JP2022101170A - 使い捨て着用物品の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体ギャザーへのローションの付着を防止する。【解決手段】上記課題は、トップシート30及び立体ギャザー60を含む組立体を、前後方向を移送方向として移送する移送装置と、移送装置による移送過程の組立体のトップシート30に向かってローションを噴霧するノズル90とを有し、移送装置は、組立体を、移送方向と直交する横方向の両側に立体ギャザー60が位置し、これら立体ギャザー60の間にトップシート30の表面が露出する状態で移送するとともに、トップシート30の表面が上方を向く移送経路を有し、この移送経路にノズル90が設けられており、少なくともノズル90の噴霧軸心の横方向両側に位置する部分を有する遮蔽体89がトップシート30の上方に設けられ、この遮蔽体89によりトップシート30に向かうローションが遮られずに、立体ギャザー60に向かうローションが遮られるように構成された、使い捨て着用物品の製造装置により解決される。【選択図】図17

Description

本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の使い捨て着用物品の製造装置に関するものである。
使い捨て着用物品、特に使い捨ておむつにおいては、物理的刺激(摩擦や硬さ)、肌の乾燥による皮膚のバリア機能の低下による、着用者の肌荒れ、特にかぶれがしばしば問題となる。この問題を解決するため、不織布からなるトップシートにローションを含有させることは知られている(特許文献1参照)。
このような使い捨て着用物品を製造する場合、トップシートを他の部材に組み付ける前にローションをトップシートに塗布する方法(例えば特許文献2)の他、トップシートを他の部材に組み付けた後の組立中において、ローションをトップシートに塗布する方法が考えられる。前者は、他の部材にローションが付着するおそれが少ない利点を有するものの、より早い段階でローションを塗布することになるため、トップシートに接するロール等の製造設備へのローション付着量が多くなり、ローション使用量の不必要な増加を招くとともに、清掃の手間も増えざるを得ないという欠点がある。
この点、後者はより遅い段階でローションを塗布することができるため、製造設備へのローション付着量少なくなり、使用したローションの多くが製品に残り、ローション使用量の適切化を図ることができるとともに、清掃手間の増加を抑制することができるという利点を有する。また、ローションを塗布する場合、非接触のスプレー塗布を採用することが、製造容易性の点から好ましい。
しかしながら、トップシートをいわゆる立体ギャザーに接着した後に、トップシートにローションをスプレー塗布すると、ローションの一部が飛散して立体ギャザーに付着することがある。ここで、多くの使い捨て着用物品では、立体ギャザーが撥水性不織布により形成され、その遮液性能が主に撥水性に依存しているため、そのような立体ギャザーにローションが付着すると、立体ギャザーの遮液性能が低下し、立体ギャザーから***物の液分が染み出すおそれがある。
特開2018-102836号公報 特開2020-018987号公報
そこで、本発明の主たる課題は、製造設備へのローション付着を抑制しつつ、立体ギャザーへのローションの付着を防止すること等にある。
上記課題を解決した使い捨て着用物品の製造装置は以下のとおりである。
<第1の態様>
装着者の肌に接する肌接触領域を有するトップシートと、前記トップシートの両側部の表面から着用者の肌に接するように起き上がる一対の立体ギャザーとを有し、
前記肌接触領域は、ローションが含有されたローション含有領域を有し、
前記本体部分及び前記付根部分は撥水性不織布により形成されている、使い捨て着用物品を製造する装置であって、
前記トップシート及び前記立体ギャザーを含む組立体を、前後方向を移送方向として移送する移送装置と、
前記移送装置による移送過程の前記組立体の前記トップシートに向かって前記ローションを噴霧するノズルとを有し、
前記移送装置は、前記組立体を、前記移送方向と直交する横方向の両側に前記立体ギャザーが位置し、これら立体ギャザーの間に前記トップシートの表面が露出する状態で移送するとともに、前記トップシートの表面が上方を向く移送経路を有し、
前記ノズルは、前記移送経路に設けられており、
少なくとも前記ノズルの噴霧軸心の横方向両側に位置する部分を有し、前記トップシートに向かう前記ローションを遮らずに、前記立体ギャザーに向かうローションを遮る遮蔽体が、前記トップシートの上方に設けられた、
ことを特徴とする使い捨て着用物品の製造装置。
(作用効果)
本製造装置によれば、トップシート及び立体ギャザーを含む組立体に対し、ローションを噴霧するため、製造設備へのローション付着量を低減できるとともに、ノズルから噴霧されたローションが横方向に移動して立体ギャザーへ付着するのを遮蔽体により抑制することができ、もって、立体ギャザーへのローションの付着に起因する立体ギャザーの遮液性能の低下を防止することができるようになる。
<第2の態様>
前記遮蔽体は、上方から見たときに、横方向の両側に位置する前記一対の立体ギャザーの間に位置している、
第1の態様の使い捨て着用物品の製造装置。
(作用効果)
遮蔽体を用いる場合の問題点の一つは、遮蔽体に付着したローションが付着量の増加に伴い液滴となって落下し、意図しない部位にローションが付着することである。しかし、遮蔽体が、上方から見たときに、横方向の両側に位置する一対の立体ギャザーの間に位置していると、フードに付着したローションが滴り落ちたとしても、立体ギャザーに付着しにくいため好ましい。
<第3の態様>
前記遮蔽体は、前記ノズルの噴出口の上方から、前記ノズルの周囲に向かって下り勾配で延びる内面を有するフードであり、
前記フードの下縁の前記横方向の両端は、上方から見て、前記ノズルの噴霧軸心と前記立体ギャザーとの間に位置しており、
前記フードの内面は下端から上端に向かって階段状をなすか、又は前記フードの内面の全体にわたり間隔を空けて多数の突起が設けられている、
第1又は2の態様の使い捨て着用物品の製造装置。
(作用効果)
遮蔽体は、噴霧されたローションの横方向移動を阻止しうる限り適宜の形状を採用でき、例えばノズルの噴霧軸心の横方向両側に平板状の遮蔽体を移送方向及び高さ方向に沿うように立てるだけでもよいが、噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びた錐台状、釣鐘状、天面を有する筒状等のフードを好適に採用することができる。そして、このようなフードを採用する場合にも、フードの内面に付着したローションが付着量の増加に伴い液滴となって落下し、意図しない部位にローションが付着することがある。この点について、フードの下縁の横方向の両端が、上方から見てノズルの噴霧軸心と立体ギャザーとの間に位置していると、フードに付着したローションが滴り落ちたとしても、立体ギャザーに付着することはないが、液滴の落下位置がフードの下縁の下方に限られるため好ましくない。これに対して、本態様のように、フードの内面は下端から上端に向かって階段状をなすか、又は下端から上端に向かって繰り返し突起が設けられていると、フードの内面に付着したローションは、階段状の内面のすべての角又はすべての突起から順次滴り落ちることになるため、ローションの塗布量に偏りが生じにくい。
<第4の態様>
前記遮蔽体は、前記ノズルの噴出口の上方から、前記噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフードであり、
前記フードの下縁の前記横方向の両端は、上方から見て、前記ノズルの噴霧軸心と前記立体ギャザーとの間に位置しており、
前記フードは、前記移送方向の両側に気体流出口を有し、前記横方向の両側に気体流出口を有しない、
第1~3のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品の製造装置。
(作用効果)
ノズルの噴出口の上方から、噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフードを用いる場合、フード内からのローションの霧の逃げ道が、遮蔽体の下縁とトップシート表面との隙間だけであると、フード内のローションの霧が当該隙間を通り周囲に逃げやすくなり、横方向に逃げ出したローションは立体ギャザーに付着するおそれが高い。よって、本態様のように、敢えて移送方向の両側に気体流出口を設け、横方向の両側には気体流出口を設けないことにより、フード内に供給したローションの霧が横方向よりも移送方向に流出しやすくすると、フード内から立体ギャザー側にはローションが逃げ出しにくくなるとともに、移送方向に逃げ出したローションはトップシートの表面に付着することとなるため好ましい。なお、この作用効果は、ノズルが一流体ノズルであっても奏せられるが、気体とローションとを混合噴霧する二流体ノズルの場合にはより一層顕著となる。
<第5の態様>
前記遮蔽体は、前記ノズルの噴出口の上方から、前記噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフードであり、
前記フードの下縁の前記横方向の両端は、上方から見て、前記ノズルの噴霧軸心と前記立体ギャザーとの間に位置しており、
前記フードの前記横方向の外側から、前記フードの下縁の前記横方向の両端と前記トップシートとの隙間に向けて、外側から気体を送風する送風手段を更に具備する、
第1~4のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品の製造装置。
(作用効果)
ノズルの噴出口の上方から、噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフードを用いる場合、フード内からのローションの霧の逃げ道が、遮蔽体の下縁とトップシート表面との隙間だけであると、フード内のローションの霧が当該隙間を通り周囲に逃げやすくなり、横方向に逃げ出したローションは立体ギャザーに付着するおそれが高い。これに対して、本態様の送風手段を設けると、フード内に供給したローションの霧がフード内から横方向に逃げ出し難くなるため好ましい。
<第6の態様>
前記遮蔽体は、前記ノズルの噴出口の上方から、前記噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフードであり、
前記フードの下縁の前記横方向の両端は、上方から見て、前記ノズルの噴霧軸心と前記立体ギャザーとの間に位置しており、
前記フードの下縁の前記横方向の両端と前記トップシートとの隙間に臨む気体吸引手段を更に具備する、
第1~5のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品の製造装置。
(作用効果)
ノズルの噴出口の上方から、噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフードを用いる場合、フード内からのローションの霧の逃げ道が、遮蔽体の下縁とトップシート表面との隙間だけであると、フード内のローションの霧が当該隙間を通り周囲に逃げやすくなり、横方向に逃げ出したローションは立体ギャザーに付着するおそれが高い。これに対して、本態様の気体吸引手段を設けると、フード内から横方向に逃げ出したローションの霧を吸引除去することができ、ローションが立体ギャザーに付きにくくなる。また、第5の態様と比べて、ノズルから吹き付けるローションの軌道を乱す可能性も少ないものとなる。
<第7の態様>
前記遮蔽体は、前記ノズルの噴出口の上方から、前記噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフードであり、
前記フードの下縁の前記横方向の両端は、上方から見て、前記ノズルの噴霧軸心と前記立体ギャザーとの間に位置しており、
前記フードの下縁は、前記移送方向の少なくとも一方側に向かうほど前記トップシート表面に近づくように傾斜している、
第1~6のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品の製造装置。
(作用効果)
遮蔽体を用いる場合の問題点の一つは、遮蔽体に付着したローションが付着量の増加に伴い液滴となって落下し、意図しない部位にローションが付着することである。これに対し、本態様のように、フードの下縁が移送方向の少なくとも一方側に向かうほど前記トップシート表面に近づくように傾斜していると、フード内面に付着したローションが、フードの下縁に移動した後、フードの下縁に沿って移送方向の少なくとも一方側に移動集合してから、トップシート表面へ滴り落ちるようになる。つまり、フード内面に付着したローションについても、これを集めて、トップシート表面における横方向の中央寄りの部位に塗布することができる。
<第8の態様>
前記遮蔽体の下縁と前記トップシートの表面との高さ方向の最大間隔が、30mm以下である、
第1~7のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品の製造装置。
(作用効果)
遮蔽体とトップシート表面との間の距離は適宜定めることができるが、本態様のように遮蔽体とトップシート表面との間の距離を十分に近くすることで、親水性ローションの霧を遮蔽体により効果的に遮ることができ、立体ギャザー側に漏れ出にくいものとなる。
<第9の態様>
前記トップシートは親水性不織布からなり、
前記ローションは、グリセリン70~90重量%、及び水10~30重量%を含む親水性ローションである、
第1~8のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品の製造装置。
(作用効果)
ローションは特に限定されるものではないが、本態様の親水性ローションはある程度の粘度有するためトップシートに保持されやすく、低コストである等の利点を有するものの、噴霧により飛散したり、遮蔽体に付着した後に滴り落ちやすいものである。よって、このような親水性ローションを噴霧する場合に前述の遮蔽体は特に有効である。
<第10の態様>
前記トップシートは、繊度1~3dtex、目付け10~30g/m2、厚み0.4~1.4mmの繊維からなる不織布であり、
前記ローションは、温度20度での粘度が50~500mPa・sのものであり、
前記ノズルは二流体ノズルであり、
前記二流体ノズルは、外部混合型又は内部混合型であり、
前記二流体ノズルにおける前記気体の圧力が0.03~0.20MPaであり、
前記二流体ノズルにおける前記ローションの液圧が0.01~0.10MPaであり、
前記ノズルの、スプレー角度が50~90度であり、
前記ノズルの噴霧軸心と前記トップシートの表面とのなす角が直角であるとともに、前記ノズルの噴出口と前記トップシートの表面との距離が35~60mmであり、
前記ノズルからの噴出直後の前記ローションの液滴は、位相ドップラー法によるザウター平均粒子径が200μm以下である、
第9の態様の使い捨て着用物品の製造装置。
(作用効果)
本態様のような不織布に対して、微細な親水性ローションをトップシート表面の近くから勢い良く吹き付けると、トップシートの内部まで親水性ローションが入り込みやすくなる。一方、本態様のような噴霧条件では、噴霧用気体の影響により周囲への霧の移動も起こりやすくなるが、前述の遮蔽体により立体ギャザーへの付着を抑制することができる。
なお、スプレー角度(噴霧角度)は、ノズル噴射口近傍での霧の広がり角度(噴霧軸心と直交する方向により異なる場合には最大角度)を意味する。また、二流体ノズルにおける気体の圧力及び液圧はノズル直前の圧力を意味する。
<第11の態様>
装着者の肌に接する肌接触領域を有するトップシートと、前記トップシートの両側部の表面から着用者の肌に接するように起き上がる一対の立体ギャザーとを有し、
前記肌接触領域は、ローションが含有されたローション含有領域を有し、
前記本体部分及び前記付根部分は撥水性不織布により形成されている、使い捨て着用物品を製造する方法であって、
前記トップシート及び立体ギャザーを含む組立体を、前後方向を移送方向として移送し、
前記移送方向と直行する横方向の両側に前記立体ギャザーが位置し、これら立体ギャザーの間に前記トップシートの表面が露出し、前記トップシートの表面が上方を向く状態で、前記トップシートの上方に設けられ、
ノズルから、前記組立体の前記トップシートに向かい、前記ローションを噴霧し、
前記噴霧に際し、少なくとも前記ノズルの噴霧軸心の横方向両側に位置する部分を有し、前記トップシートに向かう前記ローションを遮らずに、前記立体ギャザーに向かう前記ローションを遮る遮蔽体を配置して噴霧する
ことを特徴とする使い捨て着用物品の製造方法。
(作用効果)
第1の態様と同様の作用効果が奏せられる。
本発明によれば、製造設備へのローション付着を抑制しつつ、立体ギャザーへのローションの付着を防止することが可能になる。
展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、平面図である。 図1の2-2断面図である。 図1の3-3断面図である。 (a)図1の4-4断面図、及び(b)図1の5-5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 展開状態の内装体の外面を外装体の輪郭とともに示す、平面図である。 展開状態の内装体の外面を外装体の輪郭とともに示す、平面図である。 図1の2-2断面に相当する他の例の断面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの内面の要部を示す、平面図である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの内面の要部を示す、平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す概略図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す概略図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの製造フローを示す概略図である。 (a)(b)(c)(d)(e)(f)各種の遮蔽体を示す斜視図である。 ローション塗布部のCD方向の縦断面図である。 ローション塗布部のCD方向の縦断面図である。 ローション塗布部のCD方向の縦断面図である。 ローション塗布部の横断面図である。 ローション塗布部のMD方向の縦断面図である。 (a)(b)(c)(d)スプレーパターンの説明図である。 (a)供試体を説明するための平面図、及び(b)摩擦試験の概要を示す平面図である。
<使い捨て着用物品の例>
以下、使い捨て着用物品の一例として、パンツタイプ使い捨ておむつについて、添付図面を参照しつつ詳説する。厚み方向に隣接する各構成部材は、以下に述べる固定又は接合部分以外も、必要に応じて公知のおむつと同様に固定又は接合される。断面図における点模様部分は、この固定又は接合手段としてのホットメルト接着剤等の接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状、波状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する固定又は接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。厚み方向の液の透過性が要求される部分では、厚み方向に隣接する構成部材は間欠的なパターンで固定又は接合される。例えば、ホットメルト接着剤によりこのような間欠的な固定又は接合を行う場合、スパイラル状、Z状、波状等の間欠パターン塗布を好適に用いることができ、一つのノズルによる塗布幅以上の範囲に塗布する場合には、幅方向に間隔を空けて又は空けずにスパイラル状、Z状、波状等の間欠パターン塗布を行うことができる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
また、以下の説明における不織布としては、部位や目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となった繊維を含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。
図1~図6に示されるパンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃Fの少なくとも胴周り部を構成する長方形の前外装体12F及び後身頃Bの少なくとも胴周り部を構成する長方形の後外装体12Bと、前外装体12Fから股間部を経て後外装体12Bまで延在するように外装体12F,12Bの内側に設けられた内装体200とを備えている。前外装体12Fの両側部と後外装体12Bの両側部とが接合されてサイドシール12Aが形成されており、これにより、外装体12F,12Bの前後端部により形成される開口が装着者の胴を通すウエスト開口WOとなり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁及び内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口LOとなっている。内装体200は、尿等の***物等を吸収保持する部分であり、外装体12F,12Bは着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。また、符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口WOの縁から後身頃Bのウエスト開口WOの縁までの前後方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
本パンツタイプ使い捨ておむつは、サイドシール12Aを有する前後方向範囲(ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る前後方向範囲)として定まる胴周り領域Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール12Aを有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール12Aを有する前後方向領域との間)として定まる中間領域Lとを有する。胴周り領域Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成する「ウエスト部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下方部」Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向WDの伸縮応力が変化する境界(例えば弾性部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口WO側の境界よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなり、このような境界が無い場合は吸収体56又は内装体200よりもウエスト開口WO側に延び出たウエスト延出部分12Eがウエスト部Wとなる。これらの前後方向長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15~40mm、ウエスト下方部Uは65~120mmとすることができる。一方、中間領域Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚を入れる部位となる。この結果、展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつは、全体として略砂時計形状をなしている。
(外装体)
外装体12F,12Bは、前身頃Fの少なくとも胴周り部を構成する部分である長方形の前外装体12Fと、後身頃Bの少なくとも胴周り部を構成する部分である長方形の後外装体12Bとからなり、前外装体12F及び後外装体12Bは股間側で連続しておらず、前後方向LDに離間されたものとなっている(外装二分割タイプ)。この前後方向の離間距離は例えば全長Yの40~60%程度とすることができる。図示例では、前外装体12F及び後外装体12Bの下縁は幅方向WDに沿う直線状となっているが、前外装体12F及び後外装体12Bの少なくとも一方の下縁が脚周りに沿うような曲線状となっていてもよい。図示しないが、外装体は、前身頃Fから後身頃Bにかけて股間を通り連続する一体的なものとすることもできる(外装一体タイプ)。
外装二分割タイプのパンツタイプ使い捨ておむつでは、前外装体12F及び後外装体12Bとの間に内装体200が露出するため、内装体200の裏面に液不透過性シート11が露出しないように、内装体200の裏面には、前外装体12Fと内装体200との間から、後外装体12Bと内装体200との間にわたるカバー不織布13を備えていることが好ましい。カバー不織布13の内面及び外面は、それぞれ対向面にホットメルト接着剤を介して接着することができる。カバー不織布13に用いる不織布は、例えば外装体12F,12Bの素材と同様のものを適宜選択することができる。
外装体12F,12Bは、胴周り領域Tと対応する前後方向範囲である胴周り部を有する。また、図1及び図2に示す例では、図7に示すように前外装体12F及び後外装体12Bの前後方向LDの寸法が等しく、前外装体12F及び後外装体12Bは中間領域Lと対応する部分を有していないが、図8に示すように、前外装体12Fよりも後外装体12Bの前後方向寸法が長く、前外装体12Fには中間領域Lと対応する部分を有しないが、後外装体12Bは胴周り領域Tから中間領域L側に延び出た臀部カバー部Cを有していてもよい。図示しないが、前外装体12Fにも胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る鼠蹊カバー部を設けてもよい。
外装体12F,12Bは、図4及び図5に示されるように、内側シート層12H及び外側シート層12Sと、これらの間に設けられた弾性部材15~19とを有する。各シート層は、共通の一枚のシート材とする他、個別のシート材とすることもできる。すなわち、前者の場合、外装体の一部又は全部において、ウエスト開口WOの縁や脚開口LO側の縁等の適宜の位置で折り返された一枚のシート材の内側の部分及び外側の部分の間に弾性部材15~19を設けることができる。図示例では、ウエスト部Wに、それぞれシート材の折り返しを含む部分を有している。例えば、ウエスト部Wでは、外側シート層12Sを形成するシート材はウエスト開口WOの縁までしか延在していないが、内側シート層12Hを形成するシート材は、第2シート層を形成するシート材のウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されている。また、この折り返し部分12rは、内装体200のウエスト開口WO側の端部と重なる位置まで、外装体12F,12Bの幅方向全体にわたり延在する内装カバー層となっている。内装カバー層は、内側シート層12Hを形成するシート材を折り返して形成せずに、専用のシート材を貼り付けてもよい。
外装体12F,12Bには、装着者の胴周りに対するフィット性を高めるために、弾性部材15~19が内蔵され、弾性部材の伸縮を伴って幅方向WDに弾性伸縮する伸縮領域A2が形成されている。この伸縮領域A2では、外装体12F,12Bは、自然長の状態では弾性部材の収縮に伴って収縮し、皺又は襞が形成されており、弾性部材の長手方向に伸長すると、皺なく伸び切る所定の伸長率まで伸長が可能である。弾性部材15~19としては、糸ゴム等の細長状の弾性部材(図示例)のほか、帯状、網状、フィルム状等、公知の弾性部材を特に限定なく用いることができる。弾性部材15~19としては合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。
図示例の弾性部材15~19についてより詳細に説明すると、外装体12F,12Bのウエスト部Wには、幅方向WDの全体にわたり連続するように、複数のウエスト弾性部材17が前後方向に間隔を空けて取り付けられている。また、ウエスト弾性部材17のうち、ウエスト下方部Uに隣接する領域に配設される1本又は複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト弾性部材17としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm2、特に0.1~1.0mm2程度)の糸ゴムを、2~12mmの間隔、特に3~7mmの間隔で、2~15本程度、特に4~10本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト部Wの幅方向WDの伸長率は150~400%、特に220~320%程度であるのが好ましい。また、ウエスト部Wは、その前後方向LDのすべてに同じ太さのウエスト弾性部材17を用いたり、同じ伸長率にしたりする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部で弾性部材17の太さや伸長率が異なるようにしてもよい。
また、外装体12F,12Bのウエスト下方部Uには、細長状の弾性部材からなるウエスト下方弾性部材15,19が複数本、前後方向に間隔を空けて取り付けられていると好ましい。ウエスト下方弾性部材15,19としては、太さ155~1880dtex、特に470~1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05~1.5mm2、特に0.1~1.0mm2程度)の糸ゴムを、1~15mm、特に3~8mmの間隔で5~30本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト下方部Uの幅方向WDの伸長率は200~350%、特に240~300%程度であるのが好ましい。
図示例のウエスト下方部Uのように、吸収体56を有する前後方向範囲に弾性部材15,16,19を設ける場合には、その一部又は全部において吸収体56の幅方向WDの収縮を防止するために、図4及び図5等に示すように、吸収体56と幅方向WDに重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは接着部21の全体を含む)が非伸縮領域A1とされ、その幅方向両側が伸縮領域A2とされていると好ましい。伸縮領域A2のうち、サイドシール12Aを有する前後方向LD範囲に位置する部分がウエスト下方伸縮領域A3となる。
このような伸縮領域A2及び非伸縮領域A1は、内側シート層12Hと外側シート層12Sとの間に、弾性部材15~17,19を供給し、弾性部材15,16,19を伸縮領域A2に位置する部分のみホットメルト接着剤により固定した後、吸収体56を有する領域において、弾性部材15,16,19を幅方向中間の1か所で加圧及び加熱、又は切断により切断するか、又は弾性部材15,16,19のほぼ全体を加圧及び加熱、又は切断により細かく切断し、伸縮領域A2に伸縮性を残しつつ非伸縮領域A1では伸縮性を殺すことにより構築することができる。この場合、非伸縮領域A1には伸縮に実質的に寄与しない不要弾性部材18が残留する。
内側シート層12H及び外側シート層12Sを形成するシート材としては、特に限定無く使用できるが不織布が好ましい。不織布を用いる場合、1枚あたりの目付けは10~30g/m2程度とするのが好ましい。
弾性部材15~19は種々の塗布方法によるホットメルト接着剤HMにより外装体12F,12Bに固定される。内側シート層12H及び外側シート層12Sは、それぞれ弾性部材15~19を有する部分では、弾性部材15~19を固定するためのホットメルト接着剤HMにより接合することが好ましく、弾性部材15~19を有しない部分では、ホットメルト接着剤HMにより接合しても、ヒートシールや超音波シール等の素材溶着により接合してもよく、また一部又は全部を接着しなくてもよい。図示例の外装体12F,12Bにおける弾性部材15~19を有する部分では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により弾性部材15~19の外周面にのみホットメルト接着剤HMを塗布してシート層間に挟むことにより、当該弾性部材15~19の外周面に塗布したホットメルト接着剤HMのみで、両シート層への弾性部材15~19の固定と、両シート層間の固定とを行っている。弾性部材15~19は伸縮領域A2における伸縮方向の両端部のみ、両シート層に固定してもよい。
(内装体と、前外装体及び後外装体との接着部)
図2に示すように、内装体200と外装体12F,12Bとはホットメルト接着剤を介して接合される。この接着部21(ホットメルト接着剤が配置された部分)は、両者の重なり領域20(図7及び図8の斜線模様の領域)の両側部にわたる幅で、重なり領域20の股間側の縁部から重なり領域20のウエスト開口WO側の縁部まで延びていることが好ましい。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示例では長方形である。内装体200は、図3~図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に***物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側部から装着者の脚周りに接するように延び出た立体ギャザー60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、装着者の肌に接する肌接触領域を有するものである。図示例のトップシート30は、前後方向では製品前端から後端まで延び、幅方向WDでは吸収体56よりも側方に延びているが、例えば後述する立体ギャザー60の起点が吸収体56の側縁よりも幅方向WDの中央側に位置する場合等、必要に応じて、トップシート30の幅を吸収体56の全幅より短くする等、適宜の変形が可能である。
トップシート30としては、液を透過する性質を有する不織布を用いる。この不織布としては、穿孔加工により形成された厚み方向に貫通する孔を有する有孔不織布、又はそのような孔を有しない無孔不織布のどちらも用いることができる。トップシートに親水性ローションを含有させる場合には、トップシートとしては親水性不織布が好適であるが、必要に応じて疎水性や撥水性の不織布を用いることもできる。また、クッション性、柔軟性、軟便(水様便や泥状便)の透過性等を考慮すると、長繊維(連続繊維)不織布よりも、エアスルー不織布等の短繊維不織布の方がトップシート30に好ましい。短繊維不織布の繊維長は特に限定されるものではないが、20~100mm程度であることが好ましい。また、トップシート30の不織布としては、繊度1~10dtex、目付け10~30g/m2、厚み0.4~1.4mm程度の不織布を好適に用いることができる。
トップシート30の両側部は、吸収要素50の側縁で裏側に折り返しても良く、また折り返さずに吸収要素50の側縁より側方にはみ出させても良い。
トップシート30は、その裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、トップシート30はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により中間シート40の表面及び包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、親水性かつ液透過性の中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高め、吸収した液の吸収体からの逆戻り現象を防止するためのものである。本例の中間シート40は、トップシート30の裏側に隣接する裏側部材に相当するものであるが、中間シート40は省略することもでき、その場合には包装シート58が裏側部材となり、包装シート58も省略されている場合には吸収体56が裏側部材となる。
中間シート40としては、不織布等の液透過性のシートを用いることができる。中間シート40としては、特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。これらのような疎水性合繊繊維の不織布を用いる場合、公知の親水化剤を用いることにより、親水性不織布とすることができる。不織布の目付けは17~80g/m2が好ましく、18~60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0~10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示例の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の前後方向LDの長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の前後方向LDの長さと同一でもよいし、図示例のように***物の液分を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
中間シート40は、その更に裏側の部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示例では、中間シート40はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができるが、後述するカバー不織布13とのホットメルト接着剤を介した接着時に十分な接着強度を得るため、樹脂フィルムを用いるのが望ましい。
液不透過性シート11は、図示のように吸収要素50の裏側に収まる幅とする他、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回り込ませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させることもできる。この延在部の幅は、左右それぞれ5~20mm程度が適当である。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100~300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30~120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1~16dtex、好ましくは1~10dtex、さらに好ましくは1~5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5~75個、好ましくは10~50個、さらに好ましくは15~50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図7等にも示すように、前後方向中間に、その前後両側よりも幅が狭い括れ部56Nとを有する砂時計形状をなしていると、吸収体56自体と立体ギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体56の寸法は排尿口位置の前後左右にわたる限り適宜定めることができるが、前後方向LD及び幅方向WDにおいて、内装体200の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の全幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50~350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5~40g/m2、特に10~30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装構造は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻付け、かつその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、巻き重なる部分及び前後はみ出し部分の重なり部分をホットメルト接着剤、素材溶着等の接合手段により接合するのが好ましい。
(立体ギャザー)
立体ギャザー60は、内装体200の側部から起き上がる起き上がり部分68を有しており、この起き上がり部分68が、装着者の鼠径部から脚周りを経て臀部までの範囲に接して横漏れを防止するものである。図示例の立体ギャザー60は、付け根側部分60Bが幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側部分60Aが幅方向外側に向かって斜めに起立するものであるが、これに限定されるものではなく、全体として幅方向中央側に起立するもの等、適宜の変更が可能である。
より詳細に説明すると、図示例の立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を、先端となる部分で幅方向WDに折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状のギャザー弾性部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向WDに間隔を空けて複数本固定してなるものである。立体ギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向WDにおいてシート折り返し部分と反対側の端部)は、内装体200における液不透過性シート11より裏側の側部に固定された付根部分65とされ、この付根部分65以外の部分は付根部分65から延び出る本体部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、本体部分66は、幅方向中央側に延びる付け根側部分60Bと、この付け根側部分60Bの先端で折り返され、幅方向外側に延びる先端側部分60Aとを有している。そして、本体部分66のうち前後方向両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対して固定された倒伏部分67とされる一方で、これらの間に位置する前後方向中間部は非固定の起き上がり部分68とされ、この起き上がり部分68の少なくとも先端部に前後方向LDに沿うギャザー弾性部材63が伸長状態で固定されている。
以上のように構成された立体ギャザー60では、ギャザー弾性部材63の収縮力により起き上がり部分68が図3に矢印で示すように肌に当接するように起き上がる。特に、付根部分65が内装体200の裏側に位置していると、股間部及びその近傍において起き上がり部分68が幅方向外側に開くように起立するため、立体ギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。付根部分65は内装体200の表側、例えばトップシート30の両側部の表面に固定することもできる。
図示例の立体ギャザー60のように、本体部分66が、幅方向中央側に延びる付け根側部分60Bと、この付け根側部分60Bの先端で折り返され幅方向外側に延びる先端側部分60Aとからなる屈曲構造では、倒伏部分67で、先端側部分60Aと付け根側部分60Bとが倒伏状態で接合されるとともに、付け根側部分60Bが倒伏状態でトップシート30に接合される。倒伏部分67における対向面の接合には、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤、及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段の少なくとも一方を用いることができる。この場合において、付け根側部分60B及びトップシート30の接合と、先端側部分60A及び付け根側部分60Bの接合とを同じ手段により行っても、また異なる手段により行っても良い。例えば、付け根側部分60B及びトップシート30の接合をホットメルト接着剤により行い、先端側部分60A及び付け根側部分60Bの接合を素材溶着により行うのは好ましい。
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコーンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができる。この場合の不織布の繊維目付けは10~30g/m2程度とするのが好ましい。また、図9に示す例のように、二つに折り重ねたギャザーシート62の間に防水フィルム64を介在させることもできる。
ギャザー弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470~1240dtexが好ましく、620~940dtexがより好ましい。ギャザー弾性部材63の取付け状態での伸長率は、150~350%が好ましく、200~300%がより好ましい。ギャザー弾性部材63の本数は2~6本が好ましく、3~5本がより好ましい。ギャザー弾性部材63の配置間隔60dは3~10mmが適当である。このように構成すると、ギャザー弾性部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にもギャザー弾性部材63を配置しても良い。
立体ギャザー60の起き上がり部分68では、ギャザーシート62の内側層及び外側層の貼り合わせや、その間に挟まれるギャザー弾性部材63の固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。ギャザーシート62の内側層及び外側層の全面を貼り合わせると柔軟性を損ねるため、ギャザー弾性部材63の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示例では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段によりギャザー弾性部材63の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布してギャザーシート62の内側層及び外側層間に挟むことにより、当該ギャザー弾性部材63の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、ギャザーシート62の内側層及び外側層へのギャザー弾性部材63の固定と、ギャザーシート62の内側層及び外側層間の固定とを行う構造となっている。
同様に、倒伏部分67の固定についても、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤、及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段の少なくとも一方を用いることができる。
(サイドフラップ)
図1~図4等に示すように、内装体200の両側部には、吸収体56の側方に延び出たサイドフラップ70が設けられており、このサイドフラップ70に前後方向に伸縮するサイド伸縮領域SGが形成されていると好ましい。図示例のサイドフラップ70は、前後方向LDに沿ってかつ互いに間隔を空けて設けられた一本又は複数本の細長状のサイド弾性部材73と、サイド弾性部材73の外側に面する第1シート層71と、サイド弾性部材73の内側に面する第2シート層72とを有する。本パンツタイプ使い捨ておむつでは、サイドフラップ70がサイド弾性部材73の収縮に伴い前後方向LDに収縮し、図6に示すように、サイドフラップ70にサイド伸縮領域SGが形成される。
第1シート層71及び第2シート層72をなすシート材は特に限定されず、前述の立体ギャザー60や前述の外装体12F,12Bで利用可能な不織布等、適宜の不織布を選択することができる。図3及び図4に示す例では、立体ギャザー60のギャザーシート62を延長して第1シート層71及び第2シート層72を形成している。この場合、サイドフラップ70の前後端は立体ギャザー60の前後端(つまりこの場合内装体200の前後端)に一致する。
サイド弾性部材73も特に限定されず、前述のギャザー弾性部材63と同様の細長状の弾性部材を使用することができる。サイド弾性部材73の取付け状態での伸長率は、150~350%が好ましく、200~270%がより好ましい。サイド弾性部材73の本数は2~16本が好ましく、6~10本がより好ましい。サイド弾性部材73の配置間隔は5~10mmが適当である。
サイド弾性部材73は、第1シート層71及び第2シート層72に固定されている。第1シート層71及び第2シート層72の貼り合わせや、その間に挟まれるサイド弾性部材73の固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤HMや、ヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段を用いることができる。第1シート層71及び第2シート層72の接合面積が大きいと柔軟性を損ねるため、サイド弾性部材73の接着部以外の部分は接合しないか、又は弱く接合するのが好ましい。図示例では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段によりサイド弾性部材73の外周面にのみホットメルト接着剤HMを塗布して第1シート層71及び第2シート層72の間に挟むことにより、当該サイド弾性部材73の外周面に塗布したホットメルト接着剤HMのみで、第1シート層71及び第2シート層72へのサイド弾性部材73の固定と、第1シート層71及び第2シート層72間の固定とを行う構造となっている。
前後方向におけるサイド弾性部材73の取付け範囲、すなわち、サイド伸縮領域SGが形成される前後方向の範囲は適宜定めることができる。例えば、サイド伸縮領域SGの前後方向の範囲は、立体ギャザーのギャザー弾性部材による収縮部分と同じか、それよりも前後両側に延びているのも好ましい。
サイドフラップ70は、図9及び図10に示す例のように省略することもできる。
(ローション含有領域)
トップシート30の肌接触領域は、図11に示すように親水性又は親油性のローションが含有されたローション含有領域31を有する。ローション含有領域31の寸法が小さ過ぎると、効果が局所的になり、着用者の肌を保護する意義が少ないものとなるため、ローション含有領域31は、30mm以上のMD方向(図示例では前後方向LD)の寸法31L、及び5mm以上のCD方向(図示例では幅方向WD)の寸法31Wを有していることが好ましい。ローション含有領域31のMD方向の寸法31Lは、50mm以上であるとより好ましく、100mm以上であると特に好ましい。ローション含有領域31のMD方向の寸法31Lの上限はトップシートの全長であるが、これよりも短くてもよい。ローション含有領域31のCD方向の寸法31Wは、10mm以上であるとより好ましく、例えば15~25mm程度とすることができる。ローション含有領域31のCD方向の寸法31Wの上限はトップシート30の幅方向WDの寸法であるが、これよりも短くてもよい。
ローション含有領域31は、図11に示すようにある程度大きな面積で一か所設けるだけでもよいし、図12に示すように複数個所に設けてもよい。ローション含有領域31を一か所のみ設ける場合、図11に示す例のように幅方向の中央部にのみ所定の幅で設けることができる。また、ローション含有領域31を複数設ける場合、縦縞状(図12)に設けたり、横縞状に設けたりすることができる。これらの場合、隣り合うローション含有領域31の間隔31Xは適宜定めることができるが、例えば1.5~10mm程度であると好ましい。
トップシート30のローション含有領域31の表面における平均摩擦係数MIUが0.2~0.4となっていることが好ましい。
親水性ローションを用いる場合、ローション含有領域31の表面水分率は特に限定されるものではないが、2~10%であると、着用者の肌を適度に潤して乾燥防止を図ることができるため好ましい。
親水性ローションの水分含有量は特に限定されないが、例えば3~30重量%、特に10~30重量%は水を含むものが好ましい。また、親水性ローションに含まれる水以外の成分組成は特に限定されるものではない。例えば、親水性ローションの水以外の成分としては、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、さらにトレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体等)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体等の中から、一種又は複数種を選択することができる。また、添加剤として、乳化剤、リン酸エステル、パラフィン及び界面活性剤の群から選ばれた一種又は複数種の添加剤を含むことができる。界面活性剤としては、エーテル型非イオン系界面活性剤、EO/PO型を含む非イオン系界面活性剤が好ましい。商品の保存性を向上させるために、親水性ローションは防腐剤を含有していてもよいが、親水性ローションは肌に転写されて肌を潤すものであるため、防腐剤を含有しないことが望ましい。
特に好ましい親水性ローションは、グリセリンを主体とする親水性ローションである。一例としては、グリセリン70重量%以上(特に70~90重量%)、及び水3~30重量%(特に10~30重量%)を含む親水性ローションは好ましい。このようにグリセリンを主体とし、適量の水を含む親水性ローションは、肌に転写されたときに保湿剤として好ましいだけでなく、低コストで、かつ増粘剤等が無くても後述の粘度を有するものとなるため好ましい。また、この組成の場合、水がグリセリン中に結合水として保持(グリセリンは水の保持性が極めて高い)され、腐りにくいため好ましい。すなわち、このような観点から、水を含む親水性ローションを用いる場合において、グリセリンを多量に含有させ、表面水分率を十分(例えば前述の2~10%)に確保しつつ、親水性ローションの水分活性値を低く、例えば0.8以下、より好ましくは0.3~0.7、特に好ましくは0.3~0.5に抑えると、防腐剤を含有せずとも微生物の繁殖が抑制され、保存性が良好となるとともに、肌に転写されたときの保湿効果も高いものとなる。
ローションの粘度が低いと、トップシート30に塗布したローションが、製造後において経時的に裏側の部材に移行しやすく、予想よりもトップシート30にローションが保持されにくい。一方、ローションの粘度が高過ぎると後述の噴霧が困難となる。よって、ローションは、温度20度での粘度が50~500mPa・sのものを用いることが好ましく、150~400mPa・sのものを用いることがより好ましく、350~400mPa・sのものを用いることが特に好ましい。これにより、トップシート30におけるローションの保持性を高めることができる。グリセリンを主体とする親水性ローションの場合、グリセリンの含有量により粘度を調整することができる。例えばグリセリン濃度が80重量%以上のグリセリン水溶液は、概ねこのような粘度を有するものとなる。
グリセリンを主体とする親水性ローションを用いる場合、ローション含有領域31における単位面積当たりのグリセリンの含有量は0.1~4.5g/m2、特に0.1~1.0g/m2であることが好ましい。親水性ローションの含有量が異なる複数の領域を有する場合、又は親水性ローションの塗布量が連続的に変化する場合、グリセリンの含有量が上記範囲内の部分を有する限り、ローション含有領域31全体としてグリセリンの含有量が上記範囲より少ない又は多くてもよい。
なお、グリセリンの含有量は、以下のグリセリン含有量測定方法で測定する。
(グリセリン含有量測定方法)
・同一製品を4枚用意し、そのうちの任意の一枚について、後述する方法により、ローション含有領域31の寸法を計測し、ローション含有領域31の面積(グリセリン含有領域が複数ある場合には総面積)を求める。
・同一製品4枚分のトップシート30からすべてのローション含有領域31を切り出して(縁に沿って正確に切り出す必要はなく、グリセリン含有領域全体を含む限り、その周囲の部分を多少含んでいてもよい)それらすべてを試験片とするか、又は同一製品4枚分のトップシート30を取り外してそのまま試験片とする。
・試験片を温度25度の水が入った300ミリリットルビーカーに入れ、ガラス棒で不規則に突いたり、かき混ぜたりを1分以上繰り返した後、60分間水に浸漬した状態で静置する。この静置の際、ビーカー内の試験片の高さが可能な限り低くなるように、試験片を折り畳んで錘を載せるか、又は予め折り畳んだ状態で接着又は縫製により固定しておく。また、水の量は試験片全体を水に浸けることが可能な最小量(例えば10ミリリットル)とする。この静置の後、ガラス棒で不規則に突いたり、かき混ぜたりを1分以上繰り返してから、試験片を持ち上げて十分に絞り、ビーカーに残ったグリセリン含有水のグリセリン濃度を、グリセリン濃度計で測定する。また、ビーカーに残ったグリセリン含有水の重量を測定する。そして、これらの測定結果に基づき、グリセリン含有水に含まれるグリセリン重量を求める。
・グリセリン含有水のグリセリン重量を、ローション含有領域31の面積を4倍した値(製品4枚分のため)で除算することにより、ローション含有領域31のグリセリン含有量(g/m2)を算出する。
トップシート30としては疎水性樹脂の繊維を用いたものが低コストであるため好ましいが、そのままでは、水を含む親水性ローションの保持性に乏しいものとなる。よって、親水性ローションを用いる場合、疎水性樹脂の繊維に親水化剤が塗布された親水化繊維の不織布をトップシート30に用いるのは好ましい。これにより、トップシート30における親水性ローションの保持性を高めることが好ましい。
親水化剤としては、人体への安全性、工程での安全性等を考慮して、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルフェノール等のエチレンオキサイドを付加した非イオン系活性剤、アルキルリン酸エステル塩(オクチル、ドデシル系)、アルキル硫酸塩等のアニオン系活性剤等の単独あるいは混合物等が好ましく用いられ、付与量は、要求される性能によって異なるが、通常は対象シートの乾燥重量に対して0.1~2.0重量%程度、特に0.2~1.0重量%程度とするのが望ましい。なお、この親水化剤は中間シートに同様に用いることができる。
(パンツタイプ使い捨て着用物品の製造装置)
図13及び図14は、上述のパンツタイプ使い捨て着用物品に適した製造装置の製造フローの一例を示している。すなわち、この製造フローは、主に、外装連続体形成工程301と、内装連続体形成工程302と、ホットメルト接着剤の塗布工程304と、内装連続体切断工程305と、内装体の接着工程306と、サイドシール及び切断工程307とを有する。以下、順に説明する。なお、説明を判り易くするために、製造過程で連続している部材の一部は、切断後の部材と同じ符号を用いている。
外装連続体形成工程301では、前外装体12Fとなる部分が繰り返し連続し、かつ連続方向が前外装体12Fの幅方向WDとなる前連続体120Fと、後外装体12Bとなる部分が繰り返し連続し、かつ連続方向が後外装体12Bの幅方向WDとなる後連続体120Bとを形成する。この方法は公知の方法を特に限定なく利用できる。図示例では、所定の幅で帯状に連続する外側シート層12S、内側シート層12Hをそれらの連続方向に沿って移送しつつ、外側シート層12Sの一方の面上に内側シート層12Hを貼り合わせる際、それらの間に、ウエスト下方弾性部材15,19をMD方向に沿って伸長状態で供給し、挟み込むことにより、前連続体120F及び後連続体120Bを形成する。なお、図示例はウエスト弾性部材17を内装体200の接着工程306の後で取り付けるものであるが、内装体200の接着工程306に先立って取り付けることもできる。
外側シート層12S及び内側シート層12Hに対するウエスト下方弾性部材15,19の固定は、例えば、外側シート層12S及び内側シート層12Hの間にウエスト下方弾性部材15,19を挟む前に、ウエスト下方弾性部材15,19の外面にホットメルト接着剤を塗布しておき、この接着剤を介して行うことができる。また、外側シート層12S及び内側シート層12Hの間にウエスト下方弾性部材15,19を挟む前に、外側シート層12S及び内側シート層12Hの少なくとも一方にホットメルト接着剤を塗布しておき、そこにウエスト下方弾性部材15,19を挟むことにより、外側シート層12S及び内側シート層12H間にウエスト下方弾性部材15,19を固定することもできる。
外側シート層12S及び内側シート層12Hの貼り合わせは、公知の方法を特に限定なく利用できる。すなわちこの貼り合わせは、ホットメルト接着剤により行う他、ヒートシールや超音波溶着等の溶着手段により行うことができ、接合パターンは特に限定されず、MD方向及びCD方向の両方向に連続することもできるが、通気性や柔軟性を向上させるために、MD方向及びCD方向の少なくとも一方には間欠的に接合するパターンとすることが好ましい。
このようにして形成された前連続体120F及び後連続体120Bに対しては、後述する内装体200の接着工程306に先立ち、必要に応じて弾性部材切断工程310が行われる。この切断工程の詳細については先に説明したため、ここでは説明を省略する。
図示しないが、後述の以上のようにして形成された前連続体120F及び後連続体120Bに対して、後述するホットメルト接着剤の塗布工程304に代えて又はこれとともに、内装体200の接着工程306での接着のためのホットメルト接着剤を、前連続体120F及び後連続体120Bに塗布することができる。
一方、内装連続体形成工程302では、内装体200となる部分が繰り返し、かつ連続方向が内装体200の前後方向LDとなる内装連続体201が形成される。この工程には、公知の方法を特に限定なく利用できる。図15は、内装連続体形成工程302の一例を示している。この例では、先ず、連続帯状の包装シート58を繰り出し、吸収体形成ドラムから吸収体56を包装シート58上に供給した後、包装シート58のCD方向の両端部を折り返して、吸収要素50の連続体を形成する。吸収体56と包装シート58等、必要部分には予め図示しないホットメルト接着剤を塗布し、接着する。この吸収要素50の連続体に対し、下方から液不透過シート11を重ねるとともに、上方からトップシート30を重ねて、それぞれ図示しないホットメルト接着剤により接着する。図示例では、トップシート30のCD方向の両端部を裏側に折り返していないが、必要に応じて折り返すことができる。また、図示していないが、必要に応じてトップシート30の裏面に予め中間シート40をホットメルト接着剤や超音波溶着により貼り合わせておくことができる。続いて、液不透過性シート11の下面の両端部に、立体ギャザー60及び平面ギャザー70となるギャザー組付け体600をそれぞれ供給し、図示しないホットメルト接着剤により裏側の付根部分65を接着した後、立体ギャザー60の本体部分66をトップシート30の上側に折り返し、表側の付根部分65及び倒伏部分67を図示しないホットメルト接着剤やヒートシール等によりトップシートの両側部の表面に対して固定することにより、立体ギャザー60及び平面ギャザー70を組み付ける。図示しないが、ギャザー組付け体600は、ギャザーシート62を折り畳むとともに層間にギャザー弾性部材63及びサイド弾性部材73を挟んで固定することにより形成することができる。以上で、内装連続体201を形成することができる。
このようにして形成された内装連続体201は、後述する内装体200の接着工程306に先立ち、ホットメルト接着剤の塗布工程304が行われる。すなわち、このホットメルト接着剤の塗布工程304では、内装連続体201をその連続方向に沿って搬送しつつ、この内装連続体201における、前連続体120F及び後連続体120Bとの接着部21となる領域にホットメルト接着剤HMを塗布する。
この後、内装連続体201は、内装連続体切断工程305でMD方向に一定間隔で切断され、裏面に第2ホットメルト接着剤H2が塗布された個々の内装体200が順次形成され、内装体200の接着工程306に供給される。
そして、内装体200の接着工程306では、前連続体120F及び後連続体120Bを、互いに平行に、かつMD方向における内装体200との接着位置を合わせて、それぞれ連続方向に沿って搬送しつつ、これら前連続体120F及び後連続体120Bの内装体200の接着位置に、内装連続体切断工程305から供給される内装体200を90度方向転換してから重ね、ホットメルト接着剤HMを介して、前連続体120F及び後連続体120Bと内装体200とが接合された内装組み付け体を形成する。
この後、図示例では、前連続体120FのCD方向の外側の端部及び後連続体120BのCD方向の外側の端部が、ウエストの開口の縁となる位置で、それぞれCD方向中央側に折り返されて、対向面に接合される。また、この際、折り返し部分12rと対向面との間にウエスト弾性部材17がMD方向に沿って伸長状態で供給され、挟み込まれる。このウエスト弾性部材17の固定や、折り返し部分12rと対向面との接合は、ウエスト下方弾性部材15,19の場合と同様とすることができる。前述のとおり、ウエスト弾性部材17の取り付けは、内装体200の接着工程306よりも先に行うこともできる。
以降は、図14に示すように、サイドシール及び切断工程307において、内装組み付け体を内装体200側の面が重なるようにCD方向に二つ折りした後、個々の物品の両側部となる部分で前連続体120F及び後連続体120Bを接合し、サイドシール12Aを形成するとともに、前連続体120F及び後連続体を個々のおむつの境界で切断することにより、個々のおむつDPを得ることができる。サイドシール12Aの形成と、個々のおむつDPの境界における切断は、順に行うこともできるし、同時的に行うこともできる。
(ローション塗布部)
トップシート30に対するローションの噴霧は、トップシート30が単独の(トップシート30に他の部材が積層されていない)状態で行うのではなく、移送装置により、トップシート30及び立体ギャザー60を含む組立体を、前後方向LDを移送方向として移送する移送過程で行うと好ましい。すなわち、前述のパンツタイプ使い捨て着用物品の製造フローでいうと、内装連続体形成工程302において立体ギャザー60及び平面ギャザー70の組付け完了後に、トップシート30の表面に対して霧状のローションの吹き付けを行うことができる。これにより、トップシート30に対するローションの塗布を、より遅い段階で行うことができるため、製造設備へのローション付着量少なくなり、使用したローションの多くが製品に残り、ローション使用量の適切化を図ることができるとともに、清掃手間の増加を抑制することができる。この場合、内装連続体切断工程305以降であっても、内装組み付け体を内装体200側の面が重なるようにCD方向に二つ折りする前であれば、トップシート30に対するローションの噴霧を行ことは可能であるが、前述のパンツタイプ使い捨て着用物品の製造フローでは、内装体200の接着工程306以降はトップシート30が不連続となり、向きも変更されるため、内装連続体形成工程302内(図示例では最終工程)でトップシート30に対するローションの噴霧を行うことが好ましい。テープタイプ使い捨て着用物品や、パッドタイプ使い捨て着用物品等ではトップシート30が製品前後方向LDに連続し、かつ製造に際して製品の前後方向LDがMD方向に維持されることが多いため、そのような場合には、トップシート30に立体ギャザー60を組みつけた後であって、かつ個別製品への切断前であれば、どの段階でローション塗布を行ってもよい。また、ローション塗布がトップシート30を裏側部材40,50に貼り付けた後であると、トップシート30の裏側に余分なローションが通過しても(特に二流体ノズル90によりある程度の粘性を有するローションを微細粒子にして吹き付けた場合にこのような通過が発生しやすい)、裏側部材40,50によりローションが保持されるため好ましい。
図17は、製造装置におけるローション塗布部の概略図である。少なくともローション塗布部では、トップシート30及び立体ギャザー60を含む組立体は、CD方向の両側に立体ギャザー60が位置し、これら立体ギャザー60の間にトップシート30の表面が露出する状態で、かつトップシート30の表面が上方を向く姿勢で移送されるようになっており、トップシート30の上方に設置されたノズル90からローションが噴霧される。特徴的には、少なくともノズル90の噴霧軸心の横方向両側に位置する部分を有する遮蔽体89が、トップシート30の上方に設けられており、この遮蔽体89によってトップシート30に向かうローションを遮らずに、立体ギャザー60に向かうローションを遮るようになっている。したがって、この遮蔽体89により、ノズル90から噴霧されたローションが横方向に移動して立体ギャザー60へ付着するのを抑制でき、もって立体ギャザー60へのローションの付着に起因する立体ギャザーの遮液性能の低下を防止することができるようになる。
遮蔽体89を用いる場合の問題点の一つは、遮蔽体89に付着したローションが付着量の増加に伴い液滴となって落下し、意図しない部位にローションが付着することである。これを防止するために、遮蔽体89は、上方から見たときに、横方向(CD方向)の両側に位置する一対の立体ギャザー60の間に位置していると好ましい。これにより、フードに付着したローションが滴り落ちたとしても、立体ギャザー60に付着しにくいものとなる。このため、上方から見たときに、遮蔽体89の横方向の両端は、立体ギャザー60から横方向の中央側に10mm以上、特に15~25mm程度離間していることが好ましい。
また、遮蔽体89に直接接触するローションを無くす又は少なくするために、遮蔽体89の内面は、ノズル90の噴出口から広がるスプレー角度範囲(MD方向及びCD方向を含む全方向)よりも十分に(例えば10mm以上)外側に位置していることが好ましい。
遮蔽体89の下縁85とトップシート30表面との高さ方向の間隔が大きすぎると、遮蔽体89の下縁85とトップシート30表面との隙間からのローションが流出しやすくなるため、30mm以下、特に10~20mm程度とすることが好ましい。
遮蔽体89は、噴霧されたローションの横方向移動を阻止しうる限り適宜の形状を採用でき、例えば図18に示すように、ノズル90の噴霧軸心の横方向両側に平板状の遮蔽体89を移送方向及び高さ方向に沿うように立てるだけでもよいが、図17に示すように噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びた、天面を有する筒状、下端に向かうにつれて直径が拡大する筒状(底面を有しない中空錐台状)、釣鐘状等のフード86を好適に採用することができる。
図19はフード86の一例を示しており、このフード86は、ノズル90の噴出口の上方から、ノズル90の周囲に向かって下り勾配で延びる内面を有している。また、このフード86の下縁85の横方向の両端は、上方から見て、ノズル90の噴霧軸心と立体ギャザー60との間に位置しており、フード86の内面は下端から上端に向かって階段状をなしている。したがって、フード86に付着したローションが滴り落ちたとしても、立体ギャザー60に付着することはないが、液滴の落下位置がフード86の下縁85の下方に限られるため好ましくない。これに対して、図示例のように、フード86の内面は下端から上端に向かって階段状をなしていると(又は図示しないがフード86の内面の全体にわたり、間隔を空けて多数の突起が設けられていてもよい)、フード86の内面に付着したローションは、階段状の内面のすべての角(又はすべての突起)から順次滴り落ちることになるため、ローションの塗布量に偏りが生じにくい。
図20は、ノズル90の噴出口の上方から、噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフード86の別の例を示している。本例のフード86においても、フード86の下縁85の横方向の両端は、上方から見て、ノズル90の噴霧軸心と立体ギャザー60との間に位置しているため、フード86に付着したローションが滴り落ちたとしても、立体ギャザー60に付着することはない。しかし、ノズル90の噴出口の上方から、噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフード86を用いる場合、フード86内からのローションの霧の逃げ道が、遮蔽体89の下縁とトップシート30表面との隙間だけであると、フード内のローションの霧が当該隙間を通り周囲に逃げやすくなり、横方向に逃げ出したローションは立体ギャザー60に付着するおそれが高い。そこで、本例のフード86のように、移送方向の両側に気体流出口84を有し、横方向の両側に気体流出口84を有しないのも好ましい。このように、敢えて移送方向の両側に気体流出口84を設け、横方向の両側には気体流出口84を設けないことにより、フード86内に供給したローションの霧が横方向よりも移送方向に流出しやすくすると、フード86内から立体ギャザー60側にはローションが逃げ出しにくくなるとともに、移送方向に逃げ出したローションはトップシート30の表面に付着することとなる。なお、この作用効果は、ノズル90が一流体ノズルであっても奏せられるが、気体とローションとを混合噴霧する二流体ノズルの場合にはより一層顕著となる。気体流出口84は横方向の中央部のみ等、一か所のみに設けてもよいし、複数か所に設けてもよい。また、気体流出口84は、図示例のように下縁から上方に延びる切り欠き状であってもよいし、側壁の高さ方向の中間に設けられた多数の孔であってもよい。
図18に示すように、フード86内のローションの霧が遮蔽体89の下縁85とトップシート30表面との隙間から逃げ出すのを防止するために、フード86の横方向の外側から、フード86の下縁85の横方向の両端とトップシート30との隙間に向けて、気体を送風する送風手段87を設けることもできる。この送風手段87により、フード86内に供給したローションの霧がフード86内から横方向に逃げ出し難くなる。送風手段87の送風方向はトップシート30の表面に対して30~50度程度の傾斜を有していると好ましい。
反対に、図19に示すように、フード86の下縁85の横方向の両端とトップシート30との隙間に臨む気体吸引手段88を設けるのも好ましい。これにより、フード86内から横方向に逃げ出したローションの霧を気体吸引手段88により吸引除去することができ、ローションが立体ギャザー60に付きにくくなる。また、送風手段と87比べて、ノズル90から吹き付けるローションの軌道を乱す可能性も少ないものとなる。気体吸引手段88の吸引方向はトップシート30の表面に対して30~50度程度の傾斜を有していると好ましい。
図21に示すように、フード86の下縁85は、移送方向の少なくとも一方側に向かうほどトップシート30表面に近づくように傾斜しているのも好ましい。このように、フード86の下縁85が移送方向の少なくとも一方側に向かうほどトップシート30表面に近づくように傾斜し(フード86の下縁85が移送方向の少なくとも一方側に向かって下り勾配を有し)ていると、フード86内面に付着したローションが、フード86の下縁85に移動した後、フード86の下縁85に沿って移送方向の少なくとも一方側に移動集合してから、トップシート30表面へ滴り落ちるようになる。つまり、フード86内面に付着したローションについても、これを集めて、トップシート30表面における横方向の中央寄りの部位に塗布することができる。よって、上方から見て、フード86の横方向の両端が立体ギャザー60に近い場合であっても、フード86内面に付着したローションが立体ギャザー60の近くに滴り落ちにくい利点も有する。フード86の下縁85の傾斜勾配は適宜定めることができるが、図21に示す正面視で10~40度程度であることが好ましい。
なお、図16に示す例からも分かるように、以上に述べたフード86の形状や、各種の手段は、適宜組み合わせて採用することができる。
ある程度の粘度を有するローションを噴霧する場合、図22に示すように、二流体ノズル90を用いて、ローションを気体(空気の他、窒素などの不活性ガスを用いることができ、水蒸気を含まないものが好ましい)との混合により霧状にして、気体とともにトップシート30の表面に向かって吹き付けることが好ましい。この場合、ローションとして、温度20度での粘度が50~500mPa・sのものを用いることが好ましく、150~400mPa・sのものを用いることがより好ましく、350~400mPa・sのものを用いることが特に好ましい。さらに、単位吹き付け面積当たりのローションの吹き付け量を0.1~5.0ミリリットル/m2、特に0.1~3.0ミリリットル/m2、中でも0.1~1.0ミリリットル/m2とすることが好ましい。このように、トップシート30における保持性を考慮した粘度のローションを、二流体ノズル90により霧状にしてトップシート30の表面に吹き付けることにより、粘度のあるローションであってもトップシート30に薄くかつ満遍なく付着させることができる。したがって、トップシート30におけるローションの保持性を向上させつつ、ローションに起因するべたつき感を抑制することができる。
なお、トップシート30に対して吹き付けたローションの100%がトップシート30に残留することが理想であるが、周囲への飛散や裏側への抜け等も考慮すると、通常の場合吹き付け量の60%以上、特に70%以上がトップシート30に残留することが好ましい。
ローション含有領域31を複数形成する場合、すべてのローション含有領域31の形成に際して上記方法でローションを塗布することが望ましいが、一部のローション含有領域31の形成に際しては二流体ノズル90以外の塗布方法を採用してもよく、また二流体ノズル90を採用しつつ上記範囲外の吹き付け量でローションを吹き付けてもよい。
二流体ノズル90から噴霧される液滴の粒子径は、トップシート30をなす不織布の仕様に応じて適宜定めればよい。例えば、十分に微細な液滴の噴霧が望ましい場合、二流体ノズル90における気体流量:液体流量は、600:1~1200:1であることが好ましく、650:1~750:1であることが好ましい。また、二流体ノズル90からの噴出直後のローションの液滴の寸法は適宜定めればよいが、通常の場合、位相ドップラー法によるザウター平均粒子径が10~200μm以下であると好ましく、100μm以下(特に10μm~100μm又は30~100μm)であるとより好ましく、より微細(例えば60μm以下)であってもよい。このようなトップシート30の表面に向かって、二流体ノズル90により微細化したローションを吹き付けると、トップシート30の内部までローションが入り込みやすく、その結果としてトップシート30表面におけるローションの含有量を低減することができる。よって、ローションの塗布量が同じ場合、トップシート30表面のべたつき感をより一層抑制することができる。
ローションは常温(熱したり冷やしたりしない自然な温度)、例えば15~35度程度のまま吹き付けてもよいが、二流体ノズル90における噴霧の安定性を高めるために、40~50度程度に温めた状態で二流体ノズル90から噴霧することができる。この場合、噴霧に用いる気体も、ローションと同程度に温めることが望ましいが、温めずに常温のままローションと混合するようにしてもよい。二流体ノズル90はローションと同程度に温めてもよいし、常温としてもよい。加温したローションは粘度が低下した状態にあるが、噴霧によりトップシート30に付着すると温度が下がり、粘度は戻るため、トップシート30における保持性は確保することができる。
二流体ノズル90としては、外部混合型及び内部混合型のいずれも好適に用いることができる。また、二流体ノズル90のスプレーパターンについても特に限定されず、図22(a)~(c)に示すように、フルコーン(充円錐)状に広がるラウンドスプレーパターン91、ホローコーン(空円錐)状に広がる広角ラウンドスプレーパターン92、ホローコーン(空円錐)状に広がる360°円環型スプレーパターン93、フラット(扇形)スプレーパターン94を採用することができる。このうち、特にフラットスプレーパターン94の場合、パターンの長軸方向94Lがスプレーの移動方向(製造ラインのMD方向)と直交するように用いることが望ましい。二流体ノズル90のノズル径(噴射口径)は適宜定めればよいが、通常の場合0.2~0.6mm程度とすることができる。
二流体ノズル90における噴霧圧力等の条件は適宜定めることができるが、二流体ノズル90における気体の圧力が0.03~0.2MPa(特に0.03~0.10MPa)であり、二流体ノズル90におけるローションの液圧が0.01~0.10MPa(特に0.01~0.05MPa)であり、二流体ノズル90の、スプレー角度(噴霧角度)θが50~90度であり、二流体ノズル90の噴霧軸心90Zとトップシート30の表面とのなす角がほぼ直角であるとともに、二流体ノズル90の噴射口先端とトップシート30の表面との距離(スプレー距離)90dが35~60mmであると好ましい。このように、ローション及び気体をトップシート30表面の近くから勢い良く吹き付けると、トップシート30の内部までローションが入り込みやすくなるだけでなく、トップシート30に吹き付けられる気体によりトップシート30に付着した余分なローションを奥深くに押し込むことができる。よって、ローションの塗布量が同じ場合、トップシート30表面のべたつき感をより一層抑制することができる。なお、二流体ノズル90における気体の圧力及び液圧はノズル直前の圧力を意味する。また、スプレー角度θは、ノズル噴射口近傍での霧の広がり角度(噴霧軸心と直交する方向により異なる場合には最大角度)を意味する。
二流体ノズル90における流量条件は、製造ラインにおけるトップシート30(又はこれを含む半製品)の移送速度に応じて適宜定めることができる。例えば、上述のスプレー角度θやスプレー距離90dの条件であれば、トップシート30の表面が100~260m/分の速度で二流体ノズル90の噴霧位置を通過するように移動させる場合、二流体ノズル90における気体の流量を15.0~25.0リットル/分とし、二流体ノズル90におけるローションの流量を0.5~2.5リットル/時とし、気体流量:液体流量を600:1~1200:1(より好ましくは650:1~750:1)とすることにより、上述の吹き付け量の範囲内で、二流体ノズル90からトップシート30の表面に対して霧状のローションの吹き付けを行うことができる。
製造ラインにおけるローションの吹き付け量(単位面積当たりの体積)は、ローションの吹き付け流量(単位時間当たりの体積)、スプレー面積、トップシート30の移動速度(スプレー位置の移動速度)により定めることができる。スプレー面積は、スプレーパターン91~94、スプレー角度θ、スプレー距離90dにより定めることができる。また、これらの条件により、ローション含有領域31のCD方向(図示例の場合、幅方向WD)の寸法を定めることができる。ローション含有領域31のMD方向(図示例の場合、幅方向WD)の寸法は、連続噴霧の場合にはトップシート30又は製品全長に等しくなり、間欠噴霧の場合にはスプレーの噴霧時間により定めることができる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における移送方向(Machine Direction)及びこれと直交する横方向(Cross Direction)を意味し、製品の部分によっていずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「表側」とは着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とは着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
・「表面」とは、着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とは、着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
・「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えばカバー不織布)における対象部分(例えば孔)の総和面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものである。対象部分が間隔を空けて多数設けられる形態では、対象部分が10個以上含まれるような大きさに対象領域を設定して、面積率を求めることが望ましい。例えば、孔の面積率は、例えばKEYENCE社の商品名VHX-1000を使用し、測定条件を20倍として、以下の手順で測定することができる。
(1)20倍のレンズにセットし、ピントを調節する。穴が4×6入るように不織布の位置を調整する。
(2)孔の領域の明るさを指定し、孔の面積を計測する。
(3)「計測・コメント」の「面積計測」の色抽出をクリックする。孔の部分をクリックする。
(4)「一括計測」をクリックし、「計測結果ウィンドを表示」にチェックを入れ、CSVデータで保存をする。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter-MAX ME-500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。有孔不織布の厚みは、孔及びその周囲の突出部以外の部分で測定する。
・「吸水量」は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「展開状態」とは、収縮(弾性部材による収縮等、あらゆる収縮を含む)や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・「平均摩擦係数MIU」及び「平均摩擦係数の変動偏差MMD」は、カトーテック株式会社製の摩擦感テスターKES-SE(10mm角シリコーンセンサ、荷重50g)を用いて測定される、センサ移動距離20mmの値を意味する。センサの移動方向(摩擦方向)はトップシートのMD方向とする。製品を測定する場合、製品におけるトップシート以外の部材を、トップシート表面の摩擦試験に影響がない範囲で取り外し又は切除し(したがって、例えばトップシートに溶着された部材は取り外さない)、展開状態で試験を行う。
また、トップシートにおけるローション含有領域のCD方向の寸法がセンサの寸法(10mm)未満のときには、図23(a)に示すように、トップシート30をローション含有領域31の側縁に沿って切断して、ローション含有領域31のみの供試体300(センサ100よりも幅が狭い)を作成し、この供試体について図23(b)に示すようにセンサ100の中心を供試体300のCD方向の中心に合わせて測定を行う。なお、1回の測定の度に、センサ100の表面に付着した親水性ローションを十分に拭き取ってから次の測定を行う。
また、ローション含有領域を目視で特定できない場合、適宜の方法でローション含有領域を特定することができる。例えば、ローション含有領域31の位置が同一の供試体を必要数(測定用及び位置特定用)用意し、位置特定用の供試体のトップシート30におけるローション含有領域31を、適宜の着色剤で周囲と異なる色に着色し、着色位置を定規や適宜の画像測定装置を用いて特定した後、測定用の供試体において位置特定用の供試体で特定した着色位置と同一の位置をローション含有領域31として測定を実施することができる。親水性ローションの含有領域31を着色できるものとしては、株式会社タセトの水漏れ発色現像剤「モレミールW」を好適に用いることができる。ローション含有領域31のMD方向の寸法31L及びCD方向31Wの寸法を測定する場合、及び後述する表面水分率の測定等にも、この方法でローション含有領域31を特定することができる。
・「表面水分率」は、スカラ(Scalar)社製のモイスチャーチェッカー(MY-808S)を用いて、ローション含有領域31の任意の3か所を計測して算出される平均値とする。なお、1回の計測の度に、モイスチャーチェッカーの測定面に付着した親水性ローションを十分に拭き取ってから次の測定を行う。
・「水分活性値」は、フロイント産業株式会社製EZ-100ST(電気抵抗式)等の電気抵抗式水分活性測定装置により測定することができる。測定前には既飽和溶液を用いて校正する。測定は、食品衛生検査指針に基づく電気抵抗式試験に準じて行うことができる。すなわち、水分活性測定装置の検出器内空間容積の3%以上の容積となる量の試料を採取し、アルミ箔皿又は開放型平皿に乗せ、直ちに検出器に入れて密閉し、25±2度の条件に置き、10分間隔で数値を読み、数値の変動が認められない時点を検出器内の水蒸気圧が平衡状態になったとみなし、その時点の数値を当該試料の測定値とする。各試料について3回測定し、3回の測定値の平均値を水分活性値とする。
・「粘度」は、JIS Z 8803に従い、ブルックフィールドB型粘度計(スピンドルNo.027)を用いて、所定の温度で測定されるものである。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつの他、テープタイプ使い捨ておむつ、パッドタイプ使い捨ておむつ、生理用ナプキン等、使い捨て着用物品全般の製造に際して利用できるものである。
11…液不透過性シート、120B…後連続体、120F…前連続体、12A…サイドシール、12B…後外装体、12E…ウエスト延出部分、12F,12B…外装体、12F…前外装体、12H…内側シート層、12S…外側シート層、13…カバー不織布、15,19…ウエスト下方弾性部材、17…ウエスト弾性部材、18…不要弾性部材、20…重なり領域、200…内装体、201…内装連続体、21…接着部、30…トップシート、31…ローション含有領域、301…外装連続体形成工程、302…内装連続体形成工程、304…ホットメルト接着剤の塗布工程、305…内装連続体切断工程、306…接着工程、307…サイドシール及び切断工程、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…立体ギャザー、60A…先端側部分、60B…付け根側部分、62…ギャザーシート、63…ギャザー弾性部材、66…本体部分、67…倒伏部分、68…起き上がり部分、70…サイドフラップ、71…第1シート層、72…第2シート層、73…サイド弾性部材、A1…非伸縮領域、A2…伸縮領域、A3…ウエスト下方伸縮領域、B…後身頃、C…臀部カバー部、F…前身頃、HM…ホットメルト接着剤、L…中間領域、LD…前後方向、LO…脚開口、SG…サイド伸縮領域、T…胴周り領域、U…ウエスト下方部、W…ウエスト部、WD…幅方向、WO…ウエスト開口、84…気体流出口、85…下縁、86…フード、87…送風手段、88…気体吸引手段、89…遮蔽体、90…二流体ノズル。

Claims (11)

  1. 装着者の肌に接する肌接触領域を有するトップシートと、前記トップシートの両側部の表面から着用者の肌に接するように起き上がる一対の立体ギャザーとを有し、
    前記肌接触領域は、ローションが含有されたローション含有領域を有し、
    前記本体部分及び前記付根部分は撥水性不織布により形成されている、使い捨て着用物品を製造する装置であって、
    前記トップシート及び前記立体ギャザーを含む組立体を、前後方向を移送方向として移送する移送装置と、
    前記移送装置による移送過程の前記組立体の前記トップシートに向かって前記ローションを噴霧するノズルとを有し、
    前記移送装置は、前記組立体を、前記移送方向と直交する横方向の両側に前記立体ギャザーが位置し、これら立体ギャザーの間に前記トップシートの表面が露出する状態で移送するとともに、前記トップシートの表面が上方を向く移送経路を有し、
    前記ノズルは、前記移送経路に設けられており、
    少なくとも前記ノズルの噴霧軸心の横方向両側に位置する部分を有し、前記トップシートに向かう前記ローションを遮らずに、前記立体ギャザーに向かうローションを遮る遮蔽体が、前記トップシートの上方に設けられた、
    ことを特徴とする使い捨て着用物品の製造装置。
  2. 前記遮蔽体は、上方から見たときに、横方向の両側に位置する前記一対の立体ギャザーの間に位置している、
    請求項1記載の使い捨て着用物品の製造装置。
  3. 前記遮蔽体は、前記ノズルの噴出口の上方から、前記ノズルの周囲に向かって下り勾配で延びる内面を有するフードであり、
    前記フードの下縁の前記横方向の両端は、上方から見て、前記ノズルの噴霧軸心と前記立体ギャザーとの間に位置しており、
    前記フードの内面は下端から上端に向かって階段状をなすか、又は前記フードの内面の全体にわたり、間隔を空けて多数の突起が設けられている、
    請求項1又は2記載の使い捨て着用物品の製造装置。
  4. 前記遮蔽体は、前記ノズルの噴出口の上方から、前記噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフードであり、
    前記フードの下縁の前記横方向の両端は、上方から見て、前記ノズルの噴霧軸心と前記立体ギャザーとの間に位置しており、
    前記フードは、前記移送方向の両側に気体流出口を有し、前記横方向の両側に気体流出口を有しない、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品の製造装置。
  5. 前記遮蔽体は、前記ノズルの噴出口の上方から、前記噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフードであり、
    前記フードの下縁の前記横方向の両端は、上方から見て、前記ノズルの噴霧軸心と前記立体ギャザーとの間に位置しており、
    前記フードの前記横方向の外側から、前記フードの下縁の前記横方向の両端と前記トップシートとの隙間に向けて、外側から気体を送風する送風手段を更に具備する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品の製造装置。
  6. 前記遮蔽体は、前記ノズルの噴出口の上方から、前記噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフードであり、
    前記フードの下縁の前記横方向の両端は、上方から見て、前記ノズルの噴霧軸心と前記立体ギャザーとの間に位置しており、
    前記フードの下縁の前記横方向の両端と前記トップシートとの隙間に臨む気体吸引手段を更に具備する、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品の製造装置。
  7. 前記遮蔽体は、前記ノズルの噴出口の上方から、前記噴霧軸心の周囲全体を覆うように延びたフードであり、
    前記フードの下縁の前記横方向の両端は、上方から見て、前記ノズルの噴霧軸心と前記立体ギャザーとの間に位置しており、
    前記フードの下縁は、前記移送方向の少なくとも一方側に向かうほど前記トップシート表面に近づくように傾斜している、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品の製造装置。
  8. 前記遮蔽体の下縁と前記トップシートの表面との高さ方向の最大間隔が、30mm以下である、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品の製造装置。
  9. 前記トップシートは親水性不織布からなり、
    前記ローションは、グリセリン70~90重量%、及び水10~30重量%を含む親水性ローションである、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品の製造装置。
  10. 前記トップシートは、繊度1~3dtex、目付け10~30g/m2、厚み0.4~1.4mmの繊維からなる不織布であり、
    前記ノズルは二流体ノズルであり、
    前記二流体ノズルは、外部混合型又は内部混合型であり、
    前記二流体ノズルにおける前記気体の圧力が0.03~0.20MPaであり、
    前記二流体ノズルにおける前記ローションの液圧が0.01~0.10MPaであり、
    前記ノズルの、スプレー角度が50~90度であり、
    前記ノズルの噴霧軸心と前記トップシートの表面とのなす角が直角であるとともに、前記ノズルの噴出口と前記トップシートの表面との距離が35~60mmであり、
    前記ノズルからの噴出直後の前記ローションの液滴は、位相ドップラー法によるザウター平均粒子径が200μm以下である、
    請求項9記載の使い捨て着用物品の製造装置。
  11. 装着者の肌に接する肌接触領域を有するトップシートと、前記トップシートの両側部の表面から着用者の肌に接するように起き上がる一対の立体ギャザーとを有し、
    前記肌接触領域は、ローションが含有されたローション含有領域を有し、
    前記本体部分及び前記付根部分は撥水性不織布により形成されている、使い捨て着用物品を製造する方法であって、
    前記トップシート及び立体ギャザーを含む組立体を、前後方向を移送方向として移送し、
    前記移送方向と直行する横方向の両側に前記立体ギャザーが位置し、これら立体ギャザーの間に前記トップシートの表面が露出し、前記トップシートの表面が上方を向く状態で、前記トップシートの上方に設けられ、
    ノズルから、前記組立体の前記トップシートに向かい、前記ローションを噴霧し、
    前記噴霧に際し、少なくとも前記ノズルの噴霧軸心の横方向両側に位置する部分を有し、前記トップシートに向かう前記ローションを遮らずに、前記立体ギャザーに向かう前記ローションを遮る遮蔽体を配置して噴霧する
    ことを特徴とする使い捨て着用物品の製造方法。
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