JP2022081874A - 手指消毒剤用エアゾール製品 - Google Patents

手指消毒剤用エアゾール製品 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素数1~3の低級アルコールを含有する消毒剤に関するエアゾール製品について、細菌、カビ等を死滅させることができ、さらに、台所、食卓など身近に火気が存在し、引火したとしても火元から燃え広がりにくい手指消毒剤用エアゾール製品を提供することを目的とする。【解決手段】外装容器と、前記外装容器に収容される、20w/v%~65w/v%の炭素数1~3の低級アルコールを含有する手指消毒剤と、前記外装容器に充填される不燃性圧縮気体を備え、前記手指消毒剤を噴霧する噴霧口から15cm離れた位置に点火したバーナーを静置し、バーナーの炎の上部3分の1を通過するようにして、前記手指消毒剤を前記噴霧口から噴霧したとき、バーナーの炎に引火して、噴霧した下流方向に沿って延びるバーナーの炎の長さである火炎長が0~20cmである手指消毒剤用エアゾール製品により解決することができた。【選択図】図1

Description

本件発明は、使用者の手や指に付着した細菌、カビ等を死滅させるための消毒剤を内包するエアゾール製品に関する。
従来、使用者の手や指に付着した細菌、カビ等を死滅させるために、有効成分としてエタノールなどを配合した消毒剤が知られている。
例えば、特許文献1には、実施例1において、エアゾール耐圧容器に、塩化ベンゼトニウム、99%イソプロピルアルコール、グリセリン、精製水からなる原液を入れ、噴射剤として炭酸ガスを充填したエアゾール製品、実施例2において、エアゾール耐圧容器に、塩化ベンザルコニウム、99%エタノール、精製水からなる原液を入れ、噴射剤として炭酸ガスを充填したエアゾール製品が開示されている。
特開平6-327750号公報
しかしながら、特許文献1のエアゾール製品において、消毒剤の原液を噴霧口から噴霧して使用者の手指に付着させるときに、噴霧口から手指までの途中で少々揮発しても十分な殺菌消毒性を付与するために、高配合のイソプロピルアルコールやエタノールなどの低級アルコールが噴霧されると、そのような低級アルコールは引火性の液体であるために身近に火気が存在すると引火して火元から燃え広がり、火事となる恐れがあった。とりわけ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広まって以降、消毒に対する世の中の意識が高くなり、台所、食卓などの火気が存在する場所においても頻繁に使用されていることから、イソプロピルアルコールやエタノールなどの低級アルコールを含有する消毒剤の使用によって生じる引火による延焼が懸念されている。
その一方で、引火の懸念を危惧するあまり、イソプロピルアルコールやエタノールなどの低級アルコールの含有量が少なすぎると、そもそも細菌、カビ等を死滅させることができないので、消毒剤としての用をなさない。
そこで、本件発明では、炭素数1~3の低級アルコールを含有する消毒剤に関するエアゾール製品について、細菌、カビ等を死滅させることができ、さらに、台所、食卓など身近に火気が存在し、引火したとしても火元から燃え広がりにくく火事を引き起こしにくい手指消毒剤用エアゾール製品を提供することを目的とする。
〔1〕すなわち、本発明は、外装容器と、前記外装容器に収容される、20w/v%~65w/v%の炭素数1~3の低級アルコールを含有する手指消毒剤と、前記外装容器に充填される不燃性圧縮気体を備え、前記手指消毒剤を噴霧する噴霧口から15cm離れた位置に点火したバーナーを静置し、バーナーの炎の上部3分の1を通過するようにして、前記手指消毒剤を前記噴霧口から噴霧したとき、バーナーの炎に引火して、噴霧した下流方向に沿って延びるバーナーの炎の長さである火炎長が0~20cmであることを特徴とする手指消毒剤用エアゾール製品である。
〔2〕そして、前記手指消毒剤が、第四級アンモニウム塩を含有することを特徴とする前記〔1〕に記載の手指消毒剤用エアゾール製品である。
〔3〕そして、前記手指消毒剤が、酸、前記酸に対応する塩、水を含有し、25℃におけるpHが3.0~5.0であることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の手指消毒剤用エアゾール製品である。
〔4〕そして、前記不燃性圧縮気体が、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ヘリウム、アルゴンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記〔1〕から前記〔3〕のいずれかに記載の手指消毒剤用エアゾール製品である。
本件発明によれば、炭素数1~3の低級アルコールを含有する消毒剤に関するエアゾール製品について、細菌、カビ等を死滅させることができ、さらに、台所、食卓など身近に火気が存在し、引火したとしても火元から燃え広がりにくく火事を引き起こしにくいようにすることができる。
本発明の第一実施形態における手指消毒剤用エアゾール製品における中央断面図である。 本発明の第二実施形態における手指消毒剤用エアゾール製品における中央断面図である。
以下、本件発明の手指消毒剤用エアゾール製品に関する実施形態について詳しく説明する。なお、説明中における範囲を示す表記「~」のある場合は、上限と下限を含有するものである。
外装容器1は、本発明の手指消毒剤用エアゾール製品において、使用者から視認することができる最も外側に位置し、内部に手指消毒剤2を収容する部材である。外装容器1の内部に不燃性圧縮気体を充填することから、アルミ合金などの金属、所定厚みを有する合成樹脂など所定の圧力以下では破断しないように耐圧性を有している。本実施形態において、外装容器1は、上部に開口を有する中空の有底円筒状である。その上部の開口は、図1に示すように、マウンティングカップ3によって封止される。また、後述する手指消毒剤2において、25℃におけるpHが3.0~5.0である酸性であるときには、外装容器1が腐食による穴あきなどが生じないようにするために、手指消毒剤2と接触する外装容器1の内側には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどのポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂によって所定の厚みで塗布されコーティング層を有していることが好ましい。
次に、外装容器1に内包される手指消毒剤2について説明する。
本発明における炭素数1~3の低級アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの分子中における炭素数が1個から3個のアルコールである。当該低級アルコールを用いることにより、細菌やカビ等の細胞膜を破壊することにより死滅させて、それらを原因とする病気など人体への害を予防することができる。また、ウイルスに対しても、ウイルスのエンベロープの破壊並びに酵素等のたんぱく質の凝固によりウイルスを死滅させることができる。
炭素数1~3の低級アルコールの手指消毒剤2における含有割合としては、20w/v%~65w/v%であることが好ましく、そして25~63w/v%であることがより好ましい。炭素数1~3の低級アルコールの含有割合がこの範囲であると、細菌、カビやウイルス等を死滅、不活化させることがき、さらには酸との組み合わせによりウイルスに対してより効果を発揮することができる。なお、濃度の表記については、100mLあたりのグラム数(g)の割合である。
本発明の手指消毒剤2において第四級アンモニウム塩を配合することができる。当該第四級アンモニウム塩は、一般的に化学式N+RX-(R:アルキル基,X-:塩化物イオンなど)で表されるように、第四級アンモニウムイオンとカウンターアニオンとからなる化合物である。第四級アンモニウム塩としては、具体的に、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ヘキサドデシルトリメチリアンモニウム、臭化テトラアンモニウムなどが好ましい。これらの第四級アンモニウム塩は単独して使用することができるが、二種以上組み合わせて使用されてもよい。このように、第四級アンモニウム塩が含まれることによって、細菌やカビなどの細胞膜が破壊されやすくなり、それらを死滅させることができる。さらには、コロナウイルス(とりわけCOVID-19)、インフルエンザウイルス、エボラウイルス、ヒト免疫不全ウイルスなどのエンベロープを有するRNAウイルスやヘルペスウイルス、天然痘ウイルスなどのエンベロープを有するDNAウイルスに対して、エンベロープが破壊されやすくなり、不活化することができる。
第四級アンモニウム塩の含有割合は、手指消毒剤2のうち、0.01w/v%~2.0w/v%が好ましく、0.03w/v%~1.0w/v%がさらに好ましい。第四級アンモニウム塩の含有割合がこの範囲にあると、細菌等の細胞膜が破壊されやすくなる。
本発明の手指消毒剤2において酸を配合することができる。当該酸は、エタノールや第四級アンモニウム塩等と併存することにより、核酸を保護するカプシドを破壊することで、エタノールや第四級アンモニウム塩等の細胞への浸透を促進させ、さらにはエンベロープの有無を問わず幅広いRNAウイルス及びDNAウイルスに対しても不活化などの効力を増強させる成分である。
酸としては、具体的に、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、ホウ酸、乳酸、ギ酸、シュウ酸、プロピオン酸などの有機酸や、リン酸、硫酸などの無機酸が好ましい。これらの酸は単独して使用することができるが、二種以上組み合わせて使用されてもよい。
酸の含有割合は、手指消毒剤2のうち、0.1w/v%~3.0w/v%が好ましく、0.2w/v%~2.5w/v%がさらに好ましい。酸の含有割合がこの範囲にあると、ウイルスの不活化、菌の死滅などの効力を奏することができる。
本発明の手指消毒剤2において、前記酸の塩を配合することができる。前記酸の塩は、上述した有機酸や無機酸に対応する塩である。具体的には、例えば、酸としてクエン酸を用いているときはクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウムなどの塩であり、リンゴ酸を用いているときはリンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、リンゴ酸カルシウムなどの塩であり、リン酸を用いているときはリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウムなどの塩である。このように、前記酸に対応する塩が含まれることによって、手指消毒剤2が所定範囲のpHとなるとともに、手指消毒剤2において炭素数1~3の低級アルコールや水が長く使用して少々揮発したとしても、pHの大きな変動が抑制されるため、使用者は所定範囲の液性にて使用することができる。
前記酸の塩の含有割合は、手指消毒剤2のうち0.1w/v%~3.0w/v%が好ましく、0.2w/v%~2.5w/v%がさらに好ましい。前記酸の塩の含有割合がこの範囲にあると、手指消毒剤2のpHを所定の範囲に保つことができる。
本発明の水は、炭素数1~3の低級アルコール、酸、前記酸の塩、第四級アンモニウム塩を均一な溶液とするための溶媒である。具体的に、水としては、日本薬局方規格の水が好ましく、例えば、水道水、井戸水などである常水、そして、蒸留、イオン交換膜によるイオン交換処理、限外ろ過膜による限外ろ過処理のいずれか、またはそれらの組み合わせにより常水を処理した精製水、そして、加熱等により精製水を滅菌処理した滅菌精製水などが好ましい。そして、水の配合割合は、本発明に用いられる炭素数1~3の低級アルコール、酸、前記酸の塩、第四級アンモニウム塩などを除く残余であり、30w/v%~75w/v%であることが好ましく、32w/v%~65w/v%であることが好ましい。
手指消毒剤2には、上記した成分の他に、必要に応じて、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビットなどの多価アルコールやヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウムなどの多糖類又はその塩である保湿剤、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの増粘剤、香料、色素などを配合することもできる。例えば、保湿剤を添加することでさらに肌荒れを防止することができる。
上述した成分が配合されている手指消毒剤2は、酸性・アルカリ性の程度を示す液性として、25℃におけるpHが3.0~5.0であることが好ましく、3.0~4.0であることがさらに好ましい。手指消毒剤2のpHがこの範囲であると、細菌の死滅や各種ウイルスの不活化に効果を奏する。
このようにして配合された手指消毒剤2は、噴霧口71から噴霧されたとき、噴霧口71から20cmにおける平均粒子径が15~150μmであることが好ましく、さらに20~120μmであることがより好ましい。平均粒子径がこの範囲であると、エアゾール製品の噴霧口71から噴霧して使用者の手指に付着したときに、途中で炭素数1~3の低級アルコールが揮発したとしても十分な殺菌消毒性を呈するとともに、過分の炭素数1~3の低級アルコールが含まれていないためもし身近に存在する火気に引火しても火元から燃え広がりにくいようにすることができる。なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって計測されることが好ましい。
本発明の不燃性圧縮気体は、手指消毒剤2とともに外装容器1に充填され、通常使用される10~30℃程度の常温において、火気により引火及び燃焼が起きず、外装容器1内にて大気圧より高い圧力の状態である気体である。第一実施形態においては、後述するアクチュエータ7が押されることにより、手指消毒剤2とともに不燃性圧縮気体が外部へ排出されることとなり、第二実施形態においては、袋体11を押圧することとなる。具体的に、不燃性圧縮気体は、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ヘリウム、アルゴンから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。不燃性圧縮気体がこれらの気体であると、噴霧口71から排出されたとしても使用者の近くに火気が存在していても引火等しないために、本発明の手指消毒剤用エアゾール製品を安全に使用することができる。
また、手指消毒剤2とともに外装容器1に充填されている不燃性圧縮気体の圧力としては、35℃において0.10MPa以上1.0MPa未満であることが好ましく、0.2~0.9MPaであることがより好ましく、0.6~0.85MPaであることが最も好ましい。不燃性圧縮気体の圧力がこの範囲であると、不燃性圧縮気体により手指消毒剤2が円滑に排出される。
当該エアゾール製品は、第一実施形態において、図1に示すように、外装容器1、手指消毒剤2、マウンティングカップ3、ステム4、弾性バネ5、チューブ6、アクチュエータ7などから構成されている。外装容器1に収容されている手指消毒剤2と不燃性圧縮気体は、外装容器1の外部より圧力が高くなっている。このため、アクチュエータ7が押下されると、弾性バネ5が付勢力に抗ってステム4も押下されることにより、ステム孔41が袋体11の内部と連通し、袋体11を介して手指消毒剤2と不燃性圧縮気体が、チューブ6、ステム4を通じてアクチュエータ7の噴霧口71から外部に排出される。また、アクチュエータ7の噴霧口71の口径は、0.05~1mmであることが好ましく、0.1~0.7mmであることがより好ましく、0.2~0.4mmであることが最も好ましい。噴霧口71の口径がこの範囲であると、不燃性圧縮気体により手指消毒剤2が霧状に排出される。
また、当該エアゾール製品は、第二実施形態において、図2に示すように、外装容器1に袋体11が収容され、手指消毒剤2は袋体11に内包されている。袋体11は、可撓性を有する部材である。袋体11が外装容器1に収容されていることにより、袋体11に内包されている手指消毒剤2が直接外装容器1に当接しないために、手指消毒剤2が酸を含有し酸性を示すときなどにおいて外装容器1の腐食を防止することができ、また、外装容器1と袋体11の間の空間に充填されている不燃性圧縮気体によって常に押圧されているため、袋体11に内包されている手指消毒剤2を最後まで使いきることができ、当該エアゾール製品を図1の状態から上下逆さまにして、アクチュエータ7が下になるようにして噴霧しても手指消毒剤2が円滑に排出されるという作用効果を奏する。また、袋体11に内包されている手指消毒剤2が酸性であるとき、常圧より高い圧力で保存されていることから、袋体11の劣化や破損が懸念されるところ、袋体11としては、少なくとも手指消毒剤2と当接する面において、加水分解されないようにポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどのポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂であることが好ましく、ポリエチレンの中でも比重が0.92~0.96であって、JIS K7191-3などで定められる荷重たわみ温度が130℃以下である高密度ポリエチレンであることがより好ましい。また、上記のポリオレフィン、フッ素樹脂は、共重合体として形成されてもよいのはもちろんである。そして、不燃性圧縮気体が袋体11に流入しないように、或いは、内包されている手指消毒剤2が袋体11から空間Sへ漏洩しないように、上述したポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンやフッ素樹脂の外側に、他の合成樹脂やアルミなどの金属、二酸化ケイ素、三酸化アルミなどの酸化金属などを積層して2層以上の複数層のフィルムとしてもよい。
そして、第二実施形態のエアゾール製品においては、第一実施形態と同様に、手指消毒剤2、マウンティングカップ3、ステム4、弾性バネ5、チューブ6、アクチュエータ7などから構成されている。外装容器1に収容されている袋体11は、外装容器1と袋体11の間の空間Sに充填されている不燃性圧縮気体に常に押圧されている。このため、アクチュエータ7が押下されると、弾性バネ5が付勢力に抗ってステム4も押下されることにより、ステム孔41が袋体11の内部と連通し、袋体11を介して不燃性圧縮気体に押圧されている手指消毒剤2が、チューブ6、ステム4を通じてアクチュエータ7の噴射口71から外部に排出される。また、第一実施形態と同様に、アクチュエータ7の噴霧口71の口径は、0.05~1mmであることが好ましく、0.1~0.7mmであることがより好ましく、0.2~0.4mmであることが最も好ましい。
以下、本件発明における手指消毒剤2について具体的に説明する。なお、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
20℃の室温中において、容量が200mlのグリフィンビーカーに、炭素数1~3の低級アルコールとしてエタノールを20g、酸としてリン酸を0.5g、前記酸に対応する塩としてリン酸三ナトリウムを0.25g、第四級アンモニウム塩として濃ベンザルコニウム塩化物液50を0.1g(塩化ベンザルコニウムとして0.05g)、保湿剤としてグリセリンを0.2g、そして、残余として精製水を加え、攪拌し、合計100mlの手指消毒剤を得た。
<実施例2~5、比較例1~2>
処方2~5は、炭素数1~3の低級アルコールと、必要に応じて、酸、前記酸に対応する塩、第四級アンモニウム塩を、それぞれ表1に示したように処方し、実施例1と同様にして、合計100mlの手指消毒剤を得た。
Figure 2022081874000002
そして、上述した手指消毒剤2を外装容器1に入れ、内圧が0.8MPaとなるように不燃性圧縮気体として窒素を封入し、噴霧口の口径が0.3mmであるアクチュエータ7を取り付けて、第二実施形態におけるエアゾール製品を作製した。このようにして得られた手指消毒剤2を内包するエアゾール製品について、以下の評価方法において性能が確認された。なお、第二実施形態におけるエアゾール製品においても同様に作製し評価することができる。
〔殺菌消毒性試験〕
殺菌消毒性について、エアゾール製品から噴霧した手指消毒剤2における大腸菌及びブドウ球菌に対する効果を確認した。具体的には、まず、エアゾール製品の使用時に手指に噴霧することを想定して、噴霧口71から20cm離れた位置で、シャーレ内の平板培地に塗抹した約105個の菌に対して、噴霧口71の口径が異なる種々のアクチュエータ7を所定の力で押下して約1秒間噴霧した。そして、それぞれの培地を35℃で約8時間培養し、菌数を計測した。培地に塗抹した当初の菌数に対して、手指消毒剤2と接触したことにより死滅した菌数の割合が99.9%以上の効力であったものを「◎」と評価し、99%以上99.9%未満の効力であったものを「○」と評価し、99%未満の効力であったものを「×」と評価した。このとき、「◎」と「○」を十分に殺菌消毒性があるとして優良と、「×」を殺菌消毒性が不十分として不良と判断した。
〔火炎長試験〕
一般社団法人日本エアゾール協会による「「エアゾール等試験検査要領」に係る自主基準規定」(平成29年4月25日改訂)における噴霧状の火炎長の試験に準じて、エアゾール製品の噴霧口71から15cm離れた位置に点火したバーナーを静置し、バーナーの炎の上部3分の1を通過するようにして、アクチュエータ7を所定の力で押下してエアゾール製品の噴霧口71から手指消毒剤2を噴霧する。このとき、バーナーの炎に引火して、噴霧した下流方向に沿ってバーナーの炎から延びる引火炎の長さを計測した。炎は常に揺れ動いていることとから、5cm間隔の目印を背景にしてその範囲に収まっているかを計測しており、表1において、バーナーの炎から延びる引火炎の長さが0cm以上5cm未満のものを「0-5」、5cm以上10cm未満のものを「5-10」、10cm以上15cm未満のものを「10-15」、なとどとそれぞれ表記している。バーナーの炎から延びる引火炎の長さが5cm未満であったものを「◎」と評価し、5cm以上20cm未満のものを「○」と評価し、20cm以上のものを「×」と評価した。このとき、「◎」と「○」を火元から燃え広がりにくいとして優良と、「×」を火元から燃え広がりやすいとして不良と判断した。手指消毒剤2が噴霧されたときにおける火炎長試験の結果を表1に示す。
これらの殺菌消毒性試験及び火炎長試験の結果を受けた総合評価として、各処方について、殺菌消毒性試験及び火炎長試験において共に「◎」又は「○」の評価のものを実際に使用し得るものとして「○」と評価し、一方でも「×」の評価のものを実際に使用することができないとして「×」と評価した。
表1に示すように、実施例1から実施例5のエアゾール製品は、噴霧中にエタノールが揮発することはあっても所定距離離れた大腸菌やブドウ球菌といった細菌に対して殺菌消毒性を示すとともに、火元であるバーナーの炎から延びる引火炎の長さが20cm未満であり引火しても燃え広がりにくいことが分かり、実際に使用し得るものであった。しかしながら、比較例1のエアゾール製品は、エタノールが所定量未満であると火炎長は非常に短く延焼するおそれは極めて低いものの、エタノールの含有割合が低くさらに噴霧中にエタノールが揮発するなどの影響もあり、殺菌消毒性が十分ではなく、実際に使用することは困難であった。また、及び比較例2のエアゾール製品は、エタノールが所定量より多いと、殺菌消毒性が十分ではあったが、火炎長は長くなり延焼するおそれが高いものとなり、実際に使用することは困難であった。
1・・・外装容器
11・・・袋体
2・・・手指消毒剤
3・・・マウンティングカップ
4・・・ステム
41・・・ステム孔
5・・・弾性バネ
6・・・チューブ
7・・・アクチュエータ
71・・・噴霧口
S・・・空間

Claims (4)

  1. 外装容器と、
    前記外装容器に収容される、20w/v%~65w/v%の炭素数1~3の低級アルコールを含有する手指消毒剤と、
    前記外装容器に充填される不燃性圧縮気体を備え、
    前記手指消毒剤を噴霧する噴霧口から15cm離れた位置に点火したバーナーを静置し、バーナーの炎の上部3分の1を通過するようにして、前記手指消毒剤を前記噴霧口から噴霧したとき、バーナーの炎に引火して、噴霧した下流方向に沿って延びるバーナーの炎の長さである火炎長が0~20cmであることを特徴とする手指消毒剤用エアゾール製品。
  2. 前記手指消毒剤が、第四級アンモニウム塩を含有することを特徴とする請求項1に記載の手指消毒剤用エアゾール製品。
  3. 前記手指消毒剤が、酸、前記酸に対応する塩、水を含有し、25℃におけるpHが3.0~5.0であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の手指消毒剤用エアゾール製品。
  4. 前記不燃性圧縮気体が、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ヘリウム、アルゴンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の手指消毒剤用エアゾール製品。
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