JP2022049305A - 貼付剤及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明性のある貼付剤を得ると共に膏体の成分が不織布越しに浸み出すことがなく、膏体が不織布から剥がれ難い貼付剤を得る。【解決手段】 薬効成分を含む膏体層と、この膏体層の一方の面上に被着された支持体と、膏体層の他方の面上に貼着された剥離ライナーとを備えた貼付剤であって、支持体の単位面積当たりの重さとしての目付け量が、7~20g/m2の不織布であり、膏体層の可塑剤として、流動パラフィンと脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとが配合されている。【選択図】 図1
Description
本発明は、極薄の不織布を用いた貼付剤に関し、更に、この貼付剤の製造法に関するものである。
貼付剤とは、布やプラスチックなどの支持体に、薬効成分と基剤とを混ぜ合わせた薬剤を薄く展延した医薬品を指し、皮膚の表面に貼り付け、皮膚を通して有効成分が浸透していくことで局所の症状を改善する効果を狙った外用薬である。この貼付剤は、大きく分けて、基剤の水分含有量が多く、持続的な冷却効果を期待できるパップ剤と、基剤の水分含有量が少なく患部を冷やさないテープ剤(硬膏剤)との2種類が存在する。
これら貼付剤の主要な構成としては、経皮吸収性の膏体層と、この膏体層を展延する支持体とを備える。このような貼付剤の支持体としては、通気性の問題等から不織布が主流となっている。この不織布については、関節等の可動域部分に貼付した際に伸縮性を持たせるため、捲縮性を有する繊維を用いたものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような不織布については良好な通気性を得るために薄くすると膏体の成分が不織布越しに浸み出すことがあった。特に、貼着した際のフィット感を向上させるために薄い不織布を用いた場合には、それが顕著となっている。また、その逆に、膏体の成分によっては、不織布への充分な浸み込みが得られない場合もあり、この場合には、貼付後の剥離時に膏体が不織布から完全に剥がれ、膏体自体が皮膚上に残る課題もあった。
本発明は、患部に貼付された場合に、貼付された状態が目立たず、フィット感が良好であり、貼着状態が長時間維持できる貼付剤、更には、膏体の成分が不織布に適度に浸み込むことにより透明性のある貼付剤を得ると共に膏体の成分が不織布越しに浸み出すことがない貼付剤を得ること、更には、逆に、膏体が不織布から剥がれ難い貼付剤を得ることを目的とする。
請求項1に記載された発明に係る貼付剤は、薬効成分を含む膏体層と、この膏体層の一方の面上に被着された支持体と、前記膏体層の他方の面上に貼着された剥離ライナーとを備えた貼付剤であって、
前記支持体の単位面積当たりの重さとしての目付け量が、7~20g/m2の不織布であり、
前記膏体層の可塑剤として、流動パラフィンと、脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとが配合されていることを特徴とするものである。
前記支持体の単位面積当たりの重さとしての目付け量が、7~20g/m2の不織布であり、
前記膏体層の可塑剤として、流動パラフィンと、脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとが配合されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明に係る貼付剤は、請求項1に記載の支持体が、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン及びこれらの複合材からなるスパンボンド不織布のみの単層体又はスパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織布の積層体の不織布であることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明に係る貼付剤は、請求項1又は2に記載の脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルが、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、又はラウリン酸ヘキシルから選ばれたものであることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明に係る貼付剤の製造法は、薬効成分が混練された膏体層と、この膏体層表面上に被着された支持体とを備えたプラスター剤と、このプラスター剤の膏体層に貼着される剥離ライナーとを備えた貼付剤の製造法であって、
剥離ライナーにホットメルト粘着剤に薬効成分を混練した膏体層を展延塗布した後に、支持体を膏体層に貼り合わせて積層体を得る積層体形成工程と、
得られた積層体から前記プラスター剤の中央部の領域を前記剥離ライナーを残して打ち抜くハーフカット工程と、
打ち抜かれたプラスター剤の中央部の領域を除去するハーフカット除去工程と、
ハーフカット除去工程後の積層体から、2つの略矩形状のプラスター剤が互いの短手辺同士を予め定められた距離だけ空けて向かい合う形状に、プラスター剤を剥離ライナーと共に切断する切断工程とを備え、
前記支持体の単位面積当たりの重さとしての目付け量が、7~20g/m2の不織布であり、
前記膏体層の可塑剤として、流動パラフィンと、脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとを配合することを特徴とするものである。
剥離ライナーにホットメルト粘着剤に薬効成分を混練した膏体層を展延塗布した後に、支持体を膏体層に貼り合わせて積層体を得る積層体形成工程と、
得られた積層体から前記プラスター剤の中央部の領域を前記剥離ライナーを残して打ち抜くハーフカット工程と、
打ち抜かれたプラスター剤の中央部の領域を除去するハーフカット除去工程と、
ハーフカット除去工程後の積層体から、2つの略矩形状のプラスター剤が互いの短手辺同士を予め定められた距離だけ空けて向かい合う形状に、プラスター剤を剥離ライナーと共に切断する切断工程とを備え、
前記支持体の単位面積当たりの重さとしての目付け量が、7~20g/m2の不織布であり、
前記膏体層の可塑剤として、流動パラフィンと、脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとを配合することを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明に係る貼付剤の製造法は、請求項4に記載の支持体が、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン及びこれらの複合材からなるスパンボンド不織布のみの単層体又はスパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織布の積層体の不織布であることを特徴とするものである。
本発明は、患部に貼付された場合に、貼付された状態が目立たず、フィット感が良好であり、貼着状態が長時間維持できる貼付剤、更には、膏体の成分が不織布に適度に浸み込むことにより透明性のある貼付剤を得ると共に膏体の成分が不織布越しに浸み出すことがない貼付剤を得ること、更には、逆に、膏体が不織布から 剥がれ難い貼付剤を得ることが出来るという効果がある。
本発明においては、薬効成分を含む膏体層と、この膏体層の一方の面上に被着された支持体と、膏体層の他方の面上に貼着された剥離ライナーとを備えた貼付剤であって、支持体の単位面積当たりの重さとしての目付け量が、7~20g/m2の不織布であり、前記膏体層の可塑剤として、流動パラフィンと、脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとが配合されているものである。これにより、患部に貼付された場合に、貼付された状態が目立たず、フィット感が良好であり、貼着状態が長時間維持できる貼付剤を得ることができ、膏体が不織布から剥がれ難い貼付剤を得ることができる。
即ち、支持体が目付け量が、7~20g/m2との極薄の不織布であるため、患部に貼付された場合に膏体の成分が不織布に適度に浸み込むことによって透明性があり、貼付された状態が目立たず、フィット感が良好であり、貼着状態が長時間維持できる。特に、支持体に透明性があるため、支持体を肌色に似せた色に着色しなくても、貼着された皮膚の色が透過されるため、明るさの相違する皮膚であっても、貼付状態が目立たない。また、本発明の不織布としては、極薄の不織布を用いることにより、透明な樹脂フィルムを使用した時の突っ張る感じがなくソフトな貼り心地となり、貼着された場合のフィット感が良好となる。また、極薄であるため、衣服とのスレが少なく剥がれ難く、貼着状態が長時間維持できる。
目付け量が、7g/m2よりも小さい場合には、膏体の成分が不織布越しに浸み出す場合が生じ、目付け量が、20g/m2よりも大きい場合には、柔軟さがなくなり、フィット感に問題が残る。また、好ましい不織布の厚さとしては、100~200μmであればよく、100μmよりも薄い場合には、目付量と同様に、膏体の成分が不織布越しに浸み出しやそれに伴う粘着力の低下が生じる。200μmよりも厚い場合には、目付量と同様に、貼付された場合の透明性が失われる。
本発明の支持体としては、繊維シート、ウェブ又はバットで繊維が一方向又はランダムに配交しており、交絡、及び/又は融着、及び/又は接着によって繊維間が結合された極薄の不織布であればよい。不織布のウェブ形成としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法で形成させることができる。また、不織布の繊維同士の結合としては、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法等で結合させることができる。
本発明の不織布としては、極薄の状態でも膏体層の成分が不織布越しに染み出すことを防止するため、支持体としては、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン及びこれらの複合材からなるスパンボンド不織布のみの単層体又はスパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織布の積層体の不織布を用いる。
即ち、スパンボンド不織布単独か、スパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織布の積層体を用いる。目付け量が、7~20g/m2である極薄の支持体を用いる。これにより、極薄の不織布であっても、スパンボンド不織布単独か、スパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織布の積層体を用いることにより、膏体の成分が不織布越しに浸み出すことがない。
本発明の膏体層は、ホットメルト法又は容剤法で製造することができる。例えば、ホットメルト法では、薬物以外の粘着剤を構成する各成分を加熱混合する。その後、薬物を添加して更に撹拌し、均一な溶解物とする。溶解物は、剥離ライナー上に展延し、支持体を貼り合せ、適当な形状に裁断することで得られる。
本発明の膏体層としては、不織布と膏体との剥離を防止すると共に、不織布の透明感を出すためには、膏体が不織布に十分に浸みこんでいる必要がある。このため、本発明の膏体層には、可塑剤を添加して柔軟性を高める。一般的には、膏体層の主成分である熱可塑性合成樹脂に流動パラフィンを用いるが、この流動パラフィン1種だけでは十分な浸み込みができず、膏体が不織布から剥がれたり透明感が得られなくなる場合があった。
そのため、流動パラフィンに脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルを更に添加して膏体層の柔軟性を高める。尚、可塑剤として膏体層に添加配合される流動パラフィンと、脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとは、貼付後の剥離時に膏体が不織布から剥がれない量を添加配合されればよい。脂肪酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル等が挙げられる。ジカルボン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル等が挙げられる。
本発明の貼付剤の製造としては、剥離ライナーにホットメルト粘着剤に薬効成分を混練した膏体層を展延塗布した後に、支持体を膏体層に貼り合わせて積層体を得る積層体形成工程と、得られた積層体からプラスター剤の中央部の領域を剥離ライナーを残して打ち抜くハーフカット工程と、打ち抜かれたプラスター剤の中央部の領域を除去するハーフカット除去工程と、ハーフカット除去工程後の積層体から、2つの略矩形状のプラスター剤が互いの短手辺同士を予め定められた距離だけ空けて向かい合う形状に、プラスター剤を剥離ライナーと共に切断する切断工程とを備える。
本発明のスパンボンド不織布としては、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン及びこれらの複合材などの溶解温度の低い樹脂の米粒状チップを加熱・溶融し、ノズルから押し出して直接紡糸し、溶出されるエンドレスの長繊維をベルトコンベアの上で何本も重ね合わされたウェブを形成し、形成されたウェブは熱ロールで熱溶着された不織布である。得られた不織布は、薄くても柔らかく丈夫な特性を有するものである。
また、メルトブロー不織布は、スパンボンド不織布の一種であり、高温の空気を当てながら形成し、繊維をより細くした不織布である。このため、本発明のスパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織布の積層体では、繊維間の空隙が小さいメルトブロー不織布を間に挟んでいるため、同じ厚さのスパンボンド不織布単独のものと比べて、不織布越しの浸み出しがより抑えられる。
尚、本発明の貼付剤は、腫れや痛みの箇所に貼付する「局所作用型外用剤」のみならず、全身血流によって標的器官に薬物が送達され、薬効を発揮する「経皮吸収型製剤」についても用いることができる。この場合は、間接部の周り以外の箇所に貼付させることができるため、より高いフィット感から、貼付された状態が目立たず、フィット感が良好であり、貼着状態が長時間維持でき、膏体の成分が不織布越しに浸み出すことがない高い効果を奏することができる。
本発明では、膏体層内の成分が不織布に浸み込む程度によってベタつきや透明性にバラツキが出ることが予想される。このため、十分な量の膏体層成分が不織布に浸み込んでいる必要がある。また、膏体層成分の浸み込みが多すぎると不織布面より膏体層成分が浸み出す虞も生じる。このため、製造中の不織布の貼り合せ時やその後の経時的な変化で膏体層成分が浸み出さないようにする必要がある。
但し、硬くなると粘着性が損なわれるので、ある程度の軟らかさを保つように配慮する必要がある。このため、例えば、不織布の貼り合せ時にかける温度や押さえ圧力の調整により、浸み込む量をコントロールする工夫や、保管中の浸み出し防止として、膏体層成分に40℃前後の熱による流動性の変化が少ない処方とする等の工夫を行ってもよい。
より具体的には、膏体層の可塑剤として、流動パラフィンと、脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとを配合する。これにより、流動パラフィン1種だけでは十分な浸み込みができず、膏体が不織布から剥がれたり透明感が得られなくなることが無く、膏体層の柔軟性を高めることができる。
尚、可塑剤として膏体層に添加配合される流動パラフィンと、脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとは、貼付後の剥離時に膏体が不織布から剥がれない量を添加配合されればよい。脂肪酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル等が挙げられる。ジカルボン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル等が挙げられる。
1.貼付剤の製造
図1に示す通り、本実施例のプラスター製剤10は、四隅を丸く面取りした略矩形状のプラスター剤12が剥離ライナー18に貼着されたものである。プラスター剤12は、剥離ライナー18と支持体16との間に展延・形成された膏体層14を備えられている。
図1に示す通り、本実施例のプラスター製剤10は、四隅を丸く面取りした略矩形状のプラスター剤12が剥離ライナー18に貼着されたものである。プラスター剤12は、剥離ライナー18と支持体16との間に展延・形成された膏体層14を備えられている。
この支持体16については、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン及びこれらの複合材からなるスパンボンド不織布の単層体か、スパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織布の積層体の不織布を用いる。この支持体16の単位面積当たりの重さである目付け量が、7~20g/m2としている。
本実施例のプラスター製剤10は次のように製造される。図2のa図に示す通り、切断されると剥離ライナー18となる帯状の剥離ライナーテープ28が剥離ライナーロール38から一端部を解かれながら搬出される。この剥離ライナーテープ28上に膏体基剤層24を転写して膏体基剤層24が展延される。
本実施例の一例としては、ポリプロピレン製のスパンボンド不織布を用いた。このスパンボンド不織布の目付量は、13g/m2で、厚さは約120μmであった。また、他の例としては、同じくポリプロピレン製のスパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織布の3層構造の不織布を用いた。この不織布の積層体の目付量は、15g/m2で、厚さは約130μmであった。
膏体基剤34は以下の工程で得た。即ち、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(以下、SISと略す)、ポリイソブチレン、脂環族飽和炭化水素樹脂又はテルペン樹脂、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)等の酸化防止剤、及び可塑剤としての流動パラフィンと脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとを100℃~150℃に加熱混練した。その後、消炎鎮痛剤のインドメタシン等の薬効成分、その他の添加物を添加して混練し、膏体基剤34を予め調製して得た。
得られた膏体基剤34は基剤タンク33の下方から第1転写ロール35から第2転写ロール37を経て膏体基剤層24として帯状の剥離ライナーテープ28の略全幅にわたって展延塗布されつつ搬送される。更に搬送方向の下流には、切断されるとプラスター剤12となる帯状の支持体テープ26が支持体ロール32から解かれながら搬出され、膏体基剤層24の表面上に貼着され、搬送されつつ圧接ローラ39で被着され、プラスター剤テープ22として下流方向に搬送される。
尚、支持体ロール32は、スパンボンド不織布の単層体か、スパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織布の積層体の不織布の支持体テープ26とし、この支持体テープ26の一端部を解かれながら、膏体基剤層24の表面上に貼着される。
図2のb図に示す通り、カッティングドラム50は、剥離ライナーテープ28を支持ドラム52で挟んでハーフカットされる。即ち、剥離ライナーテープ28と膏体基剤層24と支持体テープ26との積層体(図2のa図)は、ハーフカット用のカッティングドラム50でプラスター剤テープ22について、連続したプラスター剤12の領域とその両側の領域とを剥離ライナーテープ28を残して打ち抜かれる。
プラスター剤12の両側の打ち抜かれた領域54は搬送されるプラスター剤テープ22から上方に取り除かれる。カッティングドラム60は、プラスター剤テープ22を支持ドラム62で挟んで個別に切り離される。即ち、領域54を取り除かれたプラスター剤テープ22は、下流側に配された全カット用のカッティングドラム60で、プラスター剤テープ22を個別のプラスター製剤10として分断される。
分断されたプラスター製剤10は、複数枚を積層させてアルミ蒸着袋等の膏体層成分が袋体外に揮発しないような密封可能な袋体に収容した後、熱シール等で封止し、これを単数個又は複数個を箱詰めして製品とする。
尚、本実施例のプラスター製剤10については、1列とした製造を示したが、剥離ライナーテープ28及び支持体テープ26の幅をプラスター製剤10が2列またはそれ以上の列が製造可能な幅とし、膏体基剤層24をそれに合わせた幅を転写させることにし、カッティングドラム50及びカッティングドラム60でハーフカット及び全カットして得るようにしてもよい。
2.検討内容
表1に示す通り、種々の添加量で10種の貼付剤を製造した。製造例1は、可塑剤として流動パラフィンのみとし、配合量を多くした。製造例2~6は、可塑剤として流動パラフィンの他に脂肪酸エステルまたはジカルボン酸エステルを配合した。脂肪酸エステルまたはジカルボン酸エステルの配合量は同じとした。
表1に示す通り、種々の添加量で10種の貼付剤を製造した。製造例1は、可塑剤として流動パラフィンのみとし、配合量を多くした。製造例2~6は、可塑剤として流動パラフィンの他に脂肪酸エステルまたはジカルボン酸エステルを配合した。脂肪酸エステルまたはジカルボン酸エステルの配合量は同じとした。
製造例7~10は、ジカルボン酸エステルであるアジピン酸ジイソプロピルの配合量を変えて状態を確認した。得られた製造例1~10の評価は次の通りである。投錨性は、貼付後の剥離時に膏体が不織布から完全に剥がれる(×)、完全には剥がれない(△)、剥がれない(○)とした。また、透明性は、目視で不織布の白く見える部分が多い(×)、少ない(△)、殆ど透けて見える(○)とした。
尚、製造条件としては、次の条件を満たした。
塗布量 :約142.86g/m2
膏体温度 :約130℃
塗布速度 :2m/min
支持体ラミネート温度 :全試作で同条件
混合時間、撹拌速度 :全試作で同条件
支持体 :スパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織 布の積層体不織布
塗布量 :約142.86g/m2
膏体温度 :約130℃
塗布速度 :2m/min
支持体ラミネート温度 :全試作で同条件
混合時間、撹拌速度 :全試作で同条件
支持体 :スパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織 布の積層体不織布
表1に示す通り、可塑剤が流動パラフィンのみの製造例1では、貼付後の剥離時の投錨性としては、膏体が不織布から完全に剥がれる評価であったが、流動パラフィンと脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとが配合されている製造例2~6については、製造例6のオレイン酸オレイル以外は良好な投錨性が得られた。
10…プラスター製剤、
12…プラスター剤、
14…膏体層、
16…支持体、
18…剥離ライナー、
22…プラスター剤テープ、
24…膏体基剤層、
26…支持体テープ、
28…剥離ライナーテープ、
32…支持体ロール、
33…基剤タンク、
34…膏体基剤、
35…第1転写ロール、
37…第2転写ロール、
38…剥離ライナーロール、
39…圧接ローラ、
50…カッティングドラム(ハーフカット用)、
52…支持ドラム、
54…打ち抜かれた領域、
60…カッティングドラム(全カット用)、
62…支持ドラム、
12…プラスター剤、
14…膏体層、
16…支持体、
18…剥離ライナー、
22…プラスター剤テープ、
24…膏体基剤層、
26…支持体テープ、
28…剥離ライナーテープ、
32…支持体ロール、
33…基剤タンク、
34…膏体基剤、
35…第1転写ロール、
37…第2転写ロール、
38…剥離ライナーロール、
39…圧接ローラ、
50…カッティングドラム(ハーフカット用)、
52…支持ドラム、
54…打ち抜かれた領域、
60…カッティングドラム(全カット用)、
62…支持ドラム、
Claims (5)
- 薬効成分を含む膏体層と、この膏体層の一方の面上に被着された支持体と、前記膏体層の他方の面上に貼着された剥離ライナーとを備えた貼付剤であって、
前記支持体の単位面積当たりの重さとしての目付け量が、7~20g/m2の不織布であり、
前記膏体層の可塑剤として、流動パラフィンと、脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとが配合されていることを特徴とする貼付剤。 - 前記支持体が、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン及びこれらの複合材からなるスパンボンド不織布のみの単層体又はスパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織布の積層体の不織布であることを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
- 前記脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルが、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、又はラウリン酸ヘキシルから選ばれたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の貼付剤。
- 薬効成分が混練された膏体層と、この膏体層表面上に被着された支持体とを備えたプラスター剤と、このプラスター剤の膏体層に貼着される剥離ライナーとを備えた貼付剤の製造法であって、
剥離ライナーにホットメルト粘着剤に薬効成分を混練した膏体層を展延塗布した後に、支持体を膏体層に貼り合わせて積層体を得る積層体形成工程と、
得られた積層体から前記プラスター剤の中央部の領域を前記剥離ライナーを残して打ち抜くハーフカット工程と、
打ち抜かれたプラスター剤の中央部の領域を除去するハーフカット除去工程と、
ハーフカット除去工程後の積層体から、2つの略矩形状のプラスター剤が互いの短手辺同士を予め定められた距離だけ空けて向かい合う形状に、プラスター剤を剥離ライナーと共に切断する切断工程とを備え、
前記支持体の単位面積当たりの重さとしての目付け量が、7~20g/m2の不織布であり、
前記膏体層の可塑剤として、流動パラフィンと、脂肪酸エステル又はジカルボン酸エステルとが配合されていることを特徴とする貼付剤の製造法。 - 前記支持体が、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン及びこれらの複合材からなるスパンボンド不織布のみの単層体又はスパンボンド不織布-メルトブロー不織布-スパンボンド不織布の積層体の不織布であることを特徴とする請求項4に記載の貼付剤の製造法。
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