JP2022084283A - 紙積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Yasutomo Noishiki
友史 磯▲崎▼
Tomofumi Isozaki
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Yuta SHAMOTO
三代子 田中
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Abstract

【課題】加工への耐性に優れ、高い酸素バリア性(特に、折り曲げ後の酸素バリア性)を有する紙積層体の提供。【解決手段】紙基材の少なくとも一面上に、クレーコート層、アンダーコート層、蒸着層およびオーバーコート層をこの順で有し、前記蒸着層は、金属からなる層およびセラミックからなる層の少なくともいずれかであり、厚さが1nm以上1000nm以下であり、前記オーバーコート層は、ポリウレタン系樹脂を含む、紙積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、紙積層体およびその製造方法に関する。
従来、紙基材に、水蒸気をバリアする水蒸気バリア性や、水蒸気以外のガスをバリアするガスバリア性を付与した包装材料、特に、紙基材に酸素をバリアする酸素バリア性を付与した包装材料が、食品、医療品、電子部品等の包装において、内容物の品質低下を防止するために、用いられている。
紙基材に水蒸気バリア性やガスバリア性を付与する方法としては、水蒸気バリア性やガスバリア性に優れた合成樹脂フィルムを紙基材に積層する方法が一般的である。しかし、紙基材に合成樹脂フィルム等を積層した材料は、使用後に紙や合成樹脂等をリサイクルすることが困難であり、環境面において課題を有するものであった。
そこで、合成樹脂フィルム等を使用せずに、水蒸気バリア性やガスバリア性を有するバリア性材料の開発が進められてきている。たとえば、特許文献1には、紙層の内側に有機物質被覆層、金属若しくは金属酸化物層および有機物質被覆層を有する湿気と酸素に対するバリア性を有する紙包装材が開示されている。
一方、金属蒸着紙は、その光沢感を活かし、酒、ビール、清涼飲料水などの意匠性に優れたラベル用紙、菓子類の包装用紙等に広く用いられているが、紙基材上に金属薄膜を形成する必要があるため、その接着性の改善や製造方法について検討がなされている。たとえば、特許文献2には、基紙上にアルミニウム蒸着層を設けてなり、蒸着層表面の自然分極電位値が特定の範囲となるように裏面を処理した基紙を用いるアルミニウム蒸着紙が開示されている。
特開2002-321307号公報 特開平4-65599号公報
特許文献1、2のように金属を用いて紙基材の水蒸気バリア性、酸素バリア性等のバリア性を向上させる試みはなされているものの、リサイクル性や柔軟性、紙の質感を考慮して、蒸着膜のような非常に薄い膜を形成した場合、使用時もしくは加工時の耐久性が問題となっている。すなわち、エンボス加工のような立体加工や折り曲げ加工等を行うと、金属の蒸着膜に亀裂等の損傷が生じるためか、バリア性能が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、加工への耐性に優れ、高い酸素バリア性(特に、折り曲げ後の酸素バリア性)を有する紙積層体を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意検討の結果、紙基材の少なくとも一面上に、クレーコート層、アンダーコート層、蒸着層およびオーバーコート層をこの順で有し、蒸着層は、金属からなる層およびセラミックからなる層の少なくともいずれかであり、特定厚さであり、オーバーコート層は、ポリウレタン系樹脂を含む紙積層体が、前記課題を解決することを見出した。
すなわち、本発明は、以下の<1>~<20>に関する。
<1> 紙基材の少なくとも一面上に、クレーコート層、アンダーコート層、蒸着層およびオーバーコート層をこの順で有し、前記蒸着層は、金属からなる層およびセラミックからなる層の少なくともいずれかであり、厚さが1nm以上1000nm以下であり、前記オーバーコート層は、ポリウレタン系樹脂を含む、紙積層体。
<2> 前記オーバーコート層の厚さが0.1μm以上10μm以下である、前記<1>に記載の紙積層体。
<3> 前記オーバーコート層の塗工量が、固形分で、0.1g/m以上10g/m以下である、前記<1>または<2>に記載の紙積層体。
<4> 前記オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、25μm厚のシートに換算した際の23℃、50%RHにおける酸素透過度が、100ml/(m・day・atm)以下である、前記<1>~<3>のいずれかに記載の紙積層体。
<5> 前記オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の少なくとも一方を含有する、前記<1>~<4>のいずれかに記載の紙積層体。
<6> 前記オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート由来の構成単位全量に対する、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の合計含有量が、50モル%以上である、前記<5>に記載の紙積層体。
<7> 前記クレーコート層の塗工量が、固形分で、5g/m以上30g/m以下である、前記<1>~<6>のいずれかに記載の紙積層体。
<8> 前記アンダーコート層の塗工量が、固形分で、0.1g/m以上10g/m以下である、前記<1>~<7>のいずれかに記載の紙積層体。
<9> 前記アンダーコート層が、主としてバインダーを含み、前記バインダーに含まれる樹脂が、ビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポリエステル樹脂から選ばれる1種以上である、前記<1>~<8>のいずれかに記載の紙積層体。
<10> 前記アンダーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、25μm厚のシートに換算した際の23℃、50%RHにおける酸素透過度が、100ml/(m・day・atm)以下である、前記<9>に記載の紙積層体。
<11> 前記アンダーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の少なくとも一方を含有する、前記<9>または<10>に記載の紙積層体。
<12> 前記アンダーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート由来の構成単位全量に対する、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の合計含有量が、50モル%以上である、前記<11>に記載の紙積層体。
<13> 前記紙基材の坪量が20g/m以上500g/m以下である、前記<1>~<12>のいずれかに記載の紙積層体。
<14> 前記蒸着層が、アルミニウムからなる層、酸化ケイ素からなる層、および酸化アルミニウムからなる層の少なくともいずれかである、前記<1>~<13>のいずれかに記載の紙積層体。
<15> 前記オーバーコート層の表面上に、厚さ1μm以上15μm未満の熱可塑性樹脂を含む樹脂層をさらに有する、前記<1>~<14>のいずれかに記載の紙積層体。
<16> 前記熱可塑性樹脂が、ヒートシール可能な樹脂である、前記<15>に記載の紙積層体。
<17> 前記熱可塑性樹脂が、オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体、生分解性樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、およびビニルアルコール系樹脂から選ばれる1種以上である、前記<15>または<16>に記載の紙積層体。
<18> 前記熱可塑性樹脂が、オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体である、前記<17>に記載の紙積層体。
<19> 前記アンダーコート層および前記オーバーコート層は、水性媒体を用いて形成されてなる、前記<1>~<18>のいずれかに記載の紙積層体。
<20> 紙基材の少なくとも一面上に、クレーコート層、アンダーコート層、および蒸着層をこの順で有する蒸着紙に、オーバーコート層用塗工液を塗工し、乾燥して、オーバーコート層を形成する工程を含む紙積層体の製造方法であって、前記蒸着層は、金属からなる層およびセラミックからなる層の少なくともいずれかであり、厚さが1nm以上1000nm以下であり、前記オーバーコート層用塗工液はポリウレタン系樹脂を含む、紙積層体の製造方法。
本発明によれば、加工への耐性に優れ、高い酸素バリア性(特に、折り曲げ後の酸素バリア性)を有する紙積層体を提供することができる。
[紙積層体]
本実施形態の紙積層体は、紙基材の少なくとも一面上に、クレーコート層、アンダーコート層、蒸着層およびオーバーコート層をこの順で有し、前記蒸着層は、金属からなる層およびセラミックからなる層の少なくともいずれかであり、厚さが1nm以上1000nm以下であり、前記オーバーコート層は、ポリウレタン系樹脂を含む。当該紙積層体は、加工への耐性に優れ、高いバリア性能を有する。
本実施形態の紙積層体は、蒸着層を有することで高いバリア性を有し、ポリウレタン系樹脂を含むオーバーコート層を有することで、酸素バリア性をさらに高めることが可能であり、加工時の紙の変形によっても蒸着層を保護してバリア性を維持できることに加え、光沢感を有する蒸着層の損傷を防ぐことができるため、意匠性にも優れる。
また、本実施形態の紙積層体は、樹脂層をさらに有することが好ましいが、樹脂層をさらに有することで、蒸着層に対する保護性を向上しつつ、樹脂層を構成する樹脂によっては、ヒートシール性も付与することができ、また、光沢感を有する蒸着層の損傷を確実に防ぐことができるため、意匠性にもより優れる。
本実施形態の紙積層体は、クレーコート層を有することで、紙基材を目止めし、平滑化させることができる。
本実施形態の紙積層体は、アンダーコート層を有することで、加工時の紙の変形によってもクレーコート層を保護することができる。
紙基材の片面に蒸着層を有していてもよく、両面に蒸着層を有していてもよいが、生産効率の点からは、片面に蒸着層を有することが好ましい。本実施形態においては、片面のみに蒸着層を有しても、十分なバリア性を発現することができる。片面に蒸着層を有する場合、蒸着層側のみにオーバーコート層や樹脂層を有していてもよい。
生産効率の点から片面に蒸着層を有する場合、本実施形態の紙積層体において、前記紙基材が最外層であってもよい。
<紙基材>
本実施形態における紙基材は、植物由来のパルプを主成分とする一般的に用いられている紙であることが好ましく、木材パルプを主成分とする紙であることがより好ましい。また、本実施形態の紙積層体に用いられる紙基材は、機械的離解作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とする紙であることが好ましい。
本実施形態の紙積層体に用いられる紙基材としては、具体的には、晒クラフト紙、未晒クラフト紙、上質紙、板紙、ライナー紙、塗工紙、片艶紙、グラシン紙、グラファン紙などが挙げられる。これらの中でも、晒クラフト紙、未晒クラフト紙、上質紙、片艶紙が好ましい。
紙基材のJIS P 8121-2:2012に準じて測定した離解フリーネス(濾水度)は、バリア性を向上させる観点から、800ml以下とすることが好ましく、500ml以下とすることがより好ましい。下限は特に限定されないが、抄紙の容易性の観点から、好ましくは150ml以上、より好ましくは250ml以上である。ここで、離解フリーネスとは、抄紙後の紙をJIS P 8220-1:2012に準拠して離解したパルプを、JIS P 8121-2:2012に準拠して測定したカナダ標準濾水度(Canadian standard freeness)のことである。離解フリーネスを調整するために、パルプを叩解する方法は、公知の方法を使用することができる。
紙基材のサイズ度は、特に限定されないが、バリア性を向上させる観点から、JIS P 8122:2004に準ずるステキヒトサイズ度を1秒以上とすることが好ましい。上限は特に制限されないが、好ましくは100秒以下、より好ましくは30秒以下である。紙基材のサイズ度は、内添サイズ剤の種類や含有量、パルプの種類、平滑化処理等によって制御することができる。
内添サイズ剤としては、ロジン系、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン-不飽和カルボン酸系、高級脂肪酸系、石油樹脂系等が挙げられる。内添サイズ剤の含有量は、特に限定されないが、紙基材のパルプ100質量部に対して、0質量部以上が好ましく、3質量部以下が好ましい。
紙基材には、内添サイズ剤以外に、公知のその他の内添剤を添加してもよい。内添剤としては、たとえば、填料、紙力増強剤、歩留り向上剤、pH調整剤、濾水性向上剤、耐水化剤、柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤、染料・顔料などが挙げられる。
填料としては、たとえば、二酸化チタン、カオリン、タルク、炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム)、亜硫酸カルシウム、石膏、焼成カオリン、ホワイトカーボン、非晶質シリカ、デラミネーテッドカオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などが挙げられる。
紙基材は、パルプスラリーを主成分とする抄紙原料を抄紙することにより得られる。
前記パルプスラリーは、木材または非木材の原料チップから、蒸解、洗浄、漂白等の工程を経て得られる。蒸解工程、洗浄工程、漂白工程等における方法については特に限定はない。これらの工程を経て得られたパルプスラリーは、さらに、水の存在下で叩解される。木材パルプとしては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなどが挙げられる。非木材パルプとしては、綿パルプ、麻パルプ、ケナフパルプ、竹パルプなどが挙げられる。レーヨン繊維やナイロン繊維等の合成繊維等のパルプ繊維外の材料も、本発明の効果を損なわない限り、副紙材として配合してもよい。
紙基材の抄紙においては、公知の湿式抄紙機を適宜選択して使用することができる。
抄紙機としては、長網式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機などが挙げられる。
抄紙機によって形成された紙層は、たとえば、フェルトにて搬送し、ドライヤーで乾燥させることが好ましい。ドライヤー乾燥前にプレドライヤーとして、多段式シリンダードライヤーを使用してもよい。
また、上記のようにして得られた紙基材に、カレンダーによる表面処理を施して紙厚や光沢のプロファイルの均一化を図ってもよい。カレンダー処理としては公知のカレンダー処理機を適宜選択して使用することができる。
紙基材の坪量は、特に限定されないが、20g/m以上であることが好ましく、30g/m以上であることがより好ましく、40g/m以上であることがさらに好ましく、そして、500g/m以下であることが好ましく、400g/m以下であることがより好ましく、200g/m以下であることがさらに好ましく、100g/m以下であることがさらにより好ましい。なお、紙基材の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。
紙基材は、成形加工性の観点から、密度が0.5/cm以上であることが好ましく、0.6/cm以上であることがより好ましく、そして、1.2g/cm以下であることが好ましく、1.0g/cm以下であることがより好ましい。なお、紙基材の密度は、JIS P 8118:2014に準拠して測定された紙基材の厚みと、上述した坪量から算出される。
紙基材は、均一な蒸着層を得る観点から、少なくとも蒸着層を設ける側の面の王研式平滑度が、5秒以上であることが好ましく、10秒以上であることがより好ましい。上限は、特に限定されないが、たとえば、1000秒以下であることが好ましい。また、印刷適性の観点から、紙基材は、75°光沢度が、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、そして、80%以下であることが好ましい。なお、紙基材の王研式平滑度は、JIS P 8155:2010に準拠して測定される。
<クレーコート層>
本実施形態の紙積層体は、クレーコート層を、前記紙基材と後述するアンダーコート層との間に有する。これにより、紙基材を目止めし、平滑化させることができる。これにより、均一な蒸着層を形成でき、バリア性が向上する。
前記クレーコート層は、主にクレーおよびバインダーから構成される。なお、「クレーコート層が主にクレーおよびバインダーから構成される」とは、クレーコート層中のクレーおよびバインダーの合計含有量が、たとえば50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であることを意味する。上限は、特に限定されないが、100質量%以下である。なお、クレーコート層は、クレーおよびバインダー以外に、任意の成分をさらに含んでいてもよい。
クレーコート層に含まれるクレーとしては、特に限定されないが、カオリン、タルク、マイカなどが挙げられる。クレーのアスペクト比は、10以上が好ましく、20以上がより好ましく、30以上がさらに好ましい。上限は、特に限定されないが、10000以下が好ましい。アスペクト比は、電子顕微鏡による観察やX線回折測定によって測定することができる。クレーコート層中のクレー含有量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが特に好ましく、そして、98質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることが特に好ましい。
クレーコート層に含まれるバインダーとしては、特に限定されないが、スチレン-ブタジエン系樹脂;アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル共重合体、スチレン-メタクリル共重合体等のアクリル系樹脂;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体等のオレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体;などが挙げられ、アクリル系樹脂が好ましく、スチレン-アクリル共重合体がより好ましい。クレーコート層中のバインダーの含有量は、2質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが特に好ましく、そして、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが特に好ましい。
クレーコート層の塗工量は、特に限定されないが、固形分で、5g/m以上であることが好ましく、7g/m以上であることがより好ましく、そして、30g/m以下であることが好ましく、20g/m以下であることがより好ましい。
クレーコート層の形成方法は、特に限定されないが、クレーおよび樹脂バインダーを含む分散液を紙基材上に塗工し、乾燥することで形成する方法が好ましい。
クレーおよび樹脂バインダーを含む分散液としては、水性分散液が好ましい。
<アンダーコート層>
本実施形態の紙積層体は、アンダーコート層を、前記クレーコート層と後述する蒸着層との間に有する。アンダーコート層を設けることで、蒸着層と紙基材の密着性が向上し、バリア性が向上する。
前記アンダーコート層は、主としてバインダーを含む。なお、「アンダーコート層が主としてバインダーを含む」とは、アンダーコート層中のバインダー含有量が、たとえば50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であることを意味する。上限は、特に限定されないが、100質量%以下である。なお、アンダーコート層は、バインダー以外に、任意の成分をさらに含んでいてもよい。
アンダーコート層に含まれるバインダーとしては、特に限定されないが、アルキッド樹脂;アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル共重合体、スチレン-メタクリル共重合体等のアクリル系樹脂;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体等のオレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体;ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体(エチレン変性ポリビニルアルコール)等のビニルアルコール系樹脂;セルロース系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポリエステル樹脂から選ばれる1種以上であることが好ましく、酸素バリア性のさらなる向上の観点から、ポリビニルアルコールおよびポリウレタン系樹脂から選ばれる1種以上であることがより好ましく、ポリウレタン系樹脂がさらにより好ましい。
アンダーコート層の塗工量は、特に限定されないが、固形分で、0.1g/m以上であることがより好ましく、1g/m以上であることがより好ましく、そして、10g/m以下であることが好ましく、5g/m以下であることがより好ましい。
アンダーコート層の形成方法は、特に限定されないが、バインダーの水溶液、または水性分散液等の水性媒体を塗工し、乾燥して形成することが好ましい。
アンダーコート層に含有させるバインダーとしてのポリウレタン系樹脂としては、特に限定されず、たとえば、後述するオーバーコート層に使用できるものの中から適宜選択することができる。アンダーコート層に含有させるバインダーとしてのポリウレタン系樹脂は、オーバーコート層に含有させるポリウレタン系樹脂と同一の種類であってもよいし、異なる種類であってもよいが、同一の種類であることが好ましい。
アンダーコート層に含有させるバインダーとしてのポリウレタン系樹脂としては、ポリウレタン系樹脂ディスパーションもしくはエマルションよりなる群から選ばれる1種以上であることがより好ましく、ポリウレタン系樹脂ディスパーションまたはエマルションであることがさらに好ましく、ポリウレタン系樹脂ディスパーションであることがさらにより好ましい。
すなわち、アンダーコート層に含有させるポリウレタン系樹脂は、25μm厚のシートに換算した際の23℃、50%RHにおける酸素透過度は、100ml/(m・day・atm)以下であることが好ましく、50ml/(m・day・atm)以下であることがより好ましい。このようなポリウレタン系樹脂をアンダーコート層に含有させることで、紙積層体の酸素バリア性がさらに向上する。
なお、本明細書において、酸素透過度は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、OX-TRAN2/20)を使用し、23℃、50%RHの条件にて測定される。
アンダーコート層に含有させるポリウレタン系樹脂は、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の少なくとも一方を含有することが好ましく、ポリイソシアネート由来の構成単位全量に対する、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の合計含有量が、50モル%以上であることが好ましい。このようなポリウレタン系樹脂は、水素結合およびキシリレン基同士のスタッキング効果によって高い凝集力を発現するため、優れたガスバリア性を有する。上記含有量は、H-NMRなどの公知の分析手法を用いて同定することができる。
ポリウレタン系樹脂としては、合成品を使用してもよく、たとえば、国際公開第2015/016069号に記載のポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂としては、市販品を使用してもよく、たとえば、三井化学株式会社製の「タケラックW系(商品名)」、「タケラックWPB系(商品名)」、「タケラックWS系(商品名)」等が挙げられ、具体的には、タケラックWPB-341が例示される。
<蒸着層>
本実施形態の紙積層体に用いられる蒸着層は、金属からなる層およびセラミックからなる層の少なくともいずれかである。すなわち、蒸着層は、金属からなる層、セラミックからなる層、および金属層とセラミック層の積層体のいずれであってもよい。なお、蒸着層が金属層とセラミック層との積層体である場合、金属層がアンダーコート層側であってもよく、セラミック層がアンダーコート層側であってもよく、特に限定されない。
蒸着層の厚さは、1nm以上であり、2nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、そして、1000nm以下であり、500nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。
また、蒸着層の厚さは、バリア性の観点からは、10nm以上であることが好ましく、25nm以上であることがより好ましく、そして、80nm以下であることが好ましく、70nmであることがより好ましい。
さらに、蒸着層の厚さは、他層との密着性やコストの観点からは、4nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがさらに好ましく、そして、100nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましく、60nm以下であることが特に好ましい。
蒸着層は、金属からなる層、セラミックからなる層、これらの積層体のいずれであってもよいが、金属からなる層が好ましい。
蒸着層が金属からなる層である場合、金属の具体例としては、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。これらの中でも、アルミニウムが好ましい。
蒸着層がセラミックからなる層である場合、セラミックの具体例としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。これらの中でも、酸化ケイ素、酸化アルミニウムが好ましい。
すなわち、蒸着層は、アルミニウムからなる層、酸化ケイ素からなる層、酸化チタンからなる層、酸化アルミニウムからなる層、および、これらの積層体のいずれであることがより好ましく、アルミニウムからなる層、酸化ケイ素からなる層、酸化アルミニウムからなる層、および、これらの積層体のいずれであることがさらに好ましく、アルミニウムからなる層が特に好ましい。
<オーバーコート層>
本実施形態の紙積層体は、蒸着層上に、ポリウレタン系樹脂を含むオーバーコート層を有する。本実施形態の紙積層体は、蒸着層を有することで一定のバリア性を有するが、蒸着層上にポリウレタン系樹脂を含むオーバーコート層を有することで、酸素バリア性がさらに向上しうる。また、折り曲げ等の加工により蒸着層が損傷しにくく、例え損傷しても、オーバーコート層によって酸素バリア性を担保でき、優れた酸素バリア性を維持しうる。
オーバーコート層に含有させるバインダーとしてのポリウレタン系樹脂としては、ポリウレタン系樹脂ディスパーションもしくはエマルションよりなる群から選ばれる1種以上であることがより好ましく、ポリウレタン系樹脂ディスパーションまたはエマルションであることがさらに好ましく、ポリウレタン系樹脂ディスパーションであることがさらにより好ましい。
前記オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、25μm厚のシートに換算した際の23℃、50%RHにおける酸素透過度は、100ml/(m・day・atm)以下であることが好ましく、50ml/(m・day・atm)以下であることがより好ましい。
オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の少なくとも一方を含有することが好ましく、ポリイソシアネート由来の構成単位全量に対する、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の合計含有量が、50モル%以上であることが好ましい。このようなポリウレタン系樹脂は、水素結合およびキシリレン基同士のスタッキング効果によって高い凝集力を発現するため、優れたガスバリア性を有する。
ポリウレタン系樹脂としては、合成品を使用してもよく、たとえば、国際公開第2015/016069号に記載のポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂としては、市販品を使用してもよく、たとえば、三井化学株式会社製の「タケラックW系(商品名)」、「タケラックWPB系(商品名)」、「タケラックWS系(商品名)」等が挙げられ、具体的には、タケラックWPB-341が例示される。
前記オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂のガラス転移温度は、蒸着層の保護の観点から、成膜性が高いことが重要であり、150℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましく、135℃以下であることが特に好ましい。
本実施形態の紙積層体を構成するオーバーコート層は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂や添加剤を含んでいてもよい。
オーバーコート層中のポリウレタン系樹脂の含有量は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、さらにより好ましくは99質量%以上である。上限は、特に限定されないが、100質量%以下である。
添加剤としては、界面活性剤、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、染料、可塑剤、潤滑剤、離型剤などが挙げられる。前記ポリウレタン系樹脂を水性分散液として用いる場合には、ポリウレタン系樹脂を水性媒体に分散させ、均一なオーバーコート層の膜を得るために、分散剤を用いることが好ましい。
また、本実施形態の紙積層体において、前記オーバーコート層は最外層であってもよい。オーバーコート層が最外層であっても、光沢感を有する蒸着層の意匠性を阻害しない。
また、両面に蒸着層を有する場合、その片面または両面に、オーバーコート層を有していてもよい。これらの中でも、片面にオーバーコート層を有することが好ましい。
片面にオーバーコート層を有することで、生産効率に優れる。
オーバーコート層の厚さは、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましく、0.3μm以上であることが特に好ましく、そして、10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることが特に好ましい。
オーバーコート層の厚さが0.1μm以上10μm以下であると、蒸着層に対する保護性を向上しつつ、リサイクル時の紙の離解性に優れ、リサイクル性にも優れる。
前記オーバーコート層の塗工量は、固形分で、0.1g/m以上であることが好ましく、0.2g/m以上であることがより好ましく、0.3g/m以上であることが特に好ましく、そして、10g/m以下であることが好ましく、7g/m以下であることがより好ましく、4g/m以下であることが特に好ましい。
前記オーバーコート層の形成方法は、特に制限されないが、ポリウレタン系樹脂の水溶液、または水性分散液等の水性媒体を塗工し、乾燥して形成することが好ましい。
<樹脂層>
本実施形態の紙積層体は、熱可塑性樹脂を含む樹脂層をさらに有することが好ましい。
樹脂層の厚さは、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることが特に好ましく、そして、15μm未満であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、7μm以下であることが特に好ましい。
樹脂層の厚さが1μm以上15μm未満であると、蒸着層に対する保護性を向上しつつ、リサイクル時の紙の離解性に優れ、リサイクル性にも優れる。また、本樹脂層の厚さが1μm以上15μm未満であると、紙積層体は優れたヒートシール性も有する。
また、本実施形態の紙積層体が樹脂層を有する場合において、前記樹脂層は最外層であることが好ましい。樹脂層が最外層であることによって、樹脂層にヒートシール性を付与させ、容器を形成することができる。さらに他の層の影響を受けないため、変形による外力から蒸着層を保護しやすい。そのうえ、光沢感を有する蒸着層の意匠性を阻害しない。
また、両面に蒸着層を有する場合、その片面または両面に、熱可塑性樹脂を含む樹脂層を有していてもよい。これらの中でも、片面に熱可塑性樹脂を含む樹脂層を有することが好ましい。
片面に熱可塑性樹脂を含む樹脂層を有することで、生産効率に優れ、本実施形態の紙積層体をヒートシールした場合、袋状物等を容易に作製することができる。
樹脂層を構成する樹脂は、樹脂層の形成を容易にし、蒸着層の保護を優れたものとし、ヒートシール性を付与する観点から、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、ヒートシール可能な樹脂であることが好ましく、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体等のオレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体;生分解性樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル共重合体、スチレン-メタクリル共重合体等のアクリル系樹脂;およびポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系樹脂から選ばれる1種以上であることがより好ましい。
これらの中でも、オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体、生分解性樹脂、およびポリオレフィン樹脂から選ばれる1種以上であることがさらに好ましく、オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体および生分解性樹脂から選ばれる1種以上であることがさらにより好ましく、エチレン-アクリル酸系共重合体およびポリ乳酸から選ばれる1種以上であることが特に好ましい。蒸着層の保護性の観点からは、オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体であることがさらに好ましく、リサイクル性、環境負荷の低減の観点からは、生分解性樹脂であることがさらに好ましい。
なお、本明細書においては、アクリル系樹脂には、オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体が含まれないものとする。
オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体を、水性分散液として用いる場合には、前記不飽和カルボン酸系単量体由来のカルボキシル基が、アルカリ金属水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等で一部あるいは全部中和されている塩であることが好ましい。
オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体を用いる場合、樹脂層におけるオレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体の含有量は、樹脂層の全固形分中20質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましく、70質量%以上であることがさらにより好ましく、80質量%以上であることがさらにより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、95質量%以上であることが最も好ましい。上限は、特に限定されないが、100質量%以下である。
オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体のオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン等が挙げられる。これらは、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい。中でも、エチレンが好ましい。
オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体の不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸等の不飽和カルボン酸;イタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル等の、少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和ポリカルボン酸アルキルエステル;アクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリル酸スルホエチルナトリウム塩、メタクリル酸スルホプロピルナトリウム塩等の不飽和スルホン酸単量体またはその塩;などが挙げられる。これらは、1種類であってもよいし、2種類以上を併用してもよい。
これらの中でも、不飽和カルボン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸がより好ましく、アクリル酸が特に好ましい。
すなわち、オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体としては、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体等のエチレン・アクリル酸系共重合体が好ましい。これらの中でも、エチレン・アクリル酸共重合体は入手性に優れ、水性分散液として合成することができるため、塗工および乾燥することにより、オーバーコート層上に容易に樹脂層を形成することができ、好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体は、エチレンと前記不飽和カルボン酸系単量体とを乳化重合することによって得ることが好ましい。エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体としては、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体が好ましい。本発明の効果を損なわない程度であれば、共重合体には、エチレンおよび不飽和カルボン酸系単量体と共重合可能なその他の化合物からなる単量体が共重合されていてもよい。
エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体における不飽和カルボン酸系単量体単位の含有量(不飽和カルボン酸系単量体の共重合比率)は、1モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、そして、50モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましい。エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体が不飽和カルボン酸系単量体単位としてアクリル酸単位を含有する場合、アクリル酸単位の含有量(アクリル酸の共重合比率)は、1モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、そして、50モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましい。不飽和カルボン酸系単量体単位の含有量が、1モル%以上50モル%以下であれば、溶融温度が60℃以上120℃以下となり、良好なヒートシール性を発現する優れたエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体となる。
エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体の重量平均分子量は、塗工液粘度や塗工膜の強度の観点から、1万以上であることが好ましく、10万以上であることがより好ましく、そして、1000万以下であることが好ましく、500万以下であることがより好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体の具体例としては、ザイクセン(登録商標)AC(エチレン・アクリル酸共重合体アンモニウム塩の水性分散液、融点:95℃、アクリル酸の共重合比率20モル%、住友精化株式会社製)等が挙げられる。
生分解性樹脂としては、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、およびポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)から選ばれる1種以上であることが好ましく、ポリ乳酸およびポリブチレンサクシネートから選ばれる1種以上であることがより好ましく、ポリ乳酸であることが特に好ましい。紙基材を用いた包装材料等は、樹脂フィルムからなる包装材料等と比べて環境負荷の低減という利点を有しているが、本実施形態における樹脂層として生分解性樹脂を用いることによって、より一層環境負荷を低減させることができる。
生分解性樹脂は、塗工を容易にし、環境への負荷を低減させる観点から、水性分散液を用いることが好ましく、さらに入手性の観点から、ポリ乳酸の水性分散液を用いることがより好ましい。
ポリ乳酸の具体例としては、たとえばランディPL-1000、ランディPL-3000(ポリ乳酸の水性分散液、ミヨシ油脂株式会社製)等が挙げられる。
上述したように、本実施形態における樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂は、ヒートシール可能なものであることが好ましい。したがって、樹脂層を構成する樹脂が融点を有する場合、その融点は、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましく、80℃以上であることが特に好ましく、そして、200℃以下であることが好ましく、190℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることが特に好ましい。
樹脂層がヒートシール可能であることにより、本実施形態の紙積層体のみからなる包装袋等を容易に得ることができる。また、他のシート、フィルム、容器等に融着させることで、紙積層体を包装容器本体、包装容器の蓋等として用いることができる。このようにして得られる包装袋および包装容器はバリア性に優れるものとなる。
また、前記熱可塑性樹脂の引張強度は、5MPa以上であることが好ましく、10MPa以上であることがより好ましく、そして、30MPa以下であることが好ましく、20MPa以下であることがより好ましい。引張強度は、JIS K7161に準拠して測定される。
前記熱可塑性樹脂の破断点伸びは、200%以上であることが好ましく、300%以上であることがより好ましく、そして、600%以下であることが好ましく、500%以下であることがより好ましい。破断点伸びは、JIS K7161に準拠して測定される。
本実施形態の紙積層体を構成する樹脂層は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂や添加剤を含んでいてもよい。
樹脂層中の熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、さらにより好ましくは99質量%以上である。上限は、特に限定されないが、100質量%以下である。
添加剤としては、界面活性剤、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、染料、可塑剤、潤滑剤、離型剤などが挙げられる。前記熱可塑性樹脂を水性分散液として用いる場合には、熱可塑性樹脂を水性媒体に分散させ、均一な樹脂層の膜を得るために、分散剤を用いることが好ましい。
[紙積層体の製造方法]
本実施形態の紙積層体を製造する方法に制限はないが、紙基材の少なくとも一面上に、クレーコート層、アンダーコート層、および蒸着層をこの順で有する蒸着紙に、オーバーコート層用塗工液を塗工し、乾燥して、オーバーコート層を形成する工程を含むことが好ましい。
本実施形態の紙積層体の製造方法に用いられる蒸着紙は、前記紙基材の表面にクレーコート層およびアンダーコート層を順に形成し、さらに、金属およびセラミックの少なくともいずれかを蒸着して得ることが好ましい。
クレーコート層は、クレーおよびバインダーを含む分散液を紙基材上に塗工し、乾燥することで形成することが好ましい。
アンダーコート層は、バインダーの水溶液、水性分散液等の水性媒体をクレーコート層上に塗工し、乾燥することで形成することが好ましい。
金属またはセラミックを蒸着する方法としては、アンダーコート層の表面に直接金属またはセラミックを真空蒸着する方法が好ましい。
次に、前記蒸着紙に、オーバーコート層を形成する。
オーバーコート層は前記蒸着紙の蒸着層に直接形成することが、蒸着層を効率的に保護し、バリア性を高める観点から好ましい。
オーバーコート層を形成する方法としては、オーバーコート層用塗工液を塗工し、乾燥して得ることが好ましい。
オーバーコート層用塗工液を塗工して、オーバーコート層を形成する方法を用いることによって、10μm以下の比較的薄い膜のオーバーコート層を形成することができる。このような比較的薄いオーバーコート層を形成することによって、得られる紙積層体に優れた離解性を付与することができ、リサイクル性に優れる積層体を得ることができる。
ここで用いられるオーバーコート層用塗工液は、ポリウレタン系樹脂を溶解する有機溶媒を用いた溶液、ポリウレタン系樹脂を分散する有機溶媒を用いた分散液、水性媒体を用いた分散液等が挙げられ、塗工性や環境負荷の点から、水性媒体を用いた分散液が好ましい。
オーバーコート層用塗工液を塗工する方法としては、バーコート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート法、トランスファーコート法等が挙げられ、ファウンテンコーターやスリットダイコーターのような塗工機を用いてもよい。
オーバーコート層用塗工液が塗工された塗工蒸着紙は、乾燥して有機溶媒または水性媒体を除去し、蒸着層上にオーバーコート層を有する紙積層体を得ることができる。
さらに、オーバーコート層上に、厚さ1μm以上15μm未満の熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成してもよい。
樹脂層を形成する方法としては、樹脂溶液または樹脂分散液を塗工し、乾燥して得ること、押出ラミネートすることなどが挙げられる。これらの中でも、樹脂溶液または樹脂分散液を塗工し、乾燥して得ることが好ましい。
樹脂溶液または樹脂分散液を塗工して、樹脂層を形成する方法を用いることによって、15μm未満の比較的薄い膜の樹脂層を形成することができる。このような比較的薄い樹脂層を形成することによって、得られる紙積層体に優れた離解性を付与することができ、リサイクル性に優れる積層体を得ることができる。
ここで用いられる樹脂溶液または樹脂分散液は、樹脂を溶解する有機溶媒を用いた溶液、樹脂を分散する有機溶媒を用いた分散液、水性媒体を用いた分散液等が挙げられ、塗工性や環境負荷の点から、水性媒体を用いた分散液が好ましい。
樹脂溶液あるいは樹脂分散液を塗工する方法としては、バーコート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート法、トランスファーコート法等が挙げられ、ファウンテンコーターやスリットダイコーターのような塗工機を用いてもよい。
樹脂溶液あるいは樹脂分散液が塗工された紙積層体は、乾燥して有機溶媒または水性媒体を除去し、オーバーコート層上に熱可塑性樹脂からなる樹脂層を有する紙積層体を得ることができる。
[紙積層体の物性]
本実施形態の紙積層体の厚さは、20μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、そして、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましい。
本実施形態の紙積層体の折り曲げ前の酸素透過度は、1.0ml/(m・day・atm)以下であることが好ましく、0.5ml/(m・day・atm)以下であることがより好ましい(下限:0ml/(m・day・atm))。なお、紙積層体の折り曲げ前の酸素透過度は、実施例に記載された方法により測定される。
本実施形態の紙積層体の折り曲げ後の酸素透過度は、5.0ml/(m・day・atm)以下であることが好ましく、1.0ml/(m・day・atm)以下であることがより好ましい(下限:0ml/(m・day・atm))。なお、紙積層体の折り曲げ後の酸素透過度は、実施例に記載された方法により測定される。
本実施形態の紙積層体の折り曲げ前の水蒸気透過度は、1.0g/(m・day)以下であることが好ましく、0.7g/(m・day)以下であることがより好ましい(下限:0g/(m・day))。なお、紙積層体の折り曲げ前の水蒸気透過度は、実施例に記載された方法により測定される。
本実施形態の紙積層体の折り曲げ後の水蒸気透過度は、10.0g/(m・day)以下であることが好ましく、5.0g/(m・day)以下であることがより好ましい(下限:0g/(m・day))。なお、紙積層体の折り曲げ後の水蒸気透過度は、実施例に記載された方法により測定される。
[紙積層体の用途]
本実施形態の紙積層体は、上記の優れた水蒸気バリア性およびガスバリア性を活かして、コーヒー、菓子、牛乳等の食品、医薬品、医療品、電子部品等の包装用材料として好適に用いることができる。これらの中でも、加工への耐性を有することから、軟包装用材料、重袋用の紙容器、ミルクカートン等の包装容器に好適に用いることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
[紙積層体(1)の製造]
カオリン(イメリス社製、Contour Xtreme、アスペクト比33)80質量部と、スチレン-アクリル共重合体バインダー(BASF社製、JONCRYL HSL-9012)20質量部(固形分)と、を混合し、クレーコート層用塗布液を調製した。片艶紙(王子マテリア株式会社製、坪量65g/m、厚さ62μm、密度0.76g/m、JIS P 8121-2:2012に準じて測定した離解フリーネス(濾水度)370ml、JIS P 8122:2004に準ずるステキヒトサイズ度9秒、75°光沢度70%、一方の面の王研式平滑度427秒、他方の面の王研式平滑度17秒)の王研式平滑度17秒である面上に、上記クレーコート層用塗布液をメイヤーバー塗工し、120℃で1分乾燥して、クレーコート層(10g/m)を形成した。次に、上記クレーコート層上に、25μm厚の酸素透過度(23℃、50%RH)が2.0ml/(m・day・atm)であるポリウレタン系樹脂バインダーの水性分散液(三井化学株式会社製、タケラックWPB-341:ガラス転移温度130℃)をメイヤーバー塗工し、120℃で1分乾燥して、アンダーコート層(2g/m)を形成した。次に、上記アンダーコート層上に、アルミニウム蒸着層(厚さ50nm)を形成し、アルミニウム蒸着紙を得た。
上記アルミニウム蒸着紙に25μm厚シートの酸素透過度(23℃、50%RH)が2.0ml/(m・day・atm)であるポリウレタン系樹脂バインダーの水性分散液(三井化学株式会社製、タケラックWPB-341)をメイヤーバー塗工し、120℃で1分乾燥して、オーバーコート層(0.5g/m、厚さ:0.5μm)を形成した。更にオーバーコート層の上にエチレン・アクリル酸共重合体アンモニウム塩の水性分散液(有効分29.2質量%、ザイクセンAC、アクリル酸の共重合比率20モル%、融点:95℃、住友精化株式会社製)を有効分が20質量%となるように水で希釈し、メイヤーバー塗工した後に120℃で1分間乾燥して樹脂層とし、紙積層体(1)を得た。樹脂層の厚さは5μmであった。なお、アンダーコート層およびオーバーコート層に使用したポリウレタン系樹脂について、H-NMR測定を行ったところ、ポリイソシアネート由来の構成単位全量に対するメタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の含有量は、50モル%以上であった。
得られた紙積層体(1)の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
[紙積層体(2)の製造]
オーバーコート層の上に樹脂層を塗布しないこと以外は実施例1と同様にして、紙積層体(2)を得た。
得られた紙積層体(2)の評価結果を表1に示す。
[実施例3]
[紙積層体(3)の製造]
オーバーコート層の塗布量を0.5g/m(厚さ:0.5μm)から3.0g/m(厚さ:3.0μm)に変更したこと以外は実施例2と同様にして、紙積層体(3)を得た。
得られた紙積層体(3)の評価結果を表1に示す。
[実施例4]
[紙積層体(4)の製造]
エチレン・アクリル酸共重合体アンモニウム塩の水性分散液(ザイクセンAC、住友精化株式会社製)を用いて樹脂層を形成する代わりに、ポリ乳酸(融点:170℃)の水性分散液(ランディPL-3000、ミヨシ油脂株式会社製)を用いて樹脂層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、紙積層体(4)を得た。
得られた紙積層体(4)の評価結果を表1に示す。
[実施例5]
[紙積層体(5)の製造]
エチレン・アクリル酸共重合体アンモニウム塩の水性分散液(ザイクセンAC、住友精化株式会社製)を用いて樹脂層を形成する代わりに、低密度ポリエチレン(融点:130℃)(日本ポリエチレン株式会社製)を坪量13g/m(厚さ14μm)になるように押出ラミネートして樹脂層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、紙積層体(5)を得た。
得られた紙積層体(5)の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
[紙積層体(6)の製造]
ポリウレタン系樹脂バインダーの水性分散液(三井化学株式会社製、タケラックWPB-341)を用いてオーバーコート層を形成する代わりに、エチレン・アクリル酸共重合体アンモニウム塩の水性分散液(ザイクセンAC、住友精化株式会社製)を用いてオーバーコート層を形成したこと以外は、実施例2と同様にして、紙積層体(6)を得た。
得られた紙積層体(6)の評価結果を表1に示す。
[比較例2]
[紙積層体(7)の製造]
オーバーコート層を設けなかったこと以外は実施例2と同様にして紙積層体(7)を得た。
得られた紙積層体(7)の評価結果を表1に示す。
[比較例3]
[紙積層体(8)の製造]
ポリウレタン系樹脂バインダーの水性分散液(三井化学株式会社製、タケラックWPB-341)を用いてアンダーコート層を形成する代わりに、エチレン・アクリル酸共重合体アンモニウム塩の水性分散液(ザイクセンAC、住友精化株式会社製)を用いてアンダーコート層を形成したこと以外は、比較例1と同様にして、紙積層体(8)を得た。
得られた紙積層体(8)の評価結果を表1に示す。
[評価]
[酸素透過度]
酸素透過率測定装置(MOCON社製、OX-TRAN2/20)を使用し、温度23℃、相対湿度50%の条件にて、紙積層体の酸素透過度を測定した。酸素透過度の値は低いほど酸素バリア性に優れる。
また、加工耐性の評価として、折り曲げ後の酸素透過度も測定した。折り曲げ方法は、紙積層体を一度折り曲げた後(折り目の角度180°)に開き、折れ線と垂直になる線で再度折り曲げた後(折り目の角度180°)に開き、前記酸素透過率測定装置の測定部の中央に、折れ線の交点が来るようにして酸素透過度を測定した。
[水蒸気透過度]
JIS Z 0208:1976(カップ法)B法(温度40℃±0.5℃、相対湿度90%±2%)に準拠して、紙積層体のオーバーコート層または蒸着紙の蒸着層が内側(低湿度側)に来るように配置して、水蒸気透過性を測定した。水蒸気透過度の値は低いほど水蒸気バリア性に優れる。
また、加工耐性の評価として、折り曲げ後の水蒸気透過度も測定した。折り曲げ方法は、紙積層体または蒸着紙を一度折り曲げた後(折り目の角度180°)に開き、折れ線と垂直になる線で再度折り曲げた後(折り目の角度180°)に開き、測定部の中央に、折れ線の交点が来るようにして水蒸気透過度を測定した。
[ヒートシール性]
実施例1,4,5の各々において、紙積層体2枚を樹脂層が向き合うように重ね、ヒートシールテスタ(TP-701-B、テスター産業株式会社製)を用いて130℃、0.5MPa、30秒の条件でヒートシールし、ヒートシール性を評価した。その結果、実施例1,4,5のいずれでも、融着し、ヒートシールされ、良好なヒートシール性が得られた。
Figure 2022084283000001
実施例1~5の紙積層体では、比較例1,3の紙積層体および比較例2の蒸着紙に比べ、折り曲げ後も酸素透過度、水蒸気透過度ともに低い値を維持しており、包装袋や包装容器に用いる際の折り曲げ加工等を行ったとしても、高いバリア性を維持できることがわかる。

Claims (20)

  1. 紙基材の少なくとも一面上に、クレーコート層、アンダーコート層、蒸着層およびオーバーコート層をこの順で有し、
    前記蒸着層は、金属からなる層およびセラミックからなる層の少なくともいずれかであり、厚さが1nm以上1000nm以下であり、
    前記オーバーコート層は、ポリウレタン系樹脂を含む、紙積層体。
  2. 前記オーバーコート層の厚さが0.1μm以上10μm以下である、請求項1に記載の紙積層体。
  3. 前記オーバーコート層の塗工量が、固形分で、0.1g/m以上10g/m以下である、請求項1または2に記載の紙積層体。
  4. 前記オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、25μm厚のシートに換算した際の23℃、50%RHにおける酸素透過度が、100ml/(m・day・atm)以下である、請求項1~3のいずれかに記載の紙積層体。
  5. 前記オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の少なくとも一方を含有する、請求項1~4のいずれかに記載の紙積層体。
  6. 前記オーバーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート由来の構成単位全量に対する、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の合計含有量が、50モル%以上である、請求項5に記載の紙積層体。
  7. 前記クレーコート層の塗工量が、固形分で、5g/m以上30g/m以下である、請求項1~6のいずれかに記載の紙積層体。
  8. 前記アンダーコート層の塗工量が、固形分で、0.1g/m以上10g/m以下である、請求項1~7のいずれかに記載の紙積層体。
  9. 前記アンダーコート層が、主としてバインダーを含み、前記バインダーに含まれる樹脂が、ビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポリエステル樹脂から選ばれる1種以上である、請求項1~8のいずれかに記載の紙積層体。
  10. 前記アンダーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、25μm厚のシートに換算した際の23℃、50%RHにおける酸素透過度が、100ml/(m・day・atm)以下である、請求項9に記載の紙積層体。
  11. 前記アンダーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の少なくとも一方を含有する、請求項9または10に記載の紙積層体。
  12. 前記アンダーコート層に含まれるポリウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート由来の構成単位全量に対する、メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位および水添メタキシリレンジイソシアネート由来の構成単位の合計含有量が、50モル%以上である、請求項11に記載の紙積層体。
  13. 前記紙基材の坪量が20g/m以上500g/m以下である、請求項1~12のいずれかに記載の紙積層体。
  14. 前記蒸着層が、アルミニウムからなる層、酸化ケイ素からなる層、および酸化アルミニウムからなる層の少なくともいずれかである、請求項1~13のいずれかに記載の紙積層体。
  15. 前記オーバーコート層の表面上に、厚さ1μm以上15μm未満の熱可塑性樹脂を含む樹脂層をさらに有する、請求項1~14のいずれかに記載の紙積層体。
  16. 前記熱可塑性樹脂が、ヒートシール可能な樹脂である、請求項15に記載の紙積層体。
  17. 前記熱可塑性樹脂が、オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体、生分解性樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、およびビニルアルコール系樹脂から選ばれる1種以上である、請求項15または16に記載の紙積層体。
  18. 前記熱可塑性樹脂が、オレフィン・不飽和カルボン酸系共重合体である、請求項17に記載の紙積層体。
  19. 前記アンダーコート層および前記オーバーコート層は、水性媒体を用いて形成されてなる、請求項1~18のいずれかに記載の紙積層体。
  20. 紙基材の少なくとも一面上に、クレーコート層、アンダーコート層、および蒸着層をこの順で有する蒸着紙に、オーバーコート層用塗工液を塗工し、乾燥して、オーバーコート層を形成する工程を含む紙積層体の製造方法であって、
    前記蒸着層は、金属からなる層およびセラミックからなる層の少なくともいずれかであり、厚さが1nm以上1000nm以下であり、
    前記オーバーコート層用塗工液はポリウレタン系樹脂を含む、紙積層体の製造方法。
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