JP2022085177A - 空燃比センサの故障検出装置 - Google Patents

空燃比センサの故障検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】空燃比センサの故障モードとして固体電解質層のクラックを検出する。【解決手段】空燃比センサ10の故障検出装置1は、センサ素子11に電圧を印加する電圧印加回路3と、センサ素子の出力電流を検出する電流検出回路4と、空燃比センサの故障を検出する故障判定部6とを備える。故障判定部は、内燃機関の機関回転数が、所定値よりも高い値から所定値まで低下し、その後、所定値以下に維持された場合に、機関回転数が所定値以下に維持された期間内の第1のタイミングにおいて電流検出回路によって検出された第1電流値と、機関回転数が所定値以下に維持された期間内において第1のタイミングから所定時間経過した第2のタイミングにおいて電流検出回路によって検出された第2電流値とを取得し、第2電流値が第1電流値よりも大きく且つ第2電流値と第1電流値との差又は比率が閾値以上である場合に、固体電解質層にクラックが生じていると判定する。【選択図】図8

Description

本発明は空燃比センサの故障検出装置に関する。
従来、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサを内燃機関の排気通路に配置し、空燃比検出センサの出力に基づいて混合気の空燃比をフィードバック制御することが知られている。斯かるフィードバック制御によって排気ガスの空燃比を適切な値に制御することができ、排気エミッションを低減することができる。
しかしながら、空燃比センサに素子割れのような故障が生じると、空燃比の検出精度が悪化し、排気エミッションが悪化するおそれがある。これに対して、特許文献1には、異なる内燃機関の運転条件下で空燃比センサに逆電圧が印加されたときに検出される空燃比センサの出力電流に基づいて、空燃比センサの外部と空燃比センサの大気室とを貫通するクラックの発生を検出することが記載されている。
特開2007-232709号公報
しかしながら、空燃比センサにおいて、特許文献1に記載されるようなクラックとは別に、固体電解質層のクラックが生じる場合がある。これらの異なる故障モードが発生した空燃比センサは異なる出力異常を呈するが、特許文献1は固体電解質層のクラックを検出するための手法について何ら言及していない。
そこで、本発明の目的は、空燃比センサの故障モードとして固体電解質層のクラックを検出することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、酸化物イオン伝導性を有する固体電解質層と、内燃機関の排気通路を流れる排気ガスに曝されるように前記固体電解質層の一方の側面上に配置された排気側電極と、大気に曝されるように前記固体電解質層の他方の側面上に配置された大気側電極とを有するセンサ素子を備える空燃比センサの故障を検出する、空燃比センサの故障検出装置であって、前記大気側電極の電位が前記排気側電極の電位よりも高くなるように前記センサ素子に電圧を印加する電圧印加回路と、前記センサ素子に電圧が印加されているときの前記センサ素子の出力電流を検出する電流検出回路と、前記空燃比センサの故障を判定する故障判定部とを備え、前記故障判定部は、前記内燃機関の機関回転数が、所定値よりも高い値から該所定値まで低下し、その後、該所定値以下に維持された場合に、該機関回転数が該所定値以下に維持された期間内の第1のタイミングにおいて前記電流検出回路によって検出された第1電流値と、該期間内において該第1のタイミングから所定時間経過した第2のタイミングにおいて前記電流検出回路によって検出された第2電流値とを取得し、該第2電流値が該第1電流値よりも大きく且つ該第2電流値と該第1電流値との差又は比率が閾値以上である場合に、前記固体電解質層にクラックが生じていると判定する、空燃比センサの故障検出装置が提供される。
本発明によれば、空燃比センサの故障モードとして固体電解質層のクラックを検出することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る空燃比センサの故障検出装置が適用される内燃機関等を概略的に示す図である。 図2は、図1の空燃比センサの部分断面図である。 図3は、センサ素子に正電圧が印加されたときの排気ガスの空燃比とセンサ素子の出力電流との関係を示す図である。 図4は、本発明の第一実施形態に係る故障検出装置の構成を概略的に示す図である。 図5は、クラックが生じた空燃比センサの部分断面図である。 図6は、固体電解質層にクラックが生じたときのセンサ素子の印加電圧と出力電流との関係を示す図である。 図7は、内燃機関が停止されたときの機関回転数及びセンサ素子の出力電流のタイムチャートである。 図8は、本発明の第一実施形態における故障判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図9は、本発明の第二実施形態における故障判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図10は、本発明の第三実施形態に係る空燃比センサの故障検出装置が適用される内燃機関等を概略的に示す図である。 図11は、本発明の第三実施形態における故障判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
<第一実施形態>
最初に、図1~図8を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。
<内燃機関全体の説明>
図1は、本発明の第一実施形態に係る空燃比センサの故障検出装置が適用される内燃機関等を概略的に示す図である。図1に示される内燃機関は火花点火式内燃機関である。内燃機関は車両に搭載される。
図1を参照すると、42はシリンダブロック、43はシリンダブロック42内で往復動するピストン、44はシリンダブロック42上に固定されたシリンダヘッド、45はピストン43とシリンダヘッド44との間に形成された燃焼室、46は吸気弁、47は吸気ポート、48は排気弁、49は排気ポートをそれぞれ示す。吸気弁46は吸気ポート47を開閉し、排気弁48は排気ポート49を開閉する。
図1に示したように、シリンダヘッド44の内壁面の中央部には点火プラグ50が配置され、シリンダヘッド44の内壁面周辺部には燃料噴射弁51が配置される。点火プラグ50は、点火信号に応じて火花を発生させるように構成される。また、燃料噴射弁51は、噴射信号に応じて、所定量の燃料を燃焼室45内に噴射する。本実施形態では、燃料として理論空燃比が14.6であるガソリンが用いられる。
各気筒の吸気ポート47はそれぞれ対応する吸気枝管53を介してサージタンク54に連結され、サージタンク54は吸気管55を介してエアクリーナ56に連結される。吸気ポート47、吸気枝管53、サージタンク54、吸気管55等は、空気を燃焼室45に導く吸気通路を形成する。また、吸気管55内には、スロットル弁駆動アクチュエータ57によって駆動されるスロットル弁58が配置される。スロットル弁58は、スロットル弁駆動アクチュエータ57によって回動せしめられることで、吸気通路の開口面積を変更することができる。
一方、各気筒の排気ポート49は排気マニホルド59に連結される。排気マニホルド59は、各排気ポート49に連結される複数の枝部と、これら枝部が集合した集合部とを有する。排気マニホルド59の集合部は、触媒60を内蔵したケーシング61に連結される。ケーシング61は排気管62に連結される。排気ポート49、排気マニホルド59、ケーシング61、排気管62等は、燃焼室45における混合気の燃焼によって生じた排気ガスを排出する排気通路を形成する。触媒60は、例えば、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)を同時に浄化可能な三元触媒である。
内燃機関の各種制御は、車両に搭載された電子制御ユニット(ECU)31によって実行される。すなわち、ECU31は内燃機関の制御装置として機能する。ECU31には、内燃機関等に設けられた各種センサの出力が入力され、ECU31は各種センサの出力等に基づいて各種アクチュエータを制御する。
ECU31は、デジタルコンピュータからなり、双方向性バス32を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)33、ROM(リードオンリメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36及び出力ポート37を備える。なお、本実施形態では、一つのECU31が設けられているが、機能毎に複数のECUが設けられていてもよい。
吸気管55には、吸気管55内を流れる空気の流量(吸入空気流量)を検出するエアフロメータ70が配置され、エアフロメータ70の出力は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。したがって、エアフロメータ70の出力はECU31に送信され、ECU31はエアフロメータ70の出力を取得する。
また、触媒60の上流側の排気通路(排気マニホルド59の集合部)には、内燃機関の燃焼室45から排出されて触媒60に流入する排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ10が配置される。空燃比センサ10の詳細については、後述する。
また、内燃機関を搭載した車両に設けられたアクセルペダル71には、アクセルペダル71の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ72が接続され、負荷センサ72の出力電圧は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。したがって、負荷センサ72の出力はECU31に送信され、ECU31は負荷センサ72の出力を取得する。ECU31は負荷センサ72の出力に基づいて機関負荷を算出する。
また、入力ポート36には、クランクシャフトが所定角度(例えば10°)回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ73が接続され、この出力パルスが入力ポート36に入力される。したがって、クランク角センサ73の出力はECU31に送信され、ECU31はクランク角センサ73の出力を取得する。ECU31はクランク角センサ73の出力に基づいて機関回転数を算出する。
一方、出力ポート37は、対応する駆動回路39を介して、内燃機関の各種アクチュエータに接続される。本実施形態では、出力ポート37は、点火プラグ50、燃料噴射弁51及びスロットル弁駆動アクチュエータ57に接続され、ECU31はこれらを制御する。具体的には、ECU31は、点火プラグ50の点火時期、燃料噴射弁51の噴射時期及び噴射量、並びにスロットル弁58の開度を制御する。
なお、上述した内燃機関は、ガソリンを燃料とする無過給内燃機関であるが、内燃機関の構成は、上記構成に限定されるものではない。したがって、気筒配列、燃料の噴射態様、吸排気系の構成、動弁機構の構成、過給器の有無のような内燃機関の具体的な構成は、図1に示した構成と異なっていてもよい。例えば、燃料噴射弁51は、吸気ポート47内に燃料を噴射するように配置されてもよい。
<空燃比センサの構成>
以下、空燃比センサ10の構成について詳細に説明する。図2は、図1の空燃比センサ10の部分断面図である。図2に示されるように、空燃比センサ10はセンサ素子11及びヒータ20を備える。
本実施形態では、空燃比センサ10は、複数の層を積層して構成された積層型空燃比センサである。センサ素子11は、固体電解質層12、拡散律速層13、第1不透過層14、第2不透過層15、排気側電極16及び大気側電極17を有する。固体電解質層12、排気側電極16及び大気側電極17は、電気化学セルであるセンサセルを構成する。
センサ素子11の各層は、図2の下方から、第1不透過層14、固体電解質層12、拡散律速層13、第2不透過層15の順に積層されている。固体電解質層12と拡散律速層13との間には被測ガス室18が形成され、固体電解質層12と第1不透過層14との間には大気室19が形成されている。すなわち、被側ガス室18は固体電解質層12及び拡散律速層13によって画定され、大気室19は固体電解質層12及び第1不透過層14によって画定される。
被測ガス室18は拡散律速層13を介して内燃機関の排気通路と連通しており、被測ガス室18には、内燃機関の排気通路を流れる排気ガスが被測ガスとして導入される。一方、大気室19は大気に開放されており、大気室19には大気が導入される。
固体電解質層12は、酸化物イオン伝導性を有する薄板体である。固体電解質層12は、例えば、ZrO2(ジルコニア)、HfO2、ThO2、Bi23等にCaO、MgO、Y23、Yb23等を安定剤として添加した焼結体である。拡散律速層13は、ガス透過性を有する薄板体である。拡散律速層13は、例えば、アルミナ、マグネシア、けい石質、スピネル、ムライト等の多孔質セラミックから構成される。第1不透過層14及び第2不透過層15は、ガス不透過性の薄板体であり、例えばアルミナから構成される。
排気側電極16は、被測ガス室18内の被測ガス、すなわち内燃機関の排気通路を流れる排気ガスに曝されるように固体電解質層12の一方(被測ガス室18側)の側面上に配置されている。一方、大気側電極17は、大気室19内の大気に曝されるように固体電解質層12の他方(大気室19側)の側面上に配置されている。排気側電極16と大気側電極17とは、固体電解質層12を挟んで互いに対向するように配置されている。排気側電極16及び大気側電極17は、それぞれ、白金(Pt)等の触媒活性の高い貴金属から構成されている。例えば、排気側電極16及び大気側電極17は、Ptを主成分として含む多孔質サーメット電極である。
ヒータ20は、センサ素子11内に配置され、センサ素子11を加熱する。本実施形態では、ヒータ20は第1不透過層14に埋設されている。ヒータ20は、例えば、白金(Pt)とセラミック(例えば、アルミナ等)とを含むサーメットの薄板体であり、通電によって発熱する発熱体である。ヒータ20は、ECU31に電気的に接続され、ECU31によって制御される。ECU31は、ヒータ20によって、センサ素子11の温度、特に固体電解質層12の温度を制御する。
図2に示されるように、センサ素子11の排気側電極16及び大気側電極17には電気回路2が接続されている。電気回路2は電圧印加回路3及び電流検出回路4を有する。
電圧印加回路3は、センサ素子11に接続され、センサ素子11に電圧を印加する。具体的には、電圧印加回路3は、大気側電極17の電位が排気側電極16の電位よりも高くなるようにセンサ素子11に電圧を印加する。したがって、排気側電極16は負極として機能し、大気側電極17は正極として機能する。電圧印加回路3はECU31に電気的に接続され、ECU31は電圧印加回路3を介してセンサ素子11への印加電圧を制御する。
電流検出回路4は、センサ素子11に接続され、センサ素子11に電圧が印加されているときに排気側電極16と大気側電極17との間を流れる電流、すなわちセンサ素子11に電圧が印加されているときのセンサ素子11の出力電流を検出する。電流検出回路4はECU31に電気的に接続され、電流検出回路4の出力はECU31に送信される。
センサ素子11に電圧が印加されると、排気側電極16上の排気ガスの空燃比に応じて排気側電極16と大気側電極17との間を酸化物イオンが移動し、この結果、排気ガスの空燃比に応じてセンサ素子11の出力電流が変化する。図3は、センサ素子11に電圧が印加されたときの排気ガスの空燃比とセンサ素子11の出力電流Iとの関係を示す図である。図3の例では、センサ素子11への印加電圧として、印加電圧が変化しても出力電流がほとんど変化しない限界電流領域内の電圧、具体的には0.45Vが用いられている。
図3からわかるように、排気ガスの空燃比が理論空燃比であるときに、出力電流Iはゼロとなる。また、空燃比センサ10では、排気ガスの酸素濃度が高いほど、すなわち排気ガスの空燃比がリーンであるほど、出力電流Iが大きくなる。したがって、空燃比センサ10は排気ガスの空燃比を連続的に(リニアに)検出することができる。ECU31は、空燃比センサ10によって検出された空燃比に基づいて、混合気の空燃比を適切な値にフィードバック制御する。このことによって、内燃機関のおける排気エミッションを低減することができる。
<空燃比センサの故障検出装置>
しかしながら、空燃比センサ10に素子割れのような故障が生じると、空燃比の検出精度が悪化し、排気エミッションが悪化するおそれがある。このため、本実施形態では、空燃比センサの故障検出装置(以下、単に「故障検出装置」と称する)を用いて空燃比センサ10の故障が検出される。
図4は、本発明の第一実施形態に係る故障検出装置1の構成を概略的に示す図である。故障検出装置1は、電圧印加回路3、電流検出回路4、電圧制御部5及び故障判定部6を備える。本実施形態では、ECU31が電圧制御部5及び故障判定部6として機能する。電圧制御部5及び故障判定部6は、ECU31のROM34に記憶されたプログラムをECU31のCPU35が実行することによって実現される機能モジュールである。
電圧制御部5は電圧印加回路3を介してセンサ素子11に電圧を印加する。故障判定部6は空燃比センサ10の故障を判定する。本実施形態では、故障判定部6は空燃比センサ10の故障モードとして固体電解質層12のクラックを検出する。
図5は、クラックが生じた空燃比センサ10の部分断面図である。固体電解質層12のクラック12aは被測ガス室18と大気室19との間を延在する。
正常な空燃比センサ10では、大気室19が第1不透過層14及び固体電解質層12によって閉じられ、大気室19と被測ガス室18との連通が遮断される。しかしながら、図5に示されるように、被測ガス室18と大気室19とを連通させるクラック12aが固体電解質層12に生じると、被測ガス室18の排気ガスと大気室19の大気とが混合される。この結果、被測ガス室18の排気ガス中の酸素濃度が高くなり、大気室19の大気中の酸素濃度が低下する。このため、クラック12aの発生によってセンサ素子11の出力電流に異常が生じる。
図6は、固体電解質層12にクラック12aが生じたときのセンサ素子11の印加電圧と出力電流との関係を示す図である。図6の実線、一点鎖線及び破線は、それぞれ、排気ガスの空燃比が理論空燃比(14.6)である場合の正常なセンサ素子11(クラック12a無し)、吸入空気流量が多いときの異常なセンサ素子11(クラック12a有り)、及び吸入空気流量が少ないときの異常なセンサ素子11(クラック12a有り)の電圧電流特性を示す。
センサ素子11に電圧が印加されたときのセンサ素子11の出力電流は、図3に示されるように排気ガスの空燃比に応じて変化する。上述したように、固体電解質層12にクラック12aが生じると、被測ガス室18の排気ガス中の酸素濃度が高くなる。したがって、図6に示されるように、固体電解質層12にクラック12aが生じると、センサ素子11の出力電流がリーン側(プラス側)にずれる。
また、吸入空気流量が多いときには、吸入空気流量が少ないときに比べて、被測ガス室18に流入する排気ガスの圧力が高くなり、被測ガス室18の排気ガスと大気室19の大気との混合が生じにくくなる。言い換えれば、吸入空気流量が少ないときには、吸入空気流量が多いときに比べて、被測ガス室18に流入する排気ガスの圧力が低くなり、被測ガス室18の排気ガスと大気室19の大気との混合が生じやすくなる。また、被測ガス室18の排気ガス中の酸素濃度の増加量は、排気ガスと混合する大気の量に比例して大きくなる。したがって、図6に示されるように、吸入空気流量が少ないときのセンサ素子11の出力電流は、吸入空気流量が多いときのセンサ素子11の出力電流よりもリーン側(プラス側)にずれる。
一方、図5に示されるような第1不透過層14のクラック14aが生じた場合には、排気通路と連通している空燃比センサ10の外部から大気室19に排気ガスが流入し、この結果、大気室19の大気中の酸素濃度が低下する。しかしながら、吸入空気流量が少ないときには、吸入空気流量が多いときに比べて、排気ガスの圧力が低くなり、排気通路からクラック14aを通って大気室19に流入する排気ガスの量が少なくなる。このため、吸入空気流量が少ないときには、第1不透過層14のクラック14aによるセンサ素子11の出力電流の異常はほとんど生じない。
したがって、吸入空気流量が少ないときには、第1不透過層14のクラック14aに比べて、固体電解質層12のクラック12aによるセンサ素子11の出力電流の異常が顕著となる。この知見に基づいて、本実施形態では、吸入空気流量が少ないときに検出されたセンサ素子11の出力電流の時間変化に基づいて固体電解質層12のクラック12aの有無が判別される。
基本的に、内燃機関の機関回転数が低くなると、吸入空気流量が減少する。このため、故障判定部6は、内燃機関の機関回転数が、所定値よりも高い値から所定値まで低下し、その後、所定値以下に維持された場合に、機関回転数が所定値以下に維持された期間内の第1のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された第1電流値と、機関回転数が所定値以下に維持された期間内において第1のタイミングから所定時間経過した第2のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された第2電流値とを取得し、これら電流値に基づいて空燃比センサ10の故障を判定する。所定値は、予め定められ、例えば0rpm~1000rpmに設定される。
例えば、内燃機関が停止されると、機関回転数がゼロまで低下し、吸入空気流量がゼロになる。このため、本実施形態では、故障判定部6は、内燃機関が停止した場合に、内燃機関の停止状態における第1のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された第1電流値と、内燃機関の停止状態において第1のタイミングから所定時間経過した第2のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された第2電流値とを取得する。なお、内燃機関は、例えば、車両の一時停止中にアイドリングストップ機能が作動されたとき、又はハイブリッド車両において車両の動力がモータのみによって出力されるときに停止される。なお、内燃機関の停止後も、センサ素子11への電圧の印加、ヒータ20によるセンサ素子11の温度制御等は継続される。
図7は、内燃機関が停止されたときの機関回転数及びセンサ素子11の出力電流のタイムチャートである。図7には、固体電解質層12にクラック12aが生じていない正常な空燃比センサ10についての出力電流が実線で示され、固体電解質層12にクラックが生じた異常な空燃比センサ10についての出力電流が破線で示されている。
図7の例では、時刻t1において内燃機関が停止され、燃料噴射弁51による燃料噴射等が停止される。この結果、時刻t1の後、時刻t2において機関回転数がゼロに達する。このとき、正常な空燃比センサ10では、内燃機関の停止後、センサ素子11の出力電流は、被測ガス室18に残された残留ガスの空燃比に相当する値に収束する。一方、異常な空燃比センサ10では、内燃機関の停止後、大気室19の大気が被測ガス室18の残留ガスと混合し、この結果、センサ素子11の出力電流は徐々にリーン側(プラス側)にずれていく。したがって、異常な空燃比センサ10では、内燃機関が停止した場合に、第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにおいて検出された第2電流値が、第1のタイミングにおいて検出された第1電流値よりも大きくなる。
このため、故障判定部6は、第2電流値が第1電流値よりも大きく且つ第2電流値と第1電流値との差又は比率が閾値以上である場合に、空燃比センサ10が異常であり、固体電解質層12にクラックが生じていると判定する。したがって、本実施形態では、故障検出装置1を用いて、空燃比センサ10の故障モードとして固体電解質層12のクラック12aを検出することができる。
<故障判定処理>
以下、図8のフローチャートを参照して、空燃比センサ10の故障を検出するための制御について詳細に説明する。図8は、本発明の第一実施形態における故障判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、内燃機関を搭載した車両のイグニッションスイッチがオンにされた後、ECU31によって所定の時間間隔で繰り返し実行される。
最初に、ステップS101において、電圧制御部5は電圧印加回路3を介してセンサ素子11に所定電圧を印加する。所定電圧は、予め定められ、例えば限界電流領域内の電圧(0.15V~0.7V)に設定される。本実施形態では、所定電圧は0.45Vに設定される。
次いで、ステップS102において、故障判定部6は、故障判定条件が成立しているか否かを判定する。故障判定条件は、例えば、空燃比センサ10のセンサ素子11の温度が所定の活性温度以上であるときに成立する。センサ素子11の温度は例えばセンサ素子11のインピーダンスに基づいて算出される。なお、故障判定条件は、触媒60の温度が所定の活性温度以上であること、内燃機関の始動後に所定時間が経過していること、車両のイグニッションスイッチがオンにされた後に空燃比センサ10の故障判定が未だ行われていないこと等を含んでいてもよい。
ステップS102において故障判定条件が成立していないと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、ステップS102において故障判定条件が成立していると判定された場合、本制御ルーチンはステップS103に進む。
ステップS103では、故障判定部6は、内燃機関が停止したか否かを判定する。ステップS103において内燃機関が停止しなかったと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。
一方、ステップS103において内燃機関が停止したと判定された場合、本制御ルーチンはステップS104に進む。ステップS104では、故障判定部6は、第1のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された第1電流値I1を取得する。例えば、故障判定部6は、第1電流値I1として、機関回転数がゼロに達したときに電流検出回路4によって検出された電流値を取得する。この場合、機関回転数は例えばクランク角センサ73の出力に基づいて算出される。
次いで、ステップS105において、故障判定部6は、第1のタイミングから内燃機関の停止状態が所定時間継続したか否かを判定する。所定時間は、予め定められ、例えば3秒~10秒、好ましくは5秒に設定される。内燃機関の停止状態が所定時間継続しなかったと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。
一方、ステップS105において内燃機関の停止状態が所定時間継続したと判定された場合、本制御ルーチンはステップS106に進む。ステップS106では、故障判定部6は、第1電流値I1が検出された第1のタイミングから所定時間が経過した第2のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された第2電流値I2を取得する。
次いで、ステップS107において、故障判定部6は、第2電流値I2から第1電流値I1を減算した値が閾値K以上であるか否かを判定する。閾値Kは、予め定められ、正の値に設定される。
ステップS107において第2電流値I2から第1電流値I1を減算した値が閾値K以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS108に進む。ステップS108では、故障判定部6は、空燃比センサ10が異常であり、固体電解質層12にクラックが生じていると判定する。このとき、故障判定部6は、車両に設けられた警告灯を点灯させてもよい。ステップS108の後、本制御ルーチンは終了する。
一方、ステップS107において第2電流値I2から第1電流値I1を減算した値が閾値K未満であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS109に進む。ステップS109では、故障判定部6は、空燃比センサ10が正常であり、固体電解質層12にクラックが生じていないと判定する。ステップS109の後、本制御ルーチンは終了する。
なお、ステップS107において、故障判定部6は、第2電流値I2を第1電流値I1で除算した値が閾値K以上であるか否かを判定してもよい。すなわち、故障判定部6は、下記式(1)が成立するか否かを判定してもよい。
I2/I1≧K …(1)
この場合、閾値Kは1よりも大きな値に設定される。
また、車両のイグニッションスイッチがオフにされると、内燃機関は停止する。このため、空燃比センサ10の故障判定は、車両のイグニッションスイッチがオフにされた後に行われてもよい。この場合、車両のイグニッションスイッチがオフにされた後も、第1電流値I1及び第2電流値I2が検出されるまで、センサ素子11への電圧の印加、ヒータ20によるセンサ素子11の温度制御等は継続される。
<第二実施形態>
第二実施形態に係る故障検出装置は、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る故障検出装置の構成及び制御と同様である。このため、以下、本発明の第二実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
内燃機関の運転状態がアイドル運転状態になると、機関回転数がアイドル回転数まで低下し、吸入空気流量が減少する。このため、第二実施形態では、内燃機関のアイドル運転状態において、空燃比センサ10の故障判定が行われる。
具体的には、故障判定部6は、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態になった場合に、アイドル運転状態における第1のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された第1電流値と、アイドル運転状態において第1のタイミングから所定時間経過した第2のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された第2電流値とを取得し、これら電流値に基づいて空燃比センサ10の故障を判定する。なお、アイドル運転状態とは、アクセル開度がゼロ(機関負荷がゼロ)であるとき(例えば車両の一時停止時)に燃焼室45における混合気の燃焼によって機関回転数が所定のアイドル回転数(例えば400~1000rpm)に維持されている運転状態を意味する。
図9は、本発明の第二実施形態における故障判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、内燃機関を搭載した車両のイグニッションスイッチがオンにされた後、ECU31によって所定の時間間隔で繰り返し実行される。
ステップS201及びS202は図8のステップS101及びS102と同様に実行される。ステップS202において故障判定条件が成立していると判定された場合、本制御ルーチンはステップS203に進む。
ステップS203では、故障判定部6は、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態になったか否かを判定する。内燃機関の運転状態がアイドル運転状態になっていないと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、内燃機関の運転状態がアイドル運転状態になったと判定された場合、本制御ルーチンはステップS204に進む。
ステップS204では、故障判定部6は、空燃比センサ10を用いた空燃比のフィードバック制御を停止し、オープン制御(開ループ制御)を開始する。オープン制御では、混合気の空燃比が目標空燃比に一致するように、燃料噴射弁51の燃料噴射量FAが目標空燃比TAF及び吸入空気量IAに基づいて下記式(2)によって算出される。吸入空気量IAはエアフロメータ70の出力に基づいて算出される。
FA=IA/TAF …(2)
本実施形態では、オープン制御における目標空燃比TAFが理論空燃比(14.6)に設定される。このことによって、故障判定中に排気エミッションが悪化することを抑制することができる。
次いで、ステップS205において、故障判定部6は、第1のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された第1電流値I1を取得する。例えば、故障判定部6は、第1電流値I1として、アイドル運転状態においてオープン制御が開始されてから所定時間が経過した第1のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された電流値を取得する。所定時間は、予め定められ、例えば内燃機関のシリンダ内のガスが入れ替わるのに要する時間に設定される。
次いで、ステップS206において、故障判定部6は、第1のタイミングからアイドル運転状態が所定時間継続したか否かを判定する。所定時間は、予め定められ、例えば3秒~10秒、好ましくは5秒に設定される。アイドル運転状態が所定時間継続しなかったと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。
一方、ステップS206においてアイドル運転状態が所定時間継続したと判定された場合、本制御ルーチンはステップS207に進む。ステップS207では、故障判定部6は、第1電流値I1が検出された第1のタイミングから所定時間が経過した第2のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された第2電流値I2を取得する。
ステップS208~S210は図8のステップS107~S109と同様に実行される。なお、本制御ルーチンは図8の制御ルーチンと同様に変形可能である。
<第三実施形態>
第三実施形態に係る故障検出装置は、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る故障検出装置の構成及び制御と同様である。このため、以下、本発明の第三実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図10は、本発明の第三実施形態に係る空燃比センサの故障検出装置が適用される内燃機関等を概略的に示す図である。第三実施形態では、内燃機関を搭載した車両に、大気圧を検出する大気圧センサ74が設けられる。大気圧センサ74の出力は対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。したがって、大気圧センサ74の出力はECU31に送信され、ECU31は大気圧センサ74の出力を取得する。
上述したように空燃比センサ10の大気室19には大気が導入されるが、大気圧は、内燃機関を搭載する車両の走行環境に応じて変化する。例えば、大気圧は、車両が走行する道路の標高が高くなるほど低くなる。大気圧が低くなると、大気室19の大気が被測ガス室18の排気ガスと混合したときの排気ガス中の酸素濃度の増加量が低下し、この結果、排気側電極16から大気側電極17に移動する酸化物イオンの移動量が減少する。すなわち、大気圧が低くなると、固体電解質層12のクラック12aの影響によってセンサ素子11の出力電流がリーン側にずれる量が小さくなる。
このため、第三実施形態では、故障判定部6は、大気圧センサ74によって検出された大気圧に基づいて、第2電流値から第1電流値を減算した値を補正し、補正後の値が閾値以上である場合に、固体電解質層12にクラックが生じていると判定する。このことによって、大気圧の変動によるクラックの誤検出を低減することができ、ひいては空燃比センサ10の故障の検出精度を高めることができる。
図11は、本発明の第三実施形態における故障判定処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、内燃機関を搭載した車両のイグニッションスイッチがオンにされた後、ECU31によって所定の時間間隔で繰り返し実行される。
ステップS301~S303は図8のステップS101~S103と同様に実行される。ステップS303において内燃機関が停止したと判定された場合、本制御ルーチンはステップS304に進む。
ステップS304では、故障判定部6は、第1のタイミングにおいて電流検出回路4によって検出された第1電流値I1と、第1のタイミングにおいて大気圧センサ74によって検出された大気圧Pとを取得する。例えば、故障判定部6は、機関回転数がゼロに達した第1のタイミングにおいて検出された第1電流値I1及び大気圧Pを取得する。
ステップS305及びS306は図8のステップS105及びS106と同様に実行される。ステップS306の後、ステップS307において、故障判定部6は、マップ又は計算式を用いて、大気圧Pに基づいて、第2電流値I2から第1電流値I1を減算した値(出力差(I2-I1))を補正する。マップ又は計算式は、大気圧Pが低いほど、出力差が大きくなるように作成される。
次いで、ステップS308において、故障判定部6は、補正後の出力差が閾値K以上であるか否かを判定する。閾値Kは、予め定められ、正の値に設定される。
ステップS308において補正後の出力差が閾値K以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS309に進む。ステップS309では、図8のステップS108と同様に、故障判定部6は、空燃比センサ10が異常であり、固体電解質層12にクラックが生じていると判定する。ステップS309の後、本制御ルーチンは終了する。
一方、ステップS308において補正後の出力差が閾値K未満であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS310に進む。ステップS310では、図8のステップS109と同様に、故障判定部6は、空燃比センサ10が正常であり、固体電解質層12にクラックが生じていないと判定する。ステップS310の後、本制御ルーチンは終了する。
なお、本制御ルーチンは図8の制御ルーチンと同様に変形可能である。例えば、故障判定部6は、ステップS307において、マップ又は計算式を用いて、大気圧Pに基づいて、第2電流値I2を第1電流値I1で除算した値(出力比(I2/I1))を補正し、ステップS308において、補正後の出力比が閾値K以上であるか否かを判定してもよい。この場合、閾値Kは1よりも大きな値に設定される。また、マップ又は計算式は、大気圧Pが低いほど、出力比が大きくなるように作成される。
また、ステップS307において、故障判定部6はマップ又は計算式を用いて大気圧Pに基づいて閾値Kを補正し、ステップS308において補正後の閾値Kが用いられてもよい。この場合、マップ又は計算式は、大気圧Pが低いほど、閾値Kが小さくなるように作成される。
また、大気圧Pは、大気と混合した後の排気ガスの酸素濃度、すなわち第2電流値I2に主に影響する。このため、ステップS307において、故障判定部6はマップ又は計算式を用いて大気圧Pに基づいて第2電流値I2を補正し、ステップS308において補正後の第2電流値I2が用いられてもよい。この場合、マップ又は計算式は、大気圧Pが低いほど、第2電流値I2が大きくなるように作成される。
なお、補正に用いられる大気圧Pは、第1電流値I1が検出される第1のタイミングから第2電流値I2が検出される第2のタイミングまでの任意のタイミングにおいて検出可能である。また、補正に用いられる大気圧Pは、第1のタイミングから第2のタイミングまでの間に検出された大気圧の平均値であってもよい。
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。例えば、空燃比センサの故障検出装置が適用される内燃機関は圧縮自着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)であってもよい。
また、故障検出装置1を用いて、触媒60の下流側に配置された空燃比センサの故障判定が行われてもよい。また、故障検出装置1によって故障判定が行われる空燃比センサは触媒60の上流側及び下流側に配置されてもよい。この場合、下流側空燃比センサの故障判定が行われるときには、図9のステップS204において、下流側空燃比センサを用いた空燃比制御(例えば目標空燃比の切替等)のみが停止され、上流側空燃比センサを用いた空燃比のフィードバック制御が継続されてもよい。
また、上述した実施形態は、任意に組み合わせて実施可能である。第二実施形態と第三実施形態とが組み合わされる場合、図11の故障判定処理の制御ルーチンにおいて、ステップS303の代わりに、図9のステップS203及びS204が実行される。
1 空燃比センサの故障検出装置
3 電圧印加回路
4 電流検出回路
6 故障判定部
10 空燃比センサ
11 センサ素子
12 固体電解質層
16 排気側電極
17 大気側電極

Claims (1)

  1. 酸化物イオン伝導性を有する固体電解質層と、内燃機関の排気通路を流れる排気ガスに曝されるように前記固体電解質層の一方の側面上に配置された排気側電極と、大気に曝されるように前記固体電解質層の他方の側面上に配置された大気側電極とを有するセンサ素子を備える空燃比センサの故障を検出する、空燃比センサの故障検出装置であって、
    前記大気側電極の電位が前記排気側電極の電位よりも高くなるように前記センサ素子に電圧を印加する電圧印加回路と、
    前記センサ素子に電圧が印加されているときの前記センサ素子の出力電流を検出する電流検出回路と、
    前記空燃比センサの故障を判定する故障判定部と
    を備え、
    前記故障判定部は、前記内燃機関の機関回転数が、所定値よりも高い値から該所定値まで低下し、その後、該所定値以下に維持された場合に、該機関回転数が該所定値以下に維持された期間内の第1のタイミングにおいて前記電流検出回路によって検出された第1電流値と、該期間内において該第1のタイミングから所定時間経過した第2のタイミングにおいて前記電流検出回路によって検出された第2電流値とを取得し、該第2電流値が該第1電流値よりも大きく且つ該第2電流値と該第1電流値との差又は比率が閾値以上である場合に、前記固体電解質層にクラックが生じていると判定する、空燃比センサの故障検出装置。
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