JP2022094785A - 電子基板筐体及びその製造方法 - Google Patents

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Masahiro Sato
和男 大谷
Kazuo Otani
信行 高橋
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Abstract

【課題】金属部材と樹脂部材とを備えるとともに両部材の接合強度が高い電子基板筐体及びその製造方法を提供すること。【解決手段】電子基板筐体は、金属基材2の少なくとも一部の表面に1層又は複数層の樹脂コーティング層4が積層された金属部材1と、金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sに接合された樹脂部材とを備える。金属基材2はアルミニウム又は銅からなる。樹脂コーティング層4の少なくとも1層が、変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物から形成された変性ポリオレフィン層であり、変性ポリオレフィン層は、無水マレイン酸変性ポリオレフィンと2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物との反応物1を含む層、無水マレイン酸変性ポリオレフィンと熱可塑性エポキシ樹脂との反応物2を含む層、及びポリオレフィンと熱可塑性エポキシ樹脂との混合物を含む層からなる群より選ばれる少なくとも1種である。【選択図】図5

Description

本開示は、自動車用の電子制御ユニットなどに使用される電子基板筐体、その製造方法及び電子制御ユニットに関する。
自動車では内燃機関やモーターの電子制御のための電子基板を内蔵した電子制御ユニットが多数使用されるようになっている。
例えば図15に示すように、電子制御ユニット160に使用される電子基板150の筐体110は、電子基板150を収容するとともに一面(同図では上面)が開放した略容器状の筐体本体121、筐体本体121の開放部121bを閉塞する蓋体としてのカバー体131などを備えている。
この筐体110において、電子基板150上には発熱性素子(例:半導体素子)を有する発熱体155が搭載されるとともに、電子基板150の両端部がそれぞれ筐体本体121の底部122に突出状に一体形成されたボス部122aにねじ154によって固定されている。
さらに、電子基板150の熱(詳述すると発熱体155の熱)を筐体110の外側に放散するため、筐体本体121における電子基板150の発熱体搭載部152の下側部分には、ヒートシンク部111が筐体本体121と一体に形成されている。すなわち、ヒートシンク部111は、電子基板150の発熱体搭載部152の下面にTIM層(熱インターフェイス材料層)157を介して熱的に接触するベース部112、ベース部112から筐体本体121の外側下方に突出した複数の放熱フィン部113などを有するともに、これらが筐体本体121に一体に形成されている。
筐体本体121としては、軽量化による自動車の低燃費化を図るため、一般にアルミダイカスト製のもの(例:アルミダイカスト製インバータケース)が広く用いられている(例えば特許文献1参照)。
特開2010-27807号公報
近年、自動車の更なる低燃費化が求められており、そのため、電子基板筐体の更なる軽量化が求められている。
そこで、筐体の一部を樹脂部材とするとともに他の部分を金属部材とし、両部材を接合することで筐体を組立製造することが考えられるが、この場合、筐体に要求される強度を満足させるべく両部材は強固に接合されている必要がある。
本開示は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その主な目的は、金属部材と樹脂部材とを備えるとともに両部材の接合強度が高い電子基板筐体及びその製造方法を提供することにある。また本開示のもう一つの目的は、当該電子基板筐体を備える電子制御ユニットを提供することにある。
本開示は以下の態様を包含する。
[1] 金属基材の少なくとも一部の表面に1層又は複数層の樹脂コーティング層が積層された金属部材と、前記金属部材の前記金属基材の前記樹脂コーティング層側の面に接合された樹脂部材とを備え、
前記金属基材はアルミニウム又は銅からなり、
前記樹脂コーティング層の少なくとも1層が、変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物から形成された変性ポリオレフィン層であり、前記変性ポリオレフィン層は、無水マレイン酸変性ポリオレフィンと2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物との反応物1を含む層、無水マレイン酸変性ポリオレフィンと熱可塑性エポキシ樹脂との反応物2を含む層、及びポリオレフィンと熱可塑性エポキシ樹脂との混合物を含む層からなる群より選ばれる少なくとも1種である電子基板筐体。
[2] 前記反応物1が、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを含む溶液中で、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物を重付加反応させてなる、前項1に記載の電子基板筐体。
[3] 前記反応物2が、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物の重付加反応により生成した熱可塑性エポキシ樹脂と、無水マレイン酸変性ポリオレフィンとを反応させてなる、前項1に記載の電子基板筐体。
[4] 前記混合物が、ポリプロピレンと熱可塑性エポキシ樹脂との混合物である、前項1に記載の電子基板筐体。
[5] 前記樹脂コーティング層が、前記変性ポリオレフィン層と、前記変性ポリオレフィン層以外の層とを含む複数層からなり、前記変性ポリオレフィン層以外の層の少なくとも1層が、熱可塑性エポキシ樹脂を含む樹脂組成物から形成された熱可塑性エポキシ樹脂層及び硬化性樹脂を含む樹脂組成物から形成された硬化性樹脂層から選ばれる少なくとも1種である、前項1から4のいずれか1つに記載の電子基板筐体。
[6] 前記硬化性樹脂が、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、前項5に記載の電子基板筐体。
[7] 前記金属基材と前記樹脂コーティング層との間に、前記金属基材と前記樹脂コーティング層に接して積層された官能基含有層を有し、
前記官能基含有層が、下記(1)から(7)からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を含む、前項1から6のいずれか1つに記載の電子基板筐体。
(1)シランカップリング剤由来であって、グリシジル基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基及びメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基
(2)シランカップリング剤由来のアミノ基に、グリシジル化合物及びチオール化合物から選ばれる少なくとも1種が反応して生成した官能基
(3)シランカップリング剤由来のメルカプト基に、グリシジル化合物、アミノ化合物、イソシアネート化合物、(メタ)アクリロイル基及びグリシジル基を有する化合物、並びに(メタ)アクリロイル基及びアミノ基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が反応して生成した官能基
(4)シランカップリング剤由来の(メタ)アクリロイル基に、チオール化合物が反応して生成した官能基
(5)シランカップリング剤由来のグリシジル基に、アミノ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物、アミノ化合物、及びチオール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が反応して生成した官能基
(6)イソシアネート化合物由来のイソシアナト基
(7)チオール化合物由来のメルカプト基
[8] 前記金属基材の表面に、ブラスト処理、研磨処理、エッチング処理及び化成処理からなる群より選ばれる少なくとも1種の表面処理が施されており、前記樹脂コーティング層は、前記金属基材の前記表面処理された面の上に積層されている、前項1から7のいずれか1つに記載の電子基板筐体。
[9] 前記金属基材は、アルミニウム押出材からなり、且つ、引張強度が150MPa以上及び熱伝導率が150W/(m・K)以上の特性を有している前項1から8のいずれか1つに記載の電子基板筐体。
[10] 前記金属基材は、A6000系合金のアルミニウム鍛造材からなり、且つ、引張強度が240MPa以上及び熱伝導率が180W/(m・K)以上の特性を有している前項1から8のいずれか1つに記載の電子基板筐体。
[11] 放熱部を有する放熱部材と、電子基板を収容する筐体本体とを備え、
前記放熱部材が前記金属部材であり、且つ前記電子基板の熱を前記筐体本体の外側に放散するものであり、
前記筐体本体が前記樹脂部材であり、
前記筐体本体に設けられた開口に前記放熱部材が前記筐体本体の外側に前記放熱部が露出する態様に配置されており、
前記放熱部材における少なくとも前記筐体本体との接触面が前記樹脂コーティング層側の面であり、
前記筐体本体が前記放熱部材の前記接触面に接合されている前項1から10のいずれか1つに記載の電子基板筐体。
[12] 前記筐体本体の内面に第1アルミラミネートフィルムが電磁遮蔽層として積層状に熱溶着している前項11に記載の電子基板筐体。
[13] 前記筐体本体の一面が開放した開放部を閉塞する樹脂製カバー体を更に備えており、
前記カバー体の内面に第2アルミラミネートフィルムが電磁遮蔽層として積層状に熱溶着している前項11又は12のいずれかに記載の電子基板筐体。
[14] 前記筐体本体の一面が開放した開放部を閉塞する樹脂製カバー体を更に備えており、
前記筐体本体の内面に第1アルミラミネートフィルムが電磁遮蔽層として積層状に熱溶着しており、
前記カバー体の内面に第2アルミラミネートフィルムが電磁遮蔽層として積層状に熱溶着しており、
前記筐体本体の前記開放部が前記カバー体で閉塞された状態で、前記筐体本体と前記カバー体が、前記第1アルミラミネートフィルムと前記第2アルミラミネートフィルムとの熱溶着により接合されている前項11に記載の電子基板筐体。
[15] 前項11から14のいずれか1つに記載の電子基板筐体を備え、
前記電子基板筐体の筐体本体内に電子基板が収容されるとともに、前記筐体本体に一体に形成された電子基板固定用突起部の熱かしめにより前記電子基板が前記筐体本体に固定されている電子制御ユニット。
[16] 前項1から10のいずれか1つに記載の電子基板筐体の製造方法であって、射出成形法、トランスファ成形法、プレス成形法、フィラメントワインディング成形法又はハンドレイアップ成形法により樹脂部材を成形する際に、金属部材の樹脂コーティング層側の面に樹脂部材を接合する電子基板筐体の製造方法。
[17] 前項11から14のいずれか1つに記載の電子基板筐体の製造方法であって、射出成形法、トランスファ成形法、プレス成形法、フィラメントワインディング成形法又はハンドレイアップ成形法により筐体本体を成形する際に、放熱部材における筐体本体との接触面に筐体本体を接合する電子基板筐体の製造方法。
[18] 前項12又は14に記載の電子基板筐体の製造方法であって、射出成形法、トランスファ成形法、プレス成形法、フィラメントワインディング成形法又はハンドレイアップ成形法により筐体本体を成形する際に、放熱部材における筐体本体との接触面に筐体本体を接合するのと同時に、成形用金型内に配置された第1アルミラミネートフィルムを筐体本体の内面に積層状に熱溶着させる電子基板筐体の製造方法。
本開示の電子基板筐体は樹脂部材を備えているので、筐体の軽量化を図りうる。さらに、樹脂部材が、金属部材の樹脂コーティング層側の面に接合されるとともに、樹脂コーティング層の少なくとも1層が、変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物から形成された変性ポリオレフィン層であり、変性ポリオレフィン層が、無水マレイン酸変性ポリオレフィンと2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物との反応物1を含む層、無水マレイン酸変性ポリオレフィンと熱可塑性エポキシ樹脂との反応物2を含む層、及びポリオレフィンと熱可塑性エポキシ樹脂との混合物を含む層からなる群より選ばれる少なくとも1種であるので、金属部材と樹脂部材との接合強度が高い。
図1は、本開示の第1実施形態に係る電子基板筐体を備えた電子制御ユニットの概略断面図である。 図2は、図1中のA部分の概略拡大図である。 図3は、同筐体の樹脂部材(筐体本体)を射出成形法により成形する際に、同筐体の金属部材(ヒートシンク)を金型内に配置した状態を示す概略断面図である。 図4Aは、金属部材において、金属基材の表面処理された面に樹脂コーティング層が形成された状態を示す概略断面図である。 図4Bは、金属部材において、金属基材の表面処理された面に官能基含有層が形成され、その上に樹脂コーティング層が形成された状態を示す概略断面図である。 図5は、金属部材と樹脂部材が接合された状態の概略断面図である。 図6は、金属部材と樹脂部材が接着剤層を介して接合された状態の概略断面図である。 図7は、本開示の第2実施形態に係る電気基板筐体の樹脂部材(筐体本体)及び金属部材(ヒートシンク)の概略断面図である。 図8は、同樹脂部材を射出成形法により成形する際に、同金属部材とアルミラミネートフィルムを射出成形用金型内に配置した状態を示す概略断面図である。 図9は、同アルミラミネートフィルムの概略断面図である。 図10は、本開示の第3実施形態に係る電子基板筐体の樹脂部材(筐体本体)及び金属部材(ヒートシンク)の概略斜視図である。 図11は、同樹脂部材及び金属部材を図10とは別の方向から見た概略斜視図である。 図12は、同樹脂部材及び金属部材の底面図である。 図13は、図12中のA-A線端面図である。 図14は、図12中のB-B線端面図である。 図15は、従来の電子基板筐体を備えた電子制御ユニットの概略断面図である。 図16は、ベーマイト皮膜のSEM写真である。
次に、本開示のいくつかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本開示において、文中に特に明示した場合を除き、「金属」の語は単一の金属元素からなる純金属と、純金属に1種類以上の他元素を混ぜた合金との双方を含む意味で用いられる。例えば、「アルミニウム」の語は、アルミニウムの純金属及びその合金を含む。
本開示において、接合とは、物と物を繋ぎ合わせることを意味し、接着とはその下位概念であり、テープ、接着剤などの有機材料(硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など)を介して、2つの被着材(接着しようとするもの)を接合状態にすることを意味する。
本開示に係る電子基板筐体の上下方向は限定されるものではないが、本明細書及び特許請求の範囲では、電子基板筐体の構成を理解し易くするため、図1に示した電子基板筐体の上下方向を、本開示に係る電子基板の上下方向と定義する。
図1に示すように、本開示の第1実施形態に係る電子基板筐体10を備えた電子制御ユニット60は、例えば自動車用のウォーターポンプモーターの回転数制御に用いられるものであり、回転数制御のための素子(例:半導体素子)を有する発熱体55が搭載された電子基板50を内蔵している。
電子基板筐体10は、電子基板50を収容するとともに一面(同図では上面)が開放した略容器状の筐体本体21と、筐体本体21の開放部21bを閉塞する蓋体としてのカバー体31と、電子基板50の熱を電子基板筐体10(筐体本体21)の外側に放散する放熱部材としてのヒートシンク11とを備えており、外部からの埃などの侵入を抑制するとともに、自動車の車体などへの取付け固定を担うものである。
第1実施形態の電子基板筐体10では、ヒートシンク11が金属部材1からなり、筐体本体21が樹脂部材8からなる。したがって、ヒートシンク11は金属製であり、筐体本体21は樹脂製である。さらに、カバー体31は樹脂製である。
筐体本体21(樹脂部材8)は底部22を有するとともに、底部22には上方に突出した複数の電子基板固定用突起部23が一体に形成されている。各突起部23は電子基板50の対応する端部に設けられた固定孔51に挿通されるとともに、この状態で各突起部23の熱かしめにより電子基板50が筐体本体21に固定されている。そのため、電子基板50の固定作業を容易に行うことができる。
筐体本体21の底部22における電子基板50の発熱体搭載部52の下側部分には、底部22の厚さ方向に貫通した開口24が設けられている。この開口24の断面形状はヒートシンク11(詳述するとヒートシンク11の後述するベース部12)の断面形状に対応している。
ヒートシンク11(金属部材1)は、アルミニウム押出材からなるものであり、板状のベース部12と、放熱部材の放熱部としての複数の放熱フィン部13とを有している。放熱フィン部13はベース部12に対して突出状にベース部12に一体に形成されている。
そして、ヒートシンク11は、その放熱フィン部13が筐体本体21の外側にその下方向に突出するように露出する態様にして筐体本体21の上述した開口24に配置されており、更に、ヒートシンク11のベース部12のベース面12b(同図ではベース部12の上面)が電子基板50の発熱体搭載部52の下面にTIM層(例:熱伝導シート)57を介して熱的に接触している。さらにこの状態で、ヒートシンク11における筐体本体21との接触面である、ヒートシンク11のベース部12の外周面12aに、筐体本体21(詳述すると筐体本体21の開口24の内周面24a)が接合(接着)されている。
カバー体31は上述したように樹脂製である。樹脂の種類は限定されるものではなく、例えばポリプロピレン(PP)である。
カバー体31の外周部にはフランジ部32が形成されており、筐体本体21の周壁部25の上端部には周壁部25に対して外側方に突出したフランジ部26が一体に形成されている。そして、筐体本体21のフランジ部26(詳述するとフランジ部26のフランジ面26a)とカバー体31のフランジ部32(詳述するとフランジ部32のフランジ面32a)とが重ね合わされることで筐体本体21の開放部21bがカバー体31で閉塞されている。そしてこの状態で、両フランジ部26、32同士がねじ等の締結部材(図示せず)により締結されており、これによりカバー体31が筐体本体21に固定されている。
さらに、図2に示すように、カバー体31におけるフランジ部32のフランジ面32aを含む内面31aにはその全体に亘ってアルミラミネートフィルム40Aがカバー体31の電磁遮蔽層として積層状に熱溶着している。
アルミラミネートフィルム40Aは、アルミニウム箔(アルミニウム蒸着層を含む)(図9参照、符号「41」)とその両面にそれぞれ積層された熱可塑性樹脂フィルム(例:PPフィルム、PETフィルム)(図9参照、符号「42」)とが一体化されたものである。そして、アルミニウム箔が電磁遮蔽層として実質的に機能している。
ここで本開示では、筐体本体21におけるフランジ部26のフランジ面26aを含む内面21aにもその全体に亘ってアルミラミネートフィルム(図示せず)が筐体本体の電磁遮蔽層として積層状に熱溶着されていてもよい。この場合、アルミラミネートフィルムは筐体本体21の電磁遮蔽層として機能する上、さらに、筐体本体21とカバー体31とを熱溶着により接合する熱溶着層として機能する。
すなわち、この場合、筐体本体21のフランジ部26(詳述するとフランジ部26のフランジ面26a)とカバー体31のフランジ部32(詳述するとフランジ部32のフランジ面32a)とを重ね合わせることで筐体本体21の開放部21bをカバー体31で閉塞し、そしてこの状態で、一方のフランジ部26のフランジ面26aに熱溶着したアルミラミネートフィルムと他方のフランジ部32のフランジ面32aに熱溶着したアルミラミネートフィルム40Aとを互いに熱溶着させることにより、両フランジ部26、32(両フランジ面26a、32a)同士を接合する。これにより、カバー体31が筐体本体21に固定される。したがって、筐体本体21とカバー体31との接合強度が向上するし、両者21、31の接合作業を容易に行うことができ、また両者21、31を接合する際に必ずしも締結部材を用いることを要せず、その結果、電子基板筐体10の部品点数の削減を図りうる。
次に、電子基板筐体10の各部材の構成及びその製造方法について詳細に説明する。以下では、ヒートシンク11を「金属部材1」とも記載し、筐体本体21を「樹脂部材8」とも記載する。
[金属部材1]
金属部材1(ヒートシンク11)は、図4A及び図4Bに示すように、金属基材2と、金属基材2の表面上に積層された1層又は複数層の樹脂コーティング層4とを有している。金属基材2はアルミニウム又は銅からなる。
図4A及び図4Bにおいて、樹脂コーティング層4は、金属基材2の表面処理された面上に積層されており、樹脂コーティング層4の少なくとも1層は、変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物から形成された変性ポリオレフィン層4aである。
樹脂コーティング層4は、金属基材2の表面に優れた接合性で形成され、ポリオレフィンとも優れた接合性を発揮するものである。これにより、金属基材2に、ポリオレフィンを含む樹脂部材8に対する優れた接着性(樹脂コーティング層4を介した接合性)が付与される。したがって、樹脂コーティング層4は金属基材2の接合面の上に配置されたプライマー層であるともいえる。
本開示において、プライマー層とは、金属部材1と樹脂部材8が接合される際に、金属基材2と樹脂部材8との間に介在し、金属基材2の樹脂部材8に対する接着性(樹脂コーティング層4を介した接合性)を向上させる層であることを意味する。
また、樹脂コーティング層4により金属基材2の表面が保護されるため、金属基材2の表面への汚れの付着、酸化などの変質を抑制することができる。そのため、数ヶ月間の長期にわたって保管した場合であっても、樹脂部材に対する優れた接着性を維持することができる金属部材1を得ることができる。
一実施形態では、図4Aに示すように、金属部材1において、樹脂コーティング層4は金属基材2の表面処理部2aの表面に直接積層されていてもよい。別の実施形態では、図4Bに示すように、金属部材1において、金属基材2の表面処理部2aの表面に官能基含有層3が設けられ、さらに、官能基含有層3の表面に樹脂コーティング層4が形成されてもよい。すなわち、官能基含有層3が金属基材2の表面処理部2aと樹脂コーティング層4との間に配置されてもよい。
金属基材2の表面処理された面は、金属部材1(金属基材2)における少なくとも樹脂部材8(筐体本体21)との接合予定面であり、即ち金属部材1(金属基材2)における少なくとも樹脂部材8との接触面であり、具体的には、図1に示すようにヒートシンク11における少なくともベース部12の外周面12aである。なお本開示では、金属基材2の表面処理された面は、その他に例えば金属基材2の表面全体であってもよい。
<金属基材2>
金属基材2は上述したようにアルミニウム又は銅からなる。
金属基材2がアルミニウムからなる場合、即ち金属基材2がアルミニウム基材2Aである場合は、電子基板筐体10の軽量化を図ることができる。金属基材2が銅からなる場合、即ち金属基材2が銅基材2Bである場合、銅は高い熱伝導率を有しているのでヒートシンク11の放熱特性を高めることができる。
金属基材2がアルミニウム基材2Aである場合において、アルミニウム基材2Aのアルミニウム材料の種類は限定されるものではなく、例えばアルミニウム含有量が50質量%以上のものであり、具体的には、アルミニウム材料は、A1000系合金、A6000系合金(例:A6063、A6061、A6082、A6110)、A4000系合金などであることが好ましく、更に、アルミニウム材料は、A6063アルミニウム合金であることがより好ましい。その理由は、A6063アルミニウム合金は高い熱伝導率と高い強度を有するからである。
アルミニウム基材2Aはアルミニウム押出材又はアルミニウム鍛造材からなるものであることが好ましい。アルミニウム押出材は、引張強度が150MPa以上及び熱伝導率が150W/(m・K)以上の特性を有していることが更に好ましい。アルミニウム鍛造材は、A6000系合金であって引張強度が240MPa以上及び熱伝導率が180W/(m・K)以上の特性を有していることが更に好ましい。これらの場合、アルミニウム基材2Aが高い引張強度(高強度)及び高い熱伝導率(高熱伝導性)を有しているので、金属部材1の高強度化を図ることができるし、金属部材1の放熱特性を向上させることができる。引張強度の上限は限定されるものではなく、例えば450MPaである。熱伝導率の上限は限定されるものではなく、例えば250W/(m・K)である。なお、上述の引張強度及び熱伝導率はそれぞれ室温での値である。
アルミニウム基材2Aがアルミニウム鍛造材からなる場合、アルミニウム基材2Aは次の方法で製造されることが好ましい。
すなわち、アルミニウム基材2Aの好ましい製造方法では、所定の特性を有するアルミニウム材料の溶湯を連続鋳造装置に供給することにより鋳造棒を連続鋳造する工程と、鋳造棒を所定の長さに切断することによりビレット(素材)を得る工程と、ビレットを均質化処理する工程と、ビレットを外径面削する工程と、ビレットを熱間型鍛造加工することにより鍛造材としてのヒートシンク形状の素形材を形成する工程とをこの記載の順に行う。次いで、素形材における所定の箇所を機械加工(例:切削加工)により、素形材における所定の箇所(樹脂部材8との接合予定面、TIM層57との接触面など)を機械加工(例:切削加工)により仕上げ加工する。これにより、アルミニウム鍛造材からなるアルミニウム基材2Aが得られる。
金属基材2が銅基材2Bである場合において、銅基材2Bの銅材料の種類は限定されるものではなく、特に純銅であることが好ましい。その理由は、純銅は高い熱伝導率を有するためヒートシンク11の放熱特性が向上するからである。
〔表面処理(部)〕
金属部材1を製造する際、樹脂コーティング層4を形成する前に、金属基材2の表面処理を施すことが好ましい。図4A及び図4Bの金属基材2における少なくとも樹脂部材8との接合予定面には表面処理部2aが形成されている。なお、表面処理部2aは金属基材2の一部とみなす。
表面処理としては、例えば、溶剤等による洗浄・脱脂処理、ブラスト処理、研磨処理、プラズマ処理、レーザー処理、エッチング処理、及び化成処理が挙げられ、金属基材2の表面に水酸基を生じさせる表面処理であることが好ましい。これらの表面処理は、1種のみであってもよく、2種以上を施してもよい。これらの表面処理の具体的な方法としては、公知の方法を用いることができる。
表面処理は、金属基材2の表面の汚染物を除去、及び/又はアンカー効果を目的として金属基材2の表面に微細な凹凸を形成して粗面化させるものである。これにより、金属基材2の表面と、樹脂コーティング層4との接合性を向上させることができ、その結果、金属部材1と接合対象である樹脂部材8との接着性(樹脂コーティング層4を介した接合性)を向上させることもできる。このような観点からは、表面処理としては、ブラスト処理、研磨処理、エッチング処理及び化成処理からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(洗浄・脱脂処理)
溶剤等による洗浄・脱脂処理としては、例えば、金属基材2の表面を、アセトン、トルエン等の有機溶剤を用いて脱脂することが挙げられる。洗浄・脱脂処理は、他の表面処理の前に行うことが好ましい。
(ブラスト処理)
ブラスト処理としては、例えば、ショットブラスト、及びサンドブラストが挙げられる。
(研磨処理)
研磨処理としては、例えば、研磨布を用いたバフ研磨、研磨紙(サンドペーパー)を用いたロール研磨、及び電解研磨が挙げられる。
(プラズマ処理)
プラズマ処理とは、高圧電源を用いて、電極と呼ばれるロッドから出るプラズマビームを材料表面に入射させることで、表面に存在する異物又は油膜を先ず洗浄し、素材に応じたガスにエネルギーを投入することで表面分子を励起する方法である。プラズマ処理としては、例えば、表面に水酸基又はその他の極性基を付与することができる大気圧プラズマ処理が挙げられる。
(レーザー処理)
レーザー処理とは、レーザー照射によって表面層のみを急速に加熱及び冷却して、材料の表面特性を改善する技術であり、表面の粗面化に有効な方法である。レーザー処理として、公知のレーザー処理技術を使用することができる。
(エッチング処理)
エッチング処理としては、例えば、アルカリ法、リン酸-硫酸法、フッ化物法、クロム酸-硫酸法、塩鉄法などの化学的エッチング処理、及び電解エッチング法などの電気化学的エッチング処理が挙げられる。
金属基材2がアルミニウムである場合、エッチング処理は、エッチング液として水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いたアルカリ法が好ましく、水酸化ナトリウム水溶液を用いた苛性ソーダ法がより好ましい。アルカリ法は、例えば、金属基材2を濃度3~20質量%の水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液に、20~70℃で1~15分間浸漬させることにより行うことができる。添加剤として、キレート剤、酸化剤、リン酸塩等をエッチング液中に添加してもよい。浸漬後、5~20質量%の硝酸水溶液等で中和(脱スマット)し、水洗、乾燥を行うことが好ましい。
(化成処理)
化成処理とは、主として金属基材2の表面に、表面処理部2aとして化成皮膜を形成するものである。化成処理としては、例えば、ベーマイト処理、及びジルコニウム処理が挙げられる。金属基材2がアルミニウムである場合、化成処理はベーマイト処理であることが好ましい。
ベーマイト処理では、金属基材2を熱水処理することにより、金属基材2の表面にベーマイト皮膜が形成される。反応促進剤として、アンモニア、トリエタノールアミンなどを水に添加してもよい。例えば、金属基材2を、濃度0.1~5.0質量%でトリエタノールアミンを含む90~100℃の熱水中に3秒~5分間浸漬して行うことが好ましい。
ジルコニウム処理では、金属基材2を、例えば、リン酸ジルコニウムなどのジルコニウム塩含有液に浸漬することにより、金属基材2の表面にジルコニウム化合物の皮膜が形成される。金属基材2を、ジルコニウム処理用の化成剤(例えば、日本パーカライジング株式会社製「パールコート3762」、同「パールコート3796」など)の45~70℃の液中に0.5~3分間浸漬して行うことが好ましい。ジルコニウム処理は、苛性ソーダ法によるエッチング処理後に行うことが好ましい。
金属基材2がアルミニウムである場合、金属基材2にエッチング処理及びベーマイト処理から選ばれる少なくとも1種の表面処理が施されていることが好ましい。
<官能基含有層3>
図4Bに示すように、金属基材2と樹脂コーティング層4との間に、金属基材2と樹脂コーティング層4に接して積層された一層又は複数層の官能基含有層3を設けることもできる。官能基含有層3を設ける場合、官能基含有層3が有する官能基が、金属基材2の表面の水酸基及び樹脂コーティング層4を構成する樹脂が有する官能基と、それぞれ反応して化学結合を形成することにより、金属基材2の表面と、樹脂コーティング層4との接着性を向上させることができ、その結果、金属部材1と接合対象である樹脂部材8との接着性(樹脂コーティング層4を介した接合性)も向上させることができる。
〔処理〕
官能基含有層3は、金属基材2の表面を、下記(1’)~(7’)からなる群より選ばれる少なくとも1つを用いて処理することにより、形成されたものであることが好ましい。
(1’)グリシジル基、アミノ基及びメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を含有するシランカップリング剤
(2’)グリシジル化合物及びチオール化合物から選ばれる少なくとも1種と、アミノ基を有するシランカップリング剤の組み合わせ
(3’)グリシジル化合物、アミノ化合物、イソシアネート化合物、(メタ)アクリロイル基及びグリシジル基を有する化合物、並びに(メタ)アクリロイル基及びアミノ基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、メルカプト基を有するシランカップリング剤の組み合わせ
(4’)チオール化合物と、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤の組み合わせ
(5’)アミノ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物、アミノ化合物、及びチオール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、グリシジル基を有するシランカップリング剤の組み合わせ
(6’)イソシアネート化合物
(7’)チオール化合物
〔官能基〕
官能基含有層3は、前記処理により導入された官能基を含むことが好ましく、具体的には、下記(1)~(7)からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を含むことが好ましい。
(1)シランカップリング剤由来であって、グリシジル基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基及びメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基
(2)シランカップリング剤由来のアミノ基に、グリシジル化合物及びチオール化合物から選ばれる少なくとも1種が反応して生成した官能基
(3)シランカップリング剤由来のメルカプト基に、グリシジル化合物、アミノ化合物、イソシアネート化合物、(メタ)アクリロイル基及びグリシジル基を有する化合物、並びに(メタ)アクリロイル基及びアミノ基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が反応して生成した官能基
(4)シランカップリング剤由来の(メタ)アクリロイル基に、チオール化合物が反応して生成した官能基
(5)シランカップリング剤由来のグリシジル基に、アミノ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物、アミノ化合物、及びチオール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が反応して生成した官能基
(6)イソシアネート化合物由来のイソシアナト基
(7)チオール化合物由来のメルカプト基
金属基材2に官能基含有層3を形成する前に、金属基材2の表面に上述した表面処理部2aを設けることもできる。表面処理部2aの微細な凹凸によるアンカー効果と、官能基含有層3が有する官能基が金属基材2の表面の水酸基及び樹脂コーティング層4を構成する樹脂が有する官能基のそれぞれと反応して形成する化学結合との相乗効果によって、金属基材2の表面と樹脂コーティング層4との接着性、及び金属部材1と接合対象である樹脂部材8との接着性(樹脂コーティング層4を介した接合性)を更に向上させることもできる。
シランカップリング剤、イソシアネート化合物、チオール化合物などを用いて官能基含有層3を形成する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー塗布法、及び浸漬法が挙げられる。具体的には、金属基材2を、濃度5~50質量%のシランカップリング剤等の常温~100℃の溶液中に1分~5日間浸漬した後、常温~100℃で1分~5時間乾燥させることにより官能基含有層3を形成することができる。
〔シランカップリング剤〕
シランカップリング剤としては、例えば、ガラス繊維の表面処理等に用いられる公知のものを使用することができる。シランカップリング剤を加水分解させて生成したシラノール基、又はシラノール基が縮合して生成したオリゴマー化物のシラノール基が、金属基材2の表面に存在する水酸基と反応して結合することにより、樹脂コーティング層4と化学結合可能なシランカップリング剤の構造に基づく官能基を、金属基材2に対して付与する(導入する)ことができる。
シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤;3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、ジチオールトリアジンプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基又はイソシアナト基を有するシランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニル基を有するシランカップリング剤;3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、及び3-ウレイドプロピルトリアルコキシシランが挙げられる。シランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔イソシアネート化合物〕
イソシアネート化合物は、イソシアネート化合物中のイソシアナト基が、金属基材2の表面に存在する水酸基と反応して結合することにより、樹脂コーティング層4と化学結合可能なイソシアネート化合物の構造に基づく官能基を、金属基材2に対して付与する(導入する)ことができる。
イソシアネート化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの多官能イソシアネート;及び2-イソシアナトエチルメタクリレート(例えば、昭和電工株式会社製「カレンズMOI(登録商標)」)、2-イソシアナトエチルアクリレート(例えば、昭和電工株式会社製「カレンズAOI(登録商標)」、「AOI-VM(登録商標)」)、1,1-(ビスアクリロイルオキシエチル)エチルイソシアネート(例えば、昭和電工株式会社製「カレンズBEI(登録商標)」)などのラジカル反応性基を有するイソシアネート化合物が挙げられる。
〔チオール化合物〕
チオール化合物は、チオール化合物中のメルカプト基が、金属基材2の表面に存在する水酸基と反応して結合することにより、樹脂コーティング層4と化学結合可能なチオール化合物の構造に基づく官能基を、金属基材2に対して付与する(導入する)ことができる。
チオール化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)(例えば、三菱ケミカル株式会社製「QX40」、東レ・ファインケミカル株式会社製「QE-340M」)、エーテル系一級チオール(例えば、コグニス(Cognis)社製「カップキュア3-800」)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン(例えば、昭和電工株式会社製「カレンズMT(登録商標)BD1」)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)(例えば、昭和電工株式会社製「カレンズMT(登録商標)PE1」)、及び1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(例えば、昭和電工株式会社製「カレンズMT(登録商標)NR1」)が挙げられる。
<樹脂コーティング層4>
金属基材2の上には樹脂コーティング層4が積層されている。樹脂コーティング層4は1層であってもよく、複数層で構成されてもよい。
〔変性ポリオレフィン層4a〕
樹脂コーティング層4の少なくとも1層は、変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物から形成された変性ポリオレフィン層4aである。樹脂コーティング層4が変性ポリオレフィン層4aを含むことにより、金属部材1は樹脂部材8との優れた接着性(樹脂コーティング層4を介した接合性)を示すことができる。
樹脂コーティング層4を、変性ポリオレフィン層4aと、変性ポリオレフィン層4a以外の層とを含む複数層で構成し、変性ポリオレフィン層4a以外の層を、熱可塑性エポキシ樹脂を含む樹脂組成物から形成された熱可塑性エポキシ樹脂層4b及び硬化性樹脂を含む樹脂組成物から形成された硬化性樹脂層4cから選ばれる少なくとも1種とすることもできる。
樹脂コーティング層4が複数層から構成される場合、必須となる変性ポリオレフィン層4aが、金属基材2と反対側の最表面となるように積層されることが好ましい。
変性ポリオレフィン層4aは、無水マレイン酸変性ポリオレフィンの存在下で、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物を重付加反応させると同時に、無水マレイン酸変性ポリオレフィン骨格中の無水マレイン酸にも反応させて得た反応物1を含む層、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物の重付加反応により生成した熱可塑性エポキシ樹脂と、無水マレイン酸変性ポリオレフィン骨格中の無水マレイン酸とを反応させて得た反応物2を含む層、及び熱可塑性エポキシ樹脂とポリオレフィンとの混合物を含む層からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
(反応物1)
反応物1は、無水マレイン酸変性ポリオレフィンの溶液中で、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物とを触媒存在下で重付加反応させることで得ることができる。このとき、無水マレイン酸変性ポリオレフィンは、2官能エポキシ樹脂、2官能フェノール化合物、及び反応物2の項にて後述する2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物から生成した熱可塑性エポキシ樹脂とも反応するものと考えられる。
(無水マレイン酸変性ポリオレフィン)
無水マレイン酸変性ポリオレフィンは、無水マレイン酸をポリオレフィンにグラフトしたものであり、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、及び無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。無水マレイン酸変性ポリオレフィンとしては、具体的には、化薬アクゾ社製カヤブリッド002PP、002PP-NW、003PP、003PP-NW、及び三菱ケミカル株式会社製Modicシリーズが挙げられる。無水マレイン酸で機能化させたポリプロピレン添加剤としてBYK社製SCONA TPPP2112GA、TPPP8112GA、又はTPPP9212GAを無水マレイン酸変性ポリオレフィンと併用してもよい。
(2官能エポキシ樹脂)
2官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂が挙げられる。2官能エポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2官能エポキシ樹脂としては、具体的には、三菱ケミカル株式会社製「jER(登録商標)828」、「jER(登録商標)834」、「jER(登録商標)1001」、「jER(登録商標)1004」、「jER(登録商標)1007」、及び「jER(登録商標)YX-4000」が挙げられる。
(2官能フェノール化合物)
2官能フェノール化合物としては、例えば、ビスフェノール、及びビフェノールが挙げられる。2官能フェノール化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2官能フェノール化合物の組み合わせとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールA;ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF;ビフェニル型エポキシ樹脂と4,4’-ビフェノール;及びナガセケムテックス株式会社製「WPE190」と「EX-991L」が挙げられる。
熱可塑性エポキシ樹脂の重付加反応用触媒としては、例えば、トリエチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン;及びトリフェニルホスフィンなどのリン系化合物が好ましい。
(反応物2)
反応物2は、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物の重付加反応により生成した熱可塑性エポキシ樹脂と、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを反応させることで得ることができる。この反応で用いる無水マレイン酸変性ポリオレフィン、2官能エポキシ樹脂、及び2官能フェノール化合物としては、反応物1を生成するときと同じものを用いることができる。
(熱可塑性エポキシ樹脂)
反応物2の製造に使用する熱可塑性エポキシ樹脂は、現場重合型フェノキシ樹脂、現場硬化型フェノキシ樹脂、現場硬化型エポキシ樹脂などとも呼ばれる樹脂であり、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物とが触媒存在下で重付加反応することにより、熱可塑構造、すなわち、リニアポリマー構造を形成する。ここで、リニアポリマーとは、ポリマー分子中に架橋構造を含まず、1次元の直鎖状であるポリマーを意味する。熱可塑性エポキシ樹脂は、架橋構造による3次元ネットワークを構成する硬化性樹脂とは異なり、熱可塑性を有する。
反応物1又は反応物2を製造する際に使用する2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物の合計量は、無水マレイン酸変性ポリオレフィン100質量部に対して、5~100量部であることが好ましく、5~60質量部であることがより好ましく、10~30質量部であることが更に好ましい。
なお、反応物1及び反応物2を得る際に生じる反応の仕方は、無水マレイン酸変性ポリオレフィンと2官能エポキシ樹脂の反応、無水マレイン酸変性ポリオレフィンと2官能フェノール化合物の反応、無水マレイン酸間をエポキシが繋ぐ反応、熱可塑性エポキシ樹脂末端のエポキシ基と無水マレイン酸の反応、熱可塑性エポキシ樹脂骨格中の二級の水酸基と無水マレイン酸の反応など、多岐にわたり、かつ、その組み合わせに基づく具体的態様を包括的に表現することもできない。よって、反応物1又は反応物2として得られる変性ポリオレフィンを構造又は特性により直接特定することは不可能又は非実際的といえる。
熱可塑性エポキシ樹脂とポリオレフィンとの混合物は、前述した反応物2の製造に使用したものと同様の熱可塑性エポキシ樹脂と、ポリオレフィンとを常法により混合して得ることができる。
(ポリオレフィン)
混合物の形成に使用するポリオレフィンとしては、樹脂部材8に使用されるポリオレフィンを使用することができる。ポリオレフィンは、特に限定されるものではなく、一般的な合成樹脂であってよい。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、及びポリプロピレンが挙げられる。
樹脂コーティング層4は、金属基材2の表面上に積層される。上述したように、樹脂コーティング層4は、表面処理が施されていない金属基材2の表面に積層されていてもよく、表面処理を施した金属基材2の表面に積層されていてもよい。樹脂コーティング層4は、官能基含有層3の表面に積層されていてもよい。
〔熱可塑性エポキシ樹脂層4b〕
樹脂コーティング層4を、変性ポリオレフィン層4aと、変性ポリオレフィン層4a以外の層とを含む複数層で構成し、変性ポリオレフィン層4a以外の層の少なくとも1層を、熱可塑性エポキシ樹脂を含む樹脂組成物から形成された熱可塑性エポキシ樹脂層4bで構成することができる。
熱可塑性エポキシ樹脂を含む樹脂組成物は、熱可塑性エポキシ樹脂を40質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましい。
(熱可塑性エポキシ樹脂)
熱可塑性エポキシ樹脂は、反応物2の製造に使用する熱可塑性エポキシ樹脂と同様に、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物とが触媒存在下で重付加反応することにより、熱可塑構造、すなわち、リニアポリマー構造を形成する樹脂であり、架橋構造による3次元ネットワークを構成する硬化性樹脂とは異なり、熱可塑性を有する。熱可塑性エポキシ樹脂は、このような特徴を有していることにより、現場重合によって、金属基材2との接合性に優れ、かつ、変性ポリオレフィン層4aとの接合性に優れた熱可塑性エポキシ樹脂層4bを形成することができる。したがって、金属部材1を製造する際に、下層の表面上で、熱可塑性エポキシ樹脂のモノマーを含む組成物を重付加反応させることにより、熱可塑性エポキシ樹脂層4bを形成することが好ましい。
熱可塑性エポキシ樹脂のモノマーを含む組成物の重付加反応は、下層として官能基含有層3の表面上で行うことが好ましい。このような態様で形成された熱可塑性エポキシ樹脂層4bを含む樹脂コーティング層4は、金属基材2との接合性に優れ、かつ、後述する樹脂部材8との接合性に優れる。
熱可塑性エポキシ樹脂のモノマーを含む組成物を用いて熱可塑性エポキシ樹脂層4bを形成する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー塗布法、及び浸漬法が挙げられる。
熱可塑性エポキシ樹脂のモノマーを含む組成物は、熱可塑性エポキシ樹脂の重付加反応を十分に進行させ、所望の樹脂コーティング層を形成させるために、溶剤を含んでもよく、必要に応じて着色剤などの添加剤を含んでいてもよい。この場合、組成物の溶剤以外の成分中、熱可塑性エポキシ樹脂のモノマーが主成分であることが好ましい。主成分とは、熱可塑性エポキシ樹脂のモノマーの含有率が50~100質量%であることを意味する。熱可塑性エポキシ樹脂のモノマーの含有率は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。
熱可塑性エポキシ樹脂を得るためのモノマーは、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール性化合物との組み合わせが好ましい。
重付加反応は、反応化合物の種類などにもよるが、温度120~200℃で、5~90分間加熱して行うことが好ましい。具体的には、組成物をコーティングした後、適宜溶剤を揮発させ、その後、加熱して重付加反応を行うことにより、熱可塑性エポキシ樹脂層を形成することができる。
〔硬化性樹脂層4c〕
樹脂コーティング層4を、変性ポリオレフィン層4aと、変性ポリオレフィン層4a以外の層とを含む複数層で構成し、変性ポリオレフィン層4a以外の層を、硬化性樹脂を含む樹脂組成物から形成された硬化性樹脂層4cで構成することもできる。
硬化性樹脂を含む樹脂組成物は、硬化性樹脂の硬化反応を十分に進行させ、所望の樹脂コーティング層を形成させるため、溶剤を含んでもよく、必要に応じて着色剤などの添加剤を含んでいてもよい。この場合、樹脂組成物の溶剤以外の成分中、硬化性樹脂が主成分であることが好ましい。主成分とは、硬化性樹脂の含有率が40~100質量%であることを意味する。硬化性樹脂の含有率は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上である。
硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂層4cは、これらの樹脂のうちの1種で形成されていてもよく、2種以上が混合されて形成されていてもよい。硬化性樹脂層4cを複数層で構成し、各層を異なる種類の硬化性樹脂を含む樹脂組成物で形成することもできる。
硬化性樹脂のモノマーを含む組成物を用いて硬化性樹脂層4cを形成する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー塗布法、及び浸漬法が挙げられる。
本開示において、硬化性樹脂とは架橋硬化する樹脂を意味し、加熱硬化タイプに限られず、常温硬化タイプ及び光硬化タイプも包含される。光硬化タイプは、可視光又は紫外線の照射によって短時間での硬化も可能である。光硬化タイプを、加熱硬化タイプ及び/又は常温硬化タイプと併用してもよい。光硬化タイプとしては、例えば、昭和電工株式会社製「リポキシ(登録商標)LC-760」、「リポキシ(登録商標)LC-720」などのビニルエステル樹脂が挙げられる。
(ウレタン樹脂)
ウレタン樹脂は、通常、イソシアネート化合物のイソシアナト基とポリオール化合物の水酸基との反応によって得られる樹脂であり、ASTM D16において、「ビヒクル不揮発成分10重量%以上のポリイソシアネートを含む塗料」と定義されるものに該当するウレタン樹脂が好ましい。ウレタン樹脂は、一液型であってもよく、二液型であってもよい。
一液型ウレタン樹脂としては、例えば、油変性型(不飽和脂肪酸基の酸化重合により硬化するもの)、湿気硬化型(イソシアナト基と空気中の水との反応により硬化するもの)、ブロック型(ブロック剤が加熱により解離し再生したイソシアナト基と水酸基が反応して硬化するもの)、及びラッカー型(溶剤が揮発して乾燥することにより硬化するもの)が挙げられる。これらの中でも、取り扱い容易性の観点から、湿気硬化型一液ウレタン樹脂が好適に用いられる。湿気硬化型一液ウレタン樹脂としては、具体的には、昭和電工株式会社製「UM-50P」が挙げられる。
二液型ウレタン樹脂としては、例えば、触媒硬化型(イソシアナト基と空気中の水等とが触媒存在下で反応して硬化するもの)、及びポリオール硬化型(イソシアナト基とポリオール化合物の水酸基との反応により硬化するもの)が挙げられる。
ポリオール硬化型におけるポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、及びポリエーテルポリオール-フェノール樹脂が挙げられる。
ポリオール硬化型におけるイソシアナト基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート;2,4-若しくは2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)又はその混合物、p-フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はその多核体混合物であるポリメリックMDIなどの芳香族イソシアネート;及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂環族イソシアネートが挙げられる。
ポリオール硬化型の二液型ウレタン樹脂におけるポリオール化合物とイソシアネート化合物の配合比は、水酸基/イソシアナト基のモル当量比が0.7~1.5の範囲であることが好ましい。
二液型ウレタン樹脂において使用されるウレタン化触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、テトラメチルグアニジン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサン-1,6-ジアミン、ジメチルエーテルアミン、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジプロピレン-トリアミン、N-メチルモルフォリン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリエチルアミンなどのアミン系触媒;及びジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズジマレートなどの有機スズ系触媒が挙げられる。
ポリオール硬化型においては、一般に、ポリオール化合物100質量部に対して、ウレタン化触媒が0.01~10質量部配合されることが好ましい。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する樹脂である。エポキシ樹脂の硬化前のプレポリマーとしては、例えば、エーテル系ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、エステル系の芳香族エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、及びエーテル・エステル系エポキシ樹脂が挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好適に用いられる。エポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、具体的には、三菱ケミカル株式会社製「jER(登録商標)828」、及び「jER(登録商標)1001」が挙げられる。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、具体的には、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製「D.E.N.(登録商標)438(登録商標)」が挙げられる。
エポキシ樹脂に使用される硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物、フェノール樹脂、チオール類、イミダゾール類、及びカチオン触媒が挙げられる。硬化剤を長鎖脂肪族アミン又は/及びチオール類と併用することにより、伸び率が大きく、耐衝撃性に優れる樹脂コーティング層4を形成することができる。
チオール類の具体例としては、官能基含有層3を形成するためのチオール化合物として例示したものと同じ化合物が挙げられる。これらの中でも、樹脂コーティング層4の伸び率及び耐衝撃性の観点から、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)(例えば、昭和電工株式会社製「カレンズMT(登録商標)PE1」)が好ましい。
(ビニルエステル樹脂)
ビニルエステル樹脂は、ビニルエステル化合物を重合性モノマー(例えば、スチレン)に溶解したものである。ビニルエステル樹脂は、一般にエポキシ(メタ)アクリレート樹脂とも呼ばれるが、本開示において、ビニルエステル樹脂にはウレタン(メタ)アクリレート樹脂も包含される。
ビニルエステル樹脂としては、例えば、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)、「塗料用語辞典」(色材協会、1993年発行)などに記載されているものを使用することができる。ビニルエステル樹脂としては、具体的には、昭和電工株式会社製「リポキシ(登録商標)R-802」、「リポキシ(登録商標)R-804」、及び「リポキシ(登録商標)R-806」が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリルモノマー(及び必要に応じて水酸基含有アリルエーテルモノマー)を反応させて得られるラジカル重合性不飽和基含有オリゴマーが挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、具体的には、昭和電工株式会社製「リポキシ(登録商標)R-6545」が挙げられる。
ビニルエステル樹脂は、有機過酸化物などの触媒存在下での加熱によるラジカル重合で硬化させることができる。
有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイド類、ジアリルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、及びパーオキシジカーボネート類が挙げられる。これらの有機過酸化物をコバルト金属塩などと組み合わせることにより、常温での硬化も可能となる。
コバルト金属塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、及び水酸化コバルトが挙げられる。これらの中でも、ナフテン酸コバルト及びオクチル酸コバルトが好ましい。
(不飽和ポリエステル樹脂)
不飽和ポリエステル樹脂は、ポリオール化合物と不飽和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル化反応による縮合生成物(不飽和ポリエステル)を重合性モノマー(例えば、スチレン)に溶解したものである。
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)、「塗料用語辞典」(色材協会、1993年発行)などに記載されているものを使用することができる。不飽和ポリエステル樹脂としては、具体的には、昭和電工株式会社製「リゴラック(登録商標)」が挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂は、ビニルエステル樹脂と同様の触媒存在下での加熱によるラジカル重合で硬化させることができる。
[電子基板筐体10(金属部材-樹脂部材接合体)]
図5に示すように、電子基板筐体10では、金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sと樹脂部材8とが接合されている。なお、樹脂コーティング層4は上述したように金属基材2のプライマー層である。具体的には、金属部材1に含まれる金属基材2の接触面に配置された樹脂コーティング層4側の面4sと樹脂部材8とが直接接するようにして接合されている。
上述したように、樹脂コーティング層4側の面4sは、樹脂部材8との接合性に優れているため、金属部材1と樹脂部材8とが高い接合強度で接合された電子基板筐体10を製造することができる。
樹脂コーティング層4の厚さ(乾燥厚さ)は、樹脂部材8の樹脂の種類及び接合面積にもよるが、樹脂コーティング層4側の面4sにおける樹脂部材8との優れた接合性を得る観点から、1μm~10mmであることが好ましく、より好ましくは2μm~8mm、さらに好ましくは3μm~5mmである。樹脂コーティング層4が複数層の場合、樹脂コーティング層4の厚さ(乾燥後の厚さ)は、各層の合計の厚さである。
具体的には、金属部材1と樹脂部材8としての炭素繊維強化樹脂部材(CFRP部材)とを接合一体化する場合、金属部材1と樹脂部材8としてのガラス繊維強化樹脂部材(GFRP部材)とを接合一体化する場合などでは、樹脂コーティング層4の厚さは0.1~10mmであることが好ましく、より好ましくは0.2~8mm、さらに好ましくは0.5~5mmである。
[樹脂部材8]
樹脂部材8はポリオレフィンを含む。ポリオレフィンは、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、及びポリプロピレンが挙げられる。
ポリプロピレンは、一般に、プロピレンのみを重合した剛性が高いホモポリマー、少量のエチレンを共重合した透明性が高く柔軟なランダムポリマー、及びゴム成分(EPR)がホモポリマー又はランダムポリマーに均一微細に分散している耐衝撃性が高いブロックコポリマーに分類される。ポリプロピレンは、ホモポリマー、ランダムポリマー、若しくはブロックコポリマー、又はこれらの混合物を含んでもよい。ポリプロピレンは、タルク、ガラス繊維、又は炭素繊維を含有する高強度タイプであってもよい。タルク含有ポリプロピレンとしては、例えば、サンアロマー株式会社製商品名TRC104Nが挙げられる。ガラス繊維含有ポリプロピレンとしては、例えば、ダイセルミライズ株式会社製商品名PP-GF40-01 F02が挙げられる。炭素繊維含有ポリプロピレンとしては、例えば、ダイセルミライズ株式会社製商品名PP-CF40-11 F008が挙げられる。
ガラス繊維含有ポリプロピレンはガラス繊維強化樹脂(GFRP)の一種であり、炭素繊維含有ポリプロピレンは炭素繊維強化樹脂(CFRP)の一種である。ガラス繊維、炭素繊維などの補強繊維を含む樹脂は、シートモールディングコンパウンド(SMC)、バルクモールディングコンパウンド(BMC)などの成形体の形態であってもよい。SMCとは、ポリプロピレン、低収縮剤、充填剤などを混合した樹脂組成物を、ガラス繊維、炭素繊維などの補強繊維に含浸させることによって得られるシート状成形体である。
電子基板筐体10の製造方法としては、金属部材1と樹脂部材8とをそれぞれ別個に作製したものを接合(接着)して一体化させる方法が挙げられる。金属部材1と樹脂部材8との接合(接着)は、超音波溶着法、振動溶着法、電磁誘導法、高周波法、レーザー法、及び熱プレス法からなる群より選ばれる少なくとも1種の方法で行うことができる。
電子基板筐体10の製造方法として、樹脂部材8(筐体本体21)を成形するのと同時に、金属部材1(ヒートシンク11)と樹脂部材8を接合することで一体化する方法が好ましい。具体的には、射出成形法(インサート成形法を含む)、トランスファ成形法、プレス成形法、フィラメントワインディング成形法、ハンドレイアップ成形法等の方法で樹脂部材8を成形する際に、金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sに樹脂部材8を接合することにより、金属部材1と樹脂部材8とを一体化させて、電子基板筐体10を得ることができる。この場合、電子基板筐体10の製造工程数を削減することができる。
具体的には、図3に示すように、樹脂部材8を例えば射出成形法により成形する場合では、射出成形用金型70内に金属部材1を配置し、射出装置(図示せず)により樹脂を金型70のキャビティー71に射出(その射出方向35)ことにより、樹脂部材8が成形され、これと同時に金属部材1と樹脂部材8が接合される。
なお、同図中の符号「74」はノックアウトピンである。また、金型70は互いに対応する固定型70a及び可動型70bを備えたものである。そして、可動型70bが固定型70aに向かって移動して両者70a、70bが組み合わされることで、金型70内に樹脂部材8の形状に対応した形状のキャビティー71が形成される。
さらに、第1実施形態では、図6に示すように、電子基板筐体10は、金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sと樹脂部材8とが接着剤層7を介して接合されて一体化していてもよい。
このように、樹脂部材8の樹脂の種類によっては、接着剤を用いることにより、金属部材1と樹脂部材8とがより高い接合強度で接合された電子基板筐体10を得ることができる。
接着剤層7の接着剤としては、樹脂部材8の樹脂の種類に応じて適宜選択されるが、例えば、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ビニルエステル樹脂系等の公知の接着剤を用いることができる。
接合(接着)時の加熱温度によっては、接合(接着)後に室温に冷却する過程で、金属基材2と樹脂部材8との熱膨張係数の差に起因して電子基板筐体10が熱変形する場合がある。このような熱変形を抑制緩和する観点から、接着剤層7の厚さは、金属基材2と樹脂部材8との間に伸び率の大きい特性を有する部分として、樹脂コーティング層4と接着剤層7との合計厚さが4μm以上とすることが望ましい。上述の合計厚さは、接合時の温度変化(接合時の加熱温度から室温冷却までの温度変化)における樹脂コーティング層4及び接着剤層7の伸び率などの物性を考慮して決定することが好ましい。樹脂コーティング層4と接着剤層7との合計厚さの好ましい上限は10mmである。
本開示において、金属部材1と樹脂部材8との接合に関与する層を接合層といい、その厚さを接合層の厚さという。金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sに接着剤層7が形成されている場合は、樹脂コーティング層4及び接着剤層7の両方が接合層であり、樹脂コーティング層4及び接着剤層7の合計厚さが接合層の厚さである。金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sに接着剤層7が形成されていない場合は、樹脂コーティング層4が接合層であり、樹脂コーティング層4の厚さが接合層の厚さである。
別の実施形態において、樹脂コーティング層4の少なくとも1層は、金属基材2とは別の基材の上で形成されたフィルムに由来する層である。フィルムの少なくとも1層は、上記の変性ポリオレフィン層4aである。
フィルムは1層であってもよく、複数層で構成されてもよい。フィルムを、上記の変性ポリオレフィン層4aと、当該変性ポリオレフィン層4a以外の層とを含む複数層で構成し、当該変性ポリオレフィン層4a以外の層を、上記の熱可塑性エポキシ樹脂層4b及び上記の硬化性樹脂層4cから選ばれる少なくとも1種とすることもできる。この場合、フィルムの変性ポリオレフィン層4aが樹脂部材8に接合され、フィルムの変性ポリオレフィン層4a以外の層が、表面処理を有する若しくは有さない金属基材2又は官能基含有層3に接合される。
フィルムは、例えば、以下の手順で作製することができる。(1)無水マレイン酸変性ポリオレフィンの存在下で、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物を重付加反応させると同時に、無水マレイン酸変性ポリオレフィン骨格中の無水マレイン酸にも反応させて得た反応物1、(2)2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物の重付加反応により生成した熱可塑性エポキシ樹脂と、無水マレイン酸変性ポリオレフィン骨格中の無水マレイン酸とを反応させて得た反応物2、又は(3)熱可塑性エポキシ樹脂とポリオレフィンとの混合物と、必要に応じて溶剤とを含むフィルム前駆組成物1を用意する。反応物1、反応物2、及び熱可塑性エポキシ樹脂とポリオレフィンとの混合物は、変性ポリオレフィン層4aについて説明したものと同じである。フィルム前駆組成物1を、シリコーン系などの剥離コーティングを有する離型フィルム又は離型紙の上に、乾燥後の厚さが1μm~10mmのフィルム状になるように、塗布、噴霧、又は押出積層する。塗布は、バーコーター、ロールコーターなどを用いて行うことができる。噴霧は、スプレーコーターなどを用いて行うことができる。押出積層は、単軸又は2軸押出装置を用いて行うことができる。その後、室温~40℃の環境下で放置し溶剤を揮発させることにより、フィルムを離型フィルム又は離型紙の上に形成することできる。フィルムを形成した後に、離型フィルム又は離型紙をフィルムのキャリア(支持体)としてフィルムの取り扱いに利用してもよく、フィルムを離型フィルム又は離型紙から剥がして自立フィルムを得てもよい。
フィルムの変性ポリオレフィン層4aには、反応物1、反応物2、又は熱可塑性エポキシ樹脂の構成単位となる成分(例えば、2官能エポキシ樹脂、2官能フェノール化合物、無水マレイン酸変性ポリオレフィンなど)が、完全に反応した状態で含まれてもよく、それらの一部が未反応の状態で含まれてもよい。後者の場合、金属基材2又は樹脂部材8とフィルム(樹脂コーティング層4)を接合する際に、未反応の成分を更に反応させてもよい。この未反応の成分の反応に伴って、フィルム(樹脂コーティング層4)と金属基材2又は樹脂部材8との接合強度を高めることができる場合がある。
変性ポリオレフィン層4aと、当該変性ポリオレフィン層4a以外の層とを含む複数層で構成されるフィルムは、例えば、以下の手順で作製することができる。(1a)熱可塑性エポキシ樹脂を含む樹脂組成物、(1b)熱可塑性エポキシ樹脂のモノマーを含む組成物、又は(2)硬化性樹脂を含む樹脂組成物と、必要に応じて溶剤とを含むフィルム前駆組成物2を用意する。熱可塑性エポキシ樹脂を含む樹脂組成物、及び熱可塑性エポキシ樹脂のモノマーを含む組成物は、熱可塑性エポキシ樹脂層4bについて説明したものと同じである。硬化性樹脂を含む樹脂組成物は、硬化性樹脂層4cについて説明したものと同じである。フィルム前駆組成物2を、シリコーン系などの剥離コーティングを有する離型フィルム又は離型紙の上に、乾燥後の厚さが1μm~10mmのフィルム状になるように、塗布、噴霧、又は押出積層する。その後、室温~40℃の環境下で放置し溶剤を揮発させる、加熱して重付加反応又は硬化反応を進行させる、又は可視光若しくは紫外線を照射して硬化反応を進行させることにより、熱可塑性エポキシ樹脂層4b又は硬化性樹脂層4cを離型フィルム又は離型紙の上に形成する。これらの層の上に、上述の手順で変性ポリオレフィン層4aを形成することにより、変性ポリオレフィン層4aと、当該変性ポリオレフィン層4a以外の層とを含む複数層で構成されるフィルムを得ることができる。
フィルムの熱可塑性エポキシ樹脂層4b又は硬化性樹脂層4cには、これらの樹脂の構成単位となる成分(例えば、2官能エポキシ樹脂、2官能フェノール化合物、ポリオール、イソシアネート化合物など)が、完全に反応した状態で含まれてもよく、その一部が未反応の状態で含まれてもよい。後者の場合、金属基材2とフィルムを接合する際に、未反応の成分を更に反応させてもよい。この未反応の成分の反応に伴って、フィルムと金属基材2との接合強度を高めることができる場合がある。
フィルムを金属基材2の上に配置し、加圧及び加熱することにより、金属基材2の上に樹脂コーティング層4が積層された金属部材1を作製することができる。金属基材2は、必要に応じて、上記の表面処理及び/又は官能基含有層3を有してもよく、これらの上にフィルムを配置して、加圧及び加熱することにより樹脂コーティング層4を積層してもよい。変性ポリオレフィン層4aと、当該変性ポリオレフィン層4a以外の層とを含む複数層で構成されるフィルムは、変性ポリオレフィン層4a以外の層が、表面処理を有する若しくは有さない金属基材2又は官能基含有層3に接触するように積層される。
このようにして得られた金属部材1と樹脂部材8とを接合(接着)して一体化させることにより、電子基板筐体10を製造することができる。金属部材1と樹脂部材8との接合(接着)は、超音波溶着法、振動溶着法、電磁誘導法、高周波法、レーザー法、及び熱プレス法からなる群より選ばれる少なくとも1種の方法で行うことができる。
金属部材1の樹脂コーティング層4(フィルムに由来)の上に、射出成形法(インサート成形法を含む)、トランスファ成形法、プレス成形法、フィラメントワインディング成形法、ハンドレイアップ成形法等の方法で樹脂部材8を成形することにより、金属部材1と樹脂部材8を接合(接着)して一体化させることにより、電子基板筐体10を成形してもよい。
金属基材2と樹脂部材8との間にフィルムを挟み、超音波溶着法、振動溶着法、電磁誘導法、高周波法、レーザー法、及び熱プレス法からなる群より選ばれる少なくとも1種の方法で、金属基材2と樹脂部材8とを樹脂コーティング層4(フィルムに由来)を介して接合(接着)して一体化させることにより、電子基板筐体10を製造することもできる。この場合、金属部材1の作製と電子基板筐体10の製造が同時に行われる。金属基材2が表面処理及び/又は官能基含有層3を有する場合、フィルムは金属基材2の表面処理面又は官能基含有層3と接触するように配置される。
次に、本開示の第2実施形態に係る電子基板筐体10について図7~9を参照して以下に説明する。これらの図において、上記第1実施形態の電子基板筐体10の要素と同じ作用を奏する要素には、上記第1実施形態の電子基板筐体10の要素に付された符号と同じ符号が付されている。以下、第2実施形態について上記第1実施形態との相異点を中心に説明する。
図7に示すように、第2実施形態の電子基板筐体10では、筐体本体21におけるフランジ部26のフランジ面26aを除く内面21aとヒートシンク11における筐体本体21の内側に露出した露出面11aとには、その全体に亘ってアルミラミネートフィルム40が筐体本体21の電磁遮蔽層として積層状に熱溶着している。
ここで、筐体本体21及びヒートシンク11におけるアルミラミネートフィルム40が熱溶着される面を、樹脂部材8(筐体本体21)及び金属部材1(ヒートシンク11)におけるアルミラミネートフィルム40の熱溶着予定面Sという。
アルミラミネートフィルム40は、図9に示すように、アルミニウム箔(アルミニウム蒸着層を含む)41とその両面にそれぞれ積層された熱可塑性樹脂フィルム(例:PPフィルム、PETフィルム)42、42とが一体化されたものである。そして、アルミニウム箔41が電子遮蔽層として実質的に機能している。
電子基板筐体10の製造方法として、樹脂部材8(筐体本体21)を成形するのと同時に、金属部材1(ヒートシンク11)と樹脂部材8を接合し且つ樹脂部材8及び金属部材1の上述した熱溶着予定面Sにアルミラミネートフィルム40を熱溶着する方法が好ましい。
この好ましい方法について樹脂部材8を射出成形法により成形する場合で図8を参照して具体的に説明すると以下のとおりである。
射出成形用金型70は、上述したように、互いに対応する固定型70a及び可動型70bを備えたものである。可動型70bが固定型70aに向かって移動して両者70a、70bが組み合わされることで、金型70内に樹脂部材8の形状に対応した形状のキャビティー71が形成される。
樹脂部材8を射出成形法により成形する場合では、金型70のうち樹脂部材8の外面を成形する側の型(同図では固定型70a)内に金属部材1を配置するともに、樹脂部材8の内面を成形する側の型である他方の型(同図では可動型70b)側にアルミラミネートフィルム40をキャビティー71を略覆う状態に配置する。そして、可動型70bを固定型70aに向かって移動させることで両者70a、70bを組み合わせ、その後、射出装置(図示せず)により樹脂をキャビティー71に射出(その射出方向35)することにより、樹脂部材8を成形し、これと同時に金属部材1と樹脂部材8を接合するとともに樹脂部材8及び金属部材1の上述した熱溶着予定面Sにアルミラミネートフィルム40を熱溶着する。
この方法では、射出装置から樹脂がキャビティー71に射出されると、アルミラミネートフィルム40は、樹脂の射出力によって樹脂部材8及び金属部材1の上述した熱溶着予定面Sの凹凸形状(具体的には可動型70bの成形面70fの凹凸形状)に沿うように引き延ばされたのち熱溶着予定面Sに熱溶着される。
アルミラミネートフィルム40の大きさ及び厚さは、射出成形法による樹脂部材8の成形終了時にアルミラミネートフィルム40が引き延ばされる表面積を勘案して設定されることが好ましい。
なお、筐体本体21(樹脂部材8)のフランジ部26のフランジ面26aにはアルミラミネートフィルム40は熱溶着されていない。
ただし本発明では、図示していないが、筐体本体21のフランジ部26のフランジ面26aにもアルミラミネートフィルム40が熱溶着していてもよい。この場合、上述したように、筐体本体21のフランジ部26のフランジ面26aに熱溶着したアルミラミネートフィルム40とカバー体31のフランジ部32のフランジ面32aに熱溶着したアルミラミネートフィルム40とを互いに熱溶着させることにより、両フランジ部26、32(両フランジ面26a、32a)同士を接合することができるので、筐体本体21とカバー体31とを強固に接合できるし、両者21、31の接合作業を容易に行うことができ、また両者21、31を接合する際に必ずしも締結部材を用いることを要せず、部品点数の削減を図りうる。
また、カバー体31の内面31a(フランジ部32のフランジ面32aを含む)にアルミラミネートフィルム40を熱溶着する場合でも、上述した好ましい方法を利用することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る電子基板筐体について図10~14を参照して以下に説明する。これらの図において、上記第1実施形態の電子基板筐体の要素と同じ作用を奏する要素には、上記第1実施形態の電子基板筐体の要素に付された符号と同じ符号が付されている。以下、本第3実施形態について上記第1実施形態との相異点を中心に説明する。
これらの図に示すように、本第3実施形態の電子基板筐体10では、ヒートシンク11の数は二つであり、筐体本体21(詳述すると筐体本体21の底部22)に設けられた開口24の数はヒートシンク11の数と同数(即ち二つ)である。そして、各開口24にヒートシンク11が一つずつ配置されるとともに、ヒートシンク11のベース部12の外周面12aに筐体本体21(詳述すると筐体本体21の開口24の内周面24a)が接合(接着)されている。
このように本発明では、ヒートシンク11の数は一つであってもよいし複数であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能である。
上記実施形態では、金属部材はヒートシンクであるが、本発明では、金属部材はヒートシンクであることに限定されるものではなく、その他に例えば、ヒートスプレッダーであってもよいし筐体の補強部材であってもよい。
さらに、本発明に係る電子基板筐体は、カバー体に設けられた開口にヒートシンク等の放熱部材が配置されたものを排除するものではない。
本発明に関連した実施試験例及び比較試験例を以下に示す。ただし、本発明は下記実施試験例に限定されるものではない。
<製造例1>
フラスコに無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三菱ケミカル株式会社製Modic(登録商標)ER321P):5g、キシレン:95gを仕込み、撹拌しながら125℃に昇温して溶解した。次に、2官能エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製jER(登録商標)1001:ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの重縮合物):1.01g、ビスフェノールA:0.24g、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール:0.006gをフラスコ中に投入し、125℃で30分間撹拌し、熱可塑性エポキシ樹脂、2官能エポキシ樹脂及び2官能フェノール化合物で変性した無水マレイン酸変性ポリプロピレン:変性PP-1を得た。
<製造例2>
フラスコに無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三菱ケミカル株式会社製Modic(登録商標)ER321P):5g、キシレン:95gを仕込み、撹拌しながら125℃に昇温して溶解した。次に、2官能エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製jER(登録商標)1004:0.49g、ビスフェノールA:0.06g、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール):0.003gをフラスコ中に投入し、125℃で30分間撹拌し、熱可塑性エポキシ樹脂、2官能エポキシ樹脂及び2官能フェノール化合物で変性した無水マレイン酸変性ポリプロピレン:変性PP-2を得た。
<製造例3>
フラスコにタルク含有ポリプロピレン(サンアロマー株式会社製TRC104N):5g、キシレン:95gを仕込み、撹拌しながら125℃に昇温して溶解した。次に、2官能エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製jER(登録商標)1001):1.01g、ビスフェノールA:0.24g、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール:0.006gをフラスコ中に投入し、125℃で30分間撹拌し、熱可塑性エポキシ樹脂(20質量%)とポリプロピレンとの混合物:変性PP-3を得た。
<製造例4>
フラスコにキシレン:95g、2官能エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製jER1007):1.20g、ビスフェノールA:0.066g、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール:0.003gを仕込み、125℃で30分間撹拌し反応して熱可塑性エポキシ樹脂溶液を得た。次に、フラスコに無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三菱ケミカル株式会社製Modic(登録商標)ER321P):5gを投入して溶解し、熱可塑性エポキシ樹脂(20質量%)で変性した無水マレイン酸変性ポリプロピレン:変性PP-4を得た。
<実施試験例1>
アルミニウム板を熱間型鍛造により成形し、成形されたアルミニウム板の表面を機械切削加工により平滑にした。得られたアルミニウム板(鍛造材)を金属基材2として使用した。アルミニウム板の寸法は長さ45mm、幅18mm及び厚さ1.5mmであった。
アルミニウム板の材料はA6063アルミニウム合金であり、具体的には、Si:0.4質量%、Fe:0.25質量%、Cu:0.05質量%、Mg:0.6質量%、残部がAl及び不可避不純物からなる化学成分を有するものであった。アルミニウム板の引張強度は220MPaであり、その熱伝導率は195W/(m・K)であった。
(表面処理)
アルミニウム板を、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液中に1.5分間浸漬した後、濃度5質量%の硝酸水溶液で中和し、水洗、乾燥を行うことにより、エッチング処理を行った。次いで、エッチング処理後のアルミニウム板を、純水中で10分間煮沸した後、250℃で10分間ベーキングすることによって、ベーマイト処理を行ってアルミニウム板の表面にベーマイト皮膜を形成した。
ベーマイト処理後のアルミニウム板の表面を、SEM写真(走査電子顕微鏡写真、45°傾斜観察)により観察したところ、図16に示すように、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜が形成されていることが確認された。
(官能基含有層3)
次に、ベーマイト処理後のアルミニウム板を、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製「KBM-903」;シランカップリング剤)2gを工業用エタノール1000gに溶解させた70℃のシランカップリング剤含有溶液中に20分間浸漬した後、アルミニウム板を取り出して乾燥させ、ベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層4)
次に、製造例1で得た変性PP-1を、官能基含有層3の表面に塗布し、キシレンを揮発させ、150℃で30分間保持して、官能基含有層3の表面に、厚さ30μmの変性PP-1の樹脂コーティング層4が形成された金属部材1を作製した。
金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sに、タルク入りポリプロピレン樹脂(PP樹脂)(サンアロマー株式会社製TRC104N)(接合対象)を、射出成形機(住友重機械工業株式会社製SE100V;シリンダー温度200℃、ツール温度30℃、インジェクションスピード50mm/sec、ピーク/ホールディング圧力195/175[MPa/MPa])にて射出成形することにより、金属部材1に樹脂部材8を接合した。これにより、ISO19095に準拠した引張試験用試験片(PP樹脂、10mm×45mm×3mm、接合部長さ5mm)(金属部材1-樹脂部材8接合体)を作製した。
〔接着性評価〕
作製した試験片(金属部材1-樹脂部材8接合体)について、常温で1日間放置後、ISO19095 1-4に準拠して、引張試験機(株式会社島津製作所製万能試験機オートグラフ「AG-IS」;ロードセル10kN、引張速度10mm/min、温度23℃、50%RH)にて、引張剪断接合強度試験を行い、接合強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<実施試験例2>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
(官能基含有層3)
次に、実施試験例1と同様の操作を行い、ベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層4:1層目)
官能基含有層3の表面に、2官能エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製jER(登録商標)1001):100g、ビスフェノールA:24g、及びトリエチルアミン:0.4gを、アセトン250g中に溶解して得られた熱可塑性エポキシ樹脂組成物を、乾燥後の厚さが30μmになるようにスプレー法にて塗布した。空気中に常温で30分間放置することによって溶剤を揮発させた後、150℃の炉中に30分間放置して重付加反応を行い、常温まで放冷して、1層目の樹脂コーティング層(熱可塑性エポキシ樹脂層4b)を形成した。
(樹脂コーティング層4:2層目)
次に、製造例2で得た変性PP-2を、熱可塑性エポキシ樹脂層4bの表面に塗布し、キシレンを揮発させ150℃で30分間保持して、熱可塑性エポキシ樹脂層4bの表面に、厚さ30μmの変性PP-2の樹脂コーティング層(変性ポリオレフィン層4a)が形成された金属部材1を作製した。
金属部材1の2層目(変性ポリオレフィン層4a)の樹脂コーティング層4側の面4sに、実施試験例1と同様の操作を行い、引張試験用試験片(金属部材1-樹脂部材8接合体)を作製した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<実施試験例3>
(表面処理)
金属基材2として、18mm×45mm、厚さ1.5mmの銅板に対し、アセトンで脱脂処理を行った。
(官能基含有層3)
次に、脱脂処理後の銅板を、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製KBM-503;シランカップリング剤)0.5gを工業用エタノール100gに溶解させた70℃のシランカップリング剤含有溶液中に5分間浸漬した後、銅板を取り出して乾燥させ、脱脂処理後の銅板の表面に、シランカップリング剤由来の官能基を導入した。更に、2官能チオール化合物である1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン(昭和電工株式会社製カレンズMT(登録商標)BD1):0.6g、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP-30):0.05gをトルエン150g中に溶解した溶液に70℃で10分間浸漬した後に引き上げて乾燥した。このようにして、2層の官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層4)
次に、製造例3で得た変性PP-3を銅板の官能基含有層3の表面に塗布し、キシレンを揮発させ、150℃で30分間保持して、官能基含有層3の表面に、厚さ30μmの変性PP-3の樹脂コーティング層4が形成された金属部材1を作製した。
金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sに、実施試験例1と同様の操作を行い、引張試験用試験片(金属部材1-樹脂部材8接合体)を作製した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<実施試験例4>
(表面処理)
実施試験例1で用いたアルミニウム板を、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液中に1.5分間浸漬した後、濃度5質量%の硝酸水溶液で中和し、水洗、乾燥を行うことにより、エッチング処理を行った。
(官能基含有層3)
次に、実施試験例1と同様の操作を行い、エッチング処理後のアルミニウム板の表面に、官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層4)
実施試験例1と同様の操作を行い、官能基含有層3の表面に、樹脂コーティング層4を形成して金属部材1を作製した。
金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sに、実施試験例1と同様の操作を行い、引張試験用試験片(金属部材1-樹脂部材8接合体)を作製した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<比較試験例1>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
アルミニウム板のベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3及び樹脂コーティング層4を設けることなく、実施試験例1と同様の射出成形操作を行った。しかし、PP樹脂は、ベーマイト皮膜の表面に接合せず、金属部材-樹脂部材接合体を作製することはできなかった。
<比較試験例2>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
(官能基含有層3)
次に、実施試験例1と同様の操作を行い、ベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層)
次に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三菱ケミカル株式会社製Modic(登録商標)ER321P):5gをキシレン:95gに溶解した溶液を、官能基含有層3の表面に塗布し、キシレンを揮発させ、150℃で30分間保持して、官能基含有層の表面に、厚さ30μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレン層が形成された金属部材を作製した。
金属部材の樹脂コーティング層側の表面に、実施試験例1と同様の操作を行い、引張試験用試験片(金属部材-樹脂部材接合体)を作製した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2022094785000002
<実施試験例5>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
(官能基含有層3)
次に、ベーマイト処理後のアルミニウム板を、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製「KBM-403」;シランカップリング剤)2gを工業用エタノール1000gに溶解させた70℃のシランカップリング剤含有溶液中に20分間浸漬した後、アルミニウム板を取り出して乾燥させ、ベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層4)
次に、製造例4で得た変性PP-4を、官能基含有層3の表面に塗布し、キシレンを揮発させ、150℃で30分間保持して、官能基含有層3の表面に、厚さ30μmの変性PP-4の樹脂コーティング層4が形成された金属部材1を作製した。
金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sに、ガラス繊維入りポリプロピレン樹脂(PP樹脂)(ダイセルミライズ株式会社製pp-GF40-01 F02)(接合対象)を、実施試験例1と同様の条件で射出成形して、引張試験用試験片(金属部材1-樹脂部材8接合体)を作製した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表2に示す。
<実施試験例6>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
(官能基含有層3)
次に、実施試験例5と同様の操作を行い、ベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層4:1層目)
官能基含有層3の表面に、エポキシ樹脂を三菱ケミカル株式会社製jER(登録商標)1004に変更した他は実施試験例2と同様の操作を行い、1層目の樹脂コーティング層(熱可塑性エポキシ樹脂層4b)を形成した。
(樹脂コーティング層4:2層目)
次に、実施試験例2と同様の操作を行い、熱可塑性エポキシ樹脂層4bの表面に、厚さ30μmの変性PP-2の樹脂コーティング層(変性ポリオレフィン層4a)が形成された金属部材1を作製した。
金属部材1の2層目(変性ポリオレフィン層4a)の樹脂コーティング層4側の面4sに、実施試験例5と同様の操作を行い、引張試験用試験片(金属部材1-樹脂部材8接合体)を作製した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表2に示す。
<実施試験例7>
(表面処理)
金属基材2として、18mm×45mm、厚さ1.5mmのアルミニウム板(A6063)に対し、実施試験例5と同様のサンディング処理を行い、アルミニウム板の表面に微細な凹凸を形成した。
(官能基含有層3)
次に、実施試験例1と同様の操作を行い、サンディング処理後のアルミニウム板の表面に、官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層4:1層目)
実施試験例6と同様の操作を行い、1層目の樹脂コーティング層(熱可塑性エポキシ樹脂層4b)を形成した。
(樹脂コーティング層4:2層目)
次に、実施試験例2と同様の操作を行い、熱可塑性エポキシ樹脂層4bの表面に、厚さ40μmの変性PP-2の樹脂コーティング層(変性ポリオレフィン層4a)が形成された金属部材1を作製した。
金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sに、実施試験例5と同様の操作を行い、引張試験用試験片(金属部材1-樹脂部材8接合体)を作製した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表2に示す。
<比較試験例3>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
アルミニウム板のベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3及び樹脂コーティング層4を設けることなく、実施試験例5と同様の射出成形操作を行った。しかし、PP樹脂は、ベーマイト皮膜の表面に接合せず、金属部材-樹脂部材接合体を作製することはできなかった。
<比較試験例4>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
(官能基含有層3)
次に、実施試験例1と同様の操作を行い、ベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層)
次に、比較試験例2と同様の操作を行い、官能基含有層3の表面に、厚さ30μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレン層が形成された金属部材を作製した。
金属部材の樹脂コーティング層側の表面に、実施試験例5と同様の操作を行い、引張試験用試験片(金属部材-樹脂部材接合体)を作製した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2022094785000003
<実施試験例8>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
(官能基含有層3)
次に、実施試験例1と同様の操作を行い、ベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層4)
次に、実施試験例5と同様の操作を行い、官能基含有層3の表面に、厚さ30μmの変性PP-4の樹脂コーティング層4が形成された金属部材1を作製した。
金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sに、炭素繊維入りポリプロピレン樹脂(PP樹脂)(ダイセルミライズ株式会社製pp-GF40-01 F008)(接合対象)を、実施試験例1と同様の条件で射出成形して、引張試験用試験片(金属部材1-樹脂部材8接合体)を作成した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表3に示す。
<実施試験例9>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
(官能基含有層3)
次に、実施試験例1と同様の操作を行い、ベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層4:1層目)
官能基含有層3の表面に、エポキシ樹脂を三菱ケミカル株式会社製jER(登録商標)1007に変更した他は実施試験例2と同様の操作を行い、1層目の樹脂コーティング層(熱可塑性エポキシ樹脂層4b)を形成した。
(樹脂コーティング層4:2層目)
次に、実施試験例2と同様の操作を行い、熱可塑性エポキシ樹脂層4bの表面に、厚さ30μmの変性PP-2の樹脂コーティング層(変性ポリオレフィン層4a)が形成された金属部材1を作製した。
金属部材1の2層目(変性ポリオレフィン層4a)の樹脂コーティング層4側の面4sに、実施試験例8と同様の操作を行い、引張試験用試験片(金属部材1-樹脂部材8接合体)を作製した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表3に示す。
<実施試験例10>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
(官能基含有層3)
次に、実施試験例1と同様の操作を行い、ベーマイト皮膜の表面に、シランカップリング剤由来の官能基を導入した。更に、2-イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工株式会社製カレンズMOI(登録商標)):1.2g、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP-30):0.05gをトルエン150g中に溶解した溶液に70℃で5分間浸漬した後に引き揚げて乾燥した。このようにして、化学結合可能な官能基を三次元方向に延ばした官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層4)
次に、実施試験例1と同様の操作を行い、官能基含有層3の表面に、厚さ30μmの変性PP-1の樹脂コーティング層4が形成された金属部材1を作製した。
金属部材1の樹脂コーティング層4側の面4sに、実施試験例8と同様の操作を行い、引張試験用試験片(金属部材1-樹脂部材8接合体)を作製した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表3に示す。
<比較試験例5>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
アルミニウム板のベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3及び樹脂コーティング層4を設けることなく、実施試験例8と同様の射出成形操作を行った。しかし、PP樹脂は、ベーマイト皮膜の表面に接合せず、金属部材-樹脂部材接合体を作製することはできなかった。
<比較試験例6>
(表面処理)
実施試験例1と同様の操作を行い、アルミニウム板(18mm×45mm、厚さ1.5mmのA6063)の表面に、ヒゲ状の凹凸を表面に有するベーマイト皮膜を形成した。
(官能基含有層3)
次に、実施試験例1と同様の操作を行い、ベーマイト皮膜の表面に、官能基含有層3を形成した。
(樹脂コーティング層)
次に、比較試験例2と同様の操作を行い、官能基含有層3の表面に、厚さ30μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレン層が形成された金属部材を作製した。
金属部材の樹脂コーティング層側の表面に、実施試験例8と同様の操作を行い、引張試験用試験片(金属部材-樹脂部材接合体)を作製した。その試験片について、実施試験例1と同じ手法で接合強度を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2022094785000004
表1~3の評価結果から分かるように、実施試験例1~10の金属部材-樹脂部材接合体はいずれも高い接合強度を有していた。
したがって、本開示によれば、金属部材(アルミニウム部材又は銅部材)と樹脂部材とが強固に接合された電子基板筐体を製造することができる。
本発明は、自動車用の電子制御ユニットなどに使用される電子基板筐体、その製造方法及び電子制御ユニットに利用可能である。
1:金属部材
2:金属基材
2a:表面処理部
3:官能基含有層
4:樹脂コーティング層(プライマー層)
4a:変性ポリオレフィン層
4b:熱可塑性エポキシ樹脂層
4c:硬化性樹脂層
4s:樹脂コーティング層の面
7:接着剤層
8:樹脂部材
10:電子基板筐体(金属部材-樹脂部材接合体)
11:ヒートシンク(放熱部材)
13:放熱フィン(放熱部)
21:筐体本体
21b:開放部
23:突起部
24:開口
31:カバー体
40:アルミラミネートフィルム
50:電子基板
60:電子制御ユニット
70:成形用金型

Claims (18)

  1. 金属基材の少なくとも一部の表面に1層又は複数層の樹脂コーティング層が積層された金属部材と、前記金属部材の前記金属基材の前記樹脂コーティング層側の面に接合された樹脂部材とを備え、
    前記金属基材はアルミニウム又は銅からなり、
    前記樹脂コーティング層の少なくとも1層が、変性ポリオレフィンを含む樹脂組成物から形成された変性ポリオレフィン層であり、前記変性ポリオレフィン層は、無水マレイン酸変性ポリオレフィンと2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物との反応物1を含む層、無水マレイン酸変性ポリオレフィンと熱可塑性エポキシ樹脂との反応物2を含む層、及びポリオレフィンと熱可塑性エポキシ樹脂との混合物を含む層からなる群より選ばれる少なくとも1種である電子基板筐体。
  2. 前記反応物1が、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを含む溶液中で、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物を重付加反応させてなる、請求項1に記載の電子基板筐体。
  3. 前記反応物2が、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール化合物の重付加反応により生成した熱可塑性エポキシ樹脂と、無水マレイン酸変性ポリオレフィンとを反応させてなる、請求項1に記載の電子基板筐体。
  4. 前記混合物が、ポリプロピレンと熱可塑性エポキシ樹脂との混合物である、請求項1に記載の電子基板筐体。
  5. 前記樹脂コーティング層が、前記変性ポリオレフィン層と、前記変性ポリオレフィン層以外の層とを含む複数層からなり、前記変性ポリオレフィン層以外の層の少なくとも1層が、熱可塑性エポキシ樹脂を含む樹脂組成物から形成された熱可塑性エポキシ樹脂層及び硬化性樹脂を含む樹脂組成物から形成された硬化性樹脂層から選ばれる少なくとも1種である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電子基板筐体。
  6. 前記硬化性樹脂が、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の電子基板筐体。
  7. 前記金属基材と前記樹脂コーティング層との間に、前記金属基材と前記樹脂コーティング層に接して積層された官能基含有層を有し、
    前記官能基含有層が、下記(1)から(7)からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の電子基板筐体。
    (1)シランカップリング剤由来であって、グリシジル基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基及びメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基
    (2)シランカップリング剤由来のアミノ基に、グリシジル化合物及びチオール化合物から選ばれる少なくとも1種が反応して生成した官能基
    (3)シランカップリング剤由来のメルカプト基に、グリシジル化合物、アミノ化合物、イソシアネート化合物、(メタ)アクリロイル基及びグリシジル基を有する化合物、並びに(メタ)アクリロイル基及びアミノ基を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が反応して生成した官能基
    (4)シランカップリング剤由来の(メタ)アクリロイル基に、チオール化合物が反応して生成した官能基
    (5)シランカップリング剤由来のグリシジル基に、アミノ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物、アミノ化合物、及びチオール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が反応して生成した官能基
    (6)イソシアネート化合物由来のイソシアナト基
    (7)チオール化合物由来のメルカプト基
  8. 前記金属基材の表面に、ブラスト処理、研磨処理、エッチング処理及び化成処理からなる群より選ばれる少なくとも1種の表面処理が施されており、前記樹脂コーティング層は、前記金属基材の前記表面処理された面の上に積層されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の電子基板筐体。
  9. 前記金属基材は、アルミニウム押出材からなり、且つ、引張強度が150MPa以上及び熱伝導率が150W/(m・K)以上の特性を有している請求項1から8のいずれか一項に記載の電子基板筐体。
  10. 前記金属基材は、A6000系合金のアルミニウム鍛造材からなり、且つ、引張強度が240MPa以上及び熱伝導率が180W/(m・K)以上の特性を有している請求項1から8のいずれか一項に記載の電子基板筐体。
  11. 放熱部を有する放熱部材と、電子基板を収容する筐体本体とを備え、
    前記放熱部材が前記金属部材であり、且つ前記電子基板の熱を前記筐体本体の外側に放散するものであり、
    前記筐体本体が前記樹脂部材であり、
    前記筐体本体に設けられた開口に前記放熱部材が前記筐体本体の外側に前記放熱部が露出する態様に配置されており、
    前記放熱部材における少なくとも前記筐体本体との接触面が前記樹脂コーティング層側の面であり、
    前記筐体本体が前記放熱部材の前記接触面に接合されている請求項1から10のいずれか一項に記載の電子基板筐体。
  12. 前記筐体本体の内面に第1アルミラミネートフィルムが電磁遮蔽層として積層状に熱溶着している請求項11に記載の電子基板筐体。
  13. 前記筐体本体の一面が開放した開放部を閉塞する樹脂製カバー体を更に備えており、
    前記カバー体の内面に第2アルミラミネートフィルムが電磁遮蔽層として積層状に熱溶着している請求項11又は12のいずれかに記載の電子基板筐体。
  14. 前記筐体本体の一面が開放した開放部を閉塞する樹脂製カバー体を更に備えており、
    前記筐体本体の内面に第1アルミラミネートフィルムが電磁遮蔽層として積層状に熱溶着しており、
    前記カバー体の内面に第2アルミラミネートフィルムが電磁遮蔽層として積層状に熱溶着しており、
    前記筐体本体の前記開放部が前記カバー体で閉塞された状態で、前記筐体本体と前記カバー体が、前記第1アルミラミネートフィルムと前記第2アルミラミネートフィルムとの熱溶着により接合されている請求項11に記載の電子基板筐体。
  15. 請求項11から14のいずれか一項に記載の電子基板筐体を備え、
    前記電子基板筐体の筐体本体内に電子基板が収容されるとともに、前記筐体本体に一体に形成された電子基板固定用突起部の熱かしめにより前記電子基板が前記筐体本体に固定されている電子制御ユニット。
  16. 請求項1から10のいずれか一項に記載の電子基板筐体の製造方法であって、射出成形法、トランスファ成形法、プレス成形法、フィラメントワインディング成形法又はハンドレイアップ成形法により樹脂部材を成形する際に、金属部材の樹脂コーティング層側の面に樹脂部材を接合する電子基板筐体の製造方法。
  17. 請求項11から14のいずれか一項に記載の電子基板筐体の製造方法であって、射出成形法、トランスファ成形法、プレス成形法、フィラメントワインディング成形法又はハンドレイアップ成形法により筐体本体を成形する際に、放熱部材における筐体本体との接触面に筐体本体を接合する電子基板筐体の製造方法。
  18. 請求項12又は14に記載の電子基板筐体の製造方法であって、射出成形法、トランスファ成形法、プレス成形法、フィラメントワインディング成形法又はハンドレイアップ成形法により筐体本体を成形する際に、放熱部材における筐体本体との接触面に筐体本体を接合するのと同時に、成形用金型内に配置された第1アルミラミネートフィルムを筐体本体の内面に積層状に熱溶着させる電子基板筐体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024135168A1 (ja) * 2022-12-23 2024-06-27 株式会社レゾナック 連結部材及び連結部材の製造方法

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WO2024135168A1 (ja) * 2022-12-23 2024-06-27 株式会社レゾナック 連結部材及び連結部材の製造方法

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