JP2022007619A - 画像配信装置、画像生成装置及びプログラム - Google Patents

画像配信装置、画像生成装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

Figure 2022007619000001
【課題】多視点映像での多くの視点数確保、データ転送量の増大防止、画質低下防止、並びに視点変更の際の遅延軽減を同時に実現可能な画像配信装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像配信システム1において、画像配信装置2は、複数の撮影装置によって構成される撮影装置群を用い、同一シーンを撮影する異なる複数の視点から視聴希望視点を指定する操作が行われたことを示す指定情報を画像表示装置3から受信する指定情報受信部211と、撮影装置群を構成する複数の撮影装置のうち、視聴希望視点における撮影画像、及び視聴希望視点の周辺に位置する周辺視点における1又は複数の撮影画像を一つのフレーム内に統合した統合画像を画像表示装置3に配信する配信部212と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像配信装置、画像生成装置及びプログラム、より詳しくは、同一シーンを異なる視点から見ることができる多視点映像を提供可能な装置及びプログラムに関する。
近年、同一シーンを異なる視点から見ることができる多視点映像技術が提供されている。例えば、サッカースタジアムにおける所定の1点に固定された撮影装置による限られた視点からの映像にとどまらず、スタジアム内のあらゆる位置に複数の撮影装置を配置し、これら複数の撮影装置から好みの角度で映像を見られる自由視点映像が提供される。より具体的には、サッカースタジアムのピッチ内にいる選手の見ていた光景の再現や、同じシーンをさまざまなアングルで見る等、視聴者が自由自在に視点を設定できる。さらには、映像をスローモーションにしながら視点を視聴者が自由に変更する等、視点と時間を視聴者の思いのままに操作することが可能である。
このような多視点映像技術として、画像配信装置と画像表示装置とを備え、画像配信装置は、同一シーンを異なる視点から見た複数の画像を一つのフレーム内に配置した単一の統合画像を生成し、当該単一の統合画像を画像表示装置に配信し、画像表示装置は、単一の統合画像に含まれる複数の画像のうち1つを表示するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載のシステムによると、複数の画像表示装置に同一の統合画像を送信できる。よって、システムの構成を簡略化できる。また、統合画像として単一画像の形式を用いることで、既存のシステム構成から変更を低減できるとともに、既存の画像圧縮技術等を用いて、配信される映像のデータ量を低減できる。
国際公開第2018/155670号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、同一シーンを異なる視点から見た複数の画像の全てを一つのフレーム内に配置し、単一の統合画像を生成するものである。そのため、ユーザが視聴可能な視点の数が増えるにつれ、統合画像のデータ量が膨大になり、画像配信装置及び画像表示装置のそれぞれにとって、画像配信装置から画像表示装置に向けて統合画像を配信するのに多大な負荷がかかる。そして、負荷が高まるにつれ、画像配信装置から画像表示装置への配信において輻輳が生じやすくなる。輻輳が生じると、配信された多視点画像を視聴者が利用できるようになるまでの時間が長くなり、視聴体験の質が低下する。したがって、データ転送量の増大を防ぎ、多視点映像に関する視聴体験の質を向上させることについて、なおいっそうの課題がある。
データ転送量の増大を防ぐために、統合画像のデータ量を一定に保ちつつ統合画像に含まれる画像の数を増やす手法が考えられる。しかしながら、この手法では、統合画像に含まれるそれぞれの個別画像1つあたりのデータ量を抑えなければならない。一般に、データ量が大きい画像ほど画質が高く、データ量が小さい画像ほど画質が低い。したがって、個別画像1つあたりのデータ量を抑えると、それぞれの個別画像の画質が低いものとなってしまう。そして、個別画像の画質が低いと、視聴者にとっての視聴体験の質の低下に繋がってしまう。
また、多視点映像に関する視聴体験の質の向上においては、視点を変更する場合の遅延の軽減も重要である。視点を変更する場合の遅延が大きければ、視聴者が変更後の視点から見た画像を利用できるようになるまでの時間が長くなり、視聴体験の質が低下する。
以上から、質の高い多視点映像を提供するには、視点の数を増やすことと、データ転送量の増大防止、画像の画質低下防止、及び視点を変更するときの遅延軽減との互いに相反する要請を両立させることが求められる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、質の高い多視点映像を提供するにあたり、視点の数を増やすことと、データ転送量の増大防止、画像の画質低下防止、及び視点を変更するときの遅延軽減との互いに相反する要請を両立させることの可能な画像配信装置、画像生成装置及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、視点の指定操作が行われた場合に、同一シーンを異なる視点から見た一群の画像から、指定操作に係る所定視点から見た所定視点画像と、所定視点の周辺に位置する周辺視点から見た周辺視点画像とを一つのフレーム内に配置した統合画像を外部に配信することで、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
第1の特徴に係る発明は、同一シーンを撮影する異なる複数の視点から所定視点を指定する操作が行われたことを示す指定情報を外部から受信する受信部と、前記所定視点から見た所定視点画像、及び前記複数の視点のうち前記所定視点の周辺に位置する周辺視点から見た1又は複数の周辺視点画像を一つのフレーム内に統合した統合画像を前記外部に配信する配信部と、を備える画像配信装置を提供する。
第1の特徴に係る発明によれば、外部に配信される統合画像は、同一シーンを撮影する異なる複数の視点のうち、例えば、視聴者の操作によって視聴を希望する視点として指定された所定視点(視聴希望視点)から見た所定視点画像を含む。そのため、統合画像が配信された外部装置(例えば、画像表示装置等)では、視聴者に対し、視聴者が実際に指定した視点から見た所定視点画像を再生できる。
また、統合画像には、上記所定視点画像に加え、所定視点の周辺に位置する周辺視点から見た1又は複数の周辺視点画像が一つのフレーム内に統合されており、配信部は、当該統合画像を外部に配信する。そのため、表示中の画像における視点の切り替え(例えば、表示中の画像における視点から視聴者が希望する視点への切り替え)を上記外部装置が実行する場合、切り替え後の視点での画像表示を上記外部装置の内部処理にて実現できる。
より詳しく説明すると、視聴者が所定視点周辺の所定視点とは異なる表示視点から見た画像の表示を希望してから指定情報が指定する所定視点に応じた統合画像を視聴者が利用できるようになるまでには、配信に関する通信に要する時間や配信された映像のデコード(復号処理)に要する時間等により生じる待機時間がある。配信される統合画像は、所定視点の周辺に位置する周辺視点から見た1又は複数の周辺視点画像を含むため、この待機時間であっても、視聴者は、所定視点周辺の所定視点とは異なる表示視点から見た画像を遅延なく利用できる。したがって、第1の特徴に係る発明によれば、多視点映像を提供するときの課題である、視点を変更するときの遅延を軽減できる。
一方、統合画像に含まれる画像は、所定視点画像及び1又は複数の周辺視点画像であり、同一シーンを撮影する異なる複数の視点全てから見た全ての画像ではない。そのため、統合画像に含まれる画像の数を抑えられ、統合画像に含まれる画像の解像度が比較的高い場合であっても、画像配信装置から外部へのデータ転送量の増大を防ぐことができる。したがって、多視点映像の視点の数を増やすことと、データ転送量の増大を防ぐことと、画像の画質の低下を防ぐこととを同時に実現し、視聴者の視聴体験の質を向上できる。
よって、第1の特徴に係る発明によれば、多視点映像の視点の数を増やすことと、データ転送量の増大防止、画像の画質低下防止、及び視点を変更するときの遅延軽減との互いに相反する要請を両立させた画像配信装置を提供できる。
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記統合画像に含まれる前記所定視点画像及び前記1又は複数の周辺視点画像の解像度がそれぞれ等しい、画像配信装置を提供する。
第2の特徴に係る発明によれば、統合画像に含まれる所定視点画像及び周辺視点画像の解像度がそれぞれ等しい。そのため、画像表示装置等の外部装置が統合画像に含まれるいずれかの画像を表示する際、所定視点を指定する操作によって外部装置での表示画像の切り替えが行われる場合であっても、外部装置は、切り替えの前後で等しい解像度の画像の表示を、内部処理によって遅滞なく実現することができる。
したがって、第2の特徴に係る発明によれば、上述した互いに相反する要請のうち、外部装置で表示される画像の画質低下をよりいっそう抑えることの可能な画像配信装置を提供できる。
第3の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記1又は複数の周辺視点画像のうち、いずれか1以上の前記周辺視点画像の解像度が前記所定視点画像の解像度よりも低く、前記一つのフレームには、画像を配置可能な1又は複数の第1領域と、画像を配置可能であって、前記第1領域よりも面積が小さい1又は複数の第2領域とが設けられており、少なくとも前記所定視点画像は、前記第1領域に配置されており、少なくとも前記所定視点画像よりも小さい解像度の前記周辺視点画像は、前記第2領域に配置されている、画像配信装置を提供する。
第3の特徴に係る発明によれば、統合画像は一つのフレーム内に統合されており、この一つのフレームそれ自体の面積は一定である。また、第2領域の面積は、第1領域の面積よりも小さい。そのため、一つのフレームの中に第1領域と第2領域との両方を配置する方が、一つのフレームの中に第1領域だけを配置する場合に比べ、一つのフレームの中に数多くの領域を配置される。その結果、一つのフレームの中に第1領域と第2領域との両方を配置することで、一つのフレームの中に第1領域だけを配置する場合に比べて、統合画像に統合させる周辺視点画像の数を増やすことができる。したがって、第3の特徴に係る発明によれば、上述の待機時間において遅延なく表示できる周辺視点画像の数を、データ転送量を増やすことなく増やすことができる。
また、視聴者が視聴する画像は、相対的に解像度が高い所定視点画像であり、この所定視点画像は、相対的に面積が広い第1領域に配置されている。そのため、統合画像を構成する一つのフレーム内に第2領域を配置したとしても、視聴者が視聴する画像そのものの解像度が下がることは、ない。したがって、第3の特徴に係る発明によれば、視聴者が視聴する所定視点画像そのものの解像度を下げることなく、統合画像を構成する一つのフレームに配置する領域の数を増やすことができる。
よって、第3の特徴に係る発明によれば、上述した相反する要請によりいっそう応えた画像配信装置を提供できる。
第4の特徴に係る発明は、第3の特徴に係る発明であって、前記所定視点画像に加え、前記所定視点画像と等しい解像度の前記周辺視点画像が前記第1領域にそれぞれ配置されている、画像配信装置を提供する。
相対的に面積が広い第1領域には、所定視点画像に加え、所定視点画像と等しい解像度の周辺視点画像も配置されている。したがって、第4の特徴に係る発明によれば、視聴者が視聴する所定視点画像だけでなく、複数の周辺視点画像のうち、その後に視聴者が指定する可能性が高いと予測される周辺視点画像については解像度を下げることなく、統合画像を構成する一つのフレームに配置できる。
よって、第4の特徴に係る発明によれば、上述した相反する要請によりいっそう応えた画像配信装置を提供できる。
第5の特徴に係る発明は、第1から第4の特徴のいずれか1つに係る発明であって、前記所定視点画像及び前記周辺視点画像は、実質的に同じ時刻に撮影された画像である、画像配信装置を提供する。
第5の特徴に係る発明によれば、外部装置が所定視点画像から周辺視点画像に表示画像を切り替えて表示するときに、切り替え前後の時刻が実質的に同じ時刻となる。したがって、第5の特徴に係る発明によれば、多視点表示技術における画像切り替えを行う際に、所定視点画像の時刻と同じ時刻の映像を統合画像から呼び出すシーク処理や所定視点画像の時刻と同じ時刻の映像を画像配信装置から呼び出す処理を行う必要がない。これにより、シーク処理等により生じる遅延を軽減できる。
したがって、第5の特徴に係る発明によれば、上述した互いに相反する要請のうち、視点を変更するときの遅延をよりいっそう軽減することの可能な画像配信装置を提供できる。
第6の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明のカテゴリ違いである。
第7の特徴に係る発明は、同一シーンを撮影する異なる複数の視点から所定視点を指定する操作が行われたことを示す指定情報を外部から受信する受信部と、前記所定視点から見た所定視点画像、及び前記複数の視点のうち前記所定視点の周辺に位置する周辺視点から見た1又は複数の周辺視点画像を一つのフレーム内に統合した統合画像を生成する生成部と、を備える画像生成装置を提供する。
第7の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明の画像配信装置等に適した統合画像を生成可能な画像生成装置を提供できる。
第8の特徴に係る発明は、画像表示装置に、同一シーンを撮影する複数の視点からの複数画像を一つのフレーム内に統合した統合画像を前記外部から受信させる受信ステップと、前記統合画像に含まれる前記複数画像の中から、いずれかの画像を表示させる表示ステップと、前記複数の視点から所定視点を指定する操作が行われたことを示す指定情報を前記外部に送信する視点指令ステップと、を実行させ、前記視点指令ステップが実行されると、前記表示ステップでは、前記統合画像に含まれる前記複数画像の中から、前記所定視点から見た所定視点画像を前記画像表示装置の内部処理で選択して表示させ、前記視点指令ステップが実行された後に前記受信ステップで受信させる前記統合画像は、前記所定視点から見た所定視点画像、及び前記複数の視点のうち、前記所定視点の周辺に位置する周辺視点から見た1又は複数の周辺視点画像を一つのフレーム内に統合した画像である、プログラムを提供する。
第8の特徴に係る発明によれば、画像表示装置は、指定情報の送信を介して、同一シーンを撮影する複数の視点から指定した所定視点から見た所定視点画像を表示できる。したがって、データ転送量の増大と画像の画質の低下とを防ぎつつ、多視点映像の視点の数を増やせる。
所定視点を所定視点周辺の所定視点とは異なる視点に変更したとき、変更後の所定視点を指定する指定情報を送信してから変更後の所定視点に応じた統合画像を表示できるようになるまでには、配信に関する通信に要する時間や配信された映像のデコード(復号処理)に要する時間等により生じる待機時間がある。受信する統合画像は、前記所定視点の周辺に位置する周辺視点から見た1又は複数の周辺視点画像を含むため、この待機時間であっても、画像表示装置は、変更前の所定視点周辺の所定視点とは異なる変更後の所定視点から見た画像を遅延なく表示できる。したがって、多視点映像の視点の数を増やすことと、データ転送量の増大を防ぐことと、画像の画質の低下を防ぐこととに加えて、視点を変更するときの遅延の軽減をも、同時に実現できる。これにより、視聴者の視聴体験の質をさらに向上できる。
したがって、第8の特徴に係る発明によれば、多視点映像の視点の数を増やすことと、データ転送量の増大防止、画像の画質低下防止、及び視点を変更するときの遅延軽減との互いに相反する要請を両立させたプログラムを提供できる。
本発明によれば、多視点映像の視点の数を増やすことと、データ転送量の増大防止、画像の画質低下防止、及び視点を変更するときの遅延軽減との互いに相反する要請を両立させた画像配信装置、画像生成装置及びプログラムを提供できる。
図1は、本実施形態の画像配信システム1の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、本実施形態の画像配信装置2を用いた画像配信処理の流れの一例を示すメインフローチャートである。 図3は、多視点映像の一例を示す概念図である。 図4は、統合画像の一例を示す概念図である。 図5は、統合画像テーブル221の一例である。 図6は、本実施形態の画像配信装置2を用いた統合画像取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図7は、多視点映像テーブル222の一例である。 図8は、本実施形態の画像表示装置3を用いた画像表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図9は、統合画像を用いた視点移動の概念図である。 図10は、変形例1の画像配信システム1の構成の一例を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための好適な形態の一例について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
<画像配信システム1>
図1は、本実施形態の画像配信システム1の構成の一例を示すブロック図である。画像配信システム1(以下、単にシステム1とも称する)は、画像配信装置2(以下、単に配信装置2とも称する)と、画像表示装置3(以下、単に表示装置3とも称する)と、撮影装置群4と、ネットワーク5(第1ネットワーク5A及び第2ネットワーク5B)と、を含んで構成される。
〔配信装置2〕
配信装置2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を含んで構成される。
[制御部21]
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
制御部21は、所定のプログラムを読み込み、必要に応じて記憶部22及び/又は通信部23と協働することで、配信装置2におけるソフトウェア構成の要素である、指定情報受信部211、配信部212、及び生成部213等を実現する。
[記憶部22]
記憶部22は、データやファイルが記憶される装置であって、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等による、データのストレージ部を有する。記憶部22は、ネットワークを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ、分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
記憶部22には、マイクロコンピューターで実行される制御プログラム、統合画像テーブル221、多視点映像テーブル222等が記憶されている。
(統合画像テーブル221)
統合画像テーブル221には、視点データと統合画像とを紐付けたデータが記憶される。本実施形態において、視点データとは、同一シーンを異なる視点から見ることができる多視点映像を実現するための視点に関するデータをいう。視点データの種類は、特に限定されるものでなく、例えば、多視点映像を実現するために設けられた複数の視点のそれぞれに対応する撮影装置を示すデータ、視点の方向を示すデータ、視点の座標を示すデータ、視点の画角を示すデータ、視点に割り当てられたラベルを示すデータ又はこれら視点に関するデータの2つ以上を組み合わせたデータ等が挙げられる。
本実施形態において、統合画像とは、多視点映像を実現するために設けられた複数の視点のそれぞれに対応する複数の視点画像から、所定の基準で選択された複数の視点画像を統合した画像をいう。
本実施形態において、統合画像テーブル221に、視点データと統合画像とを紐付けたデータが記憶されていることにより、統合画像取得部212は、多視点映像を実現するために設けられた複数の視点のうち、画像表示装置3を通じて多視点映像を視聴する視聴者等からの指令に応じた被指令視点からみた被指令視点画像と、当該被指令視点の周囲にある1又は複数の周囲視点からみた1又は複数の周囲視点画像とを統合した統合画像を取得できる。
(多視点映像テーブル222)
多視点映像テーブル222には、視点データと、多視点映像を実現するために設けられた複数の視点のうち、当該視点データに相当する視点から見た画像とを紐付けたデータが記憶される。
[通信部23]
通信部23は、配信装置2を表示装置3その他の機器と通信可能にするためのデバイスを有する。デバイスの種類は特に限定されるものでなく、例えばイーサネット規格に対応したネットワークカード、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス、等を有する。データ量が大きい画像を配信するために、通信部23は、イーサネット規格に対応したネットワークカードを有することが好ましい。
〔表示装置3〕
表示装置3は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、表示部34と、入力部35と、を含んで構成される。
[制御部31]
制御部31のハードウェア構成は、制御部21と同様である。制御部31は、所定のプログラムを読み込み、必要に応じて記憶部32、通信部33、表示部34及び/又は入力部35と協働することで、表示装置3におけるソフトウェア構成の要素である、統合画像受信部311、視点指令部312、画像表示部313等を実現する。
[記憶部32]
記憶部32のハードウェア構成は、記憶部22と同様である。記憶部32には、マイクロコンピューターで実行される制御プログラム等が記憶されている。
[通信部33]
通信部33は、表示装置3を配信装置2その他の機器と通信可能にするためのデバイスを有する。通信部33のハードウェア構成は、通信部23と同様である。
[表示部34]
表示部34の種類は、特に限定されない。表示部34として、例えば、モニタ、タッチパネル等が挙げられる。
[入力部35]
入力部35の種類は、特に限定されない。入力部35として、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等が挙げられる。
〔撮影装置群4〕
撮影装置群4は、同一シーンを異なる視点から撮影する複数の撮影装置を含む。
撮影装置群4に含まれる撮影装置は、動画像を撮影可能であることが好ましい。撮影装置が動画像を撮影可能であることにより、視聴者の視聴体験の質をより向上できる。
撮影装置群4に含まれる撮影装置は、配信装置2その他の機器と接続可能であることが好ましい。撮影装置群4に含まれる撮影装置は、後述するネットワーク5を介して配信装置2その他の機器と接続されてもよく、High-Definition Multimedia Interface(HDMI(登録商標))に準拠したケーブル等を用いて配信装置2その他の機器と接続されてもよい。撮影装置群4に含まれる撮影装置が配信装置2その他の機器と接続可能であることにより、配信装置2は、撮影装置が撮影したシーンを表示装置3に向けてリアルタイムに配信するライブ配信を行える。
撮影装置群4に含まれる複数の撮影装置は、撮影可能な解像度の上限がそれぞれ等しいことが好ましい。撮影装置が撮影可能な解像度の上限が等しいことにより、視点を移動したときの画質を、移動前の画質の状態で維持できるため、視聴体験の質を向上できる。
〔ネットワーク5〕
ネットワーク5は、配信装置2と表示装置3とを接続する第1ネットワーク5Aと、配信装置2と撮影装置群4とを接続する第2ネットワーク5Bと、を含む。
第1ネットワーク5A及び第2ネットワーク5Bの種類は特に限定されず、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、イントラネット、エクストラネット、インターネット、Wi-Fiネットワーク、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)に準拠したバスネットワーク、あるいはこれらを含むネットワークを複数組み合わせたネットワーク等が挙げられる。第1ネットワーク5Aと第2ネットワーク5Bとは互いに独立したネットワークでもよく、互いに接続されていてもよい。
〔画像配信のメインフローチャート〕
図2は、本実施形態における画像配信の手順を示すメインフローチャートの一例である。以下では、図2を参照しながら、配信装置2が行う画像配信に関する処理の好ましい手順について説明する。
[ステップS1:指定情報の受信の有無を判定]
制御部21は、記憶部22及び通信部23と協働して指定情報受信部211を実行し、指定情報を受信したか否かを判定する(ステップS1)。指定情報を受信していれば、制御部21は、処理をステップS2に移す。指定情報を受信していなければ、制御部21は、処理をステップS3に移す。
指定情報は、同一シーンを撮影する異なる複数の視点から、視聴者が視聴を希望したい視聴希望視点(指定操作に係る所定視点。以下同じ。)を指定する操作が行われたことを示すものであれば、特に限定されない。指定情報は、視聴希望視点を指定する操作に関する情報を含む。指定情報に含まれる視聴希望視点を指定する操作に関する情報は、特に限定されず、視聴希望視点を示すラベル、視聴希望視点から見た画像を撮影する撮影装置を示すラベル、視聴希望視点の座標等(座標及び/又は方向)等が挙げられる。制御部21が指定情報を受信したか否かを判定することにより、制御部21が指定情報を受信した場合、制御部21は、指定情報を用いて視聴希望視点を変更できる。
[ステップS2:視聴希望視点を変更]
制御部21は、記憶部22と協働して指定情報受信部211を実行し、指定情報を用いて視聴希望視点を変更する(ステップS2)。制御部21は、処理をステップS3に移す。ステップS2の処理により、配信装置2は、視聴者の視聴希望視点に相当する統合画像を表示装置3に配信できるため、統合画像が配信された表示装置3では、視聴者に対し、視聴希望視点から見た画像を再生できる。
[ステップS3:統合画像取得処理]
制御部21は、記憶部22と協働して配信部212を実行し、後に図6を参照しながら説明する統合画像取得処理を実行し(ステップS3)、処理をステップS4に移す。統合画像取得処理は、統合画像テーブル221から、視聴希望視点から見た視聴希望視点画像と、視聴希望視点の周辺にある複数の周辺視点から見た1又は複数の周辺視点画像とを含む統合画像を取得する処理である。
統合画像には、視聴希望視点画像が含まれ、配信装置2は、当該統合画像を表示装置3に配信するため、表示装置3は、視聴者による視聴希望視点から見た視聴希望視点画像を再生できる。また、統合画像には、視聴希望視点画像に加え、視聴希望視点の周辺にある1又は複数の周辺視点から見た周辺視点画像も含まれるため、視聴者が表示装置3での視点の切り替え(例えば、表示中の画像における視点から視聴希望視点への切り替え)を希望する場合、表示装置3は、配信装置2からのデータの配信を受けることなく、表示装置3の内部処理だけで視点の切り替えを実現できる。
より詳しく説明すると、視聴者が現在表示中の視点とは異なる別の視点から見た画像の表示を希望してから当該別の視点(新たな視聴希望視点)に応じた統合画像を視聴者が利用できるようになるまでには、配信に要する時間や、配信された映像のデコード(復号処理)に要する時間等により生じる待機時間がある。もともと配信装置2から表示装置3に向けて配信されていた統合画像は、視聴希望視点画像だけでなく、視聴希望視点の周辺に位置する周辺視点から見た周辺視点画像も含むため、待機時間であっても、視聴者は、統合画像に含まれる画像としてもともと配信されていた複数の周辺視点画像から、新たな視聴希望視点画像を読み出し、その視聴希望視点画像を遅延なく(待機時間の経過を待つことなく)利用できる。したがって、多視点映像を提供するときの課題である、視点を変更するときの遅延を軽減できる。この視点を変更するときの遅延の軽減については、後に図9を用いてより詳細に説明する。
一方、統合画像に含まれる画像は、視聴希望視点画像及び1又は複数の周辺視点画像であり、同一シーンを撮影する異なる複数の視点全てから見た全ての画像ではない。そのため、統合画像に含まれる画像の数を抑えられ、統合画像に含まれる画像の解像度が比較的高い場合であっても、配信装置2から表示装置3へのデータ転送量の増大を防ぐことができる。したがって、多視点映像の視点の数を増やすことと、データ転送量の増大を防ぐことと、画像の画質の低下を防ぐこととを同時に実現し、視聴者の視聴体験の質を向上できる。
図3は、多視点映像の一例を示す概念図である。
撮影装置群4に含まれる撮影装置4A~4Xは、それぞれ異なる視点から撮影対象Tを撮影する。これにより、異なる視点から見た画像4a~4xを得られる。視点は、略同一平面上にあってもよく、異なる平面上にあってもよい。画像は、静止画像であってもよく、動画像であってもよい。視聴体験の質をより一層向上できるため、画像は、動画像であることが好ましい。
視点は、撮影装置4A~4Xの中から選択される2以上の撮影装置の間に設定された仮想的な視点であってもよい。視点が当該仮想的な視点である場合、仮想的な視点から見た画像は、これら2以上の撮影装置のいずれかによって撮影された画像でもよく、当該撮影された画像を用いて生成された画像でもよい。これら複数の撮影装置4A~4Xによって撮影されて得られた複数の画像4a~4xの解像度は、それぞれ等しいことが好ましい。
図4は、撮影装置群4を構成する複数の撮影装置4A~4Xから見た複数の視点のうち、視聴希望視点が撮影装置4Aから見た視点である場合における、撮影装置4Aからの画像と、撮影装置4Aの周囲に設けられた撮影装置からの画像とを統合した統合画像の一例である。
図4(a)は、一つのフレームに、互いに面積が等しい9つの領域(視聴希望視点画像4a及び8つの周辺視点画像4u~4x及び4b~4e)が設けられているときの統合画像101aの構成例を示す。
統合画像101aは、9つの領域に分割され、画像4u~4x及び4a~4eは、分割された各領域に収まるように画像の大きさを変更されて、統合画像101aの各領域に配置される。このように統合画像101aを構成することにより、配信装置2は、視聴希望視点画像4aだけでなく、8つの周辺視点画像4u等を表示装置3に配信でき、表示装置3は、統合画像に含まれる視聴希望視点画像4a及び周辺視点画像4u等から、視聴希望視点画像4aを読み出して視聴者に表示できる。
視聴者が視聴希望視点の切り替えを希望する場合、表示装置3は、配信装置2に対して切り替えを指示し、配信装置2は、切り替え後の新たな視聴希望視点画像を含む統合画像を生成し、新たな統合画像を表示装置3に向けて配信する。そのため、視聴者が視聴希望視点の切り替えを希望すると、切り替えを指示してから新たな統合画像を視聴者が利用できるようになるまでには、配信に関する通信に要する時間や配信された映像のデコード(復号処理)に要する時間等に起因する待機時間が必要となる。
本実施形態では、統合画像101aは、視聴希望視点画像4aに加え、視聴者が指定する可能性が高いと予測される視点、すなわち視聴希望視点の周辺にあたる周辺視点の画像(周辺視点画像4u~4x及び4b~4e)を含む。そのため、上述した待機時間においても、表示装置3は、統合画像101aに含まれる周辺視点画像4u~4x及び4b~4eの中から新たな視聴希望視点に相当する画像を読み出し、視聴者に表示できる。したがって、本実施形態によると、多視点映像を提供するときの課題である、視点を変更するときの遅延を軽減できる。
統合画像101aに含まれる視聴希望視点画像4a並びに周辺画像4u~4x及び4b~4eは、解像度が互いに等しいことが好ましい。解像度が互いに等しければ、視聴者が視聴希望視点の切り替えを希望したときに、切り替え後に表示装置3が新たに表示する画像の解像度を、切り替え前の画像の解像度と同じになり、視聴者に与えるストレスをよりいっそう軽減できる。
図4(b)は、構成する一つのフレームに、7つの第1領域(視聴希望視点画像4a及び6つの周辺視点画像4v~4x及び4b~4dが配置される領域)と、第1領域よりも面積が狭い8つの第2領域(8つの周辺視点画像4r~4u及び4e~4hが配置される領域)とが設けられているときの統合画像101bの構成例を示す。
第1領域には、視聴希望視点画像4aと、視聴希望視点画像4aと6つの周辺視点画像4v~4x及び4b~4dが配置されている。
6つの周辺視点画像4v~4x及び4b~4dは、撮影装置4V~4X及び4B~4Dによって撮影された画像であり、周辺視点画像4v~4x及び4b~4dの解像度は、視聴希望視点画像4aの解像度と等しい。図3を参照すると、撮影装置4V~4X及び4B~4Dは、視聴希望視点に相当する撮影装置4Aからみて比較的近い位置に設置されている。そのため、撮影装置4V~4X及び4B~4Dに位置する視点は、視聴者が視聴希望視点の切り替えを希望する際、切り替え後の視点として選択される可能性が相対的に高い視点であると予測される。本実施形態によると、相対的に面積が広い第1領域には、複数の周辺視点画像の中でも、切り替え後の視点として選択される可能性が相対的に高い周辺視点画像が、解像度が相対的に高い状態で配置されている。
他方、第2領域には、8つの周辺視点画像4r~4u及び4e~4hが配置されている。
8つの周辺視点画像4r~4u及び4e~4hは、撮影装置4R~4U及び4E~4Hによって撮影された画像であり、周辺視点画像4r~4u及び4e~4hの解像度は、視聴希望視点画像4aの解像度よりも小さい。図3を参照すると、撮影装置4R~4U及び4E~4Hは、視聴希望視点に相当する撮影装置4Aからみて比較的遠い位置に設置されている。そのため、撮影装置4R~4U及び4E~4Hに位置する視点は、視聴者が視聴希望視点の切り替えを希望する際、切り替え後の視点として選択される可能性が相対的に低い視点であると予測される。本実施形態によると、相対的に面積が狭い第2領域には、複数の周辺視点画像の中でも、切り替え後の視点として選択される可能性が相対的に低い周辺視点画像が、解像度が相対的に低い状態で配置されている。
統合画像101bは一つのフレーム内に統合されており、この一つのフレームそれ自体の面積は一定である。また、第2領域の面積は、第1領域の面積よりも小さい。そのため、一つのフレームの中に第1領域と第2領域との両方を配置する方が、一つのフレームの中に第1領域だけを配置する場合に比べ、一つのフレームの中に数多くの領域を配置される。その結果、一つのフレームの中に第1領域と第2領域との両方を配置することで、一つのフレームの中に第1領域だけを配置する場合に比べて、統合画像に統合させる周辺視点画像の数を増やすことができる。したがって、本実施形態に係る発明によれば、上述の待機時間において遅延なく表示できる周辺視点画像の数を、データ転送量を増やすことなく増やすことができる。
また、視聴者が視聴する画像は、相対的に解像度が高い視聴希望視点画像4aであり、この視聴希望視点画像4aは、相対的に面積が広い第1領域に配置されている。そのため、統合画像101bを構成する一つのフレーム内に第2領域を配置したとしても、視聴者が視聴する画像そのものの解像度が下がることは、ない。したがって、本実施形態に係る発明によれば、視聴者が視聴する視聴希望視点画像4aそのものの解像度を下げることなく、統合画像101bを構成する一つのフレームに配置する領域の数を増やすことができる。
加えて、相対的に面積が広い第1領域には、視聴希望視点画像4aに加え、視聴希望視点画像4aと等しい解像度の周辺視点画像4v~4x及び4b~4dも配置されている。したがって、本実施形態に係る発明によれば、視聴者が視聴する視聴希望視点画像4aだけでなく、複数の周辺視点画像のうち、その後に視聴者が指定する可能性が高いと予測される周辺視点画像4v~4x及び4b~4dについては解像度を下げることなく、統合画像を構成する一つのフレームに配置できる。
以上から、本実施形態に係る発明によると、質の高い多視点映像を提供するにあたり、視点の数を増やすことと、データ転送量の増大防止、画像の画質低下防止、及び視点を変更するときの遅延軽減との互いに相反する要請を両立させることが可能な配信装置2を提供できる。
図4(a)及び図4(b)では、統合画像101a、101bを構成する一つのフレーム内に視聴希望視点画像4aと8又は14の周辺視点画像4u等とを配置する例を示したが、これに限るものではない。統合画像を構成する一つのフレーム内における画像の配置は、配信に関する状況等に応じて、任意の態様で構成できる。
図4(c)は、構成する一つのフレームに、5つの第1領域(視聴希望視点画像4a及び4つの周辺視点画像4w、4x、4b、4cが配置される領域)と、第1領域よりも面積が小さい16個の第2領域(16個の周辺視点画像4o~4v及び4d~k)とが設けられているときの統合画像101bの構成例を示す。例えば、統合画像を構成する一つのフレーム内における画像の配置を、図4(c)のような態様にしてもよい。
また、図4(a)~(c)では、視聴希望視点画像4a及び複数の周辺視点画像4u等は、統合画像の左上から右下に向かって図3に示した視点に応じた撮影装置の並びに沿って配置されているが、視聴者が指定する可能性の高さに応じて配置されてもよい。
視聴希望視点画像4a及び周辺視点画像4u等との種類は、特に限定されず、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。多視点映像が動画像であるとき、1つの統合画像に配置される画像の時刻は、実質的に同じ時刻であることが好ましい。「実質的に同じ時刻」は、動画像のフレームレート(1秒間に見せる静止画の枚数)をfとしたときに、統合画像に配置される複数の画像に含まれる任意の2つの画像の時刻の差が最大でも(2/f)秒であることを示す。このように画像を配置することで、表示装置3が視聴希望視点画像から周辺視点画像に表示画像を切り替えて表示するときの切り替え前後の時刻は、実質的に同じ時刻となる。したがって、表示装置3は、多視点表示技術における画像切り替えを行う際に、視聴希望視点画像の時刻と同じ時刻の映像を統合画像から呼び出すシーク処理や視聴希望視点画像の時刻と同じ時刻の映像を配信装置2から呼び出す処理を行う必要がない。これにより、シーク処理等により生じる遅延を軽減できる。
図5は、統合画像テーブル221の一例である。図5に示す統合画像テーブル221は、統合画像を識別するIDと、視聴希望視点に関する視点データと、統合画像に含まれる画像の数を記憶する分割数と、視聴希望視点から見た統合画像と、を紐付けたデータが含まれている。視聴希望視点が撮影装置4Aから見た視点であるときに対応する統合画像を記憶するID1の行には、ID「1」と、視点データ(撮影装置、視点のX座標、Y座標、Z座標、視点に対する撮影対象の方向、視点が撮影対象を撮影するときの仰角/伏角、視点が撮影対象を撮影するときの画角)と、分割数「9」と、視聴希望視点画像4a及び周辺視点画像4u~4x、4b~4eを含む統合画像とを紐付けたデータが記憶されている。配信部212は、これらのID、視点データ、分割数のうち1つ以上を指定して、統合画像を取得できる。例えば、配信部212は、「撮影装置4Aに対応する視点に相当する統合画像、かつ、9つの画像が含まれる統合画像」を指定して、ID1の行に記憶された統合画像を取得できる。
ID101の行及びID201の行に示すように、統合画像テーブル221は、構成する一つのフレームに、第1領域と、第1領域よりも面積が狭い第2領域とが設けられているときの統合画像を記憶してもよい。また、統合画像テーブル221は、ID1の行、ID101の行及びID201の行に示すように、同じ視聴希望視点に対応し、統合画像に含まれる画像の数が異なる複数の統合画像を記憶してもよい。統合画像テーブル221をこのように構成することで、配信部212は、配信に関する状況等に応じた適切な統合画像を選択して、配信できる。
[ステップS4:統合画像を配信]
図2に戻る。制御部21は、記憶部22及び通信部23と協働して配信部212を実行し、ステップS3で取得した統合画像を表示装置3へ配信する(ステップS4)。制御部21は、処理をステップS1に移し、ステップS1からS4を繰り返す。配信部212は、統合画像を表示装置3へ配信する前に、統合画像を画像配信に適したデータ形式に符号化するエンコード処理を行うことが好ましい。エンコード処理を行うことにより、配信装置2は、データ転送量の増大を防ぐことができる。配信部212がステップS3で取得した統合画像を表示装置3へ配信するため、配信された統合画像を受信した表示装置3は、視聴者が実際に指定した視点から見た視聴希望視点画像を、表示できる。
ステップS4において、配信部212は、統合画像内における複数の画像の配置を示す配置情報を表示装置3に配信することが好ましい。配置情報を配信することにより、仮に配信装置2が統合画像に配置された画像の数を配信に関する状況等に応じて選択したとしても、表示装置3は、配信された配置情報を受信し、さらに、視聴者が実際に指定した視聴希望視点から見た視聴希望視点画像を、配置情報を用いた内部処理で選択して表示できる。
ステップS4において、配信部212は、統合画像内における前記複数の画像のそれぞれと紐付けられた複数の視点を示す視点情報を表示装置3に配信することが好ましい。視点情報を配信することにより、仮に多視点映像が配信中に視点の座標等が変化するような多視点映像であったとしても、表示装置3は、配信された視点情報を受信し、さらに、視聴者が実際に指定した視聴希望視点から見た視聴希望視点画像を、視点情報を用いた内部処理で選択して表示できる。
配信装置2は、ステップS1からS4に係る手順で被指令視点から見た画像及び被指令視点周辺の複数の視点から見た2以上の画像を含む統合画像を配信するため、多視点映像の視点の数を増やすことと、データ転送量の増大を防ぐことと、画像の画質の低下を防ぐことと、視点を移動するときの画質の維持及び遅延の軽減とを同時に実現する画像配信装置及びプログラムを提供できる。
〔統合画像取得処理のフローチャート〕
図6は、本実施形態における配信装置2の処理のステップS3で実行される統合画像取得処理の手順を示すフローチャートの一例である。
[ステップS11:視聴希望視点から見た画像を取得]
制御部21は、記憶部22と協働して生成部213を実行し、視聴希望視点から見た視聴希望視点画像を多視点映像テーブル222から取得する(ステップS11)。制御部21は、処理をステップS12に移す。生成部213が視聴希望視点画像を取得することにより、配信装置2は、視聴希望視点画像を統合画像に配置できる。
図7は、多視点映像テーブル222の一例である。図7に示す多視点映像テーブル222は、画像を識別するIDと、視点に関する視点データと、当該視点から見た統合画像と、を紐付けたデータを記憶している。撮影装置4Aから見た視点に相当する画像4aを記憶するID1の行には、ID「1」と、撮影装置4Aから見た視点に関する視点データ(撮影装置、視点のX座標、Y座標、Z座標、視点に対する撮影対象の方向、視点が撮影対象を撮影するときの仰角/伏角、視点が撮影対象を撮影するときの画角)と、画像4aとを紐付けたデータが記憶されている。生成部213は、これらのID及び視点データのうち1つ以上を指定して、画像を取得できる。例えば、配信部212は、「撮影装置4Aから見た視点から見た画像」を指定して、ID1の行に記憶された画像4aを取得できる。
[ステップS12:視聴希望視点の周辺に位置する周辺視点から見た画像を取得]
制御部21は、記憶部22と協働して生成部213を実行し、視聴希望視点の周辺に位置する複数の周辺視点から見た複数の周辺視点画像を多視点映像テーブル222から取得する(ステップS12)。制御部21は、処理をステップS13に移す。生成部213が1又は複数の周辺視点画像を取得することにより、配信装置2は、周辺視点画像を統合画像に配置できる。
[ステップS13:統合画像を生成]
図6に戻る。制御部21は、記憶部22と協働して生成部213を実行し、ステップS11で取得された視聴希望視点画像と、ステップS12で取得された周辺視点画像とを1つのフレーム内に統合した統合画像を生成し、統合画像テーブル221に記憶する(ステップS13)。制御部21は、処理をステップS14に移す。
[ステップS14:統合画像を取得]
制御部21は、記憶部22と協働して生成部213を実行し、ステップS13で生成した統合画像を統合画像テーブル221から取得する(ステップS14)。制御部21は、統合画像取得処理を終了し、処理をステップS3に戻す。
〔画像表示処理のフローチャート〕
図8は、本実施形態における表示装置3で行われる画像表示処理の手順を示すフローチャートの一例である。以下では、図8を参照しながら、表示装置3が行う画像表示処理の好ましい手順について説明する。
[ステップS21:統合画像を受信]
まず、制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して統合画像受信部311を実行し、外部から統合画像を受信する(ステップS21)。制御部31は、処理をステップS22に移す。統合画像を受信することにより、表示装置3は、統合画像を用いた多視点映像の出力を行える。
統合画像受信部311は、さらに、統合画像内における複数の画像の配置を示す配置情報を受信してもよい。配置情報を受信することにより、仮に配信装置2が統合画像に配置された画像の数を配信に関する状況等に応じて選択したとしても、表示装置3は、配信された配置情報を受信し、さらに、視聴者が実際に指定した視聴希望視点から見た視聴希望視点画像を、配置情報を用いた内部処理で選択して表示できる。
統合画像受信部311は、さらに、統合画像内における前記複数の画像のそれぞれと紐付けられた複数の視点を示す視点情報を受信してもよい。視点情報を受信することにより、仮に多視点映像が配信中に視点の座標等が変化するような多視点映像であったとしても、表示装置3は、配信された視点情報を受信し、さらに、視聴者が実際に指定した視聴希望視点から見た視聴希望視点画像を、視点情報を用いた内部処理で選択して表示できる。
[ステップS22:視聴希望視点を指定する操作が行われたか否かを判定]
制御部31は、記憶部32、入力部35と協働して視点指令部312を実行し、入力部35を介して視聴希望視点(視聴希望視点)を指定する操作が行われたか否かを判定する(ステップS22)。視聴希望視点(視聴希望視点)を指定する操作が行われたならば、制御部31は、処理をステップS23に移す。視聴希望視点(視聴希望視点)を指定する操作が行われていないならば、制御部31は、処理をステップS25に移す。
入力部35を介して視聴希望視点を指定する操作は特に限定されず、マウスによって視聴希望視点を示すアイコンをクリックする、キーボードからキー入力を行う、タッチパネルによって視聴希望視点を示すアイコンをタップする等の周知の手法を用いた視聴希望視点を指定する操作を行える。視点指令部312が視聴希望視点を指定する操作が行われたか否かを判定することにより、表示装置3は、視聴希望視点を指定する操作が行われたときに、画像の表示に用いる視聴希望視点を変更し、配信装置2に指定情報を送信する一連の処理を行える。
[ステップS23:視聴希望視点を変更]
制御部31は、記憶部32と協働して視点指令部312を実行し、ステップS22で行われた操作に応じて、視聴希望視点を変更する(ステップS23)。制御部31は、処理をステップS24に移す。視点指令部312がステップS22で行われた操作に応じて視聴希望視点を変更することにより、表示装置3は、視聴者の操作に応じた新たな視聴希望視点から見た画像を表示できる。
[ステップS24:指定情報を送信]
制御部31は、記憶部32と協働して視点指令部312を実行し、配信装置2へ視聴希望視点を指定する操作が行われたことを示す指定情報を送信する(ステップS24)。制御部31は、処理をステップS25に移す。
指定情報は、同一シーンを撮影する異なる複数の視点から視聴希望視点を指定する操作が行われたことを示すものであれば、特に限定されない。指定情報は、視聴希望視点を指定する操作に関する情報を含む。指定情報に含まれる視聴希望視点を指定する操作に関する情報は、特に限定されず、指定された視聴希望視点を示すラベル、指定された視聴希望視点から見た画像を撮影する撮影装置を示すラベル、指定された視聴希望視点の座標等(座標及び/又は方向)等が挙げられる。表示装置3が配信装置2へ指定情報を送信するため、配信装置2は、視聴者が視聴希望視点を指定する操作を行ったことに応じて視聴希望視点を変更し、指定された視聴希望視点に相当する統合画像を配信できる。
[ステップS25:視聴希望視点から見た画像を統合画像から取得]
制御部31は、記憶部32と協働して画像表示部313を実行し、ステップS21で受信した統合画像に含まれる複数の画像の中から、視聴希望視点から見た視聴希望視点画像を選択して取得する内部処理を行う(ステップS25)。制御部31は、処理をステップS26に移す。
統合画像に含まれる複数の画像の中から視聴希望視点から見た視聴希望視点画像を選択して取得する内部処理は特に限定されず、予め決定された所定の画像配置に基づいて統合画像から視聴希望視点画像を切り出す内部処理、受信した配置情報及び/又は視点情報を用いて統合画像から視聴希望視点画像を切り出す内部処理、が挙げられる。画像表示部313が視聴希望視点(視聴希望視点)から見た視聴希望視点画像を選択して取得する内部処理を行うことにより、表示装置3は、視聴希望視点画像を表示できる。
[ステップS26:視聴希望視点から見た画像を表示]
制御部31は、記憶部32及び表示部34と協働して画像表示部313を実行し、ステップS25で取得した視聴希望視点画像を表示部34に表示する(ステップS26)。制御部31は、処理をステップS1に戻し、ステップS21からステップS26を繰り返す。ステップS25で取得した視聴希望視点画像を出力することにより、表示装置3は、視聴希望視点から見た画像を表示できる。ステップS26において画像表示部313は、視聴希望視点画像の大きさを表示部34に適した大きさに変更して、表示部34に表示することが好ましい。画像表示部313が視聴希望視点画像の大きさを表示部34に適した大きさに変更して表示部34に表示することにより、画像表示部313は、表示部34に表示する画像の大きさを一定に保ち、視聴体験の質をより一層向上できる。
ステップS21からステップS26に係る上述の手順で、表示装置3に、同一シーンを撮影する複数の視点からの複数画像を一つのフレーム内に統合した統合画像を外部から受信させる受信ステップと、統合画像に含まれる複数画像の中から、いずれかの画像を表示させる表示ステップと、複数の視点から視聴希望視点を指定する操作が行われたことを示す指定情報を外部に送信する視点指令ステップと、を実行させるため、多視点映像の視点の数を増やすことと、データ転送量の増大を防ぐことと、画像の画質の低下を防ぐことと、視点を変更するときの遅延の軽減とを同時に実現するプログラムを提供できる。
<画像配信システムの使用例>
続いて、本実施形態におけるシステム1の使用例を説明する。
本実施形態によると、配信装置2は、第1ネットワーク5Aを介し、表示装置3と接続可能に構成されている。
〔画像の配信〕
利用者、管理者又は配信装置2で実行される他のプログラム等は、配信装置2に表示装置3への多視点映像の配信を指令する。配信装置2は、指定情報受信部211を実行し、表示装置3から指定情報を受信していれば視聴希望視点を変更する。配信装置2は、配信部212を実行し、同一シーンを視聴希望視点から見た視聴希望視点画像及び視聴希望視点の周辺の周辺視点から見た周辺視点画像を一つのフレーム内に配置した統合画像を統合画像テーブル221から取得し、取得した統合画像を表示装置3へ配信する。
〔画像の再生〕
表示装置3は、統合画像受信部311を実行し、配信装置2から統合画像を受信する(受信ステップ)。表示装置3は、視点指令部312を実行し、視聴希望視点を指定する操作が行われたか否かを判定し、視聴希望視点を指定する操作が行われていれば、視聴希望視点を変更し、配信装置2に指定情報を送信する(視点指令ステップ)。表示装置3は、画像表示部313を実行し、統合画像から視聴希望視点から見た視聴希望視点画像を取得し、表示部34に表示する(表示ステップ)。
図9は、統合画像を用いた視点移動の概念図である。
図9の上方から下方に向けて複数示された行に相当し、破線の矩形で示される撮影装置4A~4F及び撮影装置4R~4Xは、それぞれ、多視点映像に含まれる画像に対応する撮影装置を示す。黒丸とで示される表示装置3における視聴希望視点Vは、表示装置3における視聴希望視点を示す。黒丸及び折れ線によると、時間が図9の左から右に向かって進むにつれて視聴希望視点Vが移動していることが分かる。図9の左方から右方に向けて複数示された列に相当し、実線の矩形で示される統合画像101~110は、それぞれ、配信装置2が配信し、表示装置3が受信した統合画像に含まれる視聴希望視点画像及び複数の周辺視点画像に相当する視点を示す。以下、「撮影装置(符号)から見た視点」を、単に「視点(符号)」とも称する。例えば、「視点4A」は「撮影装置4Aから見た視点」を示す。
以下では、図9を用いて、本実施形態のシステム1による、視点を移動する際、視点移動の前後において画像の表示遅延を軽減できることについて説明する。
統合画像受信部311がステップS21で統合画像101を受信したとき、統合画像101は、撮影装置4U~4X、4A~4Eのそれぞれに対応する矩形と重なっている。これは、統合画像101が撮影装置4U~4X、4A~4Eに対応する画像4u~4x、4a~4eを含んでいることを示す。また、統合画像101の矩形内において、視聴希望視点Vの黒丸は、撮影装置4Aの矩形の内部にある。これは、視聴希望視点Vが、撮影装置4Aから見た視点であることを表している。図9に示すように、統合画像101は、撮影装置4Aから見た画像及び撮影装置4A周辺に位置する撮影装置4U~4X及び4B~4Eから見た画像を含んでいる。視聴希望視点を指定する操作が行われなかったため、画像表示部313は、ステップS25で視点4Aから見た画像4aを取得し、ステップS26で取得した画像4aを表示する。
統合画像受信部311がステップS21で統合画像102を受信したとき、統合画像102は、統合画像101と同じ視点から見た画像を含んでいる。そして、ステップS22で視聴希望視点を指定する操作が行われ、ステップS23で視聴希望視点Vが視点4Xに変更される。ステップS24で、視点指令部312は、視点4Xを指定する操作が行われたことを示す指定情報を、配信装置2へ送信する。視聴希望視点Vが視点4Xに変更されたため、ステップS25で画像表示部313は、統合画像から、視点4Xから見た画像4xを取得する。そして、ステップS26で画像表示部313は、画像4xを表示する。統合画像102は、視点4Aから見た画像4a及び視点4A周辺に位置する視点4U~4X、4B~4Eから見た画像4u~4x、4b~4eを含むため、視聴希望視点が視点4Xに変更されても、視点4Xから見た画像4xを表示できる。視点4Xから見た画像4xは配信済の統合画像102に含まれているため、画像表示部313は、視点4Xから見た画像4xを遅延なく表示できる。
図9に示した例では、視聴希望視点Vの変更と、統合画像に含まれる視点の範囲の変更との間には時間差がある。視聴希望視点Vが初めて変更されるのは統合画像102に対応する箇所であるが、統合画像に含まれる視点の範囲が初めて変更されるのは統合画像104に対応する箇所である。すなわち、表示装置3は、視聴希望視点Vの変更に応じて配信された統合画像を利用できるようになるまでに遅延がある。しかし、統合画像のそれぞれは視聴希望視点から見た視聴希望視点画像と視聴希望視点周辺の周辺視点から見た周辺視点画像とを含むため、視聴希望視点Vが、視点4A、4X、4W、4V、4W、4X、4A、4Bと移動しても、これらの視点から見た画像のそれぞれは、対応する統合画像101~110に含まれており、表示装置3は、視点4A、4X、4W、4V、4W、4X、4A、4Bから見た画像を、遅延なく表示できる。すなわち、変更後の視聴希望視点に基づく統合画像を視聴者が利用できるようになるまでに遅延があっても、表示装置3は、視聴希望視点から見た画像を、遅延なく表示できる。
よって、本実施形態に記載のシステム1によれば、質の高い多視点映像を提供するにあたり、視点の数を増やすことと、データ転送量の増大防止、画像の画質低下防止、及び視点を変更するときの遅延軽減との互いに相反する要請を両立させることの可能な画像配信装置、画像生成装置及びプログラムを提供できる。
<変形例>
以下、本実施形態に記載の発明における種々の変形例を例示する。
〔変形例1〕 (画像配信装置の外部で統合画像を生成する処理を実行するデータ配信)
基本実施例のシステム1において、統合画像を生成する処理は、配信装置2が備える生成部213により実行されたが、本発明の統合画像を生成する処理は、配信装置2の外部で実行されてもよい。
図10は、本変形例のシステム1の構成の一例を示すブロック図である。本変形例のシステム1は、画像配信処理等を行う配信装置2と、表示装置3と、撮影装置群4と、ネットワーク5と、統合画像を生成する処理等を行う画像生成装置6(以下、単に生成装置6とも称する)とを含む。
〔配信装置2〕
本変形例の配信装置2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を含んで構成される。
[制御部21]
本変形例の制御部21のハードウェア構成は、基本実施例の制御部21と同様である。制御部21は、所定のプログラムを読み込み、必要に応じて記憶部22及び/又は通信部23と協働することで、配信装置2におけるソフトウェア構成の要素である、指定情報受信部211、配信部212等を実現する。
[記憶部22]
本変形例の記憶部22のハードウェア構成は、基本実施例の記憶部22と同様である。記憶部22には、マイクロコンピューターで実行される制御プログラム、統合画像テーブル221等が記憶されている。
[通信部23]
本変形例の通信部23のハードウェア構成は、基本実施例の通信部23と同様である。
〔表示装置3〕
本変形例の表示装置3は、基本実施例の表示装置3と同様である。
〔撮影装置群4〕
本変形例の撮影装置群4は、基本実施例の撮影装置群4と同様である。
〔ネットワーク5〕
本変形例のネットワーク5は、基本実施例のネットワーク5と同様である。ネットワーク5Aは、配信装置2と表示装置3とを接続する。ネットワーク5Bは、配信装置2と撮影装置群4及び生成装置6とを接続する。
〔生成装置6〕
本変形例の生成装置6は、制御部61と、記憶部62と、通信部63と、を含んで構成される。
[制御部61]
本変形例の制御部61のハードウェア構成は、制御部21と同様である。制御部61は、所定のプログラムを読み込み、必要に応じて記憶部62及び/又は通信部63と協働することで、生成装置6におけるソフトウェア構成の要素である、生成部611等を実現する。
[記憶部62]
本変形例の記憶部62のハードウェア構成は、記憶部22と同様である。記憶部62には、マイクロコンピューターで実行される制御プログラム、統合画像テーブル621、多視点映像テーブル622等が記憶されている。
[通信部63]
本変形例の通信部63のハードウェア構成は、通信部23と同様である。通信部63は、生成装置6を配信装置2その他の機器と通信可能にするためのデバイスを有する。
〔画像配信処理の手順〕
本変形例の配信装置2が画像配信処理を行う手順は、制御部21がステップS3においてステップS11~S13の処理を行うかわりに生成装置6に統合画像の生成を指令して生成装置6が生成した統合画像を統合画像テーブル221に記憶する一連の処理を行うことを除き、基本実施例の配信装置2と同様である。
〔統合画像を生成する処理の手順〕
本変形例の生成装置6は、図6に示したフローチャートと同様の手順で、統合画像を生成する。ただし、制御部21が生成部213を実行して行う処理は、制御部61が生成部611を実行して行う。記憶部22に記憶された統合画像テーブル221、多視点映像テーブル222に関する処理は、記憶部62に記憶された統合画像テーブル621、多視点映像テーブル622を用いて行う。通信部23に関する処理は、通信部63を用いて行う。ステップS14の処理を行うかわりに、生成された統合画像を配信装置2に配信する処理を行う。
統合画像を生成する処理を配信装置2の外部にある生成装置6で実行することにより、制御部21で実行される処理の量がより少なくなり、制御部21は、画像配信に関する処理をより高速に実行できる。したがって、視点を移動するときの遅延が軽減され、視聴者の視聴体験がより一層向上する。
生成装置6は、予め統合画像を生成する処理を行って統合画像を生成することもできる。生成装置6が予め生成された統合画像を統合画像テーブル621に記憶すれば、生成装置6が統合画像テーブル621に記憶された統合画像を統合画像テーブル221に転送することで、配信装置2は、統合画像の取得に関する処理をより一層高速に実行できる。これにより、視点を移動するときの遅延が軽減され、視聴者の視聴体験がより一層向上する。統合画像テーブル622が記憶する統合画像を統合画像テーブル221に転送する手法は、特に限定されない。統合画像テーブル621が記憶する統合画像を統合画像テーブル221に転送する手法として、例えば、統合画像テーブル621が記憶する統合画像を、第2ネットワーク5Bを用いて配信装置2に配信する手法、統合画像テーブル621が記憶する統合画像を磁気記憶装置、光学メディア等の取り外しが容易な記憶媒体に記憶させ、この記憶媒体を生成装置6から取り外して配信装置2に取付け、統合画像テーブル221に転送する手法、等が挙げられる。
本変形例のシステム1は、統合画像を生成する処理を配信装置2の外部にある生成装置6で実行するため、制御部21で実行される処理の量がより少なくなり、制御部21は、画像配信に関する処理をより高速に実行できる。したがって、視点を移動するときの遅延が軽減され、視聴者の視聴体験がより一層向上する。また、本変形例の生成装置6は、予め統合画像を生成する処理を行って統合画像を生成することもできるため、統合画像の取得に関する処理をより一層高速に実行できる。これにより、視点を移動するときの遅延が軽減され、視聴者の視聴体験がより一層向上する。
〔変形例2〕 (撮影装置群が別体である画像配信システム)
基本実施例及び変形例1のシステム1は、撮影装置群4を含んでいたが、システム1は、撮影装置群4を含まないよう構成してもよい。本変形例のシステム1は、基本実施例のシステム1又は変形例1のシステム1と同様の構成を有するが、撮影装置群4を含まず、外部の撮影装置群が撮影した画像やコンピュータグラフィックス技術を用いて外部の装置で生成した画像を多視点映像テーブル222又は多視点映像テーブル622に転送して、統合画像を生成する。画像を多視点映像テーブル222(622)に転送する手段は、特に限定されない。画像は、各種のネットワークを介して転送されてもよく、磁気記憶装置、光学メディア等の取り外しが容易な記憶媒体を介して転送されてもよい。
以上、本発明の実施形態及び各種変形例について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態及び各種変形例に限るものではない。また、本発明の実施形態及び各種変形例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したものに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態及び各種変形例に記載されたものに限定されるものではない。
また、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。
1 画像配信システム
2 画像配信装置
21 制御部
211 指定情報受信部
212 配信部
213 生成部
22 記憶部
221 統合画像テーブル
222 多視点映像テーブル
23 通信部
3 画像表示装置
31 制御部
311 統合画像受信部
312 視点指令部
313 画像表示部
32 記憶部
33 通信部
34 表示部
35 入力部
4 撮影装置群
4A~4X 撮影装置
4a~4x 画像
5 ネットワーク
5A 第1ネットワーク
5B 第2ネットワーク
6 画像生成装置
61 制御部
611 生成部
62 記憶部
621 統合画像テーブル
622 多視点映像テーブル
63 通信部
101~110、101a、101b、101c 統合画像
T 撮影対象
V 視聴希望視点

Claims (8)

  1. 同一シーンを撮影する異なる複数の視点から所定視点を指定する操作が行われたことを示す指定情報を外部から受信する受信部と、
    前記所定視点から見た所定視点画像、及び前記複数の視点のうち前記所定視点の周辺に位置する周辺視点から見た1又は複数の周辺視点画像を一つのフレーム内に統合した統合画像を前記外部に配信する配信部と、
    を備える画像配信装置。
  2. 前記統合画像に含まれる前記所定視点画像及び前記1又は複数の周辺視点画像の解像度がそれぞれ等しい、請求項1に記載の画像配信装置。
  3. 前記1又は複数の周辺視点画像のうち、いずれか1以上の前記周辺視点画像の解像度が前記所定視点画像の解像度よりも低く、
    前記一つのフレームには、画像を配置可能な1又は複数の第1領域と、画像を配置可能であって、前記第1領域よりも面積が小さい1又は複数の第2領域とが設けられており、
    少なくとも前記所定視点画像は、前記第1領域に配置されており、
    少なくとも前記所定視点画像よりも小さい解像度の前記周辺視点画像は、前記第2領域に配置されている、請求項1に記載の画像配信装置。
  4. 前記所定視点画像に加え、前記所定視点画像と等しい解像度の前記周辺視点画像が前記第1領域にそれぞれ配置されている、請求項3に記載の画像配信装置。
  5. 前記所定視点画像及び前記周辺視点画像は、実質的に同じ時刻に撮影された画像である、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像配信装置。
  6. 画像配信装置に、
    同一シーンを撮影する異なる複数の視点から所定視点を指定する操作が行われたことを示す指定情報を外部から受信させる受信ステップと、
    前記所定視点から見た所定視点画像、及び前記複数の視点のうち前記所定視点の周辺に位置する周辺視点から見た1又は複数の周辺視点画像を一つのフレーム内に統合した統合画像を前記外部に配信させる配信ステップと、
    を実行させる、プログラム。
  7. 同一シーンを撮影する異なる複数の視点から所定視点を指定する操作が行われたことを示す指定情報を外部から受信する受信部と、
    前記所定視点から見た所定視点画像、及び前記複数の視点のうち前記所定視点の周辺に位置する周辺視点から見た1又は複数の周辺視点画像を一つのフレーム内に統合した統合画像を生成する生成部と、
    を備える画像生成装置。
  8. 画像表示装置に、
    同一シーンを撮影する複数の視点からの複数画像を一つのフレーム内に統合した統合画像を前記外部から受信させる受信ステップと、
    前記統合画像に含まれる前記複数画像の中から、いずれかの画像を表示させる表示ステップと、
    前記複数の視点から所定視点を指定する操作が行われたことを示す指定情報を前記外部に送信する視点指令ステップと、
    を実行させ、
    前記視点指令ステップが実行されると、前記表示ステップでは、前記統合画像に含まれる前記複数画像の中から、前記所定視点から見た所定視点画像を前記画像表示装置の内部処理で選択して表示させ、
    前記視点指令ステップが実行された後に前記受信ステップで受信させる前記統合画像は、前記所定視点から見た所定視点画像、及び前記複数の視点のうち、前記所定視点の周辺に位置する周辺視点から見た1又は複数の周辺視点画像を一つのフレーム内に統合した画像である、
    プログラム。

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