JP2022043674A - 包装済み葉野菜及びその製造方法並びに葉野菜の生産方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022043674000001
【課題】 葉野菜の日持ち向上である。具体的には、出荷後長期間にわたり、一般生菌数が特定の値を超えない葉野菜の提供である。
【解決手段】 本発明に係る包装済み葉野菜は、その包装時から96時間乃至168時間後の一般生菌数が、1.0E+06CFU/g以下である。本発明に係る包装済み葉野菜の製造方法を構成するのは、少なくとも、水耕栽培と包装である。水耕栽培において、葉野菜が水耕栽培される。水耕栽培の際の栽植空間の相対湿度は、95%未満である。包装において、水耕栽培された葉野菜が包装される。本発明に係る葉野菜の生産方法を構成するのは、少なくとも、水耕栽培である。水耕栽培において、葉野菜が水耕栽培される。水耕栽培の際の栽植空間の相対湿度は、95%未満である。
【選択図】図1

Description

本発明が関係するのは、包装済み葉野菜及びその製造方法並びに葉野菜の生産方法である。
近年、市場で求められている野菜の要件の1つは、調理の一部又は全部が既に施されていることである。具体的な調理を例示すると、洗浄、カット、加熱等である。各調理の中でも洗浄は、葉野菜においてその需要が高い。洗浄済みの葉野菜の需要が高い理由は、その工程の煩雑さである。つまり、葉野菜の洗浄には、ボウルやザルなどの調理器具が必要であることに加え、カット、水晒し、水切り等の複数の工程を行う必要がある。また、洗浄済みの葉野菜は、調理の手間を省くことが可能であるだけでなく、そのまま盛り付けるだけでサラダとして提供することも可能であり、時間のない現代社会において重宝されている。しかし、洗浄済みの葉野菜は、ダメージが生じて傷みやすくなり、日持ちしにくくなるという欠点がある。さらにそれは、ベビーリーフのような幼葉においては、より顕著である。
水耕栽培は、一般的な土耕での栽培に比べ、土壌由来の一般生菌数を低く抑えることが可能である。葉野菜を水耕栽培する方法は各種知られているが、水耕栽培において葉野菜の衛生度を向上させる方法は、限られたものしか知られていない。例えば、特許文献1が開示するのは、水耕栽培用プランターであり、その目的は、養液中の微細藻類の繁殖や、収穫物の日持ちの悪さの解決である。その方法は、吸収性の培地上に硬質材の上板を設置することである。特許文献2が開示するのは、水耕栽培方法であり、その目的は、収穫対象となる植物体に藻や細菌類が付着することの回避である。その方法は、植物を植えた吸水部材上部を乾燥させ、乾燥領域を形成させることである。
特開2016-127101号 特開2019-208439号
本発明が解決しようとする課題は、葉野菜の日持ち向上である。具体的には、出荷後長期間にわたり、一般生菌数が特定の値を超えない葉野菜の提供である。
<第1の観点>本願発明者が鋭意検討して見出したのは、水耕栽培された葉野菜に付着する水滴の一般生菌数が非常に高い値であることである。そのような観点から本発明を定義すると、以下のとおりである。
<包装済み葉野菜>本発明に係る包装済み葉野菜は、その包装時から96時間乃至168時間後の一般生菌数が、1.0E+06CFU/g以下である。
<第2の観点>本願発明者が鋭意検討して見出したのは、流通する葉野菜の一般生菌数を決める要素が栽植空間の相対湿度であることである。そのような観点から本発明を定義すると、以下のとおりである。
<包装済み葉野菜の製造方法>本発明に係る包装済み葉野菜の製造方法を構成するのは、少なくとも、水耕栽培と包装である。水耕栽培において、葉野菜が水耕栽培される。水耕栽培の際の栽植空間の相対湿度は、95%未満である。包装において、水耕栽培された葉野菜が包装される。
<葉野菜の生産方法>本発明に係る葉野菜の生産方法を構成するのは、少なくとも、水耕栽培である。水耕栽培において、葉野菜が水耕栽培される。水耕栽培の際の栽植空間の相対湿度は、95%未満である。
本発明が可能にするのは、葉野菜の日持ち向上である。すなわち、出荷後長期間にわたり、一般生菌数が特定の値を越えない葉野菜の提供である
本実施の形態に係る包装済み葉野菜の製造方法の流れ図 本実施の形態に係る葉野菜の生産方法の流れ図
<本発明に係る包装済み葉野菜>本発明に係る包装済み葉野菜(以下、「本葉野菜」という。)は、その包装時から96時間乃至168時間後の一般生菌数が、1.0E+06CFU/g以下である。好ましくは、製造から120時間乃至168時間後一般生菌数が、1.0E+06CFU/g以下である。より好ましくは、製造から144時間乃至168時間後の一般生菌数が、1.0E+06CFU/g以下である。本葉野菜を流通させる温度帯は、好ましくは、いわゆるチルド(冷蔵)帯である。チルド帯とは、流通温度帯であって、10℃以下の凍結しない温度帯である。好ましくは、-5℃から10℃であり、より好ましくは、0℃から10℃である。最も好ましくは、0℃から5℃である。本葉野菜は、包装済みの状態である。
<葉野菜>葉野菜は、食用可能なものであればよい。例示すると、アブラナ科、ヒユ科、キク科、セリ科、ユリ科、アカザ科の野菜等である。具体例としては、コマツナ、ミズナ、ルッコラ、タカナ、ターサイ、カラシナ、マスタードグリーン、レッドアジアンマスタード、ケール、ホワイトケール、レッドケール、パクチョイ、セルバチコ、キャベツ、レッドキャベツ、ブロッコリ、ホウレンソウ、ビート、デトロイト、フダンソウ、スイスチャード、レタス、サニーレタス、リーフレタス、カールレタス、コスレタス、レッドロメイン、グリーンロメイン、サラダナ、サンチュ、ロロロッサ、チコリ、エンダイブ、トレビス、ミツバ、パセリ、ニンジン、セロリ、チャービルなどである。
<ベビーリーフ>ベビーリーフとは、播種後10日から90日程度の葉野菜を意味する。本出願において、用語「ベビーリーフ」が使用される場合、ベビーリーフの種類の単複は、不問である。具体的には、以下のとおりである。ベビーリーフの種類は、1種類でもよい。ベビーリーフの種類は、複数種類がミックスされたものでもよい。ベビーリーフの大きさは、植物の種類により変わるため、不問である。食べやすさの観点から、好ましくは4cm以上15cm以下である。より好ましくは4cm以上12cm以下である。
<本葉野菜の製造方法>図1が示すのは、本実施の形態に係る包装済み葉野菜の製造方法(以下、「本製造方法」という。)の流れである。本製造方法を構成するのは、主に、播種(S11)、催芽(S12)、水耕栽培(S13)、収穫(S14)、選別(S15)及び包装(S16)である。
<播種(S11)>播種工程では、葉野菜の種子を播種する。播種する手段は、不問である。具体的な方法を例示すると、以下のとおりである。播種する場所は、培地である。培地は、植物の種子が発芽できるものである。例えば、ポリウレタン、ロックウール等である。好ましくは、そのまま水耕栽培できるものである。播種は、手作業で行ってもよい。播種は、機械で行ってもよい。種子は、必要に応じて公知の方法で殺菌される。殺菌の具体的な方法を例示すると、エタノール、次亜塩素酸、酸性電解水等の殺菌剤への浸漬である。殺菌剤の濃度や浸漬時間は、種子の殺菌が適切に行われるよう、適宜設定する。殺菌剤は、単体で使用してもよい。殺菌剤は、複数種類を組合せてもよい。
<催芽(S12)>催芽工程では、播種された種子を発芽させる。種子を発芽させる手段は、不問である。具体的な方法を例示すると、以下のとおりである。催芽を行う場所は、好ましくは、暗所である。催芽を行う場所の温度は、好ましくは、30℃以下である。催芽を行う場所の相対湿度は、好ましくは、90%以上である。また、催芽工程は、省略可能である。催芽工程が省略可能なのは、例えば、既に発芽済みの植物を使用する場合である。
<水耕栽培(S13)>水耕栽培工程では、葉野菜を水耕栽培する。水耕栽培とは、栽培対象の植物の根の一部又は全部を養液に浸水させた状態で行う栽培形態を指す。水耕栽培を行う場所は、好ましくは、閉鎖型植物工場である。水耕栽培を行う手段は、不問である。具体例を挙げると、以下のとおりである。水耕栽培の期間は、水耕栽培する植物種により異なる。例示すると、ベビーリーフを水耕栽培する場合は、好ましくは、5日から20日である。水耕栽培に用いる養液は、少なくとも、植物が生育するために必要な養分を含む。養液が含む成分を例示すると、窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、鉄等である。養液は、必要に応じて循環させてもよい。養液を循環させる場合、養液を殺菌又は除菌することが好ましい。養液を殺菌又は除菌する方法を例示すると、オゾン処理、UV照射、光触媒処理、熱処理、膜等によるろ過処理等である。水耕栽培に用いる光源は、少なくとも、植物の生育に必要な波長を含む。光源を例示すると、蛍光ランプ(FL),メタルハライドランプ(MHL),高圧ナトリウムランプ(HPSL),発光ダイオード(LED)等である。光源のPPFD(光合成有効放射束密度)は、好ましくは、150μmol/m2s以上200μmol/m2s以下である。水耕栽培を行う水槽の形状や構造は、不問である。
水耕栽培の際の栽植空間の相対湿度は、95%未満である。栽植空間については、後述する。栽植空間の相対湿度を95%未満にする目的は、葉野菜の日持ち向上である。栽植空間の相対湿度を95%未満にする手段は、不問である。具体例を挙げると、除湿、送風、乾燥等である。除湿の具体例を挙げると、除湿機、除湿剤等である。送風の具体例を挙げると、送風機、扇風機、ファン、サーキュレーター等である。乾燥の具体例を挙げると、乾燥機、乾燥剤等である。また、上記以外の具体例を挙げると、培地上に隔離板を設ける、栽植密度(単位面積あたりの植物体の数)を低くする等である。
<閉鎖型植物工場>本願において閉鎖型植物工場とは、太陽光が遮断されかつ植物を栽培する機能を有する部屋を含む施設を指す。好ましくは、閉鎖型植物工場が含む部屋は、温度、湿度、ガス組成等が調節可能である。
<水耕栽培を行う場所の清浄度>水耕栽培を行う場所の清浄度クラスは、好ましくは、クラス6以上クラス8以下である。清浄度クラスは、日本工業規格(JIS B9920)で定められている。清浄度クラスがクラス9以上の場合、水耕栽培後の葉野菜の一般生菌数が、1.0E+06CFU/gを超える可能性がある。清浄度クラスがクラス5以下の場合、清浄度クラスの維持に必要なコストが膨大なものとなってしまう。
<水耕栽培を行う場所の気温>水耕栽培を行う場所の気温は、好ましくは、30℃以下である。より好ましくは、25℃以下である。水耕栽培を行う場所の気温が30℃を超えると、水耕栽培後の葉野菜の一般生菌数が、1.0E+06CFU/gを超える可能性がある。
<栽植空間>本願において栽植空間とは、植えられた葉野菜が存在する空間のうち、収穫される葉野菜が存在する空間を指す。例えば、収穫工程における葉野菜の刈取り位置が培地表面から2cm上部である場合、植えられた葉野菜が存在する空間であって、培地表面から2cm上部の空間が、栽植空間である。栽植空間の相対湿度は、95%未満である。好ましくは、94%未満である。より好ましくは、93%未満である。さらに好ましくは、92%未満である。最も好ましくは、91%未満である。
<収穫(S14)>収穫工程では、水耕栽培された葉野菜を収穫する。葉野菜を収穫する手段は、不問である。具体例を挙げると、手収穫、機械収穫、手収穫と機械収穫の組合せ等である。
<選別(S15)>選別工程では、収穫された葉野菜を選別する。選別は、必要に応じて行われる。葉野菜の種類によっては、選別は、省略可能である。葉野菜がベビーリーフの場合、選別を行うことが望ましい。葉野菜を選別する基準は、葉野菜が傷んでいるか否かである。傷んでいるとは、葉野菜の葉及び/又は葉柄が折れている、欠けている、切れている、葉の内部の組織構造が損傷している、及び枯れ等により変色している、のうち、少なくとも何れか一つの状態であることである。葉の内部の組織構造(例えば、葉の貯水細胞など)が損傷すると、葉の水分が滲み出る。葉の水分が滲み出ると、葉の損傷部が濃緑色になる。さらに、選別工程では、異物(虫等)や規格外品(子葉等)を除くこともある。葉野菜を選別する手段は、不問である。具体例を挙げると、手選別、機械選別、手選別と機械選別の組合せ等である。
<包装(S16)>包装工程では、葉野菜を包装する。それにより得られるのは、包装済み葉野菜である。葉野菜を包装する包材は、不問である。具体例を挙げると、以下のとおりである。包材の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン等である。包材の材質は、複数を混合したもの及び/又は重ね合わせたもの等でもよい。包材の形態は、袋、トレー、カップ等である。包装は、窒素ガス等の不活性ガスと供に行ってもよい。
<本実施の形態に係る葉野菜の生産方法>図2が示すのは、本実施の形態に係る葉野菜の生産方法(以下、「本生産方法」という。)の流れである。本生産方法を構成するのは、主に、播種(S21)、催芽(S22)、水耕栽培(S23)及び収穫(S24)である。播種(S21)、催芽(S22)、水耕栽培(S23)及び収穫(S24)は、本製造方法の播種(S11)、催芽(S12)、水耕栽培(S13)、収穫(S14)に準ずる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<葉野菜に付着する水滴と一般生菌数の関係>閉鎖型植物工場(清浄度クラス8)で、葉野菜(ベビーリーフ)の水耕栽培を行った。水耕栽培を行う過程で、一部の葉野菜において、水滴の付着が確認された。水滴が付着した葉野菜及び水滴が付着していない葉野菜において、一般生菌数を測定した。さらに、葉野菜に付着した水滴のみを採取し、同様に一般生菌数を測定した。
<一般生菌数の測定>本測定で採用した一般生菌数の測定方法は、食品衛生検査指針(社団法人日本食品衛生協会、2004年)に準拠した標準寒天培地を用いた混釈法である。
Figure 2022043674000002
表1が示すのは、水滴が付着した葉野菜及び水滴が付着していない葉野菜並びに葉野菜に付着した水滴の一般生菌数である。この結果によれば、葉野菜に付着した水滴の一般生菌数が最も高い。また、水滴が付着した葉野菜は、水滴が付着していない葉野菜に比べ、一般生菌数が高くなる。以上のことから推察されるのは、葉野菜の水耕栽培を行う際に、葉野菜に付着する水滴が、葉野菜の一般生菌数を高めていることである。すなわち、当該水滴の発生を抑制することで、葉野菜の一般生菌数を低くすることが可能である。葉野菜に水滴が付着する理由は、推察ではあるが、結露及び/又は溢泌である。ただし、作用機序は、これに限定されるものでない。
<相対湿度と一般生菌数との関係>閉鎖型植物工場(清浄度クラス8)で、葉野菜(ベビーリーフ)の水耕栽培を行った。水耕栽培期間中の相対湿度と葉野菜の一般生菌数との関係を確認した。水耕栽培は、以下の方法で行った。コマツナの種子を培地(幅27.5cm、奥行56.8cm、高さ0.8cm、ポリウレタン製)の上に播種した。種子を播種した培地を、育苗箱(幅29.8cm、奥行59.7cm、高さ2.8cm、ポリプロピレン製)に入れた。水槽(幅69.1cm、奥行20.0cm、高さ6cm、FRP製)1つあたりに6つの育苗箱を並べた。水槽内に養液を循環させて、10日間水耕栽培を行った。これを対照区とした。
<試験区1>試験区1では、水槽1つあたり10個のファン(ELUTENG社製)を設置した。試験区1は、栽植空間に風(風量25CFM)をあてながら水耕栽培を行う以外は、対照区と同様の方法で栽培を行った。
<試験区2>試験区2では、水槽1つあたり4個のファン(同上)を設置した。試験区2は、栽植空間に風(風量25CFM)をあてながら水耕栽培を行う以外は、対照区と同様の方法で栽培を行った。
<試験区3>試験区3では、培地表面から2cm上部の位置に、穴のあいた隔離板(幅59.6cm、奥行89.1cm、高さ0.2cm、ポリ塩化ビニル製)を設けた。隔離板が有する穴は、直径1cmで、隔離板1枚あたりに1,500個あいているものとした。隔離板は、育苗箱3つあたりに1枚設けた。試験区3は、隔離板を設ける以外は、対照区と同様の方法で栽培を行った。
<一般生菌数の測定>一般生菌数の測定は、前述と同様の方法で行った。
<相対湿度の測定>水耕栽培期間中、相対湿度を測定した。本測定で採用した相対湿度の測定方法は、温湿度データロガーRX-350TH又は温湿度データロガーRX-350THP(アズワン株式会社製)である。相対湿度の測定場所は、育苗箱を上部から見た際に対角線が交わる場所であって、培地表面から約2cm上部とした。ただし、隔離板を設けた区分においては、隔離板の上部とした。測定は、1時間ごとに行った。
Figure 2022043674000003
表2が示すのは、各試験区の葉野菜の一般生菌数(対数)及び水耕栽培期間中の最高相対湿度(%)である。この結果によれば、最高相対湿度が高いと、一般生菌数も高い。すなわち、水耕栽培期間中の相対湿度を低くすることで、葉野菜の一般生菌数を低くすることが可能である。
<保管期間中の一般生菌数の挙動>閉鎖型植物工場(清浄度クラス8)で、葉野菜(ベビーリーフ)の水耕栽培を行った。葉野菜を収穫した後、ポリプロピレン防曇の包材に包装した。包装後、10℃の保管庫で7日間保管し、保管期間中の一般生菌数の挙動を確認した。
<試験区4>試験区4では、試験区1と同様の方法で水耕栽培を行った。試験区4は、5回の反復試験を行った。(試験区4-1乃至4-5)
<試験区5>試験区5では、水槽1つあたり4個のファン(同上)を設置し、培地表面から2cm上部の位置に、穴のあいた隔離板(同上)を設けた。試験区5は、栽植空間に風(風速25CFM)をあて、かつ、隔離板を設ける以外は、対照区と同様の方法で栽培を行った。試験区5は、5回の反復試験を行った。(試験区5-1乃至5-5)
<一般生菌数の測定>一般生菌数の測定は、前述と同様の方法で行った。
<相対湿度の測定>相対湿度の測定は、前述と同様の方法で行った。
Figure 2022043674000004
表3が示すのは、各試験区の包装直後、保管後4日目及び保管後7日目の一般生菌数(対数)並びに水耕栽培期間中の最高相対湿度(%)である。この結果によれば、最高相対湿度が96%以上の試験区(試験区5-1、5-2及び5-3)では、保管後7日目の一般生菌数(対数)が6を超えている。また、最高相対湿度が95%未満の試験区では、保管後7日目の一般生菌数(対数)が6未満である。すなわち、水耕栽培期間中の相対湿度を95%未満とすることで、保管後7日間経過しても、一般生菌数(対数)を6未満とすることが可能である。
<コマツナ以外の品種における一般生菌数の挙動>閉鎖型植物工場(清浄度クラス8)で、葉野菜(ベビーリーフ)の水耕栽培を行った。葉野菜を収穫した後、ポリプロピレン防曇の包材に包装した。包装後、10℃の保管庫で7日間保管し、保管後の一般生菌数を確認した。
<試験区6>試験区6では、ルッコラの種子を播種する以外は、試験区1と同様の方法で水耕栽培を行った。保管後の一般生菌数(対数)は、3.10であった。水耕栽培期間中の最高相対湿度は、84.0%であった。
<試験区7>試験区7では、ホウレンソウの種子を播種する以外は、試験区1と同様の方法で水耕栽培を行った。保管後の一般生菌数(対数)は、4.09であった。水耕栽培期間中の最高相対湿度は、91.4%であった。
以上のことから、水耕栽培期間中の相対湿度を95%以下とすることで、葉野菜の種類に関係なく、保管後7日間経過しても、一般生菌数(対数)を6未満とすることが可能である。
本発明が有用な分野は、野菜の製造、販売である。

Claims (13)

  1. 包装済み葉野菜であって、
    その包装時から96時間乃至168時間後の一般生菌数は、1.0E+06CFU/g以下である。
  2. 請求項1の葉野菜であって、
    その流通温度帯は、チルド帯である。
  3. 請求項1又は2の葉野菜であって、
    前記葉野菜は、ベビーリーフである。
  4. 包装済み葉野菜の製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、次の工程である:
    水耕栽培:ここで水耕栽培されるのは、葉野菜であり、その際の栽植空間の相対湿度は、95%未満であり、
    包装:ここで包装されるのは、水耕栽培された葉野菜である。
  5. 請求項4の製造方法であって、
    前記水耕栽培を行う場所は、閉鎖型植物工場である。
  6. 請求項4又は5の製造方法であって、
    前記水耕栽培を行う場所の清浄度クラスは、クラス6以上クラス8以下である。
  7. 請求項4乃至6の何れかの製造方法であって、
    前記水耕栽培を行う場所の気温は、30℃以下である。
  8. 請求項4乃至7の何れかの製造方法であって、
    前記葉野菜は、ベビーリーフである。
  9. 葉野菜の生産方法であって、それを構成するのは、少なくとも、次の工程である:
    水耕栽培:ここで水耕栽培されるのは、葉野菜であり、その際の栽植空間の相対湿度は、95%未満である。
  10. 請求項9の生産方法であって、
    前記水耕栽培を行う場所は、閉鎖型植物工場である。
  11. 請求項9又は10の生産方法であって、
    前記水耕栽培を行う場所の清浄度クラスは、クラス6以上クラス8以下である。
  12. 請求項9乃至11の何れかの生産方法であって、
    前記水耕栽培を行う場所の気温は、30℃以下である。
  13. 請求項9乃至12の何れかの生産方法であって、
    前記葉野菜は、ベビーリーフである。

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