JP2022100053A - 電気化学測定用プローブおよび微小欠陥評価方法 - Google Patents

電気化学測定用プローブおよび微小欠陥評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微小面積における簡便かつ高感度な電気化学測定を可能とする電気化学測定用プローブを提供する。【解決手段】電気化学用測定プローブ1は、電解質4と、測定対象物13と接触するイオン導電性弾性部材3と、電解質4及びイオン導電性弾性部材3を収容する電気化学セル2と、を備える。電気化学セル2は、底部にイオン導電性弾性部材収容部14が形成され、イオン導電性弾性部材収容部14により、測定対象物13とイオン導電性弾性部材3との接触面積が一定に保持され、測定対象物13における電気化学インピーダンスの測定面積が規定される。これにより、微小面積における簡便かつ高感度な電気化学測定を可能とする電気化学測定用プローブ1が提供される。【選択図】図2A

Description

本発明は、構造材表面に形成された耐食性を有する被膜において、腐食の原因となる微小欠陥を測定する電気化学測定用プローブ及び微小欠陥評価方法に関する。
火力機器、原子力機器等の表面の耐食性、耐熱性を向上することにより、それら機器の信頼性を向上するために、機器の構造材表面に酸化膜等の防食膜を形成する。しかし、防食膜の成膜時に生じる亀裂やピンホール等の欠陥は、機器の使用時に腐食が激しく起こり、剥離等の原因となる。このため、機器の長寿命化において、欠陥のない防食膜を形成することが重要である。
また、欠陥のない防食膜であっても、機器の使用環境の影響により、使用中に欠陥を生じ、防食膜が劣化する可能性がある。このため、機器のメンテナンス時に防食膜の劣化状態を検査し、防食膜を再度成膜したり、劣化部分の構造材を交換したりする必要がある。
従来、防食膜の成膜状態及び劣化状態を把握するため、電気化学インピーダンス測定を用いて被膜の耐食性を評価している。電気化学インピーダンス測定は、測定対象物の表面に交流電圧又は電流を印加し、電圧及び電流を同時に測定することで得られた信号の比(電流/電圧)からインピーダンスを求める。電気化学インピーダンス測定を用いて、測定対象物の表面における電気的絶縁性を求めることにより、防食膜の成膜不良や劣化を評価できる。
しかしながら、従来の電気化学インピーダンス測定方法では、測定面積が1cm程度であることが一般的であるため、10~100μm径の微小欠陥における絶縁性低下に伴う電流/電圧比の減少を検出することが難しい。このため、測定面積を小さくすることにより、微小欠陥面積/測定面積比を増大することで、微小欠陥における電気信号の検出が可能となる。
一方で、微小欠陥面積/測定面積比の変化に伴い、微小欠陥における電気信号の強度が変化する。このため、微小欠陥径をより正確に評価するには、測定面積を一定に規定して電気化学インピーダンスを測定することが重要である。
電気化学インピーダンス測定の測定面積を小さくするには、測定対象物の表面と電解質が接触する面積を小さくすればよい。その方法として、測定対象物に絶縁被覆を施し、測定領域のみを露出させることが挙げられるが、測定対象物に不可逆的な処理を施すため、実機構造部材の検査に用いることができない上、処理に時間と手間がかかる。
特許文献1には、電気化学測定用プローブが測定対象に接触する先端部に、プローブ内部の電解液を保持するスポンジが設けられ、スポンジの側面が露出されていることにより、折り曲げ加工された非平坦材における交流インピーダンスを高精度に測定できる、ことが記載されている。つまり、電気化学測定用プローブの先端部に設けたスポンジ底面の面積を測定面積として規定し、測定対象に接触させることで、測定面積を一定に保持して交流インピーダンスを測定できる。
また、火力機器、原子力機器等の表面の耐食性、耐熱性を向上するための技術が特許文献2に記載されている。特許文献2に記載の技術においては、ステンレス合金等の金属やアルミナ等のセラミックス母材表面に耐食性、耐熱性の優れた溶射層を形成する方法として、母材成分の微細粒子の表面層に白金、パラジウム、クロム、モリブデン、ジルコニウム、チタン、タンタル等を含ませることで、粒子の中心部と組成の異なる表面層を形成させた微細粒子を、プラズマ溶射により母材表面に堆積させている。
特開2013-238583号公報 特開平8-176787号公報
プラントの構造部材として用いられるステンレス鋼、炭素鋼及びニッケル基合金において生じる腐食について、原子力発電プラントを一例として採り上げて説明する。
腐食は、固液界面における酸化剤の還元反応と、それに随伴して生じる金属の酸化反応と、によって進行する。酸素及び過酸化水素を含んでいる炉水が構造部材表面と接触すると、炉水に含まれる酸素及び過酸化水素が下記(1)式及び(2)式の反応により水に還元される。
+ 4H + 4e → 2HO ・・・(1)
+ 2H + 2e → 2HO ・・・(2)
ここで、(1)式及び(2)式の反応により消費される電子は、構造部材から供給される。このとき、構造部材の電気的中性を保つために、(3)式に示す対反応が生じる。
M → Mn+ + ne ・・・(3)
この対反応によって、構造部材に含まれる金属元素がイオン化して炉水に溶出することにより腐食が進展する。ここで、(3)式中、Mは構造部材に含まれる金属元素である。この金属元素のイオン化により、電子が放出される。
(3)式で示される金属元素イオンの溶出によって生じるアノード電流は、(1)式、(2)式で示される酸素及び過酸化水素等の酸化種の還元反応によって生じるカソード電流と絶対値が等しくなり、局所的な見かけ上の電流収支が0となる。すなわち、酸素や過酸化水素が材料から電子を奪う量に応じて(3)式の腐食が進行する。
ここで、原子炉の構造部材において生じる腐食について説明する。
原子炉圧力容器内では、炉水の放射線分解により生成された過酸化水素及び酸素が、定常的に炉水中に溶存している。このため、過酸化水素及び酸素を含んでいる炉水が、構造部材表面と接触し、前述の(1)式及び(2)式の化学反応量を増加させ、結果的に前述の(3)式の腐食が進行する。
腐食により構造部材の構成元素が冷却材中に溶出し、燃料棒に付着して放射化した後に再度冷却材中に溶出し、他部位の配管等の金属材料の内面に付着することで作業者の被ばく源となる。
例えば、沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor;BWR)では、給復水系統において冷却材に含まれる金属不純物を除去しているが、腐食生成物として冷却材中に溶出した不純物が冷却材中に僅かに存在し、金属酸化物として炉心内の燃料棒の表面に付着する。
燃料棒に付着した金属不純物は、燃料棒内の核燃料物質の核***により放出される中性子の照射によって原子核反応を起こし、コバルト60、コバルト58、マンガン54等の放射性核種になる。これらの放射性核種の一部は、取り込まれている酸化物の溶解度に応じて冷却材中にイオンとして溶出したり、クラッドと呼ばれる不溶性固体として冷却材中に再放出されたりする。
それらイオンやクラッドは、冷却材とともに再循環系などを循環している間に、配管等、冷却材と接触する構造部材の表面に形成した酸化皮膜中に蓄積される。蓄積された放射性物質は、BWRプラントの保守点検作業を行う従事者の放射線被ばくの原因となる可能性がある。すなわち、高温の冷却材と接触した状態で使用される金属材料から炉水中へと溶出する腐食生成物が、保守点検作業従事者の被ばくの原因となる可能性がある。
特に、放射化によって作業者の被ばく源となる主要元素は、コバルト60である。コバルトは、耐摺動部材であるコバルト基合金として使用される。この他、ステンレス鋼や高ニッケル合金に含まれるニッケルに同伴する不純物として含まれており、構造部材の腐食によって溶出し、炉心部で放射化することでコバルト60が生成される。
従事者の被ばく線量は、従事者毎に規定値を超えないように管理されている。近年この規定値が引き下げられたこともあり、各従事者の被ばく線量を可能な限り低くする必要がある。
炉心部で生成する放射性核種は構造部材から溶出した腐食生成物に由来するため、構造部材における腐食の進行を抑制することによって、被ばくを低減することができる。(1)式、(2)式で示される酸素及び過酸化水素等の酸化種の還元反応、あるいは(3)式で示される金属元素イオンの溶出反応のどちらかを抑制すれば、腐食は進行しなくなる。
このため、化学的に安定で、かつ電子の授受を行わない絶縁体で構造部材を被覆することにより、(1)式乃至(3)式の反応を抑制することができる。そのような絶縁材料で、かつ、原子炉内で使用可能な材料、すなわち、中性子吸収による炉心への影響がなく、脆化が遅く、かつ、放射化によって長寿命核種を生成しない材料が適切である。
そのような材料としてジルコニア(ZrO)が着目されている。燃料被覆管材料の主成分として用いられているジルコニウム(Zr)が、高温で水と接触することにより、以下の(4)式に従って生成するジルコニアは、絶縁材である上、構造部材の使用環境下において安定に存在するためである。
Zr+2HO→ZrO+2H ・・・(4)
構造部材の表面にジルコニアの薄膜を形成することで、構造部材と炉水とを遮断でき、その結果、腐食が抑制される。
このような技術の一環として、上述した特許文献2に記載の技術がある。
しかし、防食膜の成膜時に生じる亀裂やピンホール等の欠陥は、機器の使用時に腐食が激しく起こり、剥離等の劣化原因となる。このため、機器の長寿命化において、欠陥のない防食膜を形成することが重要である。
また、欠陥のない防食膜であっても、機器の使用環境の影響により、使用中に欠陥を生じ、防食膜が劣化する可能性がある。このため、機器のメンテナンス時に防食膜の劣化状態を検査し、防食膜を再度成膜したり、劣化部分の構造部材を交換したりする必要がある。
しかしながら、構造部材の表面に形成した薄膜における欠陥の有無や耐食性を、非破壊で検査する方法は十分に確立されていない。
このため、構造部材の微小面積における微小欠陥を高感度に検出できる技術が望まれる。
構造部材の微小面積における交流インピーダンス測定により、高感度に微小欠陥を検出するためには、特許文献1に記載された技術のように、電気化学測定用プローブ先端にイオン導電性弾性部材を配することが有効である。
しかし、イオン導電性弾性部材側面を露出させた状態でイオン導電性弾性部材と構造部材の接触面積を任意の面積に保持するため、イオン導電性弾性部材が規定範囲の圧縮応力や気孔径等の有する必要があるが、そのようなイオン導電性弾性部材の製作は困難である。
本発明の目的は、微小面積における簡便かつ高感度な電気化学測定を可能とする電気化学測定用プローブ及びそれを用いた微小欠陥評価方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
電気化学用測定プローブにおいて、電解質と、測定対象物と接触するイオン導電性弾性部材と、前記電解質及び前記イオン導電性弾性部材を収容する電気化学セルと、を備え、前記電気化学セルは、底部にイオン導電性弾性部材収容部が形成され、前記イオン導電性弾性部材収容部により、前記測定対象物の電気化学インピーダンスを測定する前記イオン導電性弾性部材の測定面積が規定される。
また、電気化学測定用プローブを用いた微小欠陥評価方法において、電解質及びイオン導電性弾性部材を収容する電気化学セルの底面を、前記イオン導電性弾性部材と測定対象物の表面との間に間隔を有する状態で、又は間隔を有さない状態で前記測定対象物の前記表面の上に位置させ、前記電気化学セルの上端を前記測定対象物の前記表面方向に移動させて、前記イオン導電性弾性部材の、前記測定対象物の前記表面への接触面積を一定に維持した状態で、前記イオン導電性弾性部材を前記測定対象物の前記表面に押し当て、前記測定対象物の前記表面の交流インピーダンスを測定し、前記測定対象物の防食膜の欠陥の有無を判定し、微小欠陥を評価する。
本発明によれば、微小面積における簡便かつ高感度な電気化学測定を可能とする電気化学測定用プローブ及びそれを用いた微小欠陥評価方法を提供することができる。また、プローブ先端部におけるイオン導電性弾性部材の物性要件を緩和し、微小面積における交流インピーダンス測定を可能にする。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
本発明が適用される電気化学測定用プローブの概略構成図である。 本発明の実施例1における電気化学測定用プローブの先端部の構造の概略断面模式図である。 本発明の実施例1における電気化学測定用プローブの先端部の構造の概略断面模式図である。 本発明の実施例2における電気化学測定用プローブの先端部の構造の概略断面模式図である。 本発明の実施例2における電気化学測定用プローブの先端部の構造の概略断面模式図である。 本発明の実施例3における電気化学測定用プローブの先端部の構造の概略断面模式図である。 本発明の実施例3における電気化学測定用プローブの先端部の構造の概略断面模式図である。 本発明の実施例4における電気化学測定用プローブの先端部の構造の概略断面模式図である。 本発明の実施例4における電気化学測定用プローブの先端部の構造の概略断面模式図である。 本発明の実施例5における電気化学測定用プローブの先端部の構造の概略断面模式図である。 本発明の実施例5における電気化学セルの底面の模式図である。 図6Aに示した例の変形例である。 図6Bに示した例の変形例である。 図6Bに示した例の他の変形例である。 非腐食性の電解質である硫酸ナトリウムを試験溶液に用い、試験面積を1cmとして交流インピーダンスを測定した結果を示すグラフである。
以下に本発明の電気化学測定用プローブ及び微小欠陥評価方法の実施例を、図面を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
(実施例1)
本発明の電気化学測定用プローブ及び微小欠陥評価方法の実施例1について説明する。
まず、測定対象物に対する測定面積と検出可能なピンホール欠陥との関係を説明する。
図8は、非腐食性の電解質である硫酸ナトリウムを試験溶液に用い、試験面積を1cmとして交流インピーダンスを測定した結果を示すグラフである。図8の縦軸はインピーダンス(Ω)を示し、横軸は周波数(Hz)を示す。
図8に示すように、ピンホール欠陥のない場合(黒い三角で示す)と300μm径のピンホール欠陥がある場合(黒丸で示す)とでは、有意なインピーダンスの差を検出できた。一方、ピンホール欠陥のない場合と100μm径のピンホール欠陥がある場合(ひし形で示す)とでは、有意なインピーダンスの差を検出できなかった。
したがって、直径100μm以下のピンホール欠陥を検出するためには、測定面積を1cm未満に縮小する必要がある。
図1は、本発明が適用される電気化学測定用プローブの概略構成図である。図1に示した例は電気化学インピーダンス測定体系と測定用プローブの断面の概念図である。
図1において、電気化学測定用プローブ1は、電気化学セル2の底部に、例えばスポンジ、海綿状材料又はゴムといった、弾力性を有するイオン導電体からなる押し当て部材3を配して電解質(試験溶液)4を充填し、参照電極5及び対極(カウンター電極)6を挿入したものである。さらに、構造部材10の表面に形成した防食膜11において、構造部材10の使用中に劣化して欠陥12が生成するだけでなく、防食膜11の成膜中に欠陥12が生成することもある。測定対象面である防食膜11の表面に、イオン導電性弾性部材3の底面を垂直に押し当てた状態でプローブを固定する。コンピュータ9を接続した電気化学測定装置(ポテンショスタット)8に、参照電極5、対極6及び測定対象物13に接続した導線7を接続する。
以上のように電気化学測定用プローブ1を組み立て、電気化学測定装置8及びコンピュータ9を操作することにより、防食膜11の交流インピーダンスを測定できる。
本実施例1における電気化学セル2は、電解質4を充填するため、電解質4と反応しない物質であるガラス又は樹脂製とすることが望ましい。
イオン導電性弾性部材3は、例えばスポンジや綿のような液絡の機能を有した柔軟な物質であることが望ましい。又は、導電性ゴムのような、電解質水溶液を通さないがイオン導電性を有した柔軟な物質を用いても良い。スポンジ、綿、及び導電性ゴムは電解質水溶液を通さないがイオン導電性を有した柔軟な物質を総称してイオン導電性弾性部材と定義する。
電解質4は、測定対象物13の交流インピーダンス(電気化学インピーダンス)を非破壊で測定するため、測定対象物13を腐食しない電解質(非腐食性電解液)とすることが望ましく、例えば、硫酸ナトリウム(NaSO)、硝酸ナトリウム(NaNO)及び炭酸ナトリウム(NaCO)のうちいずれか1種類以上の電解液を含有するものが望ましい。また、電解質4の濃度は0.01~1mоl/Lとすることが望ましい。
測定対象物13は、BWRを構成する部材であり、特には制御棒やその溶接部、燃料棒等である。なお、測定対象物13はBWRを構成するものに限られず、特に限定されないが、炉水、海水、熱水、工業用水等の水に接した状態で供されるものとすることが望ましい。
構造部材10は、特には限定されないが、好適には、ステンレス鋼、炭素鋼、高ニッケル基合金、ジルコニウム合金、コバルト基合金又は銅合金のうちいずれか1つ以上から構成される。
防食膜11は、構造部材10の腐食を抑制することが可能な被膜であるため、防食膜11として求められる機能を最大限に発揮させる物質を選択することが望ましい。構造部材10が炉水や海水、熱水、工業用水等の水に接するものである場合は、水に対する腐食に強い材質であることが望ましく、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化タンタル(Ta)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化クロム(Cr)、酸化バナジウム(V)、及びイットリア安定化ジルコニア(YSZ;Y-ZrO)のうちいずれか1つ以上からなるものとすることが望ましい。
本実施例1の電気化学測定用プローブ1により、電気化学セル2の底面に形成され、イオン導電性弾性部材が収容される開口部の面積を、イオン導電性弾性部材3の底面と測定対象物13が接触する測定面積として規定できる。このため、電気化学セル2を測定対象物13に対して平行方向に移動させることにより、イオン導電性弾性部材3の底面と測定対象物13が接触する面積である、測定面積を一定に保ったまま、測定対象物13の複数箇所における電気化学インピーダンスの測定が可能となる。
特許文献1に記載した技術では、スポンジが測定対象物の表面に接触する面積を一定に保つため、圧縮応力や気孔径等、スポンジの物性値の範囲を限定していたが、本実施例1では、イオン導電性弾性部材3の物性に依存せず、イオン導電性弾性部材3が測定対象物13の表面に接触する面積を一定に保持できる。
また、電気化学測定用プローブ1の先端面を測定対象物13の表面に垂直に接触させるのみで微小欠陥の測定ができる。したがって、電気化学測定のために、測定対象物13の測定対象領域以外を樹脂で被覆し、測定対象領域のみを露出させる等の処理を測定対象物13に施す必要がない。さらに、電解質4として非腐食性の電解質を用いれば、測定対象物13に新たな欠陥を生成したり、腐食や劣化を及ぼしたりすることがないため、非破壊の電気化学測定が可能である。
図2A及び図2Bは本発明の実施例1における電気化学測定用プローブ1の先端部の構造の概略断面模式図である。
図2Aにおいて、電気化学セル2は、電解質4及びイオン導電性弾性部材3の一部を収容する上方筒状部2Aと、イオン導電性弾性部材3の他の部分を収容し、イオン導電性弾性部材3と測定対象物13の接触面積を規定する筒状の測定面積規定用電気化学セル14とを有する。実施例1では、測定面積規定用電気化学セル14は下方筒状部となっており、イオン導電性弾性部材収容部として機能する。上方筒状部2Aは、下方に開口面を有して突出し、イオン導電性弾性部材3を内部に保持する下方突出部2Bを有する。
測定面積規定用電気化学セル14は、上部に下方突出部2Bを上下方向に摺動可能に支持する下方突出部収容部14Aを有する。下方突出部収容部14Aは下方突出部2Bの下方向への移動位置を制限する。イオン導電性弾性部材3は、上方筒状部2A、下方突出部2B及び下方筒状部である測定面積規定用電気化学セル14の内部に収容されている(電気化学セル2は、底部である測定面積規定用電気化学セル14にイオン導電性弾性部材収容部が形成されている)。図2Aに示す状態においては、イオン導電性弾性部材3と測定対象物13の表面とは接触しておらず、イオン導電性弾性部材3と測定対象物13の表面との間には、空洞部が存在する。
図2Aに示すように、最初に、電気化学セル2の底部を測定対象物13の表面に対して垂直に押し当て、筒状構造の測定面積規定用電気化学セル14を測定対象物13の表面上に配置する。次に、イオン導電性弾性部材3を装荷した電気化学セル2を、測定面積規定用電気化学セル14の方向に移動させ、イオン導電性弾性部材3と測定対象物13の表面と間に形成された空洞部分にイオン導電性弾性部材3の底部を挿入することにより、図2Bに示すように、イオン導電性弾性部材3の底面が測定対象物13の表面に押し当てられ、一定面積で接触する。
測定面積規定用電気化学セル14の内径は一定の値に製作でき、下方の開口面積を一定の微小面積とすることができる。このため、測定面積規定用電気化学セル14の内部に収容されたイオン導電性弾性部材3は、測定面積規定用電気化学セル14の内部を移動し、測定面積が規定されて、測定対象物13の表面に接触することにより、イオン導電性弾性部材3が測定対象物13の表面に一定の微小面積で接触することが可能となる。
つまり、本発明の実施例1によれば、微小面積における簡便かつ高感度な電気化学測定を可能とする電気化学測定用プローブを提供することができる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について説明する。
図3A及び図3Bは、本発明の実施例2における電気化学測定用プローブ1の先端部の構造の概略断面模式図である。電気化学測定用プローブ1の全体構成は、先端部を除いて、図1に示した例と同様になるので、図示及び詳細な説明は省略する。
図3Aにおいて、電気化学セル2は、電解質4を収容する円筒状又は多角柱状であり、底面部に内部方向に向かって窪み、イオン導電性弾性部材3が配置され、窪み形状の窪み部2Cが形成されている。窪み部2Cの上面には、孔2Dが形成され、電解質4がイオン導電性弾性部材3に含浸する。イオン導電性弾性部材3の径は、窪み部2Cの径以下となっており、イオン導電性弾性部材3の側面部は、窪み部2Cの内側面との間に隙間が生じている。また、イオン導電性弾性部材3の上下方向の寸法は、窪み部2Cの内部の上下方向寸法以上となっており、図3Aに示すように、電気化学セル2を、イオン導電性弾性部材3を測定対象物13に向けて乗せたのみの状態では、電気化学セル2の底面部と測定対象物13の表面との間には隙間が生じ、接触していない状態となっている。
次に、電気化学セル2の底面を測定対象物13の表面に垂直に押し当てることにより、図3Aに示す状態から図3Bに示す状態に変化し、電気化学セル2の窪み部2Cの内部に収容した(配置した)イオン導電性弾性部材3が窪み部2Cの内側面まで拡がる。そして、イオン導電性弾性部材3の底面を測定対象物13の表面に対して、窪み部2Cの内径により規定される一定面積で接触させることができる。
本実施例2においても、実施例1と同様な効果を得ることができる。
図3A及び図3Bに示した本実施例2による電気化学セル2の構造は、上面に孔2Dの開いた窪み部2Cをもつのみの簡単な形状である上、他の構成部材を必要とすることなく、電気化学セル2のみで、イオン導電性弾性部材3を測定対象物13の表面に押し当てることができる。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について説明する。
図4A及び図4Bは、本発明の実施例3における電気化学測定用プローブ1の先端部の構造の概略断面模式図である。電気化学測定用プローブ1の全体構成は、先端部を除いて、図1に示した例と同様になるので、図示及び詳細な説明は省略する。
図4Aにおいて、電気化学セル2は、電解質4及びイオン導電性弾性部材3が配置され、上面に孔2Eが形成され、下面に測定面積規定用電気化学セル14が形成されている。
イオン導電性弾性部材3は断面がT字形状であり、一部が測定面積規定用電気化学セル14の内部に移動自在に配置されている。孔2Eには、ピストンシリンダー15が挿入され、イオン導電性弾性部材3と接続する。図4Aに示した状態においては、電気化学セル2は測定対象物13の表面に置かれた状態であり、ピストンシリンダー15は、イオン導電性弾性部材3と単に接続されているのみである。測定面積規定用電気化学セル14内のイオン導電性弾性部材3は、測定対象物13の表面と間隔があり、接触はしていない。
ピストンシリンダー15を電気化学セル2内に押し込み、図4Bに示すように、イオン導電性弾性部材3の底面を測定対象物13の表面に押し当てることにより、イオン導電性弾性部材3の底面を測定対象物13の表面に対して一定面積で接触させることができる。
本実施例3においても、実施例1と同様な効果を得ることができる。
本実施例3による電気化学セル2の構造は、上面及び底面に孔2E及び測定面積規定用電気化学セル14を有するのみの非常に簡単なものであり、電気化学セル2の製作が容易である。また、ピストンシリンダー15を押し込むことでイオン導電性弾性部材3の底面を測定対象物13の表面に押し当てることができるため、イオン導電性弾性部材3の押し当て加減を細かく調節できる。
(実施例4)
次に、本発明の実施例4について説明する。
図5A及び図5Bは、本発明の実施例4における電気化学測定用プローブ1の先端部の構造の概略断面模式図である。電気化学測定用プローブ1の全体構成は、先端部を除いて、図1に示した例と同様になるので、図示及び詳細な説明は省略する。
図5Aにおいて、電気化学セル2は、電解質4を収容する円筒状又は多角柱状であり、底面部に内部方向に向かって窪み、イオン導電性弾性部材3が配置され、測定面積規定用電気化学セル14である窪み部2Cが形成されている。窪み部2Cの上面には、孔2Dが形成され、電解質4がイオン導電性弾性部材3に接触している。イオン導電性弾性部材3の径は、窪み部2Cの径以下となっており、イオン導電性弾性部材3の側面部は、窪み部2Cの内側面との間に隙間が生じている。
イオン導電性弾性部材3と窪み部2Cの内側面との間にシール材料(パッキン)16が配置されている。イオン導電性弾性部材3の上下方向の寸法は、窪み部2Cの内部の上下方向寸法以上となっており、図5Aに示すように、電気化学セル2を、イオン導電性弾性部材3を測定対象物13に向けて乗せたのみの状態では、電気化学セル2の底面部と測定対象物13の表面との間には隙間が生じ、接触していない状態となっている。
電気化学セル2の底面を測定対象物13の表面に垂直に押し当てる。そうすると、図5Bに示すように、シール材料16の開口部の面積が規定された状態でイオン導電性弾性部材3を測定対象物13に向けて押しつぶすことにより、電気化学セル2の窪み部2Cに配置されたイオン導電性弾性部材3の底面を測定対象物13の表面に対して、シール材料16の開口部面積と等しい一定面積で接触させることができる。
本実施例4においても、実施例1と同様な効果を得ることができる。
本実施例4による電気化学セル2の構造は、底部に孔2Dの開いた窪みをもつのみの簡単なものである。シール材料16を用いることにより、イオン導電性弾性部材3を測定対象物13の表面に押し当てたとき、イオン導電性弾性部材3と測定対象物13の接触面積がシール材料16の内径と等しくなるため、測定面積をより正確に規定できる。
(実施例5)
次に、本発明の実施例5について説明する。
図6Aは、本発明の実施例5における電気化学測定用プローブ1の先端部の構造の概略断面模式図である。図6Bは、本発明の実施例5における電気化学セル2の底面の模式図である。
本実施例5は、実施例1~4の電気化学測定用プローブ1の先端部の構造に対し、以下に説明する構造をもたせることで、より簡便な電気化学測定が可能となる。
なお、図6Aに示した実施例5において、電気化学セル2の電解質4及びイオン導電性弾性部材3の配置構造は、簡便的に記載されているが、実施例1~4のいずれの配置構造であってもよいものである。
図6Aに示すように、導線7を電気化学セル2の底面から上面に貫通させ、電気化学セル2の上面側から導線7を電気化学測定装置8へ接続する。さらに、図6Bに示すように、電気化学セル2の底面の一部から導線7を外部に露出させることにより、電気化学セル2の底面を測定対象物13の表面に押し当てたとき、導線7が測定対象物13に接触する。それにより、測定対象物13における電流や電圧を電気化学測定装置8で検出可能となる。
図6A及び図6Bに示した電気化学セル2は、電気化学セル2の壁面の内部において、導線7を上面から底面まで貫通させた、非常に簡単な構造であるため、製作が比較的容易である。
図1に示した電気化学測定用プローブ1では、測定対象物13における電流や電圧を測定するため、電気化学セル2とは別に、電気化学測定装置8に接続した導線7を測定対象物13に接続させる必要があった。
これに対して、図6A及び図6Bに示した電気化学測定用プローブ1では、導線7を電気化学測定装置8に接続し、電気化学セル2の底面を測定対象物13の表面に接触させるのみで、測定対象物13における電流や電圧を測定することが可能である。
図7A、図7B及び図7Cは、図6A及び図6Bに示した例の変形例を示す図である。
図7Aに示すように、電気化学セル1の底面に円形(図7B)又は多角形(図7Cに示す例は四角形であるが、四角形以外の多角形でもよい)の導線17を配置し、外部に露出させ、電気化学測定装置8に接続した導線7と接触させることにより、測定対象物13における電流や電圧を電気化学測定装置8で検出する。
図7Aに示した電気化学セル2は、底面に円形又は多角形の導線17を配置することにより、電気化学セル2の底面を測定対象物13の表面に接触させたとき、導線17も測定対象物13の表面に接触する構造である。さらに、電気化学セル2の壁面の内部において、導線17に導線7を接触させ、電気化学セル2の上面側に突出した導線7を電気化学測定装置8に接続する。これにより、電気化学セル2の底面を測定対象物13の表面に接触させるのみで、測定対象物13における電流や電圧を測定することが可能となる。
本実施例5によれば、実施例1~4と同様な効果が得られる。
(実施例6)
次に本発明の実施例6について説明する。
本発明の実施例6は、実施例1~5による電気化学測定用プローブ1を用いた微小欠陥評価方法の例である。
最初に、図8に示したように、測定面積が1cmの場合、ピンホール欠陥の直径が300μm以上であれば、ピンホール欠陥のないものと比較して、インピーダンスが有意に減少した。一方で、ピンホール欠陥の直径が100μmの場合、ピンホール欠陥のないものと比較しても、インピーダンスの有意な相違はみられなかった。
したがって、欠陥の面積に対して、測定面積が100~1000倍程度であれば欠陥を検出できるが、測定面積が1000倍以上だと欠陥の検出は困難である。このため、電気化学セル2の底面における開口部分の面積を、測定対象物13における欠陥12の面積に対して100~1000倍程度とするのが好ましい。測定対象物13における欠陥12の面積が不明の場合は、検出したい最小の欠陥径に合わせて測定面積を選定するとよい。
欠陥12の面積が非常に小さく、その面積に合わせた電気化学セル2の製作が困難な場合は、電解質4の濃度を大きくすることにより、欠陥12の検出感度を増大することができる。
測定前の電気化学測定用プローブ1の組立方法の一例を説明する。
電気化学セル2の底部における空洞部分の形状及び寸法に合わせて、イオン導電性弾性部材3を製作し、電気化学セル2の底部の空洞部分にイオン導電性弾性部材3を配する。次に、電気化学セル2に電解質4を充填した後、参照電極5及び対極6を挿入し、各電極に接続した導線及び測定対象物13に接続した導線7を電気化学測定装置8へ接続する。電気化学測定装置8にコンピュータ9を接続する。
電気化学測定用プローブ1を用いた微小欠陥評価方法を説明する。
電解質4及びイオン導電性弾性部材3を収容する電気化学セル2の下方端(底面)を、イオン導電性弾性部材3と測定対象物13の表面との間に間隔を有する状態で、又は間隔を有さない状態で測定対象物13の表面上に位置させる。
次に、電気化学セル2の上端を測定対象物13の表面方向に移動させて、イオン導電性弾性部材3の、測定対象物13の表面への接触面積を一定に維持した状態で、イオン導電性弾性部材3を測定対象物13に押し当てる。
次に、測定対象物13の表面の交流インピーダンスを測定する。
そして、測定対象物13の防食膜11の欠陥の有無を判定し、微小欠陥を評価する。
電気化学セル2の内部を脱気する必要がある場合は、電気化学セル2の上面にガス入排気管を設け、測定開始前に電気化学セル2内へ窒素ガス等を20~30分間程度流してもよい。
微小欠陥の測定条件は、測定周波数が0.001~100000Hzで、測定時間の短い高周波数域における積層回数は5周期(5Cycle)以上、測定時間の長い低周波数域では1周期(1Cycle)以上であることが好ましい。しかし、任意の周波数のみにおけるインピーダンス測定結果から、必要な欠陥に関する情報が得られる場合は、任意の周波数のみにおけるインピーダンスを測定してもよい。
本実施例6によれば、微小面積における簡便かつ高感度な電気化学測定を可能とする電気化学測定用プローブを用いた微小欠陥評価方法を提供することができる。
(その他)
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1・・・電気化学測定用プローブ、2・・・電気化学セル、2A・・・上方筒状部、2B・・・下方突出部、2C・・・窪み部、2D、2E・・・孔、3・・・イオン導電性弾性部材、4・・・電解質(試験溶液)、5・・・参照電極、6・・・対極(カウンター電極)、7・・・導線、8・・・電気化学測定装置(ポテンショスタット)、9・・・コンピュータ、10・・・構造部材、11・・・防食膜、12・・・欠陥、13・・・測定対象物、14・・・測定面積規定用電気化学セル、14A・・・下方突出部収容部、15・・・ピストンシリンダー、16・・・シール材料(パッキン)、17・・・導線

Claims (13)

  1. 電気化学測定用プローブにおいて、
    電解質と、
    測定対象物と接触するイオン導電性弾性部材と、
    前記電解質及び前記イオン導電性弾性部材を収容する電気化学セルと、
    を備え、前記電気化学セルは、底部にイオン導電性弾性部材収容部が形成され、前記イオン導電性弾性部材収容部により、前記測定対象物と前記イオン導電性弾性部材との接触面積が一定に保持され、前記測定対象物における電気化学インピーダンスの測定面積が規定されることを特徴とする電気化学測定用プローブ。
  2. 請求項1に記載の電気化学測定用プローブにおいて、
    前記イオン導電性弾性部材が、前記電気化学セルにより、前記測定対象物に押し当てられることにより、前記イオン導電性弾性部材により、前記測定対象物における前記電気化学インピーダンスの測定面積が規定されることを特徴とする電気化学測定用プローブ。
  3. 請求項1または2に記載の電気化学測定用プローブにおいて、
    前記電気化学セルは、前記電解質及び前記イオン導電性弾性部材を収容する上方筒状部を有し、前記上方筒状部は前記イオン導電性弾性部材を収容する下方突出部を有し、前記イオン導電性弾性部材収容部は開口部を有する下方筒状部であり、
    前記下方筒状部は、前記下方突出部を摺動可能に支持し、前記上方筒状部が前記測定対象物に向かって移動することによって、前記イオン導電性弾性部材が前記測定対象物に押し当てられ、前記イオン導電性弾性部材が前記測定対象物に対して一定面積で接触することを特徴とする電気化学測定用プローブ。
  4. 請求項1または2に記載の電気化学測定用プローブにおいて、
    前記イオン導電性弾性部材収容部は、前記電気化学セルの底面に形成された窪み部であり、前記イオン導電性弾性部材は、前記窪み部に形成された孔を介して前記電解質を含浸することを特徴とする電気化学測定用プローブ。
  5. 請求項1または2に記載の電気化学測定用プローブにおいて、
    前記電気化学セルは、ピストンシリンダーを備え、
    前記電気化学セルの上面に前記ピストンシリンダーが挿入される孔が形成され、前記ピストンシリンダーが下方に移動することによって、前記イオン導電性弾性部材が前記測定対象物に押し当てられることを特徴とする電気化学測定用プローブ。
  6. 請求項1または2に記載の電気化学測定用プローブにおいて、
    前記イオン導電性弾性部材収容部は、前記電気化学セルの底面に形成された窪み部であり、前記イオン導電性弾性部材は前記窪み部に形成された孔を介して前記電解質を含浸し、前記窪み部の側面と前記イオン導電性弾性部材との間にシール部材が配置されていることを特徴とする電気化学測定用プローブ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気化学測定用プローブにおいて、
    前記測定対象物の前記電気化学インピーダンスを測定する電気化学測定装置と、前記電気化学セルの底面から外部に露出し、前記電気化学セルの内部を貫通して、前記電気化学測定装置に接続され、前記測定対象物と接触する導線と、を備えることを特徴とする電気化学測定用プローブ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気化学測定用プローブにおいて、
    前記導線は、前記電気化学セルの底面の一部から前記外部に露出することを特徴とする電気化学測定用プローブ。
  9. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気化学測定用プローブにおいて、
    前記導線は、前記電気化学セルの底面に円形または多角形の形状を有して形成され、前記外部に露出することを特徴とする電気化学測定用プローブ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電気化学測定用プローブにおいて、
    前記電解質は、非腐食性電解液であることを特徴とする電気化学測定用プローブ。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電気化学測定用プローブにおいて、
    前記電解質は、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムまたは炭酸ナトリウムの少なくともいずれか一種類以上の電解液を含有することを特徴とする電気化学測定用プローブ。
  12. 電気化学測定用プローブを用いた微小欠陥評価方法において、
    電解質及びイオン導電性弾性部材を収容する電気化学セルの底面を、前記イオン導電性弾性部材と測定対象物の表面との間に間隔を有する状態で、又は間隔を有さない状態で前記測定対象物の前記表面の上に位置させ、
    前記電気化学セルの上端を前記測定対象物の前記表面方向に移動させて、前記イオン導電性弾性部材の、前記測定対象物の前記表面への接触面積を一定に維持した状態で、前記イオン導電性弾性部材を前記測定対象物の前記表面に押し当て、
    前記測定対象物の前記表面の交流インピーダンスを測定し、
    前記測定対象物の防食膜における欠陥の有無を判定し、微小欠陥を評価することを特徴とする微小欠陥評価方法。
  13. 電気化学測定用プローブを用いた微小欠陥評価方法において、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電気化学測定用プローブの少なくともいずれか一種類以上を用いることを特徴とする微小欠陥評価方法。
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