JP2022089773A - 情報処理装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】相対的に寄与率の低い基底を活用すること。【解決手段】 実施形態に係る情報処理装置は、基底変換部、選択部及び基底利用部を有する。基底変換部は、画像データに基底変換を施して複数の基底を算出する。選択部は、前記複数の基底の中から寄与率が基準よりも低い1以上の特定の基底を選択する。基底利用部は、前記特定の基底を利用してデータ処理を実行する。【選択図】 図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、情報処理装置及び方法に関する。
時系列のMRIデータにKL(Karhunen-Loeve)展開を施して主要基底(相対的に寄与率の高い基底)を得て、主要基底を利用して時系列のMRIデータ間の相関を抽出する技術が知られている。
Sajan Goud Lingala, Yue Hu, Edward DiBella, Mathews Jacob, "Accelerated dynamic MRI exploiting sparsity and low-rank structure: k-t SLR", IEEE Trans Med Imaging, 2011 May, 30(5), 1042-1054. Hemant K. Aggarwal, Merry P. Mani, Mathews Jacob, "MoDL: Model Based Deep Learning Architecture for Inverse Problems", arXiv: 1712.02862v4 [cs.CV] 5 Jun 2019.
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、相対的に寄与率の低い基底を活用することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る情報処理装置は、基底変換部、選択部及び基底利用部を有する。基底変換部は、画像データに基底変換を施して複数の基底を算出する。選択部は、前記複数の基底の中から寄与率が基準よりも低い1以上の特定の基底を選択する。基底利用部は、前記特定の基底を利用してデータ処理を実行する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。 図2は、本実施形態に係る情報処理装置によるヌル空間拘束再構成に係る一連の処理の流れを示す図である。 図3は、実施例1に係る情報処理装置によるヌル空間拘束再構成を含む処理例を模式的に示す図である。 図4は、実施例1で用いるスパースサンプリング+ACSラインk空間データの模式図である。 図5は、図3のステップSA2-SA4の処理を模式的に示す図である。 図6は、実施例1(A)、比較例(B)及び比較例(C)の出力画像を示す図である。 図7は、実施例2に係る情報処理装置によるヌル空間拘束再構成を含む処理例を模式的に示す図である。 図8は、図7のステップSB2及びSB3の処理を模式的に示す図である。 図9は、実施例3に係る情報処理装置によるヌル空間拘束再構成を含む処理例を模式的に示す図である。 図10は、実施例4に係る情報処理装置によるヌル空間拘束再構成を含む処理例を模式的に示す図である。 図11は、実施例5に係るパラメータ軸方向に関する基底変換を模式的に示す図である。 図12は、実施例6に係るコントラスト軸方向に関する基底変換を模式的に示す図である。 図13は、実施例9に係る統合ニューラルネットワークの構成例を示す図である。 図14は、実施例10に係る統合ニューラルネットワークの構成例を示す図である。 図15は、実施例11に係る情報処理装置によるヌル空間拘束セグメンテーションに係る一連の流れを示す図である。 図16は、実施例12に係る深層ニューラルネットワークのネットワーク構成例を示す図である。 図17は、実施例12に係る他の深層ニューラルネットワークのネットワーク構成例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、情報処理装置及び方法の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る情報処理装置は、デジタル化された種々の情報を処理するコンピュータである。処理対象の情報は、医用装置や検査装置により収集された画像データである。医用装置は、医用用途の画像データを生成する医用画像診断装置である。例えば、医用装置として、X線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)、磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)、X線診断装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission CT)装置、超音波診断装置、光干渉断層撮影装置(眼底カメラ)及び光超音波診断装置等の単一モダリティ装置が用いられてもよいし、PET/CT装置、SPECT/CT装置、PET/MRI装置、SPECT/MRI装置等の複合モダリティ装置が用いられてもよい。あるいは、医用装置として、医用画像診断装置と共に補助的に利用される光学カメラ装置や、カテーテルに取り付けられた光学カメラ装置が用いられてもよい。検査装置は、医用用途ではない検査用途の画像データを生成する画像生成装置である。例えば、検査装置としては、X線検査装置や光学カメラ装置、レーダー測定装置が用いられてもよい。
医用画像診断装置がX線CT装置である場合、X線CT装置の架台は、X線管とX線検出器とを被検体回りに回転させながらX線管から被検体にX線を照射し、被検体を透過したX線をX線検出器により検出する。X線検出器においては、検出されたX線の線量に応じた波高値を有する電気信号が発生される。当該電気信号は、データ収集回路によりA/D変換等の信号処理が施される。A/D変換後の電気信号は投影データ又はサイノグラムデータと呼ばれる。コンソールは、投影データ又はサイノグラムデータに基づいてCT画像を生成する。投影データ及びサイノグラムデータは生データの一種である。投影データ、サイノグラムデータ及びCT画像は画像データの一種である。
医用画像診断装置がMRI装置である場合、MRI装置の架台は、静磁場磁石を介した静磁場の印加の下、傾斜磁場コイルを介した傾斜磁場の印加と送信コイルを介したRFパルスの印加とを繰り返す。RFパルスの印加に起因して被検体から放出されたMR信号が放出される。放出されたMR信号は、受信コイルを介して受信される。受信されたMR信号は、受信回路によりA/D変換等の信号処理が施される。A/D変換後のMR信号は、k空間データと呼ばれる。コンソールは、k空間データに基づいてMR画像を生成する。k空間データは生データの一種である。k空間データ及びMR画像は画像データの一種である。
医用画像診断装置が超音波診断装置である場合、超音波診断装置の超音波プローブは、複数の超音波振動子から被検体体内に超音波ビームを送信し、被検体体内から反射された超音波を超音波振動子を介して受信する。超音波振動子は、受波した超音波の音圧に応じた波高値を有する電気信号を発生する。当該電気信号は、超音波プローブ等に設けられたA/D変換器によりA/D変換が施される。A/D変換後の電気信号は、エコーデータと呼ばれる。超音波診断装置本体は、エコーデータに基づいて超音波画像を生成する。エコーデータは生データの一種である。エコーデータ及び超音波画像は画像データの一種である。
医用画像診断装置がPET装置である場合、PET装置の架台は、被検体内に蓄積された放射性核種から発生される陽電子と当該放射性核種の周囲に存在する電子との対消滅に伴い発生する511keVの一対のガンマ線を同時計測回路により同時計測することにより、一対のガンマ線のエネルギー値と検出位置とに関するデジタル値を有するデジタルデータを生成する。当該デジタルデータは、コインシデンスデータ又はサイノグラムデータと呼ばれる。コンソールは、コインシデンスデータ又はサイノグラムデータに基づいてPET画像を生成する。コインシデンスデータ及びサイノグラムデータは生データの一種である。コインシデンスデータ、サイノグラムデータ及びPET画像は画像データの一種である。
医用画像診断装置がX線診断装置である場合、X線診断装置は、Cアームに設けられたX線管からX線を発生する。当該Cアームに又は当該Cアームとは独立に設けられたFPD(Flat Panel Display)等のX線検出器により、X線管から発生され被検体を透過したX線を受信する。X線検出器は、検出されたX線の線量に応じた波高値を有する電気信号を発生し、当該電気信号に、A/D変換等の信号処理を施す。A/D変換後の電気信号は投影データ又はX線画像と呼ばれる。投影データ又はX線画像は、コーンビームCT等の場合、生データとしても用いられる。投影データ及びX線画像は画像データの一種である。
本実施形態に係る生データは、画像に変換可能なデータの総称である。本実施形態に生データは、医用画像診断装置により収集されたオリジナルの生データのみに限定されない。例えば、生データは、医用画像に逆変換処理を施すことにより生成される計算上の生データであってもよい。生データがX線CT装置により収集された場合、逆変換処理は、例えば、順投影処理であり、MRI装置により収集された場合、逆変換処理は、例えば、フーリエ変換処理である。また、本実施形態に係る生データは、当該生データを規定する全次元のうちの少なくとも1次元を残して画像変換が施されることにより生成されたハイブリッドデータであってもよい。例えば、3次元の生データの場合、1軸又は2軸のみ画像変換がなされたハイブリッドデータがある。一例としては、磁気共鳴イメージングにおける、3次元のk空間データのリードアウト方向に関してのみフーリエ変換を施して生成されたハイブリッドデータが知られている。このようなハイブリッドデータも本実施形態に係る生データの範疇である。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。情報処理装置1は、医用装置又は検査装置に含まれるコンピュータでもよいし、医用装置及び検査装置とは別個のコンピュータでもよい。
図1に示すように、情報処理装置1は、処理回路11、通信インタフェース12、表示機器13、入力インタフェース14及び記憶装置15を有する。
処理回路11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有する。当該プロセッサが記憶装置15等にインストールされた各種プログラムを起動することにより、取得機能111、画像変換機能112、基底変換機能113、選択機能114、基底利用機能115、画像処理機能116、データ変換機能117及び出力制御機能118等を実現する。各機能111-118は単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能111-118を実現するものとしても構わない。
取得機能111の実現により、処理回路11は、被写体に関する画像データを取得する。処理回路11は、医用装置や検査装置から通信インタフェース12を介して画像データを取得してもよいし、記憶装置15から画像データを取得してもよい。上記の通り、画像データは生データや当該生データに基づく画像の総称である。処理回路11は、生データを取得してもよいし画像を取得してもよい。取得機能111は、取得部の一例である。
画像変換機能112の実現により、処理回路11は、生データに画像変換を施して画像を生成する。画像変換機能112により実行される画像変換は、後述する選択機能114により選択された基底を利用しない画像変換である。生データから画像への画像変換手法として、例えば、解析学的再構成、逐次近似再構成、機械学習再構成とが利用可能である。例えば、MR画像再構成に係る解析学的再構成としては、フーリエ変換又は逆フーリエ変換がある。CT画像再構成に係る解析学的再構成としては、FBP(filtered back projection)法、CBP(convolution back projection)法又はこれらの応用がある。逐次近似再構成としては、EM(expectation maximization)法、ART(algebraic reconstruction technique)法又はこれらの応用等がある。機械学習再構成は、解析学的再構成や逐次近似再構成の全部又は一部がニューラルネットワークに置き換えられた再構成法である。例えば、機械学習再構成の手法として、ノイズ除去を行う機械学習モデルを組み込んだ逐次近似再構成が知られている。他の機械学習再構成の手法の一例としては、生データから画像を推論する機械学習モデルでもよい。また、画像変換手法としては、圧縮センシング法や磁気共鳴イメージングにおけるパラレルイメージング再構成等の再構成法が用いられてもよい。以下、画像変換機能112により生成された画像を変換画像と呼ぶ。画像変換機能112は画像変換部の一例である。
基底変換機能113の実現により、処理回路11は、画像データに基底変換を施して複数の基底を算出する。処理回路11は、画像データに基底変換を施して、当該画像データの次元数に応じた個数の基底を算出する。本実施形態に係る基底変換としては、例えば、次元削減や次元圧縮に用いられる基底変換が用いられるとよい。このような基底変換の手法としては、例えば、主成分分析(PCA:principal component analysis)、特異値分解、独立成分分析、エンコーダ・デコーダネットワークのエンコーダ等を用いることが可能である。主成分分析は、KL(Karhunen-Loeve)展開とも呼ばれている。基底変換機能113は基底変換部の一例である。
選択機能114の実現により、処理回路11は、基底変換機能113により算出された複数の基底の中から、寄与率が基準よりも低い1以上の特定の基底を選択する。換言すれば、特定の基底は、基底変換機能113により算出された複数の基底のうちの、寄与率が基準よりも高い基底(以下、主要基底と呼ぶ)以外の基底である。通常の次元圧縮等においては、主要基底が、圧縮対象データを近似する基底であるとして用いられ、特定の基底は、次元圧縮等において無価値であると評価され棄却されている。以下、特定の基底をヌル基底と呼ぶことにする。ヌル基底の個数は、基底変換機能113により算出された基底の個数未満であり、且つ1以上であればよい。選択機能114は選択部の一例である。
基底利用機能115の実現により、処理回路11は、選択機能114により選択されたヌル基底を利用してデータ処理を実行する。データ処理としては、ヌル基底を利用した処理であれば如何なる処理でもよく、例えば、画像変換や画像認識が適当である。画像変換を行う場合、処理回路11は、ヌル基底が張る空間(以下、ヌル空間と呼ぶ)を拘束条件に用いて生データに画像変換を施して画像を生成する。換言すれば、処理回路11は、ヌル基底に対する射影量に関する拘束条件を満たすように、生データから当該画像を生成する。画像認識を行う場合、処理回路11は、ヌル空間を拘束条件に用いて、例えば、生データに画像変換を施して内部的に時系列の特徴量列を算出し、算出された時系列の特徴量列から認識結果に変換する。特徴量列は、時系列画像(例えば濃淡画像であれば1チャネル相当)と同じ大きさを持ち、複数のチャネル(例えば32チャネル)で構成されるデータである。認識結果は、別途定められた複数のクラス各々の確率等の分類値である。特徴量列は、画像データの一例である。以下、基底利用機能115により生成された画像を出力画像と呼ぶことにする。
画像処理機能116の実現により、処理回路11は、変換画像や出力画像に画像処理を施す。画像処理機能116において行われる画像処理として、例えば、ノイズ低減処理や平滑化処理のような画質向上のための画像処理が採用される。しかしながら、画像処理機能116において行われる画像処理はこれに限定されず、ボリュームレンダリングやサーフェスボリュームレンダリング、画素値投影処理、MPR(Multi-Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理等の表示画像への変換処理が行われてもよい。また、画像処理としては、階調処理や拡大縮小等の表示処理が行われてもよいし、画像解析処理が行われてもよい。画像処理機能116は画像処理部の一例である。
データ変換機能117の実現により、処理回路11は、種々の画像にデータ変換を施して生データを生成する。データ変換は、画像変換機能112において実行される画像変換の逆過程を行う処理である。
出力制御機能118の実現により、処理回路11は、種々の情報を出力する。例えば、処理回路11は、種々の情報を表示機器13を介して表示したり、通信インタフェース12を介して他のコンピュータ等に送信する。
通信インタフェース12は、LAN(Local Area Network)等を介して医用装置や検査装置、ワークステーション、PACS(Picture Archiving and Communication System)、HIS(Hospital Information System)、RIS(Radiology Information System)等に接続するインタフェースである。通信インタフェース12は、種々の情報を接続先との間で送受信する。通信インタフェース12は通信部の一例である。
表示機器13は、処理回路11の出力制御機能118に従い種々の情報を表示する。表示機器13としては、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが適宜使用可能である。また、表示機器13は、プロジェクタでもよい。表示機器13は出力部の一例である。
入力インタフェース14は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路11に出力する。具体的には、入力インタフェース14は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の入力機器に接続されている。入力インタフェース14は、当該入力機器への入力操作に応じた電気信号を処理回路11へ出力する。また、入力インタフェース14に接続される入力機器は、ネットワーク等を介して接続された他のコンピュータに設けられた入力機器でもよい。入力インタフェース14は、マイクロフォンにより収集された音声信号を指示信号に変換する音声認識装置でもよい。入力インタフェース14は入力部の一例である。
記憶装置15は、種々の情報を記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。記憶装置15は、例えば、画像データや各種プログラム等を記憶する。記憶装置15は、上記記憶装置以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬型記憶媒体や、半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。記憶装置15は、情報処理装置1にネットワークを介して接続された他のコンピュータ内にあってもよい。記憶装置15は記憶部の一例である。
以下、本実施形態に係る情報処理装置1によるヌル空間を拘束条件に用いた画像の再構成(以下、ヌル空間拘束再構成と呼ぶ)に係る一連の処理の流れについて説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1によるヌル空間拘束再構成に係る一連の処理の流れを示す図である。図2に示すように、まず、処理回路11は、生データを取得する(ステップS1)。ステップS1において処理回路11は、医用装置や検査装置により被写体を撮像することにより生成された生データを取得する。
ステップS1が行われると処理回路11は、画像変換機能112の実現により、ステップS1において取得された生データから変換画像を生成する(ステップS2)。ステップS2において処理回路11は、前述の任意の画像変換手法を用いて生データから変換画像を生成すればよい。変換画像は、2次元画像でもよいし3次元画像でもよいし、より高次の画像でもよい。
ステップS2が行われると処理回路11は、基底変換機能113の実現により、ステップS2おいて生成された変換画像に基底変換を施して複数の基底を算出する(ステップS3)。ステップS3が行われると処理回路11は、選択機能114の実現により、ステップS3において算出された複数の基底の中からヌル基底を選択する(ステップS4)。
ここで、ステップS3及びS4の処理について具体的に説明する。なお、基底変換の手法としては、次元削減や次元圧縮に用いられる主成分分析、特異値分解、独立成分分析、エンコーダ・デコーダネットワークのエンコーダ等を用いることが可能であるが、以下、説明を具体的に行うため、基底変換として主成分分析(PCA)を用いることにする。
まずステップS3において処理回路11は、変換画像の次元数に応じた個数の固有値と各固有値に対する固有ベクトルを算出する。具体的には、処理回路11は、変換画像の共分散行列を算出し、共分散行列の固有方程式を解くことにより、変換画像の次元数に応じた個数の固有値と固有ベクトルとを算出する。固有値は変換画像の分散に相当する。固有ベクトルは基底の一例である。なお、本実施形態において主成分分析により算出された基底をPCA基底と呼ぶこともある。PCA基底は線形基底として算出される。
次にステップS4において処理回路11は、ステップS3において算出された複数の固有ベクトル(PCA基底)の中から寄与率が基準よりも低い固有ベクトルをヌル基底として選択する。具体的には、まず処理回路11は、ステップS3において算出された複数の固有ベクトル各々の寄与率を算出する。寄与率は、当該固有ベクトルが、変換画像に含まれる全情報を識別可能に表現している度合いを評価する指標である。各固有ベクトルの寄与率は、例えば、全固有ベクトルの全固有値の総和に対する当該固有ベクトルの固有値の割合により規定される。次に処理回路11は、寄与率が基準よりも小さい固有ベクトルをヌル基底として選択する。基準は、寄与率の閾値でもよいし、割合でもよいし、他の基準でもよい。例えば、処理回路11は、閾値以下の寄与率を有する固有ベクトルをヌル基底として選択してもよいし、寄与率の上位から指定順位に満たない固有ベクトルをヌル基底として選択してもよいし、寄与率の下位から指定順位内の固有ベクトルをヌル基底として選択してもよい。ヌル基底としては、1個の固有ベクトルが選択されてもよいし、複数の固有ベクトルが選択されてもよい。1以上のヌル基底が張る空間がヌル空間である。本実施形態においては、寄与率が基準よりも大きい主要基底は棄却される。
なお、ヌル基底の選択方法は上記方法のみに限定されない。例えば、処理回路11は、固有値を固有ベクトルの寄与率とみなし、固有値が基準よりも低い固有ベクトルをヌル基底として選択してもよい。また、基底変換は上記手法のみに限定されない。例えば、処理回路11は、基底変換として、変換画像のデータ圧縮に用いられるフーリエ変換や離散コサイン変換が用いられてもよい。
ステップS4が行われると処理回路11は、基底利用機能115の実現により、ステップS4において選択されたヌル基底を利用して生データから出力画像を生成する(ステップS5)。ステップS5において処理回路11は、ヌル基底が張るヌル空間を拘束条件として用いて、ステップS1において取得された生データに画像変換を施して出力画像を生成する。より詳細には、処理回路11は、更新画像に基づく計算生データと生データとの差分に基づくデータ整合項と、ヌル基底各々に対する更新画像の射影量とを含む誤差関数を相対的に小さくする更新演算を複数回実行し、生データから出力画像を生成する。ヌル基底各々に対する更新画像の射影量に関する項を拘束項と呼ぶ。ヌル基底に対する更新画像の射影量は、ヌル空間への更新画像の射影量を意味する。本実施例においては、変換画像に対して主成分分析が行われているので、ヌル空間は画像空間において適用されることとなる。ここで、処理回路11は、誤差関数を、拘束項がゼロ又は所定値以下に等しいとする拘束条件のもとで最小化する。換言すれば、処理回路11は、ヌル空間への更新画像の射影量がゼロ又はノイズに等しいとする拘束条件のもとで生データから出力画像を生成する。
具体的には、処理回路11は、以下の(1)式に示す誤差関数EI(x)を最小化して出力画像を生成する。
Figure 2022089773000002
(1)式に示すように、誤差関数EI(x)は、データ整合項||FSx-y|| と拘束項λ||Rx|| との和により規定される。データ整合項||FSx-y|| は、計算生データFSxと生データyとの差分のノルムにより規定される。計算生データFSxは、更新画像xと感度Sとの逆画像変換(データ変換)Fにより規定される。拘束項λ||Rx|| は、更新画像xのヌル空間Rへの射影量Rxのノルムと固有値λとの積により規定される。ノルムは、一例として、L2ノルムが用いられる。なお、ノルムは、L2ノルムに限定されず、L1ノルム等の他のノルムが用いられてもよい。
処理回路11は、更新画像の各画素の画素値を逐次的に変更しながら、拘束項λ||Rx|| の拘束条件と誤差関数EI(x)の最小化条件との双方を満たす更新画像を決定する。更新画像の初期画像は、生データに画像変換を施して生成された変換画像であってもよいし、任意の画素値分布を有する画像であってもよい。拘束条件は、更新画像xのヌル空間Rへの射影量Rxがゼロであることに拘束するための条件である。ヌル空間Rは寄与率の相対的に低いヌル基底が張る空間であるので、尤もらしい更新画像の射影量Rxはゼロ又はノイズであることが約束されている。具体的には、拘束条件は、拘束項λ||Rx|| がゼロ又は閾値以下であることに設定される。閾値は、ゼロに近い微小値に設定される。最小化条件は、誤差関数EI(x)がゼロ又は閾値以下であることに設定されてもよいし、更新画像の更新回数に設定されてもよい。拘束条件と最小化条件との双方を満たす更新画像が出力画像として出力される。
拘束条件は緩められてもよい。この場合の誤差関数EI(x)は、以下の(2)式のように設定される。
Figure 2022089773000003
(2)式に示すように、固有値λが重み行列Wに置き換えられる。許容誤差が大きいほど重み行列Wの各行列要素が小さい値に設定されるとよい。例えば、重み行列Wの各行列要素は、固有値の平方根の逆数等に設定されるとよい。
ステップS5が行われると処理回路11は、出力制御機能118の実現により、ステップS5において生成された出力画像を出力する(ステップS6)。ステップS6において処理回路11は、例えば、出力画像を表示機器13に表示したり、記憶装置15に保存したり、通信インタフェース12を介して他のコンピュータに送信したりする。
以上により、ヌル空間拘束再構成に係る一連の処理が終了する。
なお、図2に示す処理の流れは一例であって、本実施形態はこれに限定されない。例えば、ステップS3において処理回路11は、生データに基底変換を施してもよい。この場合、ヌル空間拘束再構成においてヌル空間は、画像空間ではなく、生データ空間において適用されるとよい。例えば、誤差関数ED(x)は、下記(3)式に示すように表される。
Figure 2022089773000004
(3)式に示すように、誤差関数ED(x)は、データ整合項||FSx-y|| と拘束項λ||RFx|| との和により規定される。データ整合項||FSx-y|| は、(1)式と同様、計算生データFSxと生データyとの差分のノルムにより規定される。拘束項λ||RFx|| は、更新画像xに基づく計算生データFxのヌル空間Rへの射影量Rxのノルムと固有値λとの積により規定される。ノルムは、一例として、L2ノルムが用いられる。計算生データFxは、更新画像xに逆画像変換(データ変換)を施すことにより算出される。この場合、処理回路11は、更新画像の各画素の画素値を逐次的に変更しながら、拘束項λ||RFx|| の拘束条件と誤差関数ED(x)の最小化条件との双方を満たす更新画像を決定すればよい。なお、本実施例においても、誤差関数ED(x)のλの代わりに、(2)に示す対角重み行列Wが用いられてもよい。
上記の説明によれば、処理回路11は、基底変換機能113の実現により、画像データに基底変換を施して複数の基底を算出する。しかしながら、基底変換の対象データは、画像データに限定されない。処理回路11は、信号データに基底変換を施して複数の基底を算出する。信号データは、画像データ等の、コンピュータにより処理可能なデータを意味する。画像データ以外の信号データとしては、例えば、信号強度値の系列データである波形データが挙げられる。波形データは、信号強度値の時系列のデータでもよいし周波数系列のデータもよいし他の物理量系列のデータでもよい。また、上記の説明によれば、基底利用機能115によるデータ処理は、画像変換や画像認識であるとした。しかしながら、データ処理は、これらに限定されず、例えば、信号データのノイズ低減(デノイズ)でもよい。
上記の実施形態によれば、情報処理装置1は、処理回路11を有する。処理回路11は、信号データに基底変換を施して複数の基底を算出する。処理回路11は、複数の基底の中から寄与率が基準よりも低いヌル基底を選択する。処理回路11は、ヌル基底を利用してデータ処理を実行する。
上記の構成によれば、主成分分析や特異値分解に基づく低ランク近似等において棄却されていたヌル基底を利用した新しいデータ処理を提供することが可能である。
次に、本実施形態に係る情報処理装置1の実施例を説明する。以下の実施例において情報処理装置1は、特に言及しない限り、磁気共鳴イメージング装置により生成された画像データを処理するものとする。また、基底変換の手法としては、主成分分析(PCA)を用いるものとする。また、基底利用機能115によるデータ処理は、ヌル空間を拘束条件に用いたヌル空間拘束再構成であるとする。また、各種画像は、2次元画像でもよいし3次元画像でもよいし、より高次の画像でもよいが、例示的に2次元画像であるとする。
(実施例1)
実施例1に係る処理回路11は、基底変換機能113において、画像データに時間軸方向に関する基底変換を施す。基底変換の対象となる画像データは、時系列の画像であるとする。時系列の画像は、時間軸方向に関して相関性が強いことが知られている。この特性を利用して間引き再構成が行われている。個々の画像が低SNR(signal to noise ratio)であっても高SNRの再構成を実現することが可能である。
図3は、実施例1に係る情報処理装置1によるヌル空間拘束再構成を含む処理例を模式的に示す図である。図3に示すように、まず、処理回路11は、取得機能111の実現により、時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データを取得する。時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データは、時系列のk空間データの一例である。時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データは、磁気共鳴イメージング装置により、ACSライン収集付きのスパースサンプリング収集を実行することにより収集され、磁気共鳴イメージング装置から情報処理装置1に伝送される。ACSライン収集付きのスパースサンプリング収集は、設定されたアクセラレーションレートに応じてk空間ラインを間引いてデータ収集するスパースサンプリング収集と、k空間の位相エンコード方向の中央部のk空間ライン(ACSライン)のデータ収集とを含むデータ収集法である。ACSライン収集付きのスパースサンプリング収集は、パラレルイメージングの一手法であるk空間法の応用であり、例えば、GRAPPA(generalized auto-calibrating partially parallel acquisition)が知られている。
図4は、スパースサンプリング+ACSラインk空間データ21の模式図である。図4の実線及び一点鎖線の矢印は、ACSライン収集付きのスパースサンプリング収集によりデータ収集されたk空間ラインを表し、点線はデータ収集されずに間引かれたk空間ラインを表す。一点鎖線の矢印は、ACSライン収集によりデータ収集されたk空間ライン(ACSライン)を表し、実線は、スパースサンプリング収集によりデータ収集されたk空間ラインを表す。図4に示すように、スパースサンプリング+ACSラインk空間データ21は、スパースサンプリング収集によりデータ収集されたk空間ラインのk空間データとACSラインのk空間データとを含む。ここで、ACSラインとスパースサンプリング収集によりデータ収集されたk空間ラインとのうちの位相エンコード方向の中央部のk空間ラインを中央ラインと呼び、中央ラインのk空間データを中央ラインデータ22と呼ぶことにする。中央部の範囲は特に限定されず、任意のk空間ライン本数分の範囲に設定可能である。また、中央ラインデータ22として、中央部のうちのADSラインのk空間データのみが抽出されてもよいし、スパースサンプリング収集によりデータ収集されたk空間ラインのk空間データのみが抽出されてもよい。なお、図4に示すACSライン及びk空間ラインは、一例であり、本実施例においてk空間ラインの本数や間引き率等は特に限定されない。
図3に示すように、時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データが取得されると処理回路11は、取得機能111の実現により、時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データから時系列の中央ラインデータを抽出する(ステップSA1)。
ステップSA1が行われると処理回路11は、画像変換機能112の実現により、ステップSA1において抽出された時系列の中央ラインデータに画像再構成を施して時系列の中央画像を生成する(ステップSA2)。ステップSA2が行われると処理回路11は、基底変換機能113の実現により、ステップSA2において生成された時系列の中央画像に時間軸方向に関する主成分分析を施して複数のPCA基底を算出する(ステップSA3)。ステップSA3が行われると処理回路11は、選択機能114の実現により、ステップSA3において算出された複数のPCA基底の中からヌル基底を選択する(ステップSA4)。ここで、ステップSA3及びSA4の処理の詳細について説明する。
図5は、ステップSA2-SA4の処理を模式的に示す図である。図5に示すように、まず、ステップSA2において処理回路11は、ステップSA1において抽出された時系列の中央ラインデータに画像再構成を施して時系列の中央画像23を生成する。図5の場合、一例として、16フレーム(時点)の中央画像23が生成されるものとする。各中央画像23のマトリクスサイズは、特に限定されない。各中央画像23の画素数はK(Kは整数)であるとする。時系列の中央画像23は、2次元の画像軸と1次元の時間軸とにより構成される3次元の空間(以下、xy-t空間と呼ぶ)において時間軸に沿って配置される。2次元の画像軸は、画像の各画素の位置を規定する座標軸である。時間軸は、当該中央画像23に対応するk空間データの収集時刻を規定する座標軸である。時系列の中央画像23は、時間軸方向に関して強い相関性を有している。
図5に示すように、時系列の中央画像23が生成されると処理回路11は、xy-t空間に配置された時系列の中央画像23に主成分分析を施す。具体的には、まず、処理回路11は、中央画像23の全画素k(kは画素のインデックス。1≦k≦K)について、時間軸に沿う画素値の変化を記録する。例えば、各画素kについて、時間軸に沿う画素値の変化を示すベクトルVk(t)が得られる。ベクトルVk(t)の要素数はフレーム数に一致し、図5の場合、フレーム数「16」に等しい。この場合、ベクトルVk(t)は16次元空間上の点を意味する。
図5に示すように、K個の画素全てについて画素値の時間変化を示すベクトルVk(t)が得られると処理回路11は、K個の画素のベクトルVk(t)に対して主成分分析を施し、フレーム数と同数のPCA基底Uj(jはPCA基底のインデックス。1≦j≦K)を算出する。図5に示すように、フレーム数が「16」の場合、16個のPCA基底が算出される。各PCA基底Ujは、フレーム数と同数の要素uj,kを有する。便宜上、PCA基底のインデックスは、固有値又は分散値が大きい方から順番に付されているものとする。
図5に示すように、PCA基底Ujが算出されると処理回路11は、基準よりも寄与率の小さいPCA基底Ujをヌル基底Ujとして選択する。例えば、基準が固有値の分散値の上位3位である場合、PCA基底U1-U3が主要基底に設定され棄却され、PCA基底U4-U16がヌル基底に設定され選択される。なお、上述したように、基準は上位3位に限定されない。処理回路11は、主要基底である旨のフラグを主要基底に割り当てて記憶装置15に保存し、ヌル基底である旨のフラグをヌル基底に割り当てて記憶装置15に保存する。
ステップSA4が行われると処理回路11は、基底利用機能115の実現により、時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データとステップSA4において選択されたヌル基底とに基づいて時系列の出力画像を生成する(ステップSA5)。具体的には、ステップSA5において処理回路11は、ステップSA4において選択されたヌル基底が張るヌル空間を拘束条件として用いて、時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データに画像変換を施して出力画像を生成する。具体的には、処理回路11は、(1)又は(2)式に例示する誤差関数EI(x)を、拘束項がゼロ又は所定値以下に等しいとする拘束条件のもとで最小化する。より詳細には、処理回路11は、更新画像の各画素の画素値を逐次的に変更しながら、拘束項λ||Rx|| の拘束条件と誤差関数EI(x)の最小化条件との双方を満たす更新画像を決定する。拘束条件と最小化条件とは上述したものと同様に設定されればよい。更新画像の初期画像は、生データに画像変換を施して生成された変換画像であってもよいし、任意の画素値分布を有する画像であってもよい。スパースサンプリング収集により得られたk空間データを用いる実施例1の場合、(1)又は(2)式の関数Fとして、例えば、非等間隔離散フーリエ変換(NUDFT:non-uniform discrete fourier transform)が用いられる。
ステップSA5が行われると処理回路11は、画像処理機能116の実現により、ステップSA5において生成された時系列の出力画像にノイズ低減処理を実行する(ステップSA6)。ステップSA6におけるノイズ低減処理後の出力画像をノイズ低減画像と呼ぶことにする。ステップSA6において処理回路11は、ノイズ低減処理として、ノイズ低減フィルタを用いてもよいし、ノイズ低減のための畳み込みニューラルネットワーク等のニューラルネットワークを用いてもよいし、他の如何なる方法を用いてもよい。
ステップSA6が行われると処理回路11は、ヌル空間拘束再構成を終了するか否かを判定する(ステップSA7)。ステップSA7において処理回路11は、終了条件を満たすか否かを判定する。終了条件としては、例えば、繰り返し回数が所定回数に到達したことに設定されてもよいし、ノイズ低減画像のSNRの画質評価指標が閾値以下であることに設定されてもよいし、他の任意の条件が設定されてもよい。処理回路11は、終了条件を満たさない場合、ヌル空間拘束再構成を終了しないと判定し、終了条件を満たす場合、ヌル空間拘束再構成を終了すると判定する。
ヌル空間拘束再構成を終了しないと判定された場合(SA7:NO)、処理回路11は、データ変換機能117の実現により、ステップSA6において生成された時系列のノイズ低減画像にデータ変換を施して時系列の計算k空間データを生成する(ステップSA8)。ステップSA8が行われると処理回路11は、ステップSA8において生成された時系列の計算k空間データとステップSA4において選択されたヌル基底とに基づいて時系列の新たな出力画像を生成し(ステップSA5)、ステップSA5において生成された時系列の新たな出力画像にノイズ低減処理を実行する(ステップSA6)。そして再び処理回路11は、ヌル空間拘束再構成を終了するか否かを判定する(ステップSA7)。このようにして処理回路11は、ステップSA7において終了条件を満たすと判定されるまで、ステップSA5-SA8を繰り返す。
ヌル空間拘束再構成を終了すると判定された場合(SA7:YES)、処理回路11は、出力制御機能118の実現により、ステップSA6において生成された時系列のノイズ低減画像を表示機器13に表示したり、記憶装置15に保存したり、通信インタフェース12を介して他のコンピュータに送信したりする。
以上により、実施例1に係るヌル空間拘束再構成を含む処理が終了する。
図6は、実施例1(A)、比較例(B)及び比較例(C)の出力画像を示す図である。実施例1のデータ条件は、フレーム数=16、位相エンコード数=168、リードアウト数=192、コイル数=1(シングルコイル)、サンプリングパターン=k-t4xとACSライン=32との組合せ(アクセラレーションレート=168/66=2.5)である。実施例1(A)の再構成条件としては、ヌル空間拘束再構成が用いられ、上位3固有ベクトルが棄却され、残りの13固有ベクトルがヌル基底として選択された。実施例1(A)の出力画像は、上記条件で得られた時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データをヌル空間拘束再構成して得られた時系列の出力画像の平均画像である。
比較例(B)のデータ条件は、実施例1(A)のデータ条件と同一である。比較例(B)の出力画像は、上記条件で得られた時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データをゼロ充填して時系列の充填k空間データを生成し、時系列の充填k空間データを画像変換(非ヌル空間拘束再構成)して得られた時系列の出力画像の平均画像である。比較例(C)のデータ条件は、フレーム数=16、位相エンコード数=168、リードアウト数=192、コイル数=1(シングルコイル)、サンプリングパターン=フルサンプリングである。比較例(C)の出力画像は、上記条件で得られた時系列のフルサンプリングk空間データを画像変換(非ヌル空間拘束再構成)して得られた時系列の出力画像の平均画像である。
図6に示すように、実施例1(A)の出力画像は、比較例(C)の出力画像に比して同等の画質を有していることが確認できる。よって、実施例1に係る時間軸方向に関する主成分分析により得られたヌル基底を利用したヌル空間拘束再構成は、有用であることが確認できる。
なお、上記の実施例1に係るヌル空間拘束再構成を含む処理は一例であり、種々の変形例が可能である。例えば、上記実施例において、時間軸方向に関する主成分分析は、主成分分析の計算負荷を低減するためマトリクスサイズの比較的小さい時系列の中央ラインデータに基づく時系列の中央画像に適用されるものとした。しかしながら、時間軸方向に関する主成分分析は、時系列の変換画像であれば、如何なる変換画像に適用されてもよい。例えば、ACSライン収集を行わないSENSE(sensitivity encoding)等の実空間法のパラレルイメージングにより収集された時系列のk空間データに基づく時系列の変換画像に適用されてもよい。また、時間軸方向に関する主成分分析は、時系列の変換画像に適用されるものとしたが、複数時刻の複数の変換画像が時間軸に沿ってフレーム番号順に配列されている必要はなく、複数時刻の複数の変換画像がフレーム番号順以外の順番で配列されてもよい。例えば、フレーム番号に関してランダム又は疑似ランダムに複数の変換画像が配列されてもよい。
上記の通り、実施例1に係る処理回路11は、時系列k空間データに基づく時系列画像に時間軸方向に関する基底変換を施して複数の基底を算出し、算出された複数の基底の中から相対的に寄与度の低いヌル基底を選択し、ヌル基底が張るヌル空間を拘束条件とするヌル空間拘束再構成を時系列k空間データに施して時系列出力画像を生成する。
上記の構成によれば、時間軸方向に関する基底変換に由来するヌル基底が張るヌル空間を拘束条件として用いるため、再構成過程において、時系列画像に含まれる時間的な相関性の弱い情報が積極的に減弱され、相対的に、時間的な相関性の強い情報が消極的に強調されることとなる。このように、実施例1によれば、時間軸方向の情報を使用した再構成が可能になる。また、時系列画像のヌル空間への射影量がゼロ又はノイズであることが強く推定されるので、実施例1に係るヌル空間拘束再構成は、主要基底を用いた低ランク近似モデル再構成に比して、計算負荷が少なくて済む。
(実施例2)
実施例2に係る処理回路11は、基底変換機能113において、画像データに画像空間軸方向に関する基底変換を施す。基底変換の対象となる画像データは、単一の画像であるとする。
図7は、実施例2に係る情報処理装置1によるヌル空間拘束再構成を含む処理例を模式的に示す図である。図7に示すように、まず、処理回路11は、取得機能111の実現により、フルサンプリングk空間データを取得する。フルサンプリングk空間データは、磁気共鳴イメージング装置により、フルサンプリング収集を実行することにより収集され、磁気共鳴イメージング装置から情報処理装置1に伝送される。フルサンプリング収集は、k空間ラインを間引かないでデータ収集するデータ収集法である。
図7に示すように、フルサンプリングk空間データが取得されると処理回路11は、画像変換機能112の実現により、フルサンプリングk空間データに画像再構成を施して再構成画像を生成する(ステップSB1)。ステップSB1が行われると処理回路11は、基底変換機能113の実現により、ステップSB1において生成された再構成画像に、画像空間軸方向に関する主成分分析を施して複数のPCA基底を算出する(ステップSB2)。ステップSB2が行われると処理回路11は、選択機能114の実現により、ステップSB2において算出された複数のPCA基底の中からヌル基底を選択する(ステップSB3)。ここで、ステップSB2及びSB3の処理の詳細について説明する。
図8は、ステップSB2及びSB3の処理を模式的に示す図である。図8に示すように、ステップSB1においてフルサンプリングk空間データに基づく再構成画像31が生成されている。図8に示すように、処理回路11は、再構成画像31から、再構成画像31の異なる位置に設定された複数の局所領域32にそれぞれ対応する複数の局所画像33を生成する。具体的には、処理回路11は、再構成画像31の隅部に、所定のブロックサイズの局所領域32を設定し、設定された局所領域32内の画素値分布を局所画像33として複製する。処理回路11は、再構成画像31上において局所領域32を全領域に亘りスライドする。その間、処理回路11は、所定距離間隔毎に局所領域32内の画素値分布を局所画像33として複製する。これにより、複数の局所領域32にそれぞれ対応する複数の局所画像33が生成される。複数の局所画像33は、2次元の画像軸と1次元の画像空間軸とにより構成される3次元の空間(以下、xy-s空間と呼ぶ)において画像空間軸に沿って配置される。画像空間軸は、再構成画像31における局所領域32又は局所画像33の位置を規定する座標軸である。複数の局所画像33の系列は、画像空間軸方向に関して強い相関性を有している。
ブロックサイズは、再構成画像31のマトリクスサイズより小さいのであれば、如何なるサイズでもよい。例えば、再構成画像31のマトリクスサイズが512×512の場合、マトリクスサイズは5×5や7×7、11×11等の任意のサイズに設定されればよい。また、局所領域32の数(画像空間位置数)も特に限定されない。なお、図8においては、例示のため、ブロックサイズは5×5であり、すなわち、局所画像33の画素数は「25」であり、また、画像空間位置数は、「50」であるとしている。局所領域32は他の局所領域32に重複してもよいし重複しなくてもよい。
図8に示すように、複数の局所画像33が生成されると処理回路11は、xy-s空間に配置された複数の局所画像33に主成分分析を施す。具体的には、まず、局所画像33の全画像空間位置k(kは画像空間位置のインデックス。1≦k≦50)について、5×5の画素の画素値を並べて25次元の1つのベクトルを生成する。例えば、各画像空間位置kについて、画素番号に沿う画素値の変化を示す25次元のベクトルVk(t)が50個得られる。ベクトルVk(t)の要素数はブロックサイズに一致し、図8の場合、「25」に等しい。この場合、ベクトルVk(t)は25次元空間上の点を意味する。
図8に示すように、50個の全画像空間位置について、画素番号に沿う画素値の変化を示すベクトルVk(t)が得られると処理回路11は、50個のベクトルVk(t)に対して主成分分析を施し、ブロックサイズと同数のPCA基底Uj(jはPCA基底のインデックス。1≦j≦25)を算出する。図8に示すように、ブロックサイズが「25」の場合、25個のPCA基底が算出される。各PCA基底Ujは、ブロックサイズと同数の要素uj,kを有する。便宜上、PCA基底のインデックスは、固有値又は分散値が大きい方から順番に付されているものとする。
図8に示すように、PCA基底Ujが算出されると処理回路11は、基準よりも寄与率の小さいPCA基底Ujをヌル基底Ujとして選択する。例えば、基準が固有値の分散値の上位3位である場合、PCA基底U1-U3が主要基底に設定され棄却され、PCA基底U4-U50がヌル基底に設定され選択される。なお、上述したように、基準は上位3位に限定されない。処理回路11は、主要基底である旨のフラグを主要基底に割り当てて記憶装置15に保存し、ヌル基底である旨のフラグをヌル基底に割り当てて記憶装置15に保存する。なお、処理回路11は、局所画像(画像空間位置)各々についてベクトルVk(t)を取得するとしたが、隣接する2以上の局所画像を結合した結合局所画像毎にベクトルVk(t)を取得してもよい。
ステップSB3が行われると処理回路11は、基底利用機能115の実現により、フルサンプリングk空間データとステップSB3において選択されたヌル基底とに基づいて出力画像を生成する(ステップSB4)。具体的には、ステップSB4において処理回路11は、ステップSB3において選択されたヌル基底が張るヌル空間を拘束条件として用いて、フルサンプリングk空間データに画像変換を施して出力画像を生成する。具体的には、処理回路11は、(1)又は(2)式に例示する誤差関数EI(x)を、拘束項がゼロ又は所定値以下に等しいとする拘束条件のもとで最小化する。より詳細には、処理回路11は、更新画像の各画素の画素値を逐次的に変更しながら、拘束項λ||Rx|| の拘束条件と誤差関数EI(x)の最小化条件との双方を満たす更新画像を決定する。拘束条件と最小化条件とは上述したものと同様に設定されればよい。更新画像の初期画像は、生データに画像変換を施して生成された変換画像であってもよいし、任意の画素値分布を有する画像であってもよい。フルサンプリング収集により得られたk空間データを用いる実施例2の場合、(1)又は(2)式の関数Fとして、例えば、離散フーリエ逆変換(DFT: discrete fourier transform)が用いられるとよい。
ステップSB4が行われると処理回路11は、画像処理機能116の実現により、ステップSB4において生成された出力画像にノイズ低減処理を実行し、ノイズ低減画像を生成する(ステップSB5)。ステップSB5におけるノイズ低減処理は、ステップSA6におけるノイズ低減処理と同様に行われればよい。
ステップSB5が行われると処理回路11は、ヌル空間拘束再構成を終了するか否かを判定する(ステップSB6)。ステップSB6において処理回路11は、終了条件を満たすか否かを判定する。終了条件としては、例えば、繰り返し回数が所定回数に到達したことに設定されてもよいし、ノイズ低減画像のSNRの画質評価指標が閾値以下であることに設定されてもよいし、他の任意の条件が設定されてもよい。処理回路11は、終了条件を満たさない場合、ヌル空間拘束再構成を終了しないと判定し、終了条件を満たす場合、ヌル空間拘束再構成を終了すると判定する。
ヌル空間拘束再構成を終了しないと判定された場合(SB6:NO)、処理回路11は、ステップSB5において生成されたノイズ低減画像に画像空間軸方向に関する主成分分析を施して複数のPCA基底を算出し(ステップSB2)、ステップSB2において算出された複数のPCA基底からヌル基底を選択し(ステップSB3)、フルサンプリングk空間データとステップSB3において選択されたヌル基底とに基づいて出力画像を生成し(ステップSB4)、ステップSB4において生成された出力画像にノイズ低減処理を実行する(ステップSB5)。そして再び処理回路11は、ヌル空間拘束再構成を終了するか否かを判定する(ステップSB6)。このようにして処理回路11は、ステップSB6において終了条件を満たすと判定されるまで、ステップSB3-SB6を繰り返す。
ヌル空間拘束再構成を終了すると判定された場合(SB6:YES)、処理回路11は、出力制御機能118の実現により、ステップSB5において生成されたノイズ低減画像を表示機器13に表示したり、記憶装置15に保存したり、通信インタフェース12を介して他のコンピュータに送信したりする。
以上により、実施例2に係るヌル空間拘束再構成を含む処理が終了する。
なお、上記の実施例2に係るヌル空間拘束再構成を含む処理は一例であり、種々の変形例が可能である。例えば、上記の説明においては、画像空間軸に関する基底変換の対象となる画像データは、画像空間軸に関する基底変換の精度を確保するため、高画質であることが期待される、フルサンプリングk空間データに基づく変換画像であるとした。しかしながら、本実施例はこれに限定されず、スパースサンプリングk空間データに基づく変換画像に基底変換が施されてもよいし、あるいは、過去画像に主成分分析が施されてもよい。例えば、ステップSB4において造影後のk空間データにヌル空間拘束再構成を施す場合、ステップS2においては造影前のk空間データに基づく変換画像に主成分分析が施されてもよい。
上記の通り、実施例2に係る処理回路11は、単一画像に画像空間軸方向に関する基底変換を施して複数の基底を算出し、算出された複数の基底の中から相対的に寄与度の低いヌル基底を選択し、ヌル基底が張るヌル空間を拘束条件とするヌル空間拘束再構成をk空間データに施して出力画像を生成する。
上記の構成によれば、画像空間軸方向に関する基底変換に由来するヌル基底が張るヌル空間を拘束条件として用いるため、再構成過程において、単一画像に含まれる画像空間的な相関性の弱い情報が積極的に減弱され、相対的に、画像空間的な相関性の強い情報が消極的に強調されることとなる。このように、実施例2によれば、画像空間軸方向の情報を使用した再構成が可能になる。また、単一画像のヌル空間への射影量がゼロ又はノイズであることが強く推定されるので、実施例2に係るヌル空間拘束再構成は、主要基底を用いた低ランク近似モデル再構成に比して、計算負荷が少なくて済む。
(実施例3)
実施例3に係る処理回路11は、基底変換機能113において、画像データに時間軸方向及び画像空間軸方向に関する基底変換を施す。
図9は、実施例3に係る情報処理装置1によるヌル空間拘束再構成を含む処理例を模式的に示す図である。図9に示すように、まず、処理回路11は、取得機能111の実現により、時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データを取得する。実施例3の時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データは実施例1の時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データと同様である。
図9に示すように、処理回路11は、時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データに時間軸方向に関する基底変換と画像空間軸方向に関する基底変換との双方を施し、時間軸方向に関する基底変換に由来するヌル基底(以下、時間ヌル基底と呼ぶ)と画像空間軸方向に関する基底変換に由来するヌル基底(以下、画像空間ヌル基底と呼ぶ)とを選択する。
具体的には、実施例1と同様、処理回路11は、時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データから時系列の中央ラインデータを抽出し(ステップSC1)、時系列の中央ラインデータに画像再構成を施して時系列の中央画像を生成し(ステップSC2)、時系列の中央画像に時間軸方向に関する主成分分析を施して複数のPCA基底を算出し(ステップSC3)、複数のPCA基底の中から時間ヌル基底を選択する(ステップSC4)。
ステップSC1-SC4に並行して処理回路11は、画像変換機能112の実現により、時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データに基づいてビューシェアリング(view-sharing)再構成を施して画像(以下、ビューシェアリング画像と呼ぶ)を生成する(ステップSC5)。具体的には、ステップSC5において処理回路11は、時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データに基づいて、これらのうちの任意の1フレームのスパースサンプリング+ACSラインk空間データにビューシェアリングを施して、当該フレームのスパースサンプリング+ACSラインk空間データのうちの欠落しているk空間ラインのk空間データを補間する。そして処理回路11は、ビューシェアリング後のk空間データに画像変換を施して変換画像(以下、ビューシェアリング画像と呼ぶ)を生成する。
ステップSC5が行われると処理回路11は、実施例2のステップSB2-SB3と同様、ビューシェアリング画像に画像空間軸方向に関する主成分分析を施して複数のPCA基底を算出し(ステップSC6)、複数のPCA基底の中から画像空間ヌル基底を選択する(ステップSC7)。画像空間軸方向に関する主成分分析は、実施例2のステップSB2と同様の方法で行われればよい。
ステップSC4及びSC7が行われると処理回路11は、基底利用機能115の実現により、時系列のスパースサンプリング+ACSラインk空間データとステップSC4において選択された時間ヌル基底とステップSC7において選択された画像空間ヌル基底とに基づいて時系列の出力画像を生成する(ステップSC8)。具体的には、処理回路11は、下記(4)式に例示する誤差関数EI(x)を、拘束項がゼロ又は所定値以下に等しいとする拘束条件のもとで最小化する。
Figure 2022089773000005
(4)式に示すように、実施例3に関する拘束項は、例えば、時間ヌル基底に関する拘束項λ1||R1x|| と画像空間ヌル基底に関する拘束項λ2||R2x|| との和により規定される。なおR1は時間ヌル基底の行列表記であり、λ1は時間ヌル基底R1の固有値であり、R2は画像空間ヌル基底の行列表記であり、λ2は画像空間ヌル基底R2の固有値である。処理回路11は、更新画像xの各画素の画素値を逐次的に変更しながら、拘束項λ1||R1x|| 及びλ2||R2x|| の拘束条件と誤差関数EI(x)の最小化条件との双方を満たす更新画像xを決定する。なお、処理回路11は、λ1||R1x|| に関する拘束条件とλ2||R2x|| に関する拘束条件とを交互に判定してもよいし、λ1||R1x|| 及びλ2||R2x|| に関する拘束条件を繰り返し判定してもよい。なお、(4)式においても、(2)式に示すように、λ1の代わりに対角重み行列W1が、λ2の代わりに対角重み行列W2が用いられてもよい。
ステップSC8が行われると処理回路11は、画像処理機能116の実現により、ステップSC8において生成された時系列の出力画像にノイズ低減処理を実行する(ステップSC9)。ステップSC9におけるノイズ低減処理は、ステップSA6におけるノイズ低減処理と同様に行われればよい。
ステップSC9が行われると処理回路11は、ヌル空間拘束再構成を終了するか否かを判定する(ステップSC10)。ステップSC10において処理回路11は、終了条件を満たすか否かを判定する。終了条件としては、例えば、繰り返し回数が所定回数に到達したことに設定されてもよいし、ノイズ低減画像のSNRの画質評価指標が閾値以下であることに設定されてもよいし、他の任意の条件が設定されてもよい。処理回路11は、終了条件を満たさない場合、ヌル空間拘束再構成を終了しないと判定し、終了条件を満たす場合、ヌル空間拘束再構成を終了すると判定する。
ヌル空間拘束再構成を終了しないと判定された場合(SC10:NO)、処理回路11は、データ変換機能117の実現により、ステップSC9において生成された時系列のノイズ低減画像にデータ変換を施して時系列の計算k空間データを生成する(ステップSC11)。ステップSC11が行われると処理回路11は、ステップSC11において生成された時系列の計算k空間データとステップSC4において選択された時間ヌル基底とステップSC7において選択された画像空間ヌル基底とに基づいて時系列の新たな出力画像を生成し(ステップSC8)、ステップSC8において生成された時系列の新たな出力画像にノイズ低減処理を実行する(ステップSC9)。そして再び処理回路11は、ヌル空間拘束再構成を終了するか否かを判定する(ステップSC10)。このようにして処理回路11は、ステップSC10において終了条件を満たすと判定されるまで、ステップSC8-SC11を繰り返す。
ヌル空間拘束再構成を終了すると判定された場合(SC10:YES)、処理回路11は、出力制御機能118の実現により、ステップSC9において生成された時系列のノイズ低減画像を表示機器13に表示したり、記憶装置15に保存したり、通信インタフェース12を介して他のコンピュータに送信したりする。
以上により、実施例3に係るヌル空間拘束再構成を含む処理が終了する。
なお、上記の実施例3に係るヌル空間拘束再構成を含む処理は一例であり、種々の変形例が可能である。例えば、上記の説明においては、中央画像に対して時間軸方向に関する主成分分析を行うとしたが、スパースサンプリング+ACSラインk空間データに基づく変換画像等の任意の変換画像に対して時間軸方向に関する主成分分析を行ってもよい。また、ビューシェアリング画像に対して画像空間軸方向に関する主成分分析を行うとしたが、これに限定されず、実施例2と同様、任意の変換画像に対して画像空間軸方向に関する主成分分析を行ってもよい。
上記の通り、実施例3に係る処理回路11は、時系列k空間データに基づく時系列画像に時間軸方向に関する基底変換を施して複数の基底を算出し、算出された複数の基底の中から相対的に寄与度の低い時間ヌル基底を選択する。また、処理回路11は、単一画像に画像空間軸方向に関する基底変換を施して複数の基底を算出し、算出された複数の基底の中から相対的に寄与度の低い画像空間ヌル基底を選択する。そして、処理回路11は、時間ヌル基底が張るヌル空間及び画像空間ヌル基底が張るヌル空間を拘束条件とするヌル空間拘束再構成を時系列k空間データに施して時系列出力画像を生成する。
上記の構成によれば、時間軸方向に関する情報と画像空間軸方向に関する情報との双方を使用した再構成が可能になる。よって実施例1及び実施例2に比して画質が向上することが期待される。
(実施例4)
実施例4は実施例3の変形例である。実施例4に係る処理回路11は、T2強調データ収集により収集された時系列のk空間データ(以下、T2強調k空間データと呼ぶ)に対するヌル空間拘束再構成において、T1強調データ収集により収集されたk空間データ(以下、T1強調k空間データ)を利用して画像空間ヌル基底を取得する。
図10は、実施例4に係る情報処理装置1によるヌル空間拘束再構成を含む処理例を模式的に示す図である。図10に示すように、まず、処理回路11は、取得機能111の実現により、時系列のT2強調k空間データとT1強調k空間データとを取得する。T2強調k空間データは、磁気共鳴イメージング装置により、被検体に対してT2強調データ収集を実行することにより収集される。T1強調k空間データは、磁気共鳴イメージング装置により、同一被検体に対してT1強調データ収集を実行することにより収集される。T2強調データ収集とT1強調データ収集とが行われる順番は特に限定されず、T2強調データ収集がT1強調データ収集より先に行われてもよいし、後に行われてもよい。
実施例4においては、T2強調データ収集を時間軸方向の主成分分析に用いるため、T2強調データ収集は、動画撮像が要請され、T1強調データ収集に比して高アクセラレーションレートで実行されることが好ましい。実施例4においては、T1強調データ収集を画像空間軸方向の主成分分析に用いるため、T1強調データ収集は、高サンプリング収集が要請され、T2強調データ収集に比して低アクセラレーションレートで実行されることが好ましい。例えば、T2強調データ収集はアクセラレーションレート「6倍」のスパースサンプリング収集で行われ、T1強調データ収集はアクセラレーションレート「2倍」のスパースサンプリング収集で行われるとよい。もちろん、これらアクセラレーションレートは例示であって、上記数値に限定されない。また、T1強調データ収集はアクセラレーションレート「1倍」、すなわち、フルサンプリング収集が行われてもよい。T1強調k空間データは、時系列のT1強調データのうちの1フレームのT1強調k空間データでもよいし、時系列のT1強調データの平均データ等の時系列のT1強調データに基づく1フレームのk空間データでもよい。
図10に示すように、処理回路11は、実施例1と同様、時系列のT2強調k空間データから時系列のT2強調中央ラインデータを抽出し(ステップSD1)、時系列のT2強調中央ラインデータに画像再構成を施して時系列のT2強調中央画像を生成し(ステップSD2)、時系列のT2強調中央画像に時間軸方向に関する主成分分析を施して複数のPCA基底を算出し(ステップSD3)、複数のPCA基底の中から時間ヌル基底を選択する(ステップSD4)。
ステップSD1-SD4に並行して処理回路11は、画像変換機能112の実現により、T1強調k空間データに画像再構成を施してT1強調画像を生成する(ステップSD5)。ステップSD5において処理回路11は、スパースサンプリング収集に起因する折り返しアーチファクトを低減するため、T1強調k空間データにPI(parallel imaging)再構成を施してT2強調画像を生成してもよい。PI再構成の代わりに、処理回路11は、T1強調k空間データの欠落k空間ラインにゼロ充填し、ゼロ充填後のk空間データに基づいて画像再構成してT1強調画像を生成してもよい。他の方法として、処理回路11は、時系列のT1強調k空間データが収集されている場合、時系列のT1強調k空間データにビューシェアリング再構成を施してT1強調画像を生成してもよい。
ステップSD5が行われると処理回路11は、実施例2のステップSB2-SB3と同様、T1強調画像に画像空間軸方向に関する主成分分析を施して複数のPCA基底を算出し(ステップSD6)、複数のPCA基底の中から画像空間ヌル基底を選択する(ステップSD7)。画像空間軸方向に関する主成分分析は、実施例2のステップSB2と同様の方法で行われればよい。
ステップSD4及びSD7が行われると処理回路11は、基底利用機能115の実現により、時系列のT2強調k空間データとステップSD4において選択された時間ヌル基底とステップSD7において選択された画像空間ヌル基底とに基づいて時系列のT2強調出力画像を生成する(ステップSD8)。ステップSD8におけるヌル空間拘束再構成は、実施例3のヌル空間再構成と同様の方法により実施可能である。
ステップSD8が行われると処理回路11は、画像処理機能116の実現により、ステップSD8において生成された時系列の出力画像にノイズ低減処理を実行し、時系列のT2強調ノイズ低減画像を生成する(ステップSD9)。ステップSD9におけるノイズ低減処理は、ステップSA6におけるノイズ低減処理と同様に行われればよい。
ステップSD9が行われると処理回路11は、ヌル空間拘束再構成を終了するか否かを判定する(ステップSD10)。ステップSD10において処理回路11は、終了条件を満たすか否かを判定する。終了条件としては、例えば、繰り返し回数が所定回数に到達したことに設定されてもよいし、T2強調ノイズ低減画像のSNRの画質評価指標が閾値以下であることに設定されてもよいし、他の任意の条件が設定されてもよい。処理回路11は、終了条件を満たさない場合、ヌル空間拘束再構成を終了しないと判定し、終了条件を満たす場合、ヌル空間拘束再構成を終了すると判定する。
ヌル空間拘束再構成を終了しないと判定された場合(SD10:NO)、処理回路11は、データ変換機能117の実現により、ステップSD9において生成された時系列のT2強調ノイズ低減画像にデータ変換を施して時系列のT2強調計算k空間データを生成する(ステップSD11)。ステップSD11が行われると処理回路11は、ステップSD11において生成された時系列のT2強調計算k空間データとステップSD4において選択された時間ヌル基底とステップSD7において選択された画像空間ヌル基底とに基づいて時系列の新たなT2強調出力画像を生成し(ステップSD8)、ステップSD8において生成された時系列の新たなT2強調出力画像にノイズ低減処理を実行する(ステップSD9)。そして再び処理回路11は、ヌル空間拘束再構成を終了するか否かを判定する(ステップSD10)。このようにして処理回路11は、ステップSD10において終了条件を満たすと判定されるまで、ステップSD8-SD11を繰り返す。
ヌル空間拘束再構成を終了すると判定された場合(SD10:YES)、処理回路11は、出力制御機能118の実現により、ステップSD9において生成された時系列のT2強調ノイズ低減画像を表示機器13に表示したり、記憶装置15に保存したり、通信インタフェース12を介して他のコンピュータに送信したりする。
以上により、実施例4に係るヌル空間拘束再構成を含む処理が終了する。
なお、上記の実施例4に係るヌル空間拘束再構成を含む処理は一例であり、種々の変形例が可能である。例えば、上記の実施例においては、データ収集法として、T1強調k空間データとT2強調k空間データとが用いられるものとしたが、本実施例はこれに限定されず、如何なるデータ収集法によるk空間データが用いられてもよい。例えば、プロトン密度強調データ収集によるプロトン密度強調k空間データや拡散強調画像収集により収集される拡散強調k空間データ等の任意のデータ収集により得られたk空間データが、T1強調k空間データ及び/又はT2強調k空間データに置き換えられてもよい。
上記の通り、実施例4に係る処理回路11は、第1のデータ収集法により得られた時系列k空間データに基づく時系列画像に時間軸方向に関する基底変換を施して複数の基底を算出し、算出された複数の基底の中から相対的に寄与度の低い時間ヌル基底を選択する。また、処理回路11は、第2のデータ収集法により得られた単一画像に画像空間軸方向に関する基底変換を施して複数の基底を算出し、算出された複数の基底の中から相対的に寄与度の低い画像空間ヌル基底を選択する。そして、処理回路11は、時間ヌル基底が張るヌル空間及び画像空間ヌル基底が張るヌル空間を拘束条件とするヌル空間拘束再構成を、第1のデータ収集法により得られた時系列k空間データに施して時系列出力画像を生成する。
上記の構成によれば、時間的な相関性を得やすいデータ収集法に基づく画像を用いて時間ヌル基底を得て、画像空間的な相関性を得やすいデータ収集法に基づく画像を用いて画像空間ヌル基底を得ることができるので、出力画像の画質が向上することが期待される。
(実施例5)
実施例5に係る処理回路11は、基底変換機能113において、画像データにスキャンパラメータ値軸方向に関する基底変換を施す。スキャンパラメータ値軸方向に関する基底変換は、スキャンパラメータ値軸に沿って配列された画像データに施す基底変換である。スキャンパラメータ値軸は、スキャンパラメータ値に関する座標軸を指す。スキャンパラメータとしては、例えば、拡散強調画像収集におけるMPG(motion probing gradient)の印加強度であるb値が用いられる。
図11は、実施例5に係るパラメータ軸方向に関する基底変換を模式的に示す図である。図11に示すように、まず、処理回路11は、複数のb値に関する複数のk空間データに基づいて複数の拡散強調画像41を生成する。複数のb値に関する複数のk空間データは、磁気共鳴イメージング装置により、スキャンパラメータであるb値を順次変更しながら拡散強調画像収集を行うことにより収集される。複数の拡散強調画像41は、2次元の画像軸と1次元のb値軸とにより構成される3次元の空間(以下、xy-b空間と呼ぶ)においてb値軸に沿って配置される。b値軸は、当該拡散強調画像41に対応するk空間データを収集した拡散強調画像収集のb値を規定する座標軸である。複数の拡散強調画像41は、b値軸方向に関して強い相関性を有している。
処理回路11は、xy-b空間に配置された複数の拡散強調画像41に主成分分析を施す。具体的には、拡散強調画像41の全画素について、b値軸に沿う画素値の変化を記憶する。例えば、各画素について、b値軸に沿う画素値の変化を示すベクトルが得られる。当該ベクトルの要素数は拡散強調画像数に一致する。そして処理回路11は、複数の画素に関する複数の画素値変化ベクトルに対して主成分分析を施すことにより、b値の個数(拡散強調画像41の個数)分のPCA基底を算出し、PCA基底の中からヌル基底(以下、b値ヌル基底と呼ぶ)を選択する。その後、処理回路11は、b値ヌル基底が張るヌル空間を拘束条件として用いて、複数のb値に関する複数のk空間データに画像変換を施して出力画像を生成することができる。
なお、実施例5に係るスキャンパラメータは、b値のみに限定されず、例えば、エコー時間(TE)や繰り返し時間(TR)等の如何なるスキャンパラメータが用いられてもよい。
上記の通り、実施例5に係る処理回路11は、複数のスキャンパラメータ値に関する複数のk空間データに基づく複数の画像にスキャンパラメータ軸方向に関する基底変換を施して複数の基底を算出し、算出された複数の基底の中から相対的に寄与度の低いヌル基底を選択し、ヌル基底が張るヌル空間を拘束条件とするヌル空間拘束再構成を複数のk空間データに施して複数の出力画像を生成する。
上記の構成によれば、スキャンパラメータ軸方向に関する基底変換に由来するヌル基底が張るヌル空間を拘束条件として用いるため、再構成過程において、スキャンパラメータ系列画像に含まれるスキャンパラメータ値に関する相関性の弱い情報が積極的に減弱され、相対的に、スキャンパラメータ値に関する相関性の強い情報が消極的に強調されることとなる。このように、実施例5によれば、スキャンパラメータ値軸方向の情報を使用した再構成が可能になる。
(実施例6)
実施例6に係る処理回路11は、基底変換機能113において、画像データにコントラスト軸方向に関する基底変換を施す。コントラスト軸方向に関する基底変換は、コントラスト軸に沿って配列された画像データに施す基底変換である。コントラスト軸は、コントラスト種に関する座標軸を指す。コントラスト種としては、例えば、T1強調やT2強調、プロトン密度強調が用いられる。
図12は、実施例6に係るコントラスト軸方向に関する基底変換を模式的に示す図である。図12に示すように、コントラスト種の異なる複数のMR画像が取得される。例えば、T1強調に対応するT1強調画像51、T2強調に対応するT2強調画像52及びプロトン密度強調に対応するプロトン密度強調画像53が取得される。T1強調画像51、T2強調画像52及びプロトン密度強調画像53は、磁気共鳴イメージング装置により、TR及びTEを順次変更しながらデータ収集を行うことにより収集される。T1強調画像51、T2強調画像52及びプロトン密度強調画像53は、2次元の画像軸と1次元のコントラスト軸とにより構成される3次元の空間(以下、xy-c空間と呼ぶ)においてコントラスト軸に沿って配置される。T1強調画像51、T2強調画像52及びプロトン密度強調画像53は、コントラスト軸に関して強い相関性を有している。
処理回路11は、xy-c空間に配置されたT1強調画像51、T2強調画像52及びプロトン密度強調画像53に主成分分析を施す。具体的には、T1強調画像51、T2強調画像52及びプロトン密度強調画像53の全画素について、コントラスト軸に沿う画素値の変化を記憶する。例えば、各画素について、コントラスト軸に沿う画素値の変化を示すベクトルが得られる。当該ベクトルの要素数はxy-c空間に配置した画像数に一致する。そして処理回路11は、複数の画素に関する複数の画素値変化ベクトルに対して主成分分析を施すことにより、コントラスト種数(xy-c空間に配置した画像数)分のPCA基底を算出し、PCA基底の中からヌル基底(以下、コントラスト・ヌル基底と呼ぶ)を選択する。その後、処理回路11は、コントラスト・ヌル基底が張るヌル空間を拘束条件として用いて、複数のコントラスト種に関する複数のk空間データに画像変換を施して出力画像を生成することができる。
なお、実施例6に係るコントラスト種としては、T1強調、T2強調、プロトン密度強調に限定されず、T1、T2、中心周波数(f0)等の如何なるコントラストが用いられてもよい。また、上記実施例においては各コントラスト種について単一の画像が用いられるとしたが、各コントラスト種について2以上の画像が用いられてもよい。同一コントラスト種の2以上の画像としては、例えば、b値やTE、TR等のスキャンパラメータ値が異なる画像が用いられてもよい。
上記の通り、実施例6に係る処理回路11は、複数のコントラスト種に関する複数のk空間データに基づく複数の画像にコントラスト軸方向に関する基底変換を施して複数の基底を算出し、算出された複数の基底の中から相対的に寄与度の低いヌル基底を選択し、コントラスト・ヌル基底が張るヌル空間を拘束条件とするヌル空間拘束再構成を複数のk空間データに施して複数の出力画像を生成する。
上記の構成によれば、コントラスト軸方向に関する基底変換に由来するコントラスト・ヌル基底が張るヌル空間を拘束条件として用いるため、再構成過程において、コントラスト系列画像に含まれるコントラストに関する相関性の弱い情報が積極的に減弱され、相対的に、コントラストに関する相関性の強い情報が消極的に強調されることとなる。このように、実施例6によれば、コントラスト軸方向の情報を使用した再構成が可能になる。
(実施例7)
上記の幾つかの実施例においては、ヌル基底の算出に用いた画像に対応するk空間データに、当該ヌル基底を用いたヌル空間拘束再構成を適用するものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されず、ヌル基底の算出に用いた画像に対応するk空間データとは別のk空間データに対して、当該ヌル基底を用いたヌル空間拘束再構成を適用してもよい。例えば、同一被検体に対してN(Nは任意の整数)回のデータ収集が行われた場合、第p(1≦p≦N)回目のデータ収集により得られたk空間データに基づく変換画像からヌル基底を算出し、第q(1≦q≦N、q≠p)回目のデータ収集により得られたk空間データに当該ヌル基底を用いたヌル空間拘束再構成を適用してもよい。pとqの時間的な前後関係は特に限定されず、pがqよりも時間的に前でもよいし、後でもよい。第p回目のデータ収集と第q回目のデータ収集とは同一検査において行われている必要もなく、例えば、第p回目のデータ収集は、第q回目のデータ収集の検査よりも数日、数週間、数ヶ月又は数年前の過去検査において実施されたものでもよい。
第p回目のデータ収集と第q回目のデータ収集とは、同一のデータ収集法により行われた方が、異なるデータ収集法により行われる場合に比して、第q回目のデータ収集に対するヌル空間拘束再構成の精度を保証することができる。しかしながら、第p回目のデータ収集と第q回目のデータ収集とは、異なるデータ収集法により行われてもよい。すなわち、第1のデータ収集法でのk空間データに基づく画像に対して得られたヌル基底を、第2のデータ収集法でのk空間データに対するヌル空間拘束再構成に対して流用してもよい。また、第p回目のデータ収集と第q回目のデータ収集とは、同一被検体に対して行われた方が、異なる被検体に対して行われる場合に比して、第q回目のデータ収集に対するヌル空間拘束再構成の精度を保証することができる。しかしながら、第p回目のデータ収集と第q回目のデータ収集とが、異なる被検体に対して行われてもよい。すなわち、第1の被検体について得られたヌル基底を、他の第2の被検体に対して流用してもよい。
(実施例8)
上記の少なくとも1つの実施例で述べたヌル空間拘束再構成はCNN等のニューラルネットワークにより実施可能である。この場合、例えば、MoDL(model-based reconstruction using deep learned priors)法を用いて、(1)式、(2)式、(3)式又は(4)式の誤差関数を、CNN等のニューラルネットワークに組み込むことが可能である。この場合、ヌル空間拘束再構成と後続のノイズ低減処理等の後処理とをニューラルネットワークに組み込んでもよい。
本実施形態に係る空間拘束再構成との比較例として、主要基底が張る主要空間を用いた、セルフキャリブレーション型の低ランクモデル再構成が挙げられる。このセルフキャリブレーション型の低ランクモデル再構成は、低ランクモデルの構築に時間を要してしまう。これは、特異値分解を用いた低ランクモデルの構築に顕著である。また、セルフキャリブレーション型の低ランクモデル再構成は、CNN等のニューラルネットワークに組み込みにくいと考えられる。低ランクモデルに一度、画像データを射影して、その射影量と1回前の射影量との誤差を評価する必要があるからである。事前学習型の低ランクモデルであれば、処理時間の欠点は少ないが、再構成対象の画像データに基づく基底ではないため、次元削減効果が低減してしまう。このように、セルフキャリブレーション型の低ランクモデル再構成は実用上使い難いものとなっている。
反面、本実施形態に係るヌル空間拘束再構成によれば、比較例に係るセルフキャリブレーション型の低ランクモデル再構成に比して実用上使い易いものとなっている。例えば、(1)式等に示すように、ヌル空間拘束再構成においては、ヌル空間への射影量の誤差を評価する必要はなく、ニューラルネットワークに組み込み易い。また、画像データの主要基底ではないヌル基底への射影量はゼロ又はノイズであるため、射影量等の計算負荷が少なくて済む。
(実施例9)
前述した幾つかの実施例によれば、(1)-(4)式に示すように、誤差関数EI(x)又は誤差関数ED(x)は、データ整合項を含むものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。データ整合項がわからない場合であっても、例えば、以下の(5)式を拘束式(拘束項)とみなして、画像xの更新を行ってもよい。なお、(5)式は、(1)式に対応し、画像空間においてヌル空間Rを適用する例に対応する。
Figure 2022089773000006
前述したヌル空間拘束再構成は、データ整合項の存在を前提とした方法であるが、データ整合項の有無にかかわらず、例えば、各拘束式を満たすように凸射影法(POCS:projection onto convex sets)を利用することができる。例えば、時系列画像ではなく特徴量列に対して拘束式を適用したい場合には、データ整合項が得られないが、そのような場合でもPOCSは利用できる。なお、POCSを時系列画像に適用することも可能である。
例えば、生データとして時系列k空間データを用いる場合、実施例9に係る処理回路11は、まず、画像変換機能112の実現により、時系列k空間データに画像変換を施して時系列画像を生成する。次に処理回路11は、基底利用機能115の実現により、凸射影法による時系列画像のヌル空間への射影量のノルムにより規定される上記(5)等の拘束式の最小化問題を解き、出力画像を生成する。
POCSを利用する場合、特徴量列xのヌル空間Rへの射影RxをPOCSによって実現する。特徴量列のヌル空間への射影量は凸集合に属する。(5)式の拘束式は、POCSを用いたヌル空間への射影演算として、I個の拘束式の合成を含む。個数Iは、射影対象の時系列画像の個数、換言すれば、(1)式等を用いたヌル空間拘束再構成における逐次演算の反復回数に対応する。第i(1≦i≦I)番目の拘束式は、第i(1≦i≦I)番目の特徴量列のヌル空間への射影を表す。
第i番目の拘束式を誤差なしで満たすために必要なヌル空間Rへの射影量をPOCS(i)で表すとき、ヌル空間Rへの射影量は、max(0,POCS(i)-POCS_threshold)(ここで、別途定めた定数POCS_thresholdはPOCS_threshold≧0を満たす)、もしくは、POCS(i)*POCS_weight(ここで、別途定めた定数POCS_weightは0≦POCS_weight<1を満たす)で表される。POCS(i)-POCS_thresholdは、ヌル空間Rへの射影量を一律にPOCS_thresholdだけ減ずることを表し、それが負の場合は当該負値と0とのmax演算によって第i番目の射影演算を止める。POCS(i)*POCS_weightは、ヌル空間Rへの射影量にPOCS_weightを乗じて、その射影量を定数倍することに相当する。このように、拘束式の影響は、POCS_thresholdやPOCS_weightの調整によって制御することが可能になる。
(2)式と同様、誤差関数にデータ整合項を含まない場合においても、(6)式に示すように、固有値λを重み行列Wに置き換えることが可能である。
Figure 2022089773000007
例えば、重み行列Wの各行列要素は、固有値λをPOCS_thresholdに対して乗じた値や固有値λの平方根の逆数をPOCS_weightに対して乗じた値に設定されるとよい。
これら拘束式は、例えば、学習の対象とする係数を持たない線形演算としてPOCSの射影演算を組み込んだニューラルネットワークにより実装可能である。例えば、任意の処理を行うニューラルネットワーク層(以下、NN層)とPOCS演算に対応するニューラルネットワーク層(以下、POCS層と呼ぶ)とを交互に挿入したニューラルネットワークにより実装可能である。
図13は、実施例9に係る統合ニューラルネットワーク60の構成例を示す図である。図13に示すように、統合ニューラルネットワーク60は、画像変換層61、NN層62、POCS層63、NN層64及びPOCS層65を有する深層ニューラルネットワークである。画像変換層61は、時系列k空間データを特徴量列に変換する処理を行うニューラルネットワークである。NN層62及びNN層64は、特徴量列に対して任意の処理を行うニューラルネットワークである。NN層62及びNN層64は、後続のPOCS層63及びPOCS層65において使用するPOCS_thresholdやPOCS_weight等の調整値を演算してもよい。POCS層63及びPOCS層65は、(5)式又は(6)式等の拘束式に従うPOCS演算によりヌル空間拘束再構成を行い、特徴量列から時系列出力画像を生成するニューラルネットワークである。
統合ニューラルネットワーク60は、事前学習(pre-train)型やエンドツーエンド(end-to-end)型の学習により生成することが可能である。事前学習型は、例えば、以下の手順に従い行うことが可能である。まず、処理回路11は、NN層62、POCS層63、NN層64及びPOCS層65各々を個別に学習する。次に、処理回路11は、NN層62、POCS層63、NN層64及びPOCS層65を、図13に示すように接続し、1個の深層ニューラルネットワークとして学習を行う。これにより統合ニューラルネットワーク60を生成することが可能である。エンドツーエンド型の場合、処理回路11は、1個の深層ニューラルネットワークを、時系列k空間データを入力とし、時系列出力画像を出力するように学習すればよい。
NN層62及びPOCS層63を有する単位層と、NN層64及びPOCS層65を有する単位層とを直接接続することにより時系列画像の画質を向上させることが可能になる。なお、直列接続する単位層の層数は、2層に限定されず、3以上であってもよい。また、統合ニューラルネットワーク60は、画像変換層、NN層、POCS層以外の任意の層を含んでもよい。
(実施例10)
実施例10に係る信号データは、磁気共鳴イメージング装置により収集されたMRS(MR Spectroscopy)スペクトルデータであるとする。MRSスペクトルデータは、信号強度値の周波数系列を表すMRSスペクトルの波形データである。より詳細には、MRSスペクトルは、ケミカルシフト周波数毎の信号強度値を表す。信号強度値は、対応するケミカルシフト周波数を有する分子や代謝物等の物質の含有量に依存している。また、実施例10に係る基底利用機能115によるデータ処理はノイズ低減であるとする。
まず、取得機能111の実現により、処理回路11は、磁気共鳴イメージング装置により収集されたMRSスペクトルデータを取得する。MRSスペクトルデータは、複数の位置に関する複数のMRSスペクトルを含む。次に処理回路11は、基底変換機能113の実現により、MRSスペクトルデータに周波数軸方向に関する基底変換を施す。すなわち、処理回路11は、MRSスペクトルデータに含まれる複数のMRSスペクトルに基底変換を施して複数の基底を算出する。選択機能114の実現により、処理回路11は、複数の基底の中から特定の基底(ヌル基底)を選択する。そして基底利用機能115の実現により、処理回路11は、ヌル基底が張るヌル空間を拘束条件として複数のMRSスペクトルにノイズ低減処理を施してノイズ低減された複数のMRSスペクトルを生成する。
一例として、xyの2次元で表されるxy空間の25箇所でMRSスペクトルが収集され、各MRSスペクトルは10個の分子の信号強度値を含むものとする。この場合、25個のMRSスペクトルは、2次元の空間軸と1次元の周波数軸とのより構成される3次元の空間(以下、xy-f空間と呼ぶ)において周波数軸に沿って配置する。xy-f空間に配置された25個のMRSスペクトルに主成分分析が施され、25個のPCA基底が算出される。そして25個のPCA基底から5個程度の主要基底が棄却され、残りのPCA基底がヌル基底として選択される。
ノイズ低減処理も、例えば、式(1)―(4)を利用しても良いし、POCSを利用した、上記(5)式又は(6)式に示す誤差関数EI(x)を最小化することにより実現しても良い。実施例10の場合、xは任意のノイズ低減処理が施されたMRSスペクトルデータを表す。Rは上記選択されたヌル基底を表す。ノイズ低減処理において処理回路11は、具体的には、まず、MRSスペクトルデータに対して平滑化フィルタ等を用いた任意のノイズ低減処理を行う。そして処理回路11は、ノイズ低減後のMRSスペクトルデータをヌル空間Rに適用して射影量Rxを算出し、射影量Rxに基づいて(5)式又は(6)式に示す誤差関数EI(x)を算出する。処理回路11は、ノイズ低減処理と誤差関数の算出とを繰り返して誤差関数EI(x)を最小するMRSスペクトルデータxを決定する。これによりノイズ低減処理が終了する。
図14は、実施例10に係る統合ニューラルネットワーク70の構成例を示す図である。図14に示すように、統合ニューラルネットワーク70は、NN層71、POCS層72、NN層73及びPOCS層74を有する深層ニューラルネットワークである。NN層71及びNN層73は、MRSスペクトルデータに対してノイズ低減処理を実行する。NN層62及びNN層64は、後続のPOCS層63及びPOCS層65において使用するPOCS_thresholdやPOCS_weight等の調整値を演算してもよい。POCS層72及びPOCS層74は、NN層71及びNN層73からのMRSスペクトルデータに、(5)式又は(6)式等の拘束式に従うPOCS演算を行う。POCS層74からは最終的なノイズ低減後のMRSスペクトルデータが出力される。なお、NN層71,73とPOCS層72,74との個数は2個に限定されず、1個以上であれば何個でもよい。また、POCS層74にNN層が接続され、当該NN層の出力を最終的なノイズ低減後のMRSスペクトルデータとして用いてもよい。
(実施例11)
実施例11に係る基底利用機能115によるデータ処理は、例えば、画像データの各画素(あるいは部分領域)が特定の領域に属するか否かを数値化して出力するセグメンテーション処理(あるいは部分領域分類処理)であるとする。ヌル空間を拘束条件に用いたセグメンテ-ション処理をヌル空間拘束セグメンテーションと呼ぶことにする。
図15は、実施例11に係る情報処理装置によるヌル空間拘束セグメンテーションに係る一連の流れを示す図である。図15に示すように、処理回路11は、動画像の画像データを取得し、基底変換機能113の実現により、動画像に時間軸方向の基底変換を施して複数のPCA基底を算出する(ステップSE1)。次に処理回路11は、選択機能114の実現により、複数のPCA基底の中からヌル基底を選択する(ステップSE2)。
図15に示すように、処理回路11は、基底利用機能115の実現により、動画像の画像データをNN層151に適用して中間出力値を算出し、当該中間出力値をPOCS層152に適用してセグメンテーション情報を算出する。NN層151は動画像からセグメンテーション情報を算出する。POCS層152は、NN層151からのセグメンテーション情報に、ステップSE2で得られたヌル基底及び各ヌル基底の重みに基づき、(5)式又は(6)式等の拘束式に従うPOCS演算を行う。POCS層152からは最終的なセグメンテーション情報が出力される。NN層151は動画像を入力してセグメンテーション情報を出力するように学習パラメータが訓練されている。NN層151とPOCS層152とが複数回繰り返されてもよい。
なお、POCS層152は、POCS演算をセグメンテーション処理の中間出力値に対して適用しても良い。あるいは、処理回路11は、画像と並行して収集したECG信号からヌル基底を算出し、ECG信号に基づくヌル基底を用いて画像に対するデータ処理を実行しても良い。あるいは、MRSにおいて収集した水信号からヌル基底を算出し、当該ヌル基底を用いてメタボライトに対するデータ処理を実行しても良い。
(実施例12)
上記の幾つかの実施例では、拘束式を入力信号(例えば、1チャネルのデータ)と同じ形状を持つデータ(例えば、1チャネルのデータ)に対して適用するものとした。
図16は、実施例12に係る深層ニューラルネットワーク160のネットワーク構成例を示す図である。図16に示すように、深層ニューラルネットワーク160は、NN層161、POCS層162、NN層163、POCS層164及びNN層165を含む。NN層161、POCS層162、NN層163、POCS層164及びNN層165は、直列的に接続されている。POCS層162及びPOCS層164は、それぞれ、NN層161及びNN層163によって生成された別の形状を持つ中間的なデータ(例えば、64チャネルのデータ)のそれぞれに対して拘束式を適用する。
図17は、実施例12に係る他の深層ニューラルネットワーク170のネットワーク構成例を示す図である。図17に示すように、深層ニューラルネットワーク170は、NN層171、POCS層172、NN層173、POCS層174及びNN層175を含む。NN層171とNN層173とはPOCS層172を経由する経路と直接的に接続する経路とを有する。NN層173とNN層175とはPOCS層174を経由する経路と直接的に接続する経路とを有する。POCS層172及びPOCS層174は、それぞれ、NN層171及びNN層173によって生成された別の形状を持つ中間的なデータ(例えば、64チャネルのデータ)の一部の中間的なデータ(例えば、64チャネル中32チャネルのデータ)のそれぞれに対して拘束式を適用しても良い。
(その他)
本実施形態に係る情報処理装置1は、上記の実施例1-実施例12を、適宜組合せて実施することも可能である。例えば、実施例1-実施例12に係るヌル基底の少なくとも2以上のヌル基底に基づく拘束項が誤差関数に組み込まれてもよい。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、相対的に寄与率の低い基底を活用することができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、プログラムを実行するのではなく、論理回路の組合せにより当該プログラムに対応する機能を実現しても良い。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 情報処理装置
11 処理回路
12 通信インタフェース
13 表示機器
14 入力インタフェース
15 記憶装置
111 取得機能
112 画像変換機能
113 基底変換機能
114 選択機能
115 基底利用機能
116 画像処理機能
117 データ変換機能
118 出力制御機能

Claims (24)

  1. 信号データに基底変換を施して複数の基底を算出する基底変換部と、
    前記複数の基底の中から寄与率が基準よりも低い1以上の特定の基底を選択する選択部と、
    前記特定の基底を利用してデータ処理を実行する基底利用部と、
    を具備する情報処理装置。
  2. 生データに画像変換を施して変換画像を生成する画像変換部、を更に備え、
    前記基底変換部は、前記信号データとして前記変換画像を用いて前記複数の基底を算出し、
    前記基底利用部は、前記データ処理として、前記特定の基底に対する射影量に関する拘束条件を満たすように前記生データから出力画像を生成する、
    請求項1記載の情報処理装置。
  3. 前記基底利用部は、更新画像に基づく計算生データと前記生データとの差分に基づくデータ整合項と、前記更新画像を前記特定の基底各々に対する射影量とを含む誤差関数を相対的に小さくする更新演算を複数回実行し、前記生データから前記出力画像を生成する、請求項2記載の情報処理装置。
  4. 前記基底利用部は、前記誤差関数を、前記射影量がゼロ又は閾値以下であるとする前記拘束条件のもとで最小化する、請求項3記載の情報処理装置。
  5. 前記出力画像にノイズ低減処理を施してノイズ低減画像を生成する画像処理部と、
    前記ノイズ低減画像にデータ変換を施して計算生データを生成するデータ変換部と、を更に備え、
    前記基底利用部は、前記特定の基底が張る特定の空間を拘束条件として前記ノイズ低減画像に基づく前記計算生データに画像変換を施して他の出力画像を生成する、
    請求項2記載の情報処理装置。
  6. 前記信号データは、画像データであり、
    前記基底変換部は、前記画像データに時間軸方向に関する前記基底変換を施す、
    請求項1記載の情報処理装置。
  7. 前記画像データは、複数の時刻に関する複数のk空間データに基づく複数の再構成画像であり、
    前記基底変換部は、前記複数の再構成画像に前記基底変換を施して前記複数の基底を算出し、
    前記選択部は、前記複数の基底の中から前記特定の基底を選択し、
    前記基底利用部は、前記特定の基底が張る特定の空間を拘束条件として前記複数のk空間データに画像変換を施して前記複数の時刻に関する複数の出力画像を生成する、
    請求項6記載の情報処理装置。
  8. 前記複数の再構成画像各々は、位相エンコード方向に関する中央部のk空間ラインに対応するk空間データに基づく再構成画像である、請求項7記載の情報処理装置。
  9. 前記信号データは、画像データであり、
    前記基底変換部は、前記画像データの画像空間軸方向に関する前記基底変換を施す、
    請求項1記載の情報処理装置。
  10. 前記画像データは、1個のk空間データに基づく再構成画像の異なる位置に設定された複数の局所領域にそれぞれ対応する複数の局所画像であり、
    前記基底変換部は、前記複数の局所画像に前記基底変換を施して前記複数の基底を算出し、
    前記選択部は、前記複数の基底の中から前記特定の基底を選択し、
    前記基底利用部は、前記特定の基底が張る特定の空間を拘束条件として前記1個のk空間データに画像変換を施して出力画像を生成する、
    請求項9記載の情報処理装置。
  11. 前記基底変換部による前記複数の基底の算出と前記選択部による前記特定の基底の選択と前記基底利用部による前記出力画像の生成とは、所定の条件が満たされるまで繰り返される、請求項10記載の情報処理装置。
  12. 前記信号データは、画像データであり、
    前記基底変換部は、前記画像データの時間軸方向及び画像空間軸方向に関する前記基底変換を施す、
    請求項1記載の情報処理装置。
  13. 前記画像データは、第1の画像データと第2の画像データとを含み、
    前記第1の画像データは、複数の時刻に関する複数のスパースk空間データから抽出された複数の中央ラインに基づく複数の第1の再構成画像であり、
    前記第2の画像データは、前記複数のスパースk空間データにビューシェアリングを施して生成されたk空間データに基づく第2の再構成画像であり、
    前記基底変換部は、前記複数の第1の再構成画像に前記基底変換を施して複数の第1の基底を算出し、前記第2の再構成画像に前記基底変換を施して複数の第2の基底を算出し、
    前記選択部は、前記複数の第1の基底の中から1以上の特定の第1の基底を選択し、前記複数の第2の基底の中から1以上の特定の第2の基底を選択し、
    前記基底利用部は、前記特定の第1の基底が張る特定の第1の空間と前記特定の第2の基底が張る特定の第2の空間とを拘束条件として前記複数のスパースk空間データに画像変換を施して前記複数の時刻に関する複数の出力画像を生成する、
    請求項12記載の情報処理装置。
  14. 前記信号データは、画像データであり、
    前記基底変換部は、前記画像データのスキャンパラメータ値軸方向に関する前記基底変換を施す、
    請求項1記載の情報処理装置。
  15. 前記信号データは、画像データであり、
    前記基底変換部は、前記画像データのコントラスト軸方向に関する前記基底変換を施す、
    請求項1記載の情報処理装置。
  16. 前記基底利用部は、前記特定の基底が張る特定の空間への更新画像の射影量がゼロ又はノイズとなる前記拘束条件のもとで前記生データから前記出力画像を生成する、請求項2記載の情報処理装置。
  17. 前記基底変換は、主成分分析、特異値分解、独立成分分析、フーリエ変換又は離散コサイン変換である、請求項1記載の情報処理装置。
  18. 第1の生データに画像変換を施して、前記信号データとして画像データを生成する画像変換部を更に備え、
    前記基底利用部は、前記データ処理として、前記特定の基底が張る特定の空間を拘束条件に用いて前記第1の生データとは異なる第2の生データに画像変換を施して出力画像を生成する、
    請求項1記載の情報処理装置。
  19. 前記信号データは、生データであり、
    前記基底変換部は、前記生データに前記基底変換を施して前記複数の基底を算出する、
    請求項1記載の情報処理装置。
  20. 前記基底利用部は、前記特定の基底を利用して前記信号データを分類値に変換する、請求項1記載の情報処理装置。
  21. 前記基底利用部は、前記特定の基底各々に対する凸射影処理を利用した特徴量変換を行う、請求項1記載の情報処理装置。
  22. 前記信号データは、MRSスペクトルデータであり、
    前記基底変換部は、前記MRSスペクトルデータに周波数軸方向に関する前記基底変換を施す、
    請求項1記載の情報処理装置。
  23. 前記MRSスペクトルデータは、複数の位置に関する複数のMRSスペクトルを含み、
    前記基底変換部は、前記複数のMRSスペクトルに前記基底変換を施して前記複数の基底を算出し、
    前記選択部は、前記複数の基底の中から前記特定の基底を選択し、
    前記基底利用部は、前記特定の基底が張る特定の空間を拘束条件として前記複数のMRSスペクトルにノイズ低減処理を施してノイズ低減された複数のMRSスペクトルを生成する、
    請求項22記載の情報処理装置。
  24. 信号データに基底変換を施して複数の基底を算出し、
    前記複数の基底の中から寄与率が基準よりも低い1以上の特定の基底を選択し、
    前記特定の基底を利用してデータ処理を実行する、
    ことを具備する情報処理方法。



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