JP2022023564A - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】情報処理装置が、動きのある対象物を異なるタイミングで撮影することにより第1の画像および第2の画像を取得する画像取得部と、前記第1の画像と前記第2の画像との位置合わせ処理を行う画像処理部と、を有する。前記画像処理部は、前記第1の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量と前記第2の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量との差が小さくなるように、前記第1の画像および/または前記第2の画像の画素値を変換し、変換された画素値に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像の間での前記対象物の領域内の画素の対応関係を取得する。
【選択図】図1
Description
物の領域の画素値の統計量と前記第2の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量との差が小さくなるように、前記第1の画像および/または前記第2の画像の画素値を変換し、変換された画素値に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像の間での前記対象物の領域内の画素の対応関係を取得することを特徴とする情報処理装置を含む。
本発明の第一実施形態に係る情報処理システムは、医療機関における医師や技師などのユーザに対して、検査対象である被検体の胸膜の癒着状態の把握、診断を支援する機能を提供する。具体的には、肺の移動情報として、被検体の肺の運動に関する特徴量の一種である胸膜の滑り状態を容易に視認できる観察画像を生成する機能を提供する。より具体的には、呼吸により運動する被検体の肺を撮影した時系列の3DCTデータ(4DCTデー
タ、4次元CT画像)から、該被検体の肺の胸膜部分(肺輪郭部分)の動きを計測し、該部分の滑り状態を滑り量マップとして視覚化する。なお、「滑り」とは、動きのある対象物(肺など)とその周囲領域との相対的な移動であり、「滑り量マップ」は、対象物の領域と周囲領域の間(境界)の滑り量の分布を表す情報である。
成されている。
ステップS1000において、検査画像取得部100は、検査画像データベース30から被検体の肺を撮影した4DCTデータを取得する。本実施形態における4DCTデータとは、時系列の3次元ボリュームデータであり、被検体の呼吸による動態を撮影したデータである。より具体的には被検体の吸気位(例えば最大吸気位)と呼気位(例えば最大呼気位)を含む2時相以上の複数の3DCTデータで構成される4DCTデータを取得する。本実施形態では具体例として、3時相の3DCTデータを取得する場合を例として説明する。ここでは各時相の3DCTデータをI_t(1≦t≦3)と表す。また、本実施形態の説明では、各3DCTデータをI_t(x,y,z)と画像内の位置を引数とし、当該位置の画素値を返す関数としても表記する。また、本実施形態では、吸気位の3DCTデータがI_1、呼気位の3DCTデータがI_3、その中間の時相の3DCTデータがI_2である場合を例として説明する。
使用しても良い。ここで、呼吸周期よりも十分に早い周期で撮影を行い、得られた複数の画像の中から所望の呼吸時相の画像を処理対象画像として抽出してもよい。また、ユーザによる操作を受け付け、それにより処理対象画像を選択してもよい。あるいは、患者の呼吸と同期させて、所望の呼吸時相のタイミングで撮影を行ってもよい。またMRIや超音波画像などの他のモダリティで撮影した時系列画像を取得する場合も、本発明の一実施形態となりうる。
ステップS1010において領域抽出部110は、ステップS1000で取得した複数の3DCTデータの夫々について、肺野領域を抽出する処理を実行する。3DCTデータから肺野の領域を抽出する処理は公知の画像処理手法を用いて実現できる。例えば、画素値に任意の閾値処理を施す手法でもよいし、グラフカット法をはじめとする既知のセグメンテーション手法を用いてもよい。また、Deep Learningなどのニューラルネットワークを利用したセグメンテーション(セマンティック・セグメンテーション)手法を用いてもよい。また、不図示の図形描画ソフトを用いて、ユーザが手動で肺の領域を抽出してもよいし、公知の画像処理手法で抽出した肺の領域をユーザが手動で修正した領域でもよい。本実施形態では、画素値に任意の閾値処理を施す手法を用いて、ステップS1000で取得した全ての時相の3DCTデータについて肺野領域を抽出する。具体的には、画素値が所定の閾値範囲内にあるか否かで3DCTデータ内の全画素を二値化した後、孤立点除去や平滑化などの後処理を行い、肺野領域を抽出する。そして、各時相の肺野領域の抽出結果を、マスク画像M_t(1≦t≦3)として算出する。マスク画像M_tは、3DCTデータのI_t(1≦t≦3)の夫々に関する肺野領域を表す情報であり、3DCTデータの対応する位置が肺野である場合には画素値が1、それ以外の場合には画素値が0となるデータである。なお、本実施形態の説明では、マスク画像M_tをM_t(x,y,z)と画像内の画素位置を引数とし、当該位置の画素値、すなわち当該位置が肺野の領域であるか否かの値を返す関数としても表記する。本実施形態では、M_tは3DCTデータI_tと同程度に離散化されたボリュームデータとして保持する。
ステップS1020において平均濃度値算出部120は、ステップS1000で取得した複数の3DCTデータの夫々について、ステップS1010で抽出した肺野内の領域における平均濃度値を算出する処理を実行する。具体的には、式(1)に示す演算を複数の3DCTデータの夫々について実行する。式(1)において、Ωは、3DCTデータの画像全体(全画素)を表す。C_ave_tは、3DCTデータI_tの平均濃度値である。
ても良い。また、これらの値を肺野内の領域だけから算出する場合に限らず、各時相の3DCTデータ全体の平均濃度値を算出するようにしても良い。逆に、肺野内の全画素の統計量ではなく、一部の画素の統計量を算出してもよい。
ステップS1030において濃度値補正部130は、ステップS1000で取得した複数の3DCTデータの夫々について、ステップS1020で取得した各3DCTデータにおける肺野内の平均濃度値に基づいて濃度値を補正(変換)する処理を実行する。より具体的には、全ての3DCTデータの肺野内の平均濃度値が、基準とする時相(例えば、吸気位)の3DCTデータの肺野内の平均濃度値と同一となるように、各時相の3DCTデータ全体の濃度値に対して式(2)に示す補正処理を行う。式(2)において、C_ave_1は基準時相(例えば、吸気位)の平均濃度値であり、C_ave_tは補正前の3DCTデータI_tの平均濃度値であり、I’_tは補正後の3DCTデータである。
ステップS1040において、変位場算出部140は、濃度値補正後の複数の3DCTデータI’_t(1≦t≦3)に基づいて、吸気位の3DCTデータI_1と呼気位の3DCTデータI_3との間の肺野内の位置合わせ処理を実行する。本実施形態ではI’_1とI’_2の間の位置合わせとI’_2とI’_3の間の位置合わせを夫々実行し、それらの結果を統合することで、I’_1とI’_3の間の位置合わせ結果を得る。このように、吸気位の画像と呼気位の画像の間の位置合わせを直接計算するのではなく、中間の状態(時相)の画像を用いて間接的に計算することは、位置合わせの精度向上に有利である。すなわち、吸気位と呼気位の間では肺の移動量(位置の違い)が大きいため、画素同士の対応関係を把握することが困難であったり、対応画素の探索に失敗する可能性が高まる。その点、中間状態の画像を間に挟むことにより、移動量(位置の違い)が比較的小さい画像同士の位置合わせ処理になるため、位置合わせの容易化並びに精度向上を図ることができる。なお、中間状態の画像の数を増やすほど位置合わせは容易になるが、逆に処理時間の増大を招くため、精度と処理時間のバランスを考慮して、中間状態の画像の数を決定するとよい。
ステップS1050において、変位場算出部140は、ステップS1000で取得した複数の3DCTデータI_t(1≦t≦3)に基づいて、吸気位の3DCTデータI_1と呼気位の3DCTデータI_3との間の肺野外の位置合わせ処理を実行する。肺野外とは、肺野(対象物領域)の周囲の領域である。本実施形態では、I_1とI_2の間の位置合わせとI_2とI_3の間の位置合わせを夫々実行し、それらの結果を統合することで、I_1とI_3の間の位置合わせ結果を得る。具体的な処理方法はステップS1040で説明した方法と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。なお、肺野外の画素は呼吸による濃度値の変化が小さいため、画素値を変換する前の3DCTデータを用いるとよい。
ステップS1060において、マップ生成部150は、被検体の肺表面(肺輪郭)上での呼吸による滑り量のマップを生成する処理を実行する。この処理は、ステップS1010で算出した吸気位の肺野マスク画像M_1、ステップS1040で算出した変位場D_inner(x,y,z)、および、ステップS1050で算出した変位場D_outer(x,y,z)に基づいて実行する。より具体的には、特許文献1に記載の方法により実施することができる。すなわち、肺野マスク画像M_1の輪郭部分におけるD_out
er(x,y,z)とD_inner(x,y,z)の二つの変位場の違いを算出し、それを3次元のマップである滑り量マップS(x,y,z)として生成する。本実施形態では、滑り量マップS(x,y,z)は吸気位の3DCTデータの画像座標系での位置を引数として、当該位置における滑り量を返す関数である。より具体的には3DCTデータと同程度に離散化されたボリュームデータとして保持する。マップ生成部150は、必要に応じて、生成した滑り量マップS(x,y,z)を、不図示の記憶部、あるいは、検査画像データベース30に、被検体の検査画像と対応付けて保存する処理を行う。
ステップS1070において、表示制御部160は、ステップS1060で算出した滑り量マップS(x,y,z)を表示装置60に表示させるための制御を行う。具体的には滑り量マップを観察するための画像(観察画像)を生成し、その画像を表示装置60に表示させるように制御を行う。観察画像は、例えば、被検体の3次元の肺野輪郭形状上に、滑り量マップをグレースケールやカラーマップなどで階調変換したサーフェースレンダリング画像として生成するようにできる。なお、上述の方法は本発明の一例に過ぎず、如何なる方法で滑り量マップを表示しても、または表示自体を行わなくても、本発明の一実施形態となりうる。
第一実施形態のステップS1040の説明では、画素値変換後の画像I’_tを用いて肺野内の位置合わせを実行する具体的な一例について説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、第一実施形態で説明したS1040の処理を実行した後に、その処理結果である変位場D_inner(x,y,z)をさらに修正する処理を実行するようにできる。例えば、前記処理により算出した変位場D_inner(x,y,z)に基づいて、肺野内の局所的な体積変化を算出し、それに基づいて肺野内の各位置の画素値をさらに補正する。具体的には局所的に体積が膨張する部分の濃度値を低くし、逆に局所的に体積が収縮する部分の濃度値を高くするようにできる。そして、その補正した画像に基づいて、さらに位置合わせ処理を実行することで変位場D_inner(x,y,z)を修正するようにしても良い。また、この処理により修正された変位場に基づいて、さらに上記同様の処理を繰り返して変位場を修正するようにしても良い。これによれば、第一実施形態で説明した肺野内の位置合わせに加え、さらに被検体の肺野領域の局所的な体積変化を推定し、それに基づいた濃度値補正を行うことができるため、より高精度な位置合わせが行える効果がある。
本発明の第一実施形態では、ステップS1020で複数の3DCTデータの夫々の肺野の平均濃度値を算出し、ステップS1030では、その差異を吸収するように、各画像の濃度値をシフトさせる補正を行う場合を例として説明した。しかし、本発明の実施はこれに限らない。例えば、ステップS1020では、各3DCTデータについて、肺野の平均濃度値C_ave_tに加えて濃度値の分散C_div_tも算出するようにできる。この場合、ステップS1030では全ての3DCTデータの肺野の平均濃度値と濃度値の分散が、吸気位のそれらと同一になるように、濃度値を線形変換(シフトおよびスケーリング)により補正する処理を実行するようにしても良い。なお、平均値と分散値を所望の値に一致させるための線形変換は公知の方法により実施できる。以上の方法によれば、各時相の3DCTデータについて、平均濃度値だけでなく、濃度値の分散についても吸気位の
3DCTデータと一致させることができるため、より吸気位の3DCTデータに近似した画像に補正することができる。これにより、肺野内の位置合わせをより正確に実行できる効果がある。
本発明の第一実施形態では、ステップS1000で3時相の3DCTデータを取得する場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、ステップS1000では吸気位と呼気位の2時相の3DCTデータだけを取得するようにしても良い。この場合、ステップS1030の処理では、吸気位と呼気位の3DCTデータの濃度値を補正する。そして、ステップS1040では、それらの画像間の位置合わせにより、吸気位と呼気位の間の肺野内の変位場を算出する。また、ステップS1050では、ステップ1000で取得した2時相の3DCTデータ間の位置合わせにより肺野外の変位場を算出する。以上に説明した方法により2時相の3DCTデータを入力とした場合の処理が実施される。
本発明の第二実施形態について説明する。第一実施形態では、濃度値を補正した画像を生成し、その画像を用いて肺野内の位置合わせ処理を実行する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施はこれに限らない。第二実施形態では、濃度値を補正した画像を生成するのではなく、肺野内の位置合わせ処理の中で画素単位での濃度値補正を行う場合を例として説明する。
ステップS2000からステップS2020は、第一実施形態のステップS1000からステップS1020と同様の処理を行う。ここでは詳細な説明は省略する。
ステップS2040において、変位場算出部140は、ステップS2000で取得した複数の3DCTデータI_t(1≦t≦3)に基づいて、吸気位の3DCTデータI_1と呼気位の3DCTデータI_3との間の肺野内の位置合わせ処理を実行する。本実施形態ではI_1とI_2の間の位置合わせとI_2とI_3の間の位置合わせを夫々実行し、それらの結果を統合することで、I_1とI_3の間の位置合わせ結果を得る。上記の処理結果として変位場算出部140は、変位場D_inner(x,y,z)を取得する。複数の変位場を統合する方法は公知のいずれの方法を用いても良い。ここで、D_inner(x,y,z)は、吸気位の3DCTデータI_1における被検体の肺野内の任意の三次元位置(x,y,z)を、それに対応する呼気位の3DCTデータI_3における三次元位置(x’,y’,z’)に変換する座標変換関数である。
mapping)法など他の変形位置合わせ手法を用いても良い。
ステップS20400において、変位場算出部140は、変位場D_inner12(x,y,z)を初期化する処理を実行する。具体的にはFFDの全ての制御点の制御量をゼロベクトルに初期化する。なお、本実施例では、FFDの制御点の数をN個とし、それぞれの制御点に3次元の制御量パラメータを設定する場合を例として説明する。すなわち、全体で3N個の制御量パラメータにより変位場を表現する場合を例として説明する。本実施形態では制御量パラメータをVと表記する。ここで、VはFFDの制御量を格納する3N次元のベクトル形式のデータである。また本ステップにおいて変位場算出部140は、I_1とI_2の間の画像類似度を算出する処理を実行する。画像類似度の算出方法は公知のいずれの方法を用いても良いが、本実施形態では一例として式(3)に示すSSD(Sum of Square Difference)により画像類似度E_orgを算出するものとする。
ステップS20401において変位場算出部140は、ステップS20403からステップS20404までの処理の対象とする制御点のインデックス値iを1に初期化する。
ステップS20403において変位場算出部140はインデックスiの制御点の制御量を微小に変動させた場合の変位場を算出する。そして算出した変位場に基づいてI_1とI_2との間の画像類似度を算出する。
ステップS20404において変位場算出部140は、制御量パラメータのインデックス値iをインクリメントする処理を実行する。
ステップS20405において変位場算出部140は、制御量パラメータのインデックス値iが制御量パラメータの総数3Nを超えたか否かを判定する。もし超えた場合には処理をステップS20406に進め、そうでない場合には処理をステップS20403に戻す。
ステップS20406において変位場算出部140は、画像類似度E_orgおよびE_i(1≦i≦3N)に基づいて変位場D_inner12(x,y,z)を更新する処理を実行する。具体的には、画像類似度E_orgおよびE_i(1≦i≦3N)に基づいて制御量パラメータVを更新し、それに基づいて変位場D_inner12(x,y,z)を更新する処理を実行する。
ステップS20407において変位場算出部140は、ステップS20406で修正された変位場D_inner12(x,y,z)に基づいて、I_1とI_2との間の画像類似度を算出し、E_orgを更新する処理を実行する。画像類似度の算出方法は式(3)に示す計算方法と同様であり、詳細な説明は省略する。
ステップS20408において変位場算出部140は、ステップS20407で算出した類似度に基づいて、ステップS2040の処理を終了するか否かの判定を行う。具体的には、画像類似度E_orgが所定の閾値よりも大きい場合にはステップS2040の処理を終了し、そうでない場合には処理をステップS20401に戻す。
本実施形態の説明では、ステップS20400において画像類似度E_orgの算出方法の一例として、式(3)に示すように、I_1の画素値と濃度値補正後のI_2の画素値とを同一のウィンドウ変換関数Wで変換する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施はこれに限らない。例えば、式(5)に示すようにI_1の画素値とI_2の画素値とを、異なるウィンドウ変換関数を用いて変換するようにしても良い。例えば、I_1用のウィンドウ変換関数W_1のウィンドウ中心をC_ave_1とし、I_2用のウィンドウ変換関数W_2のウィンドウ中心をC_ave_2に夫々設定しても良い。また、W_1のウィンドウ幅をI_1の肺野内部の濃度値の分散に基づいて設定し、W_2のウィンドウ幅をI_2の肺野内部の濃度値の分散に基づいて設定するようにしても良い。
本発明の第三実施形態について説明する。本実施形態は、肺の移動情報として、被検体の肺の滑り量マップを生成する第一実施形態とは異なり、肺の移動情報として、被検体の肺の動き量マップを生成する。
ステップS3000からステップS3040において情報処理装置10は、第一実施形態の情報処理装置が実行するステップS1000からステップS1040と同様の処理を実行する。ここでは詳細な説明は省略する。
ステップS3060において、マップ生成部150は、被検体の肺表面(肺輪郭)上での呼吸による動き量のマップを生成する処理を実行する。この処理は、ステップS3010で算出した吸気位の肺野マスク画像M_1、ステップS3040で算出した変位場D_inner(x,y,z)に基づいて実行する。より具体的には、肺野マスク画像M_1の輪郭部分における変位場D_inner(x,y,z)の変位量を算出し、それを3次元のマップである動き量マップS(x,y,z)として生成する。本実施形態では、動き量マップS(x,y,z)は吸気位の3DCTデータの画像座標系での位置を引数として、当該位置における動き量を返す関数である。より具体的には、3DCTデータと同程度に離散化されたボリュームデータとして保持する。この動き量マップS(x,y,z)は、2つの時相(状態)の間での肺の動き量の分布を表すものである。マップ生成部150は、必要に応じて、生成した動き量マップS(x,y,z)を、不図示の記憶部、あるいは、検査画像データベース30に、被検体の検査画像と対応付けて保存する処理を行う。
ステップS3070において表示制御部160は、ステップS3060で算出した動き量マップS(x,y,z)を表示装置60に表示させるための制御を行う。具体的な制御方法は、第一実施形態のステップS1070で説明した滑り量マップの表示制御と同様にして行うことができる。詳細な説明は省略する。
本実施形態の説明では、ステップS3060において動き量マップを生成する場合を例として説明したが、本発明の実施はこれに限らない。例えば、ステップS3060の処理として肺の換気量マップを算出するようにしても良い。この場合、ステップS3040で算出した肺野内の変位場D_inner(x,y,z)に基づいて肺野内の各位置での体積の変化量の大小を可視化するようにしても良い。例えば、吸気位から呼気位への変位を表す変位場D_inner(x,y,z)を算出する本実施では、正常な肺機能を有する被検体であれば、肺野内における変位量は体積が大きく収縮する変位となる。これに対し、局所的な体積の収縮が小さい場合などには、当該箇所の肺の換気機能の障害が疑われる。本発明の実施の一例としては、そのような個所の存在をユーザが視認できるように、肺野内の変位場から局所的な体積の変化の状態を可視化する画像を生成してもよい。
上述した実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の構成および範囲は上述した実施形態に限定されるものではない。複数の実施形態の処理を組み合せてもよいし、複数の変形例の処理を組み合わせてもよい。
影をした状態(造影剤を導入した状態)の心臓を撮影した画像と、同部位を非造影で(造影剤を導入しない状態で)撮影した画像との間の位置合わせに関して、本発明を適用してもよい。また、造影剤の血中濃度が所定値より高い状態の心臓を撮影した画像と、造影剤の血中濃度が所定値より低い状態の心臓を撮影した画像との位置合わせに関して、本発明を適用してもよい。また、肺や心臓以外の臓器の画像に対して本発明を適用してもよい。
100:検査画像取得部
110:領域抽出部
120:平均濃度値算出部
130:濃度値補正部
140:変位場算出部
150:マップ生成部
Claims (15)
- 動きのある対象物を異なるタイミングで撮影することにより第1の画像および第2の画像を取得する画像取得部と、
前記第1の画像と前記第2の画像との位置合わせ処理を行う画像処理部と、を有し、
前記画像処理部は、
前記第1の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量と前記第2の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量との差が小さくなるように、前記第1の画像および/または前記第2の画像の画素値を変換し、
変換された画素値に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像の間での前記対象物の領域内の画素の対応関係を取得する
ことを特徴とする情報処理装置。 - 前記画像処理部は、さらに、
前記対象物の周囲の領域である周囲領域について、前記第1の画像と前記第2の画像の間での前記周囲領域内の画素の対応関係を取得し、
前記対象物の領域内の画素の対応関係と前記周囲領域内の画素の対応関係とに基づいて、前記対象物の領域と前記周囲領域の間の滑り量の分布を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記画像処理部は、画素値を変換する前の前記第1の画像および前記第2の画像を用いて、前記第1の画像と前記第2の画像の間での前記周囲領域内の画素の対応関係を取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記画像処理部は、さらに、
前記第1の画像と前記第2の画像の間での前記対象物の領域内の画素の対応関係に基づいて、前記第1の画像の状態と前記第2の画像の状態の間での前記対象物の動き量の分布を取得する
ことを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記画像処理部は、前記第1の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量と前記第2の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量との差が小さくなり、かつ、前記対象物の領域内の画像特徴が強調されるように、前記第1の画像および/または前記第2の画像の画素値を変換する
ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記画像処理部は、
前記第1の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量と前記第2の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量との差が小さくなるように、前記第1の画像および/または前記第2の画像の画素値を変換し、さらに、
変換後の前記第1の画像および/または前記第2の画像に対し、所定のウィンドウを用いたウィンドウ変換を行う
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。 - 前記画像処理部は、
前記第1の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量に基づいて設定した第1のウィンドウを用いて、前記第1の画像に対するウィンドウ変換を行うと共に、
前記第2の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量に基づいて設定した第2のウィンドウを用いて、前記第2の画像に対するウィンドウ変換を行う
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。 - 前記画像取得部は、前記第1の画像と前記第2の画像の間の状態で撮影された中間状態の画像を取得し、
前記画像処理部は、
前記中間状態の画像、前記第1の画像、および前記第2の画像の間での前記対象物の領域の画素値の統計量の差が小さくなるように、前記中間状態の画像、前記第1の画像、および前記第2の画像のうち少なくとも2つの画像の画素値を変換し、
変換された画素値に基づいて、前記第1の画像と前記中間状態の画像の間での前記対象物の領域内の画素の対応関係である第1の対応関係と、前記中間状態の画像と前記第2の画像の間での前記対象物の領域内の画素の対応関係である第2の対応関係とを取得し、
前記第1の対応関係と前記第2の対応関係を統合することにより、前記第1の画像と前記第2の画像の間での前記対象物の領域内の画素の対応関係を生成する
ことを特徴とする請求項1~7のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記画像処理部は、
前記第1の画像と前記第2の画像の間での前記対象物の領域内の画素の対応関係を取得した後、
前記対応関係に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像の間での前記対象物の体積変化を算出し、
前記対象物の体積変化に基づいて、前記第1の画像および/または前記第2の画像の変換後の画素値を補正し、
補正された画素値に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像の間での前記対象物の領域内の画素の対応関係を修正する
ことを特徴とする請求項1~8のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記画像処理部は、画素値の類似度に基づいて前記第1の画像と前記第2の画像の間の画素の対応付けを行う
ことを特徴とする請求項1~9のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記対象物は肺であり、前記第1の画像および前記第2の画像は異なる呼吸時相で撮影された画像である
ことを特徴とする請求項1~10のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記第1の画像および前記第2の画像は異なる造影条件で撮影された画像である
ことを特徴とする請求項1~10のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記第1の画像および前記第2の画像はCTデータである
ことを特徴とする請求項1~12のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 動きのある対象物を異なるタイミングで撮影することにより第1の画像および第2の画像を取得するステップと、
前記第1の画像と前記第2の画像との位置合わせ処理を行うステップと、を有し、
前記位置合わせ処理において、
前記第1の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量と前記第2の画像における前記対象物の領域の画素値の統計量との差が小さくなるように、前記第1の画像および/または前記第2の画像の画素値を変換し、
変換された画素値に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像の間での前記対象物の領域内の画素の対応関係を取得する
ことを特徴とする情報処理方法。 - 請求項14に記載の情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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