JP2022076094A - 二次電池、及び車両 - Google Patents

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舜平 山崎
Shunpei Yamazaki
亮 荒澤
Akira Arasawa
俊一 伊藤
Shunichi Ito
しおり 嵯峨
Shiori Saga
哲二 石谷
Tetsuji Ishitani
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Abstract

【課題】劣化が少ない正極活物質を提供する。または、安全性または信頼性の高い二次電池を提供することを課題の一とする。【解決手段】具体的にはコバルト酸リチウム(LiCoO2)の粒子の中心部(コア部とも呼ぶ)にO3構造の層状岩塩型構造を有し、最表面の少なくとも一部にCoO構造を有し、該CoO構造とO3構造との間にスピネル構造を設ける。正極活物質の表層部、内部、および最表面層が結晶構造を有するか否かの判断、および結晶構造を有する場合の格子定数の決定は、たとえば断面TEM、断面STEM、および制限視野電子線回折、極微電子線回折をはじめとする電子線回折等により行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明の一様態は、物、方法、又は、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、照明装置または電子機器またはそれらの製造方法に関する。特に、電子機器およびそのオペレーティングシステムに関する。
なお、本明細書中において電子機器とは、蓄電装置を有する装置全般を指し、蓄電装置を有する電気光学装置、蓄電装置を有する情報端末装置などは全て電子機器である。
使用者が携帯する電子機器や、使用者が装着する電子機器が盛んに開発されている。
使用者が携帯する電子機器や、使用者が装着する電子機器は、蓄電装置の一例である一次電池または二次電池を電源として動作する。使用者が携帯する電子機器は、長時間使用することが望まれ、そのために大容量の二次電池を用いればよい。電子機器に大容量の二次電池を内蔵させると大容量の二次電池は大きく、重量がかさむ問題がある。そこで携帯する電子機器に内蔵できる小型または薄型で大容量の二次電池の開発が進められている。
特に高出力、高エネルギー密度であるリチウムイオン二次電池は、携帯電話、スマートフォン、もしくはノート型コンピュータ等の携帯情報端末、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、医療機器、又は、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)、もしくはプラグインハイブリッド車(PHV)等の次世代クリーンエネルギー自動車など、半導体産業の発展と併せて急速にその需要が拡大し、繰り返し充電可能なエネルギーの供給源として現代の情報化社会に不可欠なものとなっている。
そのため、リチウムイオン二次電池のサイクル特性の向上および高容量化のために、正極活物質の改良が検討されている(たとえば特許文献1)。
特開2018-206747
本発明の一態様は、劣化が少ない正極活物質を提供することを課題の一とする。または、充放電電圧の高い正極活物質を提供することを課題の一とする。または、充放電容量の大きい正極活物質を提供することを課題とする。または、新規な正極活物質を提供することを課題とする。または、充放電容量の大きい二次電池を提供することを課題の一とする。または、充放電電圧の高い二次電池を提供することを課題の一とする。または、安全性または信頼性の高い二次電池を提供することを課題の一とする。または、劣化が少ない二次電池を提供することを課題の一とする。または、長寿命の二次電池を提供することを課題の一とする。または、新規な二次電池を提供することを課題の一とする。
また本発明の一態様は、新規な物質、活物質、蓄電装置、又はそれらの作製方法を提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
リチウム酸化物を用いる場合、充放電電圧の高い正極活物質であり、且つ、安全性または信頼性の高い正極活物質であることの二つを両立させることが望まれている。粒子表面に純粋なLiCoOが露出している部分が存在していると、凹凸も生じ、充放電時にコバルトまたは酸素が脱離して結晶構造が崩れ、劣化が生じる場合がある。
コバルト酸リチウム(LiCoO)などの層状岩塩型の結晶構造を有する材料は、放電容量が高く、二次電池の正極活物質として優れることが知られている。層状岩塩型の結晶構造を有する材料として例えば、LiMOで表される複合酸化物が挙げられる。元素Mの一例としてコバルト(Co)およびニッケル(Ni)より選ばれる一以上が挙げられる。また、元素Mの一例としてコバルトおよびニッケルより選ばれる一以上に加えて、アルミニウム(Al)およびマグネシウム(Mg)より選ばれる一以上が挙げられる。
コバルト酸リチウム(LiCoO)は、充電深度によって異なる結晶構造をとり得る。高電圧で充放電を繰り返すと結晶構造が崩れ、劣化する場合がある。
そこで、正極活物質、具体的にはコバルト酸リチウム(LiCoO)の粒子の中心部(コア部とも呼ぶ)にO3構造の層状岩塩型構造を有し、最表面の少なくとも一部にCoO構造を有し、該CoO構造とO3構造との間にスピネル構造を設ける。スピネル構造の領域は、CoO構造とO3構造との間の構造の違いを緩和するバッファ層として機能する場合がある。CoO構造の領域とO3構造の領域との間にスピネル構造の領域を設けることで充放電の際に安定な構成とする。特に本構成は、高電圧での充放電に有用である。
なお、スピネル構造の領域は、Coの結晶構造またはLiCoの結晶構造の一方または両方を有する。具体的には、活物質表層部の断面の一部を示す図1(C)のNBED2の部分がスピネル構造である。なお、図1(C)は図1(B)の断面観察像の模式図である。
本明細書で開示する発明の構成は、図1(B)及び図1(C)に示すように、それぞれ異なる結晶構造を有し、第1の結晶構造と第3の結晶構造の間に第2の結晶構造を有する正極活物質とすることであり、高電圧、例えば4.5V以上で充放電を繰り返しても安定な構造とすることができる。そのため、充放電サイクル特性に優れた正極活物質及びそれを用いた二次電池を作製することができる。
コバルト酸リチウム(LiCoO)は、充電深度によって異なる結晶構造をとり得る。本明細書等において、二次電池の放電状態における正極活物質の少なくとも一部が、上述した異なる3つの結晶構造を有する。
正極活物質の表層部、内部、および最表面層が結晶構造を有するか否かの判断、および結晶構造を有する場合の格子定数の決定は、たとえば断面TEM、断面STEM、および制限視野電子線回折、極微電子線回折をはじめとする電子線回折等により行うことができる。制限視野電子線回折は、プローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折を指し、極微電子線回折は小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を指している。図2(A)、図2(B)、図2(C)に電子線回折の一例を示す。
断面TEM像、断面STEM像等において規則的な原子の配列が観察できれば、結晶構造を有するということができる。また電子線回折像等において規則的なスポットを有する回折パターンが観察できれば、結晶構造を有するということができる。
制限視野電子線回折は20nm程度の小さな領域、極微電子線回折は1nm程度のさらに小さな領域について結晶構造の解析が可能であり、正極活物質の表層部および最表面層の格子定数の決定に好適である。
ただしこれらの電子線回折法ではカメラ長の歪み等に起因する測定誤差が生じる場合がある。そのため電子線回折法により得られた格子定数の有効数字は2桁とすることが好ましい。またはこれらの電子線回折法から得られた格子定数を、粉末XRDから得られた格子定数、または文献値等を参照して補正してもよい。
また、正極活物質に対して、さらにマグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、またはチタン(Ti)から選ばれる一または複数を含ませる構成としてもよい。また、正極活物質に対して、さらにフッ素(F)を含ませる構成としてもよい。
また、リチウムコバルト酸化物に代表されるLiM(x>0かつy>0、より具体的には例えばy=2かつ0.8<x<1.2)で表されるリチウム複合酸化物に限定されず、層状岩塩型の結晶構造を有するリチウム複合酸化物として例えば、LiMnO、LiMnO-LiMeO(MeはCo、Ni、Mn)等に対しても応用することができる。
本明細書等において、活物質等の粒子の表層部とは例えば、表面から内部に向かって50nm以内、より好ましくは35nm以内、さらに好ましくは20nm以内、最も好ましくは10nm以内の領域である。ひびやクラックにより生じた面も表面といってよい。また表層部より深い領域を、内部という。また、本明細書等において粒界とは、たとえば粒子同士が固着している部分、粒子内部(中央部を含む)で結晶方位が変わる部分、欠陥を多く含む部分、結晶構造が乱れている部分等をいう。粒界は、面欠陥の一つといえる。また粒界の近傍とは、粒界から10nm以内の領域をいうこととする。また、本明細書等において粒子とは球形(断面形状が円)のみを指すことに限定されず、個々の粒子の断面形状が楕円形、長方形、台形、錐形、角が丸まった四角形、非対称の形状などが挙げられ、さらに個々の粒子は不定形であってもよい。
また、上記正極活物質を用いた二次電池も本明細書で開示する構成の一つであり、その構成は、放電後の二次電池において、二次電池は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極とを有し、正極活物質はO3構造の層状岩塩型構造を有し、正極活物質の表面、表面近傍、または表層部は、CoO構造であり、正極活物質のCoO構造とO3構造の間にスピネル構造を有する二次電池である。なお、図3(A)に示す構造が、CoO構造であり、図3(B)に示す構造がスピネル構造であり、図3(C)に示す構造がO3構造である。本明細書では放電後の二次電池とは、二次電池の製造後、充放電を1サイクルとみなし、1サイクル以上行った二次電池を指している。
上記構成において、正極と負極の間にセパレータを有する。セパレータは短絡防止のために用いられ、安全性又は信頼性の高い二次電池を提供することができる。
本発明の一態様により、構造の異なる3種類の結晶構造を有する正極活物質をリチウムイオン二次電池に用いることで、充放電サイクルにおける充放電容量の低下が抑制された正極活物質を提供することができる。または、充放電を繰り返しても比較的安定な正極活物質を提供することができる。または、充放電容量が大きい正極活物質を提供することができる。または、安全性又は信頼性の高い二次電池を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
図1(A)及び(B)は正極活物質層の断面TEM像であり、図1(C)は模式図である。 図2(A)乃至(C)は正極活物質層の極微電子線回折像である。 図3(A)乃至(C)は結晶構造の一例を示す図である。 図4は本発明の一態様の正極活物質の充電深度と結晶構造を説明する図である。 図5は本発明の一態様の正極活物質の充電深度と結晶構造を説明する図である。 図6(A)及び図6(B)は、二次電池の外観を示す図である。 図7(A)は正極及び負極を示す図であり、図7(B)は電極タブを取り付ける様子を示す図であり、図7(C)は外装体で包む様子を示す図である。 図8(A)は、二次電池の一例を示す図である。図8(B)及び図8(C)は、積層体の作製方法の一例を示す図である。 図9(A)乃至図9(C)は、二次電池の作製方法の一例を示す図である。 図10(A)及び図10(B)は、積層体の一例を示す断面図である。図10(C)は、二次電池の一例を示す断面図である。 図11(A)及び図11(B)は、二次電池の一例を示す図である。図11(C)は、二次電池の内部の様子を示す図である。 図12(A)乃至図12(C)は二次電池の一例を示す図である。 図13(A)は、電池パックの一例を示す斜視図である。図13(B)は電池パックの一例を示すブロック図である。図13(C)は、モータを有する車両の一例を示すブロック図である。 図14(A)乃至図14(E)は、輸送用車両の一例を示す図である。 図15(A)及び図15(B)は、蓄電装置の一例を示す図である。 図16(A)乃至図16(D)は電子機器の一例を説明する図である。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の二次電池、およびその作製方法等について説明する。
本発明の一態様の二次電池の例について、以下に説明する。
ここではラミネート型の二次電池の例について、外観図の一例を図6(A)及び図6(B)に示す。図6(A)及び図6(B)は、正極503、負極506、セパレータ507、外装体509、正極リード電極510及び負極リード電極511を有する。
図7(A)は正極503及び負極506の外観図を示す。正極503は正極集電体501を有し、正極活物質層502は正極集電体501の表面に形成されている。また、正極503は正極集電体501が一部露出する領域(以下、タブ領域という)を有する。負極506は負極集電体504を有し、負極活物質層505は負極集電体504の表面に形成されている。また、負極506は負極集電体504が一部露出する領域、すなわちタブ領域を有する。正極及び負極が有するタブ領域の面積や形状は、図7(A)に示す例に限られない。
<ラミネート型二次電池の作製方法>
ここで、図6(A)に外観図を示すラミネート型二次電池の作製方法の一例について、図7(B)、図7(C)を用いて説明する。
ラミネート型の二次電池の例について、外観図の一例を図6(A)及び図6(B)に示す。図6(A)及び図6(B)は、正極503、負極506、セパレータ507、外装体509、正極リード電極510及び負極リード電極511を有する。
図7(A)は正極503及び負極506の外観図を示す。正極503は正極集電体501を有し、正極活物質層502は正極集電体501の表面に形成されている。また、正極503は正極集電体501が一部露出する領域(以下、タブ領域という)を有する。負極506は負極集電体504を有し、負極活物質層505は負極集電体504の表面に形成されている。また、負極506は負極集電体504が一部露出する領域、すなわちタブ領域を有する。正極及び負極が有するタブ領域の面積や形状は、図7(A)に示す例に限られない。
<ラミネート型二次電池の作製方法>
ここで、図6(A)に外観図を示すラミネート型二次電池の作製方法の一例について、図7(B)、図7(C)を用いて説明する。
まず、正極503、セパレータ507及び負極506を積層する。図7(B)に積層された正極503、セパレータ507及び負極506を示す。ここでは正極を4組、負極を5組、使用する例を示す。正極とセパレータと負極からなる積層体とも呼べる。次に、正極503のタブ領域同士の接合と、最表面の正極のタブ領域への正極リード電極510の接合を行う。接合には、例えば超音波溶接等を用いればよい。同様に、負極506のタブ領域同士の接合と、最表面の負極のタブ領域への負極リード電極511の接合を行う。
次に外装体509上に、正極503、セパレータ507及び負極506を配置する。
[正極]
正極は、正極活物質層および正極集電体を有する。また、正極活物質層は、導電助剤および結着剤を有していてもよい。
<正極活物質>
正極活物質としては、リチウムを有することが好ましい。
正極活物質において、充電に伴いキャリアイオンが正極活物質から脱離する。リチウム元素の脱離が多ければ、二次電池の容量に寄与するイオンが多く、容量が増大する。一方、リチウム元素の脱離が多いと、正極活物質が有する化合物の結晶構造が崩れやすくなる。正極活物質の結晶構造の崩れは、充放電サイクルに伴う放電容量の低下を招く場合がある。正極活物質が元素Xを有することにより、二次電池の充電時にキャリアイオンが脱離する際の結晶構造の崩れが抑制される場合がある。元素Xは例えば、その一部がリチウム元素の位置に置換される。元素Xとしてマグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、ランタン、バリウム等の元素を用いることができる。また例えば元素Xとして銅、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の元素を用いることができる。また元素Xとして上記に示す元素のうち二以上を組み合わせて用いてもよい。
また、正極活物質は、元素Xに加えてハロゲンを有することが好ましい。フッ素、塩素等のハロゲンを有することが好ましい。正極活物質が該ハロゲンを有することにより、元素Xの元素Aの位置への置換が促進される場合がある。
正極活物質が元素Xを有する場合、あるいは元素Xに加えてハロゲンを有する場合、正極活物質の表面における電気伝導度が抑制される場合がある。
また、正極活物質は、二次電池の充電および放電により価数が変化する金属(以降、元素M)を有する。元素Mは例えば、遷移金属である。正極活物質は例えば元素Mとしてコバルト、ニッケル、マンガンのうち一以上を有し、特にコバルトを有する。また、元素Mの位置に、アルミニウムなど、価数変化がなく、かつ元素Mと同じ価数をとり得る元素、より具体的には例えば三価の典型元素を有してもよい。前述の元素Xは例えば、元素Mの位置に置換されてもよい。また正極活物質が酸化物である場合には、元素Xは酸素の位置に置換されてもよい。
正極活物質として例えば、層状岩塩型構造(層状岩塩型結晶構造)を有するリチウム複合酸化物を用いることが好ましい。より具体的には例えば層状岩塩型構造を有するリチウム複合酸化物として、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、ニッケル、マンガンおよびコバルトを有するリチウム複合酸化物、ニッケル、コバルトおよびアルミニウムを有するリチウム複合酸化物、等を用いることができる。また、これらの正極活物質は空間群R-3mで表されることが好ましい。
層状岩塩型構造を有する正極活物質において、充電深度を高めると結晶構造の崩れが生じる場合がある。ここで結晶構造の崩れとは例えば層のズレである。結晶構造の崩れが不可逆な場合には、充電と放電の繰り返しに伴い二次電池の容量の低下が生じる場合がある。
正極活物質が元素Xを有することにより例えば、充電深度が深くなっても、上記の層のズレが抑制される。ズレを抑制することにより、充放電における体積の変化を小さくすることができる。よって、正極活物質は、優れたサイクル特性を実現することができる。また、正極活物質は、高電圧の充電状態において安定な結晶構造を取り得る。よって、正極活物質は、高電圧の充電状態を保持した場合において、ショートが生じづらい場合がある。そのような場合には安全性がより向上するため、好ましい。
正極活物質では、十分に放電された状態と、高電圧で充電された状態における、結晶構造の変化および同数の遷移金属原子あたりで比較した場合の体積の差が小さい。
正極活物質は化学式LiM(y>0、z>0)で表わされる場合がある。例えばコバルト酸リチウムはLiCoOで表される場合がある。
元素Xを有する、正極活物質では、充電深度が0.8以上の場合において、空間群R-3mで表され、スピネル構造(スピネル型結晶構造とも呼ぶ)ではないものの、元素M(例えばコバルト)、元素X(例えばマグネシウム)、等のイオンが酸素6配位位置を占め、陽イオンの配列がスピネル型と似た対称性を有する場合がある。本構造を本明細書等ではO3’型の結晶構造と呼ぶ。なお、O3’型の結晶構造は、リチウムなどの軽元素は酸素4配位位置を占める場合があり、この場合もイオンの配列がスピネル型と似た対称性を有する。
充電深度が0.8以上の場合にO3’型の結晶構造有する正極活物質は、充電深度が0の場合、即ち放電時においてはO3型の結晶構造となる。正極活物質の充放電前後の結晶構造を、図4に示す。
充電に伴うキャリアイオンの脱離により、正極活物質の構造は不安定となる。O3’型結晶構造は、キャリアイオンが脱離したにもかかわらず、高い安定性を保つことができる構造である、といえる。
またO3’型の結晶構造は、層間にランダムにLiを有するもののCdCl型の結晶構造に類似する結晶構造であるということもできる。このCdCl型に類似した結晶構造は、ニッケル酸リチウムを充電深度0.94まで充電したとき(Li0.06NiO)の結晶構造と近いが、純粋なコバルト酸リチウム、またはコバルトを多く含む層状岩塩型の正極活物質では通常この結晶構造を取らないことが知られている。
層状岩塩型結晶、および岩塩型結晶の陰イオンは立方最密充填構造(面心立方格子構造)をとる。O3’型結晶も、陰イオンは立方最密充填構造をとると推定される。これらが接するとき、陰イオンにより構成される立方最密充填構造の向きが揃う結晶面が存在する。ただし、層状岩塩型結晶およびO3’型結晶の空間群はR-3mであり、岩塩型結晶の空間群Fm-3m(一般的な岩塩型結晶の空間群)およびFd-3m(最も単純な対称性を有する岩塩型結晶の空間群)とは異なるため、上記の条件を満たす結晶面のミラー指数は層状岩塩型結晶およびO3’型結晶と、岩塩型結晶では異なる。本明細書では、層状岩塩型結晶、O3’型結晶、および岩塩型結晶において、陰イオンにより構成される立方最密充填構造の向きが揃うとき、結晶の配向が概略一致する、と言う場合がある。
O3’型の結晶構造は、ユニットセルにおけるコバルトと酸素の座標を、Co(0,0,0.5)、O(0,0,x)、0.20≦x≦0.25の範囲内で示すことができる。
正極活物質において、充電深度0の体積におけるユニットセルの体積と、充電深度0.82のO3’型結晶構造のユニットセルあたりの体積の差は2.5%以下が好ましく、2.2%以下がさらに好ましい。
O3’型の結晶構造では、2θ=19.30±0.20°(19.10°以上19.50°以下)、および2θ=45.55±0.10°(45.45°以上45.65°以下)に回折ピークが出現する。より詳しく述べれば、2θ=19.30±0.10°(19.20°以上19.40°以下)、および2θ=45.55±0.05°(45.50°以上45.60以下)に鋭い回折ピークが出現する。
なお、正極活物質は高電圧で充電したときO3’型の結晶構造を有するが、粒子のすべてがO3’型の結晶構造でなくてもよい。他の結晶構造を含んでいてもよいし、一部が非晶質であってもよい。ただし、XRDパターンについてリートベルト解析を行ったとき、O3’型の結晶構造が50wt%以上であることが好ましく、60wt%以上であることがより好ましく、66wt%以上であることがさらに好ましい。O3’型の結晶構造が50wt%以上、より好ましくは60wt%以上、さらに好ましくは66wt%以上あれば、十分にサイクル特性に優れた正極活物質とすることができる。
元素Xの原子数は、元素Mの原子数の0.001倍以上0.1倍以下が好ましく、0.01より大きく0.04未満がより好ましく、0.02程度がさらに好ましい。ここで示す元素Xの濃度は例えば、ICP-MS等を用いて正極活物質の粒子全体の元素分析を行った値であってもよいし、正極活物質の作製の過程における原料の配合の値に基づいてもよい。
元素Mとしてコバルトおよびニッケルを有する場合には、コバルトとニッケルの原子数の和(Co+Ni)に占める、ニッケルの原子数(Ni)の割合Ni/(Co+Ni)が、0.1未満であることが好ましく、0.075以下であることがより好ましい。
正極活物質は、上記に挙げた材料に限られない。
本明細書で開示する正極活物質の作製方法は特に限定されず、放電後の状態において、O3構造の層状岩塩型構造を有するリチウムコバルト酸化物であればよい。他の一例として正極活物質の充放電前後の結晶構造を、図5に示す。図5に示す正極活物質も充電深度が0の場合、即ち放電時においてはO3型の結晶構造となる。
また、正極活物質の表面、表面近傍、または表層部は、CoO構造とする。また、上記正極活物質の表面の少なくとも一部を、CoO構造とした後、4.3Vよりも高い高電圧、具体的には4.5V以上を印加することでCoO構造とO3構造の層状岩塩型構造の間に、第2の構造(スピネル構造)を形成することができる。
なお、液状の電解質(電解液とも呼ぶ)などに接触させ、充放電を行うと、正極活物質の外側に、有機溶媒を用いた電解質が還元分解され、その分解物により被膜と呼ばれる膜が形成される場合がある。なお、当該被膜は、SEI(Solid Electrolyte Interface)と呼称される場合がある。その場合には被膜を最表面や、表層部とは本明細書中において呼ばない。即ち、この被膜は本明細書中において正極活物質に含めないものとする。
構造の異なる3種類の結晶構造を有する正極活物質をリチウムイオン二次電池に用いることで、充放電サイクルにおける充放電容量の低下が抑制された正極活物質を提供することができる。または、充放電を繰り返しても比較的安定な正極活物質を提供することができる。
[負極]
負極は、負極活物質層および負極集電体を有する。また、負極活物質層は、導電助剤および結着剤を有していてもよい。
<負極活物質>
負極活物質としては、例えば合金系材料や炭素系材料等を用いることができる。
負極活物質として、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な元素を用いることができる。例えば、シリコン、スズ、ガリウム、アルミニウム、ゲルマニウム、鉛、アンチモン、ビスマス、銀、亜鉛、カドミウム、インジウム等のうち少なくとも一つを含む材料を用いることができる。このような元素は炭素と比べて容量が大きく、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと高い。このため、負極活物質にシリコンを用いることが好ましい。また、これらの元素を有する化合物を用いてもよい。例えば、SiO、MgSi、MgGe、SnO、SnO、MgSn、SnS、VSn、FeSn、CoSn、NiSn、CuSn、AgSn、AgSb、NiMnSb、CeSb、LaSn、LaCoSn、CoSb、InSb、SbSn等がある。ここで、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電反応を行うことが可能な元素、および該元素を有する化合物等を合金系材料と呼ぶ場合がある。
本明細書等において、SiOは例えば一酸化シリコンを指す。あるいはSiOは、SiOと表すこともできる。ここでxは1または1近傍の値を有することが好ましい。例えばxは、0.2以上1.5以下が好ましく、0.3以上1.2以下が好ましい。
炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等を用いればよい。
黒鉛としては、人造黒鉛や、天然黒鉛等が挙げられる。人造黒鉛としては例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造黒鉛等が挙げられる。ここで人造黒鉛として、球状の形状を有する球状黒鉛を用いることができる。例えば、MCMBは球状の形状を有する場合があり、好ましい。また、MCMBはその表面積を小さくすることが比較的容易であり、好ましい場合がある。天然黒鉛としては例えば、鱗片状黒鉛、球状化天然黒鉛等が挙げられる。
黒鉛はリチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム-黒鉛層間化合物の生成時)にリチウム金属と同程度に低い電位を示す(0.05V以上0.3V以下 vs.Li/Li)。これにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さらに、黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が比較的小さい、安価である、リチウム金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
また、負極活物質として、二酸化チタン(TiO)、リチウムチタン酸化物(LiTi12)、リチウム-黒鉛層間化合物(Li)、五酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物を用いることができる。
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、LiN型構造をもつLi3-xN(M=Co、Ni、Cu)を用いることができる。例えば、Li2.6Co0.4は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm)を示し好ましい。
リチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、正極活物質としてリチウムイオンを含まないV、Cr等の材料と組み合わせることができ好ましい。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あらかじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させることで、負極活物質としてリチウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウムとの合金を作らない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反応が生じる材料としては、さらに、Fe、CuO、CuO、RuO、Cr等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn、CuN、Ge等の窒化物、NiP、FeP、CoP等のリン化物、FeF、BiF等のフッ化物でも起こる。
負極活物質層が有することのできる導電助剤およびバインダとしては、正極活物質層が有することのできる導電助剤およびバインダと同様の材料を用いることができる。
<負極集電体>
負極集電体には、正極集電体と同様の材料を用いることができる。なお負極集電体は、リチウム等のキャリアイオンと合金化しない材料を用いることが好ましい。
[セパレータ]
正極と負極の間にセパレータを配置する。セパレータとしては、例えば、紙、不織布、ガラス繊維、セラミックス等で形成されたものを用いることができる。或いはナイロン(ポリアミド)、ビニロン(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン等で形成されたものを用いることができる。セパレータはエンベロープ状に加工し、正極または負極のいずれか一方を包むように配置することが好ましい。
また、セパレータに、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等を有するポリマー膜を用いることが出来る。
ポリプロピレン、ポリエチレン等を有するポリマー膜は、乾式法または湿式法で作製することができる。乾式法とはポリプロピレン、ポリエチレン等を有するポリマー膜を加熱しながら延伸することで結晶と結晶の間に隙間を生じさせ、微細な孔を空ける製法である。湿式法は、あらかじめ樹脂に溶剤を混ぜ込みフィルム状に成形した後、溶剤を抽出して孔を空ける製法である。
セパレータは多層構造であってもよい。例えば、二種類のポリマー材料を積層した構造を用いてもよい。
また、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等を有するポリマー膜上に、セラミック系材料、フッ素系材料、ポリアミド系材料、またはこれらを混合したもの等をコートした構造を用いることができる。
セラミック系材料としては、金属を有する酸化物または水酸化物を用いることができる。金属を有する酸化物または水酸化物として、例えば、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化シリコン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン等を用いることができる。酸化チタンは、ルチル型構造の材料と、アナターゼ型構造の材料のいずれも用いることができるが、アナターゼ型構造の材料がより好ましい場合がある。
ポリマー膜へのセラミック系材料のコーティングは、例えば、粒子のコーティング、薄膜のコーティング等により行うことができる。
フッ素系材料としては、例えばPVdF、ポリテトラフルオロエチレン等を用いることができる。
ポリアミド系材料としては、例えばナイロン、アラミド(メタ系アラミド、パラ系アラミド)等を用いることができる。
セラミック系材料をコートすると耐酸化性が向上するため、高電圧充放電の際のセパレータの劣化を抑制し、二次電池の信頼性を向上させることができる。またフッ素系材料をコートするとセパレータと電極が密着しやすくなり、出力特性を向上させることができる。ポリアミド系材料、特にアラミドをコートすると、耐熱性が向上するため、二次電池の安全性を向上させることができる。
また、コバルトの吸着量を増加させるには、セラミック系材料の表面積を大きくするとよい。Mg(OH)のような層状結晶構造を有する材料は、扁平な薄い粒子になりやすい。このような粒子を用いてセラミック系材料を有する層を形成することにより、コバルトの吸着量を増加させることが出来る。セラミック系材料の比表面積は例えば、10m/g以上であることが好ましい。比表面積はガス吸着法等により測定することができる。
例えばポリプロピレンを有するフィルムの両面に水酸化マグネシウムおよび酸化チタンから選ばれる一以上のセラミック材料とPVdF等のバインダの混合材料をコートしてもよい。また、ポリプロピレンを有するフィルムの、正極と接する面に酸化アルミニウムとアラミドの混合材料をコートし、負極と接する面にフッ素系材料をコートしてもよい。
多層構造のセパレータを用いると、セパレータ全体の厚さが薄くても二次電池の安全性を保つことができるため、二次電池の体積あたりの容量を大きくすることができる。
また、イオン液体は難燃性であり、電解質にイオン液体を用い、セパレータにイオン液体を含浸させた場合、燃えにくい二次電池を実現することができる。
次に、図7(C)に示すように、外装体509を破線で示した部分で折り曲げる。その後、外装体509の外周部を接合する。接合には例えば熱圧着等を用いればよい。この時、後に電解質508を入れることができるように、外装体509の一部(または一辺)に接合されない領域(以下、導入口という)を設ける。
[電解質]
電解質は、溶媒とリチウム塩を有する。電解質の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましく、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチル、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、メチルジグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラン、スルホラン、スルトン等の1種、又はこれらのうちの2種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いることができる。
また、電解質の溶媒として、難燃性および難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つ又は複数用いることで、蓄電装置の内部短絡や、過充電等によって内部温度が上昇しても、蓄電装置の破裂や発火などを防ぐことができる。イオン液体は、カチオンとアニオンからなり、有機カチオンとアニオンとを含む。電解質に用いる有機カチオンとして、四級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、および四級ホスホニウムカチオン等の脂肪族オニウムカチオンや、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオン等の芳香族カチオンが挙げられる。また、電解質に用いるアニオンとして、1価のアミド系アニオン、1価のメチド系アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、パーフルオロアルキルボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、またはパーフルオロアルキルホスフェートアニオン等が挙げられる。
また、上記の溶媒に溶解させるリチウム塩としては、例えばLiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiAlCl、LiSCN、LiBr、LiI、LiSO、Li10Cl10、Li12Cl12、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiN(CFSO、LiN(CSO)(CFSO)、LiN(CSO、リチウムビス(オキサレート)ボレート(Li(C、LiBOB)等のリチウム塩を一種、又はこれらのうちの二種以上を任意の組み合わせおよび比率で用いることができる。
また、電解質にビニレンカーボネート、プロパンスルトン(PS)、tert-ブチルベンゼン(TBB)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)、またスクシノニトリル、アジポニトリル等のジニトリル化合物などの添加剤を添加してもよい。添加剤の濃度は、例えば溶媒全体に対して0.1wt%以上5wt%以下とすればよい。
また、ポリマーを電解質で膨潤させたポリマーゲル電解質を用いてもよい。
ポリマーゲル電解質を用いることで、漏液性等に対する安全性が高まる。また、二次電池の薄型化および軽量化が可能である。
ゲル化されるポリマーとして、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル、ポリエチレンオキサイド系ゲル、ポリプロピレンオキサイド系ゲル、フッ素系ポリマーのゲル等を用いることができる。例えばポリエチレンオキシド(PEO)などのポリアルキレンオキシド構造を有するポリマーや、PVDF、およびポリアクリロニトリル等、およびそれらを含む共重合体等を用いることができる。例えばPVDFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体であるPVDF-HFPを用いることができる。また、形成されるポリマーは、多孔質形状を有してもよい。
次に、外装体509に設けられた導入口から、液状の電解質508(図示しない。)を外装体509の内側へ導入する。液状の電解質508の導入は、減圧雰囲気下、或いは不活性雰囲気下で行うことが好ましい。そして最後に、導入口を接合する。このようにして、ラミネート型の二次電池500を作製することができる。
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態2)
図8(A)に示す二次電池970は、筐体971の内部に積層体972を有する。積層体972には端子973b及び端子974bが電気的に接続される。端子973bの少なくとも一部と、端子974bの少なくとも一部と、は筐体971の外部に露出する。
積層体972として、正極、負極、及び、セパレータが積層された構造を適用することができる。また、積層体972として、正極、負極、及び、セパレータが捲回された構造、等を適用することができる。
例えば、積層体972として、図9に示す、セパレータを折り返した構造を有する積層体を用いることができる。
図8(B)及び図8(C)を用いて、積層体972の作製方法の一例を説明する。
まず、図8(B)に示すように、正極975a上に帯状のセパレータ976を重ね、セパレータ976を間に挟んで正極975aに負極977aを重ねる。その後、セパレータ976を折り返して負極977a上に重ねる。次に、図8(C)に示すように、セパレータ976を間に挟んで負極977a上に正極975bを重ねる。このように、セパレータを折り返して順に正極、負極を配置していくことにより、積層体972を作製することができる。このように作製された積層体を含む構造を「つづら折り構造」と呼ぶ場合がある。
次に、図9(A)~図9(C)を用いて、二次電池970の作製方法の一例を説明する。
まず、図9(A)に示すように、積層体972が有する正極に正極リード電極973aを電気的に接続する。具体的には、例えば、積層体972が有する正極のそれぞれにタブ領域を設け、それぞれのタブ領域と、正極リード電極973aと、を溶接等により電気的に接続することができる。また、積層体972が有する負極に負極リード電極974aを電気的に接続する。
筐体971の内部に一の積層体972が配置されてもよいし、複数の積層体972が配置されてもよい。図9(B)には積層体972を2組準備する例を示す。
次に、図9(C)に示すように、準備した積層体972を筐体971内に収納し、端子973b及び端子974bを装着し、筐体971を封止する。複数の積層体972が有するそれぞれの正極リード電極973aには、導電体973cを電気的に接続することが好ましい。また、複数の積層体972が有するそれぞれの負極リード電極974aには、導電体974cを電気的に接続することが好ましい。端子973bは導電体973cに、端子974bは導電体974cに、それぞれ電気的に接続される。なお、導電体973cは、導電性を有する領域と、絶縁性を有する領域と、を有してもよい。また、導電体974cは、導電性を有する領域と、絶縁性を有する領域と、を有してもよい。
筐体971として、金属材料(例えばアルミニウムなど)を用いることができる。また、筐体971として金属材料を用いる場合には、表面を樹脂等で被覆することが好ましい。また、筐体971として樹脂材料を用いることができる。
筐体971には安全弁または過電流保護素子等を設けることが好ましい。安全弁は、電池破裂を防止するため、筐体971の内部が所定の圧力となった場合にガスを開放する弁である。
本発明の別の一態様の二次電池の断面図の一例を図10(C)に示す。図10(C)に示す二次電池560は、図10(A)に示す積層体130と、図10(B)に示す積層体131と、を用いて作製される。なお、図10(C)では図を明瞭にするため、積層体130、積層体131、及び、セパレータ507を抜粋して示す。
図10(A)に示すように、積層体130は、正極集電体の両面に正極活物質層を有する正極503、セパレータ507、負極集電体の両面に負極活物質層を有する負極506、セパレータ507、正極集電体の両面に正極活物質層を有する正極503がこの順に積層されている。
図10(B)に示すように、積層体131は、負極集電体の両面に負極活物質層を有する負極506、セパレータ507、正極集電体の両面に正極活物質層を有する正極503、セパレータ507、負極集電体の両面に負極活物質層を有する負極506がこの順に積層されている。
本発明の一態様の二次電池の作製方法は、積層体の作製時に応用することができる。具体的には、積層体を作製するために、負極506、セパレータ507、及び、正極503を積層する際に、負極506、セパレータ507、及び、正極503の少なくとも一つに、電解質を滴下する。電解質を複数滴、滴下することで、負極506、セパレータ507、または、正極503に電解質を含浸させることができる。
図10(C)に示すように、複数の積層体130と、複数の積層体131と、は、捲回したセパレータ507によって覆われている。
また、本発明の一態様の二次電池の作製方法では、積層体130を配置した後に、積層体130に対して電解質を滴下することができる。同様に、積層体131を配置した後に、積層体131に対して電解質を滴下することができる。また、セパレータ507を折り曲げる前、または、セパレータ507を折り曲げて積層体と重ねた後に、セパレータ507に対して電解質を滴下することができる。電解質を複数滴、滴下することで、積層体130、積層体131、または、セパレータ507に電解質を含浸させることができる。
本発明の別の一態様の二次電池について、図11及び図12を用いて説明する。ここで示す二次電池は、捲回型の二次電池などと呼ぶことができる。
図11(A)に示す二次電池913は、筐体930の内部に端子951と端子952が設けられた捲回体950を有する。捲回体950は、筐体930の内部で電解質中に浸される。端子952は、筐体930に接し、端子951は、絶縁材などを用いることにより筐体930に接していない。なお、図11(A)では、便宜のため、筐体930を分離して図示しているが、実際は、捲回体950が筐体930に覆われ、端子951及び端子952が筐体930の外に延在している。筐体930としては、金属材料(例えばアルミニウムなど)又は樹脂材料を用いることができる。
なお、図11(B)に示すように、図11(A)に示す筐体930を複数の材料によって形成してもよい。例えば、図11(B)に示す二次電池913は、筐体930aと筐体930bが貼り合わされており、筐体930a及び筐体930bで囲まれた領域に捲回体950が設けられている。
筐体930aとしては、有機樹脂など、絶縁材料を用いることができる。特に、アンテナが形成される面に有機樹脂などの材料を用いることにより、二次電池913による電界の遮蔽を抑制できる。なお、筐体930aによる電界の遮蔽が小さければ、筐体930aの内部にアンテナを設けてもよい。筐体930bとしては、例えば金属材料を用いることができる。
さらに、捲回体950の構造について図11(C)に示す。捲回体950は、負極931と、正極932と、セパレータ933と、を有する。捲回体950は、セパレータ933を挟んで負極931と、正極932が重なり合って積層され、該積層シートを捲回させた捲回体である。なお、負極931と、正極932と、セパレータ933と、の積層を、さらに複数重ねてもよい。
本発明の一態様の二次電池の作製方法では、負極931、セパレータ933、及び、正極932を積層する際に、負極931、セパレータ933、及び、正極932の少なくとも一つに、電解質を滴下する。つまり、上記積層シートを捲回させる前に、電解質を滴下することが好ましい。電解質を複数滴、滴下することで、負極931、セパレータ933、または、正極932に電解質を含浸させることができる。
また、図12に示すような捲回体950aを有する二次電池913としてもよい。図12(A)に示す捲回体950aは、負極931と、正極932と、セパレータ933と、を有する。負極931は負極活物質層931aを有する。正極932は正極活物質層932aを有する。
セパレータ933は、負極活物質層931a及び正極活物質層932aよりも広い幅を有し、負極活物質層931a及び正極活物質層932aと重畳するように捲回されている。また、正極活物質層932aよりも負極活物質層931aの幅が広いことが安全性の点で好ましい。また、このような形状の捲回体950aは安全性及び生産性がよく好ましい。
図12(B)に示すように、負極931は端子951と電気的に接続される。端子951は端子911aと電気的に接続される。正極932は端子952と電気的に接続される。端子952は端子911bと電気的に接続される。
図12(C)に示すように、筐体930により捲回体950a及び電解質が覆われ、二次電池913となる。筐体930には安全弁、過電流保護素子等を設けることが好ましい。安全弁は、電池破裂を防止するため、筐体930の内部が所定の内圧を超えた時のみ一時的に開放する。
図12(B)に示すように二次電池913は複数の捲回体950aを有していてもよい。複数の捲回体950aを用いることで、より充放電容量の大きい二次電池913とすることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の二次電池の適用例について図13、図14、図15、及び図16を用いて説明する。
[車両]
まず、本発明の一態様の二次電池を電気自動車(EV)に適用する例を示す。
図13(C)に、モータを有する車両のブロック図を示す。電気自動車には、メインの駆動用の二次電池として第1のバッテリ1301a、1301bと、モータ1304を始動させるインバータ1312に電力を供給する第2のバッテリ1311が設置されている。第2のバッテリ1311はクランキングバッテリまたはスターターバッテリとも呼ばれる。第2のバッテリ1311は高出力であればよく、大容量はそれほど必要とされず、第2のバッテリ1311の容量は第1のバッテリ1301a、1301bと比較して小さい。
例えば、第1のバッテリ1301a、1301bの一方または双方に、本発明の一態様に係る二次電池の作製方法を用いて作製された二次電池を用いることができる。
本実施の形態では、第1のバッテリ1301a、1301bを2つ並列に接続させている例を示しているが3つ以上並列に接続させてもよい。また、第1のバッテリ1301aで十分な電力を貯蔵できるのであれば、第1のバッテリ1301bはなくてもよい。複数の二次電池を有する電池パックを構成することで、大きな電力を取り出すことができる。複数の二次電池は、並列接続されていてもよいし、直列接続されていてもよいし、並列に接続された後、さらに直列に接続されていてもよい。複数の二次電池を組電池とも呼ぶ。
また、車載用の二次電池において、複数の二次電池からの電力を遮断するため、工具を使わずに高電圧を遮断できるサービスプラグまたはサーキットブレーカを有しており、第1のバッテリ1301aに設けられる。
また、第1のバッテリ1301a、1301bの電力は、主にモータ1304を回転させることに使用されるが、DCDC回路1306を介して42V系(高電圧系)の車載部品(電動パワステ1307、ヒーター1308、デフォッガ1309など)に電力を供給する。後輪にリアモータ1317を有している場合にも、第1のバッテリ1301aがリアモータ1317を回転させることに使用される。
また、第2のバッテリ1311は、DCDC回路1310を介して14V系(低電圧系)の車載部品(オーディオ1313、パワーウィンドウ1314、ランプ類1315など)に電力を供給する。
また、第1のバッテリ1301aについて、図13(A)を用いて説明する。
図13(A)に大型の電池パック1415の一例を示す。電池パック1415の一方の電極は配線1421によって制御回路部1320に電気的に接続されている。またもう一方の電極は配線1422によって制御回路部1320に電気的に接続されている。なお、電池パックは、複数の二次電池を直列接続した構成であってもよい。
また、制御回路部1320は、酸化物半導体を用いたトランジスタを含むメモリ回路を用いてもよい。酸化物半導体を用いたトランジスタを含むメモリ回路を有する充電制御回路、または電池制御システムを、BTOS(Battery operating system、またはBattery oxide semiconductor)と呼称する場合がある。
制御回路部1320は、二次電池の端子電圧を検知し、二次電池の充放電状態を管理する。例えば、過充電を防ぐために充電回路の出力トランジスタと遮断用スイッチの両方をほぼ同時にオフ状態とすることができる。
また、図13(A)に示す電池パック1415のブロック図の一例を図13(B)に示す。
制御回路部1320は、少なくとも過充電を防止するスイッチと、過放電を防止するスイッチと、を含むスイッチ部1324と、スイッチ部1324を制御する制御回路1322と、第1のバッテリ1301aの電圧測定部と、を有する。制御回路部1320は、使用する二次電池の上限電圧と下限電圧とが設定されており、外部からの電流上限、または、外部への出力電流の上限などを制限している。二次電池の下限電圧以上上限電圧以下の範囲内は、使用が推奨されている電圧範囲内であり、その範囲外となるとスイッチ部1324が作動し、保護回路として機能する。また、制御回路部1320は、スイッチ部1324を制御して過放電または過充電を防止するため、保護回路とも呼べる。例えば、過充電となりそうな電圧を制御回路1322で検知した場合にスイッチ部1324のスイッチをオフ状態とすることで電流を遮断する。さらに充放電経路中にPTC素子を設けて温度の上昇に応じて電流を遮断する機能を設けてもよい。また、制御回路部1320は、外部端子1325(+IN)と、外部端子1326(-IN)とを有している。
スイッチ部1324は、nチャネル型のトランジスタ及びpチャネル型のトランジスタの一方または双方を組み合わせて構成することができる。スイッチ部1324は、単結晶シリコンを用いるSiトランジスタを有するスイッチに限定されず、例えば、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)、InP(リン化インジウム)、SiC(シリコンカーバイド)、ZnSe(セレン化亜鉛)、GaN(窒化ガリウム)、GaOx(酸化ガリウム;xは0より大きい実数)などを有するパワートランジスタでスイッチ部1324を形成してもよい。また、OSトランジスタを用いた記憶素子は、Siトランジスタを用いた回路上などに積層することで自由に配置可能であるため、集積化を容易に行うことができる。またOSトランジスタは、Siトランジスタと同様の製造装置を用いて作製することが可能であるため、低コストで作製可能である。即ち、スイッチ部1324上にOSトランジスタを用いた制御回路部1320を積層し、集積化することで1チップとすることもできる。制御回路部1320の占有体積を小さくすることができるため、小型化が可能となる。
第1のバッテリ1301a、1301bは、主に42V系(高電圧系)の車載機器に電力を供給し、第2のバッテリ1311は14V系(低電圧系)の車載機器に電力を供給する。第2のバッテリ1311には、鉛蓄電池がコスト上有利のため採用されることが多い。
本実施の形態では、第1のバッテリ1301aと第2のバッテリ1311の両方にリチウムイオン二次電池を用いる一例を示す。第2のバッテリ1311は鉛蓄電池、全固体電池、または電気二重層キャパシタを用いてもよい。
また、タイヤ1316の回転による回生エネルギーは、ギア1305を介してモータ1304に送られ、モータコントローラ1303またはバッテリコントローラ1302から制御回路部1321を介して第2のバッテリ1311に充電される。またはバッテリコントローラ1302から制御回路部1320を介して第1のバッテリ1301aに充電される。またはバッテリコントローラ1302から制御回路部1320を介して第1のバッテリ1301bに充電される。回生エネルギーを効率よく充電するためには、第1のバッテリ1301a、1301bが急速充電可能であることが望ましい。
バッテリコントローラ1302は第1のバッテリ1301a、1301bの充電電圧及び充電電流などを設定することができる。バッテリコントローラ1302は、用いる二次電池の充電特性に合わせて充電条件を設定し、急速充電することができる。
また、図示していないが、外部の充電器と接続させる場合、充電器のコンセントまたは充電器の接続ケーブルは、バッテリコントローラ1302に電気的に接続される。外部の充電器から供給された電力はバッテリコントローラ1302を介して第1のバッテリ1301a、1301bに充電する。また、充電器によっては、制御回路が設けられており、バッテリコントローラ1302の機能を用いない場合もあるが、過充電を防ぐため制御回路部1320を介して第1のバッテリ1301a、1301bを充電することが好ましい。また、接続ケーブルまたは充電器の接続ケーブルに制御回路を備えている場合もある。制御回路部1320は、ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれることもある。ECUは、電動車両に設けられたCAN(Controller Area Network)に接続される。CANは、車内LANとして用いられるシリアル通信規格の一つである。また、ECUは、マイクロコンピュータを含む。また、ECUは、CPUまたはGPUを用いる。
次に、本発明の一態様の二次電池を、車両、代表的には輸送用車両に実装する例について説明する。
本発明の一態様の二次電池を車両に搭載すると、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)、またはプラグインハイブリッド車(PHV)等の次世代クリーンエネルギー自動車を実現できる。また、電動トラクタなどの農業機械、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、電動カート、小型または大型船舶、潜水艦、固定翼機または回転翼機等の航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機または惑星探査機、宇宙船などの輸送用車両に二次電池を搭載することもできる。本発明の一態様に係る二次電池の作製方法を用いることで、大型の二次電池とすることができる。そのため、本発明の一態様の二次電池は、輸送用車両に好適に用いることができる。
図14(A)~図14(E)に、本発明の一態様の二次電池を用いた輸送用車両を示す。図14(A)に示す自動車2001は、走行のための動力源として電気モータを用いる電気自動車である。または、走行のための動力源として電気モータとエンジンを適宜選択して用いることが可能なハイブリッド自動車である。二次電池を車両に搭載する場合、二次電池は一箇所または複数箇所に設置する。図14(A)に示す自動車2001は、図13(A)に示した電池パック1415を有する。電池パック1415は、二次電池モジュールを有する。電池パック1415は、さらに二次電池モジュールに電気的に接続する充電制御装置を有すると好ましい。二次電池モジュールは単数または複数の二次電池を有する。
また、自動車2001は、自動車2001が有する二次電池にプラグイン方式または非接触給電方式等により外部の充電設備から電力供給を受けて、充電することができる。充電に際しては、充電方法またはコネクタの規格等はCHAdeMO(登録商標)またはコンボ等の所定の方式で適宜行えばよい。充電装置は、商用施設に設けられた充電ステーションでもよく、また家庭の電源であってもよい。例えば、プラグイン技術によって、外部からの電力供給により自動車2001に搭載された二次電池を充電することができる。充電は、ACDCコンバータ等の変換装置を介して、交流電力を直流電力に変換して行うことができる。
また、図示しないが、受電装置を車両に搭載し、地上の送電装置から電力を非接触で供給して充電することもできる。この非接触給電方式の場合には、道路または外壁に送電装置を組み込むことで、停車中に限らず走行中に充電を行うこともできる。また、この非接触給電の方式を利用して、2台の車両どうしで電力の送受信を行ってもよい。さらに、車両の外装部に太陽電池を設け、停車時または走行時に二次電池の充電を行ってもよい。このような非接触での電力の供給には、電磁誘導方式または磁界共鳴方式を用いることができる。
図14(B)は、輸送用車両の一例として電気により制御するモータを有した大型の輸送車2002を示している。輸送車2002の二次電池モジュールは、例えば3.5V以上4.7V以下の二次電池を4個セルユニットとし、48セルを直列に接続した170Vの最大電圧とする。電池パック2201の二次電池モジュールを構成する二次電池の数などが違う以外は、図14(A)と同様な機能を備えているため説明は省略する。
図14(C)は、一例として電気により制御するモータを有した大型の輸送車両2003を示している。輸送車両2003の二次電池モジュールは、例えば3.5V以上4.7V以下の二次電池を百個以上直列に接続した600Vの最大電圧とする。従って、特性バラツキの小さい二次電池が求められる。本発明の一態様に係る二次電池の作製方法を用いることで、安定した電池特性を有する二次電池を製造することができ、歩留まりの観点から低コストで大量生産が可能である。また、電池パック2202の二次電池モジュールを構成する二次電池の数などが違う以外は、図14(A)と同様な機能を備えているため説明は省略する。
図14(D)は、一例として燃料を燃焼するエンジンを有した航空機2004を示している。図14(D)に示す航空機2004は、離着陸用の車輪を有しているため、輸送車両の一部とも言え、複数の二次電池を接続させて二次電池モジュールを構成し、二次電池モジュールと充電制御装置とを含む電池パック2203を有している。
航空機2004の二次電池モジュールは、例えば4Vの二次電池を8個直列に接続した32Vの最大電圧とする。電池パック2203の二次電池モジュールを構成する二次電池の数などが違う以外は、図14(A)と同様な機能を備えているため説明は省略する。
図14(E)は、一例として貨物を輸送する輸送車両2005を示している。電気により制御するモータを有し、電池パック2204の二次電池モジュールを構成する二次電池から電力を供給することで、様々な作業を実行する。また、輸送車両2005は人間が運転者として乗り、操作することに限定されず、CAN通信などにより無人での操作も可能である。図14(E)ではフォークリフトを図示しているが特に限定されず、CAN通信などにより操作可能である産業用機械、例えば、自動輸送機、作業用ロボット、または小型建機などに本発明の一態様に係る二次電池を有する電池パックを搭載することができる。
[建築物]
次に、本発明の一態様の二次電池を建築物に実装する例について図15を用いて説明する。
図15(A)に示す住宅は、本発明の一態様に係る二次電池の作製方法を用いることで、安定した電池特性を有する二次電池を有する蓄電装置2612と、ソーラーパネル2610を有する。蓄電装置2612は、ソーラーパネル2610と配線2611等を介して電気的に接続されている。また蓄電装置2612と地上設置型の充電装置2604が電気的に接続されていてもよい。ソーラーパネル2610で得た電力は、蓄電装置2612に充電することができる。また蓄電装置2612に蓄えられた電力は、充電装置2604を介して車両2603が有する二次電池に充電することができる。蓄電装置2612は、床下空間部に設置されることが好ましい。床下空間部に設置することにより、床上の空間を有効的に利用することができる。あるいは、蓄電装置2612は床上に設置されてもよい。
蓄電装置2612に蓄えられた電力は、住宅内の他の電子機器にも供給することができる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、蓄電装置2612を無停電電源として用いることで、電子機器の利用が可能となる。
図15(B)に、本発明の一態様に係る蓄電装置700の一例を示す。図15(B)に示すように、建物799の床下空間部796には、本発明の一態様に係る二次電池の作製方法で得られる大型の蓄電装置791が設置されている。
蓄電装置791には、制御装置790が設置されており、制御装置790は、配線によって、分電盤703と、蓄電コントローラ705(制御装置ともいう)と、表示器706と、ルータ709と、に電気的に接続されている。
商業用電源701から、引込線取付部710を介して、電力が分電盤703に送られる。また、分電盤703には、蓄電装置791と、商業用電源701と、から電力が送られ、分電盤703は、送られた電力を、コンセント(図示せず)を介して、一般負荷707及び蓄電系負荷708に供給する。
一般負荷707は、例えば、テレビまたはパーソナルコンピュータなどの電気機器であり、蓄電系負荷708は、例えば、電子レンジ、冷蔵庫、空調機などの電気機器である。
蓄電コントローラ705は、計測部711と、予測部712と、計画部713と、を有する。計測部711は、一日(例えば、0時から24時)の間に、一般負荷707、蓄電系負荷708で消費された電力量を計測する機能を有する。また、計測部711は、蓄電装置791の電力量と、商業用電源701から供給された電力量と、を計測する機能を有していてもよい。また、予測部712は、一日の間に一般負荷707及び蓄電系負荷708で消費された電力量に基づいて、次の一日の間に一般負荷707及び蓄電系負荷708で消費される需要電力量を予測する機能を有する。また、計画部713は、予測部712が予測した需要電力量に基づいて、蓄電装置791の充放電の計画を立てる機能を有する。
計測部711によって計測された一般負荷707及び蓄電系負荷708で消費された電力量は、表示器706によって確認することができる。また、ルータ709を介して、テレビまたはパーソナルコンピュータなどの電気機器において、確認することもできる。さらに、ルータ709を介して、スマートフォンまたはタブレットなどの携帯電子端末によっても確認することができる。また、表示器706、電気機器、携帯電子端末によって、予測部712が予測した時間帯ごと(または一時間ごと)の需要電力量なども確認することができる。
[電子機器]
本発明の一態様の二次電池は、例えば、電子機器及び照明装置の一方または双方に用いることができる。電子機器としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、もしくはノート型コンピュータ等の携帯情報端末、携帯型ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどが挙げられる。携帯情報端末としてはノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型端末、電子書籍、携帯電話機などがある。
図16(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機2100は、筐体2101に組み込まれた表示部2102の他、操作ボタン2103、外部接続ポート2104、スピーカ2105、マイク2106などを備えている。なお、携帯電話機2100は、二次電池2107を有している。
携帯電話機2100は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
操作ボタン2103は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯電話機2100に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン2103の機能を自由に設定することもできる。
また、携帯電話機2100は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯電話機2100は外部接続ポート2104を備え、他の情報端末とコネクタを介して直接データのやりとりを行うことができる。また外部接続ポート2104を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は外部接続ポート2104を介さずに無線給電により行ってもよい。
携帯電話機2100はセンサを有することが好ましい。センサとして例えば、指紋センサ、脈拍センサ、体温センサ等の人体センサや、タッチセンサ、加圧センサ、加速度センサ、等が搭載されることが好ましい。
図16(B)は複数のローター2302を有する無人航空機2300である。無人航空機2300はドローンと呼ばれることもある。無人航空機2300は、本発明の一態様である二次電池2301と、カメラ2303と、アンテナ(図示しない)を有する。無人航空機2300はアンテナを介して遠隔操作することができる。本発明の一態様の二次電池は安全性が高いため、長期間に渡って長時間の安全な使用ができ、無人航空機2300に搭載する二次電池として好適である。
図16(C)は、ロボットの一例を示している。図16(C)に示すロボット6400は、二次電池6409、照度センサ6401、マイクロフォン6402、上部カメラ6403、スピーカ6404、表示部6405、下部カメラ6406および障害物センサ6407、移動機構6408、演算装置等を備える。
マイクロフォン6402は、使用者の話し声及び環境音等を検知する機能を有する。また、スピーカ6404は、音声を発する機能を有する。ロボット6400は、マイクロフォン6402およびスピーカ6404を用いて、使用者とコミュニケーションをとることが可能である。
表示部6405は、種々の情報の表示を行う機能を有する。ロボット6400は、使用者の望みの情報を表示部6405に表示することが可能である。表示部6405は、タッチパネルを搭載していてもよい。また、表示部6405は取り外しのできる情報端末であっても良く、ロボット6400の定位置に設置することで、充電およびデータの受け渡しを可能とする。
上部カメラ6403および下部カメラ6406は、ロボット6400の周囲を撮像する機能を有する。また、障害物センサ6407は、移動機構6408を用いてロボット6400が前進する際の進行方向における障害物の有無を察知することができる。ロボット6400は、上部カメラ6403、下部カメラ6406および障害物センサ6407を用いて、周囲の環境を認識し、安全に移動することが可能である。
ロボット6400は、その内部領域に本発明の一態様に係る二次電池6409と、半導体装置または電子部品を備える。本発明の一態様に係る二次電池をロボット6400に用いることで、ロボット6400を稼働時間が長く信頼性の高い電子機器とすることができる。
図16(D)は、掃除ロボットの一例を示している。掃除ロボット6300は、筐体6301上面に配置された表示部6302、側面に配置された複数のカメラ6303、ブラシ6304、操作ボタン6305、二次電池6306、各種センサなどを有する。図示されていないが、掃除ロボット6300には、タイヤ、吸い込み口等が備えられている。掃除ロボット6300は自走し、ゴミ6310を検知し、下面に設けられた吸い込み口からゴミを吸引することができる。
例えば、掃除ロボット6300は、カメラ6303が撮影した画像を解析し、壁、家具または段差などの障害物の有無を判断することができる。また、画像解析により、配線などブラシ6304に絡まりそうな物体を検知した場合は、ブラシ6304の回転を止めることができる。掃除ロボット6300は、その内部領域に本発明の一態様に係る二次電池6306と、半導体装置または電子部品を備える。本発明の一態様に係る二次電池6306を掃除ロボット6300に用いることで、掃除ロボット6300を稼働時間が長く信頼性の高い電子機器とすることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
本実施例では作製した正極活物質(コバルト酸リチウム)を用いた二次電池の解析の一例を示す。
充放電後のコバルト酸リチウムの粒子の断面TEM像を図1に示す。
<STEM観察>
50サイクル後の二次電池の正極について、走査型透過電子顕微鏡(STEM)により断面を観察した。断面観察のための試料の加工はFIBを用いて行った。本明細書では二次電池の製造後、充放電を1サイクルとみなし、1サイクル以上行った二次電池を放電後の二次電池と呼ぶ。
<極微電子線回折>
次に極微電子線回折を用いてコバルト酸リチウムの粒界およびその付近の結晶構造を分析した。ここでは、試料を、コバルト酸リチウムの粒子を切断し、厚さが10nm以上50nm以下となるように薄片化する。また、ここでは、プローブ径が1nmの電子線を、試料の切断面に垂直な方向から入射させる。
図1(A)は50サイクル後の劣化したコバルト酸リチウムの粒界の断面TEM像である。図1(B)は、図1(A)中に黒線で囲った部分の拡大像である。図1(C)は図1(B)の模式図である。極微電子線回折の分析箇所を、図1(C)中の星印NBED1、星印NBED2、星印NBED3で示す。
図2(A)に星印NBED1部分の極微電子線回折像を示す。透過光をO、回折スポットの一部を1、2、3とし、図中に示した。星印NBED1部分について解析したところ、a1の面間隔が0.241nm、a2の面間隔が0.210nm、a3の面間隔が0.246nmと算出された。また面角度は∠a1Oa2=55°、∠a1Oa3=110°、∠a2Oa3=55°であった。面間隔と面角度から、a1、a2、a3は岩塩型結晶であり、CoOの結晶構造を有すると考えられた。図3(A)には岩塩型であるCoOの結晶構造を示す。
図2(B)に星印NBED2部分の極微電子線回折像を示す。透過光をO、回折スポットの一部をb1、b2、b3とし、図中に示した。星印NBED2部分について解析したところ、b1の面間隔が0.468nm、b2の面間隔が0.398nm、b3の面間隔が0.472nmと算出された。また面角度は∠b1Ob2=54°、∠b1Ob3=110°、∠b2Ob3=56°であった。面間隔と面角度から、b1、b2、b3はスピネル型結晶であり、Coの結晶構造またはLiCoの結晶構造を有すると考えられた。図3(B)にはスピネル型であるLiCoの結晶構造を示す。
図2(A)に星印NBED3部分の極微電子線回折像を示す。透過光をO、回折スポットの一部をc1、c2、c3とし、図中に示した。星印NBED3部分について解析したところ、c1の面間隔が0.475nm、c2の面間隔が0.199nm、c3の面間隔が0.238nmと算出された。また面角度は∠c1Oc2=55°、∠c1Oc3=80°、∠c2Oc3=24°であった。このとき電子線入射方向は[0-10]であり、面間隔と面角度から、1は層状岩塩型結晶の10-2であり、2は同様に10-5であり、3は同様に00-3であり、LiCoOの結晶構造を有すると考えられた。図3(C)には層状岩塩型構造であるLiCoOの結晶構造を示す。
以上の結果から、図1(C)に示す星印NBED1部分は、CoO構造であり、星印NBED2部分はスピネル構造であり、星印NBED3部分は層状岩塩型構造の結晶構造を有していることが確認できた。
なお、上述した極微電子線回折像を得る際、電子線を連続照射しても、その照射部分の結晶の変化する様子は確認されないことは確認している。
また、図1(A)に示す活物質の割れ目は、欠陥の一種であるピットと呼ばれることのある進行性の不良である。ピットは、4.5V以上の高電圧条件または高温(45℃以上)下で充放電することにより、コバルトや酸素が何層分か抜けた穴とも言え、コバルトが溶出した箇所ともいえる。
また、ピットは断面視においてピットは結晶面を横切ることなく、一定の幅を有することがある。
ピットが生じることでコバルト酸リチウムの歪みエネルギーが緩和されることがある。歪みエネルギーとは、コバルト酸リチウム焼成時に表面と内部に温度差が生じると、コバルト酸リチウムに収縮差が誘発され、収縮差に関連したエネルギーはコバルト酸リチウムの内部応力の差となることがある。サイクル試験を経て生じたピットにより内部応力の差を軽減することができると考えられる。そのため、大きな内部応力を緩和するために生じたピットは深く形成され、これに隣接したピットの深さが浅いものとなる。すなわち、隣接したピット間では少なくとも深さが異なる。
また、対極がリチウムである電池の正極に用いて電池を4.7Vまで充電した後、下限電圧まで放電するサイクルを複数回繰り返した正極活物質は、断面視においてピットを有し、ピット先端の領域にマグネシウムを有する。ピット先端の領域にマグネシウムが検出されるということは、コバルト酸リチウムの表層部に存在していたマグネシウムが、充放電の際にリチウムと一緒にコバルト酸リチウムへ挿入されたと考えられる。
このようなピットは経時劣化の原因と考えられるため、ピットの発生を抑制することが好ましい。
130 積層体
131 積層体
500 二次電池
501 正極集電体
502 正極活物質層
503 正極
504 負極集電体
505 負極活物質層
506 負極
507 セパレータ
508 電解質
509 外装体
510 正極リード電極
511 負極リード電極
560 二次電池
700 蓄電装置
701 商業用電源
703 分電盤
705 蓄電コントローラ
706 表示器
707 一般負荷
708 蓄電系負荷
709 ルータ
710 引込線取付部
711 計測部
712 予測部
713 計画部
790 制御装置
791 蓄電装置
796 床下空間部
799 建物
911a 端子
911b 端子
913 二次電池
930 筐体
930a 筐体
930b 筐体
931 負極
931a 負極活物質層
932 正極
932a 正極活物質層
933 セパレータ
950 捲回体
950a 捲回体
951 端子
952 端子
970 二次電池
971 筐体
972 積層体
973a 正極リード電極
973b 端子
973c 導電体
974a 負極リード電極
974b 端子
974c 導電体
975a 正極
975b 正極
976 セパレータ
977a 負極
1301a バッテリ
1301b バッテリ
1302 バッテリコントローラ
1303 モータコントローラ
1304 モータ
1305 ギア
1306 DCDC回路
1307 電動パワステ
1308 ヒーター
1309 デフォッガ
1310 DCDC回路
1311 バッテリ
1312 インバータ
1313 オーディオ
1314 パワーウィンドウ
1315 ランプ類
1316 タイヤ
1317 リアモータ
1320 制御回路部
1321 制御回路部
1322 制御回路
1324 スイッチ部
1325 外部端子
1326 外部端子
1415 電池パック
1421 配線
1422 配線
2001 自動車
2002 輸送車
2003 輸送車両
2004 航空機
2005 輸送車両
2100 携帯電話機
2101 筐体
2102 表示部
2103 操作ボタン
2104 外部接続ポート
2105 スピーカ
2106 マイク
2107 二次電池
2201 電池パック
2202 電池パック
2203 電池パック
2204 電池パック
2300 無人航空機
2301 二次電池
2302 ローター
2303 カメラ
2603 車両
2604 充電装置
2610 ソーラーパネル
2611 配線
2612 蓄電装置
6300 掃除ロボット
6301 筐体
6302 表示部
6303 カメラ
6304 ブラシ
6305 操作ボタン
6306 二次電池
6310 ゴミ
6400 ロボット
6401 照度センサ
6402 マイクロフォン
6403 上部カメラ
6404 スピーカ
6405 表示部
6406 下部カメラ
6407 障害物センサ
6408 移動機構
6409 二次電池

Claims (8)

  1. 第1の結晶構造と、第2の結晶構造と、第3の結晶構造とを有し、
    前記第1の結晶構造と前記第3の結晶構造の間に前記第2の結晶構造を有する正極活物質を用いるリチウムイオン二次電池。
  2. 請求項1において、前記第2の結晶構造はスピネル構造である二次電池。
  3. 請求項1または請求項2において、前記正極活物質の表面、表面近傍、または表層部は、前記第1の結晶構造を有し、前記第1の結晶構造は、CoO構造である二次電池。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、前記第3の結晶構造は、O3構造の層状岩塩型構造である二次電池。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一において、前記二次電池を有する車両。
  6. 放電後の二次電池において、
    前記二次電池は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極とを有し、
    前記正極活物質はO3構造の層状岩塩型構造を有し、
    前記正極活物質の表面、表面近傍、または表層部は、CoO構造であり、
    前記正極活物質のCoO構造と前記O3構造の間にスピネル構造を有する二次電池。
  7. 請求項6において、前記正極と前記負極の間にセパレータを有する二次電池。
  8. 請求項6または請求項7において、前記二次電池を有する車両。
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