JP2022003107A - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】バリの発生が少ないポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の提供。【解決手段】ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部に対して、3官能エポキシ化合物を0.1〜1.7質量部含み、3官能エポキシ化合物が、一般式(1)で表される化合物又は構造式(1)で表される化合物である、ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。[一般式(1)中、X、Y、及びZは、夫々独立に、単結合又は2価の連結基]【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物に関する。
ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、「PPS樹脂」とも呼ぶ。)に代表されるポリアリーレンサルファイド樹脂(以下、「PAS樹脂」とも呼ぶ。)は、高い耐熱性、機械的物性、耐化学薬品性、寸法安定性、難燃性を有していることから、電気・電子機器部品材料、自動車機器部品材料、化学機器部品材料等に広く使用されている。しかしながら、PAS樹脂は、結晶化速度が遅いため成形時のサイクル時間が長い、また成形時にバリの発生が多いという問題があった。
バリの発生を低減する方法としては、各種アルコキシシラン化合物を添加することが知られている(特許文献1〜2参照)。各種アルコキシシラン化合物とPAS樹脂は、反応性が高く、機械的物性の改良、バリ発生を抑制する効果等が認められている。しかし、アルコキシシラン化合物は加水分解しやすいため、例えばPAS樹脂中又は空気中の水分により加水分解が起こると所望のバリ抑制効果が得られないことがある。
そこで、各種アルコキシシラン化合物を用いずにバリ発生を抑制するため種々の提案がなされている。特許文献3には、所定のPAS樹脂(PPS樹脂)と、液晶性ポリマーと、所定のエポキシ化合物とを含む樹脂組成物が記載され、当該樹脂組成物は、バリ特性及びウェルド強度の双方の改善を図っている。特許文献3に記載のPAS樹脂組成物において、バリ発生を抑制する役割を果たすのは液晶性ポリマーであり、エポキシ化合物は、ウェルド強度の向上を図るために添加される。また、特許文献4には、エポキシ樹脂とポリアミドエーテル樹脂とを含むPAS樹脂組成物が記載されている。特許文献4に記載のPAS樹脂組成物において、バリの発生を抑制する役割を果たすのはポリアミドエーテル樹脂であり、エポキシ樹脂はエポキシ接着性を向上するために用いられる。
以上のように、エポキシ化合物を含むPAS樹脂組成物について提案されてはいるものの、バリの発生を抑えるために積極的にエポキシ化合物を添加したものではない。
特公平6−21169号公報 特開平1−146955号公報 特開平7−224208号公報 特開2015−214613号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、バリの発生が少ないポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を提供することにある。
前記課題を解決する本発明の一態様は以下の通りである。
(1)ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部に対して、3官能エポキシ化合物を0.1〜1.7質量部含み、
前記3官能エポキシ化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
Figure 2022003107

[一般式(1)中、X、Y、及びZは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を示す。]
(2)ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部に対して、3官能エポキシ化合物を0.1〜1.7質量部含み、
前記3官能エポキシ化合物が、下記構造式(1)で表される化合物である、ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
Figure 2022003107
(3)前記ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部に対して、無機充填剤を5〜250質量部含む、前記(1)又は(2)に記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
(4)前記無機充填剤が、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム及びタルクからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、前記(3)に記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
本発明によれば、バリの発生が少ないポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を提供することができる。
本実施形態のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物(以下、「PAS樹脂組成物」とも呼ぶ。)は、第1形態及び第2の形態の2つの形態があり、いずれの形態もポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部に対して、3官能エポキシ化合物を0.1〜1.7質量部含む。そして、第1の形態においては、3官能エポキシ化合物が下記一般式(1)で表される化合物であり、第2の形態においては、3官能エポキシ化合物が下記構造式(1)で表される化合物である。
Figure 2022003107

[一般式(1)中、X、Y、及びZは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を示す。]
Figure 2022003107
本実施形態のPAS樹脂組成物は、いずれの形態においても、所定の3官能エポキシ化合物を含むことにより射出成形におけるバリの発生を抑制することができる。当該3官能エポキシ化合物の添加によりバリが抑制されるメカニズムは、低せん断速度領域における溶融粘度の増加が寄与していると推定される。より具体的には、当該3官能エポキシ化合物は官能基数が比較的多い上に嵩高さが小さいため反応性に富み、PAS樹脂と反応しやすい。そのため、PAS樹脂組成物の溶融粘度が増大し、バリの発生が抑制されると推察される。
また、上述の通り、アルコキシシラン化合物は加水分解しやすいため、水分の存在により所望のバリ抑制効果が得られないことがある。しかし、エポキシ化合物は加水分解しにくいため、水分が存在してもバリ抑制効果には影響がない。
以下に、本実施形態のPAS樹脂組成物の各成分について説明する。
[ポリアリーレンサルファイド樹脂]
PAS樹脂は、機械的性質、電気的性質、耐熱性その他物理的・化学的特性に優れ、且つ加工性が良好であるという特徴を有する。
PAS樹脂は、主として、繰返し単位として−(Ar−S)−(但しArはアリーレン基)で構成された高分子化合物であり、本実施形態では一般的に知られている分子構造のPAS樹脂を使用することができる。
上記アリーレン基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p’−ジフェニレンスルフォン基、p,p’−ビフェニレン基、p,p’−ジフェニレンエーテル基、p,p’−ジフェニレンカルボニル基、ナフタレン基等が挙げられる。PAS樹脂は、上記繰返し単位のみからなるホモポリマーでもよいし、下記の異種繰返し単位を含んだコポリマーが加工性等の点から好ましい場合もある。
ホモポリマーとしては、アリーレン基としてp−フェニレン基を用いた、p−フェニレンサルファイド基を繰返し単位とするポリフェニレンサルファイド樹脂が好ましく用いられる。また、コポリマーとしては、前記のアリーレン基からなるアリーレンサルファイド基の中で、相異なる2種以上の組み合わせが使用できるが、中でもp−フェニレンサルファイド基とm−フェニレンサルファイド基を含む組み合わせが特に好ましく用いられる。この中で、p−フェニレンサルファイド基を70モル%以上、好ましくは80モル%以上含むものが、耐熱性、成形性、機械的特性等の物性上の点から適当である。また、これらのPAS樹脂の中で、2官能性ハロゲン芳香族化合物を主体とするモノマーから縮重合によって得られる実質的に直鎖状構造の高分子量ポリマーが、特に好ましく使用できる。尚、本実施形態に用いるPAS樹脂は、異なる2種類以上の分子量のPAS樹脂を混合して用いてもよい。
尚、直鎖状構造のPAS樹脂以外にも、縮重合させるときに、3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物等のモノマーを少量用いて、部分的に分岐構造又は架橋構造を形成させたポリマーや、低分子量の直鎖状構造ポリマーを酸素等の存在下、高温で加熱して酸化架橋又は熱架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマーも挙げられる。
本実施形態に使用する基体樹脂としてのPAS樹脂の溶融粘度(310℃・せん断速度1200sec−1)は、上記混合系の場合も含め、機械的物性と流動性のバランスの観点から、5〜500Pa・sのものを用いる。PAS樹脂の溶融粘度は、7〜300Pa・sが好ましく、10〜250Pa・sがより好ましく、13〜200Pa・sが特に好ましい。
尚、本実施形態のPAS樹脂組成物は、その効果を損なわない範囲で、樹脂成分として、PAS樹脂に加えて、その他の樹脂成分を含有してもよい。その他の樹脂成分としては、特に限定はなく、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂、弗素樹脂、環状オレフィン系樹脂(環状オレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー等)、熱可塑性エラストマー、シリコーン系ポリマー、各種の生分解性樹脂等が挙げられる。また、2種類以上の樹脂成分を併用してもよい。その中でも、機械的性質、電気的性質、物理的・化学的特性、加工性等の観点から、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、液晶樹脂等が好ましく用いられる。
[3官能エポキシ化合物]
本実施形態で用いる3官能エポキシ化合物は、上記の通り、第1の形態においては一般式(1)で表される化合物であり、第2の形態においては構造式(1)で表される化合物である。いずれも、ベンゼン環を含む3官能エポキシ化合物であることから、3官能という比較的多い官能基数であること、及び嵩高さが小さいことから反応性に富む。これに対して、単官能及び2官能エポキシ化合物では官能基数が少ないため反応性に劣る。また、4官能エポキシ化合物では嵩高くなるため反応性に劣る。すなわち、3官能エポキシ化合物以外のエポキシ化合物では、バリの発生を抑制する効果に劣る。
第1の形態においては、3官能エポキシ化合物として、下記一般式(1)で表される化合物を用いる。下記一般式(1)で表される化合物は、3官能であり、嵩高さが小さいことに加えて、窒素原子を有することからより反応性に富む。
Figure 2022003107

[一般式(1)中、X、Y、及びZは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を示す。]
一般式(1)において、Xが示す2価の連結基としては、炭素数1〜3のアルキレン基等が挙げられる。中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
一般式(1)において、Yが示す2価の連結基としては、炭素数1〜3のアルキレン基等が挙げられる。中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
一般式(1)において、Zが示す2価の連結基としては、炭素数1〜3のアルキレン基等が挙げられる。中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
一般式(1)において、ベンゼン環には置換基を有してもよく、当該置換基としては、炭素数1〜3のアルキル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。また、当該置換基の置換位置は、酸素原子、連結基X、及びエポキシ基を含む部分骨格に対してメタ位が好ましい。
一般式(1)中のベンゼン環に結合する、窒素原子、連結基Y及びZ、並びにエポキシ基を含む部分骨格の置換位置としては、酸素原子、連結基X、及びエポキシ基を含む部分骨格に対してオルト位、メタ位、又はパラ位が挙げられ、パラ位が好ましい。
一般式(1)で表される3官能エポキシ化合物の中でも、下記例示化合物(1)又は(2)が好ましい。
Figure 2022003107
一方、第2の形態においては、3官能エポキシ化合物として、下記構造式(1)で表される化合物を用いる。下記構造式(1)で表される化合物も3官能であり、嵩高さが小さい点で好ましい。
Figure 2022003107
本実施形態においては、いずれの形態においても、PAS樹脂100質量部に対して、所定の3官能エポキシ化合物を0.1〜1.7質量部含む。当該3官能エポキシ化合物が0.1質量部未満であると、バリの発生を抑制することができない。また、当該3官能エポキシ化合物が1.7質量部を超えると、粘度が顕著に増加する傾向があり、成形性が悪化しやすい。第1及び第2の形態のいずれも、当該3官能エポキシ化合物の含有量は0.3〜1.5質量部が好ましく、0.5〜1.3質量部がより好ましい。
[無機充填剤]
本実施形態においては、機械的物性の向上を図る観点から、PAS樹脂組成物中に無機充填剤を含むことが好ましい。無機充填剤としては、繊維状無機充填剤、板状無機充填剤、粉粒状無機充填剤が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
繊維状無機充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、酸化亜鉛繊維、酸化チタン繊維、ウォラストナイト、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化ケイ素繊維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、等の鉱物繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、チタン繊維、銅繊維、真鍮繊維等の金属繊維状物質が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。中でも、ガラス繊維が好ましい。
ガラス繊維の上市品の例としては、日本電気硝子(株)製、チョップドガラス繊維(ECS03T−790DE、平均繊維径:6μm)、オーウェンス コーニング ジャパン 合同会社製、チョップドガラス繊維(CS03DE 416A、平均繊維径:6μm)、日本電気硝子(株)製、チョップドガラス繊維(ECS03T−747H、平均繊維径:10.5μm)、日本電気硝子(株)製、チョップドガラス繊維(ECS03T−747、平均繊維径:13μm)、日東紡績(株)製、異形断面チョップドストランド CSG 3PA−830(長径28μm、短径7μm)、日東紡績(株)製、異形断面チョップドストランド CSG 3PL−962(長径20μm、短径10μm)等が挙げられる。
繊維状無機充填剤は、一般的に知られているエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物、脂肪酸等の各種表面処理剤により表面処理されていてもよい。表面処理により、PAS樹脂との密着性を向上させることができる。表面処理剤は、材料調製の前に予め繊維状無機充填剤に適用して表面処理又は収束処理を施しておくか、又は材料調製の際に同時に添加してもよい。
繊維状無機充填剤の繊維径は、特に限定されないが、初期形状(溶融混練前の形状)において、例えば5μm以上30μm以下とすることができる。ここで、繊維状無機充填剤の繊維径とは、繊維状無機充填剤の繊維断面の長径をいう。
粉粒状無機充填剤としては、タルク(粒状)、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、珪藻土等のケイ酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ(粒状)等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の金属硫酸塩、その他炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の窒化物、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の難溶性イオン結晶粒子;半導体材料(Si、Ge、Se、Te等の元素半導体;酸化物半導体等の化合物半導体等)を用いた充填剤、各種金属粉末等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。中でも、ガラスビーズ、炭酸カルシウムが好ましい。
炭酸カルシウムの上市品の例としては、東洋ファインケミカル(株)製、ホワイトンP−30(平均粒子径(50%d):5μm)等が挙げられる。また、ガラスビーズの上市品の例としては、ポッターズ・バロティーニ(株)製、EGB731A(平均粒子径(50%d):20μm)、ポッターズ・バロティーニ(株)製、EMB−10(平均粒子径(50%d):5μm)等が挙げられる。
粉粒状無機充填剤も、繊維状無機充填剤と同様に表面処理されていてもよい。
板状無機充填剤としては、例えば、ガラスフレーク、タルク(板状)、マイカ、カオリン、クレイ、アルミナ(板状)、各種の金属箔等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。中でも、ガラスフレーク、タルクが好ましい。
ガラスフレークの上市品の例としては、日本板硝子(株)製、REFG−108(平均粒子径(50%d):623μm)、(日本板硝子(株)製、ファインフレーク(平均粒子径(50%d):169μm)、日本板硝子(株)製、REFG−301(平均粒子径(50%d):155μm)、日本板硝子(株)製、REFG−401(平均粒子径(50%d):310μm)等が挙げられる。
タルクの上市品の例としては、松村産業(株)製 クラウンタルクPP、林化成(株)製 タルカンパウダーPKNN等が挙げられる。
板状無機充填剤も、繊維状無機充填剤と同様に表面処理されていてもよい。
本実施形態においては、以上の無機充填剤の中でも、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム及びタルクからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。また、機械的物性の向上の観点から、無機充填剤は、PAS樹脂100質量部に対して15〜200質量部含むことが好ましく、25〜150質量部含むことがより好ましく、30〜110質量部含むことが更に好ましい。
[他の成分]
本実施形態においては、その効果を害さない範囲で、上記各成分の他、その目的に応じた所望の特性を付与するために、一般に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の添加剤、即ち、エラストマー、離型剤、潤滑剤、可塑剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、結晶化促進剤、結晶核剤、各種酸化防止剤、熱安定剤、耐候性安定剤、腐食防止剤等を配合してもよい。尚、本実施形態のPAS樹脂組成物によりバリの発生を抑えることができるが、必要に応じてアルコキシシラン化合物等のバリ抑制剤を併用してもよい。
本実施形態のPAS樹脂組成物を用いて成形品を作製する方法としては特に限定はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、本実施形態のPAS樹脂組成物を押出機に投入して溶融混練してペレット化し、このペレットを所定の金型を装備した射出成形機に投入し、射出成形することで作製することができる。
本実施形態のPAS樹脂組成物を成形してなる成形品としては、電気・電子機器部品材料、自動車機器部品材料、化学機器部品材料、水廻り関連部品材料等が挙げられる。具体的には、自動車の各種冷却系部品、イグニッション関連部品、ディストリビューター部品、各種センサー部品、各種アクチュエーター部品、スロットル部品、パワーモジュール部品、ECU部品、各種コネクター部品、配管継手(管継手)、ジョイント等が挙げられる。
また、その他の用途として、例えば、LED、センサー、ソケット、端子台、プリント基板、モーター部品、ECUケース等の電気・電子部品、照明部品、テレビ部品、炊飯器部品、電子レンジ部品、アイロン部品、複写機関連部品、プリンター関連部品、ファクシミリ関連部品、ヒーター、エアコン用部品等の家庭・事務電気製品部品に用いることができる。
以下に、実施例により本実施形態を更に具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜2、比較例1〜10]
各実施例・比較例において、表1に示す各原料成分をドライブレンドした後、シリンダー温度320℃の二軸押出機に投入して(ガラス繊維は押出機のサイドフィード部より別添加)、溶融混練し、ペレット化した。尚、表1において、各成分の数値は質量部を示す。
また、使用した各原料成分の詳細を以下に示す。
(1)PAS樹脂
・PPS樹脂:(株)クレハ製、フォートロンKPS(溶融粘度:130Pa・s(せん断速度:1200sec−1、310℃))
(PPS樹脂の溶融粘度の測定)
上記PPS樹脂の溶融粘度は以下のようにして測定した。
(株)東洋精機製作所製キャピログラフを用い、キャピラリーとして1mmφ×20mmLのフラットダイを使用し、バレル温度310℃、せん断速度1200sec−1での溶融粘度を測定した。
(2)エポキシ化合物
・3官能エポキシ化合物:既述の例示化合物(1)(三菱ケミカル(株)製、jER−630)
・2官能エポキシ化合物1:三菱ケミカル(株)製、jER−1004K
・2官能エポキシ化合物2:三菱ケミカル(株)製、YX4000
・2官能エポキシ化合物3:三菱ケミカル(株)製、YED216M
・4官能エポキシ化合物1:三菱ケミカル(株)製、jER−604
・4官能エポキシ化合物2:三菱ケミカル(株)製、jER−1031S
以下に、2官能エポキシ化合物1、2官能エポキシ化合物2、2官能エポキシ化合物3、4官能エポキシ化合物1、及び4官能エポキシ化合物2のそれぞれの構造を示す。尚、2官能エポキシ化合物1の中の「m」は3であり、2官能エポキシ化合物3の中の「n」は11程度である。
Figure 2022003107
(3)無機充填剤
・ガラス繊維:日本電気硝子(株)製、ECS03T−717、繊維径:13μm、長さ3mm
[評価]
得られた各実施例・比較例のペレットを用いて以下の評価を行った。
(1)バリ長
一部に20μmの金型間隙を有するバリ測定部が外周に設けられている円盤状キャビティーの金型を用いて、シリンダー温度320℃、金型温度150℃で、キャビティーが完全に充填するのに必要な最小圧力で射出成形し、その部分に発生するバリ長さを写像投影機にて拡大して測定した。測定結果を表1に示す。
(2)樹脂組成物の溶融粘度
(株)東洋精機製作所製キャピログラフを用い、キャピラリーとして1mmφ×20mmLのフラットダイを使用し、バレル温度310℃、せん断速度1000sec−1での溶融粘度(MV)を測定した。測定結果を表1に示す。溶融粘度が500Pa・s以下の場合に流動性が優れていると言える。
Figure 2022003107
表1より、実施例1及び2はいずれも、比較例1〜8と比較してバリ長が短いことが分かる。すなわち、所定の構造を有する3官能エポキシ化合物を用いることで、単官能、2官能、又は4官能のエポキシ化合物を用いる場合よりもバリ長が抑えられることが示された。

Claims (4)

  1. ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部に対して、3官能エポキシ化合物を0.1〜1.7質量部含み、
    前記3官能エポキシ化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
    Figure 2022003107

    [一般式(1)中、X、Y、及びZは、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を示す。]
  2. ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部に対して、3官能エポキシ化合物を0.1〜1.7質量部含み、
    前記3官能エポキシ化合物が、下記構造式(1)で表される化合物である、ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
    Figure 2022003107
  3. 前記ポリアリーレンサルファイド樹脂100質量部に対して、無機充填剤を5〜250質量部含む、請求項1又は2に記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
  4. 前記無機充填剤が、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム及びタルクからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項3に記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
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