JP2022055549A - SiC多結晶基板の研磨方法 - Google Patents

SiC多結晶基板の研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】SiC多結晶基板の主面を原子サイズ近傍まで平坦化できる研磨方法を提供すること。【解決手段】研削加工が施されたSiC多結晶基板の主面を研磨加工するSiC多結晶基板の研磨方法において、平均粒径が0.5μm~1.1μmのダイヤモンド砥粒を含有するダイヤモンド・スラリーをウレタン樹脂パッドに滴下し、SiC多結晶基板をフリンジ・スキャン法で測定した主面の表面粗度(ISO 25178で規定された算術平均高さSa)が0.7nm以下になるまで機械研磨する第一工程と、pHを6.7~9.2に調整したコロイダルシリカ水性研磨液を用いてウレタン樹脂パッドにより化学機械研磨する第二工程を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、研削加工が施されたSiC多結晶基板の主面を研磨加工するSiC多結晶基板の研磨方法に係り、特に、SiC多結晶基板の主面を原子サイズ近傍まで平坦化できる研磨方法の改良に関するものである。
炭化珪素(SiC)は、珪素(Si:シリコン)と比較すると、3倍程度の大きなバンドギャップ(4H-SiCで、3.8eV程度、6H-SiCでは、3.1eV程度、シリコンは1.1eV程度)と高い熱伝導率(5W/cm・K程度、シリコンは1.5W/cm・K程度)を有することから、近年、パワーデバイス用途の基板材料としてSiC単結晶が使用され始めている。例えば、従来用いられてきたSiパワーデバイスと比較して、SiCパワーデバイスは5~10倍程度大きい耐電圧と数百℃以上高い動作温度を実現し、更に、素子の電力損失を1/10程度に低減できるため、鉄道車両用インバーター等で実用化されている。
基板材料としてのSiC単結晶は、通常、昇華再結晶法(改良レーリー法)と呼ばれる気相法で作製され(例えば非特許文献1参照)、所望の直径および厚さに加工される。
上記改良レーリー法は、固体状のSiC原料(通常は粉末)を、高温(2,400℃以上)で加熱・昇華させ、不活性ガス雰囲気中を昇華したSi原子と炭素原子が2,400℃の蒸気として拡散により輸送され、原料よりも低温に設置された種結晶上に過飽和となって再結晶化させることにより塊状のSiC単結晶を育成する方法である。
しかし、改良レーリー法は、プロセス温度が2,400℃以上と非常に高いため、結晶成長の温度制御や対流制御、結晶欠陥の制御が非常に難しく、この方法で作製されたSiC単結晶基板には、マイクロパイプと呼ばれる結晶欠陥やその他の結晶欠陥(積層欠陥等)が多数存在し、電子デバイス用途に耐え得る高品質のSiC単結晶基板を歩留まりよく製造することが極めて難しい。この結果、電子デバイス用に用いることのできる結晶欠陥の少ない高品質なSiC単結晶基板は非常に高額なものとなり、このようなSiC単結晶基板を用いたデバイスも高額なものになってしまうため、SiC単結晶基板が普及されることの妨げになっていた。
そこで、近年、SiC単結晶基板とSiC多結晶基板を準備し、上記SiC単結晶基板とSiC多結晶基板とを貼り合わせる工程を行い、その後、上記SiC単結晶基板を薄膜化する工程を行ってSiC多結晶基板上にSiC単結晶薄板層が形成されたSiC基板を製造する方法が提案されている(例えば非特許文献2参照)。
このSiC基板の製造方法によれば、SiC単結晶基板の厚さを、従来に較べて数分の一から数百分の一まで減少させることができる。このため、従来のように基板のすべてを高額でかつ高品質のSiC単結晶で構成した場合と比較し、SiC基板のコストを大幅に低減させることができる。また、結晶欠陥の少ない高品質なSiC単結晶層上にパワーデバイス等の素子を形成することができるため、デバイス性能の向上および製造歩留りを大きく改善させることができる。
このようなSiC単結晶基板とSiC多結晶基板を貼り合わせる工程において、SiC多結晶基板は、緻密で高純度であると共に、高平坦度であることが求められる。
ところで、高平坦度の鏡面を有する半導体基板を得るには、一般的に、チョクラルスキー(Cz)法や垂直温度勾配凝固(VGF)法等の育成法により単結晶を育成した後、得られた結晶を円柱状に加工し、かつ、所定とする厚みの基板にマルチワイヤソーにより切り出して作製するが、作製された基板の切断加工表面にはマイクロクラックや転位等を含む加工変質層が発生する。このため、上記基板を切り出した後、更に、面取り(ベベリング)、両面研削(ラッピング)、研磨(ポリッシング)、洗浄等を行い、基板表面の加工変質層やウネリを無くす必要があった。特に、シリコン(Si)や砒化ガリウム等の化合物半導体結晶材料の研磨(ポリッシング)方法としては、コロイダルシリカが分散されたpH9~12程度のアルカリ性水性研磨スラリーを研磨パッドと被加工物との間に供給しながら化学機械研磨(CMP)する方法が知られている(特許文献1~3)。
しかし、上記炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)よりも化学的に遥かに安定な物質で、また、ダイヤモンド、炭化硼素に次ぐ超硬質材料であるため、上述したシリコン基板等と同様、研削(ラッピング)加工後のコロイダルシリカを用いたCMP(化学機械研磨)法による研磨のみでは、平坦度の高い鏡面を得るのにかなりの時間が必要となる。
そこで、研磨時間を短縮させるため、平均粒径が1~3μmのダイヤモンド砥粒を含む研磨液を用いて炭化珪素(SiC)を機械研磨する方法(特許文献4)、SiCの表面を機械的に脆い酸化物や化合物に変化させて研磨時間を短縮させる方法(特許文献5)、具体的には、研磨面に酸化剤(過酸化水素水)を存在させた状態で化学機械研磨する方法、および、触媒作用のある[酸化クロム(III)]を添加して化学機械研磨する方法等が提案されている。
特公平7-12590号公報 特開平10-308379号公報 特開平11-31675号公報 特開平8-323604号公報 特開2001-205555号公報
Yu.M.Tairov and V.F.Tsvetkov: J.of Cryst.Growth 43(1978)209 精密工学会誌,2017,83巻,9号,p.833-836
ところで、特許文献4に記載のダイヤモンド砥粒によるSiC単結晶の機械研磨加工では、通常、いわゆる線状痕が発生する。この線状痕は、SiC単結晶表面がダイヤモンド砥粒の粗大粒子、SiC研磨屑、加工時に用いる定盤の凸部等で引っ掻かれることにより上述した加工変質層を伴って生じるものである。しかし、これ等の線状痕は、特に深いものを除き、上述の特許文献1~3に記載の化学機械研磨(CMP)により除去することが可能である。
一方、SiC多結晶の場合、ダイヤモンド砥粒による機械研磨加工で上記線状痕が発生する点はSiC単結晶の場合と同様であるが、上記線状痕に加え、SiC多結晶では機械研磨加工でピット状の欠陥を生じる場合がある。SiC多結晶は、微小な単結晶粒の集合体であるため、機械研磨加工での過負荷が掛かった時に上記単結晶粒が更に破壊されたり、その一部が脱落したりしてピット状の欠陥が生じるからである。そして、ピット状の欠陥が生じた状態で化学機械研磨(CMP)を実施しても、一旦ピット状の欠陥が生じると、そこを起点にケミカル要素が強く作用するため、平坦に研磨することはできない。
更に、SiC多結晶の場合、SiC単結晶と異なり各単結晶粒の成長方位が異なる。炭化珪素(SiC)は、原子半径が大きく異なるシリコン原子と炭素原子の2種類の元素で構成される化合物であるが、シリコンと比較し、炭素は酸化し易いことが知られている。このため、結晶方位や結晶系によって化学機械研磨(CMP)による速度差が生じ易く、単結晶粒毎に研磨量が異なり、粒界に沿った凹凸(粒界段差)が生じてしまう。
このような理由から、特許文献4に記載された平均粒径が1~3μmのダイヤモンド砥粒を含む研磨液を用いた機械研磨法、および、特許文献5に記載された酸化剤や触媒を単に用いた化学機械研磨(CMP)法により、SiC多結晶の表面を原子サイズ近傍まで平坦化させることは困難であった。
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、SiC多結晶基板の主面を原子サイズ近傍まで平坦化できる研磨方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため以下のような技術的検討を行った。
まず、炭化珪素(SiC)は、ダイヤモンド、炭化硼素に次いで硬いと言われる材料であり、シリコン原子と炭素原子の結合は極めて強いが、結晶表面においては結合の手が一部切れている。このため、SiC多結晶基板に対し、酸化剤と触媒等をコロイダルシリカに添加して特許文献5に記載の化学機械研磨(CMP)を実施した場合、結合の手が切れた炭素原子は優先的に酸素原子と化学的に結合することで気化し脱離する。その後、残留したシリコン原子がコロイダルシリカに固溶し、脱離するという反応が結晶表面で繰り返し起こっていると考えられる。従って、SiC多結晶からの離脱過程が異なるシリコン原子と炭素原子が共に近い速度で離脱を起こすことができれば、結晶方位や結晶系が異なっていても粒界に沿った上記凹凸(粒界段差)は生じ難くなると考えられる。
しかし、様々な施策を実施してもシリコン原子の脱離速度は炭素原子の脱離速度に追いつくことはできない。このため、化学機械研磨(CMP)の処理時間を極力少なくして、研磨速度の違いによる上記粒界段差の発生を抑制する必要がある。
化学機械研磨(CMP)の処理時間を少なくするには、化学機械研磨(CMP)前の機械研磨により、SiC多結晶基板をフリンジ・スキャン法で測定した主面の表面粗度が、ISO 25178で規定された算術平均高さSaで0.7nm以下まで平滑化させ、然る後、適正な研磨条件下にて化学機械研磨(CMP)を実施する方法が得策であることが分かった。すなわち、超平滑研磨が非常に困難とされてきたSiC多結晶基板の研磨加工において、本発明者は、まず、ダイヤモンド砥粒とウレタン樹脂パッドの相乗的作用を利用した機械研磨を実施し、次いで、コロイダルシリカを主成分とする研磨液のpHを最適化させた条件で化学機械研磨(CMP)を実施することで、SiC多結晶基板の主面を原子サイズ近傍まで平坦化できることを見出すに至った。本発明は、このような技術的発見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
研削加工が施されたSiC多結晶基板の主面を研磨加工するSiC多結晶基板の研磨方法において、
平均粒径が0.5μm~1.1μmのダイヤモンド砥粒を含有するダイヤモンド・スラリーをウレタン樹脂パッドに滴下し、SiC多結晶基板をフリンジ・スキャン法で測定した主面の表面粗度が、ISO 25178で規定された算術平均高さSaで0.7nm以下になるまで機械研磨する第一工程と、
pHを6.7~9.2に調整したコロイダルシリカ水性研磨液を用いてウレタン樹脂パッドにより化学機械研磨する第二工程、
を有することを特徴とする。
次に、本発明に係る第2の発明は、
第1の発明に記載のSiC多結晶基板の研磨方法において、
上記第二工程で、コロイダルシリカ水性研磨液のpHが7.7に調整されていることを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明または第2の発明に記載のSiC多結晶基板の研磨方法において、
上記第二工程で、SiC多結晶基板をフリンジ・スキャン法で測定した主面の表面粗度が、ISO 25178で規定された算術平均高さSaで0.5nm以下になるまで化学機械研磨することを特徴とし、
また、第4の発明は、
第1の発明、第2の発明または第3の発明に記載のSiC多結晶基板の研磨方法において、
研削加工が施されたSiC多結晶基板をフリンジ・スキャン法で測定した主面の表面粗度が、ISO 25178で規定された算術平均高さSaで3nm以下であることを特徴とするものである。
本発明に係るSiC多結晶基板の研磨方法によれば、
化学機械研磨する前の第一工程において、SiC多結晶基板をフリンジ・スキャン法で測定した主面の表面粗度が、ISO 25178で規定された算術平均高さSaで0.7nm以下になるまで機械研磨しているため、その分、第二工程における化学機械研磨の処理時間が短縮され、結晶方位や結晶系の違いに起因した研磨速度の違いによる粒界段差の発生を抑制することが可能となる。
このため、SiC多結晶基板の主面を原子サイズ近傍まで平坦化できる効果を有する。
第一工程の機械研磨に用いるダイヤモンド砥粒の平均粒径(μm)と機械研磨後におけるSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)との関係を示すグラフ図。 第二工程の化学機械研磨に用いるコロイダルシリカ水性研磨液のpHと化学機械研磨後におけるSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)との関係を示すグラフ図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係るSiC多結晶基板の研磨方法は、
研削加工が施されたSiC多結晶基板の主面を研磨加工するSiC多結晶基板の研磨方法において、
平均粒径が0.5μm~1.1μmのダイヤモンド砥粒を含有するダイヤモンド・スラリーをウレタン樹脂パッドに滴下し、SiC多結晶基板をフリンジ・スキャン法(光学式表面形状粗さ測定装置による方法)で測定した主面の表面粗度が、ISO 25178で規定された算術平均高さSaで0.7nm以下になるまで機械研磨する第一工程と、
pHを6.7~9.2に調整したコロイダルシリカ水性研磨液を用いてウレタン樹脂パッドにより化学機械研磨する第二工程、
を有することを特徴とするものである。
(1)第一工程の機械研磨に用いるダイヤモンド砥粒の平均粒径
図1は、第一工程の機械研磨に用いるダイヤモンド砥粒の平均粒径(μm)と、機械研磨後におけるSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)との関係を示すグラフ図である。
ダイヤモンド砥粒の平均粒径が1μmを超える場合においては、図1に示すように、ダイヤモンド砥粒の平均粒径が小さいほど、機械研磨後におけるSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)は小さくなる。
しかし、ダイヤモンド砥粒の平均粒径が1μm以下の場合においては、図1に示すように、ダイヤモンド砥粒の平均粒径が小さいほど、機械研磨後におけるSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)は増加することが分かった。この理由として、ダイヤモンド砥粒の平均粒径が小さくなると、切削性が低下して脆性破壊モードになり易くなり、SiC多結晶基板の単結晶粒が破壊され、あるいは、単結晶粒の一部が脱落してピット状の欠陥を生じ、表面粗度(Sa)が増加したものと推測される。
そして、第一工程の機械研磨後におけるSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)を0.7nm以下に設定できるダイヤモンド砥粒の平均粒径は、図1のグラフ図から、0.5μm~1.1μmであることが確認される。
(2)第二工程の化学機械研磨に用いるコロイダルシリカ水性研磨液のpH
図2は、第二工程の化学機械研磨に用いるコロイダルシリカ水性研磨液のpHと、化学機械研磨後におけるSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)との関係を示すグラフ図である。
第二工程の化学機械研磨は、第一工程の機械研磨で発生した加工変質層や線状痕を除去するための処理であり、SiC多結晶基板を構成するシリコンとカーボンの脱離速度(研磨速度)をできるだけ近づけることによりSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)を0.5nm以下にすることが望ましい。
そして、第二工程の化学機械研磨によりSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)を0.5nm以下に設定できるコロイダルシリカ水性研磨液のpHは、図2のグラフ図から、pH6.7~9.2であることが確認され、特に、pH7.5付近のpH7.7が好ましいことが確認される。
尚、上記pH6.7~9.2の範囲を逸脱した場合、SiC多結晶基板の表面に粒界段差が発生し、表面粗度(Sa)が増加することが確認されている。
(3)研削加工が施されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)
研削加工が施されたSiC多結晶基板をフリンジ・スキャン法で測定した主面の表面粗度については、ISO 25178で規定された算術平均高さSaで3nm以下であることが望ましい。
この理由は、研削加工が施されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)が3nmを超えている場合、ダイヤモンド砥粒が含まれるダイヤモンド・スラリーをウレタン樹脂パッドに滴下して機械研磨する際、SiC多結晶基板の表面粗度(Sa)が0.7nm以下になるまでに要する研磨時間が非常に長くなるからである。
以下、本発明の実施例について比較例も挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
(研削加工)
直径6インチのSiC多結晶基板に対し、番手が7000番(ISO 8486表示)のダイヤモンド砥石を用いて精密グラインダーによる研削加工を行った後、フリンジ・スキャン法により研削加工されたSiC多結晶基板の表面粗度(ISO 25178で規定された算術平均高さSa、以下、同様)を測定したところ、基板の5点平均(基板周辺部4点および基板中央1点)で2.3nmであった。
(第一工程:機械研磨)
次に、平均粒径1.0μmのダイヤモンド砥粒が3×10-3Pa・Sの粘度を有する水性溶液に2g/Lの濃度で混合されたダイヤモンド・スラリーを10ml/minの液量で定盤上に滴下し、かつ、定盤の回転速度80rpm、ヘッドの回転速度64rpm、および、30kPaの圧力で機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施した。
尚、上記定盤にはSUS製定盤を用い、かつ、定盤の上にウレタン樹脂パッド(ショアD硬度:75)を貼ったものを用いた。
この結果、上記精密グラインダーによる研削加工で発生していた大きな線状痕は30minの機械研磨で消滅し、かつ、機械研磨されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)をフリンジ・スキャン法により測定したところ、基板の5点平均(基板周辺部4点および基板中央1点)で0.63nm(0.7nm以下)となった。
(第二工程:化学機械研磨)
次に、水酸化ナトリウムと過酸化水素水を添加してpH7.7に調整した平均粒径25nmのコロイダルシリカ(シリカ重量比:5wt%)水性研磨液を100ml/minの液量で定盤上に滴下し、かつ、定盤の回転速度40rpm、ヘッドの回転速度32rpm、および、40kPaの圧力で化学機械研磨(CMP)を20min実施した。
尚、上記定盤にはSUS製定盤を用い、かつ、定盤の上にウレタン樹脂パッド(ショアD硬度:63)を貼ったものを用いた。
次いで、化学機械研磨(CMP)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)についてフリンジ・スキャン法により測定したところ、基板の中央部で0.44nm、基板の周辺部で0.38nm、基板の中央部と周辺部の中間位置で0.42nmとなり、基板全体で0.5nm以下の表面粗度(Sa)であることが確認された。
これ等の結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1と同一の条件で精密グラインダーによる研削加工、および、機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施し、化学機械研磨(CMP)時の上記研磨液のpHを9.2とした以外は実施例1と同一の条件で化学機械研磨(CMP)を20min実施した。
そして、化学機械研磨(CMP)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)についてフリンジ・スキャン法により測定したところ、基板の中央部で0.50nm、基板の周辺部で0.45nm、基板の中央部と周辺部の中間位置で0.48nmとなり、基板全体で0.5nm以下の表面粗度(Sa)であることが確認された。
これ等の結果も表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同一の条件で精密グラインダーによる研削加工、および、第二工程の化学機械研磨(CMP)を20min実施し、第一工程の機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)時におけるダイヤモンド砥粒の平均粒径を0.5μmとした以外は実施例1と同一の条件で機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施した。
そして、上記機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)をフリンジ・スキャン法により測定したところ、基板の5点平均(基板周辺部4点および基板中央1点)で0.68nm(0.7nm以下)となった。
更に、上記化学機械研磨(CMP)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)についてフリンジ・スキャン法により測定したところ、基板の中央部で0.49nm、基板の周辺部で0.47nm、基板の中央部と周辺部の中間位置で0.48nmとなり、基板全体で0.5nm以下の表面粗度(Sa)であることが確認された。
これ等の結果も表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同一の条件で精密グラインダーによる研削加工、および、機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施し、かつ、化学機械研磨(CMP)時の上記研磨液のpHを10.2とした以外は実施例1と同一の条件で化学機械研磨(CMP)を20min実施した。
そして、化学機械研磨(CMP)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)についてフリンジ・スキャン法により測定したところ、基板の中央部で0.68nm、基板の周辺部で0.61nm、基板の中央部と周辺部の中間位置で0.63nmとなり、かつ、基板の何れの個所においても表面粗度(Sa)は0.5nm以下にはならなかった。
これ等の結果も表1に示す。
Figure 2022055549000002
[比較例2]
実施例1と同一の条件で精密グラインダーによる研削加工、および、機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施し、かつ、化学機械研磨(CMP)時の上記研磨液のpHを5.4とした以外は実施例1と同一の条件で化学機械研磨(CMP)を20min実施した。
そして、化学機械研磨(CMP)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)についてフリンジ・スキャン法により測定したところ、表面粗度(Sa)の面内平均は1.10nmとなり、基板の何れの個所においても表面粗度(Sa)は0.5nm以下にはならなかった。
これ等の結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1と同一の条件で精密グラインダーによる研削加工、および、機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施し、かつ、化学機械研磨(CMP)時の上記研磨液のpHを6.3とした以外は実施例1と同一の条件で化学機械研磨(CMP)を20min実施した。
そして、化学機械研磨(CMP)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)についてフリンジ・スキャン法により測定したところ、表面粗度(Sa)の面内平均は0.60nmとなり、基板の何れの個所においても表面粗度(Sa)は0.5nm以下にはならなかった。
これ等の結果も表2に示す。
[比較例4]
実施例1と同一の条件で精密グラインダーによる研削加工、および、機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施し、かつ、化学機械研磨(CMP)時の上記研磨液のpHを12.3とした以外は実施例1と同一の条件で化学機械研磨(CMP)を20min実施した。
そして、化学機械研磨(CMP)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)についてフリンジ・スキャン法により測定したところ、表面粗度(Sa)の面内平均は0.94nmとなり、基板の何れの個所においても表面粗度(Sa)は0.5nm以下にはならなかった。
これ等の結果も表2に示す。
[比較例5]
実施例1と同一の条件で精密グラインダーによる研削加工を行った後、第一工程の機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)時におけるダイヤモンド砥粒の平均粒径を0.2μmとした以外は実施例1と同一条件で機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施した。
そして、上記機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)をフリンジ・スキャン法により測定したところ、基板の5点平均(基板周辺部4点および基板中央1点)で0.81nmとなり、0.7nm以下にはならなかった。
そこで、上記機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を更に30min追加して実施したが、表面粗度(Sa)は基板の5点平均(基板周辺部4点および基板中央1点)で0.84nmとほとんど変化がなかった。
そして、30min追加して機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)が実施されたSiC多結晶基板について、第二工程の化学機械研磨(CMP)を20min実施し、化学機械研磨(CMP)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)についてフリンジ・スキャン法により測定したところ、表面粗度(Sa)の面内平均は0.78nmとなり、基板の何れの個所においても表面粗度(Sa)は0.5nm以下にはならなかった。
これ等の結果も表2に示す。
[比較例6]
実施例1と同一の条件で精密グラインダーによる研削加工を行った後、第一工程の機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)時におけるダイヤモンド砥粒の平均粒径を2.0μmとした以外は実施例1と同一条件で機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施した。
そして、上記機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)をフリンジ・スキャン法により測定したところ、基板の5点平均(基板周辺部4点および基板中央1点)で2.4nmとなり、0.7nm以下にはならなかった。
そして、上記機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施したSiC多結晶基板について、第二工程の化学機械研磨(CMP)を20min実施し、化学機械研磨(CMP)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)についてフリンジ・スキャン法により測定したところ、表面粗度(Sa)の面内平均は1.20nmとなり、基板の何れの個所においても表面粗度(Sa)は0.5nm以下にはならなかった。
これ等の結果も表2に示す。
[比較例7]
実施例1と同一の条件で精密グラインダーによる研削加工を行った後、第一工程の機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)時におけるダイヤモンド砥粒の平均粒径を4.0μmとした以外は実施例1と同一条件で機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施した。
そして、上記機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)をフリンジ・スキャン法により測定したところ、基板の5点平均(基板周辺部4点および基板中央1点)で5.3nmとなり、0.7nm以下にはならなかった
そして、上記機械研磨(ダイヤモンド・ラッピング)を実施したSiC多結晶基板について、第二工程の化学機械研磨(CMP)を20min実施し、化学機械研磨(CMP)されたSiC多結晶基板の表面粗度(Sa)についてフリンジ・スキャン法により測定したところ、表面粗度(Sa)の面内平均は3.90nmとなり、基板の何れの個所においても表面粗度(Sa)は0.5nm以下にはならなかった。
これ等の結果も表2に示す。
Figure 2022055549000003
本発明方法によれば、SiC多結晶基板の主面を原子サイズ近傍まで平坦化することができるため、SiC基板の製造に使用されるSiC多結晶基板の研磨方法に利用される産業上の利用可能性を有している。

Claims (4)

  1. 研削加工が施されたSiC多結晶基板の主面を研磨加工するSiC多結晶基板の研磨方法において、
    平均粒径が0.5μm~1.1μmのダイヤモンド砥粒を含有するダイヤモンド・スラリーをウレタン樹脂パッドに滴下し、SiC多結晶基板をフリンジ・スキャン法で測定した主面の表面粗度が、ISO 25178で規定された算術平均高さSaで0.7nm以下になるまで機械研磨する第一工程と、
    pHを6.7~9.2に調整したコロイダルシリカ水性研磨液を用いてウレタン樹脂パッドにより化学機械研磨する第二工程、
    を有することを特徴とするSiC多結晶基板の研磨方法。
  2. 上記第二工程において、コロイダルシリカ水性研磨液のpHが7.7に調整されていることを特徴とする請求項1に記載のSiC多結晶基板の研磨方法。
  3. 上記第二工程において、SiC多結晶基板をフリンジ・スキャン法で測定した主面の表面粗度が、ISO 25178で規定された算術平均高さSaで0.5nm以下になるまで化学機械研磨することを特徴とする請求項1または2に記載のSiC多結晶基板の研磨方法。
  4. 研削加工が施されたSiC多結晶基板をフリンジ・スキャン法で測定した主面の表面粗度が、ISO 25178で規定された算術平均高さSaで3nm以下であることを特徴とする請求項1、2または3に記載のSiC多結晶基板の研磨方法。
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