JP2022093016A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のような作動ONOFFの2択で動作する告知演出より多彩な告知演出を実現する。【解決手段】温冷ユニットを利用した演出告知装置P7500を採用することで、遊技者に対して多彩な体感告知を提供できる。また、温冷ユニットは冷却性能より加熱性能の方が優れており、通常の温冷ユニットを使用した他の製品に比べ、温度変化のスピードが求められるため、演出時間が短い演出に対しては高温になる告知演出を多く採用し、冷温になる演出は演出時間の長い演出で使用することで、演出告知装置P7500の消費電力や装置外形を小さくできる。【選択図】図85

Description

遊技機に関する。
近年のぱちんこ遊技機としては、遊技盤面(遊技領域)上の始動入賞口に遊技球が入球したことを契機として所定確率の特別図柄抽選がなされ、特別図柄抽選にて大当りに当選した場合には大当り遊技状態(特別遊技状態)へと移行し、遊技盤面に備えられた大入賞口が開放して大量の賞球を獲得できるぱちんこ遊技機が主流である。このように構成されたぱちんこ遊技機の内には、特別図柄抽選における当選確率を上昇させる確率変動機能や特別図柄抽選における抽選結果を報知するための図柄変動の効率を上昇させる変動時間短縮機能等を備え、これらの機能の作動状態が組み合わされて実行される特定遊技状態によって遊技者にとって有利な遊技進行状態を創り出すことで遊技の興趣性を高める遊技機も存在している。
また、回胴式遊技機(スロットマシン)は、所定数の遊技メダルを投入後に遊技開始指示装置(スタートレバー)が操作されたことを契機として1ゲームが開始されて、複数の図柄が外周上に配置された複数列の回胴(リール)が回転動作し、当該回転動作を停止させるための回胴停止装置(ストップボタン)を駆使して回胴を停止させた結果、有効ライン上に所定の図柄の組合せ(例えば「777」等の入賞役)が並んだ場合には、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態(通常時よりも小役等の抽選確率が上昇する遊技状態)に移行するタイプのものが一般的である。ここで、回胴式遊技機においては、遊技の興趣性を高めるための演出用の画像等が、リールの回転動作及び停止動作とシンクロした形で、液晶等のディスプレイ上にて表示される場合があり、回胴停止装置等を操作した際に、回胴上に表示された図柄とディスプレイ上に表示された演出用の画像等とを見比べながら、遊技の結果を予測して楽しむよう構成されているものが多い。(例えば、特許文献1参照)。
特開2015-84953号公報
様々な仕様の遊技機が開発されるなか、製造や使用しやすく、不正されない遊技機がないか、模索されていた。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、製造や使用しやすく、不正されない遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る遊技機は、遊技機の告知演出手段において、演出手段は加熱と冷却とが可能な温冷ユニットを用いて演出時間の異なる複数種類の演出を実行可能とし、演出時間の異なる複数種類の演出のうち、演出の時間が短いほど加熱を使用した演出が多く出現し、演出の時間が長いほど冷却を用いた演出が多く出現することを特徴とする遊技機である。
なお、以上の発明に係る構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したもの、発明を実施するための形態に記載された実施形態や変形例に係る構成もまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、故障しにくく使用しやすく不正されにくい弾球遊技機を提供することができる。
前提とするぱちんこ遊技機の正面図である。 上記ぱちんこ遊技機の枠部材を開放した状態の正面方向の斜視図である。 上記ぱちんこ遊技機の枠部材を開放した状態の背面方向の斜視図である。 前提とするぱちんこ遊技機に取り付けられた遊技盤を示す斜視図である。 前提とするぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。 前提とするぱちんこ遊技機の遊技状態の遷移を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の主制御基板の電源投入処理を示す図である。 上記電源投入処理中の遊技停止状態設定処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の主制御基板の割込み処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の当否抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の当り図柄抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の低ベース状態中における変動パターン抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の高ベース状態中における変動パターン抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の限定的な期間に参照される特殊変動パターン抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の演出制御基板の電源投入処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の演出制御基板の割込み処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)の遊技演出を表した図である。 前提とするぱちんこ遊技機の大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況の遊技演出を表した図である。 前提とするぱちんこ遊技機において大当り遊技を実行している状態の遊技演出を表した図である。 前提とするぱちんこ遊技機の特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。 第1実施例のぱちんこ遊技機の正面図である。 上記ぱちんこ遊技機の斜視図である。 上記ぱちんこ遊技機の背面図である。 上記ぱちんこ遊技機の前枠の斜視図である。 上記ぱちんこ遊技機で使用する遊技盤の正面図である。 上記ぱちんこ遊技機の外枠及びスピーカユニットの斜視図である。 上記スピーカユニットを前方から見た分解斜視図である。 上記スピーカユニットを後方から見た分解斜視図である。 上記スピーカユニットの断面図である。 上記ぱちんこ遊技機のガラス枠の分解斜視図である。 上記ガラス枠を後方から見た斜視図である。 上記ガラス枠の後面側の上部を示す背面図である。 図14のA部を詳細に示す図である。 上記ぱちんこ遊技機の右装飾ユニットの分解斜視図である。 上記右装飾ユニットを前方から見た斜視図である。 上記右装飾ユニットを後方から見た斜視図である。 (A)は上記右装飾ユニットの左側面図であり、(B)は上記装飾ユニットの右サイドスピーカ部の斜視図である。 (A)は上記右装飾ユニットの蓋部材の斜視図であり、(B)は上記蓋部材の正面図である。 (A)は上記蓋部材を開放させた状態を示す図であり、(B)は上記蓋部材を開放させ且つ後蓋部を上方に揺動させた状態を示す図である。 (A)は第1デザインシートの収容状態を示す図であり、(B)は第2デザインシート及び第3デザインシートの収容状態を示す図であり、(C)は第1~第3デザインシートの配置を示す図である。 上記デザインシートの識別記号を説明するための図である。 上記ぱちんこ遊技機の遊技済み球排出機構を前方から見た斜視図である。 上記遊技済み球排出機構を後方から見た斜視図である。 上記遊技済み球排出機構のセンサカセットを前方から見た分解斜視図である。 上記センサカセットを後方から見た分解斜視図である。 上記ぱちんこ遊技機の演出操作ユニットの分解斜視図である。 上記演出操作ユニットのレバー役物の回転駆動機構を示す斜視図である。 上記演出操作ユニットが上記ガラス枠に取り付けられた状態を示す右側面図である。 上記演出操作ユニットの電気的な構成を示すブロック図である。 上記ガラス枠の正面図である。 上記ぱちんこ遊技機の底面図である。 (A)は上記ぱちんこ遊技機の可動板がロック位置にある状態を示す図であり、(B)は可動板が非ロック位置にある状態を示す図である。 上記ガラス枠の後面側の下部を示す背面図である。 上記ガラス枠に装着される枠中継基板の分解斜視図である。 上記ガラス枠に設けられた第2不正防止リブを示す図である。 (A)は上記レバー役物の往復動作を示す図であり、(B)は上記レバー役物の回転動作を示す図である。 上記レバー役物の演出動作パターンテーブルを模式的に示す図である。 上記ガラス枠の裏面に装着されるファール球回収口構造の分解斜視図である。 上記ガラス枠の裏面に装着されるファール球回収口構造の取付け過程を示す分解斜視図である。 上記ぱちんこ遊技機の背面に取り付けられる払出制御基板部を拡大した拡大背面図である。 上記ぱちんこ遊技機の背面に取り付けられる払出制御基板のラムクリアスイッチカバーを閉じている正面図である。 上記ぱちんこ遊技機の背面に取り付けられる払出制御基板のラムクリアスイッチカバーを開いている正面図である。 上記ラムクリアスイッチカバーを示す斜視図である。 (A)(B)(C)は上記ラムクリアスイッチカバーを開放させる過程を示す説明図である。 上記ぱちんこ遊技機の背面に取り付けられる枠証紙添付構造の分解斜視図である。 上記枠証紙添付構造を拡大した背面図である。 上記ぱちんこ遊技機の背面に取り付けられる枠証紙カバーの斜視図である。 上記ぱちんこ遊技機の背面に取り付けられるラッチ固定部材を部分拡大した分解斜視図である。 上記ラッチ固定部材の斜視図である。 (A)(B)はラッチ固定部材を嵌合する従来の嵌合穴構造を示す図であり、(C)は係る第1実施例における嵌合穴構造を示す図である。 上記ぱちんこ遊技機の発射ハンドルの代わりにタッチ発射装置を搭載したぱちんこ遊技機の正面図である。 上記タッチ発射装置の操作部分を拡大し、タッチ検出部分の構造を示す平面図である。 上記タッチ発射装置の機能、操作方法、および動作状態表示を表す平面図である。 上記タッチ発射装置の操作部分における発射強度タッチ目盛の変形例を示す平面図である。 上記タッチ発射装置の別実施例における操作説明を示す斜視図である。 上記ぱちんこ遊技機の発射ハンドルの代わりにレバー発射装置を搭載したぱちんこ遊技機の正面図である。 (A)は上記レバー発射装置の操作方法を説明する平面図であり、(B)は上記レバー発射装置の操作方法を説明する側面図である。 上記レバー発射装置の遊技者の手により操作している様子を示す斜視図である。 上記レバー発射装置の変形例におけるレバー発射装置を遊技者の手により操作している様子を示す斜視図である。 上記レバー発射装置の変形例におけるレバー発射装置の操作説明を示す斜視図である。 (A)、(B)は上記ぱちんこ遊技機に演出告知装置を搭載した正面を一部拡大し演出告知装置を移動させたときの説明図である。 上記ぱちんこ遊技機に固定手段で固定するタイプの演出告知装置の斜視図である。 演出制御基板と、中継基板、および上記演出告知装置群の電気ブロック図である。 演出制御基板と、中継基板、および上記演出告知装置群の電気ブロック図であり図83の変形例である。 上記演出告知装置を使用した各種リーチ状態よる各種リーチ演出の出現頻度の一覧表である。 上記演出告知装置による接触端子部の温度変化の様子を時間経過に応じて変化する様子を表したグラフである。 上記演出告知装置による接触端子部の温度変化の様子を時間経過に応じて変化する様子を表したグラフである。 上記演出告知装置による接触端子部の温度変化の様子を時間経過に応じて変化する様子を表したグラフである。 上記演出告知装置による接触端子部の温度変化の様子を時間経過に応じて変化する様子を表したグラフである。
(前提技術)
以下、本発明の前提とするぱちんこ遊技機(以下「前提技術」)について図面を用いて説明する。前提技術に係るぱちんこ遊技機の代表例として、ぱちんこ遊技機を図1および図3に示すとともに、このぱちんこ遊技機に設けられる遊技盤を図4に示しており、まず、これらの図を参照して、ぱちんこ遊技機の機械構成について説明する。なお、以降の説明においては、便宜上、図2の各矢印で示す方向をそれぞれ、前後方向、左右方向、上下方向と称して説明する。
[ぱちんこ遊技機の機械構成]
始めに、ぱちんこ遊技機Pの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機Pは、図1および図2に示すように、外郭方形に構成され、遊技施設において固定される外枠P1の開口前面に、外枠P1の開口に合わせたサイズで方形に構成された前枠P2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構(上ヒンジ部10、下ヒンジ部20)により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられる。
前枠P2には、遊技盤P5とガラス枠P3とが着脱可能にセットされている。ガラス枠P3は方形状であり、前枠P2の前面側に上下のヒンジ機構(上ヒンジ部10、下ヒンジ部20)を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられて保持される。遊技盤P5は、前枠P2の前面側に着脱可能にセットされ、閉鎖保持されるガラス枠P3のガラスP301を通して遊技盤P5の正面側に設けられた遊技領域P501を遊技者が視認可能に構成されている。また前枠P2およびガラス枠P3は、ぱちんこ遊技機Pの正面右側縁部に設けられた施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入し、左右方向のいずれかに回転させることで、回転方向に応じて、外枠P1と前枠P2の施錠が解除または前枠P2とガラス枠P3の施錠が解除される。具体例としては、施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入して右方向に回転させると外枠P1と前枠P2の施錠が解除され、施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入して左方向に回転させると前枠P2とガラス枠P3の施錠が解除されるようになっている。
ガラス枠P3の下部には、遊技球を貯留する上下の球皿P340(上球皿P341及び下球皿P342)が設けられる。またガラス枠P3には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプP350や、遊技の展開状況に応じて効果音などの音を出力可能なスピーカP370が設けられている。ガラス枠P3の下部中央には、所定の演出操作を行うための演出操作手段P380が取り付けられ、前提技術として示す本ぱちんこ遊技機が有する演出操作手段P380は、押下入力式のボタンP381と傾倒操作式のレバーP382とを備えており、ボタンP381は常時遊技者操作を可能とする一方、レバーP382はガラス枠に備えられた可動物(枠可動役物P360)の1つであり、操作手段自体が上方に突出した状態(入力許可状態)に変位した場合に操作入力を可能とする(1の演出操作手段にて、複数の操作が可能となっている)。
前枠P2の右下部には、遊技球の発射操作および発射強度の調整を行うハンドルP204が設けられている。前枠P2の下部には、さらに発射装置ユニットP240を備え、図示を省略するが、上球皿P341に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構P241、この球送り機構から送り出された遊技球を遊技領域P501へ向けて打ち出す発射機構(ロータリーソレノイドで駆動される打球槌)を有する発射装置P242、球送り機構P241や発射装置P242の作動を同期的に制御する発射制御基板P243などが設けられている。
遊技盤P5(遊技盤ユニット)は、図4に示すように、透明な合成樹脂や木材を用いて矩形の平板状に形成された基材をベースとして構成されている。なお、図1は遊技盤P5を含むぱちんこ遊技機Pを前面側から見た正面図であり、図4は遊技盤ユニットP5の斜視図を示す。図4は遊技盤ユニットに備えられた演出役物P560(「可動演出装置」「演出可動体」「演出可動役物」等とも呼ぶ)が動作している状態を図示している。遊技盤P5の前面には、左下部から右上部にかけて配設された円弧状の外レールP502と、遊技盤の下部中央付近から外レールP502の内側における左下部から左上部にかけて配設された円弧状の内レールP503と、右上部の外レールP502の端部から該盤面の下部までの間に配設されて左向きに開く湾曲形状に形成されたレール飾りP504とを備えており、外レールP502と内レールP503とレール飾りP504とで囲まれた内側に略円形の遊技領域P501が区画形成されている。この遊技領域P501は、略中央に配設される後述のセンター役物P540を基準として、センター役物P540の左側の領域である左側領域P501L(左打ち領域)と、センター役物の右側の領域である右側領域P501R(右打ち領域)とを有している。また、外レールと内レールとにより、発射装置ユニットP240により打ち出された遊技球を遊技領域P501へ案内するための案内通路が形成される。
遊技領域P501には、図示しない多数本の遊技釘P510や風車P511とともに、第1始動入賞口P711(第1始動口)、第2始動入賞口P721(第2始動口)、一般入賞口P731、普図作動口P741(普図作動ゲート装置)、大入賞口P751(アタッカー)、等の各種入球装置(賞球が発生する場合は「入賞装置」と称する)が配設されている。なお、大入賞口は1つとしてもよいし、複数有するよう構成してもよい。また、本明細書において、入球装置の構成上、遊技球が入球装置に入球した後に排出されるもの、入球装置に入球した後にさらに遊技領域P501を流下するもの(ゲートタイプ)に対し、遊技球が内部の検出スイッチで検出されることを「入球」「入賞(特に賞球が発生するもの)」と称し、ゲートタイプの入球口のように下流の遊技領域に流下するものついては、特に「通過」と区別して記載する場合を有する。また、入球装置を入球口、入賞装置を入賞口と称することがある。
また、遊技領域P501の右下には、第1特別図柄表示装置P51、第2特別図柄表示装置P52、普通図柄表示装置P53など、後述の主制御基板にて点灯制御される主制御表示装置P50が集約的に配設されている。遊技領域P501の略中央にはセンター役物P540が配設されており、このセンター役物P540の開口を通して演出表示装置P80の画面が視認可能に設けられている。このセンター役物P540の上部等には、遊技の展開状況に応じた演出動作を行う演出役物P560(可動役物装置)が設けられている。遊技領域P501の下端部には、各種入球装置の入賞口に入球せずに流下した遊技球が通過可能なアウト口P790が設けられている。各種入賞装置の入賞口に入球した遊技球又はアウト口P790に流入した遊技球は、遊技盤P5に前後貫通して形成された貫通孔(図示せず)を通じて遊技盤P5の後面側へ流下し、前枠P2下部の回収流路(遊技済み球通路)に収集され、発射した遊技球の総数を検出するための前枠下部に備えられたアウト球センサP792(発射球数センサ)を通過したのち遊技機外へ排出される。
第1始動入賞装置P710は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞装置として設けられている。この第1始動入賞装置P710には、遊技球が入球可能な第1始動入賞口P711が設けられている。第1始動入賞口P711への遊技球の入球は、第1特別図柄に係る抽選に使用される乱数の取得契機となっており、第1始動入賞口P711への遊技球の入球に基づいて入球直後のタイミングまたは保留期間を経過した後に第1特別図柄に係る抽選が実行される。
第2始動入賞装置P720は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞装置として設けられている。この第2始動入賞装置P720には、遊技球が入球可能な第2始動入賞口P721および後述する普通図柄抽選に当選した場合に第2始動入賞口P721への入球を容易となる状態に切り替える可動体である普通電動役物P770が設けられている。第2始動入賞口P721への遊技球の入球は、第2特別図柄に係る抽選に使用される乱数の契機となっており、第2始動入賞口P721への遊技球の入球に基づいて入球直後のタイミングまたは保留期間を経過した後に第2特別図柄に係る抽選が実行される。第2始動入賞装置P721は、普通電動役物P770の作用により遊技球が第2始動入賞口P721へ入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が第2始動入賞口P721へ入球不能又は入球困難な閉状態とに変化する。つまり、第2始動入賞装置P720は、開状態に変位しなければ遊技球が第2始動入賞口へ入球し難い構造となっており、後述の所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。なお、普通電動役物P770の構造は様々な態様が知られており、可動体P771が開くことによる入球容易性の変化がなされる構造ではない場合があるため、「開状態」「閉状態」をそれぞれ「入球容易状態(入球容易態様)」「入球困難状態(入球困難態様)」と表記する場合を有する。
一般入賞装置P730は、左打ち領域P501Lに配置された左側一般入賞装置P730Lと、右打ち領域P501Rに配置された右側一般入賞装置P730Rとを有している。本前提技術におけるぱちんこ遊技機Pにおいては、左側一般入賞装置P730Lとして、3つの一般入賞口P731La~P731Lcが1のユニットとして構成されている一方、右側一般入賞装置P730Rは後述する大入賞装置P750の一部として構成されている。一般入賞口P731への遊技球の入球は、他の入賞装置と同じく賞球払出の契機となる。なお、前提とするぱちんこ遊技機の一般入賞口P731の個数や位置はあくまで一例であり、右打ち領域P501Rにのみ配置されるよう構成する等としてもよい。
普図作動ゲート装置P740(普図作動口)は、普通図柄遊技に対応する始動入球口として設けられている。この普図作動ゲート装置P740には、遊技球が通過可能な作動ゲートP741が設けられており、入球した遊技球は遊技盤の遊技領域の下流をさらに流下可能に構成されている。作動ゲートP741への遊技球の通過は、第2始動入賞装置P720を開状態とするか否か、すなわち普通電動役物P770を作動させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。なお、変形例として普通図柄抽選の契機となる機能を前述した一般入賞口P731に備えるように構成することも可能であり、この場合には、普通図柄抽選を実行する機能に加えて、賞球を発生させる機能を1の入賞装置として設けることも可能である(普図作動入賞口)。
大入賞装置P750は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りや小当りとなった場合に開閉動作する大入賞口P751(特別電動役物P755)を有して構成されており、「アタッカー(装置)」などと呼称する場合を有する。大入賞装置P750は、遊技球が大入賞口P751へ入球可能又は入球容易な開状態(例として特別電動役物が作動P755した状態)と、遊技球が大入賞口P751へ入球不能又は入球困難な閉状態(例として特別電動役物P755が非作動の状態)とに変化する。大当り遊技においては、大入賞口P751の開閉動作を伴う複数回のラウンド遊技(単位遊技)が行われる。なお、特別電動役物P755が作動した状態であっても、一連の作動パターン(「開放パターン」とも呼ぶ)により、大入賞口P751を構成する可動体P756が入球困難な閉態様となる場合を有する。
また、大入賞装置P750には、遊技機の仕様(スペック)によっては、遊技球が通過可能な特定領域P760(「Vゾーン」、「V領域」と呼ばれ、機能によっては「確率変動機能作動領域」、「継続領域」などと呼ぶ)が設けられる場合を有する。この「特定領域」に関する機能として、(ア)大当り遊技中の特定領域に対する通過を契機として大当り遊技の後に確率変動機能(後述)を作動させること、(イ)小当り遊技中の特定領域の通過を契機として役物連続作動装置(特別電動役物を連続的に作動させるためのフラグ)を作動させ、大当り遊技を実行する権利を付与すること、(ウ)大当り遊技中の特定のラウンドにおいて特定領域を通過したか否かに基づいて、後続のラウンドの実行を確定的としたり、実行しないものとしたりすること、などが例として挙げられる。なお、「特定領域」に対し、通過の容易性を変化させるための構造体である開閉部材P761(弁部材)が設けられてもよく、開閉部材P761の作用により流下経路を振り分けられることで、特定領域P760又はそれ以外の非特定領域を通過するように構成してもよい。また、大当り遊技中や小当り遊技中において、特定領域P761の遊技球の通過が有効となる期間と無効となる期間とを有してもよい。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて、大入賞装置P750は、遊技領域P501における右側領域P501R(右打ち領域)に設けられている。そのため、大当り遊技又は小当り遊技では、遊技領域P501に向けて遊技球を発射する際に、右側領域P501Rを狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで大入賞口P751への入球が容易となっている。
続いて、前提とするぱちんこ遊技機Pの背面側の基本構造を説明する。前枠の背面側には、中央に遊技盤ユニットP5を取り付けるために前後連通する窓口を有した裏セットユニットP4が取り付けられている。裏セットユニットP4には、遊技施設側から供給される多数個の遊技球を貯留する貯留タンクP401、貯留タンクP401からの遊技球を流下させる樋部材P402、樋部材により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニットP410、賞球払出ユニットP410から払い出された遊技球を上球皿P341又は下球皿P342へ流下させる裏側通路部材P403などが設けられている。また、貯留タンクP401から球皿P340までの遊技球流下経路上には、球抜き機構(球抜き操作レバーP405、操作レバーに連動して遊技球を流路上から排除する流路を形成する弁部材P406)が設けられている。
遊技盤P5の背面側には、ぱちんこ遊技機Pの遊技進行を統括的に制御する主制御基板P40や、主制御基板P40の制御に伴う遊技進行に合わせた演出全般の制御を行う演出制御基板P41、遊技展開に応じた画像表示の制御を行う画像制御基板P42などが取り付けられている。なお、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41および画像制御基板P42は、演出表示装置P80(液晶表示装置)と一体化されたアッセンブリ状態で演出表示ユニットを構成している。これに対して、裏セットユニットP4の背面側には、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板P43や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板P44(図示せず)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤P5の背面又は裏セットユニットP4の背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機Pにおける遊技の進行や、演出の実行が可能に構成されている。
[機能ブロック]
図5は、前提とするぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す。
ぱちんこ遊技機は、遊技機外部から供給される交流電源に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板P44と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御基板P40(主制御CPU)と、賞球の払出しや遊技球の発射を制御する枠制御装置としての払出制御基板P43(払出制御CPU)と、演出的な動作や処理を制御する演出制御基板P41とに機能を分担させた形態で構成される。なお、図中に示す矢印は機能別に、上方の送受信の関係を実線矢印で示し、電気的接続の関係を破線矢印にて示している。
電源基板P44は、基板上に設けられた電源スイッチP47を操作することによって、後述する主制御基板P40、演出制御基板P41、払出制御基板P43、並びにそれらに電気的に接続する各種遊技用装置に対し、動作に必要となる電力を生成して供給する。詳細は後述するが、電源スイッチP47の電源投入操作は、遊技機の設定に係る情報の処理の開始契機となるスイッチ操作であるため、電源スイッチは不正な操作を防止するため開閉カバーに覆われた状態で保護されている。
主制御基板P40は、第1始動入賞口P711(特図1始動口スイッチP712)、第2始動入賞口P721(特図2始動口スイッチP722)、大入賞口P751(大入賞口スイッチP752)、普図作動口P741(普図作動口スイッチP742)や、その他の検出スイッチである一般入賞口P731(左側一般入賞口,右側一般入賞口)、アウト口P790などの各種の遊技進行に係る検出スイッチや、設定キースイッチP49、振動検知センサP72、磁石センサP73などの各種遊技の管理や不正監視に用いられるスイッチやセンサと接続される。主制御基板は、これらのスイッチから各種の遊技状態の発生に係る情報の入力を得て、遊技進行に係る制御内容の決定をするとともに、ソレノイド等で構成され、大当りや小当りの際に大入賞口P751を拡開させるために駆動される特別電動役物駆動手段P70や、普通図柄抽選に当選した場合に普通電動役物P770を入球容易状態とするために駆動される普通電動役物駆動手段P71といった遊技用装置に対して、駆動態様に係る情報の出力を行う。
主制御基板P40に接続するセンサ等は、主制御基板上の入力ポートと呼ばれる端子に接続して、センサ検出に基づく各種遊技状態の発生の有無を主制御基板P40に情報として通知し、特別電動役物駆動手段P70や、普通電動役物駆動手段P71、その他、発射装置P242に対する発射許可信号などを出力ポートと呼ばれる端子から出力された情報を受け取ってそれぞれの装置、デバイスを制御する。
また、主制御基板P40は、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行う特別図柄表示装置P51、P52や大当りや小当りの種類(ラウンド数)を報知するラウンド表示灯P54、遊技状態を報知する状態表示灯P55などの各種表示を行う主制御表示装置P50や、遊技機の性能(例えば通常遊技中におけるベース値、すなわち発射総数に対する賞球数の割合)を表示する性能表示装置P59などと接続する。なお、「ベース値」に関して、始動入賞口P711等の入賞を除外して計上するデータなど、他の計上方法も多種存在するが、本件発明にて必要な場合に別途説明を行い、前提とするぱちんこ遊技機の説明では詳細は割愛する。
主制御基板P40は、上記の他に外部情報出力端子P77や試験端子P78等により遊技機外部の装置と電気的に接続可能に構成されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。また、主制御基板P40は、遊技機内の他の制御基板である演出制御基板P41、払出制御基板P43とも電気的に接続している。
払出制御基板P43は、主制御基板P40から送信される賞球払出や主制御基板の制御状態を示す信号等に基づいて、払出装置P410による賞球の払出を制御するほか、遊技者によるハンドルP204の操作を受けて発射装置ユニットP240による遊技球の発射に係る制御を行う。払出装置P410は、一例として払出モータP411と球計数センサP412有するものであり、払出モータP411の回転により、遊技球を1球ずつ払出可能に構成される。発射装置(発射装置ユニット)P240は、球皿P340(上球皿P341)に滞留している遊技球を1球ずつ球送りユニットP241によって発射可能位置へ移動させた後、打球槌を遊技球にぶつけることで遊技球を発射させるよう構成されている。なお、払出制御基板P43には、主として遊技機の初期化や、遊技中に発生したエラーの解除に用いられるラムクリアスイッチP48が配設されており、払出制御基板P43と主制御基板P40の接続に使用されるハーネスやコネクタを介して、ラムクリアスイッチP48の操作情報が主制御基板に入力されるようになっている。
演出制御基板P41は、演出表示装置P80、演出可動役物P560の駆動源や位置検出センサ(例えば、駆動モータや、初期位置検出センサ、演出位置検出センサ)、スピーカP83(上スピーカP370、下スピーカ141)、演出入力装置ユニットP380(例えば演出操作手段P81である演出ボタンP381、演出レバーP382、十字キーP383など)、演出ランプP82(「装飾ランプ」「盤ランプ(P550)」「枠ランプ(P350)」とも称する)と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。また、演出制御基板P42と、演出表示装置P80の接続は、演出表示装置P80(例えば液晶表示装置などの画像を表示する装置)の表示制御を行う画像制御基板P42(VDP)などを介して接続するものであってもよい。また、本前提とするぱちんこ遊技機では、スピーカP83を演出制御基板P41にて制御するように構成するものであるが、音声制御用のIC等を備えた音声制御基板を別途設けてスピーカP83を制御するように構成してもよい。
主制御基板P40と演出制御基板P41の間におけるデータの送受信は主制御基板P40から演出制御基板P41への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて行われる。主制御基板P40から演出制御基板P41へのデータ送信の一方向性が保たれるため、演出制御基板P41に含まれる構成から主制御基板P40に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、演出制御基板P41は、主制御基板P40で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。なお、本前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、主制御基板P40と払出制御基板P43の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、主制御基板P40と演出制御基板P41の間と同様、主制御基板P40から払出制御基板P43への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
[基本遊技進行]
次に、以上のように構成される前提技術としてのぱちんこ遊技機Pにおける、基本的な遊技進行および遊技方法に関して遊技状態別に説明する。「遊技状態」としては大別して「通常遊技状態」と、通常遊技状態と比して遊技球を獲得することが容易な「特別遊技状態」とがある。「通常遊技状態」は、「特別遊技状態」への移行権利の獲得を目指す状態であり、通常遊技状態の中でも、特別遊技状態への移行権利の獲得に関して遊技者にとって有利度合いが異なる遊技状態が複数設けられており、複数の通常遊技状態の中でも、遊技者にとって比較的特別遊技状態への移行権利が獲得容易な状態(通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも遊技者にとって有利な状態)に関して「特定遊技状態」と表現する。「特別遊技状態」は、いわゆる「大当り遊技」と「小当り遊技」が該当し、主制御基板P40によって特別電動役物駆動手段P70が駆動され大入賞口P751が開口した状態となり遊技球の獲得が容易となる状態のことを意味している。
[通常遊技状態(低確率/低ベース状態)]
まず、通常遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明を行う。なお、ここで記載する通常遊技状態は特定遊技状態を除く「通常遊技状態(低確率/低ベース状態)」(図6参照)に関する説明であり、一般的に遊技者が遊技を開始する状況における遊技状態について説明するものであり、特定遊技状態における遊技方法、遊技の進行、および「低(高)確率」、「低(高)ベース」の用語の意味に関しては後述する。
通常遊技状態(低確率/低ベース状態)における、遊技の方法として、まず、遊技者はハンドルP204を操作して遊技盤P5に設けられた遊技領域P501に向けて遊技球を発射する。前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)において、遊技者はハンドルP204の操作量を遊技球が遊技領域の左側領域P501L(左打ち領域)に向かって発射されるように操作して遊技を行う。
遊技者によって遊技領域の左側領域P501Lに遊技球が発射されると、発射された遊技球は、遊技領域P501を流下し、図示しない遊技釘P510(「障害釘」、「釘」とも呼ぶ)や、風車P511によって流下方向を変位させながら、「ヘソ」などと呼ばれる遊技盤の遊技領域P501における略中央下位置に配置された第1始動入賞口P711、あるいは左側一般入賞装置の一般入賞口P731Lに入球(入賞)するか、いずれの入賞口にも入球せず、遊技済み遊技球としてアウト口P790へ入球する。第1始動入賞口P711あるいは、一般入賞口P731へ入球すると、主制御基板P40は、払出制御基板P43に対し入賞口毎に定められた賞球数の賞球をさせるための情報(制御コマンド)を出力し、遊技者は賞球払出により新たな遊技球を獲得する。
ここで第1始動入賞口P711の内部には特図1始動口スイッチP712が配置されており、遊技者が遊技領域における左側領域P501Lに遊技球を発射して生じ得る遊技状態(遊技結果)として、第1始動入賞口P711への入球がなされた場合において、主制御基板P40に特図1始動口スイッチP712の遊技球検出情報が入力される。
主制御基板P40は、特図1始動口スイッチP712の遊技球検出情報の入力を受けると、予め定められた賞球数の遊技球の払い出しを行うほか、第1特別図柄の制御に係る抽選を行うための乱数値を取得する。乱数値の取得は、遊技球の検出に基づいて、電気回路上で乱数生成回路の生成する乱数値を取得するもの(ハードラッチ)や、主制御基板P40の制御装置がソフト上の処理にて遊技球の検出情報を確認した際に乱数値を先の乱数生成回路から取得する処理を実行したり、ソフト的に更新されている乱数値を取得したりするもの(ソフトラッチ)などの手法があり、取得する乱数値に応じて使い分けてもよいし、組み合わせて使用することも可能である。なお、一般入賞口に入球した場合には、特別図柄に係る乱数は取得されず、賞球の払い出しのみが行われる。
第1特別図柄の制御に係る抽選は、「特別図柄抽選」であり、「特別図柄抽選」には、「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」が含まれる。「当否抽選」は、取得した乱数値を用いた抽選結果が「大当り」であるか「はずれ」であるかを決定する処理である(遊技機の仕様によっては抽選結果に「小当り」を含む)。「当り図柄抽選」(単に「図柄抽選」と呼ぶ場合もある)は、主制御表示装置P50における特別図柄表示装置P51(P52)において当否抽選結果を示す停止表示図柄の表示パターンを決定する処理であり、1の抽選結果(大当り、小当り)に対し、複数の停止表示図柄から1の図柄を決定可能であり、ここで決定された停止表示図柄に応じて、「大当り」、「小当り」における特別遊技の実行態様を異ならしめることを可能としている。「変動パターン抽選」は、特別図柄表示装置P51(P52)において当否抽選の結果を示す停止表示図柄をどのタイミングで表示させるかを決定する処理であり、特別図柄表示装置P51(P52)において特別図柄抽選が実行されたことを示す変動表示がなされる時間(「変動表示時間」、「変動パターン」と呼ぶ)を決定するものである。「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」に使用される乱数値は異なるものを使用するのが一般的であり、それぞれ「当否抽選乱数」、「図柄乱数」、「変動パターン乱数」と呼ばれる。なお、特図2始動口スイッチP722の遊技球を検出することに基づいて行われる第2特別図柄の制御に係る抽選もまた、同様の「特別図柄抽選」である。また、「特別図柄抽選」に関する説明は後述する。
通常遊技状態(低確率/低ベース状態)における遊技方法の説明に戻って説明すると、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)においては、遊技者は遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射し、第1始動入賞口P711へ遊技球を入球させ、第1特別図柄に係る抽選(特別図柄抽選)を実行させ、特別図柄表示装置において「大当り」(「小当り」)を示す特別図柄の停止表示図柄が表示されることにより、特別遊技の実行権利の獲得を目指す遊技が行われる。
なお、遊技者が特別図柄抽選を受ける過程において、変動パターン抽選により決定された時間に応じて特別図柄の変動表示がなされる点について上述しているが、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、この特別図柄の変動表示期間において、新たに始動入賞口(第1始動入賞口P711、第2始動入賞口P721)に入球があった場合には、予め定められた回数の特別図柄抽選の実行権利に対応する乱数値を一時的に記憶する保留機能を備えている。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第1始動入賞口P711の入賞に基づく特別図柄抽選に対応する保留機能として、最大4回の特別図柄抽選を保留することを可能としている。なお、保留機能は特別図柄毎に設定可能であり、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、第1特別図柄の保留とは別に、第2特別図柄に対する特別図柄抽選の保留機能も、最大4回の特別図柄抽選に使用する乱数値を保留しておくことを可能としている。
このように、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)においては、遊技者は、遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射して、第1特別図柄に係る特別図柄抽選を実行させる。そして、特別図柄抽選において、「大当り」や「小当り」などの特別遊技状態となる抽選結果に当選し、特別遊技状態への移行の権利を獲得したことが特別図柄表示装置に表示されると、ぱちんこ遊技機Pの遊技状態は特別遊技状態へ移行する。
[特別遊技状態]
続いて、特別遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明を行う。特別遊技状態には「大当り(遊技)」と、「小当り(遊技)」とが存在するが、ともに特別電動役物P755が作動して、すなわち主制御基板P40から特別電動役物駆動手段P70に対して駆動信号が出力されて大入賞口P751が入球容易状態となる状態であり、その相違点として、「大当り」が複数回の特別電動役物P755を連続して作動させる役物連続作動装置の作動に基づくものであるのに対し、「小当り」が1回の特別電動役物の作動により終了する点が大きな相違点である。その他の相違点としては、役物連続作動装置の作動に基づく特別電動役物の作動(大当り)では、特別電動役物P755の作動に関し、より遊技者に有利な作動態様とすることを可能とする点にあり、具体的には、役物連続作動装置の作動状態(大当り)における大入賞口P751の総開放時間は、30秒まで許容される一方、小当りにおける大入賞口P751の総開放時間は1.8秒までに制限される点がある。以下の特別遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明では、大当りを例に説明を行う。
前提技術のぱちんこ遊技機Pにおける特別遊技の遊技進行は、時系列に沿って、「特別遊技開始デモ」(大当りの場合は「大当り開始デモ」、「役連作動開始デモ」などと称し、小当りの場合は「小当り開始デモ」)と呼ばれる遊技者に各種特別遊技を獲得した旨を報知するための演出期間と、「ラウンド(遊技)」(「単位遊技」とも称する)と呼ばれる1回の特別電動役物P755の作動期間と、「特別遊技終了デモ」(大当りの場合は「大当り終了デモ」、「役連作動終了デモ」などと称し、小当りの場合は「小当り終了デモ」)と呼ばれる主に特別遊技中における遊技結果(獲得遊技球数など)および移行先の通常遊技状態(特定遊技状態を含む)の種類に係る報知を行うための期間とによって構成される。
次に上述した各特別遊技の期間における遊技の方法について説明を行う。まず、「特別遊技開始デモ」期間において、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、大入賞口P751が遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に配置されており、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の左側領域P501Lに遊技球を発射しても大入賞口P751の入球がほとんど期待できないため、特別遊技において大入賞口P751が入球容易状態となるラウンド遊技が開始する前に、遊技者に対して遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射することを促す右打ち報知演出を演出表示装置P80やスピーカ(下スピーカP141、上スピーカP370)、演出ランプP82を用いて実行する。遊技者は、右打ち報知演出に従って、ハンドルP204の操作量を増やし遊技球の発射強度を高めるよう調整し、遊技球を遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に流下するよう発射位置を変更する(右打ちを実行する)。
「ラウンド(遊技)」期間になると、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、主制御基板P40から特別電動役物駆動手段P70に対して出力される駆動信号により大入賞口P751が入球容易状態または入球困難状態となり、特別遊技の実行期間に合わせて大当り(小当り)を獲得したことを祝福するような演出や、特別遊技が終了した後に移行する通常遊技状態が遊技者にとってより有利な特定遊技状態となるかを示唆する演出などの演出を実行する。遊技者は、大入賞口P751に遊技球を入球させて多数の遊技球を得るべく、遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する。
1回の「ラウンド(遊技)」期間は、大当り(小当り)の種類に基づいて定められた大入賞口の開放パターン(特別電動役物の作動態様)が完遂する(開放時間が経過する)か、予め定められた「規定個数」(「カウント」「C」などと表現する場合を有する)の遊技球が入球することによって終了する。そして、実行中の特別遊技状態の種類(大当り、小当りの種類)に応じて、実行すべきラウンド遊技が全て終了したとき「特別遊技終了デモ」の状態へ移行する。
続いて「特別遊技終了デモ」期間となると、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、今回の特別遊技状態の期間において獲得した遊技球数や、後述する特定遊技期間と連続して行われた複数回の特別遊技状態において獲得した(通常遊技状態(低確率/低ベース状態)に移行せずに獲得した)累計の獲得遊技球数を報知する演出を行ったり、特別遊技状態の後に移行する通常遊技状態の種類の報知および移行先の遊技状態における遊技方法に係る報知(前述した右打ち報知演出など)の演出が実行される。遊技者は、実行されている演出より、移行先の通常遊技状態の種類に応じた遊技に備えて、ハンドルの操作を行う。
前提とする多くのぱちんこ遊技機Pにおいては、一部の例外を除いて、特別遊技状態としての大当り遊技が実行されると、通常遊技状態として「特定遊技状態」と呼ばれる遊技者にとって特別遊技状態への移行権利が獲得しやすい状態へ移行し、特定遊技状態と特別遊技状態とを連続して繰り返す、いわゆる「連荘」を楽しむ遊技性となっている。
[特定遊技状態]
続いて、「特定遊技状態」に関する説明を行う。図6に示すように特定遊技状態には、大きく分けて3つの特定遊技状態が存在する。そして、それらの種類を分ける要素として「確率状態」と「ベース状態」とがあり、それらの組み合わせによって特定遊技状態を構成する。
(確率状態)
「確率状態」は、特別図柄抽選における当否抽選において、抽選結果が「大当り」となる確率を変動させる機能である「確率変動機能」(「確変」とも言う)の作動状態に基づき、確率変動機能が作動し、作動していない場合よりも高い確率で特別図柄抽選における当否抽選が「大当り」となる場合について「高確率(状態)」(「確変状態」、「確率変動状態」と表現する場合もある)と表現し、確率変動機能が作動していない状態について「低確率(状態)」と表現する。「高確率(状態)」は、1回の特別図柄抽選に対し大当りとなる確率が高いという点で、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)より有利な遊技状態となっている。
(ベース状態)
「ベース状態」は、「ベース」すなわち「所定個数の遊技球を発射した場合に賞球として得られる遊技球の割合(の期待値)」に関する状態であり、一般的には、普通電動役物P770の作動が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも容易(有利)となっている状態を「高ベース(状態)」(「電チューサポート(電サポ)状態」とも言う)と呼ぶ。なお、遊技機仕様によっては、「電チューサポート機能」が作動した状態でなくとも、推奨される遊技球の発射位置が切り替わることにより、「所定個数の遊技球を発射した場合に賞球として得られる遊技球の割合」が高まるのであれば「高ベース状態」と表現する場合も有する。「高ベース(状態)」は、特別遊技状態を獲得するまでの期間において、遊技球が賞球として払い出される数が多くなる(払い出されやすくなる)ことにより、遊技球の消費を抑えながら特別遊技状態の獲得を狙うことができる点で遊技者にとって有利となる遊技状態である。
「電チューサポート機能」は、普通電動役物P770の作動が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも容易となっている状態であるが、主として3つの機能の組み合わせ(少なくとも1を備える)によって構成される。「電チューサポート機能」を構成する3つの機能とは、「普通図柄確変」、「普通図柄時短」、「(普通電動役物の)開放延長」の3つである。「普通図柄確変」は、「普通図柄抽選」において普通電動役物を作動させる結果となる確率が高い状態を指す。「普通図柄時短」は、主制御表示装置P50における普通図柄表示手段P53において、普通図柄抽選を実行してから普通図柄抽選の結果を表示するまでの時間が短縮される状態のことを指す。「普通電動役物の開放延長」は、普通図柄抽選で当選した当りの種類に対して、普通電動役物P770に係る入賞口に対し遊技球が入球しやすい態様にて普通電動役物を作動させるように変更することを指しており、一例として、普通電動役物を入球容易状態とする総時間を延長して長くすることが該当する。
「普通図柄抽選」は、上述した特別図柄抽選が特別電動役物P755の作動に関する抽選であるのに対し、普通図柄抽選は対象が普通電動役物P770の作動に関する抽選である点、および抽選の実行契機が普図作動ゲート装置P740に対する遊技球の入球である点で相違するが、当否、図柄、変動パターンを抽選により決定する点や保留機能を有する点でほぼ同じである。普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターンの抽選について特に表現する場合には「普図当否抽選」、「普図図柄抽選」、「普図変動パターン抽選」というように「普図」(または「普通図柄」)を先頭につけて表現する。
「特定遊技状態」の種類を区別する要素として、「確率状態」、「ベース状態」とを説明したが、特定遊技状態を構成する要素として、他に「時短状態」(「変動時間短縮状態」、「変動時間短縮機能」が作動した状態、ともいう)がある。一般的に「時短状態」は特別図柄の1回当りの変動表示時間(変動パターン)が短縮されて、単位時間あたりの特別図柄抽選の実行回数が増加する状態のことを指し、遊技者にとってより単位時間あたりに多くの特別図柄抽選を受けられる点で有利な状態である。「時短状態」(変動時間短縮状態)は、上述した「高確率状態」や「電チューサポート状態」と同時に制御されていることが多く、それのみで特定遊技状態を構成することは少ない。
[特定遊技状態1:低確率/高ベース状態]
「特定遊技状態」に係る説明に戻り、最初に図6に示す特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)への移行は、図6の(1)、(8)、(12)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(1)、(8)、(12)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得すること、(イ)所定遊技回数が経過すること(※(8)のみ)などがある。図示はしていないが、特定遊技状態1から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態1へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(2)、(7)、(11)のように遷移する。これら(2)、(7)、(11)の遊技状態遷移条件としては、(ウ)特定遊技状態1でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(エ)所定遊技回数が経過すること(※(2)のみ)が挙げられる。なお、「遊技回数」とは、一例として「特別図柄抽選の実行回数」のことを指す。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、前述した「電チューサポート機能」、「変動時間短縮機能」の双方が作動した状態となる。前提とするぱちんこ遊技機Pの遊技盤P5における各入賞装置の配置構成では、遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に普図作動ゲート装置P740、および普通電動役物に係る第2始動入賞口P721が配置されており、遊技者は遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する「右打ち」を行うことで容易に普通図柄抽選および特別図柄抽選を受けられる。また、前提とするぱちんこ遊技機Pは、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)において、前述した「時短状態」にも制御されようになっている。
より詳細に遊技の進行に関して説明すると、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)となった場合、遊技者は遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射し、普図作動ゲート装置P740への入球(通過)させることを第1の手順として行い、普図作動ゲート装置P740への入球(通過)により、主制御基板P40において普通図柄抽選を受ける。特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)における普通図柄抽選は、普図確変機能の作動により高確率(約1/1)で当りとなるため、普図作動ゲート装置P740へ遊技球が1球入球(通過)すると、1回の普通電動役物P770の作動が発生する。普通電動役物P770が作動すると、前提とするぱちんこ遊技機Pでは第2特別図柄に係る特別図柄抽選の契機となる第2始動入賞口P721が入球容易状態となり、遊技者は続く第2の手順として第2始動入賞口P721へ向けて遊技球を発射する。第2始動入賞口P721へ遊技球が入球した場合、検出情報が主制御基板P40に入力され、第2特別図柄に係る特別図柄抽選が実行され、特別遊技(大当り、小当り)の実行権利の獲得に係る抽選が実行される。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。小当り遊技の獲得の場合は、特定遊技状態が終了しないものとすることが多いが、遊技機の仕様によっては、小当り遊技の獲得(又は複数回の小当り遊技の獲得、特定の種類の小当り遊技の獲得)によって終了するように設計される場合もある。特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)へ移行する。
[特定遊技状態2:高確率/高ベース状態]
次に図6に示す特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)への移行は、図6の(3)、(7)、(9)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(3)、(7)、(9)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得することである。図示はしていないが、特定遊技状態2から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態2へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(4)、(8)、(10)のように遷移する。これら(4)、(8)、(10)の遊技状態遷移条件としては、(イ)特定遊技状態2でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(ウ)所定遊技回数が経過することが挙げられる。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)に対し、さらに「確率変動機能」が作動した「高確率(状態)」である点で相違する。特定遊技状態2における遊技の進行および遊技の方法としては、特定遊技状態1と同様であり、遊技者にとっては特別図柄抽選において大当りの当選確率が高い分より早期に大当りを獲得し得る点で相違する。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。特定遊技状態2は小当り遊技の獲得の場合は終了しないものとするのが一般的である。特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)や、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)へ移行する。
[特定遊技状態3:高確率/低ベース状態]
続いて図6に示す特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)への移行は、図6の(5)、(10)、(11)に示す遊技状態遷移により移行する。図6の(5)、(10)、(11)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得すること、(イ)所定遊技回数が経過すること(※(10)のみ)などがある。図示はしていないが、特定遊技状態3から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態3へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図6の(6)、(9)、(12)のように遷移する。これら(6)、(9)、(12)の遊技状態遷移条件としては、(ウ)特定遊技状態3でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(エ)所定遊技回数が経過すること(※(6)のみ)が挙げられる。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、「確率変動機能」が作動した「高確率(状態)」となり、特定遊技状態1および特定遊技状態2とは異なり「電チューサポート機能」、「変動時間短縮機能」は作動していない状態となる。前提とするぱちんこ遊技機Pの遊技盤P5における各入賞装置の配置構成では、遊技領域の右側領域P501(右打ち領域)に普図作動ゲート装置P740、および普通電動役物に係る第2始動入賞口P721が配置されているが、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)において遊技者が遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する「右打ち」を行ったとしても普通図柄抽選にて当りに当選する確率は低く、右打ちを行う優位性が存在しない。
そのため、遊技者は遊技領域の左側領域P501L(左打ち領域)に遊技球を発射する「左打ち」にて遊技を進めることとなり、高確率状態であるため特別図柄抽選にて大当りとなる確率が高いため早期に大当り遊技が獲得できること以外は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の遊技方法、遊技進行となる。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。特定遊技状態3は小当り遊技の獲得の場合は終了しないものとするのが一般的である。特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)へ移行する。
なお、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)は、前提とするぱちんこ遊技機Pとして記載した図6の盤面配置構成とは異なり、右側領域P501R(右打ち領域)に普通電動役物P770を有しないタイプの第3始動入賞口を配置し、「時短状態」を作動させることにより、短時間に多くの特別図柄抽選が受けられるように構成するなど、遊技盤上の入賞装置の配置構成及び時短状態の制御によっては「右打ち」が推奨される遊技状態となる場合も有する。
以上で説明したように、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、複数の遊技状態によって遊技進行が行われるものであるが、前述した全ての遊技状態を必ずしも備える必要はない。そこで、複数の遊技状態の組み合わせ等によって構成される遊技機仕様のうち、前提とするぱちんこ遊技機Pで採用可能な遊技機仕様(「スペック」と称することがある)を以下に例示する。
代表的な遊技機仕様(「スペック」)に関し、特別図柄抽選の確率変動機能の作動に係る遊技機仕様の種類の一例としては、「(次回まで)確変」、「ST(回数切り確変)」、「V確変(「球確」、「アタックラウンドシステム」ともいう)」、「潜伏確変」を採用可能である。この確率変動機能の差による遊技機仕様の違いを、「本遊技機は『○○機(例:ST機)』である」などと表現することがある。また、確率変動機能を有しない遊技機において、小当り遊技中に大入賞口P751内部の特定領域P760を通過することにより、その後役物連続作動装置が作動する(すなわち大当り遊技に移行する)こととなる「小当りV」と呼ばれる遊技機仕様なども存在する。
[(次回まで)確変]
まず始めに「(次回まで)確変」について説明する。「次回まで確変」は、一般的には、ぱちんこ遊技機Pに備わった複数の特定遊技状態の中で、前述した特定遊技状態の内の最も有利とする遊技状態として、「特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が次回の大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続することとなるぱちんこ遊技機」についての遊技機仕様を示す。換言すると、「次回まで確変」の遊技機は、次回の大当り遊技の権利を獲得するまでは特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が継続し、図柄変動回数などによっては終了しないよう構成されている。
なお、大当りの種類によっては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)や特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に制御される場合を有していてもよい。また、「特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)が次回の大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続するぱちんこ遊技機」においても、確率変動機能が次回大当りまで継続するという意味で「次回まで確変」と呼称する場合もあるが、ベース状態が「低ベース状態」であり、電チューサポート機能に関して通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の遊技が求められる場合があるため、このように電チューサポート機能が作動していない次回まで確変であることから「潜伏確変」と切り分けて表現する。
[ST(回数切り確変)]
続いて「ST(回数切り確変)」について説明する。「ST」は、「Special Time」の略語であり、一般的には、「特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が予め定められた回数の特別図柄抽選を行う(予め定められた回数の図柄変動が実行される)か、大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続することとなるぱちんこ遊技機」についての遊技機仕様を示す。
なお、大当りの種類によっては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)や特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に制御される場合を有していてもよい。また、前述した「次回まで確変」と同様に、遊技状態が特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に予め定められた回数の特別図柄抽選を行うか、大当り遊技の権利を獲得するまで制御されることとなる場合について、「潜伏確変(潜伏ST)」と称する状態を有するように構成することも可能である。
また、「ST(回数切り確変)」であっても、遊技状態がSTに制御される期間を、特別図柄抽選の抽選が「10000回行われるまで」とする場合など、高確率状態で実質的に次回までの大当りが保証されているといえる遊技機仕様であれば「次回まで確変」と表現する場合もある。
ここまで述べたように、「次回まで確変」と「ST(回数切り確変)」は、特別図柄抽選の確率変動機能の終期が異なる点で、遊技機仕様としての「確変状態」を区別するものである。一方で以下に説明する「V確変(「球確」「アタックラウンドシステム」)」のように、特定遊技状態における特別図柄抽選の確率変動機能の作動の有無、すなわち確率変動機能の実行開始に関し、特殊な条件を必要することで遊技機仕様(「スペック」)を表現する場合もある。
[V確変]
続いて、「V確変」と呼ばれる遊技機仕様に関して説明する。「V確変」は、遊技状態が特定遊技状態へ移行する前の大当り遊技中において、大入賞口P751内に設けられた「特定領域P750」(「Vゾーン」、「V領域」などと称することがある)に対し、予め定められた条件下(特定の大当りラウンドの実行中など)で遊技球の通過(「V入賞」)が検出された場合に、大当り遊技後に確率変動機能の作動を伴う特定遊技状態(特定遊技状態1や特定遊技状態3)へ移行させる制御を行うぱちんこ遊技機の遊技機仕様を示す。「V確変」に使用する「特定領域」に関し、特に「確率変動機能作動領域」と称する場合もある。
前述したように「V確変」は、確率変動機能の作動有無が大当り遊技中の遊技結果に依存する(遊技球が特定領域P760を通過するか否かに依存する)ことを示す遊技機仕様であり、作動した確率変動機能が、先に説明した「次回まで確変」と同等制御にて終了するか、「ST」と同等の制御にて終了するかの際によって「V確変(V-ループ)」や「V-ST」と異なる遊技機仕様を示す表現が用いられる。
なお、遊技機仕様として「V確変」を採用するぱちんこ遊技機Pにおいては、大当り遊技中においてV入賞しなかった場合においては、大当り遊技後に確率変動機能が作動せず、通常遊技状態や特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)に制御される。また、このようにV入賞した場合としなかった場合とで大当り遊技後に確率変動機能の作動する遊技状態となるか否かを切り替えるとともに、同時に電チューサポート機能の作動態様についても変更可能である。一例として「V確変(V-ループ)」機では、V入賞した場合、確率変動機能および電チューサポート機能が次回大当りを獲得するまで継続し、V入賞しなかった場合、確率変動機能は作動せず、電チューサポート機能も特別図柄抽選が100回行われるまでに制限されるようにすることが挙げられる。
[小当りV]
次に、確率変動機能を持たずに大当り獲得に関して遊技者に有利な遊技状態を提供しうる遊技機仕様として「小当りV」と呼ばれる遊技機仕様(スペック)に関して説明する。
「小当りV」は、特別図柄抽選の結果が小当りとなった際に実行される小当り遊技中(特別電動役物の作動中)に、大入賞口P751内部に設けられた「特定領域P760」(「Vゾーン」、「V領域」などと称することがある)を通過した場合に、小当り遊技に続いて役物連続作動装置を作動させる、すなわち大当り遊技を開始する遊技機仕様である。言い換えると、小当り中に特定領域P760を通過させることによって、特別図柄抽選の結果として大当りとなる結果を獲得することなく大当り遊技を獲得することができる遊技機仕様である。
「小当りV」は特別図柄抽選の結果として役物連続作動装置や特別電動役物を作動させる「1種(ぱちんこ)」の遊技性に、役物連続作動装置非作動中の特別電動役物作動中(大入賞口P751の開放中)において特定領域P760を通過した場合に役物連続作動装置を作動させる仕様であり、「1種小当りV」と表す場合もある一方、従来のぱちんこ遊技機におけるいわゆる「2種ぱちんこ」の遊技機仕様に近い遊技性を有していることから「1種2種混合機」などと表現される場合を有する。
一般的に「小当りV」を遊技機仕様として採用するぱちんこ遊技機においては、確変機能(確率変動機能)を有さず、電チューサポート機能の有無によって有利度合いを変更させる。すなわち、電チューサポート機能が作動した場合に入賞しやすくなる普通電動役物P770に係る入賞口を小当りに当選しやすい特別図柄(例えば1/2で小当りに当選する)の変動契機となる始動入賞口で構成することで、電チューサポート機能が作動している状況下では小当りに当選しやすく、小当り遊技中のV入賞で大当りを狙うことを可能とする。このようにすることで、確変機能のように大当りとなる乱数値範囲を増やすのではなく、小当りにより大当りの獲得可能性を増やす遊技性となっている。
[その他の遊技機仕様(スペック)]
以上に記載した、遊技機仕様は代表的なものであり、その他にも特徴的な遊技機仕様がいくつか知られているため、それらに関して以下に簡易的に説明を行う。
(リミッタ)
「リミッタ」は、確率変動機能や電チューサポート機能が作動する特定遊技状態が、大当り遊技の実行を挟んで繰り返し行われる状態(いわゆる「連荘」状態)が発生した場合であって、予め定められた繰り返し回数(連荘回数)に到達した場合に、本来確率変動機能や電チューサポート機能が作動するはずの大当り遊技が実行された場合であっても、確率変動機能あるいは電チューサポート機能の作動を制限する機能である。リミッタ機能として「確率変動機能」を連続回数に基づいて制限する機能を「確変リミッタ」と呼び、「電チューサポート機能」を連続回数に基づいて制限する機能を「時短リミッタ(電サポリミッタ)」と呼ぶ。そして、リミッタ機能を備える遊技機を「リミッタ機」と呼称する。
(転落)
「転落」は、特別図柄抽選の確率変動機能が作動している期間において、特別図柄抽選が行われる度に、確率変動機能を終了させるか否かを決定する「転落抽選」を実行する遊技機仕様を示す。確率変動機能とともに電チューサポート機能が作動している状況において、転落抽選に当選した場合は、確率変動機能の終了に合わせて電チューサポート機能の作動が終了する場合や、確率変動機能のみが終了し電チューサポート機能の作動は継続する場合とがある。
なお、上述した遊技機仕様は複数組み合わせることが可能であり、例えば、「ST」と「転落」を組み合わせた場合には、特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)である場合に、(1)転落抽選に当選した、(2)予め定められた回数の特別図柄抽選を行った、(3)大当り遊技の権利を獲得した、のいずれかを充足した場合に、特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が終了する(他の遊技状態に移行する)こととなる。
次に、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける遊技の進行を司る主制御基板P40の制御に関する説明を行う。なお、第1実施例に説明する前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、前述した遊技機仕様(スペック)として、「ST(回数切り確変)」を採用しているぱちんこ遊技機を前提として説明を行う。なお、実施形態の説明において、図中の処理ステップを示す「P-s〇〇」の表記は、本文中において「ステップ〇〇」と表記して説明を行う。
[主制御基板の電源投入処理(主制御基板メインループ処理)]
前提とするぱちんこ遊技機Pの主制御基板P40は、ぱちんこ遊技機Pの電源が投入されることにより、最初に電源投入処理(ステップ1000)を実行する。ここで、電源投入処理について図7に沿ってその詳細を説明する。
前提とするぱちんこ遊技機Pの主制御基板P40において電源投入処理が開始されると、主制御基板P40上に設けられた演算装置であるCPUの動作に係る初期設定が行われる(ステップ1002)。初期設定は、この後のCPUの動作に必要な設定を適宜行うものであり、その詳細は割愛する。
CPU初期設定が終了すると、続いて入力ポートの確認処理(ステップ1004)と電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)を実行し、これらの処理内容を受けて遊技停止状態設定処理(ステップ1008)に関する処理を行う。
より詳細に説明すると、入力ポート確認処理(ステップ1004)は、ぱちんこ遊技機Pの特別図柄抽選の有利度合い(特に役物連続作動装置の作動確率、すなわち大当り確率)を変更するための「設定値」を変更可能な「設定変更処理」を行う状態であるか否かのフラグ、「設定値」を確認するための「設定確認処理」を行う状態であるか否かのフラグについて、当該処理の後に行われる遊技停止状態設定処理で成立させるか否か(オンにするか否か)を決定するための情報を生成する処理である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、枠開放スイッチP131(前枠が外枠に対して開放していることを検出するスイッチ)の検出状況、ラムクリアスイッチP48が遊技者に操作されているかの検出状況、設定キースイッチP49が回転操作されているかの検出状況を示すデータを含むデータを1バイトデータとして生成する。
続く電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)では、前回電源を切ったとき、ぱちんこ遊技機Pが正常に電源断を行い、電源断が発生したときの遊技状態に係る制御データを正常に主制御基板P40のCPUの記憶領域に正常に退避、記憶しているかを確認する処理であり、正常なデータでない場合には、エラーとして後述する遊技停止状態設定処理(ステップ1008)にて遊技を停止するようにするフラグを立てる(オンにする)処理である。
「遊技停止状態設定処理」(ステップ1008)は、電源投入処理における処理が終了し、遊技を開始すべくメインループ処理に移行した後、実際に遊技者が遊技できる状況としないためのフラグを設定する処理であり、入力ポートの確認処理(ステップ1004)と電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)の処理結果に基づいて、「設定変更状態」、「設定確認状態」、「復帰不可能エラー状態」のいずれかの遊技進行不許可状態へ移行させるフラグを立てる処理である。「遊技停止状態設定処理」の詳細は図8に記載しており、図8の記載に基づいて説明を行う。
遊技停止状態設定処理では、まず枠開放中であるかを、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータを基に判断する(ステップ1100)。電源投入時にぱちんこ遊技機Pの前枠P2が外枠P1に対して開放した状態であれば(ステップ1100でYESとなる状況)、1バイトデータの特定のビットが「1」となっている状況であるため、続くステップ1102の処理を省略する。一方で、ぱちんこ遊技機の電源投入時に枠開放中でない場合は、設定変更処理を実行するための必須操作の一部が充足していないとし、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータから設定キースイッチの操作情報をオフデータにとなるように演算する。なお、不図示であるが、ステップ1102でYESとなる場合、NOとなる場合のいずれにおいても、1バイトデータ中から枠開放中のビットもオフデータとなるように演算される。
続くステップ1104では、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータが「設定変更操作あり」と判断可能な情報となっているか否かを判断する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは「設定変更操作あり」と判断される状況は、(1)枠開放スイッチP131がオン(電源投入時に枠開放中)であり、(2)設定キースイッチP49がオンであり(回転操作されている)、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、の3つの状態を必要としている。前述したように1バイトデータの内、枠開放スイッチP131の情報はオフに設定されており、(2)(3)の双方を満たすか否かを本ステップにて判断している。例えば特定の2つのビットデータが「1」である場合に設定変更操作ありと判断する(なお、2つのスイッチがオンであることを示すアクティブデータが必ずしも「1」である必要はなく、いずれか1つのデータが「0」であってもよい)。そして、設定変更操作があったと判断した場合、すなわちステップ1104でYESと判断した場合には、遊技停止状態フラグとして「設定変更中」を示すデータを記憶し、遊技停止状態設定処理を終了する(ステップ1106、ステップ1118)。一方、ステップ1104でNOと判断した場合には続くステップ1108の処理へ移行する。なお、主制御基板P40のラム(RAM=Random Access Memory)に記憶されている設定値情報が異常データである場合(復帰不可能エラー状態からの復帰操作である場合)には、初期設定値として設定値「1」に対応するデータを、設定値を記憶する領域にセットする(ステップ1118)。
次にステップ1108において、遊技停止エラーの発生の判断を行う。遊技停止エラーは、例えばチェックサム異常(ラム異常)や、設定値異常など、遊技の進行を行うことができない状況に陥ったときに、ラムクリアおよび設定値の設定(変更)処理を要する場合のエラーのことを指す。ステップ1108の判断は、電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)の処理結果や、前回の電源断処理時に記憶しているエラー情報を基に遊技停止状態として設定すべきか否かを判断する。エラー状態とすべきと判断した場合(ステップ1108でYESと判断した場合)には、遊技停止状態フラグを「復帰不可能エラー状態」として遊技停止状態設定処理を終了し(ステップ1110、ステップ1118)、エラーが発生していないと判断した場合には続くステップ1112の処理へ移行する。
続くステップ1112においては、ラムクリアスイッチP48の操作の有無を判断する。遊技停止状態設定処理において、当該ステップまで進行する場合の状態として、
(ア)設定確認状態へ移行する操作が行われているとき、換言すると、「設定変更操作あり」の判断の内、(1)枠開放スイッチP131がオン(電源投入時に枠開放中)である、(2)設定キースイッチP49がオンである、を充足し、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、を充足していないとき、
(イ)データクリアのためのラムクリア操作が行われたとき、換言すると、(2)設定キースイッチP49がオンである、を充足しておらず、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、を充足しているとき、
(ウ)「設定変更操作」、「設定確認操作」、「ラムクリア操作」などの操作が何ら行われず電源を投入したとき、
のいずれかの状況である。そして、これらの状態において入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータは、(ア)設定キースイッチP49のオンオフを示すビットデータが「1(オンデータ)」、(イ)ラムクリアスイッチP48の操作検出状態のオンオフを示すビットデータが「1(オンデータ)」、(ウ)1バイトデータが全てオフデータ(例えば全ビット「0」)のいずれかの状況である。
そして、ステップ1112においてラムクリアスイッチP48の操作があったか否かを判断し、ラムクリア操作があった場合(ステップ1112でYESと判断する場合)には、ぱちんこ遊技機は、ラムクリアをしたのち遊技可能状態へ移行させるため、遊技停止状態フラグをクリアする処理を行う(ステップ1114)。一方、ラムクリア操作がなされた状況以外では、現在の1バイトデータをそのまま設定することとなり、この時、遊技停止状態フラグは「設定確認状態」へ移行する操作がなされているときは(ステップ1112でNOと判断する場合)、設定キースイッチP49の操作状況を示すビットデータが「1」となっており、遊技停止状態フラグを示す1バイトデータに「設定確認中」を示すデータとして記憶される(ステップ1118)。また、ラムクリア操作も設定確認状態への移行操作もない場合には、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータは、もともと遊技停止状態フラグとして遊技停止なしを示すデータであり、遊技停止なし情報としてセットされる。
「遊技停止状態設定処理」(ステップ1008)にて設定された遊技停止状態フラグについて、何らかの停止状態を示す値が記憶されている場合は、電源投入処理(ステップ1000)における遊技許容状態であるメインループ(ステップ1028~ステップ1036)への移行後に実行される遊技進行制御の主体となる割込み処理(ステップ2000)において、停止状態を示す値が参照され、「基本遊技進行」として記載した遊技の進行ができない状態となるが、これらの制御については後述する割込み処理の説明において記載する。
図7の電源投入処理の説明に戻り、続く処理を説明する。遊技停止状態設定処理(ステップ1008)が終了すると、ラムクリア操作があったか否かを判断する(ステップ1010)。ラムクリア操作は、ぱちんこ遊技機Pの電源投入時にラムクリアスイッチP48が操作されることである。なお、設定キースイッチP49がオフの場合にもオンの場合にも本処理は実行される。ステップ1010においてラムクリア操作ありと判断した場合には、主制御基板P40のラムの記憶領域より、予め定められた部分の記憶領域を初期化する。
続くステップ1014からステップ1020の処理では、電源投入時に主制御基板P40から演出制御基板P41に対して遊技機の状態を認識させるための演出制御コマンド(演出コマンド)をセットする処理を行う。より詳細には、ステップ1014において、前回電源が切断したとき(電源断が発生したとき)において未送信となっていた演出制御コマンドを記憶領域からクリアする処理を行う。そして、ステップ1016において電源投入後に復帰した主制御基板P40の現在の遊技状態に関する情報を演出制御コマンドとして生成し、ステップ1018において遊技停止状態でないと判断した場合には、ステップ1020において、生成した復帰した遊技状態を示す演出制御コマンドを演出制御コマンドの送信データを記憶する領域にセットする。
電源投入時における演出制御コマンドのセットに係る処理が終了すると、大入賞口P751(特別電動役物P755)や普通電動役物P770を電源断発生前の状態に戻すべく、必要なデータ(駆動信号)を特別電動役物駆動手段P70および普通電動役物駆動手段P71に対して出力ポートから出力する。(ステップ1022)
そして、電源投入処理におけるステップ1022までの処理が終了すると、主制御基板P40のCPUに対して、割込み処理時間の発生間隔を設定する処理を行う(ステップ1024)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、後述する割込み処理(図9、ステップ2000)を実行する間隔を4ms(ミリ秒)としている。本処理が終了すると、遊技者が遊技可能な状態であるメインループと呼ばれる循環処理に移行し、電源断が発生するまでメインループ中の循環処理の実行を繰り返す。
(メインループ)
主制御基板のメインループの処理は、図7に示すように、まずステップ1026にて割込み処理の発生を禁止する処理を行い、メインループの処理が完了するまで(ステップ1036にて割込みを許可するまで)割込み処理の実行を制限する。
割込みが禁止されると、続くステップ1028では、ウォッチドッグタイマと呼ばれる主制御基板P40のCPUの暴走(処理がループしてしまったりして、進まなくなってしまう状況など)の発生を監視するための計時情報を記憶している領域をクリア(初期化)する。
そしてステップ1030では、電源断が発生しているか(例えば電源基板P44から電圧が低下したことに基づいて送られる電源断信号が主制御基板P40のCPUの入力ポートに入力されているか)を判断し、電源断が発生している状況であれば、現在の遊技状態を記憶し、電源断情報およびチェックサム情報を記憶して主制御基板P40のCPUとしての処理を停止する電源断処理(ステップ1032)を実行する。電源断が発生していない状況であれば続く処理へ移行する。
ステップ1034では、特別図柄抽選に使用する乱数や、普通図柄抽選に使用する乱数値を更新する処理を行う。なお、これらの乱数値の更新は後述する割込み処理において更新するものもあり、割込み処理においてのみ乱数が更新されることで乱数更新周期が一定になってしまうことを防止するための処理である。なお、割込み処理において、不定期に実行されるような処理があれば、それらの処理に合わせて乱数値を更新するなどの手法を採用することにより、乱数更新周期の一定化を防止することもできるため、メインループ内に乱数更新処理を設けることは必須ではない。
ステップ1036はメインループ中の最後の処理であり、割込みを許可する処理を行う。直後にメインループ中の最初の処理であるステップ1026の割込み禁止に戻ることになるが、割込み許可を行うステップ1036の処理が行われたときに、割込み実行周期(前回割込み処理の発生から4ms経過した状態)を示す入力が主制御基板P40のCPUにあれば、後述する割込み処理が実行されることとなる。
[割込み処理]
続いて主制御基板P40のCPUで行われる割込み処理(「タイマ割込み処理」とも呼ぶ)について図9を参照しながら説明する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、割込み処理(ステップ2000)により遊技の進行に関する大部分が制御されており、遊技機仕様(スペック)によって変更可能に設けられたサブモジュールプログラムを、汎用的に一定の順序で読みだして制御するように構成されている。それらのサブモジュールに関する処理を以下に簡易的に説明する。
(ウォッチドッグタイマクリア)
割込み処理の最初には、ウォッチドッグタイマクリアの処理が設けられている。本処理は、前述した主制御基板P40のCPUが実行するメインループ処理(図7、ステップ1026~ステップ1036)におけるウォッチドッグタイマクリア処理と同じ処理である。(ステップ2002)
(入力ポート確認処理)
入力ポート確認処理は、主制御基板P40のCPUの入力ポートに入力される情報を確認することにより、以降の処理において判断に必要な情報としての入力情報があったか否かを識別可能とする情報を生成する処理である。(ステップ2004)
入力ポートに入力される情報としては、ラムクリアスイッチP48や設定キースイッチP49の操作状況を示す入力信号や、ハンドルP204の操作状況(タッチ有無)を示す入力信号等の人為的な操作に係る入力信号、特図1始動口スイッチP712や大入賞口スイッチP752等の遊技球の検出による遊技結果を示す入力信号、磁気センサP73やドア開放センサP131、振動検知センサP72など不正監視のために設けられたセンサの検出状況を示す入力信号などがある。
入力ポート確認処理では、これらの入力ポートの入力信号を10μs(マイクロ秒)で3回読み込み、全ての読み込みで同一データ(同一ビット)となったデータを今回割込みにおける入力データ(「レベルデータ」という)として主制御基板P40のラムに記憶する。なお、3回読み込んだデータのうち全ての読み込みで同一データとならなかった部分については、前回の割込み処理(4ms前の割込み処理)において確定したデータをレベルデータとして採用することとなり、すなわち今回割込みにおいて正常にデータが読み取れなかった場合は前回割込みで記憶したデータを更新しないこととなる。
そして今回割込みにおける入力データ(レベルデータ)が確定すると、前回割込みにおける入力データとの比較演算を行い、「立ち上がりデータ」(入力データがオフからオンに変わったビットを特定するデータ)を生成し、今回割込みでオン入力に切り替わったスイッチを特定するデータを記憶する。
(乱数更新処理)
乱数更新処理は、特別図柄抽選に係る当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数や、普通図柄抽選の普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数などの各種乱数の内、ソフト的に更新される乱数値であるいわゆるソフト乱数を更新する処理である(ステップ2006)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄抽選や普通図柄抽選に使用する乱数は、乱数生成回路にて回路上の更新周期にて乱数を更新するものと、ソフト的な周期で更新されるものを有する仕様としており、それらを組み合わせることで、乱数取得時の各種乱数のランダム性を保つように構成している。
乱数更新処理においては、前述したようにソフト乱数を更新する処理を行うものであるが、更新の方法としては、
(ア)乱数をインクリメント(+1)あるいはデクリメント(-1)して更新し、乱数範囲の上限(又は下限)を超えた場合に下限値(または上限値)とするもの、
(イ)乱数に対して任意の素数を減算(または加算)し、乱数範囲を超える場合に乱数範囲+1(または乱数範囲-1)の値を加算(または減算)するもの、
(ウ)初期値として設定した乱数からインクリメント(またはデクリメント)を繰り返し、1周期の更新が終わった場合に、別途更新している「初期値乱数」を新たな初期値として設定し同様の更新を繰り返すもの(初期値更新型乱数ともいう)、
といった各種の更新方法が例示できる。なお、本実施例に例示したものに限らず更新方法は乱数のランダム性が保てる手法であれば、どのような手法を採用してもよい。
(設定制御処理)
設定制御処理は、主制御基板P40のCPUにおける電源投入処理(図7参照)中で設定した遊技停止フラグが「設定変更中」、または「設定確認中」である場合の処理を行う。(ステップ2008)
設定制御処理では、最初に電源投入処理中にて遊技停止フラグとして格納したデータの設定キー操作中を示すビットデータがオンデータであるか否かを判定し、オンデータでない、すなわちぱちんこ遊技機の電源投入時に設定キーがオン操作されていなかった場合、本処理を抜けるように構成されている。
一方で、遊技停止フラグ中の設定キー操作中を示すビットデータがオンデータである場合には、「設定変更中」、「設定確認中」を終了させるか否かを判定するため、現在の割込み処理における設定キースイッチP49の入力情報(前述した入力ポート確認処理にて生成)を参照し、設定キースイッチP49がオフとなった場合に遊技停止フラグをクリアし、遊技可能な状態とした後、「設定変更状態」、「設定確認状態」のいずれからの復帰であるかに応じて、演出制御基板に演出を復帰(または開始)させるための演出制御コマンドを設定する。
また、電源投入処理(図7参照)において、遊技停止フラグが「設定変更中」である場合、設定キースイッチP49がオフとなるまでの期間において、本割込みタイミングにおける「設定変更スイッチ」の役割を果たすラムクリアスイッチP48(設定値を変更するために操作するスイッチ)の操作状況を確認する。遊技停止フラグが「設定変更中」の時、今回割込みにおいて、設定変更スイッチP48の操作にかかる立ち上がりデータが生成されている場合において、「設定値」を予め定められた変更順序の内の次の設定値となるようデータの変更を行う。例えば、設定が1から6まで順に切り替わるような設定値データを有するぱちんこ遊技機Pであれば、設定変更スイッチ(ラムクリアスイッチP48)の操作に基づく立ち上がりデータがあるたびに、本設定制御処理において設定値を「1」増加させる処理(操作前の設定値が6のときは、次の値として1に変更)を行う。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、設定変更状態や設定確認状態における処理を割込み処理中(図9参照)に設けることによって、設定キースイッチや設定変更スイッチの操作を割込み処理の周期で監視するとともに、後述するLED出力処理にて表示装置に対しての表示データの出力を可能とし、別途割込み処理の設定ができていない電源投入処理中(図7参照)において、周期的な監視のためのプログラムを設定することを省略可能としている。なお、電源投入処理中において、設定変更や設定確認に関するスイッチの監視や表示装置の制御、設定値の更新処理を行うように構成してもよい。
(遊技停止監視処理)
遊技停止監視処理は、主制御基板のCPUがぱちんこ遊技機の電源投入時に実行した電源投入処理(図7参照)中にて生成した遊技停止フラグのデータを読みだして遊技停止中であるか否かを確認する処理である。(ステップ2010)
遊技停止監視処理において、読みだされた遊技停止フラグのデータに何らかの遊技停止情報(遊技停止フラグ)が記憶されていた場合、例えば、遊技停止フラグのデータが0でなくいずれかのビットが「1」である場合は遊技停止状態(遊技停止が必要な状態)と判断し、遊技停止中として、割込み処理中の一部の処理(図9における「タイマ減算処理(ステップ2014)」から「特別電動役物制御処理(ステップ2028)」まで)を省略する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、遊技停止が必要な状態として、すなわち遊技者が遊技をすることが不可能な状態として、「設定変更中」、「設定確認中」、「復帰不可能エラーの発生中」といった状態が例示できる。
(タイマ減算処理)
タイマ減算処理は、遊技の進行に関する時間の管理に使用されるタイマデータを更新する処理である(ステップ2014)。
タイマデータの更新処理の例として、特別図柄の変動表示が開始された場合に設定される変動表示時間の管理や、大当り遊技中の特別電動役物P755の作動時間(大入賞口P751の開放時間)などの遊技進行を契機としたタイマデータの更新処理や、球詰まりを検出する等のエラー判定のための計時処理、特別図柄表示装置P51、P52などの主制御表示装置P50におけるLEDの点灯パターンを切り替えるための切り替え時間を計時するための処理、外部情報出力端子P77等から外部機器(ホールコンピュータなど)に対する情報の出力を行う期間を計時する処理などが例示できる。
タイマ更新処理で更新されるタイマデータは、主制御基板P40の記憶領域(ラム記憶領域)に、「1バイトタイマ」、「2バイトタイマ」などのタイマデータの種類ごとに分けられて、連続した記憶領域にそれぞれ記憶されている。
タイマ更新処理では、それらの個別のタイマデータの種類を記憶した記憶領域に対し、「1バイトタイマ更新処理」、「2バイトタイマ更新処理」といった処理を行い、各種タイマの時間値を更新する処理を行う。タイマの更新処理は、記憶領域に記憶されているタイマデータをデクリメント(-1)する処理を行う。なお、記憶されているタイマデータが既に「0」である場合には、処理後においても「0」となるように処理される(負の値になった場合に「0」にすることや、「0」の場合にデクリメントをしない、など)。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、1割込みの周期が4msであるため、1バイトタイマのデータである場合には、最大255回の更新(約1秒)で終了する管理対象のみが制御可能となるが、1秒以内でのみ管理される遊技情報がない場合(少ない場合)には、2バイトタイマデータのみで構成し、1バイトタイマ更新処理を有さないように構成することも可能である。また、2バイトタイマでも管理できないような時間値の管理が必要となる場合は、「3バイトタイマ」などより長時間を管理できるタイマデータを持つように構成してもよい。
(有効期間設定処理)
有効期間設定処理は、入球容易態様または入球困難態様に変化可能な入賞口(主として大入賞口P751や普通電動役物P770に係る入賞口が該当)に関し、入球容易態様に制御する期間および有効延長期間において有効期間を設定し、それ以外の期間(入賞口が入球困難態様であり有効延長期間以外のとき)について、無効期間を設定する処理である。(ステップ2016)
前提とするぱちんこ遊技機では、大入賞装置としての大入賞口P751と、普通電動役物P770が備えられている第2始動入賞装置P720である第2始動入賞口P721の入賞を有効期間として設定する処理となる。
なお、有効延長期間は大入賞口P751や普通電動役物P770が入球困難態様へ移行する直前のタイミングで入球した遊技球を有効入賞として扱うために、大入賞口P750(特別電動役物P755)や普通電動役物P770などの電動役物に対して開放制御を実行させる制御期間が経過した後においても有効期間として扱うため、電動役物の構造に応じて適宜設定される一定時間の制御期間である。
また、遊技機仕様によっては特定領域P760(V領域)を有する場合には、特定領域P760に関する遊技球の通過に対する有効延長期間も設定されることがあり、そのような場合には、本処理において特定領域の有効期間の設定も行われる。
(入賞監視処理)
入賞監視処理は、ぱちんこ遊技機における各種入賞口(大入賞口P751、始動口P711、P721、一般入賞口P731)に対する遊技球の入賞を基に、有効入賞であるか否かを判定し、賞球や始動口入球に対する特別図柄抽選の権利の発生(保留の発生)の処理が行われる契機となる情報を生成する処理である。(ステップ2018)
処理内容としては、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータを基に予め定められた順序で各種入賞口毎に(ア)入賞の有無を検出(イ)有効期間を有する入賞口の場合は有効期間中における入賞であるかの判断、各種入賞口に対する有効入賞が発生した場合には更に、(ウ)演出制御基板P41に送信する各種入賞口毎の入賞情報をしめす演出制御コマンドの設定、(エ)各種入賞口毎の入賞に基づく動作契機の発生回数を記憶するためのカウンタ値(「入賞カウンタ」と呼ぶ)を更新する(言い換えると、各種入賞口の検出に基づく動作の内で未処理の動作の回数を記憶するカウンタ値を更新する)処理を行う。
なお、入賞監視処理においては、各種入賞口に対する入賞の発生のみでなく、アウト球を計数するために設けられたアウト球検出スイッチP792、普通図柄抽選の契機となる作動口スイッチP742や、遊技機仕様によっては特定領域P760(V領域)に対する遊技球の入球および通過についても判定するようになっており、賞球の発生や特別図柄抽選の契機の発生以外にも遊技機の動作(例えば、演出制御基板P41に対して、作動口スイッチP742や特定領域P760を通過した旨の情報を送信する処理)に必要となる遊技球の検出の有無を本処理において行う。
(作動口監視処理)
作動口監視処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータより、普図作動口スイッチP742の立ち上がりデータが生成されている場合に、普通図柄抽選に係る保留の発生に係る処理を行う。(ステップ2020)
より具体的には、普図作動口スイッチP742の検出があった場合に、普通図柄抽選に係る保留の数を確認して、保留数が上限に満たない場合は、新たな保留として乱数を記憶可能であるため、保留数を格納している記憶領域のデータをインクリメント(+1)して保留数情報を1個増やした後、普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数を乱数生成回路から取得、あるいは現在の対応するソフト乱数を取得して保留として記憶する。
(普通図柄制御処理)
普通図柄制御処理は、普通図柄抽選、普通図柄の変動表示、普通電動役物P770の作動に係る処理を行う(ステップ2022)。これらの処理は、普通図柄ステイタスと呼ばれる普通図柄、普通電動役物の制御状態を示すデータがいずれであるかに応じて、異なるサブモジュール処理に移行して、状態に応じた制御を行う。普通図柄のステイタスとしては、「0:普通図柄待機中」、「1:普通図柄変動中」、「2:普通図柄停止表示中」、「3:普通電動役物作動中」、「4:普通電動役物終了デモ中」があり、それぞれの状態に応じた処理を行う。
《普通図柄変動開始監視制御処理》
普通図柄変動開始監視制御処理は、普通図柄ステイタスが「0:普通図柄待機中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄変動開始監視制御処理では、まず、普通図柄抽選に係る保留数が「0」であるか否かを確認する。「0」である場合には、普通図柄の変動権利は発生していないため、普通図柄制御処理を抜ける。一方、普通図柄抽選に係る保留数が「0」でない場合は、普通図柄の変動権利が発生している状態であり、普通図柄の変動開始条件を満たしていると判断して普通図柄の変動の開始に係る処理を実行する。
普通図柄の変動を開始すると判断すると、普通図柄抽選に係る保留数情報を記憶する領域より、保留数情報を-1した後、普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数をそれぞれ呼び出して普図当否抽選、普図図柄抽選、普図変動パターン抽選をそれぞれ行い、抽選結果を主制御基板の記憶領域に格納するとともに、今回使用した乱数情報をクリアし保留数情報の記憶領域を記憶した順番に処理されるようにシフトする処理を行うとともに、普通図柄ステイタスを「1:普通図柄変動中」に更新する。なお、普通図柄抽選に関しては、前述した「ベース状態」(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能)の作動状況に応じて異なる抽選テーブルが使用され、高ベース状態では当りとなりやすく、普通図柄の変動表示時間は短いものが決定されやすい傾向にある。
《普通図柄変動中処理》
普通図柄変動中処理は、普通図柄ステイタスが「1:普通図柄変動中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄変動中処理では、普通図柄変動開始監視制御処理中にて決定した普通図柄の変動パターンに応じた普通図柄の変動表示時間が経過するまで、すなわち普通図柄の変動表示を管理するタイマ(普通図柄変動表示タイマ)がタイマ更新処理において0となるまで、普通図柄表示装置P53において、普通図柄の変動表示を実行させる処理である。
より具体的には、普通図柄変動表示タイマが0でない場合には、本処理が実行されるたびに最大値が「5」である普図表示切り替えカウンタを更新し、普図表示切り替えカウンタが「5」となるタイミングで、普通図柄表示装置P53を構成するLEDの発光パターンを指定するためのデータを格納する記憶領域に、次の発光パターンに関する情報を記憶する処理を行う。なお、普図表示切り替えカウンタは最大値である「5」となるタイミングで初期値である「0」にリセットされる。すなわち、普通図柄の変動表示は5回の割込み(4ms×5=20ms)間隔で普通図柄表示装置P53の点灯パターンが切り替えられることとなる。なお、切替間隔は適宜設定可能であり、例えば普図表示切り替えカウンタの最大値を25とすれば、25割込みに1回(100msに1回)の間隔で普通図柄表示装置P53の表示パターンが切り替えられる。
普通図柄の変動表示時間が終了する、すなわち普通図柄変動表示タイマが「0」となっている場合、本処理では普図図柄抽選で決定した普通図柄の停止表示図柄の表示パターンが主制御表示装置P50における普通図柄表示装置P53に停止表示されるよう、停止表示態様を示すLED点灯パターンを指定するためのデータを普通図柄表示装置P53のLED点灯パターンを記憶する記憶領域に格納する。そして、普通図柄の図柄固定時間(停止表示図柄を表示する時間)を普通図柄停止表示タイマに記憶するとともに、普通図柄ステイタスを「2:普通図柄停止表示中」に更新する。
《普通図柄停止表示中処理》
普通図柄停止表示中処理は、普通図柄ステイタスが「2:普通図柄停止表示中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄停止表示中処理では、普通図柄変動中処理の終了時に図柄固定時間が設定された普通図柄停止表示タイマの値が「0」であるかの確認を行い、「0」となったタイミングにて、次の遊技動作に移るための設定を行う処理が行われる。
普通図柄停止表示タイマが「0」となったとき、今回の普通図柄抽選の結果が「当り」であった場合、当り図柄およびベース状態(普通電動役物の延長機能)の作動状態に応じて、普通電動役物P770の作動パターンを呼び出し、動作パターンを設定や、普通電動役物P770に係る入賞カウンタをクリアする等の設定をするとともに、普通図柄ステイタスを「3:普通電動役物作動中」に更新する。
一方、普通図柄停止表示タイマが「0」となったとき、今回の普通図柄抽選の結果が「はずれ」であった場合には、普通図柄ステイタスを「0:普通図柄待機中」に更新する処理を行う。
《普通電動役物作動中処理》
普通電動役物作動中処理は、普通図柄ステイタスが「3:普通電動役物作動中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通電動役物作動中処理では、普通図柄停止表示中処理において設定された普通電動役物P770の動作パターンに基づいて、普通電動役物の開放動作(入球容易態様への変化)および閉鎖動作(入球困難態様への変化)を制御するとともに、普通電動役物の作動終了条件の成立を監視する。普通電動役物P770の作動終了は、(ア)普通電動役物の終了条件として設定された規定数の普通電動役物入賞が発生した場合、(イ)予め設定された動作パターンの動作が終了した場合(普通電動役物の開放動作期間が終了した場合)である。
普通電動役物の作動終了条件が成立すると、普通電動役物の有効延長期間を記憶するタイマ領域に、予め普通電動役物P770の構造に対応して定められた一定時間の延長期間を計時する時間をセットする。そして、普通電動役物の作動終了デモに係る時間値を普通電動役物作動終了デモタイマにセットし、普通図柄ステイタスを「4:普通電動役物終了デモ中」に設定する。
《普通電動役物作動終了デモ処理》
普通電動役物作動終了デモ処理は、普通図柄ステイタスが「4:普通電動役物終了デモ中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通電動役物作動終了デモ処理では、普通電動役物作動中処理にて設定した普通電動役物作動終了デモタイマが「0」となるまで待機し、普通電動役物作動終了デモタイマが「0」となった場合に普通図柄ステイタスを「0:普通図柄待機中」に更新する処理を行う。
(始動口監視処理)
始動口監視処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータより、特図1始動口スイッチP712および特図2始動口スイッチP722の立ち上がりデータが生成されている場合に、特別図柄抽選に係る保留の発生に係る処理を行う。(ステップ2024)
より具体的には、特図1始動口スイッチP712および特図2始動口スイッチP722の検出があった場合に、特別図柄抽選に係る保留の数を確認して、保留数が上限に満たない場合は、新たな保留として乱数を記憶可能であるため、保留数を格納している記憶領域のデータをインクリメント(+1)して保留数情報を1個増やした後、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数を乱数生成回路から取得、あるいは現在の対応するソフト乱数を取得して保留として記憶する。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄として、第1特別図柄(特図1と称することがある)と第2特別図柄(特図2と称することがある)との2種類の特別図柄を設けているため、遊技盤P5に設けられた始動口のそれぞれに対し、対応する特別図柄の保留数および始動口スイッチのデータを呼び出して、始動口毎に保留数の加算、乱数の取得の処理が行われる。
また、処理対象とする始動口が、普通電動役物に係る始動口(電チュー)で構成される場合には、前述した有効期間設定処理にて普通電動役物P770に係る始動口入賞が有効期間内に行われたか否かを判断した上で有効期間である場合には前述した処理を行う。
なお、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数を記憶する際、取得した乱数情報を事前に予告判定値テーブルを用いて、保留される各種乱数に基づく変動が実行される際の変動内容が事前に推測可能となる情報を生成し、演出制御基板P41に対して演出制御コマンドとして通知する(「事前判定コマンド」、「事前判定情報」、「先読み判定コマンド」と呼ぶ)。事前判定コマンドは、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数それぞれに対して生成され、演出制御基板P41に送信されると、演出制御基板P41において、後述する「先読み演出」の実行に係る抽選に利用される。
(特別図柄制御処理)
特別図柄制御処理(ステップ2026)は、特別図柄ステイタス(「特図ステイタス」ともいう)と呼ばれる特別図柄を管理するための状態情報と、特別電動役物ステイタス(「特電遊技ステイタス」ともいう)と呼ばれる特別電動役物の作動状態を管理するための状態情報とによって、特別図柄の変動開始の管理(特別図柄変動開始監視制御処理)、特別図柄変動中処理、特別図柄停止図柄表示中処理のいずれかの処理を実行する。
特別図柄ステイタスには、「0:特別図柄変動待機中」、「1:特別図柄変動中」、「2:はずれ図柄停止表示中」、「3:大当り図柄停止表示中」、「4:小当り図柄停止表示中」の状態を有し、特別電動役物ステイタスには、「0:当り待ち中」、「1:特別電動役物作動中」、「2:大入賞口閉鎖中」、「3:大当り終了デモ中」、「4:小当り特電作動中」、「5:小当り閉鎖中」、「6:小当り終了デモ中」の状態を有する。なお、遊技機仕様によっては小当りを有しない場合もあり、その場合には小当りに関連したステイタスデータを持たない。そして、これらのステイタスに基づく制御は後述する。
特別図柄制御処理は、特別図柄を複数有する場合には、予め定められた順序(優先順位)に基づいて処理が行われる。予め定められた順序として、第2特別図柄を優先して制御する処理を行い、第1特別図柄および第2特別図柄の双方の保留が存在する状況下では、第2特別図柄の変動が先に開始される(第2特別図柄が優先して変動する)よう処理される遊技機仕様について、「第2特別図柄(特図2)優先消化制御」と呼び、前提とするぱちんこ遊技機Pの実施形態に係る説明では、このタイプのものに関する処理について例示して説明する。
特別図柄制御処理では、まず、第2特別図柄の制御を行う。第2特別図柄の制御を開始すると、まず第1特別図柄の特別図柄ステイタスと、特別電動役物ステイタスの情報を参照する。特別電動役物ステイタスが大当り遊技中または小当り遊技中を示すデータの場合(特別電動役物ステイタスが「0:当り待ち中」以外のとき)、第1特別図柄が変動中でありの第1特別図柄の特別図柄ステイタスが「0:特別図柄変動待機中」以外の場合には、処理を行うことなく処理を完了する。
第2特別図柄の制御を実行する状況である場合には、第2特別図柄に係る制御のタイマ値を更新する処理が実行される。タイマの更新は、タイマを記憶する記憶領域のデータをデクリメント(-1)する処理にて行われ、デクリメントした結果が負の値となる場合には「0」がセットされる。そして、タイマの更新が終了すると特別図柄2に対応する特別図柄ステイタスに基づいて、後述するサブモジュール処理が呼び出され実行される。なお、割込み処理中にもタイマ減算処理を有しているが、タイマ減算処理にて更新されるタイマに特別図柄制御処理にて更新されるタイマデータは含まれておらず、特別図柄制御処理において特別図柄に係る制御のためのタイマデータを管理している。
《特別図柄変動開始監視制御処理》
特別図柄変動開始監視制御処理は、特別図柄ステイタスが「0:特別図柄変動待機中」である場合に移行するサブモジュール処理である。
特別図柄変動開始監視制御処理では、対象として処理している特別図柄の保留があるか否かを確認し、保留が無ければ処理を終え、保留がある場合には続く処理が実行される。続く処理は、変動を開始する際に行われる特別図柄抽選である。特別図柄抽選は、まず設定値として格納しているデータを読みだして検査し、適切な設定値情報であるか否かを判定する。適切な設定値である場合には、遊技状態等を示す各フラグを記憶した領域のデータを参照して適宜抽選テーブルを選択し、当否抽選および図柄抽選、変動パターン抽選が実行され、抽選結果が記憶領域に格納されたのち、特別図柄ステイタスが「1:特別図柄変動中」に更新される。また、特別図柄抽選によって決定された内容は、演出制御基板P41に演出制御コマンド(当否コマンド、図柄コマンド、変動パターンコマンド)として送信され、特別図柄の変動表示に合わせて実行される変動演出の内容の決定処理(抽選処理)のための情報として利用される。なお、特別図柄抽選に関する詳細は後述する。
《特別図柄変動中処理》
特別図柄変動中処理は、特別図柄ステイタスが「1:特別図柄変動中」である場合に移行するサブモジュール処理である。
特別図柄変動中処理では、変動パターン抽選で決定した特別図柄の変動時間が経過するまで特別図柄の変動表示時間を管理するタイマを監視するとともに、残り変動時間が「0」になるまで、毎割込み更新される特別図柄表示切替タイマ(最大値「24」)により、25割込みごとに特別図柄の変動表示を示すために特別図柄表示装置(第2特別図柄表示装置P52(特図1の制御の時は第1特別図柄表示装置P51))の点灯表示パターンの切り替え処理を行う。
特別図柄の残り変動表示時間が「0」となると、ぱちんこ遊技機Pに接続する外部機器(データカウンタ―やホールコンピュータなど)に対して、特別図柄の変動表示が1回実行されたことを示す外部信号を出力するための情報の設定と、特別図柄の停止表示図柄を固定表示するための図柄固定時間を設定する処理と、当否抽選、図柄抽選の結果決定された停止表示図柄を示す停止表示図柄を特別図柄表示装置P52(P51)に表示させるための点灯パターンデータの設定とを行う。そして、当否抽選結果に応じて特別図柄ステイタスを「2:はずれ図柄停止表示中」、「3:大当り図柄停止表示中」、「4:小当り図柄停止表示中」のいずれかに設定する。
《特別図柄はずれ図柄停止表示中処理》
特別図柄はずれ図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「2:はずれ図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄はずれ図柄停止表示中処理では、特別図柄変動中処理において設定した図柄固定時間を管理するタイマの値が「0」となったかを確認し、「0」となった場合に処理対象となっている特別図柄の特別図柄ステイタスを「0:特別図柄変動待機中」に更新するとともに、特別図柄抽選に係る遊技状態(確率変動機能、電チューサポート機能、変動時間短縮機能)の残り遊技回数を更新するとともに終了条件成立に関する確認し、遊技状態移行条件の成立時には遊技状態の移行に係る制御(フラグオフなど)を行う。
《特別図柄大当り図柄停止表示中処理》
特別図柄大当り図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「3:大当り図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄大当り図柄停止表示中処理では、特別図柄変動中処理において設定した図柄固定時間を管理するタイマの値が「0」となったかを確認し、「0」となった場合に処理対象となっている特別図柄の特別図柄ステイタスを「0:特別図柄変動待機中」に更新するとともに、特別電動役物ステイタスを「2:大入賞口閉鎖中」に更新する。さらに、特別図柄抽選に係る遊技状態(確率変動機能、電チューサポート機能、変動時間短縮機能)を終了させるために、それぞれの残り回数情報格納領域および作動フラグ格納領域をクリアする処理を実行する。そして、大当り図柄に応じた大当り遊技を実行させるべく、大当り図柄情報より、前回大当り遊技中にデータとして使用していた各種記憶領域の情報を初期化し、大当り遊技中における特別電動役物P755の制御内容データのセットを行う。
特別図柄大当り図柄停止表示中処理では、さらに、演出制御基板P41に対して大当り遊技の演出(大当り開始デモ演出)を実行させるための演出制御コマンドを送信する処理を実行する。また、これらの処理に合わせて、主制御表示装置P50の構成要素の一つである右打ち表示灯P56(遊技領域の右側を狙って遊技球を発射させる右打ち遊技が推奨される遊技状態の時に点灯させるLED)を点灯させるための点灯パターンデータの設定も行われる。
《特別図柄小当り図柄停止表示中処理》
特別図柄小当り図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「4:小当り図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄小当り図柄停止表示中処理は、特別図柄大当り図柄停止表示中処理と同様、図柄固定時間の終了とともに、特別電動役物P755の作動に係るデータの設定、右打ち表示灯P56の点灯に係る設定処理を行う。また、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、小当り遊技の実行時(小当り図柄の停止表示)では、大当り図柄が停止したときとは異なり、特別図柄抽選に係る遊技状態(高確率状態または高ベース状態)を終了させる処理を有さず、特別図柄はずれ図柄停止表示中処理の処理と同様に、それぞれの遊技状態に対して終了条件を満たしたか否かの判定結果を基に遊技状態を制御する。また、これらの処理に合わせて特別電動役物ステイタスを「5:小当り閉鎖中」に更新する。なお、遊技機仕様によっては、変形例として、小当り遊技の実行に際して、大当り図柄停止時と同様に遊技状態(高確率状態または高ベース状態)を強制的に終了させる処理を有する仕様として設計することも可能である。
以上のサブモジュール処理の内いずれかの処理が選択的に実施されると、第2特別図柄の処理に続いて第1特別図柄の処理が行われる。第1特別図柄の処理については第2特別図柄の処理と参照する情報が相違するのみ(例えば、変動開始可能かどうかについて、第1特別図柄の特別図柄ステイタスではなく第2特別図柄の特別図柄ステイタスを参照して判断するなど)でほぼ同じ処理が繰り返されるのみであるため説明を割愛する。
《入球順消化制御、並列制御》
また、前述した特別図柄制御処理の説明においては、「第2特別図柄優先消化制御」に係る処理に基づいて説明したが、本前提とするぱちんこ遊技機と異なる遊技機仕様を採用する場合にあっては、異なる処理にて特別図柄制御処理を進行することも可能である。以下にその代表的なものについて簡単に説明する。
「入球順消化制御」は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれに対応する保留情報が発生した順番に1つずつ処理される遊技機仕様である。一方の図柄の変動中に他方の変動表示が行われることは無く、ある遊技状態において第1特別図柄に対応する保留球と第2特別図柄に対応する保留球との双方の保留球の発生が見込まれる場合に採用されることが多い仕様である。
「並列制御(並列消化)」は、前述した「第2特別図柄優先消化制御」や「入球順消化」とは異なり、同時に第1特別図柄と第2特別図柄の双方の変動表示を同時に行うことができるタイプの遊技機仕様である。2つの図柄を同時に消化することができるため、単位時間当たりの特別図柄抽選回数を増加させることが可能となる。なお、1の特別図柄の停止表示に伴い特別電動役物P755が作動する場合(大当り、小当りが実行される場合)、他方の図柄は強制的にはずれとして図柄を停止したり、変動表示の残り時間の減算を一時中断するような仕様が適宜採用される。一例として、1の特別図柄が大当りとなった場合には、他方の特別図柄を強制的にはずれとして停止表示する仕様や、1の特別図柄が大当りや小当りとなった場合には、他方の特別図柄の変動表示を一時中断する仕様を採用可能である。
(特別電動役物制御処理)
特別電動役物制御処理は、特別電動役物ステイタス(特電遊技ステイタスと称することがある)のデータ内容(値)によって、特別電動役物P755の作動に係るサブモジュール処理を実行し、特別電動役物の作動を管理する処理である(ステップ2028)。言い換えると、大当り遊技や小当り遊技を実行するに際して、大当り遊技、小当り遊技状態における各状態の制御を行い、大入賞口P751の開閉に係る制御を行う処理である。
前述したように、特別電動役物ステイタスには、「0:当り待ち中」、「1:特別電動役物作動中」、「2:大入賞口閉鎖中」、「3:大当り終了デモ中」、「4:小当り特電作動中」、「5:小当り閉鎖中」、「6:小当り終了デモ中」の状態を有している。
これら特別電動役物ステイタスのうち、「0:当り待ち中」のステイタス状態である場合には、遊技者の遊技によって未だ大当り遊技または小当り遊技の実行権利の獲得がなされていない状況であるため、特別電動役物制御処理は処理を行うことなく終了する。
そして、特別電動役物ステイタスが、「0:当り待ち中」以外である場合には、ステイタスに応じて後述するそれぞれの処理のいずれかが実行されることとなる。
《特別電動役物作動中処理》
特別電動役物作動中処理は、特別電動役物ステイタスが「1:特別電動役物作動中」または「4:小当り特電作動中」である場合に実行される処理である。本処理は、特別遊技において、いわゆるラウンド遊技(単位遊技)が実行されている状態(大入賞口P751が開放制御され得る状態)の処理である。
特別電動役物作動中処理では、まずラウンド遊技(単位遊技)の終了条件を充足したか否かを判断する処理が行われる。ラウンド遊技の終了条件としては、(ア)作動した特別電動役物に応じた規定個数(「カウント」とも呼ぶ)の入賞数が行われたか、(イ)実行される特別電動役物の作動パターンとしてセットされた開放時間(開放パターン)が終了したか、のいずれかを満たす場合に終了したものとして判断する。これらの条件を満たさない場合は、以後の処理を行うことなく今回の割込み処理における特別電動役物制御処理を終了する。なお、特別電動役物P755の作動パターン(開放パターン)の中には、複数回大入賞口P751を開閉させるパターンを有しており、これらのパターンが実行される場合には、1回のラウンド遊技中で(イ)の判断に使用するタイマが複数回「0」となる一方で、1回のラウンド遊技中の次の作動データがあるか否かを確認した上で、条件(ウ)「今回の単位遊技における次作動パターンデータなし」と判断した場合に上記(イ)を満たしたものと判断することとなる。
一方、ラウンド遊技の終了条件の上記(ア)、(イ)のいずれかを満たした場合には、続く処理として、大入賞口閉鎖時間を特別電動役物の閉鎖時間管理用タイマに記憶するとともに、特別電動役物ステイタスをインクリメントし「2:大入賞口閉鎖中」とする。そして演出制御基板P41に対し演出制御コマンドとしてラウンド遊技が終了したことを通知するためのコマンドデータをセットして終了する。
《大入賞口閉鎖中処理》
大入賞口閉鎖中処理は、特別電動役物ステイタスが「2:大入賞口閉鎖中」または「5:小当り閉鎖中」である場合に実行される処理である。本処理は、特別遊技において、いわゆるラウンド遊技とラウンド遊技との間である「ラウンド間」に制御されている状態の処理である他、大当り遊技や小当り遊技の開始時における初回ラウンドの開始前の状態である「大当り開始デモ(期間)」、「小当り開始デモ(期間)」に制御される状態のとき、あるいは最終ラウンドのラウンド遊技が終了した後に後述する当り終了デモ中処理が実行されることとなるまで待機する期間に制御されている状態のときに係る処理である。
大入賞口閉鎖中処理では、まず、特別電動役物作動中処理にて設定した大入賞口閉鎖時間が経過したか否かを判定し、閉鎖時間管理用タイマが「0」でない、すなわち閉鎖時間が経過していない場合は、今回割込みにおける特別電動役物制御処理を終了する。
大入賞口閉鎖時間が経過した場合、続いて先に作動が終了した特別電動役物P755の作動(ラウンド遊技)が、今回の当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)における最終のラウンド遊技であったか否かを判断し、最終ラウンド遊技の終了時と、最終ラウンド以外のラウンド遊技終了時(または当り開始デモ時)とで異なる処理を実行する。なお、最終のラウンド遊技であったか否かを判断は、今回の当り遊技中に作動した特別電動役物P755の作動回数の累計データが、今回の当り遊技における特別電動役物P755の最大作動回数データを超えているか否かに基づいて判断するものであり、当り開始デモ時には特別電動役物P755の作動回数の累計データは「0」である。
大入賞口閉鎖中処理において、最終ラウンド遊技の終了時と判断した場合には、当りの種類(大当り、小当りを開始することとなった特別図柄の種類)に応じて当り終了デモの実行パターン(主として当り終了デモ時間データ)を読みだして設定する。そして、特別電動役物ステイタスをインクリメントし、「3:大当り終了デモ中」または「6:小当り終了デモ中」とし、演出制御基板P41に当り終了デモ演出を実行させるための演出コマンドをセットしてする。さらに、大入賞口P751の有効延長期間を設定するため有効延長期間として定められた時間値データを大入賞口P751の有効延長期間を管理するタイマに格納して終了する。
一方、大入賞口閉鎖中処理において、最終ラウンド遊技以外の終了時(または当り開始デモ時)と判断した場合には、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドとして、次回のラウンド遊技が何ラウンド目であるかを識別可能とする情報(Nラウンド開始デモコマンド ※Nは整数)と、当り遊技中の推奨発射位置(前提とするぱちんこ遊技機では、遊技盤の右側領域P501R(右打ち領域))を指示するための情報(右打ちコマンド)を送信する。
そして、特別電動役物ステイタスをデクリメントして「1:特別電動役物作動中」または「4:小当り特電作動中」に更新し、ラウンド遊技中の大入賞口P751への遊技球の入賞数をカウントするためのデータ領域のデータを初期化する。そして、ラウンド遊技中の大入賞口P751の一回目の開放(またはラウンド遊技開始直後の閉鎖)に係る時間値を、ラウンド遊技における大入賞口P751(特別電動役物P755)の作動パターンデータをセットし、特別電動役物P755の累計作動回数に関する記憶領域のデータをインクリメントする。
(賞球制御処理)
賞球制御処理は、遊技盤P5に配置された入賞口に対する遊技球の入賞に対して、遊技者に賞球として遊技球を付与するための処理である。処理内容としては、次に示す3つのサブモジュール処理を実行する構成である。(ステップ2030)
《払出データ受信監視処理》
払出データ受信監視処理は、払出制御基板P43から主制御基板P40に対して送信される賞球払出の実行に係る制御コマンドの有無を確認し、送信されたコマンドを受信(記憶)する処理である。主制御基板P0は、払出制御基板P43から送信された情報を2つのレジスタ(記憶領域)に格納している。そして1のレジスタは、ステイタスレジスタと呼ばれ、払出制御基板P43から送信された情報があるか、および送信された情報が正常に送信されたものであるか否かを判断するための情報が格納されている。そして他方のレジスタは、データレジスタと呼ばれ、払出制御基板P43から送信された払出制御に関する制御内容の情報が格納されており、ステイタスレジスタが異常でなければデータレジスタのデータを払出制御情報として記憶領域に記憶する。
《払出コマンド要求処理》
払出コマンド要求処理では、入賞監視処理(ステップ2018)で記憶した、各種入賞口の入賞回数データを記憶する入賞口毎の入賞カウンタデータを確認し、未払出の入賞の有無を確認する。当該確認処理は入賞口毎に予め定められた順序で確認し、1の入賞口に対して入賞カウンタのデータが「0」でないと判断した場合に、該当する入賞口の賞球数に応じて、払出制御基板P43に対して遊技球の払出を実行させるための制御コマンドを送信する処理を行う。この処理によって、複数の入賞口に対する入賞カウンタデータが「0」でない場合であっても、1割込みで払出制御基板P43に対して送信される払出制御コマンドは1つに制限される。
《払出コマンド制御処理》
払出コマンド制御処理では、正常に払出数に関する情報を払出制御基板P43が受信したか否かのチェックが行われ、この処理にて正常にコマンドを受信するか、何らかの異常で通信エラーと判断されることとなる。払出コマンド制御処理にて、コマンドの受信状況が確定する(正常に受信完了したかエラーであるか判断される)までは、払出コマンド要求処理における次の払出制御コマンドの送信は、払出コマンド要求処理および払出コマンド制御処理内でそれぞれオンオフの設定がされるフラグデータにより一時中断される。
(異常検知処理)
異常検知処理は、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて不正検出のために設けられたセンサの情報より異常の発生有無を確認する処理である。(ステップ2032)
より具体的には、振動センサP72、磁気センサP73、電波検知センサP74、枠開放センサP131といったセンサの入力に関し、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成した入力情報を基に異常の発生している状況であるか否かについて判断する処理である。また、各種センサ以外にも電気的な接続のためのハーネスが抜去されていたり、配線上の短絡(ショート)なども検出対象として有している。
そして、いずれかの判断情報に対し異常データが存在する場合には、対応するエラーフラグをオンとするようにして記憶した後、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドとしてエラー情報を通知するコマンドをセットする。
(センサ検出判定処理)
センサ検出判定処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したセンサやスイッチの検出データ(レベルデータ)より、センサやスイッチの検出が連続して行われた期間を判断し、処理を行うフラグを成立させる処理である。(ステップ2034)
センサ検出判定処理では、対象のセンサ、スイッチの検出データ情報のレベルデータがオンである場合に、対応するスイッチの連続オン入力期間をカウントするためのデータをインクリメントして更新し、各種処理の実行開始条件を満たしたか否かを判定し、条件が成立した場合に監視対象のスイッチに応じた処理が実行される。監視対象のスイッチがオンデータでなくなった場合、連続入力期間をカウントしているデータを初期化する(「0」に更新する)。
例えば、入賞口に設けられた入賞口検出スイッチにおいて連続的にスイッチがオン状態である旨を検出している場合は、球詰まりが発生していると判断して、エラー状態に制御し、演出制御コマンドとして演出制御基板P41に対しエラー報知を行わせるためのコマンド情報をセットする処理や、外部装置(ホールコンピュータ等)にエラーの発生を報知するための信号データの生成および出力要求を行う。
なお、本処理において検出対象とするスイッチは、ハンドルP204に設けられたタッチセンサスイッチや、不正検出のためのスイッチなどもあり、人為的操作によるものか電気的なノイズによるものかを判別するために一定期間のオンデータの入力が必要なセンサ等についても対象としている。
(遊技状態表示処理)
遊技状態表示処理は、主制御表示装置P50において遊技の進行に関する情報を表示するための点灯データを生成する処理である。なお、表示処理という名称であるものの、主制御表示装置P50に対する表示内容の出力は本処理ではなく後述するLED出力処理にて行っている。(ステップ2036)
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、一例としてエラー状態であることを示すエラー表示灯(状態表示灯P55)、特別図柄抽選に係る保留数を表示する特別図柄保留表示灯(特図1保留表示灯P61、特図2保留表示灯P62)、普通図柄抽選に係る保留数を表示する普通図柄保留表示灯P63などの点灯データ(点灯パターン)を生成して、LED出力処理にて出力されるデータとして格納する。
なお、遊技状態表示処理において、点灯制御されるLED表示灯に関し、点滅表示が必要な場合には、対応するLEDに関する表示切り替えカウンタの更新およびカウンタ値と閾値との比較による点灯パターンの切り替え処理が行われる。例えば、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄抽選の保留数は、最大4つまで保留可能であるものの、2つのLED表示灯で特別図柄保留表示灯が構成(特図1保留表示灯P61、特図2保留表示灯P62のそれぞれに2つずつのLEDを備える)されるため、3以上の保留数がある場合には、少なくとも1のLEDに関して連続的な点灯表示ではなく、点滅表示を行う仕様となっている。
(出力ポート出力処理)
出力ポート出力処理は、主制御基板P40に接続した遊技盤P5上の動作デバイスである電動役物や、払出制御基板P43などに遊技動作に関する信号を送信する設定を行う処理である。(ステップ2038)
より具体的には、普通図柄制御処理中や特別電動役物制御処理中に、普通電動役物ないし特別電動役物の作動パターンが設定されると、出力ポート出力処理中の処理によって、普通電動役物駆動手段P71、特別電動役物駆動手段P72(前提とするぱちんこ遊技機では、ソレノイド)に対し、各電動役物を開放動作(あるいは閉動作)させるための信号データが出力される。
また、払出制御基板P43に対しては、遊技者のハンドル操作に基づく遊技球の発射を許可あるいは禁止するための制御信号(発射許可信号)を出力ポート出力処理にて生成して出力する。発射許可信号は、払出制御基板P43との通信状態や、遊技停止を要するエラーの発生状況に応じて出力内容が設定される。
(演出制御コマンド送信処理)
演出制御コマンド送信処理は、演出制御基板P41に対し演出制御コマンドを出力する処理であり、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御コマンド送信処理においてのみ演出制御コマンドが演出制御基板P41に対して送信される仕様となっている(ステップ2040)。なお、送信する演出制御コマンドの設定に関しては、他の処理中において未送信演出制御コマンドとして所定の記憶領域に設定(セット)されるものとなっている。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、未送信の演出制御コマンドを記憶する領域として、リングバッファと呼ばれる記憶先を循環参照する記憶領域を用いている。リングバッファと呼ばれる記憶領域では、演出制御コマンドの書き込み(セット)と演出制御コマンドの読み込み(送信)とのそれぞれの処理によって更新される、「書き込みポインタ」、「読み込みポインタ」と呼ばれる次回の処理においてコマンドを書き込む記憶領域のアドレスおよびコマンドを読み込む記憶領域のアドレスを算出するための情報を用いて演出制御コマンドの書き込みおよび読み込みを実行する仕様となっている。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御コマンドの構成がコマンドの種類を示すMODEデータと、コマンドの内容を示すEVENTデータの2つのデータにより構成されている。
演出制御コマンド送信処理の具体的な処理内容の説明に戻り説明を行う。演出制御コマンド送信処理では、まず前述した書き込みポインタと読み込みポインタの情報が一致しているか否かを確認し、一致している場合は送信する演出制御コマンドはないと判断して処理を終了する。一方で、書き込みポインタと読み込みポインタのデータが一致しない場合、送信すべき演出制御コマンドが存在すると判断して次の処理へ移行する。
送信すべき演出制御コマンドがあると判断した場合、読み込みポインタのデータから算出される主制御基板P40の記憶領域のアドレスよりMODEデータおよびEVENTデータを呼び出し、それぞれ主制御基板P40のCPUにおけるレジスタに一時格納し、読み出し先のリングバッファにおける演出制御コマンドをクリアした後、読み出しポインタの値を次の処理時に使用する値に更新する。
演出制御コマンドとして、主制御基板P40のレジスタに格納されたMODEデータおよびEVENTデータは、順番に演出制御基板に送信P41されることとなる。まずMODEデータを、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドを送信するための出力ポートである演出コマンド出力ポートにセットし、演出制御基板P41に読み取り動作を行わせるためのストローブ信号を出力する。主制御基板P40は、続いてEVENTデータを出力することとなるが、MODEデータを演出制御基板P41が受け取るまでに十分な期間を確保するため26μsの待機時間を挟む処理を行った後、MODEデータ送信時と同様に、EVENTデータの出力ポートへの設定およびストローブ信号の出力を行う。演出制御基板P41は、ストローブ信号を確認すると演出制御コマンド受信割込みを発生させ、主制御基板P40から送信される演出制御コマンドを受信する。
(外部情報出力処理)
外部情報出力処理は、前提とするぱちんこ遊技機Pに接続する外部機器(データカウンターやホールコンピュータ)に対し、外部情報出力端子77より遊技状況に関する情報や、エラー発生などセキュリティに関する情報を信号として出力する処理である(ステップ2042)。外部情報出力端子77より出力される信号は、主制御基板P40の出力ポートにセットされたデータに基づいて出力され、信号出力の契機が発生した場合に一定期間のオン電位であるパルス信号を送信するものや、信号出力が終了する条件を満たすまでオン電位を出力し続けるもの等がある。
外部情報出力処理では、まず、遊技状態に関する信号を生成する。遊技状態に関する信号として、特定遊技状態の種類を識別可能とするために、前提とするぱちんこ遊技機Pでは確率変動機能の作動状態(確率状態)、電チューサポート機能の作動状態(ベース状態)に対応する情報と、特別遊技中(大当りや小当り)であることを示す情報とを参照し、各遊技状態に制御されている場合には、対応するデータが送信されるよう、外部出力データを更新する。なお、ここで例示したものに限らず、遊技機の仕様によっては、変動時間短縮機能の有無を示す情報や、特定の種類の大当りの場合であることを示す情報を基に出力信号を生成する場合があってもよい。
また外部情報出力処理で出力される出力信号として、遊技状態に係る信号のみでなく、予め定めた遊技結果の発生に基づいた情報が出力される。例えば、特別図柄の変動表示が実行され、停止表示されるたびに送信される信号(「図柄固定信号」とも呼ぶ)や、始動口スイッチ(特図1始動口スイッチP712、特図2始動口スイッチ722)や大入賞口スイッチP752など各種入賞口に対する遊技球の入球の検出がなされる度、あるいは、各種入賞口に対する入球に基づく賞球の払い出しが所定個数(例えば10個)に到達する度に、外部出力データにデータがセットされ、外部機器に対して送信される信号などがある。これらの信号は主にパルス信号で構成され、1の信号を128msのオン電位が続くパルス信号で送信するものであるが、複数回の遊技結果が連続して発生した場合には、1回のパルス信号の出力が終わった後、一定期間のオフ電位出力を挟んだ後、再度パルス信号を出力する仕様となっている。
また、外部信号出力処理では、前述した異常検知処理(ステップ2032)で確認した結果としてのエラーフラグを記憶した記憶領域のデータと、セキュリティ報知の必要なエラーの発生有無を確認するための比較データとを演算、比較してセキュリティ信号を出力する必要があると判断した場合は、外部出力データのセキュリティ信号に対応するビットをオンとするよう、出力ポートにセットする出力データを更新する。
(LED出力処理)
LED出力処理は、主制御表示装置P50を構成する複数のLEDに対し、点灯パターンを示すデータを出力して、LEDを発光させ、遊技の進行状況、遊技状態を表示するための処理である。(ステップ2044)
主制御表示装置P50を構成するLEDは、第1特別図柄表示装置P51(LED8個)、第2特別図柄表示装置P52(LED8個)、第1特別図柄保留表示灯P61(LED2個)、第2特別図柄保留表示灯P62(LED2個)、普通図柄表示装置P53(LED2個)、普通図柄保留表示灯P63(LED2個)の他、ラウンド表示灯P54、状態表示灯P55、右打ち表示灯(合計8個のLED)の計32個のLED表示部を有する。
なお、状態表示灯P55とは、複数の遊技状態に関する表示灯を一括であらわしたものであり、詳細には確率変動機能の作動有無を示す特図確変表示灯や、普通図柄の確変機能の作動有無(電チューサポート機能の作動有無)を示す普図確変表示灯、エラー状態を示すエラー表示灯などの表示灯のことを指す。
LED出力処理では、主制御表示装置における表示部の点灯データを割込み処理毎に1バイト分ずつ出力ポートにセットして主制御表示装置P50を点灯するよう構成しており、割込み処理毎に更新されるデジットカウンタという値に基づいて、今回の割込みで点灯させる主制御表示装置P50のLEDを選択し、遊技状況に応じた点灯パターンデータを選択し、表示データとしてセットして各LEDを点灯制御するようになっている。
すなわち、前提とするぱちんこ遊技機Pでは主制御表示装置P50を32個のLEDに対し、少なくとも4回の割込み処理を使って順番に点灯データを出力するダイナミック点灯方式にて主制御表示装置P50を制御している。
また、LED出力処理では、上記の主制御表示装置P50として遊技者が視認すべきLED表示以外に、遊技停止フラグが設定変更状態、設定確認状態、復帰不可能エラー状態である場合にのみ点灯制御されるLED表示の点灯制御も行っている。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、遊技停止フラグに何らかの遊技停止状態を示すフラグが格納されている場合、主制御表示装置P50に対する点灯パターンデータの設定は省略されるようになっており、設定変更中、設定確認中、復帰不可能エラー中は主制御表示装置を構成するLEDは全消灯状態となっている。変形例として、遊技停止フラグのセットの際に、各状態に対して設定される固定的な点灯パターンを用いて発光表示を行ってもよく、例えば設定変更中である期間に主制御表示装置P50を構成するLEDを全点灯させるように構成してもよい。
(領域外制御処理)
領域外制御処理は、ぱちんこ遊技機の試験に利用する信号の出力を行う試験信号出力処理(ぱちんこ遊技機の試験に利用する信号の出力を行うための処理)と、性能表示装置の表示に係る制御を行う処理によって構成される(ステップ2046)。「領域外」の意味として、ぱちんこ遊技機の規則に定めるプログラム記憶領域の容量の計算に含まれない記憶領域のプログラムによって実行される処理であることを示す。
試験信号出力処理では、ぱちんこ遊技機Pの試験端子P78から外部の試験用機器に対して出力するための遊技結果や遊技状態に係る情報を出力ポートにセットする処理が行われる。性能表示処理では、遊技状態の確認処理を行い、アウト球の計数、アウト球と賞球の数との比率(ベース)を計算して、表示データとして更新し、性能表示装置P59に対して表示出力を行う処理である。
[特別図柄抽選]
続いて、主制御基板P40のCPUにて実行される特別図柄抽選に関し、図10から図14を用いてその詳細を説明する。「特別図柄抽選」は、主として「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」にて構成される。
(当否抽選)
「当否抽選」は、実行される特別図柄抽選の結果に基づき特別電動役物P755を作動させる結果となるか否かを決定する抽選であり、より簡単に説明すれば、特別図柄の抽選結果として、「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれであるかを決定する抽選である。なお、ぱちんこ遊技機Pの仕様によっては、当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しないものも存在する。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを有するよう構成した場合、一方の特別図柄に関する当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しており、他方の当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しないよう構成してもよい。
当否抽選は、始動口(第1始動入賞口P711、第2始動入賞口P721など)に遊技球が入球した際に取得され記憶される乱数のうち、「当否乱数」と呼ばれる乱数値を用いて抽選を行う。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、当否乱数の取り得る乱数値の範囲(乱数値範囲)は、「0」から「65535」までの65536通りであり、いわゆる2バイト乱数で構成されている。当否抽選が行われる場合、この乱数値の値と、遊技状態や設定値に応じた当否抽選に使用する抽選テーブル(「当否抽選テーブル」と呼ぶ)との比較により、当否抽選の結果を決定する処理を行う。
図10には、当否抽選に使用する抽選テーブルをいくつか例示している。図10の(A)は設定値「1」かつ低確率状態における当否抽選テーブルを示し、図10(B)は設定値「1」かつ高確率状態における当否抽選テーブルを示す。図10の(C)、(D)は、それぞれ設定値「6」であるときの低確率状態、高確率状態における当否抽選テーブルを示している。
例えば、図10(A)の当否抽選テーブルを使用して当否抽選を実行する状況において、今回の特別図柄抽選における当否乱数が、第1特別図柄(特図1)に対応する乱数であり、乱数値が「1500」であったと仮定し、当否抽選の流れを説明する。
まず、最初の当否抽選結果として大当りの乱数値範囲(「0」から「327」)に属するか否かを判定する。具体的には、今回の当否乱数の乱数値「1500」から、判定対象の大当りの乱数値範囲「328」を減算する処理を行う。このとき、減算結果は「1172」であり、負の値とはならないため、今回の当否乱数は、大当りの乱数値範囲には属さないと判定する。
続く処理として、先の大当り判定の演算後の乱数値「1172」と、当否抽選テーブルの続く当否抽選結果の判定領域として、はずれの乱数値範囲(「328」から「65370」)の比較を行う。より具体的には、当否乱数の一次データ「1172」から、判定対象のはずれの乱数値範囲「65043」を減算する。このとき、演算結果は負の値となるため、当否抽選結果として、「はずれ」の結果に対応した情報が記憶される。
仮に、今回の当否乱数「1500」について、高確率状態において特別図柄抽選が行われた場合には、図10(B)に示す当否抽選テーブルにて抽選されることとなり、最初の大当りの乱数値範囲(「0」から「1639」)に属するか否かを判定する。このときは、当否乱数と乱数値範囲との比較演算(減算)の結果は、負の値となるため、当否抽選結果は「大当り」であると判定される。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、このように、乱数値として取得したデータと、抽選テーブルの抽選結果に応じた乱数値範囲を順次比較していく手法により、抽選結果を判定する手法を採用しており、後述する当り図柄抽選および変動パターン抽選についても同様の抽選方法を採用するものである。なお、抽選方法は、上記した例に限らず、大当りとなる乱数値と一致するか否かを取得した乱数値と直接判定するような手法を採用してもよく、抽選内容ごとに異なる抽選方式を採用するものであってもよい。
(当り図柄抽選)
「当り図柄抽選」は、前述した特別図柄抽選の当否抽選結果を受けて、その後の特別電動役物P755の作動に係る制御内容や、後述する変動パターン抽選の抽選テーブル(図12から図14参照)の切り替えに必要な抽選結果としての特別図柄の停止表示図柄を決定する処理である。
図11には、当否抽選結果が「大当り」である場合に、当り図柄抽選で使用される大当り図柄抽選テーブル(図11(A)参照)や、当否抽選結果が「小当り」である場合に、当り図柄抽選で使用される小当り図柄抽選テーブル(図11(B)参照)や、当否抽選結果が「はずれ」である場合に、当り図柄抽選で使用されるはずれ図柄抽選テーブル(図11(C)参照)が示されている。
当り図柄抽選に使用される、「図柄乱数」は、乱数値範囲を「1000」(「0」から「999」)として構成しており、2バイトデータで表現した場合に、上位1バイトが「0」から「3」、下位1バイトが「0」から「255」で表現されるデータである。
当り図柄抽選を具体例にて説明すると、例えば、当否抽選結果が大当りである場合において、図柄乱数が「400」(上位バイトが「1」、下位バイトが「144」)の時の第1特別図柄に対する当り図柄抽選の場合には、図11(A)に示す上位1バイト「1」の抽選テーブルを用い、下位バイト「128」から「191」に該当する「5R(5ラウンド)確変2」が抽選結果として得られることとなり、特別図柄の変動表示にあたって、停止表示図柄として「5R確変2」図柄が第1特別図柄表示装置P51(第2特別図柄抽選の場合は、第2特別図柄表示装置P52)に停止表示される。
そして、「5R確変2」図柄が第1特別図柄表示装置P51に停止表示された場合、「5R確変2」図柄に対応した大当り遊技が実行されることとなる。このとき、第1特別図柄表示装置に「5R確変2」が停止表示図柄として表示された場合と、「5R確変1」が停止表示図柄として表示された場合とで、5ラウンドの大当り遊技の各ラウンド遊技の内容(大入賞口P751の開放パターンや開放時間など)を停止表示図柄に基づいて異ならせてもよく、また大当り遊技後に移行する特定遊技状態における制御内容を異ならせるよう制御することも可能である。これらの大当り遊技、特定遊技状態における制御の割り当ては、ぱちんこ遊技機Pごとに仕様(スペック)に応じて遊技性を実現するために適宜定められるものであり、その詳細な説明は割愛する。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図11(A)に示した抽選によって、大当りの種類ごとにまとめた図柄を表示するように記載しているが、例えば先の例において、抽選結果「5R確変2」という、大当りの種類を決定した後、さらに該当する種別の大当りを実行することとなる停止表示図柄を複数のパターンから別の抽選を行って決定するように、大当りの種別の決定、停止表示図柄の決定と2段階で当り図柄抽選が実行されるものであってもよい。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図11(A)に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれに関する特別図柄抽選において、当り図柄抽選にて大当り図柄を決定する場合に、決定され得る当り図柄の種類が異なるように構成されている。より具体的には、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄の大当りでは、「10R確変5」ないし「10R確変8」が決定される可能性が増えており、第1特別図柄の当り図柄抽選よりも、ラウンド数の大きな大当りに当選しやすく、特定遊技状態として高確率/高ベース状態へ移行することとなる大当りに当選しやすい仕様となっていると言える。
図11(B)には、小当り図柄抽選テーブルが例示されている。小当り図柄抽選テーブルは、特別図柄抽選の当否抽選の結果が「小当り」である場合に、当り図柄抽選にて参照されるテーブルであり、抽選の手法は、前述した大当り図柄抽選テーブルの時と同様である。
図11(B)に図示した小当り図柄抽選テーブルでは、そのほとんどが「小当り1」図柄に当選するものとなっており、第2特別図柄の当否抽選結果として「小当り」となった場合の一部において「小当り2」が決定され得るようになっている。なお、小当り図柄に関しては1種類であってもよいし、3種類以上の図柄を決定可能に構成してもよい。
前提とするぱちんこ遊技機Pのように、小当り図柄を複数設けることの目的の一例としては、単純に小当り遊技中の大入賞口P751の開放態様を変更することで獲得可能な遊技球数を異ならせたり、例えば小当りVを遊技機仕様(スペック)として採用するぱちんこ遊技機Pにおいて、特定領域にV入賞しやすい小当り遊技とV入賞が困難となる小当り遊技とを切り分けるために小当り図柄を差別化したり、V入賞後の大当り遊技の実行後に移行する特定遊技の種類を切り分けるために小当り図柄を異ならせるなどの態様が実行されることを目的とすることが挙げられる。
図11(C)には、はずれ図柄抽選テーブルが例示されている。はずれ図柄抽選テーブルは、特別図柄抽選の当否抽選の結果が「はずれ」である場合に、当り図柄抽選にて参照されるテーブルであり、抽選の手法は、第1特別図柄に関して前述した大当り図柄抽選テーブルの時と同様であり、第2特別図柄に関しては異なる手法となっている。
より具体的には、図11(C)には、第1特別図柄に対するはずれ図柄抽選テーブルのみが表されており、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、はずれ図柄抽選テーブルとして第1特別図柄である場合のみ抽選処理を行い、停止表示図柄として「はずれ1」または「はずれ2」のいずれかを停止表示図柄として決定する。
「はずれ2」図柄は、第1特別図柄のはずれ時において、およそ6.4%の確率で当選するはずれ図柄であり、「はずれ2」が当選している場合、変動パターン抽選において、リーチとなりやすい特殊な抽選テーブル(不図示)を参照して、変動パターン(変動時間)を決定しやすくするよう構成されている。そのため「はずれ2」に関し、「リーチはずれ図柄」などと称する場合もある。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄のはずれ図柄抽選テーブルを有さず、いかなる図柄乱数である場合においても1のはずれ図柄が決定されるようになっており、図柄乱数とテーブルの比較処理自体を省略し、1のはずれ図柄を記憶するよう構成している。なお、必ず1の図柄に当選する抽選テーブルを用いてはずれ図柄に当選するように構成してもよい。
(変動パターン抽選)
「変動パターン抽選」は、特別図柄の抽選結果である停止表示図柄を停止表示するまでの変動表示時間を抽選により決定する処理である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80において大当りであるか否か、大当りである場合について大当りの種類は何かに関する演出報知を行うため必要な演出時間として特別図柄抽選において、特別図柄の変動表示時間を後述する変動パターンテーブルを使用して決定する処理を行っている。
図12には、主として通常遊技状態(低確率/低ベース中)、低ベース状態(非電チューサポート状態)、すなわち前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて遊技盤の左側領域P501Lに遊技球を発射することが推奨される状態の「低ベース中変動パターン抽選テーブル」を表している。
図12に示される、「ID」は、変動パターン抽選を行った結果として記憶される情報を表しており、「変動パターン」は、同IDが当選した場合に演出表示装置P80にて表示される変動の演出の態様の代表例を示している。「変動時間」は、対象の変動パターン抽選の結果(変動パターンID)における特別図柄の変動表示時間値であり、特別図柄が変動表示してから停止表示されるまでの時間を表している。
図12における「保1変動」から「保4変動」は、特別図柄抽選の実行条件を満たした状況における保留数を示しており、当否抽選結果が「はずれ」であり、対象の特別図柄(ここでは第1特別図柄)の保留球がN個であったとき、「保N変動」の変動パターンテーブルを使用して変動パターン抽選が実行される。すなわち、低ベース状態における第1特別図柄の変動パターン抽選は、保留数に依存して使用する変動パターンテーブルを異ならせるように構成されている。なお、保留がない状態において、始動入賞口へ遊技球が入球した場合は、処理上一旦保留として格納されるため、「保1変動」の変動パターンテーブルを使用して変動パターン抽選が実行される。
一方図12中に示すように第2特別図柄に対応する変動パターン抽選は保留数に非依存であり、いかなる保留数である場合においても共通の抽選テーブルを使用するよう構成されている。なお、不図示ではあるが、図柄抽選の結果「はずれ2(リーチはずれ図柄)」が決定されている場合は、第1特別図柄の変動パターン抽選であっても、保留数に依存しない1の変動パターンテーブル(はずれ2用変動パターンテーブル)を使用して変動パターン抽選を行うよう構成されている。
図12における「10R確変」、「5R確変」、「10R通常」、「5R通常」は、低ベース状態における、大当り時の変動パターン抽選に使用する変動パターンテーブルを示すものであり、当否抽選結果が「大当り」となり、図柄抽選結果がいずれの図柄であるかに応じて適宜変動パターンテーブルを選択して抽選が行われることを表している。図12では、第2特別図柄は低ベース状態における遊技の主体でないために、大当り変動パターンテーブルを大当り図柄に依存しない形で決定するように表現しているが、第2特別図柄の大当りについても、大当りの種別に応じて複数パターン有していてもよい。
ここで、図12を用いて、低ベース状態における変動パターン抽選の具体例を説明する。具体例として、第1特別図柄の抽選であって、変動パターン乱数が「30000」、変動開始時の保留球数が3個である状況(変動開始後は保留数2個となる状況)であって当否抽選結果および当り図柄抽選が「はずれ1」となる状況について説明する。
まず、変動開始時の保留数が「3」であることから「保3変動」の変動パターンテーブルを使用する。抽選処理は前述した当否抽選における抽選処理と同様、変動パターン乱数と、各抽選結果の変動パターンIDに対応する乱数値範囲を比較演算(減算)し、同範囲に乱数が属するか否かを判定する。本処理を行うことによってID「2」の通常変動Bのタイミングで、変動パターン乱数と乱数値範囲との比較演算を繰り返した結果が負の値となり、同IDが変動パターン抽選として決定され、特別図柄の変動表示として7秒の変動表示が行われた後、第1特別図柄表示装置P51にはずれ図柄1が表示されることとなる。
続いて、図13を用いて高ベース状態における変動パターンテーブルについて説明する。高ベース状態における変動パターンテーブルの構成は、図12に示した低ベース状態における変動パターンテーブルと対象的な構成となっており、第2特別図柄に対して保留数依存となるはずれ時の変動パターンテーブル、大当り時の大当り図柄別テーブルを有するように構成されている。なお、図12と図13にて、多くの変動パターンが共通して決定され得るように構成されているが、これは説明を簡略化する目的でもあり、低ベース状態と高ベース状態とで決定される変動パターンの重複はごく少数であったり、全く重複しないように構成することも可能である。
また、高ベース状態における変動パターンテーブルの特徴として、はずれ時の第2特別図柄の「保3変動」および「保4変動」の抽選結果として、前提とするぱちんこ遊技機Pの最短変動時間となる2秒変動(変動パターンID「12」)が決定可能に構成されている。
さらに高ベース状態における変動パターンの特徴点として、第1特別図柄の抽選については、必ず変動パターンID「4」の10秒変動が決定されるよう構成されている。第1特別図柄を10秒の変動で構成する理由として、図11に示した大当り図柄抽選テーブルにて、大当りした場合の遊技者利益が大きい(実行ラウンドが多いことによる獲得出玉期待値が高いこと、特定遊技状態として確率変動状態に移行する大当り図柄が多いこと)ことに起因しており、第2特別図柄に対応する変動表示を優先して数多く実施することで、遊技者により有利な大当りを獲得可能とすることを目的としている。また、第1特別図柄と第2特別図柄の大当り遊技の有利度合いに差がほとんどない場合であっても、第2特別図柄優先消化制御を採用していることに基づいて、第1特別図柄が変動表示されることを避け、有利な状態である特定遊技状態(高ベース状態)が終了するまで、通常遊技状態(低ベース状態)にて成立した保留を保持しやすく、高ベース状態において第2特別図柄の保留を発生するのに使用する遊技球の量に対し、低ベース状態で第1特別図柄の保留を生起させるために多量の遊技球を要することを避ける目的もある。
図14は、限定期間における特殊テーブルを示す図であり、特定の期間において参照される特殊な変動パターンテーブルを表している。図14には、前提とするぱちんこ遊技機Pに備えられる特殊な変動パターンテーブルの一例として、3つの期間の特殊な変動パターンテーブルを包括して記載している。
より具体的には、図14には、大当り後の1変動目から4変動目までの期間(大当り時に存在する4つの保留で大当りとなる、いわゆる「保留連」(保留内連荘)と呼ばれる期間)に参照する「保留内連荘テーブル」(ID「51」、「71」が対象)と、大当り後のn回目からm回目の変動において参照され、55秒となるリーチ変動が選択されやすい高頻度リーチテーブル(ID「52」、「53」、「54」、「72」が対象)と、高ベース状態の最後の変動表示にて参照され、主に後述する「リザルト演出」が実行されることとなる「リザルト変動テーブル」(ID「55」、「73」が対象)が、前提とするぱちんこ遊技機Pに備えられていることが示されている。
このように、限定的な期間に参照される特殊な変動パターンテーブルのことを、「特殊変動パターンテーブル」や「限定頻度(パターンテーブル)」などと称する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、限定頻度パターンテーブルの参照期間を、大当り遊技(特別電動役物の作動、言い換えると役物連続作動装置の作動)の後の定められた期間において参照可能に構成している。これらの参照期間について、大当りの種類(大当り図柄)によって、参照有無を異ならせたりすることも可能であり、小当り遊技に基づく特別電動役物の作動後の特定の期間において、参照する期間を異ならせるように構成することも可能である。いかなる状況でどのような特殊変動パターンテーブルを参照するかは、ぱちんこ遊技機毎に適宜設定可能なものであり、例示したものに限らず、必要があればその詳細を別途の記載で説明することとする。
次に、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける演出動作に係る制御を行う演出制御基板P41の制御に関する説明を行う。なお、演出制御基板P41の動作制御は、遊技機の型式試験上における制約は少なく、主制御基板P40の制御と比較して設計の自由度が高いものであるため、以下の説明で説明される処理のみに制限されるものでなく、処理が行われるタイミングについても適宜変更可能である。
[演出制御基板の電源投入処理~メインループ処理]
前提とするぱちんこ遊技機Pは、遊技機の電源が投入されると演出制御基板P41のCPUにおいて、電源投入処理(ステップ4000)が実行する。ここで、演出制御基板P41の電源投入処理に関し図15に沿ってその詳細を説明する。
前提とするぱちんこ遊技機Pの演出制御基板P41において電源投入処理(ステップ4000)が開始されると、演出制御基板P41上に設けられた演算装置であるCPUの動作に係る初期設定処理が行われる(ステップ4002)。初期設定処理は、この後のCPUの動作に必要な設定を適宜行うものであり、その詳細は割愛するが、前回の電源断が発生した状態で実行されていた演出に関し、主制御基板P40の電源投入処理(図7)と演出制御基板の電源投入処理(図15)の完了には時間差が生じるため、電源復帰後に電断前の演出に復帰してしまうと、主制御基板P40の動作とずれが発生する恐れがあることから、演出制御基板P41の電断復帰時の初期処理では、電断前に実行していた演出が実行されないよう演出情報などを初期化することが多い(「演出制御基板リセット」、「サブリセット」と呼ぶ)。
(演出制御基板のメインループ)
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、初期設定処理の後にメインループ処理へ移行する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80(画像表示装置)に対して接続する画像制御基板P42において演出画像を描画する周期(フレーム)の時間が、1秒間に30回描画するよう1周期約33ms(30FPS)に設定されるため、そのおよそ半分の周期である16msの周期にてメインループ処理のループを1回行うように構成されている(ステップ4002からステップ4016)。
演出制御基板P41のメインループ処理では、まずCPUの暴走の検出を行うためのウォッチドッグタイマのクリア処理を行う(ステップ4004)。
続いて、演出制御乱数データを更新する処理(ステップ4006)を行い、演出抽選を実行する契機が発生した場合に使用する各種の演出制御乱数を更新する。
次に、入力ポート監視処理を実行する(ステップ4008)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、後述する演出制御基板P41の割込み処理中においても入力ポートの監視を実行する仕様となっているが、メインループ処理における入力ポートの監視処理は、16ms周期の監視となるため、システム上必要な監視対象であるスイッチなどの入力の監視にとどまり、演出可動役物P560の演出制御に必要なセンサ類などの入力の監視は省略される。なお、変形例として、演出上監視すべき対象であるセンサ類に関し、メインループ処理内の入力ポート監視処理にて確認を行ってもよい。
入力ポート監視処理で実行する内容は、主制御基板の入力ポート確認処理と同様、各種センサの入力データより、レベルデータを生成して記憶したり、立ち上がり(立ち下がり)データを記憶する処理が実行される。
続いて、演出制御基板P41は、演出装置制御処理(ステップ4010)を行い、演出表示装置P80(画像表示)以外の演出動作に関する制御を実行する。本処理において制御される演出装置として、ランプP82(「盤ランプ(P550)」「枠ランプ(P350)」)やスピーカP83(上スピーカP370、下スピーカ141)、演出可動役物P560などがあり、これらの演出装置に対して後述する演出制御処理(ステップ4012)などの処理によって実行が決定された演出内容に応じた演出動作命令を各演出装置に送信して演出動作を実行させる。
演出装置制御処理(ステップ4010)における各種演出装置に対する演出動作命令の出力は、演出表示装置P80(画像表示装置)にて表示される演出画像と同期して実行(開始)される必要があるため、演出表示装置P80の制御を行っている画像制御基板P42から演出制御基板P41に対して一定間隔で送信される信号や、強制的に同期を図る信号を受信したこと(前述した入力ポート監視処理での受信)を契機として、演出表示装置P80の演出切り替わりタイミングとの同期を図り、各種演出装置に対して演出動作命令の出力を行う。
なお、演出装置の内、演出可動役物P560の動作制御に関しては、演出可動役物P560の駆動手段に対して、より短い周期での制御が必要となることから、本処理において設定された演出動作命令にて実行されることとなる演出可動役物P560の動作パターンについて、後述する演出制御基板P41の割込み処理中(図16参照)においてもセンサの監視、動作切り替えが実行される。
次に、演出制御基板P41のメインループ処理で実行される演出制御処理(ステップ4012)に関して説明する。演出制御処理は、後述する演出制御コマンド解析処理で主制御基板P40から受信した演出制御コマンドを解析した結果に基づき成立したフラグや受信した演出制御コマンド自体の情報(特別図柄抽選の抽選結果IDなど)、入力ポート監視処理(ステップ4008)、割込み処理(図16)等の他の処理中に成立したフラグを基に、各種演出装置で実行する演出内容を抽選したり選択することで決定する処理である。
演出制御処理は、各フラグ情報やコマンド解析情報を基に実行すべき演出決定の処理を選択し、対応する演出決定のためのサブモジュール処理を呼び出して実行する。ここで決定される演出内容の例として、特別図柄抽選の実行結果に係るコマンド(当否コマンド、図柄コマンド、変動パターンコマンド)を基に1回の特別図柄の変動に対応する変動演出を決定する処理(予告やリーチの内容、停止する装飾図柄の決定などを行う処理)や、保留が発生した際に送信される保留数情報や事前判定情報を基に新たに発生した保留に対し先読み演出(「事前判定演出」とも呼ぶ)を実行するか否かを決定する先読み抽選処理や、特別遊技(大当りや小当り)の実行に際し演出制御コマンドとして送信された情報に基づき特別遊技中の演出内容を決定する特別遊技演出内容決定処理などがある。
また、演出制御処理は、主制御基板P40から送信された演出制御コマンドに対する処理のみでなく、演出制御基板P41でエラーを検出した場合のエラー表示内容の決定処理(主制御基板から送信されたエラー情報に基づくエラー表示内容の決定処理を含む)や、遊技者によって演出操作手段P81である演出ボタンP381、十字キーP383などの入力操作に基づいてスピーカP83から出力される音量の調整や、ランプP82の発光輝度を変更する光量調整、演出内容および演出内容決定傾向のカスタマイズといった演出内容の決定も実行する。
なお、演出制御処理で呼び出されるサブモジュール処理にて行われる各種の演出内容の決定処理については、遊技機毎に固有の仕様を用いられることが多いため、説明を割愛し、発明の対象となるぱちんこ遊技機Pにおいて特徴を有する処理を実行する場合には、発明の対象となるぱちんこ遊技機Pの実施例の説明にてその詳細を説明することとする。
演出制御基板のメインループ処理の説明に戻り、メインループ処理の最後の処理として演出制御コマンド解析処理(ステップ4014)を説明する。
演出制御コマンド解析処理は、主制御基板P40から送信された演出制御コマンドとして記憶されている情報を基に、前述した演出制御処理において演出内容の決定に使用するための演出制御コマンドに対応する情報の記憶や、フラグの設定を行う。本処理は、主制御基板P40から送信されたコマンドに応じて処理内容を決定する必要があり、演出制御コマンドであるMODEデータ、EVENTデータの内容より処理内容を決定して、演出制御コマンドに応じた処理が実行される。
なお演出制御コマンドは、主制御基板P40の割込み処理毎(4ms毎)に1のコマンド(MODEデータとEVENTデータ)が送信される可能性があるため、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41のメインループ処理の周期(16ms)が経過するまでの間、処理可能な限り演出制御コマンドの解析を繰り返し実行する(ステップ4016)。
[演出制御基板の割込み処理]
次に、演出制御基板P41のCPUにおいて実行される割込み処理に関して説明する。演出制御基板P41における割込み処理は、主制御基板の割込み処理とは異なり、異なる実行契機で開始される複数の割込み処理を有している(図16(A)および(B)を参照)。なお、これらの複数の割込み処理には、優先度が設定されており、より上位の優先度の割込みが発生した場合には、割込み処理の実行中であっても上位の割込み処理を実行するように制御される。本説明においては、代表して演出制御タイマ割込み処理(図16(A))と、演出制御コマンド受信割込み(図16(B))とについて説明を行う。
(演出制御タイマ割込み処理)
演出制御タイマ割込み処理(図16(A))は、演出制御基板P41のCPUにおいて、1ms周期で実行される割込み処理である。
ポート入出力処理(ステップ5002)は、演出制御基板P41の入力ポートより、演出可動役物P560の位置検出のために設けられたセンサや、他のセンサ(演出操作手段P81の入力センサ)の入力からレベルデータ、立ち上がりデータを生成して記憶する処理や、出力ポートより、演出装置制御処理にて設定された動作パターンに従って演出可動役物P560の駆動手段(ソレノイドやステッピングモータなど)に対して駆動信号を出力する処理が実行される。また、出力ポートからデータ出力を行った際には、必要があれば出力回数をカウントするカウンタ(記憶領域)のデータを更新する。
タイマ更新処理(ステップ5004)は、演出動作の切り替えタイミングを計るタイマの減算や加算を行う処理である。各タイマに関し更新処理が終了すると、比較値との比較演算を行い、演出動作の切り替え条件が発生したか否かを判断し、演出制御処理(ステップ4012)において演出内容の決定に必要な情報やフラグを記憶領域に記憶する処理を行う。
センサ監視処理(ステップ5006)は、ポート入出力処理にて生成したセンサの検出データより、演出可動役物P560の演出動作切り替え条件が成立したか否かなど、演出動作の切り替えに係るセンサ検出情報の発生有無を判断し、動作パターンのテーブルを切り替える処理を行ったり、演出制御処理(ステップ4012)にて演出内容を決定するための条件フラグを立てる処理を行う。
演出ボタン監視処理(ステップ5008)は、演出操作手段P81である演出ボタンP381やレバーP382、十字キーP383などの入力に基づく演出の切り替え条件の成立有無を判断する処理である。演出ボタン監視処理では、ポート入出力処理(ステップ5002)において生成された各入力装置の入力状態を示すレベルデータや立ち上がりデータ(前回オフから今回オンへレベルデータが変化したことを示すデータ)より演出操作手段P81に対する操作有無、操作態様を判断する。
例えば、演出操作手段P81に対する入力情報として、立ち上がりデータが生成されている場合には演出操作手段P81に対する遊技者操作があったものとして、対応する演出の実行のためのフラグなどの情報を記憶する。なお、立ち上がりデータのみで入力を判断すると電気的なノイズにより誤検出して演出動作の切り替えが行われる可能性があるため、立ち上がりデータの発生後、複数回のレベルデータ(オンデータ)の入力が連続したことを契機として演出操作手段P81に対する遊技者操作(「単押し(単引き)操作」、「一撃操作」と表現する場合がある)と判断してもよい。
また、オン入力のレベルデータが連続して500回検出された場合、すなわち0.5秒に渡って演出操作手段P81が操作されたと判断した場合、「長押し(長引き)」操作と判断し、特殊な操作として扱うよう構成している。なお、「長押し(長引き)」操作の有無、継続の判断において立ち下がりデータ(前回オンから今回オフへレベルデータが変化したことを示すデータ)が電気的にノイズとして検出される場合があるが、この場合も前述した誤検出防止の対策と同様に立ち下がりデータの検出後、複数回のレベルデータ(オフデータ)の入力を検出したことに基づいて、「長押し(長引き)」操作の入力終了を判断するものとしてもよい。
そして、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、実行中の演出内容によっては、演出ボタンP381に対する「長押し」操作の実行により、一定周期毎(例えば0.3秒毎)に1回の演出操作手段P81の「単押し(単引き)」入力操作があったと見做す処理を繰り返して行わせることを可能としており、このように「長押し(長引き)」操作などの特殊な操作を契機として、「単押し」操作が行われたと見做して繰り返し処理が実行されることを「オート連打」操作と呼ぶ。なお、「オート連打」操作は、例示した操作内容に限らず、複数の演出操作手段P81を同時操作するものや、演出ボタンとは異なるスイッチとして設けられたディップスイッチなどのオンオフ操作することで、演出ボタンP381の入力に基づき「オート連打」操作が実行されたと見做す手法を採用することも可能である。
なお、演出操作手段P81に対する入力は、演出の実行状況によって、有効操作として扱う期間(「操作有効期間」)と、無効操作として扱う期間(「操作無効期間」)とが存在する。
マルチタスク処理(ステップ5010)は、演出制御タイマ割込み処理が実行される毎に更新されるタスクカウンタ(値「0」~「15」の間で更新)の値に応じて、今回発生した演出制御タイマ割込み処理中で実行する処理内容を異ならせて行う処理である。タスクカウンタが16ms周期で循環するように構成されており、メインループ処理の1周期とほぼ同期して各カウンタ値における処理が実行されるように構成されている。各タスクにおける処理の一例としては、画像制御基板P42の動作が実行できるか否かを画像制御基板P42から送信される信号(ポート入出力処理にて入力情報を生成)を基に判断し、画像制御基板P42の動作状況を監視する処理が行われる。
画像制御コマンド送信処理(ステップ5012)は、画像制御基板P42のCPUに対して演出制御処理P41にて決定した演出内容に応じた画像表示を実行させるべく、画像制御コマンド(「サブ間コマンド」と呼ぶ場合もある)を画像制御基板P42のCPUに対して送信する処理である。なお、画像制御基板P42と演出制御基板P41は同一の基板で構成してもよいが、本明細書内では便宜的に画像制御基板P42として記載する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41は、画像制御コマンドを表示内容の種類を示す第1コマンドと、表示内容のパターンを指定する第2コマンドとで構成し、画像制御基板P42に送信する構成となっている。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御タイマ割込み処理にて画像制御コマンドを送信する構成となっているが、演出制御基板P41と画像制御基板P42との間におけるコマンドの送受信に関して、別途割込み処理を設けて送受信を行うように構成することも可能である。
(演出制御コマンド受信割込み)
演出制御コマンド受信割込み(図16(B))は、主制御基板P40の割込み処理(図9)中の演出制御コマンド送信処理(ステップ2040)においてストローブ信号が出力され、当該ストローブ信号を演出制御基板P41が受信した場合に発生させる割込み処理である。
演出制御基板P41は、演出制御コマンド受信割込みを開始すると、主制御基板P40の出力ポートより送信される演出制御コマンド(MODEデータまたはEVENTデータ)を読み取り、一時バッファデータを更新して記憶する(ステップ5502、ステップ5504)。
一時バッファデータの更新が終了すると、1の演出制御コマンド(MODEデータとEVENTデータの組み合わせ)の受信が完了したか否かを判断する(ステップ5506)。なお、主制御基板P40から送信される演出制御コマンドは、1バイトデータのうち、特定のビットが「1」「0」で構成されている。
前述したステップ5504の一時バッファデータ(2バイトデータ記憶領域)の更新に際しては、通常下位の1バイトの記憶領域に今回受信した演出制御コマンドの内容を記憶する処理を行う。このとき、更新前に現在の一時バッファデータの記憶領域の下位1バイトのうち特定のビットの部分がMODEデータであることを示す場合、一時バッファデータの記憶データを上位の1バイト記憶領域にシフトさせて記憶させた後、今回受信したEVENTデータを一時バッファデータの下位の1バイトの記憶領域に記憶する処理が行われる。
そしてステップ5506の演出制御コマンドの受信完了の判断においては、一時バッファデータの下位1バイトのうちの特定のビットがEVENTデータを示すデータであるか否かを判断し、EVENTデータであると判断した場合には、1の演出制御コマンドの受信が完了したもの(ステップ5506YES)として次の処理に進み、MODEデータであると判断した場合(ステップ5506NO)には、主制御基板P40からEVENTデータの送信に基づくストローブ信号を受信するまで、演出制御コマンド受信割込みを抜け、他の処理を行って待機する。
ステップ5506において、演出制御コマンドの受信が完了したと判断した場合、送られた演出制御コマンドが正常なものであったか否かを判断する(ステップ5508)。この処理は、例えば、主制御基板P40から送信され得る演出制御コマンドの一覧データの中に一致するデータが存在するか否かを基に判断される。そして、正常なコマンドであると判断された場合には、演出制御タイマ割込み処理中の演出制御コマンド解析処理にて解析されるように受信した演出制御コマンドを記憶するための記憶領域に記憶し、異常データの場合には一時バッファデータを破棄する。
[基本的な画像表示の演出例]
次に、図17から図20を用いて、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける基本的な演出に関して説明を行う。図17は、通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)を表した図であり、図18は大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況を表した図である。図19は、大当り遊技を実行している状態を表した図であり、図20は特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。
(通常遊技状態の演出表示例)
《装飾図柄》
図17は、通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)を表した図である。画面の略中央領域に3つの数字が遊技者に対して明瞭に確認できる態様にて表示されている。この3つの図柄は「装飾図柄(P801)」(「装図」とも呼ぶ)と呼ばれており、特別図柄抽選の結果に対応して表示される演出的な表示物であり、特別図柄の変動表示に合わせて変動表示される。なお、図17中では数字のみで表現しているが、各数字にキャラクタ画像などの装飾画像を伴って表示される場合もある。また、各数字に装飾画像を伴って表示するよう構成する場合には、遊技状態によって装飾画像や各数字の表示態様を相違させてもよい。そのように構成することによって、遊技者は現在の遊技状態を判別し易くなる。
装飾図柄P801は、特殊な演出を行っている場合を除いて特別図柄の変動表示1回(特別図柄抽選1回)に対して、1度の演出としての変動表示が行われる。なお、不図示であるが、装飾図柄P801の変動表示が行われる際には、装飾図柄が高速で変動表示(場合によっては透過表示や非表示となる)され、アニメーションや演出効果の画像による「予告」と呼ばれる演出により、大当り遊技の権利獲得の期待感を高める演出を行う。
図17に示す装飾図柄P801は、変動表示が開始されると上下方向(上から下方向)にスクロール表示された後、左図柄(P801a)、右図柄(P801c)、中図柄(P801b)の順に図柄列毎に、演出制御基板P41で決定された停止表示図柄が停止表示される。一般的には、3つの装飾図柄P801が同一の態様(ぞろ目)で停止表示された場合に、大当りであることを演出的に報知するものとなっている。また、1の図柄が変動表示を行う一方で他の図柄が表示されている状態、例えば、最後に停止する図柄(「最終停止図柄」とも呼ぶ)である中図柄P801bが停止する前に左図柄および右図柄が同一の図柄で表示(仮停止表示)されている状態のことを「リーチ」(「リーチ状態」「リーチ態様」)と呼ぶ。
装飾図柄P801の変動表示は、上下方向(上から下方向)にスクロール表示する態様で表示されることが多いが、変動表示の態様は上下方向に限らず、左右方向や奥行きを使って前後(斜め)方向にスクロール表示動作を行うものであってもよいし、スクロールせずにその場で回転動作を行うとともに順番に切り替え表示がされるものであってもよい。
また、装飾図柄P801は1回の特別図柄の変動表示中において、複数回の停止表示を行う場合を有している。この時、複数回の停止表示に際して、特別抽選の結果を示す停止表示は、特別図柄の停止表示図柄が特別図柄表示装置に停止表示されるタイミングと同時期に表示される停止表示であり、それ以外のタイミングにおける停止表示を「仮停止(表示)」という。なお、特別図柄の停止表示と同時期の停止表示ついては、「本停止」と表現する場合がある。
装飾図柄P801の仮停止が行われた際には、最終的な図柄の停止表示(本停止)と区別するため、装飾図柄P801を完全に固定せず、固定したと認められない程度に一時停止させたり、上下あるいは左右などの方向に動作したり、1の回転軸を中心に揺れ動作を行ったりするように構成される。このような状態のことを仮停止の他に「揺れ変動」などと表現する場合がある。
装飾図柄P801が仮停止表示された後は、再び変動表示を繰り返す場合があり、一般的に大当り図柄以外の図柄が仮停止した状態からの再変動を「擬似変動(擬似連)」演出と呼び、大当り図柄の停止後に停止表示される大当り図柄を変更する場合がある再変動を「昇格(変動)」演出と呼ぶ。なお、昇格演出を実行する場合には、停止した大当り図柄よりも不利な大当り図柄には変更しないよう構成したり、ハズレ図柄に変更しないよう構成してもよい。
また、装飾図柄P801の停止表示に際して、通常の変動表示中は表示されておらず、一部の演出を実行する場合にのみ表示される特殊な装飾図柄の一種があり、これを「特殊装図(P804)」(特殊図柄)と呼ぶ。特殊装図は、それぞれの図柄に意味があり、例えば特定の大当りが実行されることを示唆したり、前述した擬似変動演出を行うことを示唆したり、特定のリーチ演出(リーチ態様となった場合に表示される予告演出)が実行されることを示唆するものなどが挙げられる。特殊図柄を用いる場合には、最後に仮停止する装飾図柄(中図柄P801b)として特殊図柄を仮停止させてもよいし、左図柄P801a、中図柄P801b、右図柄P801cのすべてを代用する1つの装飾図柄として特殊図柄を仮停止させてもよい。
《簡易装図(ミニ装図)》
画面右上には、装飾図柄P801と同一の態様にて表示される3つの数字が表示されている。この図柄は「簡易装図(P802)」(「簡易図柄」)や「ミニ装図」とも呼ばれ、前述した「装飾図柄」同様特別図柄の変動表示に合わせて、特別図柄の抽選結果を示す表示物として表示される。
簡易装図P802(ミニ装図)は、「装飾図柄」と異なり、装飾図柄P801が停止表示されない特殊な演出が行われている場合であっても、特別抽選の結果を示す特別図柄が特別図柄表示装置P51、P52に表示されるのに合わせて、特別図柄抽選1回に対して必ず1回の停止表示を行う。
また、簡易装図P802の変動表示は、前述した装飾図柄P801がリーチ態様となった場合に、同一のリーチ態様を形成するように構成してもよいし、特別図柄抽選の結果を報知するという最低限の目的を達成するために、装飾図柄P801とは無関係に特別図柄の変動表示が停止表示状態となるまで一定の表示切り替えを行う、といった簡略的な変動表示とする方法を採用してもよい。
《保留表示領域》
図17の下部領域には、保留表示領域P810が設けられている。保留表示領域P810には、遊技者が獲得した特別図柄抽選の権利として、未行使の権利に対応する保留(乱数値)に対応した保留オブジェクトP811が表示される。図17の例では、特別図柄抽選の権利が3つ保留されている状態を示している。
図17の例では、特別図柄抽選の実行時期が早い保留(すなわち先に発生した保留)であるほど、画面下部の略中央方向に近い位置に表示されるようになっており、保留表示領域P810の最も右側に位置する保留オブジェクトの表示位置を「保1(表示領域)」と呼び、画面左側に向かうにつれて「保2(表示領域)」、「保3(表示領域)」、「保4(表示領域)」と呼ぶ。
また、保留表示領域P810の右側近傍には、保留表示領域P810の保留オブジェクトP811と略同一態様のオブジェクトが一段高い位置に保留オブジェクトP811より大サイズに表示されている。本表示領域は、現在の特別図柄変動表示の開始契機となった乱数値に対応した保留表示を保留表示領域から継続して表示するものであり、「当該変動オブジェクト表示領域(P812)」と称する。また、当該変動オブジェクト表示領域P812に表示されるオブジェクトを「当該変動オブジェクト(P813)」と呼ぶが、「当該保留表示」などと称する場合があり、保留表示領域P810の保留オブジェクトP811と差別化するために「当該」という頭文字をつけている。
なお、当該変動オブジェクト表示領域P812における当該変動オブジェクトP813の表示態様は、保留オブジェクトP811と完全に同一に構成する必要はなく、変動開始に伴いある保留表示が当該変動オブジェクト表示領域P812に移動表示する際に、形状が変化したり、消失(非表示)となったりする場合があってもよい。また、当該変動オブジェクトP813についても、後述する保留変化先読みにおける保留表示と同様に表示態様が変化し得るよう構成してもよい(例えば、変動表示の途中のタイミングでオブジェクトの形状や色が変化する)。
《簡易保留表示》
画面左側の高さ方向略中央位置には、2つの数字が縦方向に並んで表示されている。この2つの数字は、現在の第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数を表しており、「簡易保留表示(P814)」と呼ばれる。図17中の例では、第1特別図柄の保留数を上に表示される数値「3」で示しており、第2特別図柄の保留数を下に表示される数値「4」で示している。
(先読み演出)
《保留変化先読み》
また、図17においては、保留表示領域P810における保3表示領域の保留オブジェクトP811が、保2、保1の表示領域における保留オブジェクトP811とは異なる態様で表示されている。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、保3の保留オブジェクトP811の表示態様の方が保2の保留オブジェクトP811の表示態様よりも大当りとなる可能性が高くなるよう構成されている。このように、特定の保留に対して、保留オブジェクトP811の表示態様を変化して表示させる演出のことを「保留変化(先読み)」と呼んでいる。
なお、図17に例示した態様のみに限らず、複数種類の変化態様を有し、そのそれぞれに対して大当りとなる可能性(期待度)が異なり得るように構成し、段階的に保留オブジェクトP811の表示態様を変化させていってもよい。
また、「保留変化(先読み)」に限らず、保留として記憶されている乱数値に対して演出の実行対象として決定した場合に、演出の実行対象となった保留に対応した変動表示が開始されるよりも前に、先んじて演出の実行対象となった保留の大当りとなる可能性が高いことを示唆する演出のことを「先読み演出」(「事前判定演出」と称する場合もある)と呼んでいる。
そして、「先読み演出」を実行する場合に、演出の実行対象となった保留として決定された保留のことを、「先読み対象保留」、「トリガ保留」、「犯人保留」などと称する場合があり、先読み対象保留に基づく特別図柄の変動表示のことを「先読み対象変動」、「トリガ変動」、「犯人変動」などと称する。
ここで、「先読み演出」として、前提とするぱちんこ遊技機Pで採用し得る代表的なものをいくつか例示する。
《チャンス目先読み》
「チャンス目先読み」は、先読み対象変動の変動が開始されるまでの装飾図柄P801の変動表示において、予め定められた法則に則った装飾図柄P801の停止表示図柄が停止表示(または仮停止表示)される演出である。チャンス目として予め定められる装飾図柄P801の停止表示態様の法則の一例としては、(ア)装飾図柄の数字部分の色合いが同一の図柄のみの組み合わせによってはずれ図柄が停止表示される場合、(イ)「1」「2」「3」や「5」「4」「3」など、装飾図柄の停止図柄が順番に並ぶ(順目、逆順目)など規則的な停止表示態様で表示される場合、(ウ)「7」などの特別な数字又は「先」などの数字とは異なる図柄が、中図柄の停止表示図柄として停止表示される場合、などが挙げられる。
《演出可動役物先読み》
「演出可動役物先読み」は、遊技盤P5または枠(ガラス枠P3)に設けられた演出可動役物P560または枠可動役物P360(前提とするぱちんこ遊技機P1のレバーP382など)を、先読み対象変動の変動表示が開始されるまでの変動、あるいは先読み対象変動まで跨いで、変動開始から演出動作パターンに従ってにぎやかし動作させる演出である。
《ゾーン移行先読み》
「ゾーン移行先読み」は、先読み対象変動が開始される前の特別図柄の変動表示において、特殊な演出モード(「ゾーン」と呼ばれる)へ移行させ、先読み対象変動となる変動表示までの間、特殊な演出モードに対応した予告演出を実行させるための予告抽選を実行することで、大当りの可能性が高いことを示唆する先読み演出である。例えば、「通常背景を表示→先読み時背景を表示→大当り」となったり、「通常背景を表示→先読み時背景を表示→はずれ図柄が停止して通常背景に戻る」となる。
(リーチ演出の実行時の表示例)
続いて、図18は大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況を表した図である。「リーチ演出」は、前述したように、1の装飾図柄(中図柄P801b)以外の装飾図柄(左図柄P801a、右図柄P801c)が同一態様で表示されている状況であり、あと1つの図柄が同一態様で停止すれば大当りとなることが報知される状態における演出のことを言う。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、多くの場合、リーチ演出を経由して3つの装飾図柄P801が同一の停止表示態様となることで大当りを報知する仕様となっている。
図18の例では、装飾図柄の左図柄P801aと右図柄P801cが「5」で表示されており、変動中の中図柄列の図柄として「4」、「5」、「6」が表示されている状況であり、「4」図柄が激しく振動し、「5」に切り替われば大当りとなる状況を示している。
ここで、図18の例では、装飾図柄の左図柄と右図柄である「5」の表示が、図17の停止表示時の装飾図柄P801よりも小さく表示されており、変動表示中の中図柄列の装飾図柄P801bを停止表示時の装飾図柄P801よりも大きく表示し、強調表示している。この時の左図柄P801a、右図柄P801cに対応する小さく表示された装飾図柄を「退避図柄(P803)」や、「リーチ図柄」などと呼ぶ場合がある。リーチ演出では、図示した例以外にも、装飾図柄の変動表示に伴って表示される予告演出(リーチ演出)のアニメーションの結末がどのような結末になるかによって大当りとなるか否かを報知する場合もあり、すでに仮停止表示された左図柄P801a、右図柄P801cを退避図柄P803小さくして表示する(あるいは非表示とする)ことで、遊技者に注目させたい演出の視認性を高めるようにしている。
また、装飾図柄P801の表示数を3つとしない遊技機なども知られており、同時に複数列のリーチ態様を形成するマルチラインリーチなども存在するが、その詳細に係る説明は割愛する。
リーチ演出の例外として、3つの装飾図柄P801の全てが同一の態様で同期して変動表示される「全回転リーチ」と呼ばれるリーチ演出が存在する。リーチ演出の基準である「1の装飾図柄以外の装飾図柄が同一態様で表示されている状況であり、あと1つの図柄が同一態様で停止すれば大当りとなることが報知される状態」とは状況的に異なるが、全回転リーチもまたリーチ演出として当業者には認識されるものである。
また図18において、画面右下領域には、「演出設定表示領域(P850)」が表示されており、図18の例では演出設定表示として音量設定表示P851が表示されている。
演出設定表示領域P850は、遊技機PのスピーカP83から出力される音量レベルを調整する音量設定機能や、遊技機Pの装飾ランプP82の発光輝度を調整する光量調整機能、さらには、演出モードと呼ばれる発生する予告演出の種類を変更したり、予告演出の発生頻度を変更したりする演出モード変更機能の設定状況および変更状況に係る表示を行う領域である。
演出設定表示領域P850は、常時表示されているものではなく、遊技者が前述した各種演出設定(音量調整機能、光量調整機能、演出モード変更機能)に係る操作を実行した場合において、一時的に表示されるものであり、例えば十字キーP383の左右方向の操作により図18に示す音量調整機能に係る演出設定表示(音量設定表示P851)を表示させることが可能である。図18の状況において、さらに遊技者により十字キーP383の右ボタンが操作された場合には、設定されている音量レベル(図中の黒塗り領域)が増加し、音量設定値が「3」から「4」へと変化するようになっている。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、光量調整を行う場合は、十字キーP383の上下方向の操作によって変更操作が行われるように構成され、演出モード変更機能は、演出ボタンの操作に応じて演出モードを予め定められた順序で切り替える例が挙げられる。なお、これらの演出設定に係る操作は、遊技中の演出の実行との関係上異なる操作態様を採用する場合もあり、例示した設定の変更方法以外にも適宜採用可能である。
また、演出設定表示領域P850の表示や、各種演出設定機能の利用に関し、遊技者の演出設定操作を有効とする期間、無効とする期間をそれぞれ設定することが可能であり、特に重要な演出が実行されるときには、演出設定表示領域P850を非表示とし、各種演出設定機能の利用を無効とするよう構成される。
(大当り遊技中の演出表示例)
続いて、図19に基づき、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて大当り遊技を実行している状態における演出の表示態様を説明する。
《大当りの種類を示す演出表示》
図19の画面左下および画面右上には、大当り遊技の実行契機となった装飾図柄P801の表示が行われている。画面左下は、前述したリーチ演出の実行中と同様、変動表示中の装飾図柄よりも小さい表示態様にて1の装飾図柄P801(「大当り装図(P805)」とも呼ぶ)を表示し、画面右上には、特別図柄の変動表示が終了した際に表示した簡易装図P802を引き続き表示している。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当りの発生契機となった(大当りの発生時に停止表示した)装飾図柄P801の種類によって、遊技者に実行される大当りの種類や大当り中に獲得できる遊技球数の期待度合や大当り終了後の遊技状態(通常遊技状態)を演出的に示唆している。そのためこのように大当りの実行契機となった装飾図柄(大当り装図P805、簡易図柄P802)を表示させておくことによって、大当り遊技中においても大当りの種類や、獲得が期待される遊技球数を示唆することを可能としている。
また、大当りの種類を示す表示として、図19では「ROUND6」(「ラウンド表示(P820)」と呼ぶ)という文字列の下に、五角形の盾を模したアイコン画像P821が表示されており、アイコンP821の中央に「MAX」という文字が記載されている。図中のアイコンP821では「MAX」の文字列が示唆する大当りであって、前提とするぱちんこ遊技機Pが有する最大ラウンドの大当り遊技が実行されることを示している。このアイコンP821は「大当りアイコン」や「連荘(表示)アイコン」と呼ばれ、特定遊技状態と大当り遊技が繰り返し実行される毎に、累積的に並んで表示が増加し、いわゆる「連荘」状態において何回、どのような種類の大当りを獲得したかを遊技者が理解できるように報知する演出表示である。
なお、図示はしていないが、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り開始デモ期間において実行される演出表示の「大当り開始デモ演出」において「〇〇ボーナス!」(最大ラウンド大当りを報知)や「△△チャンス」(最大ラウンドではない大当りを示唆)といった表示を行うことにより、大当りの種類を遊技者に報知する演出を実行する。
また、例えば実行されるラウンド数が少ない「△△チャンス」などの大当りであることが示唆された場合であっても、大当りラウンド中において「エクストラボーナス!+〇ラウンド」として、大当りの実行ラウンドが実は最大ラウンドの大当りであることを報知するといった「大当り昇格演出」を実行することも可能である。
なお、「大当り昇格演出」は、先に報知された大当りの種類よりも遊技者にとって有利となる特定遊技状態へ移行することとなる大当り遊技が実行されていることを示唆する場合にも使用されることがある。例えば、大当り遊技後に確率変動機能が作動しないことを示唆する大当り遊技(「非確変大当り」、「通常大当り」と呼ばれる)の演出から、大当り後に確率変動機能が作動することとなる大当り遊技(「確変大当り」、「特定大当り」と呼ばれる)の演出へと演出表示が切り替わる、というような演出表示が挙げられる。
《大当り遊技の進行状況を示す演出表示》
次に大当り遊技の実行に際して、大当り遊技の進行状況を示す演出表示に関する説明を行う。図19において、大当りの演出表示を示す演出として、画面左上の「ROUND_〇」の文字列表示で実行される「ラウンド表示(P820)」、画面右下において「TOTAL_〇〇pt」の文字列表示で実行される「獲得球数表示(P822)」、画面右側略中央の10個の円形画像オブジェクトで表示される「カウント表示(P825)」などが挙げられる。不図示ではあるが、大当り遊技中はこれらの表示に加えて「ラウンド演出」と呼ばれるアニメーションなどの画像表示が表示される。
《ラウンド表示》
「ラウンド表示(P820)」は、大当り遊技中において、実行中のラウンド遊技(単位遊技)が何ラウンド目かを示す表示である。ラウンド遊技が開始されるタイミングで「ROUND」の右側の数値が更新される。図19の例では、6ラウンド目のラウンド遊技が実行されている状況を示している。
なお、「ラウンド表示(p820)」は、必ずしも実際の大当り遊技中の実行ラウンド数に同期する必要はない。例えば、前述した「小当りV」のスペックでは、小当り遊技中を1ラウンド目としてカウントして、V入賞後に実行される大当り遊技の1ラウンド目を2ラウンド目として扱うようすることがある。また、他の例では、ラウンド遊技における大入賞口P751の開放パターンが、短時間の入球容易状態への移行で終了する場合には、「ラウンド表示」の値を更新せず、大入賞口の開放パターンが長時間の入球容易状態となる場合においてのみ、実質的に実行されたラウンド「実質ラウンド」として扱う場合などがあってもよい。
《獲得球数表示》
「獲得球数表示(P822)」は、実行中の1回の大当り遊技で累積獲得している遊技球数を表示する「大当り獲得球数表示(P823※不図示)」と、特定遊技を挟んで複数回の大当りにおいて累積的に獲得した遊技球数を表示する「累積獲得球数表示(824)」といった種類がある。図19においては、5桁の獲得球数表示である「累積獲得球数表示(P824)」が表示されている例を示している。なお、「大当り獲得球数表示(P823)」と「累積獲得球数表示(P824)」を並列的に同時表示してもよい。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、「獲得球数表示(P822)」について、大当り遊技中における大入賞口P751への入球に基づく累積の賞球払出数を表示するものとしている。しかし、獲得球数表示P822の賞球払出の累積対象として、遊技盤P5の右側領域P501Rに配置された一般入賞口P731や第2始動入賞口P721に対する入球に基づく払出に関して累積して加算してもよい。
また、他の変形例として、「獲得球数表示(P822)」の表示期間は、大当り遊技中だけでなく、特定遊技の実行中に表示してもよいし、「獲得球数表示(P822)」の累積賞球払出数の加算期間についても、大当り遊技中だけでなく、特定遊技中や、小当り遊技中に拡大するよう構成してもよい。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、「獲得球数表示(P822)」の他に、累積した賞球払出数が「2500球」、「5000球」、「10000球」など、区切りとなる払出数を迎えた場合などの特殊な状況においてのみ、遊技者に「獲得球数表示」に加えて強調して報知する「区切り獲得球数表示」演出を実行可能としている(例えば、「GET10000!!」と表示する)。
《カウント表示》
「カウント表示(P825)」は、1回のラウンド遊技において大入賞口P751の閉鎖条件として設定される遊技球数まであと何球入球可能か、または今回のラウンド遊技において何球の遊技球が大入賞口P751に入球したかを表す表示である。前者は、図19において網掛け表示される円形オブジェクトで表示されており、後者は白抜きの円形オブジェクトとして画面右側略中央位置に2列のオブジェクト表示として表示されている。
図19の例では、6ラウンド目の遊技として、大入賞口へ5球入球済みであり(白抜きの円形オブジェクトで表示)、あと5球入球可能であること(網掛けの円形オブジェクトで表示)がカウント表示P825により示されている。カウント表示P825は新たなラウンドが開始されるたびに表示が初期態様にリセットされる。
大当り遊技のラウンド遊技の実行中には、遊技球の流下状況により、大入賞口P751の閉鎖条件を満たすこととなる遊技球に連続して大入賞口P751の閉鎖条件以上の遊技球数となる入賞が発生する場合があり、このような閉鎖条件以上の遊技球数の入賞が発生することを「オーバー入賞」と呼ぶ。
図示はしていないが、「オーバー入賞」が発生した場合に、カウント表示P825のオブジェクト表示等を使って特殊な演出を行ったり、演出ランプP82の特殊な発光やスピーカP83から特殊効果音を発したりして報知してもよい。また、前述した獲得球数表示P822については、「オーバー入賞」となる入賞に基づく賞球払出数を加算対象としてもよいし、加算対象外としてもよい。
《大当り遊技中のその他の演出表示》
次に、図19において演出表示が実行されている、他の演出表示について説明する。
まず、画面左側略中央位置に表示されている2つの数字は、前述した簡易保留表示P814である。
画面左下の装飾図柄(大当り装図P805)の右側に表示されている「Sound_2」という表示は、現在の大当り遊技中に再生している楽曲のタイトルを示す「選択楽曲表示(P854)」である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り遊技中において、1ラウンド目や2ラウンド目の間に演出ボタンP381や十字キーP383を操作することによって、遊技者が任意に再生する楽曲を選択可能とする仕様を有している。選択楽曲表示P854に関し、楽曲が変更可能な状況である場合には、図20に示すように選択楽曲表示P854の近傍に「(上)(下)キーで変更できます」という画像表示を行う。
なお、このような大当り遊技中における演出の選択は、楽曲選択に限らず、ラウンド演出の変更や、大当り遊技後における特定遊技中の演出(演出モード)の選択なども可能とするが(総称して「演出カスタマイズ表示(P853)」と呼ぶ)、それらの詳細な説明は割愛する。
最後に、画面右上の簡易装図P802の下部に表示されている「右打ち」および右側矢印記号は、「打ち分け報知(P830)」(「推奨発射位置報知」などとも呼ばれる)に係る画像表示である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り遊技中は、遊技領域の右側領域P501Rに遊技球を発射することが推奨される遊技状態であるため、「右打ち報知(P832)」(「右打ち」の文字列、および右側矢印記号の表示)が実行されている。
「打ち分け報知」は、大当り遊技中に限らず、特定遊技状態における遊技中や、通常遊技状態における遊技中においても表示される場合を有する。特に、遊技状態が切り替わるような状況(大当りの発生/終了や、特定遊技状態の発生/終了)においては、図19に示す打ち分け報知P830よりも、遊技者が認識しやすいよう大きなサイズの表示を画面中央部などに一時的に表示することで、次の遊技状態での推奨される発射位置を遊技者に報知する演出が実行される。
なお、「打ち分け報知(P830)」において、遊技状態が遷移するタイミングで一時的に大きなサイズで表示されるものを「第1打ち分け報知画像」(「右打ち大表示(P831)」、「左打ち大表示(P833)」)と表現し、大当り遊技中や特定遊技状態中において、遊技状態での推奨発射位置を、遊技状態が続く期間のほぼ全てにおいて表示する表示について「第2打ち分け報知画像」(「右打ち小表示(P832)」、「左打ち小表示(P834)」)と表現する場合がある。
また、「打ち分け報知(P830)」の他の種類の演出として、推奨される発射位置以外の位置に遊技球が発射されている状況を検出した場合、例えば、大当り中に遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射した場合に、遊技領域の右側領域P501Rに遊技球を発射すべきことを遊技者に対して注意喚起する「左打ち警告報知」(「右打ち注意喚起報知(P835)」)として「右打ちしてください」などのメッセージ表示)を行う。なお、推奨発射位置と遊技者の実発射位置が逆の状況では、「右打ち警告報知」(「左打ち注意喚起報知(P936)」)が実行される。
(特定遊技状態中の演出表示例)
図20は、特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。図中には多岐にわたる演出表示がなされているが、前述の説明の中で説明を行ったものに関しての説明は割愛し、これまでに説明がされていない演出表示、および前述の説明と相違点を有する演出表示に関する説明を行う。
まず、これまでに説明がされていない演出表示として、特定遊技状態中の演出表示に関する説明として「演出モード表示(P840)」と「残り遊技回数表示(P841)」に関する説明を行う。
《演出モード表示》
「演出モード表示(P840)」は、現在の演出表示態様の状態を示す表示であり、演出モードと呼ばれる状態情報によって、該当するモードに応じた予告演出が抽選されていることを示す表示である。演出モード表示が相違する場合には、遊技者に視認される予告演出の種類が、一部共通とする予告演出はあるものの、見た目に与える印象が大きく異なるように作られることが一般的である。図20では、「RUSH_MODE」という表示がなされており、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける遊技状態が、「ST(回数切り確変)」(高確率/高ベース状態)であることを示す表示を行っている。
なお、「演出モード表示(P840)」は、特定遊技状態における演出モードを報知する以外に、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)において表示される場合があってもよいし、1の遊技状態において複数の演出モードを有する場合に、演出モードが切り替わる条件が成立するたびに表示を一時的、または演出モードが終了するまで継続して行うものであってもよい。
《残り遊技回数表示》
「残り遊技回数表示(P841)」は、特定遊技状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数(特別図柄抽選の回数)や、現在の演出モードが終了するまでの特別図柄の変動表示の回数を表す表示である。図20では、画面中央上部に「残り_56」という表示が実行されており、「ST(回数切り確変)」の遊技状態が、あと56回の特別図柄抽選が実行されるまで行われることを遊技者に報知している。
次に、図20に示す特定遊技状態の演出表示例において、前述した他の遊技状態における演出表示例と相違する表示に関して説明を行う。
《装飾図柄(特定遊技状態)》
図20の画面中央には、装飾図柄P801の変動表示が表示されている。図20の通常遊技状態における演出表示例の装飾図柄P801に比して、図20の特定遊技状態における装飾図柄P801の演出表示例では、装飾図柄P801の表示が小さく表示されている。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特定遊技状態の演出表示として、画面上部に演出モード表示P840や、残り遊技回数表示P841、さらには大当りアイコン表示P821を行っており、画面下部には選択楽曲表示P854および獲得球数表示P824を行っている。特定遊技状態では、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)で表示されないこのような付加的な表示を行うため、通常遊技状態と同等のサイズで装飾図柄P801を表示してしまうと、停止表示の際に一部図柄の表示が各表示の一部と重なってしまい、停止表示図柄の視認性が低下するという問題が発生する恐れがあり、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、このような問題が生じにくくなるよう装飾図柄P801の表示を小さく簡略化するものとしている。また、装飾図柄P801を簡略化して表示する例として、サイズを小さくするほか、図柄を示す数字に付帯して表示されるキャラクタ画像などの表示を行わない方法なども採用可能である。
《保留表示領域(特定遊技状態)》
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図20の画面左下に示すように、特定遊技状態の保留表示領域P810における保留オブジェクトP811の表示として、画面手前側から奥行き方向に向かって「保1」から「保4」の保留オブジェクトの表示領域が設けられている。なお、当該変動オブジェクト表示領域P812(及び当該変動オブジェクト表示P813)については「RUSH_MODE」の演出モード状態では表示が省略されている。
図20に示す変動表示が終了し、状態で新たな変動が開始すると、図20の最も下部に位置する保留オブジェクトP811の表示が消失し、奥に並ぶ保留オブジェクトP811の表示が手前に移動するとともに表示が大きくなるよう表示制御される。
また、図示はしないが特定遊技中において表示される演出として重要な演出である、「リザルト表示演出」に関して説明を行う。
《リザルト表示演出》
「リザルト表示演出」は、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、主として特定遊技状態(高ベース状態)の最後の変動が実行される際、あるいは特定遊技状態中に生起した保留がなくなる際等、遊技者が「連荘」状態が終了したと認識するタイミングに行われる演出であり、いわゆる「連荘」状態において、何回の大当り遊技を獲得したかという情報や、合計で何発の遊技球を獲得したか(獲得球数表示に相当)を遊技者に報知する演出である。
[第1実施例]
第1実施例のぱちんこ遊技機Pは、上述の前提技術を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。第1実施例のぱちんこ遊技機を構成する要素のうち、前提技術で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付して説明する。
はじめに、図21および図22を参照しながら、ぱちんこ遊技機PCの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PC(単に「遊技機PC」とも称する)は、図21及び図22に示すように、方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持構造をなす外枠P1000の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載構造をなす前枠P2000が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構P3000a,P3000bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置P4000を利用して常には外枠P1000と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠P2000には、この前枠P2000の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠P5000が上下のヒンジ機構P3000を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置P4000を利用して常には前枠P2000の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠P2000には、遊技盤P5が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠P5000の窓部P5000aを通して遊技盤P5の正面の遊技領域P501を視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠P5000の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)P5001や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ(左サイドスピーカ)P5002が設けられている。ガラス枠P5000の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿P5010及び下球皿P5020)が設けられている。上下の球皿P5100,P5200はガラス枠P5000の左右の中心に対して左側に寄って配置されており、この上下の球皿P5010,P5020の正面右側に形成される空きスペースには、所定の演出操作を行うための演出操作装置)P5300が取り付けられている。また、ガラス枠P5000の前面側には、前方及び上方に向けて迫り出した装飾ユニットP6000が取り付けられている。装飾ユニットP6000は、ガラス枠P5000の前面側において窓部P5000aの右側に取り付けられる右装飾ユニットP6100と、ガラス枠P5000の前面側において窓部の上側に取り付けられる上装飾ユニットP6200とを備えて構成される。
前枠P2000の右下部には、遊技球の発射操作を行う発射ハンドルP7000が設けられている。前枠P2000の下部には、図24に示すように、ガラス枠P5000の背後において遊技盤P501と上下に整合し得る位置に遊技補助盤P8000と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤P8000の各部に、上球皿5010に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構P8001、球送り機構P8002から送り出された遊技球を遊技領域PAへ向けて打ち出す発射機構P8003などが設けられている。
次に、基本実施例の異なる第1実施例の主たる特徴構成について順番に説明する。
[幕板スピーカ]
まず、外枠1の下部に設けられたスピーカユニットP1100について説明する。図26は外枠1を前方から見た斜視図であり、図27はスピーカユニットP1100を前方から見た分解斜視図であり、図28はスピーカユニットP1100を後方から見た分解斜視図であり、図11はスピーカユニットP1100の断面図である。
外枠P1000は、上縁を形成する上枠部材P1001と、下縁を形成する下枠部材P1002と、左縁を形成する左枠部材P1003と、右縁を形成する右枠部材P1004とを備えて構成される。上枠部材P1001及び下枠部材P1002は、左右方向に延びる所定厚みの木製の板部材により形成されている。左枠部材P1003及び右枠部材P1004は、上下方向に延びる所定の断面形状のアルミ合金等の押出部材(金属部材)により形成されている。この左枠部材P1003及び右枠部材P1004は、正面から見て互いに対称の形状に形成されている。そして、上枠部材P1001の左端と左枠部材P1002の上端とが連結金具を介して連結固定され、上枠部材P1001の右端と右枠部材P1003の上端とが連結金具を介して連結固定される。また、下枠部材110の左端と左枠部材P1003の下端とが連結金具を介して連結固定され、下枠部材P1002の右端と右枠部材P1004の下端とが連結金具を介して連結固定される。このように上下左右の枠部材P1001~P1004が複数の連結金具を介して互いに連結されることで、前後方向から見て縦長矩形状の外枠P1000が構成される。このような構成の外枠P1000の下側領域(幕板領域)には、全体として横長の箱形状をなすスピーカユニットP1100が取り付けられている。
スピーカユニットP1100は、下枠部材P1002の前端位置に配設される幕板部材P1101と、左右二基のスピーカ(「幕板スピーカ」とも呼称する)P1102と、この二基のスピーカP1102を保持するスピーカボックスP1110と、幕板部材P1101の後面との間でバスレフダクト(バスレフ通路)P1132を形成するダクト形成部材P1130とを備えて構成されており、下枠部材P1002の上面側にネジ等を用いて着脱可能に取り付けられている。
幕板部材P1101は、左右方向に延びる横長の板状部材であり、スピーカボックスP1200の前面開口を閉鎖するように配置されている。幕板部材P1101の前面には、浅いレリーフ状の装飾が施されている。幕板部材P1101の左右には、スピーカP1102の正面側から発せられる音を前方に向けて出力する一対のスピーカ孔P1104が前後方向に貫通形成されている。このスピーカ孔P1104には、スピーカP1102の正面部が臨むようになっている。そのため、スピーカP1102の正面側から生じる音(空気)は、このスピーカ孔P1104から放音されることとなる。さらに、幕板部材P1101の中央には、スピーカP1104の裏面側から発せられる音(空気)を前方に向けて放音する一対のバスレフ孔(バスレフポート)P1105が前後方向に貫通形成されている。幕板部材P1101の後面側には、スピーカP1102のフランジ部をビス止めするための円柱状のネジボスが複数突設されている。
スピーカボックスP1110は、前方に向けて開放されたスピーカ収容室を有する横長の中空箱状に形成された筐体部P1111と、この筐体部P1111の前面側の周縁に沿って形成されたフランジ部P1112とを有して形成されている。第1実施例では、幕板部材P1101とスピーカボックスP1110との組合せにより、内部に密閉された空気室を有するエンクロージャが構成されている。筐体部P1111 は、スピーカP1102を略水平姿勢(横置き姿勢)で保持するための下壁部P1113を有している。この下壁部P1113は、左右方向に延びる横長矩形状の平板部P1113aと、この平板部P1113aの左右に連続的に形成されて該平板部P1113aよりも下方に窪んだスピーカ受部P1113bとを有して形成されている。スピーカ受部P1203bは、スピーカP1102の外周部に対応する形状(下方に窪む断面円弧形状)を有して下方に向けて膨出する突出部となっている。
下枠部材P1002の上面側には、平板状の下枠本体部P1002aと、スピーカボックスP1200のスピーカ受部P1113bに対応する形状(下方に窪む断面円弧形状)に形成されたザグリ部P1002bとが一体的に形成されている。ザグリ部P1002bは、下枠部材P1002の上面側からザグリ加工された凹部であり、スピーカ受部P1203bを受容可能に構成されている。このザグリ部P1002bは、下枠部材P1002の奥行方向(前後方向)の一部の領域において形成されている。スピーカユニットP1100を下枠部材P1002の上面に載置すると、下方に向けて凸となるスピーカ受部P1113bが下枠部材110のザグリ部P1002bに嵌め込まれることで、その分だけスピーカP1102の設置高さが抑制される。また、スピーカ受部P1002がザグリ部P1002に嵌め込まれることで、下枠部材P1002に対するスピーカユニットP1100の位置決めを簡単に行うことができる。なお、ザグリ部P1002bの上下方向の深さは、下枠部材P1002の板厚よりも小さい深さ(例えば、下枠部材P1002の板厚の約半分ほどの深さ)に形成されている。また、ザグリ部P1002bの奥行方向(前後方向)の長さは、下枠部材P1002の奥行方向(前後方向)の板幅よりも小さい長さ(例えば、下枠部材P1002の板幅の約3分の2の長さ)に形成されている。このように、ザグリ部P1002bが下枠部材P1002を板厚方向(上下方向)及び板幅方向(前後方向)に貫通していないため(突き抜けていないため)、下枠部材P1002の肉厚を十分に確保することができ、下枠部材P1002の強度(圧縮強度や曲げ強度など)や剛性を低下させることなく、スピーカユニットP1100を安定的に保持することができる。
ダクトカバーP1131は、前面側及び左右両側に開放された横長の樋状に形成されており、幕板部材P1101の後面との間で左右一対のバスレフダクト(バスレフ通路)P1132を形成する。スピーカボックスP1110内の空気はバスレフダクトP1132により増幅されて、幕板部材P1101のバスレフ孔P1105から遊技機の前方(遊技者)に向けて出力される。
このように第1実施例では、下枠部材P1002にスピーカP1102(スピーカ受部P1113b)の外形形状に対応する凹部(ザグリ部P1002b)を設けたことにより、遊技機内部の限られたスペース(幕板領域)を有効に活用して、このザグリ部P1113bの分だけ大型のスピーカP1102を配設することができるため、遊技機PCの音響効果を高めることが可能となる。
また、幕板部材P1101の左右方向の中央に一対のバスレフ孔P1105を集結させる構造としたことで、遊技機PCの正面に座る遊技者に対してスピーカP1102から出力する低音の音圧をより効率的に感じやすくさせることが可能となる。
[ペアガラスユニット着脱構造]
次に、ペアガラスユニット着脱構造P5200について説明する。図30はガラス枠P5000の分解斜視図であり、図31はガラス枠P5000を後面側から見た斜視図であり、図32はガラス枠P5000の後面側上部の背面図であり、図33は上記図32のA部を詳細に示す図である。
ガラス枠P5000は、前枠P2000の前面に揺動開閉及び着脱可能に取り付けられる扉枠部材P5100と、この扉枠部材P5100の後面側に着脱可能に取り付けるペアガラスユニットP5200とを備えて構成されている。
扉枠部材P5100は、例えばABS樹脂等の合成樹脂材料で形成される外郭方形状の枠体であり、中央部分に前後方向に開口した窓口P5101が形成されている。この扉枠部材P5100の後面側には、ペアガラスユニットP5200を着脱可能に装着するためのペアガラスユニット着脱構造P5400が備えられている。
ペアガラスユニットP5200は、前後二枚のガラス板P5201と、各ガラス板P5201の周縁を支持するガラスフレームP5300とを備えて構成され、前後二枚のガラス板P5201が所定の間隔をおいて互いに平行となるようにガラスフレームP5300に保持され、ガラスフレームP5300に固定されている。
ガラスフレームP5300は、例えばABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて形成されている。このガラスフレームP5300は、該ガラスフレームP5300の外周部分を形成する外周枠部P5301と、外周枠部P5301の上部の左右に形成された一対のレバー受部P5420と、外周枠部P5301の上部の中央よりも右寄りに形成されたラッチ受部P5303とを有して構成される。外周枠部P5301は、扉枠部材P5100の窓口P5101やガラス板P5201の輪郭形状に合わせて形成されており、
ペアガラスユニット着脱構造P5400は、扉枠部材P5100の後面側の上部の左右に設けられた二か所の固定レバー機構P5410と、扉枠部材P5100の後面側の上部の中央よりも右寄り(右装飾ユニットP6100側)に設けられたラッチ機構P5200とを備えて構成される。
固定レバー機構P5410は、扉枠部材P5100の後面に植設された支持軸と、この支持軸を中心として上方に変位した退避位置と下方に変位した係止位置との間で回動自在に設けられた固定レバーP5420とを備えて構成される。この固定レバーP5420の先端には、ガラスフレームP5300のレバー受部P5240に対して係脱可能な係止部(図示せず)が形成されている。固定レバーP5420が係止位置にある場合は、固定レバーP5420の係止部がガラスフレームP5300のレバー受部P5240に係合する一方で、固定レバーP5420が退避位置にある場合は、固定レバーP5420の係止部とガラスフレームP5300のレバー受部P5420との係合が解除される。なお、図31~図32は、固定レバーP5420が係止位置にある状態を示している。
ラッチ機構P5430は、左右方向にスライド可能に取り付けられたラッチ部材P5431と、このラッチ部材P5431を左方(ラッチ受部P5303側)へ向けて常時付勢するコイルバネとを備えて構成される。ラッチ部材P5431には、前後方向に貫通して左右方向に延びる3か所の案内溝が形成されている。各案内溝には、扉枠部材P5100の後面側に植設されてラッチ部材P5431の左右方向へのスライド移動を案内するための案内突起(図示せず)が挿通されている。
次に、ペアガラスユニットP5200を扉枠部材P5100の後面に取り付けるときの手順について説明する。まず、ペアガラスユニットP5200を扉枠部材P5100に取り付けるには、ペアガラスユニットP5200を扉枠部材P5100の後面側に位置合わせして、このペアガラスユニットP5200の前面全体を扉枠部材P5100の後面側に近づけていく。ペアガラスユニットP5200を扉枠部材P5100の後面側に向けて徐々に接近させていくと、ペアガラスユニットP5200のラッチ受部P5303がラッチヘッド部P5431aの傾斜面P5431bに当接して、この傾斜面P5431bの作用(傾斜案内作用)によってラッチ部材P5431が押圧されて左側限界位置(基準位置)から右方向(ラッチ受部P5303と離間する方向)にスライドする。そのままペアガラスユニットP5200を前方に押し込むと、ラッチ受部P5303とラッチヘッド部P5431aの傾斜面P5431bとの当接が解かれて、ラッチ受部P5303がラッチヘッド部P5431aを前方に乗り越える。ラッチ受部P5303がラッチヘッド部P5431aを乗り越えると、ラッチ部材P5431がコイルバネの付勢力によって左方向(ラッチ受部P5303に接近する方向)にスライド変位して元の左側限界位置(基準位置)に復帰する。ラッチ部材P5431が左側限界位置(基準位置)に戻ると、ラッチヘッド部P5431aの前面と扉枠部材P5100の後面との間にラッチ受部P5303が嵌合して両者に挟み込まれた状態となる。このとき、ラッチ受部P5303はラッチヘッド部P5431aと扉枠部材P5100との間にガタが無い状態(遊びの無い状態)で嵌め込まれる。それにより、ペアガラスユニットP5200の上部(ラッチ受部P5303の周辺)が扉枠部材P5100の上部に倣うようにして固定されることで、扉枠部材P5100の上部が右装飾ユニットP6100の重量によって前方へ傾き加減になっていたとしても、扉枠部材P5100の後面とペアガラスユニットP5200の前面とをほぼ密着させた状態で固定することができる。また、このようにラッチ機構550によりペアガラスユニットP5200を固定すると、ペアガラスユニットP5200が扉枠部材P5100の上部に倣った姿勢に矯正されるため(或いは扉枠部材P5100が本来の垂直姿勢に矯正されるため)、扉枠部材P5100のレバー受部P5420と固定レバーP5420との位置関係が前後方向にずれることがなく(固定レバーP5420を下方の係止位置に回動させたときにレバー受部P5420の側部に干渉してうまく嵌らなくなる不具合が生じることなく)、固定レバーP5420を係止位置に回動させてガラスフレームP5300のレバー受部P5420に確実に係合させることができる。このようにラッチ機構550及び固定レバー機構P5410によって、扉枠部材P5100の窓口P5101とペアガラスユニットP5200のガラス板P5201とが位置整合した状態で扉枠部材P5100の後面にペアガラスユニットP5200が連結固定され、これら扉枠部材P5100とペアガラスユニットP5200との組合せによりガラス枠P5000が構成される。そして、このガラス枠P5000を前枠2に組み付けることで、ガラス枠P5000の窓口P5101(複層ガラスP5201)を通して、遊技機の正面側から遊技盤P5の遊技領域PAを視認可能となる。
次に、ペアガラスユニットP5200を扉枠部材P5100の後面から取り外すときの手順について説明する。まず、ペアガラスユニットP5200を扉枠部材P5100から取り外すには、固定レバーP5420を上方の退避位置に回動させて、固定レバーP5420とガラスフレームP5300のレバー受部P5420との係合を解除する。続いて、ラッチ部材P5431をコイルバネの付勢力に抗して左側限界位置(基準位置)から右方向(ラッチ受部P5303と離間する方向)にスライドさせて、このラッチ部材P5431のラッチヘッド部P5431aとガラスフレームP5300のラッチ受部P5303との係合を解除する。そして、ペアガラスユニットP5200を手で持って後方(手前側)に引けば、扉枠部材P5100からペアガラスユニットP5200を簡単に取り外すことができる。
このように第1実施例によれば、扉枠部材P5100の上部が右装飾ユニットP6100重量によって前方へ傾き加減になったとしても、この扉枠部材P5100に対してペアガラスユニットP5200の上部(ラッチ受部P5303の周辺)を強制的に前方へ押し込むことで、扉枠部材P5100とラッチ部材P5431との間にペアガラスユニットP5200のラッチ受部P5303が遊びの無い状態で嵌め込まれ、ペアガラスユニットP5200全体が扉枠部材P5100の後面に沿って略密着状態で確実に固定されることで(ペアガラスユニットP5200が扉枠部材P5100の後面に倣うようにして固定されることで)、ガラス枠P5000全体の剛性を向上させることができる。それにより、ガラス枠P5000の前面側に右装飾ユニットP6100を取り付けたとしても、このガラス枠P5000に変形や歪みが発生するのを防止することが可能となる。また、扉枠部材P5100の後面側に向けてペアガラスユニットP5200を押し込むだけで、ラッチ部材P5431がペアガラスユニットP5200のラッチ受部P5303に自動的に係合するため、ペアガラスユニットP5200の取り付け作業が簡単且つ安全になる。加えて、ペアガラスユニットP5200がラッチ部材P5431により予め固定されることで、固定レバーP5420をレバー受部P5420に係止または当該係止を解除する際に、一方の手でペアガラスユニットP5200支えながら他方の手で固定レバーP5420を回動操作する必要がなくなり、ペアガラスユニットP5200の取り付け及び取り外しの作業性がより一層向上する。
[右装飾ユニット]
次に、右装飾ユニットP6100について説明する。図34は右装飾ユニットP6100の分解斜視図であり、図35は右装飾ユニットP6100を前方から見た斜視図であり、図36は右装飾ユニットP6100を後方から見た斜視図であり、図37(A)は右装飾ユニットP6100を左側から見た側面図であり、図37(A)は右サイドスピーカ部P6120の斜視図であり、図38(A)は蓋部材P6200の斜視図であり、図38(B)は蓋部材P6200の平面図であり、図39は蓋部材P6200の開放姿勢を説明するための図であり、図40(A)は主に第1デザインシートP6700の収容状態を示す図であり、図40(B)は主に第2デザインシートP6800及び第3デザインシートP6900の収容状態を示す図であり、図40(C)は前方から見た場合の各デザインシートP6700、P6800、P6900の配置を示す図であり、図41は各デザインシートP6700、P6800、P6900の識別記号を説明するための図である。なお、図36では、便宜上、ベースプレートP6300の図示を省略している。また、図40は、理解を容易にするため、実際の収容状態での配置を維持しつつデザインシートP6700、P6800、P6900を抜き出して示す図である。
第1実施例では、前述したように、右装飾ユニットP6100と上装飾ユニットP6200との組合せにより1組の装飾ユニットP6000が構成され、遊技機PCの機種替えの際に、遊技盤P5の交換とともに、この装飾ユニットP6000の全体が交換されたり、この装飾ユニットP6000に収容されたデザインシートP6700、P6800、P6900が交換されたりするものとなっている。
右装飾ユニットP6100は、上部開口P6111(図36参照)及び後部開口P6112(図36参照)を有する箱状の右ユニットケースP6110と、右ユニットケースP6110内に取り付けられるLED収容部材P6116と、右ユニットケースP6110内に取り付けられる右サイドスピーカ部P6120と、右ユニットケースP6110の上部開口P6111を閉鎖する蓋部材P6200と、右ユニットケースP6110の後部開口P6112を閉鎖するベースプレートP6300と、複数枚のデザインシートP6700、P6800、P6900とを備えて構成される。
右ユニットケースP6110は、右側部を形成する外側ケース部材P6112と、左側部を形成する内側ケース部材P6113と、前端部を形成する前側ケース部材P6114と、前側ケース部材に取り付けられる飾り部材とを有して、遊技機の前方及び上方に迫り出す箱形状に形成されている。
外側ケース部材P6112は、所定の装飾が施された外側装飾部材P6112aと、この外側装飾部材P6112aに対して左右方向に所定の隙間をあけて取り付けられる外側仕切り部材P6112bとを有してなり、外側装飾部材P6112aと外側仕切り部材P6112bとの間には第1デザインシートP6700(図40参照)を収容するための第1シート収容部P6112cが形成されている。第1シート収容部P6112cは、後方に開口する狭幅の空洞部(ポケット部)であり、この後方開口を通じて第1デザインシートP6700を着脱可能(交換可能)に構成されている。第1デザインシートP6700は、透光性を有する合成樹脂材料を用いて薄肉のシート状に形成されており、その表面には遊技盤P5の型式(機種)に応じたロゴや絵柄などの装飾が施されている。この第1デザインシートP6700の外形形状は、第1シート収容部P6112cの断面形状(ポケット形状)と略一致している。
外側装飾部材P6112aには、LED収容部材P6116に設けられた光源からの光を拡散する透明樹脂製の外側拡散レンズ部P6112a1と、外方から第1デザインシートP6700を透視可能な透明樹脂製の外側窓部P6112a2とが設けられている。
内側ケース部材P6113は、外側ケース部材P6112と左右方向に対向配置されており、この右側ケース部材P6114との間に、LED収容部材P6116及び右サイドスピーカ部P6120が設けられている。この内側ケース部材P6113の上半部分には、第2デザインシートP6800(図40参照)を収容するための第2シート収容部P6114が形成され、内側ケース部材P6113の下半部分には第3デザインシートP6900(図40参照)を収容するための第3シート収容部P6115が形成されている。第2シート収容部P6114は、後方に開口する狭幅の空洞部(ポケット部)であり、この後方開口を通じて第2デザインシートP6800を着脱可能(交換可能)に構成されている。第2デザインシートP6800は、透光性を有する合成樹脂材料を用いて薄肉のシート状に形成されており、その表面には遊技盤の型式(機種)に応じたロゴや絵柄などの装飾が施されている。この第2デザインシートP6800の外形形状は、第2シート収容部P6114の断面形状(ポケット形状)と略一致している。同様に、第2シート収容部P6115は、上方に開口する狭幅の空洞部(ポケット部)であり、この上方開口を通じて第3デザインシートP6900を着脱可能(交換可能)に構成されている。第3デザインシートP6900は、透光性を有する合成樹脂材料を用いて薄肉のシート状に形成されており、その表面には遊技盤の型式(機種)に応じたロゴや絵柄などの装飾が施されている。この第3デザインシートP6900の外形形状は、第2シート収容部P6115の断面形状(ポケット形状)と略一致している。この第2シート収容部P6114及び第2シート収容部P6115は、内側ケース部材P6113の内部にそれぞれ独立した空洞部として画成されており、それにより第2デザインシートP6800と第3デザインシートP6900とが互いに重なり合うことなく適正な位置にそれぞれ取り付けられるようになっている。
また、左側ケース部材P6117は、その左側部に所定の装飾が施されて形成されており、この左側部には、LED収容部材P6116に設けられた光源からの光を拡散する透明樹脂製の内側拡散レンズ部P6117a(図37参照)と、外方から第2ザインシート282を透視可能な透明樹脂製の内側上窓部P6117b(図37参照)と、外方から第3デザインシートP6900を透視可能な透明樹脂製の内側下窓部P6117c(図37参照)とが設けられている。
前側ケース部材P6113は、外側ケース部材210の前端部と内側ケース部材P6113の前端部との間に設けられており、外側ケース部材210と内側ケース部材P6113との間にLED収容部材P6116及び右サイドスピーカ部P6120を収容するための収容空間部を形成する。この前側ケース部材P6113の下端部には、ガラス枠P5000の前面側に開設された下側支持溝P5060(図50参照)に挿入支持される下側取付突起部P6160が突出形成されている。
LED収容部材P6116は、透明な合成樹脂材料を用いて箱状に形成されており、その内部にはLED基板(図示せず)が収容されている。この不図示のLED基板には、右装飾ユニットP6100を電飾するための発光体として、表面実装型の複数のLEDが備えられている。この発光体(LED)としては、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光可能な発光素子を有するフルカラーLEDが好適に用いられる
後蓋係脱部材P6150は、後述の蓋部材P6200の一対のロック爪P6205と係合可能な一対の被係止部P6118と、一対のロック爪P6205と一対の被係止部P6118との係合を解除するための解除レバーP6151と、一対の被係止部P6118と解除レバーP6151とを一体的に連結する連結片P6152とを備えている。この後蓋係脱部材P6150は、スピーカ保持部材P6305のバネ係止部252aと解除レバーP6151のバネ係止部256aとの間に支承されたコイルバネの弾性力によって左方向(被係止部P6118がロック爪P6205と係合する方向)に常時付勢されている。そのため、一対のロック爪P6205と一対の被係止部P6118とが係合している状態では、解除レバーP6151をコイルバネの付勢力に抗して右方向にスライド操作することで、後蓋係脱部材P6150全体が一体的に右方向にスライド移動して、一対のロック爪P6205と一対の被係止部P6118との係合が解除される。なお、解除レバーP6151は、後方に向けて突出しており、後述のベースプレートP6300のレバー連絡口273に挿通される。なお、詳細後述するが、この解除レバーP6151は、右装飾ユニットP6100がガラス枠P5000の前面に取り付けられた状態においては、該ガラス枠P5000を開放させることで、その後面側から解除操作が可能となっている。
蓋部材P6200は、右ユニットケースP6160の上部開口P6111に対応する形状(略三角形状)を呈しており、この上部開口P6111を開閉可能に構成されている。この蓋部材P6200は、いわゆる二つ折り式の構造であり、前蓋部P6210と、この前蓋部P6210にヒンジ結合する後蓋部P6220とを備えている。
前蓋部P6210の先端には、略J字状に屈曲するヒンジフックP6212が形成されている。このヒンジフックP6212は、右ユニットケースP6110の上端部に設けられたヒンジピン(図示せず)に係合可能に構成されている。それにより、前蓋部P6210が右ユニットケースP6110に対して当該ヒンジ軸回りに上下に揺動可能に連結される。また、前蓋部P6210の略中央部には、該前蓋部P6210を右ユニットケースP6110に固定するための前蓋係止機構P6211が設けられている。
前蓋係止機構P6211は、二つの可動爪P6211aを有する爪形成部材P6211bと、二つの可動爪を係脱操作するための爪操作部P6211cとを備えて構成される。二つの可動爪P6211aは、前蓋部P6210にスライド自在に取り付けられた爪形成部材P6211bに一体的に形成されており、前蓋部P6210の裏面側に所定の間隔をあけて突出配置されている。可動爪P6211aは、側面視において略L字状に屈曲しており、内側ケース部材P6113の内面側に形成された固定片に係合可能に構成されている。爪形成部材P6211bは、前蓋部P6210の長手方向に沿ってスライド可能に取り付けられており、常には不図示のコイルバネの弾性力により可動爪P6211aが固定片と係合する方向に付勢されている。爪操作部P6211cは、爪形成部材P6211bの上面側において凸状に形成されており、前蓋部P6210の中央に凹設された長溝内に受容されている。この爪操作部P6211cを長溝の延在方向に沿って所定方向に操作すると、爪形成部材P6211bが該所定方向にスライド変位して可動爪P6211aと固定片とが係合する。一方、爪操作部P6211cを長溝の延在方向に沿って所定方向と反対の方向に操作すると、爪形成部材P6211bが該反対の方向にスライド変位して可動爪P6211aと固定片との係合が解除される。
後蓋部P6220は、前蓋部P6210の後側の端部に丁番P6201を介して一体的に連結されており、この前蓋部P6210に対して上下に揺動可能(回動可能)に構成されている。後蓋部P6220の裏面側の端部には、左右の延びる固定板金P6221(図36参照)がビス止めされている。この固定板金P6221には、鉤状に形成された左右一対のロック爪P6221aが突出形成されている。この一対のロック爪P6221aは、前述したように、スピーカ保持部材P6305に設けられた一対の被係止部と係合可能に構成されている。
ベースプレートP6300は、金属平板を打ち抜き及び曲げ加工して略L字形状に形成されており、右ユニットケースP6110の後部開口P6112を閉鎖するように取り付けられる。ベースプレートP6300の後面側には、ガラス枠P5000の前面側に形成された上側フック受溝P5001(図32参照)に係合する上側フック部P6301(図16参照)が後方に突出形成されている。ベースプレートP6300の上部の右端側には、上側フック部P6301を上側フック受溝P5001から抜脱する方向へ変位させて上側フック部P6301(と上側フック受溝P5001との係合を解除する右ユニット取り外しレバーP6302(図34参照)が前方に突出して設けられている。この右ユニット取り外しレバーP6302は、スピーカ保持部材P6305の上部の左端側に形成された操作カバー部P6304に覆われており、この操作カバー部P6304に形成された不図示の開口部を通じて該右ユニット取り外しレバーP6302を外部から操作可能となっている。なお、この操作カバー部P6304(右ユニット取り外しレバーP6302)は、装飾ユニットP6000がガラス枠P5000の前面に取り付けられた状態では、上装飾ユニットP6200によって前面側から隠蔽されている(外部からの操作が規制されている)。
また、ベースプレートP6300には、上側フック部P6301のほぼ真横の位置に、該ベースプレートP6300の前側に配置されたスピーカ保持部材P6305の解除レバーP6306を挿通させるためのレバー連絡口P6307(図34参照)が開設されている。それにより、右ユニットケースP6110の後部開口P6112をベースプレートP6300により閉鎖した状態でも、解除レバーP6151がレバー連絡口273を介してベースプレートP6300から後方に突出することとなる。これに対して、ガラス枠P5000の右上部には、このレバー連絡口P6307(解除レバーP6151)と対応する位置に略矩形状のレバー連絡口P6307(図30~図33参照)が前後方向に貫通形成されている。そのため、右装飾ユニットP6100がガラス枠P5000の前面側に取り付けられると、ベースプレートP6300のレバー連絡口273とガラス枠P5000のレバー連絡口P6307とが位置整合するため(前後に連通するため)、このガラス枠P5000の後面側においてレバー連絡口P6307から解除レバーが臨んだ状態(視認可能且つアクセス可能な状態)となる。そのため、右装飾ユニットP6100がガラス枠P5000の前面側に取り付けられた状態において、右ユニットケースP6110に対して蓋部材P6200を上方に開放させるには、ガラス枠P5000を前枠2に対して開放させた後、このガラス枠P5000の後面側からレバー連絡口P6307を通じて解除レバーP6151を操作することで、蓋部材P6200のロック爪P6205とスピーカ保持部材P6305の被係止部P6118との係合を解除して、蓋部材P6200を開放させることが可能となる。
デザインシートP6700、P6800、P6900は、前述したとおり、遊技機PCの機種に関連した装飾表示が施された透光性のフィルム部材である。各デザインシートP6700、P6800、P6900の表面には、それぞれ固有の識別記号が印刷されている。この識別記号は、デザインシート同士を識別するための記号であり、例えば、文字、数字、又はこれらの組み合わせからなる。これは盤面交換(盤面替え)を実施する際に、遊技盤P5とデザインシートP6700、P6800、P6900とを一組セットとして、あるいは、遊技盤P5と右装飾ユニットP6100全体(デザインシートP6700、P6800、P6900を含む)とを一組セットとして、遊技機メーカから各遊技店へ出荷する際に、誤った機種のデザインシートを発送しないように機種毎に識別管理するためである。
識別記号は、図41に示すように、盤面記号と、シート記号と、ユニット記号との組合せにより構成されており、デザインシート1枚ごとに異なる識別記号(文字、数字)が付与される。ここで、盤面記号は、遊技盤P5の機種(型式)に応じて付与される記号である。シート記号は、デザインシートP6700、P6800、P6900の種類(形状、絵柄、色彩など)に応じて付与される記号である。ユニット記号は、装飾ユニットP6000(200,300)の種類に応じて付与される記号である。第1実施例では、遊技盤10の盤面記号として「PM04」、第1デザインシートP6700のシート番号として「DY01」、第2デザインシートP6800のシート記号として「DY02」、第3デザインシートP6900のシート記号として「DY03」、装飾ユニットP6000(200,300)のユニット記号として「A」が付与されている。
第1実施例では、これらの盤面記号とシート記号とユニット記号との組合せに基づき、第1デザインシートP6700には「PM04-DY01-A」という識別記号が付与され、第2デザインシートP6800には「PM04-DY02-A」という識別記号が付与され、第3デザインシートP6900には「PM04-DY03-A」という識別記号が付与される。なお、上装飾ユニットP6200には、第4デザインシート(図示せず)が収容されており、この不図示の第4デザインシートには「PM04-DY04-A」という識別記号が付与されている(シート番号は「DY04」である)。このように各デザインシートP6700、P6800、P6900の識別記号は、遊技盤P5の機種(型式)と装飾ユニットP6000の種類とに紐付けられている。
なお、第1実施例の変形例として、各デザインシートP6700、P6800、P6900に識別記号を印刷する代わりに、各デザインシートP6700、P6800、P6900の識別情報として、バーコード(QRコード(登録商標)など)を印刷したり、ICタグ(ICチップ)を貼り付けたりしてもよい。
次に、右装飾ユニットP6100をガラス枠P5000に取り付ける手順について説明する。まず、右装飾ユニットP6100をガラス枠P5000に取り付けるには、右装飾ユニットP6100をガラス枠P5000の前面右側に位置合わせして、右装飾ユニットP6100の下側取付突起部P6160をガラス枠P5000の下側支持溝P5060に斜め上方から挿入して、この下側取付突起部P6160を支点(揺動中心)として右装飾ユニットP6100の上部をガラス枠P5000の前面側に向けて揺動させる。このように右装飾ユニットP6100を揺動させると、右装飾ユニットP6100の上側フック部P6301がガラス枠P5000の上側フック受溝P5001に係止されることで、右装飾ユニットP6100がガラス枠P5000の前面右側に着脱規制された状態で取り付けられる。なお、このように右装飾ユニットP6100をガラス枠P5000に取り付けた後、上装飾ユニットP6200をガラス枠P5000の前面側に取り付け、ガラス枠P5000の後面側から作業者の手で締め付けたり緩めたりすることのできるユリアネジ等の固定ネジP5005(図32を参照)を用いて上装飾ユニットP6200を固定することで、ガラス枠P5000の前面上部に装飾ユニットP6000全体が組付けられる。
次に、右装飾ユニットP6100のデザインシートP6700、P6800、P6900を交換する手順について説明する。まず、右装飾ユニットP6100からデザインシートP6700、P6800、P6900を取り出すには、ガラス枠P5000を前枠2に対して開放する。ガラス枠P5000を前方に開放すると、ガラス枠P5000の後面側からレバー連絡口P6307を通じて解除レバーP6151が露出した状態となり、この解除レバーP6151に対してアクセスが可能となる(図32参照)。続いて、ガラス枠P5000の後面側からレバー連絡口P6307を通して解除レバーP6151を操作し、蓋部材P6200のロック爪P6205と右ユニットケースP6110の被係止部P6118との係合を解除することで、後蓋部P6220が前蓋部P6210に対して丁番P6201を支点に上下方向に揺動可能な状態(後蓋部P6220を開閉可能な状態)となる。次いで、前蓋部P6210の爪操作部P6211cを操作して、前蓋部P6210の可動爪P6211aとユニットケースP6160の固定片P6161との係合を解除することで、前蓋部P6210がユニットケースP6160に対してヒンジ軸(ヒンジフックP6210)を支点に上下方向に揺動可能な状態(前蓋部P6210を開閉可能な状態)となる。このように蓋部材P6200(前蓋部P6210、後蓋部P6220)に対して二段階の解除操作を行うことにより、蓋部材P6200全体をユニットケースP6160に対して上方に揺動させて、ユニットケースP6160の上部開口P6111を開放させることができる。このとき、図39に示すように、蓋部材P6200が二つ折り式の構造を有していることにより、前蓋部P6210に対して後蓋部P6220を丁番P6201を支点として相対的に揺動変位させて、蓋部材P6200全体を所望の折り畳み姿勢で開放させることができるため(蓋部材P6200全体の揺動半径を変化させることができるため)、蓋部材P6200を開放させるために要するスペースを小さくすることができる。そのため、蓋部材P6200の開放時(デザインシートP6700、P6800、P6900の交換時)に、この蓋部材P6200がガラス枠P5000や島設備に衝突して開放できなくなったり破損したりする不具合を確実に防止することが可能となる。そして、このように蓋部材P6200を上方に開放させることで、ユニットケースP6160の上部開口P6111が開放され、ユニットケースP6160の各シート収容部P6112c,P6114,P6115から各デザインシートP6700、P6800、P6900を抜き出すことができる。このようにユニットケースP6160からデザインシートP6700、P6800、P6900を取り出した後、新しいデザインシートを各シート収容部P6112c,P6114,P6115に挿入することで、新しいデザインシートが各シート収容部P6112c,P6114,P6115に収容され、ユニットケースP6160の外側窓部211b、内側上窓部220b及び内側下窓部220cを通して、この新しいデザインシートが外部からでもそれぞれ視認可能となる。このようにデザインシートP6700、P6800、P6900を交換した後、蓋部材P6200を下方に揺動させて、蓋部材P6200のロック爪P6205と右ユニットケースP6110の被係止部P6118とを再び係合させることで、蓋部材P6200が右ユニットケースP6110の上部開口P6111を閉鎖した状態で連結固定される。
なお、右ユニットケースP6110と蓋部材P6200とのロック機構として、蓋部材P6200の後端部にロック爪P6205を設けただけでなく、蓋部材P6200の中央部にも可動爪P6211aを設けた理由としては、この蓋部材P6200を前蓋部P6210及び後蓋部P6220からなる二つ折り式の構造とした場合、蓋部材P6200の前端部(ヒンジフックP6210)と後端部(ロック爪P6205)のみをユニットケースP6160に連結しただけでは(前後両端による二点支持だけでは)、蓋部材P6200の丁番P6201の作用によって、蓋部材P6200の前端部及び後端部を支点として蓋部材P6200の中間部(丁番P6201の部分)を上方に持ち上げることができてしまい、その持ち上げた部分に生じる隙間を通じてピアノ線や針金等の不正具を挿入して不正行為が行われるおそれがあるからである。そのため、第1実施例では、蓋部材P6200の中間部にも可動爪P6211aによるロック機構を設けて、蓋部材P6200の前端部、中央部、後端部の三点支持の構造により、蓋部材P6200の揺動開放を確実に規制している。
次に、右装飾ユニットP6100をガラス枠P5000から取り外す手順について説明する。まず、右装飾ユニットP6100をガラス枠P5000から取り外すには、ガラス枠P5000を前枠P2000に対して開放させる。続いて、ガラス枠P5000の後面側から所定の解除操作を行い、上装飾ユニットP6200をガラス枠P5000の前面から取り外す。上装飾ユニットP6200をガラス枠P5000から取り外すと、右装飾ユニットP6100に設けられた右ユニット取り外しレバーP6302が露出されてアクセスが可能となる。次いで、この右ユニット取り外しレバーP6302を操作して、上側フック部P6301とガラス枠P5000の上側フック受溝P5001との係合を解除する。それにより、右装飾ユニットP6100とガラス枠P5000とのロック状態が解除される。そして、右装飾ユニットP6100の上部を前方に向けて揺動(傾倒)させ、この右装飾ユニットP6100の下端に設けられた下側取付突起部P6160をガラス枠P5000の下側支持溝P5060から抜脱する。これにより、右装飾ユニットP6100をガラス枠P5000の前面側から取り外すことができる。
このように第1実施例によれば、蓋部材P6200を丁番P6201により繋ぐツーピース構造(二つ折り式の構造)にして、デザインシートP6700、P6800、P6900の交換時などに蓋部材P6200を所望の姿勢に折り畳みながら開閉できるようにしたことで、蓋部材P6200の開閉に要するスペースを小さくすることができるため、蓋部材P6200を開閉する際にガラス枠P5000や島設備などの構造物に衝突して破損する事態を防止することが可能となる。また、複数のデザインシートP6700、P6800、P6900に、遊技盤P5の機種(型式)や装飾ユニットP6000の種類、その収容位置などに応じた固有の識別記号を付与して個々に識別できるようにしたことで、間違った機種(型式)のデザインシートP6700、P6800、P6900を出荷したり、装飾ユニットP6000内に異なる機種(型式)のデザインシートP6700、P6800、P6900が混在したりすることがなく、デザインシートP6700、P6800、P6900の交換や管理を容易に行うことが可能となる。さらに、例えば同一のモチーフ(キャラクターやタイトル)を使用しているが大当たりの確率が異なる機種(スペック違いの機種)を製造する場合、複数のデザインシートの一方は共通使用し、他方はデザイン変更することで、デザインシートの開発工数や製造コストを低減することできる(機種ごとに一からすべてのデザインシートの版下を製作しなくて済むようになる)。その一例としては、本機種とスペック違いの機種(いわゆるシリーズ機)を製造する場合、第1デザインシートP6700及び第2デザインシートP6800は共通使用し、第3デザインシートP6900のみを新たなデザインシートに交換するようにしてもよい。なお、スペック違いの機種(シリーズ機)の場合には、上記の盤面記号を同一としてもよく、また、盤面記号を異なるものとしてもよい。また、スペック違いの機種(シリーズ機)の場合に、上記の盤面記号を関連性のある記号としてもよく、例えば、スペック違いの複数機種において「PM04」を共通記号として、そのスペックに応じて「A」、「B」、「C」などの個別の記号を付与してもよい(シリーズ機の盤面記号として「PM04A」、「PM04B」、「PM04C」を機種ごとに設定してもよい)。また、デザインシートP6700、P6800、P6900の配置に応じて上記のシート番号を設定してもよく、例えば、右装飾ユニットP6100の外側(右側面)に配置されるデザインシートには「DY1」、右装飾ユニットP6100の内側上部(左側面上部)に配置されるデザインシートには「DY2」、右装飾ユニットP6100の内側下部(左側面下部)に配置されるデザインシートには「DY3」を割り当てることで、各デザインシートの配置を分かり易くしてよい。
[ガラス枠の不正防止構造]
次に、ガラス枠P5000の不正防止構造について、上記の図30、図31、図32等に加えて、図55を参照しながら説明する。なお、図55は第2不正防止リブP5350と補強板金P5060との位置関係を示す図である。
ガラス枠P5000の後面側には、遊技機内部への針金やピアノ線等の不正具の侵入を防止する不正防止構造が備えられている。この不正防止構造は、扉枠部材P5100の背面側の上部に形成された第1不正防止リブP5070と、ガラスフレームP5300の右縁部に沿って形成された第2不正防止リブP5350とを備えて構成されている。
第1不正防止リブP5070は、扉枠部材P5100の後面側の右上部に後方に向けて突出された略矩形の枠状に形成されており、この扉枠部材P5100の右上部に貫通されたレバー連絡口P6307の開口端の周縁を囲むように配置されている。つまり、第1不正防止リブP5070は、扉枠部材P5100の後面側においてレバー連絡口P6307の周囲を包囲する周壁部となっている。なお、レバー連絡口P6307には、前述したとおり、右装飾ユニットP6100の後面側に突出して設けられた解除レバーP6151が挿通されており、ガラス枠P5000を開放させた状態において第1不正防止リブP5070の内側からレバー連絡口P6307を通じて解除レバーP6151を操作することが可能となっている。この第1不正防止リブP5070は、扉枠部材P5100の後面から所定の突出量を有して前枠2の前面側に向けて突出しており、ガラス枠P5000が前枠2に対して閉鎖された状態においては前枠2の前面と近接するようになっている。なお、この第1不正防止リブP5070の後端部と前枠2の前面部との隙間は、出来る限り小さいことが好ましいのは言うまでもない(すなわち、両者が互いに当接する構成でもよい)。
第2不正防止リブP5350は、ガラスフレームP5300の右縁部に沿って上下に延びて連続的に形成されている。この第2不正防止リブP5350は、ガラスフレームP5300の右縁部(右辺部)から右方外方に向けて突出形成されており、その前面側には扉枠部材P5100に固定された補強板金P5060が前後方向に対向配置されている。補強板金P5060は、扉枠部材P5100の後面側の右端部(開放端部)に沿って取り付けられており、扉枠部材P5100の強度を補強するとともに施錠装置P4000の一部(鍵の受け側)を成している。この補強板金P5060は、扉枠部材P5100の後面部にビス等で締着される帯板状の背面板金部P5061と、この背面板金部P5061の左端部から後方に向けてL字状に折り曲げ形成された帯板状の側面板金部P5062とを有してなる。側面板金部P5062の上下には、右方外方に向けて延出する円柱状の扉施錠受具P5063が取り付けられている。この扉施錠受具P5063には、施錠装置に設けられた扉施錠フックP4001(図24を参照)が係脱可能に構成されている。側面板金部P5062の先端面(後方側の端面)には、該側面板金部P5062の板幅方向(前後方向)に切り欠かれた(逃げ加工が施された)切り欠き部P5062aが形成されており、この切り欠き部P5062aに第2不正防止リブP5350の前面側が当接(又は極僅かな隙間で近接)するようになっている。また、この第2不正防止リブP5350は、側面板金部P5062(切り欠き部P5062a)よりも右側(ガラス枠P5000の開放端側)に突出しており、第2不正防止リブP5350と側面板金部P5062(切り欠き部P5062a)は前後方向から見て互いに重なり合っている(オーバーラップしている)。
続いて、ガラス枠P5000の不正防止構造の作用について説明する。なお、第1実施例の遊技機PCでは、ガラス枠P5000の前面側の右上部に右装飾ユニットP6100という重量物を備えているため、その重みによってガラス枠P5000の右上部(ガラス枠P5000の開放端側の上部)が前方に傾き加減になることで、このガラス枠P5000の右上部に配置した各構成部品の接続部分や繋ぎ目などに意図しない隙間が生じる可能性がある。そのため、ガラス枠P5000の前面側の右上部に右装飾ユニットP6100を取り付けたことによる弊害を解消すべく、ガラス枠P5000の右上部には厳重な不正防止策(二つの不正防止リブP5070,P5350による不正防止策)が施されている。
まず、右装飾ユニットP6100の後面とガラス枠P5000の前面との間に生じる僅かな隙間、あるいは、右装飾ユニットP6100の右ユニットケースP6110と蓋部材P6200との間に生じる僅かな隙間から針金やピアノ線等の不正具を差し込んで、該不正具を遊技機PCの内部に向けてガラス枠P5000のレバー連絡口P6307に挿入させた場合、このレバー挿入口P5006の開口端の全周を包囲するように第1不正防止リブP5070が形成されているため、この第1不正防止リブP5070の存在によって不正具をそれ以上侵入させることができず、遊技盤P5の遊技領域PA内に対して不正アクセスができなくなる。
一方、ガラス枠P5000の窓部5aの隙間(扉枠部材P5100の窓口P5101とペアガラスユニットP5200のガラス板P5201との隙間)から針金やピアノ線等の不正具を差し込んだ場合には、ガラスフレームP5300の右端縁に沿って形成された第2不正防止リブP5350がガラス枠P5000の開放端側(施錠装置P4000側)に向けて延出しているため、施錠装置P4000に向けて不正具を挿入しても第2不正防止リブP5350に突き当たりってそれ以上侵入させることができず、施錠装置P4000を不正に操作してガラス枠P5000を開放させる不正行為を防止することができる。特に、第1実施例では、補強板金P5060の切り欠き部P5062aに第2不正防止リブP5350が当接し、且つ、この第2不正防止リブP5350が補強板金P5350の側面板金部P5062よりも開放端側に突出しているため、施錠装置P4000へ向かう不正具の侵入経路を絶つことができ、それにより不正防止効果を一層高めることができる。
このように第1実施例によれば、ガラス枠P5000の前面右上部に重量物の右装飾ユニットP6100を取り付けることで生じ得る当該ガラス枠P5000の右上部の脆弱な部分(隙間)から不正具が差し込まれたとしても、その脆弱部分となる隙間からの侵入経路上(解除レバーP6151周りの開口端部、ペアガラスユニットP5200の右縁部)に不正防止リブP5070,P5350が設けられていることで、不正具のそれ以上の侵入を不正防止リブP5070,P5350で喰い止めることができるため、遊技盤P5(遊技領域PA)や施錠装置P4000に対して行われる不正な操作(不正行為)を効果的に防止することが可能となる。
[遊技済み球排出機構]
次に、遊技済み球排出機構P8100について説明する。図42は遊技済み球排出機構P8100を前方から見た分解斜視図であり、図43は遊技済み球排出機構P8100を後方から見た分解斜視図であり、図44はセンサカセットP8200を前方から見た分解斜視図であり、図45はセンサカセットP8200を後方から見た分解斜視図である。
遊技済み球排出機構P8100は、遊技領域PAの各種入賞口に入球またはアウト口P790に流入して遊技盤P5の後面側から下方へ流下した遊技球(遊技済み球)を機外へ排出するための遊技済み球排出通路P8300が形成された通路形成部材P8310を主体に構成されている。
通路形成部材P8310は、遊技補助盤P8000の後面側に取り付けられる第1通路形成部材P8311と、この第1通路形成部材P8311の後面側に取り付けられる第2通路形成部材P8312と、第2通路形成部材P8312の前面側に着脱自在に取り付けられるセンサカセットP8200とを備えて構成される。なお、第2通路形成部材P8312の後面側には、当該第2通路形成部材P8312との間で球抜き通路等を形成する通路カバー部材P8313が着脱可能に取り付けられる。また、センサカセットP8200は、遊技済み球排出通路P8300の一部の通路(後述の排出通路P8370)を形成するとともに、この遊技済み球排出通路P8300を流下する遊技球(遊技済み球)を検出する遊技済み球検出スイッチP8380が備えられている。
遊技済み球排出通路P8300は、幅広通路P8304、第1前側通路P8320、第2前側通路P8330、連絡通路P8340、後側通路P8350、蛇行通路P8360及び排出通路P8370を有して構成される。
幅広通路P8304は、第1通路形成部材P8311の左側上端部に形成されており、遊技盤P5の後面と、第2通路形成部材P8312に形成された左後側通路壁部P8312aとの間で、前後を仕切られている。幅広通路P8304は、前後方向に遊技球約2個分の通路幅を有して、左側から右側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、遊技盤P5の後面側からこの幅広通路P8304に落下した遊技球は、その右方に設けられた第1前側通路P8320へ向けて流下するようになっている。
第1前側通路P8320は、幅広通路P8304の右端部の後列側に連続的に繋がって形成されている。この第1前側通路P8320は、第1通路形成部材P8311の中央上端部に形成されており、第1通路形成部材P8311の右側上部に形成された前側通路壁部P8311aと、第2通路形成部材P8312の左後側通路壁部P8312aとの間で、前後を仕切られている。第1前側通路P8320は、前後方向に遊技球約1個分の通路幅を有して、左側から右側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、第1前側通路P8320に達した遊技球は、その右方に設けられた連絡通路P8340へ向けて流下するようになっている。
第2前側通路P8330は、連絡通路P8340の右端部に連続的に繋がって形成されている。この第2前側通路P8330は、第1通路形成部材P8311の右側上端部に形成されており、第1通路形成部材P8311の前側通路壁部P8311aに前方を仕切られている。第2前側通路P8330は、前後方向に遊技球約1個分の通路幅を有して、右側から左側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、第2前側通路P8330に達した遊技球は、その左方に設けられた連絡通路P8340へ向けて流下するようになっている。
連絡通路P8340は、第1前側通路P8320の右端部及び第2前側通路P8330の左端部に連続的に繋がって形成されている。この連絡通路P8340は、第1通路形成部材P8311の中央上端部に形成されており、第1通路形成部材P8311の前側通路壁部P8311aに前方を仕切られて、その後方には後側通路部655が臨んでいる。連絡通路P8340は、前後方向に遊技球約1個分の通路幅を有して、左右には略水平に延びて後方に向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、連絡通路P8340に達した遊技球は、その後方に設けられた後側通路P8350へ向けて流下するようになっている。
後側通路P8350は、上記一列の通路の後方側において、これらの通路よりも低い高さ位置で左右に延びて形成されている。この後側通路P8350は、第2通路形成部材P8312の前面側に形成されており、第2通路形成部材P8312の右後側通路壁部P8312aに後方を仕切られている。後側通路P8350は、前後方向に遊技球約1個分の通路幅を有して、右側から左側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、後側通路P8350に達した遊技球は、その左方に設けられた蛇行通路P8360へ向けて流下するようになっている。
蛇行通路P8360は、後側通路P8350の左端部に連続的に繋がって形成されている。この蛇行通路P8360は、第1通路形成部材P8311と第2通路形成部材P8312との間に跨って、前方へ下り傾斜する前傾斜面と後方へ下り傾斜する後傾斜面とが折り返し部を介して連続した蛇行状に形成されている。つまり、この蛇行通路P8360は、右側から左側へ流下する遊技球を前後方向に惰行させる通路である。この蛇行通路P8360の上流部と後側通路P8350の下流部との間に形成される中間通路部P8351には、帯板状のP8390が取り付けられている。この静電気除去板金P8390は、例えばステンレスのばね鋼などの金属製であり、薄肉の金属平板を打ち抜き加工及び曲げ加工して、所望の形状に形成されている。静電気除去板金P8390の下部には、第2通路形成部材P8312にネジ止めされる取付板部P8391が形成されている。この静電気除去板金P8390の上面は、後側通路P8350の下流部から蛇行通路P8360の上流部までの通路面を形成しており、この通路面を流下する遊技球に接触して当該遊技球に帯電した静電気を除去する。なお、この静電気除去板金P8390は、アース線などを介して施錠装置P4000のアース板(図示せず)に接続されている。蛇行通路P8360の下流端に達した遊技球は、その下方に設けられた排出通路P8370に流下するようになっている。
排出通路P8370は、蛇行通路P8360の左側670後端部に連続的に繋がって形成されている。この排出通路P8370は、第2通路形成部材P8312に着脱されるセンサカセットP8200の内部に形成されている。なお、このセンサカセットP8200の詳細については後述する。排出通路P8370は、前後方向に遊技球約1個分の通路幅を有して、左側から右側へ向けて下り傾斜するように形成されている。この排出通路P8370の入口部には、該排出通路P8370を流下する遊技球(遊技済み球)を検出する遊技済み球検出スイッチ(遊技済み球検出センサ)P8380が配設されている。この遊技済み球検出スイッチP8380の詳細については後述する。
排出通路P8370の末端部には、下方に開口する遊技球排出口P8390が形成されている。そのため、排出通路P8370を流下する遊技球は、その下流端の遊技球排出口P8390から機外(遊技機の外部)へ排出され、最終的には遊技島(遊技ホール施設)に回収される。
続いて、センサカセットP8200の構成について説明する。なお、図43では、説明の便宜上、センサカセットP8200が第1通路形成部材P8311側に配置されているが、実際には、図42に示すように、センサカセットP8200は第2通路形成部材P8312側に取り付けられている。
センサカセットP8200は、正面視L字型を呈する箱状のセンサケースP8210と、このセンサケースP8210内に保持される遊技済み球検出スイッチP8380とを備えて構成されている。このセンサカセットP8200は、第2通路形成部材P8312の前面の下部中央に形成されたカセット収容部P8220に着脱可能に取り付けられる。このカセット収容部P8220は、前方および下方に開口しており、その右上部には前方開口の一部を閉鎖して該カセット収容部P8220に装着されたセンサカセットP8200の前後移動を規制する仕切り壁P8221が鉛直面内に延びて形成されている。そのため、センサカセットP8200は、このカセット収容部P8220に対して上下方向にのみ着脱可能になっている。つまり、センサカセットP8200は、カセット収容部P8220の仕切り壁P8221の存在により前後方向の着脱が規制されている。
センサケースP8210とは、前面ケースP8211と後面ケースP8212とから構成されており、この前面ケースP8211と後面ケースP8212との間には上述の排出通路P8370が画成されている。このセンサケースP8210の上端部には遊技球(遊技済み球)を導入するための遊技球導入口P8213が上下方向に開口され、センサケースP8210の下端部には遊技球(遊技済み球)を排出するための前述の遊技球排出口P8390が上下方向に開口されている。センサケースP8210の遊技球導入口P8213の直下には、前面ケースP8211の後面と後面ケースP8212の前面との間に跨って遊技済み球検出スイッチP8380を装着するためのセンサ保持溝P8214が凹設されている。
前面ケースP8211は、透明性を有する合成樹脂材料を用いて後方に開口する略箱状に形成されている。前面ケースP8211の下部には、下方に突出する舌片部P8211aが形成されており、この舌片部P8211aには該センサケースP8210を第2通路形成部材P8312に固定するためのネジを挿通させるネジ挿通孔P8211bが貫通されている。また、前面ケースP8211の外周壁部には、前後方向に延びる複数の段差溝P8211cが凹設されており、この段差溝P8211cの溝底面には楔状の外周突起部P8211dが形成されている。
後面ケースP8212は、導電性を有する材料を用いて前方に開口する略箱状に形成されている。なお、導電性を有する材料としては、例えば、カーボンファイバ(炭素繊維)の混入された導電性の樹脂材料や、導電性の金メッキ処理等を施した材料などが好適に用いられる。このように二分割式のセンサケースP8210のうちの一方(後面ケースP8212)に導電性を持たせることで、前面ケースP8211と後面ケースP8212との間に形成される排出通路P8370を流下する遊技球(遊技済み球)に帯電した静電気を効果的に除去することができる。なお、カセット収容部P8220の前壁には、金属平板状の導電板P8392が固着されており、センサカセットP8200がカセット収容部P8220に取り付けられた状態において後面ケースP8212と導電板P8392とが前後に当接し、後面ケースP8212から導電板P8392に静電気が放出されるようになっている。なお、この導電板P8392は、上記の静電気除去板金P8390と同様に、施錠装置P4000のアース板(図示せず)に接続されている。
また、後面ケースP8212の外周壁部には、前面ケースP8211に形成された複数の段差溝P8211cと対応する位置に、前方に突出する略環状の外周係止部P8212aがそれぞれ形成されている。この外周係止部P8212aは、前面ケースP8211の段差溝P8211cに対して前後方向に嵌挿され、さらには該段差溝681cの溝底面に形成された外周突起部681dと係合可能になっている。つまり、前面ケースP8211と後面ケースP8212とを前後方向に重ね合わせて、外周係止部P8212aと外周突起部P8211dとを係合させることで、前面ケースP8211と後面ケースP8212とが連結され、一体化されたセンサケースP8210が組み立てられる。
遊技済み球検出スイッチP8380は、遊技球(遊技済み球)の通過を検出する通過型センサ(例えば電磁誘導型の近接センサ)であり、遊技済み排出通路650を流下する遊技球(遊技済み球)の実数をカウントする。この遊技済み球検出スイッチP8380は、遊技球(遊技済み球)が検出口を通過すると、この検出口の周囲に配置された不図示のコイルのインピーダンスが変化することにより、金属物体である遊技球(遊技済み球)が通過したことを検出する。この遊技済み球検出スイッチP8380は、前面ケースP8211の後面と後面ケースP8212の前面との間に跨って形成されたセンサ保持溝686に嵌め込まれることでセンサケースP8210に取り付けられている。この遊技済み球検出スイッチP8380の検出口は、センサケースP8210のセンサケースP8210と上下方向に対向するように配置されており、センサケースP8210からセンサケースP8210の内部(排出通路P8370)に導入された遊技球(遊技済み球)が遊技済み球検出スイッチP8380の検出口を通過するようになっている。
かかる構成のセンサカセットP8200を第2通路形成部材P8312に取り付けるには、センサカセットP8200のセンサケースP8210を真上に向けた姿勢にして、該センサカセットP8200を第2通路形成部材P8312の下方からカセット収容部P8220内に嵌め込む。続いて、不図示のネジをセンサカセットP8200のネジ挿通孔8211bに挿入して、これを第2通路形成部材P8312のネジ孔(図示せず)に螺着させることで、センサカセットP8200が第2通路形成部材P8312のカセット収容部P8220内に取り付けられる。センサカセットP8200がカセット収容部P8220に取り付けられると、センサカセット630のセンサケースP8210と蛇行通路P8360の下流端とが上下方向に位置整合し、蛇行通路P8360の下流端に達した遊技球(遊技済み球)がセンサカセットP8200のセンサケースP8210を介して排出通路P8370に流下するようなっている。
一方、センサカセットP8200を第2通路形成部材P8312から取り外すには、不図示のネジを第2通路形成部材P8312のネジ孔(図示せず)から外して、カセット収容部P8220からセンサカセットP8200を下方に向けて引く抜くことで、センサカセットP8200が第2通路形成部材P8312から取り外される。このとき、カセット収容部P8220に対するセンサカセットP8200の取り外し方向は下方向となるため、遊技済み球検出スイッチP8380の検出口の近傍で遊技球の球詰まりが発生したとしても、その検出口に対する遊技球の通過方向(下方向)とセンサカセットP8200の脱着方向(下方向)とが一致するため、この遊技球の通過方向(流下方向)に沿ってセンサカセットP8200を簡単に取り外すことができる。つまり、従来のように、検出センサ(通過型センサ)を水平方向に取り外す構成を採用した場合には、遊技球の流下方向(下方向)と検出センサの脱着方向(水平方向)とが直交するため、検出センサの検出口付近で球詰まりが生じているときに該検出センサを無理やり取り外そうとすると、この球詰まりした遊技球を検出センサと通路壁部との間に挟み込んでしまい、いわゆる球嚙みが生じてしまうという不具合があったが、第1実施例では、カセット収容部P8220の仕切り壁P8221の存在によって遊技済み球検出スイッチP8380を水平方向(前方向)に取り外すことが規制されており、センサカセットP8200の取り外しの際に球嚙みが発生する不具合を未然に防止している。
また、遊技済み球検出センサP8380の手前に蛇行通路P8360を設けたことで、この蛇行経路656を流下する過程で遊技球の流下速度は減速され、その下流側の遊技済み球検出センサP8380を通過するときには遊技球の勢い(流下速度)は十分に抑制されているため、遊技済み球検出スイッチP8380の検出部分の摩耗やチャタリングが発生することによる誤検出(検出不良)を防止して、遊技済み球検出センサP8380による遊技球の検出精度を安定化させることが可能となる。
それに加えて、静電気除去板金P8390の下流側の通路面を蛇行通路P8360の一部として形成したことで、この蛇行通路P8360を流下する際に遊技球の一時停留が発生し、それに応じて後続の遊技球が静電気除去板金P8390の上面を流下する時間が長くなるため(つまり、遊技球と静電気除去板金P8390との接触時間が長くなるため)、遊技球に帯電する静電気をより一層確実に外部に逃がすことが可能となる。また、蛇行通路P8360に静電気除去板金を設けると静電気除去板金の形状が複雑になってしまうが、蛇行通路P8360よりも上流側に静電気除去板金を設ける場合には静電気除去板金の形状を簡素化することができる(静電気除去板金の製造や取り付けが簡単になる)。
このように第1実施例によれば、遊技済み球検出スイッチP8380を通過するときの遊技球の流下方向(下方向)とセンサカセットP8200の脱着方向(下方向)とが同一の方向となるため、遊技済み球検出スイッチP8380の検出口近傍で遊技球の球詰まりが発生したとしても、第2通路形成部材P8312からセンサカセットP8200(遊技済み球検出スイッチP8380)を球嚙みさせることなく簡単に取り外すことができ、遊技機PCのメンテナンス性を向上させることが可能となる。
[演出操作ユニット]
次に、演出操作ユニットP9000について説明する。図46は演出操作ユニットP9000の分解斜視図であり、図47はレバー役物P9010の回転機構を説明する図であり、図48は演出レバーP9001の側面図であり、図49は演出操作ユニットP9000の電気的な構成を示すブロック図であり、図50はガラス枠P5000の下フレームP5600を示す正面図であり、図51は下フレームP5600の台座部P5800を示す底面図であり、図52は可動板P5850のスライド操作を説明するための図であり、図53はガラス枠P5000の後面側の下部を示す背面図であり、図54は枠中継基盤ユニットP5980の分解斜視図である。
演出操作ユニットP9000は、ガラス枠P5000の前面側の下部領域に設けられた下フレームP5600(図48、図50、図52などを参照)に着脱自在に取り付けられている。この下フレームP5600には、その正面左側に上下の球皿P5010,P5020を備える球皿ユニットP5030が取り付けられ、その正面右側に十字スイッチや球貸しスイッチ等を備える操作スイッチユニットP5040が取り付けられており、これらの球皿ユニットP5030と操作スイッチユニットP5040の左壁部との間に嵌め込まれた状態で演出操作ユニットP9000が取り付けられる。
下フレームP5600は、図50及び図52に示すように、ガラス枠P5000の前面側の下部を覆うように設けられたフレーム本体P5700と、このフレーム本体P5700の中央下端から前方に向けて延出する台座部P5800とを備えて構成される。演出操作ユニットP9000は、扉枠部材P5100及びフレーム本体P5700に跨って設けられた2本の固定具P5900(背面固定具P5900A)と、台座部P5800に設けられた2本の固定具P5900(底面固定具P5900B)とにより、ガラス枠P5000の下フレームP5600に固定される。具体的には、演出操作ユニットP9000の後面側(背面側)は、図52~図53に示すように、背面固定具P5900Aを用いてフレーム本体P5700に固定され、演出操作ユニットP9000の下面側(底面側)は、図51~図52に示すように、底面固定具P5900Bを用いて台座部P5800に固定される。なお、背面固定具P5900Aと底面固定具P5900Bとは基本的には同一の構造を有するため、以下の説明では、背面固定具P5900Aと底面固定具P5900Bとを特に区別する必要がない場合には、これらを纏めて単に「固定具P5900」と総称する。
台座部P5800は、上下方向に所定の厚みを有して形成されており、フレーム本体P5700の下端から前方に向けて突出している。この台座部P5800の上面は、演出操作ユニットP9000が載置される座面として形成されている。台座部P5800には、左右一対の固定具保持孔(図示せず)が上下方向に貫通形成されており、この不図示の固定具保持孔に底面固定具P5900Bが抜け止め状態で上下方向に摺動自在に装着されている。底面固定具P5900Bは、上下方向に延びる軸状に形成されており、不図示の固定具保持孔内に挿入された状態おいて所定の基準回動位置(軸回りに0度の回動位置)と最大回動位置(軸回りに90度の回動位置)との間で往復回動可能に配設されている。つまり、底面固定具P5900Bは、不図示の固定具保持孔内において約90度の範囲で回動可能になっている。また、この不図示の固定具保持孔には、底面固定具P5900Bを下方に向けて常時付勢するためのコイルバネP5990B(図50参照)が配設されている。
台座部P5800の上面側には、図52に示すように、該上面と平行な略平板状の可動板P5850が前後方向にスライド自在に取り付けられている。可動板P5850の先端側には、板厚方向(上下方向)に打ち抜き加工されて前方に開放された左右一対のロック溝P5860が開設されている。各ロック溝P5860は、周方向に凹凸(山部及び谷部)が交互に連続形成されたスプライン溝状に形成されている。このロック溝P5860の山部(大径部)及び谷部(小径部)は、周方向に90度の間隔でそれぞれ形成されている。なお、ロック溝P5860は、固定具P5900(底面固定具P5900B)の軸方向の中間部分に形成された後述の被ロック軸部P5930の外形形状に対応する溝形状を有しており、この被ロック軸部P5930と前後方向に凹凸嵌合可能(係合)に構成されている。また、この可動板P5850には、板厚方向(上下方向)に貫通して前後方向に延びる4か所の長孔部587が形成されており、この長孔部587には台座部P5800に設けられた円筒状のピン部P5820が挿入されている。
可動板P5850は、台座部P5800の上面側において長孔部P5870に挿入されたピン部P5820により案内支持されて、ロック溝P5860が固定具P5900(底面固定具P5900B)と嵌合して該底面固定具P5900Bを拘束するロック位置(前端位置)と、ロック溝P5860が固定具P5900(底面固定具P5900B)から離間して該底面固定具P5900Bを解放する非ロック位置(後端位置)との間で、前後方向にスライド自在になっている。第1実施例では、長孔部587の後端にピン部582が突き当たる位置が拘束位置(前端位置)であり、長孔部P5870の前端にピン部P5820が突き当たる位置が解放位置(後端位置)である。また、この可動板P5850は、ガラス枠P5000の後面側に設けられたスライド操作部P5880と不図示のスライドリンク機構を介して機械的に接続されており、スライド操作部P5880が前方に押し込まれると可動板P5850が前方(ロック位置)にスライド変位し、スライド操作部P5880が後方に引き戻されると可動板P5850が後方(非ロック位置)にスライド変位するように構成されている。このスライド操作部588と台座部P5800との間にはコイルバネP5890が介装されており、このスライド操作部588はコイルバネP5890の弾性力を受けて後方に向けて常時付勢されている。そのため、ガラス枠P5000が開放されると、スライド操作部P5880がコイルバネP5890の付勢力により後方に押し出されることで、可動板P5850が後方にスライド移動して非ロック位置に保持される。一方、ガラス枠P5000が閉鎖されると、スライド操作部P5880が前枠P2000の前面部に当接して前方に押し込まれることで、可動板P5850が前方にスライド移動してロック位置に保持されることになる。
一方、フレーム本体P5700及び扉枠部材P5100には、図50、図53及び図54に示すように、これらフレーム本体P5700と扉枠部材P5100とに跨って、左右一対の固定具保持孔(図示せず)が前後方向に貫通形成されており、この不図示の固定具保持孔に背面固定具P5900Aが抜け止め状態で前後方向に移動自在に装着されている。背面固定具P5900Aは、前後方向に延びる軸状に形成されており、不図示の固定具保持孔内に挿入された状態おいて所定の基準回動位置(軸回りに0度の回動位置)と最大回動位置(軸回りに90度の回動位置)との間で往復回動可能に配設されている。つまり、背面固定具P5900Aは、不図示の固定保持孔内において約90度の範囲で回動可能になっている。また、不図示の固定具保持孔には、背面固定具P5900Aを後方に向けて常時付勢するためのコイルバネP5990a(図50参照)が配設されている。
ここで、図53及び図54に示すように、ガラス枠P5000の後面側において、左右の背面固定具P5900Aのうち右側の背面固定具P5900Aの配設位置には、この背面固定具P5900Aを後方から覆うようにして枠中継基板ユニットP9800が着脱可能に取り付けられる。この枠中継基板ユニットP9800は、ガラス枠P5000に設けられた枠ランプP5004や演出操作ユニットP9000等と電気的に接続される枠中継基板P9810と、この枠中継基板P9810を内部に収容する透明樹脂製の基板ケースP9820とから構成されており、扉枠部材P5100の後面側に形成された基板取付部P5190にビス止めされるようになっている。枠中継基板ケースP9820は、枠中継基板P9810が固定されるケース本体P9830と、このケース本体P9830に着脱自在に取り付けられて枠中継基板P9830の後面側を覆うケース蓋P9840とから構成される。この枠中継基板ユニットP9800がガラス枠P5000の基板取付部P5190に取り付けられると、左右の背面固定具P5900Aのうち右側の背面固定具P5900Aが枠中継基板ユニットP9800によって隠蔽される。それにより、ガラス枠P5000を開放させたとしても、枠中継基板ユニットP9800を取り外さなければ、左右の背面固定具P5900Aのうち右側の背面固定具P5900Aにアクセスすることができなくなる。
各固定具P5900(裏面固定具P5900A、底面固定具P5900B)は、軸方向に延びる略円柱状のロッド部材である。各固定具P5900の軸方向の先端部には、後述のユニットベースP9040の挿通孔P9053a,P9054aに挿入可能な軸先部P5910が形成されている。また、固定具P5900の軸方向の基端部には、手指により把持可能なリブ状の操作摘み部P5920が形成されている。また、固定具P5900の軸方向の中間部には、可動板P5850のロック溝P5860に対応する断面形状(スプライン形状)を有する被ロック軸部P5930が形成されており、ロック溝P5860に対して前後方向に凹凸嵌合可能(係合可能)に構成されている。固定具P5900(底面固定具P5900B)の被ロック軸部P5930が可動板P5850のロック溝P5860と凹凸嵌合すると、固定具P5900(底面固定具P5900B)は軸回りに回動不能となる(底面固定具P5900Bの回動操作が規制される)。第1実施例では、このような4本の固定具P5900を使用することで、演出操作ユニットP9000がガラス枠P5000の下フレームP5600に連結固定されるようになっている。
演出操作ユニットP9000は、図46及び図48に示すように、遊技者により操作される演出レバーP9001と、この演出レバーP9010を前後方向に傾動自在に支持するユニットベースP9040とを主体に構成される。この演出操作ユニットP9000は、遊技者によるレバー操作(傾倒操作)とボタン操作(押圧操作)を可能とする複合操作装置として構成されている。
演出レバーP9001は、遊技者による入力操作を受け付けるとともに後述のモータ731の動力を受けて演出動作(回転動作及び往復動作)するレバー役物P9010と、このレバー役物P9010を演出動作(回転動作及び往復動作)可能に支持する役物支持部材P9020とを有して構成されている。この演出レバーP9001には、該演出レバーP9010全体を発光させる演出レバーLEDP9002(図49を参照)が備えられている。
レバー役物P9010は、図46及び図47に示すように、宇宙人の顔を模した形態を有する可動部材(操作部材)である。このレバー役物P9010の上端には、遊技者による押圧操作が可能な演出ボタンP9011が設けられている。演出ボタンP9011は、一般的なプッシュボタン構造であり、遊技者により演出ボタンP9011が押下操作されたことを検出する押下検出センサ712(図49を参照)と、演出ボタンP9011を発光させる演出ボタンLEDP9013(図49を参照)とが備えられている。レバー役物P9010の下端部には、後述のボールジョイントを構成する球体P9014が設けられている。
役物支持部材P9020は、上方に円形開口を有する中空の壺状に形成されており、この中空部内にレバー役物P9010の下部が受容保持されている。役物支持部材P9020の右側下部には、演出レバーP9010の傾動位置を後述の初期傾動位置センサP9092及び最大傾動位置センサP9093(図49参照)によって検出するためのレバー検出片P9021が突出形成されている。また、この役物支持部材P9020の内部には、レバー役物P9010を回転動作させる第1駆動機構P9030が取り付けられている。
第1駆動機構P9030は、図47に示すように、駆動源としてのモータP9031と、モータP9031の駆動力をレバー役物P9010に伝達する歯車機構P9032とを備えている。モータP9031は、演出制御基板P9200からの駆動パルス信号に基づいて正逆両方向に回転駆動可能である。歯車機構P9032は、モータP9031の出力軸に直結されたモータ歯車P9033と、モータ歯車と噛合する減速歯車P9034と、減速歯車と噛合する出力歯車P9035とを備え、各歯車P9033~P9035が歯車支持プレートP9039に回転自在に取り付けられて構成されている。減速歯車P9034は、大径歯車P9034aと小径歯車P9034bとが同軸的に形成された二段歯車であり、大径歯車P9034aがモータ歯車P9033と噛合し、小径歯車P9034bが出力歯車P9035と噛合する。出力歯車P9035には、上方に突出する円筒部P9036が同軸的且つ一体的に形成されている。この円筒部P9036の内側には、略球状の凹面となる球受け座P9037が上方に向けて開口されている。球受け座P9037は、出力歯車P9035の中心軸Xを回転中心として該出力軸P9035と一体回転可能に構成されている。この球受け座P9037には、レバー役物P9010の球体P9014が嵌め込まれており、レバー役物P9010の球体P9014と出力歯車P9035の球受け座P9037との組合せによりボールジョイント(球面対偶)が構成され、それによりレバー役物P9010がボールジョイントを支点として任意の方向(三次元的)に揺動可能となる。モータP9031が回転駆動すると、この回転駆動力が歯車機構P9032及びボールジョイント機構を介してレバー役物P9010に伝達されて、レバー役物P9010が中心軸Xを回転中心として円または円弧を描くように回転する。このとき、モータP9031の回転駆動方向を正転方向または逆転方向に切り替えることにより、それに連動してレバー役物P9010の回転方向を時計方向または反時計方向に切り替えることができる。なお、レバー役物P9010の演出動作(回転動作、往復動作)の詳細については後述する。
なお、役物支持部材P9020には、レバー役物P9010の回転位置が回転円周上の上端位置となる上回転基準位置にあることを検出する上回転基準位置センサP9091(図49参照)が備えられている。上回転基準位置センサP9091としては、例えば、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部と有したフォトセンサが好適である。上回転基準位置センサP9091は、このレバー役物P9010の回転円周上において該レバー役物P9010が最も遊技機PC側に変位した位置(時計の12時の位置)に設定されている。第1実施例では、レバー役物P9010は、この上回転基準位置(時計の12時の位置)を起点として時計回り方向または反時計回り方向に回転可能となっている。それにより、レバー役物P9010が上回転基準位置に達した回数又は通過した回数に基づき、レバー役物P9010の演出動作(回転動作及び往復動作)における回転回数や往復回数(振動回数)が検出されるようになっている。上回転基準位置センサP9091の検出信号は、演出制御基板P9200に入力される。なお、第1実施例では、レバー役物P9010が上回転基準位置にある場合、または、レバー役物P9010が下回転基準位置にある場合に、遊技者が演出レバーP9001を後方に傾動操作可能となっている。下回転基準位置は、このレバー役物P9010の回転円周上において該レバー役物P9010が最も遊技者側に変位した位置(時計の6時の位置)に設定されている。つまり、下回転基準位置は、このレバー役物P9010を上回転基準位置から時計回りまたは反時計回りに180度回転させた位置である。なお、第1実施例では、レバー役物P9010が下回転基準位置にあることを検出しないが、レバー役物P9010が下回転基準位置にあることを検出するための位置検出センサ(下回転基準位置センサ)を設けるようにしてもよい。
ユニットベースP9040は、図46に示すように、演出レバーP9001を前後方向に傾動自在に支持するベース本体P9050と、このベース本体P9050に取り付けられて演出レバーP9001を包囲する装飾枠体P9070とを備えて構成される。
ベース本体P9050は、底板P9051および立板P9052を有して略L字状に形成されており、ガラス枠P5000の下フレームP5600に着脱可能に取り付けられる。底板P9051の上面側には、一対の底面係止受部P9053が上方に突出して設けられており、この底面係止受部P9053の略中央に底面挿通孔P9053aが上下方向に貫通形成されている。立板P9052の前面側には、一対の裏面係止受部P9054が前方に突出して設けられており、この裏面係止受部P9054の略中央に裏面挿通孔P9054aが前後方向に貫通形成されている。底面挿通孔P9053a及び背面挿通孔P9054aは、同一の孔形状(断面形状)に形成されて、各固定具P5900の軸先部P5910が軸方向に挿通可能に構成されている。
また、立板P9051の上端側には、左右方向に延びる細長い棒状の支軸部P9055が架設されており、この支軸部P9055を役物支持部材P9020の軸受け部P9022に嵌挿することで、演出レバーP9001がベース本体P9050に対して支軸部P9055を中心に前後方向に傾動自在(揺動自在)に支持される。この支軸部P9055には、演出レバーP9001を上方(初期傾動位置)に向けて付勢するリターンスプリングP9056が設けられている。このリターンスプリングP9056は、捩じりバネ(トーションバネ)であり、その一端側が立板P9052に係止され、その他端側が演出レバーP9001に係止されている。これにより、演出レバーP9001はリターンスプリングP9065からの弾性力を受けて上方(後述の初期傾動位置)に向けて常時付勢される。
ベース本体P9050には、演出レバーP9001を前後方向に傾動させる第2駆動機構P9060が設けられている。第2駆動機構P9060は、駆動源としてのモータP9061と、モータP9061の駆動力(回転力)を演出レバーP9001に伝達する傾動機構P9062とを備えている。モータP9061は、演出制御基板P9200からの駆動パルス信号に基づいて正逆両方向に回転駆動可能である。傾動機構P9062は、歯車やカムなどの機構部品を備えて構成されており、モータP9061の回転運動を演出レバーP9001の支軸部P9055回りの傾動運動(揺動運動)に変換する。
装飾枠体P9070は、上側装飾部P9071と下側装飾部P9072とからなり、上側装飾と下側装飾部とが互いに組み合わされることで環状の枠体を形成している。この装飾枠体P9070には、演出レバーP9001の動作範囲に対応して略円形に形成されたレバー挿通用開口部P9073が設けられている。この装飾枠体P9070は、ベース本体P9050の前面側にネジ止めされて取り付けられる。
なお、ベース本体P9050には、演出レバーP9001が最も前方(遊技機側)に傾動された位置である初期傾動位置にあることを検出する初期傾動位置センサP9092(図49参照)と、演出レバーP9001が最も後方(遊技者側)に傾動された位置である最大傾動位置にあることを検出する最大傾動位置センサP9093(図49参照)とが備えられている。各位置センサP9092,P9093は、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部とを備え、演出レバーP9001のレバー検出片P9021を挿入可能なスペースを有して略コ字形に配置されたフォトセンサである。各位置センサP9092,P9093は、演出レバーP9001に設けられたレバー検出片P9021が該演出レバーP9001の傾動に応じて投光部と受光部との間に挿入されて光を遮断したときに、該演出レバーP9001が各位置(初期傾動位置または最大傾動位置)にある状態であることを検出する。各位置センサP9092,P9093の検出信号は、演出制御基板P9200に入力される。
かかる構成の演出操作装置P9000では、遊技者が演出レバーP9001を把持してリターンバネP9056の付勢力に抗した操作力を加えることで、演出レバーP9001を初期傾動位置(遊技機側)から最大傾動位置(遊技者側)へ傾動操作することができる。遊技者が演出レバーP9001から手を離すと、演出レバーP9001はリターンバネP9056の復元力により元の初期傾動位置(遊技機側)に復帰する。また、演出レバーP9001は、モータP9061の駆動力を受けて、初期傾動位置と最大傾動位置との間で演出的に傾動動作(揺動動作)が可能となっている。さらに、演出レバーP9001のレバー役物P9010は、モータP9031の駆動力を受けて、所定の中心軸X回りに回転動作及び往復動作(振動動作)が可能となっている。
次に、演出操作ユニットP9000をガラス枠P5000に取り付ける手順について説明する。まず、演出操作ユニットP9000を球皿ユニット14の右壁部と操作スイッチユニットP5040の左壁部との間に嵌め込みながら下フレームP5600の台座部P5800に載置する。このように演出操作ユニットP9000を台座部P5800の上面に載置すると、ユニットベースP9040の底板P9051に形成された底面挿通孔P9053aと台座部P5800の底面固定具P5900Bとが上下に位置整合するとともに、ユニットベースP9040の立板P9052に形成された背面挿通孔P9054aとフレーム本体P5P9000の背面固定具P5900Aとが前後に位置整合する。
続いて、ガラス枠P5000を前枠2に対して開放させて、スライド操作部588をコイルバネP5890の付勢力によって後方に押し出すことで、可動板P5850を後方にスライド移動させて非ロック位置に保持する(図52(B)参照)。
次いで、台座部P5800の下面側から底面固定具P5900Bの操作摘み部P5920を把持して、この底面固定具P5900BをコイルバネP5990bの付勢力に抗して上方に押し込むことで、底面固定具P5900Bの先端に形成された軸先部P5910をユニットベースP9040の底面挿通孔P9053aに挿通させて上方に突出させる。そして、底面固定具P5900Bを軸回り一方向側に90度回動させた後(基準回動位置から最大回動位置まで回動させた後)、底面固定具P5900Bに対する上方への押圧力を緩めると、底面固定具P5900BがコイルバネP5990bの付勢力を受けて下方に戻されることで、底面固定具P5900Bの軸先部P5910が底面係止受部P9053の上面に係止される。これにより、演出操作ユニットP9000のユニットベースP9040とガラス枠P5000の台座部P5800とが底面固定具P5900Bを介して連結固定される。
続いて、ガラス枠P5000の後面側から背面固定具P5900Aの操作摘み部P5920を把持して、この背面固定具P5900AをコイルバネP5990aの付勢力に抗して前方に押し込むことで、背面固定具P5900Aの先端に形成された軸先部P5910をユニットベースP9040の背面挿通孔P9054aに挿通させて前方に突出させる。そして、背面固定具P5900Aを軸回り一方向側に90度回動させた後(基準回動位置から最大回動位置まで回動させた後)、背面固定具P5900Aに対する前方への押圧力を緩めると、背面固定具P5900AがコイルバネP5990aの付勢力を受けて後方に戻されることで、背面固定具P5900Aの軸先部P5910が背面係止受部P9054の前面に係止される。これにより、演出操作ユニットP9000のユニットベースP9040とガラス枠P5000のフレーム本体P5700とが背面固定具P5900Aを介して連結固定される。このようにして演出操作ユニットが4本の固定具P5900(590A,590B)を介してガラス枠P5000の下フレームP5600に組み付けられる。
次いで、枠中継基板ユニットP9800をガラス枠P5000の基板取付部519に取り付けることで、右側の背面固定具P5900Aを枠中継基板ユニットP9800によって隠蔽する。その後、ガラス枠P5000を前枠2に対して閉鎖すると、スライド操作部588が前枠2の前面部によって前方に押圧されて、可動板P5850が前方のロック位置にスライド変位することで、可動板P5850のロック溝P5860と底面固定具P5900Bの被ロック軸部P5930とが凹凸嵌合(係合)して、底面固定具P5900Bが軸回りに回動不能となる(図52(A)参照)。つまり、この両者の係合によって底面固定具P5900Bを最大回動位置から基準回動位置へ回動復帰させることが規制させることで、軸先部P5910を底面挿通孔P9053aから抜脱できなくなる(つまり、軸先部P5910と底面係止受部P9053との係合を解除できなくなる)。従って、ガラス枠P5000を開放させて可動板P5850を後方の非ロック位置に退避させなければ、可動板P5850による背面固定具P5900Bのロック状態を解除できず、ガラス枠P5000から演出操作ユニットP9000を取り外すことができなくなるため、遊技者等の部外者が演出操作ユニットP9000を故意に取り外そうとする悪戯や不正行為を効果的に防止することができる。
次に、演出操作ユニットP9000をガラス枠P5000から取り外す手順について説明する。まず、ガラス枠P5000を前枠2に対して開放させて、スライド操作部588をコイルバネP5890の付勢力によって後方に押し出すことで、可動板P5850を後方にスライド移動させて非ロック位置に保持する(図52(B)参照)。それにより、可動板P5850のロック溝P5860と底面固定具P5900Bとの凹凸嵌合(係合)が解除されて、底面固定具P5900Bを軸回りに回動操作可能となる。それに伴い、台座部P5800の下面側から底面固定具P5900Bを軸回り他方向側に90度回動させることで(最大回動位置から基準回動位置まで回動させることで)、底面固定具P5900Bの軸先部P59100と底面係止受部P9053の上面との係止が外れ、底面固定具P5900Bがコイルバネ5990bの付勢力によって下方に摺動する。これにより、底面固定具P5900Bの軸先部P59100がユニットベースP9040の底面挿通孔P9053aから下方に抜けることで、この底面固定具P5900Bによる台座部P5800とユニットベースP9040との連結が解除される。
続いて、ガラス枠P5000の後面側から枠中継基板ユニットP9800を取り外して、右側の背面固定具P5900Aを露出させ、左右2本の背面固定具P5900Aに対してアクセス可能な状態とする。それに伴い、ガラス枠P5000の後面側から背面固定具P5900Aを軸回り他方向側に90度回動させることで(最大回動位置から基準回動位置まで回動させることで)、背面固定具P5900Aの軸先部P5910と背面係止受部P9054の前面との係止が外れ、背面固定具P5900AがコイルバネP5990aの付勢力によって後方に摺動する。これにより、背面固定具P5900Aの軸先部P5910がユニットベースP9040の背面挿通孔P9054aから後方に抜けることで、この背面固定具P5900Aによるフレーム本体P5P9000とユニットベースP9040との連結が解除される。
このようにして4本の固定具P5900(5900A,5900B)による演出操作ユニットP9000とガラス枠P5000の下フレームP5600との連結状態が解除され、演出操作ユニットP9000を下フレームP5600から上方に持ち上げることで、演出操作ユニットP9000をガラス枠P5000から取り外すことができる。
このように第1実施例によれば、演出操作ユニットP9000をワンタッチ式の固定具P5900により着脱可能とすることで、演出操作ユニットP9000の交換やメンテナンスの作業が容易になるとともに、ガラス枠P5000を開放させなければ演出操作ユニットP9000の着脱操作ができない状態(全ての固定具P5900を操作できない状態)とすることで、遊技者の悪戯行為による故障や不具合を未然に防止することが可能となる。
[各種の演出]
かかる構成のぱちんこ遊技機PCでは、前述したように、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板P9200および画像制御基板P42により制御されて実行されるように構成されている。以下において、各種の遊技演出のうち、レバー役物P9010の可動演出について図56及び図57を追加参照して説明する。図56はレバー役物P9010の演出動作の態様を説明するための図であり、図57はレバー役物P9010の演出動作パターンテーブルを模式的に示す図である。
なお、本明細書において、一方の数と他方の数とを比較する場合(例えば、「多い」、「少ない」、「異なる」など)には、一方の数又は他方の数が「0」であることを含んでもよい。また、一方の実行の確率(割合)と他方の実行の確率(割合)とを比較する場合(例えば、「高い」、「低い」、「異なる」など)には、一方の実行の確率(割合)又は他方の実行の確率(割合)が「0%」であることを含むとともに、一方の実行の確率(割合)又は他方の実行の確率(割合)が100%であることを含む。これと同様に、一方が他方よりも実行され易いという場合には、他方が全く実行されない(つまり、他方の実行の確率又は割合が0%である)ことを含む。反対に、一方が他方よりも実行され難いという場合には、一方が全く実行されない(つまり、一方の実行の確率又は割合が0%である)ことを含む。
可動演出は、図柄の変動表示中にレバー役物P9010が所定の演出動作(回転動作、往復動作)を行うことで大当り期待度の高さを示唆又は報知する演出である。この可動演出は、予告演出あるいは先読み演出などの遊技演出の一つとして行われる。なお、この可動演出を特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)中に行われる演出や、客待ちデモ中に行われる演出として実行してもよい。
第1実施例では、レバー役物P9010の演出動作(演出動作パターン)として、往復動作(往復動作パターン)と、回転動作(回転動作パターン)とが設定されている。なお、レバー役物P9010の演出動作(往復動作、回転動作)は、このレバー役物P9010の回転範囲(回転円周上)の最上端となる上回転基準位置を動作の起点として行われる。
往復動作は、図56(A)に示すように、レバー役物P9010が所定の角度範囲内で回転方向を時計方向と反時計方向とに交互に切り替えることで、レバー役物P9010を左右方向に往復移動させる演出動作である。なお、所定の角度範囲としては、例えば30度の範囲が設定されている。レバー役物P9010の往復動作パターンには、図57に示すように、レバー役物P9010が往復動作を5回する往復動作パターンPX1と、レバー役物P9010が往復動作を10回する往復動作パターンPX2とがある。
回転動作は、図56(B)に示すように、レバー役物P9010が所定の回転方向(時計方向または反時計方向)に連続して回転する演出動作である。レバー役物P9010の回転動作パターンには、図57に示すように、レバー役物P9010が1回転する回転動作パターンPY1と、レバー役物P9010が2回転する回転動作パターンPY2と、レバー役物P9010が3回転する回転動作パターンPY3と、レバー役物P9010が5回転する回転動作パターンPY4と、レバー役物P9010が7回転する回転動作パターンPY5とがある。
第1実施例では、レバー役物P9010の演出動作に要する動作範囲が大きくなるほど大当り期待度が相対的に高くなる一方で、レバー役物P9010の演出動作に要する動作範囲が小さくなるほど大当り期待度が相対的に低くなる。具体的には、レバー役物P9010の動作範囲が回転円周上のうちの所定角度の範囲(回転円周上の30度の範囲)となる往復動作パターンPX1~PX2よりも、レバー役物P9010の動作範囲が回転円周上の全ての範囲(回転円周上の360度の範囲)となる回転動作パターンPY1~PY5の方が、大当り期待度が相対的に高く設定されている。
また、第1実施例では、1回の演出動作におけるレバー役物P9010の動作量(移動量)が大きいほど大当り期待度が高くなる一方で、1回の演出動作におけるレバー役物P9010の動作量(移動量)が小さいほど大当り期待度が低くなる。このレバー役物P9010の動作量(移動量)とは、1回の演出動作においてレバー役物P9010が実際に動作する動作距離(移動距離)である。
具体的に、往復動作パターンにおいては、往復回数が5回の場合には300度の動作量(30度×5回×往復分)、往復回数が10回の場合には600度(30度×10回×往復分)となる。そのため、第1実施例では、往復動作パターンPX1(往復5回)<往復動作パターンPX2(往復10回)、という順に大当り期待度が高くなる。
一方、回転動作パターンにおいては、回転数が1回転の場合には360度の動作量(360度×1回転)、回転数が2回転の場合には720度の動作量(360度×2回転)、3回転の場合には1080度の動作量(360度×3回転)、回転数が5回転の場合には1800度の動作量(360度×5回転)、回転数が7回転の場合には2520度の動作量(360度×7回転)となる。そのため、第1実施例では、回転動作パターンPY1(回転1回)<回転動作パターンPY2(回転2回)<回転動作パターンPY3(回転3回)<回転動作パターンPY4(回転5回)<回転動作パターンPY5(回転7回)、という順に大当り期待度が1段階ずつ高くなる。なお、回転動作パターンPY5が選択された場合(レバー役物P9010が7回転する演出動作を実行した場合)には、「7」という特別な意味合いを持つ回数だけレバー役物P9010が回転したことに基づき、大当り当選が確定したり、大当り期待度が激熱であることを示唆または報知したりする構成としてもよい。
なお、レバー役物P9010の動作量(移動量)が同じ場合、あるいは、レバー役物P9010の動作量(移動量)が異なる場合に、レバー役物P9010の動作速度が速いほど大当り期待度を高くする一方で、レバー役物P9010の動作速度が遅いほど大当り期待度が低くなるように構成してもよい。例えば、レバー役物P9010の動作量(移動量)が1回転分(360度)の動作量である場合には、レバー役物P9010が第1回転速度で回転動作する回転動作パターンよりも、レバー役物P9010が第1回転速度よりも速い第2回転速度で回転動作する回転動作パターンの方が大当り期待度が高くなる。同様に、レバー役物P9010の動作量(移動量)が往復5回分(300度)の動作量である場合には、レバー役物P9010が第1往復速度で往復動作する往復動作パターンよりも、レバー役物P9010が第1往復速度よりも速い第2往復速度で往復動作する往復動作パターンの方が大当り期待度が高くなる。
また、レバー役物P9010の演出動作(回転動作、往復動作)を複数回の変動表示に亘り行われる連続演出として実行してもよい。連続演出は、先読み対象の作動保留球(「トリガ保留球」と呼称する)が消化されるまでの複数回の変動表示に亘り実行される。この連続演出の実行可否および実行パターンは、先読み抽選にて決定される。この先読み抽選は、新たな作動保留球が記憶されたときに実行される。この新たな作動保留球とは、現在の遊技状態において遊技の主体となる方の特別図柄の作動保留球のことである。つまり、現在の遊技状態が通常遊技状態であるときは第1特別図柄の作動保留球が先読み抽選の対象となり、現在の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態であるときは第2特別図柄の作動保留球が先読み抽選の対象となる。ここで、先読み抽選が実行されるための条件としては、例えば、(1)先読み対象の作動保留球よりも前に1以上の作動保留球(「先行保留球」と呼称する)が存在すること、(2)この先行保留球の全てが非リーチ種別(短縮変動や通常変動など)の変動パターンであること、(3)既に連続演出が実行中ではないこと(先読み抽選に当選中の状態ではないこと)などである。この実行条件を満足するときに、先読み対象の作動保留球に対して先読み抽選が実行され、連続演出の実行可否と、その実行パターン(連続演出パターン)とが決定される。第1実施例では、この連続演出中の各回の変動表示の開始時に、レバー役物P9010を回転動作または往復動作させて、先読み対象の作動保留球が消化されたときの変動表示にて大当りとなる期待度を示唆または報知してもよい。また、画面の保留画像表示領域71に表示された保留画像または変動中画像表示領域73に表示された変動中画像の表示態様を変化させる直前に、レバー役物P9010を演出動作(回転動作、往復動作)させて、保留画像または変動中画像の表示態様が変化する(保留変化演出が実行されること)や、保留画像または変動中画像が高期待度の表示態様に変化することを煽るようにしてもよい。なお、この先読み演出における保留変化の期待度(保留画像または変動中画像の表示態様が変化する期待度、あるいは、保留画像または変動中画像が高期待度の表示態様に変化する期待度)については、前述の変動表示中に行われる演出動作により示唆される大当り期待度と同様の構成を適用することができる(例えば、往復動作よりも回転動作の方が保留変化の期待度が高く、1回転の回転動作よりも2回転の回転動作の方が保留変化の期待度が高い)。
また、レバー役物P9010の演出動作パターンとして、レバー役物P9010が回転動作した後に往復動作する演出動作パターンや、レバー役物P9010が往復動作した後に回転動作する演出動作パターンを設けてもよい。このような複合的な演出動作パターンが実行された場合には、回転動作または往復動作のみが単発的に行われる演出動作パターンが実行された場合よりも、大当り期待度が高くなるように設定してもよい。
また、演出レバーP9001は、レバー役物P9010の回転位置が上回転基準位置または下回転基準位置にあるときに、初期傾動位置から最大傾動位置に向けて傾動操作可能となっており、このレバー役物P9010の回転位置が上回転基準位置にある場合よりも、レバー役物P9010が下回転基準位置にある場合の方が、演出レバーP9001を傾動操作したときに示唆又は報知される大当りの期待度が高くなるように構成されている。このとき、レバー役物P9010が所定回転方向(例えば時計回り方向)で上回転基準位置から下回転基準位置へ動作する場合よりも、レバー役物P9010が所定回転方向とは反対方向(例えば反時計回り方向)で上回転基準位置から下回転基準位置へ動作する場合の方が、レバー役物P9010が下回転基準位置にある状態の演出レバーP9001を傾動操作したときに示唆又は報知される大当りの期待度が高くなるように構成してもよい。
このように第1実施例によれば、レバー役物P9010の動作範囲と大当り期待度とを関連付けて、レバー役物P9010の動作範囲が大きくなるほど大当り期待度が高くなることを示唆または報知することで、レバー役物P9010の動きに対して遊技者の関心を強く惹き付けることができるとともに、二つの演出動作(往復動作、回転動作)による演出効果を一層高めることができる。
[ファール球回収口固定構造]
次に、ファール球回収口構造P5500について説明する。図53はガラス枠の後面側の下部を示す背面図であり、図58はガラス枠の裏面に装着されるファール球回収口構造の分解斜視図であり、図59はガラス枠の裏面に装着されるファール球回収口構造の取付け過程を示す分解斜視図である。
ファール球回収口構造P5500は、ガラス枠P5000の裏面に取り付けられた皿裏板金ベース板P5510と、2個のねじボスピンP5520と、発射された遊技球が遊技領域PAに到達できず逆流した遊技球を受け入れ口となるファール球回収口P5530、ハーネス等の部品取り付け可能としている皿裏ベース板P5540と、ファール球回収口P5530を固定するねじとで構成されている。
皿裏板金ベース板P5510は鉄等の金属製の板金(金属板)から型抜きし、プレス加工や折り曲げ加工して製造されカラス枠P5000にねじで固定される。板金ベース板P5510にはガラス板P5000に取り付けられる各部品を囲むよう多数の開口とねじボスP5520を取り付けるための円形穴が設けられる。
ねじボスピンP5520は、金属で構成され円柱ピン形状を有し、その径中心部には、ファール球回収口P5530を固定するねじが螺合可能なねじ溝が施されたピンねじ穴P5521が設けられ、金属板に対して一般的に呼ばれるミリねじ(上記ファール球回収口P5530を固定するねじ等)を用いて各種部品を固定できるよう板金部材の円形穴に圧入や溶接を用いて固定される。
ファール球回収口P5530は、たとえば樹脂からなっており、で平面断面が略コの字形状で製造され、ファール球を発射流路から下球皿P5020へ案内するファール球案内通路P8004(図42参照)に案内する案内機能を有している。ファール球が発生した際は外レールP502を沿って遊技球が落下するが、落下した遊技球を2対の回収口突起P5531で受け止めることで発射機構P8003にファール球が戻ることを防いでいる。ここで、本実施例では、ねじボスピンP5520は金属からなっており、ファール球回収口P5530は樹脂からなっているため、ねじボスピンP5520の強度(剛性)は、ファール球回収口P5530の強度よりも高くなっている。なお、ファール球回収口P5530を金属等の他の材質によって製造してもよいが、この場合、ファール球回収口P5530を構成する材質は、ねじボスピンP5520の材質よりも強度の低いものを用いるのが望ましい。要は、ねじボスピンP5520の強度が、ファール球回収口P5530の強度よりも高くなっていればよい。
皿裏ベース板P5540は、たとえば樹脂成型で略板状に製造され、ハーネスを固定するためのハーネスフック爪P5541やファール球回収口の下部を囲う回収口取付補助部P5542を有しており、ファール球回収口P5530をカラス枠P5000にねじで固定する際に容易に固定でき、ファール球回収口P5530が破損しにくくなるよう覆っている。
ファール球回収口構造P5500を取り付ける際は、ガラス枠P5000の所定の位置にねじボスピンP5520が圧入や溶接された皿裏板金ベース板P5510を固定後、この皿裏板金バース板P5510に対して皿裏ベース板P5540、ファール球回収口P5530の順番で取り付けを行う。
従来ファール球回収口は樹脂で構成されるガラス枠P5000に設けられた樹脂ねじボスにタッピングねじを用いて取り付けられていたが、市場においてファール球がファール球回収口P5530にぶつかる衝撃で樹脂ねじボスが根元から折れてしまう事象が発生していた。これを修理する際はガラス枠P5000を丸ごと交換する必要があった。しかし本件構成をすることでねじボスピンP5520の耐衝撃強度がファール球回収口P5530を構成する樹脂製より高いため破損する事象が減少する。また、万が一ねじボス部が破損してしまう事象が発生しても、ガラス枠P5000を丸ごと交換する必要はなく、新たなねじボスピンP5520が取り付けられた皿裏板金ベース板P5510を取り付けるだけでよいので、ガラス枠P5000の再利用率の向上を図ることができるとともに、交換の手間や交換の際のコストの低減図ることができる。
[ラムクリアスイッチカバーの構造及び開閉方法]
次に、ラムクリアスイッチカバーP9410の構造および開閉方法について説明を行う。図23はぱちんこ遊技機の背面図であり、図60はぱちんこ遊技機の背面に取り付けられる払出制御基板部を拡大した拡大背面図、図61はぱちんこ遊技機の背面に取り付けられる払出制御基板のラムクリアスイッチカバーを閉じている正面図、図62はぱちんこ遊技機の背面に取り付けられる払出制御基板のラムクリアスイッチカバーを開いている正面図、図63ラムクリアスイッチカバーの斜視図、図64はラムクリアスイッチカバーを開放させる過程を示す説明図である。
枠制御基板P9400は遊技補助盤P8000の裏面に取り付けられ、基板の部品面には各種電子部品が実装され枠制御基板カバーP9401によって覆われている。また各種電子部品の中にラムクリアスイッチP48を含んでありラムクリアスイッチP48の押し下し部P48a(図62、図64(c)参照)と対向する位置に枠制御基板カバーP9401に開閉自在に取り付けられるラムクリアスイッチカバーP9410を有する。
枠制御基板P9400と上述した枠制御基板P43との差異は、ラムクリアスイッチカバーP9410と、ラムクリアスイッチカバーP9410を開閉、開放規制、および開放不可能な位置にラムクリアスイッチカバーP9410を保持する構造を有する枠制御基板カバーP9401を有する点であり、これら以外は共通の構成を有する。
枠制御基板カバーP9401は透明樹脂で成形され、平断面および側断面が略コの字状の方形箱型形状を有し、基板の部品実装面全面を視認可能となっている。また、枠制御基板P9400の部品面と対向する面にはラムクリアスイッチP48を操作するためのラムクリアスイッチ開口P9402が形成され、このラムクリアスイッチ開口P9402の近傍にはラムクリアスイッチカバーP9410を開放動作自在にするためのカバー軸P9403aを有した対のリブ形状のカバー軸アームP9403、ラムクリアスイッチカバーP9410が開放してしまうこと規制する規制爪P9404、および後述する保持突起P9415と嵌合することでラムクリアスイッチカバーP9410を開放不可能状態に保持する対のカバー台座部P9405を有する。
ラムクリアスイッチカバーP9410は、断面が略L字状の透明樹脂で成形され、対のカバー軸P9403aがそれぞれ挿通される対の長孔P9411と、ラムクリアスイッチカバーP9410をスラスト移動操作させるカバー取手部P9412と、規制爪P9404と嵌合(係止)しラムクリアスイッチカバーP9410が開放してしまうことを規制する規制爪口P9413と、カバー軸P9403と長孔P9411を挿通させる場合にカバー軸P9403をスムーズに長孔9411に案内させるために下方に向かうほど互いに近接するように傾斜した案内斜面構造を有する対の案内斜面P9414と、外方に突出したリブ形状を有して、カバー台座部P9405上に乗るように係止した対の保持突起P9415と、リブ状で対に構成され長孔P9411を有する対のカバーアームP9416と、柱状の変形規制軸P9417で構成される。
ラムクリアスイッチカバーP9410を開放させる際の過程を図64で説明する。ラムクリアスイッチP48を操作する際は、まずラムクリアスイッチカバーP9410のカバー取手部P9412に指をかけ下方向に力を加える。するとラムクリアスイッチカバーP9410の変形に伴いカバー台座部P9405と保持突起P9415との係止が解除されつつ、長孔P9411とカバー軸P9403aとの嵌合位置が移動することで、規制爪P9404と規制爪口P9413との嵌合が解除されて、ラムクリアスイッチカバーP9410の開放動作(ラムクリアスイッチカバーP9410における、長孔P9411に挿通されているカバー軸P9403を中心とした回動動作)が可能となる。すなわち、本実施例では、ラムクリアスイッチカバーP9410を開放するには、概して、図64(B)に示すように、ラムクリアスイッチカバーP9410を下方に移動させた後、図64(C)に示すように、ラムクリアスイッチカバーP9410を、その下端部を上方に移動させるように(図64(B)に示す矢印参照)、ラムクリアスイッチカバーP9410の上端部側に位置するカバー軸P9403を中心に回動させるというように、複数の異なるベクトル(方向)に力を加えることによって行う。
従来、ラムクリアスイッチP48はエラー解除と遊技機を初期化する機能のみを有していたが、近年ラムクリアスイッチP48を用いて設定変更や設定確認を行える機能が追加されたため、ぱちんこ遊技機PCの裏面に針金等で不正アクセスすることが考えられる。そこでラムクリアスイッチカバーP9410を開放するために複数の異なるベクトルに力を加えないと開放できないように構成して、ラムクリアスイッチカバーP9410を容易に開閉できないようにし、また対のカバー軸アームP9403の両端側を挟むような力を加えてカバー軸アームP9403を変形させ、長孔P9411とカバー軸P9403aとの嵌合を解除させて不正にラムクリアスイッチカバーP9410を開放させようとする行為もカバー軸アームP9403の間に変形規制軸P9417を滞在させることでカバー軸アームP9403の変形を規制することで、ラムクリアスイッチカバーP9410を容易に取り外せないようにしている。このように、ラムクリアスイッチカバーP9410の開閉や取り外しが容易に行えないようにしているので、上記した不正アクセス等の不正行為を行うことを防止することができる。
[枠証紙貼付構造]
次に枠証紙貼付構造P8400について説明を行う。図23はぱちんこ遊技機の背面図であり、図65は枠証紙台座構造の分解斜視図であり、図66は枠証紙台座構造を拡大した背面図であり、図67は枠証紙台座カバーの斜視図である。
枠証紙貼付構造P8400は、枠証紙シールP8410が添付され、ねじ(不図示)によって遊技補助盤P8000の裏面に固定される枠証紙シール台座P8420、遊技補助盤P8000の裏面に固定された枠証紙シール台座P8420の全体を覆う枠証紙カバーP8430、遊技補助盤P8000の裏面に設けられる枠証紙カバー取付部P8440で構成される。
枠証紙シールP8410は、市場に導入されたぱちんこ遊技機PCの遊技枠を1台づつ管理するための記号や番号が印刷され、不正に剥がそうとすると容易に破損してしまう紙シール等で構成される。
枠証紙シール台座P8420は、略長方形の板で構成され、枠証紙シールP8410の添付面には遊技補助盤P8000の裏面に固定するための台座ねじ穴P8421を有する。
枠証紙カバーP8430は、平断面および側断面が略コの字状の方形箱型形状で構成され、後述する対の枠証紙カバー軸P8441aとそれぞれ嵌合(枠認証カバー軸P8441aに挿通)する対の枠証紙カバー長孔P8431と、後述する規制爪P8442と嵌合し(係止し)枠証紙カバーP8430が開放してしまうことを規制する枠証紙カバー規制爪口P8432と、枠証紙カバー軸P8441aと枠証紙カバー長孔P8431を嵌合させる場合に枠証紙カバー軸P8441aをスムーズに枠証紙カバー長孔P8431へ案内させるために、図67で見て右に向かうほど互いに近接するように傾斜した案内斜面構造を有する対の枠証紙カバー案内斜面P8433と、リブ状で対に構成され枠証紙カバー長孔P8431を有する対の枠証紙カバーアームP8434と、上述の変形規制軸P9417と同様に対の枠証紙カバーアームP8434の内側への変形を規制する柱状の変形規制軸P8435で構成される。
枠証紙カバー取付部P8440は、枠証紙シールP8410が添付され、ねじ(不図示)によって遊技補助盤P8000の裏面に固定される枠証紙シール台座P8420の近傍に枠証紙カバーP8430を開放動作自在にするための枠証紙カバー軸P8441aを有した対のリブ形状のカバー軸アームP8441が設けられる。
この枠証紙貼付構造P8400の構造にすることで、遊技補助盤P8000を再利用する場合に枠証紙シールP8410を剥離する作業を行うことなく、古い枠証紙シールP8410が添付された古い枠証紙シール台座P8420を、新しい枠証紙シールP8410が添付された新しい枠証紙シール台座P8420に交換することで、古い証紙シールP8410を新しい枠認証シールP8410に更新できるため、遊技補助盤P8000のリサイクル工数が低減可能となる。また枠証紙カバーP8430を設けることで遊技場間の中古移動時に発生する移動作業や清掃メンテナンス時に枠証紙シールP8410を破損してしまうことを低減して、前述したラムクリアスイッチカバーP9410と同様に不正の防止を図ることができる。また、枠証紙カバーP8430は、前述したラムクリアスイッチカバーP9410と同様の開閉構造を有することで遊技機輸送時の振動等で枠証紙カバーP8430が開放してしまうことを低減できる。
[ラッチ固定部材嵌合構造]
次に、ラッチ固定部材嵌合構造P8600について説明を行う。図23はぱちんこ遊技機の背面図であり、図68はぱちんこ遊技機の背面に取り付けられるラッチ固定部材を部分拡大した分解斜視図であり、図69はラッチ固定部材の斜視図であり、図70(A)(B)はラッチ固定部材を嵌合する従来の嵌合穴構造を示す図であり、(C)は第1実施例における嵌合穴構造を示す図である。
ラッチ固定部材嵌合構造P8600は、ラッチ固定部品P8610と、遊技補助盤P8000の背面側に設けられる補助盤側嵌合穴P8006、遊技補助盤P8000に固定された部品を視認可能にするため透光性を有した樹脂を用いた板状の背面カバーP8500、背面カバーP8500の四隅部分に設けられる背面カバー側嵌合穴P8510で構成される。
ラッチ固定部品P8610は、変形が比較的容易で耐摩耗性に優れた樹脂で製造され、作業者が指で摘まんで捻り回転運動や前後方向に力を加えることが可能な平板状のラッチ摘みP8611と、背面カバー側嵌合穴P8510の穴貫通方向に沿ってラッチ固定部品P8610の固定保持を可能にするラッチ嵌合接触板P8612、補助盤側嵌合穴P8006と背面カバー側嵌合穴P8510に連通および嵌合可能になっており、ラッチ固定部品P8610の中心方向に変形可能な円柱軸形状を有する互いに間隔をおいて対峙するよウに設けられた対のラッチ嵌合軸P8613、ラッチ固定部品P8610が補助盤側嵌合穴P8006から抜けることを防止する対で構成されるとともに、それぞれの外側面(図69で見て手前側の面)が曲面状に形成されたラッチ突起曲面部P8614aを有するラッチ突起P8614で構成される。
補助盤側嵌合穴P8006は、図70(A)図70(B)で示すような円形開口と長方形開口を合成した形状を有しており、補助盤側篏合穴P8006における円形開口部分の直径寸法は対で構成されるラッチ突起P8614が補助盤側嵌合穴P8006の円形開口部分における周縁部分に嵌合してラッチ固定部品P8610が脱落しない寸法を有しており、補助盤側篏合穴の長方形開口部分の長径寸法と短径寸法は対で構成されるラッチ突起P8614が着脱自在に通過できる寸法を有している。
背面カバー側嵌合穴P8510は、図70(C)で示すとおり、補助盤側篏合穴P8006とは異なる略多角形形状の開口であり、開口寸法の最大寸部分でもラッチ突起P8614が背面カバー側嵌合穴P8510の周辺部を嵌合し、背面カバー側嵌合穴P8510からラッチ固定部品P8610が脱落しないようになっており、背面カバー側嵌合穴P8510の一辺には下方に傾斜するラッチ案内斜面P8511が設けてありラッチ嵌合軸P8613が変形してラッチ嵌合軸P8613およびラッチ突起P8614を背面カバー側嵌合穴P8510に貫通通過させる際、貫通通過作業を補助する機能を有する。換言すれば、背面カバー側篏合穴P8510の内径は、対のラッチ突起P8614の両端を結ぶ長さよりも小さくなっており、ラッチ案内斜面P8511を設けていないと、ラッチ篏合軸P8613およびラッチ突起P8614とが背面カバー側篏合穴P8510を貫通通過することが相当に困難(あるいは不可能)となるようになっている。
ラッチ固定部品P8610を背面カバー側嵌合穴P8510に貫通通過させる際は、まずラッチ固定部品P8610を背面カバー側嵌合穴P8510の貫通方向に対して傾け、一方のラッチ突起P8614を背面カバー側嵌合穴P8510に通過させる。次にラッチ固定部品P8610を背面カバー側嵌合穴P8510の貫通方向と同じ方向に傾けるとラッチ案内斜面P8611に対してラッチ突起曲面部P8614aが摺動しつつ移動して、ラッチ突起曲面部P8614aがラッチ案内斜面P8611に押圧されることで、対のラッチ嵌合軸P8613と対のラッチ突起P8614がそれぞれ互いに近接するように変形し、ラッチ嵌合軸P8613およびラッチ突起P8614が背面カバー側嵌合穴P8510を通過して、ラッチ固定部品P8610は背面カバー側嵌合穴P8510に対して嵌め殺し状態となる。また、ラッチ固定部品P8610が背面カバー側嵌合穴P8510に対して嵌め殺し状態になった後も、ラッチ固定部品P8610は、ラッチ嵌合軸P8613の中心軸を基準に回転可能となっている。
従来のラッチ固定部品が嵌合する嵌合穴は、図70(A)図70(B)で示す通り、背面カバーP80000の背面カバー側嵌合穴P80001は補助盤側嵌合穴P8006と同じ形状を有していた、しかしラッチ固定部品の状態によってはラッチ固定部品が背面カバー側嵌合穴P80001から脱落する。過度の背面カバーP80000開閉動作によりラッチ突起が摩耗して背面カバーP80000を引き作動させるだけで補助盤側嵌合穴P8006からラッチ固定部品が脱落し、背面カバーP80000が開放していた。そこで背面カバー側嵌合穴P8510を補助盤側嵌合穴P8006に対して異なる形状でかつその内径が対のラッチ突起P8614の両端を結ぶ長さよりも小さくすることで、ラッチ嵌合軸P8613およびラッチ突起P8614が背面カバー側嵌合穴P8510を通過した際には、ラッチ固定部品P8610が背面カバー側嵌合穴P8510に対して嵌め殺し状態となるようにし、ラッチ突起P8614を比較的肉厚にすることでラッチ固定部品P8610の紛失や簡単に背面カバーP8000が開放してしまう事象を防ぎ、またラッチ固定部品P8610が紛失してしまうことによる遊技場間の中古移動時に部品欠損による型式不備で中古移動が不可となってしまうことを防止する。
[タッチパネルを利用した発射ハンドル]
次に、基本実施例で使用される発射ハンドルとは異なるタッチパネルを利用した発射強度操作装置(以下、「タッチ発射装置」と記載)について説明を行う。図71はタッチ発射装置を搭載したぱちんこ遊技機の正面図であり、図72はタッチ発射装置の操作部分を拡大し、タッチ検出部分の構造を示す平面図であり、図73はタッチ発射装置の機能、操作方法、および動作状態表示を表す平面図であり、図74はタッチ発射装置の操作部分における発射強度タッチ目盛の変形例を示す平面図であり、図75はタッチ発射装置の別実施例における操作説明を示す斜視図である。
タッチ発射装置P7100は従来の発射ハンドルが設けられている前扉の正面視右側下部部分に、操作面を上方に向けて備えられる。タッチ発射装置P7100は主として、タッチパネルケースP7110、タッチパネル部P7120、強度目盛P7130、手台座部P7140で構成される。タッチ発射ハンドルP7100は発射制御基板P243とハーネス(不図示)で接続され前扉P2000の正面から見て右側下方部に固定部材(不図示)を用いて固定されている。
タッチパネルケースP7110は例えば樹脂成型で製造された方形箱型のケース状となっており、内部にはタッチパネル機能に必要な基板(不図示)や電子部品(不図示)が内蔵されている。
タッチパネル部P7120はタッチパネルケースP7110の開口部(不図示)を塞ぐ略平面壁で構成され、手の指で触れることによって発射強度を自在に調整可能な強度目盛P7130、手の掌底部を置くことが可能な手台座部P7140、発射強度の目安が一目でイメージできるよう強度表示P7150が設けられている。
タッチ発射装置P7100の機能、操作方法、および動作表示状態を図73にて説明する。強度目盛P7130は発射強度を示す扇状のマス部(目盛)が複数描かれており、遊技者が望む発射強度を示すマス部に触れることで遊技領域に発射することが可能となっている。なお、タッチパネルでの検知方法は一般に知られている抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式など様々な方式が使用できるが遊技者の操作によって発射装置を駆動させる場合は静電容量方式が適しているため、静電容量方式を例に説明を行う。
強度目盛P7130を使用して発射する打球強度種類として、ファール球回収口P5530(図59参照)に流入するよう遊技領域P501に達しない発射強度で発射するマス (1)部P7031、遊技領域にかろうじて到達する発射強度で発射するマス(2)部P7032、センター役物P540の上部左側部分(図4参照)の手前で発射球の勢いが弱くなる強度で発射するマス(3)部P7033、センター役物P540の上部左側部分にあたると跳ね返り、数球に1球はセンター役物P540の天部に達する強度で発射するマス(4)部P7034、センター役物P540の天部に達する強度で発射するマス(5)部P7035、遊技領域P501の右側に設けられた返しゴムに発射したすべての遊技球が達する強度で発射するマス(6)部P7035が設定されている。すなわち、図73で見て左のマスから右のマスに進めば進むほど、遊技球の発射強度が高くなるように設定されている。なお、図73でみて右のマスから左のマスに進めば進むほど、遊技球の発射強度が高くなるように設定しても良く、要は、それぞれのマスにおいて互いに異なる発射強度が設定されていればよい。また、仕様に応じて、一のマスと他のマスとの発射強度が同一になるように設定しても良く、マスに設定する発射強度(マスに対応付けられた発射強度)は適宜設定可能である。
遊技者が遊技球の発射を行いたい場合は、マス部(1)P7131~マス部(6) P7136のうち発射したい強度に該当するマス部を触れると人が所有する静電気で指先と導電膜の間での静電容量の変化によって遊技者による操作を検知し規定された時間(例えば0.3秒)操作が持続されると、触った位置に応じたタッチ発射装置P7100を通じて発射制御基板P243に発射強度に対する信号が送られ、発射装置P240にてその発射強度に対する信号に対応した打球動作を行う。
また、マス部(1) P7131~マス部(6) P7136の下部には発光素子(不図示)が設けられ、発射強度を遊技者に表示する。例えばマス部(3) P7133を触れていることを検出するとマス部(1) P7131~マス部(3) P7133の下部に設けてある発光素子が点灯、点滅、もしくは発光色が変化する。このことでマス部(1) P7131~マス部(6) P7136は発射強度を示すメーターの機能も果たしている。
1球ずつ遊技球の打球を行う単発打ちを行う場合の操作方法を説明する。単発打ちを行う際はマス部(1)P7131~マス部(6) P7136のうち、希望する発射強度の1つのマス部を手で触り、遊技球が発射されたことを認識できたら所定時間以内(例えば0.6秒以内)にマス部から指を離すことで発射装置P240は遊技球の発射を停止し以降遊技球の発射を行わない。
上述した単発打ち方法の他に本実施例のタッチ発射装置P7100は別の単発打ち操作方法を有する。任意のマス部(1) P7131~マス部(6) P7136のうち任意のマス部を指に触れて遊技機を連続発射している最中に、現在選択しているマス部以外の触れていないマス部を指で触れると発射装置P240が一連の発射動作中であった場合は当該動作終了後、マス部への接触検出が2か所以上の状態が継続している場合には発射装置P240は現在行っている発射動作を終了した後、次発の遊技球は発射待機状態となる。また、発射装置P240が発射待機状態であった場合には以降の発射動作を行わない。またマス部下方の発光部の発光も停止する。
遊技者がマス部の任意の1か所のみ触れている状態に復帰すると発射装置P240は遊技者が触れているマス部に応じた発射強度で再び発射装置P240は発射動作を開始する。
次に強度目盛P7130の変形例である強度目盛P7130aを図74を基に説明を行う。強度目盛P7130aは強度目盛P7130同様6つの扇状のマス部が複数並んで全体として扇状の形状で形成されており、マス部(1) P7131a~マス部(6) P7136aに設定されている発射強度設定も同じである。異なる点は使用頻度の高いマス(3) 部P7133a、マス(4) 部P7134a、マス部(6) P7136aのマス部面積が他のマス部より面積が大きく設定されている。そのため使用頻度が高いマス部にタッチしている指が多少位置ずれしても発射したい発射強度を維持することができる。
次にタッチ発射装置P7100の別実施例形態であるタッチ発射装置P7200について図75を参照しながらタッチ発射装置P7100と異なる部分を主に説明する。
タッチ発射装置P7200はタッチ発射装置P7100と同様従来の発射ハンドルが設けられている前扉の正面視右側下部部分に、操作面を上方に向けて備えられる。タッチ発射ハンドルP7200は主として、タッチパネルケースP7210、タッチパネル部P7220、強度目盛P7230、手台座部P7240で構成される。また、タッチ発射ハンドルP7200もタッチ発射装置P7100と同様に発射制御基板P243とハーネス(不図示)で接続され前扉P2000の正面から見て右側下方部に固定部材(不図示)を用いて固定されている。
タッチパネル部P7220は、タッチパネル部P7120同様タッチパネル機能を利用し、遊技者の任意で選択された(遊技者の任意で接触した)発射強度目盛P7230の部位によって発射強度が選択され、発射強度もタッチ発射装置P7100同様遊技領域P501に達しない強度から遊技領域P501の右側に設けられた返しゴムに発射したすべての遊技球が達する強度まで自在に選択できるようになっている。また、手台座部P7240には強度目盛P7230の角度を変更できるように、強度目盛P7240が載置された板状の角度調整部材7240Aが設けられ、この角度調整部材P7240Aの基端部にはパネル丁番P7250が設けられており、遊技者は角度調整部材P7240の横側を指で引き起こし押し倒しすることで所定の角度に変更できるようになっており、変更した角度で維持できるようになっている。
強度目盛P7230は、ぱちんこ遊技機PCの正面視から右側方向が幅広になる二等辺三角形状の目盛が設けられており、強度目盛P7230の下方部には複数の発光素子(不図示)が設けられ、発射の強度を発光を持って遊技者に表示する。タッチ発射装置P7100の強度目盛P7130と異なる点は発射強度が無段階設定できるようになっており、また、タッチ発射装置P7100同様強度目盛P7230に、単一のタッチ検出が発生した場合には遊技球の発射を行い、複数のタッチ検出が発生した場合は遊技球の発射を停止する。
このようにタッチパネルを使用した発射強度調整構造にすることで、従来のハンドル式のような発射強度を維持するために握力を使用することなくタッチパネル部に触っているだけで任意の発射強度を維持することができるため、握力の弱い高齢者や女性でも快適に遊技をすることができる。また、視覚的にも発射強度の設定が一目で想像できる。また、タッチパネル構造の検出方法に静電容量方式を採用すれば異物をマス部に置いても発射装置P230は作動しないため手放し遊技を防止でき、また、従来のハンドル式に備わっていた専用の金属リング状のタッチ検出装置を必要としないため発射装置の部品点数を低減できる。また、各マス部の下方部には発光部を備え発光形態で発射強度を表示できるようにすることで現在の発射強度を容易に確認することができ、タッチパネル部が作動しない不具合を容易に発見でき、遊技領域の左右を数球ずつ交互に打つ変則打ちも目視発見しやすくなる。
強度目盛P7130の変形例である強度目盛P7130aにおいては、使用頻度の高い発射強度の操作維持が容易なほか、さらに面積の広いマス部内でタッチ位置を左右に移動することで発射強度の微変更ができるようにしてもよい。こうすることによって発射装置P230の性能バラツキに対して対応容易になる。
タッチ発射装置P7200においてはパネル丁番P7250を用いてタッチパネル部P7220の角度を変更できるため、操作性が向上する。また手台座部P7240部分に触れていることを検出し遊技球の発射を許可するタッチ機能を持たせてもよい。
[レバーを利用した発射ハンドル]
次に、基本実施例で使用される発射ハンドルとは異なるレバーを利用した発射強度操作装置(以下、「レバー発射装置」と記載)について説明を行う。図76はレバー発射装置を搭載したぱちんこ遊技機の正面図であり、図77はレバー発射装置の操作方法を説明する平面図と側面図であり、図78はレバー発射装置を遊技者の手により操作している様子を示す斜視図であり、図79は変形例に係るレバー発射装置を遊技者の手により操作している様子を示す斜視図であり、図80は変形例に係るレバー発射装置の操作説明を示す斜視図である。
レバー発射装置P7300は従来の発射ハンドルが設けられている前扉の正面視右側下部部分に、レバー操作台P7310と掌底置台P7320が設けられ、レバー操作台P7310は主として、発射台面P7311、発射レバーP7312、指掛け台P7313で構成され、その他、操作された発射レバーP7312の移動量を検出するレバー移動量検出手段(不図示)やレバータッチ感度検出手段(不図示)で構成される。また、掌底置台P7320は主として掌底置面P7321で構成されている。
レバー操作台P7310は、樹脂等で構成される凸ドーム状の外壁P7310aで構成され天井部分には発射台面P7311が形成される。発射台面P7311下方の内部にはレバー移動量検出部(不図示)やレバータッチ感度検出部(不図示)に関する電子部品が内蔵され、これらの検出部はハーネス等を用いて発射制御基板P243と電気的に接続される。
発射レバーP7312は側断面が略台形のレバー摘み部P7312aを有し一般的な直線スライド機構を有している。遊技者はレバー摘み部P7312aを奥側にスライド押圧することでスライド機構部P7312cが可動し、発射装置P242の発射強度を強くすることができ、遊技者によるレバー摘み部P7312aへの操作がされないときは図示しないバネの付勢力を用いて発射装置が動作しない一番手前の初期位置に付勢される。またレバー摘み部P7312aの先端部はレバータッチ感度部P7312bになっており、遊技者が保有している静電量を検出して遊技者の手による操作でレバー摘み部P7312aの操作を行っていることを検知可能としている。
指掛け台P7313は上面に複数の複数の指掛け凹部P7313aを連続形成した直線状の堤防形状となっており、上述した発射レバーP7312のスライド方向に並列して設けられている。指掛け凹部P7313aは指1本をはめ込むことが可能な幅の凹形状となっており、レバー摘み部P7312aを奥側にスライド押圧したのち任意の指掛け凹部P7313aに指の先端部をはめ込むことで、遊技者が希望する発射強度で遊技球を発射しつつ発射レバーP7312のバネ付勢力に対抗して指の力を使用せずレバー摘み部P7312aを所定の位置で保持し続けることができる。
掌底置台P7320は平板棚状を有しており遊技者から見てレバー操作台P7310の右側に隣接して設けられ、図78に示しているようレバー操作台P7310を遊技者の右手で包み込むように握ってレバー摘み部P7312aを操作する際に遊技者の右手の掌底部や手刀部を置いて腕の重量を預けることができる。
このようにレバーを使用した発射強度調整構造にすることで、従来のハンドル式のような発射強度を維持するために握力を使用することなくレバー摘み部で任意の発射強度に設定した後、指掛け台に指を引掛けてレバー摘み部の操作位置を保持することできる。(図78参照)このような構造にすることで握力の弱い高齢者や女性でも快適に遊技をすることができる。また、視覚的にも発射強度の設定が一目で想定できる。
次にレバー発射装置の変形例に関して図79等を参照しながら説明を行う。この変形例ではレバーを用いて発射強度を調整する点、発射装置を大きく分けてレバー操作台と掌底置台で構成される点においては上述したレバー発射装置7300と共通である。変形例に関しては上述したレバー発射装置7300と異なる部分を中心に記載をする。
変形例であるレバー発射装置P7400は従来の発射ハンドルが設けられている前扉の正面視右側下部部分に、レバー操作台P7410と掌底置台P7420が設けられ、レバー操作台P7410は主として、発射台面P7411、発射レバーP7412、で構成され、その他、操作された発射レバーP7412の移動量を検出するレバー移動量検出手段(不図示)やレバータッチ感度検出手段(不図示)で構成される。また、掌底置台P7420は主として掌底置面P7421で構成されている。
発射レバーP7412は先端が末広状に広がるスティック形状を有し、遊技者が手で摘まんで操作するレバー摘み部P7412a、レバー摘み部P7412aが遊技者の手による操作で操作されていることを検出するタッチ感度部P7412b、スイッチ操作することで遊技球の発射を停止や連続打ちを可能とする単発打ちスイッチP7413cからなり、レバー操作台P7410の発射台面P7411に取り付けられる。
発射レバーP7412は遊技者からみて右側方への移動量に応じて遊技球の発射強度を強くすることが可能となっている。また図示しないバネ等の付勢力を利用して発射レバーP7412を常に左側方に付勢しており、遊技者による操作が行われていない状態において発射レバーP7412は発射装置P242が動作しない左側方に位置している。
単発打ちスイッチP7413cは発射レバーP7412を右側方に移動したまま遊技球の発射を停止させるために操作を行う形態のほか、単発打ちスイッチP7413cを操作することで発射装置P242を動作させるようにしてもよい。この場合発射レバーP7412を任意の位置へ右側方に移動しても発射装置P242は動作せず、発射レバーP7412を任意の位置に保持したまま単発打ちスイッチP7413cを操作することで発射装置P242を作動させることができるようになる。また、単発打ちスイッチP7413cを操作したまま発射レバーP7412を右側方に動かせば直ちに発射装置P242を動作させることができる。また、単発打ちスイッチP7413cを金属製ボタンにしてタッチ感度手段と電気的接続することで異物をレバー発射装置P7400のスライド機構部にねじ込むなど手放し遊技を行わせることを防ぐことができる。
レバー発射装置P7300、P7400を遊技球の発射強度調整機構に採用することによって遊技者は発射強度を維持するために握力を使用せず指の力だけで遊技球を発射させ、発射させ続けることが可能となる。また、レバー発射装置P7300、P7400の可動領域が一目で認識できるため遊技者が設定したい発射強度を瞬時に設定することが可能となる。また、遊技者は腕の重量を掌底置台P7320、P7420に預けて遊技球の発射動作を行えるため、長時間遊技を行っても握力を消耗させることがない。
[温冷ユニットを利用した演出告知装置]
次に、温冷ユニット(温度変化ユニット)を利用した演出告知装置(以下、「演出告知装置」と記載)について説明を行う。図81(A)、(B)は演出告知装置を搭載したぱちんこ遊技機の正面を一部拡大し演出告知装置を移動させたときの説明図であり、図82はぱちんこ遊技機に固定手段で固定するタイプの演出告知装置を搭載したぱちんこ遊技機の斜視図であり、図83は演出制御基板と、中継基板、および演出告知装置群の電気ブロック図であり、図84は演出制御基板と、中継基板、および演出告知装置群の電気ブロック図であり図83の変形例である。
図81、図82を使用して演出告知装置P7500を説明する。演出告知装置P7500は主としてベース台座部P7510、手刀置き場(手置き場)P7520、接触端子部P7530、台座移動用アーム(不図示)、温冷ユニット(不図示)、振動装置P7540(図83等を参照)で構成される。
ベース台座部P7510はたとえば樹脂製のベース台座壁P7511で中空の内部空間を有するように構成され、下部は箱状で上部は天部に凹みが設けられた堤防土手状の凸形状を有しており、ベース台座部P7510の内部には温冷ユニット(不図示)や振動装置P7540が内蔵されており中継基板を介して演出制御基板と電気的に接続される。また複数かつ多種類の関節構造を繋いで構成される台座移動用アーム(不図示)がベース台座壁P7511に取り付けられ、台座移動用アーム(不図示)を介してぱちんこ遊技機PCと接続されることでベース台座部P7510は台座移動用アームの移動可能範囲で移動を可能とし、さらに前後方向左右方向等自在な傾きと位置調整も可能としている。また図82のぱちんこ遊技機に固定される演出告知装置7500の場合は図示しない固定手段によって幕板P1100に固定される。
温冷ユニットは一般にはペルチェ素子という板状の半導体を使用し、表面及び裏面に亘って電流を流すことによりそれぞれの面を加温又は冷却させ得る(それぞれの面の温度変化をさせ得る)もので、電流の向きを変えることにより加温される面と冷却される面とが反転するよう構成されたものである。また、任意の温度まで加温させるより任意の温度まで冷却させる場合の方が時間を必要とするため、短時間で温度を変化させたい場合は空冷ファンを兼用して冷却速度を早くさせる工夫を行っている。また加温冷却させる対象物が大きくなる(体積が増える)と加温冷却サイクルの時間も必然的に長くなる。
振動装置P7540は従来からある上球皿P341の内部に設けられた振動を発生する構造と同様にモータの回転軸に偏心させた重りを取り付け、モータ自身を振動させる構造や、ソレノイドを高速でONOFFさせることで振動させたい対象物に衝撃を与えることで振動を発生させる構造が内蔵しており、ベース台座部P7510全体を振動させることが可能となっている。振動装置P7540の作動契機は従来の振動を利用した演出告知と同様に大当たり確定演出等で振動発生動作を行う。
手刀置き場P7520は、ベース台座部P7510の上部堤防土手形状の天部の凹み形状が該当しちょうど遊技者の手、特に遊技者の手刀部が収まるような幅になっているため、発射ハンドルP7000を操作している最中に手刀部を乗せることで腕の重さを預けることができる。また手刀置き場P7520には遊技者の手刀部が直接接触する凹部面P7521に、四角形状の金属板からなる接触端子部P7530が設けられ、温冷ユニット内のペルチェ素子の温度接触端子部P7530に伝導する構造となっており接触端子部P7530を通じて遊技者の手刀部を加温したり冷却したりすることが可能となっている。
演出告知装置P7500は主に俗に言う1種ぱちんこ遊技機で頻繁に使用される保留先読みを行い、音や映像を使わず当該遊技者に告知演出を主に行う装置であるため、遊技機の種類、型式によっては演出告知装置P7500や振動装置P7540を使用しない場合がある。そのため、演出告知装置P7500や振動装置P7540を使用しないぱちんこ遊技機の場合は演出告知装置P7500や振動装置P7540の代わりに単純に光の演出を行うのみのLED演出装置P7600を接続する。こうすることによってぱちんこ遊技機の種類によって入出力ポートの空きが生じ、電気的な不具合や不正行為を行われることを防いでいる。
次に演出告知装置7500に関する電気接続構造を図83、図84を用いて説明する。図83に示すように、演出告知装置P7500は演出操作ユニットP9000と演出制御基板P41との中間に接続される枠中継基板P9810ではなく、演出制御告知中継基板P9900を中継して演出制御基板P41と接続される。またベース台座部P7510に内蔵される振動装置P7540も同様に演出制御告知中継基板P9900に接続される。
演出告知装置P7500や振動装置P7540を必要としない遊技機の場合は代わりに演出LED装置P7600が使用される。これは空きポートの対策なのでもちろん演出告知装置P7500や振動装置P7540を使用しない遊技機にて使用しても差し支えない。また、演出告知装置P7500、振動装置P7540および演出LED装置P7600を適宜組み合わせて使用してもよい。
従来、映像や画像などの演出表示装置P80で行う演出以外の演出、例えば、振動による演出を行う上述の振動装置P7540といった演出装置はぱちんこ枠に取り付けられており枠部品というカテゴリに属している。また、ぱちんこ枠に組み込まれる遊技盤に取り付けられる部品は盤部品にカテゴリされている。これら枠や盤は関係各庁に枠申請、盤申請という手続きを行い、適合を受けると遊技場において設置が可能となる。そのため、勝手に部品交換を行えず、また、申請時と異なる型式部品を取り付けることができない。たとえば、遊技盤の交換に伴って枠部品の一部を変更することも同様に不可能であるが、本実施例の演出告知装置P7500、振動装置P7540および演出LED装置P7600は盤部品に属しており、遊技盤の部品に含んで関係各庁への盤申請手続きをおこない許可を得ているため、遊技盤の変更に伴って変更可能となっており、前述した各装置を様々に組み合わせて、異なる機種ごとに変更可能としている。
また、図84に示す演出告知装置P7500、振動装置P7540、演出LED装置P7600に追加して演出操作ユニットP9000を盤部品として取り扱うことも可能である。この場合各装置と演出操作ユニットP9000は枠中継基板P9810を通じて演出制御基板P41と接続される。この運用例でも上述した通り機種を変更するに伴って組み合わせを変更可能である。
温冷ユニットを演出告知に使用することによって、従来の単純な振動ONOFFでの振動による告知(演出)や空気ONOFFでの空気による告知(例えば、遊技者に向けて風が当たる/当たらないことによる告知(演出)等)と異なり無段階で多様な形態での告知が可能となる。また、パチンコ枠外に設けられるベース台座部P7510の内部に演出告知装置P7500や振動装置P7540を設けることで装置自体の外形を大きく自由な形状にすることができる。一般に発射ハンドルは発射調整に必要な各種部品がすでに組み込まれているため、その上で温冷ユニットを組み込むことは困難であるし、また、組み込んだ場合においては温冷ユニットの外形を大きくすることが困難になるが、このようなことを、上記構成とすることで回避できる。また、発射ハンドル以外に遊技者の手が常に触れていることを可能にさせる手刀置き場P7520をベース台座部P7510上部に設け、さらに手刀置き場P7420の一部分に接触端子部P7530を設けている構造にすることで、接触端子部P7530の面積を小さくしても遊技者の手刀部と常に触れている状態にできる。そのため温冷サイクルを短時間で切り替え可能になり、手のひらより温度の変化に敏感な手刀部で温度を感じさせることで、温冷による演出(温度変化による触感的な演出)を接触端子部P7530より敏感にかつその温度変化を実感しやすくすることができる。
従来、振動装置P7540を発射ハンドルP7100に設けると、振動装置P7540が発生させた振動によって遊技球の発射性能に支障をきたすため、発射ハンドルP7000に振動装置P7540を内蔵することが現実的にはできなかった。しかし今回の本構成を採用し振動装置P7540をぱちんこ遊技機PCと分離させて設けることで振動装置P7540を発射ハンドルP7000に内蔵させる構成と同様に、触覚による演出効果(温度変化)を遊技者に提供できる。また図82のようなぱちんこ遊技機PCに固定させる形態でも、ベース台座部P7510を外枠P1000に固定することで前枠P2000に振動が伝わることを制限でき、発射ハンドルP7000による遊技球の発射性能に支障をきたすことを防止することができる。
また、上述したが演出告知装置P7500、振動装置P7540および演出LED装置P7600を盤部品として運用することで機種ごとに演出告知装置を変更することができる。
[温冷ユニットを利用した演出告知装置で行う演出]
上述した温冷ユニットを利用した演出告知装置P7500を用いた演出告知の一例を説明する。図85は各種リーチ状態よる各種リーチ演出の出現頻度の一覧表であり、図86~図89は接触端子部P7530の温度変化の様子を各種パターンにおける時間経過に応じて変化する様子を表したグラフである。
図85を用いて各リーチ演出において出現する演出の出現配分に関して説明する。本実施例では図柄が変動開始後、俗に言う図柄変動中の図柄が残り一つの状態でかつ停止している図柄が同じ数字であるテンパイ状態となったリーチ演出開始から変動している図柄が本停止した図柄確定までの長さをリーチ演出時間と定義しており、図柄確定までの時間は「リーチ演出1」においては5秒、「リーチ演出2」においては10秒、「リーチ演出3」においては20秒、「リーチ演出4」においては30秒の4種類のリーチ演出時間が設定されている。またリーチ演出の別実施例としてリーチ演出が段階を踏んで継続する「リーチ演出1」→「リーチ演出2」→「リーチ演出3」「→リーチ演出4」のようなステップアップ演出を行うリーチ演出でも採用できる。
従来のぱちんこ遊技機同様に時間が長いリーチ演出になるほど出現率は低くなっており、一例として「リーチ演出1」においては60%、「リーチ演出2」においては25%、「リーチ演出3」においては10%、「リーチ演出4」においては5%に設定されている。
従来のぱちんこ遊技機同様に時間が長いリーチ演出になるほど大当たり期待度は高くなっており、一例として「リーチ演出1」においては3%、「リーチ演出2」においては10%、「リーチ演出3」においては20%、「リーチ演出4」においては67%となっている。
各演出告知の詳細な演出説明は後述するが、接触端子部P7530の温度変化が多彩であり温度変化の時間が長いほど大当たりの期待値が高く設定されている(なお、温度変化の時間が短いほど大当りの期待値が低く設定されているようにしても良く、大当り等の特典の期待値と温度変化の時間との関係は適宜設定可能である)。また、温冷ユニットの特性上温冷サイクルは温(加熱)→冷(冷却)より冷→温の方が特定の温度に到達する時間を短く設定することが可能なため、冷→温に移行する作動が主体となっている演出は時間が短いリーチ演出に対して多用され、温→冷に移行する作動が主体となっている演出は時間が長いリーチ演出に対して多用させることで温冷ユニットをコンパクトにすることが可能となる。またこのことより冷→温より温→冷に移行する演出の方が大当たりの期待度が高くなっているが、もちろん温→冷より冷→温の方が大当たりの期待値を高くすることも可能である。
次に各告知演出の主要な演出を温度変異状態と時間経過を対比したグラフを用いて説明する。本説明およびグラフ内における「定温」とはぱちんこ遊技機に予め設定されている温度、例えば人間の平熱と呼ばれる36℃でもよいし、室温や外気温で設定されてもよく、遊技機製造業者によって任意に設定される。「高温」とは定温より熱く設定される温度であればよく最高温度は例えば40℃に設定する等、遊技機製造業者によって任意に設定にされる。「冷温」とは定温より低く設定される温度であればよく、最低温度は例えば15℃に設定する等、遊技機製造業者によって任意に設定される。なおグラフ中では高温の最高温度と冷温の最低温度とのレンジ幅が同一で示されているが、実際の最高温度と最低温度の設定はレンジ幅に差異を持って設定されていていてもよい。
図86の(1)接触端子部が定温→高温に変化する告知演出の温度変化グラフについて説明する。この告知演出はリーチ演出1など比較的短時間で図柄確定するリーチ演出で出現率が高い設定となっている。リーチ開始から接触端子部P7530の温度が高温に移行しリーチ演出1において図柄確定する5秒で特定の温度に達して温度上昇は停止し、その後定温に復帰する。なお、図柄確定前に特定の温度に達し高温への温度上昇を終了してもよい。
図86の(2)接触端子部が定温→冷温に変化する告知演出の温度変化グラフについて説明する。この告知演出はリーチ演出2など比較的短時間で図柄確定するリーチ演出で出現率が高く設定となっている。リーチ開始から接触端子部P7530の温度が冷温に移行しリーチ演出2において図柄確定する10秒で特定の温度に達して温度下降は停止し、その後定温に復帰する。なお、図柄確定前に特定の温度に達し冷温への温度上昇を終了してもよい。
図87の(3)接触端子部が定温→高温に変化する告知演出の温度変化グラフについて説明する。この告知演出はリーチ演出4など比較的長時間で図柄確定するリーチ演出で出現率が低い設定となっている。リーチ開始から25秒後に接触端子部P7530の温度が高温に移行しリーチ演出4において図柄確定する30秒で特定の温度に達して温度上昇は停止し、その後定温に復帰する。なお、図柄確定前に特定の温度に達し高温への温度上昇を終了してもよいし、冷温への移行で行ってもよい。この告知演出は上述した(1)接触端子部が冷温→高温に変化する場合と比べリーチ演出開始から所定の時間経過後、突然高温への温度上昇を開始する所謂遅れと呼ばれる告知演出で大当たり期待度の高い場合に出現するよう設定されることが多い。
図87の(4)接触端子部が定温→冷温に変化する告知演出の温度変化グラフについて説明する。この告知演出はリーチ演出4など比較的長時間で図柄確定するリーチ演出で出現率が低い設定となっている。リーチ開始から接触端子部P7530の温度が冷温に移行しリーチ演出4において図柄確定する30秒で特定の温度に達して温度下降は停止し、その後定温に復帰する。なお、図柄確定前に特定の温度に達し冷温への温度下降を終了してもよいし、高温への移行で行ってもよい。この告知演出は上述した(2)接触端子部が冷温→高温に変化する場合と同様リーチ演出開始から冷温への温度下降を30秒にわたって行うため、遊技者が接触端子部P7530の温度変化を(2)接触端子部が定温→冷温に変化する告知演出と比べ徐々に感じるので告知演出発生を徐々に感じることで大当たり期待感を持たせることができる。
図88の(5)接触端子部が定温→冷温→高温に変化する告知演出の温度変化グラフについて説明する。この告知演出はリーチ演出3やリーチ演出4など比較的長時間で図柄確定するリーチ演出で出現する設定となっておりリーチ演出1やリーチ演出2などの比較的短時間で図柄確定するリーチ演出では出現しない。リーチ開始から接触端子部P7530の温度が冷温に温度低下し10秒経過すると今度は高温に温度上昇を行う。その後5秒間で高温の所定温度に達しリーチ演出開始から20秒に到達するまで高温の所定温度を保持し、定温に復帰する。なお、この告知演出をリーチ演出4において出現させ図柄確定前にこの告知演出を終了してもよいし、温度が変化するサイクルも様々設定できる。この告知演出は(2)接触端子部が定温→冷温に変化する告知演出の発展形になっており例えば図柄が一旦仮停止後、接触端子部P7530がいきなり温度上昇しその後再変動することで遊技者に演出を体感させることができる。また温冷ユニットは高温への移行レスポンスの方が優れているため、急激な温度変化を用いたい告知演出に効果を発揮する。
図88の(6)接触端子部が定温→高温→冷温に変化する告知演出の温度変化グラフについて説明する。この告知演出はリーチ演出4のみ出現する設定となっており、その他のリーチ演出では出現しない。リーチ開始から接触端子部P7530の温度が高温に温度上昇し5秒経過すると今度は冷温に温度低下を行う。その後約15秒間で冷温の所定温度に達しリーチ演出開始から30秒に到達するまで冷温の所定温度を保持し、定温に復帰する。なお、この告知演出を図柄確定前にこの告知演出を終了してもよいし、温度が変化するサイクルも様々設定できる。この告知演出は上述した(1)接触端子部が定温→高温に変化する告知演出の発展形となっており今回説明した告知演出のうち、一番大当たり期待値の低い告知演出からの発展であり一番大当たりの期待が持てるリーチ演出4が確定するため、遊技者は出現機会が多く大当たり期待値の低い(1)接触端子部が定温→高温に変化する告知演出であっても発展することを期待しながら遊技を行える。
図89の(7)接触端子部が定温→温度上昇→温度低下→温度上昇を繰り返す告知演出の温度変化グラフについて説明する。(7)接触端子部が定温→温度上昇→温度低下→温度上昇を繰り返す告知演出は(1)接触端子部が定温→高温に変化する告知演出の変形例となっており、特別図柄の保留を有する状態で例えば(1)接触端子部が定温→高温に変化する告知演出は発生し、リーチ演出1発生後、はずれ確定で図柄確定し、次変動開始で温度上昇を開始する所謂先読み演出を行う。この告知演出は上述した(1)接触端子部が定温→高温に変化する告知演出の発展形となっており今回説明した告知演出のうち、一番大当たり期待値の低い告知演出からの発展で次変動以降にリーチ演出1より大当たり期待の高いリーチ演出が発生する期待を遊技者に持たせることができる。
図89の(8)接触端子部が定温→冷温→高温に変化(途中で終了してしまう例)する告知演出の温度変化グラフについて説明する。(8)接触端子部が定温→冷温→高温に変化(途中で終了してしまう例)の演出告知は(5)接触端子部が定温→冷温→高温に変化する演出告知の変形例となっている。リーチ開始から接触端子部P7530の温度が冷温に温度低下し10秒経過すると今度は高温に温度上昇を行うところまでは(5)接触端子部が定温→冷温→高温に変化する演出告知と同様だが定温に到達する手前で高温への温度上昇動作を停止し以後接触端子部P7530は定温を維持したまま図柄確定する。この告知演出は上述した(5)接触端子部が定温→冷温→高温に変化する告知演出の変形例であり所謂ガセと呼ばれる演出告知である。この演出告知は大当たり期待度が低くなっており大当たり可能性を0%に設定してもよい。この変形例は(8)接触端子部が定温→冷温→高温に変化(途中で終了してしまう例)する告知演出以外の告知演出においても採用可能である。
上述した告知演出は、リーチ中演出における告知演出例で複数のパターンを説明したが、これに限らず、例えば図柄変動開始から行ってもよいし、大当たり中の確変昇格演出や、特別図柄が所定回数変動しても大当たりが発生しなかった場合や特定の抽選に当選した場合に電チューの開放機会が多くなる俗に言う天井時短や抽選時短の発生予告に使用してもよい。また、例えば、図86の(1)、(2)よりも、温度変化の時間が長い図87の(4)の方が大当たり期待度を高く或いは低く設定するというように、温度変化の時間と大当り等の特典の期待値とを対応付けても良いし、この温度の変化時間、及び、図86~図89で示した温度の上昇・下降(加熱・冷却)の各種パターンの組み合わせと大当り等の特典の期待値とを対応付けても良く、この種の組み合わせは適宜設定可能である。
温冷ユニットを利用した演出告知装置P7500を採用することで、遊技者に対して多彩な体感告知を提供できる。また、温冷ユニットは冷却性能より加熱性能の方が優れており、通常の温冷ユニットを使用した他の製品に比べ、温度変化のスピードが求められるため、演出時間が短い演出に対しては高温になる告知演出を多く採用し、冷温になる演出は演出時間の長い演出で使用することで、演出告知装置P7500の消費電力や装置外形を小さくでき、演出の大当たり期待度を遊技者に理解させやすくすることができる。
[第1実施例の主たる効果]
以上、第1実施例において達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
(1)第1実施例によれば、下枠部材P5001にスピーカP1102の外形形状に対応する凹部(ザグリ部P1002b)を設けたことにより、遊技機内部の限られたスペース(幕板領域)を有効に活用して、この凹部の分だけ大型のスピーカP1102を配設することができ、遊技機の音響効果を高めることが可能となる。
(2)第1実施例によれば、幕板部材P1101の中央にバスレフ孔P1105を集結させる構造としたことで、遊技機PCの正面に座る遊技者に対してスピーカP1102から発する低音の音圧をより効率的に感じやすくさせることができ、臨場感や迫力の富む効果音を体感させることが可能となる。
(3)第1実施例によれば、扉枠部材P5100の上部が右装飾ユニットP6100の重量によって前方へ傾き加減になったとしても、この扉枠部材P5100に対してガラスユニットP5200の上部(ラッチ受部P5303の周辺)を強制的に前方へ押し込むことで、扉枠部材P5100とラッチ部材P5431との間にガラスユニットP5200のラッチ受部P5303が遊びの無い状態で嵌め込まれ、ガラスユニットP5200全体が扉枠部材P5100の後面に沿って略密着状態で確実に固定されることで(ガラスユニットp5200が扉枠部材P5100の後面に倣うようにして固定されることで)、ガラス枠P5000全体の剛性を向上させることができ、ガラス枠P5000の前面側に右装飾ユニットP6100を取り付けたとしても該ガラス枠5に変形や歪みが発生するのを防止することが可能となる。
(4)第1実施例によれば、扉枠部材P5100の後面側に向けてガラスユニットP5200を押し込むだけで、ラッチ部材P5431がガラスユニットP5200のラッチ受部P5303に自動的に係合するため、ガラスユニットP5200の取り付け作業が簡単且つ安全になる。
(5)第1実施例によれば、ガラスユニットP5200がラッチ部材P5431により予め固定されることで、固定レバーP5420をレバー受部P5240に係止または当該係止を解除する際に、一方の手でガラスユニットP5200支えながら他方の手で固定レバーP5420を回動操作する必要がなくなり、ガラスユニットP5200の取り付け及び取り外しの作業性がより一層向上する。
(6)第1実施例によれば、右装飾ユニットP6100の蓋部材P6200を丁番P6201により繋ぐツーピース構造にして、デザインシートP6700、P6800.P6900の交換時などに蓋部材P6200を所望の姿勢に折り畳みながら開閉できるようにしたことで、蓋部材P6200の開閉に要するスペースを小さくすることができるため、蓋部材P6200を開閉する際にガラス枠5や島設備などの構造物に衝突して破損する事態を防止することが可能となる。
(7)第1実施例によれば、装飾ユニットP6100にされる複数のデザインシートP6700、P6800.P6900に、遊技盤20の機種(型式)や装飾ユニット12の種類、その収容位置などに応じた固有の識別記号を付与して個々に識別できるようにしたことで、間違った機種(型式)のデザインシートP6700、P6800.P6900を出荷したり、装飾ユニット12内に異なる機種(型式)のデザインシートP6700、P6800.P6900が混在したりすることがなく、デザインシートP6700、P6800.P6900の交換や管理を容易に行うことが可能となる。
(8)第1実施例によれば、ガラス枠5の前面右上部に重量物の右装飾ユニットP6100を取り付けることで生じ得る当該ガラス枠5の右上部の脆弱な部分(隙間)から不正具が差し込まれたとしても、その脆弱部分となる隙間からの侵入経路上(解除レバー255周りの開口端部、ガラスユニットP5200の右縁部)に不正防止リブ518,529が設けられていることで、不正具のそれ以上の侵入を不正防止リブ518,529で喰い止めることができるため、遊技盤P5(遊技領域PA、P501)や施錠装置P4000に対して行われる不正な操作(不正行為)を効果的に防止することが可能となる。
(9)第1実施例によれば、遊技済み球検出スイッチP8380を通過するときの遊技球の流下方向とセンサカセットP8200の脱着方向とが同一の方向(下方向)となるように構成されているため、遊技済み球検出スイッチP8380の検出口近傍で遊技球の球詰まりが発生したとしても、第2通路形成部材620からセンサカセットP8200(遊技済み球検出スイッチP8380)を球嚙みさせることなく簡単に取り外すことができ、遊技機PMのメンテナンス性を向上させることが可能となる。
(10)第1実施例によれば、遊技済み球検出スイッチP8380の手前に蛇行通路P8360を設けたことで、この蛇行経路656を流下する過程で遊技球の流下速度は減速され、その下流側の遊技済み球検出スイッチP8380を通過するときには遊技球の勢い(流下速度)は十分に抑制されているため、遊技済み球検出スイッチP8380の検出部分の摩耗やチャタリングが発生することによる誤検出(検出不良)を防止して、遊技済み球検出スイッチP8380による遊技球の検出精度を安定化させることが可能となる。
(11)第1実施例によれば、静電気除去板金P8390の下流側の通路面を蛇行通路P8360の一部として形成したことで、この蛇行通路P8360を流下する際に遊技球の一時停留が発生し、それに応じて遊技球が静電気除去板金P8390の上面を流下する時間が長くなるため(つまり、遊技球と静電気除去板金P8390との接触時間が長くなるため)、遊技球に帯電する静電気をより一層確実に外部に逃がすことが可能となる。
(12)第1実施例によれば、演出操作ユニットP9000をワンタッチ式の固定具P5900により着脱可能とすることで、演出操作ユニット700の交換やメンテナンスの作業が容易になるとともに、ガラス枠P5000を開放させなければ演出操作ユニットP9000の着脱操作ができない状態(全ての固定具P5900を操作できない状態)とすることで、遊技者の悪戯行為による故障や不具合を未然に防止することが可能となる。
(13)第1実施例によれば、レバー役物P9010の演出動作として、互いに動作範囲の異なる往復動作と回転動作とを実行可能にして、このレバー役物P9010の動作範囲と大当り期待度とを関連付けて、レバー役物P9010の動作範囲が大きくなるほど大当り期待度が高くなることを示唆または報知することで、レバー役物P9010の動きに対して遊技者の関心を強く惹き付けることができるとともに、二つの演出動作(往復動作、回転動作)による演出効果を一層高めて遊技者を楽しませることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
(14)第1実施例によれば、ファール球回収口P5530を金属製の皿裏板金ベース板P5510に圧入や溶接で取り付けられているとともにファール球回収口P5530よりも強度の高いねじボスピンP5520に対してねじで固定する構造にしたため、従来のようなガラス枠5000に設けた樹脂製ねじボスにファール球回収口P5530を取り付けた場合、樹脂製ねじボスがファール球の衝撃で破損し、ガラス枠5000を交換するような事象が発生することを防ぐ。
(15)第1実施例によれば、ラムクリアスイッチカバーP9410を開放する際に異なる複数のベクトル方向に関する力を作用させないと開放できないため、輸送時の振動や、不正なアクセスによるラムクリアスイッチカバーP9410の開放を困難にさせて、不正アクセス等の不正行為を防止することができる。またラムクリアスイッチカバーP9410の回転軸部の変形によるラムクリアスイッチカバーP9410の脱落も防止できる。
(16)第1実施例によれば、枠証紙シールP8410を遊技補助盤P8000に対してねじで固定された枠証紙シール台座P8420に張り付ける構造にしたので、遊技補助盤P8000をリサイクルする際に枠証紙シールP8410を剥離する作業を必要としないため、遊技補助盤P8000のリサイクル工数が低減可能となる。また開放する際に異なる複数のベクトル方向に関する力を作用させないと開放できない枠証紙カバーP8430を設けることで、遊技場間の中古移動時に発生する清掃メンテナンス時に枠証紙シールP8410を破損させたり、中古移動時の輸送時に枠証紙カバーP8430が開放してしまうことによる枠証紙シールP8410の破損により、枠証紙シールP8410の不備による中古移動が不可となってしまうことを防止できる。
(16)第1実施例によれば、ラッチ固定部品P8610を背面カバー側嵌合穴P8510に対して嵌め殺し構造にして、ラッチ突起P8614を比較的肉厚にすることで背面カバーP8500がラッチ固定部品P8610の操作なしに開放することや、ラッチ固定部品P8610が紛失してしまうことによる遊技場間の中古移動時に部品欠損による型式不備で中古移動が不可となってしまうことを防止する。
(17)第1実施例によれば、タッチパネルを使用した発射強度調整構造にすることで、従来のハンドル式のような発射強度を維持するために握力を使用することなくタッチパネル部P7120に触っているだけで任意の発射強度を維持することができるため、握力の弱い高齢者や女性でも快適に遊技をすることができる。また、視覚的にも発射強度の設定が一目で想像できる。また、タッチパネル構造の検出方法に静電容量方式を採用すれば人の指以外をマス部に置いても発射装置P230は作動しないため手放し遊技を防止できる。
(18)第1実施例によれば、レバーを使用した発射強度調整構造にすることで、従来のハンドル式のような発射強度を維持するために握力を使用することなくレバー摘み部P7312aで任意の発射強度に設定した後、指掛け台に指を引掛けてレバー摘み部P7312aの操作位置を保持することできる。このような構造にすることで握力の弱い高齢者や女性でも快適に遊技をすることができる。また、視覚的にも発射強度の設定が一目で想像できる。
(19)第1実施例によれば、温冷ユニットを演出告知に使用することによって、従来の単純な振動ONOFFによる告知や空気ONOFFによる告知と異なり多様な形態での告知が可能となる。また、パチンコ枠外に設けられるベース台座部P7510の内部に演出告知装置P7500や振動装置P7540を設けることで各装置の外形設計の自由度が高くなる。
(19)第1実施例によれば、温冷ユニットを利用した演出告知装置P7500を採用することで、遊技者に対して多彩な体感告知を提供できる。また、温冷ユニットは冷却性能より加熱性能の方が優れており、通常の温冷ユニットを使用した他の製品に比べ、温度変化のスピードが求められるため、演出時間が短い演出に対しては高温になる告知演出を多く採用し、冷温になる演出は演出時間の長い演出で使用することで、演出告知装置P7500の消費電力や装置外形を小さくでき、演出の大当たり期待度を遊技者に理解させやすくすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。また、上記実施形態では、本発明をぱちんこ遊技機に適用した事例について説明したが、例えば、スロットマシン、アレンジボール機、雀球遊技機、封入式遊技機(所定個数の遊技球を機内に封入して循環使用する遊技機)等の他の遊技機に適用することができ、同様の効果を得ることができる。
P、PC ぱちんこ遊技機、
P1、P1000 外枠、
P2、P2000 前枠、
P3、P5000 ガラス枠、
P4 裏セットユニット(P8000 遊技補助盤)、 P5 遊技盤、 P40 主制御基板、
P41 演出制御基板、 P42 画像制御基板、 P43 P9400 払出制御基板、
P44 電源基板、 P47 電源スイッチ、 P48 ラムクリアスイッチ、
P49 設定キースイッチ、 P50 主制御表示装置、
P51 第1特別図柄表示装置、 P52 第2特別図柄表示装置、
P80 演出表示装置、 P81 演出操作手段(P380 演出操作ユニット、
P381 演出ボタン、 P382 レバー、 P383 十字キー)、
P82 演出ランプ(P350 枠ランプ、 P550 盤ランプ)、
P83 スピーカ(P141 幕板スピーカ,P371 上スピーカ)、
P560 演出役物、 P710 第1始動入賞装置、
P720 第2始動入賞装置、 P730 一般入賞装置、
P740 普図作動ゲート装置、 P750 大入賞口装置
P755 特別電動役物、 P770 普通電動役物、
P3000 ヒンジ、 P4000 施錠装置、P6000 装飾ユニット、
P7000 発射ハンドル、P7100 P7200 タッチ発射装置、
P7300 P7400 レバー発射装置、P7500 演出告知装置、
P9000 演出操作ユニット

Claims (1)

  1. 遊技機の告知演出手段において、
    前記告知演出手段は加熱と冷却とが可能な温冷ユニットを用いて演出時間の異なる複数種類の演出を実行可能とし、
    前記演出時間の異なる複数種類の演出のうち、演出の時間が短いほど加熱を使用した演出が多く出現し、演出の時間が長いほど冷却を用いた演出が多く出現する
    ことを特徴とする遊技機。
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