JP2022062303A - X線検査装置、x線検査プログラム、x線検査方法、物品検査システム - Google Patents

X線検査装置、x線検査プログラム、x線検査方法、物品検査システム Download PDF

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Abstract

【課題】機械学習を用いる方法では、大量の学習データを入手することが困難である、という課題がある。【解決手段】X線検査装置100は、X線照射部と、X線検出部と、画像生成部と、被検出物検出部とを備える。被検出物検出部は、X線画像と、被検出物を検出する学習モデルLMと、を用いて被検出物の検出を行う。学習モデルLMは、第1ステップと、第2ステップとを有する学習モデル生成方法によって生成されたものである。第1ステップは、被検出物を含まない基本物品画像Ybaseと、疑似被検出物画像から構成される複数の単位画像UIと、を合成して学習用画像Yinput及び教師信号Toutput_ohを生成する。第2ステップは、基本物品画像Ybase、単位画像UI、又は単位画像UIの配置を変更しながら、第1ステップを複数回繰り返し、学習モデルLMを生成する。【選択図】図7

Description

X線検査装置、X線検査プログラム、X線検査方法、物品検査システムに関する。
非特許文献1(「X線を用いた食品中の異物混入検査」 大平倫宏、周洪鈞、坂巻佳壽美、上村久仁男、清水英明、斉木秀夫著 東京都立産業技術研究センター研究報告第3号、2008年)に示されているように、X線を用いて、物品に含まれる異物などの被検出物を検出する技術がある。
非特許文献1では、微分フィルタを用いて、被検出物が混入した物品のX線画像内のエッジを強調し、閾値によって2値化処理を行うことにより、物品に含まれる被検出物を検出する。しかし、微分フィルタを用いる方法では、被検出物の他に、ノイズや、物品の外形も抽出してしまうため、これらの区別が難しい。
そのため、微分フィルタを用いる方法ではなく、機械学習を用いる方法が考えられる。しかし、機械学習を用いる方法では、学習データとなる、被検出物が混入した物品のX線画像、の絶対数が少なく、大量の学習データを入手することが困難である、という課題がある。
第1観点のX線検査装置は、検査対象の物品に内包される被検出物の検出を行う。X線検査装置は、X線照射部と、X線検出部と、画像生成部と、被検出物検出部とを備える。X線照射部は、物品にX線を照射する。X線検出部は、物品を透過したX線を検出する。画像生成部は、X線検出部の検出結果から、物品のX線画像を生成する。被検出物検出部は、X線画像と、被検出物を検出する学習モデルと、を用いて被検出物の検出を行う。学習モデルは、第1ステップと、第2ステップとを有する学習モデル生成方法によって生成されたものであることを特徴とする。第1ステップは、被検出物を含まない物品のX線画像である基本物品画像と、疑似的な被検出物の画像である疑似被検出物画像から構成される複数の単位画像と、を合成して学習用画像を生成し、学習用画像中の疑似被検出物画像の位置を示す教師信号を生成する。第2ステップは、基本物品画像、単位画像、又は単位画像の配置を変更しながら、第1ステップを複数回繰り返し、学習用画像と、教師信号と、を関連付けて学習する学習モデルを生成する。
第1観点のX線検査装置では、学習モデルは、第1ステップと、第2ステップとを有する学習モデル生成方法によって生成されたものであることを特徴とする。第1ステップは、被検出物を含まない物品のX線画像である基本物品画像と、疑似的な被検出物の画像である疑似被検出物画像から構成される複数の単位画像と、を合成して学習用画像を生成し、学習用画像中の疑似被検出物画像の位置を示す教師信号を生成する。第2ステップは、基本物品画像、単位画像、又は単位画像の配置を変更しながら、第1ステップを複数回繰り返し、学習用画像と、教師信号と、を関連付けて学習する学習モデルを生成する。その結果、X線検査装置は、被検出物を含まない数枚の物品画像から、疑似的な被検出物が混入した大量の物品画像を、学習データとして入手することができる。
第2観点のX線検査装置は、第1観点のX線検査装置であって、単位画像内の1つ又は複数の疑似被検出物画像は、細長い形状を有する。学習モデルは、疑似被検出物画像の、太さ、角度、及び/又は、輝度値を変更しながら、第1ステップを複数回繰り返し生成されている。
このように構成したことによって、第2観点のX線検査装置は、様々な太さ、角度、及び、輝度値の被検出物を、学習することができる。
第3観点のX線検査装置は、第2観点のX線検査装置であって、単位画像内の1つ又は複数の疑似被検出物画像は、湾曲部をさらに有する。学習モデルは、疑似被検出物画像の湾曲部の曲率を変更しながら第1ステップを複数回繰り返し生成されている。
このように構成したことによって、第3観点のX線検査装置は、様々な曲率の被検出物を、学習することができる。
第4観点のX線検査装置は、第1観点から第3観点のいずれかのX線検査装置であって、学習モデルは、基本物品画像の輝度値を変更しながら、第1ステップを複数回繰り返し生成されている。
このように構成したことによって、第4観点のX線検査装置は、物品の様々な厚みを、学習することができる。
第5観点のX線検査装置は、第1観点から第4観点のいずれかのX線検査装置であって、学習モデルは、学習用画像、及び、教師信号を分割しながら、第1ステップを複数回繰り返し生成されている。
このように構成したことによって、第5観点のX線検査装置は、学習データを、さらに増加させることができる。
第6観点のX線検査装置は、第1観点から第5観点のいずれかのX線検査装置であって、物品は、魚、肉、野菜又は果物である。被検出物は、骨、骨片又は種である。
このように構成したことによって、第6観点のX線検査装置は、特に、魚、肉、野菜又は果物から、骨、骨片又は種を、検出することができる。
第7観点のX線検査プログラムは、検査対象の物品に内包される被検出物の検出をコンピュータによって実現する。X線検査プログラムは、X線照射ステップと、X線検出ステップと、画像生成ステップと、被検出物検出ステップとを実行させる。X線照射ステップは、物品にX線を照射する。X線検出ステップは、物品を透過したX線を検出する。画像生成ステップは、X線検出ステップの検出結果から、物品のX線画像を生成する。被検出物検出ステップは、X線画像と、被検出物を検出する学習モデルとを用いて被検出物の検出を行う。学習モデルは、第1ステップと、第2ステップとを有する学習モデル生成方法によって生成されたものであることを特徴とする。第1ステップは、被検出物を含まない物品のX線画像である基本物品画像と、疑似的な被検出物の画像である疑似被検出物画像から構成される複数の単位画像と、を合成して学習用画像を生成し、学習用画像の中の疑似被検出物画像の位置を示す教師信号を生成する。第2ステップは、基本物品画像、単位画像、又は単位画像の配置を変更しながら、第1ステップを複数回繰り返し、学習用画像と、教師信号と、を関連付けて学習する学習モデルを生成する。
第8観点のX線検査方法は、検査対象の物品に内包される被検出物の検出を行う。X線検査方法は、X線照射ステップと、X線検出ステップと、画像生成ステップと、被検出物検出ステップとを備える。X線照射ステップは、物品にX線を照射する。X線検出ステップは、物品を透過したX線を検出する。画像生成ステップは、X線検出ステップの検出結果から、物品のX線画像を生成する。被検出物検出ステップは、X線画像と、被検出物を検出する学習モデルとを用いて被検出物の検出を行う。学習モデルは、第1ステップと、第2ステップとを有する学習モデル生成方法によって生成されたものであることを特徴とする。第1ステップは、被検出物を含まない物品のX線画像である基本物品画像と、疑似的な被検出物の画像である疑似被検出物画像から構成される複数の単位画像と、を合成して学習用画像を生成し、学習用画像の中の疑似被検出物画像の位置を示す教師信号を生成する。第2ステップは、基本物品画像、単位画像、又は単位画像の配置を変更しながら、第1ステップを複数回繰り返し、学習用画像と、教師信号と、を関連付けて学習する学習モデルを生成する。
第9観点の物品検査システムは、検査対象の物品に内包される被検出物、の検出を行う。物品検査システムは、X線照射部と、X線検出部と、画像生成部と、被検出物検出部とを備える。X線照射部は、物品にX線を照射する。X線検出部は、物品を透過したX線を検出する。画像生成部は、X線検出部の検出結果から、物品のX線画像を生成する。被検出物検出部は、X線画像と、被検出物を検出する学習モデルとを用いて被検出物の検出を行う。学習モデルは、合成部と、学習部とを有する学習モデル生成装置によって生成されたものであることを特徴とする。合成部は、被検出物を含まない物品のX線画像である基本物品画像と、疑似的な被検出物の画像である疑似被検出物画像から構成される複数の単位画像と、を合成して学習用画像を生成し、学習用画像の中の疑似被検出物画像の位置を示す教師信号を生成する。学習部は、基本物品画像、単位画像、又は単位画像の配置を変更しながら、合成部による合成及び生成を複数回繰り返し、学習用画像と、教師信号と、を関連付けて学習する学習モデルを生成する。
X線検査装置は、被検出物を含まない数枚の物品画像から、疑似的な被検出物が混入した大量の物品画像を、学習データとして入手することができる。
X線検査装置を含む物品検査システムの概略図である。 X線検査装置の概略正面図である。 X線検査装置の概略の制御ブロック図である。 X線検査装置のシールドボックスの内部の簡易的な構成図である。 X線検査装置におけるX線ラインセンサのX線検出素子によって検出される透過X線量の例を示すグラフである。 学習モデル生成装置の概略の制御ブロック図である。 X線検査装置及び学習モデル生成装置の機能ブロック図である。 学習モデル生成方法のフローチャートである。 基本物品画像の例を示す図である。 魚身領域画像の例を示す図である。 疑似魚骨画像から構成される単位画像の例を示す図である。 同心円を利用して、疑似魚骨画像を生成する方法を説明するための図である。 全体疑似魚骨画像の例を示す図である。 単位画像の配置パターンの例を示す図である。 魚身疑似魚骨画像の例を示す図である。 学習用画像の例を示す図である。 U-Netを基としたCNN構造を示す図である。 U-Netを基としたCNN構造を示す図である。 U-Netを基としたCNN構造を示す図である。
(1)全体構成
X線検査装置100は、物品検査システム1に組み込まれ、検査対象の物品Pに内包される被検出物(以下、異物と記載することがある。)の検出を行う。物品Pは、魚、肉、野菜又は果物等であるが、本実施形態では、物品Pは、魚とする。X線検査装置100は、搬送されてくる物品Pに対してX線を照射して得られるX線画像に基づき、物品Pの品質検査を行う。品質検査の種類は、限定されるものではないが、本実施形態では、X線検査装置100は、物品Pの異物検査を行う。異物検査とは、物品Pへの異物の混入の有無を検査する検査である。異物は、骨、骨片又は種等であるが、本実施形態では、異物は、細長い形状に湾曲部CPを有する魚骨とする。
図1は、X線検査装置100を含む物品検査システム1の概略図である。図1に示すように、物品検査システム1は、第1コンベア2、X線検査装置100、振分装置4、及び第2コンベア6を有する。物品検査システム1では、第1コンベア2が、物品PをX線検査装置100まで搬送する。X線検査装置100では、物品Pの異物検査が行われる。X線検査装置100の異物検査の結果は、X線検査装置100の下流側に配置される振分装置4へと送信される。振分装置4は、X線検査装置100が異物を含まないと判断した物品Pを第2コンベア6へと送る。また、振分装置4は、X線検査装置100が異物を含むと判断した物品Pを不良品貯留コンベア8a,8bへと送る。
図2は、X線検査装置100の概略正面図である。図3は、X線検査装置100の概略の制御ブロック図である。図4は、X線検査装置100のシールドボックス10の内部の簡易的な構成図である。X線検査装置100は、図2~図4に示すように、主として、シールドボックス10、X線照射器20、X線ラインセンサ30、搬送機構40、遮蔽カーテン48、モニタ50及びコントローラ60を有する。
(2)詳細構成
以下では、説明の便宜上、方向や配置を説明するために「上」、「下」、「左」、「右」、「前(正面)」、「後(背面)」等の表現を用いる場合がある。これらの表現は、特に断りの無い場合、図中に矢印で示した方向に従う。本実施形態では、物品Pの搬送方向は左右方向であり、X線ラインセンサ30の長手方向は前後方向である。
(2-1)シールドボックス
シールドボックス10は、X線照射器20、X線ラインセンサ30、コントローラ60等の機器を収容する筐体である。また、シールドボックス10は、検査空間Sを覆う。検査空間Sは、X線照射器20が照射するX線が、搬送機構40により搬送される物品Pに照射される空間である。シールドボックス10は、図2に示すよう、シールドボックス10の下方に配置される脚部フレーム15により支持される。
シールドボックス10は、図2に示すように、左右の側面に開口12を有している。開口12は、検査対象の物品Pを搬出入するための開口である。物品Pは、搬送機構40により、搬入口側の開口12からシールドボックス10の内部の検査空間Sに搬入され、搬出口側の開口12からシールドボックス10の外部に搬出される。本実施形態では、第1コンベア2で排出されてきた物品Pは、左側の開口12からシールドボックス10の内部に搬入され、右側の開口12からシールドボックス10の外部に搬出され振分装置4に受け渡される。
図2に示すように、物品Pの搬出入口となる開口12には、シールドボックス10の外部へのX線漏洩を抑制するため、遮蔽カーテン48が設けられている。シールドボックス10の内部への物品Pの搬入時、及び、シールドボックス10からの物品Pの搬出時には、遮蔽カーテン48は、遮蔽カーテン48に接触する物品Pにより押しのけられる。
図2に示すように、シールドボックス10の正面下部には、開閉可能な正面パネル14が設けられている。メンテナンス作業者は、正面パネル14の上方側を前方に倒すように回転させ、正面パネル14を開くことで、検査空間Sに配置される遮蔽カーテン48や搬送機構40のメンテナンスを行うことができる。
シールドボックス10の正面上部には、図2に示すように、モニタ50が配置されている。また、シールドボックス10の正面上部には、電源スイッチ等のスイッチ(図示せず)が配置されている。
(2-2)X線照射器
X線照射器20は、X線を照射するX線源である。
X線照射器20は、図2に示すように、シールドボックス10の内部の左右方向における中央部に配置されている。また、X線照射器20は、搬送機構40が物品Pを搬送する検査空間Sの上方に配置されている。言い換えれば、X線照射器20は、図4に示すように、搬送機構40のコンベアベルト42の上方に配置されている。
図4に示すように、X線照射器20は、コンベアベルト42の下方に配置されているX線ラインセンサ30に向けてX線を照射する。言い換えれば、X線照射器20は、搬送機構40により搬送されてX線ラインセンサ30の上方を通過する物品Pに対して、X線を照射する。X線照射器20は、X線が搬送機構40による物品Pの搬送方向に対して直交する方向(ここでは前後方向)に広がるようにX線を照射する。言い換えれば、X線照射器20は、コンベアベルト42の幅方向に広がるようにX線を照射する。X線照射器20が照射するX線の照射範囲Zは概ね扇状である。
(2-3)X線ラインセンサ
X線ラインセンサ30は、X線を検出するX線検出器である。
X線ラインセンサ30は、図4に示すように、搬送機構40が物品Pを搬送する検査空間Sの下方に配置されている。言い換えれば、X線ラインセンサ30は、搬送機構40のコンベアベルト42の下方に配置されている。
X線ラインセンサ30は、図4に示すように、主として多数のX線検出素子32を有する。X線ラインセンサ30のX線検出素子32は、搬送機構40の物品Pの搬送方向と交差する向きに並ぶように配置されている。特にここでは、X線検出素子32は、搬送機構40の物品Pの搬送方向と直交する前後方向に並ぶように配置されている。
X線ラインセンサ30は、物品Pを透過したX線(透過X線)を検出する。具体的には、X線ラインセンサ30の各X線検出素子32は、物品Pを透過したX線量(透過X線量)を検出する。各X線検出素子32は、検出された透過X線量に応じた電圧を示すX線透過信号を出力する。コントローラ60は、X線ラインセンサ30の出力するX線透過信号を受信し、X線透過信号に基づいてX線画像を生成する。
図5は、X線検査装置100におけるX線ラインセンサ30のX線検出素子32によって検出される透過X線量の例を示すグラフである。グラフの横軸は、各X線検出素子32の位置に対応する。また、グラフの横軸は、搬送機構40の搬送方向に直交する水平方向の距離に対応する。グラフの縦軸は、X線検出素子32で検出された透過X線量を示す。X線ラインセンサ30の検出結果に基づきコントローラ60が生成するX線画像では、透過X線量の多いところが明るく(淡く)表示され、透過X線量が少ないところが暗く(濃く)表示される。すなわち、X線画像の明暗(濃淡)は、透過X線の検出量に対応する。
(2-4)搬送機構
搬送機構40は、物品検査システム1の第1コンベア2によってX線検査装置100まで搬送されてきた物品Pを受け取り、検査空間Sを通過するように物品Pを搬送し、X線検査装置100の下流側の第2コンベア6へと受け渡す機構である。搬送機構40の種類を限定するものではないが、本実施形態では、搬送機構40はベルトコンベアである。搬送機構40は、シールドボックス10の左側面及び右側面に形成された2つの開口12を貫通するように配置され、搬送機構40が物品Pを搬送する搬送路は、シールドボックス10を貫通して延びる。
図2~図4に示すように、搬送機構40は、主として、コンベアベルト42と、モータ44と、駆動ローラ46aと、従動ローラ46bとを有する。コンベアベルト42は、無端状で、駆動ローラ46aと従動ローラ46bとに巻き掛けられている。モータ44は、駆動ローラ46aを駆動し回転させる。搬送機構40は、モータ44で駆動ローラ46aを回転させることで、コンベアベルト42を駆動し、コンベアベルト42上の物品Pを搬送する。
(2-5)遮蔽カーテン
遮蔽カーテン48は、検査空間Sの外部へのX線の漏洩を防止するための部材である。遮蔽カーテン48は、例えば、タングステンを含むゴム製である。ただし、遮蔽カーテン48の材質はタングステンを含むゴム製に限定されるものではなく、例えばステンレス製であってもよい。
図2に示すように、遮蔽カーテン48は、物品Pの搬出入口となる開口12に、物品Pの搬送方向に沿って二列に設けられている。ただし、遮蔽カーテン48の列数は例示であって二列に限定されるものではなく、一列又は三列以上であってもよい。遮蔽カーテン48は、X線の漏洩防止の観点からは、物品Pの搬送方向に沿って複数列設けられることが好ましい。
(2-6)モニタ
モニタ50は、情報の表示機能を有するフルドット表示の液晶ディスプレイである。モニタ50は、情報の表示機能に加え、タッチパネル機能も有する。
モニタ50は、コントローラ60が生成したX線画像や、コントローラ60の異物検査の結果を表示する。また、モニタ50は、X線検査装置100の設定や、検査パラメータ等の入力を促す画面を表示する。
(2-7)コントローラ
コントローラ60は、X線検査装置100の各種機器の動作を制御する機器である。コントローラ60は、X線検査装置100の運転中にX線ラインセンサ30が検出した物品Pを透過したX線量に基づいてX線画像を生成する。コントローラ60は、生成したX線画像に基づいて物品Pの品質検査を行う。本実施形態では、コントローラ60は、生成したX線画像に基づいて物品Pの異物検査を行う。
図3に示すように、コントローラ60は、X線照射器20、X線ラインセンサ30、モータ44及びモニタ50と電気的に接続されている。コントローラ60は、各種機器20,30,44及び50の動作を制御する。また、コントローラ60は、X線ラインセンサ30及びモニタ50等から、各種情報を受け取る。また、コントローラ60は、X線検査装置100の下流側に配置され、X線検査装置100により異物を含んでいると判断された物品Pを不良品として振り分ける振分装置4、とも通信可能に接続されている。
コントローラ60は、図3に示すように、制御・演算装置としてのCPU61と、ROM62、RAM63及びHDD(ハードディスクドライブ)64を含む記憶装置65と、を有する。CPU61、ROM62、RAM63、及びHDD64は、アドレスバス,データバス等のバスラインを介して相互に接続されている。
また、コントローラ60は、図示しない表示制御回路、キー入力回路及び通信ポートを有する。表示制御回路は、モニタ50のデータ表示を制御する回路である。キー入力回路は、モニタ50のタッチパネル機能を用いて入力されたキー入力データを取り込む回路である。通信ポートは、インターネットやLAN等のネットワークを介して、X線検査装置100と、他の機器とを通信可能に接続するポートである。
記憶装置65には、CPU61によって実行される各種プログラムや、X線検査装置100の設定や、学習モデルLMや、異物検査の検査結果等が記憶されている。X線検査装置100の設定は、例えば、物品Pの検査速度の設定である。
X線検査装置100は、CPU61が記憶装置65に記憶されているプログラムを実行することで実現される機能として、主として、X線照射部61aと、X線検出部61bと、画像生成部61cと、被検出物検出部61dとを備える。
(2-7-1)X線照射部
X線照射部61aは、物品PにX線を照射する。X線照射部61aは、コントローラ60が、X線照射器20の動作を制御することで実現される。
(2-7-2)X線検出部
X線検出部61bは、物品Pを透過したX線を検出する。X線検出部61bは、コントローラ60が、X線ラインセンサ30の動作を制御することで実現される。
(2-7-3)画像生成部
画像生成部61cは、X線検出部61bの検出結果から、物品PのX線画像を生成する。具体的には、画像生成部61cは、X線検出部61bによって検出された透過X線量に基づいてX線画像を生成する。画像生成部61cは、X線ラインセンサ30の各X線検出素子32から出力される、透過X線の強度に関するデータ(X線透過信号)を細かい時間間隔で取得し、データをマトリクス状に時系列につなぎ合わせて、物品PのX線画像を生成する。
(2-7-4)被検出物検出部
被検出物検出部61dは、画像生成部61cによって生成された物品PのX線画像と、被検出物を検出する学習モデルLMとを用いて、被検出物の検出を行う。学習モデルLMは、後述する学習モデル生成装置200から取得する。
被検出物検出部61dは、被検出物の検出結果を、X線検査装置100の下流側に配置された振分装置4に送信する。異物混入有りと判断された場合、コントローラ60は、モニタ50に不良品表示を行う。
(2-8)学習モデル
本実施形態では、学習モデルLMは、学習モデル生成装置200によって生成される。
学習モデル生成装置200は、コントローラ110を有する。コントローラ110は、学習モデル生成装置200の各種機器の動作を制御する機器である。図6は、学習モデル生成装置200の概略の制御ブロック図である。コントローラ110は、図6に示すように、制御・演算装置としてのCPU111と、ROM112、RAM113及びHDD114を含む記憶装置115と、を有する。CPU111、ROM112、RAM113、及びHDD114は、アドレスバス,データバス等のバスラインを介して相互に接続されている。
また、コントローラ110は、図示しない表示制御回路、キー入力回路及び通信ポートを有する。表示制御回路は、図示しないモニタのデータ表示を制御する回路である。キー入力回路は、キーボード等により入力されたキー入力データを取り込む回路である。通信ポートは、インターネットやLAN等のネットワークを介して、学習モデル生成装置200と、他の機器とを通信可能に接続するポートである。本実施形態では、学習モデル生成装置200と、X線検査装置100とは、ネットワーク介して通信可能に接続されている。しかし、学習モデル生成装置200と、X線検査装置100とは、データの受け渡しが可能であれば、ネットワークを介して接続されていなくてもよい。この場合、学習モデル生成装置200と、X線検査装置100とは、例えば、USBメモリ等の記憶媒体を用いて、データの受け渡しを行う。また、X線検査装置100と、学習モデル生成装置200とは、1つの装置であってもよい。この場合、X線検査装置100は、CPU61が記憶装置65に記憶されているプログラムを実行することで実現される機能として、後述する学習モデル生成装置200が有する機能を備える。
記憶装置105には、CPU101によって実行される各種プログラム等が記憶されている。
学習モデル生成装置200は、CPU111が記憶装置115に記憶されているプログラムを実行することで実現される機能として、主として、合成部111aと、学習部111bとを備える。
学習モデルLMは、合成部111aの処理と、学習部111bの処理とを実行することで生成される。言い換えると、学習モデルLMは、合成部111aの処理である第1ステップS1と、学習部111bの処理である第2ステップS2とを有する学習モデル生成方法によって生成される。
図7は、X線検査装置100及び学習モデル生成装置200の機能ブロック図である。図8は、学習モデル生成方法のフローチャートである。以下、図7及び図8を用いて、学習モデルLMが生成される過程を説明する。
以下に登場する画像は、グレースケール画像であり、2次元配列で表される。2次元配列の各要素は、画像内の各ピクセルに対応する。2次元配列の各要素の値は、画像内の各ピクセルの輝度値に対応する。輝度値は、0から255の値をとり、0が黒色、255が白色であるとする。
(2-8-1)合成部
図7及び図8のステップS1-1に示すように、合成部111aは、X線検査装置100の画像生成部61cが生成した、魚骨(被検出物)を含まない魚(物品P)のX線画像である基本物品画像Ybaseを、X線検査装置100から取得する。図9は、基本物品画像Ybaseの例を示す図である。図9に示すように、基本物品画像Ybaseの魚身領域は、透過X線量が比較的少ないため、輝度値が小さく、黒色に近い色となる。一方、基本物品画像Ybaseの背景領域(コンベア領域)は、透過X線量が比較的多いため、輝度値が大きく、白色に近い色となる。
合成部111aは、基本物品画像Ybaseを取得すると、図7及び図8のステップS1-2に示すように、基本物品画像Ybaseの輝度値を、以下の数式により二値化し、魚身領域と、背景領域とを輝度値によって分割した画像である魚身領域画像Tbodyを生成する。
Figure 2022062303000002
ここで、Ybase(x,y)は、基本物品画像Ybase内のピクセルの位置(x,y)における輝度値である。また、Thbodyは二値化のための輝度値の閾値である。Thbodyは、例えば輝度値ヒストグラム等を用いて決定する。図10は、魚身領域画像Tbodyの例を示す図である。図10に示すように、魚身領域画像Tbodyは、魚身領域の輝度値が1、背景領域の輝度値が0である。なお、魚身領域は、輝度値が1であるため、図10に示すような白色とはならないが、背景領域と区別するため、ここでは白色で描いている。
合成部111aは、魚身領域画像Tbodyを生成すると、図7及び図8のステップS1-3に示すように、以下の数式により、基本物品画像Ybaseの魚身領域の輝度値を変更してもよい。
Figure 2022062303000003
ここで、amountaugは、輝度値の変分を示す。数2に示すように、合成部111aは、基本物品画像Ybaseの魚身領域の輝度値を、一律にamountaugの値だけ増減することができる。以下、基本物品画像Ybaseの魚身領域の輝度値を変更した画像を基本物品画像Ybase_augと記載する。基本物品画像Ybaseの魚身領域の輝度値を変更しない場合であっても、(amountaugの値が0であるとして、)基本物品画像Ybaseの代わりに、基本物品画像Ybase_augを用いる。
合成部111aは、基本物品画像Ybase_augを生成すると、図7及び図8のステップS1-4に示すように、疑似的な魚骨(被検出物)の画像である疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)から構成される単位画像UIを生成する。図11は、疑似魚骨画像PBから構成される単位画像UIの例を示す図である。図11では、単位画像UIは、6本の疑似魚骨画像PBから構成されている。
単位画像UI内の1つ又は複数の疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)は、細長い形状を有する。合成部111aは、疑似魚骨画像PBの太さ、角度、及び/又は、輝度値を調整して、単位画像UIを生成する。また、単位画像UI内の1つ又は複数の疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)は、湾曲部CPを有する。合成部111aは、疑似魚骨画像PBの湾曲部CPの曲率を調整して、単位画像UIを生成する。単位画像UI内に、これらの疑似魚骨画像PBを生成するには、例えば、単位画像UI内の2本の対角線の交点Oを中心とする同心円を利用する。図12は、同心円を利用して、疑似魚骨画像PBを生成する方法を説明するための図である。図12には、単位画像UI内の2本の対角線の交点Oを中心として、2つの同心円C1,C2が描かれている。半径r1の同心円C1が内側の円であり、半径r2の同心円C1が外側の円である。図12に示すように、同心円C1と同心円C2との間の領域を、なす角がθの2つの直線で区切り、区切られた領域の輝度値を適切な疑似魚骨画像PBの輝度値に、それ以外の単位画像UI内の輝度値を0(黒色)にする。次に、区切られた領域の両端TMが尖るように、両端TMの一部の輝度値を0(黒色)に変更すると、疑似魚骨画像PB(図12のハッチングされた領域)が出来上がる。このとき、疑似魚骨画像PBの太さは、同心円C2の半径r2と、同心円C1の半径r1との差であるr2-r1の値の大小で調整することができる。疑似魚骨画像PBの角度は、角度θでどの方位を区切るかで調整することができる。疑似魚骨画像PBの輝度値は、例えば、128以下の値で調整する。疑似魚骨画像PBの湾曲部CPの曲率は、同心円C1,C2の半径r1,r2の大小で調整することができる。
合成部111aは、単位画像UIを生成すると、図7及び図8のステップS1-5に示すように、複数の単位画像UIを生成する。複数の単位画像UIとは、単位画像UIを魚身領域画像Tbody全体に敷き詰めた画像(全体疑似魚骨画像B)である。図13は、全体疑似魚骨画像Bの例を示す図である。全体疑似魚骨画像Bを構成する単位画像UIの配置パターンは、複数考えられる。例えば、図8のステップS1-4で生成した単位画像UIをそのままの向きで魚身領域画像Tbody全体に配置してもよいし、単位画像UIを90度回転した画像を魚身領域画像Tbody全体に配置してもよい。また、すべての単位画像UIを同じ向きに配置するのではなく、ある場所だけ角度の異なる単位画像UIを配置してもよい。図14は、単位画像UIの配置パターンの例を示す図である。図14には、全体疑似魚骨画像Bの一部の領域が示されている。図14内の格子状に区切られた各区画が、単位画像UIである。ここでは、単位画像UI1が、図8のステップS1-4で生成された単位画像UIであるとする。単位画像UI1には、上向きの矢印が記載されている。単位画像UI2には、右向きの矢印が記載されている。これは、単位画像UI2が、単位画像UI1を時計回りに90度回転して配置された画像であることを意味する。同様に、単位画像UI3は、単位画像UI1を時計回りに180度回転して配置された画像である。
合成部111aは、全体疑似魚骨画像Bを生成すると、図7及び図8のステップS1-6に示すように、以下の数式により、全体疑似魚骨画像B内の疑似魚骨画像PBを、魚身領域だけに残した画像(魚身疑似魚骨画像Bon_body)を生成する。
Figure 2022062303000004
ここで、演算∩は、ピクセル毎に輝度値の積をとる演算である。図15は、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyの例を示す図である。図15に示すように、魚身領域画像Tbodyの背景領域の輝度値は0であるため、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyの背景領域の輝度値は0(黒色)となる。一方、魚身領域画像Tbodyの魚身領域の輝度値は1であるため、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyの魚身領域の輝度値は、全体疑似魚骨画像Bと同じ輝度値となる。
合成部111aは、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyを生成すると、図7及び図8のステップS1-7に示すように、以下の数式により、基本物品画像Ybase_augと、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyとを合成し、学習用画像Yinputを生成する。
Figure 2022062303000005
ここで、mix-ratioは、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyを、基本物品画像Ybase_augに合成する際の濃度を表す。図16は、学習用画像Yinputの例を示す図である。図16に示すように、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyの背景領域の輝度値は0であるため、学習用画像Yinputの背景領域の輝度値は、基本物品画像Ybase_augと同じ輝度値となる。また、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyの魚身領域の内、疑似魚骨画像PB以外の領域の輝度値も0であるため、学習用画像Yinputの魚身領域の内、疑似魚骨領域以外の領域の輝度値も、基本物品画像Ybase_augと同じ輝度値となる。一方、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyの疑似魚骨画像PBの輝度値は0ではないため、学習用画像Yinputの疑似魚骨領域の輝度値は、基本物品画像Ybase_augの輝度値から、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyの輝度値にmix-ratioをかけた値、を除いた輝度値となる。mix-ratioの値が大きいほど、基本物品画像Ybase_augの疑似魚骨領域の輝度値は大きく減少するので、学習用画像Yinputの疑似魚骨領域の輝度値は、0(黒色)に近づくことになる。
合成部111aは、学習用画像Yinputを生成すると、図7及び図8のステップS1-8に示すように、以下の数式により、教師信号Toutputを生成する。
Figure 2022062303000006
ここで、演算 ̄は、0より大きな輝度値を0に、0の輝度値を0より大きな値(例えば1)に変換する演算である。数5に示すように、教師信号Toutputは、学習用画像Yinputの中の疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)の位置を表す。具体的には、魚身領域画像Tbodyの背景領域の輝度値は0であるため、教師信号Toutputの背景領域の要素の値は0となる。一方、魚身領域画像Tbodyの魚身領域の輝度値は1である。このとき、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyの魚身領域の内、疑似魚骨画像PB以外の領域の輝度値は0であるため、教師信号Toutputの魚身領域の内、疑似魚骨領域以外の領域の要素の値は1となる。また、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyの疑似魚骨画像PBの輝度値は0より大きいため、教師信号Toutput内の疑似魚骨領域の要素の値は2となる。言い換えると、教師信号Toutputの要素が2である場合、これに相当するピクセルは、疑似魚骨領域である。教師信号Toutputの要素が1である場合、これに相当するピクセルは、魚身領域の内、疑似魚骨領域以外の領域である。教師信号Toutputの要素が0である場合、これに相当するピクセルは、背景領域である。そのため、Toutputの要素の値である「0」,「1」及び「2」は、クラスラベルを表す。以下、「0」を背景クラス(背景領域)、「1」を魚身クラス(魚身領域の内、疑似魚骨領域以外の領域)、「2」を魚骨クラス(疑似魚骨領域)と記載する。例えば、教師信号Toutputの要素が2である場合、これに相当するピクセルは、魚骨クラスに属している。
合成部111aは、教師信号Toutputを生成すると、図7及び図8のステップS1-9に示すように、教師信号Toutputをワンホット表現に変換した教師信号Toutput_ohを生成する。ここで、ワンホット表現とは、3つのクラスに対応する3つのチャネルを設け、教師信号Toutputの要素の値が、あるクラスラベルであった場合に、そのクラスのチャネルの対応する要素の値を1に、そのクラス以外のチャネルの対応する要素の値を0にする表現である。例えば、教師信号Toutputの要素(x、y)の値が2であった場合、魚骨クラスのチャネルの要素(x、y)の値を1とし、背景クラス及び魚身クラスのチャネルの要素(x、y)の値を0とする。そのため、教師信号Toutputは2次元配列で表されるのに対し、教師信号Toutput_ohは3つチャネルの次元をさらに有する3次元配列で表される。
合成部111aは、教師信号Toutput_ohを生成すると、図7及び図8のステップS1-10に示すように、学習用画像Yinput、及び、教師信号Toutput_ohを、より小さな画像に分割してもよい。例えば、学習用画像Yinput、及び、教師信号Toutput_ohが300×300ピクセルであった場合、これを100×100ピクセルの9枚の画像に切り分けてもよい。以下、分割後の画像を、それぞれ学習用画像Yinput_div、及び、教師信号Toutput_oh_divと記載する。学習用画像Yinput、及び、教師信号Toutput_ohを、より小さな画像に分割しない場合であっても、(1分割を行ったとして、)学習用画像Yinput、及び、教師信号Toutput_ohの代わりに、学習用画像Yinput_div、及び、教師信号Toutput_oh_divを用いる。
学習用画像Yinput_fin、及び、教師信号Toutput_oh_finは、後述する学習モデルLMを生成するための学習データLDである。学習用画像Yinput_finは、グレースケール画像であり、2次元配列で表される。教師信号Toutput_oh_finは、3つチャネルの次元をさらに有する3次元配列で表される。
(2-8-1-1)合成部の自由度
合成部111aは、学習データLDを増大させるための自由度を有する。
図8のステップS1-1には、取得する基本物品画像Ybaseを変更する自由度がある。
図8のステップS1-3には、基本物品画像Ybaseの魚身領域の輝度値を変更する際に、amountaugの値を変更する自由度がある。
図8のステップS1-4には、疑似魚骨画像PBの太さ、角度、及び/又は、輝度値を変更し、又は、疑似魚骨画像PBの湾曲部CPの曲率を変更して、単位画像UIを生成する自由度がある。
図8のステップS1-5には、単位画像UIの配置パターンを変更して、全体疑似魚骨画像Bを生成する自由度がある。
図8のステップS1-7には、基本物品画像Ybase_augと、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyとを合成する際に、mix-ratioの値を変更する自由度がある。
図8のステップS1-10には、学習用画像Yinput、及び、教師信号Toutput_ohを分割する自由度がある。
(2-8-2)学習部
図7及び図8のステップS2-1に示すように、学習部111bは、学習データLDが所定件数以上になるまで、基本物品画像Ybase、単位画像UI、又は単位画像UIの配置を変更しながら、合成部111aによる合成及び生成(第1ステップS1)を複数回繰り返し、学習データLDを蓄積する。
基本物品画像Ybaseの変更は、ステップS1-1における取得する基本物品画像Ybaseの変更、及び、ステップS1-3における基本物品画像Ybaseの魚身領域の輝度値の変更である。
単位画像UIの変更は、ステップS1-4における疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)の太さ、角度、及び/又は、輝度値の変更、及び、同じくステップS1-4における疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)の湾曲部CPの曲率の変更である。
単位画像UIの配置の変更は、ステップS1-5における単位画像UIの配置パターンの変更である。
また、学習部111bは、学習データLDが所定件数以上になるまで、ステップS1-10における学習用画像Yinput、及び、教師信号Toutput_ohの分割を行いながら、合成部111aによる合成及び生成(第1ステップS1)を複数回繰り返し、学習データLDを蓄積する。
なお、学習部111bは、学習データLDが所定件数以上になるまで、ステップS1-7における基本物品画像Ybase_augと、魚身疑似魚骨画像Bon_bodyとを合成する際のmix-ratioの値を変更しながら、合成部111aによる合成及び生成(第1ステップS1)を複数回繰り返し、学習データLDを蓄積することもできる。
学習部111bは、学習データLDが所定件数以上になると、図7及び図8のステップS2-2に示すように、学習用画像Yinput_divと、教師信号Toutput_oh_divと、を関連付けて学習する学習モデルLMを生成する。
(2-8-2-1)学習モデルの詳細
本実施形態では、学習モデルLMは、U-Netを基としたCNN構造を用いる。しかし、学習モデルLMはこれに限定されず任意である。
図17a~図17cは、U-Netを基としたCNN構造を示す図である。図17a~図17cは、3つの図面に分割されているが、上下方向につながる1つのCNN構造を示している。図17a~図17cにおいて、f=(x,y)は、フィルタサイズがx(幅)×y(高さ)であること、nは特徴マップ数、ドロップアウトの比率はドロップアウトの消失比率、W(幅)×H(高さ)は入出力画像及び特徴マップの画像サイズを表す。U-Netは、高速かつ正確なセグメンテーションに向けたCNN構造である。通常のCNNによって行われるクラス分類では、畳み込み層が物体の局所的な特徴を抽出する役割を担い、プーリング層が物体の全体的な位置ずれに対するロバスト性を生み出す役割を担っている。そのため、層が深くなるに従い、抽出される特徴量は集積され、その特徴の全体的な位置情報はより曖昧になる。しかし、セグメンテーションにおいては、物体の局所的特長と全体的位置情報の両方を得ることが重要である。そこで、U-Netでは、Encoderで抽出された特徴マップと、Decoderで得られた特徴マップとを連結(図17a~図17cの左から右への矢印)することで、局所的特徴を保持したまま全体的位置情報の復元を実現している。また、CNNには、活性化関数ReLUの前段にバッチ正規化を導入する。さらに、疑似魚骨と本物の魚骨の乖離を考慮し、汎化性能を確保する目的で、ドロップアウトを導入する。出力層の活性化関数は、ソフトマックス関数とし、ピクセル毎に魚骨クラス、魚身クラス及び背景クラスの確率とみなせる値を出力する。
損失関数は、以下に示すように、iチャネル毎の重みαを付けた交差エントロピーを用いる。
Figure 2022062303000007
ここで、Nは出力ユニットの総数(本実施形態では、N=W×H。)、Dはチャネル数(本実施形態では、D=3。)、tniはn番目のピクセルのiチャネルの教師信号Toutput_oh_divの値、yniはn番目のピクセルのiチャネルの出力層の出力値である。重みαについては、各クラスのデータ量に反比例するように設定する。学習用画像Yinput_div内において、検査対象である魚骨は非常に細いため、魚骨クラスのピクセル数と、他のクラスのピクセル数との間で、極端なデータ量の偏りが生じている。データ量に偏りがある場合、交差エントロピーでは、その値が多数クラスのデータに引きずられる。これにより、CNNは、多数クラスに対して分類精度が高く、少数クラスに対して分類精度が低いモデルとなる。そこで、各クラスのデータ量の不均衡を補正するように、交差エントロピーに重み付けを行う。これにより、クラス毎の量が不均一なデータに対しても、CNNの学習を適切に行うことができる。
なお、推論時においては、X線検査装置100の被検出物検出部61dは、画像生成部61cによって生成された物品PのX線画像を、学習モデルLMに入力し、ピクセル毎に3クラス分の確率が格納された3次元配列を出力する。本実施形態では、X線検査装置100の被検出物検出部61dは、魚骨クラスの確率が最大である出力領域をHigh信号、その他の出力領域をLow信号として、魚骨領域を示す二値画像を生成し、魚骨(被検出物)の検出を行う。
(2-8-3)評価実験
ここでは、非特許文献1に示される微分フィルタを用いた手法(以下、従来手法と記載する。)と、本実施形態の学習モデル生成方法による手法(以下、今回手法と記載する。)と、を用いて、魚のX線画像から魚骨領域を検出し、これらの性能を評価する。
(2-8-3-1)実験環境
評価実験の実行環境は、以下に示す通りである。
OS:Ubuntu16.04LTS
CPU:IntelCorei7‐8700 3.20GHz
メモリ:16.00GB
GPU:NVIDIA GeForceGTX1080 8GB
統合開発環境:MATLAB(登録商標)
CNNの学習と推論の畳み込み演算は、Deep LearningのライブラリであるCaffeを用いた。
(2-8-3-2)前提条件
ここでは、図8のステップS1-1において、基本物品画像Ybaseを10枚取得した。この基本物品画像Ybaseの画像サイズは、800×1600ピクセルである。また、ステップS1-3において、基本物品画像Ybaseの魚身領域の輝度値を変更する際のamountaugの値として、0,±5,±10の5種類の値を用いた。また、ステップS1-10において、800×1600ピクセルの学習用画像Yinputを、128×128ピクセルの画像に分割した。
10枚の基本物品画像Ybaseを用いると、学習データLDは10枚となる。さらに、1枚の基本物品画像Ybaseに対して、5種類のamountaugの値を用いると、学習データLDは50(=10×5)枚となる。さらに、1枚の800×1600ピクセルの学習用画像Yinputを、128×128ピクセルの画像に分割すると、1枚が1034枚になるので、学習データLDは、約5万(=50×1034)枚となる。上記は一例であるが、このようにして、今回手法では、大量の学習データLDを入手することができる。
評価用画像は、本物の魚骨が混入しているX線画像10枚とした。学習モデルLMの学習回数は、500万回とした。最適化アルゴリズムには、Adamを用いた。学習率lrは、指数関数的減衰を用い、初期値lrbaseを10-4とし、学習回数iterに対し、
Figure 2022062303000008
となるように設定を行った。損失関数の重みαは、背景クラスの重みであるαを0.0412、魚身クラスの重みであるαを0.1034、魚骨クラスの重みであるαを1とした。
評価指標は、客観指標として出力の正確性を示す適合率、網羅性を示す再現率、これらの調和平均であるF値、及び、出力領域と正解領域の一致具合を評価するIoU(Intersection over Union)を用いた。それぞれの値は、出力画像をY_output、正解画像をY_truthとすると、以下の数式で表される。
Figure 2022062303000009
Figure 2022062303000010
Figure 2022062303000011
Figure 2022062303000012
ここで|Y|は、画像Y内の、輝度値が0より大きいピクセルの数を表す。適合率、再現率、F値及びIoUは、従来手法及び今回手法の出力において、魚骨領域をHigh信号、その他の領域をLow信号とした二値画像に対し、計測を行う。ただし、魚骨の境界部分は曖昧であるため、どちらの手法においても、演算∩の際は、正解領域Y_truthと、その周囲2ピクセルを、正解領域と許容して算出する。
(2-8-3-3)実験結果
以下の表1に、適合率、再現率、F値及びIoUの算出結果を示す。
Figure 2022062303000013
表1に示すように、今回手法が、すべての評価指標において、高い値を示した。これは、魚骨領域をより正確に抽出でき、また背景領域内のノイズの誤検出を低減できたためであると考えられる。
(4)特徴
(4-1)
X線を用いて、物品に含まれる異物などの被検出物を検出する技術がある。
従来は、微分フィルタを用いて、被検出物が混入した物品のX線画像内のエッジを強調し、閾値によって2値化処理を行うことにより、物品に含まれる被検出物を検出する。しかし、微分フィルタを用いる方法では、被検出物の他に、ノイズや、物品の外形も抽出してしまうため、これらの区別が難しい。そのため、微分フィルタを用いる方法ではなく、機械学習を用いる方法が考えられる。しかし、機械学習を用いる方法では、学習データとなる、被検出物が混入した物品のX線画像、の絶対数が少なく、大量の学習データを入手することが困難である、という課題があった。
本実施形態のX線検査装置100では、学習モデルLMは、第1ステップS1と、第2ステップS2とを有する学習モデル生成方法によって生成されたものであることを特徴とする。第1ステップS1は、魚骨(被検出物)を含まない物品PのX線画像である基本物品画像Ybaseと、疑似的な魚骨(被検出物)の画像である疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)から構成される複数の単位画像UIと、を合成して学習用画像Yinputを生成し、学習用画像Yinput中の疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)の位置を示す教師信号Toutput_ohを生成する。第2ステップS2は、基本物品画像Ybase、単位画像UI、又は単位画像UIの配置を変更しながら、第1ステップS1を複数回繰り返し、学習用画像Yinputと、教師信号Toutput_ohと、を関連付けて学習する学習モデルLMを生成する。その結果、X線検査装置100は、魚骨(被検出物)を含まない数枚の物品画像から、疑似的な被検出物が混入した大量の物品画像を、学習データLDとして入手することができる。
(4-2)
本実施形態のX線検査装置100では、単位画像UI内の1つ又は複数の疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)は、細長い形状を有する。学習モデルLMは、疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)の、太さ、角度、及び/又は、輝度値を変更しながら、第1ステップS1を複数回繰り返し生成されている。その結果、X線検査装置100は、様々な太さ、角度、及び、輝度値の魚骨(被検出物)を、学習することができる。
(4-3)
本実施形態のX線検査装置100では、単位画像UI内の1つ又は複数の疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)は、湾曲部CPをさらに有する。学習モデルLMは、疑似魚骨画像PB(疑似被検出物画像)の湾曲部CPの曲率を変更しながら第1ステップS1を複数回繰り返し生成されている。その結果、X線検査装置100は、様々な曲率の魚骨(被検出物)を、学習することができる。
(4-4)
本実施形態のX線検査装置100では、学習モデルLMは、基本物品画像Ybaseの輝度値を変更しながら、第1ステップS1を複数回繰り返し生成されている。その結果、X線検査装置100は、物品Pの様々な厚みを、学習することができる。
(4-5)
本実施形態のX線検査装置100では、学習モデルLMは、学習用画像Yinput、及び、教師信号Toutput_ohを分割しながら、第1ステップS1を複数回繰り返し生成されている。その結果、X線検査装置100は、学習データLDを、さらに増加させることができる。
(4-6)
本実施形態のX線検査装置100では、物品Pは、魚、肉、野菜又は果物である。被検出物は、骨、骨片又は種である。その結果、X線検査装置100は、特に、魚、肉、野菜又は果物から、骨、骨片又は種を、検出することができる。
(5)変形例
(5-1)変形例1A
本実施形態では、X線検査装置100は、X線照射部61aと、X線検出部61bと、画像生成部61cと、被検出物検出部61dの機能により、検査対象の物品Pに内包される魚骨(被検出物)の検出を行った。
しかし、X線検査装置100は、X線照射部61aの処理に対応するX線照射ステップと、X線検出部61bの処理に対応するX線検出ステップと、画像生成部61cの処理に対応する画像生成ステップと、被検出物検出部61dの処理に対応する被検出物検出ステップとを備えるX線検査プログラム、を実行し検査対象の物品Pに内包される魚骨(被検出物)の検出を行ったと捉えてもよい。
(5-2)変形例1B
本実施形態では、X線検査装置100は、X線照射部61aと、X線検出部61bと、画像生成部61cと、被検出物検出部61dの機能により、検査対象の物品Pに内包される魚骨(被検出物)の検出を行った。
しかし、X線検査装置100は、X線照射部61aの処理に対応するX線照射ステップと、X線検出部61bの処理に対応するX線検出ステップと、画像生成部61cの処理に対応する画像生成ステップと、被検出物検出部61dの処理に対応する被検出物検出ステップとを備えるX線検査方法、により検査対象の物品Pに内包される魚骨(被検出物)の検出を行ったと捉えてもよい。
1 物品検査システム
61a X線照射部
61b X線検出部
61c 画像生成部
61d 被検出物検出部
100 X線検査装置
200 学習モデル生成装置
LM 学習モデル
P 物品
S1(S1-1~S1-10) 第1ステップ
S2(S2-1~S2-2) 第2ステップ
UI 単位画像
base 基本物品画像
input 学習用画像
output_oh 教師信号
「X線を用いた食品中の異物混入検査」 大平倫宏、周洪鈞、坂巻佳壽美、上村久仁男、清水英明、斉木秀夫著 東京都立産業技術研究センター研究報告第3号、2008年

Claims (9)

  1. 検査対象の物品に内包される被検出物の検出を行うX線検査装置であって、
    前記物品にX線を照射するX線照射部と、
    前記物品を透過した前記X線を検出するX線検出部と、
    前記X線検出部の検出結果から、前記物品のX線画像を生成する画像生成部と、
    前記X線画像と、前記被検出物を検出する学習モデルと、を用いて前記被検出物の検出を行う被検出物検出部と、
    を備え、
    前記学習モデルは、
    前記被検出物を含まない前記物品のX線画像である基本物品画像と、疑似的な前記被検出物の画像である疑似被検出物画像から構成される複数の単位画像と、を合成して学習用画像を生成し、前記学習用画像中の前記疑似被検出物画像の位置を示す教師信号を生成する、第1ステップと、
    前記基本物品画像、前記単位画像、又は前記単位画像の配置を変更しながら、前記第1ステップを複数回繰り返し、前記学習用画像と、前記教師信号と、を関連付けて学習する学習モデルを生成する、第2ステップと、
    を有する学習モデル生成方法によって生成されたものであることを特徴とする、
    X線検査装置。
  2. 前記単位画像内の1つ又は複数の前記疑似被検出物画像は、細長い形状を有し、
    前記学習モデルは、前記疑似被検出物画像の、太さ、角度、及び/又は、輝度値を変更しながら、前記第1ステップを複数回繰り返し生成されている、
    請求項1に記載のX線検査装置。
  3. 前記単位画像内の1つ又は複数の前記疑似被検出物画像は、湾曲部をさらに有し、
    前記学習モデルは、前記疑似被検出物画像の前記湾曲部の曲率を変更しながら前記第1ステップを複数回繰り返し生成されている、
    請求項2に記載のX線検査装置。
  4. 前記学習モデルは、前記基本物品画像の輝度値を変更しながら、前記第1ステップを複数回繰り返し生成されている、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のX線検査装置。
  5. 前記学習モデルは、前記学習用画像、及び、前記教師信号を分割しながら、前記第1ステップを複数回繰り返し生成されている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のX線検査装置。
  6. 前記物品は、魚、肉、野菜又は果物であり、
    前記被検出物は、骨、骨片又は種である、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のX線検査装置。
  7. 検査対象の物品に内包される被検出物の検出をコンピュータによって実現するためのX線検査プログラムであって、
    前記物品にX線を照射するX線照射ステップと、
    前記物品を透過した前記X線を検出するX線検出ステップと、
    前記X線検出ステップの検出結果から、前記物品のX線画像を生成する画像生成ステップと、
    前記X線画像と、前記被検出物を検出する学習モデルと、を用いて前記被検出物の検出を行う被検出物検出ステップと、
    を実行させ、
    前記学習モデルは、
    前記被検出物を含まない前記物品のX線画像である基本物品画像と、疑似的な前記被検出物の画像である疑似被検出物画像から構成される複数の単位画像と、を合成して学習用画像を生成し、前記学習用画像の中の前記疑似被検出物画像の位置を示す教師信号を生成する、第1ステップと、
    前記基本物品画像、前記単位画像、又は前記単位画像の配置を変更しながら、前記第1ステップを複数回繰り返し、前記学習用画像と、前記教師信号と、を関連付けて学習する学習モデル、を生成する、第2ステップと、
    を有する学習モデル生成方法によって生成されたものであることを特徴とする、
    X線検査プログラム。
  8. 検査対象の物品に内包される被検出物の検出を行うX線検査方法であって、
    前記物品にX線を照射するX線照射ステップと、
    前記物品を透過した前記X線を検出するX線検出ステップと、
    前記X線検出ステップの検出結果から、前記物品のX線画像を生成する画像生成ステップと、
    前記X線画像と、前記被検出物を検出する学習モデルと、を用いて前記被検出物の検出を行う被検出物検出ステップと、
    を備え、
    前記学習モデルは、
    前記被検出物を含まない前記物品のX線画像である基本物品画像と、疑似的な前記被検出物の画像である疑似被検出物画像から構成される複数の単位画像と、を合成して学習用画像を生成し、前記学習用画像の中の前記疑似被検出物画像の位置を示す教師信号を生成する、第1ステップと、
    前記基本物品画像、前記単位画像、又は前記単位画像の配置を変更しながら、前記第1ステップを複数回繰り返し、前記学習用画像と、前記教師信号と、を関連付けて学習する学習モデル、を生成する、第2ステップと、
    を有する学習モデル生成方法によって生成されたものであることを特徴とする、
    X線検査方法。
  9. 検査対象の物品に内包される被検出物の検出を行う物品検査システムであって、
    前記物品にX線を照射するX線照射部と、
    前記物品を透過した前記X線を検出するX線検出部と、
    前記X線検出部の検出結果から、前記物品のX線画像を生成する画像生成部と、
    前記X線画像と、前記被検出物を検出する学習モデルと、を用いて前記被検出物の検出を行う被検出物検出部と、
    を備え、
    前記学習モデルは、
    前記被検出物を含まない前記物品のX線画像である基本物品画像と、疑似的な前記被検出物の画像である疑似被検出物画像から構成される複数の単位画像と、を合成して学習用画像を生成し、前記学習用画像の中の前記疑似被検出物画像の位置を示す教師信号を生成する、合成部と、
    前記基本物品画像、前記単位画像、又は前記単位画像の配置を変更しながら、前記合成部による合成及び生成を複数回繰り返し、前記学習用画像と、前記教師信号と、を関連付けて学習する学習モデルを生成する、学習部と、
    を有する学習モデル生成装置によって生成されたものであることを特徴とする、
    物品検査システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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