JP2022088798A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成績係数の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整可能な冷凍サイクル装置を提供する。【解決手段】冷凍サイクル装置は、圧縮機11と、加熱部としての第1放熱器14aおよび第2放熱器14bと、加熱側膨張弁16と、室外熱交換器17と、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bと、冷却部としての第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bと、を備えている。加熱側膨張弁16は、加熱部から流出した冷媒を減圧させる。第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bは、室外熱交換器17から流出した冷媒を減圧させる。第1放熱器14aおよび第2放熱器14bは、圧縮機11から吐出された冷媒を熱源として第1流体を加熱する。第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bは、それぞれ第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bにて減圧された冷媒を蒸発させて第2流体を冷却する。【選択図】図4

Description

本発明は、複数の流体の温度を、異なる温度に調整する冷凍サイクル装置に関する。
従来、特許文献1に、複数の流体の温度を、それぞれ異なる温度に調整することのできる蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置が開示されている。特許文献1の冷凍サイクル装置は、互いに区画された複数の保温室を有する冷凍装置に適用されている。特許文献1の冷凍サイクル装置では、複数の流体として、複数の保温室に循環送風される送風空気の温度を、それぞれ異なる温度に調整している。
より具体的には、特許文献1の冷凍サイクル装置は、前室用熱交換器、後室用熱交換器、および室外熱交換器を備え、冷媒回路を切替可能に構成されている。前室用熱交換器は、保温室の1つである前室へ送風される前室用送風空気と冷媒とを熱交換させる。後室用熱交換器は、前室とは別の保温室である後室へ送風される後室用送風空気と冷媒とを熱交換させる。室外熱交換器は、外気と冷媒とを熱交換させる。
そして、特許文献1の冷凍サイクル装置では、前室を外気温よりも高い温度に保温するとともに、後室を外気温よりも低い温度に保温する際に、冷凍加温モードの冷媒回路に切り替える。
冷凍加温モードの冷媒回路では、前室用熱交換器、室外熱交換器、および後室用熱交換器が、冷媒流れに対して直列的に接続されて、この順に冷媒が流れる。そして、前室用熱交換器および室外熱交換器を凝縮器として機能させ、後室用熱交換器を蒸発器として機能させる。これにより、特許文献1の冷凍サイクル装置では、前室用熱交換器にて前室用送風空気を加熱するとともに、後室用熱交換器にて後室用送風空気を冷却している。
特開2019-203646号公報
しかし、特許文献1の冷凍サイクル装置では、冷凍加温モード時に高い作動効率を発揮しながら、前室および後室の双方の所望の温度に調整することが難しい。その理由は、特許文献1の冷凍加温モードの冷媒回路では、前室用熱交換器の冷媒出口と室外熱交換器の冷媒入口が直接的に接続されているため、熱負荷比を適切な値に調整することが難しいからである。
ここで、熱負荷比は、前室用熱交換器における冷媒の放熱量Qcaに対する後室用熱交換器における冷媒の吸熱量Qeaの比(Qea/Qca)で定義することができる。
より詳細には、前室用熱交換器の冷媒出口と室外熱交換器の冷媒入口が直接的に接続されていると、前室用熱交換器における冷媒の凝縮温度が外気温によって決まってしまうので、放熱量Qcaも外気温によって決まってしまう。そのため、サイクルの熱収支がバランスする熱負荷比についても、外気温によって決まってしまう。
従って、特許文献1の冷凍サイクル装置では、冷凍加温モード時に、前室の温度を所望の温度に加熱するために放熱量Qcaを増加させると、吸熱量Qeaも増加してしまう。その結果、後室用熱交換器における後室用送風空気の冷却能力が不必要に増加してしまい、冷凍サイクル装置の作動効率が悪化してしまうことがある。
同様に、冷凍加温モード時に、後室の温度を所望の温度に冷却するために吸熱量Qeaを増加させると、放熱量Qcaも増加してしまう。その結果、前室用熱交換器における前室用送風空気の加熱能力が不必要に増加してしまい、冷凍サイクル装置の作動効率が悪化してしまうことがある。
本発明は、上記点に鑑み、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整可能な冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の冷凍サイクル装置は、圧縮機(11)と、加熱部(14a、14b)と、上流側減圧部(16)と、室外熱交換部(17)と、下流側減圧部(20a、20b)と、冷却部(21a、21b)と、を備える。
圧縮機は、冷媒を圧縮して吐出する。加熱部は、圧縮機から吐出された冷媒を熱源として、第1流体を加熱する。上流側減圧部は、加熱部から流出した冷媒を減圧させる。室外熱交換器は、上流側減圧部から流出した冷媒と外気とを熱交換させる。下流側減圧部は、冷却部は、室外熱交換器から流出した冷媒を減圧させる。冷却部は、下流側減圧部から流出した冷媒を蒸発させて、第2流体を冷却する。
これによれば、上流側減圧部(16)を備えているので、加熱部(14a、14b)おける冷媒の温度と室外熱交換部(17)における冷媒の温度とを異なる値に調整することができる。従って、加熱部(14a、14b)における冷媒の放熱量(Qca)を調整することができる。
さらに、上流側減圧部(16)に加えて、下流側減圧部(20a、20b)を備えているので、室外熱交換部(17)における冷媒の温度を調整することもできる。従って、室外熱交換部(17)における冷媒と外気との熱交換量を調整して、冷却部(21a、21b)における冷媒の吸熱量(Qea)を調整することができる。
つまり、外気温によらず、サイクルの熱収支がバランスする熱負荷比(Qea/Qca)を幅広い範囲で調整することができる。従って、加熱部(14a、14b)における冷媒の放熱量(Qca)を、第1流体を所望の温度に加熱するために適切な値に調整することができると同時に、冷却部(21a、21b)における冷媒の吸熱量(Qea)を、第2流体を所望の温度に冷却するために適切な値に調整することができる。
その結果、請求項1に記載の発明によれば、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整可能な冷凍サイクル装置を提供することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の冷凍サイクル装置の模式的な全体構成図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の電気制御部を示すブロック図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の冷凍冷凍モード時の冷媒流れを示す模式的な全体構成図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の冷凍加温モード時の冷媒流れを示す模式的な全体構成図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の冷凍加温モード時の直列放熱制御における冷媒の状態の変化を示すモリエル線図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の冷凍加温モード時の直列吸熱制御における冷媒の状態の変化を示すモリエル線図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の加温加温モード時の冷媒流れを示す模式的な全体構成図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の除霜モード時の冷媒流れを示す模式的な全体構成図である。 第2実施形態の目標熱負荷比を説明するための説明図である。 第3実施形態の冷凍サイクル装置の模式的な全体構成図である。 第4実施形態の冷凍サイクル装置の模式的な全体構成図である。 第5実施形態の冷凍サイクル装置の模式的な全体構成図である。 第6実施形態の冷凍サイクル装置の模式的な全体構成図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の実施形態を説明する。各実施形態において先行する実施形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の実施形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1~図8を用いて、本発明に係る冷凍サイクル装置10の第1実施形態について説明する。図1の全体構成図に示す冷凍サイクル装置10は、車両用冷凍装置に適用されている。車両用冷凍装置は、運転席後方側の荷室内に形成された複数の保温室内の温度を、それぞれ異なる温度に調整する。冷凍サイクル装置10は、車両用冷凍装置において、複数の保温室へ送風される送風空気の温度を調整する。
より具体的には、本実施形態の車両用冷凍装置では、複数の保温室として、第1室と第2室とを有している。第1室と第2室は、荷室内に配置された可動式の区画部材によって区画されている。従って、ユーザが区画部材を移動させることによって、第1室の内容積と第2室の内容積の容積比を変更することができる。
冷凍サイクル装置10は、第1室へ送風される第1送風空気の温度および第2室へ送風される送風空気の温度を調整する。従って、第1送風空気および第2送風空気は、冷凍サイクル装置10の温度調整対象流体となる。第1室および第2室は、冷凍サイクル装置10の温度調整対象空間である。
また、冷凍サイクル装置10は、第1送風空気の温度および第2送風空気の温度を適切に調整するために、後述する車両用冷凍装置の各種運転モードに応じて、冷媒回路を切り替えることができる。
冷凍サイクル装置10では、冷媒として、HFO系冷媒(具体的には、R1234yf)を採用している。冷凍サイクル装置10は、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成する。冷媒には、冷凍サイクル装置10の圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されている。冷凍機油は、液相冷媒に相溶性を有するPAGオイル(すなわち、ポリアルキレングリコールオイル)である。冷凍機油の一部は、冷媒とともに冷凍サイクル装置10を循環している。
圧縮機11は、冷凍サイクル装置10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を専用の内燃機関(すなわち、エンジン)で回転駆動するエンジン駆動式の圧縮機である。圧縮機11は、後述する制御装置30から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
圧縮機11の冷媒吐出口には、第1継手部12aの流入口側が接続されている。第1継手部12aは、互いに連通する4つの流入出口を有する四方継手である。第1継手部12aとしては、複数の配管を接合して形成された継手部材や、金属ブロックや樹脂ブロックに複数の冷媒通路を設けることによって形成された継手部材を採用することができる。
さらに、冷凍サイクル装置10は、後述するように、第2継手部12b~第9継手部12iを備えている。第2継手部12b~第9継手部12iは、互いに連通する3つの流入出口を有する三方継手である。第2継手部12b~第9継手部12iとしては、第1継手部12aと同様に形成された継手部材を採用することができる。
第1継手部12aの1つの流出口には、第2継手部12bの流入口側が接続されている。第2継手部12bの一方の流出口には、第1開閉弁13aを介して、第1放熱器14aの冷媒入口側が接続されている。第2継手部12bの他方の流出口には、第2開閉弁13bを介して、第2放熱器14bの冷媒入口側が接続されている。
第1放熱器14aは、圧縮機11から吐出された冷媒と、第1加熱側送風機15aから送風された第1送風空気とを熱交換させて、第1送風空気を加熱する加熱用の熱交換器である。第1放熱器14aでは、冷媒の有する熱を第1送風空気へ放熱させることによって、第1送風空気を加熱する。
第1加熱側送風機15aは、第1室内の空気を吸入して第1放熱器14aに向けて第1送風空気を循環送風する。第1加熱側送風機15aは、制御装置30から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、送風能力)が制御される電動送風機である。
第1開閉弁13aは、第2継手部12bから第1放熱器14aへ至る冷媒流路を開閉する。第1開閉弁13aは、制御装置30から出力される制御電圧によって、開閉作動が制御される電磁弁である。
第2放熱器14bは、圧縮機11から吐出された冷媒と、第2加熱側送風機15bから送風された第2送風空気とを熱交換させて、第2送風空気を加熱する加熱用の熱交換器である。第2放熱器14bでは、冷媒の有する熱を第2送風空気へ放熱させることによって、第2送風空気を加熱する。第1放熱器14aおよび第2放熱器14bの基本的構成は、互いに同様であり、互いに同等の熱交換性能を有している。
第2加熱側送風機15bは、第2室内の空気を吸入して第2放熱器14bに向けて第2送風空気を循環送風する。第2加熱側送風機15bの基本的構成は、第1加熱側送風機15aと同様である。
さらに、冷凍サイクル装置10は、後述するように、第1冷却側送風機22aおよび第2冷却側送風機22bを備えている。第1冷却側送風機22aおよび第2冷却側送風機22bの基本的構成は、第1加熱側送風機15aと同様である。
第2開閉弁13bは、第2継手部12bから第2放熱器14bへ至る冷媒流路を開閉する。第2開閉弁13bの基本的構成は、第1開閉弁13aと同様である。
さらに、冷凍サイクル装置10は、後述するように、第3開閉弁13c、第1除霜用開閉弁13d、第2除霜用開閉弁13eを備えている。第3開閉弁13c、第1除霜用開閉弁13d、第2除霜用開閉弁13eの基本的構成は、第1開閉弁13aと同様である。第1開閉弁13a~第3開閉弁13c、第1除霜用開閉弁13d、第2除霜用開閉弁13eは、冷媒回路を切り替える冷媒回路切替部である。
第1放熱器14aの冷媒出口には、第3継手部12cの一方の流入口側が接続されている。第2放熱器14bの冷媒出口には、第3継手部12cの他方の流入口側が接続されている。第3継手部12cの流出口には、第4継手部12dの一方の流入口側が接続されている。
また、第1継手部12aの別の流出口には、冷凍用バイパス通路27aを介して、第4継手部12dの他方の流入口が接続されている。冷凍用バイパス通路27aには、冷凍用バイパス通路27aを開閉する第3開閉弁13cが配置されている。
第4継手部12dの流出口には、加熱側膨張弁16が接続されている。加熱側膨張弁16は、後述する冷凍加温モード時等に、第4継手部12dから流出した冷媒を減圧させる減圧装置である。
加熱側膨張弁16は、絞り開度を変化させる弁体、および弁体を変位させる電動アクチュエータ(具体的には、ステッピングモータ)を有する電気式の可変絞り機構である。加熱側膨張弁16は、制御装置30から出力される制御パルスによって、その作動が制御される。
加熱側膨張弁16は、弁開度を全開にすることで冷媒減圧作用および流量調整作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能を有している。加熱側膨張弁16は、弁開度を全閉にすることで冷媒通路を閉塞する全閉機能を有している。
さらに、冷凍サイクル装置10は、後述するように、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bを備えている。第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bの基本的構成は、加熱側膨張弁16と同様である。
加熱側膨張弁16、第1冷却側膨張弁20a、および第2冷却側膨張弁20bは、上述した全閉機能を発揮することによって冷媒回路を切り替えることができる。つまり、加熱側膨張弁16、第1冷却側膨張弁20a、および第2冷却側膨張弁20bは、冷媒回路切替部としての機能を兼ね備えている。
もちろん、加熱側膨張弁16、第1冷却側膨張弁20a、および第2冷却側膨張弁20bを、全閉機能を有していない可変絞り機構と開閉弁とを組み合わせて形成してもよい。この場合は、開閉弁が冷媒回路切替部となる。
加熱側膨張弁16の出口には、室外熱交換器17の冷媒入口側が接続されている。室外熱交換器17は、荷室の外部(本実施形態では、天井部)に配置されて、加熱側膨張弁16から流出した冷媒と外気ファン17aにより送風された外気とを熱交換させる室外熱交換部である。外気ファン17aは、制御装置30から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、送風能力)が制御される電動送風機である。
室外熱交換器17の冷媒出口には、三方弁18の流入口側が接続されている。三方弁18は、室外熱交換器17から流出した冷媒をレシーバ19側へ導く冷媒回路と、室外熱交換器17から流出した冷媒をアキュムレータ26側へ導く冷媒回路とを切り替える冷媒回路切替部である。三方弁18は、制御装置30から出力される制御電圧によって、冷媒回路を切り替える電気式の三方切替弁である。
レシーバ19は、後述する冷凍冷凍モード時等に、内部へ流入した冷媒の気液を分離する高圧側の気液分離部である。レシーバ19は、分離された液相冷媒の一部を下流側へ流出させるとともに、残余の液相冷媒をサイクルの余剰冷媒として貯えることができる。
レシーバ19の出口には、第5継手部12eの流入口側が接続されている。第5継手部12eの一方の流出口には、第1冷却側膨張弁20aおよび第6継手部12fを介して、第1蒸発器21aの冷媒入口側が接続されている。第5継手部12eの他方の流出口には、第2冷却側膨張弁20bおよび第7継手部12gを介して、第2蒸発器21bの冷媒入口側が接続されている。
第1冷却側膨張弁20aは、第1蒸発器21aへ流入する冷媒を減圧させる第1減圧装置である。第2冷却側膨張弁20bは、第2蒸発器21bへ流入する冷媒を減圧させる第2減圧装置である。
第1蒸発器21aは、第1冷却側膨張弁20aにて減圧された冷媒と、第1冷却側送風機22aから送風された第1送風空気とを熱交換させて、第1送風空気を冷却する冷却用の熱交換器である。第1蒸発器21aでは、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって、第1送風空気を冷却する。第1冷却側送風機22aは、第1室内の空気を吸入して第1蒸発器21aに向けて循環送風する。
第2蒸発器21bは、第2冷却側膨張弁20bにて減圧された冷媒と、第2冷却側送風機22bから送風された第2送風空気とを熱交換させて、第2送風空気を冷却する冷却用の熱交換器である。第2蒸発器21bでは、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって、第2送風空気を冷却する。第2冷却側送風機22bは、第2室内の空気を吸入して第2蒸発器21bに向けて循環送風する。
第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bの基本的構成は、互いに同様であり、互いに同等の熱交換性能を有している。
第1蒸発器21aの冷媒出口には、四方弁23の一つの流入口側が接続されている。第2蒸発器21bの冷媒出口には、四方弁23の別の一つの流入口側が接続されている。四方弁23の2つの流出口には、それぞれエジェクタ24のノズル部24aの入口側と冷媒吸引口24c側が接続されている。
四方弁23は、第1蒸発器21aから流出した冷媒をエジェクタ24のノズル部24aの入口側へ導くと同時に第2蒸発器21bから流出した冷媒をエジェクタ24の冷媒吸引口24c側へ導く冷媒回路と、第2蒸発器21bから流出した冷媒をエジェクタ24のノズル部24a側の入口へ導くと同時に第1蒸発器21aから流出した冷媒をエジェクタ24の冷媒吸引口24c側へ導く冷媒回路とを切り替える冷媒回路切替部である。
四方弁23は、制御装置30から出力される制御電圧によって、冷媒回路を切り替える電気式の四方切替弁である。
四方弁23とノズル部24aとの間を接続する冷媒流路には、第1逆止弁25aが配置されている。第1逆止弁25aは、冷媒が四方弁23側からノズル部24a側へ流れることを許容し、冷媒がノズル部24a側から四方弁23側へ流れることを禁止している。
また、四方弁23と冷媒吸引口24cとの間を接続する冷媒流路には、第2逆止弁25bが配置されている。第2逆止弁25bは、冷媒が四方弁23側から冷媒吸引口24c側へ流れることを許容し、冷媒が冷媒吸引口24c側から四方弁23側へ流れることを禁止している。
エジェクタ24は、後述する冷凍冷凍モード時に、第1蒸発器21aにおける第1冷媒蒸発温度と第2蒸発器21bにおける第2冷媒蒸発温度とを異なる値に調整するための蒸発温度調整部である。
より具体的には、エジェクタ24は、ノズル部24aおよびボデー部24bを有している。ノズル部24aは、冷媒の流れ方向に向かって徐々に先細る形状の金属製(本実施形態では、ステンレス合金製)の略円筒状部材で形成されている。そして、内部に形成された冷媒通路にて冷媒を等エントロピ的に減圧させる。ノズル部24aとしては、いわゆるラバールノズルや先細ノズルを採用することができる。
ボデー部24bは、金属製(本実施形態では、アルミニウム合金製)の略円筒状部材で形成されている。ボデー部24bは、内部にノズル部24aを支持固定する固定部材として機能するとともに、エジェクタ24の外殻を形成している。より具体的には、ノズル部24aは、ボデー部24bの長手方向一端側の内部に収容されるように圧入にて固定されている。ボデー部24bは、樹脂にて形成されていてもよい。
ボデー部24bの外周面のうち、ノズル部24aの外周側に対応する部位には、その内外を貫通してノズル部24aの冷媒噴射口と連通するように設けられた冷媒吸引口24cが形成されている。冷媒吸引口24cは、ノズル部24aから噴射される噴射冷媒の吸引作用によって、第1蒸発器21aあるいは第2蒸発器21bから流出した冷媒をエジェクタ24の内部へ吸引する貫通穴である。
ボデー部24bの内部には、吸引通路、およびディフューザ部24dが形成されている。吸引通路は、冷媒吸引口24cから吸引された吸引冷媒をノズル部24aの冷媒噴射口側へ導く。ディフューザ部24dは、吸引冷媒と噴射冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧部である。
より詳細には、ディフューザ部24dは、吸引通路の出口に連続するように配置されて、円錐台状に広がる冷媒通路が形成された部位である。ディフューザ部24dでは、通路断面積が冷媒流れ下流側に向かって徐々に拡大する。ディフューザ部24dでは、このような通路形状によって、混合冷媒の運動エネルギを圧力エネルギに変換する。
ディフューザ部24dの出口には、第8継手部12hの一方の流入口側が接続されている。第8継手部12hの他方の流入口には、前述した加熱用バイパス通路27bの出口側が続されている。第8継手部12hの流出口には、アキュムレータ26の入口側が接続されている。
アキュムレータ26は、後述する加温加温モード時等に、内部へ流入した冷媒の気液を分離する低圧側の気液分離部である。アキュムレータ26は、分離された気相冷媒を圧縮機11の吸入口側へ流出させるとともに、残余の液相冷媒をサイクルの余剰冷媒として貯えることができる。
また、前述の第1継手部12aのさらに別の流出口には、第9継手部12iの流入口側が接続されている。第9継手部12iの一方の流出口には、第1除霜用バイパス通路27cを介して、第6継手部12fの他方の流入口が接続されている。第9継手部12iの他方の流出口には、第2除霜用バイパス通路27dを介して、第7継手部12gの他方の流入口が接続されている。
第1除霜用バイパス通路27cには、第1除霜用バイパス通路27cを開閉する第1除霜用開閉弁13dが配置されている。第2除霜用バイパス通路27dには、第2除霜用バイパス通路27dを開閉する第2除霜用開閉弁13eが配置されている。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷凍加温モード時に、圧縮機11に予め定めた基準冷媒吐出能力を発揮させると、冷蔵室として利用される保温室内の温度を目標冷蔵温度TRO(本実施形態では、概ね8℃程度)に近づけるとともに、冷凍庫として利用される保温室内の温度を目標冷凍温度TFO(本実施形態では、概ね-15℃程度)に近づけることができるように、各構成機器の諸元や冷媒封入量が決定されている。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。制御装置30は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路を有している。制御装置30は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。そして、制御装置30は、演算、処理結果に基づいて、出力側に接続された各種制御対象機器11、13a~13e、15a、15b、16、17a、20a、20b、22a、22b、23等の作動を制御する。
制御装置30の入力側には、図2のブロック図に示すように、外気温センサ31a、第1室温センサ31b、第2室温センサ31c、高圧温度センサ31d、室外器温度センサ31e、低圧温度センサ31f、高圧圧力センサ32a、室外器圧力センサ32b、低圧圧力センサ32c等の制御用センサ群が接続されている。制御装置30には、制御用センサ群の検出信号が入力される。
外気温センサ31aは、外気温Tamを検出する外気温検出部である。第1室温センサ31bは、第1室内の空気の温度である第1室内温度Tr1を検出する第1室内温度検出部である。第2室温センサ31cは、第2室内の空気の温度である第2室内温度Tr2を検出する第2室内温度検出部である。
高圧温度センサ31dは、高圧冷媒の温度である高圧温度Thを検出する高圧温度検出部である。室外器温度センサ31eは、室外熱交換器17における冷媒の温度である室外器温度Tmを検出する室外器温度検出部である。低圧温度センサ31fは、低圧冷媒の温度である低圧温度Tsを検出する低圧温度検出部である。
高圧圧力センサ32aは、高圧冷媒の圧力である高圧圧力Phを検出する高圧圧力検出部である。室外器圧力センサ32bは、室外熱交換器17における冷媒の圧力である室外器圧力Pmを検出する室外器圧力検出部である。低圧圧力センサ32cは、低圧冷媒の圧力である低圧圧力Psを検出する低圧温度検出部である。
より具体的には、本実施形態の高圧温度センサ31dおよび高圧圧力センサ32aは、それぞれ第4継手部12dの流出口から加熱側膨張弁16へ至る冷媒流路における冷媒温度および冷媒圧力を検出している。
また、本実施形態の室外器温度センサ31eおよび室外器圧力センサ32bは、それぞれ三方弁18から第5継手部12eの流入口へ至る冷媒流路における冷媒温度および冷媒圧力を検出している。室外器温度センサ31eおよび室外器圧力センサ32bは、レシーバ19内の冷媒温度および冷媒圧力を検出するように配置されていてもよい。
また、本実施形態の低圧温度センサ31fおよび低圧圧力センサ32cは、それぞれ第8継手部12hから圧縮機11の吸入口へ至る冷媒流路における冷媒温度および冷媒圧力を検出している。低圧温度センサ31fおよび低圧圧力センサ32cは、アキュムレータ26内の冷媒温度および冷媒圧力を検出するように配置されていてもよい。
さらに、制御装置30の入力側には、図2に示すように、車室内に配置された操作パネル39が接続されている。制御装置30には、操作パネル39に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネル39に設けられた各種操作スイッチとしては、具体的に、作動スイッチ、および用途設定スイッチ等がある。
作動スイッチは、ユーザが車両用冷凍装置を作動させることを要求するための作動要求部である。用途設定スイッチは、ユーザが第1室および第2室の用途を設定するための用途設定部である。具体的には、ユーザは、用途設定スイッチによって、第1室および第2室のうち、冷蔵室として利用する一方の保温室と冷凍室として利用する他方の保温室とを設定することができる。
また、制御装置30は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体に構成されたものである。従って、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部となる。例えば、圧縮機11の作動を制御する構成は、吐出能力制御部30aである。また、加熱側膨張弁16、第1冷却側膨張弁20a、および第2冷却側膨張弁20bの作動を制御する構成は、減圧量制御部30bである。
さらに、制御装置30のうち、各種目標値を決定する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの目標値の決定部となる。例えば、後述する目標熱負荷比QROを決定する構成は、目標熱負荷比決定部30cである。
次に、上記構成における本実施形態の冷凍サイクル装置10の作動について説明する。本実施形態の車両用冷凍装置では、作動スイッチが投入(ON)されると、冷蔵室として利用される保温室内の温度が目標冷蔵温度TROに近づき、冷凍室として利用される保温室内の温度が目標冷凍温度TFOに近づくように、各種運転モードを切り替える。
具体的には、外気温センサ31aによって検出された外気温Tamが目標冷蔵温度TRO以上となっている際には、冷蔵室として利用される保温室内を冷却するとともに、冷凍室として利用される保温室内を冷却する冷凍冷凍モードの運転に切り替える。
また、外気温Tamが目標冷蔵温度TROよりも低く、かつ、目標冷凍温度TFO以上になっている際には、冷蔵室として利用される保温室内を加熱するとともに、冷凍室として利用される保温室内を冷却する冷凍加温モードの運転に切り替える。
また、外気温Tamが目標冷凍温度TFOよりも低くなっている際には、冷蔵室として利用される保温室内を加熱するとともに、冷凍室として利用される保温室内を加熱する加温加温モードの運転に切り替える。
さらに、以下の説明では、第1室を冷蔵室として利用し、第2室を冷凍室として利用する際には、上述した各運転モードを、それぞれ第1冷凍冷凍モード、第1冷凍加温モード、第1加温加温モードと記載する。また、第1室を冷凍室として利用し、第2室を冷蔵室として利用する際には、上述した各運転モードを、それぞれ第2冷凍冷凍モード、第2冷凍加温モード、第2加温加温モードと記載する。以下に、各運転モードにおける冷凍サイクル装置10の作動を詳細に説明する。
(a-1)第1冷凍冷凍モード
第1冷凍冷凍モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを閉じ、第2開閉弁13bを閉じ、第3開閉弁13cを開き、第1除霜用開閉弁13dを閉じ、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。
また、制御装置30は、室外熱交換器17から流出した冷媒をレシーバ19へ導く冷媒回路に切り替えるように、三方弁18の作動を制御する。また、制御装置30は、第1蒸発器21aから流出した冷媒をエジェクタ24のノズル部24aの入口へ導くと同時に第2蒸発器21bから流出した冷媒をエジェクタ24の冷媒吸引口24cへ導く冷媒回路に切り替えるように、四方弁23の作動を制御する。
また、制御装置30は、加熱側膨張弁16を全開状態とし、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bを冷媒減圧作用を発揮する絞り状態とする。
これにより、第1冷凍冷凍モードの冷凍サイクル装置10では、図3の実線矢印に示す順に冷媒が流れる冷媒回路に切り替えられる。
具体的には、第1冷凍冷凍モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が、冷凍用バイパス通路27aを介して、室外熱交換器17、レシーバ19の順に流れる。レシーバ19から流出した冷媒は、第5継手部12eにて分岐される。第5継手部12eにて分岐された一方の冷媒は、第1冷却側膨張弁20a、第1蒸発器21a、エジェクタ24のノズル部24aの順に流れる。第5継手部12eにて分岐された他方の冷媒は、第2冷却側膨張弁20b、第2蒸発器21b、エジェクタ24の冷媒吸引口24cの順に流れる。エジェクタ24のディフューザ部24dから流出した冷媒は、アキュムレータ26、圧縮機11の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。例えば、制御装置30は、基準冷媒吐出能力を発揮するように、圧縮機11の作動を制御する。
また、制御装置30は、第1加熱側送風機15aおよび第2加熱側送風機15bを停止させる。また、制御装置30は、外気ファン17aを予め定めた外気ファン用の基準回転数で作動させる。また、制御装置30は、第1冷却側送風機22aおよび第2冷却側送風機22bを基準回転数で作動させる。
また、制御装置30は、外気温Tamに基づいて、予め制御装置30に記憶されている制御マップを参照して、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度と第2冷却側膨張弁20bの絞り開度との絞り開度比を決定する。
第1冷凍冷凍モードの制御マップでは、第1室内温度Tr1が目標冷蔵温度TROに近づくとともに、第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOに近づくように、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度と第2冷却側膨張弁20bの絞り開度との絞り開度比を決定する。
さらに、制御装置30は、圧縮機11へ吸入される冷媒の過熱度SHが予め定めた目標過熱度SHO(本実施形態では、5℃)に近づくように、開度比を維持しながら第1冷却側膨張弁20aの絞り開度および第2冷却側膨張弁20bの絞り開度を調整する。過熱度SHは、低圧温度センサ31fによって検出された低圧温度Tsおよび低圧圧力センサ32cによって検出された低圧圧力Psを用いて算定することができる。
従って、第1冷凍冷凍モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、冷凍用バイパス通路27aを介して、室外熱交換器17へ流入する。室外熱交換器17へ流入した冷媒は、外気ファン17aから送風された外気と熱交換して凝縮する。室外熱交換器17から流出した冷媒は、レシーバ19へ流入して、気液分離される。レシーバ19から流出した液相冷媒の流れは、第5継手部12eにて分岐される。
第5継手部12eにて分岐された一方の冷媒は、第1冷却側膨張弁20aにて減圧されて、第1蒸発器21aへ流入する。第1蒸発器21aでは、第1冷却側膨張弁20aにて減圧された冷媒が、第1冷却側送風機22aから循環送風された第1送風空気と熱交換して蒸発する。これにより、第1室内温度Tr1が目標冷蔵温度TROに近づくように、第1送風空気が冷却される。
また、第5継手部12eにて分岐された他方の冷媒は、第2冷却側膨張弁20bにて減圧されて、第2蒸発器21bへ流入する。第2蒸発器21bでは、第2冷却側膨張弁20bにて減圧された冷媒が、第2冷却側送風機22bから循環送風された第2送風空気と熱交換して蒸発する。これにより、第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOに近づくように、第2送風空気が冷却される。
第1蒸発器21aから流出した冷媒は、四方弁23および第1逆止弁25aを介して、エジェクタ24のノズル部24aへ流入する。エジェクタ24のノズル部24aへ流入した冷媒は、ノズル部24aにて等エントロピ的に減圧されて噴射される。そして、ノズル部24aから噴射された噴射冷媒の吸引作用によって、第2蒸発器21bから流出した冷媒が、四方弁23および第2逆止弁25bを介して、冷媒吸引口24cから吸引される。
ノズル部24aの冷媒噴射口から噴射された噴射冷媒と冷媒吸引口24cから吸引された吸引冷媒は、ディフューザ部24dへ流入する。ディフューザ部24dでは、冷媒通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換される。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒の圧力が上昇する。ディフューザ部24dにて昇圧された冷媒は、アキュムレータ26へ流入する。
第1冷凍冷凍モードでは、圧縮機11へ吸入される冷媒の過熱度SHが目標過熱度SHOに近づくように、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度および第2冷却側膨張弁20bの絞り開度が制御される。このため、アキュムレータ26へ流入する冷媒は気相冷媒となる。従って、アキュムレータ26にて冷媒が気液分離されることはない。アキュムレータ26から流出した気相冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
従って、第1冷凍冷凍モードでは、第1蒸発器21aにて冷却された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。また、第2蒸発器21bにて冷却された第2送風空気を第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。
さらに、第1冷凍冷凍モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11へ吸入される冷媒を過熱度を有する気相冷媒としている。これによれば、圧縮機11へ吸入される冷媒が飽和気相冷媒となる場合に対して、第1蒸発部21aおよび第2蒸発部21bにおける冷媒の吸熱量を増加させて、第1蒸発部21aおよび第2蒸発部21bにおける送風空気の冷却能力を向上させることができる。
(a-2)第2冷凍冷凍モード
第2冷凍冷凍モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを閉じ、第2開閉弁13bを閉じ、第3開閉弁13cを開き、第1除霜用開閉弁13dを閉じ、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。
また、制御装置30は、室外熱交換器17から流出した冷媒をレシーバ19へ導く冷媒回路に切り替えるように、三方弁18の作動を制御する。また、制御装置30は、第2蒸発器21bから流出した冷媒をエジェクタ24のノズル部24aの入口へ導くと同時に第1蒸発器21aから流出した冷媒をエジェクタ24の冷媒吸引口24cへ導く冷媒回路に切り替えるように、四方弁23の作動を制御する。
また、制御装置30は、加熱側膨張弁16を全開状態とし、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bを冷媒減圧作用を発揮する絞り状態とする。
これにより、第2冷凍冷凍モードでは、図3の破線矢印に示す順に冷媒が流れる冷媒回路に切り替えられる。
具体的には、第2冷凍冷凍モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が、冷凍用バイパス通路27aを介して、室外熱交換器17、レシーバ19の順に流れる。レシーバ19から流出した冷媒は、第5継手部12eにて分岐される。第5継手部12eにて分岐された一方の冷媒は、第1冷却側膨張弁20a、第1蒸発器21a、エジェクタ24の冷媒吸引口24cの順に流れる。第5継手部12eにて分岐された他方の冷媒は、第2冷却側膨張弁20b、第2蒸発器21b、エジェクタ24のノズル部24aの順に流れる。エジェクタ24のディフューザ部24dから流出した冷媒は、アキュムレータ26、圧縮機11の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。
例えば、制御装置30は、外気温Tamに基づいて、予め制御装置30に記憶されている制御マップを参照して、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度と第2冷却側膨張弁20bの絞り開度との絞り開度比を決定する。
第2冷凍冷凍モードの制御マップでは、第1室内温度Tr1が目標冷凍温度TFOに近づくとともに、第2室内温度Tr2が目標冷蔵温度TROに近づくように、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度と第2冷却側膨張弁20bの絞り開度との絞り開度比を決定する。その他の制御対象機器の制御は、第1冷凍冷凍モードと同様である。
従って、第2冷凍冷凍モードでは、第1蒸発器21aにて冷却された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。また、第2蒸発器21bにて冷却された第2送風空気を第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。
さらに、第2冷凍冷凍モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11へ吸入される冷媒を過熱度を有する気相冷媒としている。従って、第1冷凍冷凍モードと同様に、第1蒸発部21aおよび第2蒸発部21bにおける送風空気の冷却能力を向上させることができる。
(b-1)第1冷凍加温モード
第1冷凍加温モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを開き、第2開閉弁13bを閉じ、第3開閉弁13cを閉じ、第1除霜用開閉弁13dを閉じ、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。
また、制御装置30は、室外熱交換器17から流出した冷媒をレシーバ19へ導く冷媒回路に切り替えるように、三方弁18の作動を制御する。また、制御装置30は、第1蒸発器21aから流出した冷媒をエジェクタ24のノズル部24aの入口へ導くと同時に第2蒸発器21bから流出した冷媒をエジェクタ24の冷媒吸引口24cへ導く冷媒回路に切り替えるように、四方弁23の作動を制御する。
また、制御装置30は、加熱側膨張弁16を絞り状態とし、第1冷却側膨張弁20aを全閉状態とし、第2冷却側膨張弁20bを絞り状態とする。
これにより、第1冷凍加温モードでは、図4の実線矢印に示す順に冷媒が流れる冷媒回路に切り替えられる。
具体的には、第1冷凍加温モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が、第1放熱器14a、加熱側膨張弁16、室外熱交換器17、レシーバ19の順に流れる。レシーバ19から流出した冷媒は、第2冷却側膨張弁20b、第2蒸発器21b、エジェクタ24の冷媒吸引口24cの順に流れる。エジェクタ24のディフューザ部24dから流出した冷媒は、アキュムレータ26、圧縮機11の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。冷凍加温モードの制御装置30では、外気温Tamに基づいて、直列放熱制御、あるいは、直列吸熱制御を実行する。直列放熱制御は、外気温Tamが予め定めた基準外気温KTamよりも高くなっている際に実行される。また、直列吸熱制御は、外気温Tamが基準外気温KTam以下となっている際に実行される。
まず、直列放熱制御について説明する。第1冷凍冷凍モードの直列放熱制御では、制御装置30は、基準冷媒吐出能力を発揮するように、圧縮機11の作動を制御する。
また、制御装置30は、第1加熱側送風機15aを予め定めた基準回転数で作動させ、第2冷却側送風機22bを停止させる。また、制御装置30は、外気ファン17aを外気ファン用の基準回転数で作動させる。また、制御装置30は、第1冷却側送風機22aを停止させ、第2冷却側送風機22bを基準回転数で作動させる。
また、制御装置30は、室外器温度センサ31eによって検出された室外器温度Tmが、外気温Tamより高くなるように、加熱側膨張弁16の絞り開度を制御する。換言すると、制御装置30は、室外熱交換器17における冷媒温度が、外気温Tamより高くなるように、加熱側膨張弁16の絞り開度を制御する。
また、制御装置30は、第1冷凍冷凍モードと同様に、圧縮機11へ吸入される冷媒の過熱度SHが目標過熱度SHOに近づくように、第2冷却側膨張弁20bの絞り開度を制御する。
従って、第1冷凍加温モードの直列放熱制御が実行されると、図5のモリエル線図に示すように、冷媒の状態が変化する。
すなわち、圧縮機11から吐出された冷媒(図5のa5点)が、第1放熱器14aへ流入する。第1放熱器14aへ流入した冷媒は、第1加熱側送風機15aから循環送風された第1送風空気に放熱して凝縮する(図5のa5点からb5点)。これにより、第1室内温度Tr1が概ね目標冷蔵温度TROに近づくように、第1送風空気が加熱される。
第1放熱器14aから流出した冷媒は、加熱側膨張弁16にて減圧される(図5のb5点からc5点)。加熱側膨張弁16にて減圧された冷媒は、室外熱交換器17へ流入する。室外熱交換器17へ流入した冷媒は、外気ファン17aから送風された外気に放熱して凝縮する(図5のc5点からd5点)。このため、室外熱交換器17の出口側の冷媒(図5のd5点)は、過冷却度を有する液相冷媒となる。
室外熱交換器17から流出した冷媒は、第2冷却側膨張弁20bにて減圧される(図5のd5点からe5点)。第2冷却側膨張弁20bにて減圧された冷媒は、第2蒸発器21bへ流入する。
第2蒸発器21bへ流入した冷媒は、第2冷却側送風機22bから循環送風された第2送風空気から吸熱して蒸発する(図5のe5点からf5点)。これにより、第2室内温度Tr2が概ね目標冷凍温度TFOに近づくように、第2送風空気が冷却される。さらに、圧縮機11へ吸入される冷媒(図5のf5点)の過熱度SHが目標過熱度SHOに近づく。
第2蒸発器21bから流出した冷媒は、四方弁23を介して、エジェクタ24の冷媒吸引口24cへ流入する。第1冷凍加温モードでは、第1冷却側膨張弁20aが全閉状態となっているので、第1蒸発器21aから流出した冷媒はエジェクタ24のノズル部24aへ流入しない。
このため、冷媒吸引口24cから吸引された吸引冷媒がエジェクタ24内で加速されることはなく、ディフューザ部24dでは、冷媒は殆ど昇圧されない。つまり、冷凍加温モード時のエジェクタ24は、実質的に単なる冷媒通路となる。ディフューザ部24dから流出した気相冷媒(図5のf5点)は、アキュムレータ26を介して圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
次に、直列吸熱制御について説明する。第1冷凍冷凍モードの直列吸熱制御では、制御装置30は、室外器温度Tmが、外気温Tamより低くとなるように、加熱側膨張弁16の絞り開度を制御する。換言すると、制御装置30は、室外熱交換器17における冷媒温度が、外気温Tamより低くなるように、加熱側膨張弁16の絞り開度を制御する。
また、制御装置30は、第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOに近づくように、第2冷却側膨張弁20bの絞り開度を制御する。その他の制御対象機器の制御は、直列放熱モードと同様である。
従って、第1冷凍加温モードの直列吸熱制御が実行されると、図6のモリエル線図に示すように、冷媒の状態が変化する。
すなわち、圧縮機11から吐出された冷媒(図6のa6点)が、第1放熱器14aへ流入する。第1放熱器14aへ流入した冷媒は、第1加熱側送風機15aから循環送風された第1送風空気に放熱して凝縮する(図6のa6点からb6点)。これにより、第1室内温度Tr1が概ね目標冷蔵温度TROに近づくように、第1送風空気が加熱される。
第1放熱器14aから流出した冷媒は、加熱側膨張弁16にて減圧される(図6のb6点からc6点)。加熱側膨張弁16にて減圧された冷媒は、室外熱交換器17へ流入する。室外熱交換器17へ流入した冷媒は、外気ファン17aから送風された外気から吸熱して蒸発する(図6のc6点からd6点)。
室外熱交換器17から流出した冷媒は、第2冷却側膨張弁20bにて減圧される(図6のd6点からe6点)。第2冷却側膨張弁20bにて減圧された冷媒は、第2蒸発器21bへ流入する。
第2蒸発器21bへ流入した冷媒は、第2冷却側送風機22bから循環送風された第2送風空気から吸熱して蒸発する(図6のe6点からf6点)。これにより、第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOに近づくように、第2送風空気が冷却される。
第2蒸発器21bから流出した冷媒は、四方弁23を介して、エジェクタ24の冷媒吸引口24cへ流入する。エジェクタ24の冷媒吸引口24cへ流入した冷媒は、冷媒通路となっているエジェクタ24から流出して、アキュムレータ26へ流入する。アキュムレータ26では、冷媒の気液が分離される。アキュムレータ26にて分離された気相冷媒(図6のf6点)は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
従って、第1冷凍加温モードでは、第1放熱器14aにて加熱された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。また、第2蒸発器21bにて冷却された第2送風空気を第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。
さらに、第1冷凍加温モードの直列放熱制御では、第1冷凍冷凍モードと同様に、圧縮機11へ吸入される冷媒を過熱度を有する気相冷媒としている。従って、第2蒸発部21bにおける第2送風空気の冷却能力を向上させることができる。
ここで、第1冷凍加温モードにおける第1放熱器14aは、圧縮機11から吐出された冷媒を熱源として、第1流体である第1送風空気を加熱する加熱部である。また、第1冷凍加温モードにおける加熱側膨張弁16は、第1放熱器14aから流出した冷媒を減圧させる上流側減圧部である。また、第1冷凍加温モードにおける第2冷却側膨張弁20bは、室外熱交換器17から流出した冷媒を減圧させる下流側減圧部である。また、第1冷凍加温モードにおける第2蒸発器21bは、第2冷却側膨張弁20bから流出した冷媒を蒸発させて、第2流体である第2送風空気を冷却する冷却部である。
(b-2)第2冷凍加温モード
第2冷凍加温モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを閉じ、第2開閉弁13bを開き、第3開閉弁13cを閉じ、第1除霜用開閉弁13dを閉じ、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。
また、制御装置30は、室外熱交換器17から流出した冷媒をレシーバ19へ導く冷媒回路に切り替えるように、三方弁18の作動を制御する。また、制御装置30は、第2蒸発器21bから流出した冷媒をエジェクタ24のノズル部24aの入口へ導くと同時に第1蒸発器21aから流出した冷媒をエジェクタ24の冷媒吸引口24cへ導く冷媒回路に切り替えるように、四方弁23の作動を制御する。
また、制御装置30は、加熱側膨張弁16を絞り状態とし、第1冷却側膨張弁20aを絞り状態とし、第2冷却側膨張弁20bを全閉状態とする。
これにより、第2冷凍加温モードでは、図4の破線矢印に示す順に冷媒が流れる冷媒回路に切り替えられる。
具体的には、第2冷凍加温モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が、第2放熱器14b、加熱側膨張弁16、室外熱交換器17、レシーバ19の順に流れる。レシーバ19から流出した液相冷媒は、第1冷却側膨張弁20a、第1蒸発器21a、エジェクタ24の冷媒吸引口24cの順に流れる。エジェクタ24のディフューザ部24dから流出した冷媒は、アキュムレータ26、圧縮機11の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。
第2冷凍加温モードの直列放熱制御では、制御装置30は、圧縮機11へ吸入される冷媒の過熱度SHが目標過熱度SHOに近づくように、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度を制御する。その他の制御対象機器の制御は、第1冷凍加温モードの直列放熱制御と同様である。
また、第2冷凍加温モードの直列吸熱制御では、制御装置30は、第1室内温度Tr1が目標冷凍温度TFOに近づくように、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度を制御する。その他の制御対象機器の制御は、第1冷凍加温モードの直列吸熱制御と同様である。
従って、第2冷凍加温モードでは、第1蒸発器21aにて冷却された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。また、第2放熱器14bにて加熱された第2送風空気を第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。
さらに、第2冷凍加温モードの直列放熱制御では、第1冷凍冷凍モードと同様に、圧縮機11へ吸入される冷媒を過熱度を有する気相冷媒としている。従って、第1蒸発部21aにおける第1送風空気の冷却能力を向上させることができる。
さらに、第1冷凍加温モードの直列放熱制御では、第1冷凍冷凍モードと同様に、圧縮機11へ吸入される冷媒を過熱度を有する気相冷媒としている。従って、第2蒸発部21bにおける第2送風空気の冷却能力を向上させることができる。
ここで、第2冷凍加温モードにおける第2放熱器14bは、圧縮機11から吐出された冷媒を熱源として、第1流体である第2送風空気を加熱する加熱部である。また、第2冷凍加温モードにおける加熱側膨張弁16は、第2放熱器14bから流出した冷媒を減圧させる上流側減圧部である。また、第2冷凍加温モードにおける第1冷却側膨張弁20aは、室外熱交換器17から流出した冷媒を減圧させる下流側減圧部である。また、第2冷凍加温モードにおける第1蒸発器21aは、第1冷却側膨張弁20aから流出した冷媒を蒸発させて、第2流体である第1送風空気を冷却する冷却部である。
(c-1)第1加温加温モード
第1加温加温モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを開き、第2開閉弁13bを断続的に開閉作動させ、第3開閉弁13cを閉じ、第1除霜用開閉弁13dを閉じ、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。
また、制御装置30は、室外熱交換器17から流出した冷媒をアキュムレータ26へ導く冷媒回路に切り替えるように、三方弁18の作動を制御する。
また、制御装置30は、加熱側膨張弁16を絞り状態とし、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bを全閉状態とする。
これにより、第1加温加温モードでは、図7の実線矢印に示す順に冷媒が流れる冷媒回路に切り替えられる。
具体的には、第1加温加温モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒の流れが第2継手部12bにて分岐される。第2継手部12bにて分岐された一方の冷媒は、第1放熱器14aへ流入し、他方の冷媒は、第2放熱器14bへ流入する。第1放熱器14aから流出した冷媒の流れと第2放熱器14bから流出した冷媒の流れは、第3継手部12cにて合流して、加熱側膨張弁16、室外熱交換器17、アキュムレータ26、圧縮機の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。例えば、制御装置30は、基準冷媒吐出能力を発揮するように、圧縮機11の作動を制御する。
また、制御装置30は、第1加熱側送風機15aおよび第2加熱側送風機15bを基準回転数で作動させる。また、制御装置30は、外気ファン17aを外気ファン用の基準回転数で作動させる。また、制御装置30は、第1冷却側送風機22aおよび第2冷却側送風機22bを停止させる。
また、制御装置30は、第1室内温度Tr1が目標冷蔵温度TROに近づくように、加熱側膨張弁16の絞り開度を制御する。
また、制御装置30は、第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOに近づくように、第2開閉弁13bを断続的に開閉作動させる。具体的には、制御装置30は、第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOを所定量上回った際に第2開閉弁13bを閉じ、第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOを所定量下回った際に第2開閉弁13bを開く。
従って、第1加温加温モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された冷媒の流れが第2継手部12bにて分岐される。第2継手部12bにて分岐された一方の冷媒は、第1放熱器14aへ流入する。第1放熱器14aへ流入した冷媒は、第1加熱側送風機15aから循環送風された第1送風空気に放熱して凝縮する。これにより、第1室内温度Tr1が目標冷蔵温度TROに近づくように、第1送風空気が加熱される。
第2継手部12bにて分岐された他方の冷媒は、第2開閉弁13bが開いている際に、第2放熱器14bへ流入する。第2放熱器14bへ流入した冷媒は、第2加熱側送風機15bから循環送風された第2送風空気に放熱して凝縮する。これにより、第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOに近づくように、第2送風空気が加熱される。
第1放熱器14aから流出した冷媒の流れと第2放熱器14bから流出した冷媒の流れは、第3継手部12cにて合流する。第3継手部12cから流出した冷媒は、加熱側膨張弁16にて減圧される。加熱側膨張弁16にて減圧された冷媒は、室外熱交換器17へ流入する。室外熱交換器17へ流入した冷媒は、外気ファン17aから送風された外気から吸熱して蒸発する。
室外熱交換器17から流出した冷媒は、加熱用バイパス通路27bを介して、アキュムレータ26へ流入する。アキュムレータ26では、冷媒の気液が分離される。アキュムレータ26にて分離された気相冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
従って、第1加温加温モードでは、第1放熱器14aにて加熱された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。また、第2放熱器14bにて加熱された第2送風空気を第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。
(c-2)第2加温加温モード
第2加温加温モード、制御装置30が、第1開閉弁13aを断続的に開閉作動させ、第2開閉弁13bを開き、第3開閉弁13cを閉じ、第1除霜用開閉弁13dを閉じ、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。
また、制御装置30は、室外熱交換器17から流出した冷媒をアキュムレータ26へ導く冷媒回路に切り替えるように、三方弁18の作動を制御する。
また、制御装置30は、加熱側膨張弁16を絞り状態とし、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bを全閉状態とする。
これにより、第2加温加温モードでは、図7の破線矢印に示す順に冷媒が流れる冷媒回路に切り替えられる。つまり、第2加温加温モードの冷媒回路では、第1加温加温モードと同様の順に冷媒が流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。例えば、制御装置30は、第2室内温度Tr2が目標冷蔵温度TROに近づくように、加熱側膨張弁16の絞り開度を制御する。また、制御装置30は、第1室内温度Tr1が目標冷凍温度TFOに近づくように、第1開閉弁13aを断続的に開閉作動させる。その他の制御対象機器の制御は、第1加温加温モードと同様である。
従って、第2加温加温モードでは、第1放熱器14aにて加熱された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。また、第2放熱器14bにて加熱された第2送風空気を第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。
ところで、上述した冷凍冷凍モードおよび冷凍加温モードでは、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bのうち、冷凍室として利用される保温室へ送風される送風空気を冷却する蒸発器における冷媒蒸発温度が0℃よりも低くなる。従って、冷凍冷凍モード時および冷凍加温モード時には、第1蒸発器21aあるいは第2蒸発器21bに着霜が生じる可能性がある。
そこで、本実施形態では、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bの除霜を行う除霜モードでの運転を実行することができる。除霜モードは、冷凍冷凍モードあるいは冷凍加温モードでの運転が予め定めた基準時間(本実施形態では、1時間)継続された際に、予め定めた除霜時間(本実施形態では、1分)が経過するまで実行される。
(d-1)第1除霜モード
第1除霜モードは、第1冷凍冷凍モードおよび第1冷凍加温モードが実行されている際に、第2蒸発器21bの除霜を行うための運転モードである。第1除霜モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを閉じ、第2開閉弁13bを閉じ、第3開閉弁13cを閉じ、第1除霜用開閉弁13dを閉じ、第2除霜用開閉弁13eを開く。
また、制御装置30は、第1蒸発器21aから流出した冷媒をエジェクタ24のノズル部24aの入口へ導くと同時に第2蒸発器21bから流出した冷媒をエジェクタ24の冷媒吸引口24cへ導く冷媒回路に切り替えるように、四方弁23の作動を制御する。また、制御装置30は、加熱側膨張弁16、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bを全閉状態とする。
これにより、第1除霜モードでは、図8の実線矢印に示す順に冷媒が流れる冷媒回路に切り替えられる。
具体的には、第1除霜モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が、第2除霜用バイパス通路27dを介して、第2蒸発器21b、エジェクタ24の冷媒吸引口24cの順に流れる。エジェクタ24のディフューザ部24dから流出した冷媒は、アキュムレータ26、圧縮機11の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。例えば、制御装置30は、予め定めた除霜モード用の基準冷媒吐出能力を発揮するように、圧縮機11の作動を制御する。
また、制御装置30は、第1加熱側送風機15aおよび第2加熱側送風機15bを停止させる。また、制御装置30は、外気ファン17aを停止させる。また、制御装置30は、第1冷却側送風機22aおよび第2冷却側送風機22bを停止させる。
従って、第1除霜モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、第2除霜用バイパス通路27dを介して、第2蒸発器21bへ流入する。第2蒸発器21bへ流入した冷媒は、第2蒸発器21bに放熱する。これにより、第2蒸発器21bについた霜が融解して、第2蒸発器21bの除霜がなされる。
第2蒸発器21bから流出した冷媒は、第1冷凍加温モードと同様に、エジェクタ24へ流入の冷媒吸引口24cへ流入する。エジェクタ24から流出した気相冷媒は、アキュムレータ26へ流入する。アキュムレータ26では、冷媒の気液が分離される。アキュムレータ26にて分離された気相冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
以上の如く、第1除霜モードの冷凍サイクル装置10では、いわゆるホットガスサイクルが形成されて、第2蒸発器21bの除霜がなされる。
(d-2)第2除霜モード
第2除霜モードは、第2冷凍冷凍モードおよび第2冷凍加温モードが実行されている際に、第1蒸発器21aの除霜を行うための除霜モードである。第2除霜モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを閉じ、第2開閉弁13bを閉じ、第3開閉弁13cを閉じ、第1除霜用開閉弁13dを開き、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。
また、制御装置30は、第2蒸発器21bから流出した冷媒をエジェクタ24のノズル部24aの入口へ導くと同時に第1蒸発器21aから流出した冷媒をエジェクタ24の冷媒吸引口24cへ導く冷媒回路に切り替えるように、四方弁23の作動を制御する。また、制御装置30は、加熱側膨張弁16、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bを全閉状態とする。
これにより、第2除霜モードでは、図8の破線矢印に示す順に冷媒が流れる冷媒回路に切り替えられる。
具体的には、第2除霜モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が、第1除霜用バイパス通路27cを介して、第1蒸発器21a、エジェクタ24の冷媒吸引口24cの順に流れる。エジェクタ24のディフューザ部24dから流出した冷媒は、アキュムレータ26、圧縮機11の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、第1除霜モードと同様に、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、第2除霜モードの冷凍サイクル装置10では、いわゆるホットガスサイクルが形成されて、第1蒸発器21aの除霜がなされる。
以上の如く、本実施形態の車両用冷凍装置では、運転モードを切り替えることによって、外気温Tamによらず、第1室内の温度および第2室内の温度を用途に応じた適切な温度に調整することができる。また、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bに着霜が生じた際には、霜を取り除くことができる。
ところで、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷凍加温モード時に、加熱部である第1放熱器14aあるいは第2放熱器14bにて冷媒を熱源として第1流体を加熱する。さらに、冷却部である第1蒸発器21aあるいは第2蒸発器21bにて冷媒を蒸発させて第2流体を冷却する冷媒回路に切り替えられる。
このようなサイクル構成では、サイクルの熱収支がバランスする熱負荷比を適切に調整できないと、高い作動効率を発揮しながら、第1送風空気および第2送風空気の双方を所望の温度に調整することが難しい。ここで、熱負荷比は、第1放熱器14aあるいは第2放熱器14bにおける冷媒の放熱量Qcaに対する第1蒸発器21aあるいは第2蒸発器21bにおける冷媒の吸熱量Qeaの比(Qea/Qca)で定義することができる。
その理由は、第1流体を所望の温度に加熱するために第1放熱器14aあるいは第2放熱器14bにおける放熱量Qcaを増加させると、第1蒸発器21aあるいは第2蒸発器21bにおける吸熱量Qeaも増加してしまうからである。その結果、第1蒸発器21aあるいは第2蒸発器21bにて不必要な冷却能力が発揮されてしまい、冷凍サイクル装置10の作動効率が悪化してしまう。
同様に、第2流体を所望の温度に冷却するために第1蒸発器21aあるいは第2蒸発器21bにおける吸熱量Qeaを増加させると、第1放熱器14aあるいは第2放熱器14bにおける放熱量Qcaも増加してしまうからである。その結果、第1放熱器14aあるいは第2放熱器14bにて不必要な加熱能力が発揮されてしまい、冷凍サイクル装置10の作動効率が悪化してしまう。
これに対して、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、加熱側膨張弁16を備えている。これによれば、冷凍加温モード時に、加熱部となる第1放熱器14aあるいは第2放熱器14bにおける冷媒の温度と室外熱交換器17における冷媒の温度とを異なる値に調整することができる。従って、第1放熱器14aあるいは第2放熱器14bにおける冷媒の放熱量Qcaを幅広い範囲で調整することができる。
さらに、加熱側膨張弁16に加えて、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bを備えている。これによれば、室外熱交換器17における冷媒の温度を調整して、室外熱交換器17における冷媒と外気との熱交換量を調整することができる。従って、冷凍加温モード時に、第1蒸発器21aあるいは第2蒸発器21bにおける冷媒の吸熱量Qeaを幅広い範囲で調整することができる。
つまり、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷凍加温モード時に、サイクルの熱収支がバランスする熱負荷比Qea/Qcaを幅広い範囲で調整することができる。
従って、第1放熱器14aおよび第2放熱器14bにおける冷媒の放熱量Qcaを、第1流体を所望の温度に加熱するために適切な値に調整すると同時に、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bにおける冷媒の吸熱量Qeaを、第2流体を所望の温度に冷却するために適切な値に調整することができる。
その結果、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、冷凍加温モード時に、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整することができる。
さらに、本実施形態の車両用冷凍装置のように、第1室の内容積と第2室の内容積の容積比を変更することができる車両用冷凍装置では、容積比の変更に伴って、適切な熱負荷比Qea/Qcaも変化する。従って、本実施形態の冷凍サイクル装置10のように、サイクルの熱収支がバランスする熱負荷比Qea/Qcaを幅広い範囲で調整可能であることは、極めて有効である。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷凍加温モード時に、外気温Tamに基づいて、加熱側膨張弁16、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bの作動を制御する。
より具体的には外気温Tamが基準外気温KTamよりも高くなっている際には、室外熱交換器17における冷媒の温度が外気温Tamよりも高くなるように、加熱側膨張弁16、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bの作動を制御する。さらに、外気温Tamが基準外気温KTam以下になっている際には、室外熱交換器17における冷媒の温度が外気温Tamよりも低くなるように、加熱側膨張弁16、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bの作動を制御する。
これによれば、簡素な制御でありながら、外気温Tamに基づいて、熱負荷比Qea/Qcaを適切な値に近づけて、冷凍サイクル装置10の作動効率の悪化を抑制することができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷凍冷凍モード時に、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bが、冷媒流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。このようなサイクル構成では、第1蒸発器21aにおける冷媒蒸発温度と第2蒸発器21bにおける冷媒蒸発温度とを異なる温度に調整する際に、不必要な冷却能力が発揮されて、冷凍サイクル装置10の作動効率が悪化してしまうことがある。
これに対して、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、蒸発温度調整部としてのエジェクタ24を備えている。そして、冷凍冷凍モード時に、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bの一方から流出した冷媒をノズル部24aにて減圧させる。さらに、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bの他方から流出した冷媒を冷媒吸引口24cから吸引して、ノズル部24aにて減圧された冷媒に合流させる。
これによれば、不必要な冷却能力が発揮されてしまうことを回避するための複雑な制御等を必要とすることなく、第1蒸発器21aにおける冷媒蒸発圧力と第2蒸発器21bにおける冷媒蒸発圧力とを異なる値にすることができる。そして、ノズル部24aの減圧特性を適切に設定しておくことで、第1蒸発器21aにおける冷媒蒸発温度と第2蒸発器21bにおける冷媒蒸発温度との間に所望の温度差を設けることができる。
その結果、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、冷凍冷凍モード時に、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整することができる。
さらに、冷凍冷凍モードでは、エジェクタ24のディフューザ部24dの昇圧作用によって、圧縮機11へ吸入される冷媒の圧力をさせる冷媒を上昇させることができる。その結果、冷凍冷凍モードでは、圧縮機11の消費動力を低減させて、冷凍サイクル装置10の成績係数(COP)を向上させることができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、第1逆止弁25aおよび第2逆止弁25bを備えている。これによれば、冷媒回路を切り替えた際に、エジェクタ24側から第1蒸発器21a側あるいは第2蒸発器21b側へ液相冷媒が逆流してしまうことを抑制することができる。従って、第1蒸発器21a内あるいは第2蒸発器21b内に冷凍機油が滞留してしまうことを抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態で説明した冷凍加温モード時における冷凍サイクル装置10の制御態様を変更した例を説明する。その他の冷凍サイクル装置10の構成および作動は第1実施形態と同様である。以下、本実施形態の冷凍加温モード時における冷凍サイクル装置10の作動について説明する。
(b-1)第1冷凍加温モード
本実施形態の第1冷凍加温モードでは、制御装置30が、外気温Tamに基づいて、予め制御装置30に記憶されている制御マップを参照して、加熱側膨張弁16の絞り開度および第2冷却側膨張弁20bの絞り開度の開度比を決定する。制御マップでは、実際の熱負荷比Qea/Qcaが目標熱負荷比QROに近づくように、開度比を決定する。
目標熱負荷比QROは、目標放熱量QcaOに対する目標吸熱量QeaOの比で定義することができる。第1冷凍加温モードの目標放熱量QcaOは、第1室内温度Tr1を目標冷蔵温度TROに近づけるために必要となる第1放熱器14aにおける冷媒の放熱量である。第1冷凍加温モードの目標吸熱量QeaOは、第2室内温度Tr2を目標冷凍温度TFOに近づけるために必要となる第2蒸発器21bにおける冷媒の吸熱量である。
制御装置30の目標熱負荷比決定部30cは、図9に示すように、外気温Tamの上昇に伴って目標熱負荷比QROを増加させるように決定する。
さらに、制御装置30は、第1室内温度Tr1が目標冷蔵温度TROに近づくように、決定された開度比を維持しながら加熱側膨張弁16の絞り開度および第2冷却側膨張弁20bの絞り開度を調整する。その他の制御対象機器の制御は、第1実施形態の第1冷凍加温モードと同様である。
このため、本実施形態の第1冷凍加温モードでは、室外器温度Tmが、外気温Tamより高くなっている際には、第1実施形態の直列放熱制御と同様に作動する。また、室外器温度Tmが、外気温Tamより低くなっている際には、第1実施形態の直列吸熱制御と同様に作動する。
従って、本実施形態の第1冷凍加温モードでは、第1実施形態と同様に、第1放熱器14aにて加熱された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。また、第2蒸発器21bにて冷却された第2送風空気を第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。
(b-2)第2冷凍加温モード
本実施形態の第1冷凍加温モードでは、制御装置30が、第1冷凍加温モードと同様に、加熱側膨張弁16の絞り開度および第2冷却側膨張弁20bの絞り開度の開度比を決定する。制御マップでは、実際の熱負荷比Qea/Qcaが目標熱負荷比QROに近づくように、開度比を決定する。
第2冷凍加温モードの目標放熱量QcaOは、第2室内温度Tr2を目標冷蔵温度TROに近づけるために必要となる第2放熱器14bにおける冷媒の放熱量である。第2冷凍加温モードの目標吸熱量QeaOは、第1室内温度Tr1を目標冷凍温度TFOに近づけるために必要となる第1蒸発器21aにおける冷媒の吸熱量である。
さらに、制御装置30は、第2室内温度Tr2が目標冷蔵温度TROに近づくように、決定された開度比を維持しながら加熱側膨張弁16の絞り開度を調整する。その他の制御対象機器の制御は、第1実施形態の第2冷凍加温モードと同様である。
従って、本実施形態の第2冷凍加温モードでは、第1実施形態と同様に、第1蒸発器21aにて冷却された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。また、第2放熱器14bにて加熱された第2送風空気を第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。
本実施形態の冷凍サイクル装置10は、上記の如く作動するので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、冷凍加温モード時に、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整することができる。また、冷凍冷凍モード時にも、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整することができる。
さらに、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷凍加温モード時に、実際の熱負荷比Qea/Qcaが目標熱負荷比QROに近づくように、加熱側膨張弁16、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bの作動を制御する。これによれば、簡素な制御でありながら、熱負荷比Qea/Qcaを、より一層、適切な値に近づけることができ、冷凍サイクル装置10の作動効率の悪化を効果的に抑制することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、図10の全体構成図に示す冷凍サイクル装置10aについて説明する。冷凍サイクル装置10aは、冷凍サイクル装置10に対して、四方弁23、エジェクタ24、第1逆止弁25a、および第2逆止弁25bが廃止されており、蒸発温度調整部として蒸発圧力調整弁28が採用されている。
蒸発圧力調整弁28は、入口側の冷媒圧力が予め定めた設定圧力以上となるように弁開度を変化させる可変絞り機構である。より具体的には、蒸発圧力調整弁28は、入口側の冷媒圧力の上昇に伴って、弁開度を増加させる機械的機構で構成されている。
本実施形態の蒸発圧力調整弁28の入口には、第2蒸発器21bの冷媒出口側が接続されている。従って、蒸発圧力調整弁28は、第2蒸発器21bの冷媒蒸発圧力を設定圧力以上に維持することができる。そこで、本実施形態では、第2蒸発器21bの冷媒蒸発温度が目標冷蔵温度TRO以上となるように、設定圧力を決定している。
従って、蒸発圧力調整弁28は、第2蒸発器21bの冷媒蒸発温度を目標冷蔵温度TRO以上に維持することができる。
蒸発圧力調整弁28の出口には、第10継手部12jの一方の流入口側が接続されている。第1蒸発器21aの冷媒出口には、第10継手部12jの他方の流入口側が接続されている。第10継手部12jの流出口には、第8継手部12hの一方の流入口側が接続されている。第10継手部12jは、第2継手部12b等と同様の構成の三方継手である。
このため、本実施形態では、第1室を冷凍室として利用し、第2室を冷蔵室として利用する。蒸発圧力調整弁28を、第1蒸発器21aの冷媒出口から第10継手部12jへ至る冷媒流路に配置すれば、第1室を冷蔵室として利用し、第2室を冷凍室として利用することができる。
その他の冷凍サイクル装置10aの構成は第1実施形態で説明した冷凍サイクル装置10と同様である。次に、上記構成における本実施形態の冷凍サイクル装置10aの作動について説明する。
(a)冷凍冷凍モード
本実施形態の冷凍冷凍モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを閉じ、第2開閉弁13bを閉じ、第3開閉弁13cを開き、第1除霜用開閉弁13dを閉じ、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。
また、制御装置30は、室外熱交換器17から流出した冷媒をレシーバ19へ導く冷媒回路に切り替えるように、三方弁18の作動を制御する。
また、制御装置30は、加熱側膨張弁16を全開状態とし、第1冷却側膨張弁20aを絞り状態あるいは全閉状態とし、第2冷却側膨張弁20bを絞り状態とする。
これにより、冷凍冷凍モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が、冷凍用バイパス通路27aを介して、室外熱交換器17、レシーバ19の順に流れる。レシーバ19から流出した液相冷媒は、第5継手部12eにて分岐される。第5継手部12eにて分岐された一方の冷媒は、第1冷却側膨張弁20a、第1蒸発器21a、第10継手部12jの順に流れる。第5継手部12eにて分岐された他方の冷媒は、第2冷却側膨張弁20b、第2蒸発器21b、蒸発圧力調整弁28、第10継手部12jの順に流れる。第10継手部12jから流出した冷媒は、アキュムレータ26、圧縮機11の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、第1実施形態の第2冷凍冷凍モードと同様に、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷凍冷凍モードの冷凍サイクル装置10aでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、室外熱交換器17へ流入して、外気と熱交換して凝縮する。室外熱交換器17から流出した冷媒は、レシーバ19へ流入して、気液分離される。レシーバ19から流出した液相冷媒の流れは、第5継手部12eにて分岐される。
第5継手部12eにて分岐された一方の冷媒は、第1冷却側膨張弁20aにて減圧されて、第1蒸発器21aへ流入する。第1蒸発器21aでは、第1冷却側膨張弁20aにて減圧された冷媒が、第1冷却側送風機22aから循環送風された第1送風空気と熱交換して蒸発する。これにより、第1室内温度Tr1が目標冷凍温度TFOに近づくように、第1送風空気が冷却される。
また、第5継手部12eにて分岐された他方の冷媒は、第2冷却側膨張弁20bにて減圧されて、第2蒸発器21bへ流入する。第2蒸発器21bでは、第2冷却側膨張弁20bにて減圧された冷媒が、第2冷却側送風機22bから循環送風された第2送風空気と熱交換して蒸発する。これにより、第2室内温度Tr2が目標冷蔵温度TROに近づくように、第2送風空気が冷却される。
第1蒸発器21aから流出した冷媒は、第10継手部12jの一方の流入口へ流入する。第2蒸発器21bから流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁28にて減圧されて、第1蒸発器21aから流出した冷媒と同等の圧力となる。蒸発圧力調整弁28から流出した冷媒は、第10継手部12jの他方の流入口へ流入する。
第10継手部12jから流出した冷媒は、アキュムレータ26へ流入する。アキュムレータ26から流出した気相冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
従って、冷凍冷凍モードでは、第1蒸発器21aにて冷却された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。また、第2蒸発器21bにて冷却された第2送風空気を第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。
(b)冷凍加温モード
本実施形態の冷凍加温モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを閉じ、第2開閉弁13bを開き、第3開閉弁13cを閉じ、第1除霜用開閉弁13dを閉じ、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。
また、制御装置30は、室外熱交換器17から流出した冷媒をレシーバ19へ導く冷媒回路に切り替えるように、三方弁18の作動を制御する。
また、制御装置30は、加熱側膨張弁16を絞り状態とし、第1冷却側膨張弁20aを絞り状態とし、第2冷却側膨張弁20bを全閉状態とする。
これにより、冷凍加温モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が、第2放熱器14b、加熱側膨張弁16、室外熱交換器17、レシーバ19の順に流れる。レシーバ19から流出した液相冷媒は、第1冷却側膨張弁20a、第1蒸発器21a、アキュムレータ26、圧縮機11の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、第1実施形態の第2冷凍加温モードと同様に、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷凍加温モードでは、第1蒸発器21aにて冷却された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。また、第2放熱器14bにて加熱された第2送風空気を第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。
(c)加温加温モード
本実施形態の加温加温モードの作動は、第1実施形態で説明した(c-2)第2加温加温モードと同様である。
(d)除霜モード
本実施形態の除霜モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを閉じ、第2開閉弁13bを閉じ、第3開閉弁13cを閉じ、第1除霜用開閉弁13dを開き、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。また、制御装置30は、第1冷却側膨張弁20aおよび第2冷却側膨張弁20bを全閉状態とする。
これにより、第2除霜モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が、第1除霜用バイパス通路27cを介して、第1蒸発器21a、アキュムレータ26、圧縮機11の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、第1実施形態の第2除霜モードと同様に、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、除霜モードでは、いわゆるホットガスサイクルが形成されて、第1蒸発器21aの除霜がなされる。
以上の如く、冷凍サイクル装置10aが適用された車両用冷凍装置においても、運転モードを切り替えることによって、外気温Tamによらず、第1室内の温度および第2室内の温度を用途に応じた適切な温度に調整することができる。また、第1蒸発器21aに着霜が生じた際には、霜を取り除くことができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10aにおいても、第1実施形態で説明した冷凍サイクル装置10と同様の効果を得ることができる。すなわち、冷凍加温モード時に、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整することができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10aでは、蒸発温度調整部としての蒸発圧力調整弁28を備えている。これによれば、不必要な冷却能力が発揮されてしまうことを回避するための複雑な制御等を必要とすることなく、第1蒸発器21aにおける冷媒蒸発圧力と第2蒸発器21bにおける冷媒蒸発圧力とを異なる値にすることができる。従って、冷凍冷凍モード時にも、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整することができる。
(第4実施形態)
本実施形態の冷凍サイクル装置10は、図11の全体構成図に示すように、第1実施形態で説明した冷凍サイクル装置10から、第4継手部12d、第3開閉弁13c、および冷凍用バイパス通路27aを廃止して、第1継手部12aとして三方継手を採用している。その他の冷凍サイクル装置10の構成は第1実施形態と同様である。
本実施形態の冷凍サイクル装置10では、第1実施形態で説明した、第1冷凍加温モード、第2冷凍加温モード、第1加温加温モード、第2加温加温モード、第1除霜モード、および第2除霜モードの運転を実行することができる。
従って、本実施形態の冷凍サイクル装置10においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、冷凍加温モード時に、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整することができる。
(第5実施形態)
本実施形態の冷凍サイクル装置10は、図12の全体構成図に示すように、第1実施形態で説明した冷凍サイクル装置10から、四方弁23を廃止している。具体的には、第1蒸発器21aの冷媒出口が第1逆止弁25aを介して、エジェクタ24のノズル部24aの入口側に接続されている。また、第2蒸発器21bの冷媒出口が第2逆止弁25bを介して、エジェクタ24の冷媒吸引口24c側に接続されている。
このため、本実施形態では、第1室を冷蔵庫として利用し、第2室を冷凍庫として利用する。もちろん、第2蒸発器21bの冷媒出口をノズル部24aの入口側に接続し、第1蒸発器21aの冷媒出口を冷媒吸引口24c側に接続すれば、第1室を冷凍室として利用し、第2室を冷蔵室として利用することができる。その他の冷凍サイクル装置10の構成は第1実施形態と同様である。
本実施形態の冷凍サイクル装置10では、第1実施形態で説明した、第1冷凍冷凍モード、第1冷凍加温モード、第1加温加温モード、および第1除霜モードの運転を実行することができる。
従って、本実施形態の冷凍サイクル装置10においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、冷凍加温モード時に、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整することができる。また、冷凍冷凍モード時にも、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整することができる。
(第6実施形態)
本実施形態の冷凍サイクル装置10は、図13の全体構成図に示すように、第1実施形態で説明した冷凍サイクル装置10から、四方弁23、エジェクタ24、第1逆止弁25aおよび第2逆止弁25bが廃止されている。その他の冷凍サイクル装置10の構成は第1実施形態と同様である。
また、本実施形態では、第1実施形態に対して、冷凍冷凍モード時における冷凍サイクル装置10の制御態様を変更している。以下、本実施形態の冷凍冷凍モード時における冷凍サイクル装置10の作動について説明する。
(a-1)第1冷凍冷凍モード
本実施形態の第1冷凍冷凍モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを閉じ、第2開閉弁13bを閉じ、第3開閉弁13cを開き、第1除霜用開閉弁13dを閉じ、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。
また、制御装置30は、室外熱交換器17から流出した冷媒をレシーバ19へ導く冷媒回路に切り替えるように、三方弁18の作動を制御する。
また、制御装置30は、加熱側膨張弁16を全開状態とし、第1冷却側膨張弁20aを絞り状態あるいは全閉状態とし、第2冷却側膨張弁20bを絞り状態とする。
これにより、第1冷凍冷凍モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が、冷凍用バイパス通路27aを介して、室外熱交換器17、レシーバ19の順に流れる。レシーバ19から流出した液相冷媒は、第5継手部12eにて分岐される。第5継手部12eにて分岐された一方の冷媒は、第1冷却側膨張弁20aが絞り状態となっている際には、第1蒸発器21a、第10継手部12jの順に流れる。第5継手部12eにて分岐された他方の冷媒は、第2冷却側膨張弁20b、第2蒸発器21b、第10継手部12jの順に流れる。第10継手部12jから流出した冷媒は、アキュムレータ26、圧縮機11の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。
制御装置30は、第1室内温度Tr1が目標冷蔵温度TROを所定量上回った際には、第1室内温度Tr1および第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOに近づくように、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度および第2冷却側膨張弁20bの絞り開度を制御する。この際、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度および第2冷却側膨張弁20bの絞り開度は、同等の絞り開度に制御すればよい。
さらに、制御装置30は、第1室内温度Tr1が目標冷蔵温度TROを所定量下回った際には、第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOに近づくように、第2冷却側膨張弁20bの絞り開度を制御し、第1冷却側膨張弁20aを全閉状態とする。これにより、第1蒸発器21aへ冷媒が供給されなくなり、第1送風空気が不必要に冷却されてしまうことがなくなる。その他の制御対象機器の作動は、第1実施形態の第1冷凍冷凍モードと同様である。
従って、第1冷凍冷凍モードでは、第1蒸発器21aにて断続的に冷却された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。また、第2蒸発器21bにて冷却された第2送風空気を、第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。
(a-2)第2冷凍冷凍モード
本実施形態の第2冷凍冷凍モードでは、制御装置30が、第1開閉弁13aを閉じ、第2開閉弁13bを閉じ、第3開閉弁13cを開き、第1除霜用開閉弁13dを閉じ、第2除霜用開閉弁13eを閉じる。
また、制御装置30は、室外熱交換器17から流出した冷媒をレシーバ19へ導く冷媒回路に切り替えるように、三方弁18の作動を制御する。
また、制御装置30は、加熱側膨張弁16を全開状態とし、第1冷却側膨張弁20aを絞り状態とし、第2冷却側膨張弁20bを絞り状態あるいは全閉状態とする。
これにより、第2冷凍冷凍モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が、冷凍用バイパス通路27aを介して、室外熱交換器17、レシーバ19の順に流れる。レシーバ19から流出した液相冷媒は、第5継手部12eにて分岐される。第5継手部12eにて分岐された一方の冷媒は、第1冷却側膨張弁20a第1蒸発器21a、第10継手部12jの順に流れる。第5継手部12eにて分岐された他方の冷媒は、第2冷却側膨張弁20bが絞り状態となっている際には、第2蒸発器21b、第10継手部12jの順に流れる。第10継手部12jから流出した冷媒は、アキュムレータ26、圧縮機11の吸入口の順に流れる。
さらに、制御装置30は、上記の冷媒回路において、各種制御対象機器の作動を適宜制御する。
制御装置30は、第2室内温度Tr2が目標冷蔵温度TROを所定量上回った際には、第1室内温度Tr1および第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOに近づくように、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度および第2冷却側膨張弁20bの絞り開度を制御する。この際、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度および第2冷却側膨張弁20bの絞り開度は、同等の絞り開度に制御すればよい。
さらに、制御装置30は、第2室内温度Tr2が目標冷蔵温度TROを所定量下回った際には、第1室内温度Tr1が目標冷凍温度TFOに近づくように、第1冷却側膨張弁20aの絞り開度を制御し、第2冷却側膨張弁20bを全閉状態とする。これにより、第2蒸発器21bへ冷媒が供給されなくなり、第2送風空気が不必要に冷却されてしまうことがなくなる。その他の制御対象機器の作動は、第1実施形態の第2冷凍冷凍モードと同様である。
従って、第2冷凍冷凍モードでは、第1蒸発器21aにて冷却された第1送風空気を第1室へ循環送風することによって、第1室内温度Tr1を目標冷凍温度TFOに近づけることができる。また、第2蒸発器21bにて断続的に冷却された第2送風空気を、第2室へ循環送風することによって、第2室内温度Tr2を目標冷蔵温度TROに近づけることができる。
本実施形態の冷凍サイクル装置10は、上記の如く作動するので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、冷凍加温モード時に、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整することができる。また、冷凍冷凍モード時に、作動効率の悪化を招くことなく、複数の流体の温度を適切に調整することができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、本発明に係る冷凍サイクル装置10、10aを車両用冷凍装置に適用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、冷凍サイクル装置10、10aを、定置型の冷凍冷蔵装置、飲料用の自動販売機等に適用してもよい。さらに、給湯装置に適用してもよい。この場合は、飲料水や生活用水が冷凍サイクル装置10、10aの熱交換対象流体となる。
また、上述の実施形態では、第1室および第2室のうち、一方を室内温度が8℃程度となる冷蔵室として利用し、他方を室内温度が-15℃程度となる冷凍庫として利用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、一方を室内温度が55℃程度となる加温室として利用し、他方を室内温度が5℃程度となる冷却室として利用してもよい。
(2)冷凍サイクル装置10、10aの各構成機器は、上述の実施形態に開示された構成機器に限定されない。
上述の実施形態では、圧縮機11として、固定容量型の圧縮機構を電動モータで回転駆動する電動圧縮機を採用してもよい。電動圧縮機では、電動モータの回転数を制御することで、圧縮機11の冷媒吐出能力を調整することができる。また、上述の実施形態のように、圧縮機11として、エンジン駆動式の圧縮機を採用する場合は、圧縮機構とエンジンとを連結させる連結部をオンオフ作動させて、圧縮機構の稼働率を変化させることによって、冷媒吐出能力を調整してもよい。
上述の第1実施形態では、第1継手部12aとして四方継手を採用した例を説明したが、第1継手部12aを2つの三方継手を組み合わせることによって形成してもよい。さらに、第3実施形態で説明した第8継手部12hと第10継手部12jとを、四方継手によって一体化させてもよい。
上述の実施形態では、第1加熱側送風機15a、第2加熱側送風機15b、第1冷却側送風機22a、および第2冷却側送風機22bを採用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、第1加熱側送風機15aおよび第1冷却側送風機22aとして共通の送風機を採用してもよい。同様に、第2加熱側送風機15bおよび第2冷却側送風機22bとして共通の送風機を採用してもよい。
上述の実施形態では、レシーバ19およびアキュムレータ26の双方を採用した例を説明したが、レシーバ19を廃止してもよい。
上述の第1実施形態では、三方弁18および四方弁23を採用した例を説明したが、これに限定されない。複数の開閉弁を組み合わせることによって、三方弁18あるいは四方弁23に対応する冷媒回路切替部を形成してもよい。
上述の第1実施形態では、第1逆止弁25aおよび第2逆止弁25bを採用した例を説明したが、これに限定されない。冷媒回路を切り替えた際に、第1蒸発器21a内あるいは第2蒸発器21b内の冷凍機油の滞留が問題にならない場合は、第1逆止弁25aおよび第2逆止弁25bを廃止してもよい。
また、上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10の冷媒として、R1234yfを採用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、R134a、R600a、R410A、R404A、R32、R407C等を採用してもよい。または、これらのうち複数の冷媒を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。
(3)冷凍サイクル装置10、10aの回路構成は、上述の実施形態に開示された回路構成に限定されない。
上述の第1実施形態では、第1冷凍加温モード時に、第2蒸発器21bから流出した冷媒を、エジェクタ24の冷媒吸引口24c側へ導くように冷媒回路を切り替える例を説明したが、これに限定されない。
例えば、第2蒸発器21bの冷媒出口からエジェクタ24の冷媒吸引口24cへ至る冷媒配管の圧力損失が比較的大きい場合等は、第2蒸発器21bから流出した冷媒を、エジェクタ24のノズル部24a側へ導くように冷媒回路を切り替えても良い。同様に、第2冷凍加温モード時に、第1蒸発器21aから流出した冷媒を、エジェクタ24の冷媒吸引口24c側へ導くように冷媒回路を切り替えても良い。さらに、第1除霜モードおよび第2除霜モードにおいても同様である。
上述の第3実施形態の冷凍サイクル装置10aに四方弁23を追加してもよい。具体的には、四方弁23は、第1蒸発器21aから流出した冷媒を第10継手部12jの一方の流入口へ導くと同時に第2蒸発器21bから流出した冷媒を蒸発圧力調整弁28の入口へ導く冷媒回路と、第2蒸発器21bから流出した冷媒を第10継手部12jの一方の流入口へ導くと同時に第1蒸発器21aから流出した冷媒を蒸発圧力調整弁28の入口へ導く冷媒回路とを切り替えるように配置すればよい。
これによれば、冷凍サイクル装置10aにおいても、第1室を冷蔵室として利用し、第2室を冷凍室として利用することができる。
上述の実施形態では、第1放熱器14aおよび第2放熱器14bを備える冷凍サイクル装置10、10aについて説明したが、さらに別の放熱器(例えば、第3放熱器)を備えていてもよい。第3放熱器は、第1放熱器14aおよび第2放熱器14bと並列的に接続されていてもよいし、第1放熱器14aおよび第2放熱器14bの少なくとも一方と直列的に接続されていてもよい。
これによれば、第1室および第2室とは別の保温室(例えば、第3室)を有する冷凍装置に適用された際に、第3室へ送風される送風空気を加熱することができる。
同様に、上述の実施形態では、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bを備える冷凍サイクル装置10、10aについて説明したが、さらに別の蒸発器(例えば、第3蒸発器)を備えていてもよい。第3蒸発器は、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bと並列的に接続されていてもよいし、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bの少なくとも一方と直列的に接続されていてもよい。
これによれば、第1室および第2室とは別の保温室(例えば、第3室)を有する冷凍装置に適用された際に、第3室へ送風される送風空気を冷却することができる。
(4)冷凍サイクル装置10、10aの制御態様は、上述の実施形態に開示された制御態様に限定されない。
例えば、第1実施形態で説明した冷凍サイクル装置10からレシーバ19を廃止した場合は、第1冷凍加温モードの直列放熱制御において、第1室内温度Tr1が目標冷蔵温度TROに近づくように、加熱側膨張弁16の絞り開度を制御する。さらに、第2冷却側膨張弁20bへ流入する冷媒の過冷却度SCが目標過冷却度SCOに近づくように、第2冷却側膨張弁20bの絞り開度を制御してもよい。
一方、第1冷凍加温モードの直列吸熱制御においては、加熱側膨張弁16へ流入する冷媒の過冷却度SCが目標過冷却度SCOに近づくように、加熱側膨張弁16の絞り開度を制御する。さらに、第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOに近づくように、第2冷却側膨張弁20bの絞り開度を制御してもよい。もちろん、第2冷凍加温モードで同様の制御を行ってもよい。
例えば、第1実施形態で第1冷凍加温モードでは、第1放熱器14aにおける冷媒の目標凝縮温度および第2蒸発器21bにおける冷媒の目標蒸発温度を決定する。目標凝縮温度と目標蒸発温度との温度差を確保できるように、加熱側膨張弁16の減圧量と第2冷却側膨張弁20bの減圧量との合計減圧量を決定する。
そして、合計減圧量を維持しつつ、第1室内温度Tr1が目標冷蔵温度TROに近き、さらに、第2室内温度Tr2が目標冷凍温度TFOに近づくように、加熱側膨張弁16の絞り開度と第2冷却側膨張弁20bの絞り開度との開度比を調整してもよい。もちろん、第2冷凍加温モードで同様の制御を行ってもよい。
上述の実施形態では、第2蒸発器21bの除霜を行う第1除霜モード、および第1蒸発器21aの除霜を行う第2除霜モードについて例を説明したが、これに限定されない。例えば、除霜モードとして、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bの双方の除霜を行うようにしてもよい。
除霜モードでは、第1除霜用開閉弁13dおよび第2除霜用開閉弁13eの双方を開き、第1蒸発器21aおよび第2蒸発器21bの双方へ冷媒を流入させればよい。
11 圧縮機
14a、14b 第1放熱器、第2放熱器(加熱部)
16 加熱側膨張弁(上流側減圧部)
17 室外熱交換器(室外熱交換部)
20a、20b 第1冷却側膨張弁、第2冷却側膨張弁(下流側減圧部)
21a、21b 第1蒸発器、第2蒸発器(冷却部)

Claims (4)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機から吐出された前記冷媒を熱源として、第1流体を加熱する加熱部(14a、14b)と、
    前記加熱部から流出した前記冷媒を減圧させる上流側減圧部(16)と、
    前記上流側減圧部から流出した前記冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換部(17)と、
    前記室外熱交換部から流出した前記冷媒を減圧させる下流側減圧部(20a、20b)と、
    前記下流側減圧部から流出した前記冷媒を蒸発させて、第2流体を冷却する冷却部(21a、21b)と、を備える冷凍サイクル装置。
  2. 前記上流側減圧部および前記下流側減圧部の少なくとも一方の作動を制御する減圧量制御部(30b)を備え、
    前記減圧量制御部は、
    外気温(Tam)が予め定めた基準外気温(KTam)よりも高くなっている際には、前記室外熱交換部における前記冷媒の温度が前記外気温よりも高くなるように、前記上流側減圧部および前記下流側減圧部の少なくとも一方の作動を制御し、
    前記外気温が前記基準外気温以下となっている際には、前記室外熱交換部における前記冷媒の温度が前記外気温より低くなるように、前記上流側減圧部および前記下流側減圧部の少なくとも一方の作動を制御する請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記上流側減圧部および前記下流側減圧部の少なくとも一方の作動を制御する減圧量制御部(30b)と、
    前記加熱部における前記冷媒の放熱量(Qca)に対する前記冷却部における前記冷媒の吸熱量(Qea)の比を熱負荷比(Qea/Qca)と定義したときに、前記熱負荷比の目標値である目標熱負荷比(QRO)を決定する目標熱負荷比決定部(30c)と、を備え、
    前記減圧量制御部は、前記熱負荷比が前記目標熱負荷比に近づくように、前記上流側減圧部および前記下流側減圧部の少なくとも一方の作動を制御する請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記冷却部は、前記冷媒と前記第1流体とを熱交換させて前記第1流体を冷却する第1蒸発器(21a)、および前記冷媒と前記第2流体とを熱交換させて前記第2流体を冷却する第2蒸発器(21b)と有し、
    前記下流側減圧部は、前記第1蒸発器へ流入する前記冷媒を減圧させる第1減圧装置(20a)、および前記第2蒸発器へ流入する前記冷媒を減圧させる第2減圧装置(20b)を有し、
    さらに、前記第1蒸発器における第1冷媒蒸発温度と前記第2蒸発器における第2冷媒蒸発温度とを異なる値に調整する蒸発温度調整部(24、28)を備える請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
JP2020200831A 2020-12-03 2020-12-03 冷凍サイクル装置 Pending JP2022088798A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024070359A1 (ja) * 2022-09-28 2024-04-04 株式会社村田製作所 車両用空気調和装置

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