JP2022011881A - ポリイソシアネート組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊離の芳香族イソシアネートモノマーが低減された、芳香族ポリイソシアネート(a1)とポリエーテルポリオール(a2)との反応生成物であるイソシアネート基含有ポリマー(A)を含むポリイソシアネート組成物、並びに、該組成物を含む、遊離の芳香族イソシアネートモノマーが低減され、初期凝集力と接着強度とに優れ、さらに残留溶剤が低減され、加工時の滑り性に優れる接着剤組成物の提供。
【解決手段】上記課題は、芳香族ポリイソシアネート(a1)を含むポリイソシアネートと、前記ポリエーテルポリオール(a2)を含むポリオールとを、モル当量比(イソシアネート基のモル数/水酸基のモル数)が1.1~1.5となる範囲で反応させるポリイソシアネート組成物の製造方法によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品、医療品、化粧品等の包装材に用いられる接着剤組成物に有用なイソシアネート基含有ポリマーを含むポリイソシアネート組成物の製造方法、並びに、該製造方法により製造されるイソシアネート基含有ポリマーを含むポリイソシアネート組成物を用いてなる接着剤組成物及び積層体の製造方法に関する。
従来、食品包装用や工業用接着剤として、ポリエステルポリオールやポリエーテルウレタンポリオール等のポリオール成分と、ポリイソシアネート組成物とを組み合わせたポリウレタン系接着剤が用いられている。そして、ポリイソシアネート組成物として、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)又はポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)等のポリエーテルポリオールと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートと、をウレタン反応させたプレポリマーを用いることが知られている。
しかしながら、上記プレポリマーには未反応の芳香族ジイソシアネートが残留し、接着剤の初期凝集力、加工時の衛生性、第一級芳香族アミンの発生、残留溶剤等に影響を与える可能性がある。
芳香族ジイソシアネートの残留量を減少させる方法に関し、例えば特許文献1には、芳香族ジイソシアネートとポリオールとのウレタン反応によって得られたプレポリマーから、蒸留方法を用いて未反応のジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDI)を分離する方法が開示されている。
特許文献2には、ジフェニルメタンジイソシアネートと、重量平均分子量(Mw)が250~4,000で活性水素が2つの直鎖状分子とを、モル当量比(NCO:OH)が2.5~10:1の範囲で反応させた後に、遊離のジフェニルメタンジイソシアネートを真空蒸留して、1質量%以下とすることが開示されている。
特許文献3には、残留ジイソシアネートより高い沸点を有する溶媒と、残留ジイソシアネートより低い沸点を有する溶媒との混合溶媒下で蒸留を行うことにより、ポリウレタンプレポリマー反応生成物中のジイソシアネートの残留量を減少させる工程が開示されている。
特許第3810320号公報 特開平8-176252号公報 米国特許第5703193号明細書
しかしながら、特許文献1~3はいずれも、蒸留工程を用いてウレタン化反応で残留した芳香族ジイソシアネートを除去するものであって、蒸留工程を経ずに、反応の段階で遊離の芳香族ジイソシアネート(以下、残留イソシアネートモノマーという)を低減する方法は未だ実現していない。
したがって、本発明の目的は、遊離の芳香族ジイソシアネートが低減された、芳香族ポリイソシアネート(a1)とポリエーテルポリオール(a2)との反応生成物であるイソシアネート基含有ポリマー(A)を含むポリイソシアネート組成物、並びに、該組成物を用いてなる、遊離の芳香族ジイソシアネートが低減され、初期凝集力と接着強度とに優れ、さらに残留溶剤が低減され、加工時の滑り性に優れる接着剤組成物及び積層体を提供することにある。
本発明は、芳香族ポリイソシアネート(a1)とポリエーテルポリオール(a2)との反応生成物であるイソシアネート基含有ポリマー(A)を含むポリイソシアネート組成物の製造方法に関し、前記芳香族ポリイソシアネート(a1)を含むポリイソシアネートと、前記ポリエーテルポリオール(a2)を含むポリオールとを、ポリイソシアネート中のイソシアネート基とポリオール中の水酸基とのモル当量比(イソシアネート基のモル数/水酸基のモル数)が1.1~1.5となる範囲で反応させることを特徴とする、ポリイソシアネート組成物の製造方法に関する。
本発明は、前記芳香族ポリイソシアネート(a1)が、ジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体である、上記ポリイソシアネート組成物の製造方法に関する。
本発明は、前記ポリエーテルポリオール(a2)が、ポリプロピレングリコールである、上記ポリイソシアネート組成物の製造方法に関する。
本発明は、ポリイソシアネート組成物中におけるジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体の含有率が、1質量%以下である、上記ポリイソシアネート組成物の製造方法に関する。
本発明は、上記方法により製造されるポリイソシアネート組成物とポリオール成分(B)とを混合する工程を含む、接着剤組成物の製造方法に関する。
本発明は、前記接着剤組成物が、包装材を形成するためのラミネート接着剤である、上記接着剤組成物の製造方法に関する。
本発明は、上記方法により製造される接着剤組成物を第1のシート状基材に塗布して接着剤層を形成し、前記接着剤層に第2のシート状基材を重ね合わせ、前記接着剤層を硬化する工程を含む、積層体の製造方法に関する。
本発明により、遊離の芳香族ジイソシアネートが低減された、芳香族ポリイソシアネート(a1)とポリエーテルポリオール(a2)との反応生成物であるイソシアネート基含有ポリマー(A)を含むポリイソシアネート組成物、並びに、該組成物を含む、遊離の芳香族ジイソシアネートが低減され、初期凝集力と接着強度とに優れ、さらに残留溶剤が低減され、加工時の滑り性に優れる接着剤組成物及び積層体を提供することができる。
<ポリイソシアネート組成物>
本発明は、芳香族ポリイソシアネート(a1)と、ポリエーテルポリオール(a2)と、の反応生成物であるイソシアネート基含有ポリマー(A)を含むポリイソシアネート組成物の製造方法に関し、前記芳香族ポリイソシアネート(a1)を含むポリイソシアネートと、前記ポリエーテルポリオール(a2)を含むポリオールとを、ポリイソシアネート中のイソシアネート基と、ポリオール中の水酸基とのモル当量比(イソシアネート基のモル数/水酸基のモル数)が1.1~1.5となる範囲で反応させることを特徴とする。このようなイソシアネート基含有ポリマー(A)は、ウレタン系接着剤におけるポリイソシアネート硬化剤として好適に用いられるものである。
上記モル当量比で反応させることで、蒸留工程を必要とせずとも、ゲル化を抑制しながら、遊離の芳香族ポリイソシアネート(a1)(以下、残留モノマーともいう)の残留量が1質量%以下である、ポリイソシアネート組成物を得ることができ、ポリオール成分(主剤)とを組み合わせてなるウレタン系接着剤組成物の硬化剤として好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[芳香族ポリイソシアネート(a1)]
芳香族ポリイソシアネート(a1)としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネート;又はこれらの誘導体若しくは複合体;が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート(a1)として好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体であり、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、又はポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートが挙げられる。
より好ましくは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、又はポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートであり、さらに好ましくは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、又は2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートを含むものである。
これら芳香族ポリイソシアネート(a1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[ポリエーテルポリオール(a2)]
ポリエーテルポリオール(a2)としては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルトリオール等が挙げられ、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、水、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2官能低分量ポリオールを開始剤として重合して得られるポリエーテルジオール;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分量トリオールを開始剤として重合して得られるポリエーテルトリオール;が挙げられる。上記ポリエーテルポリオールは、さらにジイソシアネートを反応させたポリエーテルウレタンポリオールであってもよい。
ポリエーテルポリオール(a2)として好ましくは、2官能のポリプロピレングリコール(以下、PPGともいう)であり、より好ましくは、数平均分子量が200~8,000のポリプロピレングリコールであり、更に好ましくは、数平均分子量が400~4,000のポリプロピレングリコールである。
これらポリエーテルポリオール(a2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ポリオール成分と混合した後の初期粘度の観点から、数平均分子量が200~1,000のポリプロピレングリコールと、数平均分子量が1,500~4,000のポリプロピレングリコールとを併用することが好ましい。
[ウレタン反応条件]
本発明は、芳香族ポリイソシアネート(a1)を含むポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオール(a2)を含むポリオールとを、ポリイソシアネート中のイソシアネート基と、ポリオール中の水酸基とのモル当量比(イソシアネート基のモル数/水酸基のモル数)が1.1~1.5となる範囲で反応させることが重要であり、この範囲とすることでゲル化することなくポリイソシアネートとポリオールとが効率的に反応することで、芳香族ポリイソシアネート(a1)の残留量を低減でき、さらに、分子量とウレタン架橋数とが増加し、ポリオール成分と組み合わせて着剤組成物とした際に、残留溶剤が低減され、優れた初期凝集力、接着性能、滑り性を発揮することができる。モル当量比は、好ましくは1.1~1.4の範囲であり、より好ましくは1.2~1.3の範囲である。
本発明のポリイソシアネート組成物における、遊離の芳香族ジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネート(a1)の残留量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)など、当業者に知られた方法により測定できる。ポリイソシアネート組成物中の、遊離の芳香族ポリイソシアネート(a1)の含有量は、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。したがって、芳香族ポリイソシアネート(a1)が、ジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体である場合、ポリイソシアネート組成物中におけるジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体の含有率は、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。
ウレタン反応の反応温度は、好ましくは80~100℃の範囲である。反応温度を上記範囲とすることで、過剰の発熱と反応の暴走とを防ぐことができる。ウレタン反応は、無溶媒で行ってもよいし、イソシアネート基に不活性な任意の溶媒を用いてもよい。また、必要に応じて、ウレタン反応促進のための触媒を用いてもよい。
ポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネート(a1)以外のポリイソシアネートを含んでもよく、そのようなポリイソシアネートとしては、後述の接着剤組成物の項におけるポリイソシアネートの記載を援用できる。
また、ポリオールは、ポリエーテルポリオール(a2)以外のポリオールを含んでもよく、そのようなポリオールとしては、後述の接着剤組成物の項におけるポリオール成分(B)の記載を援用できる。
ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基含有率は、後述するポリオール(B)と配合した後の粘度が、塗工に適した範囲となることから、好ましくは1~10質量%であり、より好ましくは1~5質量%である。
ポリイソシアネート組成物の数平均分子量は、初期の粘度が高くなりすぎないことから、好ましくは1,000~5,000であり、ポリイソシアネート組成物の25℃における粘度は、好ましくは5,000mPa・s以下であり、より好ましくは3,000mPa・s以下である。
<接着剤組成物>
上記イソシアネート基含有ポリマー(A)を含むポリイソシアネート組成物と、ポリオール成分(B)とを混合することで、本発明の接着剤組成物を得ることができる。
[ポリオール成分(B)]
ポリオール成分(B)は、水酸基を2つ以上有する化合物であればよく、公知のポリオールから選択することができる。
ポリオール成分(B)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリヒドロキシアルカン、ひまし油又はそれらの混合物のほか、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール等のグリコール;数平均分子量200~3,000のポリアルキレングリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;上記3官能又は4官能の脂肪族アルコールに、上記グリコール若しくはポリオールが付加したポリオール;を用いることができる。
ポリオール成分(B)は、ポリオール中の水酸基の一部が酸変性された酸変性物であってもよいし、酸無水物を反応させてカルボキシル基を導入したものや、ジイソシアネートを反応させてウレタン結合を導入したものであってもよい。
これらのポリオール成分は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオール成分(B)は、接着性能と残留溶剤の観点から、好ましくはポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールを含むものである。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物(以下、カルボキシル基成分ともいう)と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3’-ジメチロールヘプタン、1,9-ノナンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール等のジオール類若しくはそれらの混合物(以下、水酸基成分ともいう)と、をエステル化反応させて得られるポリエステルポリオール;或いは、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール;が挙げられる。
上記カルボキシル基成分及び水酸基成分は、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールは、さらにジイソシアネートを反応させたポリエステルポリウレタンポリオールであってもよいし、さらに酸無水物を反応させたものであってもよい。
ジイソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、無水トリメリット酸、トリメリット酸エステル無水物が挙げられる。トリメリット酸エステル無水物としては、例えば、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等が挙げられる。
ポリエステルポリオールの数平均分子量は、好ましくは1,000~10,000であり、より好ましくは1,500~5,000である。数平均分子量が1,000以上であると、ポリオールの凝集力が増し、優れた接着強度を示すため好ましい。数平均分子量が10,000以下であると、硬化剤と混合した後の粘度上昇が緩やかになり、塗工性が悪化しないため好ましい。
本明細書における数平均分子量は、例えば、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPCSystem-21」を用い、溶媒としてテトロヒドロフランを用いて、標準ポリスチレン換算した値として求めることができる。
ポリエステルポリオールが、複数のポリエステルポリオールを含む場合、ポリエステルポリオールの数平均分子量は、各々のポリエステルポリオールの数平均分子量とその質量比率から求めることができる。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2官能低分子量ポリオールを開始剤として重合して得られたものが挙げられる。上記ポリエーテルポリオールは、さらにジイソシアネートを反応させたポリエーテルポリウレタンポリオールであってもよい。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、好ましくは400以上4,000以下であり、より好ましくは400以上2,000以下である。
ポリオール成分(B)の酸価は、好ましくは0~10mgKOH/gであり、ポリオール成分(B)の水酸基価は、好ましくは0~100mgKOH/gである。ポリオール成分(B)が複数のポリオールを含む場合、ポリオール成分(B)の酸価及び水酸基価は、各々のポリオールの酸価及び水酸基とその質量比率から求めることができる。
これらのポリオール成分(B)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[その他のポリイソシアネート]
本発明における接着剤組成物は、ポリイソシアネート組成物として、本発明の効果を損なわない範囲で、イソシアネート基含有ポリマー(A)以外のポリイソシアネートを含有することができる。ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基含有ポリマー(A)の含有率は、ポリイソシアネート組成物を基準として、50~95質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、60~80質量%の範囲である。
含んでもよいその他のポリイソシアネートは、公知のポリイソシアネートから選択することができ、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、又はこれらの変性体が挙げられる。
これらのその他のポリイソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネート;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;が挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-又は1,4-キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω′-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-又は1,4-ビス(1-イソシアネート-1-メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-又は2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネート;が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;が挙げられる。
ポリイソシアネートの変性体としては、例えば、アロファネート型変性体、イソシアヌレート型変性体、ビウレット型変性体、アダクト型変性体のほか、上記ポリイソシアネート組成物とポリオールとをイソシアネート基過剰の条件下に反応させたイソシアネート基とウレタン結合とを有する反応生成物が挙げられる。上記ポリイソシアネートの変性体を形成するポリオールとしては、特に制限されず、公知のポリオールから選択することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエステルウレタンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルウレタンポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオールが挙げられる。
イソシアネート基含有ポリマー(A)を含むポリイソシアネート組成物と、ポリオール成分(B)との配合割合は、ポリイソシアネート組成物が含有する全イソシアネート基と、ポリオール(B)が含有する全水酸基とのモル当量比[NCO/OH]が2.0~7.0の範囲であることが好ましく、より好ましくは4.0~6.0の範囲である。またポリイソシアネート組成物の配合量は、接着性能の観点から、ポリオール(B)に対して、好ましくは30~70質量%であり、より好ましくは35~50質量%である。
[その他成分]
本発明における接着剤組成物は、接着剤組成物又は包装材に要求される各種物性を満たすために、イソシアネート基含有ポリマー(A)を含むポリイソシアネート組成物及びポリオール成分(B)以外のその他成分を含有してもよい。これらのその他成分は、ポリイソシアネート組成物又はポリオール成分(B)のいずれに配合してもよいし、ポリイソシアネート組成物とポリオール成分(B)とを配合する際に添加してもよい。これらのその他成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(シランカップリング剤)
本発明における接着剤組成物は、基材への密着性を高めるために、さらに、シランカップリング剤を含有することができる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルを有するトリアルコキシシラン;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリキシドキシプロピルトリエキトシシラン等のグリシジル基を有するトリアルコキシシラン;3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するトリアルコキシシラン;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、オルガノシラン等のメルカプト基を有するアルコキシシラン;が挙げられる。シランカップリング剤は、1種又は2種を併用してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、ポリオール成分の固形分に対して、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.1~5質量%であり、特に好ましくは0.5~5質量%である。
(リン酸、リン酸エポキシ、リンの酸素酸又はその誘導体)
本発明における接着剤組成物は、接着性能を高めるために、さらに、リン酸、リン酸エポキシ、リンの酸素酸又はその誘導体を含有することができる。リン酸エポキシとしては、DSM Resins レジン社製URAD-DD79等が挙げられる。リン酸エポキシの含有量は、接着剤の固形分に対して、好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.1~1質量%である。
リンの酸素酸又はその誘導体の内、リンの酸素酸としては、遊離の酸素酸を少なくとも1個有しているものであればよく、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸等のリン酸類、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸等の縮合リン酸類が挙げられる。
リンの酸素酸の誘導体としては、上記のリンの酸素酸を遊離の酸素酸を少なくとも1個残した状態でアルコール類と部分的にエステル化されたもの等が挙げられる。これらのアルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の脂肪族アルコール;フェノール、キシレノール、ハイドロキノン、カテコール、フロログリシノール等の芳香族アルコール;等が挙げられる。リンの酸素酸又はその誘導体は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。リンの酸素酸又はその誘導体の含有量は、接着剤の固形分に対して、好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.05~5質量%、さらに好ましくは0.1~1質量%である。
(レベリング剤又は消泡剤)
本発明における接着剤組成物は、積層体の外観を向上させるため、さらにレベリング剤又は消泡剤を含有することができる。レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル系共重合物、メタクリル系共重合物、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、レシチンが挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン溶液、アルキルビニルエーテルとアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物が挙げられる。
(反応促進剤)
本発明における接着剤組成物は、ウレタン化反応を促進するため、さらに反応促進剤を含有することができる。反応促進剤としては、例えば、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレート等の金属系触媒;1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7等の3級アミン;トリエタノールアミンのような反応性3級アミン;が挙げられる。
(安定剤)
本発明における接着剤組成物は、ウレタン化反応を安定させ、保管時の経時安定性を維持するため、さらに安定剤を含有することができる。安定剤としては、例えば、塩化ベンゾイル、プロピレンオキサイド、1,2-ブチレンオキシド、オルソギ酸トリメチル、オルソギ酸エチル、オルソギ酸-n-プロピル、オルソ酢酸メチル、オルソ酢酸エチルが挙げられる。
(添加剤)
接着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレーク等の無機充填剤、層状無機化合物、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤等)、防錆剤、増粘剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤、硬化反応を調整するための触媒が挙げられる。
<積層体>
上述の接着剤組成物を、第1のシート状基材に塗布して接着剤層を形成し、前記接着剤層に第2のシート状基材を重ね合わせ、両シート状基材の間に位置する接着剤層を硬化することで、本発明の積層体を得ることができる。但し、積層体の構成は上記構成に制限されず、さらに接着剤層等を介して別の層が積層されていてもよい。積層体の厚みは、包装材としての強度や耐久性の観点から、好ましくは10μm以上である。
[接着剤層]
接着剤層は、一般的にラミネーターを用いて接着剤を第1のシート状基材の片面に塗布して未硬化の接着剤層を形成した後、塗布面と第2のシート状基材と貼り合わせ、常温又は加温下に硬化させることで形成することができる。接着剤の塗布量は、好ましくは1~5g/m程度である。
[シート状基材]
シート状基材は特に制限されず、例えば、従来公知のプラスチックフィルム、紙、金属箔が挙げられ、2つのシート状基材は同種のものでも異種のものでもよい。
プラスチックフィルムとしては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のフィルムを用いることができ、好ましくは熱可塑性樹脂のフィルムである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、繊維素系プラスチックが挙げられる。シート状基材は、蒸着層等のバリア膜を備えていてもよく、該蒸着層としては、アルミニウム、シリカ、アルミナ等の蒸着層が挙げられる。
第1のシート状基材は、好ましくはプラスチックフィルムである。プラスチックフィルムとしては、包装材に一般的に使用されるものが挙げられ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)のようなポリエステル樹脂フィルム;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン樹脂フィルム;ポリスチレン樹脂フィルム;ナイロン6、ポリ-p-キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)のようなポリアミド樹脂フィルム;ポリカーボネート樹脂フィルム;ポリアクリルニトリル樹脂フィルム;ポリイミド樹脂フィルム;これらの複層体(例えば、ナイロン6/MXD6/ナイロン6、ナイロン6/エチレン-ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体等が挙げられる。中でも、機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましい。
プラスチックフィルムは、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の厚さを有するものである。
第2のシート状基材が積層体の最外層となる場合は、第2のシート状基材はシーラント基材であることが好ましい。
シーラント基材としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、酸変性ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン(CPP)、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン-ビニルアセテート共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーが挙げられる。
シーラント基材の厚みは特に制限されず、包装材への加工性やヒートシール性等を考慮すると、好ましくは10~150μmであり、より好ましくは20~70μmである。また、シーラント基材に数μm程度の高低差を有する凸凹を設けることで、滑り性や包装材の引き裂き性を付与することができる。
第2のシート状基材が、積層体の中間層となる場合は、第2のシート状基材としては前述のプラスチックフィルム、紙、金属箔等を好適に用いることができる。
シート状基材は、基材上に印刷層を有していてもよい。印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他等の表示や美感の付与のために、文字、数字、絵柄、図形、記号、模様等の所望の任意の印刷模様を形成する層であり、ベタ印刷層も含む。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、印刷層の形成方法は特に限定されない。
一般的には、印刷層は、顔料や染料等の着色剤を含む印刷インキを用いて形成される。印刷インキの塗工方法は特に限定されず、グラビアコート法、フレキソコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スピンコート法、インクジェット法等の方法により塗布することができる。これを放置するか、必要により送風、加熱、減圧乾燥、紫外線照射等を行うことにより印刷層を形成することができる。
印刷層は、好ましくは0.1~10μm、より好ましくは1~5μm、さらに好ましくは1~3μmの厚みを有するものである。
本発明における積層体の構成の一例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
2軸延伸ポリプロピレン(以下、OPP)/印刷層/接着剤層/無延伸ポリプロピレン(以下、CPP)、
OPP/印刷層/接着剤層/AL蒸着CPP、
OPP/印刷層/接着剤層/PE、
印刷層/OPP/接着剤層/CPP、
NY/印刷層/接着剤層/PE、
印刷層/NY/接着剤層/CPP
NY/印刷層/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/CPP、
印刷層/PET/接着剤層/CPP
PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/CPP、
透明蒸着PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/AL蒸着PET/接着剤層/PE、
PET/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/PE、
PET/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/AL/接着剤層/CPP、
PET/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/NY/接着剤層/CPP
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。特に記載がない場合、実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を意味する。
<数平均分子量(Mn)の測定方法>
数平均分子量(Mn)の測定は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPCSystem-21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、分子量の決定はポリスチレン換算で行った。
<酸価の測定方法>
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続した。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。酸価は次の(式1)により求めた。
(式1)酸価(mgKOH/g)=[{(b-a)×F×28.25}/S]
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
<水酸基価の測定方法>
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間撹拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。水酸基価は次の(式2)により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした。
(式2)水酸基価(mgKOH/g)=[{(b-a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
<NCO含有率(質量%)の測定方法>
200mLの三角フラスコに試料約1gを量り採り、これに0.5Nジ-n-ブチルアミンのトルエン溶液10mL、及びトルエン10mLを加えて溶解した。次に、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.25N塩酸溶液で滴定した。NCO含有率(質量%)は以下の(式3)により求めた。
(式3):NCO(質量%)={(b-a)×4.202×F×0.25}/S
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.25N塩酸溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.25N塩酸溶液の消費量(ml)
F:0.25N塩酸溶液の力価
<芳香族ポリイソシアネート(a1)の残留量の測定方法>
芳香族ポリイソシアネート(a1)の残留量は、島津製作所の高速液体クロマトグラフ(HIGH PERFORMANCE LIQUID CHROMATOGRAPH)「島津HPLC Prominence」を用いて算出した。具体的には、試料約25mgを25,000倍に希釈し、誘導体処理を行った後に、高速液体クロマトグラフにて残留する芳香族ポリイソシアネート(a1)に由来するピーク面積を測定し、試料中の残留量を算出した。測定条件を以下に示す。
カラム:GLサイエンスODS-3(250mm×2.1mmφ,粒子径5μm)
検出機:島津製作所UFLC 20AシリーズPDA検出器
移動相:トリエチルアミン3%水溶液/アセトニトリル=20/80体積%(リン酸でPH3.0に調整)アイソクラティック、流速:0.2ml/分
<ポリイソシアネート組成物の製造>
[実施例1]ポリイソシアネート組成物1
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス投入管を備えた反応容器に、数平均分子量2,000の2官能ポリプロピレングリコール25部、数平均分子量400の2官能ポリプロピレングリコール19部、トリメチロールプロパン2部、ジプロピレングリコール1部、及びトリプロピレングリコール1部を仕込んだ。窒素ガスを導入しつつ、撹拌しながら4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート25部を反応容器に仕込み、80℃~90℃で5時間加熱してウレタン化反応を行い、イソシアネート基含有ポリマー(A-1)を得た。ウレタン化反応におけるイソシアネート基と水酸基とのモル当量比は1.3であった。
次いで、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体7部、酢酸エチル20部を添加し、固形分濃度80%のポリイソシアネート組成物1を得た。
ポリイソシアネート組成物1における、イソシアネート基含有率は4.20%、未反応4,4-ジフェニルメタンジイソシアネートの含有率は0.48%であった。
[実施例2~5、比較例1~3]ポリイソシアネート組成物2~8
表1に示す原料及び配合量に変更した以外は、ポリイソシアネート組成物1と同様にして、イソシアネート基含有ポリマー(A-2~A-8)及び、該イソシアネート基含有ポリマーを含むポリイソシアネート組成物2~8を得た。
Figure 2022011881000001
表1中の略称を以下に示す。
PPG-2000:数平均分子量約2,000のポリプロピレングリコール
PPG-400:数平均分子量約400のポリプロピレングリコール
TMP:トリメチロールプロパン
DPG:ジプロピレングリコール
TPG:トリプロピレングリコール
4,4-MDI:4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート
TDI-TMP:トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体
<ポリオール成分の製造>
(ポリオール成分(B-1))
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス投入管を備えた反応容器に、数平均分子量2,000の2官能ポリプロピレングリコール8部、数平均分子量400の2官能ポリプロピレングリコール36部、数平均分子量400の3官能ポリプロピレングリコール8部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ、撹拌しながら4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート17部を反応容器に仕込み、80℃~90℃で1時間加熱してウレタン化反応を行った。次いで、リン酸0.05部、シランカップリング剤0.6部、酢酸エチル30部を添加し、ポリエーテルウレタンポリオールであるポリオール成分(B-1)を得た。
(ポリオール成分(B-2))
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス投入管を備えた反応容器に、数平均分子量2,000の2官能ポリプロピレングリコール6部、数平均分子量400の2官能ポリプロピレングリコール30部、数平均分子量400の3官能ポリプロピレングリコール6部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ、撹拌しながら4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート10部を反応容器に仕込み、80℃~90℃で1時間加熱してウレタン化反応を行った。次いで、リン酸0.05%、シランカップリング剤0.5%、酢酸エチル40部を添加し、ポリエーテルウレタンポリオールであるポリオール成分(B-2)を得た。
(ポリオール成分(B-3))
イソフタル酸120部、アジピン酸300部、エチレングリコール60部、ネオペンチルグリコール400部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら250℃~260℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が10.0mgKOH/g以下になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で反応させ、酸価0.4mgKOH/g、水酸基価50mgKOH/g、数平均分子量約2,200の、末端に2級水酸基を有するポリエステルポリオールであるポリオール成分(B-3)を得た。
<接着剤組成物の製造>
[実施例6](接着剤組成物1の調整)
ポリイソシアネート組成物1を100部、ポリオール成分(B-1)を100部、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、リン酸0.05部、酢酸エチル200部を混合して、接着剤組成物1を得た。
[実施例7~12、比較例4~8](接着剤組成物2~12の調整)
表2に記載の材料及び配合量を用いた以外は、接着剤組成物1と同様の所作を行い、接着剤組成物2~12を得た。
<接着剤組成物の評価>
[接着剤組成部中の芳香族ポリイソシアネート(a1)の含有量]
得られた接着剤組成物を用いて、接着剤組成物中の芳香族ポリイソシアネート(a1)の含有量(質量%)を測定した。
[初期凝集力の評価]
簡易テストコーターを用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PET)(商品名:E5102、厚み:12μm、東洋紡社製)と、25mm幅の鋼版とを、接着剤組成物で貼り合わせた。接着剤組成物の乾燥後塗布量は22.5g/mであった。その後、熱循環乾燥機にて80℃、2分間乾燥した。
得られた積層体について、PETと鋼版との間の接着強度を、インストロン型引張試験機を用いてT型剥離試験(JIS K 6854)に準拠して測定した。測定は、60℃の環境下、試験片幅25mm、引張速度300mm/分の条件で5回行い、その平均値を算出した。得られた接着強度の平均値について以下の基準で評価した。
S:接着強度が、50N/25mm以上(非常に良好)
A:接着強度が、40N/25mm以上、50N/25mm未満(良好)
B:接着強度が、30N/25mm以上、40N/25mm未満(使用可能)
C:接着強度が、20N/25mm以上、30N/25mm未満(使用不可)
D:接着強度が、10N/25mm未満である(不良)
[滑り性]
溶剤ラミネーター(富士機械工業社製:FL-2)を用いて、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:P-2161、厚み:20μm、東洋紡社製)と、表面コロナ放電処理をした直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(以下、LLDPE)(商品名:TUX-FCD、厚み:50μm、三井化学東セロ社製)とを、接着剤組成物で貼り合わせた。接着剤の乾燥後塗布量は2.5g/mとした。貼り合わせた後、40℃で3日間養成して、OPP/LLDPEの構成である積層体を得た。
スリップテスター(安田精機製作所社製)を用いて、JIS K 7152に準拠し、LLDPE面同士の摩擦係数を測定した。その後、試料を40℃で1ヶ月間保管後、再び保管前と同様にして摩擦係数を測定した。測定は5回を行い、その平均値を算出した。保管前後の摩擦係数の保管前後の変化率を求め、下記基準で評価を行った。
S:摩擦係数の変化率が、20%未満(非常に良好)
A:摩擦係数の変化率が、20%以上、40%未満(良好)
B:摩擦係数の変化率が、40%以上、60%未満(使用可能)
C:摩擦係数の変化率が、60%以上、80%未満(使用不可)
D:摩擦係数の変化率が、80%以上(不良)
[積層体の作製]
溶剤ラミネーター(富士機械工業社製:FL-2)を用いて、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:P-2161、厚み:20μm、東洋紡社製)と、アルミ蒸着無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、VMCPP)(商品名:ダイアラスターH27、厚み:12μm、麗光社製)とを、接着剤組成物で貼り合わせた。接着剤の乾燥後塗布量は2.5g/mとした。貼り合わせた後、40℃で3日間養成して、OPP/VMCPPの構成である積層体を得た。
[ラミネート強度]
得られた積層体について、OPPとVMCPPとの間の接着強度(N/15mm)をT型剥離試験(JIS K 6854)に準拠して測定した。測定は、20℃の環境下、インストロン型引張試験機を用いて、試験片幅15mm、引張速度300mm/分、の条件で行った。測定は5回行い、その平均値を用いて下記基準で評価した。
S:接着強度が、2N/15mm以上(非常に良好)
A:接着強度が、1N/15mm以上、2N/15mm未満(良好)
B:接着強度が、0.5N/15m以上、1N/15mm未満(使用可能)
C:接着強度が、0.1N/15m以上、0.5N/15mm未満(使用不可)
D:接着強度が、0.1N/15mm未満(不良)
[残留溶剤の評価]
得られた積層体から試料0.2mを採集し、約5mm幅に細断し、605mlフラスコに封入した。フラスコを80℃、30分間加熱後、フラスコ内部に発生した気体を注射器で1ml採集し、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製:GC-8A)を用いて試料中の溶剤濃度を測定した。溶剤濃度から残留溶剤量(mg/m)を算出し、下記基準で評価を行った。
S:残留溶剤の量が、2mg/m未満(非常に良好)
A:残留溶剤の量が、2mg/m以上、5mg/m未満(良好)
B:残留溶剤の量が、5mg/m以上、10mg/m未満(使用可能)
C:残留溶剤の量が、10mg/m以上、20mg/m未満(使用不可)
D:残留溶剤の量が、20mg/m以上(不良)
Figure 2022011881000002
表2中の略称を以下に示す。
シランカップリング剤:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
MDI:ジフェニルメタンジイソシアネート
表1の結果から、ウレタン反応時のモル当量比を1.1~1.5の範囲とした本発明のポリイソシアネート組成物は、いずれもポリイソシアネート組成物中のジフェニルメタンジイソシアネート量が1質量%という低い値を示した。一方、上記範囲外とした比較例は、1質量%を大きく上回っていた。
また表2の結果から、本発明のポリイソシアネート組成物を用いた接着剤組成物は、ポリオール成分配合後のジフェニルメタンジイソシアネート量が少ないだけでなく、初期凝集力、滑り性、ラミネート強度、残留溶剤いずれの評価項目においても、優れた結果を示した。特にモル当量比1.1~1.4の範囲で反応させたポリイソシアネート組成物を用いた実施例6~9、11、12は、非常に優れた残留溶剤及び滑り性を示した。またモル当量比1.5で反応させたポリイソシアネート組成物を用いた実施例10は、非常に優れた初期凝集力及びラミネート強度を示した。
一方、比較例のポリイソシアネート組成物を用いた接着剤組成物は、いずれもジフェニルメタンジイソシアネート量が多く接着剤組成物中の含有率は0.5質量%を超えており、さらに初期凝集力、滑り性、残留溶剤の点で劣っていた。

Claims (7)

  1. 芳香族ポリイソシアネート(a1)を含むポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオール(a2)を含むポリオールとを、ポリイソシアネート中のイソシアネート基とポリオール中の水酸基とのモル当量比(イソシアネート基のモル数/水酸基のモル数)が1.1~1.5となる範囲で反応させることを特徴とする、ポリイソシアネート組成物の製造方法。
  2. 前記芳香族ポリイソシアネート(a1)が、ジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体である、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物の製造方法。
  3. 前記ポリエーテルポリオール(a2)が、ポリプロピレングリコールである、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物の製造方法。
  4. ポリイソシアネート組成物中におけるジフェニルメタンジイソシアネート又はその誘導体の含有率が、1質量%以下である、請求項2又は3に記載のポリイソシアネート組成物の製造方法。
  5. 請求項1~4いずれか1項に記載の方法により製造されるポリイソシアネート組成物とポリオール成分(B)とを混合する工程を含む、接着剤組成物の製造方法。
  6. 前記接着剤組成物が、包装材を形成するためのラミネート接着剤である、請求項5に記載の接着剤組成物の製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載の方法により製造される接着剤組成物を第1のシート状基材に塗布して接着剤層を形成し、前記接着剤層に第2のシート状基材を重ね合わせ、前記接着剤層を硬化する工程を含む、積層体の製造方法。
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