JP2022043082A - インクレチン類似体およびその使用 - Google Patents

インクレチン類似体およびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2022043082A
JP2022043082A JP2021195036A JP2021195036A JP2022043082A JP 2022043082 A JP2022043082 A JP 2022043082A JP 2021195036 A JP2021195036 A JP 2021195036A JP 2021195036 A JP2021195036 A JP 2021195036A JP 2022043082 A JP2022043082 A JP 2022043082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
incretin
analog according
incretin analog
amino acid
ethoxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2021195036A
Other languages
English (en)
Inventor
アルシナ-フェルナンデス,ジョージ
Alsina-Fernandez Jorge
コスクン,テイマー
Coskun Tamer
グォ,リリ
Lili Guo
ク,ホンチャン
Hongchang Qu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eli Lilly and Co
Original Assignee
Eli Lilly and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eli Lilly and Co filed Critical Eli Lilly and Co
Publication of JP2022043082A publication Critical patent/JP2022043082A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/575Hormones
    • C07K14/605Glucagons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/22Hormones
    • A61K38/26Glucagons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/16Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for liver or gallbladder disorders, e.g. hepatoprotective agents, cholagogues, litholytics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/04Anorexiants; Antiobesity agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/06Antihyperlipidemics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • A61P3/10Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Child & Adolescent Psychology (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Details Of Garments (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、GIP、GLP-1およびグルカゴン受容体のそれぞれで活性をもつインクレチン類似体を提供する。【解決手段】以下の式:YX2X3GTX6TSDYSIX13LDKX17AQX20AFIEYLLEGGPSSGAPPPS(式中、X2はAibであり、X3はQまたはHであり、X6はαMeFまたはαMeF(2F)であり、X13はLまたはαMeLであり、X17は結合に使用できる官能基をもった任意のアミノ酸であり、および前記官能基はC16-C22脂肪酸に結合し、X20はAib、QまたはHであり、C末端アミノ酸は場合によってはアミド化される)を含むインクレチン類似体またはその医薬的に許容可能な塩を提供する。【選択図】なし

Description

本開示は、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド(GIP)、グルカゴン様
ペプチド-1(GLP-1)およびグルカゴン受容体のそれぞれで活性をもつインクレチ
ン類似体に関する。本明細書に記載したインクレチン類似体は、これらの各受容体で平均
した活性を供給し、および持続性作用をもつ構造的特徴を有し得る。そのようなインクレ
チン類似体は、2型糖尿病(T2DM)、脂質異常症、メタボリック症候群、非アルコー
ル性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および/または
肥満のような障害の治療に有用であり得る。
過去数十年間にわたって糖尿病の有病率は上昇し続けている。T2DMは、全糖尿病の
約90%に相当する糖尿病の最も一般的な形態である。T2DMは、インスリン抵抗性に
起因する高血糖値によって特徴付けられる。現状のT2DMの標準治療としては、食事と
運動、ならびに経口薬およびGLP-1受容体アゴニストのようなインクレチンベースの
治療を含む注射用血糖降下薬による治療が挙げられる。
GLP-1は36-アミノ酸ペプチドであり、その主要な生理活性を有する断片は、グ
ルコース依存性インスリン分泌を刺激し、および糖尿病患者における高血糖を予防する3
0-アミノ酸、C-末端アミド化ペプチド(GLP-17-36;配列番号2)として作
られる。現在、デュラグルチド、エキセナチドおよびリラグルチドを含む様々なGLP-
1類似体がT2DMの治療に使用できる。しかしながら、現在市販されている多くのGL
P-1受容体アゴニストは、嘔気嘔吐などの胃腸の副作用によって用量が制限されている
。経口薬およびインクレチンベース療法による治療が不十分な場合にインスリンによる治
療が考慮される。利用可能な治療選択肢にかかわらず、承認された治療を受ける有意な個
体数が糖コントロール目標に達していない(例えば、Casagrandeら(2013
)Diabetes Care 36:2271-2279を参照)。
非管理下の糖尿病は、そのような個体の疾病率および死亡率に影響を及ぼす1つ以上の
状態をもたらし得る。T2DMの主なリスク因子の1つは肥満であり、T2DMをもつ大
部分の個体(約90%)が肥満気味か肥満である。体脂肪の減少は高血糖および心血管系
イベントを含む肥満関連合併症の改善をもたらすことは裏付けのある事実である。したが
って、グルコース調節および減量に有効な治療は、より良い疾病管理に必要である。
それらを考慮して、研究されている新しい治療には、GLP-1受容体での活性だけで
なく、GIPおよび/またはグルカゴン受容体などの1つ以上の他の受容体でも活性をも
つ化合物が含まれる。事実、特定の化合物は、三重アゴニスト活性(すなわち、グルカゴ
ン、GLP-1およびGIP受容体のそれぞれで活性)をもつと記載されている。例えば
、国際特許出願公開番号WO2015/067716は、三重アゴニスト活性を有するグ
ルカゴン類似体を記載する。同様に、国際特許出願番号WO2016/198624は、
三重アゴニスト活性を有している、それ自体がGLP-1類似体であるエクセンディン-
4の類似体を記載する。同様に、国際特許出願番号WO2014/049610およびW
O2017/116204は、それぞれ三重アゴニスト活性をもつ様々な類似体を記載す
る。さらに、国際特許出願番号WO2017/153375は、GIP活性も有ると表明
しているグルカゴンおよびGLP-1のコアゴニストを記載する。
それにもかかわらず、減量の利点と良好な副作用プロファイルを伴う効果的なグルコー
ス調節を供給できる、特にT2DMの治療法の必要性は依然として存在する。1日1回、
週3回、週2回または週1回ほどの低い頻度で投与することを許容するために十分な作用
延長期間での使用に利用できる治療薬も必要である。
本明細書に記載したインクレチン類似体は上記の必要性を満たすことを目指す。したが
って、本開示はGIP、GLP-1およびグルカゴン受容体のそれぞれで活性をもったイ
ンクレチン類似体を記載する。有利には、本明細書に記載したインクレチン類似体は、各
受容体で有意な活性を供給する用量の投与を考慮した平均した活性を有し、過剰な活性と
関連する望ましくない副作用を回避しながら受容体作動性の利点を提供する。さらに、本
明細書に記載したインクレチン類似体は、1日1回、週3回、週2回または週1回ほどの
低い頻度で投与することを許容するGIP、GLP-1およびグルカゴン受容体のそれぞ
れで作用延長期間を有する。このように、インクレチン類似体は強化されたグルコース調
節、体重低下および/または改善された身体組成などの代謝的利点、プロタンパク転換酵
素サブチリシン/ケキシンタイプ9(PCSK9)の低下などの脂質利点、および/また
は骨量もしくは骨形成の増加または骨吸収の減少などの他の利点をもたらす。本開示はま
た、肥満、NAFLD、NASH、脂質異常症、および/または代謝障害を含む他の障害
または状態のための有効な治療法を記載する。
一実施形態において、式:YXGTXTSDYSIX13LDKX17AQX
20AFIEYLLEGGPSSGAPPPS[式中、XはAibであり、XはQま
たはHであり、XはαMeFまたはαMeF(2F)であり、X13はLまたはαMe
Lであり、X17は結合に使用できる官能基をもった任意のアミノ酸であり、この場合、
官能基はC16-C22脂肪酸に結合し、X20はAib、QまたはH(配列番号5)で
あり、およびC末端アミノ酸が場合によってアミド化されている]を含むインクレチン類
似体、またはその医薬的に許容可能な塩が提供される。
別の実施形態では、脂質異常症、脂肪肝疾患、メタボリック症候群、NASH、肥満お
よびT2DMなどの病気を治療する方法を提供する。そのような方法は、本明細書に記載
した有効量のインクレチン類似体を、それを必要とする個体に投与する少なくとも1工程
を含む場合がある。いくつかの例では、病気は脂肪肝疾患、肥満、NASHまたはT2D
Mである。
別の実施形態では、本明細書に記載したインクレチン類似体は治療用に提供される。例
えば、本明細書に記載したインクレチン類似体は、脂質異常症、脂肪肝疾患、メタボリッ
ク症候群、NASH、肥満およびT2DMなどの病気の治療で使用するために提供される
。いくつかの例では、病気は脂肪肝疾患、肥満、NASHまたはT2DMである。
別の実施形態では、本明細書に記載したインクレチン類似体は、脂質異常症、脂肪肝疾
患、メタボリック症候群、NASH、肥満およびT2DMの治療薬の製造用に提供される
。いくつかの例では、病気は脂肪肝疾患、肥満、NASHまたはT2DMである。
別の実施形態では、本明細書に記載したインクレチン類似体および医薬的に許容可能な
担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
特に断りがない限り、本明細書で使用される技術および科学用語の全ては、本開示が属
する当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載したも
のと類似または均等なあらゆる方法および材料は、インクレチン類似体、医薬組成物、お
よび方法の実施または試験で使用し得るが、好ましい方法および材料は本明細書に記載さ
れる。
さらに、不定冠詞「a」または「an」による要素への言及は、文脈が明らかに唯一の
要素であることが必要であることを明確にしない限り、1以上の要素が存在する可能性は
排除されない。したがって、不定冠詞「a」または「an」は「少なくとも1つ」を意味
する。
GIPは、42-アミノ酸ペプチド(配列番号4)であり、かつインクレチンであり、
グルコース存在下で膵臓ベータ細胞からインスリン分泌を刺激することによってグルコー
ス恒常性に生理的役割を果たす。
GLP-1は、36-アミノ酸ペプチド(配列番号2)であり、かつインクレチンでも
あり、グルコース依存性インスリン分泌を刺激し、糖尿病患者における高血糖を予防する
ことが示されている。
グルカゴンは、肝細胞上のグルカゴン受容体に結合し、そしてグルカゴン受容体を活性
化することにより、グリコゲノリシスと称されているプロセスを介して、肝臓にグリコー
ゲンの形態に貯蔵されたグルコースを放出させて血糖を維持するのに役立つ29-アミノ
酸ペプチド(配列番号1)である。
オキシントモジュリン(OXM)は、29-アミノ酸配列のグルカゴンだけでなく、グ
ルカゴンおよびGLP-1受容体の両方を活性化するオクタペプチドカルボキシ末端延長
(配列番号3)も含む37-アミノ酸ペプチドであり、GLP-1受容体と比較してグル
カゴン受容体に対する効力が僅かに大きい。
T2DMに加えて、GIP、GLP-1および/またはグルカゴン受容体の1つ以上で
活性をもつインクレチンおよびその類似体は、例えば、肥満、NAFLDおよびNASH
、脂質異常症、メタボリック症候群、骨関連障害、アルツハイマー病およびパーキンソン
病を含む多数の他の状態、疾患または障害に治癒的価値の潜在性を有していると記載され
ている。例えば、Jallら(2017)Mol.Metab.6:440-446;C
arboneら(2016)J.Gastroenterol.Hepatol.31:
23-31;Finanら(2016)Trends Mol.Med.22:359-
376;Choiら(2017)Potent body wheight loss
and efficacy in a NASH animal model by a
novel long-acting GLP-1/Glucagon/GIP tr
iple-agonist(HM15211)、ADA Poster 1139-P;
Ding(2008)J.Bone Miner.Res.23:536-543;Ta
iら(2018)Brain Res.1678:64-74;Mullerら(201
7)Physiol.Rev.97:721-766;Finanら(2013)Sci
.Transl.Med.5:209、Holscher(2014)Biochem.
Soc.Trans.42:593-600を参照されたい。
本明細書で使用するとき、「約」は、例えば、規定した濃度、長さ、分子量、pH、配
列同一性、期間、温度または体積などの1つもしくは複数の値の統計的に有意な範囲内を
意味する。そのような1つの値または範囲は、典型的には20%以内、より典型的には1
0%以内、およびさらに典型的には5%以内の桁内にあり得る。「約」によって包含され
る許容偏差は、研究下の特定の系に依存するであろうし、および当業者によって容易に理
解され得る。
本明細書で使用するとき、およびGIP、GLP-1またはグルカゴン受容体の1つ以
上に関して、「活性」、「活性化する」、「活性化している」などは、本明細書に記載し
たインクレチン類似体のような化合物が受容体に結合し、受容体で応答を誘導する能力を
意味し、これは下記のインビトロアッセイなどの当該技術分野で公知のアッセイを用いて
測定される。
本明細書で使用するとき、「結合に利用できる官能基をもったアミノ酸」は、例えばリ
ンカーの手段によって脂肪酸に結合し得る官能基をもった任意の天然または非天然アミノ
酸を意味する。そのような官能基の例としては、これらに限定されないが、アルキニル、
アルケニル、アミノ、アジド、ブロモ、カルボキシル、クロロ、ヨードおよびチオール基
が挙げられる。そのような官能基を含む天然アミノ酸の例は、K(アミノ)、C(チオー
ル)、E(カルボキシル)およびD(カルボキシル)を含む。
本明細書で使用するとき、「C16-C22脂肪酸」は、16~22の炭素原子をもつ
カルボン酸を意味する。本明細書に記載した使用に好適なC16-C22脂肪酸は飽和一
酸または飽和二酸であり得る。本明細書で使用するとき、「飽和」は、脂肪酸が炭素-炭
素二重結合または三重結合を含まないことを意味する。
本明細書で使用するとき、「有効量」は、本明細書に記載の1以上のインクレチン類似
体またはその医薬的に許容可能な塩を必要とする個体に単回または反復投与すると、例え
ば診断または治療下の個体に所望の効果を提供する、その量、濃度または用量を意味する
。有効量は、当業者が公知技術を使用することにより、および類似環境で得られた結果を
観察することにより容易に決定することができる。個体の有効量の決定において、哺乳動
物の種;そのサイズ、年齢および一般的な健康状態;発症している具体的な疾患または障
害;疾患または障害の程度もしくは病変もしくは重症度;個々の患者の応答;投与された
特定のインクレチン類似体;投与方法;投与した製剤の生体内利用特性;選択した用法;
併用薬の使用およびその他の関連環境を含む、これらに限定されない多くの因子が考慮さ
れる。
本明細書で使用するとき、「作用延長期間」は、インクレチン類似体の結合親和性およ
び活性が天然のヒトGIP、GLP-1およびグルカゴンペプチドより長期間続くことを
意味し、少なくとも1日1回、またはさらに週3回、週2回もしくは週1回ほどの低い頻
度で投与することを許容する。インクレチン類似体の時間作用プロファイルは、公知の薬
物動態試験法、例えば以下の例で利用した試験法を用いて測定し得る。
本明細書で使用するとき、「インクレチン類似体」は、個々のGIP、GLP-1およ
びグルカゴン、特にヒトGIP(配列番号4)、GLP-1(配列番号2)およびグルカ
ゴン(配列番号1)と構造類似性を有するが複数の差異を有する化合物を意味する。本明
細書に記載したインクレチン類似体は、GIP、GLP-1およびグルカゴン受容体のそ
れぞれで親和性と活性(すなわち、三重アゴニスト活性)を有する化合物が得られるアミ
ノ酸配列を含む。
本明細書で使用するとき、「それを必要とする個体」は、例えば、本明細書に掲げたも
のを含む処置または治療を必要とする状態、疾患、障害を有するヒトなどの哺乳類を意味
する。
本明細書で使用するとき、「治療する」、「治療している」「治療するため」などは、
状態、疾患、障害または兆候の進行または重度を制限、遅延、停止または逆転させること
を意味する。
本明細書で使用するとき、およびインクレチン類似体に関して、「三重アゴニスト活性
」は、GIP、GLP-1およびグルカゴン受容体のそれぞれで活性をもつインクレチン
類似体、特に、各受容体において平均した有意な活性を有し、過剰な活性と関連する望ま
しくない副作用を回避しながらその受容体の作動の利点を供給する類似体を意味する。さ
らに、三重アゴニスト活性をもつインクレチン類似体はGIP、GLP-1およびグルカ
ゴン受容体のそれぞれで長時間作用が持続し、これは、有利には1日1回、週3回、週2
回または週1回ほどの低い頻度で投与することを可能にする。
本明細書で使用するとき、「治療する」、「治療するため」などは、状態、疾患、障害
または兆候の進行または重度を制限、遅延、停止または逆進させることを意味する。
本明細書で使用するとき、およびインクレチン類似体に関して、「三重アゴニスト活性
」は、グルカゴン、GIPおよびGLP-1受容体のそれぞれで活性をもったインクレチ
ン類似体、特に、各受容体において平均した有意な活性をもち、過剰な活性と関連する望
ましくない副作用を回避しながら受容体のアゴニストの利点を提供する類似体を意味する
。さらに、三重アゴニスト活性をもつインクレチン類似体は、グルカゴン、GIPおよび
GLP-1受容体のそれぞれで作用延長期間を有し、これは、1日1回、週3回、週2回
または週1回ほどの低い頻度で投与することを許容する。
本明細書に記載したインクレチン類似体の構造的特徴は、GIP、GLP-1およびグ
ルカゴン受容体のそれぞれで有意な活性を有し、各受容体において好ましい活性効果(す
なわち、三重アゴニスト活性)を与えるが、3つ全ての受容体に活性をもたらす有意な用
量で投与する場合、2つの受容体のどちらかの活性を圧倒し、または望ましくない副作用
をもたらすほど任意の1つの受容体に過剰な活性を生じない類似体が得られる。特定の実
施形態における、および配列番号5に関して、そのような構造的特徴の非限定的な例とし
ては、最適なグルカゴン活性に寄与することが分った6位のαMeFまたはαMeF(2
F)、最適なグルカゴンおよびGIP活性に寄与することが分った13位のLまたはαM
eL;最適なGIP活性に寄与することが分った20位のAib;最適なグルカゴン活性
に寄与することが分った17位のアシル化;ならびに最適なグルカゴンおよび/またはG
IP活性に寄与することが分った25位のYが挙げられる。そのような構造的特徴の他の
例としては、3つ全ての受容体における最適結合および効力に寄与することが分った22
、24および28-39位の本明細書に記載したアミノ酸が挙げられる。
本明細書に記載したインクレチン類似体の構造的特徴はまた、水溶液中の類似体の溶解
性の改良、物理化学的な製剤安定性の改良、薬物動態プロファイルの拡張、および免疫原
性の潜在力の最小化を含む、治療法としての発展性と関連する他の多くの利益的属性をも
つ類似体をもたらす。そのような属性をもたらす特定の構造的特徴の非限定的な例として
は、最適な薬物動態(PK)プロファイルおよび発展性に寄与するC20脂肪酸をもつ1
7位のアシル化;最適PKプロファイルおよび発展性に寄与する20位のAibまたはH
;および最適PK、免疫原性、発展性および安定性に寄与する22、24および28-3
9位の本明細書に記載したアミノ酸が挙げられる。
前述の構造的特徴リストは例示的であって包括的ではないこと、および本明細書に記載
した例示的類似体の利益的特徴の組み合わせは、単独では少しの改良結果もないが、本明
細書に記載した構造的特徴の新規な組み合わせによって達成されることに注目する必要が
ある。加えて、前述の改良リストの上述の効果は排他的ではなく、これらの修飾の多くが
下記のように、本明細書に記載した化合物の特性に重要な他の効果も有している。
本明細書に記載したインクレチン類似体のアミノ酸配列は、標準の1文字コードを用い
て本明細書で一般的に示した天然アミノ酸(例えば、L=ロイシン)、ならびに天然アミ
ノ酸のα-メチル置換残基(例えば、α-メチルロイシン(αMeL)、α-メチルリシ
ン(αMeK)、α-メチルフェニルアラニン(αMeF)、およびα-メチル2-フル
オロフェニルアラニン(αMeF(2F))、および特定の他の非天然アミノ酸、例えば
α-アミノイソ酪酸(Aib)を組み込んでいる。これらのアミノ酸の構造は以下に示す

Figure 2022043082000001
上記したように、本明細書に記載したインクレチン類似体は天然ヒトペプチドの一部と
構造類似性をもつが、多くの構造的差異がある。例えば、天然のヒトGIP(配列番号4
)と比較すると、本明細書に記載したインクレチン類似体は2、3、6、7、13、14
、17、18~21、23~25、28~29および30~42位の1つ以上で修飾を含
む。いくつかの例では、本明細書に記載したインクレチン類似体は、2、3、6、7、1
3、14、17、18、21、23~25、29および30~42各位に天然のヒトGI
P(配列番号4)アミノ酸について修飾を含む。特定の例では、本明細書に記載したイン
クレチン類似体は次のアミノ酸修飾:すなわち、2位のAib;3位のQまたはH、6位
のαMeFまたはαMeF(2F)、7位のT;13位のLまたはαMeL;14位のL
;C16~C22脂肪酸をもつK側鎖のε-アミノ基への共役を介して、場合によっては
リンカーの使用を介して修飾される17位の修飾K残渣;18位のA;19位のQ;20
位のQまたはH;21位のA;23位のI;24位のE;25位のY;28位のE;29
位のG;および30-42位アミノ酸の次のアミノ酸配列:GPSSGAPPPS(配列
番号12)(およびテールの切端類似体)による置換を含む。さらに他の例では、本明細
書に記載したインクレチン類似体はアミド化されている。本明細書に記載した修飾に加え
て、本明細書に記載のインクレチン類似体は、1つ以上の付加的なアミノ酸修飾を含んで
もよく、但し、類似体は尚、GIP、GLP-1およびグルカゴン受容体の個々に結合し
、活性化することができる。
上記したように、本明細書に記載したインクレチン類似体は、例えば、共役に使用でき
る官能基をもった天然もしくは非天然アミノ酸にリンカーの方法で結合させた脂肪酸部分
を含む。そのような結合は、時々アシル化と呼ばれる。特定の例では、共役に使用できる
官能基をもったアミノ酸は、K、C、EおよびDであり得る。特定の例では、共役に使用
できる官能基をもったアミノ酸はKであり、この場合、共役はK側鎖のε-アミノ基に対
する。
本明細書に記載したインクレチン類似体のアシル化は、この構造の一体性のために最適
な位置であると決定された配列番号5の17位である。脂肪酸および特定の実施形態にお
いてはリンカーが、アルブミン結合剤として作用し、持続時間の長い化合物を作るための
可能性を提供する。
本明細書に記載したインクレチン類似体は、直接結合またはリンカーのいずれかによっ
てアミノ酸の官能基に化学的に結合するC16~C22脂肪酸を利用する。脂肪酸の長さ
と組成は、インクレチン類似体の半減期、インビボ動物モデルでの効力、およびその溶解
性と安定性に影響を及ぼす。C16~C22飽和脂肪一酸または二酸への共役は、所望の
半減期、インビボ動物モデルでの所望の効力および所望の溶解と安定特性を示すインクレ
チン類似体をもたらす。
本明細書に記載した使用のための飽和C16~C22脂肪酸の例としては、その分岐お
よび置換誘導体を含むパルミチン酸(ヘキサデカン酸)(C16一酸)、ヘキサデカン二
酸(C16二酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)(C17一酸)、ヘプタデカン二酸
(C17二酸)、ステアリン酸(C18一酸)、オクタデカン二酸(C18二酸)、ノナ
デシル酸(ノナデカン酸)(C19一酸)、ノナデカン二酸(C19二酸)、アラキジン
酸(エイコサン酸)(C20一酸)、エイコサン二酸(C20二酸)、ヘンイコシル酸(
ヘンエイコサン酸)(C21一酸)、へンエイコサン二酸(C21二酸)、ベヘン酸(ド
コサン酸)(C22一酸)、ドコサン二酸(C22二酸)が挙げられるが、これらに限定
されない。
特定の例では、C16~C22脂肪酸は飽和C18一酸、飽和C18二酸、飽和C19
一酸、飽和C19二酸、飽和C20一酸、飽和C20二酸、およびその分岐および置換誘
導体の場合がある。さらに特定の例では、C16~C22脂肪酸はステアリン酸、アラキ
ジン酸またはエイコサン二酸、特にアラキジン酸の場合がある。
いくつかの例では、リンカーは、1~4つのアミノ酸、アミノポリエチレングリコール
カルボキシラートまたはその混合物をもち得る。特定の例では、アミノポリエチレングリ
コールカルボキシラートは次の構造:H-{NH-CH-CH-[O-CH-CH
-O-(CH-CO}-OH、を有し、式中、mは1~12の任意の整数
、nは1~12の任意の整数、およびpは1~2である。
特定の例では、リンカーは、1つ以上の(2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エト
キシ]-アセチル)部分を、場合によっては1~4のアミノ酸を組み合わせて有し得る。
リンカーが少なくとも1つのアミノ酸を含む例においては、アミノ酸は1~4のグルタ
ミン酸またはγ-グルタミルアミノ酸残基であり得る。いくつかの例では、リンカーはそ
のD型を含む、1つまたは2つのグルタミン酸またはγ-グルタミルアミノ酸残基を含み
得る。例えば、リンカーは1つまたは2つのγ-グルタミルアミノ酸残基を含み得る。あ
るいは、リンカーは、最大36の(2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-
アセチル)部分と組み合わせて使用する1~4のアミノ酸残基(例えば、グルタミン酸ま
たはγ-グルタミルアミノ酸など)を含むことができる。具体的には、リンカーは、1~
4のグルタミン酸またはγ-グルタミルアミノ酸および1~4の(2-[2-(2-アミ
ノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)部分の組み合わせの場合がある。他の例では、
リンカーは、1または2のγ-グルタミルアミノ酸と1つまたは2つの(2-[2-(2
-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)部分の組み合わせであり得る。
特定の例では、本明細書に記載したインクレチン類似体は、次式:(2-[2-(2-
アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-CO-(CH)c
-COH、式中、aは0、1または2であり、bは1または2であり、およびcは16
または18である。特定の例では、aは2であり、bは1であり、およびcは18であり
、その構造は以下:
Figure 2022043082000002


に示される。
別の特定の例では、aは1であり、bは2であり、およびcは18であり、その構造は
以下:
Figure 2022043082000003


に示される。
別の特定の例では、aは0であり、bは2であり、およびcは18であり、その構造は
以下:
Figure 2022043082000004


に示される。
別の特定の例では、aは1であり、bは1であり、およびcは18であり、その構造は
以下:
Figure 2022043082000005


に示される。
以下の例1-6の化学構造で示されるように、上記のリンカー脂肪酸部分はリシン(K
)側鎖のイプシロン(ε)アミノ基に結合することができる。
GIP、GLP-1およびグルカゴン受容体の個々に対する本明細書に記載したインク
レチン類似体の親和性は、例えば、以下の例で記載したものを含む、受容体結合レベルを
測定するための当該技術分野で公知の技術を使用して測定してもよく、一般に阻害定数(
)値として表される。また、本明細書に記載したインクレチン類似体の活性は、例え
ば下記のインビトロ活性アッセイを含む当該技術分野で公知の技術を使用して測定しても
よく、一般に、用量応答曲線で半最大シミュレーションを起こす化合物の濃度、50%効
果濃度(EC50)値で表現される。
本明細書に記載したインクレチン類似体は、非経口経路(例えば、皮下、静脈内、腹腔
内、筋肉内または経皮)によって投与し得る医薬組成物として製剤化することができる。
そのような医薬組成物および、それを調製するための技術は当該技術分野では周知である
。例えば、Remington:The Science and Practice
of Pharmacy(Troy,Ed.,21st Edition,Lippin
cott,Williams&Wilkins,2006)を参照されたい。特定の例で
は、インクレチン類似体は皮下に投与される。
本明細書に記載したインクレチン類似体は、多数の無機および有機酸/塩基の一部と反
応し、医薬的に許容可能な酸/塩基さらに塩を形成し得る。医薬的に許容可能な塩および
それを調製するための一般的な技術は、当該技術分野では周知である(例えば、Stah
lらHandbook of Pharmaceutical Salts:Prope
rties,Selection and Use,2nd Revised Edit
ion(Wiley-VCH,2011)を参照)。本明細書に記載した使用のための医
薬的に許容可能な塩は、ナトリウム、トリフルオロ酢酸、塩酸および酢酸塩を含む。
本開示はまた、新規中間体および本明細書に記載のインクレチン類似体またはその医薬
的に許容可能な塩の合成法を供給し、したがってそれらを包含する。本明細書に記載の中
間体およびインクレチン類似体は、当該技術分野で公知の様々な技術によって調製し得る
。例えば、化学合成を使用する方法は、以下の実施例で図示する。記載した各経路の特定
の合成工程は、本明細書に記載のインクレチン類似体の異なる調製方法を組み合わせても
よい。試薬および出発原料は当業者には容易に入手できる。
本明細書に記載のインクレチン類似体は、一般に広い用量域で有効である。例えば、週
1回の投与の用量は、約0.01~約30mg/人/週の範囲内、約0.1~約10mg
/人/週の範囲内または更に約0.1~約3mg/人/週の範囲内に入ってもよい。した
がって、本明細書に記載のインクレチン類似体は、毎日、週3回、週2回または週1回、
特に週1回投与してもよい。
本明細書に記載のインクレチン類似体は、様々な状態、障害、疾患または兆候を治療す
るために使用し得る。特に、個体のT2DMを治療する方法が提供される場合、そのよう
な方法は、本明細書に記載のインクレチン類似体またはその医薬的に許容可能な塩の有効
量を、そのような治療を必要とする個体に投与する少なくとも1工程を含む。
さらに、個体の肥満を治療する方法が提供される場合、そのような方法は、本明細書に
記載のインクレチン類似体またはその医薬的に許容可能な塩の有効量を、そのような治療
を必要とする個体に投与する少なくとも1工程を含む。
さらに、個体の非治療的減量を誘導する方法を提供する場合、そのような方法は、本明
細書に記載のインクレチン類似体またはその医薬的に許容可能な塩の有効量を、そのよう
な治療を必要とする個体に投与する少なくとも1工程を含む。
さらに、個体のメタボリック症候群を治療する方法を提供する場合、そのような方法は
、本明細書に記載のインクレチン類似体またはその医薬的に許容可能な塩の有効量を、そ
のような治療を必要とする個体に投与する少なくとも1工程を含む。
さらに、個体のNASHを治療する方法を提供する場合、そのような方法は、本明細書
に記載のインクレチン類似体またはその医薬的に許容可能な塩の有効量を、そのような治
療を必要とする個体に投与する少なくとも1工程を含む。
さらに、個体のFLDを治療する方法を提供する場合、そのような方法は、本明細書に
記載のインクレチン類似体またはその医薬的に許容可能な塩の有効量を、そのような治療
を必要とする個体に投与する少なくとも1工程を含む。
これらの方法では、インクレチン類似体の有効性は、例えば血糖の有意な低下の観察、
インスリンの有意な増加の観察、HbA1cの有意な減少の観察、および/または体重の
有意な減少の観察によって評価することができる。
あるいは、本明細書に記載のインクレチン類似体またはその医薬的に許容可能な塩は、
それを必要とする個体の骨強度を改善するために使用し得る。いくつかの例では、それを
必要とする個体は、骨増殖症または類骨組織形成機能低下をもっているか、または骨折、
筋‐関節補強回復術、補綴用インプラント、歯科用インプラント、および/または脊椎固
定術から治癒している。本明細書に記載のインクレチン類似体は、パーキンソン病または
アルツハイマー病のような他の障害の治療用に使用してもよい。
ペプチド合成
実施例1:
実施例1は次の記載:Y-Aib-QGT-αMeF-TSDYSILLDKK((2-
[2-(2―アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-CO-(
CH18-COH)AQ-Aib-AFIEYLLEGGPSSGAPPPS-N
(配列番号6)で表される化合物である。
以下は、アミノ酸残基の構造が拡張されている残基Aib2、αMeF6、K17およ
びAib20を除き、標準の1文字アミノ酸コードを使用した実施例1の構造の描写であ
る。
Figure 2022043082000006

実施例1のペプチド骨格は、Symphony Xペプチドシンセサイザー(Prot
ein Technologies社、ツーソン、アリゾナ州)でフルオレニルメチルオ
キシカルボニル(Fmoc)/tert-ブチル(t-Bu)化学を使用して合成される
樹脂は、0.3-0.4ミリ当量/gを置換した1%DVB架橋化ポリスチレン(Fm
oc-Rink-MBHA低負荷樹脂、100-200メッシュ、EMDミリポア)から
なる。標準の側鎖保護基が使用される。Fmoc-Lys(Mtt)-OHを17位のリ
シンに使用し、Boc-Tyr(tBu)-OHを1位のチロシンに使用する。Fmoc
基は、DMF中20%ピペリジンを使用して各カップリング工程(2x7分)の前に除去
する。全ての標準アミノ酸カップリングは、理論に対して9倍モル過剰のペプチド負荷に
おいて、Fmocアミノ酸(0.3mM)、ジイソプロピルカルボジイミド(0.9mM
)およびオキシマ(0.9mM)の等モル比を用いて、1級アミンには1時間、2級アミ
ンには3時間で完了する。例外は、Cα-メチル化アミノ酸へのカップリングであり、3
時間で結合する。ペプチド骨格の合成が完了した後、樹脂をDCMで6回、完全に洗浄し
、残留DMFを除去する。17位のリシン上のMtt保護基は、DCM中で30%ヘキサ
フルオロイソプロパノール(オークウッドケミカルズ)を2回処理(2x40分処理)し
てペプチド樹脂から選択的に除去する。
その後の脂肪酸リンカー部分の連結は、2-[2-(2-Fmoc-アミノ-エトキシ
)-エトキシ]-酢酸(Fmoc-AEEA-OH、ChemPep社)、Fmoc-グ
ルタミン酸α-t-ブチルエステル(Fmoc-Glu-OtBu、Ark Pharm
社)、モノ-OtBu-エイコサン二酸(WuXi AppTec社、上海、中国)のカ
ップリングによって達成される。3倍過剰の試薬(AA:PyAOP:DIPEA=1:
1:1モル/モル)を1時間の各カップリング反応に使用する。
合成が完了した後、ペプチド樹脂をDCMで洗浄し、次いで完全に風乾する。乾燥樹脂
を、10mLの開裂するための混合試薬(トリフルオロ酢酸:水:トリイソプロピルシラ
ン、95:2.5:2.5体積比)を用いて室温で2時間処理した。樹脂を濾別し、2m
Lの無溶媒TFAで2回洗浄し、合わせた濾液を5倍量の冷ジエチルエーテル(-20℃
)で処理し、粗ペプチドを沈降させる。次いで、ペプチド/エーテル懸濁液を3500r
pmで2分間遠心分離し、固形ペレットを生成して上清をデカントし、固形ペレットは、
さらに2回エーテルで破砕し、真空乾燥する。粗ペプチドは、20%アセトニトリル/2
0%酢酸/60%水に溶解し、100%アセトニトリルおよび0.1%TFA/水緩衝系
の線形勾配法(30-50%アセトニトリル、60分)でLuna5μMフェニルヘキシ
ル分取用カラム(21x250mm、フェノメネクス)上の逆相高速液体クロマトグラフ
ィーにより精製する。ペプチドの精製は分析用逆相高速液体クロマトグラフィーを用いて
評価し、プーリング絶対値基準は>95%である。実施例1の捕集された主なプール純度
は99.2%であることがわかる。最終主要製品プールのその後の凍結乾燥により凍結乾
燥されたペプチドTFA塩が得られる。分子量はLC-MSによって決定される(観測値
M+4H+/4=1219.9;計算値M+4H+/4=1220.1)。
実施例2:
実施例2は次の記載:Y-Aib-QGT-αMeF-TSDYSI-αMeL-LD
KK((2-[2-(2―アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu
)-CO-(CH18-COH)AQ-Aib-AFIEYLLEGGPSSGA
PPPS-NH(配列番号7)で表される化合物である。
以下は、アミノ酸残基の構造が拡張されている残基Aib2、αMeF6、αMeL1
3、K17およびAib20を除き、標準の1文字アミノ酸コードを使用した実施例2の
構造の描写である。
Figure 2022043082000007
実施例1について上記したのと同様な方法を使用して、ペプチド骨格を合成し、脂肪酸
-リンカー部分を結合し、純度を分析して実施例2の分子量を確認する。
実施例3:
実施例3は次の記載:Y-Aib-HGT-αMeF(2F)-TSDYSILLDK
K((2-[2-(2‐アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)
-CO-(CH18-COH)AQ-Aib-AFIEYLLEGGPSSGAP
PPS-NH(配列番号8)で表される化合物である。
以下は、アミノ酸残基の構造が拡張されている残基Aib2、αMeF(2f)6、K
17およびAib20を除き、標準の1文字アミノ酸コードを使用した実施例3の構造の
描写である。
Figure 2022043082000008
実施例1について上記したのと同様な方法を使用して、ペプチド骨格を合成し、脂肪酸
-リンカー部分を結合し、純度を分析して実施例3の分子量を確認する。
実施例4:
実施例4は次の記載:Y-Aib-HGT-αMeF(2F)-TSDYSILLDKK
((2-[2-(2―アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-C
O-(CH18-COH)AQ-Aib-AFIEYLLEGGPSSGAPPP
S-NH(配列番号9)で表される化合物である。
以下は、アミノ酸残基の構造が拡張されている残基Aib2、αMeF(2F)6、K
17およびAib20を除き、標準の1文字アミノ酸コードを使用した実施例4の構造の
描写である。
Figure 2022043082000009

実施例1について上記したのと同様な方法を使用して、ペプチド骨格を合成し、脂肪酸
-リンカー部分を結合し、純度を分析して実施例4の分子量を確認する。
実施例5:
実施例5は次の記載:Y-Aib-QGT-αMeF(2F)-TSDYSILLDKK
((2-[2-(2―アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-C
O-(CH18-COH)AQQAFIEYLLEGGPSSGAPPPS-NH
(配列番号10)で表される化合物である。
以下は、アミノ酸残基の構造が拡張されている残基Aib2、αMeF(2F)6およ
びK17を除き、標準の1文字アミノ酸コードを使用した実施例5の構造の描写である。
Figure 2022043082000010
実施例1について上記したのと同様な方法を使用して、ペプチド骨格を合成し、脂肪酸
-リンカー部分を結合し、純度を分析して実施例5の分子量を確認する。
実施例6:
実施例6は次の記載:Y-Aib-QGT-αMeF(2F)-TSDYSILLDK
K((2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-
CO-(CH18-COH)AQHAFIEYLLEGGPSSGAPPPS-N
(配列番号11)で表される化合物である。
以下は、アミノ酸残基の構造が拡張されている残基Aib2、αMeF(2F)6およ
びK17を除き、標準の1文字アミノ酸コードを使用した実施例6の構造の描写である。
Figure 2022043082000011
実施例1について上記したのと同様な方法を使用して、ペプチド骨格を合成し、脂肪酸
-リンカー部分を結合し、純度を分析して実施例6の分子量を確認する。
インビトロ機能
結合親和性
放射性リガンド競合結合アッセイを行って、実施例の化合物および比較分子の平衡解離
定数を決定する。そのようなアッセイは、シンチレーション近接測定(SPA)法および
ヒトGIP受容体(GIPR)、GLP-1受容体(GLP-1R)またはヒトグルカゴ
ン受容体(GcgR)を過剰発現するトランスフェクトHEK293細胞から調製した膜
を使用する。
アッセイは、試験類似体のアシル化部分が、標準アッセイ緩衝材中で使用した蛋白質成
分(例えば、アルブミン)に結合しないように非特異的遮断薬バシトラシンの存在下で実
施する。
競争曲線は、百分率特異的抑制(y軸)対化合物の対数濃度(x軸)としてプロットし
、可変勾配をもつ4パラメーター非線形回帰適合(ABaseまたはGenedata)
を使用して分析する。K値は、式K=IC50/(1+(D/K))に従って計算
し、この場合、IC50は50%結合抑制が生じる化合物の濃度であり、Dはアッセイに
使用される放射性リガンドの濃度であり、Kdは受容体および放射性リガンドに関する平
衡解離定数であり、飽和結合分析から決定される(以下の表1に提示)。
Figure 2022043082000012
例示類似体および比較分子のK値は表2に示される。
Figure 2022043082000013
表2で見られるように、例示の類似体はGIP、GLP-1およびGcg受容体のそれ
ぞれで親和性を有している。
機能活性:
機能活性は、GIP-R-GLP-1R-およびGcgRを発現しているHEK-293
クローン細胞株で決定される。各受容体過剰発現細胞株は、20μLアッセイ体積中、1
X GlutaMAX(商標)(Gibco Cat# 35050)、0.25%FB
S(ウシ胎児血清、Gibco Cat#26400)、0.05%画分V BSA(ウ
シ血清アルブミン、Gibco Cat# 15260)、250μM IBMXおよび
20mM HEPES(Gibco Cat# 15630)を補充したDMEM(Gi
bco Cat#31053)培地でペプチド(20ポイントCRC、2.75倍のラボ
サイトエコー直接希釈)を用いて処理した。
室温で60分間インキュベーションした後、細胞内で生成したcAMPの増加をCis
Bio cAMP Dynamic 2 HTRFアッセイキット(62AM4PEJ)
を用いて定量する。簡潔に、細胞内のcAMPレベルは、細胞溶解緩衝液のcAMP-d
2共役体、続いて細胞溶解緩衝液の抗体抗-cAMP-Eu3+-クリプテートも添加す
ることによって検出する。結果として生じる競合アッセイは、少なくとも60分間室温で
インキュベーションした後、320nmで励起し、665および620nmで発光するパ
ーキンエルマー社製EnVision(登録商標)装置を使用して検出する。EnVis
ion装置(665nm/620nm10,000)は、存在するcAMPの量に逆比
例し、cAMP標準曲線を用いてウエルあたりのnM cAMPに変換した。
各ウエルで発生したcAMP量(nM)は、ヒトGLP-1(7-36)NH、ヒト
Gcg、またはヒトGIP(1-42)NHのいずれかで観察された最大応答の百分率
に変換する。相対EC50値は、百分率最大応答対、4パラメーターロジスティック方程
式に当て嵌めた添加ペプチドの濃度を使用した非線形回帰分析によって誘導する。
例示の類似体ならびにhGIP(1-42)NH、hGLP-1(7-36)NH
およびhGcgに関するデータを以下の表3に示す。
Figure 2022043082000014
表3で見られるように、FBSおよびBSAの存在下で、ヒトGIP-R、GLP-1
RおよびGcgR cAMPアッセイで決定されたように、例示類似体はアゴニスト活性
をもつが、天然リガンドより低い。
追加的なcAMPアッセイセットは、ヒトGLP-1、GIPおよびグルカゴン受容体
を発現するHEK293細胞で行った。均一時間分解蛍光分析を用い、非特異的遮断材と
してカゼイン存在下でアッセイを行い、例示類似体と比較分子の固有効力を決定した。
細胞内cAMPレベルは、標準曲線を使用して外挿法で決定した。化合物の用量応答曲
線は、最小(緩衝液だけ)と最大(各対照リガンドの最大濃度)値に正規化した刺激の百
分率としてプロットし、可変勾配をもつ4-パラメーター非線形回帰曲線適合(Gene
data Screener13)を使用して分析した。EC50は、用量応答曲線にお
ける半最大シミュレーションを起こす化合物の濃度である。
データは以下の表4で提供する。
Figure 2022043082000015
表4で見られるように、例示類似体は、0.1%カゼインの存在下でヒトGIP、GL
P-1およびグルカゴン受容体からcAMPを刺激する。
配列番号1-ヒトグルカゴン
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT

配列番号2-ヒトGLP-1(7-36)アミド
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR-NH

配列番号3-ヒトOXM
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNTKRNRNNIA

配列番号4-ヒトGIP
YAEGTFISDYSIAMDKIHQQDFVNWLLAQKGKKNDWKHNI
TQ
配列番号5-インクレチン類似体
YXGTXTSDYSIX13LDKX17AQX20AFIEYLLEGGP
SSGAPPPS
[式中、
はAibであり;
はQまたはHであり;
はαMeFまたはαMeF(2F)であり;
13はLまたはαMeLであり;
17は共役に利用できる官能基をもった任意のアミノ酸であり、この場合、官能基は
16-C22脂肪酸に結合する;
20はAib、QまたはHである]

配列番号6-インクレチン類似体
Y-Aib-QGT-αMeF-TSDYSILLDKK((2-[2-(2-アミノ-
エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-CO-(CH18-CO
H)AQ-Aib-AFIEYLLEGGPSSGAPPPS-NH

配列番号7-インクレチン類似体
Y-Aib-QGT-αMeF-TSDYSI-αMeL-LDKK((2-[2-(2
-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-CO-(CH
-COH)AQ-Aib-AFIEYLLEGGPSSGAPPPS-NH

配列番号8-インクレチン類似体
Y-Aib-HGT-αMeF(2F)-TSDYSILLDKK((2-[2-(2‐
アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-CO-(CH2)18
-COH)AQ-Aib-AFIEYLLEGGPSSGAPPPS-NH

配列番号9-インクレチン類似体
Y-Aib-QGT-αMeF(2F)-TSDYSILLDKK((2-[2-(2‐
アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-CO-(CH18
COH)AQ-Aib-AFIEYLLEGGPSSGAPPPS-NH

配列番号10-インクレチン類似体
Y-Aib-QGT-αMeF(2F)-TSDYSILLDKK((2-[2-(2‐
アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-CO-(CH18
COH)AQQAFIEYLLEGGPSSGAPPPS-NH

配列番号11-インクレチン類似体
Y-Aib-HGT-αMeF(2F)-TSDYSILLDKK((2-[2-(2‐
アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)-CO-(CH18
COH)AQHAFIEYLLEGGPSSGAPPPS-NH

配列番号12-人工配列
GPSSGAPPPS
あるいは、本明細書に記載のインクレチン類似体またはその医薬的に許容可能な塩は、それを必要とする個体の骨強度を改善するために使用し得る。いくつかの例では、それを必要とする個体は、骨増殖症または類骨組織形成機能低下をもっているか、または骨折、筋‐関節補強回復術、補綴用インプラント、歯科用インプラント、および/または脊椎固定術から治癒している。本明細書に記載のインクレチン類似体は、パーキンソン病またはアルツハイマー病のような他の障害の治療用に使用してもよい。

本発明の様々な実施形態を以下に示す。
1.以下の式:
YX GTX TSDYSIX 13 LDKX 17 AQX 20 AFIEYLLEGGPSSGAPPPS、
式中、
はAibであり、
はQまたはHであり、
はαMeFまたはαMeF(2F)であり、
13 はLまたはαMeLであり、
17 は結合に使用できる官能基をもった任意のアミノ酸であり、および前記官能基はC 16 -C 22 脂肪酸に結合し、
20 はAib、QまたはHであり、
(配列番号5)、およびC末端アミノ酸は場合によってはアミド化される、
を含むインクレチン類似体またはその医薬的に許容可能な塩。
2.X 17 位の、結合に使用できる官能基をもつ前記アミノ酸は、K、C、EおよびDからなる群から選択される、上記1に記載のインクレチン類似体。
3.X 17 位の、結合に使用できる官能基をもつ前記アミノ酸はKである、上記1に記載のインクレチン類似体。
4.X 17 位の、結合に使用できる官能基をもつ前記アミノ酸および前記C 16 -C 22 脂肪酸が、前記アミノ酸と脂肪酸間のリンカーによって結合される、上記1~3のいずれかに記載のインクレチン類似体。
5.前記リンカーは1~4のアミノ酸を含む、請求書4に記載のインクレチン類似体。6.前記アミノ酸はグルタミン酸またはγ-グルタミルである、上記5に記載のインクレチン類似体。
7.前記リンカーは、次の構造:
H-{NH-CH -CH -[O-CH -CH -O-(CH -CO} -OH、[式中、mは1~12の任意の整数であり、nは1~12の任意の整数であり、およびpは1または2である]をさらに含む、上記4~6のいずれかに記載のインクレチン類似体。
8.前記リンカーは、1~4の(2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)部分をさらに含む、上記4~7のいずれかに記載のインクレチン類似体。
9.X 17 は、次の構造:
(2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル) -(γGlu) -CO-(CH -CO H、[式中、aは、0、1または2であり、bは1または2であり、およびcは16~18の整数である]をもつK側鎖のε-アミノ基への結合を介して化学的に修飾されるKである、上記1に記載のインクレチン類似体。
10.aは1である、上記9に記載のインクレチン類似体。
11.aは2である、上記9に記載のインクレチン類似体。
12.bは1である、上記9~11のいずれかに記載のインクレチン類似体。
13.bは2である、上記9~11のいずれかに記載のインクレチン類似体。
14.cは18である、上記9~13のいずれかに記載のインクレチン類似体。
15.X 13 はαMeLである、上記1~14のいずれかに記載のインクレチン類似体。16.X 13 はLである、上記1~14のいずれかに記載のインクレチン類似体。
17.X はQである、上記1~16のいずれかに記載のインクレチン類似体。
18.X はHである、上記1~16のいずれかに記載のインクレチン類似体。
19.X はαMeFである、上記1~18のいずれかに記載のインクレチン類似体。20.X はαMeF(2F)である、上記1~18のいずれかに記載のインクレチン類似体。
21.配列番号5~11からなる群から選択される式を有するインクレチン類似体。
22.T2DM、肥満、脂肪肝疾患、NASH、脂質異常症およびメタボリック症候群からなる群から選択される病気を治療する方法であって、
上記1~21のいずれかに記載の有効量のインクレチン類似体を、それを必要とする個体に投与する工程を含む、方法。
23.2型糖尿病を治療する方法であって、
上記1~21のいずれかに記載の有効量のインクレチン類似体を、それを必要とする個体に投与する工程を含む、方法。
24.上記1~21のいずれかに記載のインクレチン類似体、および
医薬的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物。
25.糖尿病、脂質異常症、脂肪肝疾患、メタボリック症候群、非アルコール性脂肪性肝炎および肥満からなる群から選択される病気の治療における使用のための上記1~21のいずれかに記載のインクレチン類似体。
26.2型糖尿病の治療における使用のための上記1~21のいずれかに記載のインクレチン類似体。
27.糖尿病、脂質異常症、脂肪肝疾患、メタボリック症候群、非アルコール性脂肪性肝炎および肥満からなる群から選択される病気の治療のための薬剤の製造における上記1~21のいずれかに記載のインクレチン類似体の使用。
28.2型糖尿病の治療のための薬剤の製造における上記1~21のいずれかに記載のインクレチン類似体の使用。

Claims (28)

  1. 以下の式:
    YXGTXTSDYSIX13LDKX17AQX20AFIEYLLEGG
    PSSGAPPPS、
    式中、
    はAibであり、
    はQまたはHであり、
    はαMeFまたはαMeF(2F)であり、
    13はLまたはαMeLであり、
    17は結合に使用できる官能基をもった任意のアミノ酸であり、および前記官能基
    はC16-C22脂肪酸に結合し、
    20はAib、QまたはHであり、
    (配列番号5)、およびC末端アミノ酸は場合によってはアミド化される、
    を含むインクレチン類似体またはその医薬的に許容可能な塩。
  2. 17位の、結合に使用できる官能基をもつ前記アミノ酸は、K、C、EおよびDから
    なる群から選択される、請求項1に記載のインクレチン類似体。
  3. 17位の、結合に使用できる官能基をもつ前記アミノ酸はKである、請求項1に記載
    のインクレチン類似体。
  4. 17位の、結合に使用できる官能基をもつ前記アミノ酸および前記C16-C22
    肪酸が、前記アミノ酸と脂肪酸間のリンカーによって結合される、請求項1~3のいずれ
    か1項に記載のインクレチン類似体。
  5. 前記リンカーは1~4のアミノ酸を含む、請求書4に記載のインクレチン類似体。
  6. 前記アミノ酸はグルタミン酸またはγ-グルタミルである、請求項5に記載のインクレ
    チン類似体。
  7. 前記リンカーは、次の構造:
    H-{NH-CH-CH-[O-CH-CH-O-(CH-CO}
    -OH、[式中、mは1~12の任意の整数であり、nは1~12の任意の整数であり
    、およびpは1または2である]をさらに含む、請求項4~6のいずれか1項に記載のイ
    ンクレチン類似体。
  8. 前記リンカーは、1~4の(2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセ
    チル)部分をさらに含む、請求項4~7のいずれか1項に記載のインクレチン類似体。
  9. 17は、次の構造:
    (2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)-(γGlu)
    -CO-(CH-COH、[式中、aは、0、1または2であり、bは1または
    2であり、およびcは16~18の整数である]をもつK側鎖のε-アミノ基への結合を
    介して化学的に修飾されるKである、請求項1に記載のインクレチン類似体。
  10. aは1である、請求項9に記載のインクレチン類似体。
  11. aは2である、請求項9に記載のインクレチン類似体。
  12. bは1である、請求項9~11のいずれか1項に記載のインクレチン類似体。
  13. bは2である、請求項9~11のいずれか1項に記載のインクレチン類似体。
  14. cは18である、請求項9~13のいずれか1項に記載のインクレチン類似体。
  15. 13はαMeLである、請求項1~14のいずれか1項に記載のインクレチン類似体
  16. 13はLである、請求項1~14のいずれか1項に記載のインクレチン類似体。
  17. はQである、請求項1~16のいずれか1項に記載のインクレチン類似体。
  18. はHである、請求項1~16のいずれか1項に記載のインクレチン類似体。
  19. はαMeFである、請求項1~18のいずれか1項に記載のインクレチン類似体。
  20. はαMeF(2F)である、請求項1~18のいずれか1項に記載のインクレチン
    類似体。
  21. 配列番号5~11からなる群から選択される式を有するインクレチン類似体。
  22. T2DM、肥満、脂肪肝疾患、NASH、脂質異常症およびメタボリック症候群からな
    る群から選択される病気を治療する方法であって、
    請求項1~21のいずれか1項に記載の有効量のインクレチン類似体を、それを必要と
    する個体に投与する工程を含む、方法。
  23. 2型糖尿病を治療する方法であって、
    請求項1~21のいずれか1項に記載の有効量のインクレチン類似体を、それを必要と
    する個体に投与する工程を含む、方法。
  24. 請求項1~21のいずれか1項に記載のインクレチン類似体、および
    医薬的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物。
  25. 糖尿病、脂質異常症、脂肪肝疾患、メタボリック症候群、非アルコール性脂肪性肝炎お
    よび肥満からなる群から選択される病気の治療における使用のための請求項1~21のい
    ずれか1項に記載のインクレチン類似体。
  26. 2型糖尿病の治療における使用のための請求項1~21のいずれか1項に記載のインク
    レチン類似体。
  27. 糖尿病、脂質異常症、脂肪肝疾患、メタボリック症候群、非アルコール性脂肪性肝炎お
    よび肥満からなる群から選択される病気の治療のための薬剤の製造における請求項1~2
    1のいずれか1項に記載のインクレチン類似体の使用。
  28. 2型糖尿病の治療のための薬剤の製造における請求項1~21のいずれか1項に記載の
    インクレチン類似体の使用。
JP2021195036A 2017-12-21 2021-12-01 インクレチン類似体およびその使用 Withdrawn JP2022043082A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762608644P 2017-12-21 2017-12-21
US62/608,644 2017-12-21
PCT/US2018/065605 WO2019125929A1 (en) 2017-12-21 2018-12-14 Incretin analogs and uses thereof
JP2020532952A JP6987993B2 (ja) 2017-12-21 2018-12-14 インクレチン類似体およびその使用

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020532952A Division JP6987993B2 (ja) 2017-12-21 2018-12-14 インクレチン類似体およびその使用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022043082A true JP2022043082A (ja) 2022-03-15

Family

ID=65003515

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020532952A Active JP6987993B2 (ja) 2017-12-21 2018-12-14 インクレチン類似体およびその使用
JP2021195036A Withdrawn JP2022043082A (ja) 2017-12-21 2021-12-01 インクレチン類似体およびその使用

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020532952A Active JP6987993B2 (ja) 2017-12-21 2018-12-14 インクレチン類似体およびその使用

Country Status (24)

Country Link
US (1) US11834486B2 (ja)
EP (1) EP3727425A1 (ja)
JP (2) JP6987993B2 (ja)
KR (1) KR102440323B1 (ja)
CN (1) CN111511387A (ja)
AR (1) AR113487A1 (ja)
AU (1) AU2018388895B2 (ja)
BR (1) BR112020010410A2 (ja)
CA (1) CA3084004C (ja)
CL (1) CL2020001636A1 (ja)
CO (1) CO2020006253A2 (ja)
CR (1) CR20200256A (ja)
DO (1) DOP2020000124A (ja)
EA (1) EA202091284A1 (ja)
EC (1) ECSP20032306A (ja)
IL (1) IL275469A (ja)
JO (1) JOP20200136A1 (ja)
MA (1) MA51287A (ja)
MX (1) MX2020006547A (ja)
PH (1) PH12020551024A1 (ja)
SG (1) SG11202004359YA (ja)
TW (2) TWI810937B (ja)
UA (1) UA127589C2 (ja)
WO (1) WO2019125929A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI809515B (zh) * 2017-12-21 2023-07-21 美商美國禮來大藥廠 腸促胰島素(incretin)類似物及其用途
TWI810937B (zh) * 2017-12-21 2023-08-01 美商美國禮來大藥廠 腸促胰島素(incretin)類似物及其用途
KR20210031533A (ko) * 2018-07-23 2021-03-19 일라이 릴리 앤드 캄파니 Gip/glp1 공효능제 화합물
AR119471A1 (es) * 2019-08-01 2021-12-22 Lilly Co Eli Compuestos agonistas de gipr
AU2020334993B2 (en) * 2019-08-19 2023-07-13 Eli Lilly And Company Methods of making incretin analogs
TWI795698B (zh) * 2019-12-18 2023-03-11 美商美國禮來大藥廠 腸促胰島素(incretin)類似物及其用途
CA3165430A1 (en) * 2020-01-23 2021-07-29 Jorge Alsina-Fernandez Gip/glp1 co-agonist compounds
TW202220700A (zh) * 2020-08-14 2022-06-01 南韓商韓美藥品股份有限公司 包含三重升糖素/glp-1/gip受體促效劑的長效接合物的醫藥組成物
WO2022090447A1 (en) 2020-10-30 2022-05-05 Novo Nordisk A/S Glp-1, gip and glucagon receptor triple agonists
AR125086A1 (es) 2021-03-23 2023-06-07 Lilly Co Eli Composiciones que contienen análogos de incretina y usos de estas
CA3219647A1 (en) 2021-05-26 2022-12-01 The United Bio-Technology (Hengqin) Co., Ltd. Multi agonists and use thereof
CN115572326A (zh) * 2021-06-21 2023-01-06 广东东阳光药业有限公司 Glp-1、gcg和gip受体的三重激动剂
EP4358994A1 (en) 2021-06-23 2024-05-01 Eli Lilly and Company An incretin analog for use in glycemic control and weight management
WO2023088140A1 (zh) * 2021-11-19 2023-05-25 南京明德新药研发有限公司 订合肽及其应用
CN116162147B (zh) * 2021-11-24 2023-10-03 成都奥达生物科技有限公司 一种长效胰岛素类似物
WO2024067662A1 (zh) * 2022-09-28 2024-04-04 广东东阳光药业股份有限公司 Glp-1/gcg/gip三受体激动剂及其用途

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6987993B2 (ja) * 2017-12-21 2022-01-05 イーライ リリー アンド カンパニー インクレチン類似体およびその使用

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BRPI1013588A2 (pt) 2009-03-27 2016-04-19 Glaxo Group Ltd composição
AR092873A1 (es) * 2012-09-26 2015-05-06 Cadila Healthcare Ltd Peptidos como agonistas triples de los receptores de gip, glp-1 y glugagon
TR201902516T4 (tr) 2013-11-06 2019-03-21 Zealand Pharma As Glukagon-glp-1-gıp üçlü agonist bileşikleri.
KR102310389B1 (ko) 2013-11-06 2021-10-13 질랜드 파마 에이/에스 Gip-glp-1 이원 효능제 화합물 및 방법
JOP20200119A1 (ar) 2015-01-09 2017-06-16 Lilly Co Eli مركبات مساعد مشترك من gip وglp-1
WO2016198624A1 (en) 2015-06-12 2016-12-15 Sanofi Exendin-4 derivatives as trigonal glp-1/glucagon/gip receptor agonists
TWI783244B (zh) 2015-06-22 2022-11-11 美商美國禮來大藥廠 升糖素及glp-1共激動劑化合物
HRP20220995T1 (hr) 2015-12-31 2022-11-11 Hanmi Pharm. Co., Ltd. Trostruki aktivator koji aktivira glukagonski, glp-1 i gip receptore
EP3217027A1 (de) 2016-03-08 2017-09-13 HILTI Aktiengesellschaft Breites einlageelement zum einfassen einer ankerstange

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6987993B2 (ja) * 2017-12-21 2022-01-05 イーライ リリー アンド カンパニー インクレチン類似体およびその使用

Also Published As

Publication number Publication date
JOP20200136A1 (ar) 2022-10-30
KR20200088418A (ko) 2020-07-22
EP3727425A1 (en) 2020-10-28
TW201938187A (zh) 2019-10-01
US20210221865A1 (en) 2021-07-22
ECSP20032306A (es) 2020-07-31
BR112020010410A2 (pt) 2020-11-24
SG11202004359YA (en) 2020-06-29
TWI810937B (zh) 2023-08-01
PH12020551024A1 (en) 2021-05-31
CO2020006253A2 (es) 2020-05-29
AR113487A1 (es) 2020-05-06
CA3084004A1 (en) 2019-06-27
CN111511387A (zh) 2020-08-07
TW202233227A (zh) 2022-09-01
IL275469A (en) 2020-08-31
AU2018388895A1 (en) 2020-06-04
US11834486B2 (en) 2023-12-05
UA127589C2 (uk) 2023-10-25
MX2020006547A (es) 2020-12-09
AU2018388895B2 (en) 2020-12-24
JP6987993B2 (ja) 2022-01-05
JP2021506825A (ja) 2021-02-22
MA51287A (fr) 2021-03-31
TWI767095B (zh) 2022-06-11
DOP2020000124A (es) 2020-08-31
CA3084004C (en) 2023-06-20
CL2020001636A1 (es) 2020-10-16
WO2019125929A1 (en) 2019-06-27
EA202091284A1 (ru) 2020-09-08
CR20200256A (es) 2020-07-12
KR102440323B1 (ko) 2022-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6987993B2 (ja) インクレチン類似体およびその使用
JP6961838B2 (ja) インクレチン類似体およびその使用
JP7450724B2 (ja) インクレチン類似体およびその使用
EA043728B1 (ru) Аналоги инкретина и их применение
EA043950B1 (ru) Аналоги инкретина и их применение
TW202415675A (zh) 腸促胰島素(incretin)類似物及其用途

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211224

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221213

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230310

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20230428