JP2022076750A - 情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の点検情報を作成できるようにする。【解決手段】情報処理システムは、第一の損傷情報を作成し、第一の損傷情報に基づいて第一の点検情報を作成する。点検の専門家は、第一の損傷情報と第一の点検情報とを確認して、第一の点検情報を修正する。この修正情報を目標点検情報として、情報処理システムは、目標点検情報と類似する点検情報を作成することができる損傷情報を作成し、これを第二の損傷情報として出力する。【選択図】図2
Description
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
従来、インフラ構造物などの点検を効率化するために、情報処理装置によって、構造物の画像からの損傷情報の作成と、損傷情報を用いた点検情報の作成とを自動化する技術があった。特許文献1では、路面の撮影画像からひび割れを検知し、ひび割れの検知結果を用いて路面の所定領域中のひび割れ面積率を算出する方法が開示されている。
一方、情報処理装置が作成した損傷情報と点検情報との結果は、必ずしも正しい結果となっているとは限らない。従って、情報処理装置が出力した結果を、点検の専門家が確認して、必要に応じて修正する必要があった。前述の特許文献1では、情報処理装置が検知したひび割れを、点検の専門家が修正するための機能を備えている情報処理装置が開示されている。
一方、情報処理装置が作成した損傷情報と点検情報との結果は、必ずしも正しい結果となっているとは限らない。従って、情報処理装置が出力した結果を、点検の専門家が確認して、必要に応じて修正する必要があった。前述の特許文献1では、情報処理装置が検知したひび割れを、点検の専門家が修正するための機能を備えている情報処理装置が開示されている。
しかし、多数の構造物の点検作業に対して、高度な技能を有する専門家の人数は限られており、さらなる点検の効率化が望まれる。特に、ひび割れ等の損傷情報は対象の数が多く、情報処理装置が出力した結果を修正する作業にも多くの時間を要する。
本発明は前述の問題点に鑑み、所望の点検情報を作成することができるようにすることを目的としている。
本発明に係る情報処理装置は、構造物の点検結果の目標を示す目標点検情報であって、ユーザーによる入力に基づく目標点検情報を取得する取得手段と、前記構造物の損傷状況を特定するための損傷情報を、前記構造物を含む画像に基づいて作成する損傷情報作成手段と、 前記損傷情報作成手段により作成された損傷情報に基づく点検結果を示す点検情報であって、前記目標点検情報に応じた点検情報を作成する点検情報作成手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、所望の点検情報を作成することができる。
(第1の実施形態)
以下、図面を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態に係る情報処理システムは、インフラ構造物などの構造物の点検を効率化するためのものである。対象とする構造物は、どのような対象でもよく、例えば、コンクリート構造物の橋梁、トンネル、ダムなどが対象とする構造物の例である。また、対象とする構造物の例として、他に、道路の路面や建物外壁などがある。
以下、図面を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態に係る情報処理システムは、インフラ構造物などの構造物の点検を効率化するためのものである。対象とする構造物は、どのような対象でもよく、例えば、コンクリート構造物の橋梁、トンネル、ダムなどが対象とする構造物の例である。また、対象とする構造物の例として、他に、道路の路面や建物外壁などがある。
まず、本実施形態における損傷情報と点検情報とについて説明する。
本実施形態における損傷情報は、構造物の外観画像から判断できる構造物の損傷状況を示す情報である。例えば、コンクリート壁面のひび割れの位置を示す情報は、構造物の外観画像から判断することができ、構造物の損傷状況を示す情報であるため、損傷情報の一例である。同様に、ひび割れに限らず、コンクリート壁面の漏水、鉄筋露出、エフロレッセンスなどの位置を示す情報も、損傷情報の一例である。以下、ひび割れなどのコンクリート壁面変状の情報を変状情報と呼ぶ。変状情報は、損傷情報の一例である。
次に、点検情報は、損傷情報を用いて作成する、より上位の点検結果の情報である。例えば、構造物の健全度、経年変化などの情報は、損傷情報を用いて作成する情報であり、これらが点検情報である。
以下、損傷情報の例として変状情報を用いて本実施形態について説明する。また、点検情報の例として健全度を用いて本実施形態について説明する。
本実施形態における損傷情報は、構造物の外観画像から判断できる構造物の損傷状況を示す情報である。例えば、コンクリート壁面のひび割れの位置を示す情報は、構造物の外観画像から判断することができ、構造物の損傷状況を示す情報であるため、損傷情報の一例である。同様に、ひび割れに限らず、コンクリート壁面の漏水、鉄筋露出、エフロレッセンスなどの位置を示す情報も、損傷情報の一例である。以下、ひび割れなどのコンクリート壁面変状の情報を変状情報と呼ぶ。変状情報は、損傷情報の一例である。
次に、点検情報は、損傷情報を用いて作成する、より上位の点検結果の情報である。例えば、構造物の健全度、経年変化などの情報は、損傷情報を用いて作成する情報であり、これらが点検情報である。
以下、損傷情報の例として変状情報を用いて本実施形態について説明する。また、点検情報の例として健全度を用いて本実施形態について説明する。
次に、図4を用いて、第1の実施形態で用いるデータについて具体的に説明する。
図4は、情報処理装置が、損傷情報である変状情報と点検情報である健全度とを作成したのちに、ユーザーが閲覧できるように、表示部のアプリケーションウィンドウ400に損傷情報と点検情報とが表示された状態を示している。図4では、点検対象の構造物として、トンネル壁面を対象とした例を示している。図4のアプリケーションウィンドウ400の画像表示領域401には、トンネルを展開した図面に、トンネル壁面を撮影した画像が重畳表示されている。このように表示するために、本実施形態では、トンネル壁面画像とトンネル図面との位置座標が関連付けて記録されている。
図4は、情報処理装置が、損傷情報である変状情報と点検情報である健全度とを作成したのちに、ユーザーが閲覧できるように、表示部のアプリケーションウィンドウ400に損傷情報と点検情報とが表示された状態を示している。図4では、点検対象の構造物として、トンネル壁面を対象とした例を示している。図4のアプリケーションウィンドウ400の画像表示領域401には、トンネルを展開した図面に、トンネル壁面を撮影した画像が重畳表示されている。このように表示するために、本実施形態では、トンネル壁面画像とトンネル図面との位置座標が関連付けて記録されている。
画像表示領域401には、さらに、ひび割れ410や、漏水411などの変状情報が表示されている。これらの変状情報は、情報処理装置が、画像から変状を検知した結果の情報である。図4では、それぞれの変状が存在する画像位置に、変状情報を重畳表示している状態を示している。また、本実施形態では、情報処理装置は、ひび割れの変状情報を点と線で表現したポリラインデータとして格納し、漏水などの領域で表されている変状については、領域を示すポリゴンデータとして変状情報を格納する。以下、これらのポリラインデータ、ポリゴンデータを合わせてベクタデータと呼ぶ。このベクタデータは、図面を基準とした座標系で、各点の座標が表されたデータであるとする。
次に、本実施形態で判定する健全度について説明する。健全度とは、以上で説明した変状情報を用いて判定された構造物の健全度合いである。なお、健全度は、後述するように、構造物の供用年数などの諸元情報も用いて判定されるようにしても良い。本実施形態の健全度は、構造物の所定範囲ごとに判定されるものとする。例えば、図4のトンネルの例では、トンネルの施工スパン(以下、スパンとする)ごとに、健全度を判定する。具体的には、情報処理装置は、スパンA、スパンB、スパンCのそれぞれについて、各スパンに含まれる変状情報を用いて健全度を判定する。また、本実施形態の健全度は、「健全度1」~「健全度5」の5段階で判定されるものとする。健全度は、「健全度5」が最も健全で、「健全度1」が最も構造物の損傷が激しい状態であるとする。図4の画像表示領域401には、各スパンについて、健全度が判定された結果が表示されている。例えば、図4の健全度412は「スパンA」の健全度が「健全度5」として判定された結果を示している。
次に、本実施形態で判定する健全度について説明する。健全度とは、以上で説明した変状情報を用いて判定された構造物の健全度合いである。なお、健全度は、後述するように、構造物の供用年数などの諸元情報も用いて判定されるようにしても良い。本実施形態の健全度は、構造物の所定範囲ごとに判定されるものとする。例えば、図4のトンネルの例では、トンネルの施工スパン(以下、スパンとする)ごとに、健全度を判定する。具体的には、情報処理装置は、スパンA、スパンB、スパンCのそれぞれについて、各スパンに含まれる変状情報を用いて健全度を判定する。また、本実施形態の健全度は、「健全度1」~「健全度5」の5段階で判定されるものとする。健全度は、「健全度5」が最も健全で、「健全度1」が最も構造物の損傷が激しい状態であるとする。図4の画像表示領域401には、各スパンについて、健全度が判定された結果が表示されている。例えば、図4の健全度412は「スパンA」の健全度が「健全度5」として判定された結果を示している。
本実施形態の情報処理装置は、以上のように、構造物の画像から、変状情報と健全度とを点検結果として作成し、表示部に表示することができる。しかし、情報処理装置が作成したこれらの点検結果は、必ずしも点検の専門家の意図に沿うものではない。従って、点検の専門家は、この点検結果を確認し、必要に応じて修正を実施する。特に、健全度の情報は、点検結果の記録や報告を行う上で重要な情報であるため、専門家が確認することが必要である。専門家は、構造物の画像、専門知識、経験およびノウハウを元に、情報処理装置が作成した健全度を確認し、修正が必要な部分があれば修正を実施する。
ここで、健全度のみを修正した場合、変状情報と健全度とに齟齬が生じることになる。例えば、図4の「スパンC」は、情報処理装置により「健全度5」と判定されている。これを専門家が確認した結果、健全度は「健全度4」であることが正しいと判断して、健全度を「健全度4」に修正したとする。「健全度4」が正しいということは、「スパンC」は図4に示すよりも、本来、さらに損傷しているはずである。従って、変状情報を「健全度4」という修正結果に合わせた情報にするためには、ひび割れの数や長さを増やすなど、変状情報の修正も行う必要がある。もし、健全度のみを修正し、変状情報を修正しないとすると、健全度と変状情報とに齟齬がある点検結果を記録してしまうことになるからである。
ここで、健全度のみを修正した場合、変状情報と健全度とに齟齬が生じることになる。例えば、図4の「スパンC」は、情報処理装置により「健全度5」と判定されている。これを専門家が確認した結果、健全度は「健全度4」であることが正しいと判断して、健全度を「健全度4」に修正したとする。「健全度4」が正しいということは、「スパンC」は図4に示すよりも、本来、さらに損傷しているはずである。従って、変状情報を「健全度4」という修正結果に合わせた情報にするためには、ひび割れの数や長さを増やすなど、変状情報の修正も行う必要がある。もし、健全度のみを修正し、変状情報を修正しないとすると、健全度と変状情報とに齟齬がある点検結果を記録してしまうことになるからである。
一方、図4に示すように、ひび割れのような変状は多数存在するため、変状情報の確認や修正は、スパンごとの確認でよい健全度の確認や修正に比べて多くの時間を要する。従って、人数が限られている専門家が、健全度の確認や修正に加えて、変状情報の確認や修正までを行うことは効率的ではない。そこで、本実施形態に係る情報処理装置は、修正された健全度に整合するように、変状情報を修正する。これにより、専門家は、スパンごとの健全度の確認と修正とを行うだけで、所望の変状情報と健全度とを点検結果として得ることができるようになる。このように、本実施形態に係る情報処理装置は、専門家により修正された点検情報に基づいて、点検情報と整合する損傷情報を作成することを目的とする。
以下、本実施形態の構成および処理について説明する。
まず、図1および図2を用いて、本実施形態に係る情報処理システムの構成を説明する。
以下、本実施形態の構成および処理について説明する。
まず、図1および図2を用いて、本実施形態に係る情報処理システムの構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態に係る情報処理システムは、第一の情報処理装置100および第二の情報処理装置110によって構成されている。
まず、図1に示すように、第一の情報処理装置100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、HDD104と、表示部105と、操作部106と、通信部107とを有している。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算装置であり、各種処理のための演算や論理判断等を行い、システムバス108に接続された各構成要素を制御する。ROM(Read-Only Memory)102は、プログラムメモリであって、後述する各種処理手順を含むCPU101による制御のためのプログラムを格納する。RAM(Random Access Memory)103は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。尚、情報処理装置100に接続された外部記憶装置等からRAM103にプログラムをロードすることで、プログラムメモリを実現しても構わない。
HDD104は、本実施形態に係る電子データやプログラムを記憶しておくためのハードディスクである。同様の役割を果たすものとして外部記憶装置を用いてもよい。ここで、外部記憶装置は、例えば、メディア(記録媒体)と、当該メディアへのアクセスを実現するための外部記憶ドライブとで実現することができる。このようなメディアとしては、例えば、CD-ROM、DVD、USBメモリ、フラッシュメモリ等が知られている。また、外部記憶装置は、ネットワークで接続されたサーバ装置等であってもよい。
まず、図1に示すように、第一の情報処理装置100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、HDD104と、表示部105と、操作部106と、通信部107とを有している。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算装置であり、各種処理のための演算や論理判断等を行い、システムバス108に接続された各構成要素を制御する。ROM(Read-Only Memory)102は、プログラムメモリであって、後述する各種処理手順を含むCPU101による制御のためのプログラムを格納する。RAM(Random Access Memory)103は、CPU101の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。尚、情報処理装置100に接続された外部記憶装置等からRAM103にプログラムをロードすることで、プログラムメモリを実現しても構わない。
HDD104は、本実施形態に係る電子データやプログラムを記憶しておくためのハードディスクである。同様の役割を果たすものとして外部記憶装置を用いてもよい。ここで、外部記憶装置は、例えば、メディア(記録媒体)と、当該メディアへのアクセスを実現するための外部記憶ドライブとで実現することができる。このようなメディアとしては、例えば、CD-ROM、DVD、USBメモリ、フラッシュメモリ等が知られている。また、外部記憶装置は、ネットワークで接続されたサーバ装置等であってもよい。
表示部105は、例えば液晶ディスプレイであって、表示画面に画像を出力するデバイスである。なお、表示部105は、情報処理装置100と有線あるいは無線で接続された外部デバイスでも構わない。操作部106は、キーボードやマウスなどを含み、ユーザーによる各種操作を受け付ける。
通信部107は、公知の通信技術により、他の情報処理装置や通信機器、外部記憶装置等との間で、有線または無線による双方向の通信を行う。図1では、第一の情報処理装置100と第二の情報処理装置110とがネットワーク120により接続されており、相互通信が可能である。第二の情報処理装置110も、第一の情報処理装置100と同様に、CPU111と、ROM112と、RAM113と、HDD114と、表示部115と、操作部116と、通信部117とを備える。これらの構成は第一の情報処理装置100の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
通信部107は、公知の通信技術により、他の情報処理装置や通信機器、外部記憶装置等との間で、有線または無線による双方向の通信を行う。図1では、第一の情報処理装置100と第二の情報処理装置110とがネットワーク120により接続されており、相互通信が可能である。第二の情報処理装置110も、第一の情報処理装置100と同様に、CPU111と、ROM112と、RAM113と、HDD114と、表示部115と、操作部116と、通信部117とを備える。これらの構成は第一の情報処理装置100の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図2は、本実施形態に係る第一の情報処理装置100、および、第二の情報処理装置110の機能構成の一例を示すブロック図である。第一の情報処理装置100、および、第二の情報処理装置110は、損傷情報作成部201、点検情報作成部202、結果表示部203、設定部204、調整情報作成部205および調整処理部206を有している。これらの各機能部は、例えば、第一の情報処理装置100では、CPU101が、ROM102に格納されたプログラムをRAM103に展開し、後述する各フローチャートに従った処理を実行することで実現されている。そして、各処理の実行結果をRAM103またはHDD104に保持する。なお、CPU101を用いたソフトウェア処理の代替としてハードウェアを構成する場合には、ここで説明する各機能部の処理に対応させた演算部や回路を構成すればよい。また、第二の情報処理装置110も同様に、CPU111、ROM112等を用いて、プログラムを実行する。
本実施形態では、図1、図2のように、情報処理装置を2つ備えている。第一の情報処理装置100はサーバ、第二の情報処理装置110はクライアント端末として動作する。図2には、第二の情報処理装置110のユーザーとして、点検を行う専門家210を示している。本実施形態では、図2のように、高度な処理である損傷情報作成部201、点検情報作成部202を第一の情報処理装置100に集約し、第二の情報処理装置110を複数準備することにより、多数のユーザーに容易にサービスを提供することができるようになる。
次に、図2の各機能部の概要について説明する。
損傷情報作成部201は、点検対象の画像から損傷情報を作成する。本実施形態では、例えば、損傷情報作成部201は、画像から各種の変状を検知して、変状情報を作成する。点検情報作成部202では、損傷情報作成部201が作成した損傷情報を用いて点検情報を作成する。本実施形態では、例えば、点検情報作成部202は、変状情報を用いて健全度を判定する。
結果表示部203は、損傷情報作成部201および点検情報作成部202で作成した損傷情報と点検情報とを第一の情報処理装置100から受信し、表示部115に表示する。専門家210は、損傷情報と点検情報とを確認したり、操作部116を介して点検情報を修正したりすることができる。設定部204は、操作部116を介して専門家210の点検情報の修正の入力を受け付け、修正された点検情報を目標点検情報として、第一の情報処理装置100の調整情報作成部205に送信する。
調整情報作成部205は、第二の情報処理装置110の設定部204から受信した目標点検情報を用いて、調整処理部206で損傷情報を調整するための調整方針を作成する。調整処理部206は、損傷情報作成部201と点検情報作成部202とを制御して、調整方針に従って新たに損傷情報を作成させ、さらにその作成した損傷情報から目標点検情報に類似する点検情報を作成させる。
なお、これらの各機能部は全て第一の情報処理装置100、および、第二の情報処理装置110に含まれている必要はなく、少なくともその一部の機能が情報処理装置100と接続可能な外部装置で実施されてもよい。また、各機能部の第一の情報処理装置100と第二の情報処理装置110への配分も、図2の通りではなく、任意の配分としてもよい。
次に、図2の各機能部の概要について説明する。
損傷情報作成部201は、点検対象の画像から損傷情報を作成する。本実施形態では、例えば、損傷情報作成部201は、画像から各種の変状を検知して、変状情報を作成する。点検情報作成部202では、損傷情報作成部201が作成した損傷情報を用いて点検情報を作成する。本実施形態では、例えば、点検情報作成部202は、変状情報を用いて健全度を判定する。
結果表示部203は、損傷情報作成部201および点検情報作成部202で作成した損傷情報と点検情報とを第一の情報処理装置100から受信し、表示部115に表示する。専門家210は、損傷情報と点検情報とを確認したり、操作部116を介して点検情報を修正したりすることができる。設定部204は、操作部116を介して専門家210の点検情報の修正の入力を受け付け、修正された点検情報を目標点検情報として、第一の情報処理装置100の調整情報作成部205に送信する。
調整情報作成部205は、第二の情報処理装置110の設定部204から受信した目標点検情報を用いて、調整処理部206で損傷情報を調整するための調整方針を作成する。調整処理部206は、損傷情報作成部201と点検情報作成部202とを制御して、調整方針に従って新たに損傷情報を作成させ、さらにその作成した損傷情報から目標点検情報に類似する点検情報を作成させる。
なお、これらの各機能部は全て第一の情報処理装置100、および、第二の情報処理装置110に含まれている必要はなく、少なくともその一部の機能が情報処理装置100と接続可能な外部装置で実施されてもよい。また、各機能部の第一の情報処理装置100と第二の情報処理装置110への配分も、図2の通りではなく、任意の配分としてもよい。
次に、図3のフローチャートを用いて、本実施形態に係る情報処理システムの処理手順の一例について説明する。
まず、図3のステップS321において、第二の情報処理装置110のCPU111は、点検の専門家210の操作により、点検対象の構造物の画像を入力する。そして、第二の情報処理装置110のCPU111は、通信部117を介して、入力された画像を第一の情報処理装置100に送信する。
ここで、本実施形態で扱う構造物の画像について説明する。前述したように、本実施形態での画像は、図面の座標に関連付けられた画像である。図面座標への関連付け処理は、ステップS321の前に実施されているものとして、詳細な説明は割愛する。また、構造物の壁面のひび割れ等の変状を第一の情報処理装置100で検知するために、本実施形態の画像は、ひび割れが画像に写るような高解像度の画像である。例えば、実際の構造物の壁面を1.0mm/画素となるような高解像度で撮影した画像である。このような高解像度の画像は、1つの撮像装置で取得することは困難であるため、点検対象の構造物の壁面を部分的に撮影した画像を合成することで、1枚の大きな高解像度画像が作成される。例えば、図4の画像表示領域401には、トンネル壁面の画像を示している。この例では、トンネルの各スパンについて、1枚の画像が存在する。ステップS321では、このような画像を第二の情報処理装置110で入力する。また、各スパンの画像は、各スパンの図面座標と関連付けられており、図4に示すように、図面に重畳して表示できるようになっている。
なお、上記の説明では、第二の情報処理装置110に専門家が点検対象の構造物の画像を入力する実施形態について説明したが、画像入力の実施形態はこれに限定されない。例えば、専門家とは異なる点検作業者が画像を入力するようにしてもよい。また、点検作業者は、第二の情報処理装置110とは異なる情報処理装置を用いて、点検の現場など、専門家とは異なる位置から画像を入力するようにしてもよい。
まず、図3のステップS321において、第二の情報処理装置110のCPU111は、点検の専門家210の操作により、点検対象の構造物の画像を入力する。そして、第二の情報処理装置110のCPU111は、通信部117を介して、入力された画像を第一の情報処理装置100に送信する。
ここで、本実施形態で扱う構造物の画像について説明する。前述したように、本実施形態での画像は、図面の座標に関連付けられた画像である。図面座標への関連付け処理は、ステップS321の前に実施されているものとして、詳細な説明は割愛する。また、構造物の壁面のひび割れ等の変状を第一の情報処理装置100で検知するために、本実施形態の画像は、ひび割れが画像に写るような高解像度の画像である。例えば、実際の構造物の壁面を1.0mm/画素となるような高解像度で撮影した画像である。このような高解像度の画像は、1つの撮像装置で取得することは困難であるため、点検対象の構造物の壁面を部分的に撮影した画像を合成することで、1枚の大きな高解像度画像が作成される。例えば、図4の画像表示領域401には、トンネル壁面の画像を示している。この例では、トンネルの各スパンについて、1枚の画像が存在する。ステップS321では、このような画像を第二の情報処理装置110で入力する。また、各スパンの画像は、各スパンの図面座標と関連付けられており、図4に示すように、図面に重畳して表示できるようになっている。
なお、上記の説明では、第二の情報処理装置110に専門家が点検対象の構造物の画像を入力する実施形態について説明したが、画像入力の実施形態はこれに限定されない。例えば、専門家とは異なる点検作業者が画像を入力するようにしてもよい。また、点検作業者は、第二の情報処理装置110とは異なる情報処理装置を用いて、点検の現場など、専門家とは異なる位置から画像を入力するようにしてもよい。
次に、図3のステップS311において、損傷情報作成部201は、第二の情報処理装置110から送られてきた画像を受け付け、画像から第一の損傷情報を作成する。本実施形態での損傷情報は、画像中の変状情報であり、これを作成するために、損傷情報作成部201は、画像に対して変状の検知処理を実施する。以下、損傷情報作成部201が実施する変状の検知処理について説明する。
まず、変状の検知処理の例として、画像からひび割れを検知する処理について説明する。ひび割れ検知処理は、例えば、予め機械学習によりひび割れを学習したひび割れ検知モデルを画像に適応することで実施する。ひび割れ検知モデルは、具体的には例えば、予め、画像と、画像中のひび割れ位置を示す教師データとのペアからなる学習データを用いて、ニューラルネットワーク等の機械学習アルゴリズムにより学習されるものである。ここで、本実施形態のひび割れ検知モデルは、検知対象画像の各画素について、ひび割れらしさを示すスコアを出力するものとする。以下、この各画素のひび割れらしさのスコアを格納したデータをスコアマップと呼ぶ。損傷情報作成部201では、さらにスコアマップを閾値処理し、ひび割れの可能性が高い画素だけを残し、細線化することでひび割れが存在する画素を特定する。また、ひび割れが存在する画素に基づいて、ひび割れのベクタデータを作成する。ベクタデータは、画像座標系の座標、または、図面座標系の座標のいずれかのデータとして記録されているとする。このベクタデータは、損傷情報作成部201が作成する変状情報(損傷情報)の一例である。
まず、変状の検知処理の例として、画像からひび割れを検知する処理について説明する。ひび割れ検知処理は、例えば、予め機械学習によりひび割れを学習したひび割れ検知モデルを画像に適応することで実施する。ひび割れ検知モデルは、具体的には例えば、予め、画像と、画像中のひび割れ位置を示す教師データとのペアからなる学習データを用いて、ニューラルネットワーク等の機械学習アルゴリズムにより学習されるものである。ここで、本実施形態のひび割れ検知モデルは、検知対象画像の各画素について、ひび割れらしさを示すスコアを出力するものとする。以下、この各画素のひび割れらしさのスコアを格納したデータをスコアマップと呼ぶ。損傷情報作成部201では、さらにスコアマップを閾値処理し、ひび割れの可能性が高い画素だけを残し、細線化することでひび割れが存在する画素を特定する。また、ひび割れが存在する画素に基づいて、ひび割れのベクタデータを作成する。ベクタデータは、画像座標系の座標、または、図面座標系の座標のいずれかのデータとして記録されているとする。このベクタデータは、損傷情報作成部201が作成する変状情報(損傷情報)の一例である。
以上のような方法により、機械学習の技術を用いて画像からひび割れを検知することができる。なお、ひび割れ検知モデルは、検知対象画像の条件ごとに異なるモデルを用いるようにしてもよい。例えば、トンネル画像のひび割れ検知モデルと、橋梁画像のひび割れ検知モデルをそれぞれの構造物画像を用いて学習する。そして、検知対象画像の構造物に応じて、適切なモデルを選択してひび割れ検知を実施するようにしてもよい。同様に、画像の解像度や画質、あるいはこれらの条件の組み合わせごとにひび割れ検知モデルを学習しておき、検知対象画像に合わせて利用するモデルを選択するようにしてもよい。
また、損傷情報作成部201には、各ひび割れのひび割れ幅を推定する機能を備えてもよい。ひび割れ検知結果のひび割れ幅を推定する方法は、例えば、特許文献2に開示されているような方法で実施することができる。
また、損傷情報作成部201には、各ひび割れのひび割れ幅を推定する機能を備えてもよい。ひび割れ検知結果のひび割れ幅を推定する方法は、例えば、特許文献2に開示されているような方法で実施することができる。
損傷情報作成部201が実施するひび割れ検知処理は、処理のパラメータによって検知結果が変化する。例えば、スコアマップの閾値処理の閾値を変化させる場合、閾値を高く設定すると、信頼度が高い部分のみが残り、比較的、ひび割れ検知結果が少なくなり、また、ひび割れの長さも短いひび割れ検知結果が作成される。逆に、スコアマップの閾値を低く設定すると、比較的、ひび割れ検知結果が多くなり、また、ひび割れの長さが長いひび割れ検知結果が作成される。
また、処理のパラメータにより検知結果が変化する例として、ひび割れ検知処理の最後にノイズ除去を実施する実施形態について説明する。このノイズ除去処理は、上記のひび割れ検知結果処理の最後に、さらにノイズ除去処理を加えたもので、検知のノイズとみなすひび割れ長さのパラメータを与え、このノイズ除去パラメータ以下の長さのひび割れを除去することで、ノイズ除去を行う。このノイズ除去パラメータを大きく設定すると、ひび割れ検知結果の数は減少し、逆に、小さく設定すると、ひび割れ検知結果の数は増加する。
以上のスコアマップ閾値や、ノイズ除去パラメータのように、損傷情報作成部201の処理結果を変化させるパラメータを、以下では処理パラメータと呼ぶ。なお、画像からの検知処理を、機械学習の技術により実施する場合については、検知に用いるモデルを変更することにより、損傷情報作成部201の処理結果が変化するため、検知に用いるモデルの選択も、処理パラメータの一つとすることができる。これらの処理パラメータを点検対象や画像ごとに調整することで、各点検対象画像に対して適切な検知結果を作成することができる。本実施形態では、この処理パラメータの調整は、後述するステップS314で実施し、ステップS311では、所定の初期値の処理パラメータで、ひび割れ検知処理を実施する。この所定の初期値の処理パラメータは、汎用的に良い検知結果が得られる処理パラメータの設定である。
以上のスコアマップ閾値や、ノイズ除去パラメータのように、損傷情報作成部201の処理結果を変化させるパラメータを、以下では処理パラメータと呼ぶ。なお、画像からの検知処理を、機械学習の技術により実施する場合については、検知に用いるモデルを変更することにより、損傷情報作成部201の処理結果が変化するため、検知に用いるモデルの選択も、処理パラメータの一つとすることができる。これらの処理パラメータを点検対象や画像ごとに調整することで、各点検対象画像に対して適切な検知結果を作成することができる。本実施形態では、この処理パラメータの調整は、後述するステップS314で実施し、ステップS311では、所定の初期値の処理パラメータで、ひび割れ検知処理を実施する。この所定の初期値の処理パラメータは、汎用的に良い検知結果が得られる処理パラメータの設定である。
以上では、損傷情報作成部201で、ひび割れ検知処理を実施し、変状情報としてひび割れ検知結果を作成する実施形態について説明した。損傷情報作成部201で検知対象とする変状は、ひび割れに限らず、漏水、鉄筋露出、エフロレッセンスなど、他の変状を対象にしてもよい。このように他の変状を検知する場合には、ひび割れと同様に、それぞれの変状を検知するための検知モデルを学習しておき、検知対象画像に検知モデルを適用する。なお、ひび割れ検知結果と同様に、漏水、鉄筋露出、エフロレッセンスなどの変状の検知結果についても、図面座標系のベクタデータを作成する。このベクタデータは、損傷情報作成部201が作成する変状情報(損傷情報)の一例である。これらのひび割れ以外の変状の検知についても、閾値などの処理パラメータにより検知結果を変化させることができるものとする。
また、上記の実施形態では、ひび割れ検知処理を機械学習に基づく方法により実施する実施形態を説明したが、ひび割れ検知処理には、他の方法を用いても良い。例えば、ひび割れ検知処理を、Sobelオペレータなどのフィルタを用いたエッジ検出手法により構成しても良い。この場合、Sobelオペレータで算出された画像の微分値に対して閾値処理を行うことで、エッジ画素を特定する。この微分値に対する閾値が、損傷情報作成部201の処理パラメータである。
以上、損傷情報作成部201で損傷情報としてひび割れなどの変状情報を作成する処理について説明した。ステップS311において、損傷情報作成部201は、入力された点検対象画像の全てに対して、以上に説明した変状情報を作成する。損傷情報作成部201の処理は、後述するように、図3のステップS314でも実施する。以下、第一の損傷情報の具体的な例として、ステップS311で作成する変状情報を第一の変状情報と呼ぶ。
以上、損傷情報作成部201で損傷情報としてひび割れなどの変状情報を作成する処理について説明した。ステップS311において、損傷情報作成部201は、入力された点検対象画像の全てに対して、以上に説明した変状情報を作成する。損傷情報作成部201の処理は、後述するように、図3のステップS314でも実施する。以下、第一の損傷情報の具体的な例として、ステップS311で作成する変状情報を第一の変状情報と呼ぶ。
次に、図3のステップS312において、点検情報作成部202は、第一の損傷情報を用いて、第一の点検情報を作成する。本実施形態での点検情報は、損傷情報を用いて判定する健全度である。本実施形態での健全度は、所定の健全度評価領域ごとに判定する。例えば、図4の例では、健全度の評価領域は、トンネルの各スパンであり、トンネルの各スパンについて、そのスパンに含まれる変状情報に基づいて健全度を判定する。また、本実施形態での健全度の判定方法は、予め設定したルールを判定基準として用いる方法とする。以下、点検情報作成部202が実施する健全度判定処理について具体的に説明する。
本実施形態では、予め各健全度を判定するルールを人間が設計し、設定しておく。点検情報作成部202は、この判定ルールを用いることにより、健全度を判定する。このために、点検情報作成部202は、以下で説明する判定ルールを格納しているものとする。また、本実施形態の健全度判定では、変状情報だけでなく、点検対象の構造物の諸元情報も用いて、健全度を判定する。諸元情報は、構造物に関する各種情報で、例えば、供用開始からの年数(供用年数)、工法、コンクリート種類、沿岸・寒冷地などの地理的条件、交通量などの使用環境条件、などの情報を含む。このように、点検情報作成部202で実施する点検情報の作成では、変状情報(損傷情報)だけではなく、他の情報も用いて点検情報を作成するようにしてもよい。
本実施形態では、予め各健全度を判定するルールを人間が設計し、設定しておく。点検情報作成部202は、この判定ルールを用いることにより、健全度を判定する。このために、点検情報作成部202は、以下で説明する判定ルールを格納しているものとする。また、本実施形態の健全度判定では、変状情報だけでなく、点検対象の構造物の諸元情報も用いて、健全度を判定する。諸元情報は、構造物に関する各種情報で、例えば、供用開始からの年数(供用年数)、工法、コンクリート種類、沿岸・寒冷地などの地理的条件、交通量などの使用環境条件、などの情報を含む。このように、点検情報作成部202で実施する点検情報の作成では、変状情報(損傷情報)だけではなく、他の情報も用いて点検情報を作成するようにしてもよい。
以下、本実施形態での健全度判定の判定ルールについて、具体的な例を説明する。図5には、「健全度1」~「健全度5」の内、「健全度2」および「健全度3」の判定ルールの例を示している。各々の判定ルールは、評価領域(トンネルのスパン)に含まれる変状情報と、構造物の諸元情報とに基づいて、2値判定を行うものである。例えば、図5の「健全度2」と判定するルールR2-1は「ひび割れ幅1.0mm以上のひび割れが存在する?」である。このルールに従うと、評価領域にひび割れ幅1.0mm以上のひび割れが存在すると、その評価領域の健全度は「健全度2」である。また、他の判定ルールの例として、例えば、ルールR2-4は「供用から経過50年以上、かつ、格子状ひび割れが存在する?」がある。このルールR2-4では、構造物の供用からの経過年数が判定ルールに用いられている。また、変状情報に基づき、評価領域にひび割れが格子状の部分が存在するか否かの情報が判定ルールに用いられており、経過年数とのand条件で判定ルールが構成されている。このように、判定ルールは、諸元情報も用いて構成されたルールでもよく、また、複数の条件を組み合わせて作成されたルールとしても良い。
健全度判定では、このようなルールを用いて、評価領域の変状、および、諸元情報の判定を行う。例えば、ある評価領域が「健全度2」の判定ルールR2-1「ひび割れ幅1.0mm以上のひび割れが存在する?」の条件に対してTrueである場合、その評価領域の健全度は「健全度2」である。また、判定ルールを用いた健全度判定方法では、判定ルールがTrueとなった最も低い健全度が、健全度判定結果である。例えば、図5では、ある評価領域の変状情報および諸元情報に基づく判定結果を判定の項目501に示している。この例では、「健全度1」の判定ルールについては、いずれもFalseとなっていたとする。図5に示すように、「健全度2」の判定ルールについても、評価領域の変状情報、および、諸元情報は全てFalseとなっている。一方、「健全度3」の判定ルールについては、2つの判定ルールがTrueとなっている。これにより、健全度4、5の判定ルールの結果によらず、対象の評価領域は「健全度3」と判定される。
以上、点検情報作成部202が実施する健全度判定の方法について、ルールベースの手法で健全度を判定する方法について説明した。点検情報作成部202が実施する健全度判定の方法は、これに限らず、他の方法を用いてもよい。例えば、健全度判定を機械学習で学習した判定モデルを用いて判定するようにしてもよい。この場合、まず、予め健全度判定モデルを、既存の学習データを用いて学習する。この学習に用いる学習データは、ある評価領域の変状情報と、その変状情報に基づいて人間が判定した評価領域の健全度の教師データとのペアを大量に準備した学習データである。この学習データを、決定木やニューラルネットワーク等の任意の機械学習アルゴリズムで学習することにより、健全度の判定モデルを構築する。点検情報作成部202は、この健全度判定モデルをROM102またはHDD104に格納しておき、健全度判定対象の評価領域の変状情報に対して健全度判定モデルを適用することで、評価領域の健全度を判定する。
以上、点検情報作成部202が点検情報である健全度を作成する処理について説明した。ステップS312において、点検情報作成部202は、点検対象の構造物に含まれるすべての健全度の評価領域に対して、以上の処理を実施して、健全度を判定する。点検情報作成部202の処理は、後述するように、図3のステップS314でも実施する。以下、第一の点検情報の具体的な例として、ステップS311で作成する健全度を第一の健全度と呼ぶ。
その後、第一の情報処理装置100の点検情報作成部202は、第一の損傷情報と、第一の点検情報とをネットワーク120を介して第二の情報処理装置110へ送信する。
その後、第一の情報処理装置100の点検情報作成部202は、第一の損傷情報と、第一の点検情報とをネットワーク120を介して第二の情報処理装置110へ送信する。
次に、図3のステップS322において、第二の情報処理装置110の結果表示部203は、第一の情報処理装置100から送られた第一の損傷情報および第二の損傷情報を受け付け、第一の損傷情報および第一の点検情報を表示部115に表示する。これにより、点検の専門家210が、第一の損傷情報と第一の点検情報とを閲覧可能な状態になる。
図4には、結果表示部203が表示部115に表示する表示情報の例として、トンネルの変状情報と、各スパンに対しての健全度の判定結果とが表示された様子を示している。図4のアプリケーションウィンドウ400は、表示部115に表示されたアプリケーションウィンドウである。アプリケーションウィンドウ400には、画像表示領域401と点検情報修正領域402を備える。前述したように、画像表示領域401には、トンネルの図面と、図面に重畳表示されたトンネル壁面の画像が表示されている。また、画像表示領域401には、図面および画像に重畳する状態で、ひび割れ410や漏水411などの変状情報が表示されている。これらの変状情報は、損傷情報作成部201が作成した第一の損傷情報である。また、例えば、図4の健全度412は、「スパンA」の健全度が「健全度5」であることを示しており、同様に、「スパンB」の健全度は「健全度4」であることを示している。このように、図4では、健全度の評価領域である各スパンに対して、健全度の判定結果が表示されている。これらの健全度は、点検情報作成部202が作成した第一の点検情報である。
本実施形態に係る情報処理システムのユーザーである点検の専門家210は、表示部115に表示された第一の変状情報と、第一の健全度とを確認する。確認の結果、特に問題がなければ、第一の損傷情報と、第一の健全度とを点検の結果とする。
しかし、前述したように、情報処理装置により作成される損傷情報と点検情報とは、常に、専門家の判断と一致するとは限らない。例えば、点検対象画像に対して損傷情報作成部201の処理パラメータが適切でなく、検知結果の変状情報が過剰、または、過小である場合がある。点検情報作成部202は、この変状情報を用いて健全度を判定するため、健全度を過剰に判定したり、過小に判定したりすることになる。あるいは、情報処理装置による自動的な処理では判断できないような、専門家の知識やノウハウによる判断が必要な場合もあり、このような場合には、情報処理装置が作成した損傷情報や点検情報と専門家の判断とが一致しないことになる。本実施形態では、このような状況において、専門家210が、点検情報(健全度)を修正する。
次に、図3のステップS323において、第二の情報処理装置110の設定部204は、操作部116を介して専門家210の点検情報の修正を受け付け、修正された点検情報を目標点検情報とする。また、設定部204は、当該目標点検情報を、ネットワーク120を介して第一の情報処理装置100に送信する。以下、専門家210が行う点検情報の修正方法について、図4を用いて説明する。
しかし、前述したように、情報処理装置により作成される損傷情報と点検情報とは、常に、専門家の判断と一致するとは限らない。例えば、点検対象画像に対して損傷情報作成部201の処理パラメータが適切でなく、検知結果の変状情報が過剰、または、過小である場合がある。点検情報作成部202は、この変状情報を用いて健全度を判定するため、健全度を過剰に判定したり、過小に判定したりすることになる。あるいは、情報処理装置による自動的な処理では判断できないような、専門家の知識やノウハウによる判断が必要な場合もあり、このような場合には、情報処理装置が作成した損傷情報や点検情報と専門家の判断とが一致しないことになる。本実施形態では、このような状況において、専門家210が、点検情報(健全度)を修正する。
次に、図3のステップS323において、第二の情報処理装置110の設定部204は、操作部116を介して専門家210の点検情報の修正を受け付け、修正された点検情報を目標点検情報とする。また、設定部204は、当該目標点検情報を、ネットワーク120を介して第一の情報処理装置100に送信する。以下、専門家210が行う点検情報の修正方法について、図4を用いて説明する。
図4の点検情報修正領域402は、専門家210の点検情報修正を受け付ける領域である。点検情報修正領域402には、修正入力部421があり、各スパンの健全度の修正を入力することができるようになっている。修正入力部421の健全度の列422には、各スパンの第一の健全度が表示されている。表示されている第一の健全度に問題がある場合に、専門家210は、健全度を修正する列423に健全度を修正する情報を入力する。例えば、図4では、専門家210は、「スパンA」の健全度を、「健全度5」から「健全度3」に修正する判断を行い、修正する情報を入力する欄に「3」が入力されている様子を示している。同様に、図4の例では、「スパンC」の健全度は、「健全度5」から「健全度4」に修正する入力が行われている。一方、「スパンB」については、専門家210は、情報処理装置が作成した「健全度4」の結果に修正の必要がないと判断して、修正の入力が行われていない。このように、専門家210は、各評価領域の健全度を確認し、変更の必要性があると判断する場合には、健全度の変更の入力を行う。ステップS323では、設定部204で、専門家210の健全度の修正を受け付ける。専門家210が健全度の修正を確定させ、送信ボタン424が選択されると、設定部204は、修正入力部421に入力された健全度に修正した点検情報を目標点検情報とし、第一の情報処理装置100へ送信する。
以下の処理では、専門家210が修正した健全度に合うように、変状情報を調整する処理を実施する。
本実施形態では、図4において専門家210が修正入力部421に入力した健全度が目標点検情報である。
本実施形態では、図4において専門家210が修正入力部421に入力した健全度が目標点検情報である。
さらに、以下では、ステップS313およびS314において、ある評価領域に対する処理を説明する。点検情報の修正が行われた評価領域が複数存在する場合は、以下の処理を各評価領域に対して実施する。例えば、図4の例では、「スパンA」および「スパンC」に対して、それぞれ以下の処理を実施する。
ステップS313において、調整情報作成部205は、調整情報を作成する。調整情報は、次のステップS314で実行する損傷情報の調整方針を示す情報である。以下、調整情報作成部205が実施する調整情報の作成処理について説明する。
本実施形態では、第一の健全度と目標点検情報とに基づいて調整情報を作成する。また、本実施形態での調整情報は、具体的には、損傷情報作成部201の処理パラメータである。この調整情報を作成するために、調整情報作成部205は、第一の健全度と目標点検情報とから、損傷情報作成部201の好ましい処理パラメータを推定する。例えば、図4の「スパンC」は、第一の健全度が「健全度5」で、目標点検情報の健全度は「健全度4」であった。本実施形態では、健全度の数値が低いほど、評価領域の健全度が低いことを示しているため、目標点検情報の健全度の方が、健全度が低い。従って、損傷情報作成部201で作成する変状情報は、第一の変状情報よりも、損傷が激しい状態を示す変状情報である必要がある。より具体的には、検知結果の変状が多い方が、損傷が激しい状態であるため、第一の変状情報よりも、検知結果の変状が多くなるような処理パラメータで検知処理を行う必要がある。従って、調整情報作成部205は、第一の変状情報を作成した処理パラメータ(初期値の処理パラメータ)よりも、検知結果の変状が多くなるような処理パラメータを調整情報として作成する。
本実施形態では、第一の健全度と目標点検情報とに基づいて調整情報を作成する。また、本実施形態での調整情報は、具体的には、損傷情報作成部201の処理パラメータである。この調整情報を作成するために、調整情報作成部205は、第一の健全度と目標点検情報とから、損傷情報作成部201の好ましい処理パラメータを推定する。例えば、図4の「スパンC」は、第一の健全度が「健全度5」で、目標点検情報の健全度は「健全度4」であった。本実施形態では、健全度の数値が低いほど、評価領域の健全度が低いことを示しているため、目標点検情報の健全度の方が、健全度が低い。従って、損傷情報作成部201で作成する変状情報は、第一の変状情報よりも、損傷が激しい状態を示す変状情報である必要がある。より具体的には、検知結果の変状が多い方が、損傷が激しい状態であるため、第一の変状情報よりも、検知結果の変状が多くなるような処理パラメータで検知処理を行う必要がある。従って、調整情報作成部205は、第一の変状情報を作成した処理パラメータ(初期値の処理パラメータ)よりも、検知結果の変状が多くなるような処理パラメータを調整情報として作成する。
例えば、損傷情報作成部201のひび割れ検知に関係する処理パラメータとして、閾値とノイズ除去パラメータとがある。この場合、まず、調整情報の閾値は、初期値の閾値よりも低い値を選択する。ひび割れ検知の閾値は、低い値の方が、ひび割れの検知結果が増加するため、初期値の閾値よりも低い値を調整情報とすることで、第一の変状情報よりも多くのひび割れ検知結果を作成することができる。同様に、ノイズ除去パラメータについても、初期値のノイズ除去パラメータよりも低い値を調整情報とする。ノイズ除去パラメータも、低い値の方がノイズ除去の効果が小さく、多くのひび割れ検知結果が作成される。「スパンC」の例とは逆に、第一の健全度よりも、目標点検情報の健全度の方が高い場合は、ひび割れ検知結果の量を抑制する処理パラメータを調整情報とする。この場合は、初期値の処理パラメータよりも高い閾値やノイズ除去パラメータを調整情報とすることになる。
さらに、本実施形態では、適切な処理パラメータに調整するために、候補として複数の調整情報を作成する。例えば、ひび割れ検知処理の閾値をθ、ノイズ除去パラメータをεとすると、調整情報作成部205が作成する調整情報Pは以下の(1)式で表される。
P={P1,P2・・・Pn・・・PN} ・・・(1)
Pn=(θn,εn)
さらに、本実施形態では、適切な処理パラメータに調整するために、候補として複数の調整情報を作成する。例えば、ひび割れ検知処理の閾値をθ、ノイズ除去パラメータをεとすると、調整情報作成部205が作成する調整情報Pは以下の(1)式で表される。
P={P1,P2・・・Pn・・・PN} ・・・(1)
Pn=(θn,εn)
上記では、閾値θとノイズ除去パラメータεとのN個の組を調整情報Pとしている。調整情報の組数Nは、予め所定の数を設定しておいても良いし、ユーザーである専門家210が任意に設定できるようにしても良い。後述するように、調整処理部206では、調整情報に従って、損傷情報を調整するため、Nの数が多いほど、詳細な調整が可能になる。一方、Nの数が多いと検知処理の回数が増加するため、その分調整に時間を要する。また、各調整情報のθnとεnとは、「スパンC」の例においては、初期値の処理パラメータよりも小さな閾値とノイズ除去パラメータとの任意の組み合わせである。これらの選択方法はどのような方法を用いてもよいが、単純には、初期値の処理パラメータよりも小さな値からランダムで設定するようにすればよい。また、他の方法として、第一の健全度と目標健全度との乖離度合いに基づいて決定するようにしてもよい。例えば、「スパンC」の例のように、第一の健全度の「健全度5」を目標点検情報の「健全度4」に調整する場合には、ひび割れの検知結果の増加量は比較的少なくてよい。このような場合、調整情報のθnとεnとは、初期値の処理パラメータよりも小さな値で、且つ、初期値の処理パラメータから大きく変化しない範囲の値からランダムで取得して設定する。一方、例えば、第一の健全度が「健全度5」で、目標点検情報の健全度が「健全度1」の場合には、健全度の乖離が大きいので、変状情報も大きく変更する必要がある。具体的には、ひび割れ検知結果の量が大幅に増加するような処理パラメータを調整情報に設定する必要がある。この場合には、調整情報のθnとεnとは、初期値の処理パラメータよりも小さな値で、且つ、初期値の処理パラメータから大きく変化する範囲の値からランダムで取得して設定する。
調整情報作成部205は、以上のように、調整情報を作成する。以上の説明では、ひび割れ検知の処理パラメータを例に説明したが、本実施形態での調整情報は他の処理パラメータとしてもよい。例えば、前述したように、漏水など他の変状を検知する検知処理においても、閾値パラメータが存在する。これらの閾値パラメータについての好ましい設定を、第一の健全度と目標点検情報の健全度との比較に基づいて決定し、調整情報としてもよい。また、以上では、変状情報の作成に係る処理パラメータとして、変状の検知の処理パラメータを調整情報として設定する実施形態について説明したが、調整情報に設定する処理パラメータは、検知処理の処理パラメータ以外でも良い。例えば、ひび割れ幅の推定に係る処理パラメータを調整情報としても良い。具体的には、図4の「スパンC」のように、第一の健全度の「健全度5」を目標点検情報の「健全度4」に調整する場合には、ひび割れ幅を太めに推定するような、損傷情報作成部201のひび割れ幅推定パラメータを調整情報とする。
次に、図3のステップS314において、調整処理部206は損傷情報作成部201を制御し、第一の損傷情報と第一の点検情報とを調整して、目標点検情報に類似した点検情報を作成することができる第二の損傷情報を作成させる。本実施形態での調整処理部206の制御により、まず、損傷情報作成部201は、ステップS313で作成した調整情報の処理パラメータに基づいて第二の損傷情報を作成する。次に、調整処理部206は点検情報作成部202を制御し、この第二の損傷情報を用いて、点検情報作成部202に第二の点検情報を作成させる。このとき、調整情報の各処理パラメータに基づいて得られた点検情報の内、最も目標点検情報に類似する点検情報を第二の点検情報とする。そして、調整処理部206は、最終的に第二の損傷情報と、第二の点検情報とを調整結果として第二の情報処理装置110に出力する。本実施形態での具体例では、第二の損傷情報は、第二の変状情報で、同様に、第二の点検情報は、第二の健全度である。以下、第二の変状情報と第二の健全度とを作成する具体的な処理について説明する。
次に、図6のフローチャートを用いて、図3のステップS314の処理手順の詳細について説明する。図6に示す各処理は、調整処理部206の制御に基づいて行われる。
まず、ステップS601において、損傷情報作成部201は、損傷情報を作成するための処理パラメータ候補を設定する。本実施形態では、前述のように、調整情報として処理パラメータ候補のセットPを調整情報作成部205で作成しているので、ステップS601では、この処理パラメータ候補セットPから、ある一つの処理パラメータ候補Pnを選択する。
次に、ステップS602において、損傷情報作成部201は、処理パラメータ候補の設定に基づいて損傷情報候補を作成する。具体的には例えば、処理パラメータ候補Pnの設定で、ひび割れ検知などの変状の検知処理を実行し、変状情報候補を作成する。以下、処理パラメータ候補Pnを用いて作成した変状情報候補をDnとする。
次に、ステップS603において、点検情報作成部202は、ステップS602で作成した損傷情報候補を用いて、点検情報候補を作成する。具体的には例えば、ステップS602で作成した変状情報候補Dnを用いて、健全度候補を作成する。以下、変状情報候補Dnを用いて作成した健全度候補をHnとする。
次に、ステップS604において、調整処理部206は、ステップS603で作成した点検情報候補と目標点検情報とを比較する。具体的には例えば、ステップS603で作成した健全度候補Hnと目標点検情報の健全度とを比較する。ステップS605において、調整処理部206は、点検情報候補と目標点検情報とが一致すると判断した場合、ステップS606へ処理を進める。一方、調整処理部206は、点検情報候補と目標点検情報とが一致しないと判断すれば、ステップS607へ処理を進める。
ステップS606において、調整処理部206は、点検情報候補を第二の点検情報とする。また、点検情報候補を作成するために用いた損傷情報候補を第二の損傷情報とする。さらに、調整処理部206は、第二の損傷情報と第二の点検情報とを、表示部115に表示するために、ネットワーク120を介して第二の情報処理装置110へ送信する。
一方、ステップS607において、調整処理部206は、処理パラメータセットPの全ての処理パラメータに対して、以上の処理を実行したかを調べる。調整処理部206は、まだ処理を実施していない処理パラメータが存在すると判断した場合、ステップS601に処理を戻す。そして、ステップS601では、処理未実施の処理パラメータを選択し、上記の処理フローを実行する。一方、調整処理部206は、複数の処理パラメータ候補Pの全ての処理パラメータ候補に対して、以上の処理を実行したと判断した場合には、処理を終了する。
まず、ステップS601において、損傷情報作成部201は、損傷情報を作成するための処理パラメータ候補を設定する。本実施形態では、前述のように、調整情報として処理パラメータ候補のセットPを調整情報作成部205で作成しているので、ステップS601では、この処理パラメータ候補セットPから、ある一つの処理パラメータ候補Pnを選択する。
次に、ステップS602において、損傷情報作成部201は、処理パラメータ候補の設定に基づいて損傷情報候補を作成する。具体的には例えば、処理パラメータ候補Pnの設定で、ひび割れ検知などの変状の検知処理を実行し、変状情報候補を作成する。以下、処理パラメータ候補Pnを用いて作成した変状情報候補をDnとする。
次に、ステップS603において、点検情報作成部202は、ステップS602で作成した損傷情報候補を用いて、点検情報候補を作成する。具体的には例えば、ステップS602で作成した変状情報候補Dnを用いて、健全度候補を作成する。以下、変状情報候補Dnを用いて作成した健全度候補をHnとする。
次に、ステップS604において、調整処理部206は、ステップS603で作成した点検情報候補と目標点検情報とを比較する。具体的には例えば、ステップS603で作成した健全度候補Hnと目標点検情報の健全度とを比較する。ステップS605において、調整処理部206は、点検情報候補と目標点検情報とが一致すると判断した場合、ステップS606へ処理を進める。一方、調整処理部206は、点検情報候補と目標点検情報とが一致しないと判断すれば、ステップS607へ処理を進める。
ステップS606において、調整処理部206は、点検情報候補を第二の点検情報とする。また、点検情報候補を作成するために用いた損傷情報候補を第二の損傷情報とする。さらに、調整処理部206は、第二の損傷情報と第二の点検情報とを、表示部115に表示するために、ネットワーク120を介して第二の情報処理装置110へ送信する。
一方、ステップS607において、調整処理部206は、処理パラメータセットPの全ての処理パラメータに対して、以上の処理を実行したかを調べる。調整処理部206は、まだ処理を実施していない処理パラメータが存在すると判断した場合、ステップS601に処理を戻す。そして、ステップS601では、処理未実施の処理パラメータを選択し、上記の処理フローを実行する。一方、調整処理部206は、複数の処理パラメータ候補Pの全ての処理パラメータ候補に対して、以上の処理を実行したと判断した場合には、処理を終了する。
上記のフローチャートで作成した第二の損傷情報は、目標点検情報と同じ第二の点検情報を判定することができる損傷情報である。目標点検情報の健全度は、専門家が入力した健全度であって、専門家が正しいとする健全度であった。第二の損傷情報である第二の変状情報は、この目標点検情報の健全度と整合する損傷情報であり、目標点検情報の健全度を点検結果として記録する場合に、合わせて記録する情報として好ましい情報である。本実施形態は、以上の処理により、このような好ましい損傷情報を作成することができる。以下、図7を用いて、この様子の具体例を説明する。
まず、図7(A)には、第一の変状情報と第一の健全度とを示している。これは、図3のステップS311で、点検対象の画像に対して初期値の処理パラメータで変状の検知処理を実行した結果の変状情報と、ステップS312で変状情報を用いて健全度とを作成した結果である。図7(A)では、構造物の一部を示す枠701の範囲の変状情報を示している。例えば、線702などの線は、変状情報のひび割れ検知結果を示し、線の太さはひび割れの幅の推定結果を示す。また、図7(A)では、この枠701を健全度の評価範囲としている。健全度の評価範囲は、例えば、図4ではトンネルスパンであった。図7(A)では、トンネルスパンのような広範囲の健全度の評価範囲を図示することが困難であるため、この枠701に含まれる変状情報を用いて構造物の一部の健全度を判定する例について説明している。また、図7(A)に示すように、この第一の変状情報を用いた健全度判定結果は「健全度5」であったとする。
次に図7(B)は、ステップS314の調整処理部206の処理を説明するための図である。まず、図7(A)の第一の変状情報と、第一の健全度に対して、専門家210が「健全度4」に修正する入力を行ったとする。この結果、目標点検情報の健全度714には「健全度4」が設定されている。図7(B)の表の各行は、調整処理部206で作成する情報を示している。例えば、図7(B)の表の行721は、図6のステップS601で、処理パラメータ候補としてP1を設定して以降の処理を実行し、変状情報候補D1と健全度候補H1とを作成した結果を示している。処理パラメータ候補P1は、第一の変状情報を作成した処理パラメータと異なる処理パラメータであるため、変状情報候補D1は、第一の変状情報と異なる変状情報となっている。具体的には、第一の変状情報では、検知していなかった部分のひび割れが検知されていたり、ひび割れ幅の推定結果が太くなっていたりする。健全度の判定は、変状情報に基づいて実施され、例えば、ひび割れの数、長さ(総延長)、ひび割れの幅などを用いた判定ルールで判定される。従って、変状情報が変化すると、健全度も変化する可能性があるが、図7(B)の例では、変状情報候補D1は健全度の判定結果に影響を与えず、健全度候補H1は、「健全度5」のままであった。この健全度候補H1は、目標点検情報の「健全度4」と一致しないため、図6のフローチャートに従って、次の処理パラメータ候補P2を処理パラメータに設定して、変状情報候補D2と健全度候補H2とを作成する。この結果、健全度候補H2は「健全度3」であり、目標点検情報の「健全度4」と一致していない。従って、さらに次の処理パラメータを設定して処理を繰り返す。図7(B)では、処理パラメータ候補P4の健全度候補H4が「健全度4」となり、目標点検情報の健全度と一致したとする。この結果、変状情報候補D4を第二の変状情報とし、健全度候補H4を第二の健全度として出力する。
変状情報候補D4は、「健全度4」を判定する変状情報であり、第一の変状情報よりもひび割れを多く検知し、また、ひび割れ幅を太く推定している。評価領域である枠701の健全度を「健全度4」として記録するにあたり、この変状情報候補D4を合わせて点検結果として記録することが好ましい。本実施形態では、このような変状情報を、専門家が直接修正することなく、健全度を修正するだけで作成することができる。
変状情報候補D4は、「健全度4」を判定する変状情報であり、第一の変状情報よりもひび割れを多く検知し、また、ひび割れ幅を太く推定している。評価領域である枠701の健全度を「健全度4」として記録するにあたり、この変状情報候補D4を合わせて点検結果として記録することが好ましい。本実施形態では、このような変状情報を、専門家が直接修正することなく、健全度を修正するだけで作成することができる。
以下、図6のフローチャートの補足説明を行う。
上記の説明では、図6のステップS607で、調整情報に含まれる全処理パラメータ候補を設定した処理が終了した場合には、図6のフローチャートを終了するとした。この場合、調整情報作成部205の処理に戻り、再び、異なる処理パラメータ候補のセットを作成して、図6のフローチャートを実行するようにしても良い。なお、このようにする場合、所定回数繰り返しても、目標点検情報の健全度と一致する健全度が得られない場合には、調整処理を終了するようにする。
一方、調整情報作成部205の処理に戻らず、目標点検情報の健全度に最も類似する健全度が得られた結果を採用しても良い。例えば、第一の健全度が「健全度5」で、目標点検情報の健全度が「健全度2」であった場合に、処理パラメータ候補を変化させても、健全度候補で「健全度2」の結果が得られなかった場合には、「健全度3」を示した健全度候補を採用する。この場合、「健全度3」が第二の健全度となり、「健全度3」の健全度候補を作成した変状情報候補を第二の変状情報とする。このようにすることで、第二の健全度と目標点検情報の健全度とが一致しない場合にも、比較的、目標点検情報に整合した損傷情報を出力することができるようになる。さらに、後述するように、専門家にこの第二の変状情報と第二の健全度とを提示し、専門家にさらに調整処理を継続するかを判断させるための表示を実施しても良い。
また、図6では、処理パラメータ候補を順次設定して処理を実行し、目標点検情報と点検情報候補とが一致した段階で処理を終了する実施形態を説明したが、この方法に限定されない。調整情報のすべての処理パラメータ候補で、損傷情報と点検情報とを作成する処理を実行し、最も目標点検情報と類似する点検情報を第二の点検情報として選択するようにしても良い。
上記の説明では、図6のステップS607で、調整情報に含まれる全処理パラメータ候補を設定した処理が終了した場合には、図6のフローチャートを終了するとした。この場合、調整情報作成部205の処理に戻り、再び、異なる処理パラメータ候補のセットを作成して、図6のフローチャートを実行するようにしても良い。なお、このようにする場合、所定回数繰り返しても、目標点検情報の健全度と一致する健全度が得られない場合には、調整処理を終了するようにする。
一方、調整情報作成部205の処理に戻らず、目標点検情報の健全度に最も類似する健全度が得られた結果を採用しても良い。例えば、第一の健全度が「健全度5」で、目標点検情報の健全度が「健全度2」であった場合に、処理パラメータ候補を変化させても、健全度候補で「健全度2」の結果が得られなかった場合には、「健全度3」を示した健全度候補を採用する。この場合、「健全度3」が第二の健全度となり、「健全度3」の健全度候補を作成した変状情報候補を第二の変状情報とする。このようにすることで、第二の健全度と目標点検情報の健全度とが一致しない場合にも、比較的、目標点検情報に整合した損傷情報を出力することができるようになる。さらに、後述するように、専門家にこの第二の変状情報と第二の健全度とを提示し、専門家にさらに調整処理を継続するかを判断させるための表示を実施しても良い。
また、図6では、処理パラメータ候補を順次設定して処理を実行し、目標点検情報と点検情報候補とが一致した段階で処理を終了する実施形態を説明したが、この方法に限定されない。調整情報のすべての処理パラメータ候補で、損傷情報と点検情報とを作成する処理を実行し、最も目標点検情報と類似する点検情報を第二の点検情報として選択するようにしても良い。
次に図3のステップS324について説明する。ステップS324において、第二の情報処理装置110の結果表示部203は、第二の損傷情報と第二の点検情報とを表示部115に表示する。この処理により、専門家210に、損傷情報の調整結果を知らせることができる。
図8には、ステップS324において結果表示部203が表示部115に表示する情報の例を示している。図8のアプリケーションウィンドウ800は、図4と同様に、画像表示領域801を備える。画像表示領域801には、図面に重畳された構造物画像と、変状情報とが表示されている。ここで、本実施形態では、「スパンA」および「スパンC」の健全度を修正し、変状情報の調整を実施した。この結果、「スパンA」および「スパンC」については、第二の変状情報が作成されている。従って、画像表示領域801の「スパンA」および「スパンC」には、第二の変状情報を重畳表示している。図4と比較すると、図8の「スパンA」および「スパンC」には、図4とは異なる変状情報が表示されている。なお、他の調整処理を実施していないスパンについては、図4と同様に、第一の変状情報が表示されている。また、調整処理を実施していないスパンについては、例えば、図8の「スパンD」には第一の健全度810が表示されている。
図8には、ステップS324において結果表示部203が表示部115に表示する情報の例を示している。図8のアプリケーションウィンドウ800は、図4と同様に、画像表示領域801を備える。画像表示領域801には、図面に重畳された構造物画像と、変状情報とが表示されている。ここで、本実施形態では、「スパンA」および「スパンC」の健全度を修正し、変状情報の調整を実施した。この結果、「スパンA」および「スパンC」については、第二の変状情報が作成されている。従って、画像表示領域801の「スパンA」および「スパンC」には、第二の変状情報を重畳表示している。図4と比較すると、図8の「スパンA」および「スパンC」には、図4とは異なる変状情報が表示されている。なお、他の調整処理を実施していないスパンについては、図4と同様に、第一の変状情報が表示されている。また、調整処理を実施していないスパンについては、例えば、図8の「スパンD」には第一の健全度810が表示されている。
次に、「スパンC」については、調整処理前に専門家が入力した目標点検情報の健全度811が表示されている。スパンCの目標点検情報の健全度は、「健全度4」であった。また、「スパンC」には、調整処理の結果得られた第二の健全度812が表示されている。「スパンC」については、第二の健全度が「健全度4」として得られている。このように、「スパンC」は、調整処理により、専門家210の見解とする健全度が得られた評価領域で、専門家は目標点検情報の健全度811と第二の健全度812とを確認することで、期待する結果が得られたことを確認できる。また、「スパンC」の領域の第二の変状情報は、第一の変状情報と異なり、点検情報作成部202で「健全度4」を判定する変状情報である。例えば、図4と異なり、ひび割れ813や漏水814が検知されており、これらの変状情報の増加の影響により、「健全度4」と判定されている。なお、図8には不図示であるが、第一の健全度も比較のために表示するようにしても良い。第一の変状情報の表示方法としては、図8の画像表示領域801に、さらに重畳して表示する方法や、第二の変状情報と切り替えて表示する方法がある。このように、第一の変状情報を表示することにより、変状情報の調整結果である第二の変状情報と比較して確認することができるようになる。
一方、「スパンA」は、調整処理の結果、専門家が期待する結果が得られなかった評価領域の例である。具体的には、全ての調整情報の処理パラメータ候補で調整処理を実施しても、目標点検情報に一致する結果が得られなかったケースである。
「スパンA」についても、「スパンC」と同様に、目標点検情報の健全度821と第二の健全度822とが表示されている。ここで、「スパンA」については、目標点検情報の健全度821が「健全度3」で、第二の健全度822が「健全度4」であり、目標点検情報の健全度に一致する第二の健全度が得られていない。「スパンA」の第二の変状情報は、例えば、ひび割れ823のように、図4の第一の変状情報よりも多くの変状が検知されている。しかし、処理パラメータ候補を変更して、検知する変状の量を増加させても、「健全度3」にはならず、最も目標点検情報の健全度に近い結果でも、「健全度4」であった。このように、目標点検情報の健全度と第二の健全度とが一致しなかった評価領域については、第二の健全度の表示を強調して表示する。図8では、第二の健全度822の枠が太く表示されおり、「スパンC」の第二の健全度812と比べて強調して表示されている。表示の強調方法は、このような枠の強調に限らず、他の方法で強調表示を行っても良い。例えば、赤色などの強調色で表示したり、点滅表示をしたりしても良い。このようにすることで、トンネルのように、多数の健全度の評価領域がある場合にも、調整により期待する損傷情報が得られなかった評価領域を容易に把握することができるようになる。
「スパンA」のように、目標点検情報と一致する第二の健全度が得られなかったスパンについては、再び、調整処理を実施するようにしても良い。この再試行では、調整情報作成部205は、これまでの処理パラメータ候補と異なる処理パラメータ候補を設定して、調整処理を実施できるようにする。
「スパンA」についても、「スパンC」と同様に、目標点検情報の健全度821と第二の健全度822とが表示されている。ここで、「スパンA」については、目標点検情報の健全度821が「健全度3」で、第二の健全度822が「健全度4」であり、目標点検情報の健全度に一致する第二の健全度が得られていない。「スパンA」の第二の変状情報は、例えば、ひび割れ823のように、図4の第一の変状情報よりも多くの変状が検知されている。しかし、処理パラメータ候補を変更して、検知する変状の量を増加させても、「健全度3」にはならず、最も目標点検情報の健全度に近い結果でも、「健全度4」であった。このように、目標点検情報の健全度と第二の健全度とが一致しなかった評価領域については、第二の健全度の表示を強調して表示する。図8では、第二の健全度822の枠が太く表示されおり、「スパンC」の第二の健全度812と比べて強調して表示されている。表示の強調方法は、このような枠の強調に限らず、他の方法で強調表示を行っても良い。例えば、赤色などの強調色で表示したり、点滅表示をしたりしても良い。このようにすることで、トンネルのように、多数の健全度の評価領域がある場合にも、調整により期待する損傷情報が得られなかった評価領域を容易に把握することができるようになる。
「スパンA」のように、目標点検情報と一致する第二の健全度が得られなかったスパンについては、再び、調整処理を実施するようにしても良い。この再試行では、調整情報作成部205は、これまでの処理パラメータ候補と異なる処理パラメータ候補を設定して、調整処理を実施できるようにする。
以上の処理により、変状情報と健全度とを作成したのち、専門家210はこれらを点検結果として保存する操作を行う。図8のアプリケーションウィンドウ800は、保存操作領域802を備える。図8の保存操作領域802には、健全度保存操作部831が含まれており、各評価領域について、点検結果として保存する健全度等が表示されている。保存操作領域802には、健全度の列832があり、評価領域である各スパンについて、保存する健全度が表示されている。この健全度の列832に表示される健全度は、目標点検情報の健全度、または、第二の健全度である。この領域は、ユーザーである専門家210が任意に編集可能で、各スパンに対して任意の健全度を入力できるようにしても良い。
ここで、健全度の列832の健全度が、目標点検情報の健全度の場合、あるいは、専門家210が任意に健全度を編集した場合には、変状情報から判定できる第一または第二の健全度と異なる健全度となっている可能性がある。例えば、図8の保存操作領域802の「スパンA」の健全度は、目標点検情報の健全度が「健全度3」となっているが、画像表示領域801の「スパンA」の変状情報は、「健全度4」を示す変状情報である。このような状態で、変状情報と健全度とを点検結果として保存すると、変状情報と健全度とが整合していない情報を点検結果として保存することになる。このような場合、「スパンA」の健全度を第二の健全度である「健全度4」にして保存することが一つの解決方法である。しかし、「スパンA」の健全度を「健全度3」と判断することが正しいと専門家210が考える場合には、「スパンA」の健全度を「健全度3」としつつ、この健全度と整合しない変状情報とを合わせて点検結果とすることになる。このような場合に、健全度と変状情報との不整合に関する情報を記録するようにしても良い。例えば、図8には、コメント欄833が備えられ、健全度と変状情報とが整合していないスパンについて、コメントが記入できるようになっている。図8のスパンAのコメント欄には、「ひび割れ未検知」とコメントが入力されており、変状情報のひび割れが十分検知できていないため、「健全度3」を示す変状情報が得られていないことが記録されている。このようなコメントも点検結果として保存することで、健全度と変状情報との不整合の理由を合わせて記録することができる。
保存操作領域802には、点検結果保存ボタン834を備え、専門家が操作部116を操作して点検結果保存ボタン834を選択すると、健全度保存操作部831の健全度と、画像表示領域801に表示されている変状情報とが合わせて保存される。これにより、点検対象の構造物の点検結果の情報を作成することができる。
なお、記録する健全度と変状情報とに不整合がある評価領域については、強制的にコメントを入力させるようにしても良い。例えば、健全度と変状情報とに不整合がある場合には、点検結果保存ボタン834を選択しても保存処理が進行せず、健全度と変状情報とに不整合があるスパンのコメント欄にコメント入力を求めるようにする。これにより、健全度と変状情報とに不整合がある点検結果をそのまま保存してしまうことを防ぐことができる。
なお、記録する健全度と変状情報とに不整合がある評価領域については、強制的にコメントを入力させるようにしても良い。例えば、健全度と変状情報とに不整合がある場合には、点検結果保存ボタン834を選択しても保存処理が進行せず、健全度と変状情報とに不整合があるスパンのコメント欄にコメント入力を求めるようにする。これにより、健全度と変状情報とに不整合がある点検結果をそのまま保存してしまうことを防ぐことができる。
また、図8には不図示であるが、アプリケーションウィンドウ800には、画像表示領域801の変状情報を編集する機能を備えても良い。変状情報の編集機能は、ベクタデータを編集可能な機能で、例えば、ひび割れを追加、削除することができる。このような機能を備えることで、専門家210は、調整処理により所望の変状情報が得られなかった部分について、手動で変状情報を修正することができる。これにより、専門家210が判断した健全度と整合する変状情報を作成し、点検結果として記録することができる。専門家が変状情報の修正を行うことは、本システムの趣旨に反するものであるが、専門家が変状情報を編集できない状態も不便なため、多くの工数を必要としない若干の修正を専門家が実施できるように、このような編集機能を備えても良い。
以上、説明したように、第1の実施形態では、専門家が修正した点検情報に基づいて、点検情報と整合する損傷情報を作成することができるようになる。以下では、第1の実施形態のバリエーションについて説明する。
本実施形態では、調整情報の処理パラメータ候補を、目標点検情報の健全度と、第一の健全度とに基づいて設定する実施形態について説明した。調整情報は、これに限らず、別の方法で設定するようにしても良い。以下、図9を用いて、調整情報の設定方法のバリエーションについて説明する。
本実施形態では、調整情報の処理パラメータ候補を、目標点検情報の健全度と、第一の健全度とに基づいて設定する実施形態について説明した。調整情報は、これに限らず、別の方法で設定するようにしても良い。以下、図9を用いて、調整情報の設定方法のバリエーションについて説明する。
図9は、変状情報の調整方針を、ユーザー(専門家)が直接設定する実施形態を説明するための図である。図9のアプリケーションウィンドウ900は、結果表示部203が表示部115に表示し、専門家が操作部116により操作するGUIアプリケーションを示している。図9のアプリケーションは、図3のステップS323の目標点検情報の設定のタイミングで操作できるものとする。
図9のアプリケーションウィンドウ900は、調整方針入力領域902を備える。専門家は、この領域を操作することにより、変状情報の調整方針を入力することができる。図9の例では、変状情報の調整方針は、トンネルスパンごとに設定される。従って、プルダウンメニュー910により、変状の調整方針を設定するスパンを選択することができるようになっている。また、調整方針入力領域902は、スライダ部911を備えている。専門家は、各変状について、スライダ部911に検知の量の傾向を設定することができる。なお、スライダ部911のスライダの中心は、第一の変状情報を基準としており、専門家は第一の変状情報に比べて、変状の量を増減させるための調整方針を入力できる。
図9のアプリケーションウィンドウ900は、調整方針入力領域902を備える。専門家は、この領域を操作することにより、変状情報の調整方針を入力することができる。図9の例では、変状情報の調整方針は、トンネルスパンごとに設定される。従って、プルダウンメニュー910により、変状の調整方針を設定するスパンを選択することができるようになっている。また、調整方針入力領域902は、スライダ部911を備えている。専門家は、各変状について、スライダ部911に検知の量の傾向を設定することができる。なお、スライダ部911のスライダの中心は、第一の変状情報を基準としており、専門家は第一の変状情報に比べて、変状の量を増減させるための調整方針を入力できる。
調整情報作成部205では、このような専門家の変状情報の調整方針を第二の情報処理装置110から受け取り、調整方針に従って、損傷情報作成部201の処理パラメータ候補を作成する。例えば、ひび割れの検知結果を増加させる調整方針が与えられた場合には、初期値の処理パラメータよりも低い閾値などの処理パラメータ候補を調整情報として設定する。また、図9のスライダ部911のスライダの設定に応じて、第一の変状情報から変化させるための処理パラメータを決定することができる。
専門家の変状情報の調整方針を受け付ける他の方法として、例えば、専門家のコメントを受け付けるようにしても良い。例えば、図9のコメント入力領域912は、専門家が変状情報の調整方針を自由文で入力するための領域である。調整情報作成部205は、この領域に入力された自由文を解釈して、調整情報を作成するようにしても良い。
専門家の変状情報の調整方針を受け付ける他の方法として、例えば、専門家のコメントを受け付けるようにしても良い。例えば、図9のコメント入力領域912は、専門家が変状情報の調整方針を自由文で入力するための領域である。調整情報作成部205は、この領域に入力された自由文を解釈して、調整情報を作成するようにしても良い。
また、変状情報の調整を必要とする領域を限定できるようにしても良い。例えば、図9の画像表示領域901の枠920は、専門家が変状情報の調整が必要と判断した領域を入力した状態を示している。このように変状情報を調整する領域が設定されている場合には、調整情報に、変状情報を調整する領域の情報を加える。調整処理部206は、調整情報に従い、枠920の変状情報のみを変更する。具体的には、枠920の範囲の画像に対してのみ、調整情報に従って検知処理を実行し、第二の変状情報を作成する。「スパンC」の健全度を判定する場合には、枠920以外の領域については、第一の変状情報を用いて、枠920の範囲の第二の変状情報と合わせて、健全度を判定する。
以上のように、調整情報の情報は、専門家が入力する調整方針に基づいて設定するようにしても良い。
以上のように、調整情報の情報は、専門家が入力する調整方針に基づいて設定するようにしても良い。
また、本実施形態では調整情報を作成しているが、調整情報を作成することなく実施することもできる。調整情報を作成しない実施形態では、調整処理部206には、損傷情報作成部201に設定する処理パラメータ候補が与えられない。この場合には、調整処理部206は、ランダムに処理パラメータ候補を設定して、損傷情報作成部201での検知処理を実行する。さらに、この結果得られた変状情報を用いて、点検情報作成部202で健全度を判定する。この判定された健全度が、目標点検情報の健全度と一致するまで、以上の処理を繰り返す。すなわち、調整情報作成部205を含まない構成で、目標点検情報を用いて調整処理を行うだけでも、本システムの目的を達成することができる。
また、第二の変状情報を作成した処理パラメータを記録して、損傷情報作成部201の初期パラメータとして利用するようにしても良い。第二の変状情報を作成した処理パラメータは、専門家の判断に近い変状検知結果を作成することができるパラメータである可能性が高い。従って、第二の変状情報を作成した処理パラメータを初期パラメータとして記録しておき、構造物の次回点検に活用するようにしても良い。また、第二の変状情報を作成した処理パラメータは、専門家個人や専門家が所属する組織が好む変状検知結果を作成することができる処理パラメータである可能性が高い。従って、専門家個人や組織と関連付けて、この処理パラメータを保存しておき、専門家個人や組織が、本システムを利用する場合に損傷情報作成部201の初期値の処理パラメータとして利用することができるようにしても良い。
また、以上の実施形態では、損傷情報の具体的な例として、ひび割れや他の変状からなる変状情報について説明した。損傷情報の他の例として、損傷度を用いる例について説明する。
以下の説明での損傷度は、構造物の部分的な画像から、その部分の損傷度合いを判定した情報であるとする。例えば、構造物のボルトなど、付帯物の画像から、その付帯物の損傷度合いを判定した結果の情報である。このような損傷度の判定は、例えば、機械学習の技術を用いて実施することができる。具体的には、付帯物の画像と、その画像の損傷度ランクとのペアのデータを任意の機械学習アルゴリズムで学習することにより、損傷度判定モデルを作成することができる。損傷情報作成部201では、この損傷度判定モデルを用いて、点検対象画像の付帯物部分の損傷度を判定する。損傷度の結果を調整するための処理パラメータとしては、例えば、機械学習アルゴリズムの閾値やバイアスがある。
健全度は、このような損傷度の情報も用いて判定することができる。具体的には、健全度判定ルールの一部に、損傷度の情報を用いることができる。例えば、「ボルトの損傷度が「A」であれば、「健全度3」とする」というような判定ルールを作成することにより、損傷度を用いた健全度の判定を実施することができる。
以下の説明での損傷度は、構造物の部分的な画像から、その部分の損傷度合いを判定した情報であるとする。例えば、構造物のボルトなど、付帯物の画像から、その付帯物の損傷度合いを判定した結果の情報である。このような損傷度の判定は、例えば、機械学習の技術を用いて実施することができる。具体的には、付帯物の画像と、その画像の損傷度ランクとのペアのデータを任意の機械学習アルゴリズムで学習することにより、損傷度判定モデルを作成することができる。損傷情報作成部201では、この損傷度判定モデルを用いて、点検対象画像の付帯物部分の損傷度を判定する。損傷度の結果を調整するための処理パラメータとしては、例えば、機械学習アルゴリズムの閾値やバイアスがある。
健全度は、このような損傷度の情報も用いて判定することができる。具体的には、健全度判定ルールの一部に、損傷度の情報を用いることができる。例えば、「ボルトの損傷度が「A」であれば、「健全度3」とする」というような判定ルールを作成することにより、損傷度を用いた健全度の判定を実施することができる。
以上のように、損傷度の情報は、変状情報と同様に取り扱うことができる情報である。従って、損傷度の情報についても損傷情報の一例である。
また、本実施形態では、第一の情報処理装置100と第二の情報処理装置110との2つの情報処理装置を用いる構成について説明したが、全ての機能を1つの情報処理装置に集約して、上記の処理を実行するようにしても良い。
さらに、本実施形態では、第一の変状情報と、第一の健全度とを表示し、専門家がこれらの情報を確認して、健全度を修正する処理について説明した。本実施形態の変形として、第一の変状情報と第一の健全度とを作成する工程を省略しても良い。この場合、図3のステップS311およびS312は省略する。ステップS322において、結果表示部203は、専門家に対して構造物の画像のみを表示部115に表示する。専門家は、構造物の画像を閲覧し、各評価領域の健全度を判断して、各評価領域に健全度を入力する。ステップS323において、設定部204は、この入力された健全度を目標点検情報とする。以下のステップでは、この目標点検情報に整合する変状情報を作成する。
また、本実施形態では、第一の情報処理装置100と第二の情報処理装置110との2つの情報処理装置を用いる構成について説明したが、全ての機能を1つの情報処理装置に集約して、上記の処理を実行するようにしても良い。
さらに、本実施形態では、第一の変状情報と、第一の健全度とを表示し、専門家がこれらの情報を確認して、健全度を修正する処理について説明した。本実施形態の変形として、第一の変状情報と第一の健全度とを作成する工程を省略しても良い。この場合、図3のステップS311およびS312は省略する。ステップS322において、結果表示部203は、専門家に対して構造物の画像のみを表示部115に表示する。専門家は、構造物の画像を閲覧し、各評価領域の健全度を判断して、各評価領域に健全度を入力する。ステップS323において、設定部204は、この入力された健全度を目標点検情報とする。以下のステップでは、この目標点検情報に整合する変状情報を作成する。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、調整処理部206が目標点検情報に基づいて、損傷情報の調整を行う実施形態について説明した。第2の実施形態では、専門家が入力した目標点検情報や、調整方針に基づいて、オペレータが調整処理部206を操作して損傷情報を調整する実施形態について説明する。この構成により、第1の実施形態と同様に、専門家は点検情報の修正を行うだけで、損傷情報の修正を行うことなく、点検情報と損傷情報とが整合した点検結果を得ることができる。また、第2の実施形態では、専門家が入力した目標点検情報や、調整方針を元に調整情報を作成し、この調整情報を表示部に表示する。これにより、オペレータは、調整情報に基づいて損傷情報の調整を容易に実施することができるようになる。
なお、第2の実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成は、第1の実施形態に係る第一の情報処理装置100および第二の情報処理装置110に、第三の情報処理装置が1001を加えた構成となる。第三の情報処理装置1001は、第一の情報処理装置100および第二の情報処理装置110とネットワーク120を介して相互通信が可能である。第三の情報処理装置1001のハードウェア構成は、第一の情報処理装置100と同様であるため、説明を省略する。また、以下の機能構成の説明において、第1の実施形態と同様の処理を行う機能部についても、説明を省略する。
第1の実施形態では、調整処理部206が目標点検情報に基づいて、損傷情報の調整を行う実施形態について説明した。第2の実施形態では、専門家が入力した目標点検情報や、調整方針に基づいて、オペレータが調整処理部206を操作して損傷情報を調整する実施形態について説明する。この構成により、第1の実施形態と同様に、専門家は点検情報の修正を行うだけで、損傷情報の修正を行うことなく、点検情報と損傷情報とが整合した点検結果を得ることができる。また、第2の実施形態では、専門家が入力した目標点検情報や、調整方針を元に調整情報を作成し、この調整情報を表示部に表示する。これにより、オペレータは、調整情報に基づいて損傷情報の調整を容易に実施することができるようになる。
なお、第2の実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成は、第1の実施形態に係る第一の情報処理装置100および第二の情報処理装置110に、第三の情報処理装置が1001を加えた構成となる。第三の情報処理装置1001は、第一の情報処理装置100および第二の情報処理装置110とネットワーク120を介して相互通信が可能である。第三の情報処理装置1001のハードウェア構成は、第一の情報処理装置100と同様であるため、説明を省略する。また、以下の機能構成の説明において、第1の実施形態と同様の処理を行う機能部についても、説明を省略する。
図10は、第2の実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。図10は、第1の実施形態に係る第一の情報処理装置100および第二の情報処理装置110に、第三の情報処理装置1001を加えた構成となっている。第三の情報処理装置1001は、調整情報表示部1002と調整操作部1003とを有している。第三の情報処理装置1001の各機能部は、第一の情報処理装置100、第二の情報処理装置110と同様に、CPU、ROM等を用いて、プログラムを実行する。
次に、第三の情報処理装置1001の各機能部について説明する。
調整情報表示部1002は、調整情報作成部205により作成された調整情報等を第三の情報処理装置1001の表示部に表示する。調整操作部1003は、オペレータ1010が操作部106を介して行う調整操作を受け付ける。
第2の実施形態では、図10のように、情報処理装置を3つ備える。第一の情報処理装置100はサーバ、第二の情報処理装置110、および、第三の情報処理装置1001はクライアント端末として動作する。図10には、第二の情報処理装置110のユーザーについて第一のユーザーとして、点検の専門家210を示している。また、第三の情報処理装置1001のユーザーについて第二のユーザーとして、オペレータ1010を示している。本実施形態では、図10のように、高度な処理である損傷情報作成部201、点検情報作成部202を第一の情報処理装置100に集約し、第二の情報処理装置110、および第三の情報処理装置1001を複数準備する。このようにすることによって、多数のユーザーに容易にサービスを提供することができるようになる。
まず、第2の実施形態でのユーザーについて説明する。点検の専門家210は、第1の実施形態と同様のユーザーで、第1の実施形態と同様の操作、作業を行う。オペレータ1010は、損傷情報の調整を実施するユーザーで、専門家210とは異なる人間である。以下、オペレータ1010の具体的な例について説明する。
次に、第三の情報処理装置1001の各機能部について説明する。
調整情報表示部1002は、調整情報作成部205により作成された調整情報等を第三の情報処理装置1001の表示部に表示する。調整操作部1003は、オペレータ1010が操作部106を介して行う調整操作を受け付ける。
第2の実施形態では、図10のように、情報処理装置を3つ備える。第一の情報処理装置100はサーバ、第二の情報処理装置110、および、第三の情報処理装置1001はクライアント端末として動作する。図10には、第二の情報処理装置110のユーザーについて第一のユーザーとして、点検の専門家210を示している。また、第三の情報処理装置1001のユーザーについて第二のユーザーとして、オペレータ1010を示している。本実施形態では、図10のように、高度な処理である損傷情報作成部201、点検情報作成部202を第一の情報処理装置100に集約し、第二の情報処理装置110、および第三の情報処理装置1001を複数準備する。このようにすることによって、多数のユーザーに容易にサービスを提供することができるようになる。
まず、第2の実施形態でのユーザーについて説明する。点検の専門家210は、第1の実施形態と同様のユーザーで、第1の実施形態と同様の操作、作業を行う。オペレータ1010は、損傷情報の調整を実施するユーザーで、専門家210とは異なる人間である。以下、オペレータ1010の具体的な例について説明する。
1つ目の例でのオペレータ1010は、点検情報作成の代行サービスを実施するビジネスにおいて、損傷情報の調整作業を行うユーザーである。このサービスでは、まず、第一の情報処理装置100は、点検情報作成サービスを実施する企業が取り扱うサーバである。第二の情報処理装置110は、点検の専門家210が利用するクライアント端末である。専門家210は、情報処理装置100が作成した第一の損傷情報と第一の点検情報とを確認し、第一の点検情報を修正する情報(目標点検情報)を入力する。第三の情報処理装置1001は、点検情報作成サービスを実施する企業のオペレータ1010が利用するクライアント端末である。オペレータ1010は、第三の情報処理装置1001を用いて、目標点検情報に整合した損傷情報を作成する作業を行う。
2つ目の例でのオペレータ1010は、点検対象の構造物を維持、管理する組織の中で、損傷情報の調整作業を行うユーザーである。この利用方法では、まず、第一の情報処理装置100は、組織の内部で管理するオンプレミスサーバである。第二の情報処理装置110は、点検の専門家210が利用するクライアント端末である。専門家210は、情報処理装置100が作成した第一の損傷情報と第一の点検情報とを確認し、第一の点検情報を修正する情報(目標点検情報)を入力する。第三の情報処理装置1001は、組織の中で、損傷情報の調整作業を担当するオペレータ1010が利用するクライアント端末である。オペレータ1010は、第三の情報処理装置1001を用いて、目標点検情報に整合した損傷情報を作成する作業を行う。
以上のいずれの例においても、専門家210が直接、損傷情報の修正を実施しなくて良いので、専門家の作業工数を削減することができる。
以上のいずれの例においても、専門家210が直接、損傷情報の修正を実施しなくて良いので、専門家の作業工数を削減することができる。
次に、図11のフローチャートを用いて、第2の実施形態の処理について説明する。
まず、図11のステップS311~S312、S321~S323は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。これらのステップの処理により、第一の損傷情報と第一の点検情報とを作成し、これを専門家に提示して、専門家は第一の点検情報を修正する目標点検情報を設定した状態となっている。
以下、図11のステップS1101以降の処理について説明する。なお、第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、損傷情報と点検情報との具体的な例として、変状情報と健全度とを用いて実施形態を説明する。
まず、ステップS1101において、第一の情報処理装置100の調整情報作成部205は、調整情報を作成する。調整情報は、第1の実施形態と同様に、損傷情報の調整の方針を示す情報である。ただし、第2の実施形態では、調整情報をオペレータ1010に提示する情報として作成する。第2の実施形態では、後述するステップにおいて、オペレータ1010が損傷情報作成部201の処理パラメータ候補を設定して検知処理を実施する。調整情報は、この処理パラメータ候補の設定の指示、あるいは、処理パラメータ候補の設定の方針の情報である。
まず、図11のステップS311~S312、S321~S323は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。これらのステップの処理により、第一の損傷情報と第一の点検情報とを作成し、これを専門家に提示して、専門家は第一の点検情報を修正する目標点検情報を設定した状態となっている。
以下、図11のステップS1101以降の処理について説明する。なお、第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、損傷情報と点検情報との具体的な例として、変状情報と健全度とを用いて実施形態を説明する。
まず、ステップS1101において、第一の情報処理装置100の調整情報作成部205は、調整情報を作成する。調整情報は、第1の実施形態と同様に、損傷情報の調整の方針を示す情報である。ただし、第2の実施形態では、調整情報をオペレータ1010に提示する情報として作成する。第2の実施形態では、後述するステップにおいて、オペレータ1010が損傷情報作成部201の処理パラメータ候補を設定して検知処理を実施する。調整情報は、この処理パラメータ候補の設定の指示、あるいは、処理パラメータ候補の設定の方針の情報である。
調整情報の作成方法については、第1の実施形態と同様に、第一の点検情報と目標点検情報とに基づいて作成することができる。具体的には、第1の実施形態と同様に、損傷情報作成部201の処理パラメータ候補のセットPを作成すればよい。また、第2の実施形態では、調整情報はオペレータ1010が確認する情報であるため、必ずしも、処理パラメータ候補そのものでなくともよい。例えば、処理パラメータ候補を設定するための調整の傾向を示す情報でもよい。具体的には、目標点検情報の健全度が「健全度4」で、第一の健全度が「健全度5」であった場合、初期値の処理パラメータよりも変状検知結果が増加するように、変状情報を調整することが好ましい。従って、この場合には、「ひび割れ検知多め」などのように調整の傾向を示すテキスト情報を調整情報としても良い。なお、この場合、オペレータは、このようなテキスト情報が与えられたときに、どのように処理パラメータ候補を設定すればよいか理解しているものとする。
また、第2の実施形態では、目標点検情報も調整情報の一例である。例えば、オペレータは、目標点検情報の健全度を確認して、この健全度が得られる変状情報を作成することができる。従って、目標点検情報も、調整の方針を示す調整情報として機能する。
ステップS1101において、調整情報作成部205は、以上のようにして調整情報を作成したのちに、調整情報およびその他の必要な情報を第三の情報処理装置1001にネットワーク120を介して送信する。
また、第2の実施形態では、目標点検情報も調整情報の一例である。例えば、オペレータは、目標点検情報の健全度を確認して、この健全度が得られる変状情報を作成することができる。従って、目標点検情報も、調整の方針を示す調整情報として機能する。
ステップS1101において、調整情報作成部205は、以上のようにして調整情報を作成したのちに、調整情報およびその他の必要な情報を第三の情報処理装置1001にネットワーク120を介して送信する。
次に、図11のステップS1102において、第三の情報処理装置1001の調整情報表示部1002は、調整情報およびその他の必要な情報を第三の情報処理装置1001の非図示の表示部に表示して、オペレータ1010が情報を閲覧できるようにする。図12には、調整情報表示部1002が第三の情報処理装置1001の表示部に表示する情報を説明するための図を示す。
図12のアプリケーションウィンドウ1200は、表示部に表示されたアプリケーションウィンドウである。アプリケーションウィンドウ1200には、画像表示領域1201、調整情報表示領域1202および処理パラメータ設定領域1203を備える。
画像表示領域1201には、第1の実施形態の図4の画像表示領域401と同様に、トンネルの図面と、図面に重畳表示されたトンネル壁面の画像とが表示されている。また、画像表示領域1201には、図面および画像に重畳する状態で、ひび割れや漏水などの変状情報が表示されている。これらの変状情報は、損傷情報作成部201が作成した第一の損傷情報である。また、画像表示領域1201には、点検情報作成部202が作成した第一の健全度も重畳表示されている。これらの情報は、調整情報と合わせて、第一の情報処理装置100から、ネットワーク120を介して第三の情報処理装置1001に送信されているものとする。
画像表示領域1201には、第1の実施形態の図4の画像表示領域401と同様に、トンネルの図面と、図面に重畳表示されたトンネル壁面の画像とが表示されている。また、画像表示領域1201には、図面および画像に重畳する状態で、ひび割れや漏水などの変状情報が表示されている。これらの変状情報は、損傷情報作成部201が作成した第一の損傷情報である。また、画像表示領域1201には、点検情報作成部202が作成した第一の健全度も重畳表示されている。これらの情報は、調整情報と合わせて、第一の情報処理装置100から、ネットワーク120を介して第三の情報処理装置1001に送信されているものとする。
オペレータ1010の作業の目的は、画像表示領域1201に表示された第一の変状情報を、目標点検情報の健全度と整合する情報に修正することである。この作業のために必要な情報が、調整情報として調整情報表示領域1202に表示されている。
まず、図12の調整情報表示領域1202の表示内容は、トンネルのスパンCの変状情報を調整するための情報である。図12の例では、調整情報はこのように、調整が必要な評価領域ごとに表示されているものとして、評価領域の切り替えはプルダウンメニュー1210で実施できるものとする。次に、調整情報表示領域1202には、現在の健全度である第一の健全度1211と、目標点検情報の健全度1212とが表示されている。オペレータは、この目標点検情報の健全度1212を確認して、この健全度が得られる変状情報を作成するための操作を実施する。
まず、図12の調整情報表示領域1202の表示内容は、トンネルのスパンCの変状情報を調整するための情報である。図12の例では、調整情報はこのように、調整が必要な評価領域ごとに表示されているものとして、評価領域の切り替えはプルダウンメニュー1210で実施できるものとする。次に、調整情報表示領域1202には、現在の健全度である第一の健全度1211と、目標点検情報の健全度1212とが表示されている。オペレータは、この目標点検情報の健全度1212を確認して、この健全度が得られる変状情報を作成するための操作を実施する。
さらに、図12の調整情報表示領域1202には、ステップS1101で作成した他の調整情報が表示されている。例えば、調整の傾向の情報1213として、「ひび割れ検知多め」のテキストが表示されている。また、推奨処理パラメータ表示領域1214には、調整情報として求めた処理パラメータ候補のセットPにおける個々の処理パラメータ候補が推奨処理パラメータとして表示されている。なお、図12では、第一の変状情報を作成した初期値の処理パラメータ(初期パラメータ)も、参考情報として推奨処理パラメータ表示領域1214に表示されている。
調整情報表示領域1202には、これらのような調整情報が1つ以上表示されており、オペレータは、この調整情報を閲覧することにより、調整処理の方針や推奨処理パラメータを理解することができる。
調整情報表示領域1202には、これらのような調整情報が1つ以上表示されており、オペレータは、この調整情報を閲覧することにより、調整処理の方針や推奨処理パラメータを理解することができる。
次に、図11のステップS1103において、調整操作部1003は、オペレータ1010の調整操作を受け付ける。オペレータ1010は、上記の調整情報を確認して、期待される変状情報を作成するための処理パラメータ候補を決定し、変状の検知処理を実施する。そのために、図12のアプリケーションウィンドウ1200には、処理パラメータ設定領域1203を備える。処理パラメータ設定領域1203は、オペレータ1010が損傷情報作成部201の処理パラメータ候補を設定するための操作領域である。オペレータ1010は、調整情報を確認して、適切と想定される処理パラメータ候補を処理パラメータ設定領域1203に設定する。図12の例では、オペレータ1010が調整情報表示領域1202の推奨処理パラメータを参考に、閾値0.2m、ノイズ除去パラメータ50を設定した状態のひび割れ検知パラメータを設定した状態を示している。なお、オペレータ1010が、調整情報の処理パラメータ候補と異なる処理パラメータ候補、あるいは大きく異なる処理パラメータ候補を設定した場合には、警告を発生させるようにしても良い。また、調整情報の調整方針と異なる処理パラメータ候補を設定した場合にも、警告を発生させるようにしても良い。
処理パラメータ候補の設定が完了した後、オペレータ1010は処理実行ボタン1221を押下する。これにより、調整操作部1003は、処理パラメータ設定領域1203に設定された処理パラメータ候補を操作情報として第一の情報処理装置100へと送信する。
以上のように、オペレータに調整情報を提示することにより、オペレータは変状情報を調整するための操作が分かりやすくなる。なお、上記の説明では、処理パラメータ設定領域1203に、一つの処理パラメータを設定する実施形態について説明したが、オペレータが同時に複数の処理パラメータを設定することができるようにしても良い。
以上のように、オペレータに調整情報を提示することにより、オペレータは変状情報を調整するための操作が分かりやすくなる。なお、上記の説明では、処理パラメータ設定領域1203に、一つの処理パラメータを設定する実施形態について説明したが、オペレータが同時に複数の処理パラメータを設定することができるようにしても良い。
次にステップS1104において、調整処理部206は、損傷情報作成部201を制御して、目標点検情報に類似した点検情報を作成することができる損傷情報を作成させる。そして、調整処理部206は、点検情報作成部202を制御し、作成した損傷情報を用いて点検情報を作成させる。具体的には、調整処理部206の制御によって、損傷情報作成部201では、調整操作部1003に設定された処理パラメータ候補で検知処理を実施して変状情報を作成し、点検情報作成部202では、この変状情報を用いて健全度を判定する。これらの処理は、第1の実施形態と同様であるが、第2の実施形態では、調整した変状情報と健全度とを第二の情報処理装置110に送信する前に、オペレータが確認するために第三の情報処理装置1001に送信するようにしても良い。この場合、第三の情報処理装置1001の調整情報表示部1002は、オペレータが設定した処理パラメータ候補で作成された変状情報と健全度とを表示部に表示する。これによりオペレータは、設定した処理パラメータ候補によって作成された変状情報と健全度とを確認することができるようになる。オペレータは、これらの結果を確認して、目標点検情報の健全度と異なる健全度が作成されている場合には、さらに異なる処理パラメータ候補を設定し、調整を繰り返す。逆に、オペレータが目標点検情報の健全度と一致する健全度が作成されていることが確認できた場合には、調整処理部206は、その旨を第三の情報処理装置1001から受信し、これらの結果を第二の情報処理装置110へと送信する。
ステップS1104において、調整処理部206は、以上の処理によって作成された損傷情報と点検情報とを、それぞれ第二の損傷情報と、第二の点検情報として、ネットワーク120を介して第二の情報処理装置110へ送信する。
ステップS324は、第二の損傷情報と第二の点検情報とを専門家210に対して表示する処理で、第1の実施形態と同様の処理であるため、説明を省略する。
以上のように、第2の実施形態でも、専門家は点検情報の修正を行うだけで、損傷情報の修正を行うことなく、点検情報と損傷情報とが整合した点検結果を得ることができるようになる。以下、第2の実施形態のバリエーションについて説明する。
ステップS324は、第二の損傷情報と第二の点検情報とを専門家210に対して表示する処理で、第1の実施形態と同様の処理であるため、説明を省略する。
以上のように、第2の実施形態でも、専門家は点検情報の修正を行うだけで、損傷情報の修正を行うことなく、点検情報と損傷情報とが整合した点検結果を得ることができるようになる。以下、第2の実施形態のバリエーションについて説明する。
図13は、第2の実施形態のバリエーションを説明するための図であり、調整情報表示部1002が第三の情報処理装置1001の表示部に表示する情報を示す。図13において、図12と同様の部分については説明を省略する。
まず、図13の調整情報表示領域1302について説明する。図13の調整情報表示領域1302には、調整情報として、調整方針のテキスト1311や、各変状の量などの変更方針が示されている。これらは、専門家210が設定または入力した変状情報の調整方針を調整情報として表示したものである。これらの専門家210の調整方針は、第1の実施形態で図9を用いて説明した処理により取得することができる。第2の実施形態では、調整の操作を人間であるオペレータ1010が実施する。従って、テキスト情報を含む専門家210の調整方針を調整情報として表示部に表示することにより、より詳細な調整方針に基づいて調整作業を行うことができる。また、同様に、専門家が設定した変状情報の修正が必要な範囲1313の情報を、画像表示領域1301に表示するようにしても良い。オペレータは、これらの調整情報を確認し、処理パラメータ候補を決定して、処理パラメータ設定領域1303に処理パラメータ候補を設定する。
以上のようにすることにより、専門家210の調整方針を具体的にオペレータ1010に伝えることができるようになる。
まず、図13の調整情報表示領域1302について説明する。図13の調整情報表示領域1302には、調整情報として、調整方針のテキスト1311や、各変状の量などの変更方針が示されている。これらは、専門家210が設定または入力した変状情報の調整方針を調整情報として表示したものである。これらの専門家210の調整方針は、第1の実施形態で図9を用いて説明した処理により取得することができる。第2の実施形態では、調整の操作を人間であるオペレータ1010が実施する。従って、テキスト情報を含む専門家210の調整方針を調整情報として表示部に表示することにより、より詳細な調整方針に基づいて調整作業を行うことができる。また、同様に、専門家が設定した変状情報の修正が必要な範囲1313の情報を、画像表示領域1301に表示するようにしても良い。オペレータは、これらの調整情報を確認し、処理パラメータ候補を決定して、処理パラメータ設定領域1303に処理パラメータ候補を設定する。
以上のようにすることにより、専門家210の調整方針を具体的にオペレータ1010に伝えることができるようになる。
また、以上の実施形態では、損傷情報作成部201の処理パラメータ候補を設定することにより、変状情報の調整を行う実施形態について説明した。第2の実施形態では、変状情報の調整をオペレータ1010が手動で実施するようにしても良い。図13の画像表示領域1301には、変状情報を編集するための機能を備える。例えば、アイコン1321を押下することにより、変状を追加する編集を行うモードに移行し、アイコン1322を押下することにより、変状を削除する編集を行うモードに移行する。これらの機能を用いて、オペレータ1010は、画像表示領域1301の変状を編集する。これらの変状の編集においても、調整情報表示領域1302に調整情報が表示されていることで、オペレータは、変状の調整(追加、削除)の方針を確認しながら、変状の編集を行うことができる。
オペレータは、変状の編集作業が完了したら、操作部を操作して画面上の健全度更新ボタン1323を選択する。これにより、調整操作部1003は、編集された変状情報と健全度の再判定要求を操作情報として、第一の情報処理装置100に送信する。第一の情報処理装置100では、まず、調整処理部206が、損傷情報作成部201に編集された変状情報を送る。損傷情報作成部201は記録されている変状情報を編集された変状情報に更新する。つまり、オペレータが手動で変状情報を編集した場合には、損傷情報作成部201は変状の検知処理を実行しないようにする。
オペレータは、変状の編集作業が完了したら、操作部を操作して画面上の健全度更新ボタン1323を選択する。これにより、調整操作部1003は、編集された変状情報と健全度の再判定要求を操作情報として、第一の情報処理装置100に送信する。第一の情報処理装置100では、まず、調整処理部206が、損傷情報作成部201に編集された変状情報を送る。損傷情報作成部201は記録されている変状情報を編集された変状情報に更新する。つまり、オペレータが手動で変状情報を編集した場合には、損傷情報作成部201は変状の検知処理を実行しないようにする。
次に、点検情報作成部202では、更新された変状情報を用いて健全度を判定する。そして、この判定した健全度を、ネットワーク120を介して第三の情報処理装置1001に送信する。第三の情報処理装置1001の調整情報表示部1002は、判定した健全度を表示部に表示する。これによりオペレータ1010は、変状情報の編集の結果、健全度がどのように変化したかを確認することができる。この判定した健全度が目標点検情報の健全度と一致しなければ、オペレータ1010は、変状情報の編集を継続して、編集が完了したら再び健全度を判定する。判定した健全度が目標点検情報の健全度と一致すれば、変状情報の調整作業を終了する。この結果、調整作業が完了した時点の変状情報が、第二の変状情報である。
以上のように、第2の実施形態では、オペレータが変状情報を手動で修正することにより、変状情報を調整するようにしても良い。また、手動での修正と、損傷情報作成部201の変状検知処理とを併用して、変状情報を調整するようにしても良い。
このように、オペレータが手動で変状情報を編集することにより、より詳細に変状情報を調整することができるようになる。
このように、オペレータが手動で変状情報を編集することにより、より詳細に変状情報を調整することができるようになる。
(第3の実施形態)
以上の実施形態では、点検情報として、健全度を例に実施形態を説明した。点検情報は、健全度に限定することなく、損傷情報から作成することができる上位の情報で、専門家が修正する対象の情報あれば、どのような情報でもよい。例えば、特許文献1に開示されているように、ひび割れの検知結果を用いて路面の所定領域中のひび割れ面積率を算出する場合、このひび割れ面積率を点検情報とすることもできる。第3の実施形態では、このような点検情報のバリエーションについて説明する。なお、第3の実施形態のハードウェア構成および機能構成は、第1の実施形態または第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
以上の実施形態では、点検情報として、健全度を例に実施形態を説明した。点検情報は、健全度に限定することなく、損傷情報から作成することができる上位の情報で、専門家が修正する対象の情報あれば、どのような情報でもよい。例えば、特許文献1に開示されているように、ひび割れの検知結果を用いて路面の所定領域中のひび割れ面積率を算出する場合、このひび割れ面積率を点検情報とすることもできる。第3の実施形態では、このような点検情報のバリエーションについて説明する。なお、第3の実施形態のハードウェア構成および機能構成は、第1の実施形態または第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
以下、第3の実施形態では、健全度以外の点検情報の例を説明するが、いずれの点検情報も損傷情報を用いて作成されるものである。これらの点検情報は、第1の実施形態の健全度のように、点検情報作成部202により作成される。専門家は、この結果を確認し、必要に応じて修正を実施する。点検情報に修正が実施され、目標点検情報が設定された場合には、第1の実施形態または第2の実施形態の方法により、点検情報が目標点検情報に整合するように損傷情報を調整する。このようにすることで、専門家は、点検情報のみを確認、修正するだけで、修正した点検情報に整合した損傷情報を取得することができるようになる。
図14(A)には、点検情報のバリエーションの一つ目として、経年変化情報を説明するための図を示す。まず、枠1411は、構造物の壁面のある経年変化評価領域を示しているものとする。これは、例えば、トンネルのスパンなどの範囲で、変状の経年変化を評価する単位領域である。図14(A)には、この評価領域について、前回の点検時の変状と、今回の点検の変状とを示している。前回の点検とは、例えば、5年前の点検で、この時の変状情報と、今回の点検の変状情報とを比較することにより、経年変化情報を作成する。図14(A)では、変状の具体例として、ひび割れを示している。また、例えば、ひび割れ1412の部分のような太い線は、前回点検のひび割れと、今回点検のひび割れとの差分を示しており、この差分が経年変化した部分である。経年変化情報としては、評価領域内の経年変化部分の総延長を、所定の基準でランク付けして作成する。この結果、図14(A)では、経年変化情報としてひび割れの進展ランクが「B」と判定されている様子を示している。経年変化情報を点検情報とする実施形態では、点検情報作成部202が、このように過去の点検の変状情報と、今回の点検の変状情報とを用いて、経年変化情報を作成する。
専門家は、各評価領域について、経年変化情報を確認し、必要に応じて修正を実施する。例えば、図14(A)の例において、進展ランクを「C」と修正したとする。ここで、進展ランク「C」は「B」よりも、ひび割れの進展度合いが少ないランクだとする。この修正に合わせて、本情報処理システムは、第1の実施形態または第2の実施形態の方法により、評価領域内のひび割れの総延長が短くなるような変状情報を作成する。
次に、点検情報のバリエーションの二つ目として、図14(B)には、点検調書を説明するための図を示す。点検の結果として、点検調書のような点検の要約を作成するが、本実施形態では、点検情報作成部202が、点検調書を作成する。図14(B)の点検調書は、構造物の点検結果として、重要な損傷部分が抽出されて整理された情報となっている。例えば、図14(B)は、橋梁の点検調書の作成結果の例を示している。点検情報作成部202は、損傷情報から、重要損傷部分を抽出する処理を行い、点検調書を作成する。図14(B)では、格子状ひび割れ部分と、損傷度Aランクのボルト部分とが重要な損傷部分として抽出された例を示している。なお、画像1421は、重要な損傷部分の画像を点検対象の画像から切り出して作成したものである。
専門家は、この点検調書を確認し、重要な損傷部分として抽出された情報が正しいか否かを判断する。例えば、専門家は、画像1421などを確認して、その部分が重要な損傷部分ではないと判断する場合には、点検調書に掲載しないという修正を行う。この修正に合わせて、本システムは、第1の実施形態または第2の実施形態の方法により、損傷情報を調整する。例えば、専門家が、図14(B)の格子状ひび割れ(損傷番号1)を、点検調書に掲載しないという修正を行ったとすると、当該部分のひび割れ情報を調整し、格子状のひび割れとならないようなひび割れ情報を作成する。
また、他の点検情報の例として、損傷情報に基づいて作成する補修計画の情報も点検情報としても良い。
また、他の点検情報の例として、損傷情報に基づいて作成する補修計画の情報も点検情報としても良い。
以上、第3の実施形態では、点検情報に健全度以外の情報を用いる実施形態について説明した。なお、本実施形態では、複数の異なる種類の点検情報を用いるようにしても良い。例えば、点検情報として、健全度および経年変化の情報を作成するようにしても良い。この場合、専門家は健全度および経年変化の情報を修正して、情報処理装置は、これらの修正に整合する損傷情報を作成する。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
201 損傷情報作成部、202 点検情報作成部、204 設定部、205 調整情報作成部、206 調整処理部
Claims (18)
- 構造物の点検結果の目標を示す目標点検情報であって、ユーザーによる入力に基づく目標点検情報を取得する取得手段と、
前記構造物の損傷状況を特定するための損傷情報を、前記構造物を含む画像に基づいて作成する損傷情報作成手段と、
前記損傷情報作成手段により作成された損傷情報に基づく点検結果を示す点検情報であって、前記目標点検情報に応じた点検情報を作成する点検情報作成手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。 - 前記損傷情報作成手段は、前記画像から抽出する損傷状況の度合いを変更して前記取得手段によって取得された目標点検情報に最も近い点検情報を作成するための損傷情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記目標点検情報は、前記構造物を含む画像から抽出される第一の損傷情報に基づく点検結果を示す第一の点検情報が修正されることにより作成され、
前記損傷情報作成手段は、前記画像から抽出する損傷状況の度合いを変更して前記取得手段によって取得された目標点検情報に最も近い第二の点検情報を作成するための第二の損傷情報を作成し、
前記点検情報作成手段は、前記第二の損傷情報に基づいて前記第二の点検情報を作成することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。 - 前記第一の点検情報と、前記取得手段により取得された目標点検情報とに基づいて、前記第一の損傷情報の調整方針に基づく調整情報を作成する調整手段をさらに有し、
前記損傷情報作成手段は、前記調整手段によって作成された調整情報に基づいて、前記第二の損傷情報を作成することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。 - 前記目標点検情報を作成した外部装置から前記第一の損傷情報の調整方針を取得し、前記取得した調整方針に基づく調整情報を作成する調整手段をさらに有し、
前記損傷情報作成手段は、前記調整手段によって作成された調整情報に基づいて、前記第二の損傷情報を作成することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。 - 前記調整情報は、前記画像から抽出する損傷状況の度合いを決定するための処理パラメータに関する情報であることを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理装置。
- 前記調整手段は、前記処理パラメータの複数の候補を取得し、
前記損傷情報作成手段は、前記複数の処理パラメータの候補の中から前記第二の点検情報が得られる処理パラメータの候補を抽出し、前記抽出した処理パラメータの候補を用いて前記第二の損傷情報を作成することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。 - 前記調整手段は、前記処理パラメータの候補を外部装置から取得することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
- 前記損傷情報は、構造物の変状情報、および、構造物の部分的な損傷度のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- 前記構造物の変状情報は、構造物のひび割れに関する情報であることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
- 前記点検情報は、構造物の健全度、経年変化情報、および、点検調書のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- 構造物の点検結果の目標を示す目標点検情報であって、ユーザーによる入力に基づく目標点検情報を取得する取得手段と、
前記構造物の損傷状況を特定するための損傷情報を、前記構造物を含む画像に基づいて作成する損傷情報作成手段と、
前記損傷情報作成手段により作成された損傷情報に基づく点検結果を示す点検情報であって、前記目標点検情報に応じた点検情報を作成する点検情報作成手段と、
を有することを特徴とする情報処理システム。 - 前記目標点検情報は、前記構造物を含む画像から抽出される第一の損傷情報に基づく点検結果を示す第一の点検情報が修正されることにより作成され、
前記損傷情報作成手段は、前記画像から抽出する損傷状況の度合いを変更して前記取得手段によって取得された目標点検情報に最も近い第二の点検情報を作成するための第二の損傷情報を作成し、
前記点検情報作成手段は、前記第二の損傷情報に基づいて前記第二の点検情報を作成し、
前記第一の点検情報と、前記取得手段により取得された目標点検情報とに基づいて、前記第一の損傷情報の調整方針に基づく調整情報を作成する調整手段をさらに有し、
前記損傷情報作成手段は、前記調整手段によって作成された調整情報に基づいて、前記第二の損傷情報を作成することを特徴とする請求項12に記載の情報処理システム。 - 前記第一の損傷情報、前記第一の点検情報または前記調整情報を表示部に表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項13に記載の情報処理システム。
- ユーザーの操作に応じて、前記画像から抽出する損傷状況の度合いを決定するための処理パラメータを設定する設定手段をさらに有し、
前記設定手段により設定された処理パラメータが前記調整情報の調整方針と異なる場合に、前記表示手段は警告を表示することを特徴とする請求項14に記載の情報処理システム。 - 前記表示手段は、前記第二の損傷情報および前記第二の点検情報を表示し、前記第二の点検情報と、前記目標点検情報とが一致しなかった場合に、前記第二の点検情報を強調表示することを特徴とする請求項14又は15に記載の情報処理システム。
- 構造物の点検結果の目標を示す目標点検情報であって、ユーザーによる入力に基づく目標点検情報を取得し、
前記構造物の損傷状況を特定するための損傷情報を、前記構造物を含む画像に基づいて作成し、
作成された損傷情報に基づく点検結果を示す点検情報であって、前記目標点検情報に応じた点検情報を作成する
ことを特徴とする情報処理方法。 - 請求項1~11のいずれか1項に記載の情報処理装置、または、
請求項12~16のいずれか1項に記載の情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020187304A JP2022076750A (ja) | 2020-11-10 | 2020-11-10 | 情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020187304A JP2022076750A (ja) | 2020-11-10 | 2020-11-10 | 情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法 |
Publications (1)
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ID=81618119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020187304A Pending JP2022076750A (ja) | 2020-11-10 | 2020-11-10 | 情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法 |
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JP (1) | JP2022076750A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024070532A1 (ja) * | 2022-09-26 | 2024-04-04 | 株式会社リコー | 情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システム |
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2020
- 2020-11-10 JP JP2020187304A patent/JP2022076750A/ja active Pending
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WO2024070532A1 (ja) * | 2022-09-26 | 2024-04-04 | 株式会社リコー | 情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび情報処理システム |
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