JP2022101234A - タイヤ - Google Patents

タイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2022101234A
JP2022101234A JP2020215690A JP2020215690A JP2022101234A JP 2022101234 A JP2022101234 A JP 2022101234A JP 2020215690 A JP2020215690 A JP 2020215690A JP 2020215690 A JP2020215690 A JP 2020215690A JP 2022101234 A JP2022101234 A JP 2022101234A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
rfid tag
resin layer
reinforcing resin
ply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020215690A
Other languages
English (en)
Inventor
和正 細見
Kazumasa Hosomi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire Corp filed Critical Toyo Tire Corp
Priority to JP2020215690A priority Critical patent/JP2022101234A/ja
Publication of JP2022101234A publication Critical patent/JP2022101234A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】タイヤの剛性を確保しつつ、タイヤに埋設された電子部品ユニットとしてのRFIDタグの特性を維持することができるタイヤを提供すること。【解決手段】タイヤ1は、ビードコア21と、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出するビードフィラー22とを有する一対のビード11と、ビードフィラー22に沿って設けられる補強樹脂層50と、補強樹脂層50と接触して配置された電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品ユニットが配置されたタイヤに関する。
従来、RFIDタグ等の電子部品を埋設したタイヤが知られている。このようなタイヤは、タイヤに埋設されたRFIDタグと、外部機器としてのリーダとが通信を行うことにより、タイヤの製造管理、使用履歴管理等を行うことができる。例えば特許文献1には、識別情報や履歴情報等を記憶するRFID等により構成された通信回路部と、導電性のベルトまたはカーカスコードとをバイパス配線で接続し、導電性のベルトまたはカーカスコードの一部をループアンテナとして機能させるタイヤが開示されている。
特開2004-13399号公報
特許文献1に示される技術によれば、タイヤの剛性を確保するためのベルトまたはカーカスコードの一部をループアンテナとして機能させて通信を行うことにより、タイヤの履歴情報等の管理を行うことができる。ところでアンテナの設計においては、使用する周波数帯域に応じて、アンテナの長さを最適化する必要がある。具体的には、アンテナと電波の共振条件を考慮すると、アンテナの長さは、使用する周波数の波長の半分、あるいは1/4といった長さとすることが好ましい。しかしながら、特許文献1において、アンテナを構成する部材として示されるベルトまたはカーカスコードは、その寸法が製造上の誤差の影響を受けやすい。よって、これらを用いてアンテナの長さを正確に設定することは困難である。すなわち、製造上の誤差等を考慮すると、導電性のベルトまたはカーカスコードの一部をループアンテナとして機能させることは、通信品質上好ましい態様とはいい難い。また、特許文献1に開示されている技術においては、電子部品と、導電性の部材としてのベルトまたはカーカスコードとを意図的に電気接触させているが、そのような意図を持っていない場合において、電子部品と、導電性の部材とが電気接触すると、電子部品の性能変化が生じ、電子部品の特性を維持することが困難となる可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、タイヤの剛性を高めつつ、タイヤに配置された電子部品ユニットの特性の低下を抑制することができるタイヤを提供することにある。
本発明のタイヤは、ビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に延出するビードフィラーとを有する一対のビードと、前記ビードフィラーに沿って設けられる補強樹脂層と、前記補強樹脂層と接触して配置された電子部品ユニットと、を備える。
本発明によれば、タイヤの剛性を高めつつ、タイヤに配置された電子部品ユニットの特性の低下を抑制することができる。
第1実施形態に係るタイヤのタイヤ幅方向の半断面を示す図である。 図1のタイヤの部分拡大断面図である。 ビードコアとRFIDタグの距離と、通信距離との関係を示す図である。 上記実施形態の第1変形例に係るタイヤの部分拡大断面図である。 上記実施形態の第2変形例に係るタイヤの部分拡大断面図である。 上記実施形態の第3変形例に係るタイヤの部分拡大断面図である。 上記実施形態の第4変形例に係るタイヤの部分拡大断面図である。 上記実施形態の第5変形例に係るタイヤの部分拡大断面図である。 上記実施形態の第6変形例に係るタイヤの部分拡大断面図である。 上記実施形態の第7変形例に係るタイヤの部分拡大断面図である。 上記実施形態の第8変形例に係るタイヤの部分拡大断面図である。 上記実施形態の第9変形例に係るタイヤの部分拡大断面図である。 第2実施形態に係るタイヤにおける、保護部材によって保護された、RFIDタグを示す図である。 図8Aのb-b断面を示す図である。 図8Aのc-c断面を示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面を示す図である。タイヤ1の基本的な構造は、タイヤ幅方向の断面において左右対称となっているため、ここでは、右半分の断面図を示す。図中、符号S1は、タイヤ赤道面である。タイヤ赤道面S1は、タイヤ回転軸(タイヤ子午線)に直交する面で、かつタイヤ幅方向中心に位置する面である。
ここで、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であり、図1の断面図における紙面左右方向である。図1においては、タイヤ幅方向Xとして図示されている。そして、タイヤ幅方向内側とは、タイヤ赤道面S1に近づく方向であり、図1においては、紙面左側である。タイヤ幅方向外側とは、タイヤ赤道面S1から離れる方向であり、図1においては、紙面右側である。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図1における紙面上下方向である。図1においては、タイヤ径方向Yとして図示されている。そして、タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸から離れる方向であり、図1においては、紙面上側である。タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転軸に近づく方向であり、図1においては、紙面下側である。
なお、図1の断面図は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態のタイヤ幅方向断面図(タイヤ子午線断面図)である。なお、規定リムとは、タイヤサイズに対応してJATMAに定められた標準となるリムを指す。また、規定内圧とは、例えばタイヤが乗用車用である場合には180kPaである。
なお、上述の内容は、図2、4A~6Cについても同様である。
タイヤ1は、例えば乗用車用のタイヤであり、タイヤ幅方向両側に設けられた一対のビード11と、ビード11の各々からタイヤ径方向外側に延びるサイドウォール12と、サイドウォール12の各々のタイヤ径方向外側に連なって踏面(路面との接地面)13Cを構成するタイヤの周方向に延びる環状のトレッド13と、を備える。
図2に、図1に示される本実施形態のタイヤ1における、ビード11およびサイドウォール12のタイヤ径方向内側領域周辺の拡大断面図を示す。
ビード11は、ビードコア21と、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出するビードフィラー22とを備える。
ビードコア21は、ゴムが被覆された金属製のビードワイヤを複数回巻いて形成した環状の部材であり、空気が充填されたタイヤ1を、ホイールのリム(不図示)に固定する役目を果たす部材である。
ビードフィラー22は、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出する、先端先細り形状のゴム部材である。ビードフィラー22は、タイヤ径方向外側端22Aと、タイヤ径方向内側端22Bを有する。ビードフィラー22のタイヤ径方向内側端22Bは、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Aと接触している。ビードフィラー22は、ビード周辺部の剛性を高め、高い操縦性および安定性を確保するために設けられている部材である。ビードフィラー22は、例えば周囲のゴム部材よりも硬度の高いゴムにより構成される。ビードフィラーを構成するゴムのモジュラスは、少なくとも後述のインナーライナー29を構成するゴムおよびサイドウォールゴム30を構成するゴムのモジュラスよりも高い。
タイヤ1の内部には、一対のビード11間を架け渡されたカーカスプライ23が埋設されている。カーカスプライ23は、タイヤ1の骨格となるプライを構成しており、一対のビード11間を、一対のサイドウォール12およびトレッド13を通過する態様で、タイヤ1内に埋設されている。
カーカスプライ23は、一方のビードコア21から他方のビードコア21に延び、トレッド13とビード11との間を延在するプライ本体24と、ビードコア21の周りで折り返されているプライ折り返し部25とを備える。本実施形態においては、プライ折り返し部25は、サイドウォール12の領域において、プライ本体24に重ね合わされている。プライ折り返し部25は、端部25Aを有する。本実施形態においては、プライ折り返し部25の端部25Aは、サイドウォール12の領域に位置している。
カーカスプライ23は、タイヤ幅方向に延びる複数のプライコードにより構成されている。また、複数のプライコードは、タイヤ周方向に並んで配列されている。このプライコードは、ポリエステルやポリアミド等の絶縁性の有機繊維コード等により構成されており、トッピングゴムにより被覆されている。
なお、本実施形態のカーカスプライ23は、1層のプライ本体24を備える1層構造のカーカスプライ23である。しかしながら、カーカスプライ23は、複数層のプライ本体24を備える複数層構造のカーカスプライ23であってもよい。
ビード11は、チェーハー31と、チェーハー31のタイヤ幅方向外側に配置されたリムストリップゴム32と、補強樹脂層50と、をさらに備える。
チェーハー31は、ビードコア21周りに設けられたカーカスプライ23を覆うように設けられている。より詳細には、チェーハー31は、ビードコア21周辺のカーカスプライ23のタイヤ幅方向内側、タイヤ径方向内側、タイヤ幅方向外側を覆うように設けられている。チェーハー31は、プライ本体24のタイヤ幅方向内側に配置された第1の端部31Aと、カーカスプライ23のプライ折り返し部25のタイヤ幅方向外側に配置された第2の端部31Bと、を有する。チェーハー31は、例えば繊維を練り込んだゴムや、モジュラスの高いゴムにより構成されており、タイヤ1を構成する構成部材の中で、比較的強度が高い。例えば、後述のインナーライナー29やサイドウォールゴム30よりも強度が高い。
リムストリップゴム32は、チェーハー31およびカーカスプライ23のプライ折り返し部25のタイヤ幅方向外側に配置されており、ホイールにタイヤ1が装着される際に、そのタイヤ幅方向外側が、ホイールのリム(不図示)と接触するゴム部材である。リムストリップゴム32は、タイヤ径方向外側端32Aと、タイヤ径方向内側端32Bを有する。このリムストリップゴム32のタイヤ径方向外側は、サイドウォールゴム30に連接している。
補強樹脂層50は、ビードフィラー22に沿って設けられている。より詳細には、補強樹脂層50は、ビードフィラー22と、カーカスプライ23との間に配置されている。本実施形態においては、補強樹脂層50は、カーカスプライ23のプライ折り返し部25と、ビードフィラー22のタイヤ幅方向外側との間に配置されている。補強樹脂層50は、ビード11付近を補強し、タイヤの剛性を高める機能を有する。
補強樹脂層50は、タイヤ径方向外側端50Aと、タイヤ径方向内側端50Bを有する。本実施形態においては、補強樹脂層50のタイヤ径方向外側端50Aは、ビードフィラー22のタイヤ径方向外側端22Aよりもタイヤ径方向外側であって、プライ折り返し部25の端部25Aよりもタイヤ径方向内側に位置している。補強樹脂層50は、ビードコア21のタイヤ幅方向外側とプライ折り返し部25との間に挟まれて配置されている部分と、ビードフィラー22のタイヤ幅方向外側とプライ折り返し部25との間に挟まれて配置されている部分と、を有する。本実施形態においては、補強樹脂層50はさらに、プライ本体24とプライ折り返し部25との間に挟まれて配置されている部分を有する。本実施形態においては、補強樹脂層50は、少なくとも一部がビードコア21と接している。補強樹脂層50は、少なくとも一部がビードフィラー22と接している。補強樹脂層50は、少なくとも一部がカーカスプライ23と接している。より詳細には、補強樹脂層50は、少なくとも一部がプライ折り返し部25と接している。また、補強樹脂層50は、少なくとも一部がプライ本体24と接している。
なお、補強樹脂層50のタイヤ径方向外側端50Aは、ビードフィラー22のタイヤ径方向外側端22Aよりもタイヤ径方向内側に位置していてもよい。補強樹脂層50のタイヤ径方向外側端50Aは、ビードフィラー22のタイヤ径方向外側端22Aを基準として、タイヤ径方向に±20mmの範囲内に位置していることが好ましい。これにより、ビード11付近を適切に補強することができる。
補強樹脂層50は、樹脂材料により構成されている。補強樹脂層50を構成する樹脂材料に含まれる樹脂成分としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂などを用いることができる。熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマーなどを用いることができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などを用いることができる。これらの樹脂成分は、単独で用いられてもよいし、複数種の樹脂成分が組み合わせられて用いられてもよい。
なお、補強樹脂層50を構成する樹脂材料には、本実施形態の効果を損なわない範囲内で、充填剤や可塑剤等の添加剤が含まれていてもよい。添加剤は、導電性の成分を含んでいない添加剤であることが好ましい。
なお、補強樹脂層50は、内部構造が一様な樹脂材料によるシート状の部材により構成されていることが好ましい。補強樹脂層50は、1枚の上述のシート状の部材により構成される単層構造であってもよいし、複数枚の上述のシート状の部材を重ねて構成される複数層構造であってもよい。複数層構造の場合は、各層のシート状の部材を構成する樹脂材料は、異なる樹脂材料であってもよい。
なお、補強樹脂層50を構成する樹脂材料としては、タイヤの製造工程における加硫時の加硫温度に耐えられるような耐熱性を有する樹脂材料が用いられる。
このような補強樹脂層50を設けることにより、例えばこの部分に金属コードを有する金属製の部材を設けることなく、ビード11付近を補強することができる。よって、タイヤの重量増加による転がり抵抗の低下を抑制しつつ、タイヤの剛性を高め、操縦安定性を向上させることができる。
サイドウォール12は、カーカスプライ23の幅方向外側に配置されたサイドウォールゴム30を備える。
サイドウォールゴム30は、タイヤ1の外壁面を構成するゴム部材である。サイドウォールゴム30は、タイヤ径方向外側端30Aと、タイヤ径方向内側端30Bを有する。このサイドウォールゴム30は、タイヤ1がクッション作用をする際に最もたわむ部分であり、通常、耐疲労性を有する柔軟なゴムが採用される。
トレッド13は、カーカスプライ23のタイヤ径方向外側に配置されたベルトとしてのスチールベルト26と、スチールベルト26のタイヤ径方向外側に配置されたキャッププライ27と、キャッププライ27のタイヤ径方向外側に配置されたトレッドゴム28と、を備える。
スチールベルト26は、ゴムで被覆された複数のスチールコードにより構成されている。スチールベルト26を設けることにより、タイヤ1の剛性が確保され、トレッド13と路面の接地状態が良くなる。本実施形態においては、2層構造のスチールベルト(内側のスチールベルト261と外側のスチールベルト262)が設けられているが、積層されるスチールベルト26の枚数はこれに限らない。なお、スチールコードを用いたスチールベルト26に替えて、アラミド繊維を用いたタイヤコード等を用いたベルトを用いてもよい。なお、本実施形態の2層構造のスチールベルト26は、内側のスチールベルト261が外側のスチールベルト262よりも幅広である。したがって、内側のスチールベルト261のタイヤ幅方向外側端が、スチールベルト26のタイヤ幅方向外側端26Aを構成する。
キャッププライ27は、スチールベルト26のタイヤ径方向外側に配置された部材であり、ベルト補強層としての機能を有する。キャッププライ27は、ポリアミド繊維等の絶縁性の有機繊維層により構成されており、トッピングゴムにより被覆されている。キャッププライ27を設けることにより、耐久性の向上、走行時のロードノイズの低減を図ることができる。本実施形態においては、キャッププライ27のタイヤ幅方向外側端27Aは、スチールベルト26のタイヤ幅方向外側端26Aよりもタイヤ幅方向外側に延出している。
トレッドゴム28は、踏面(路面との接地面)13Cを構成する部材である。トレッドゴム28は、タイヤ幅方向外側端28Aを有する。トレッドゴム28の踏面13Cには、複数の溝で構成されるトレッドパターン(不図示)が設けられている。
ビード11、サイドウォール12、トレッド13において、カーカスプライ23のタイヤ内腔側には、タイヤ1の内壁面を構成するゴム層としてのインナーライナー29が設けられている。インナーライナー29は、耐空気透過性ゴムにより構成されており、タイヤ内腔内の空気が外部に漏れるのを防ぐ。
ここで、図1に示されるように、サイドウォール12のサイドウォールゴム30は、トレッド13に向かって延出している。一方、トレッド13のトレッドゴム28は、サイドウォール12に向かって延出している。その結果、カーカスプライ23の一部領域のタイヤ外表面側において、トレッドゴム28と、サイドウォールゴム30とが積層された状態となっている。より詳細には、サイドウォールゴム30とトレッドゴム28とが共に存在する領域、すなわちサイドウォール12とトレッド13の移行領域において、カーカスプライ23のタイヤ外表面側に、サイドウォールゴム30と、トレッドゴム28とが、順に積層された状態となっている。
図1および図2に示されるように、ビード11およびサイドウォール12におけるカーカスプライ23のタイヤ幅方向外側には、リムストリップゴム32と、リムストリップゴム32のタイヤ径方向外側に配置されたサイドウォールゴム30とが配置されている。
また、図1および図2に示されるように、ビード11とサイドウォール12の移行領域付近においては、カーカスプライ23のタイヤ外表面側に、リムストリップゴム32とサイドウォールゴム30とが、順に積層された状態となっている。
また、図1および図2に示されるように、チェーハー31の第1の端部31Aは、カーカスプライ23のプライ本体24とインナーライナー29との間に挟まれるように配置されている。チェーハー31の第2の端部31Bは、カーカスプライ23のプライ折り返し部25とリムストリップゴム32との間に挟まれるように配置されている。
本実施形態のタイヤ1には、電子部品ユニットとしての、RFIDタグ40が埋設されている。RFIDタグ40は、RFIDチップと、外部機器と通信を行うためのアンテナとを備えた、パッシブ型のトランスポンダであり、外部機器としての図示しないリーダとの間で無線通信を行う。アンテナとしては、コイル状のスプリングアンテナ、板状のアンテナ、棒状の各種のアンテナが用いられる。例えば、フレキシブル基板に対して所定のパターンをプリントすることによって形成したアンテナであってもよい。アンテナは、使用する周波数帯域等に応じて、最適化されたアンテナ長さに設定されている。RFIDチップ内の記憶部には、製造番号、部品番号等の識別情報が格納されている。
図1、図2に示されるように、RFIDタグ40は、補強樹脂層50と接触して配置されている。この構成により、RFIDタグ40は、補強樹脂層によって移動が規制されるため、走行時のタイヤの歪み等の影響を受けにくくなる。よって、追加の部品を用いることなく、RFIDタグ40の耐久性を向上させることができる。また、本実施形態によれば、衝撃保護性も向上する。すなわち、タイヤが外部から衝撃を受けたとしても、タイヤ1の外壁面とRFIDタグ40との間に繊維層としてのカーカスプライ23のプライ折り返し部25が存在するため、RFIDタグ40は保護される。
また、この部分の補強層を、金属コードを有する補強層ではなく、補強樹脂層50によって構成することにより、金属部材が近くにあることによって生じ得る、RFIDタグ40の性能の低下、例えば通信品質の低下を抑制することができる。また、ビードを補強する構造の軽量化を実現することができる。
本実施形態においては、具体的には、RFIDタグ40は、補強樹脂層50とプライ折り返し部25との間に配置されている。RFIDタグ40は、プライ折り返し部25とも接している。このように、RFIDタグ40が補強樹脂層50と繊維層であるプライ折り返し部25との間に設けられているため、RFIDタグ40の周辺は変形が少なく、応力が集中しにくい。よって、RFIDタグ40が破損しにくい。なお、本実施形態においては、RFIDタグ40のタイヤ幅方向外側に配置されているタイヤ外表面を構成するゴム部材は、サイドウォールゴム30となっている。
RFIDタグ40は、少なくともその一部が、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Aからタイヤ径方向外側に5mmの位置よりも、タイヤ径方向外側に配置されていることが好ましい。さらに好ましくは、RFIDタグ40のアンテナを含む全ての部分が、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Aからタイヤ径方向外側に5mmの位置よりも、タイヤ径方向外側に配置される。すなわち、本実施形態のRFIDタグ40は、図1および図2に示すように、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Aと、そこからタイヤ径方向外側に5mmの位置までの範囲を示す範囲L1よりも、タイヤ径方向外側に配置されることが好ましい。
図3は、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21AとRFIDタグ40の離間距離に対する通信距離の関係を調べた結果を示している。なお、縦軸の通信距離は、最長通信距離を100として通信距離を指数化したものである。この値としては40以上であればよく、好ましくは60以上、さらに好ましくは80以上である。
ビードコア21は、金属製のビードワイヤを積層巻回して環状に形成されていることから、通信に対して悪影響をおよぼす可能性が特に高い金属部材である。図3より、RFIDタグ40を、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Aから5mm以上離して配置すると、好ましい通信距離が得られることが分かる。また、RFIDタグ40を、ビードコア21のタイヤ径方向外側端21Aから10mm以上離して配置すると、より好ましい通信距離が得られることが分かる。
ここで、本実施形態のタイヤ1の製造方法について説明する。RFIDタグ40は、タイヤ1の製造工程において、加硫工程の前にタイヤ構成部材に取り付けられる。
まず、補強樹脂層50を構成する樹脂材料の樹脂成分が熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーの場合について説明する。
この場合、補強樹脂層50は、押し出し成型やプレス成型などの各種の成型手法等を用いて、予めシート状に形成される。
RFIDタグ40は、予めシート状に形成された補強樹脂層50またはプライ折り返し部25に貼り付けられる。このとき、補強樹脂層50またはプライ折り返し部25は剛性を有するため、RFIDタグ40の貼り付け作業は容易である。その後、RFIDタグ40は、補強樹脂層50とプライ折り返し部25との間に挟み込まれる。また、これに加硫前のタイヤを構成するゴム部材も組みつけられ、生タイヤが形成される。その後、RFIDタグ40が埋設された生タイヤは、加硫工程において加硫される。このような工程により、RFIDタグ40と、補強樹脂層50とが接触した状態となっているタイヤ1が製造される。
タイヤ1の製造方法は、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを成分として含む補強樹脂層50を予めシート状に形成する工程と、予めシート状に形成された補強樹脂層50と接触するように電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40を配置する工程と、補強樹脂層50と、補強樹脂層50と接触して配置されたRFIDタグ40と、加硫前のゴム部材とを含む生タイヤを形成する工程と、生タイヤを加硫する工程と、を含んでいてもよい。これにより、本実施形態のタイヤ1を製造することができる。
次に、補強樹脂層50を構成する樹脂材料の樹脂成分が熱硬化性樹脂の場合について説明する。
この場合は、硬化前の例えばゲル状の熱硬化性樹脂が、ビードフィラー22のタイヤ幅方向外側の表面に塗布される。
その後、RFIDタグ40が、塗布された硬化前の熱硬化性樹脂の表面上に配置される。このとき、硬化前の熱硬化性樹脂が粘着性を有する場合は、RFIDタグ40の貼り付け作業が容易である。その後、プライ折り返し部25が、硬化前の熱可塑性樹脂を介して、ビードフィラー22に貼り付けられる。これにより、RFIDタグ40は、補強樹脂層50となる硬化前の熱硬化性樹脂とプライ折り返し部25との間に配置される。また、これに加えて、加硫前のタイヤを構成するゴム部材も組みつけられ、生タイヤが形成される。その後、RFIDタグ40が埋設された生タイヤは、加硫工程において加硫される。この加硫工程の際に、生タイヤ内の熱硬化性樹脂は同時に硬化され、加熱硬化後の熱硬化性樹脂となる。このような工程により、RFIDタグ40と、補強樹脂層50とが接触した状態となっているタイヤ1が製造される。
なお、補強樹脂層50を構成する樹脂材料の樹脂成分が熱硬化性樹脂の場合は、以下のような製造工程を採用してもよい。
まず、プライ折り返し部25のタイヤ幅方向内側の表面にRFIDタグ40が貼り付けられる。その後、プライ折り返し部25のタイヤ幅方向内側に、RFIDタグ40も覆うように、硬化前の熱硬化性樹脂が塗布される。その後、硬化前の熱硬化性樹脂が塗布されたプライ折り返し部25が、ビードフィラー22に貼り付けられる。これにより、RFIDタグ40は、補強樹脂層50となる硬化前の熱硬化性樹脂とプライ折り返し部25との間に配置される。また、これに加えて、加硫前のタイヤを構成するゴム部材も組みつけられ、生タイヤが形成される。その後、RFIDタグ40が埋設された生タイヤは、加硫工程において加硫される。この加硫工程の際に、生タイヤ内の熱硬化性樹脂は同時に硬化され、加熱硬化後の熱硬化性樹脂となる。このような工程により、RFIDタグ40と、補強樹脂層50とが接触した状態となっているタイヤ1が製造される。
タイヤ1の製造方法は、硬化前の熱可塑性樹脂をタイヤ構成部材に塗布する工程と、硬化前の熱可塑性樹脂と接触するように電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40を配置する工程と、硬化前の熱可塑性樹脂と、硬化前の熱可塑性樹脂と接触して配置されたRFIDタグ40と、加硫前のゴム部材とを含む生タイヤを形成する工程と、生タイヤを加硫する工程と、を含み、生タイヤを加硫する工程において、生タイヤ内の熱可塑性樹脂を加熱硬化して、補強樹脂層50を形成してもよい。これにより、本実施形態のタイヤ1を製造することができる。
また、タイヤ1の製造方法は、電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40をタイヤ構成部材に配置する工程と、RFIDタグ40を覆うように硬化前の熱可塑性樹脂をタイヤ構成部材に塗布する工程と、硬化前の熱可塑性樹脂と、硬化前の熱可塑性樹脂と接触して配置されたRFIDタグ40と、加硫前のゴム部材とを含む生タイヤを形成する工程と、生タイヤを加硫する工程と、を含み、生タイヤを加硫する工程において、生タイヤ内の熱可塑性樹脂を加熱硬化して、補強樹脂層50を形成してもよい。これにより、本実施形態のタイヤ1を製造することができる。
なお、タイヤに埋設するRFIDタグ40は、後述する図8A、8BにおいてRFIDタグ40として示されるように、アンテナを含めると、長手方向を有することが多い。このようなRFIDタグ40は、その長手方向が、タイヤの周方向またはタイヤの周方向に対して接線の方向、すなわち図1、図2の断面図において紙面に直交する方向となるように、タイヤ1に埋設することが好ましい。このように埋設することで、タイヤが変形したときにおいても、RFIDタグ40に応力がかかりにくい。
なお、本実施形態においては、電子部品ユニットとして、RFIDタグ40がタイヤに埋設されているが、タイヤに埋設される電子部品ユニットは、RFIDタグに限らない。例えば、無線通信を行うセンサ等の各種の電子部品ユニットであってもよい。また、電子部品ユニットを構成する電子部品は、導電性の部材と電気接触すると、電子部品の性能変化が生じ、電子部品の特性を維持することが困難となる可能性がある。また、電子部品は、過度な応力がかかることにより、破損する可能性がある。よって、種々の電子部品ユニットをタイヤに埋設する場合においても、本発明の効果を得ることができる。例えば電子部品ユニットは、圧電素子や、歪センサであってもよい。
図4Aは、本実施形態の第1変形例におけるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面の部分拡大断面図である。
本変形例においても、RFIDタグ40は、補強樹脂層50とプライ折り返し部25との間に配置されている。RFIDタグ40は、補強樹脂層50と、プライ折り返し部25に接している。ただし、図1、図2の実施形態と比較すると、RFIDタグ40が、タイヤ径方向内側寄りに配置されている。この場合であっても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本変形例においては、RFIDタグ40のタイヤ幅方向外側に、プライ折り返し部25に加えて、サイドウォールゴム30よりもモジュラスの高いリムストリップゴム32と、サイドウォールゴム30とが順に積層されて配置されている。よって、タイヤ径方向外側から外力が加わった場合において、より確実にRFIDタグ40が保護される。
図4Bは、本実施形態の第2変形例におけるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面の部分拡大断面図である。
本変形例においても、RFIDタグ40は、補強樹脂層50とプライ折り返し部25との間に配置されている。RFIDタグ40は、補強樹脂層50と、プライ折り返し部25に接している。ただし、第1変形例と比べて、RFIDタグ40が、さらにタイヤ径方向内側寄りに配置されている。この場合であっても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本変形例においては、RFIDタグ40のタイヤ幅方向外側に、プライ折り返し部25に加えて、チェーハー31と、リムストリップゴム32とが順に積層されて配置されている。よって、タイヤ径方向外側から外力が加わった場合において、さらに確実にRFIDタグ40が保護される。
図5Aは、本実施形態の第3変形例におけるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面の部分拡大断面図である。
本変形例においては、RFIDタグ40は、補強樹脂層50とビードフィラー22との間に配置されている。RFIDタグ40は、補強樹脂層50と、ビードフィラー22に接している。
本変形例においても、RFIDタグ40は、補強樹脂層50と接触して配置されているため、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
また、本変形例においては、RFIDタグ40が高モジュラスのビードフィラー22と補強樹脂層50の間に設けられているため、RFIDタグ40の周辺は変形が少なく、応力が集中しにくい。よって、RFIDタグ40が破損しにくい。そして、タイヤ1の外壁面とRFIDタグ40との間には、繊維層としてのプライ折り返し部25および補強樹脂層50が存在するため、RFIDタグ40は保護される。
図5Bは、本実施形態の第4変形例におけるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面の部分拡大断面図である。
本変形例においても、RFIDタグ40は、補強樹脂層50とビードフィラー22との間に配置されている。RFIDタグ40は、補強樹脂層50と、ビードフィラー22に接している。ただし、第3変形例と比べて、RFIDタグ40が、タイヤ径方向内側寄りに配置されている。この場合であっても、第3変形例と同様の効果が得られる。さらに、本変形例においては、RFIDタグ40のタイヤ幅方向外側に、補強樹脂層50およびプライ折り返し部25に加えて、サイドウォールゴム30よりもモジュラスの高いリムストリップゴム32と、サイドウォールゴム30とが順に積層されて配置されている。よって、タイヤ径方向外側から外力が加わった場合において、より確実にRFIDタグ40が保護される。
図5Cは、本実施形態の第5変形例におけるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面の部分拡大断面図である。
本変形例においても、RFIDタグ40は、補強樹脂層50とビードフィラー22との間に配置されている。RFIDタグ40は、補強樹脂層50と、ビードフィラー22に接している。ただし、第4変形例と比べて、RFIDタグ40が、さらにタイヤ径方向内側寄りに配置されている。この場合であっても、第3変形例と同様の効果が得られる。さらに、本変形例においては、RFIDタグ40のタイヤ幅方向外側に、補強樹脂層50およびプライ折り返し部25に加えて、チェーハー31と、リムストリップゴム32とが順に積層されて配置されている。よって、タイヤ径方向外側から外力が加わった場合において、さらに確実にRFIDタグ40が保護される。
図6Aは、本実施形態の第6変形例におけるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面の部分拡大断面図である。
本変形例においては、RFIDタグ40は、補強樹脂層50に埋設されている。
本変形例においても、RFIDタグ40は、補強樹脂層50と接触して配置されているため、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
また、本変形例においては、RFIDタグ40が補強樹脂層50に埋設されているため、RFIDタグ40の周辺は変形が少なく、応力が集中しにくい。よって、RFIDタグ40が破損しにくい。
なお、補強樹脂層50を構成する樹脂材料の樹脂成分が熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーの場合、補強樹脂層50を予めシート状に形成する際に、RFIDタグ40をこのシート状の補強樹脂層50内に埋め込んでもよい。例えば、2枚のシート状の部材の間にRFIDタグ40を挟み込んで、RFIDタグ40が埋設された補強樹脂層50を形成してもよい。
なお、補強樹脂層50を構成する樹脂材料の樹脂成分が熱硬化性樹脂の場合、ビードフィラー22またはプライ折り返し部25に、例えば硬化前の熱硬化性樹脂を塗布する際に、RFIDタグ40を配置し、補強樹脂層50にRFIDタグ40を埋設してもよい。
タイヤ1の製造方法は、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを成分として含むシート状の補強樹脂層50に電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40を埋設する工程と、RFIDタグ40が埋設されたシート状の補強樹脂層50と、加硫前のゴム部材とを含む生タイヤを形成する工程と、生タイヤを加硫する工程と、を含んでいてもよい。
また、タイヤ1の製造方法は、硬化前の熱可塑性樹脂をタイヤ構成部材に塗布する際に、硬化前の熱可塑性樹脂と接触するように電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40を配置する工程と、硬化前の熱可塑性樹脂と、硬化前の熱可塑性樹脂と接触して配置されたRFIDタグ40と、加硫前のゴム部材とを含む生タイヤを形成する工程と、生タイヤを加硫する工程と、を含み、生タイヤを加硫する工程において、生タイヤ内の熱可塑性樹脂を加熱硬化して、補強樹脂層50を形成してもよい。
図6Bは、本実施形態の第7変形例におけるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面の部分拡大断面図である。
本変形例においても、RFIDタグ40は、補強樹脂層50に埋設されている。ただし、第6変形例と比べて、RFIDタグ40が、タイヤ径方向内側寄りに配置されている。この場合であっても、第6変形例と同様の効果が得られる。さらに、本変形例においては、RFIDタグ40のタイヤ幅方向外側に、プライ折り返し部25に加えて、サイドウォールゴム30よりもモジュラスの高いリムストリップゴム32と、サイドウォールゴム30とが順に積層されて配置されている。よって、タイヤ径方向外側から外力が加わった場合において、より確実にRFIDタグ40が保護される。
図6Cは、本実施形態の第8変形例におけるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面の部分拡大断面図である。
本変形例においても、RFIDタグ40は、補強樹脂層50に埋設されている。ただし、第7変形例と比べて、RFIDタグ40が、さらにタイヤ径方向内側寄りに配置されている。この場合であっても、第6変形例と同様の効果が得られる。さらに、本変形例においては、RFIDタグ40のタイヤ幅方向外側に、プライ折り返し部25に加えて、チェーハー31と、リムストリップゴム32とが順に積層されて配置されている。よって、タイヤ径方向外側から外力が加わった場合において、さらに確実にRFIDタグ40が保護される。
図7は、本実施形態の第9変形例におけるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面の部分拡大断面図である。
本変形例においては、補強樹脂層50が、プライ本体24とビードフィラー22との間に設けられている。そして、RFIDタグ40は、補強樹脂層50とプライ本体24との間に配置されている。
なお、本変形例においては、補強樹脂層50は、少なくとも一部がビードコア21と接している。補強樹脂層50は、少なくとも一部がビードフィラー22と接している。補強樹脂層50は、少なくとも一部がカーカスプライ23と接している。より詳細には、補強樹脂層50は、少なくとも一部がプライ本体24と接している。また、補強樹脂層50は、少なくとも一部がプライ折り返し部25と接している。そして、RFIDタグ40は、補強樹脂層50と、プライ本体24に接している。
本変形例においても、RFIDタグ40は、補強樹脂層50と接触して配置されているため、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
また、本変形例においては、RFIDタグ40が補強樹脂層50と繊維層であるプライ本体24との間に設けられているため、RFIDタグ40の周辺は変形が少なく、応力が集中しにくい。よって、RFIDタグ40が破損しにくい。そして、タイヤ1の外壁面とRFIDタグ40との間に繊維層としてのカーカスプライ23のプライ折り返し部25と、ビードフィラー22と、補強樹脂層50とが存在するため、RFIDタグ40は保護される。
なお、タイヤ径方向における、RFIDタグ40の配置位置は、図7の位置に限らない。タイヤ径方向における、RFIDタグ40の配置位置は、図2のRFIDタグ40の配置位置に対応するようなタイヤ径方向位置であってもよいし、図4AのRFIDタグ40の配置位置に対応するようなタイヤ径方向位置であってもよいし、図4BのRFIDタグ40の配置位置に対応するようなタイヤ径方向位置であってもよい。これらのタイヤ径方向における、RFIDタグ40の配置位置に応じて、本実施形態の効果に加えて、第1変形例または第2変形例と類似の効果も得られる。
なお、補強樹脂層50が、プライ本体24とビードフィラー22との間に設けられている場合において、RFIDタグ40の配置位置は、補強樹脂層50とプライ本体24との間に限らない。例えば、RFIDタグ40は、補強樹脂層50とビードフィラー22との間に配置されていてもよい。この場合、タイヤ径方向における、RFIDタグ40の配置位置に応じて、第3変形例~第5変形例と類似の効果も得られる。また、RFIDタグ40は、補強樹脂層50に埋設されていてもよい。この場合、タイヤ径方向における、RFIDタグ40の配置位置に応じて、第6変形例~第8変形例と類似の効果も得られる。
本実施形態のタイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係るタイヤ1は、ビードコア21と、ビードコア21のタイヤ径方向外側に延出するビードフィラー22とを有する一対のビード11と、ビードフィラー22に沿って設けられる補強樹脂層50と、補強樹脂層50と接触して配置された電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40と、を備える。このように、補強樹脂層50を配置することにより、追加の金属コード層を設けることなく、タイヤ1の剛性を高めることができる。また、補強層を樹脂材料で構成することにより、ビードを補強する構造の軽量化が可能となる。さらに、追加の金属コード層を設ける必要がないため、金属部品の影響による電子部品ユニットの特性の低下を抑制することができる。例えば、RFIDタグ40の通信品質の低下が抑制される。
(2)本実施形態に係るタイヤ1は、一方のビード11から他方のビード11に延びるプライ本体24と、ビード11で折り返されるプライ折り返し部25と、を備えるカーカスプライ23をさらに備え、補強樹脂層50は、カーカスプライ23とビードフィラー22との間に設けられている。このような構成であっても、タイヤ1の剛性を高めつつ、タイヤ1に配置されたRFIDタグ40の特性の低下を抑制することができる。
(3)本実施形態に係るタイヤ1は、補強樹脂層50が、プライ折り返し部25とビードフィラー22との間に設けられ、電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40は、補強樹脂層50とプライ折り返し部25との間に配置されている。このように、RFIDタグ40が補強樹脂層50と繊維層であるプライ折り返し部25との間に設けられることにより、RFIDタグ40が適切に保護される。
(4)本実施形態に係るタイヤ1は、補強樹脂層50が、プライ本体24とビードフィラー22との間に設けられ、電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40は、補強樹脂層50とプライ本体24との間に配置されている。このように、RFIDタグ40が補強樹脂層50と繊維層であるプライ本体24との間に設けられることにより、RFIDタグ40が適切に保護される。
(5)本実施形態に係るタイヤ1の電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40は、補強樹脂層50とビードフィラー22との間に配置されている。このように、RFIDタグ40が高モジュラスのビードフィラー22と補強樹脂層50の間に設けられることにより、RFIDタグ40が適切に保護される。
(6)本実施形態に係るタイヤ1の電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40は、補強樹脂層に埋設されている。このように、RFIDタグ40が補強樹脂層50に埋設されることにより、RFIDタグ40が適切に保護される。
(7)本実施形態に係るタイヤ1は、補強樹脂層50のタイヤ径方向外側端50Aが、ビードフィラー22のタイヤ径方向外側端22Aを基準として、タイヤ径方向に±20mmの範囲内に位置している。これにより、ビード部周辺のタイヤ1の剛性を高めることができる。
(8)本実施形態に係るタイヤ1は、補強樹脂層50のタイヤ径方向外側端50Aが、ビードフィラー22のタイヤ径方向外側端22Aよりもタイヤ径方向外側に位置している。これにより、サイドウォール12の領域も含めたタイヤ1の剛性を高めることができる。
(9)本実施形態に係るタイヤ1の電子部品ユニットとしてのRFIDタグ40は、少なくともその一部が、前記ビードコアのタイヤ径方向外側端からタイヤ径方向外側に5mmの位置よりも、タイヤ径方向外側に配置されている。これにより、RFIDタグ40に対するビードコア21の影響を抑制することが可能となり、外部とRFIDタグ40との好適な通信性を確保することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るタイヤ1について、図8A~8Cを参照しながら説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、また詳細な説明を省略する。本実施形態の電子部品ユニットは、RFIDタグ40と、RFIDタグ40を被覆するゴムシートにより構成される保護部材43と、によって構成されている。
図8Aは、ゴムシートにより構成される保護部材43によって被覆された、RFIDタグ40を示す図である。図8Aでは、RFIDタグ40は後述するゴムシート431に覆われて隠れている。図8Bは図8Aのb-b断面図、図8Cは図8Aのc-c断面図である。本実施形態においては、図8A~図8Cに示されるように、RFIDタグ40は保護部材43により被覆されている。
RFIDタグ40は、RFIDチップ41と、外部機器と通信を行うためのアンテナ42とを備えている。アンテナ42としては、前述のとおり、コイル状のスプリングアンテナ、板状のアンテナ、棒状の各種のアンテナが用いられる。例えば、フレキシブル基板に対して所定のパターンをプリントすることによって形成したアンテナであってもよい。通信性および柔軟性を考慮すると、コイル状のスプリングアンテナが最も好ましい。
保護部材43は、RFIDタグ40を挟み込んで保護する2枚のゴムシート431、432により構成されている。
保護部材43は、例えば所定のモジュラスのゴムにより構成されている。ここで、モジュラスは、JIS K6251:2010の「3.7 所定伸び引張り応力(stress at a given elongation),S」に準拠して測定された、23℃の雰囲気下における100%伸長モジュラス(M100)を指す。
保護部材43に採用するゴムとしては、少なくともサイドウォールゴム30よりもモジュラスが高いゴムを用いる。
例えば、保護部材43に用いられるゴムとしては、サイドウォールゴム30のモジュラスを基準として、その1.1倍~2倍のモジュラスのゴムを用いることがより好ましい。
また、保護部材43を、短繊維フィラー混合ゴムにより構成してもよい。短繊維フィラーとしては、例えば、アラミド短繊維やセルロース短繊維といった有機短繊維、アルミナ短繊維等のセラミックス短繊維やガラス短繊維といった無機短繊維のような、絶縁性の短繊維を用いることができる。ゴムにこのような短繊維フィラーを混合することにより、ゴムの強度を高めることができる。また、保護部材43として、加硫後の状態のゴムシートを用いてもよい。加硫後の状態のゴムシートは、生ゴムのように塑性変形しないため、RFIDタグ40を適切に保護することができる。
また、保護部材43として、ポリエステル繊維やポリアミド繊維等による有機繊維層を設けてもよい。2枚のゴムシート431、432に、有機繊維層を埋設することも可能である。
このように、保護部材43を、2枚のゴムシート431、432によって構成すれば、保護部材43を含むRFIDタグ40を薄く形成できるので、タイヤ1に埋設する上で好適である。また、加硫前のタイヤ1の構成部材にRFIDタグ40を組み付けるときにおいて、ゴムシート431、432によって被覆されたRFIDタグ40は、非常に簡便に装着することができる。例えば、加硫前のゴムを有するタイヤ構成部材の所望の位置に、ゴムシート431、432によって被覆されたRFIDタグ40を、生ゴムの粘着性を利用して適切に貼り付けることができる。また、ゴムシート431、432も加硫前の生ゴムとすることにより、ゴムシート431、432自身の粘着性も用いて、より簡便に貼り付けることができる。
但し、保護部材43は、2枚のゴムシート431、432によって構成される態様に限らず、種々の態様を採用することができる。例えば、保護部材を構成するゴムシートは、RFIDタグ40の少なくとも一部を覆っていれば、製造工程における作業性の向上や応力緩和などの効果が得られる。また、例えば、RFIDタグ40の全周に亘って1枚のゴムシートを巻き付ける構成や、RFIDタグ40の全周に亘って、粘度の高いポッティング剤の態様の保護部材を付着させた構成であってもよい。このような構成であっても、RFIDタグ40を適切に保護することができる。
なお、保護部材43に被覆されたRFIDタグ40は、その長手方向が、タイヤ1の周方向またはタイヤ1の周方向に対して接線の方向、すなわち図1~図2、図4A~図6C、図7の断面図において紙面に直交する方向となるように、タイヤ1に埋設されている。製造工程においては、ゴムシート431、432のいずれか一方の一面が、加硫前のタイヤ1の構成部材に貼り付けられてもよい。
このような態様とすることで、タイヤ1が変形したときにおいても、RFIDタグ40に応力がかかりにくい。また、製造工程において、保護部材43に被覆されたRFIDタグ40を取り付ける作業が簡便となる。
本実施形態に係るタイヤ1によれば、上記(1)~(9)に加えて以下の効果を奏する。
(10)本実施形態においては、RFIDタグ40が、ゴムシート431、432により被覆されている。これにより、製造工程における作業性が向上する。また、RFIDタグ40にかかる応力を緩和する効果などが得られる。
なお、本発明のタイヤは、乗用車、ライトトラック、トラック、バス等の各種タイヤとして採用することができるが、特に乗用車用のタイヤとして好適である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に含まれる。
1 タイヤ
11 ビード
12 サイドウォール
13 トレッド
21 ビードコア
22 ビードフィラー
22A タイヤ径方向外側端
23 カーカスプライ
24 プライ本体
25 プライ折り返し部
26 スチールベルト
27 キャッププライ
28 トレッドゴム
29 インナーライナー
30 サイドウォールゴム
31 チェーハー
32 リムストリップゴム
40 RFIDタグ(電子部品ユニット)
42 アンテナ
43 保護部材
50 補強樹脂層
50A タイヤ径方向外側端

Claims (9)

  1. ビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側に延出するビードフィラーとを有する一対のビードと、
    前記ビードフィラーに沿って設けられる補強樹脂層と、
    前記補強樹脂層と接触して配置された電子部品ユニットと、を備えるタイヤ。
  2. 一方のビードから他方のビードに延びるプライ本体と、前記ビードで折り返されるプライ折り返し部と、を備えるカーカスプライをさらに備え、
    前記補強樹脂層は、前記カーカスプライと前記ビードフィラーとの間に設けられている、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記補強樹脂層は、前記プライ折り返し部と前記ビードフィラーとの間に設けられ、
    前記電子部品ユニットは、前記補強樹脂層と前記プライ折り返し部との間に配置されている、請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記補強樹脂層は、前記プライ本体と前記ビードフィラーとの間に設けられ、
    前記電子部品ユニットは、前記補強樹脂層と前記プライ本体との間に配置されている、請求項2に記載のタイヤ。
  5. 前記電子部品ユニットは、前記補強樹脂層と前記ビードフィラーとの間に配置されている、請求項1または請求項2に記載のタイヤ。
  6. 前記電子部品ユニットは、前記補強樹脂層に埋設されている、請求項1または請求項2に記載のタイヤ。
  7. 前記補強樹脂層のタイヤ径方向外側端は、前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端を基準として、タイヤ径方向に±20mmの範囲内に位置している、請求項1~6のいずれか1項に記載のタイヤ。
  8. 前記補強樹脂層のタイヤ径方向外側端は、前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側に位置している、請求項1~6のいずれか1項に記載のタイヤ。
  9. 前記電子部品ユニットは、少なくともその一部が、前記ビードコアのタイヤ径方向外側端からタイヤ径方向外側に5mmの位置よりも、タイヤ径方向外側に配置されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のタイヤ。
JP2020215690A 2020-12-24 2020-12-24 タイヤ Pending JP2022101234A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020215690A JP2022101234A (ja) 2020-12-24 2020-12-24 タイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020215690A JP2022101234A (ja) 2020-12-24 2020-12-24 タイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022101234A true JP2022101234A (ja) 2022-07-06

Family

ID=82270997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020215690A Pending JP2022101234A (ja) 2020-12-24 2020-12-24 タイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022101234A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024009648A1 (ja) * 2022-07-07 2024-01-11 株式会社ブリヂストン タイヤ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024009648A1 (ja) * 2022-07-07 2024-01-11 株式会社ブリヂストン タイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110978906B (zh) 轮胎及轮胎的制造方法
JP6594504B1 (ja) タイヤ
JP7186067B2 (ja) タイヤおよびタイヤの製造方法
JP6594506B1 (ja) タイヤ
JP6594505B1 (ja) タイヤ及びタイヤの製造方法
CN111216494B (zh) 轮胎
JP7129304B2 (ja) タイヤ
JP6594508B1 (ja) タイヤ
JP2020055456A (ja) タイヤおよびタイヤの製造方法
CN110978903B (zh) 轮胎及轮胎的制造方法
JP7149152B2 (ja) タイヤ
JP2020055238A (ja) タイヤの製造方法
JP2020055237A (ja) タイヤの製造方法
CN111907267B (zh) 轮胎及轮胎的制造方法
JP2022070361A (ja) タイヤ
JP2022101234A (ja) タイヤ
JP2022068675A (ja) タイヤ
JP7200149B2 (ja) タイヤ
JP7222856B2 (ja) タイヤおよびタイヤの製造方法
JP2022101233A (ja) タイヤ
CN110978896A (zh) 轮胎

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231013