JP2022013624A - 光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】低位相差、高耐熱性及び高い紫外線カット性を兼ね備えた光学フィルムを提供する。【解決手段】ガラス転移温度は165℃以上、350nmの光透過率は10%以下、面内位相差は30nm以下、及び厚み位相差は100nm以下である、光学フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブル表示装置の材料等に使用される光学フィルム、及び該光学フィルムを備えるフレキシブル表示装置に関する。
光学フィルムは、液晶や有機EL等の表示装置、タッチセンサ、スピーカー、半導体など、種々の用途に用いられている。例えば、タッチセンサ基板材料としては、低位相差等を有する環状オレフィン系フィルム(例えば特許文献1)、寸法安定性等を有する芳香族ポリイミド系フィルムや脂肪族ポリイミド系フィルムなどが知られている(例えば特許文献2及び3)。
特開2004-156048号公報 特開2005-336243号公報 WO2019/156717号
しかし、特許文献1のような環状オレフィン系フィルムや特許文献3のような脂肪族ポリイミド系フィルムは、耐熱性と紫外線カット性との両立が十分ではなく、特許文献2のような芳香族ポリイミド系フィルムは、位相差が高いという問題があった。このように、本発明者の検討によれば、低位相差、高耐熱性、及び高い紫外線カット性を同時に満足することは困難であることがわかった。
従って、本発明の目的は、低位相差、高耐熱性及び高い紫外線カット性を兼ね備えた光学フィルム、及び該光学フィルムを備えるフレキシブル表示装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、光学フィルムにおいて、ガラス転移温度及び350nmの光透過率を、それぞれ165℃以上及び10%以下に調整し、面内位相差及び厚み位相差を、ぞれぞれ30nm以下及び100nm以下に調整すれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明には、以下の好適な態様が含まれる。
[1]ガラス転移温度は165℃以上、350nmの光透過率は10%以下、面内位相差は30nm以下、及び厚み位相差は100nm以下である、光学フィルム。
[2]ガラス転移温度は180℃超である、[1]に記載の光学フィルム。
[3]500nmの光透過率は90%以上である、[1]又は[2]に記載の光学フィルム。
[4]引張強度は86MPa超である、[1]~[3]のいずれかに記載の光学フィルム。
[5]膜厚は10~100μmである、[1]~[4]のいずれかに記載の光学フィルム。
[6]溶媒含有量は、光学フィルムの質量に対して3.0質量%以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の光学フィルム。
[7]式(1)
Figure 2022013624000001
[式(1)中、Xは2価の有機基を表し、Yは4価の有機基を表し、*は結合手を表す]
で表される構成単位を有するポリイミド系樹脂を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の光学フィルム。
[8]式(1)で表される構成単位は、Xとして、2価の脂肪族基を含む、[7]に記載の光学フィルム。
[9]式(1)で表される構成単位は、Yとして、式(2)
Figure 2022013624000002
[式(2)中、R~Rは、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を表し、R~Rに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、Vは、単結合、-O-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-C(CF-、-SO-、-S-、-CO-又は-N(R)-を表し、Rは、水素原子、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の一価の炭化水素基を表し、*は結合手を表す]
で表される構造を含む、[7]又は[8]に記載の光学フィルム。
[10]前記ポリイミド系樹脂は、フッ素原子を含有する、[7]~[9]のいずれかに記載の光学フィルム。
[11]前記ポリイミド系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が250,000を超える、[7]~[10]のいずれかに記載の光学フィルム。
[12][1]~[11]のいずれかに記載の光学フィルムを備える、フレキシブル表示装置。
[13]さらに偏光板を備える、[12]に記載のフレキシブル表示装置。
[14]さらにタッチセンサを備える、[12]又は[13]に記載のフレキシブル表示装置。
本発明の光学フィルムは、低位相差、高耐熱性、及び高い紫外線カット性を有することができる。そのため、フレキシブル表示装置等の材料として好適に使用できる。
[光学フィルム]
本発明の光学フィルムは、ガラス転移温度が165℃以上、350nmの光透過率が10%以下、面内位相差が30nm以下、及び厚み位相差が100nm以下である。
本発明者は、光学フィルムの面内位相差を30nm以下、厚み位相差を100nm以下、及び350nmの光透過率を10%以下に調整し、さらにガラス転移温度を165℃以上に調整したところ、低位相差、高耐熱性及び高い紫外線カット性を同時に満足できることを見出した。
本発明の光学フィルムは、ガラス転移温度(以下、Tgと略すことがある)が165℃以上である。ガラス転移温度が165℃未満であると、耐熱性が十分でない。また、引張強度及び耐屈曲性が十分でない場合がある。本発明の光学フィルムのガラス転移温度は、好ましくは170℃以上、より好ましくは175℃以上、さらに好ましくは180℃以上、特に好ましくは180℃超、特により好ましくは180.5℃以上、最も好ましくは181℃以上であり、好ましくは400℃以下、より好ましくは380℃以下、さらに好ましくは350℃以下、特に好ましくは300℃以下である。ガラス転移温度が上記の下限以上であると、耐熱性を向上でき、また引張強度及び耐屈曲性を高めやすい。ガラス転移温度が上記の上限以下であると、光学特性を高めやすい。本明細書において、光学特性とは、位相差、透明性及び紫外線カット性を含む光学フィルムが有する光学的な特性を意味し、光学特性が向上する又は高まるとは、例えば位相差が低くなること、500nmの光透過率が高くなること(又は透明性が高くなること)、350nmの光透過率が低くなること(又は紫外線カット性が高くなること)等を意味し、光学特性に優れるとは、低い位相差、500nmの高い光透過率(又は高い透明性)、及び350nmの低い光透過率(又は高い紫外線カット性)を示すことを意味する。なお、ガラス転移温度(Tg)は、光学フィルムに含まれる樹脂を構成する構成単位の種類や構成比;光学フィルムの溶媒含有量;添加剤の種類や配合量;樹脂の製造条件やモノマーの純度;光学フィルムの製造条件を適宜調整することにより上記範囲内にすることができ、特に、樹脂を構成する構成単位の種類や構成比として後述の好ましいものを用いること、光学フィルムの溶媒含有量を調整すること、後述の光学フィルム製造工程における乾燥条件を適用すること等により、上記範囲に調整してもよい。
本発明におけるガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定)によるガラス転移温度である。該ガラス転移温度は、熱分析装置を用いて、測定試料量:5mg、温度域:室温から400℃、昇温速度:10℃/minという条件で測定でき、例えば実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の光学フィルムは、350nmの光透過率が10%以下である。350nmの光透過率が10%を超えると、紫外線カット性が低下する傾向がある。本発明の光学フィルムの350nmにおける光透過率は、好ましくは8%以下、より好ましくは5%以下である。350nmの光透過率が上記の上限以下であると、紫外線カット性を向上できる。350nmの光透過率の下限は0%である。350nmの光透過率は、紫外可視近赤外分光光度計を用いて測定でき、例えば実施例に記載の方法により測定できる。350nmの光透過率は、好ましくは本発明の光学フィルムの厚み(膜厚)の範囲における光透過率である。なお、350nmの光透過率は、光学フィルムに含まれる樹脂を構成する構成単位の種類や構成比;光学フィルムの厚さ;光学フィルムの溶媒含有量;添加剤の種類や配合量;樹脂の製造条件やモノマーの純度;光学フィルムの製造条件を適宜調整することにより上記範囲内にすることができ、例えば光学フィルムに含まれる紫外線吸収剤の種類や量を適宜調整することにより上記範囲に調整しやすい。
本発明の光学フィルムは、面内位相差(面内方向の位相差)が30nm以下であり、かつ厚み位相差(厚み方向の位相差)が100nm以下である。面内位相差が30nm超、かつ厚み位相差が100nm超であると、表示装置等に適用した場合に視認性が十分でない。本発明の光学フィルムの厚み位相差Rthは、式(A)
Rth={(Nx+Ny)/2-Nz}×d ・・・(A)
[式中、Nxは、光学フィルム面内の一方向の屈折率を示し、Nyは、光学フィルム面内のNxと直交する方向の屈折率を示し、Nzは光学フィルムの厚み方向の屈折率を示し、dは光学フィルムの厚み(nm)を示し、Nx>Nyを満たす]
で表される。すなわち、Nxは遅相軸方向の屈折率であり、Nyは進相軸方向の屈折率であり、Nx-Nyは複屈折である。
本発明の光学フィルムの厚み位相差Rthは、好ましくは90nm以下、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは70nm以下であり、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上である。厚み位相差Rthが上記の上限以下であると、光学フィルムを表示装置等に適用した場合に視認性を向上でき、また厚み位相差Rthが上記の下限以上であると、視認性のムラが生じづらい。
本発明の光学フィルムの面内位相差R0は、式(B)
R0=(Nx-Ny)×d(nm) ・・・(B)
[式中、Nx、Ny及びdは、式(A)におけるNx、Ny及びdと同様である]
で表される。
本発明の光学フィルムの面内位相差R0は、好ましくは20nm以下、より好ましくは15nm以下、さらに好ましくは10nm以下であり、好ましくは0.1nm以上、より好ましくは1nm以上である。面内位相差R0が上記の上限以下であると、光学フィルムを表示装置等に適用した場合に視認性を向上でき、また面内位相差R0が上記の下限以上であると、視認性のムラが生じづらい。
光学フィルムの厚み位相差Rth及び面内位相差R0は、位相差測定装置を用いて測定でき、例えば実施例に記載の方法により測定できる。なお、Rth及びR0は、光学フィルムに含まれる樹脂を構成する構成単位の種類、構成比又は分子量;光学フィルムの厚さ;光学フィルムの溶媒含有量;添加剤の種類や配合量;樹脂の製造条件やモノマーの純度;光学フィルムの製造条件を適宜調整することにより上記範囲内にすることができ、特に光学フィルムに含まれる樹脂を構成する構成単位として非環式脂肪族骨格を有する構成単位を含有させると、上記範囲に調整しやすい。
本発明の光学フィルムは、500nmの光透過率が好ましくは90.0%以上である。そのため、本発明の好適な実施態様では、光学フィルムは紫外領域のカット性と、可視光領域の透過性とを両立できる。500nmの光透過率は、より好ましくは90.2%以上、さらに好ましくは90.4%以上である。500nmの光透過率が上記の下限以上であると、表示装置等に適用した場合に視認性を高めやすい。500nmの光透過率の上限は100%である。500nmの光透過率は、紫外可視近赤外分光光度計を用いて測定でき、例えば実施例に記載の方法により測定できる。500nmの光透過率は、好ましくは本発明の光学フィルムの厚み(膜厚)の範囲における光透過率であり、特に光学フィルムの厚みが好ましくは22~40nm、より好ましくは23~27nm、さらに好ましくは25μmであるときの光透過率である。なお、500nmの光透過率は、光学フィルムに含まれる樹脂を構成する構成単位の種類や構成比;光学フィルムの厚さ;光学フィルムの溶媒含有量;添加剤の種類や配合量;樹脂の製造条件やモノマーの純度;光学フィルムの製造条件を適宜調整することにより上記範囲内にすることができ、特に、樹脂を構成する構成単位の種類や構成比として後述の好ましいものを用いること、光学フィルムの溶媒含有量を調整すること、後述の光学フィルム製造工程における乾燥条件を適用することなどにより、上記範囲に調整してもよい。
本発明の好適な実施態様において、本発明の光学フィルムは、低位相差、高耐熱性及び高い紫外線カット性に加え、優れた引張強度と優れた耐屈曲性とを両立できる。本発明の光学フィルムの引張強度は、好ましくは70MPa以上、より好ましくは80MPa以上、さらに好ましくは85MPa以上、さらにより好ましくは86MPa超、特に好ましくは87MPa以上、特により好ましくは89MPa以上であり、好ましくは200MPa以下、より好ましくは180MPa以下である。引張強度が上記の下限以上であると、光学フィルムの破損等を抑制しやすく、また引張強度が上記の上限以下であると、柔軟性を高めやすい。引張強度は、引張試験機等を用いて、チャック間距離50mm、引張速度20mm/分の条件で測定でき、例えば実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の光学フィルムは、ASTM規格D2176-16に準拠したMIT耐折疲労試験において、屈曲半径1mmにおける屈曲回数が好ましくは10,000回以上、より好ましくは50,000回以上、さらに好ましくは100,000回以上、さらにより好ましくは200,000回以上、特に好ましくは500,000回以上、特により好ましくは1,000,000回以上である。屈曲回数が上記の下限以上であると、光学フィルムを繰り返し折り曲げても光学フィルムの破損等を有効に抑制しやすい。屈曲回数の上限は通常50,000,000回以下である。光学フィルムの屈曲回数は、試験速度175cpm、折り曲げ角度135°、加重0.75kf、折り曲げクランプの屈曲半径1mmという条件で測定でき、例えば実施例に記載の方法により測定できる。
なお、引張強度及び耐屈曲性は、光学フィルムに含まれる樹脂を構成する構成単位の種類や構成比;光学フィルムの溶媒含有量;添加剤の種類や配合量;樹脂の製造条件やモノマーの純度;光学フィルムの製造条件を適宜調整することにより上記範囲内にすることができ、特に、樹脂を構成する構成単位の種類や構成比として後述の好ましいものを用いること、光学フィルムの溶媒含有量を調整すること、後述の光学フィルム製造工程における乾燥条件を適用すること等により、上記範囲に調整してもよい。
本発明の好適な実施態様において、本発明の光学フィルムは、溶媒含有量(残留溶媒量ともいう)が、光学フィルムの質量に対して、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以下であり、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。溶媒含有量が上記の上限以下であると、Tgを上記範囲に調整しやすく、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい。溶媒含有量が上記の下限以上であると、光学特性を向上しやすく、例えば500nmの光透過率を高めやすく、また350nmの光透過率を低減しやすい。溶媒含有量(残存溶媒量)は、TG-DTAの測定装置を用いて得られた120℃から250℃にかけての質量減少率S(質量%)に相当する。該質量減少率Sは、例えば約20mgの光学フィルムを、室温から120℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、120℃で5分間保持した後、400℃まで10℃/分の昇温速度で昇温(加熱)しながらTG-DTA測定を行い、TG-DTA測定結果を基に、式(1):
質量減少率S(質量%)=100-(W1/W0)×100 (1)
[式(1)中、W0は120℃で5分間保持した後の試料の質量であり、W1は250℃における試料の質量である]
から算出できる。例えば実施例に記載の方法により測定及び算出できる。なお、溶媒含有量は、例えば後述の光学フィルム製造工程における乾燥条件(特に乾燥温度や乾燥時間等)を適宜調整することにより、上記範囲に調整してもよい。例えば、乾燥温度を高くするほど、溶媒含有量が小さくなる傾向がある。また、溶媒含有量が小さいほど、Tgが高くなる傾向がある。
本発明の光学フィルムの厚みは、用途に応じて適宜選択でき、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、特に好ましくは50μm以下である。光学フィルムの厚さは、厚み計等を用いて測定でき、例えば実施例に記載の方法により測定できる。
<樹脂>
本発明の光学フィルムは、樹脂を含むことが好ましい。樹脂としては、透明性を有する樹脂であることが好ましく、その例としては、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独又は二種以上組合せて使用できる。これらの中でも、光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい観点から、ポリイミド系樹脂が好ましい。ポリイミド系樹脂とは、イミド基を含む繰返し構造単位(構成単位ともいう)を含有する重合体を意味し、さらにアミド基を含む繰り返し構造単位を含有していてもよい。
本発明の好適な実施態様において、本発明の光学フィルムは、式(1)
Figure 2022013624000003
[式(1)中、Xは2価の有機基を表し、Yは4価の有機基を表し、*は結合手を表す]
で表される構成単位を有するポリイミド系樹脂を含むことが好ましい。このようなポリイミド系樹脂を含むと、光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい。
式(1)中のXは、それぞれ独立に2価の有機基を表し、好ましくは炭素数2~40の2価の有機基を表す。2価の有機基としては、例えば2価の芳香族基、2価の脂肪族基等が挙げられ、2価の脂肪族基としては、例えば2価の非環式脂肪族基又は2価の環式脂肪族基が挙げられる。これらの中でも、光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい観点から、2価の脂肪族基が好ましく、2価の非環式脂肪族基がより好ましい。なお、本明細書において、2価の芳香族基は芳香族基を有する2価の有機基であり、その構造の一部に脂肪族基又はその他の置換基を含んでいてもよい。また、2価の脂肪族基は脂肪族基を有する2価の有機基であり、その構造の一部にその他の置換基を含んでいてもよいが、芳香族基は含まない。
本発明の一実施態様において、式(1)中のXにおける2価の芳香族基又は2価の環式脂肪族基としては、式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)、式(17)及び式(18)で表される基;それらの式(10)~式(18)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに炭素数6以下の鎖式炭化水素基が挙げられる。
Figure 2022013624000004
式(10)~式(18)中、
*は結合手を表し、
、V及びVは、互いに独立に、単結合、-O-、-S-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-C(CF-、-SO-、-CO-又は-N(Q)-を表す。ここで、Qはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の1価の炭化水素基を表す。ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-メチル-ブチル基、3-メチルブチル基、2-エチル-プロピル基、n-ヘキシル、n-ヘプチル基、n-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基及びn-デシル基等が挙げられる。前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子などが挙げられる。
1つの例は、V及びVが単結合、-O-又は-S-であり、かつ、Vが-CH-、-C(CH-、-C(CF-又は-SO-である。VとVとの各環に対する結合位置、及び、VとVとの各環に対する結合位置は、互いに独立に、各環に対して好ましくはメタ位又はパラ位、より好ましくはパラ位である。なお、式(10)~式(18)における環上の水素原子は、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基で置換されていてもよい。炭素数1~6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-メチル-ブチル基、3-メチルブチル基、2-エチル-プロピル基、n-ヘキシル基等が挙げられる。炭素数1~6のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。炭素数6~12のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基及びビフェニル基等が挙げられる。これらの2価の環式脂肪族基又は2価の芳香族基は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の一実施態様において、式(1)中のXにおける2価の非環式脂肪族基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基、1,2-ブタンジイル基、1,3-ブタンジイル基、2-メチル-1,2-プロパンジイル基、2-メチル-1,3-プロパンジイル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基などが挙げられる。2価の非環式脂肪族基中の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、炭素原子はヘテロ原子(例えば酸素原子、窒素原子等)で置換されていてもよい。直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基の炭素数は、光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性をバランス良く発現しやすい観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは6以下である。上記2価の非環式脂肪族基の中でも、光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性をバランス良く発現しやすい観点から、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数2~6のアルキレン基が好ましく、テトラメチレン基がより好ましい。
本発明のポリイミド系樹脂は、複数種のXを含み得、複数種のXは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。例えば、式(1)中のXとして、2価の非環式脂肪族基と、2価の芳香族基及び/又は2価の環式脂肪族基とを含んでいてもよい。
本発明の一実施態様において、式(1)中のXとして、2価の脂肪族基、好ましくは2価の非環式脂肪族基を含む場合、式(1)中のXが2価の脂肪族基、好ましくは2価の非環式脂肪族基である構成単位の割合は、式(1)で表される構成単位の総モル量に対して、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90モル%以上であり、好ましくは100モル%以下である。式(1)中のXが2価の脂肪族基、好ましくは2価の非環式脂肪族基である構成単位の割合が上記の範囲であると、光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を向上しやすい。該構成単位の割合は、例えばH-NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
式(1)において、Yは、それぞれ独立に4価の有機基を表し、好ましくは炭素数4~40の4価の有機基を表し、より好ましくは環状構造を有する炭素数4~40の4価の有機基を表す。環状構造としては、脂環、芳香環、ヘテロ環構造が挙げられる。前記有機基は、有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基であり、その場合、炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1~8である。本発明のポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一でよく、異なっていてもよい。Yとしては、以下の式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基;それらの式(20)~式(29)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が挙げられる。
Figure 2022013624000005
式(20)~式(29)中、
*は結合手を表し、
は、単結合、-O-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-C(CF-、-Ar-、-SO-、-CO-、-O-Ar-O-、-Ar-O-Ar-、-Ar-CH-Ar-、-Ar-C(CH-Ar-又は-Ar-SO-Ar-を表す。Arは、水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6~20のアリーレン基を表し、具体例としてはフェニレン基が挙げられる。
式(20)~式(29)で表される基の中でも、光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい観点から、式(26)、式(28)又は式(29)で表される基が好ましく、式(26)で表される基がより好ましい。また、Wは、光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい観点から、それぞれ独立に、単結合、-O-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-又は-C(CF-であることが好ましく、単結合、-O-、-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-又は-C(CF-であることがより好ましく、単結合、-C(CH-又は-C(CF-であることがさらに好ましい。
本発明の好適な実施態様において、式(1)で表される構成単位は、Yとして、式(2):
Figure 2022013624000006
[式(2)中、R~Rは、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を表し、R~Rに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、Vは、単結合、-O-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-C(CF-、-SO-、-S-、-CO-又は-N(R)-を表し、Rは、水素原子、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の一価の炭化水素基を表し、*は結合手を表す]
で表される構造を含む。このような実施態様であると、光学フィルムは、優れた光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を発現しやすい。なお、式(1)で表される構成単位は、Yとして、式(2)で表される構造を1種又は複数種含んでいてもよい。
式(2)において、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を表す。炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基及び炭素数6~12のアリール基としてはそれぞれ、上記に例示の炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基及び炭素数6~12のアリール基が挙げられる。R~Rは、互いに独立に、好ましくは水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、ここで、R~Rに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。Vは、単結合、-O-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-C(CF-、-SO-、-S-、-CO-又は-N(R)-を表し、Rは、水素原子、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の一価の炭化水素基を表す。ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の一価の炭化水素基としては、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の一価の炭化水素基として上記に例示のものが挙げられる。これらの中でも、光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい観点から、Vは、単結合、-O-、-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-又は-C(CF-であることが好ましく、単結合、-C(CH-又は-C(CF-であることがより好ましく、単結合又は-C(CF-であることがさらに好ましい。
本発明の好適な実施態様においては、式(2)は、式(2’)
Figure 2022013624000007
[式(2’)中、*は結合手を表す]
で表される。このような実施態様であると、光学フィルムは、優れた光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性をより発現しやすい。また、フッ素元素を含有する骨格により樹脂の溶媒への溶解性を向上し、ワニスの粘度を低く抑制することができ、光学フィルムの加工を容易にすることができる。
本発明の一実施態様において、式(1)中のYとして、式(2)で表される構造を含む場合、式(1)中のYが式(2)で表される構成単位の割合は、式(1)で表される構成単位の総モル量に対して、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90モル%以上であり、好ましくは100モル%以下である。式(1)中のYが式(2)で表される構成単位の割合が上記の範囲であると、光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性をより向上しやすい。式(1)中のYが式(2)で表される構成単位の割合は、例えばH-NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明のポリイミド系樹脂は、式(1)で表される構成単位の他に、式(30)で表される構成単位及び/又は式(31)で表される構成単位を含んでいてもよい。
Figure 2022013624000008
式(30)において、Yは4価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基、それらの式(20)~式(29)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基、並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が挙げられる。本発明の一実施態様において、ポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
式(31)において、Yは3価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、上記の式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基の結合手のいずれか1つが水素原子に置き換わった基、及び3価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が挙げられる。本発明の一実施態様において、ポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
式(30)及び式(31)において、X及びXは、互いに独立に、2価の有機基を表し、好ましくは炭素数2~40の2価の有機基を表す。2価の有機基としては、例えば2価の芳香族基、2価の脂肪族基等が挙げられ、2価の脂肪族基としては、例えば2価の非環式脂肪族基又は2価の環式脂肪族基が挙げられる。X及びXにおける2価の環式脂肪族基又は2価の芳香族基としては、上記の式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)、式(17)及び式(18)で表される基;それらの式(10)~式(18)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに炭素数6以下の鎖式炭化水素基などが挙げられる。2価の非環式脂肪族基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロピレン基、1,2-ブタンジイル基、1,3-ブタンジイル基、2-メチル-1,2-プロパンジイル基、2-メチル-1,3-プロパンジイル基等の炭素数2~10の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基などが挙げられる。
本発明の一実施態様において、ポリイミド系樹脂は、式(1)で表される構成単位、並びに、場合により式(30)で表される構成単位及び式(31)で表される構成単位から選択される少なくとも1つの構成単位からなる。また、光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい観点から、上記ポリイミド系樹脂において、式(1)で表される構成単位の割合は、ポリイミド系樹脂に含まれる全構成単位、例えば式(1)で表される構成単位、並びに、場合により式(30)で表される構成単位及び式(31)で表される構成単位から選択される少なくとも1つの構成単位の総モル量に基づいて、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上である。なお、ポリイミド系樹脂において、式(1)で表される構成単位の割合の上限は100モル%である。なお、上記割合は、例えば、H-NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。また、本発明におけるポリイミド系樹脂は、光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい観点から、好ましくはポリイミド樹脂である。
本発明の好ましい一実施態様において、本発明のポリイミド系樹脂は、例えば上記の含ハロゲン原子置換基等によって導入することができる、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子を含有していてもよい。ポリイミド系樹脂がハロゲン原子、好ましくはフッ素原子を含有する場合、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性に加え、光学特性を高めやすい。ポリイミド系樹脂にフッ素原子を含有させるために好ましい含フッ素置換基としては、例えばフルオロ基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
ポリイミド系樹脂におけるハロゲン原子の含有量は、それぞれ、ポリイミド系樹脂の質量を基準として、好ましくは1~40質量%、より好ましくは5~40質量%、さらに好ましくは5~30質量%である。ハロゲン原子の含有量が上記の下限以上であると、光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい。ハロゲン原子の含有量が上記の上限以下であると、合成がしやすくなる。
ポリイミド系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは250,000超、より好ましくは270,000以上、さらに好ましくは300,000以上、特に好ましくは350,000以上であり、好ましくは800,000以下、より好ましくは700,000以下、さらに好ましくは600,000以下である。重量平均分子量(Mw)が上記の下限以上であると、耐屈曲性及び引張強度を高めやすく、また上記の上限以下であると、フィルムの加工性を向上させやすい。重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定を行い、標準ポリスチレン換算により求めることができ、例えば実施例に記載の方法により算出できる。
ポリイミド系樹脂のイミド化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは95%以上、さらにより好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上である。光学フィルムの光学特性を高めやすい観点から、イミド化率が上記の下限以上であることが好ましい。また、イミド化率の上限は100%である。イミド化率は、ポリイミド系樹脂中のテトラカルボン酸化合物に由来する構成単位のモル量の2倍の値に対する、ポリイミド系樹脂中のイミド結合のモル量の割合を示す。なお、ポリイミド系樹脂がトリカルボン酸化合物を含む場合には、ポリイミド系樹脂中のテトラカルボン酸化合物に由来する構成単位のモル量の2倍の値と、トリカルボン酸化合物に由来する構成単位のモル量との合計に対する、ポリイミド系樹脂中のイミド結合のモル量の割合を示す。また、イミド化率は、IR法、NMR法などにより求めることができ、例えば実施例に記載の方法により求めることができる。
本発明の一実施態様において、光学フィルムに含まれるポリイミド系樹脂の含有量は、光学フィルムの質量(100質量%)に対して、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%、特に好ましくは80質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。光学フィルムに含まれるポリイミド系樹脂の含有量が上記範囲内であると、得られる光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい。
<樹脂の製造方法>
本発明の光学フィルムに含まれる樹脂は、市販品を用いてもよく、慣用の方法により製造してもよい。本発明の一実施態様では、前記樹脂はポリイミド系樹脂であることが好ましい。ポリイミド系樹脂の製造方法は特に限定されないが、例えば、式(1)で表される構成単位を含むポリイミド系樹脂は、ジアミン化合物とテトラカルボン酸化合物とを反応させてポリアミック酸を得る工程、及び該ポリアミック酸をイミド化する工程を含む方法により製造できる。なお、テトラカルボン酸化合物の他に、トリカルボン酸化合物を反応させてもよい。
ポリイミド系樹脂の合成に用いられるテトラカルボン酸化合物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸化合物;及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸化合物等が挙げられる。テトラカルボン酸化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。テトラカルボン酸化合物は、二無水物の他、酸クロリド化合物等のテトラカルボン酸化合物類縁体であってもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物及び縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば4,4’-オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDAと記載することがある)、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDAと記載することがある)、1,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’-(p-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’-(m-フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。また、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組合せて使用できる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、環式又は非環式の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物とは、脂環式炭化水素構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、その具体例としては、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等のシクロアルカンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物及びこれらの位置異性体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、及び1,2,3,4-ペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。また、環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物を組合せて用いてもよい。
上記テトラカルボン酸二無水物の中でも、光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を向上しやすい観点から、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、並びにこれらの混合物が好ましく、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)がより好ましい。
ポリイミド系樹脂の合成に用いられるジアミン化合物としては、例えば、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン及びこれらの混合物が挙げられる。なお、本実施態様において「芳香族ジアミン」とは、芳香環を有するジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族基又はその他の置換基を含んでいてもよい。この芳香環は単環でも縮合環でもよく、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環及びフルオレン環等が例示されるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、好ましくはベンゼン環である。また「脂肪族ジアミン」とは、脂肪族基を有するジアミンを表し、その構造の一部にその他の置換基を含んでいてもよいが、芳香環は有しない。
脂肪族ジアミンとしては、例えば非環式脂肪族ジアミン、環式脂肪族ジアミン等が挙げられる。非環式脂肪族ジアミンとしては、例えば、1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキンサン、1,2-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノブタン、1,3-ジアミノブタン、2-メチル-1,2-ジアミノプロパン、2-メチル-1,3-ジアミノプロパン等の炭素数2~10の直鎖状又は分岐鎖状ジアミノアルカン等が挙げられる。環式脂肪族ジアミンとしては、例えば1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジアミン及び4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
芳香族ジアミンとしては、例えばp-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,4-トルエンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン等の、芳香環を1つ有する芳香族ジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’-ジメチルベンジジン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノジフェニル(TFMBということがある)、4,4’-(ヘキサフルオロプロピリデン)ジアニリン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-クロロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノ-3-フルオロフェニル)フルオレン等の、芳香環を2つ以上有する芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組合せて使用できる。
上記ジアミン化合物の中でも、光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい観点から、1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン(1,4-DABということがある)、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,2-ジアミノプロパン、1,2-ジアミノブタン、1,3-ジアミノブタン、2-メチル-1,2-ジアミノプロパン、2-メチル-1,3-ジアミノプロパン等の炭素数2~10のジアミノアルカンが好ましく、炭素数2~6のジアミノアルカンがより好ましく、1,4-ジアミノブタンがさらに好ましい。
なお、上記ポリイミド系樹脂は、光学フィルムの各種物性を損なわない範囲で、上記の樹脂合成に用いられるテトラカルボン酸化合物に加えて、他のテトラカルボン酸及びトリカルボン酸並びにそれらの無水物及び誘導体をさらに反応させたものであってもよい。
他のテトラカルボン酸としては、上記テトラカルボン酸化合物の無水物の水付加体が挙げられる。
トリカルボン酸化合物としては、芳香族トリカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸及びそれらの類縁の酸クロリド化合物、酸無水物等が挙げられ、2種以上を組合せて用いてもよい。具体例としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸の無水物;2,3,6-ナフタレントリカルボン酸-2,3-無水物;フタル酸無水物と安息香酸とが単結合、-O-、-CH-、-C(CH-、-C(CF-、-SO-若しくはフェニレン基で連結された化合物が挙げられる。
ポリイミド系樹脂の製造において、ジアミン化合物、テトラカルボン酸化合物及びトリカルボン酸化合物の使用量は、所望とする樹脂の各構成単位の比率に応じて適宜選択できる。
本発明の好適な実施態様においては、ジアミン化合物の使用量は、テトラカルボン酸化合物1モルに対して、好ましくは0.94モル以上、より好ましくは0.96モル以上、さらに好ましくは0.98モル以上、特に好ましくは0.99モル以上であり、好ましくは1.20モル以下、より好ましくは1.10モル以下、さらに好ましくは1.05モル以下、特に好ましくは1.02モル以下である。テトラカルボン酸化合物に対するジアミン化合物の使用量が上記の範囲であると、得られる光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい。
ジアミン化合物とテトラカルボン酸化合物との反応温度は、特に限定されず、例えば5~200℃であってもよく、反応時間も特に限定されず、例えば30分~72時間程度であってもよい。本発明の好適な実施態様においては、反応温度は、好ましくは5~200℃、より好ましくは50~190℃、さらに好ましくは100~180℃であり、反応時間は、好ましくは3~24時間、より好ましくは5~20時間である。このような反応温度及び反応時間であると、得られる光学フィルムのTg及び光透過率を上記の範囲に調整しやすく、光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい。なお、ポリイミド系樹脂のMwは反応時間及び反応温度等の反応条件;ジアミン化合物、テトラカルボン酸化合物、触媒及び溶媒の種類及び使用量;析出操作における良溶媒と貧溶媒の組成;並びに洗浄溶液の組成等を適宜変更することにより調整できる。
ジアミン化合物とテトラカルボン酸化合物との反応は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、反応に影響を与えない限り特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、2-ブトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒;フェノール、クレゾール等のフェノール系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;クロロホルム及びクロロベンゼン等の塩素含有溶媒;N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;及びそれらの組合せなどが挙げられる。これらの中でも、溶解性の観点から、フェノール系溶媒、アミド系溶媒を好適に使用できる。
本発明の好適な実施態様においては、反応に使用する溶媒は、水分量700ppm以下まで厳密に脱水した溶媒であることが好ましい。このような溶媒を用いると、得られる光学フィルムのTg及び光透過率を上記の範囲に調整しやすく、光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい。
ジアミン化合物とテトラカルボン酸化合物との反応は、必要に応じて、不活性雰囲気(窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等)又は減圧の条件下において行ってもよく、不活性雰囲気(窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等)下、厳密に制御された脱水溶媒中で撹拌しながら行うことが好ましい。このような条件であると、得られる光学フィルムのTg及び光透過率を上記の範囲に調整しやすく、光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい。
イミド化工程では、イミド化触媒を用いてイミド化しても、加熱によりイミド化しても、これらを組み合わせてもよい。イミド化工程で使用するイミド化触媒としては、例えばトリプロピルアミン、ジブチルプロピルアミン、エチルジブチルアミン等の脂肪族アミン;N-エチルピペリジン、N-プロピルピペリジン、N-ブチルピロリジン、N-ブチルピペリジン、及びN-プロピルヘキサヒドロアゼピン等の脂環式アミン(単環式);アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、及びアザビシクロ[3.2.2]ノナン等の脂環式アミン(多環式);並びにピリジン、2-メチルピリジン(2-ピコリン)、3-メチルピリジン(3-ピコリン)、4-メチルピリジン(4-ピコリン)、2-エチルピリジン、3-エチルピリジン、4-エチルピリジン、2,4-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、3,4-シクロペンテノピリジン、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン、及びイソキノリン等の芳香族アミンが挙げられる。また、イミド化反応を促進しやすい観点から、イミド化触媒とともに、酸無水物を用いることが好ましい。酸無水物は、イミド化反応に用いられる慣用の酸無水物等が挙げられ、その具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸等の芳香族酸無水物などが挙げられる。
本発明の一実施態様では、イミド化する場合、反応温度は、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは80℃以上であり、好ましくは190℃以下、より好ましくは170℃以下である。イミド化工程の反応時間は、好ましくは30分~24時間、より好ましくは1~12時間である。反応温度及び反応時間が上記の範囲にあると、得られる光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい。
ポリイミド系樹脂は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組合せた分離手段により単離(分離精製)してもよく、好ましい態様では、樹脂を含む反応液に、多量のメタノール等のアルコールを加え、樹脂を析出させ、濃縮、濾過、乾燥等を行うことにより単離することができる。
<添加剤>
本発明の光学フィルムは、紫外線吸収剤を含有してもよい。本発明では、紫外線吸収剤を含有していても、Tgを上記範囲に調整することにより、耐熱性、好ましくは耐熱性、引張強度及び耐屈曲性に優れた光学フィルムを形成できる。そのため、紫外線吸収剤を用いて、紫外線領域の光吸収性を低下させることにより、紫外線カット性及び耐熱性、好ましくは紫外線カット性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性をバランス良く発現し得る光学フィルムを形成できる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール誘導体(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)、1,3,5-トリフェニルトリアジン誘導体等のトリアジン誘導体(トリアジン系紫外線吸収剤)、ベンゾフェノン誘導体(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤)、及びサリシレート誘導体(サリシレート系紫外線吸収剤)が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1つを用いることができる。300~400nm、好ましくは320~360nm付近の紫外線吸収性を有し、可視光域での透過率を低下させることなく、光学フィルムの紫外線カット性を向上し得る観点から、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましく、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤がより好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、式(I)で表される化合物、住友化学(株)製の商品名:Sumisorb(登録商標) 250(2-[2-ヒドロキシ-3-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミド-メトジイル)-5-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール)、BASFジャパン(株)製の商品名:Tinuvin(登録商標) 360(2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール])及びTinuvin 213(メチル3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートとPEG300との反応生成物)が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。式(I)で表される化合物の具体例としては、住友化学(株)製の商品名:Sumisorb 200(2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、Sumisorb300(2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)、Sumisorb 340(2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、Sumisorb 350(2-(2-ヒドロキシ3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、及びBASFジャパン(株)製の商品名:Tinuvin 327(2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)、Tinuvin 571(2-(2H-ベンゾトリアゾ-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール)及びTinuvin 234(2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール)及びADEKA(株)の製品名:アデカスタブ(登録商標) LA-31(2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール])が挙げられる。紫外線吸収剤は、好ましくは、式(I)で表される化合物及びTinuvin 213(メチル3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートとPEG300との反応生成物であり、より好ましくは住友化学(株)製の商品名:Sumisorb 200(2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、Sumisorb 300(2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)、Sumisorb 340(2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、Sumisorb 350(2-(2-ヒドロキシ3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、(株)ADEKAの製品名:アデカスタブ LA-31(2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール])及びBASFジャパン(株)製の商品名:Tinuvin 327(2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)及びTinuvin 571(2-(2H-ベンゾトリアゾ-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール)であり、最も好ましくは住友化学(株)製の商品名:Sumisorb 340(2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、Sumisorb350(2-(2-ヒドロキシ3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、及び(株)ADEKAの製品名:アデカスタブ LA-31(2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール])である。
Figure 2022013624000009
式(I)中、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子、炭素数1~5のアルキル基又は炭素数1~5のアルコキシ基であり、RI1及びRI2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基であり、RI1又はRI2のうち少なくともいずれか一方は炭素数1~20の炭化水素基である。
における炭素数1~5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-メチル-ブチル基、3-メチルブチル基、2-エチル-プロピル基等が挙げられる。
における炭素数1~5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、2-メチル-ブトキシ基、3-メチルブトキシ基、2-エチル-プロポキシ基等が挙げられる。
は、好ましくは水素原子、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、より好ましくは水素原子、フッ素原子又は塩素原子である。
I1及びRI2はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基であり、RI1及びRI2のうち少なくともいずれか一方は炭化水素基である。RI1及びRI2は、それぞれ炭化水素基である場合、好ましくは炭素数1~12の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1~8の炭化水素基である。具体的にはメチル基、tert-ブチル基、tert-ペンチル基及びtert-オクチル基が例示される。
別の好ましい一態様に係る紫外線吸収剤は、ポリイミド系樹脂を含有する光学フィルムにおいて、トリアジン系紫外線吸収剤が用いられる。トリアジン系紫外線吸収剤としては、下記式(II)で表される化合物が挙げられる。その具体例としては、(株)ADEKAの製品名:アデカスタブ LA-46(2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイロキシ)エトキシ]フェノール)、BASFジャパン(株)製の商品名:Tinuvin 400(2-[4-[2-ヒドロキシ-3-トリデシロキシプロピル]オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン)、2-[4-[2-ヒドロキシ-3-ジデシロキシプロピル]オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン)、Tinuvin 405(2-[4(2-ヒドロキシ-3-(2’-エチル)ヘキシル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン)、Tinuvin 460(2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブチロキシフェニル)-6-(2,4-ビス-ブチロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン)、Tinuvin 479(ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤)、及びケミプロ化成(株)の製品名:KEMISORB(登録商標) 102(2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-(n-オクチロキシ)フェノール)等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。式(II)で表される化合物は、好ましくは、アデカスタブ LA-46(2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイロキシ)エトキシ]フェノール)である。
Figure 2022013624000010
式(II)中、YI1~YI4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ基、炭素数1~20のアルキル基又は炭素数1~20のアルコキシ基であり、好ましくは水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数1~12のアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子である。
式(II)中、RI3は水素原子、炭素数1~20の炭化水素基、含まれる酸素原子が1つである炭素数1~20のアルコキシ基、又は炭素数1~12のアルキルケトオキシ基で置換されている炭素数1~4のアルコキシ基であり、好ましくは1個の酸素原子を含む炭素数1~12のアルコキシ基又は炭素数8~12のアルキルケトオキシ基で置換されている炭素数2~4のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数8~12のアルキルケトオキシ基で置換されている炭素数2~4のアルコキシ基である。
I1~YI4としての炭素数1~20のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-ウンデシル基が挙げられる。炭素数1~20のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-へプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基が挙げられる。
紫外線吸収剤は、300~400nmの光吸収を有するものが好ましく、320~360nmの光吸収を有するものがより好ましく、350nm付近の光吸収を有するものがさらに好ましい。
本発明の光学フィルムが紫外線吸収剤を含有する場合、紫外線吸収剤の含有量は、ポリイミド系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは0.8質量部以上、特に好ましくは1質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。紫外線吸収剤の含有量が上記の下限以上であると、光学フィルムの紫外線カット性を向上しやすく、紫外線吸収剤の含有量の上記の上限以下であると、光学フィルムの透明性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい。
本発明の光学フィルムは、紫外線吸収剤以外の他の添加剤をさらに含有していてもよい。他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、離型剤、安定剤、ブルーイング剤、難燃剤、pH調整剤、シリカ分散剤、滑剤、増粘剤、及びレベリング剤等が挙げられる。他の添加剤を含有する場合、その含有量は、光学フィルムの質量に対して、好ましくは0.001~20質量%、より好ましくは0.01~15質量%、さらに好ましくは0.1~10質量%であってよい。また、本発明の光学フィルムは、フィラーなどをさらに含有してもよい。その含有量は光学フィルムの質量に対して、1~30質量%が好適である。
本発明の光学フィルムの用途は特に限定されず、種々の用途、例えばタッチセンサー用基板、フレキシブル表示装置用材料、保護フィルム、ベゼル印刷用途フィルム、半導体用途、スピーカー振動板、IRカットフィルターなどに使用してもよい。本発明の光学フィルムは、上記に述べたように単層であっても、積層体であってもよく、本発明の光学フィルムをそのまま使用してもよいし、さらに他のフィルムとの積層体として使用してもよい。なお、光学フィルムが積層体である場合、光学フィルムの片面又は両面に積層された全ての層を含めて光学フィルムと称する。
本発明の光学フィルムが積層体である場合、光学フィルムの少なくとも一方の面に1以上の機能層を有することが好ましい。機能層としては、例えばハードコート層、プライマー層、ガスバリア層、紫外線吸収層、粘着層、色相調整層、屈折率調整層などが挙げられる。機能層は単独又は二種以上組合せて使用できる。
本発明の一実施態様において、光学フィルムは、少なくとも一方の面(片面又は両面)に保護フィルムを有していてもよい。例えば光学フィルムの片面に機能層を有する場合には、保護フィルムは、光学フィルム側の表面又は機能層側の表面に積層されていてもよく、光学フィルム側と機能層側の両方に積層されていてもよい。光学フィルムの両面に機能層を有する場合には、保護フィルムは、片方の機能層側の表面に積層されていてもよく、両方の機能層側の表面に積層されていてもよい。保護フィルムは、光学フィルム又は機能層の表面を一時的に保護するためのフィルムであり、光学フィルム又は機能層の表面を保護できる剥離可能なフィルムである限り特に限定されない。保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム;ポリエチレン、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム及びアクリル系樹脂フィルムからなる群から選択されることが好ましい。光学フィルムが保護フィルムを2つ有する場合、各保護フィルムは同一又は異なっていてもよい。
保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、通常、10~120μm、好ましくは15~110μm、より好ましくは20~100μmである。光学フィルムが保護フィルムを2つ有する場合、各保護フィルムの厚さは同じであっても、異なっていてもよい。
[光学フィルムの製造方法]
本発明の光学フィルムは、特に限定されないが、例えば以下の工程:
(a)前記ポリイミド系樹脂を含む液(ワニスと称する場合がある)を調製する工程(ワニス調製工程)、
(b)ワニスを基材に塗布して塗膜を形成する工程(塗布工程)、及び
(c)塗布された液(塗膜)を乾燥させて、光学フィルムを形成する工程(光学フィルム形成工程)
を含む方法によって製造することができる。
ワニス調製工程において、前記ポリイミド系樹脂を溶媒に溶解し、必要に応じて前記添加剤を添加して撹拌混合することによりワニスを調製する。
ワニスの調製に用いられる溶媒は、前記樹脂を溶解可能であれば特に限定されない。かかる溶媒としては、例えばN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒;γ-ブチロラクトン(GBL)、γ-バレロラクトン等のラクトン系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;及びそれらの組合せが挙げられる。これらの中でも、光学フィルムの光学特性、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性を高めやすい観点から、アミド系溶媒、ラクトン系溶媒又はケトン系溶媒が好ましい。これらの溶媒は単独又は二種以上組合せて使用できる。また、ワニスには水、アルコール系溶媒、非環状エステル系溶媒、エーテル系溶媒などが含まれてもよい。
ワニスの固形分濃度は、好ましくは1~30質量%、より好ましくは5~25質量%、さらに好ましくは10~20質量%である。なお、本明細書において、ワニスの固形分とは、ワニスから溶媒を除いた成分の合計量を示す。また、ワニスの粘度は、好ましくは5~100Pa・s、より好ましくは10~50Pa・sである。ワニスの粘度が上記の範囲であると、光学フィルムを均一化しやすく、光学特性、引張強度、耐熱性及び耐屈曲性に優れた光学フィルムが得られやすい。なお、ワニスの粘度は粘度計を用いて測定でき、例えば実施例に記載の方法により測定できる。
塗布工程において、公知の塗布方法により、基材上にワニスを塗布して塗膜を形成する。公知の塗布方法としては、例えばワイヤーバーコーティング法、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、ダイコート法、カンマコート法、リップコート法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法、流涎成形法等が挙げられる。
光学フィルム形成工程において、塗膜を乾燥し、基材から剥離することによって、光学フィルムを形成することができる。剥離後にさらに光学フィルムを乾燥する乾燥工程を行ってもよい。塗膜の乾燥は、通常50~350℃、好ましくは50~220℃の温度にて行うことができる。本発明の好適な実施態様では、段階的に乾燥を行うことが好ましい。高分子量樹脂を含むワニスは高粘度になりやすく、一般的に均一なフィルムを得ることが困難となり、光学特性(特に透明性)や、Tgが低下することがある。そこで、段階的に乾燥を行うことにより、高分子量樹脂を含むワニスを均一に乾燥することができ、優れた光学特性(特に透明性)とともに、Tgが高く、耐熱性、引張強度及び耐屈曲性に優れた光学フィルムを得ることができる。本発明のより好適な実施態様では、100~170℃の比較的低温下で加熱した後、185~220℃で加熱することができる。乾燥(又は加熱時間)は、好ましくは5分~5時間、より好ましくは10分~1時間である。このような範囲で段階的に低温から高温に加熱することにより、Tgを上記範囲に調整しやすく、より優れた光学特性(例えば500nmの高い光透過率など)とともに、より耐熱性、引張強度及び耐屈曲性に優れた光学フィルムが得られやすい。必要に応じて、不活性雰囲気条件下において塗膜の乾燥を行ってよい。また、光学フィルムの乾燥を真空条件下で行うと、フィルム中に微小な気泡が発生、残存することがあり、透明性が低下する要因となるため大気圧下で行うことが好ましい。
基材の例としては、ガラス基板、PETフィルム、PENフィルム、他のポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂フィルム等が挙げられる。中でも、耐熱性に優れる観点から、ガラス、PETフィルム、PENフィルム等が好ましく、さらに光学フィルムとの密着性及びコストの観点から、ガラス基板又はPETフィルムがより好ましい。
本発明の光学フィルムは、表示装置、特にタッチセンサ用基板として好適に使用できる。また、表示装置としては、テレビ、スマートフォン、携帯電話、カーナビゲーション、タブレットPC、携帯ゲーム機、電子ペーパー、インジケーター、掲示板、時計、及びスマートウォッチ等のウェアラブルデバイス等が挙げられる。
[フレキシブル表示装置]
本発明は、本発明の光学フィルムを含むフレキシブル表示装置を包含する。該フレキシブル表示装置としては、フレキシブル特性を有する表示装置、例えばテレビ、スマートフォン、携帯電話、スマートウォッチ等が挙げられる。
フレキシブル表示装置は、表示装置を繰り返し折り曲げる、繰り返し巻く等の操作を伴い使用される表示装置であり、例えばローラブルディスプレイやフォルダブルディスプレイなどが挙げられる。ローラブルディスプレイとは、画像表示部分がロール状に巻き取られており、該画像表示部分を引き出して平面又は曲面にした状態で使用される画像表示装置であり、ロール状に巻き取る等の操作が使用の度に行われるような画像表示装置である。また、フォルダブルディスプレイとは、画像表示部分が折り曲げられており、該画像表示部分を開いて平面又は曲面にした状態で使用される画像表示装置であり、折り曲げる等の操作が使用の度に行われるような画像表示装置である。フレキシブル表示装置の具体的な構成としては、特に限定されないが、例えばフレキシブル表示装置用積層体及び有機EL表示パネルを含んでなる構成が挙げられる。このような本発明のフレキシブル表示装置は、さらに偏光板及び/又はタッチセンサを備えることが好ましい。偏光板又はタッチセンサとしては、慣用のものを用いることができ、これらは前記フレキシブル表示装置用積層体に含まれていてよい。偏光板としては、例えば円偏光板が挙げられ、タッチセンサとしては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等の様々な様式が挙げられる。このようなフレキシブル表示装置に使用されるタッチセンサ用基板(又はタッチセンサ用フィルム)には、耐屈曲性が求められるが、本発明の光学フィルムは、耐屈曲性に優れるため、前記タッチセンサ用基板(又はタッチセンサ用フィルム)として好適に使用することができる。
また、本発明の一実施態様では、フレキシブル表示装置用積層体は、視認側に、さらにウインドウフィルムを含むことが好ましく、例えば、視認側からウインドウフィルム、偏光板、タッチセンサ、又はウインドウフィルム、タッチセンサ、偏光板の順に積層されていてもよい。これらの部材は、接着剤又は粘着剤を用いて積層してもよく、これらの部材以外の他の部材を含むこともできる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。まず測定方法について説明する。
<ガラス転移温度の測定>
実施例及び比較例で得られた光学フィルムのDSC(示差走査熱量測定)によるガラス転移温度(Tg)を熱分析装置(「DSC Q200」、TA Instruments製)により測定した。測定条件は、測定試料量:5mg、温度域:室温から400℃、昇温速度:10℃/minであった。
<位相差の測定>
実施例及び比較例で得られた光学フィルムのRth及びR0は、王子計測機器(株)製の位相差測定装置(商品名:KOBRA)を用いて測定した。光学フィルムの厚み位相差Rthは、フィルム面内の一方向の屈折率をNx、Nxと直交する方向の屈折率をNy、フィルムの厚さ方向の屈折率をNz、光学フィルムの厚さをd(nm)としたときに、(A)式で算出される。ここで、Nxは遅相軸方向の屈折率、Nyは進相軸方向の屈折率であり、Nx>Nyを満たす。
Rth={(Nx+Ny)/2-Nz}×d(nm) ・・・(A)
光学フィルムの面内位相差R0は、フィルム面内の1つの方向の屈折率をNx、Nxと直交する方向の屈折率をNy、光学フィルムの厚さをd(nm)としたときに、(B)式で算出される。ここで、Nxは遅相軸方向の屈折率、Nyは進相軸方向の屈折率であり、Nx>Nyを満たす。
R0=(Nx-Ny)×d(nm) ・・・(B)
<350nm及び500nmの光透過率>
実施例及び比較例で得られた光学フィルムにおける350nm及び500nmの光透過率は、日本分光(株)製の紫外可視近赤外分光光度計V-670を用い、200~800nmの光に対する光透過率を測定することで得られた。
<引張強度の測定>
実施例及び比較例で得られた光学フィルムの引張強度は、精密万能試験機(「オートグラフAG-IS」、(株)島津製作所製)を用いて以下のように測定した。
該光学フィルムを幅10mm、長さ100mmにカットし、短冊状の試験片を準備した。次いで、該精密万能試験機を用いて、チャック間距離50mm、引張速度20mm/分の条件で引張試験を行い、光学フィルムの引張強度を測定した。
<耐屈曲性試験>
ASTM規格D2176-16に準拠して、実施例及び比較例で得られた光学フィルムの屈曲回数を以下のように求めた。該光学フィルムを、ダンベルカッターを用いて幅10mm×長さ120mmの短冊状にカットした。カットした光学フィルムをMIT耐折疲労試験機(「型式0530」、(株)東洋精機製作所製)本体にセットして、試験速度175cpm、折り曲げ角度135°、加重0.75kf、折り曲げクランプの屈曲半径R=1mmの条件で、光学フィルムが破断するまでの裏表方向への往復折曲げ回数を測定し、これを屈曲回数とした。
<残留溶媒量の測定方法>
(熱重量-示差熱(TG-DTA)測定)
TG-DTAの測定装置(「TG/DTA6300」、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、実施例及び比較例で得られた光学フィルムの残留溶媒量を測定した。
該光学フィルムから約20mgの試料を取得した。この試料を、室温から120℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、120℃で5分間保持した後、400℃まで10℃/分の昇温速度で昇温(加熱)しながら、試料の質量変化を測定した。
TG-DTA測定結果から、120℃から250℃にかけての質量減少率S(質量%)
を下記式(1)に従い、算出した。
S(質量%)=100-(W1/W0)×100 (1)
〔式(1)中、W0は120℃で5分間保持した後の試料の質量であり、W1は250
℃における試料の質量である〕。
算出された質量減少率Sを、光学フィルム中の残留溶媒量S(質量%)とした。
<厚み>
実施例及び比較例で得られた光学フィルムの厚みは、接触式のデジタル厚み計(ミツトヨ社製)を用いて3回測定を行い、3回測定した値の平均値を光学フィルムの厚みとした。
<粘度>
実施例及び比較例で得られたワニスの粘度は、E型粘度計(「HBDV-II + P CP」 Brook Field社製)を用いて、ワニス0.6ccを試料として、25℃、回転数3rpmの条件で測定した。
<重量平均分子量(Mw)>
合成例で得られたポリイミド系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPCを用いて、以下の条件により測定した。
(GPC条件)
装置:島津LC-20A
カラム:TSKgel GMHHR-M (ミックスカラム、排除限界分子量:400万)
ガードカラム:TSKgel guardcolumn HHR-H
移動相:N-メチル-2-ピロリジノン(NMP) 10mM LiBr添加
※NMPはHPLC用グレード、LiBrは試薬一級(無水物)を使用
流速:1mL/min
測定時間:20分
カラムオーブン:40℃
検出:UV 275nm
洗浄溶媒:NMP
試料濃度:1mg/mL (※20wt%反応マスは移動相で5mg/mLに希釈して分析)
分子量較正:ポリマーラボラトリーズ製 標準ポリスチレン(分子量500~400万の17分子量)
<イミド化率>
合成例で得られたポリイミド系樹脂のイミド化率は、NMRを用いて、以下の条件により測定した。
(NMR条件)
ポリイミド系樹脂10mgを秤量し、重DMSO 0.75mlを添加後、120℃で20分加熱することで溶解した。溶液をNMR管に移し、ブルカー製AV600装置を用いて、100℃で1H NMR測定を実施した。1H NMRスペクトルよりイミド基由来のプロトンとアミド基由来のプロトンを帰属し、次式を用いてイミド化率を求めた。
イミド化率 = {イミド基積分比/(イミド基積分比+アミド基積分比)}×100
<合成例1>
国際公開第2019/156717号に記載の方法により、6FDA由来の構成単位と1,4-DAB由来の構成単位とからなるポリイミド系樹脂(6FDA-DAB)を、以下のように製造した。
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた反応容器に、m-クレゾール(本州化学工業(株)製)178.78kg、1,4-DAB(ThermoFisher社製)7.940kg、および6FDA(八幸通商(株)製)40.120kgを加え、次に、イソキノリン(富士フィルム和光純薬(株)製)3.428kgを添加した後、158℃に昇温し、5時間撹拌した後、m-クレゾールを74.49kg加え、得られた反応液を50℃まで冷却した。攪拌しながら、Solmix AP-1(日本アルコール販売(株)製)を118.97kg添加し、更に、Solmix AP-1を356.91kg加えた後、ろ過した。ろ過した沈殿物をSolmix AP-1(70.62kg)で洗浄し、更にSolmix AP-1(141.23kg)で4回懸濁ろ過を行い、沈殿物を乾燥機にて70℃で96時間乾燥させることで、ポリイミド系樹脂を39.97kg得た。製造したポリイミド系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、252,000であり、イミド化率は、99.9%であった。
<合成例2>
反応条件等を変更したこと以外は、合成例1と同様の方法にて、ポリイミド系樹脂を製造した。得られたポリイミド系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、317,000であり、イミド化率は、99.9%であった。
<合成例3>
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた反応容器に、m-クレゾール(本州化学工業)178.56kg、1,4-DAB(ThermoFisher)7.961kg、および6FDA(八幸通商(株))40.112kgを加え、次に、イソキノリン(富士フィルム和光純薬(株)製)3.424kgを添加した後、130℃に昇温し、8時間撹拌した後、得られた反応液を50℃まで冷却した。攪拌しながら、メタノール(住友化学(株))を93.38kg添加し、更に、メタノールを242.13kg加えた後、ろ過した。ろ過した沈殿物をメタノール(70.62kg)で洗浄し、更にメタノール(141.23kg)で4回懸濁ろ過を行い、沈殿物を乾燥機にて70℃で96時間乾燥させることで、ポリイミド系樹脂を41.70kg得た。製造したポリイミド系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、396,000であり、イミド化率は、100.0%であった。
<実施例1>
合成例1で得られたポリイミド系樹脂を固形分濃度が15質量%となるようにシクロヘキサノンに溶解し、紫外線吸収剤(UVA)として、Sumisorb340を2phr添加してワニスを調製した。前記ワニスの粘度は26.0Pa・sであった。次いで、得られたワニスを、ガラス基板に塗布し、140℃で10分加熱した後、さらに200℃で30分間加熱し、ガラス基板から剥離することで、厚さ25μmの光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの残留溶媒量は、1.2質量%であった。
<実施例2>
合成例2で得られたポリイミド系樹脂を固形分濃度が13質量%となるようにシクロヘキサノンに溶解し、紫外線吸収剤(UVA)として、Sumisorb340を2phr添加してワニスを調製した。前記ワニスの粘度は22.0Pa・sであった。次いで、得られたワニスを、ガラス基板に塗布し、140℃で10分加熱した後、さらに200℃で30分間加熱し、ガラス基板から剥離することで、厚さ25μmの光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの残留溶媒量は、1.4質量%であった。
<実施例3>
合成例3で得られたポリイミド系樹脂を固形分濃度が11質量%となるようにシクロヘキサノンに溶解し、紫外線吸収剤(UVA)として、Sumisorb340を2phr添加してワニスを調製した。前記ワニスの粘度は17.5Pa・sであった。次いで、得られたワニスを、ガラス基板に塗布し、140℃で10分加熱した後、さらに200℃で30分間加熱し、ガラス基板から剥離することで、厚さ25μmの光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの残留溶媒量は、1.5質量%であった。
<比較例1>
環状オレフィンコポリマー(COC)フィルム(「ZF16」、日本ゼオン社製)を用いた。
<比較例2>
合成例1で得られたポリイミド系樹脂を固形分濃度が15質量%となるようにシクロヘキサノンに溶解し、紫外線吸収剤(UVA)として、Sumisorb340を2phr添加してワニスを調製した。前記ワニスの粘度は26Pa・sであった。次いで、得られたワニスを、ガラス基板に塗布し、140℃で10分加熱した後、さらに180℃で20分間加熱し、ガラス基板から剥離することで、厚さ25μmの光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの残留溶媒量は、4.9質量%であった。
実施例及び比較例で得られた光学フィルムについて、ガラス転移温度(Tg)、面内位相差(nm)、厚み位相差(nm)、350nmの光透過率(%)、500nmの光透過率(%)、引張強度(MPa)、及び屈曲回数(回)を測定した結果を表1に示す。
Figure 2022013624000011
表1に示される通り、実施例1~3で得られた光学フィルムは、比較例1と比べ、350nmの光透過率が顕著に低く、かつTgが顕著に高いことが確認された。また、実施例1及び2で得られた光学フィルムは、比較例2と比べると、厚み位相差が低く、Tgが顕著に高いことが確認された。さらに、実施例3で得られた光学フィルムは、比較例2と比べると、Tgが顕著に高いことが確認された。従って、実施例1~3で得られた光学フィルムは、低位相差、高耐熱性及び高い紫外線カット性を兼ね備えていることがわかった。
さらに、実施例1~3で得られた光学フィルムは、比較例1と比べ、500nmの光透過率、引張強度及び屈曲回数が高く、比較例2と比べ、500nmの光透過率及び引張強度が高いことが確認された。従って、実施例1~3で得られた光学フィルムは、透明性、引張強度及び耐屈曲性にも優れていることがわかった。

Claims (14)

  1. ガラス転移温度は165℃以上、350nmの光透過率は10%以下、面内位相差は30nm以下、及び厚み位相差は100nm以下である、光学フィルム。
  2. ガラス転移温度は180℃超である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 500nmの光透過率は90%以上である、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 引張強度は86MPa超である、請求項1~3のいずれかに記載の光学フィルム。
  5. 膜厚は10~100μmである、請求項1~4のいずれかに記載の光学フィルム。
  6. 溶媒含有量は、光学フィルムの質量に対して3.0質量%以下である、請求項1~5のいずれかに記載の光学フィルム。
  7. 式(1)
    Figure 2022013624000012
    [式(1)中、Xは2価の有機基を表し、Yは4価の有機基を表し、*は結合手を表す]
    で表される構成単位を有するポリイミド系樹脂を含む、請求項1~6のいずれかに記載の光学フィルム。
  8. 式(1)で表される構成単位は、Xとして、2価の脂肪族基を含む、請求項7に記載の光学フィルム。
  9. 式(1)で表される構成単位は、Yとして、式(2)
    Figure 2022013624000013
    [式(2)中、R~Rは、互いに独立に、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を表し、R~Rに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、Vは、単結合、-O-、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-C(CF-、-SO-、-S-、-CO-又は-N(R)-を表し、Rは、水素原子、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~12の一価の炭化水素基を表し、*は結合手を表す]
    で表される構造を含む、請求項7又は8に記載の光学フィルム。
  10. 前記ポリイミド系樹脂は、フッ素原子を含有する、請求項7~9のいずれかに記載の光学フィルム。
  11. 前記ポリイミド系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が250,000を超える、請求項7~10のいずれかに記載の光学フィルム。
  12. 請求項1~11のいずれかに記載の光学フィルムを備える、フレキシブル表示装置。
  13. さらに偏光板を備える、請求項12に記載のフレキシブル表示装置。
  14. さらにタッチセンサを備える、請求項12又は13に記載のフレキシブル表示装置。
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