JP2022063221A - 光学ガラス及び光学ガラスからなる光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高屈折率を維持しつつ、熱的安定性、ガラス転移温度特性を改善した光学ガラスおよび前記ガラスからなる光学素子を提供することを目的とする。【解決手段】必須成分として、B2O3、La2O3、Gd2O3、Ta2O5、Li2OおよびZnOを含み、質量%表示で、SiO22.5~12%、Li2O 0.70%以上、ZnO 6%以上、La2O325%以上、Gd2O317.5%以下、Ta2O56%以上含み、Li2OおよびZnOの合計含有量が10%以上、Nb2O5およびWO3の合計含有量が1.0%以上、質量比(La2O3+Gd2O3)/B2O3が2.2以上、質量比(Li2O/SiO2)が0.200以上、である光学ガラス。【選択図】なし

Description

本発明は、光学ガラス及び光学ガラスからなる光学素子に関する。
高屈折率低分散ガラスからなるレンズは、超低分散ガラスからなるレンズ等と組み合わせて接合レンズとすることにより、色収差を補正しつつ光学系のコンパクト化を可能にすることができる。そのため、高屈折率低分散ガラスは、撮像光学系やプロジェクタなどの投射光学系を構成する光学素子として非常に重要な位置を占めている。
また、光学素子を作製する方法としては、熔融ガラスからプレス成形用ガラス素材を作製し、このプレス成形用ガラス素材を成形型により精密プレス成形することにより光学素子を得る方法(精密プレス成形法という)も知られている。精密プレス成形法では、成形型成形面形状を転写することにより、研磨、研削等の機械加工を経ることなく、光学素子の光学機能面を形成することができる。
特許文献1、2には精密プレス成形に適し、かつ、高屈折率低分散である光学ガラスが開示されている。
特開2006-137662号公報 特開2003-267748号公報
ところで、高屈折率低分散ガラスにも見られるが、ガラスの屈折率を高めようとすると、ガラスの熱的安定性が低下したり、ガラス転移温度が上昇する傾向を示す場合がある。
熱的安定性が低下すると、ガラスを成形するときに失透しやすくなる。また高いガラス転移温度を有するガラスの場合は、プレス成形するときにガラスを高温に加熱する必要があり、ガラスと成形型の成形面とが反応してガラスが発泡するなどしてガラス成形品の表面品質が悪化しやすくなる。特に表面品質の悪化は大型の成形品を生産する際に顕著になる傾向がある。
特許文献1、2に記載のガラスはいずれも光学ガラスとして優れたものであるが、高屈折率特性を維持しつつ熱的安定性の更なる改善や、高屈折率と低ガラス転移温度の両立の面で改善の余地がある。
本発明は、上記の点に着目し、高屈折率を維持しつつ、熱的安定性、ガラス転移温度特性を改善した光学ガラスおよび前記ガラスからなる光学素子を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ね、以下の構成を有するガラスが上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、以下を包含する。
[1] 必須成分として、B、La、Gd、Ta、LiOおよびZnOを含み、
質量%表示で、
SiO 2.5~12%、
LiO 0.70%以上、
ZnO 6%以上、
La 25%以上、
Gd 17.5%以下、
Ta 6%以上、
含み、
LiOおよびZnOの合計含有量が10%以上、
NbおよびWOの合計含有量が1.0%以上、
質量比(La+Gd)/Bが2.2以上、
質量比(LiO/SiO)が0.200以上、
である光学ガラス。
[2] 屈折率ndとガラス転移温度Tg[℃]が式(1)を満たす[1]に記載の光学ガラス。
Tg<1700×nd-2555 ・・・ (1)
[3] 屈折率ndが1.80以上、ガラス転移温度Tgが600℃以下である[1]に記載の光学ガラス。
[4] [1]乃至[3]のいずれかに記載の光学ガラスからなる光学素子。
本発明によれば、高屈折率を維持しつつ、熱的安定性、ガラス転移温度特性を改善した光学ガラスおよび前記ガラスからなる光学素子を提供することができる。
本発明および本明細書において、光学ガラスのガラス組成は、特記しない限り、酸化物基準で表示する。ここで「酸化物基準のガラス組成」とは、ガラス原料が熔融時にすべて分解されて光学ガラス中で酸化物として存在するものとして換算することにより得られるガラス組成をいい、各ガラス成分の表記は慣習にならい、SiO、Bなどと記載する。ガラス成分の含有量および合計含有量は、特記しない限り質量基準であり、「%」は「質量%」を意味する。
ガラス成分の含有量は、公知の方法、例えば、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)等の方法で定量することができる。また、本明細書および本発明において、構成成分の含有量が0%とは、この構成成分を実質的に含まないことを意味し、該成分が不可避的不純物レベルで含まれることを許容する。
また、アッベ数νdは、分散に関する性質を表す値として用いられるものであり、以下の式で表される。ここで、nFは青色水素のF線(波長486.13nm)における屈折率、nCは赤色水素のC線(656.27nm)における屈折率である。
νd=(nd-1)/nF-nC
本実施態様の光学ガラスは、必須成分として、B、La、Gd、Ta、LiOおよびZnOを含み、
質量%表示で、
SiO 2.5~12%、
LiO 0.70%以上、
ZnO 6%以上、
Gd 17.5%以下、
Ta 6%以上、
含み、LiOおよびZnOの合計含有量が10%以上であり、NbおよびWOの合計含有量が1.0%以上であり、質量比(La+Gd)/Bが2.2以上であり、質量比(LiO/SiO)が0.200以上、である光学ガラス、である。
[ガラス組成]
とSiOはガラスのネットワーク形成成分である。
SiOの含有量は、ガラスの熱的安定性を維持する観点から2.5%以上であり、屈折率を維持するとともにガラス転移温度を低く抑える観点から12%以下である。
SiOの含有量の下限は、2.55%以上、2.60%以上、2.65%、2.70%、2.75%以上の順に好ましい。また、SiOの含有量の好ましい上限は、11.0%以下、10.75%以下、10.50%以下、10.25%以下、10.0%以下の順に好ましい。
の含有量は、ガラスの熱的安定性、熔融性を維持する観点から10%以上であることが好ましく、屈折率を維持する観点から20%以下であることが好ましい。
の含有量の下限は、7.92%以上、8.50%以上、9.0%以上、9.50%以上、10.0%以上、10.5%以上、11.0%以上、11.46%以上、12.0%以上、12.47%以上、13.0%以上、13.5%以上の順により好ましい。また、Bの含有量の上限は、20.0%以下、19.5%以下、19%以下、18.5%以下、18%以下、17.5%以下、17.0%以下の順により好ましい。
LiOは屈折率の低下を抑えつつ、ガラス転移温度を低下させる成分であり、この効果を得る上から、LiOの含有量は0.70%以上である。
LiOの含有量の下限は、0.70%以上、0.72%以上、0.74%以上、0.76%以上、0.78%以上、0.80%以上の順により好ましい。
LiOの含有量の上限は、特に限定されるものではないが、ガラスの熱的安定性、高屈折率特性を維持する観点からLiOの含有量の上限は、2.16%以下、1.99%以下、1.90%以下、1.80%以下、1.78%以下、1.76%以下、1.74%以下、1.72%以下、1.70%以下の順により好ましい。
ZnOも屈折率の低下を抑えつつ、ガラス転移温度を低下させ、熔融性を改善する成分であり、この効果を得る上から、ZnOの含有量は6%以上である。
ZnOの含有量の下限は、6.0%以上、7.0%以上、8.0%以上、9.0%以上、10.0%以上、11.0%以上の順により好ましい。
ZnOの上限は特に限定されるものではないが、ガラスの化学的耐久性、熱的安定性を維持する観点からZnOの含有量の上限は、22.0%以下、21.0%以下、20.0%以下、19.0%以下、18.0%以下、17.0%以下、16.0%以下の順により好ましい。
なお、高屈折率と低ガラス転移温度を両立する観点から、LiOおよびZnOの合計含有量(LiO+ZnOの含有量)は10%以上である。
LiO+ZnOの含有量の下限は、10.0%以上、10.5%以上、11.0%以上、11.5%以上、12.0%以上、12.5%以上の順により好ましい。また、LiO+ZnOの含有量の上限は、特に限定されるものではないが、23.0%以下、22.0%以下、21.0%以下、20.0%以下、19.0%以下、18.0%以下、17.0%以下の順により好ましい。
LaとGdは低分散性を維持しつつ屈折率を高める成分である。
ガラスの熱的安定性を維持する観点から、Gdの含有量を17.5%以下とする。Gdの含有量の上限は、17.25%以下、17.0%以下、16.75%以下、16.50%以下、16.25%以下、16.0%以下の順により好ましい。
Gdの含有量の下限は、特に限定されるものではないが、熱的安定性が優れた高屈折率低分散特性を得る観点からGdの含有量の下限は、3.0%以上、3.5%以上、4.0%以上、4.5%以上、5.0%以上の順に好ましい。
また、ガラスの熱的安定性をより向上する上から、Gdの含有量を13.0%未満とすることが好ましく、12.5%以下とすることがより好ましく12.0%以下とすることがさらに好ましく、11.5%未満とすることが一層好ましい。なお、これらの好ましい例をモル%表示すると、Gdの含有量を6.7モル%未満とすることが好ましく、5.5モル%以下とすることがより好ましく、4.9モル%以下とすることがより好ましく、4.8モル%以下とすることがさらに好ましく、4.5モル%未満とすることが一層好ましい、となる。
Laは、ガラスの熱的安定性を低下せずに、または分散を高めずに、屈折率を高くし、化学的耐久性を向上させる成分であり、含有量は25%以上である。
Laの含有量の下限は、25.5%以上、26.0%以上、26.5%以上、27.0%以上、27.5%以上、28.0%以上、28.5%以上の順に好ましい。
また、Laの含有量の上限は、特に限定されるものではないが、過剰の導入により熱的安定性が低下傾向を示す場合があるため、41.0%以下、40.5%以下、40.0%以下、39.5%以下、39.0%以下、38.5%以下、38.0%以下の順に好ましい。
LaとGdの合計含有量(La+Gdの含有量)の下限は、37.0%以上、37.5%以上、38.0%以上、38.5%以上、39.0%以上、39.5%以上、40.0%以上の順に好ましい。
また、LaとGdの合計含有量(La+Gdの含有量)の上限は、50.0%以下、49.5%以下、49.0%以下、48.5以下、48.0%以下、47.5%以下の順に好ましい。
Nbはガラスの熱的安定性を改善し、屈折率を高める働きをする成分である。また、WOは、ガラスの熱的安定性、熔融性を改善し、屈折率を向上させる成分である。したがって、本発明では、NbおよびWOの合計含有量(Nb+WO)の下限は、高屈折率ガラスを得る観点から1.0%以上であり、上限は特に限定されるものではないが精密プレス成形性を良好に維持する観点からより少ないほうが好ましい。
上記を考慮すると、Nb+WOの含有量の下限は、1.00%以上、1.25%以上、1.50%以上、1.75%以上、2.00%以上、2.25%以上、2.50%以上の順に好ましい。
また、Nb+WOの含有量の上限は、10.0%以下、9.5%以下、9.0%以下、8.5%以下、8.0%以下、7.5%以下、7.0%以下、6.5%以下、6.0%以下の順により好ましい。
Nbの含有量は、Nb+WOの含有量を満たす限りにおいて、特に限定されるものではないが、Nbの含有量の下限は、0%であるが含有する場合、0.8%以上、0.9%以上、1.0%以上、1.1%以上、1.2%以上、1.3%以上の順に好ましい。
Nbの含有量の上限は、導入量が過剰になると分散が大きくなる場合があるため、9.0%以下、8.5%以下、8.0%以下、7.5%以下、7.0%以下、6.5%以下、6.0%以下の順に好ましい。
WOの含有量は、Nb+WOの含有量を満たす限りにおいて、特に限定されるものではないが、WOの含有量の下限は、0%であるが含有する場合、0.05%以上0.1%以上、0.15%以上、0.20%以上、0.25%以上の順に好ましい。
WOの含有量の上限は、導入量が過剰になると分散が大きくなる場合があるため、9.0%以下、8.5%以下、8.0%以下、7.5%以下、7.0%以下、6.5%以下の順に好ましい。
高屈折率低分散ガラスを得る上から、Bの含有量に対するLaおよびGdの合計含有量の比率(質量比(La+Gd)/B)は2.2以上である。
質量比(La+Gd)/B)の下限は、2.25%以上、2.30%以上、2.35%以上、2.38%以上、2.49%以上、2.54%以上、2.58%以上、2.60%以上の順により好ましい。
質量比(La+Gd)/B)の上限は、特に限定されるものではないが、ガラスの熱的安定性を維持する観点から、5.1%以下、4.9%以下、4.7%以下、4.5%以下、4.2%以下、4.1%以下、4.0%以下、3.9%以下、3.8%以下、3.7%以下の順に好ましい。
ガラス転移温度の上昇を抑える上から、質量比(La+Gd)/(LiO+ZnO)は、4.00以下、3.90以下、3.80以下、3.70以下、3.60以下、3.50以下の順により好ましく、高屈折率低分散特性を維持する上から、2.00以上、2.10以上、2.20以上、2.30以上、2.40以上、2.50以上の順により好ましい。
Taは、高屈折率低分散特性と熱的安定性を維持する働きがある成分である。上記の効果を得る上からTaの含有量は6.0%以上である。
Taの下限は、6.0%以上、7.0%以上、8.0%以上、9.0%以上、10.0%以上の順に好ましい。
Taの含有量の上限は、特に限定されるわけではないが、ガラスの熱的安定性を維持する観点から、20.0%以下、19.5%以下、19.0%以下、18.5%以下、18.0%以下、17.5%以下の順に好ましい。
さらに、ガラスの熱的安定性を維持する上から、質量比(ZrO+Ta+Nb+WO)/(SiO+B)は、1.60以下、1.55以下、1.50以下、1.45以下、1.40以下、1.35以下の順により好ましく、高屈折率特性を維持する上から、0.75以上、0.80以上、0.85以上、0.90以上、0.95以上、1.00以上の順により好ましい。
TiOは屈折率を高め、分散を高める成分であり、TiOの含有量は、本発明において特に限定されるわけではないが、過剰の導入によりプレス成形時に成形型の成形面と反応してガラスの表面品質を悪化させる傾向が生じ、またガラスの着色が強まる場合がる。そのため、TiOの含有量の上限は、3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、0.1%以下、0%(含有しない)の順により好ましい。
は高屈折率低分散化成分であり、本発明において特に限定されるものではないが、、同じ希土類酸化物のGdと比較し、屈折率を高くする働きが小さい。希土類酸化物の合計含有量が過剰になるとガラスの熱的安定性が低下する傾向を示す。そのため、熱的安定性を維持しつつ高屈折率特性を維持する上からYよりもLa、Gdの導入することが好ましい。
上記の観点からYの含有量の上限は、3%以下、2%以下、1%以上、0.5%以下、0.1%以下の順に好ましく0%でもよい。
Ybは高屈折率低分散の成分として使用される任意成分である。過剰の導入によりガラスの熱的安定性が低下し、ガラス転移温度が上昇する。またガラスの赤外域の吸収が増加傾向を示す。Ybの含有量の好ましい上限:3%、2%、1%、0.5%、0.1%の順により好ましい。0%でもよい。
ZrOは、本発明において任意成分ではあるが、ガラスの屈折率を低下させずに、ガラスの熱的安定性を改善する効果が得られるため、導入することが好ましい。ZrOの含有量の下限は、2.50%以上、2.55%以上、2.60%以上、2.65%以上、2.70%以上、2.75%以上の順により好ましい。
ZrOの含有量の上限は、10.0%以下、9.5%以下、9.0%以下、8.5%以下、8.0%以下、7.5%以下、7.0%以下、6.5%以下の順により好ましい。なお、その含有量が多くなると液相温度(熱的安定性が悪くなる)が急激に上昇する。
Sbは清澄剤として機能する。その添加量が多くなると精密プレス成形時にプレス成形型の成形面が損傷を受けるおそれが生じたり、ガラスの着色が強くなる傾向が生じる。
Sbの含有量の下限は、0%以上、0.01%以上、0.02%以上の順に好ましく、Sbの含有量の上限は、1.0%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下の順に好ましい。なお、Sbの含有量は、外割り(Sb以外のガラス成分の合計質量を100としたきのSbの割合)の数値である。
ガラス転移温度を低下させる観点からSiOの含有量に対するLiOの含有量の質量比(LiO/SiO)は0.200以上である。質量比(LiO/SiO)の下限は、0.200以上、0.210以上、0.220以上の順に好ましい。
また、ガラス転移温度の上昇を抑制し、熱的安定性を維持する上から、質量比(LiO/SiO)の上限は、0.300以下、0.290以下、0.280以下、0.270以下の順に好ましい。
さらに、発明の課題を解決する上から上記成分および清澄剤の含有量の合計が90%以上であることが好ましく、93%以上、95%以上、96%以上、98%以上、99%以上、99.5%以上、99.9%以上の順に好ましい。
発明の課題を解決する上から、Bi、Ga、Al、BaO、SrO、CaO、MgO、Lu、P、GeOの合計含有量を8%以下にすることが好ましく、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%以下の順により好ましい。
ガラス熔融時の揮発などの問題からFの含有量は0.1%以下であることが好ましく、Fを含まないことがより好ましい。
環境への負荷を抑制する上から、Pb、Cd、Te、Tl、U、Th、Se、Asを実質的に含まないことが好ましい。
またガラスの着色を防ぐ上から、Fe、Cr、V、Co、Ni、Nd、Er、Eu、Cu、Tb、Hoを実質的に含まないことが好ましい。
[ガラスの特性]
本実施態様の光学ガラスは、屈折率ndとガラス転移温度Tg[℃]が式(1)を満たすことが好ましい。
Tg<1700×nd-2555 ・・・ (1)
式(1)を満たすことにより、高屈折率特性とプレス成形性を両立することができる。
本実施態様の光学ガラスは、屈折率ndが1.80以上であることが好ましく、ガラス転移温度Tgが600℃以下であることが好ましい。
屈折率ndの下限は、1.805、1.810、1.815、1.820、1.825、1.830、1.835、1.840、1.845の順により好ましい。
屈折率のより好ましい上限は、1.880以下、1.875以下、1.870以下、1.865以下、1.860以下の順により好ましい。
アッベ数νdのより好ましい下限:39.0以上、39.1以上、39.2以上、39.3以上、39.4以上、39.5以上の順により好ましい。
アッベ数νdのより好ましい上限:41.0以下、40.9以下、40.8以下、40.7以下、40.6以下の順により好ましい。
ガラスの屈折率を高めるということは、ガラスを光学素子の材料として考えた場合、ガラスのもつ自由度を広げることに相当する。屈折率を高めることは、前記自由度を広げるという観点から好ましいが、分散を維持しつつ屈折率を高めると、ガラス安定性が低下するという傾向が発生するため上記の範囲が好ましい。
ガラス転移温度Tgの下限は、530℃以上、535℃以上、540℃以上、545℃以上、550℃以上の順により好ましい。
ガラス転移温度Tgの上限は、600℃以下、595℃以下、590℃以下、585℃以下の順により好ましい。
プレス成形型の消耗や離型膜の損傷を防止する上から、ガラス転移温度(Tg)が低いことが好ましいが、Tgを過剰に下げようとすると屈折率が低下し、ガラスの熱的安定性も低下する。
ガラス安定性に関して、結晶化温度Txとガラス転移温度Tgとの差(Tx-Tg)は、一度固化したガラスを再加熱するときの耐失透性の指標とすることができる。結晶化温度Txとガラス転移温度Tgの差(Tx-Tg)が大きいガラスほど、上記の耐失透性に優れると考えることができる。
ガラス転移温度Tg、結晶化ピーク温度Txは次のようにして求めることができる。示差走査熱量分析において、ガラス試料を昇温すると比熱の変化に伴う吸熱挙動、すなわち、吸熱ピークが現れ、さらに昇温すると発熱ピークが現れる。示差走査熱量分析では横軸を温度、縦軸を試料の発熱吸熱に対応する量とする示差走査熱量曲線(DSC曲線)が得られる。この曲線でベースラインから吸熱ピークが現れる際に傾きが最大になる点における接線と前記ベースラインの交点をガラス転移温度Tgとし、発熱ピークが現れる際に傾きが最大になる点における接線と前記ベースラインの交点を結晶化ピーク温度Txとする。ガラス転移温度Tg、結晶化ピーク温度Txの測定は、ガラスを乳鉢で十分粉砕したものを試料とし、例えば、株式会社ブルカー製の高温型示差走査熱量計「DSC3300SA」を使用して測定することができる。ガラス素材を加熱、軟化して所要の形状に成形するリヒートプレス成形法では、ガラス素材をガラス転移温度より高温に加熱する必要がある。成形時のガラスの温度が、結晶化温度域に達すると結晶が析出するので、(Tx-Tg)が小さいガラスは、失透を防止しつつ成形を行う上で不利である。反対に(Tx-Tg)が大きいガラスは、失透せずに再加熱、軟化して成形を行う上で有利である。
上記の観点からTx-Tgの下限は、130.0℃以上、135.0℃以上、140.0℃以上、145.0℃以上、150.0℃以上、155.0℃以上の順により好ましい。
Tx-Tgは、例えば、300.0℃以下、280.0℃以下、260.0℃以下、240.0℃以下または220.0℃以下であることができるが、ここに例示した値を上回ることもできる。
ガラスを熔融する時やガラス融液を成形する時の耐失透性(高温での熱的安定性)を維持する観点から、液相温度の上限は、1210℃、1200℃、1190℃、1180℃の順に好ましい。
また、高屈折率、低ガラス転移温度を維持する観点から、液相温度の下限は、1080℃、1090℃、1100℃、1110℃の順に好ましい。
本発明の光学ガラスは、特に限定されないが、下記の物性を満たしていることが好ましい。
着色度λ80の下限は、組成から自ずから決まる。
着色度λ80の上限は、490nm以下、485nm以下、480nm以下、475nm以下の順に好ましい。
着色度λ70の下限は、組成から自ずから決まる。
着色度λ70の上限は、400nm以下、395nm以下、390nm以下、385nm以下の順に好ましい。
着色度λ5の下限は、組成から自ずから決まる。
着色度λ5の上限は、360nm以下、355nm以下、350nm以下、345nm以下の順に好ましい。
部分分散比Pg,Fの下限は、0.525以上、0.535以上、0.545以上、0.555以上の順に好ましい。
部分分散比Pg,Fの上限は、0.610以下、0.600以下、0.590以下、0.580以下の順に好ましい。
[光学ガラスの製造]
本発明の実施形態に係る光学ガラスは、上記所定の組成となるようにガラス原料を調合し、調合したガラス原料により公知のガラス製造方法に従って作製すればよい。例えば、複数種の化合物を調合し、十分混合してバッチ原料とし、バッチ原料を石英坩堝や白金坩堝などの坩堝中に入れて粗熔解(ラフメルト)する。粗熔解によって得られた熔融物を急冷、粉砕してカレットを作製する。さらにカレットを白金坩堝中に入れて加熱、再熔融(リメルト)して熔融ガラスとし、さらに清澄、均質化した後に熔融ガラスを成形し、徐冷して光学ガラスを得る。熔融ガラスの成形、徐冷には、公知の方法を適用すればよい。
なお、ガラス中に所望のガラス成分を所望の含有量となるように導入することができれば、バッチ原料を調合するときに使用する化合物は特に限定されないが、このような化合物として、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物等が挙げられる。
[光学素子等の製造]
本発明の実施形態に係る光学ガラスを使用して光学素子を作製するには、公知の方法を適用すればよい。例えば、ガラス原料を熔融して熔融ガラスとし、この熔融ガラスを鋳型に流し込んで板状に成形、アニールし、本発明に係る光学ガラスからなるガラス素材を作製する。得られたガラス素材を適宜、切断、研削、研磨し、プレス成形に適した大きさのプレス成形予備体(プリフォーム)を作製する。プリフォームを加熱、軟化して、公知の方法で精密プレス成形し、必要に応じて心取り加工をするなどして非球面レンズなどの光学素子を作製する。
作製した光学素子の光学機能面には使用目的に応じて、反射防止膜、全反射膜などをコーティングしてもよい。
光学素子としては、非球面レンズなどの各種レンズ、プリズム、回折格子などが例示できる。
[ガラスサンプルの作製]
(実施例1)
質量%で表示する表1~3(表4~6は、モル%表示)に示す各組成を有するガラスとなるように、各成分に対応する化合物原料、すなわち、ホウ酸、炭酸塩、酸化物等の原料を秤量し、十分混合して調合原料とした。該調合原料を白金製坩堝に投入し、大気雰囲気下で1300~1400℃で2時間加熱して熔融し、攪拌により均質化、清澄して熔融ガラスを得た。該熔融ガラスを成形型に鋳込んで成形し、徐冷して、ブロック形状のガラスサンプルを得た。
なお、調合原料を粗熔解してカレットを作り、カレットを再熔融し、攪拌により均質化、清澄して得た熔融ガラスを成形型に鋳込んで成形、徐冷してもよい。
[ガラスサンプルの評価]
〔1〕ガラス組成
得られたガラスサンプルについて、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)で各ガラス成分の含有量を測定した。なお、表1~3(表4~6は、モル%表示)に示す全てのガラスサンプルにおいて、Fの含有量は0%であった。
〔2〕屈折率nd、アッベ数νdおよび部分分散比Pg,F
徐冷速度-30℃/時でアニールしたガラスサンプルを日本光学硝子工業会規格JOGIS-01に基づいて所定波長における屈折率を測定した。屈折率の測定結果からアッベ数νdおよび部分分散比Pg,Fを算出した。
〔3〕比重
日本光学硝子工業会規格JOGIS-05に基づいて測定した。
〔4〕λ80、λ70、λ5
ガラスサンプルを、厚さ10mmで、互いに平行かつ光学研磨された平面を有するように加工し、波長280nmから700nmまでの波長域における分光透過率を測定した。光学研磨された一方の平面に垂直に入射する光線の強度を強度Aとし、他方の平面から出射する光線の強度を強度Bとして、分光透過率B/Aを算出した。分光透過率が80%、70%、5%になる波長をそれぞれλ80、λ70、λ5とした。なお、分光透過率には試料表面における光線の反射損失も含まれる。
〔5〕ガラス転移温度Tg、結晶化ピーク温度Tx
ガラスを乳鉢で十分粉砕したものを試料とし、例えば、株式会社ブルカー製の高温型示差走査熱量計「DSC3300SA」を使用して測定した。
各ガラスサンプルの表面および内部には結晶は認められなかった。
〔6〕液相温度
ガラス試料5~8ccを1300℃に加熱された炉内に入れて20分保持し、十分熔融した後に所定の温度に加熱された炉に移し2時間保持後、室温で冷却を行った。冷却後ガラス内部を光学顕微鏡で観察し、結晶の有無から液相温度を決定した。
なお、測定された上記ガラス物性は、表7~9に記載する。
Figure 2022063221000001

Figure 2022063221000002

Figure 2022063221000003

Figure 2022063221000004

Figure 2022063221000005

Figure 2022063221000006

Figure 2022063221000007

Figure 2022063221000008

Figure 2022063221000009

(実施例2)
実施例1で得られた各ガラスサンプルを、切断、研削してプリフォームを作製した。プリフォームを加熱、精密プレス成形し、精密アニールして非球面レンズを作製した。
作製した非球面レンズの内部および表面には結晶や泡などの異物は認められず、内部および表面の品質が優れた光学素子を得ることができた。
なお、精密プレス成形条件、成形型、離型膜などは公知の条件、成形型、離型膜を適用することができる。

Claims (4)

  1. 必須成分として、B、La、Gd、Ta、LiOおよびZnOを含み、
    質量%表示で、
    SiO 2.5~12%、
    LiO 0.70%以上、
    ZnO 6%以上、
    La 25%以上、
    Gd 17.5%以下、
    Ta 6%以上、
    含み、
    LiOおよびZnOの合計含有量が10%以上、
    NbおよびWOの合計含有量が1.0%以上、
    質量比(La+Gd)/Bが2.2以上、
    質量比(LiO/SiO)が0.200以上、
    である光学ガラス。
  2. 屈折率ndとガラス転移温度Tg[℃]が式(1)を満たす請求項1に記載の光学ガラス。
    Tg<1700×nd-2555 ・・・ (1)
  3. 屈折率ndが1.80以上、ガラス転移温度Tgが600℃以下である請求項1に記載の光学ガラス。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学ガラスからなる光学素子。
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