JP2022085966A - 圧延用ロール外層材及び圧延用複合ロール - Google Patents

圧延用ロール外層材及び圧延用複合ロール Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べ顕著に耐摩耗性が向上し、割れの発生を抑制した圧延用ロール外層材及びそれを用いた圧延用複合ロールを提供する。【解決手段】質量%で、W:25.0~65.0%、Si:0.05~3.00%、C:0.5~3.5%を含み、且つFe、Co、Mn、Ni、Cuのうちから選ばれた元素のうち3種以上の元素夫々の含有量が、原子%比で0.80~1.20の範囲である組成を有する圧延用ロール外層材。上記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.5~5.0%、Mo:0.5~5.0%、V:0.5~5.0%、Nb:0.5~5.0%のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有してもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、熱間圧延用あるいは冷間圧延用として好適な、圧延用ロール外層材及びそれを用いた圧延用複合ロールに係り、特に耐摩耗性の向上に関する。
近年、鋼板の圧延技術の進歩は著しく、それに伴い、圧延用ロールの使用環境は一段と苛酷化している。特に最近では、高強度鋼板や薄肉製品など、圧延負荷が大きく、且つ優れた表面品質が要求される鋼板の生産量が増大している。
そのため、冷間圧延用ワークロールにおいては、優れた耐摩耗性とそれを担う高い硬さが要求される。耐摩耗性の向上は、ロール材料の高合金化によって図られるのが一般的であるが、高合金化により研削性の悪化あるいは圧延事故時の被害の増大(耐事故性の低下)を招く場合があり、研削性と耐事故性を兼備する材料とする必要がある。さらに、優れた表面品質の鋼板を製造するためには、鋼板と直接接触するロールの表面性状を均質且つ微細にしておく必要があり、具体的には、ロール材質として、清浄度が高く微細なミクロ組織を有する鋳鉄、鋳鋼とすることが求められる。
また、熱間圧延用ワークロールにおいては、ロールの摩耗や肌荒れの発生が、製品の材質や寸法上の圧延スケジュール制約を余儀なくするとともに、ロール交換頻度の低減も困難となり、このことから、ロールの耐用度の低下が、生産性向上やコスト削減のネックのひとつになっている。このため、熱間圧延用ワークロールにおいては、摩耗や肌荒れの発生を抑制して、ロールの耐用度を向上させることが要求されている。
このようなことから、使用される圧延用ロールの特性向上、特に耐摩耗性の向上が強く要望されてきた。圧延用ロールにおける耐摩耗性の向上は、鋼板の製造において、鋼板品質の向上及び生産性向上に直結した重要な課題となっている。
また、近年自動車分野では、燃費向上の観点から高強度材の適用による車体の軽量化が進められており、今後もさらに高強度材の適用が進むと考えられている。高強度材を圧延すると、被圧延材と接触する圧延用ワークロールの表層部が弾性変形し、圧延用ワークロールの表層と被圧延材の接触面積(または接触弧長)が大きくなり、圧延荷重(圧延用ワークロールに被圧延材から作用する圧延圧力)が増大する。圧延荷重が過大になると、被圧延材の寸法精度が低下するといった問題や、圧延可能な最小板厚が制限されるといった問題が生じるため、弾性変形が発生し難い、高ヤング率を有した圧延用ロール外層材が要求されている。
圧延用ロールの耐摩耗性向上の要求に対しては、例えば、非特許文献1、非特許文献2に記載されるように、外層組成を高速度工具鋼組成に類似した組成とし、硬質炭化物を多量に分散させて耐摩耗性を格段に向上させたハイス系ロールが開発されている。また、例えば、特許文献1には、鋼製の芯材の周りに、連続肉盛法で外層を形成してなる熱間圧延用複合ロールが記載されている。特許文献1に記載された熱間圧延用複合ロールでは、外層材は、重量%で、C:1.0~4.0%、Si:3.0%以下、Mn:1.5%以下、Cr:2~10%、Mo:9%以下、W:20%以下、V:2~15%を含み、P:0.08%以下、S:0.06%以下、B:0.0500%以下とし、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有し、面積比で粒状炭化物5~30%、非粒状炭化物6%以上を含有する組織からなり、基地の硬さがビッカース硬さ(HV)550以上を有するとしている。なお、外層材には、さらに、Ni:5.0%以下、Co:5.0%以下、Nb:5.0%以下を含有してもよいとしている。これにより、所定量以上の非粒状炭化物の存在によりクラックが発生してもロール深部にまで進展することが抑制され、耐ヒートクラック性が向上し、VC系の硬質炭化物が含まれていることから耐摩耗性も良好であるとしている。
このようなハイス系ロール外層材は、耐摩耗性を向上させるため多量の硬質炭化物を基地中に分散させることが必要になる。しかし、ハイス系組成で生成する硬質炭化物は、一般に基地より比重が小さく、鋳造中に偏析を生じやすい。特に、生産性、経済性に優れるために代表的なロール外層材の鋳造方法となっている遠心鋳造法では、比重の小さな相は遠心力で内側に集積し、偏析しやすいため、ハイス系ロール外層材を遠心鋳造法で製造することは困難とされてきた。
しかしながら、遠心鋳造法を適用しても偏析等が生じない、耐摩耗性と耐クラック性に優れた圧延用ロール外層材を提供する技術として、特許文献2に、質量%で、C:1.5~3.5%、Si:1.5%以下、Mn:1.2%以下、Ni:5.5%以下、Cr:5.5~12.0%、Mo:2.0~8.0%、V:3.0~10.0%、Nb:0.6~7.0%を含み、且つ、Nb及びVを、Nb、V及びCの含有量が特定の関係を満足し、さらにNbとVの比が特定の範囲内となるように含有するロール外層材が記載されている。
また、特許文献3には、質量%で、C:1.5~3.5%、Si:1.5%以下、Mn:1.2%以下、Cr:5.5~12.0%、Mo:2.0~8.0%、V:3.0~10.0%、Nb:0.6~7.0%を含み、且つ、Nb、V及びCの含有量が特定の関係を満足し、さらにNbとVの比が特定の範囲内となるロール外層材が記載されている。このような組成とすることにより、遠心鋳造法を適用してもロール外層材における偏析が抑制され、耐摩耗性と耐クラック性が向上し、熱間圧延の生産性向上に大きく貢献するとしている。
また、特許文献4には、遠心鋳造複合ロールが記載されている。特許文献4に記載された遠心鋳造複合ロールは、外層と鋳鉄または鋳鋼の内層からなり、外層が、重量%で、C:1.0~3.0%、Si:0.1~3.0%、Mn:0.1~2.0%、Cr:2.0~10.0%、Mo:0.1~10.0%、V:1.0~10.0%、W:0.1~10.0%を含み、かつMo+W:10.0%以下を満たす合金成分及び残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有するとしている。特許文献4に記載された技術では、凝集や偏析を起こしやすいMC型炭化物の晶出が抑制され、MC型+MC型炭化物のみが析出する外層とすることができ、遠心鋳造法で製造できるとしている。
また、例えば、特許文献5には、圧延ロール用遠心鋳造外層材が記載されている。特許文献5に記載された圧延ロール用遠心鋳造外層材は、質量%で、C:4.5~9%、Si:0.1~3.5%、Mn:0.1~3.5%、V:18~40%を含有する組成を有し、好ましくはビッカース硬さがHV550~900の基地に、MC炭化物が面積率で20~60%分散した組織を有するとしている。特許文献5に記載された技術では、比重の小さいMC炭化物が内面側に濃化する、遠心鋳造偏析を積極的に利用し、遠心鋳造後、MC炭化物が濃化した層だけ残すように切削すれば、MC炭化物が多いロール外層を低コストで確実に形成できるとしている。
極めて優れた耐摩耗性及び高ヤング率を有する材料としては、古くから超硬合金が知られている。超硬合金としては、例えば、非特許文献3に記載されているように、タングステンカーバイド(WC)を、バインダーとしてのCoとともに、成形、焼結したものが一般的である。
このような超硬合金を、圧延用ロールに適用した技術としては、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10などに記載がある。
特許文献6には、熱間圧延ロール及び熱間圧延ガイドロール用タングステン炭化物基超硬合金が記載されている。特許文献6に記載された技術は、クロムのコバルトとニッケルとの和に対する重量比が1/1~1/99、コバルトのニッケルに対する重量比が9/1~1/9、かつタングステン炭化物88重量%以下、コバルトとニッケルとクロムとの総和が12~65重量%であるタングステン炭化物基合金に関する。特許文献6には、このような超硬合金を、普通鋼材(線材)の熱間圧延用ロールに適用した例が記載されている。
また、特許文献7には、超硬合金からなる熱間線材圧延用ロールが記載されている。特許文献7に記載された技術では、使用する超硬合金を、1μmから5μmの平均粒径を持つWCまたは、WCの一部をTiC、TaC、NbCの1種以上で10重量%以下置換した硬質炭化物相と、三元合金結合相とからなり、該結合相中のCrがNi及びCoの和に対して0.30以下であり、且つ、全結合相に対して0.05以上であり、さらにNiが、NiとCoとの和に対して0.33から0.90であり、分極電位が冷却一般工業用水に対して0.3V以上である超硬合金が得られる。このような超硬合金とすることにより、耐肌荒れ性に優れた熱間線材用ロールが得られる。
また、特許文献8には、鋼系又は鉄系材料からなる内層の外周に、超硬合金からなる外層が中間層を介して接合してなり、該中間層が平均粒径3μm以下のWC原料粉末を用いて形成した超硬合金からなる圧延用複合ロールが記載されている。そして、中間層のWC粒子の含有量を重量比率で70%以下とすることが好ましいとしている。これにより、耐摩耗性に優れ、且つ強度的に信頼性の高い超硬合金製圧延用ロールを得ることができるとしている。
また、特許文献9には、外層を耐摩耗性に優れた超硬合金で形成するとともに、WCとNiを含有する超硬合金からなる中間層を具備させ、強度的に信頼性の高い超硬合金製圧延用ロールが開示されている。
さらに、特許文献10には、鋼系材料または鉄系材料からなる内層の外周に、R=σc(1-ν)/Eα(但し、σc:抗折強度、ν:ポアソン比、E:ヤング率、α:熱膨張係数)で表される熱衝撃係数Rが400以上を満足する超硬合金からなる外層が接合してなる板圧延用超硬合金製複合ロールが記載されている。これにより、ロールの耐摩耗性、耐肌荒れ性が改善され、圧延事故時の熱亀裂の発生、進展が抑制されるとしている。
特開平04-141553号公報 特開平04-365836号公報 特開平05-1350号公報 特開平08-60289号公報 国際出願WO2006/030795号 特公昭57-6502号公報 特公昭58-39906号公報 特開2004-243341号公報 特開2006-175456号公報 特開2004-268140号公報
鎌田ら:日立評論 Vol. 72, No. 5(1990),p69 橋本ら:製鉄研究 第338号(1990),p62 門間改三著:「鉄鋼材料学改訂版」実教出版(1981),p368
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、鋼製の芯材の周りに、連続肉盛法で外層を形成するため、生産性が低く、コストも高いという問題があった。また、特許文献2、3に記載された技術では、主として、Nb、V及びCの含有量を特定範囲に限定し、MC型炭化物を均一分散させて、耐摩耗性と耐クラック性を向上させるとしている。しかし、実際には、CrやMoを多く含むMC型炭化物やMC型炭化物も相当量存在するため、さらなる特性の向上は、MC型炭化物を均一分散させるという観点のみからでは十分であるとはいえない。また、特許文献4に記載された技術では、凝集や偏析を起こしやすいMC型炭化物の晶出を抑制するため、Mo+W:10.0%以下に限定し、これにより、遠心鋳造法によるロール外層材の製造を可能にしている。しかし、Mo、W含有量を制限することは、最近のさらなる耐摩耗性の向上という要望に対しては、問題を残していた。
なお、遠心鋳造法を用いた圧延用ロールの製造にあたっては、Mo、V、W等の炭化物形成元素の増量は、生成されるVC系の硬質炭化物の比重が基地を形成する溶湯より軽いため、生成されたVC系の硬質炭化物は内面側に集積、内層との境界に凝集して、境界の接合強度の低下を招くという懸念があった。
また、特許文献5に記載された技術では、ロールの耐摩耗性は向上するが、MC型炭化物が少なくなった外面側領域を除去する作業を必要とするうえ、歩留が非常に低く、高生産性と低コストという遠心鋳造法の優位性が失われるという問題があった。
また、超硬合金を使用する特許文献6や特許文献7に記載された技術は、線材圧延用の小型ロールを対象としており、この技術を、冷間圧延用ロールや熱間圧延用ロールのような大型ロールの製造にそのまま適用することは困難である。しかも、遠心鋳造製品に比べ高価なプロセスであるHIP処理を必要とするため、小型製品といえども製造コストが高いという問題があった。
超硬合金を板圧延用ロールの外層材として使用する、特許文献8、特許文献9及び特許文献10に記載された技術は、いずれも外層材の成形は焼結-HIP法を想定しており、製造コストが極めて高いという問題が残されている。また、これらの技術は、結合剤として軟質なCoやNiを使用しており、圧延時にへこみ疵(凹部)が生成しやすいという問題もあり、実用化が進んでいない。また、超硬合金でロールを製造する場合、製造過程で割れが発生しやすく、製造が困難であるという課題も残されている。
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、従来に比べ顕著に耐摩耗性が向上し、割れの発生を抑制した、圧延用ロール外層材及びそれを用いた圧延用複合ロールを提供することを目的とする。
なお、ここで、耐摩耗性が向上したとは、試験片(摩耗試験片(外径60mmφ×幅10mm))と相手片(材質:S45C、外径190mmφ×幅15mm)との2円盤すべり転動方式による摩耗試験において、試験片を水冷しながら、回転数:700rpm(周速:2.2m/s)で回転する試験片に、850℃に加熱した相手片を回転数:250rpm(周速:2.5m/s)で回転させ、荷重980Nで押し当てながら、すべり率:13.1%で転動させ、試験片の転動回数が21000回になるごとに相手材を更新し、累積回転数が168000回になるまで転動させた後、摩耗試験後の試験片の摩耗減量(試験開始前の摩耗試験片重量-試験終了後の摩耗試験片重量)を測定し、摩耗減量が560mg以下であることを指す。
また、割れの発生を抑制したとは、得られたロール外層材に目視で割れが発生していないこと、且つ試験片(摩耗試験片(外径60mmφ×幅10mm))と相手片(材質:S45C、外径190mmφ×幅15mm)との2円盤すべり転動方式による摩耗試験において、試験片を水冷しながら、回転数:700rpm(周速:2.2m/s)で回転する試験片に、850℃に加熱した相手片を回転数:250rpm(周速:2.5m/s)で回転させ、荷重980Nで押し当てながら、すべり率:13.1%で転動させ、試験片の転動回数が21000回になるごとに相手材を更新し、累積回転数が168000回になるまで転動させることで、摩耗試験後に目視で割れが発生していないことを指す。
本発明者らは、上記した課題を達成するため、超硬合金並みの極めて高い耐摩耗性を有する圧延用ロールを、製造工程において割れを発生させずに、生産性及び経済性に優れた遠心鋳造法によって製造可能にする条件について、鋭意検討した。その結果、Fe、Co、Mn、Ni、Cuの含有量を適切な範囲に制御すること、及び遠心鋳造時に遠心力を利用して、硬質な炭化物をロールの外表面側に密集、濃化させることができれば、遠心鋳造製圧延用ロールの耐摩耗性を顕著に向上させることができることに思い至った。そして更なる検討により、遠心鋳造時に、硬質な炭化物をロールの外表面側に密集、濃化させるためには、遠心力が作用している液相中から、液相よりも比重の大きな炭化物が初晶として晶出し得る条件を見出せば良いことに思い至った。
すなわち、遠心力が作用している液相中に、液相よりも比重の大きな炭化物が晶出すると、炭化物には外周方向への遠心力が作用する。その際、炭化物とその周囲のγ相とが共晶凝固せず、炭化物が初晶として液相から直接晶出できれば、炭化物の周囲はまだ液相であるため、炭化物は容易に外周側に移動、集積することができることになる。
このような条件を満たす炭化物形成元素として、比重が大きなWに着目し、しかもそれを多量に含有させることに思い至り、各種鋳込み実験を繰り返すとともに、状態図計算等を活用して、
(1)比重が大きなWを多量に含有する合金に、0.5質量%以上のCを含有させた溶湯とすると、Wが濃化したMC型炭化物が初晶として出現すること、
(2)さらに、Fe、Co、Mn、Ni、Cuのうちから選ばれた3種以上を、原子%比で0.80~1.20の範囲で含有することで、基地組織の靱性が向上すること、
(3)このような合金溶湯を遠心鋳造すると、初晶として晶出するMC型炭化物が外層材の外表面側に高濃度に偏析する組織形態が得られること、
を見出した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
(1)質量%で、W:25.0~65.0%、Si:0.05~3.00%、C:0.5~3.5%を含み、且つFe、Co、Mn、Ni、Cuのうちから選ばれた3種以上を含有し、
選ばれた元素のうち3種以上の元素夫々の含有量が、原子%比で0.80~1.20の範囲である組成を有することを特徴とする圧延用ロール外層材。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、
質量%で、Cr:0.5~5.0%、Mo:0.5~5.0%、V:0.5~5.0%、Nb:0.5~5.0%のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有することを特徴とする圧延用ロール外層材。
(3)外層と内層とを有する圧延用複合ロールであって、
前記外層が、質量%で、W:25.0~65.0%、Si:0.05~3.00%、C:0.5~3.5%を含み、且つFe、Co、Mn、Ni、Cuのうちから選ばれた3種以上を含有し、
選ばれた元素のうち3種以上の元素夫々の含有量が、原子%比で0.80~1.20の範囲である組成を有することを特徴とする圧延用複合ロール。
(4)(3)において、前記外層が、前記組成に加えてさらに、
質量%で、Cr:0.5~5.0%、Mo:0.5~5.0%、V:0.5~5.0%、Nb:0.5~5.0%のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有することを特徴とする圧延用複合ロール。
本発明によれば、熱間圧延用あるいは冷間圧延用ロールとして好適な、耐摩耗性が向上し、割れの発生を抑制した圧延用ロール外層材及びそれを用いた圧延用複合ロール、特に遠心鋳造製圧延用ロールを製造でき、産業上格段の効果を奏する。
実施例におけるロール外層材から摩耗試験片を採取する位置を模式的に示す説明図である。 実施例における摩耗試験の概要を模式的に示す説明図である。
本発明の圧延用ロール外層材は、質量%で、W:25.0~65.0%、Si:0.05~3.00%、C:0.5~3.5%を含み、且つFe、Co、Mn、Ni、Cuのうちから選ばれた3種以上を含有し、選ばれた元素のうち3種以上の元素夫々の含有量が、原子%比で0.80~1.20の範囲である組成を有する。
まず、本発明の圧延用ロール外層材の組成限定理由について説明する。以下、組成に関する質量%は、単に%で記す。
W:25.0~65.0%
本発明では、Wを25.0%以上と多量に含有させた合金組成とする。これにより、Wが濃化した硬質なMC型炭化物を初晶として多量に出現させることができ、耐摩耗性が著しく向上した圧延用ロール外層材とすることができる。また、比重が大きいW系炭化物が生成することから、MC型炭化物がロール外面側領域に少なくなることを抑制できるため、外面側領域の除去作業は不要となる。
一方、65.0%を超えるWの含有は、MC型炭化物が粗大化して脆くなり、圧延時にロールに割れが発生し易くなる。また、溶湯の融点が上昇して、溶解、鋳造等が困難となる。このため、Wは25.0~65.0%とする。なお、好ましくは、Wは26.0%以上であり、より好ましくは28.0%以上である。また、好ましくは、Wは64.0%以下であり、より好ましくは63.0%以下である。
Si:0.05~3.00%
Siは、脱酸剤として作用するとともに、基地の強化作用も有する元素である。そのような効果を得るためには、0.05%以上のSiの含有を必要とする。一方、3.00%を超えてSiを含有しても、効果が飽和するうえ、片状黒鉛が出現して靭性が低下する。このため、Siは0.05~3.00%とする。なお、好ましくは、Siは0.10%以上である。また、好ましくは、Siは2.50%以下である。
C:0.5~3.5%
Cは、Wと結合し、硬質炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる作用を有する元素である。C量に応じて、炭化物の形態や晶出量および晶出温度が変化する。Cが0.5%以上では、MC型炭化物が初晶として晶出し、遠心鋳造時に外表面側に偏析する組織形態が得られ、耐摩耗性が向上する。Cが0.5%未満では、初晶として晶出するMC型炭化物量が不足し耐摩耗性が低下する。一方、3.5%を超えて多量に含有すると、外層材として製造が困難になるうえ、非常に割れ易いMC炭化物やMC炭化物が多量に生成し、且つ、粗大化するため、圧延時にロールが割れ、破壊を生じやすくなる。このようなことから、Cは0.5~3.5%とする。なお、好ましくは、Cは0.6%以上である。また、好ましくは、Cは3.2%以下である。
本発明では、上記した成分に加えて、Fe、Co、Mn、Ni、Cuの5つの元素のうちから選ばれた3種以上の元素(以下、選択元素とも記す)を含有し、選択元素のうち3種以上の元素夫々の含有量が、原子%比で0.80~1.20の範囲である。Fe、Mn、Co、Ni、Cuは基地を構成する主な元素であり、これらの元素を3種以上含有し、3種以上の元素夫々の含有量を原子%比で0.80~1.20にすることで基地の靱性が著しく向上する。
本発明では、3種以上の選択元素が原子%比で0.80~1.20の範囲内にあれば、上記5つの元素のうち、0.80~1.20の範囲内にある選択元素以外の1種又は2種の元素は、0.80~1.20の範囲外であってもよい。
原子%比で0.80~1.20の範囲にある選択元素が1種又は2種であると、基地の靱性が低下して、鋳造時や圧延時にロールに割れが発生し易くなる。
また、原子%比で、選択元素の含有量が0.80未満、又は選択元素の含有量が1.20超えであると、基地中に靱性の低い相が生成することで、鋳造時や圧延時にロールに割れが発生し易くなる。よって、本発明では、Fe、Co、Mn、Ni、Cuのうちから選ばれた3種以上を含有し、選ばれた元素のうち3種以上の元素夫々の含有量を、原子%比で0.80~1.20の範囲とする。
好ましくは、この含有量は、原子%比で0.82以上であり、より好ましくは0.85以上である。また、好ましくは、この含有量は原子%比で1.18以下であり、より好ましくは1.16以下である。
なお、Xi:各元素の含有量(質量%)、Mi:各元素の原子量とするとき、原子%比は、Xi/Miの比として表すことができる。
ここで、参考として成分の一例を記載する。質量%で、W:50.0%、Si:1.00%、C:3.0%、選択元素としてFe、Mn、Niを含有し、選択元素の含有量が原子%比でFe:1.0、Mn:1.1、Ni:0.9であり、このような外層材溶湯を1000kg溶製し、圧延用ロール外層材を製造する場合を考える。ここで、各元素の原子量はFe:55.85、Mn:54.94、Ni:58.69である。選択元素の重量の合計は1000×(1-(50.0+3.0+1.00)/100)=460kgとなる。選択元素Fe、Mn、Niの重量をそれぞれMFe、MMn、MNiとすると、以下の関係式(1)~(3)が成立する。
MFe+MMn+MNi=460 (1)
MFe/55.85×100×1.1=MMn/54.94×100 ⇒ MMn=54.94/55.85×1.1×MFe (2)
MFe/55.85×100×0.9=MNi/58.69×100 ⇒ MNi=58.69/55.85×0.9×MFe (3)
(1)~(3)の連立方程式を解くことにより、MFe=152kg、MMn=164kg、MNi=144kgと計算することができる(質量%で、Fe:15.2%、Mn:16.4%、Ni:14.4%)。
選択元素の種類や数量に応じて同様の計算を行うことにより、本発明に係る圧延用ロール外層材の組成を計算することができる。上記の計算は溶解する原料の含有量を計算しているが、最終製品である圧延用ロール外層材も同じ成分組成になる。
上記した成分が基本の成分であるが、基本組成に加えて、Cr:0.5~5.0%、Mo:0.5~5.0%、V:0.5~5.0%、Nb:0.5~5.0%のうちから選ばれた1種又は2種以上を必要に応じ選択して含有してもよい。
Cr、Mo、V、Nbはいずれも、炭化物形成元素であり、Wが濃化したM6C型炭化物に固溶して炭化物を強化する作用を有する元素である。また、Wが濃化したM6C型炭化物とは別に、Cr、Mo、V、Nbが濃化した炭化物(MC型、M7C3型)を形成し、耐摩耗性を向上させる作用を有する。このような効果を得るためには、0.5%以上含有することが必要であり、5.0%を超える含有は靱性を劣化させる。そのため、これらの元素を含有する場合には、夫々の含有量を0.5~5.0%とする。なお、好ましくは、夫々の含有量は1.0%以上である。また、好ましくは、これらの元素夫々の含有量は4.5%以下である。また、これらの任意の炭化物形成元素(Cr、Mo、V、Nb)の含有量の合計は15%以下とすることが好ましく、より好ましくは12%以下である。
本発明の圧延用ロール外層材の組成は、上記した成分からなる組成としてもよいが、上記した成分以外の残部として、不可避的不純物からなる組成としてもよい。
不可避的不純物としては、P、S、N、O、Bが例示できる。なお、Pは、粒界に偏析し、材料を脆化させる等の悪影響を及ぼすため、不純物としてできるだけ低減することが望ましいが、0.05%以下であれば許容できる。また、Sも、Pと同様に、粒界に偏析し、材料を脆化させる等の影響を及ぼすため、不純物としてできるだけ低減することが望ましいが、0.05%以下であれば、一部はMnと化合して硫化物系介在物として存在し無害化されるため、許容できる。また、Nは、通常の溶解であれば、不純物として0.01~0.1%程度混入する。しかし、この程度の含有であれば本発明の効果に影響することはない。但し、Nは、複合ロールの外層と中間層あるいは内層との境界にガス欠陥を生成することがあるので0.07%未満に限定することが好ましい。Oは溶解原料から酸化物として混入するだけでなく、溶解中に溶湯が空気と触れることで混入する。Nと同様に、Oもガス欠陥を生成することがあるため、0.07%未満とすることが好ましい。なお、Bは、溶解原料のスクラップや鋳造用フラックスから混入して不可避的不純物元素として含有される場合がある。Bは、炭化物や基地に固溶して炭化物の性質を変化させるか、あるいは、基地に固溶して基地の焼入れ性に影響を及ぼし、品質バラツキを醸成することがある。このため、Bは極力低減した方が好ましいが、0.1%以下であれば、本発明の効果に悪影響を及ぼすことはない。ここで、上記した不可避的不純物である元素は、合計で1%未満に調整することが好ましい。
本発明の圧延用ロール外層材は、特に限定されないが、割れの発生を抑制でき、大型のロールを製造することが可能であることから、径方向肉厚:10~120mm、ロールの直径:200~1200mm、ロール軸方向長さ:50~3000mmとすることが好ましい。
次に、本発明の圧延用ロール外層材の好ましい製造方法について説明する。
本発明では、生産性、ならびに製造コストの観点から、圧延用ロール外層材は、鋳造鋳型を回転させる形式の遠心鋳造法を用いて製造する。これにより、安価に、耐摩耗性に優れた圧延用ロール外層材を製造することができる。
まず、回転する鋳型に、上記したロール外層材組成の溶湯を、所定の肉厚となるように注湯し、遠心鋳造して、圧延用ロール外層材とする。なお、通常は、鋳型の保護のため、その内面には、ジルコン等を主材とした耐火物が被覆されることが一般的である。なお、本発明では、ロール表面における遠心力が100~200Gとなるように回転数を調整して遠心鋳造することが好ましい。高い遠心力を付与することにより、表面側に比重の大きな硬質炭化物を集積させることができる。
本発明の圧延用ロール外層材は、外層材全体で上記成分範囲を満足していれば、W含有量がロール外周側から内周側に向けて径方向に低下する傾斜組成を有してもよい。
本発明では、得られた圧延用ロール外層材は、単体のスリーブとして、そこに軸材を嵌合させて、圧延用ロールとしてもよい。また、得られた圧延用ロール外層材は、その内側に溶着等により一体化した中間層を設け、中間層を有するスリーブとして、そこに軸材を嵌合させて、圧延用ロールとしてもよい。なお、中間層は、ロール外層材の凝固途中あるいは完全に凝固したのち、鋳型を回転させながら、中間層組成の溶湯を注湯し、遠心鋳造することにより形成することが好ましい。中間層材として、黒鉛鋼、1~2質量%Cの高炭素鋼、亜共晶鋳鉄等が例示できる。なお、これら圧延用ロールの軸材はとくに限定されないが、鍛鋼、鋳鋼、鋳鉄で製造することが好ましい。
さらに本発明では、上記した圧延用ロール外層材を外層とし、該外層と溶着等により一体化した内層とからなる圧延用複合ロールとするか、あるいは上記した圧延用ロール外層材を外層とし、該外層と溶着等により一体化した中間層、該中間層と溶着一体化した内層とからなる圧延用複合ロールとしてもよい。
中間層を形成する場合には、ロール外層材の凝固途中あるいは完全に凝固したのち、鋳型を回転させながら、中間層組成の溶湯を注湯し、遠心鋳造することが好ましい。なお、中間層材としては、黒鉛鋼、1~2質量%Cの高炭素鋼、亜共晶鋳鉄等を用いることが好ましい。中間層と外層とは一体溶着されており、外層成分が中間層へ10~90質量%程度の範囲で混入する。内層への外層成分の混入量を抑える観点から、外層成分の中間層への混入量はできるだけ低減しておくことが望ましい。
また、内層は、外層あるいは中間層が完全に凝固したのち、鋳型の回転を停止し鋳型を立ててから、内層材を静置鋳造して形成される。ここで、静置鋳造される内層材としては、鋳造性と機械的性質に優れた球状黒鉛鋳鉄、いも虫状黒鉛鋳鉄(CV鋳鉄)などを用いることが好ましい。なお、中間層がなく、外層と内層が一体溶着されている複合ロールでは、外層材の成分が1~10質量%程度、内層に混入することが多い。外層材に含まれるW、Cr、V等は強力な炭化物形成元素であり、これら元素が内層へ混入すると、内層を脆弱化する。このため、本発明では、外層成分の内層への混入率は5質量%未満に抑えることが好ましい。
上記した圧延用ロール外層材、圧延用複合ロールは、鋳造後、熱処理を施されることが好ましい。熱処理は、950~1150℃に加熱し5~40h保持したのち、炉内で冷却するか、又は、炉外に出して空冷あるいは衝風空冷する工程と、さらに400~600℃に加熱保持したのち冷却する工程を1回以上施す処理とすることが好ましい。なお、本発明圧延用ロール外層材、圧延用複合ロールの硬さは、用途に応じて、79~100HSの範囲内で調整することが好ましい。このような硬さを安定して確保できるように、鋳造後の熱処理を調整することが推奨される。
[実施例1]
以下、実施例に基づいてさらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
選択元素の含有量を表1とし、表2に示す組成の溶湯を、高周波誘導炉で溶解し、遠心鋳造法により、試験材としてスリーブ状のロール外層材(外径:250mmφ、径方向肉厚:50mm、厚み70mm)を鋳造した。なお、鋳込み温度は1550℃、ロール外層材の外表面における遠心力が重力倍数で150Gとなるようにした。鋳造後、1000℃に再加熱し10h保持した後、100℃以下まで冷却する焼入れ処理、及び550℃に加熱・保持し冷却する焼戻処理を施した。鋳造後のロール外層材に目視で割れが認められた場合を「×」、割れが認められなかった場合を「○」とした。
なお、鉄鋼の熱間仕上げ圧延用ロールとして使用されている市販の遠心鋳造製外層材組成(ハイスロール系組成:2.0%C-1.0%Si-0.5%Mn-5.0%Cr-5.0%Mo-5.0%V-1.0%Nb-1.5%W(%は質量%である)、No.37)でも、同様にスリーブ状のロール外層材を鋳造し、鋳造後熱処理を施して試験材とし、従来例とした。
摩耗試験片(外径60mmφ×幅10mm)は、上記した熱処理後の試験片から図1に示すように採取した。鋳造後に割れが確認されたサンプルに関しては、熱処理前にグラインダーで割れを研削除去した後、上記した熱処理を行い、摩耗試験片を採取した。本実施例で用いた試験材で鋳造後に割れが確認されたものについて、割れの深さは最大で3mmであり、摩耗試験片を採取するのに問題がない大きさであった。摩耗試験は、図2に示すように、試験片(摩耗試験片)と相手片(材質:S45C、外径190mmφ×幅15mm)との2円盤すべり転動方式で行った。
摩耗試験は、試験片を冷却水で水冷しながら、回転数V2:700rpm(周速:2.2m/s)で回転する試験片に、高周波コイルで850℃に加熱した相手片を回転数V1:250rpm(周速:2.5m/s)で回転させ、荷重980Nで押し当てながら、すべり率:13.1%で転動させた。この時、相手片の温度は温度計で測定した。試験片の転動回数が21000回になるごとに相手材を更新し、累積回転数が168000回になるまで転動させた。
試験終了後に、摩耗試験片の摩耗減量(=試験開始前の摩耗試験片質量-試験終了後の摩耗試験片質量)を調査した。得られた摩耗減量について、370mg以下である場合を「◎」、370mgを超え560mg以下である場合を「○」、560mgを超える場合を「×」と評価した。また、試験終了後の摩耗試験片の目視による外観観察によって、割れが確認された場合を「×」、割れが確認されなかった場合を「○」とした。
以上の結果より、鋳造後の割れ、耐摩耗性、摩耗試験後の割れのいずれかの評価が「×」であった場合を不合格、それ以外を合格とした。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2022085966000001
Figure 2022085966000002
Figure 2022085966000003
本発明例はいずれも、摩耗減量が560mg以下であり、従来例(ハイスロール)に比べ格段に耐摩耗性が向上しており、優れた耐摩耗性を示した。また、本発明例ではいずれも、ロール外層材製造時(鋳造後)に割れは発生せず、摩耗試験後においても割れは発生しなかった。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、ロール外層材製造時(鋳造後)、摩耗試験後の少なくともいずれかによって割れが発生するか、摩耗減量が560mg超となり、従来例に比べて耐摩耗性の改善が少なかった。
[実施例2]
表2の試験材No.1~21の成分組成を有する外層を遠心鋳造してスリーブ状のロール外層材を作製した後、外層材内面側に中間層組成の溶湯を遠心鋳造して溶着一体化させ、中間層が完全に凝固した後、内層組成の溶湯を静置鋳造して圧延用複合ロール(外径820mm、胴部の長さ(ロール軸方向長さ)2100mm、ロール軸を含めた全長5900mm)を製造した。鋳込み後に外観観察を行ったところ、割れは確認されなかった。

Claims (4)

  1. 質量%で、W:25.0~65.0%、Si:0.05~3.00%、C:0.5~3.5%を含み、且つFe、Co、Mn、Ni、Cuのうちから選ばれた3種以上を含有し、
    選ばれた元素のうち3種以上の元素夫々の含有量が、原子%比で0.80~1.20の範囲である組成を有することを特徴とする圧延用ロール外層材。
  2. 前記組成に加えてさらに、
    質量%で、Cr:0.5~5.0%、Mo:0.5~5.0%、V:0.5~5.0%、Nb:0.5~5.0%のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の圧延用ロール外層材。
  3. 外層と内層とを有する圧延用複合ロールであって、
    前記外層が、質量%で、W:25.0~65.0%、Si:0.05~3.00%、C:0.5~3.5%を含み、且つFe、Co、Mn、Ni、Cuのうちから選ばれた3種以上を含有し、
    選ばれた元素のうち3種以上の元素夫々の含有量が、原子%比で0.80~1.20の範囲である組成を有することを特徴とする圧延用複合ロール。
  4. 前記外層が、前記組成に加えてさらに、
    質量%で、Cr:0.5~5.0%、Mo:0.5~5.0%、V:0.5~5.0%、Nb:0.5~5.0%のうちから選ばれた1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項3に記載の圧延用複合ロール。
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