JP2022029756A - 荷役ロボットの制御装置 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、把持した物品を荷役するロボット(荷役ロボット)の動作を制御する制御装置に関する。
物品の物流センタなどでは、荷下ろしされた荷物、部品、製品などの様々な物品を荷役するための各種の荷役装置が用いられている。荷役装置は、例えば集積領域に集積された物品を荷役ロボットでピッキングし、搬送装置などに移動させる。搬送装置は、物品を仕分けや組み立てなどの次工程に搬送する。荷役ロボットは、例えば物品を荷役するためのツール(エンドエフェクタとも呼ばれる)をアーム先端部に備えたマニピュレータ(ロボットアーム)などである。ツールは、物品を集積領域から把持してピッキングするための把持機構(物品把持機構)を有している。物品把持機構としては、エアで物品を吸着する吸着機構が広く用いられている。
物流センタなどで荷役される物品(梱包や包装された状態の物品も含む)は、多種多様化されており、その形状、大きさ、重量、材質が様々であり、材質などに応じた変形の可能性も一律ではない。物品把持機構の一例である吸着機構では、吸着パッドなどの吸着部材で物品を直接吸着し、吸着を解除することで物品を解放する。吸着パッドは、挟持機構などと比べて多種多様な物品の把持に対応することが可能である。しかしながら、ビニールフィルムや包装紙などで包装された柔軟物の場合、移動時に生じる柔軟物の振動などによって吸着パッドでの吸着状態が安定せず、移動中における柔軟物の姿勢が不安定となるおそれがある。
例えば、ロボットアームの動作加速度が大きくなるほど、物品(特に柔軟物)は振動しやすくなり、吸着パッドから脱落しやすい。その一方で、作業効率の向上を図るためにはロボットアームのタクトタイム(動作周期)は可能な限り短いことが好ましい。すなわち、移動中の物品の安定性とロボットアームの動作周期の短縮とは、トレードオフの関係となりやすい。
このための対策の一つとして、ロボットアームで物品を把持した後、ロボットアームのアーム部を揺動させる方法が挙げられる。かかる方法によれば、物品の把持状態が適切でない場合には、把持した物品を移動前の揺動動作によって意図的(積極的)に解放し、移動中に物品がアーム部から意図せずに脱落してしまうことが防止される。しかしながら、把持状態を確認するためにアーム部を揺動させる分だけ、ロボットアームの動作周期が悪化してしまう。また、揺動動作で物品が解放されなかったとしても、その後に物品を脱落させずに移動することは別問題として捉える必要があり、物品を引き続き適切に移動させるようにロボットアームを動作制御することが求められる。
そこで、把持した物品の移動中の姿勢を安定させるとともに、該物品を移動する際の動作周期(タクトタイム)を短縮させるべく、荷役ロボットを動作制御する制御装置を提供する。
実施形態の制御装置は、物品把持機構とアーム部とを備えた物品の荷役ロボットの動作を制御する。物品把持機構は、物品を吸着する吸着部と、吸着部における物品の吸着圧を測定する圧力センサとを有する。アーム部は、吸着部に吸着された物品を集積領域から所望領域に移動させる。制御装置は、圧力センサが測定した物品の吸着圧の測定値の変動を解析し、解析結果に基づいて吸着部と物品とにより構成される系の固有振動数を算出する制御部を有する。
以下、実施形態に係る荷役ロボットの制御装置について、図1から図13を参照して説明する。荷役ロボットは、例えば集積領域から把持した物品を所望領域まで移動させる装置であり、物品の荷役装置において荷役の実作業を行う。荷役装置は、例えば物流センタなどで稼働する物流システムを構成する装置の一つであり、荷役に必要な各種の処理を行う。物品は、宅配物、小包、郵便物等を含む荷物、各種の部品や製品など、荷役の対象となり得る有形物である。物品は、物品そのものの他、その物品を梱包や包装した状態の有形物を含む。物品の態様(形状、大きさ、重量、材質など)は、一律ではなく多種多様である場合を想定するが、一律であってもよい。物品には、その材質(梱包状態や包装状態を含む)として、形態が自由に変形しない物品(以下、箱物という)と、形態が自由に変形する物品(以下、柔軟物という)の双方が含まれる。荷役には、荷下ろし、荷積み、仕分けなどのような移動を伴う物品に対する各種の作業が含まれる。
箱物は、荷役作業中に自重により変形せず、一定の形態を保つ。例えば、各面が平坦の段ボールなどの梱包容器に収容された箱状の物である。梱包容器は、六面体に限らず、六面体の特定の角や辺が平面とされている多面体も含む。これに対し、柔軟物は、荷役作業中に自重により変形し、形態を変える。例えば、ビニールフィルムや包装紙などで包装された衣類や食品類のように比較的軽量な扁平の物であるが、これらに限定されない。
図1および図2には、本実施形態の荷役装置1を模式的に示す。図1は、荷役装置1を垂直方向の上方から模式的に示す図である。垂直方向は、水平面(一例として物流センタの建屋の床面)と直交する方向である。図2は、荷役装置1のブロック図である。
図1および図2に示すように、荷役装置1は、検出装置2と、荷役ロボット3と、制御装置4とを備える。
検出装置2は、集積領域11から所望の領域(以下、移動先領域という)12への物品5の移動を制御するために必要な各種の検出を行い、検出結果(取得データ)を制御装置4に与える。集積領域は、例えば荷下ろしされた各種の物品5が次工程に搬送される前に一時的に集積される領域である。集積領域の物品5は、整然と集積されていてもよいし、ばら積みされていてもよく、一つ一つ単体で載置されていてもよい。移動先領域は、例えば物品5を仕分工程や組立工程などに搬送するための領域である。集積領域11および移動先領域12は、例えば箱、ケージ、棚などの物品5を収容する什器、ベルトコンベアやローラコンベア、台車などの搬送装置、仕分けや組み立てなどの作業台である。図1には、集積領域11として作業台、移動先領域12としてベルトコンベアのセルを適用した例を示す。
検出装置2は、集積領域11から所望の領域(以下、移動先領域という)12への物品5の移動を制御するために必要な各種の検出を行い、検出結果(取得データ)を制御装置4に与える。集積領域は、例えば荷下ろしされた各種の物品5が次工程に搬送される前に一時的に集積される領域である。集積領域の物品5は、整然と集積されていてもよいし、ばら積みされていてもよく、一つ一つ単体で載置されていてもよい。移動先領域は、例えば物品5を仕分工程や組立工程などに搬送するための領域である。集積領域11および移動先領域12は、例えば箱、ケージ、棚などの物品5を収容する什器、ベルトコンベアやローラコンベア、台車などの搬送装置、仕分けや組み立てなどの作業台である。図1には、集積領域11として作業台、移動先領域12としてベルトコンベアのセルを適用した例を示す。
本実施形態において、検出装置2は、検出部21と解析部22を有する。
検出部21は、集積領域11における物品群5sの集積態様を検出する。物品群5sは、集積領域11に集積されている物品5の集合体であるが、集積されている物品5が一つのみである場合も含めて規定される。集積されている物品5が一つのみである場合には、例えば集積された物品5が当初から一つのみである場合のほか、複数の物品5が一つずつ集積領域11から移動先領域12に順次移動され、最終的に一つになっている(移動されていない物品5が一つだけ残っている)場合などが含まれる。
検出部21は、集積領域11における物品群5sの集積態様を検出する。物品群5sは、集積領域11に集積されている物品5の集合体であるが、集積されている物品5が一つのみである場合も含めて規定される。集積されている物品5が一つのみである場合には、例えば集積された物品5が当初から一つのみである場合のほか、複数の物品5が一つずつ集積領域11から移動先領域12に順次移動され、最終的に一つになっている(移動されていない物品5が一つだけ残っている)場合などが含まれる。
物品群5sの集積態様は、例えば集積された各物品5の位置、輪郭、大きさ、向き、姿勢、重なり、境界、材質などの態様である。これらの集積態様を検出するべく、本実施形態では、検出部21としてRGBカメラを適用している。RGBカメラは、集積領域11に集積された物品群5sのカラー画像を撮像する。したがって、RGBカメラは、集積領域11が画角内に収まり、ピントを合わせられる所定位置に配置されている。例えば、集積領域11を区画するフレームや物流センタの建屋の天井や壁面、あるいは荷役ロボット3、後述する物品把持機構6の本体部61などの任意の位置に、RGBカメラは配置可能である。これにより、RGBカメラは、物品群5sの集積態様を色覚的に捉え、鮮明に物品群5sの集積態様を把握可能とされている。ただし、検出部21には、RGBカメラに代えてもしくは加えて、3Dカメラ、複数の2Dカメラ、分光カメラ、光学センサなどを適用してもよい。検出部21は、検出結果、一例としてRGBカメラが撮像した画像のデータを解析部22に付与する。
解析部22は、検出部21の検出結果(一例として画像データ)を解析し、物品群5sの集積態様を解析する。具体的には、物品群5sの集積態様を示す画像データを解析し、集積された各物品5の位置、輪郭、大きさ、向き、姿勢、重なり、境界、材質などをそれぞれ特定するための情報(解析データ)を出力する。
画像データの解析方法としては、例えばRGB各色の強さ、色相、彩度、明度などの値を閾値判定し、その境界線(エッジ)がなす形状に基づいて物品5の輪郭や境界を判定する手法などが適用可能である。物品群5sにおける物品5の切り分け(後述する選択物品の特定)手法としては、例えばエッジが閉曲線をなす場合、その閉曲線の内部を一つの物品5とする手法などが適用可能である。また、切り分けた物品5の形状、位置、姿勢の解析(判定)手法としては、閉曲線内の画像をデータベース(マスタデータ)内の物品データと照合する手法などが適用可能である。また、例えば検出部21として3Dカメラを適用した場合、取得した点群データを解析することで、物品群5sにおける物品5の切り分けと、切り分けた物品5の形状、位置、姿勢を判定することが可能である。
解析部22は、出力した解析データを制御装置4に付与する。制御装置4は、付与された物品群5sの集積態様の解析データに基づいて、物品群5sの中から把持する物品5を選択する(詳細は後述)。なお、解析部22は、検出装置2ではなく、制御装置4の構成要素の一つに含まれていてもよい。
荷役ロボット3は、荷役装置1において物品5を移動させる装置であり、集積領域11から物品5をピッキングし、移動先領域12に移動させる。図1に示すように、荷役ロボット3は、基台部31と、アーム部32と、ツール(エンドエフェクタなどとも呼ばれる)33とを備え、アーム部32が基台部31に対して変位するいわゆるピッキングロボット(以下、ロボットアーム3という)である。ただし、荷役ロボットは、スカラロボット(水平多関節ロボット)、XYZステージ、直動アクチュエータ、あるいはこれらとの組み合わせなどとすることも可能であり、物品5の移動範囲に応じた可動範囲を有する荷役ロボットを適用すればよい。
基台部31は、例えば物流センタの建屋の床面に位置決め固定される。ただし、基台部31は、このように位置決め固定されることなく、床面に対して移動可能となっていてもよい。例えば、床面に敷設したガイドレールなどに沿って基台部31をスライド可能に支持する構成、リニアステージや自走台車に載置した構成などとしてもよい。これにより、ロボットアーム3を床面に対して必要に応じて移動させることが可能となる。
アーム部32は、基台部31との接続部位である基端から先端まで、複数の関節部で連結されて伸長している。アーム部32は、関節部によって複数に細分され、各部分が関節部において所定の軸(関節軸)まわりに回動する。これにより、アーム部32は、基台部31に対して所望の姿勢とされ、所定範囲内において自由に変位(動作)する。所定範囲(つまり、可動範囲)には、物品5の集積領域11および物品5の移動先である移動先領域12が含まれる。したがって、アーム部32の各部分を軸まわりに任意の角速度や角加速度で回動させることで、アーム部32を集積領域11および移動先領域12に対して変位させることが可能となる。なお、関節部および軸の数は、アーム部32に要求される動作精度や可動範囲などに応じて任意に設定すればよい。
ツール33は、アーム部32の先端(アーム先端部32a)に着脱自在に取り付けられており、物品5を解放可能に把持する物品把持機構6を備える。把持は、例えば吸着、挟持など、物品5の保持態様全般を包含する概念として規定される。本実施形態では一例として、ツール33は、エアによって物品5の吸着と解放を行う。これにより、ツール33は、集積領域11から物品5を物品把持機構6で吸着し、吸着した物品5を移動先領域12で解放することで、物品5を集積領域11から移動先領域12へ移動させることが可能とされている。
図3には、物品把持機構6の概略的な構成を水平方向(一例として物流センタの建屋の床面と平行な方向)から示す。図3は、後述する初期状態における物品把持機構6の態様を概略的に示す図である。
図2および図3に示すように、物品把持機構6は、本体部61、吸着部62、真空発生器63、コンプレッサ64、電磁弁65、圧力センサ66、第1の配管67、第2の配管68、および継手69などを含んで構成される。これにより、ロボットアーム3は、集積領域11から物品5を物品把持機構6で把持(具体的には吸着部62で吸着)し、把持した物品5を移動先領域12で解放することで、物品5を集積領域11から移動先領域12へ移動させることが可能とされている。
本体部61は、アーム先端部32aに取り付けられ、物品把持機構6の各構成部材を支持する。本体部61の形態は、アーム部32の動作に支障がなければ特に限定されず、箱体や枠体などであればよい。本体部61は、物品把持機構6の各構成部材を支持可能な剛性を有する金属製であればよいが、必要な剛性を有していれば樹脂製などでも構わない。
吸着部(以下、吸着パッドという)62は、容易に変形可能な素材、例えばシリコーンやポリ塩化ビニルなどの低硬度のゴム素材で形成されている。一例として、吸着パッド62の剛性は、箱物よりも低く、柔軟物よりも高ければよいが、柔軟物より低くてもよい。吸着パッド62は、例えば筒体62aとリップ62bを含んで構成され、リップ62bで物品5を吸着させて把持する。物品5が把持された状態では、筒体62aとリップ62bと物品5の被吸着面とにより外部から閉ざされる系(端的には吸着パッド62の内部)の内圧が低下した状態とされている。物品5の被吸着面は、吸着パッド62に物品5を吸着させる際、リップ62bが物品5に接触する面である。
吸着パッド62の形態は、特に限定されない。例えば、筒体62aは、蛇腹構造(段数は問わない)の変態部を有する形態とすることが可能である。リップ62bは、平坦状の形態、柔軟物の吸着性を高めるリブを設けた形態、吸着面をスポンジとした形態などとすることが可能である。筒体62aおよびリップ62bの外径寸法や筒軸方向の寸法(高さ)なども特に限定されない。
また、吸着パッド62の数も、特に限定されない。本実施形態では一例として、吸着パッド62が一つである場合を想定するが、複数であっても構わない。複数の吸着パッド62は、これらと同数もしくはそれよりも少数の後述する真空圧調整系統に接続される。例えば、真空圧調整系統が二系統である場合、半数の吸着パッド62が一の真空圧調整系統に接続され、残り半数の吸着パッド62が他の真空圧調整系統に接続される構成であってもよい。
真空発生器63は、吸着パッド62の内部を負圧もしくは大気開放(真空破壊)する。真空発生器63は、例えばエジェクタであり、圧縮空気が供給されることで真空を発生させる。これに代えて、真空発生器63は、真空ポンプや真空ブロアなどであってもよい。コンプレッサ64は、圧縮空気を真空発生器63に供給する。コンプレッサ64は、第1の配管67、電磁弁65を介して真空発生器63に接続されている。第1の配管67は、継手69で中継されてコンプレッサ64と真空発生器63とを接続している。継手69は、本体部61の外部と内部との間で第1の配管67を中継する。真空発生器63は、第2の配管68を介して吸着パッド62に接続されている。第1の配管67および第2の配管68は、例えばゴム製のチューブ、樹脂製あるいは金属製の配管部材などである。これらの配管経路は特に限定されず、任意に配管可能である。
電磁弁65は、開閉することでコンプレッサ64から真空発生器63への圧縮空気の供給状態と供給停止状態とを切り換える。具体的には、電磁弁65が開いた状態では、コンプレッサ64から第1の配管67を介して真空発生器63に圧縮空気が供給される。これにより、真空発生器63が第2の配管68を介して吸着パッド62を真空引きし、第2の配管68および吸着パッド62の内部が負圧とされる。一方、電磁弁65が閉じた状態では、コンプレッサ64から真空発生器63への圧縮空気の供給が停止する。これにより、真空発生器63が吸着パッド62を真空破壊し、第2の配管68および吸着パッド62の内部が大気開放される。本実施形態では一例として、電磁弁65の開閉制御は、制御装置4が行う。なお、電磁弁65は、物品把持機構6ではなく、ロボットアーム3の配管構造の一部として構成されていてもよい。
また、電磁弁65の切り換えは、上述したような開閉の二つの状態に限定されない。電磁弁65は、例えば真空発生器63への圧縮空気の供給状態、第2の配管68への圧縮空気の直接供給状態、これらの圧縮空気の供給停止状態の三つの状態に切り換え可能であってもよい。これにより、物品5を解放する際に、吸着パッド62をより高速に真空破壊させることができる。このような三つの状態への切り換えは、三位置電磁弁を用いてもよいし、複数の二位置電磁弁を組み合わせて実現してもよい。
圧力センサ66は、第2の配管68に接続され、吸着パッド62の内部の圧力(内圧)を測定し、測定値を出力する。吸着パッド62の内圧の測定値(内圧値)は、吸着パッド62で物品5を吸着する際の吸着圧であり、リップ62bが適切に物品5に密着しているか否かを示す指標(真空圧値)となる。圧力センサ66が出力した内圧値は、制御装置4に与えられる。制御装置4は、付与された吸着パッド62の内圧値に基づいて、リップ62bが適切に物品5に密着しているか否かを判定する(詳細は後述)。
本実施形態では、コンプレッサ64から吸着パッド62に至る配管系統が一系統である場合を想定する。かかる配管系統は、物品把持機構6において物品5を吸着するための吸着圧(真空圧)の調整系統(吸着圧調整系統)、つまり吸着パッド62の内圧の調整系統(以下、真空圧調整系統という)である。ただし、真空圧調整系統は、複数であってもよい。この場合、電磁弁65は、コンプレッサ64から真空発生器63への圧縮空気の供給状態と供給停止状態とを真空圧調整系統ごとに切り換える。圧力センサ66は、真空圧調整系統ごとに吸着パッド62の内圧を測定し、測定値を出力する。各真空圧調整系統における吸着パッド62の数は、特に限定されず、一つであってもよいし複数であってもよい。このような複数系統の実施形態については後述する。
なお、圧力センサ66に代えてもしくは加えて、第1の配管67内の圧縮空気の流量を測定する流量センサを第1の配管67に接続してもよい。流量センサを用いることで、圧力センサ66と比べて測定の応答性を高めることができる。また、これらに代えてもしくは加えて、物品把持機構6は対象物までの距離を測定可能な光学センサを含んでいてもよい。例えば、吸着パッド62が物品5を吸着する方向(吸着パッド62の軸芯方向)へ向け、本体部61に光学センサを配置し、かかる方向の物品5との離間距離を光学センサで測定してもよい。これにより、光学センサで測定された物品5との離間距離に基づいてリップ62bが適切に物品5に密着しているか否かの判定を補足できる。例えば、測定された離間距離が通常形状の吸着パッド62の軸芯方向の長さ以下であれば、リップ62bが適切に物品5に密着していると判定可能である。また、真空発生器63、電磁弁65、圧力センサ66は、本体部61に収容されていなくともよく、例えば本体部61の外側、ロボットアーム3の基台部31、ロボットアーム3を囲む防護柵などに配置されていてもよい。
図2に示すように、制御装置4は、検出装置2、ロボットアーム3、物品把持機構6の動作を制御し、荷役装置1の運転管理を行う。制御装置4は、CPU、メモリ、記憶装置(不揮発メモリ)、入出力回路、タイマなどを含み、所定の演算処理を実行する。例えば、制御装置4は、各種データを入出力回路により読み込み、記憶装置からメモリに読み出したプログラムを用いてCPUで演算処理し、処理結果に基づいて検出装置2、ロボットアーム3、物品把持機構6の動作制御を行う。制御装置4は、検出装置2、ロボットアーム3、および物品把持機構6と有線もしくは無線で接続され、動作制御にあたって、これらとの間で各種データや演算結果などを送受信している。
制御装置4は、検出装置2、ロボットアーム3、物品把持機構6を具体的な動作内容に従って制御するための制御部41を備える。制御部41は、例えば記憶装置に格納されてCPUで実行可能なプログラムであればよいが、制御基板に組み込まれたファームウェア、あるいはこれらの組み合わせなどであってもよい。本実施形態において、制御部41は、計画部411と、動作制御部412とを有する。ただし、制御部41は、以下に説明するような計画部411および動作制御部412がそれぞれ実現する機能をまとめて実現する一つのプログラムなどであってもよい。
計画部411は、検出装置2を動作制御して物品5の集積態様を検出させ、その検出結果の解析データに基づいてロボットアーム3の動作計画を策定する。また、計画部411は、ロボットアーム3の動作計画に基づいて、物品把持機構6(真空発生器63、コンプレッサ64、電磁弁65、圧力センサ66)の動作計画を策定する。計画部411は、策定したこれらの動作計画の情報(動作指令)を動作制御部412に付与する。
動作制御部412は、付与された動作指令に基づいて、ロボットアーム3、物品把持機構6の動作を制御する。具体的には、動作制御部412は、ロボットアーム3の動作指令に基づいてロボットアーム3を動作させ、物品5を集積領域11から移動先領域12に移動させる。また、動作制御部412は、物品把持機構6の動作指令に基づいて、真空発生器63、コンプレッサ64、電磁弁65、圧力センサ66を動作制御するとともに、圧力センサ66が測定した吸着パッド62の内圧値に応じてCPUで演算し、演算結果に基づいて吸着パッド62に物品5を把持(吸着)させる。
なお、本実施形態では一例として、計画部411はロボットアーム3および物品把持機構6の動作計画を策定しているが、制御装置4はこれらの動作計画を個別に策定する複数の計画部を有していてもよい。また、動作制御部412は、ロボットアーム3および物品把持機構6の動作を制御しているが、制御装置4はこれらの動作を個別に制御する複数の制御部を有していてもよい。あるいは、計画部411の機能を果たす制御装置と、動作制御部412の機能を果たす制御装置とを物理的に分離させてもよい。
このような構成をなす荷役装置1の動作、具体的には物品5を集積領域11から移動先領域12に移動させる処理(以下、物品移動処理という)について、検出装置2、ロボットアーム3、および物品把持機構6に対する制御装置4の制御フローに従って説明する。図4Aおよび図4Bには、物品移動処理における検出装置2、ロボットアーム3、および物品把持機構6に対する制御装置4の制御フローを示す。
物品移動処理を開始する場合、ロボットアーム3および物品把持機構6は、それぞれ初期状態とされている。ロボットアーム3の初期状態は、アーム部32が基準位置に位置付けられた状態である。基準位置は、例えば集積領域11および移動先領域12のいずれともアーム部32が干渉しない位置である。物品把持機構6の初期状態は、吸着パッド62の内部が大気開放(真空破壊)された状態である。このため、初期状態では、電磁弁65が閉じているとともに、真空発生器63およびコンプレッサ64は、いずれも停止している。
物品5を集積領域11から移動先領域12に移動させるにあたって、制御装置4は、集積領域11における物品群5sの集積態様を検出装置2に検出させる(S101)。具体的には、計画部411に動作制御されて、検出部21(一例としてRGBカメラ)は、集積領域11における物品群5sの集積態様を示す画像を撮像する。検出部21は、検出結果(撮像した画像のデータ)を解析部22に付与する。撮像画像の枚数は任意であり、一枚であってもよいし、焦点距離や画角を適宜変更した複数枚であってもよい。
解析部22は、検出部21から付与された検出結果(画像データ)を解析する(S102)。解析により、解析部22は、集積領域11に集積された物品群5sの各物品5の位置、輪郭、大きさ、向き、姿勢、重なり、境界、材質などの態様をそれぞれ特定するための情報(解析データ)を出力し、計画部411に付与する。
計画部411は、付与された解析データに基づいて、物品存否条件を判定する(S103)。物品存否条件は、集積領域11に物品5が集積されているか否かを判定するための条件である。例えば、解析データとして、物品5の態様を具体的に示す何らかのデータが付与されている場合、計画部411は、集積領域11には少なくとも一つ以上の物品5が存在しており、物品存否条件が成立すると判定する。これに対し、解析データとして、物品5の態様を具体的に示す何らのデータも付与されていない場合、計画部411は、集積領域11には、物品5が存在しておらず、物品存否条件が成立しないと判定する。この場合、計画部411には、例えば集積領域11である作業台などの画像の解析データのみが付与されている。
物品存否条件が成立しない場合、計画部411は、ロボットアーム3および物品把持機構6の動作計画を策定することなく、物品移動処理を終了する。
一方、物品存否条件が成立する場合、計画部411は、集積領域11から移動させる物品5(以下、選択物品という)を物品群5sの中から選択する(S104)。計画部411は、解析データに対応する所定の選択基準に基づいて物品群5sの中から選択物品を特定する。選択基準は、例えば物品群5sにおける高さ位置、ロボットアーム3からの距離、他の物品5との隙間、集積領域11における位置、物品5の材質(梱包状態や包装状態を含む)などである。具体的には、物品群5sの中で最も高い位置にあるもの、ロボットアーム3から最も近い位置にあるもの、他の物品5から最も離れているもの、集積領域11の中央付近にあるもの、把持(吸着)しやすい物品5として予め規定された材質を有するものなどを、計画部411は選択物品として特定する。あるいは、これらを複合的な選択基準として、計画部411は選択物品を特定してもよい。また、計画部411は、解析データに基づいて選択物品の位置、輪郭、大きさ、向き、姿勢、重なり、境界、材質(梱包状態や包装状態を含む)などの属性情報(属性データ)をそれぞれ特定する。
一方、物品存否条件が成立する場合、計画部411は、集積領域11から移動させる物品5(以下、選択物品という)を物品群5sの中から選択する(S104)。計画部411は、解析データに対応する所定の選択基準に基づいて物品群5sの中から選択物品を特定する。選択基準は、例えば物品群5sにおける高さ位置、ロボットアーム3からの距離、他の物品5との隙間、集積領域11における位置、物品5の材質(梱包状態や包装状態を含む)などである。具体的には、物品群5sの中で最も高い位置にあるもの、ロボットアーム3から最も近い位置にあるもの、他の物品5から最も離れているもの、集積領域11の中央付近にあるもの、把持(吸着)しやすい物品5として予め規定された材質を有するものなどを、計画部411は選択物品として特定する。あるいは、これらを複合的な選択基準として、計画部411は選択物品を特定してもよい。また、計画部411は、解析データに基づいて選択物品の位置、輪郭、大きさ、向き、姿勢、重なり、境界、材質(梱包状態や包装状態を含む)などの属性情報(属性データ)をそれぞれ特定する。
選択物品を特定すると、計画部411は、選択物品の目標把持位置を設定する(S105)。目標把持位置は、吸着パッド62で選択物品を吸着させる際、吸着パッド62が選択物品を安定して吸着可能な位置であり、選択物品上でリップ62bを接触させる位置である。例えば、選択物品上における軸芯Aとの交点(仮想点)が目標把持位置に当たる。具体的には、吸着パッド62の軸芯Aを選択物品の重心を通るように位置付けたとき、該軸芯Aと選択物品の表面との交点が目標把持位置として設定される。目標把持位置が設定される選択物品の表面(被吸着面)は、水平面(一例として物流センタの建屋の床面)と平行であればよいが、これに限らず、水平面に垂直な面や斜めの面なども含む。このため、選択物品は、集積態様にかかわらず、鉛直上方、水平方向、それ以外の方向のいずれからでも吸着パッド62で吸着され得る。したがって、集積態様に応じた最適な方向から吸着パッド62で選択物品が吸着可能とされている。
目標把持位置を設定すると、計画部411は、ロボットアーム3および物品把持機構6の把持動作計画を策定する。ロボットアーム3の把持動作計画の策定にあたって、計画部411は、把持経路存否条件を判定する(S106)。把持経路存否条件は、吸着パッド62の把持基準位置が目標把持位置と一致するように現在位置(一例として、基準位置)からアーム部32を動作させる経路が存在するか否かを判定するための条件である。
ここで、経路について説明する。図5には、物品Pがある座標から別の座標へ到達するまでの経路を模式的に示す。図5に示すように、経路は、ある座標から別の座標まで、経由する点(以下、経由点という)WP1~WP5の間を順につないだデカルト座標系(直交座標系)における軌跡である。図5に示す例では、経由点WP1が経路の始点、経由点WP5が経路の終点であり、経由点WP2,WP3,WP4が経路の各中間点である。例えば、図5に実線で示す軌跡が経路に相当し、経路は障害物M1を適宜避けるように設定される。経路は、このように障害物M1を避けるなど所定のルールに基づいて経由点を設定することで、自動生成すればよい。あるいは、予め定義された一部またはすべての経由点を辿るように生成されてもよいし、経由点をランダム探索するようなアルゴリズムによって経路が生成されてもよい。把持経路は、基準位置から目標把持位置までロボットアーム3を動作させるべく、経由点間をつないだ軌跡として規定される。
把持経路存否条件は、基準位置から目標把持位置に到達するまで、経由点を設定できるか否かによって判定される。経由点の設定可否は、例えば想定される把持経路上をアーム部32が動作した場合、支障となる別の物品5や他の障害物が存在するか否か、支障となる別の物品5などを回避可能か否かなどに応じて判定される。基準位置から目標把持位置に到達するまでの経路点を設定できる場合、つまり把持経路が確保できる場合、計画部411は把持経路存否条件が成立すると判定する。これに対し、基準位置から目標把持位置に到達するまでの経由点を設定できない場合、つまり把持経路が確保できない場合、計画部411は把持経路存否条件が成立しないと判定する。
把持経路存否条件が成立しない場合、計画部411は、選択物品の選択を再び行う(S104)。この場合、計画部411は、一旦特定した選択物品以外の物品5の中から別の選択物品を特定する。
一方、把持経路存否条件が成立する場合、計画部411は、確保可能な把持経路に基づいてロボットアーム3の把持動作計画を策定し、ロボットアーム3の把持動作計画に基づいて物品把持機構6の把持動作計画を策定する(S107)。また、計画部411は、策定したこれらの把持動作計画の情報(動作指令)を動作制御部412に付与する。把持動作計画は、物品5を把持するための動作計画である。
一方、把持経路存否条件が成立する場合、計画部411は、確保可能な把持経路に基づいてロボットアーム3の把持動作計画を策定し、ロボットアーム3の把持動作計画に基づいて物品把持機構6の把持動作計画を策定する(S107)。また、計画部411は、策定したこれらの把持動作計画の情報(動作指令)を動作制御部412に付与する。把持動作計画は、物品5を把持するための動作計画である。
ロボットアーム3の把持動作計画は、確保された把持経路上の隣り合う経由点間を、アーム部32の関節部の動作負荷ができるだけ小さくなる(動作負荷を最小限にとどめる)ように順につないだ軌跡(軌道)を設定することである。例えば、図5に実線で示す軌跡や破線で示す軌跡が軌道に相当する。すなわち、軌道は、経路と一致する場合もあれば異なる場合もある。かかる軌道は、逆運動学に基づいてアーム部32の関節座標系で設定される。把持動作計画では、基準位置から目標把持位置までの軌道(以下、把持軌道という)が設定される。
ロボットアーム3および物品把持機構6の把持動作計画が付与されると、動作制御部412は、これらの把持動作計画に基づいて、ロボットアーム3および物品把持機構6を動作制御する。ここでは、動作制御部412は吸着パッド62の内圧を負圧とする(S108)。吸着パッド62の内圧を負圧とするにあたって、動作制御部412は、電磁弁65を開くとともに、コンプレッサ64、真空発生器63、および圧力センサを作動させる。これにより、動作制御部412は、コンプレッサ64から真空発生器63に圧縮空気を供給させ、吸着パッド62の内部を真空引きして負圧にさせる。その際、圧力センサ66は、吸着パッド62の内圧を測定し、測定値を動作制御部412に付与する。
吸着パッド62の内圧が負圧とされた状態で、動作制御部412は、アーム部32を動作させて吸着パッド62に選択物品を把持(吸着)させる。以下、このようなアーム部32の動作を把持動作という。
把持動作において、動作制御部412は、計画部411が策定した把持動作計画に従って、目標把持位置へ向けてアーム部32を把持軌道に沿って動作させる(S109)。その間、動作制御部412は、例えば吸着パッド62を選択物品の上方まで位置付けた後、リップ62bを選択物品に向けさせる。続けて、動作制御部412は、吸着パッド62の把持基準位置が目標把持位置と重なるようにアーム部32を下降させる。
次いで、動作制御部412は、把持適否条件を判定する(S110)。把持適否条件は、吸着パッド62で選択物品が適切に把持されているか否かを判定するための条件である。把持適否条件の判定にあたって、動作制御部412は、圧力センサ66から付与された吸着パッド62の内圧値を所定の閾値(以下、把持適正値という)と比較する。把持適正値は、例えば選択物品の大きさや重量、周囲環境などに応じて設定されており、記憶装置に保持され、把持適否条件の判定時にパラメータとしてメモリに読み出される。特に限定されないが、把持適正値の目安は、ゲージ圧が-20kPaから-40kPa程度の範囲内の値であればよい。また、把持適正値は、一定値であっても、選択物品の大きさや重量に応じて設定された変動値であってもよい。
本実施形態では一例として、内圧値が把持適正値以下である(吸着パッド62内が高真空状態である)場合、動作制御部412は、吸着パッド62で選択物品が適切に把持されており、把持適否条件が成立すると判定する。把持適否条件が成立する場合、アーム部32が把持軌道に沿って動作して、吸着パッド62の把持基準位置が目標把持位置とほぼ一致した状態となっている。この状態は、後述する目標把持位置到達条件が成立した状態であり、この状態で把持適否条件が成立していれば、把持動作は適正に完了する。これに対し、内圧値が把持適正値を超えている(吸着パッド62内が低真空状態である)場合、動作制御部412は、吸着パッド62で選択物品が適切に把持されておらず、把持適否条件が成立しないと判定する。ただし、内圧値が把持適正値である場合における把持適否条件の成否は、上記とは逆であってもよい。
把持適否条件が成立しない場合、動作制御部412は、目標把持位置到達条件を判定する(S111)。目標把持位置到達条件は、アーム部32が把持軌道に沿って動作して、吸着パッド62の把持基準位置が目標把持位置とほぼ一致しているか否かを判定するための条件である。目標把持位置到達条件の判定にあたって、動作制御部412は、アーム部32に動作経過に基づいて把持基準位置の現在位置を取得する。現在位置が目標把持位置と一致していれば、動作制御部412は、把持基準位置が目標把持位置に達したとして、目標把持位置到達条件が成立すると判定する。例えば、アーム部32が把持動作計画の最終軌道の最終経由点まで動作していれば、把持基準位置の現在位置は目標把持位置と一致している。これに対し、現在位置が目標把持位置と一致していなければ、動作制御部412は、目標把持位置到達条件が成立しないと判定する。
目標把持位置到達条件が成立する場合、把持基準位置が目標把持位置に達しているにも関わらず、吸着パッド62で選択物品が適切に把持されていない状態(エラー状態)となっている。したがって、動作制御部412は、物品移動処理を最初からやり直すべく、集積領域11における物品群5sの集積態様を検出装置2に検出させる(S101)。以降、所定の処理がS102から順次実行される。なおこの場合、動作制御部412は、物品移動処理をやり直すのではなく、エラー状態であるとして処理を終了させてもよい。その際、動作制御部412は、所定の異常処理を実行してもよい。例えば、警告灯の点灯(点滅)、警告音の鳴動、警告メッセージの表示などを行うことで、把持動作時に生じたエラー状態の周知徹底を図ることが可能となる。
一方、目標把持位置到達条件が成立しない場合、吸着パッド62の把持基準位置が目標把持位置まで達しておらず、吸着パッド62で選択物品がまだ把持されていない状態となっている。すなわち、この状態では把持動作がまだ完了していない。したがって、動作制御部412は、アーム部32の把持動作を継続させるべく、目標把持位置へ向けてアーム部32を把持軌道に沿ってさらに動作させる(S109)。
S110において把持適否条件が成立する場合、計画部411は、把持動作が適正に完了したものとして、選択物品の目標解放位置を設定する(S112)。目標解放位置は、吸着パッド62に把持された選択物品を解放する際、吸着パッド62から選択物品を適切に解放可能な位置であり、例えば移動先領域12の載置面の鉛直上方の任意の位置である。目標解放位置は、一定位置であっても、選択物品の大きさや重量に応じて設定された変動位置であってもよい。また、目標解放位置は、選択物品の荷下ろし、荷積み、箱詰めなどの目的に応じて任意のアルゴリズムによって設定可能である。
目標解放位置を設定すると、計画部411は、ロボットアーム3および物品把持機構6の解放動作計画を策定する。ロボットアーム3の解放動作計画の策定にあたって、計画部411は、解放経路存否条件を判定する(S113)。解放経路存否条件は、吸着パッド62の把持基準位置が目標解放位置と一致するように現在位置(一例として、目標把持位置)からアーム部32を動作させる経路が存在するか否かを判定するための条件である。
解放経路存否条件は、目標把持位置から目標解放位置に到達するまで、経由点を設定できるか否かによって判定される。経由点の設定可否は、例えば想定される解放経路上をアーム部32が動作した場合、支障となる別の物品5や他の障害物が存在するか否か、支障となる別の物品5などを回避可能か否かなどに応じて判定される。目標把持位置から目標解放位置に到達するまでの経路点を設定できる場合、つまり解放経路が確保できる場合、計画部411は解放経路存否条件が成立すると判定する。これに対し、目標把持位置から目標解放位置に到達するまでの経由点を設定できない場合、つまり解放経路が確保できない場合、計画部411は解放経路存否条件が成立しないと判定する。
解放経路存否条件が成立しない場合、計画部411は、目標解放位置の設定をやり直す(S112)。この場合、計画部411は、例えば一旦設定した目標解放位置とは異なる別の位置に目標解放位置を設定する。
解放経路存否条件が成立する場合、計画部411は、確保可能な解放経路に基づいてロボットアーム3の解放動作計画を策定し、ロボットアーム3の解放動作計画に基づいて物品把持機構6の解放動作計画を策定する(S114)。解放経路は、目標把持位置から目標解放位置までロボットアーム3を動作させるべく、経由点間をつないだ軌跡として規定される。また、計画部411は、策定したこれらの解放動作計画の情報(動作指令)を動作制御部412に付与する。
ロボットアーム3の解放動作計画は、確保された解放経路上の隣り合う経由点間を、アーム部32の関節部の動作負荷ができるだけ小さくなる(動作負荷を最小限にとどめる)ように順につないだ軌跡(以下、解放軌道という)を設定することである。解放軌道は、逆運動学に基づいてアーム部32の関節座標系で設定され、経路と一致する場合もあれば異なる場合もあることは、把持動作計画と同様である。解放動作計画では、目標把持位置から目標解放位置までの解放軌道が設定される。本実施形態では、目標解放位置(リリース点)も含めた経由点が0~nまでn+1個ある場合、i-1番目の経由点からi番目の経由点までをつなぐ解放軌道を軌道iとして規定する。この場合、目標把持位置を0番目の経由点として捉え、iは1からnのいずれかの値(自然数)である。
ロボットアーム3および物品把持機構6の解放動作計画が付与されると、動作制御部412は、これらの解放動作計画に基づいて、ロボットアーム3および物品把持機構6を動作制御する。ただし、本実施形態では、ロボットアーム3および物品把持機構6の動作制御に際して、解放動作計画(具体的には解放軌道)が適宜修正される。
本実施形態においては、吸着パッド62と選択物品により構成される系(以下、把持系という)の固有振動数ωに基づいて、解放動作計画を適宜修正する。解放動作計画の修正、具体的には解放軌道の修正について説明する前に、把持系における振動と真空圧との関係について説明する。図6および図7には、これらの関係を示す。図6は、物品把持機構6における吸着パッド62および物品P(選択物品)により構成される把持系Xの振動態様を模式的に示す図である。図6に示す例では、物品Pは、直方体状の荷物(内容物)Pbがビニールフィルム等Pwで包装された柔軟物である。把持系Xの振動態様は、水平面(一例として物流センタの建屋の床面)に対する物品Pの傾きθ(物品角度)の変化で示される。図7は、物品把持機構6とともに動作制御されるロボットアーム3(具体的にはアーム部32)の動作加速度(実線L1)、物品角度(破線L2)、把持系Xの真空圧(一点鎖線L3)について、それぞれの値の時間変動を示す図である。把持系Xの真空圧は、例えば吸着パッド62の内圧として圧力センサ66により測定される。
図7に示すような動作加速度、つまり一旦加速した後、一定速度(停止含む)でアーム部32が動作制御された場合、図6に示すような態様で把持系Xが振動する。この場合、柔軟物である物品Pは、自重によってビニールフィルム等Pwが引っ張られた状態となり、振り子と同様に扱うことが可能となる。すなわち、図8に示すような自由回転軸AxとねじりばねSpで構成された振り子系Yとして捉えることができる。
このような振り子系Yにおいて、例えば振り子に相当する物品Pの自重が大きく、かつねじりばねSpが引っ張られる長さ(ねじりばねSpの余長)が大きい状態は、振り子系Yの固有振動数が低い状態に相当する。換言すれば、図6に示すような把持系Xにおいて、例えば物品Pの荷物Pbの自重が大きく、かつビニールフィルム等Pwが大きく引っ張られた状態は、固有振動数ωが低い状態として捉えられる。このため、把持系Xの固有振動数ωが低いほど、把持系Xにおける物品Pの把持力が不安定となり、把持系Xが振動しやすくなる。したがって、把持系Xの固有振動数ωを知ることができれば、ロボットアーム3の動作加速度、具体的にはアーム部32の動作時における加速度もしくは減速度によって、把持系Xの振動、端的には把持された物品Pの振動を適切に制御可能となる。
図6に示す態様で把持系Xが振動する場合、図7に示すように、把持系Xにおいて、振動態様を示す物品角度と真空圧の時間変動とは所定の相関を有している。すなわち、物品角度周期(振動周期)T1での波形の振幅と、真空圧揺動周期T2での波形の振幅とはほぼ連動している。具体的には、把持系Xにおける物品角度周期(振動周期)T1は、真空圧揺動周期T2のほぼ2倍となっており、振動周期T1での波形の振幅が大きくなると、真空圧揺動周期T2での波形の振幅も大きくなる。この時、把持系Xの真空圧が低下、つまり吸着パッド62の内圧が上昇する。これは、物品Pの傾きθ(物品角度)が増大するたびに、位置P1と位置P2から少しずつ隙間が生じて外気が流入し、真空圧が低下していく(低真空状態となる)ためである。位置P1,P2は、吸着パッド62のリップ62bの所定位置である。位置P1は、図6の矢印3Aで示すアーム部32の動作方向(動作加速度の作用方向)の奥側(下流側)の位置であり、位置P2は、手前側(上流側)の位置である。
なお、図6に示す例では、吸着パッド62に物品Pが一つだけ把持されている態様を示しており、本実施形態でも一例として、吸着パッド62に物品5(選択物品)が一つだけ把持される場合を想定する。この場合、把持系Xの固有振動数ωは、ω=1/T1≒1/(2×T2)で近似される。すなわち、把持系の固有振動数は、真空圧揺動の周波数、つまり吸着パッド62における物品5の吸着圧の変動周波数の半分(1/2)程度の値となる。ただし、複数の物品5が同時に把持される場合も想定可能である。例えばこれら複数の物品5が同一の固有振動数を有する場合には、これらの物品5を含む把持系の物品角度と真空圧の時間変動は、図7に示すような相関があるものとして捉えることが可能である。一方、これら複数の物品5が異なる固有振動数を有する場合には、これらの固有振動数を避けて解放動作計画が修正される。
これを踏まえ、計画部411は、把持系の固有振動数ωが既知であるか否かを判定する(S115)。
計画部411は、例えば記憶装置に格納されたデータベース(テーブル)に把持系の固有振動数ωの値が記録されたレコードが存在していれば、固有振動数ωが既知であると判定する。これに対し、かかるレコードが存在していなければ、計画部411は、固有振動数ωが既知ではない、つまり未知であると判定する。
計画部411は、例えば記憶装置に格納されたデータベース(テーブル)に把持系の固有振動数ωの値が記録されたレコードが存在していれば、固有振動数ωが既知であると判定する。これに対し、かかるレコードが存在していなければ、計画部411は、固有振動数ωが既知ではない、つまり未知であると判定する。
把持系の固有振動数ωが既知である場合、計画部411は、固有振動数ωに基づいて解放軌道を修正し、解放動作計画を再び策定する(S116)。計画部411は、再策定した解放動作計画の情報(動作指令)を動作制御部412に付与する。これにより、動作制御部412は、把持系の振動制御を行う。振動制御は、吸着パッド62で選択物品を把持した状態でアーム部32を動作させた場合に、選択物品を含む把持系に慣性力によって生ずる振動(揺動)を抑制するための制御であり、任意の公知技術を適用して行うことができる。例えば、把持系の固有振動数ωと選択物品(把持された物品)の振動位相を用いてロボットアーム3(具体的にはアーム部32)の加減速を行えばよい。
図9および図10には、このような制振制御の態様を示す。図9は、物品の振動周期と同位相で加減速した場合の振動制御の態様の一例を示す図である。図10は、物品の振動周期と逆位相で加減速した場合の振動制御の態様の一例を示す図である。図9および図10において、実線L1はロボットアーム3(具体的にはアーム部32)の動作加速度、破線L2は物品角度、一点鎖線L3は把持系の真空圧、二点鎖線L4はロボットアーム3(具体的にはアーム部32)の速度の時間変動をそれぞれ示す。図9に示す振動制御の態様では、加減速時に物品の振動が助長されて物品の角度変化が増大する。この結果、把持系の真空圧が低下し、物品が吸着パッド62から脱落(落下)してしまうおそれがある。これに対し、図10に示す振動制御の態様では、物品の振動周期と逆位相でアーム部32を加減速することで、減速時に物品の振動を相殺することができる。この結果、把持系の真空圧を低下させずに高圧の状態に維持され、物品の吸着パッド62からの脱落(落下)を抑制できる。したがって、本実施形態では、振動制御として物品(選択物品)の振動周期と逆位相でアーム部32を加減速することで、加減速時における物品の振動抑制を図っている。
その他の振動制御の方法として、例えばロボットアーム3のアーム部32の各関節軸を駆動するサーボモータに対して、固有振動数ωを避けるような帯域制御(特定周期での制御を避ける制御)を設定してもよい。また例えば、クレーン制御などに適用されるノッチ制御を振動制御として適用してもよい。
解放動作計画が再策定されると、動作制御部412は、再策定された解放動作計画に従って、目標解放位置へ向けてアーム部32を修正された解放軌道に沿って動作させる(S117)。これにより、アーム部32は、次の解放軌道に遷移する。例えば、遷移前がi-1番目の経由点からi番目の経由点までをつなぐ軌道iであれば、アーム部32は、i番目の経由点からi+1番目の経由点までをつなぐ軌道i+1に遷移する。
一方、S115において、固有振動数ωが既知ではない場合、動作制御部412は、圧力センサ66に吸着パッド62の内圧値の測定を開始させる(S118)。ここでは、固有振動数ωが既知ではないため、把持系の真空圧に基づいて固有振動数ωを算出するべく、現時点における吸着パッド62の内圧値を圧力センサ66が測定し始める。
例えば、初めて把持された選択物品を目標解放位置まで移動させる場合には、該選択物品を含む把持系の固有振動数ωは既知ではないことが想定される。なお、本実施形態では、物品移動処理の開始時には把持系の固有振動数ωが既知ではないものとして、S114において解放動作計画が策定されている。例えば、把持系の固有振動数(以下、想定固有振動数ω0という)が予め想定できる場合、想定固有振動数ω0の値を物品の属性情報の一つとして、その他の属性情報と紐付けて記憶装置などにテーブル化しておいてもよい。解放動作計画の策定時(S114)、計画部411は、テーブルから選択物品の属性情報を照会し、該選択物品を含む把持系の想定固有振動数ω0の値をレコードから読み出す。これにより、計画部411は、想定固有振動数ω0に基づいて、例えば想定固有振動数ω0を避けて解放動作計画を策定可能となる。
次いで、動作制御部412は、解放動作計画に従って、目標解放位置へ向けてアーム部32を解放軌道に沿って動作させる(S119)。ここでの解放動作計画は、S114で策定された解放動作計画であり、S116で再策定される前の解放動作計画である。したがって、かかる解放動作計画における解放軌道は、S114で設定された軌道であり、S116で修正される前の軌道である。これにより、アーム部32は、次の解放軌道に遷移し、該解放軌道に沿って動作する。解放軌道の遷移態様については、S117と同様である。なお、最初の解放軌道は、目標把持位置(0番目の経由点)から1番目の経由点までをつなぐ軌道1であり、アーム部32は、まず軌道1に沿って動作する。
続けて、動作制御部412は、圧力センサ66に吸着パッド62の内圧値の測定を終了させる(S120)。これにより、圧力センサ66は、アーム部32が所定の解放軌道(例えば、軌道i)に沿って動作している間もしくは直後の吸着パッド62の内圧値を測定し、測定値を計画部411に付与する。ここでの測定値は、測定開始から測定終了までの時系列のデータ(内圧データ)である。
吸着パッド62の内圧データが付与されると、計画部411は、その内圧データを周波数解析する(S121)。ここでは、把持系の固有振動数を算出するべく、計画部411は選択物品の吸着圧の測定値(具体的には周波数)の変動を解析する。周波数解析は、任意の方法で行うことが可能である。例えば、時系列の内圧データをフーリエ変換することで周波数解析すればよい。
なお、本実施形態では、周波数解析にあたって、アーム部32が所定の解放軌道に沿って動作している間もしくは直後の吸着パッド62の内圧値を測定しているが(S118,S120)、測定タイミングはこれに限定されない。例えば、アーム部32が所定の解放軌道に沿って動作した直後に吸着パッド62の内圧値を測定し、該測定値(内圧データ)を周波数解析してもよい。あるいは、アーム部32が所定の解放軌道(軌道i)に沿って動作した後、所定時間(例えば、0.1秒から2秒程度の任意の時間)経過後に吸着パッド62の内圧値を測定し、該測定値(内圧データ)を周波数解析してもよい。
また、このような内圧データの測定をアーム部32の解放軌道に沿った動作とは関係なく、常に繰り返し行い、後述するように固有振動数ωが算出された時点で、解放軌道の修正に反映し、解放動作計画が再策定されるようにしてもよい。さらに、周波数解析の方法はフーリエ変化に限定されない。例えば、時系列の内圧データについて、その増減を監視し、増加し始めた時点から減少に転じるまでの時間(T)の2倍の時間(2T)に基づいて、固有振動数ωを1/2Tとして算出してもよい。
内圧データを周波数解析すると、計画部411は、固有振動数算出条件を判定する(S122)。固有振動数算出条件は、内圧データの周波数解析結果に基づいて、把持系の固有振動数ωが算出可能であるか否かを判定するための条件である。固有振動数算出条件の判定にあたって、計画部411は、内圧データの周波数解析の結果、所定の周波数閾値以上でピークが得られた周波数の有無を判定する。所定の周波数閾値は、例えば0.2Hzから10Hzの間の任意の値であり、記憶装置に保持され、固有振動数算出条件の判定時にパラメータとしてメモリに読み出される。計画部411は、かかる周波数が存在している場合には固有振動数算出条件が成立すると判定し、存在していない場合には固有振動数算出条件が成立しないと判定する。
固有振動数算出条件が成立する場合、計画部411は、周波数閾値以上でピークが得られた周波数を把持系の固有振動数ωとして算出し、その値を例えば記憶装置に保持する(S123)。保持された値(算出周波数)は、把持系の固有振動数ωが既知であるか否かの判定時に既知の固有振動数ωとして適用される。したがって、アーム部32が所定の解放軌道以降の軌道(例えば軌道i+1以降)を変位する際、その解放動作計画には算出周波数が把持系の固有振動数ωとして反映される。ただし、周波数解析を常に繰り返し、得られた算出周波数の値を平均し、その平均値を固有振動数ωの値として算出してもよい。また、周波数解析を常に繰り返して得られた算出周波数のすべての値を避けるように、アーム部32の各関節軸を駆動するサーボモータを帯域制御してもよい。
一方、固有振動数算出条件が成立しない場合、計画部411は固有振動数ωの算出を行わない。
一方、固有振動数算出条件が成立しない場合、計画部411は固有振動数ωの算出を行わない。
計画部411は、把持系の固有振動数ωに基づいて解放動作計画(具体的には解放軌道)を適宜修正するための制御を、アーム部32がすべての解放軌道(軌道1から軌道nまで)を遷移するまで繰り返す。したがって、計画部411は、最終軌道到達条件を判定する(S124)。最終軌道到達条件は、アーム部32が最後の解放軌道である軌道nで動作しているか否かの判定条件である。計画部411は、アーム部32が最後の解放軌道である軌道nで動作している場合には最終軌道到達条件が成立し、軌道n以外で動作している場合には最終軌道到達条件が成立しないと判定する。
最終軌道到達条件が成立しない場合、計画部411は、S115以降の制御を順次行い、把持系の固有振動数ωに基づいて解放動作計画(具体的には解放軌道)を適宜修正する。すなわち、計画部411は、アーム部32が所定の軌道(例えば軌道i)に沿って動作している間に該軌道より先の軌道(例えば軌道i+1以降、軌道nまでの残りの軌道)を修正する。なお、このような軌道の修正は、アーム部32が所定の軌道(例えば軌道i)に沿って動作した後に実行されてもよい。
一方、最終軌道到達条件が成立する場合、アーム部32がすべての解放軌道(軌道1から軌道nまで)を遷移し、吸着パッド62の把持基準位置が目標解放位置と一致している状態となっている。
したがって、動作制御部412は、吸着パッド62の内部を大気開放(真空破壊)する(S125)。吸着パッド62の内部を大気開放するにあたって、動作制御部412は、電磁弁65を閉じ、コンプレッサ64から真空発生器63への圧縮空気の供給を停止させる。これにより、吸着パッド62の内部が真空破壊し、大気開放される。その際、圧力センサ66は、吸着パッド62の内圧を測定し、測定値を動作制御部412に付与する。
したがって、動作制御部412は、吸着パッド62の内部を大気開放(真空破壊)する(S125)。吸着パッド62の内部を大気開放するにあたって、動作制御部412は、電磁弁65を閉じ、コンプレッサ64から真空発生器63への圧縮空気の供給を停止させる。これにより、吸着パッド62の内部が真空破壊し、大気開放される。その際、圧力センサ66は、吸着パッド62の内圧を測定し、測定値を動作制御部412に付与する。
続けて、動作制御部412は、解放適否条件を判定する(S126)。解放適否条件は、吸着パッド62から選択物品が適切に解放されているか否かを判定するための条件である。解放適否条件の判定にあたって、動作制御部412は、圧力センサ66から付与された吸着パッド62の内圧値を所定の閾値(以下、解放適正値という)と比較する。解放適正値は、例えば選択物品の大きさや重量、周囲環境などに応じて設定されており、記憶装置に保持され、把持適否条件の判定時にパラメータとしてメモリに読み出される。特に限定されないが、解放適正値の目安は、大気圧と同程度、例えばゲージ圧が0kPaから-5kPa程度の範囲内の値であればよい。また、解放適正値は、一定値であっても、選択物品の大きさや重量に応じて設定された変動値であってもよい。
本実施形態では一例として、内圧値が解放適正値以上である(吸着パッド62内が低真空状態である)場合、動作制御部412は、吸着パッド62から選択物品が適切に解放されており、解放適否条件が成立すると判定する。これに対し、内圧値が解放適正値未満である(吸着パッド62内が高真空状態である)場合、動作制御部412は、吸着パッド62から選択物品が適切に解放されておらず、把持適否条件が成立しないと判定する。ただし、内圧値が解放適正値である場合おける解放適否条件の成否は、上記とは逆であってもよい。
解放適否条件が成立しない場合、動作制御部412は、アーム部32を再び解放動作させる(S125)。なお、この場合、例えば所定時間経過後に物品移動処理を終了させるタイムアウト処理や、所定回数だけ解放動作を繰り返しても、解放適否条件が成立しない場合には物品移動処理を終了させるリトライ処理などを組み合わせてもよい。さらにまた、動作制御部412は、所定の異常処理を実行してもよい。例えば、警告灯の点灯(点滅)、警告音の鳴動、警告メッセージの表示などを行うことで、解放動作時に生じたエラーの周知徹底を図ることが可能となる。
一方、解放適否条件が成立する場合、動作制御部412は、解放した選択物品についての移動処理を完了させる(S127)。例えば、動作制御部412は、計画部411が策定したロボットアーム3および物品把持機構6の動作計画(把持動作計画および解放動作計画)における一連の制御(物品移動処理)が正常終了したことを示す信号を計画部411に送信する。その際、動作制御部412は、アーム部32を基準位置に戻し、ロボットアーム3および物品把持機構6をそれぞれ初期状態に戻す。ただし、動作制御部412は、アーム部32を基準位置に戻すことなく、移動先領域12からそのまま集積領域11に変位させてもよい。これらの動作(退避動作)にあたって、計画部411は所定の動作計画を策定し、所定の軌道(退避軌道)を設定する。なお、計画部411は、解放動作計画の策定時に解放起動とともにもしくはその一部として、退避軌道を設定してもよい。
そして、制御装置4は、次の物品5を集積領域11から移動先領域12に移動させるための物品移動処理(S101からS127)を引き続き行う。すなわち、制御装置4は、集積領域11に物品5が集積されている間、つまりS103において物品存否条件が成立している間、所定の制御を繰り返す。そして、集積領域11に集積された物品5がなくなると、つまりS103において物品存否条件が不成立となると、物品移動処理(S101からS127)を終了する。
このように本実施形態の制御装置4によれば、移動時における選択物品の振動をアーム部32の加減速制御によって抑制できる。具体的には、物品5(選択物品)を移動先領域12に移動させて解放させるまでの間、物品5を含む把持系の固有振動数ωに基づいて解放動作計画を適宜策定し直し、アーム部32の解放軌道を修正している。これにより、物品5の振動と逆位相でアーム部32を加減速可能となるように解放軌道を逐次修正することができる。このため、移動時における物品5の姿勢を安定させ、脱落を適切に抑止して、物品5を確実に移動先領域12まで移動させることができる。
また、解放軌道の修正は、アーム部32の動作を中断させることなく、物品5の移動中に適宜行われる。このため、ロボットアーム3のタクトタイム(動作周期)の短縮を図りながら、振動制御による物品5の姿勢の安定性を図ることができる。物品姿勢の安定性は、物品5を解放する際の静定待ち時間の短縮にも繋がり、ロボットアーム3の動作周期のさらなる短縮に寄与する。例えば、物品5が柔軟物である場合、移動時に生じる柔軟物自体の振動などによって吸着パッドでの吸着状態が箱物と比べて安定せず、移動中における柔軟物の姿勢が不安定となりやすい。しかしながら、本実施形態によれば、物品群5sに柔軟物が含まれていたとしても、ロボットアーム3の動作周期の短縮と移動中における柔軟物の吸着姿勢の安定とを両立させることができる。柔軟物と吸着パッド62で構成される把持系としては、バネ-マス系(バネーマスーダンパ系)で捉えられる系であれば、ビニールフィルム等で包装された内容物の形状やビニールフィルム等の余り具合などによらず任意の系が適用可能である。
上述したとおり、本実施形態では、解放軌道の修正を把持系の固有振動数ωに基づいて行う。その際、固有振動数ωを把持系の真空圧に基づいて算出している。固有振動数ωは、例えば力覚センサを用いても算出可能であるが、アーム部32の動作中における物品5を含む把持系の固有振動数ωを適切に算出することは容易ではない。しかしながら、本実施形態では把持系の真空圧に基づいて固有振動数ωを算出しているため、アーム部32の動作中であっても力覚センサや光学センサを用いた場合と比べてより精度よく固有振動数ωを算出できる。また、既存の圧力センサ66を流用できるため、より簡易な機構で固有振動数ωを算出できる。なお、このような把持系の真空圧に加えて、力覚センサや光学センサを併用して、ロボットアーム3やその固定部に起因する振動を検出して周波数解析を行い、固有振動数ωを算出してもよい。
加えて、本実施形態では、荷役ロボットが垂直多関節式のロボットアーム3である場合について説明したが、スカラロボット(水平多関節ロボット)、XYZステージ、直動アクチュエータ、あるいはこれらとの組み合わせなどであっても、動作周期(タクトタイム)の短縮と移動中における物品姿勢の安定とを両立させることが可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上述したように、本実施形態では、物品把持機構6において物品5の吸着圧(つまり吸着パッド62の内圧)を調整する真空圧調整系統が一系統である場合を想定したが、かかる真空圧調整系統は複数であってもよい。例えば、図11に示すように、真空圧調整系統を二系統とすることも可能である。図11は、二つの真空圧調整系統R1,R2を備えた物品把持機構60(物品把持機構6の変形例)を模式的に示す配管系統のブロック図である。なお、物品把持機構60を含む荷役装置のその他の構成、つまり検出装置、ロボットアームおよび制御装置の構成は、図2に示す検出装置2、ロボットアーム3、および制御装置4と同様である。
図11に示すように、物品把持機構60の二つの真空圧調整系統R1,R2は、真空発生器63a,63b、電磁弁65a,65b、圧力センサ66a,66b、第2の配管68a,68bをそれぞれ一つずつ備えている。コンプレッサ64、第1の配管67、継手69は、二つの真空圧調整系統R1,R2で共用とされているが、真空圧調整系統R1,R2ごとに独立して備えられていてもよい。これらの各要素は、真空圧調整系統R1,R2ごとにそれぞれ独立して制御装置4に動作制御される。各真空圧調整系統R1,R2には、それぞれ複数の吸着パッド62(以下、吸着パッド群621,622という)が接続されている。なお、一つの吸着パッド62は一つの真空圧調整系統と接続されていればよいため、真空圧調整系統の最大数は、吸着パッド62の総数となる。
解放動作計画の修正にあたっては、真空圧調整系統R1,R2における真空圧(各々の吸着パッド群621,622の内圧)が圧力センサ66a,66bでそれぞれ測定される。計画部411は、真空圧調整系統R1,R2ごとに測定された内圧データを周波数解析し、把持系Zの固有振動数ωを算出する。把持系Zは、物品把持機構60における吸着パッド群621,622および物品P(選択物品)により構成される。そして、計画部411は、算出した固有振動数ωに基づいて解放動作計画(端的には解放軌道)を適宜修正する。
図12は、把持系Zの振動態様を模式的に示す図である。図12に示す例では、物品Pは、直方体状の荷物(内容物)Pbがビニールフィルム等Pwで包装された柔軟物である。把持系Zの振動態様は、水平面(一例として物流センタの建屋の床面)に対する物品Pの傾きθ(物品角度)の変化で示される。図13は、物品把持機構60とともに動作制御されるロボットアーム3(具体的にはアーム部32)の動作加速度(実線L1)、物品角度(破線L2)、把持系Xの真空圧(一点鎖線L5、二点鎖線L6)について、それぞれの値の時間変動を示す図である。把持系Zの真空圧は、例えば吸着パッド群621,622の内圧として圧力センサ66a,66bにより測定される。一点鎖線L5は、圧力センサ66aの測定値、二点鎖線L6は圧力センサ66bの測定値である。
図12に示す例において、吸着パッド群621は、矢印3Aで示すアーム部32の動作方向(動作加速度の作用方向)の奥側(下流側)に配置され、吸着パッド群622は、手前側(上流側)に配置されている。位置P3,P4は、吸着パッド群621,622の各リップ62bの所定位置である。アーム部32の動作方向(動作加速度の作用方向)において、位置P3は吸着パッド群621の奥側(下流側)の位置であり、位置P4は吸着パッド群622の手前側(上流側)の位置である。
ここで、図13に示すような動作加速度、つまり一旦加速した後、一定速度(停止含む)でアーム部32が動作制御された場合、図12に示すような態様で把持系Zが振動する。把持系Zは、二つの真空圧調整系統R1,R2を有しており、これらはアーム部32の動作方向(動作加速度の作用方向)の奥側(下流側)と手前側(上流側)に分かれて位置付けられている。物品Pの傾きθ(物品角度)が増大するたびに、位置P3と位置P4から少しずつ隙間が生じて圧縮空気が漏れていく。位置P3で隙間が生じると、吸着パッド群621は、内圧が上昇(真空圧が低下)していき、低真空状態となる。これに対し、位置P4で隙間が生じると、吸着パッド群622は、内圧が上昇(真空圧が低下)していき、低真空状態となる。すなわち、吸着パッド群621,622の内圧値は独立して変化する。これらの内圧値は圧力センサ66a,66bによってそれぞれ測定され、その検出精度が高められるため、結果として把持系Zの固有振動数ωの算出精度を高めることができる。
計画部411は、アーム部32の動作方向(動作加速度の作用方向)に応じた各真空圧調整系統R1,R2における真空圧(物品Pの吸着圧)の変動に基づいて把持系Zの固有振動数ωを算出する。
図12に示す態様で把持系Zが振動する場合、図13に示すように、把持系Zにおける物品角度周期(振動周期)T1は、真空圧揺動周期T2とほぼ等しくなる。この場合、把持系Zの固有振動数ωは、ω=1/T1≒1/T2で近似される。すなわち、把持系の固有振動数は、真空圧揺動の周波数と同程度の値となる。なお、図12において、アーム部32の動作方向(動作加速度の作用方向)が表裏方向のいずれかとなる場合、把持系Zの振動態様と、動作加速度、物品角度、真空圧の時間変動は、図6および図7に示す把持系Xとそれぞれほぼ同等となる。したがって、この場合、把持系Zにおける物品角度周期(振動周期)T1は、真空圧揺動周期T2のほぼ2倍となる。
また、アーム部32の動作方向(動作加速度の作用方向)が図12に矢印で示す方向および図12の表裏方向のいずれに対しても傾斜する斜め方向となる場合、物品角度周期(振動周期)T1は、真空圧揺動周期T2の1倍から2倍程度となる。この場合、T1およびT2は、アーム部32の動作方向と真空圧調整系統R1,R2の分割方向(配列方向)との間の角度αを用いた関係式(T1=f(α)×T2)に基づいて算出可能である。例えば、f(α)は、f(0)=1、f(π/2)=1を満たす任意の関数である。
このようにアーム部32の動作方向(動作加速度の作用方向)に応じて把持系Zの固有振動数ωを算出することで、解放動作計画の修正精度を高めることができる。
1…荷役装置、2…検出装置、3…荷役ロボット(ロボットアーム)、4…制御装置、5,P…物品、5s…物品群、6,60…物品把持機構、11…集積領域、12…移動先領域、21…検出部、22…解析部、31…基台部、32…アーム部、32a…アーム先端部、33…ツール、41…制御部、61…本体部、62…吸着部(吸着パッド)、62a…筒体、62b…密着部(リップ)、63,63a,63b…真空発生器、64…コンプレッサ、65,65a,65b…電磁弁、66,66a,66b…圧力センサ、67…第1の配管、68,68a,68b…第2の配管、69…継手、411…計画部、412…動作制御部、A…軸芯、R1,R2…真空圧調整系統、T1…物品角度周期(振動周期)、T2…真空圧揺動周期、X,Z…把持系。
Claims (10)
- 物品を吸着する吸着部と前記吸着部における前記物品の吸着圧を測定する圧力センサとを有する物品把持機構と、
前記吸着部に吸着された前記物品を集積領域から所望領域に移動させるアーム部と、を備えた前記物品の荷役ロボットの動作を制御する制御装置であって、
前記圧力センサが測定した前記物品の吸着圧の測定値の変動を解析し、解析結果に基づいて前記吸着部と前記物品とにより構成される系の固有振動数を算出する制御部を有する
制御装置。 - 前記制御部は、前記吸着部が前記物品を吸着した状態で前記アーム部が動作する際に、算出した前記系の固有振動数に基づいて前記アーム部の動作時における加速度もしくは減速度を制御する
請求項1に記載の制御装置。 - 前記制御部は、前記系の固有振動数で規定される振動周期と逆位相で前記アーム部を加速もしくは減速する
請求項2に記載の制御装置。 - 前記制御部は、前記アーム部が動作する際の経由点を設定するとともに、前記アーム部の動作負荷を最小限にとどめるように隣り合う経由点間をつなぐ軌道を設定し、前記軌道に沿って前記アーム部を動作させる動作計画を策定して前記アーム部を動作させる
請求項2に記載の制御装置。 - 前記制御部は、算出した前記系の固有振動数に基づいて前記軌道を修正し、前記動作計画を再策定する
請求項4に記載の制御装置。 - 前記物品把持機構は、前記物品の吸着圧を調整する吸着圧調整系統を一系統有し、
前記制御部は、前記系の固有振動数を前記吸着圧調整系統における吸着圧の変動周波数の1/2に設定する
請求項5に記載の制御装置。 - 前記物品把持機構は、前記物品の吸着圧を調整する複数の吸着圧調整系統を有し、
前記制御部は、前記アーム部の動作加速度の作用方向に応じた各吸着圧調整系統における吸着圧の変動に基づいて前記系の固有振動数を算出する
請求項5に記載の制御装置。 - 前記制御部は、前記アーム部が所定の前記軌道に沿って動作している間もしくは動作した後の前記物品の吸着圧の測定値を周波数解析して前記系の固有振動数を算出し、算出した固有振動数に基づいて前記所定の軌道より先の軌道を修正する
請求項5に記載の制御装置。 - 前記系の固有振動数の値を前記物品の属性情報の一つとしてその他の属性情報と紐付けて記憶する
請求項1に記載の制御装置。 - 前記制御部は、前記系の固有振動数の算出時に前記物品の属性情報と紐付けられた固有振動数が記憶されている場合、記憶されている固有振動数に基づいて前記系の固有振動数を算出する
請求項9に記載の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020133226A JP2022029756A (ja) | 2020-08-05 | 2020-08-05 | 荷役ロボットの制御装置 |
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JP2020133226A Pending JP2022029756A (ja) | 2020-08-05 | 2020-08-05 | 荷役ロボットの制御装置 |
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JP (1) | JP2022029756A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024089871A1 (ja) * | 2022-10-28 | 2024-05-02 | 株式会社Fuji | 制御装置、異物除去装置及び情報処理方法 |
-
2020
- 2020-08-05 JP JP2020133226A patent/JP2022029756A/ja active Pending
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