に設けられる真空バルブにポート切替信号を送り、真空バルブのポートをブローバルブに切り替えさせて、吸着部63の吸着状態を解除させる。
昇降機制御部175は、昇降機65における昇降体昇降モータ79の駆動制御を実行し、マスクチェンジャ15内のマガジン25の位置(高さ)を昇降させる。また、昇降機制御部175は、安全制御部179を含んで構成される。
安全制御部179は、マスクチェンジャ15の内部空間SPに設けられた下側センサ67と上側センサ69との各制御、および昇降機65への電力供給制御と、を実行する。具体的に、安全制御部179は、第1の運用モードと第2の運用モードとを切り替えることで、上述した制御を実行する。
ここでいう第1の運用モードは、原則として、下側センサ67を常時オン(物体検出を有効)にし、上側センサ69を常時オフ(物体検出を無効)にする制御であり、作業者によりマガジン25の交換、マガジン25へのマスク27の供給作業が行われている間であって、昇降機65が停止している間に実行される。安全制御部179は、第1の運用モード時において下側センサ67により物体が検出された場合には、昇降機65への動力用電力の供給を停止させるとともに、タッチパネル31を通じて警報音を発生させることによって、作業者に注意を喚起する。
但し、第1の運用モードにおいて安全制御部179は、開口部29からマガジン25、またはマガジン25内に格納されたマスク27を出し入れするマガジン供給作業が作業者により行われる間、上側センサ69をオンにし、下側センサ67をオフにしてもよい。上側センサ69および下側センサ67の切り替え制御は、作業者によるタッチパネル31への入力操作に基づいて実行されてもよいし、マガジン25の交換作業を無人搬送装置が実行する場合には、無人搬送装置から送信されたマガジン25の交換要求に基づいて実行されてもよい。
以上により、安全制御部179は、第1の運用モードにおいて、開口部29からマガジン25が搬入もしくは搬出されるときには下側センサ67による物体検出を無効にする制御を実行する。また、安全制御部179は、上側センサ69により物体が検出された場合には、昇降機65への動力用電力の供給を停止させて、上側センサ69による物体検出を無効にする。また、安全制御部179は、下側センサ67により物体が検出された場合には、昇降機65への動力用電力の供給を停止させる制御を実行する。
また、第2の運用モードにおいて安全制御部179は、下側センサ67を常時オフにし、上側センサ69をオンにする制御であり、マガジン25と印刷部13との間でマスク27の引き出し処理または収納処理が実行されている間に実行される。
以上により、安全制御部179は、第2の運用モードにおいて、下側センサ67を常時オフにし、上側センサ69をオンにする制御であり、マガジン25と印刷部13との間でマスク27の引き出し処理または収納処理が実行されている間、下側センサ67による物体検出を無効にする。
制御部159は、ユーザインタフェース機能を有するタッチパネル31が電気的に接続されている。タッチパネル31は、作業者により操作され、作業者操作により入力された内容を電気信号に変換して制御部159に出力する。また、タッチパネル31は、制御部159により生成された画像を出力(表示)する。
(マスクの引き出し動作)
次に、図15Aおよび図15Bを参照して、実施の形態1に係る印刷装置11のマスク27の引き出し動作手順について説明する。図15Aは、実施の形態1に係る印刷装置11のマスク27の引き出し動作手順例を説明する図である。図15Bは、実施の形態1に係る印刷装置11のマスク27の引き出し動作手順例を説明する図である。
次に、図15Aおよび図15Bを参照して、実施の形態1に係る印刷装置11のマスク27の引き出し動作手順について説明する。図15Aは、実施の形態1に係る印刷装置11のマスク27の引き出し動作手順例を説明する図である。図15Bは、実施の形態1に係る印刷装置11のマスク27の引き出し動作手順例を説明する図である。
マスクチェンジャ15からマスク27を引き出す場合、印刷装置11におけるマスク搬送設置制御部167は、Y軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15に接近する方向にカメラ移動機構49を移動する。カメラ移動機構49は、吸着部63がマスク通過開口71の直前の位置で停止する。YZアクチュエータ61は、マスク搬送設置制御部167により制御されて、マスク通過開口71からマスク27を引き出し可能な位置(高さ)まで吸着部63の位置(高さ)をZ軸に沿う方向に上昇させ、マガジン25内に格納されたマスク27の枠101に当接する位置まで吸着部63の位置をY軸に沿う方向に移動させる。吸着制御部173は、図15A(a)に示すように、吸着部63が引き出したいマスク27における枠101の側面に当接すると、真空バルブを駆動させて、吸着部63による枠101の側面の吸着を実行させる。
マスク搬送設置制御部167は、Y軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15から離間する方向にカメラ移動機構49を移動させて、吸着部63により吸着された状態のマスク27を牽引する。マスク搬送設置制御部167は、図15A(b)に示すように、吸着部63が吸着したマスク27を、移動ベース59の移動限界まで牽引する。マスク搬送設置制御部167は、移動限界までの牽引制御を実行した後、マスク27および印刷ヘッド37と、カメラ移動機構49との間の干渉(衝突)を回避させるために、カメラ移動機構49を退避させる。具体的に、マスク搬送設置制御部167は、図15B(c)に示すように、YZアクチュエータ61を駆動させ、吸着部63の位置(高さ)をZ軸方向に下降させて印刷位置へのマスク27の搬送軌跡上からカメラ移動機構49を退避させる。なお、退避方法は、これに限定されなくてよい。マスク搬送設置制御部167は、例えば、カメラ移動機構49そのものをZ軸方向に下降させることで、印刷位置へのマスク27の搬送軌跡上からカメラ移動機構49を退避させてもよい。
マスク搬送設置制御部167によるカメラ移動機構49の退避が行われた後、印刷動作制御部169は、図15B(c)に示すように、スキージベース119を移動させて、Y軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15に接近する方向へ印刷ヘッド37を移動させる。印刷動作制御部169は、シリンダ110の押さえロッド115の位置がマスク27の枠101(具体的には、後枠体105)の後方に位置するまで移動させた後、シリンダ110によって押さえロッド115を下降させて、後枠体105の後側面に押さえロッド115を当接させる(つまり、後枠体105の後側面に押さえロッド115を引っ掛ける)。なお、印刷動作制御部169は、押さえロッド115の位置が後枠体105の後方に位置するまで移動させ、印刷ヘッド37を下降させた後に、印刷ヘッド37をY軸に沿った方向、かつ、マスクチェンジャ15から離間する方向に移動させて、後枠体105の後側面に押さえロッド115を当接させてよい。
印刷動作制御部169は、図15B(d)に示すように、押さえロッド115が後枠体105の後側面に当接した状態で、Y軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15から離間する方向へ印刷ヘッド37を移動させて、印刷位置までマスク27を搬送させる。印刷動作制御部169は、印刷位置までマスク27を移動させた後、印刷ヘッド37を上昇させて、後枠体105から押さえロッド115を離間させることで、マスク27の引き出し動作を終了する。
印刷動作制御部169は、マスク27の引き出し動作実行後、印刷ヘッド37を駆動させて、スキージ121で供給されたペーストPstを掻き寄せる。印刷動作制御部169は、マスク27の上でスキージ121を摺動させて、マスク27のパターン開口99にペーストPstを充填させる。これにより、ペーストPstは、パターン開口99を通過し、基板KBの電極に印刷される。
(マスクの収納動作)
次に、図16Aおよび図16Bを参照して、発明の実施の形態1に係る印刷装置11のマスク収納動作手順について説明する。図16Aは、実施の形態1に係る印刷装置11のマスク27の収納動作手順例を説明する図である。図16Bは、実施の形態1に係る印刷装置11のマスク27の収納動作手順例を説明する図である。
次に、図16Aおよび図16Bを参照して、発明の実施の形態1に係る印刷装置11のマスク収納動作手順について説明する。図16Aは、実施の形態1に係る印刷装置11のマスク27の収納動作手順例を説明する図である。図16Bは、実施の形態1に係る印刷装置11のマスク27の収納動作手順例を説明する図である。
マスクチェンジャ15にマスク27を収納する場合、印刷装置11における印刷動作制御部169は、図16A(a)に示すように、スキージベース119を移動させて、Y軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15に接近する方向へ印刷ヘッド37を移動させる。印刷動作制御部169は、シリンダ110によって押さえロッド115を下降させて、シリンダ110の押さえロッド115を後枠体105の前側面に当接させる。なお、印刷動作制御部169は、押さえロッド115の位置が後枠体105の前方に位置するまで移動させ、押さえロッド115を下降させた後に、印刷ヘッド37をY軸に沿った方向、かつ、マスクチェンジャ15に接近する方向に移動させて、後枠体105の前側面に押さえロッド115を当接させてよい。なお、この時、カメラ移動機構49は、退避位置で待機している。
印刷動作制御部169は、図16A(b)に示すように、後枠体105の前側面に押さえロッド115を当接させた状態で、スキージベース119がY軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15に接近する方向に印刷ヘッド37を移動させる。印刷動作制御部169は、押さえロッド115が当接したマスク27を、スキージベース119の移動限界まで移動させる。
印刷動作制御部169は、スキージベース119の移動限界までマスク27を搬送した後、図16B(c)に示すように、シリンダ110によって押さえロッド115を上昇させ、Y軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15から離間する方向へ印刷ヘッド37を移動(退避)させる。
マスク搬送設置制御部167は、印刷動作制御部169による印刷ヘッド37の退避が行われた後、カメラ移動機構49を退避位置から移動させる。マスク搬送設置制御部167は、吸着部63が前枠体103の側面(前面)に当接する位置までカメラ移動機構49を移動させる。
マスク搬送設置制御部167は、図16B(d)に示すように、カメラ移動機構49をY軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15に接近する方向に移動させて、吸着部63に当接されたマスク27を、マスク通過開口71を通じてマガジン25内の所定の格納位置まで移動させる。なお、この時、吸着部63は、枠101を吸着せずにマスク27を収納してもよいし、吸着した状態でマスク27を収納してもよい。
(L枠マスクの場合の引き出し動作)
次に、図17Aおよび図17Bを参照して、実施の形態1に係る印刷装置11のL枠マスク181の引き出し動作手順について説明する。図17Aは、実施の形態1に係る印刷装置11のL枠マスク181の引き出し動作手順例を説明する図である。図17Bは、実施の形態1に係る印刷装置11のL枠マスク181の引き出し動作手順例を説明する図である。
次に、図17Aおよび図17Bを参照して、実施の形態1に係る印刷装置11のL枠マスク181の引き出し動作手順について説明する。図17Aは、実施の形態1に係る印刷装置11のL枠マスク181の引き出し動作手順例を説明する図である。図17Bは、実施の形態1に係る印刷装置11のL枠マスク181の引き出し動作手順例を説明する図である。
ここで、L枠マスク181について説明する。マスクの一例としてのL枠マスク181は、印刷装置11により実行されるマスクの引き出し動作において、引き出し切れない大きさを有するマスクである。具体的に、印刷装置11は、スキージベース119の移動限界まで印刷ヘッド37を移動させても、シリンダ110の押さえロッド115の位置が後枠体105の後方まで到達せず、L枠マスク181を引き出せないことがある。印刷装置11における制御部159は、各マスクの大きさに関する情報を含む生産データに基づいて、引き出し対象となるマスクがL枠マスク181であると判定した場合、以下で説明するL枠マスク181を引き出すための引き出し動作を実行する。なお、L枠マスク181は、マスク27に対してY軸に沿う方向あるいはX軸に沿う方向の長さが異なるが、他の構成についてはマスク27と同様であるため、同一の符号を用いてL枠マスク181を引き出すための引き出し動作について説明する。
マスクチェンジャ15からL枠マスク181を引き出す場合、印刷装置11におけるマスク搬送設置制御部167は、Y軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15に接近する方向にカメラ移動機構49を移動する。カメラ移動機構49は、吸着部63がマスク通過開口71の直前の位置で停止する。YZアクチュエータ61は、マスク搬送設置制御部167により制御されて、マスク通過開口71からL枠マスク181を引き出し可能な位置(高さ)まで吸着部63の位置(高さ)をZ軸に沿う方向に上昇させ、マガジン25内に格納されたL枠マスク181の枠101に当接する位置まで吸着部63の位置をY軸に沿う方向に移動させる。吸着制御部173は、図17A(a)に示すように、吸着部63が引き出したいL枠マスク181における枠101の側面に当接すると、真空バルブを駆動させて、吸着部63による枠101の側面の吸着を実行させる。
マスク搬送設置制御部167は、Y軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15から離間する方向にカメラ移動機構49を移動させて、吸着部63により吸着された状態のL枠マスク181を牽引する。マスク搬送設置制御部167は、図17A(b)に示すように、吸着部63が吸着したL枠マスク181を、移動ベース59の移動限界まで牽引する。マスク搬送設置制御部167は、移動限界までの牽引制御を実行した後、L枠マスク181および印刷ヘッド37と、カメラ移動機構49との間の干渉(衝突)を回避させるために、カメラ移動機構49を退避させる。具体的に、マスク搬送設置制御部167は、図17B(c)に示すように、YZアクチュエータ61を駆動させ、吸着部63の位置(高さ)をZ軸方向に下降させて印刷位置へのL枠マスク181の搬送軌跡上からカメラ移動機構49を退避させる。なお、退避方法は、これに限定されなくてよい。マスク搬送設置制御部167は、例えば、カメラ移動機構49そのものをZ軸方向に下降させることで、印刷位置へのL枠マスク181の搬送軌跡上からカメラ移動機構49を退避させてもよい。
マスク搬送設置制御部167によるカメラ移動機構49の退避が行われた後、印刷動作制御部169は、図17B(c)に示すように、スキージベース119を移動させて、Y軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15に接近する方向へ印刷ヘッド37を移動させる。印刷動作制御部169は、シリンダ110の押さえロッド115の位置がL枠マスク181の枠101(具体的には、前枠体103)の後方に位置するまで移動させた後、シリンダ110によって押さえロッド115を下降させて、前枠体103の後側面に押さえロッド115を当接させる(つまり、前枠体103の後側面に押さえロッド115を引っ掛ける)。なお、印刷動作制御部169は、押さえロッド115の位置を前枠体103の後方に位置するまで移動させ、押さえロッド115を下降させた後に、印刷ヘッド37をY軸に沿った方向、かつ、マスクチェンジャ15から離間する方向に移動させて、前枠体103の後側面に押さえロッド115を当接させてよい。
印刷動作制御部169は、図17B(d)に示すように、押さえロッド115が前枠体103の後側面に当接した状態で、Y軸に沿う方向、かつ、マスクチェンジャ15から離間する方向へ印刷ヘッド37を移動させて、印刷位置までL枠マスク181を移動させる。印刷動作制御部169は、印刷位置までL枠マスク181を移動させた後、押さえロッド115を上昇させて、前枠体103から押さえロッド115を離間させることで、L枠マスク181の引き出し動作を終了する。
なお、L枠マスク181の収納動作は、図16Aおよび図16Bを参照して説明したマスク27同様の動作手順で行われるため、説明を省略する。
以上により、実施の形態1に係る印刷装置11は、所定の印刷パターン(つまり、パターン開口99)が設けられたマスク27を介して基板KBにペーストPstを印刷する印刷装置11であって、マスク27を格納するマガジン25(格納部の一例)と、格納されたマスク27が備える枠101の側面を吸着して、マガジン25からマスク27を引き出す吸着部63(牽引部の一例)を有する。
従来、マスク27の引き出しまたは収納は、マガジン25内において多段状かつ上下方向に隣り合って格納された2枚のマスク27とマスク27との間に、L字状のプレートを差し入れ、マスク27の下面側からマスク27に設けられた係合穴等にこのプレートに起立する垂直な係合突起等を挿入して引っ掛けて係止した状態で行われていた。つまり、従来のマスク27の引き出しまたは収納方法では、マガジン25は、マスク27の厚みと、プレートの厚みと、係合突起の起立高さと、係合突起を係合するための係合クリアランスとを合計した間隔以上の隙間でマスク同士を格納する必要があった。そのため、従来のマスク27の引き出しまたは収納方法の場合、マガジン25は、マスクの1枚あたりに要するZ軸方向の格納高さが大きくなり、格納可能なマスク27の枚数に限りがあった。また、マスク27の格納枚数を増やす場合、マガジン25およびマスクチェンジャ15は大型化させる必要があった。
したがって、実施の形態1に係る印刷装置11は、マスクチェンジャ15に格納されたマスク27の引き出しまたは収納において、吸着部63によりマガジン25内のマスク27の側面を吸着して引き出すまたは収納するため、Z軸方向における各マスク27の格納間隔を狭めることができ、マガジン25内に格納可能なマスク27の枚数を増加させることができる。これにより、印刷装置11は、1つのマガジン25によってより多くの基板KBの印刷を実行できるため、印刷効率を向上できる。
また、以上により、実施の形態1に係る印刷装置11は、吸着部63によってマガジン25から引き出されたマスク27の枠101に当接する押さえロッド115(当接部の一例)と、押さえロッド115を移動させて、マスク27を印刷位置まで移動させる印刷動作制御部169(駆動部の一例)と、を備える。これにより、実施の形態1に係る印刷装置11は、カメラ移動機構49によりマスク27がマスクチェンジャ15から印刷部13内へ引き出された後、マスク27の枠101に押さえロッド115を当接させて、マスク27を引き出し位置からマスク27の印刷位置まで移動(搬送)できる。したがって、印刷装置11は、マスク27を牽引(つまり、マスク27の引き出しおよび収納)するための新たな機構を設けることなく、マスク27および基板KBのそれぞれの撮像するためのカメラ51を備える既存のカメラ移動機構49を用いてマスク27の引き出し動作および収納動作を実行できる。
また、以上により、実施の形態1に係る印刷装置11における吸着部63は、基板KBおよびマスク27を撮像するカメラ51を備えたカメラ移動機構49である。これにより、実施の形態1に係る印刷装置11は、マスク27を牽引(つまり、マスク27の引き出しおよび収納)するための新たな機構を設けることなく、マスク27および基板KBのそれぞれの撮像するためのカメラ51を備える既存のカメラ移動機構49を用いてマスク27の引き出し動作および収納動作を実行できる。
また、以上により、実施の形態1に係る印刷装置11における押さえロッド115は、基板KBへペーストPstを印刷する印刷ヘッド37に設けられる。また、印刷動作制御部169は、印刷ヘッド37と共に押さえロッド115を移動させる。これにより、実施の形態1に係る印刷装置11は、従来の印刷装置が備える機構であるカメラ移動機構49と印刷ヘッド37とを用いて、マスク27の引き出し動作および収納動作を実行できる。
また、以上により、実施の形態1に係る印刷装置11における印刷動作制御部169は、マスク27の枠101へ押さえロッド115を当接させて、マガジン25の方へマスク27を移動させる。これにより、実施の形態1に係る印刷装置11は、印刷部13内にあるマスク27の枠101が、印刷ヘッド37によりマスクチェンジャ15に接近する方向に移動され、カメラ移動機構49によりこの移動された位置からマガジン25内に収納できる。これにより、実施の形態1に係る印刷装置11は、従来の印刷装置が備える機構であるカメラ移動機構49と印刷ヘッド37とを用いて、マスク27の引き出し動作および収納動作を実行できる。
また、以上により、実施の形態1に係る印刷装置11における吸着部63は、枠101の側面に当接して、マガジン25の方へ移動されたマスク27をマガジン25へ収納する。これにより、実施の形態1に係る印刷装置11は、カメラ51を移動するための既存のカメラ移動機構49を駆動(移動)させることにより、マガジン25内にマスク27を格納できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示は、印刷位置と格納位置との間のマスクの搬送を効率化し、マスクチェンジャにおけるマスクの格納枚数の増加を実現できる印刷装置およびマスク牽引方法として有用である。
11 印刷装置
15 マスクチェンジャ
27 マスク
37 印刷ヘッド
49 カメラ移動機構
51 カメラ
63 吸着部
101 枠
131 スキージベース駆動モータ
115 押さえロッド
KB 基板
Pst ペースト
15 マスクチェンジャ
27 マスク
37 印刷ヘッド
49 カメラ移動機構
51 カメラ
63 吸着部
101 枠
131 スキージベース駆動モータ
115 押さえロッド
KB 基板
Pst ペースト
Claims (7)
- 所定の印刷パターンが設けられたマスクを介して基板に半田ペーストを印刷する印刷装置であって、
前記マスクを格納する格納部と、
格納された前記マスクが備える枠の側面を吸着して、前記格納部から前記マスクを引き出す牽引部と、を有する、
印刷装置。 - 前記牽引部によって前記格納部から引き出された前記マスクの枠に当接する当接部と、
前記当接部を移動させて、前記マスクを印刷位置まで移動させる駆動部と、を備える、
請求項1に記載の印刷装置。 - 前記牽引部は、前記基板および前記マスクを撮像するカメラを備えたカメラ移動機構である、
請求項1または2に記載の印刷装置。 - 前記当接部は、前記基板へ前記半田ペーストを印刷する印刷ヘッドに設けられており、
前記駆動部は、前記印刷ヘッドと共に前記当接部を移動させる、
請求項2に記載の印刷装置。 - 前記駆動部は、前記マスクの前記枠へ前記当接部を当接させて、前記格納部の方へ前記マスクを移動させる、
請求項2または4に記載の印刷装置。 - 前記牽引部は、前記枠の側面に当接して、前記格納部の方へ移動された前記マスクを前記格納部へ収納する、
請求項5に記載の印刷装置。 - 所定の印刷パターンが設けられたマスクを介して基板に半田ペーストを印刷する印刷装置が行うマスク牽引方法であって、
前記マスクを格納する格納部に格納された前記マスクが備える枠の側面を吸着し、
前記格納部から前記マスクを引き出して前記半田ペーストの印刷位置へ牽引する、
マスク牽引方法。
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WO2023188724A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 印刷装置 |
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