JP2022008174A - 防音シート、防音シートの製造方法、及び車両用ダッシュサイレンサ - Google Patents

防音シート、防音シートの製造方法、及び車両用ダッシュサイレンサ Download PDF

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Koji Kimura
淳浩 筒井
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【課題】熱可塑性樹脂シートからなる遮音層と、繊維シート及び/又は多孔質材からなる吸音層とを備え、極めて簡単に、設計通りに部分接着された防音シートを提供する。【解決手段】防音シート1は、熱可塑性樹脂シート21からなる遮音層2と、繊維シート及び/又は多孔質材からなる吸音層3と、を備える。熱可塑性樹脂シート21の、吸音層3と貼合される表面には、剥離剤22が部分的に塗工されている。遮音層2は、剥離剤22が塗工された側の表面において、剥離剤22が塗工された部分を除いて、吸音層3に融着している。【選択図】図1

Description

本発明は防音シート、及び該防音シートを利用した車両用ダッシュサイレンサに関するものである。
特許文献1は1000~2000Hzの周波数領域に吸収ピークを有するシート状低周波吸音材に関する発明である。該特許文献1では、繊維又は多孔質材からなる吸音層と溶融性を有する薄膜層とが、吸音層/薄膜層/吸音層の順に積層されたシート状低周波吸音材が開示されている(特許文献1[請求項1])。特許文献1における薄膜層は、繊維に融着した構造となるため、薄膜層の振動及び繊維間の摩擦により熱エネルギーへと変換されることで、吸音機能を発揮すると考えられる(特許文献1[0018])。しかしながら特許文献1では、1000Hzを下回る周波数や2000Hzを超える周波数における吸音性について何ら開示されていない。
特許文献2は超軽量な防音材に関する発明である。特許文献2では、吸音層と非通気性の共振層(本発明の遮音層に相当)との間の界面における接着状態に着目するとともに非通気性の共振層を極めて軽量化し、吸音層を高密度の吸音材と低密度の吸音材の2層構造にするか、或いは室内側に吸音層を設けるかにより透過損失と吸音率を周波数制御することで車外からの騒音を遮音しながら車室内の吸音を確保し、車室内の静粛性を向上させる(特許文献2[0010])ことが開示されている。
詳しくは、吸音層と共振層が接着層を介して積層された防音材(共通形態:吸音層/共振層)において、吸音層と非通気性の共振層との界面における接着面積の違いにより、透過損失(遮音性)や吸音率が変化することが開示されている(特許文献2[0061]~[0063])。また室内側に第2吸音層を備え(実施形態3:吸音層/共振層/吸音層)、共振層がオレフィン系樹脂のフィルム体である実施例3-3の防音材では、第2吸音層との接着面積が大きい程透過損失が向上し、接着面積が小さい程吸音率が向上することが開示されている(特許文献2[0082]~[0088])。
特開2019-2996号公報 特開2005-227747号公報
特許文献2には、非通気性の共振層と吸音層の接着面積により防音性能が変化することが開示されているが、接着方法については、接着剤の塗布量や、圧縮圧力、時間等が開示されているだけである。しかしながら、接着剤の塗布量や圧縮圧力、時間等により接着面積をコントロールすることは非常に困難である。共振層や吸音層の厚さや密度、材質、雰囲気温度等が変化する度に、試行錯誤により最適な接着条件を導き出す必要がある。
本発明は、熱可塑性樹脂シートからなる遮音層と、繊維シート及び/又は多孔質材からなる吸音層とを備える防音シートにおいて、極めて簡単に、設計通りに部分接着された防音シートを提供することを課題とする。併せて、接着剤の塗布量や圧縮圧力、時間等を細かく管理する必要のない防音シートの製造方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、剥離剤の併用に想到した。接着面積を、接着剤の塗布量、圧縮圧力や時間等でコントロールするには、これらの厳密な管理が必要となるが、予め接着させたくない部分に剥離剤を塗工しておけば、製造条件が多少変化しても所望の面積を接着させることができるのである。
すなわち本発明によると上記課題を解決する為に、以下の手段が提案される。
[1] 熱可塑性樹脂シートからなる遮音層と、繊維シート及び/又は多孔質材からなる吸音層とを備える防音シートにおいて、前記熱可塑性樹脂シートの、吸音層側と貼合される表面には、剥離剤が部分的に塗工されており、前記遮音層が、前記剥離剤が塗工された側の表面において、前記剥離剤が塗工された部分を除いて、前記吸音層に融着していることを特徴とする防音シート。
[2] 熱可塑性樹脂シートからなる遮音層と、繊維シート及び/又は多孔質材からなる吸音層とが、吸音層/遮音層/吸音層の順に積層された防音シートにおいて、前記熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面には、剥離剤が部分的に塗工されており、前記遮音層が、前記剥離剤が塗工された部分を除いて、前記吸音層に融着していることを特徴とする防音シート。
[3] 前記剥離剤が、シリコーン樹脂及び/又はシリコーン変性樹脂からなることを特徴とする[1]又は[2]の防音シート。
[4] 前記熱可塑性樹脂シートが、低融点樹脂層/高融点樹脂層/低融点樹脂層を順に備える多層シートであることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載の防音シート。
[5] 熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に剥離剤を部分的に塗工する塗工工程と、前記熱可塑性樹脂シートの塗工面に、繊維シート及び/又は多孔質材を重ね合わせ、前記熱可塑性樹脂シートの表面を溶融させて、熱可塑性樹脂シートを繊維シート及び/又は多孔質材に融着させる積層工程と、を備えることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載の防音シートの製造方法。
[6] [1]乃至[4]のいずれかに記載の防音シートを用いることを特徴とする車両用ダッシュサイレンサ。
本発明の防音シートでは、遮音層を成す熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に剥離剤が部分塗工されている。よって遮音層と吸音層との接着面積のコントロールが容易である。遮音層の接着させたくない部分に剥離剤を塗工し、遮音層が十分に熱融着する条件で、遮音層を吸音層に融着させれば、遮音層と吸音層が所望の部分でのみ接着した防音シートを得ることができる。
特に剥離剤がシリコーン系接着剤及び/又はシリコーン変性樹脂からなると、剥離剤が塗工された面が非常に正確に接着されていない部分となる。
また遮音層が、低融点樹脂層/高融点樹脂層/低融点樹脂層を順に備える多層シートであると、該遮音層が非常に良好な融着性と遮音性を兼ね備える。
更に本発明の製造方法は、接着圧力や時間等が多少変化しても、安定して所望の防音シートを得ることができる。
また本発明の防音シートは、遮音層と吸音層の接触面積のコントロールが容易である為、人の会話に係る周波数帯の騒音レベルを特に低くすることが可能であり、車両用ダッシュサイレンサの用途に好適に用いることができる。
本発明の防音シートの一実施形態を表す模式的断面図である。 本発明の防音シートの一実施形態を説明する為の模式的断面図である。 本発明の防音シートの一実施形態を表す模式的断面図である。 熱可塑性樹脂シートの一実施形態を表す模式的断面図である。 剥離剤が塗工された遮音層の模式的平面図である。
以下、図面に基づき、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。同様の効果を奏する範囲において、種々の実施形態をとり得ることは言うまでもない。
<遮音層>
図1は本発明の防音シート1の一実施例を示す模式的断面図である。図1の防音シート1は、遮音層2と吸音層3とからなる。
遮音層は、それ自身が変形して音の振動を減衰させるものである。よって、音の振動によって変形する程度に柔軟であることが望まれ、10~150μm、好ましくは20~100μm、更には25~50μmの熱可塑性樹脂シート21を基材とすることが好ましい。該シート21の引張弾性率(JISK7161-2014に準拠)は100~1000MPa、特に200~700MPa、更には300~500MPaであることが望ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン等の、従来、遮音シートに用いられている熱可塑性樹脂シートを適宜使用することができる。
また、本発明の防音シートでは、遮音層が吸音層に融着することにより、遮音層と吸音層とが接着される。換言すれば、遮音層と吸音層の接着部αでは、繊維シートや多孔質材からなる吸音層3の最表面が、熱可塑性樹脂シート21を形成する熱可塑性樹脂に埋まった状態となっている。よって熱可塑性樹脂シート21の表面は比較的融点の低い樹脂からなることが望ましい。しかしながら熱可塑性樹脂シート21が融点の低い樹脂のみからなると、遮音層2がすべて吸音層1の間に吸収され、層として存在しなくなる恐れがある。遮音層2が層として存在しないと、遮音性を発揮することができない。よって本発明の熱可塑性樹脂シート21は、図4に示すような、低融点樹脂層21L/高融点樹脂層21H/低融点樹脂層21Lを順に備える多層シートであることが好ましい。低融点樹脂層21Lに用いられる樹脂と高融点樹脂層21Hに用いられる樹脂の融点差は15℃以上あることが望ましく、特に30℃以上、更には50℃以上あることが望ましい。低融点樹脂層21Lには、オレフィン系樹脂が好適に用いられ、特にポリエチレン系樹脂が適する。高融点樹脂層21Hには、ポリアミド系樹脂やポリエステル系樹脂等が好適に用いられ、特にポリアミド系樹脂が適する。尚、ポリエチレンとポリアミドとは接着性が低いため、層間に変性ポリエチレンなどの接着性樹脂層あるいは接着剤層を設け、ポリエチレン系樹脂層/接着性樹脂層(接着剤層)/ポリアミド層/接着性樹脂層(接着剤層)/ポリエチレン系樹脂層としてもよい。
本発明の防音シートの最大の特徴は、上述した熱可塑性樹脂シートの、吸音層側と貼合される表面に剥離剤が部分的に塗工されている点である。図1の防音シート1では、熱可塑性樹脂シート21の吸音層3側の面に剥離剤22が部分的に塗工されている。該剥離剤22の表面βでは遮音層2と吸音層3が融着しておらず、剥離している。本発明では、該剥離剤22を塗布する面積をコントロールし、接着部分αの面積をコントロールする。遮音層2と吸音層3の接着面積(融着面積)と防音性(透過損失並びに吸音率)の関係については、特許文献2に詳説されたとおりである。
剥離剤としては、例えば、シリコーン樹脂系剥離剤の他、アルキド樹脂系、オレフィン樹脂系、アクリル系、長鎖アルキル基含有化合物系、ゴム系等の非シリコーン樹脂系剥離剤が使用できるが、遮音層が吸音層に融着することを確実に妨げるためには、シリコーン樹脂及び/又はシリコーン変性樹脂からなる剥離剤が特に好ましい。
シリコーン樹脂系の剥離剤は、ポリシロキサン構造を基本構造とするもので、シリコーン樹脂や、その側鎖及び末端の少なくともいずれかに有機基が導入された変性シリコーン樹脂を用いることができる。またシリコーン変性樹脂は、ポリシロキサン構造以外の構造を基本骨格とするもので、その分子の一部にポリシロキサン基を有する樹脂である。シリコーン変性樹脂を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができ、なかでも、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、特にアクリル樹脂が好ましい。
<吸音層>
本発明の吸音層は繊維シート及び/又は多孔質材からなる。
繊維シートの材料としては、グラスウール、ロックウール、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、繊維くずなどが例示される。より好ましくは、高密度ポリエステル繊維である。繊維は、直径1mm以下の繊維径であることが好ましい。より好ましくは、直径25μm以下の繊維径である。極細繊維の場合には、単位体積あたりの繊維本数が増大するため吸音性能も向上することになる。溶融した樹脂を細孔から圧力をかけて押し出し、繊維化するメルトブローン製造法では数ミクロンレベルの極細繊維が得られ、吸音性能が高い繊維体が得られる。また、繊維径は1種類もしくは2種類以上を併用してもよい。また、1種類の繊維材を単独で用いても良いし、混合して2種類以上を併用しても良い。
多孔質材としては、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンプロピレン・ジエンゴムフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリイミドフォーム、フェノールフォーム、メラミンフォーム等が例示される。より好ましくは、メラミンフォームである。発泡体の密度は、0.5g/cm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.01g/cm以下である。これらの材料は、単一材料を吸音層として用いても良いが、二種類以上を積層もしくは混合して組み合わせても良い。メラミンフォームとポリエチレンプロピレン・ジエンゴムフォームを積層して組み合わせる場合、二つの材料の密度と弾性率が大幅に異なることにより、吸音特性が向上する。
図1の防音シート1は遮音層2/吸音層3の二層構成であるが、本発明の防音シートは、例えば、図2に示すように、防音シート1に更に遮音層2’を積層したものであってもよい。この時、一方の遮音層2の剥離剤22と、他方の遮音層2’の剥離剤22’の位置や面積は一致しなくてもよい。遮音層は、それ自身が変形して音の振動を減衰させるものである為、当該遮音層が複数存在すれば、音の振動をより確実に減衰させ得る。尚、本発明の防音シートは、遮音層を3層、或いはそれ以上有するものであってもよい。
図3は、本発明の防音シートの別の実施形態を表す模式的断面図である。図1の防音シート1は、遮音層2の一方の面にのみ吸音層を備えるが、本発明の防音シートは、図3のように、吸音層13/遮音層12/吸音層13’の三層構成であってもよい。吸音層13/遮音層12/吸音層13’の三層構成である防音シート11は、2層構成の防音シート1よりも防音性能に優れる。
<防音シートの製造方法>
本発明の防音シートは、(1)熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に剥離剤を部分的に塗工する塗工工程と、(2)前記熱可塑性樹脂シートの塗工面に、繊維シート及び/又は多孔質材を重ね合わせ、前記熱可塑性樹脂シートの表面を溶融させて、熱可塑性樹脂シートを繊維シート及び/又は多孔質材に融着させる積層工程と、を備えることを特徴とする。
(1)塗工工程
塗工工程に先立ち、熱可塑性樹脂シートを作成する。該シートの製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を適宜採用することができる。例えば、上述した低融点樹脂層/高融点樹脂層/低融点樹脂層を順に備える三層構成の熱可塑性樹脂シートであれば、低融点樹脂と高融点樹脂とを別々の押出機に供給し、インフレーション共押出法や、Tダイ共押出法等を用いて製造すればよい。
本発明の塗工工程では、熱可塑性樹脂シートの表面に剥離剤を塗工する。該塗工には、例えばフレキソ印刷機やグラビア印刷機等を用いればよい。剥離剤の塗工量は特に限定されるものではないが、乾燥後の膜厚が0.1~10μm、特に0.5~5μm、更には1.25~3μm程度となるように塗工することが望ましい。剥離剤の塗工は、図5に示すように、網目状(A)、ドット状(B)、四角状(C)等、接着部分の面積が所望の割合となるように、適宜剥離剤の大きさ、形状等を決定すればよい。尚、非接着部分βが、一部に偏らないように塗工することが好ましい。剥離剤塗工部分(非接着部分β1~β3)の幅xは遮音性を考慮し適宜決定するとよく、例えば1cm~10cmとすることができる。
(2)積層工程
次いで、塗工工程により製造された剥離剤が部分的に塗工された熱可塑性樹脂シート(遮音層)に、繊維シート及び/又は多孔質材からなる吸音層を一体化させる。詳しくは、熱可塑性樹脂シート(遮音層)と、繊維シート及び/又は多孔質材からなる吸音層をプレヒートした後、冷間プレス成形により一体化させる。プレヒートした後、冷間プレス成形をすることにより、熱可塑性樹脂シート表面が溶融し、剥離剤が塗工された部分以外において、吸音層の空隙に入り込み、本発明の防音シートは完成する。プレヒートの温度条件は、熱可塑性樹脂シート表面が溶融する程度の温度であればよく、該表面が90~180℃、特に100~160℃程度になるように設定すればよい。
<ダッシュサイレンサ>
本発明の防音シートは、自動車等においてエンジンルームと車室とを区画するダッシュパネルに沿い、該ダッシュパネルの車室側に配設されるダッシュサイレンサとして用いることができる。エンジンルームから伝播する騒音がダッシュパネルを介し、吸音材により吸音され、また遮音層で遮音され、車室への伝播が抑制される。
尚、防音性の観点から、図1に示す防音シート1のような、遮音層2/吸音層3の2層構成の防音シートは、吸音層3がダッシュパネル側に、遮音層2が車室側になるように配設されることが望まれる。また図3に示す、吸音層13/遮音層12/吸音層13’の3層構成の防音シート11は、遮音層12の剥離剤122が印刷された面(吸音層13’側)が車室側、剥離剤122が印刷されていない面(吸音層13側)がエンジンルーム側となるように配設されることが望まれる。
また、本発明の防音シートは、自動車用のダッシュサイレンサとして使用できるほか、車室内床面(フロアマット)、天井面等に敷設することにより、騒音を吸収し車室内をより静粛にすることができる。
[実施例1]
ポリエチレン系樹脂層/ポリアミド系樹脂層/ポリエチレン系樹脂層からなる三層の熱可塑性樹脂シート(幅1000mm、厚さ50μm)の表面中央部分に東洋インキ(株)製のシリコーン変性アクリル樹脂からなる剥離剤(DYPC S-110)を460mm幅で塗布し、遮音層を得る。
次いでフェルトからなる吸音層(厚さ10mm)を2枚用意し、遮音層と2枚の吸音層を熱風により110℃にプレヒートした後に冷間プレスをして、吸音層/遮音層/吸音層の防音シートを成形した。
得られた防音シートを裁断し、断面を確認したところ、剥離剤を塗工したところを除いて、遮音層が吸音層に融着していた。
[実施例2]
実施例1と同様の熱可塑性樹脂シートの表面中央部分に、乾燥後の平均膜厚が1.29μmとなるようにアクリル系樹脂からなる剥離剤を塗布して遮音層とし、次いで、実施例1と同様にて吸音層/遮音層/吸音層の防音シートを成形した。
得られた防音シートを裁断し、断面を確認したところ、剥離剤を塗工したところを除いて、遮音層が吸音層に融着していた。
[実施例3]
剥離剤を、乾燥後の平均膜厚が1.04μmとなるように塗布した以外は、実施例2と同様にして防音シートを成形した。
得られた防音シートを裁断し、断面を確認したところ、剥離剤の塗工部分と吸音層とが若干融着している箇所が僅かにみられたが、概ね剥離剤を塗工したところは遮音層と吸音層が融着しておらず、それ以外の部分は遮音層が吸音層に融着していた。
1、11 防音シート
2、12 遮音層
21、121 熱可塑性樹脂シート
22、122 剥離剤
3、13、13’ 吸音層
α 接着部分
β 非接着部分

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂シートからなる遮音層と、繊維シート及び/又は多孔質材からなる吸音層とを備える防音シートにおいて、
    前記熱可塑性樹脂シートの、吸音層側と貼合される表面には、剥離剤が部分的に塗工されており、
    前記遮音層が、前記剥離剤が塗工された側の表面において、前記剥離剤が塗工された部分を除いて、前記吸音層に融着していることを特徴とする防音シート。
  2. 熱可塑性樹脂シートからなる遮音層と、繊維シート及び/又は多孔質材からなる吸音層とが、吸音層/遮音層/吸音層の順に積層された防音シートにおいて、
    前記熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面には、剥離剤が部分的に塗工されており、
    前記遮音層が、前記剥離剤が塗工された部分を除いて、前記吸音層に融着していることを特徴とする防音シート。
  3. 前記剥離剤が、シリコーン樹脂及び/又はシリコーン変性樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2記載の防音シート。
  4. 前記熱可塑性樹脂シートが、低融点樹脂層/高融点樹脂層/低融点樹脂層を順に備える多層シートであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の防音シート。
  5. 熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に剥離剤を部分的に塗工する塗工工程と、
    前記熱可塑性樹脂シートの塗工面に、繊維シート及び/又は多孔質材を重ね合わせ、前記熱可塑性樹脂シートの表面を溶融させて、熱可塑性樹脂シートを繊維シート及び/又は多孔質材に融着させる積層工程と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の防音シートの製造方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の防音シートを用いることを特徴とする車両用ダッシュサイレンサ。

JP2021099830A 2020-06-26 2021-06-16 防音シート、防音シートの製造方法、及び車両用ダッシュサイレンサ Pending JP2022008174A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023145648A1 (ja) * 2022-01-25 2023-08-03 トヨタ紡織株式会社 乗物室防音構造
WO2023145647A1 (ja) * 2022-01-25 2023-08-03 トヨタ紡織株式会社 乗物室防音構造

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