JP2022000628A - マス対を備えたジャイロスコープ - Google Patents

マス対を備えたジャイロスコープ Download PDF

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Abstract

【課題】単純かつロバストなジャイロスコープ構造体を提供する。【解決手段】第1コリオリマス211と、第2コリオリマス212と、第3コリオリマス213と、第4コリオリマス214とがx軸上に配置され、一次振動モードにおいて、第1コリオリマス211および第4コリオリマス214が中心点に向かって移動すると、第2コリオリマス212および第3コリオリマス213は中心点から遠ざかるように移動し、その逆も同様であるように振動する。ジャイロスコープがx軸と垂直なy軸を中心とする回転を受ける場合、各コリオリマスがz軸方向の垂直運動を受け、第2コリオリマス212および第4コリオリマス214が上がると、第1コリオリマス211および第3コリオリマス213は下がり、その逆も同様であるように振動する。【選択図】図2d

Description

本開示は、微小電気機械ジャイロスコープに関し、より詳細には、振動プルーフマスシステムを使用して、デバイス面内にある1つの回転軸を少なくとも中心とする角回転を測定するジャイロスコープに関する。
微小電気機械(MEMS)ジャイロスコープでは、プルーフマスが、一次振動モード(駆動振動モードとも呼ばれ得る)で振動するように容易に駆動され、また、コリオリ力によって引き起こされる二次振動モード(センス振動モードとも呼ばれ得る)の振動も容易に受けることが好ましい。ジャイロスコープにおける一般的な課題は、これらの2つのモードにおけるプルーフマスの振動が、外部外乱、例えば周囲の要素の振動によって摂動しないことが好ましい。ジャイロスコープは、意図した動作周波数範囲内でジャイロスコープが受ける角回転速度によってのみ出力信号が決定されるように、線形振動と回転振動との両方によって摂動しないことが好ましい。例えば、自動車用途では、潜在的な外乱は通常1kHz〜50kHzの周波数範囲にあり、一方、入力周波数範囲は通常1kHz未満である。
単純なMEMSジャイロスコープは、1つの振動プルーフマスのみを利用して構成されてもよいが、動作周波数に近い周波数で外部振動が存在する場合、通常、そのようなジャイロスコープの出力信号は非常にノイズが多くなる。1つのマスジャイロスコープは、50kHzを超える動作周波数でのみ実用的と考えられるが、これらの周波数では、ジャイロスコープの感度が非常に低くなる可能性があり、製造欠陥から生じる直交信号などの他の妨害作用が非常に顕著になることが多い。また、単一マス駆動における不均衡な駆動モードでは、駆動振動の反力による駆動モードからのエネルギー漏洩が生じる。これは、動作に必要な駆動力の増加、安定性問題、および硬質ダイの取付要件など、あらゆる種類の問題を引き起こす。
2つまたは4つのプルーフマスが逆位相で振動するプルーフマスシステムは、マスが1つのジャイロスコープよりも振動に対してはるかにロバストにし得ることが知られている。2つまたは4つのプルーフマスの同位相運動を引き起こす振動から生じる信号成分は、差動測定によってある程度自動的に相殺することができる。さらに、差動共振周波数に影響を与えることなく同位相共振周波数を50kHzよりも高くできる場合、通常、妨害振動により共振増幅は生じない。
いくつかのMEMSジャイロスコープは、デバイス基板に垂直な1つの軸を中心とする回転速度を測定するように設計されている。そのようなジャイロスコープは、z軸ジャイロスコープと呼ばれてもよい。他のMEMSジャイロスコープは、基板面内にある2つの垂直軸のどちらかを中心とする回転速度を測定するように設計されている。そのようなジャイロスコープは、x軸ジャイロスコープおよび/またはy軸ジャイロスコープと呼ばれてもよい。多軸MEMSジャイロスコープは、同じ振動プルーフマスセットを用いてx軸、y軸、および/またはz軸を中心とする回転速度を測定するように設計されている。
特許文献1は、チェス盤構成の4つのプルーフマスを備えたx軸ジャイロスコープを開示している。プルーフマスは、対になって逆位相で振動する。
米国特許出願公開第2015/330783号明細書
本開示の目的は、単純かつロバストなジャイロスコープ構造体を提供することである。
本開示のその目的は、独立請求項に記載されることを特徴とする構成によって達成される。本開示の好ましい実施形態は、従属請求項に開示する。
本開示は、y軸を中心とする角回転を測定するためにx軸上に並んだ4つのコリオリマスを利用し、それらのコリオリマスを結合構造体および懸架構造体によって相互連結させる考えに基づく。開示した構成の利点は、y方向の表面積をほとんど占有せずにx軸測定をロバストにできることである。同じ考えを、任意選択でy軸にも適用することができ、これにより、小型かつロバストなxyジャイロスコープを構成することができる。同じ原理を利用する多軸ジャイロスコープシステムも構成することができ、そのようなシステムが2つ並んで配置される構成を用いて、ジャイロスコープをさらに一層ロバストにすることができる。
以下に、添付図面を参照しながら本開示をより詳細に説明する。
図1は、異なる振動モードを示すために本開示において使用される記号を示す図である。 図2aは、ジャイロスコープおよびその振動モードを示す図である。 図2bは、ジャイロスコープおよびその振動モードを示す図である。 図2cは、ジャイロスコープおよびその振動モードを示す図である。 図2dは、ジャイロスコープおよびその振動モードを示す図である。 図3aは、周囲懸架部を示す図である。 図3bは、周囲懸架部を示す図である。 図3cは、周囲懸架部を示す図である。 図4aもまた、周囲懸架部を示す図である。 図4bもまた、周囲懸架部を示す図である。 図4cもまた、周囲懸架部を示す図である。 図5aは、ジャイロスコープおよびその振動モードを示す図である。 図5bは、ジャイロスコープおよびその振動モードを示す図である。 図5cは、ジャイロスコープおよびその振動モードを示す図である。 図5dは、ジャイロスコープおよびその振動モードを示す図である。 図5eは、ジンバル・フレーム構造体を示す図である。 図5fは、ジンバル・フレーム構造体を示す図である。 図6は、第1二次振動モードおよび追加の検出マスを示す図である。 図7は、第2二次振動モードを示す図である。 図8aは、両面ジャイロスコープ構造体およびその振動モードを示す図である。 図8bは、両面ジャイロスコープ構造体およびその振動モードを示す図である。 図9aは、第1実施例を示す図である。 図9bは、第1実施例を示す図である。 図9cは、第1実施例を示す図である。 図10aは、第2実施例を示す図である。 図10bは、第2実施例を示す図である。 図10cは、フレームを備えた構造体例を示す図である。 図11aは、第3実施例を示す図である。 図11bは、第3実施例を示す図である。 図12は、第4実施例を示す図である。
本開示では、休止位置において、横x軸および縦y1軸によって定義された水平xy平面内にある第1セットのコリオリマスを備える微小電気機械ジャイロスコープについて説明する。x軸は、第1中心点でy1軸と直交し、垂直z軸は、第1中心点でx軸およびy1軸の両方と直交する。
コリオリマスの第1セットは、休止位置においてy1軸の第1側のx軸上に並んだ第1コリオリ対を共に形成する第1コリオリマスおよび第2コリオリマスを含む。第2コリオリマスは、第1コリオリマスよりもy1軸側にある。コリオリマスの第1セットは、また、休止位置においてy1軸の第2側のx軸上に並んだ第2コリオリ対を共に形成する第3コリオリマスおよび第4コリオリマスを含む。第3コリオリマスは、第4コリオリマスよりもy1軸側にあり、y1軸の第2側は、第1側と反対である。
ジャイロスコープは、また、y1軸の第1側の第1周囲アンカーポイントセットと、第1周囲アンカーポイントセットから第1コリオリ対を懸架する第1周囲懸架部とを備える。ジャイロスコープは、また、y1軸の第2側の第2周囲アンカーポイントセットと、第2周囲アンカーポイントセットから第2コリオリ対を懸架する第2周囲懸架部とを備える。ジャイロスコープは、さらに、実質的に第1中心点に位置する1以上の第1中央アンカーポイントから第1コリオリ対および第2コリオリ対の両方を懸架する第1中央懸架部を備える。
ジャイロスコープは、さらに、第1コリオリ対および第2コリオリ対を一次振動モードで作動させる1以上の駆動変換器と、ジャイロスコープがy1軸と平行なy軸を中心とする角回転を受ける場合にコリオリ力によって引き起こされるy軸二次振動モードにおける第1コリオリ対および第2コリオリ対の振動を検出する1以上のy軸センス変換器とを備える。第1中央懸架部と、第1周囲懸架部および第2周囲懸架部とは、一次振動モードおよびy軸二次振動モードに柔軟に順応する。
一次振動モードにおいて、コリオリマスの第1セットは、第1コリオリマスおよび第4コリオリマスが第1中心点に向かってx軸に沿って線形平行移動で動くと、第2コリオリマスおよび第3コリオリマスは第1中心点から遠ざかるようにx軸に沿って線形平行移動で動き、その逆も同様であるように振動する。y軸二次振動モードにおいて、コリオリマスの第1セットは、第1コリオリマス、第2コリオリマス、第3コリオリマスおよび第4コリオリマスが垂直運動を受け、第2コリオリマスおよび第4コリオリマスが下がると、第1コリオリマスおよび第3コリオリマスは上がり、その逆も同様であるように振動する。
本開示において、デバイス面が図示され、xy平面と称される。デバイス面はまた、水平面と呼ばれてもよい。z軸は、xy平面に垂直である。z軸はまた、垂直軸と呼ばれてもよい。プルーフマスが休止位置から遠ざかる場合にデバイス面内において水平のままである線形運動および/または回転運動は、「面内」運動または「デバイス面内運動」と称されてもよく、一方、プルーフマスが休止位置から垂直方向に遠ざかる線形運動および/または回転運動は、「面外」運動または「デバイス面外運動」と称されてもよい。
本開示において、「水平」および「垂直」という用語は、単に、それぞれデバイス面およびデバイス面に垂直な方向を指す。デバイス面は、通常、微小機械構造体が作製される基板によって定義される。「水平」および「垂直」という用語は、製造中または使用中にデバイスをどのように方向付けるべきかについては何も示唆していない。「上方」および「下方」という用語は、図を説明する際の垂直z座標の差を指しており、「上に」および「下に」という用語は、逆の2つの垂直方向を指す。
デバイス面に垂直な任意の軸を中心とする回転は、z軸を中心とする回転と称される。同様に、図示したx軸と平行な任意の軸を中心とする回転は、x軸を中心とする回転と称され、図示したy軸と平行な任意の軸を中心とする回転は、y軸を中心とする回転と称される。これらの3つのタイプの回転でコリオリ力によって引き起こされる二次振動モードは、それぞれz軸二次振動モード、x軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードと称される。
本開示において、「ばね」という用語は、少なくとも一方向において可撓性を有するデバイス部品を指す。「サスペンダ」という用語は、固定部(アンカーポイントなど)と、デバイスが動作するときに振動するデバイス部品との間に配置される(場合によっては他のデバイス部品と共に)ばねを指す。「懸架構造体」および「懸架部」という用語は、共に可動マスを構造的に支持する部品のより複雑な組合せを指す。懸架構造体および懸架部は、所望の振動モードに順応するために必要な可撓性を与える少なくとも1つの可撓性サスペンダを含む。懸架構造体および懸架部は、多くのサスペンダを含んでもよく、また、剛性部分を含んでもよい。懸架された可動マスが動いているとき、サスペンダは通常、曲がるか、またはねじれる。
可動マスが動いているとき(当該剛性部分と、対応するアンカーポイントとの間に1以上の可撓性サスペンダがあると仮定する)、懸架構造体/部の剛性部分は動くことが多い。いくつかのばねは、同期構造体を形成してもよく、または、剛性部分と組み合わされて同期構造体を形成してもよい。同期構造体は、また、懸架構造体として機能してもよい。あるいは、同期構造体は、構造的に支持することなく同期を行ってもよい。より一般的には、マス要素を互いに連結し、1つのマス要素から別のマス要素に振動を伝達するばねはまた、結合ばねまたは連結ばねと呼ばれてもよい。動きを伝達することは、通常、結合/連結ばねの主要な機能であるが、同期機能を実施するように設計されることも多い。そのようなばねが含まれる構造体は、結合構造体または連結構造体と呼ばれてもよい。
本開示全体を通して、「同期させる」という用語および「構造体Aは、振動モードXを同期させる」などの表現は、以下の意味を有する。構造体Aは、所望のモードXで振動することが好ましく、望ましくないモードYでは振動しないことが好ましい相互連結されたマス要素のシステムにおいて機械的連結を構成する。構造体Aは、剛性および可撓性の有益な組合せを示し、その結果、構造体Aの存在により、システムにおけるモードXの共振周波数FとモードYの共振周波数Fとの関係が改善される。
例えば、構造体Aの存在により、比率F/Fおよび/または差F−Fが増加してもよい。この改善が測定される基準状態は、場合によっては構造体Aのない同じマス要素システムであってもよい。この場合、構造体Aは同期にのみ必要とされる。その他の場合において、マス要素の重量を支持するためにも構造体Aが必要なときは、同期改善が測定される基準状態は、構造的支持のみを与える代替構造体BでAを置き換えた同じマス要素システムであってもよい。
一般に、懸架部、同期部および結合部はすべて、支持するように、および特定の方向に可撓性、他の方向に剛性を有するように最適化される。これらの3つの変数は互いに相反し得るため、最適化とは、良好な妥協的解決策を見つけることを意味する。ジャイロスコープのすべての要素が、これらの妥協に影響を与える可能性がある。
本開示において、「径方向」振動とは、中心点から離れ、および中心点に向かうxy平面内の線形運動を指す。「接線方向」振動とは、中心点を中心とする仮想円の接線に沿った、xy平面、xz平面(横垂直)またはyz平面(縦垂直)内の動きを指す。xy平面内の接線方向振動は、面内接線方向振動と呼ばれてもよく、一方、xz平面内およびyz平面内の接線方向振動は、面外接線方向振動と呼ばれてもよい。接線方向振動は、実際には、線形運動と回転との混合物になる場合がある。通常、コリオリマスがどのように接線方向に動くかは、懸架部によって決まる。
本開示のすべての実施形態において、「縦」部品と称されるデバイスの部品は、縦方向により長い寸法と、横方向により短い寸法とを有する。「横」部品は、より長い横寸法と、より短い縦寸法とを有する。「横/縦軸上に並んだ」部品は、当該軸が実質的に当該部品の中点と交わるように配置される。これらの部品は当該軸に対して対称であってもよく、かつ/または、軸は当該部品の重心と交わってもよい。
本開示の図において、別段の記載がない限り、コリオリマスの配置は休止位置に対応する。本開示の様々な実施形態におけるプルーフマスの振動方向、および振動間の位相関係は、図1に示した記号を用いて示す。行11に示した白矢印は、デバイス面内に生じる一次振動モードを示す。行12の黒矢印は、ジャイロスコープがz軸を中心とする回転を受けたときに(デバイス面内に)生じ得る二次モードを示す。行13に示した1対の記号は、一緒に用いて、ジャイロスコープがx軸を中心とする回転を受けたときのプルーフマス対の面外運動を示す。行14に示した1対の記号は、一緒に用いて、ジャイロスコープがy軸を中心とする回転を受けたときのプルーフマス対の面外運動を示す。行13および14の両方において、クロスは観察者から遠ざかる動きを示し、ドットは観察者に向かう動きを示す。
本開示に示すいずれの実施形態においても、例えば、1以上のコリオリマス内に形成された開口部に容量性駆動変換器が実装されてもよい。z軸二次振動モードを検出するために、1以上のコリオリマスの開口部内に、または1以上のコリオリマスに隣接して容量性センス変換器が実装されてもよい。容量性x軸センス変換器および容量性y軸センス変換器が、それぞれx軸二次振動モードおよび/またはy軸二次振動モードを検出するために1以上のコリオリマスの上方および/または下方に実装されてもよい。
(Y軸の実施形態)
図2aは、xz平面におけるジャイロスコープを概略的に示す。ジャイロスコープは、第1コリオリマス211および第2コリオリマス212と、第3コリオリマス213および第4コリオリマス214とを含むコリオリマスの第1セットを備える。第1中心点は、第1中央アンカーポイント223に位置する。これにより、図2において、y1軸の第1側は、第1中央アンカーポイント223の左側に示され、y1軸の第2側は、第1中央アンカーポイント223の右側に示される。ジャイロスコープは、y軸を中心とする角回転を測定する。言い換えれば、この場合、y軸は、ジャイロスコープの入力軸または測定軸と呼ばれてもよい。
第1周囲アンカーポイントセットは、ここでは単に1つのアンカーポイント221として示すが、実際には複数のアンカーポイントを含んでもよい。第1周囲懸架部231は、ここでは単に第1コリオリマス211と第2コリオリマス212との間の連結バーとして示す。同じ考慮事項が第2周囲アンカーポイントセット(222として示す)および第2周囲懸架部232に適用される。1つの第1中央アンカーポイント223を示すが、代替的に、1以上の第1中央アンカーポイントが、例えば第1中心点に接近して対称構成で位置し得る複数の第1中央アンカーポイントを含むことができるであろう。
図2bは、xy平面における同じデバイスを概略的に示す。コリオリマスは、横x軸291上に並び、この場合、ジャイロスコープの入力軸はy軸である。縦軸292はy1軸である。図2bは、また、ジャイロスコープの一次振動モードも示す。第1コリオリマス211および第2コリオリマス212は、y1軸の第1側でx軸に沿って逆位相で振動し、第3コリオリマス213および第4コリオリマス214は、y1軸の第2側でx軸に沿って逆位相で振動する。さらに、一次振動は、第3コリオリマスおよび第4コリオリマスが互いに近づくと第1コリオリマスおよび第2コリオリマスが互いに近づくように、1以上の駆動変換器および/または第1中央懸架部によって同期する。それに対応して、第3コリオリマスおよび第4コリオリマスが互いに遠ざかると、第1コリオリマスおよび第2コリオリマスが互いに遠ざかる。言い換えれば、第1コリオリマスおよび第4コリオリマスが第1中心点に向かってx軸に沿って線形平行移動で動くと、第2コリオリマスおよび第3コリオリマスは第1中心点からx軸に沿って線形平行移動で遠ざかるように動き、その逆も同様である。
図2cおよび図2dは、それぞれxy面およびxz平面におけるy軸二次振動モードを示す。図2dにおいて、コリオリマスは、休止位置から遠ざかった。ジャイロスコープがy軸を中心とする回転を受ける場合、コリオリ力は垂直方向に作用し、各対の2つのコリオリマスを互いに逆方向に変位させる。一次振動モードの同期により、第2コリオリマス212および第4コリオリマス214が一方の面外方向に動くと、第1コリオリマス211および第3コリオリマス213は常に逆の面外方向に動く。言い換えれば、第1コリオリマス、第2コリオリマス、第3コリオリマスおよび第4コリオリマスは同時に生じる垂直運動を受け、第2コリオリマスおよび第4コリオリマスが下がると、第1コリオリマスおよび第3コリオリマスは上がり、その逆も同様である。
第1周囲懸架部および第2周囲懸架部と、第1中央懸架部とにより、図2b〜図2dに示した一次振動モードおよび二次振動モードの振動が容易になる。全体として、「懸架」という用語は、本開示において1以上の可撓性ばねの構成を指し、可撓性ばねは、サスペンダとも呼ばれ得、固定支持部からコリオリマスなどの部分可動要素まで延在する。既に言及したように、サスペンダが固定支持部に取り付けられている場所は、アンカーポイントと呼ばれてもよい。「固定支持部」という用語は、支持部が、コリオリマスの振動運動によって動かず、センサが全体として回転を受ける場合に動くことを意味する。サスペンダの可撓性により、コリオリマスは、共振周波数またはその付近で駆動変換器によって一次振動モードに駆動することができるように固定支持部に対して部分的に可動となる。共振周波数は、コリオリマスの慣性および懸架のコンプライアンスによって決まる。
懸架部は、所望の一次振動モードおよび二次振動モードに柔軟に順応し、さらに任意選択でそれらの振動モードを同期させるべきである。懸架部はまた、望ましくない振動モード、例えば一次振動モードに駆動されるコリオリ対の望ましくない同位相振動に抵抗することが好ましい(上述のように、逆位相で生じるべきである)。本明細書において、同位相振動とは、ある軸に沿って常に同じ方向に動くような2つのマスの同時に生じる並進振動を意味する。すべての同位相振動が必ずしも望ましくない訳ではないが、本開示において述べるすべての所望の逆位相振動モードに対して、同位相振動モードの振幅および周波数が所望の逆位相振動モードの振幅および周波数に近づきすぎると測定を妨げるであろう対応する同位相振動モードが存在する。したがって、懸架部は、同位相モードの共振周波数をできるだけ高くシフトさせることによって、それらの同位相振動モードを抑制することが好ましい。
本開示の任意の実施形態では、233などの中央懸架部は、y1軸を中心に(図2dが示すように)およびx軸を中心に剛体として回転してもよい。以下の実施例で説明するように、例えば、剛性回転中央懸架部が、対応する中央アンカーポイントに取り付けられたジンバル構造体と、ジンバルからコリオリマスまで延在する本体と共に実装されてもよい。本体は、面外方向に剛性を有するべきであるが、面内方向には可撓性を示してもよい。
コリオリマス211〜214の垂直運動は、垂直方向の線形平行移動であってもよい。あるいは、各コリオリ対(211+212および213+214)は、周囲アンカーポイントの対応するセットを通る軸を中心に回転してもよい。面外運動が純粋な回転である場合、コリオリ対は、面外運動を受けても径方向に並んだまま残る。周囲懸架部の構造体により、コリオリマスが二次振動でどのように動くかがある程度決まる。ほとんどの場合、コリオリマスの面外運動は、線形平行移動と角回転の組合せになるであろう。次に、コリオリ対は通常、図2dが示すように、xy平面外に出た場合、互いに完全に一直線になったままで残らない。
ジャイロスコープは、y1軸292に対する第1コリオリマス、第2コリオリマス、第3コリオリマスおよび第4コリオリマスの慣性モーメントをすべて実質的に等しくすることによってバランスを取ってもよい。言い換えれば、y1軸292からのコリオリマスの重心の距離がr11、r12、r13およびr14で示された図2aに戻って参照し、また、第1コリオリマス、第2コリオリマス、第3コリオリマスおよび第4コリオリマスの重量をそれぞれm11、m12、m13およびm14で示すと、コリオリマスは、以下のように配置されてもよい。
Figure 2022000628
これは、例えば、m11=m14、r11=r14、m12=m13、r12=r13を選択し、上式によって他の関係を寸法付けることによって達成されてもよい。場合によっては、y1軸292に対して完全な対称性を有することなく、等しい慣性モーメントを有することが好ましいことがある。中央懸架部および周囲懸架部も、図2dに示した二次振動のバランス取りに影響を及ぼす。
より一般的には、ジャイロスコープは、y1軸に対する第2コリオリマス212と第3コリオリマス213の慣性モーメントの和を、y1軸に対する第1コリオリマス211と第4コリオリマス214の慣性モーメントの和と実質的に等しくすることによってバランスを取ってもよい。言い換えれば、y1軸に対する第2コリオリマス212の慣性モーメントにy1軸に対する第3コリオリマス213の慣性モーメントを加えたものは、y1軸に対する第1コリオリマス211の慣性モーメントにy1軸に対する第4コリオリマス214の慣性モーメントを加えたものと実質的に等しくてもよい。
Figure 2022000628
図2dに示すように、コリオリマス211〜214および懸架部は、二次振動モードにおいて、相互連結された3つのシーソーに類似した振動システムを形成する。各コリオリ対と、中央懸架部および周囲懸架部によって設けられる結合部との逆位相駆動振動により、ジャイロスコープは外部外乱に対してロバストになる。
図3aは、一次振動モードおよびy軸二次振動モードに順応することができる周囲懸架部の一例を概略的に示す。参照番号311〜314、323、333および391〜392は、それぞれ図2a〜図2dの参照番号211〜214、223、233および291〜292に対応する。第1周囲アンカーポイントセットは、ここでは、x軸から実質的に等距離でx軸の両側に配置された2つの第1周囲アンカーポイント321からなる。第1周囲懸架部は、2つの第1縦シーソー341および342を含む。x軸側の端部である各第1縦シーソーの近位端は、第2コリオリマス312に連結される。近位端よりもx軸から離れた各第1縦シーソーの遠位端は、第1コリオリマス311に連結される。
それに対応して、第2周囲アンカーポイントセットは、ここでは、x軸から実質的に等距離でx軸の両側に配置された2つの第2周囲アンカーポイント322からなる。第2周囲懸架部は、2つの第2縦シーソー343および344を含む。x軸側の端部である各第2縦シーソーの近位端は、第3コリオリマス313に連結され、近位端よりもx軸から離れた各第2縦シーソーの遠位端は、第4コリオリマス314に連結される。縦シーソーの各端部は、連結ばね35によって対応するコリオリマスに連結されてもよい。これらの連結ばねは、ある程度のねじれ可撓性および面内曲げ可撓性を有してもよい。図3bおよび図3cは、それぞれ各コリオリ対が互いに最大距離および最小距離動く場合、これらの第1周囲懸架部および第2周囲懸架部がどのように一次振動モードに柔軟に順応するかを示す。図3bおよび図3cにおいて、コリオリマスは、休止位置から遠ざかった。この動きは、図示した要素のサイズに対して非常に誇張されている。縦シーソー341〜344は、図示されたように、これらのシーソーがxy平面内で回転することができる十分な面内可撓性を有する固定ばね(図示せず)によって、対応する周囲アンカーポイント321/322に連結される。縦シーソーの第1対341+342は、図3aが示すように休止位置において縦方向に並んでもよい。縦シーソーの第2対343+344も、休止位置において縦方向に並んでもよい。
固定ばねは、縦シーソー341〜344がy軸二次振動モードで横回転軸を中心に回転することができる十分なねじれ可撓性を有する。これらの横回転軸は、対応するシーソーが取り付けられている周囲アンカーポイントを通ってもよい。これにより、第1周囲懸架は、y軸二次振動モードにおける第1コリオリマス311および第2コリオリマス312の面外振動に順応する。
あるいは、第1周囲懸架部において、各第1縦シーソーの近位端が第1コリオリマス311に連結され、各第1縦シーソーの遠位端が第2コリオリマス312に連結されるように、シーソーをコリオリマスに結合することができる。それに対応して、第2周囲懸架部において、各第2縦シーソーの近位端が第4コリオリマス314に連結され、各第2縦シーソーの遠位端が第3コリオリマス313に連結されてもよい。
第1中央懸架部333は、一次振動モードにおいて第1中心点から遠ざかり、そして第1中心点に向かう第2コリオリマス312および第3コリオリマス313の同時に生じる動きと、図2dが示すようにマスがy軸二次振動モードで振動する場合に縦軸392を中心とする第1中央懸架部の回転とに柔軟に順応することができる任意のばねシステムを含んでもよい。
図3aは、中央懸架部333の一例を示し、中央アンカーポイント323から軸392に沿って剛性支持部3331まで互いに逆方向に延在する2つのねじりバーによって二次振動が順応される。一次振動は、共に剛性支持部3331を取り囲み、かつばねにより互いに連結される4つのL形コーナー要素3332によって順応され、そのばねは、コーナー要素がデバイス面内で互いに対して回転するのを可能にする。
図3bは、代替中央懸架部333を示し、面内可撓性を有する折り曲げ可能なフレーム3333が中央アンカーポイント323を取り囲む。線形可撓性を有するボックスばね334が支持バー3335に取り付けられ、マスが一次振動で動く際に、ボックスばね334は折り曲げ可能なフレーム3333の曲げに順応する。二次振動は、支持バー3335をフレーム3333に連結するねじりバーによって順応される。
図4aは、代替周囲懸架部を示す。参照番号411〜412、423および491〜492は、それぞれ図2a〜図2dの参照番号211〜212、223および291〜292に対応する。
図4aにおいて、第1周囲アンカーポイントセットは、x軸から実質的に等距離でx軸の両側に配置された2つの第1周囲アンカーポイント421を含む。第1周囲懸架部は、第2コリオリマス412に連結された垂直方向に剛性を有する第1縦内側バー441を含む。第1コリオリマスは、第1部分4111と第2部分4112とを含む。第1内側バー441の第1端部は、第1コリオリマスの第1部分4111の第1端部に連結される。第1内側バー441の第2端部は、第1コリオリマスの第2部分4112の第1端部に連結される。当該第1部分4111の第2端部は、横方向に可撓性を有する連結ばね47によって当該第2部分4112の第2端部に連結される。当該第1部分4111および第2部分4112は、ねじれ可撓性を有する横向きの懸架ばね46によってそれぞれの第1周囲アンカーポイント421から懸架される。
第2周囲アンカーポイントセットが、x軸から実質的に等距離でx軸の両側に配置された2つの第2周囲アンカーポイントを含むように、同じ構成をジャイロスコープの対向端部に実装することができる。そして、第2周囲懸架部は、第2コリオリマスに連結された垂直方向に剛性を有する第2縦内側バーを含む。第4コリオリマスは、第1部分と第2部分とを含む。第2内側バーの第1端部は、第4コリオリマスの第1マス部分の第1端部に連結される。第2内側バーの第2端部は、第4コリオリマスの第2マス部分の第1端部に連結される。第4コリオリマスの第1マス部分の第2端部は、横方向に可撓性を有する連結ばねによって第4コリオリマスの第2マス部分の第2端部に連結される。第4コリオリマスの第1マス部分および第2マス部分は、ねじれ可撓性を有する横向きの懸架ばねによってそれぞれの第2周囲アンカーポイントから懸架される。この構成は、必要な変更を加えた図4aに示す構成に対応するため、別には図示していない。
連結ばね45は、図4aが示すように、第1内側バー441を第1コリオリマスの2つの部分4111および4112に連結する。内側バー441は、x軸491上に位置合わせされてもよい。第1部分4111および第2部分4112は、図4aが示すように縦方向に並んでもよい。
図4bは、コリオリ対が互いに最大距離(休止位置から遠ざかって)動く場合、第1周囲懸架部がどのように一次振動モードに柔軟に順応するかを示す。内側バー441は、第1端部41111および41121を右に引き、これにより、第2端部41112および41122は左にシフトする。この動きは、図示した要素のサイズに対して非常に誇張されている。連結ばね47は、第1コリオリマスの2つの部分4111および4112が互いに対して回転することができる十分な面内および面外可撓性を有する。一次振動周期の逆半分におけるマス要素の位置を図4cに示すが、この場合も、マス要素が休止位置から遠ざかっているのを示す。内側バー441は、今度は第1端部41111および41121を左に押し、これにより、第2端部41112および41122は右にシフトする。言い換えれば、第1コリオリマスの第1部分4111および第2部分4112は、図4bおよび図4cが示すように、一次振動モードにおいて逆位相振動でデバイス面内で回転する。
第1周囲アンカーポイント421は、図4a〜図4cが示すように、第1コリオリマスの2つの部分の第2端部41112および41122よりも第1端部41111側および41121側に配置されてもよい。そして、内側バー441の2つの端部もまた、これらの図が示すように第1端部に連結される。別の代替方法(図示せず)としては、第1周囲アンカーポイント421は、第1コリオリマスの2つの部分の第1端部41111および41121よりも第2端部41112側および41122側に配置されてもよい。その場合、内側バー(または対応する連結構造体)は、第2端部41112および41122に連結されてもよい。言い換えれば、第1部分4111および第2部分4112の重心は、一次振動において第1周囲アンカーポイントに対して動くべきである。これは、内側バー(または対応する連結構造体)が、アンカーポイント421側である端部に取り付けられる限り、第1周囲アンカーポイント421を、第2端部よりも第1端部側に配置する、またはその逆に配置することよって実現することができる。
y軸二次振動モード(図示せず)において、第1コリオリマスの第1部分4111および第2部分4112の両方は、それぞれのアンカーポイントに対してシーソー運動で傾く。内側バーは、第2コリオリマス412の垂直の動きを第1端部41111および41121に伝達し、これによって、第1端部41111および41121は、第2コリオリマス412と同じ垂直方向に動く。それぞれの第2端部41112および41122は、逆の垂直方向に動く。そのため、y軸二次振動モードでは、第1部分および第2部分は、逆位相でデバイス面外に回転し、その結果、第2端部41112および41122が下がると、第1端部41111および41121は上がり、その逆も同様である。
表示を簡略化するために、第1コリオリマスおよび第2コリオリマスは、図4a〜図4cにおいて明らかに異なる要素として示した。しかしながら、上記から、内側バー441と、シーソーの第1端部41111および41112とは、一次振動モードにおける第2コリオリマス412と同じ水平方向、およびy軸二次振動モードにおける第2コリオリマス412と同じ垂直方向に動くことを理解することができる。それによって、振動システムのこれらの部分は、第2コリオリマスの一部を有効に形成してもよい。そして、逆の水平方向および垂直方向に動くシーソーの第2端部41112および41122は、有効な第1コリオリマスを形成する。
上で説明したように、アンカーポイント421の配置(ならびに、懸架ばね46および連結ばね47の特性)は、シーソーの回転に影響を及ぼし、それによって、第1コリオリマスに寄与するシーソーの部分と、第2コリオリマスに寄与する部分との境界線にも影響を与える。それによって、第1コリオリマスおよび第2コリオリマスの慣性モーメントを算出する場合は、シーソーの影響を考慮に入れるべきである。これらの考慮事項も図3aに適用され、縦シーソー341〜342の対向端部と縦シーソー343〜344の対向端部とは、それぞれ第1コリオリマスおよび第2コリオリマスの一部と、第3コリオリマスおよび第4コリオリマスの一部とを有効に形成する。
第1部分4111および第2部分4112がシーソー運動でデバイス面外に傾くy軸二次振動モードにおいて、4111と4112とを組み合わせた重心の移動は、縦軸492に対するコリオリマス412の質量移動によって生成されるトルクと等しく、かつ逆であることが好ましい。このようにして、外部角加速度がy軸二次センスについて打ち消される。
図4a〜図4cにおいて、内側バー441はまた、上で説明したように第2コリオリマスの動きを第1コリオリマスの第1部分および第2部分の適切な端部に伝達することができる任意の対応する連結構造体と置き換えられてもよい。
図3aおよび図4aに示した周囲懸架部も、第3コリオリ対および第4コリオリ対がy1軸上に並び、かつそれぞれ第3周囲懸架部および第4周囲懸架部から懸架される図示した実施形態に実装することができる。
(XY軸の実施形態)
上記のy軸測定について述べた測定原理は、x軸における同時測定まで拡大適用することができる。この場合、ジャイロスコープは、2つの入力軸、y軸およびx軸を有する。図5aは、横x軸および縦y軸の両方を中心とする角回転速度を測定するジャイロスコープを概略的に示す。参照番号511〜514、521〜523、531〜533および591〜592は、それぞれ図2a〜2dの参照番号211〜214、221〜223、231〜233および291〜292に対応する。
既に上で述べた要素に加えて、図5では、ジャイロスコープは、さらに、コリオリマスの第2セットを備え、コリオリマスの第2セットは、休止位置においてx軸の第1側のy1軸上に並んだ第3コリオリ対を共に形成する第5コリオリマス515および第6コリオリマス516を含む。第6コリオリマス516は、第5コリオリマス515よりもx軸側にある。
コリオリマスの第2セットは、さらに、休止位置においてx軸の第2側のy1軸上に並んだ第4コリオリ対を共に形成する第7コリオリマス517および第8コリオリマス518を含む。第7コリオリマス517は、第8コリオリマス518よりもx軸側にあり、x軸の第2側は、第1側と反対である。
ジャイロスコープは、また、x軸の第1側の第3周囲アンカーポイントセット524と、第3周囲アンカーポイントセット524から第3コリオリ対を懸架する第3周囲懸架部534とを備える。ジャイロスコープは、また、x軸の第2側の第4周囲アンカーポイントセット525と、第4周囲アンカーポイントセット525から第4コリオリ対を懸架する第4周囲懸架部535とを備える。第1中央懸架部533は、第1中央アンカーポイント523から第3コリオリ対および第4コリオリ対の両方を懸架する。
1以上の駆動変換器(図示せず)は、また、第3コリオリ対および第4コリオリ対を一次振動モードで作動させる。ジャイロスコープは、ジャイロスコープがx軸を中心とする角回転を受ける場合にコリオリ力によって引き起こされるx軸二次振動モードにおける第3コリオリ対および第4コリオリ対の振動を検出する1以上のx軸センス変換器(図示せず)を備える。第1中央懸架部533と、第3周囲懸架部534および第4周囲懸架部535とは、一次振動モードおよびx軸二次振動モードに柔軟に順応する。
一次振動モードにおいて、コリオリマスの第2セットは、第5コリオリマス515および第8コリオリマス518が第1中心点に向かってy1軸に沿って線形平行移動で動くと、第6コリオリマス516および第7コリオリマス517は第1中心点から遠ざかるようにy1軸に沿って線形平行移動で動き、その逆も同様であるように振動する。
一次振動モードにおいて、第1コリオリマスが第1中心点に近づくと、第5コリオリマスは第1中心点から遠ざかり、その逆も同様であるか(第1コリオリマスが第1中心点から遠ざかると、第5コリオリマスは第1中心点に近づく)、または、第5コリオリマスおよび第1コリオリマスは、同時に第1中心点から遠ざかり、そして第1中心点に近づく。
x軸二次振動モードにおいて、コリオリマスの第2セットは、第5コリオリマス515、第6コリオリマス516、第7コリオリマス517および第8コリオリマス518が同時に生じる垂直平行移動を受け、第6コリオリマス516および第8コリオリマス518が下がると、第5コリオリマス515および第7コリオリマス517は上がり、その逆も同様であるように振動する。
x軸に対する第6コリオリマスの慣性モーメントにx軸に対する第7コリオリマスの慣性モーメントを加えたものは、x軸に対する第5コリオリマスの慣性モーメントにx軸に対する第8コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと実質的に等しくてもよい。
y1軸に対する第1コリオリマス、第2コリオリマス、第3コリオリマスおよび第4コリオリマスの慣性モーメントと、x軸に対する第5コリオリマス、第6コリオリマス、第7コリオリマスおよび第8コリオリマスの慣性モーメントとは、すべて実質的に等しくてもよい。
より一般的には、(1)y1軸に対する第2コリオリマスの慣性モーメントにy1軸に対する第3コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、(2)y1軸に対する第1コリオリマスの慣性モーメントにy1軸に対する第4コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、(3)x軸に対する第6コリオリマスの慣性モーメントにx軸に対する第7コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、(4)x軸に対する第5コリオリマスの慣性モーメントにx軸に対する第8コリオリマスの慣性モーメントを加えたものとの4つが、実質的に等しくてもよい。
第1コリオリマス511と第5コリオリマス515との動きの比較において上述したように、この8マスシステムは、2つの異なる一次振動モードで駆動することができる。図5aは、第1コリオリマス511が第1中心点に近づくと、第5コリオリマス515は第1中心点から遠ざかり、その逆も同様である第1一次振動モードを示す。図から分かるように、これはまた、第6コリオリマス516が第1中心点に近づくと、第2コリオリマス512は第1中心点から遠ざかるなど、一方のマスがx軸上に並び、他方のマスがy1軸上に並ぶ他の対応する対(513および517、514および518)も同様であることを意味する。
各コリオリ対において、対をなす2つのマスは、逆位相で振動する。さらに、この第1一次振動モードにおいて、第3コリオリ対(515+516)および第4コリオリ対(517+518)におけるそれぞれのアンカーポイントに対する振動位相は、第1コリオリ対(511+512)および第2コリオリ対(513+514)におけるそれぞれのアンカーポイントに対する振動位相に対して逆位相である。
図3aに示した第1周囲懸架部および第2周囲懸架部は、第3周囲懸架部534および第4周囲懸架部535にも用いることができる。
図5bは、コリオリマスの第1セットおよび第2セットが第1一次振動モードで駆動され、次にジャイロスコープがそれぞれx軸および/またはy軸を中心とする角回転を受ける場合に生成されるx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードを示す。
図5cは、第1コリオリマス511が第1中心点に近づくと第5コリオリマス515も第1中心点に近づき、第1コリオリマス511が第1中心点から遠ざかると第5コリオリマス515も第1中心点から遠ざかる第2一次振動モードを示す。図から分かるように、これもまた、第6コリオリマス516が第1中心点から遠ざかると、第2コリオリマス512も第1中心点から遠ざかることなどを意味する。
第1一次振動モードのように、この第2一次振動モードにおいて、対をなす2つのマスは、この場合も逆位相で振動する。しかしながら、この第2一次振動モードでは、第1コリオリ対(511+512)、第2コリオリ対(513+514)、第3コリオリ対(515+516)および第4コリオリ対(517+518)におけるそれぞれのアンカーポイントに対する振動位相は同じである。言い換えれば、振動周期の図示した瞬間では、すべてのコリオリマスがそれぞれの周囲アンカーポイントに同時に近づき、一方、振動周期の逆側(図示せず)では、すべてのコリオリマスはそれぞれの周囲アンカーポイントから遠ざかる。
図5dは、コリオリマスの第1セットおよび第2セットが第2一次振動モードで駆動され、次にジャイロスコープがそれぞれx軸および/またはy軸を中心とする角回転を受ける場合に生成されるx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードを示す。
x軸591に対する第5コリオリマス要素、第6コリオリマス要素、第7コリオリマス要素および第8コリオリマス要素の慣性モーメントはすべて、y1軸592に対する第1コリオリマス要素、第2コリオリマス要素、第3コリオリマス要素および第4コリオリマス要素の慣性モーメントと実質的に等しくてもよい。
図5bおよび図5dに示した二次振動モードを同期させるために、コリオリマスの第1セットおよび第2セットの周りにジンバル構造体が実装されてもよい。図5eは、コリオリマスの第1セットおよび第2セットを取り囲む周囲ジンバル構造体を備えるジャイロスコープを示す。周囲ジンバル構造体は、内側ジンバルフレーム551および外側ジンバルフレーム552を含む。外側ジンバルフレーム552は、第1ジンバル軸上のコリオリマスの第1セットの両側に並んだ2つのジンバルアンカーポイント(571、572)から2つのジンバルねじりバー(561、562)によって懸架される。第1ジンバル軸は、常にx軸またはy1軸のうちの一方であり、図示した場合はx軸591である。内側ジンバルフレーム551は、第2ジンバル軸上のコリオリマスの第2セットの両側に並んだ追加の2つのジンバルねじりバー(563、564)によって外側ジンバルフレーム552から懸架される。第2ジンバル軸は、常にx軸またはy1軸のうちの他方であるため、図示した場合はy1軸592である。内側ジンバルフレーム551は、第1ジンバル軸上に並んだコリオリ対(511+512および513+514)と、第2ジンバル軸上に並んだコリオリ対(515+516および517+518)とに取り付けられる。この取付けは、連結バー581〜584で示した。
第1中央懸架部533は、また、図5bおよび図5dにおけるマス512、513、516および517の同時に生じる面外運動を容易にするジンバル構造体であってもよい。そのような中央懸架構造体の例を以下に述べる。
図5bおよび図5dに示す二次振動モードは、代替的に、図5fが示すように周囲ジンバル構造体のないシングルフレーム55によって同期させることができる。この場合、シングルフレームは、コネクタ541〜544によって第1コリオリマス511、第4コリオリマス514、第5コリオリマス515および第8コリオリマス518に取り付けられてもよい。周囲の固定がなければ、シングルフレーム55は、図5eのジンバル構造体のように、z軸方向に生じる外部振動に対する余分な剛性をもたらさない。しかしながら、シングルフレームは、余分な表面積をほとんど占有することなく二次振動モードを同期させる。図5eおよび図5fに示したジンバル・フレーム構造体は、以下に述べる実施例のうちのいずれにも実装することができる。
(XYZ軸の実施形態)
図5aに示した、コリオリマスの第1セットおよび第2セットが第1一次振動モードで駆動されるXY実施形態は、コリオリマスの第1セットおよび第2セットが図6に示す第1z軸二次振動モードにも柔軟に順応するように中央懸架部および周囲懸架部を構成することによって、XYZジャイロスコープまで拡大適用することができる。参照番号611〜618および691〜692は、それぞれ図5aの参照番号511〜518および591〜592に対応する。この二次振動モードにおいて、コリオリマス612、613、616および617はすべて、図に示した方向に第1中心点に対して接線方向に動く。振動周期の逆半分では、これらのコリオリマスの各々は逆方向に動く。
次に、ジャイロスコープは、また、ジャイロスコープがz軸を中心とする角回転を受ける場合にコリオリ力によって引き起こされる第1z軸二次振動モードにおけるコリオリマス612、613、616および617の振動を検出するセンス変換器も備えるべきである。しかしながら、コリオリマス612、613、616および617の接線方向振動は、平行移動と回転運動との混合物になる場合があり、これにより、場合によっては、これらのマスの動きからz軸二次振動振幅を正確に検出することが困難になる可能性がある。したがって、追加の検出マス641〜644がジャイロスコープに加えられてもよい。検出マスの(第1中心点に対する)対角線方向の運動により、第1z軸二次振動モードの検出がより容易になる。
図示したジャイロスコープは、共に検出マスカルテットを形成する第1検出マス641と、第2検出マス642と、第3検出マス643と、第4検出マス644とを備え、検出マスカルテットは、休止位置において、ジャイロスコープ第1中心点を中心として対称に配置される。第1検出マス641および第2検出マス642は第1対角軸693上に並び、第1対角軸693は、横軸691および縦軸692と45度の角度で交差し、ジャイロスコープ第1中心点と交わる。第3検出マス643および第4検出マス644は第2対角軸694上に並び、第2対角軸694は、第1対角軸693と直交し、ジャイロスコープ第1中心点と交わる。1以上の横コーナーばね621〜624は、横方向に隣接するコリオリマスから各検出マス(それぞれ641〜644)まで延在する。1以上の縦コーナーばね631〜634は、縦方向に隣接するコリオリマスから各検出マス(それぞれ641〜644)まで延在する。
言い換えれば、第1横コーナーばね621および第4横コーナーばね624は、図6に示すように、第7コリオリマス617から、それぞれ第1検出マス641および第4検出マス644まで延在する。第2横コーナーばね622および第3横コーナーばね623は、第6コリオリマス616から、それぞれ第2検出マス642および第3検出マス643まで延在する。第1縦コーナーばね631および第3縦コーナーばね633は、第2コリオリマス612から、それぞれ第1検出マス641および第3検出マス643まで延在し、一方、第2縦コーナーばね632および第4縦コーナーばね634は、第3コリオリマス613から、それぞれ第2検出マス642および第4検出マス644まで延在する。
コリオリマス612、613、616および617が第1z軸二次振動モードで接線方向に振動する場合、この接線方向振動は、横コーナーばねおよび縦コーナーばねによって検出マスに伝達される。互いに逆の接線方向におけるプルーフマス612および616の振動により、検出マス643はジャイロスコープ第1中心点に向かって引っ張られ、一方、互いに逆方向のプルーフマス612および617の振動により、検出マス641はジャイロスコープ第1中心点から遠ざかるように引っ張られる。検出マス641〜644は、対角軸693および694に沿った動きを柔軟に容易にする構成で懸架することができる。コーナーばねによって与えられる横方向および縦方向の運動量は等しい(または、ほぼ等しい)ため、検出マスは、図6に示した方法で径方向振動で動くことができる。
1以上の横コーナーばねは、横方向に剛性を有し、縦方向に可撓性を有し、一方、縦コーナーばねは、縦方向に剛性を有し、横方向に可撓性を有する。言い換えれば、すべてのコーナーばねは、それらの寸法により、第1一次振動モードに柔軟に順応するために必要な径方向の可撓性を有するが、接線方向においては剛性がはるかに高い。
これは、コリオリマスの第1セットおよび第2セットの一次振動モードにより、検出マス641〜644は作動しないことを意味する。それどころか、検出マス641〜644は、ジャイロスコープがz軸を中心とする回転を受けない限り実質的に静止したままである。
各検出マスは、当該検出マスが並ぶ対角軸(693、694)上にある対角線上に配置されたアンカーポイント(図示せず)から懸架されてもよい。対角アンカーポイントは、例えば、当該検出マスに形成された開口部内に位置してもよい。縦コーナーばねおよび横コーナーばね(および/または、これらのばねをプルーフマスおよび検出マスに取り付ける締結部)は、x軸二次振動モードまたはy軸二次振動モードにおけるコリオリマス612、613、616および617の面外運動に順応するのに十分な垂直方向の可撓性(または、締結部の場合は、ねじれ可撓性)を示してもよく、一方、検出マス641〜644は、xy平面内にとどまっている。したがって、z軸二次モード測定は、同時に生じるx軸二次振動および/またはy軸二次振動で生じ得るプルーフマスの動きによって容易に妨害されない。
容量性センス変換器は、第1z軸二次振動モードにおける図示した径方向の動きを検出するために、1以上の検出マスの開口部内に、または1以上の検出マスに隣接して実装されてもよい。
図5cに示した、コリオリマスの第1セットおよび第2セットが第2一次振動モードで駆動されるXY実施形態は、コリオリマスの第1セットおよび第2セットが図7に示す第2z軸二次振動モードに柔軟に順応するように中央懸架部および周囲懸架部を構成することによって、XYZジャイロスコープまで拡大適用することができる。参照番号711〜718および791〜792は、それぞれ図5cの参照番号511〜518および591〜592に対応する。この第2z軸二次振動モードにおいて、コリオリマス712、713、716および717はすべて、第1中心点に対して同じ接線方向に動く。振動周期の逆半分では、これらのコリオリマスの各々は逆の接線方向に動く。容量性センス変換器は、第2z軸二次振動モードにおける動きを検出するために、コリオリマス712、713、716および717の開口部内に、またはこれらのコリオリマスのうちの1以上に隣接して実装されてもよい。図6の641〜644などの追加の検出マスを利用し、それらにセンス変換器を連結することも、図7において可能であろう。
(両面の実施形態)
図8aおよび図8bに示す両面構造体を用いて、さらなる安定性およびロバスト性を得ることができる。ここで、参照番号811〜818および891〜892は、それぞれ図5aの参照番号511〜518および591〜592に対応する。さらに、図3aおよび図4aに示した周囲懸架部は、図8a〜図8bに示した任意のコリオリ対に実装することができ、図5aに示した周囲ジンバル構造体は、以下に述べるコリオリマス811〜818の第1セットおよび第2セットの周りに、またはコリオリマスの第3セットおよび第4セットの周りに実装されてもよい。
図8a〜図8bは、休止位置において縦y2軸893の第1側のx軸上に並んだ第5コリオリ対を共に形成する第9コリオリマス821および第10コリオリマス822を含むコリオリマスの第3セットを備えるジャイロスコープを示す。第10コリオリマス822は、第9コリオリマス821よりもy2軸893側である。x軸891は、第2中心点でy2軸893と直交する。コリオリマスの第3セットは、さらに、休止位置においてy2軸893の第2側のx軸891上に並んだ第6コリオリ対を共に形成する第11コリオリマス823および第12コリオリマス824を含む。第11コリオリマス823は、第12コリオリマス824よりもy2軸893側である。y2軸の第2側は、第1側と反対である。第9コリオリマス821は、任意選択で、横同期バー83によって第4コリオリマス814に連結されてもよい。
ジャイロスコープは、さらに、休止位置においてx軸891の第1側のy2軸893上に並んだ第7コリオリ対を共に形成する第13コリオリマス825および第14コリオリマス826を含むコリオリマスの第4セットを備える。第14コリオリマス826は、第13コリオリマス825よりもx軸891側である。コリオリマスの第4セットは、さらに、休止位置においてx軸891の第2側のy2軸893上に並んだ第8コリオリ対を共に形成する第15コリオリマス827および第16コリオリマス828を含む。第15コリオリマス827は、第16コリオリマス828よりもy2軸893側である。
ジャイロスコープは、また、y2軸893の第1側の第5周囲アンカーポイントセットと、第5周囲アンカーポイントセットから第5コリオリ対を懸架する第5周囲懸架部と、y2軸893の第2側の第6周囲アンカーポイントセットと、第6周囲アンカーポイントセットから第6コリオリ対を懸架する第6周囲懸架部とを備える。ジャイロスコープは、また、x軸891の第1側の第7周囲アンカーポイントセットと、第7周囲アンカーポイントセットから第7コリオリ対を懸架する第7周囲懸架部と、x軸891の第2側の第8周囲アンカーポイントセットと、第8周囲アンカーポイントセットから第8コリオリ対を懸架する第8周囲懸架部とを備える。
第5周囲アンカーポイントセット、第6周囲アンカーポイントセット、第7周囲アンカーポイントセットおよび第8周囲アンカーポイントセットは、上記図2aおよび図5aの場合と同じ方法で単一のアンカーポイントを用いて図8a〜図8bに示す。図2aに関連して言及し、図3aおよび図4aに実際示したように、これらの周囲アンカーポイントセットは、各場合において、1つを超えるアンカーポイントを含んでもよい。これは、図8a〜図8bに示すセットにも適用される。
図8a〜図8bに示したジャイロスコープは、さらに、実質的に第2中心点に位置する1以上の第2中央アンカーポイント84から第5コリオリ対、第6コリオリ対、第7コリオリ対および第8コリオリ対を懸架する第2中央懸架部を備える。第2中央懸架部と、第5周囲懸架部、第6周囲懸架部、第7周囲懸架部および第8周囲懸架部とは、一次振動モードならびにx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードに柔軟に順応する。明瞭さを保つために、第2中央懸架部は、図2aおよび図5aの第1中央懸架部と同じ概略的な方法で図8a〜図8bに示す。図2aに関連して言及したように、1つを超える中央アンカーポイントが存在してもよい。これは、図8a〜8bに示すセットにも適用される。
図8a〜8bに示したように、一次振動モードにおいて、コリオリマスの第3セットは、第9コリオリマス821および第12コリオリマス824が第2中心点に向かってx軸に沿って線形平行移動で動くと、第10コリオリマス822および第11コリオリマス823は第2中心点から遠ざかるようにx軸891に沿って線形平行移動で動き、その逆も同様である(図8a〜図8bに示す振動周期の一部である)ように振動する。一次振動モードにおいて、第4セットコリオリマスは、第13コリオリマス825および第16コリオリマス828が第2中心点に向かってy2軸893に沿って線形平行移動で動くと、第14コリオリマス826および第15コリオリマス827は第2中心点から遠ざかるようにy2軸893に沿って線形平行移動で動き、その逆も同様であるように振動する。
y軸二次振動モードにおいて、コリオリマスの第3セットは、第9コリオリマス821、第10コリオリマス822、第11コリオリマス823および第12コリオリマス824が垂直運動を受け、第10コリオリマス822および第12コリオリマス824が下がると、第9コリオリマス821および第11コリオリマス823が上がり、その逆も同様であるように振動する。この動きは、図2dのマスの第1セットの動きに対応し、ここでは別に示していない。
x軸二次振動モードにおいて、コリオリマスの第4セットは、第13コリオリマス825、第14コリオリマス826、第15コリオリマス827および第16コリオリマス828が垂直運動を受け、第14コリオリマス826および第16コリオリマス828が下がると、第13コリオリマス825および第15コリオリマス827が上がり、その逆も同様であるように振動する。
一次振動モードにおいて、第4コリオリマス814が第1中心点に近づくと、第9コリオリマス821は常に第2中心点から遠ざかり、その逆も同様である。図8aおよび図8bは、第1一次振動モードおよび第2一次振動モードを示す。図8aにおいて、第9コリオリマス821が第2中心点に近づくと、第13コリオリマス825は第1中心点から遠ざかり、その逆も同様である。図8bでは、第13コリオリマス825および第9コリオリマス821は、同時に第2中心点から遠ざかり、そして第2中心点に近づく。
言い換えれば、図5aに導入された第1一次振動モードは、図8aが示すような、コリオリマスの第1セットおよび第2セットと、コリオリマスの第3セットおよび第4セットとに同時に用いることができる。次に、マス826および827が第2中心点から遠ざかると、マス822および823は第2中心点に近づき、その逆も同様である。これは、中央アンカーポイントに対する差動振動と呼ばれてもよく、同じ差動振動が、外側マス821、824、825および828にも(逆位相で)生じる。
差動振動は、図8aが示すように、マス811〜818の第1セットおよび第2セットにおいても同様に生じる。この場合、マス814および821は、横方向に剛性を有する(しかし縦方向には可撓性を有してもよい)横同期バー83によって連結されているため、これらの2つのマスは常に、同じ横方向(図の左または右)に動く。これにより、第1一次振動モードは、ジャイロスコープの左側の各マス811〜818がジャイロスコープの右側の対応するマス821〜828を有しているという場合、互いに対応するマスが常にそれぞれの中央アンカーポイントに対して逆位相に動くように同期する。例えば、821が第2中心点から遠ざかると、811は第1中心点に近づき、822が第2中心点に近づくと、812は第1中心点から遠ざかり、828が第2中心点に近づくと、818は第1中心点から遠ざかるなどである。
コリオリマスの第1セット、第2セット、第3セットおよび第4セットが、第1一次振動モードで駆動され、次にジャイロスコープがx軸および/またはy軸を中心とする角回転を受ける場合に生成されるx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードは、第1セットおよび第2セットに関する限り、図5bに示したモードに対応し、一方、第3セットおよび第4セットの各マスはそれぞれ、x軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードにおいて、第1セットおよび第2セットの対応するマスとは逆の垂直方向に同時に振動する。
この逆位相振動は、前の段落に述べた論理に従うものであって、この同期の1つの結果として、ジャイロスコープがy軸を中心とする回転を受けたとき、図8aのマス814および821は同じ垂直方向に動くことが注目されてもよい。任意選択の横同期バー83は、y軸二次振動モードにおけるこれらの2つのマスの動きも同期させるように垂直方向に剛性を有してもよい。さらに、以下に図12において示すように、マス815、818は、シーソーによってそれぞれマス825および828に連結されてもよく、そのシーソーは、x軸二次振動モードにおけるそれらの動きを同期させる。825が下がると、815は上がり、その逆も同様である。マス818および828も同様に動く。
上述したように、図8bにおいて、第13コリオリマス825および第9コリオリマス821は、同時に第2中心点から遠ざかり、そして第2中心点に近づく。
言い換えれば、図5cに導入された第2一次振動モードは、図8bが示すような、コリオリマスの第1セットおよび第2セットと、コリオリマスの第3セットおよび第4セットとに同時に用いることができる。このモードでは、マス822、823、826および827はすべて、同時に第2中心点に近づき、そして第2中心点から遠ざかる。これは中央アンカーポイントに対する心拍振動と呼ばれてもよく、同じ心拍振動が、外側マス821、824、825および828にも(逆位相で)生じる。
心拍振動はまた、図8bが示すように、マス811〜818の第1セットおよび第2セットにも同様に生じる。マス814および821は、ここでも再び、横方向に剛性を有する任意選択の横同期バー83によって連結され、これは、これらの2つのマスが常に同じ横方向(図の左または右)に動くことを意味する。これにより、第2一次振動モードは、ジャイロスコープの左側の各マス811〜818がこの場合もジャイロスコープの右側のマス821〜828に対応しているという場合、互いに対応するマスが常にそれぞれの中央アンカーポイントに対して逆位相に動くように同期する。
コリオリマスの第1セット、第2セット、第3セットおよび第4セットが、第2一次振動モードで駆動され、次にジャイロスコープがx軸および/またはy軸を中心とする角回転を受ける場合に生成されるx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードは、第1セットおよび第2セットに関する限り、図5dに示したモードに対応する。図8aの場合のように、第3セットおよび第4セットの各マスはそれぞれ、図8bでも、x軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードにおいて、第1セットおよび第2セットの対応するマスとは逆の垂直方向に同時に振動する。したがって、ジャイロスコープがy軸を中心とする回転を受けたとき、マス814および821は、図8bでも同じ垂直方向に動く。
y2軸に対する第10コリオリマスの慣性モーメントにy2軸に対する第11コリオリマスの慣性モーメントを加えたものは、y2軸に対する第9コリオリマスの慣性モーメントにy2軸に対する第12コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと等しくてもよい。
x軸に対する第14コリオリマスの慣性モーメントにx軸に対する第15コリオリマスの慣性モーメントを加えたものは、x軸に対する第13コリオリマスの慣性モーメントにx軸に対する第16コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと等しくてもよい。
y1軸に対する第1コリオリマス、第2コリオリマス、第3コリオリマスおよび第4コリオリマスの慣性モーメントと、x軸に対する第5コリオリマス、第6コリオリマス、第7コリオリマスおよび第8コリオリマスの慣性モーメントと、y2軸に対する第9コリオリマス、第10コリオリマス、第11コリオリマスおよび第12コリオリマスの慣性モーメントと、x軸に対する第13コリオリマス、第14コリオリマス、第15コリオリマスおよび第16コリオリマスの慣性モーメントとは、すべて実質的に等しくてもよい。
より一般的には、(1)y1軸に対する第2コリオリマスの慣性モーメントにy1軸に対する第3コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、(2)y1軸に対する第1コリオリマスの慣性モーメントにy1軸に対する第4コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、(3)x軸に対する第6コリオリマスの慣性モーメントにx軸に対する第7コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、(4)x軸に対する第5コリオリマスの慣性モーメントにx軸に対する第8コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、(5)y2軸に対する第10コリオリマスの慣性モーメントにy2軸に対する第11コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、(6)y2軸に対する第9コリオリマスの慣性モーメントにy2軸に対する第12コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、(7)x軸に対する第14コリオリマスの慣性モーメントにx軸に対する第15コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、(8)x軸に対する第13コリオリマスの慣性モーメントにx軸に対する第16コリオリマスの慣性モーメントを加えたものとの8つが、実質的に等しくてもよい。
図8aおよび図8bに示したx軸およびy軸の実施形態は、上記にて図6において説明した方法でz軸ジャイロスコープまで拡大適用することができる。これについては、以下に図12の実施例を参照してより詳細に説明する。
(実施例)
図9aは、上で述べた特徴のうちのいくつかが実装された第1構造体例を示す。ジャイロスコープは、x軸、y軸およびz軸を中心とする角回転速度の測定に適しているが、図示した要素を、これらの軸のうちの1つを中心とする回転を測定するためだけに実装することもできるであろう。このことは、以下で述べる他のすべての例にも適用される。参照番号911〜918および921〜925は、それぞれ図5aの参照番号511〜518および521〜525に対応する。さらに、参照番号911〜914、921〜922、941〜944および95は、それぞれ図3aの参照番号311〜314、321〜322、341〜344および35に対応し、図3aに示したものと同じ周囲懸架部が、第3コリオリ対915+916および第4コリオリ対917+918に対しても実装された。最後に、参照番号931〜934、951〜954および971〜974は、それぞれ図6の参照番号631〜634、641〜644および621〜624に対応する。このジャイロスコープ例は、図5aに示した第1一次振動モードで駆動することができる。対応するx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードは図5bに示し、対応する第1z軸二次振動モードは図6に示した。
連結ばね95と、シーソー941〜944をアンカーポイント921〜922に取り付ける固定ばねとは、図3bおよび図3cが示す一次振動運動を容易にするのに十分な面内可撓性を有する。y軸二次振動モードにおいて、シーソー941〜944の傾きにより、第2コリオリマスおよび第4コリオリマスが下がると第1コリオリマスおよび第3コリオリマスが上がり、その逆も同様である、上記同時に生じる垂直運動が容易になる。この運動は、図2dに示した方法で中央懸架構造体933によって同期する。
中央懸架構造体は、第1中央アンカーポイント923の周りに構成された中央ジンバル構造体9331を含む。このジンバル構造体は、x軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードを同時に容易にするために必要である。ジャイロスコープがこれらの二次振動モードのうちの一方のみを測定する場合、中央懸架構造体は、図2dが示すように、代わりにシーソー構造体にすることができるであろう。中央懸架構造体は、また、一次振動モードならびにy軸二次振動モードおよびx軸二次振動モードにおけるマス要素912、913、916および917の動きに順応し、それらの動きを同期させる中央同期構造体を含む。中央同期構造体は、面内可撓性ばねによって当該マス要素および互いに連結される4つのコーナー要素9332を含み、面内可撓性ばねは、マス要素が一次振動で動く際、コーナー要素が互いに対して回転することを可能にする。縦バー9333は、コーナー要素9332を、中央アンカーポイント923からジンバルを懸架するねじりばねに連結する。バーは、できるだけ剛性を有することが好ましいが、一次振動を駆動し、制御する駆動構造体のための便利な開口部を残すべきである。コーナー要素9332と、それらを共に連結するばねとは、垂直方向に剛性を有し、中央ジンバル構造体を介してx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードの同期を容易にする。
より一般的には、図5aまたは図8aに示した第1一次振動モードが用いられる任意の実施形態では、中央懸架構造体は、対応する中央アンカーポイントに固定され、かつ対応する各内側コリオリマスに結合される対称閉パターンをデバイス面内に有する懸架部を各中心点の周りに含んでもよく、その結果、対称閉パターンは、横軸上で容易に収縮し、それとマッチして、対応する縦軸上で強制的に拡張され、その逆も同様である。
内側コリオリマス912〜913および916〜917の各々は、駆動変換器、求積補償変換器および/または一次センス変換器が配置されてもよい2つの開口部を有する。第1z軸二次振動モードで作動する検出マス951〜954も、センス変換器、モードマッチング変換器および/またはフォースフィードバック変換器が配置されてもよい開口部を有する。これらのマスが懸架される対角アンカーポイント961も、そのような開口部内に位置する。x軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードにおけるコリオリマス911〜918の動きを検出するセンス変換器は図示していないが、それらは、各コリオリマスの上方および/または下方に、例えばジャイロスコープがパッケージ化される筐体の内壁上または基板上に配置されてもよい。
図9bは、連結ばね95をより詳細に示す。この例において、連結ばね95は、y軸方向に比較的広くありつつ、x軸方向に蛇行形状を有する。これにより、連結ばねは、第6コリオリマス916から横シーソー944および第5コリオリマス915に駆動振動運動(この場合、y軸に沿った動きである)を効率的に伝達することができると同時に、これらの要素が駆動振動において互いに対してデバイス面内で回転する、また、例えば図5bに示したx軸二次振動モードにおいてデバイス面外に回転することを依然として可能にする。この動きを容易にする他の多くの形状も、連結ばね95において可能である。これらの考慮事項は、図9a〜図9bに示す周囲懸架構造体が用いられるすべての実施形態に適用される。
図9cは、容量性変換器がどのようにコリオリマス、検出マスおよび中央懸架構造体の開口部に実装され得るのかを示す。これらの変換器は、一次振動の生成、二次振動もしくは一次振動の検出、または他の目的のために用いられてもよい。変換器は、本開示において述べる任意の実施例のデバイスに同様の方法で実装することができる。
図10aは、第2構造体例を示す。このジャイロスコープも、x軸、y軸およびz軸を中心とする角回転速度の測定に適している。参照番号1012〜1013、1016〜1017および1021〜1022は、それぞれ図5aの参照番号512〜513、516〜517および521〜522に対応する。参照番号10111および10112は共に、図5aの511に対応し、10141および10142は共に514に対応し、10151および10152は共に515に対応し、10181および10182は共に518に対応する。言い換えれば、図4aに示した周囲懸架構造体がこの構造体に実装され、その結果、参照番号10111、10112、1041、105および107は、それぞれ図4aの参照番号4111、4112、441、45および47に対応し、構造体内の他のコリオリ対の各々は、対応する周囲懸架構造体から懸架される。
さらに、周囲ジンバルがこの構造体に実装され、その結果、参照番号1051〜1052、1063〜1064および1071〜1072は、それぞれ図5eの参照番号551〜552、563〜564および571〜572に対応する。あるいは、このジャイロスコープは、周囲ジンバル構造体なしで実装することができるであろう。検出マスは、図10aに示す構造体にも存在する。このジャイロスコープ例は、図5aに示した第1一次振動モードで駆動することができる。対応するx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードは図5bに示し、対応する第1z軸二次振動モードは図6に示した。
連結ばね105および内側バー1041〜1044は、図3bおよび図3cが示す一次振動運動を容易にするのに十分な面内可撓性を有する。y軸二次振動モードにおいて、各外側コリオリマスの第1部分および第2部分(10111+10112、10141+10142、10151+10152および10181+10182)の傾きにより、第2コリオリマスおよび第4コリオリマスが下がると第1コリオリマスおよび第3コリオリマスが上がり、その逆も同様である、上記同時に生じる垂直運動が容易になる。この運動は、この場合も中央懸架構造体によって同期する。
中央懸架構造体は、ここでも第1中央アンカーポイントの周りに構成された中央ジンバル構造体10331を含む。中央懸架構造体は、また、一次振動モードならびにy軸二次振動モードおよびx軸二次振動モードにおけるマス要素1012、1013、1016および1017の動きに順応し、それらの動きを同期させる中央同期構造体を含む。この中央同期構造体は、また、面内可撓性ばねによって当該マス要素および互いに連結される4つのコーナー要素10332を含み、面内可撓性ばねは、マス要素が一次振動で動く際、コーナー要素が互いに対して回転することを可能にする。コーナー要素10332と、それらを共に連結するばねとは、垂直方向に剛性を有し、中央ジンバル構造体を介してx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードの同期を容易にする。
図10bは、連結ばね105および連結ばね107をより詳細に示す。図示した場合では、連結ばね105は、単に、y軸方向に延在し、かつ垂直の動きとy軸に沿った動きとを第6コリオリマス1016および内側バー1043から第5コリオリマス10151の第1部分まで伝達する直線ばねである。連結ばねは、(図4bおよび図4cに示すような)デバイス面内およびデバイス面外の両方におけるシーソー10151の回転を容易にするのに十分な面内可撓性およびねじれ可撓性を有する。内側バー1043は、曲がらないように垂直運動および面内運動の両方を伝達してもよい。
連結ばね107は、(一次振動の)デバイス面内および(図4a〜図4cを参照して上述したような二次振動モードの)デバイス面外の両方における2つの部分10151および10152の互いに対する回転を容易にするべきである。図示した連結ばね107は、これらの動きの両方を共に容易にする2つの矩形側部を含む。特定された動きを容易にする他の多くの形状も、連結ばね105および連結ばね107において可能である。これらの考慮事項は、図10a〜図10bに示す周囲懸架構造体が用いられるすべての実施形態に適用される。
図10cは、外側コリオリマスの周りに単純なフレーム109を備えた第2構造体例を示す。これは図5fに示した構造体に対応し、参照番号109は図5fの55に対応する。
図11aは、第3構造体例を示す。このジャイロスコープも、x軸、y軸およびz軸を中心とする角回転速度の測定に適している。参照番号1111〜1118は、それぞれ図5cの参照番号511〜518に対応する。このジャイロスコープ例は、図5cに示した第2一次振動モードで駆動することができる。対応するx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードは図5dに示し、対応する第2z軸二次振動モードは図7に示した。このジャイロスコープに実装された周囲懸架構造体は、図9aの場合と同じあるため、さらには説明しない。
図11bは、図11aに用いられた中央懸架構造体をより詳細に示す。中央懸架構造体は、上で示したx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードにおける中央懸架構造体の回転を容易にするために中央ジンバル構造体1131を含む。中央懸架構造体は、また、中央同期構造体を含む。中央同期構造体のすべての部品は、x軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードが中央ジンバルを介して有効に同期するように垂直方向に剛性を有する。
中央懸架構造体は、中央ジンバル構造体から対角線方向、すなわち図6の対角軸693および694によって定義された方向に外側に向かって延在する4つの剛性支持部1132を含む。各剛性支持部は、径方向には可撓性を有するが、接線方向には剛性を有する第1同期ばね1151に連結され、第1同期ばね1151は、一次振動モードにおけるコリオリマス1112〜1113および1116〜1117の同時に生じる外側および内側に向かう動きに柔軟に順応する。接線方向には可撓性を有するが径方向には剛性を有する2つの第2同期ばね1152が、第1同期ばね1151から隣接するコリオリマスの各々まで延在する。例えば、第1同期ばね1151の2つの端部は、第2同期ばねによってそれぞれコリオリマス1112および1116に連結される。第2同期ばねは、第2z軸二次振動モードにおけるコリオリマス1112〜1113および1116〜1117の同時に生じる接線方向の動きに柔軟に順応する。
コリオリマス1112〜1113および1116〜1117は、図11a〜図11bにおいて、追加の中間懸架構造体によって支持される。4つの対角アンカーポイント1126が、第1対角軸および第2対角軸上に第1中心点に対して対称に配置される。径方向サスペンダ1141は、これらの対角アンカーポイント1126の各々から外側に向かって延在する。これらの径方向サスペンダは、コリオリマス1112〜1113および1116〜1117を取り囲むサスペンダフレーム1142に連結される。径方向サスペンダは、径方向には剛性を有するが接線方向には可撓性を有するため、第2z軸二次振動モードにおけるコリオリマス1112〜1113および1116〜1117の同時に生じる接線方向の動きに柔軟に順応する。サスペンダフレームは、第2z軸二次振動モードにおいて第1中心点を中心に回転し、コリオリマスの接線モードを同期させる。図11aおよび図11bに示した中央懸架構造体は、図9aおよび図10aに示したジャイロスコープにも実装することができるであろう。
より一般的には、図5cまたは図8bに示した第2一次振動モードが用いられる任意の実施形態では、中央懸架構造体は、対応する各内側コリオリマスに結合され、かつ当該内部コリオリマスが中心点に向かって、および中心点から遠ざかるように径方向に同時に動くことを可能にする懸架部を各中心点の周りに含んでもよい。ジャイロスコープは、z軸二次振動モードにおける接線方向の動きに対して内側コリオリマス同士を結合する追加の懸架構造体を備えてもよい。
図12は、第4構造体例を示す。参照番号1291〜1293は、図8aおよび図8bの参照番号891〜893に対応する。先の例のように、このジャイロスコープも、x軸、y軸およびz軸を中心とする角回転速度の測定に適している。参照番号1211〜1214および1221〜1228は、それぞれ図8aおよび図8bの参照番号811〜814および821〜828に対応する。中央懸架構造体は、図9aに示したものに対応し、その結果、図12に示すジャイロスコープは、図8aに示した第1一次振動モードで駆動されてもよい(しかし、この構成は、第2一次振動モードでの駆動を容易にしない)。しかしながら、図12に示す中央懸架構造体は、図11aおよび図11bに示した中央懸架構造体に置き換えることができると考えられ、これにより、図8bに示す第2一次振動モードでの駆動が容易になるであろう(この構成は、今度は第1一次振動モードでの駆動を容易にしないであろう)。図12に示す他のすべての構造体は、これらの2つの中央懸架構造体のどちらとも一緒に用いることができる。
図12において、参照番号1241〜1248は、第1周囲アンカーポイントセットから第8周囲アンカーポイントセットを示し、一方、参照番号127は、図6を参照して上述した方法でz軸二次振動モードを測定するために使用することができる検出マスを示す。図12に示すように、4つの検出マスが第1コリオリ対および第2コリオリ対に結合され、4つの検出マスが第3コリオリマス対および第4コリオリマス対に結合されてもよい。
図12は、さらに、x軸1291の両側の縦y3軸1294上にある第1シーソーアンカーポイント1251および第2シーソーアンカーポイント1252を示す。y軸1294は、y1軸1292とy2軸1293との略中間にある。第1横周囲シーソー1261は、実質的にその中点でねじりバーによって第1シーソーアンカーポイント1251に連結され、そのねじりバーは、第1横周囲シーソー1261がy3軸1294を中心に回転することを可能にする。第1横周囲シーソー1261の端部は、第5コリオリマス1215および第13コリオリマス1225に連結される。
第2横周囲シーソー1262は、実質的にその中点でねじりバーによって第2シーソーアンカーポイント1252に連結され、そのねじりバーは、第2横周囲シーソー1262がy3軸1294を中心に回転することを可能にする。第2横周囲シーソー1262の端部は、第8コリオリマス1218および第16コリオリマス1228に連結される。
x軸二次振動モードにおいて、第5コリオリマス1215および第13コリオリマス1225は、(どの一次振動モードが駆動されているかにかかわらず)互いに逆の垂直方向に動く。第8コリオリマスおよび第16コリオリマスも、互いに逆の垂直方向に動く。そのため、第1横周囲シーソー1261は、第3コリオリ対および第7コリオリ対の振動を同期させることができ、第2横周囲シーソー1262は、この二次振動モードにおける第4コリオリ対および第8コリオリ対の振動を同期させることができる。中央懸架構造体は、また、この振動モードにおいて、第3コリオリ対と第4コリオリ対との間の、および第7コリオリ対と第8コリオリ対との間の結合要素および同期要素として機能してもよい。
第1横周囲シーソー1261および第2横周囲シーソー1262は、垂直方向に剛性を有してもよいが、一次振動モードにおけるマス要素1215、1225、1218および1228の動きに柔軟に順応するのに十分な面内可撓性を有してもよい。

Claims (12)

  1. 休止位置において、横x軸および縦y1軸によって定義された水平xy平面内にあるコリオリマスの第1セットを備える微小電気機械ジャイロスコープであって、前記x軸は、第1中心点で前記y1軸と直交し、垂直z軸は、前記第1中心点で前記x軸および前記y1軸の両方と直交し、
    前記コリオリマスの第1セットは、休止位置において前記y1軸の第1側の前記x軸上に並んだ第1コリオリ対を共に形成する第1コリオリマスおよび第2コリオリマスを含み、前記第2コリオリマスは、前記第1コリオリマスよりも前記y1軸側にあり、
    前記コリオリマスの第1セットは、休止位置において前記y1軸の第2側の前記x軸上に並んだ第2コリオリ対を共に形成する第3コリオリマスおよび第4コリオリマスを含み、前記第3コリオリマスは、前記第4コリオリマスよりも前記y1軸側にあり、前記y1軸の第2側は、第1側と反対であり、
    前記ジャイロスコープは、また、前記y1軸の第1側の第1周囲アンカーポイントセットと、前記第1周囲アンカーポイントセットから前記第1コリオリ対を懸架する第1周囲懸架部とを備え、前記ジャイロスコープは、また、前記y1軸の第2側の第2周囲アンカーポイントセットと、前記第2周囲アンカーポイントセットから前記第2コリオリ対を懸架する第2周囲懸架部とを備え、前記ジャイロスコープは、さらに、実質的に前記第1中心点に位置する1以上の第1中央アンカーポイントから前記第1コリオリ対および前記第2コリオリ対の両方を懸架する第1中央懸架部を備え、
    前記ジャイロスコープは、さらに、前記第1コリオリ対および前記第2コリオリ対を一次振動モードで作動させる1以上の駆動変換器と、前記ジャイロスコープが前記y1軸と平行な軸を中心とする角回転を受ける場合にコリオリ力によって引き起こされるy軸二次振動モードにおける前記第1コリオリ対および前記第2コリオリ対の振動を検出する1以上のy軸センス変換器とを備え、前記第1中央懸架部と、前記第1周囲懸架部および前記第2周囲懸架部とは、前記一次振動モードおよび前記y軸二次振動モードに柔軟に順応し、
    前記一次振動モードにおいて、前記コリオリマスの第1セットは、前記第1コリオリマスおよび前記第4コリオリマスが前記第1中心点に向かって前記x軸に沿って線形平行移動で動くと、前記第2コリオリマスおよび前記第3コリオリマスは前記第1中心点から遠ざかるように前記x軸に沿って線形平行移動で動き、その逆も同様であるように振動し、
    前記y軸二次振動モードにおいて、前記コリオリマスの第1セットは、前記第1コリオリマス、前記第2コリオリマス、前記第3コリオリマスおよび前記第4コリオリマスが垂直運動を受け、前記第2コリオリマスおよび前記第4コリオリマスが下がると、前記第1コリオリマスおよび前記第3コリオリマスは上がり、その逆も同様であるように振動する
    微小電気機械ジャイロスコープ。
  2. 前記y1軸に対する前記第2コリオリマスの慣性モーメントに前記y1軸に対する前記第3コリオリマスの慣性モーメントを加えたものは、前記y1軸に対する前記第1コリオリマスの慣性モーメントに前記y1軸に対する前記第4コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと実質的に等しい
    請求項1に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  3. 前記y1軸に対する前記第1コリオリマス、前記第2コリオリマス、前記第3コリオリマスおよび前記第4コリオリマスの慣性モーメントは、すべて実質的に等しい
    請求項2に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  4. 前記第1周囲アンカーポイントセットは、前記x軸から実質的に等距離で前記x軸の両側に配置された2つの第1周囲アンカーポイントを含み、前記第1周囲懸架部は、2つの第1縦シーソーを含み、前記x軸側の端部である各第1縦シーソーの近位端は、前記第2コリオリマスに連結され、前記近位端よりも前記x軸から離れた各第1縦シーソーの遠位端は、前記第1コリオリマスに連結され、
    前記第2周囲アンカーポイントセットは、前記x軸から実質的に等距離で前記x軸の両側に配置された2つの第2周囲アンカーポイントを含み、前記第2周囲懸架部は、2つの第2縦シーソーを含み、前記x軸側の端部である各第2縦シーソーの近位端は、前記第3コリオリマスに連結され、前記近位端よりも前記x軸から離れた各第2縦シーソーの遠位端は、前記第4コリオリマスに連結される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  5. 前記第1周囲アンカーポイントセットは、前記x軸から実質的に等距離で前記x軸の両側に配置された2つの第1周囲アンカーポイントを含み、前記第1周囲懸架部は、前記第2コリオリマスに連結された垂直方向に剛性を有する第1縦内側バーを含み、前記第1コリオリマスは、第1部分と第2部分とを含み、前記第1内側バーの第1端部は、前記第1コリオリマスの第1部分の第1端部に連結され、前記第1内側バーの第2端部は、前記第1コリオリマスの第2部分の第1端部に連結され、当該第1部分の第2端部は、横方向に可撓性を有する連結ばねによって当該第2部分の第2端部に連結され、前記第1コリオリマスの当該第1部分および第2部分は、ねじれ可撓性を有する横向きの懸架ばねによってそれぞれの第1周囲アンカーポイントから懸架され、
    前記第2周囲アンカーポイントセットは、前記x軸から実質的に等距離で前記x軸の両側に配置された2つの第2周囲アンカーポイントを含み、前記第2周囲懸架部は、前記第3コリオリマスに連結された垂直方向に剛性を有する第2縦内側バーを含み、前記第4コリオリマスは、第1部分と第2部分とを含み、前記第2内側バーの第1端部は、前記第4コリオリマスの第1部分の第1端部に連結され、前記第2内側バーの第2端部は、前記第4コリオリマスの第2部分の第1端部に連結され、前記第4コリオリマスの第1部分の第2端部は、横方向に可撓性を有する連結ばねによって前記第4コリオリマスの第2部分の第2端部に連結され、前記第4コリオリマスの第1部分および第2部分は、ねじれ可撓性を有する横向きの懸架ばねによってそれぞれの第2周囲アンカーポイントから懸架される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  6. 前記ジャイロスコープは、さらに、コリオリマスの第2セットを備え、前記第2セットは、休止位置において前記x軸の第1側の前記y1軸上に並んだ第3コリオリ対を共に形成する第5コリオリマスおよび第6コリオリマスを含み、前記第6コリオリマスは、前記第5コリオリマスよりも前記x軸側にあり、
    前記コリオリマスの第2セットは、さらに、休止位置において前記x軸の第2側の前記y1軸上に並んだ第4コリオリ対を共に形成する第7コリオリマスおよび第8コリオリマスを含み、前記第7コリオリマスは、前記第8コリオリマスよりも前記x軸側にあり、前記x軸の第2側は、第1側と反対であり、
    前記ジャイロスコープは、また、前記x軸の第1側の第3周囲アンカーポイントセットと、前記第3周囲アンカーポイントセットから前記第3コリオリ対を懸架する第3周囲懸架部とを備え、前記ジャイロスコープは、また、前記x軸の第2側の第4周囲アンカーポイントセットと、前記第4周囲アンカーポイントセットから前記第4コリオリ対を懸架する第4周囲懸架部とを備え、前記第1中央懸架部は、前記第1中央アンカーポイントから前記第3コリオリ対および前記第4コリオリ対の両方を懸架し、
    前記1以上の駆動変換器は、また、前記第3コリオリ対および前記第4コリオリ対を前記一次振動モードで作動させ、前記ジャイロスコープは、前記ジャイロスコープが前記x軸を中心とする角回転を受ける場合にコリオリ力によって引き起こされるx軸二次振動モードにおける前記第3コリオリ対および前記第4コリオリ対の振動を検出する1以上のx軸センス変換器を備え、前記第1中央懸架部と、前記第3周囲懸架部および前記第4周囲懸架部とは、前記一次振動モードおよび前記x軸二次振動モードに柔軟に順応し、
    前記一次振動モードにおいて、前記コリオリマスの第2セットは、前記第5コリオリマスおよび前記第8コリオリマスが前記第1中心点に向かって前記y1軸に沿って線形平行移動で動くと、前記第6コリオリマスおよび前記第7コリオリマスは前記第1中心点から遠ざかるように前記y1軸に沿って線形平行移動で動き、その逆も同様であるように振動し、
    前記一次振動モードにおいて、前記第1コリオリマスが前記第1中心点に近づくと、前記第5コリオリマスは前記第1中心点から遠ざかり、その逆も同様であるか、または、前記第5コリオリマスおよび前記第1コリオリマスは、同時に前記第1中心点から遠ざかり、そして前記第1中心点に近づき、
    前記x軸二次振動モードにおいて、前記コリオリマスの第2セットは、前記第5コリオリマス、前記第6コリオリマス、前記第7コリオリマスおよび前記第8コリオリマスが同時に生じる垂直平行移動を受け、前記第6コリオリマスおよび前記第8コリオリマスが下がると、前記第5コリオリマスおよび前記第7コリオリマスは上がり、その逆も同様であるように振動する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  7. 前記y1軸に対する前記第2コリオリマスの慣性モーメントに前記y1軸に対する前記第3コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、
    前記y1軸に対する前記第1コリオリマスの慣性モーメントに前記y1軸に対する前記第4コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、
    前記x軸に対する前記第6コリオリマスの慣性モーメントに前記x軸に対する前記第7コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、
    前記x軸に対する前記第5コリオリマスの慣性モーメントに前記x軸に対する前記第8コリオリマスの慣性モーメントを加えたものとは、実質的に等しい
    請求項6に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  8. 前記y1軸に対する前記第1コリオリマス、前記第2コリオリマス、前記第3コリオリマスおよび前記第4コリオリマスの慣性モーメントと、前記x軸に対する前記第5コリオリマス、前記第6コリオリマス、前記第7コリオリマスおよび前記第8コリオリマスの慣性モーメントとは、すべて実質的に等しい
    請求項7に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  9. 前記ジャイロスコープは、前記コリオリマスの第1セットおよび第2セットを取り囲む周囲ジンバル構造体を備え、前記周囲ジンバル構造体は、内側ジンバルフレームおよび外側ジンバルフレームを含み、前記外側ジンバルフレームは、前記x軸である第1ジンバル軸上の前記コリオリマスの第1セットの両側に並んだ2つのジンバルアンカーポイントから2つのジンバルねじりバーによって懸架され、前記内側ジンバルフレームは、前記y1軸である第2ジンバル軸上の前記コリオリマスの第2セットの両側に並んだ追加の2つのジンバルねじりバーによって前記外側ジンバルフレームから懸架され、前記内側ジンバルフレームは、前記第1ジンバル軸上に並んだ前記コリオリ対と、前記第2ジンバル軸上に並んだ前記コリオリ対とに取り付けられる
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  10. 前記ジャイロスコープは、さらに、休止位置において縦y2軸の第1側の前記x軸上に並んだ第5コリオリ対を共に形成する第9コリオリマスおよび第10コリオリマスを含むコリオリマスの第3セットを備え、前記第10コリオリマスは、前記第9コリオリマスよりも前記y2軸側にあり、前記x軸は、第2中心点で前記y2軸と直交し、前記コリオリマスの第3セットは、さらに、休止位置において前記y2軸の第2側の前記x軸上に並んだ第6コリオリ対を共に形成する第11コリオリマスおよび第12コリオリマスを含み、前記第11コリオリマスは、前記第12コリオリマスよりも前記y2軸側にあり、前記y2軸の第2側は、第1側と反対であり、
    前記ジャイロスコープは、さらに、休止位置において前記x軸の第1側の前記y2軸上に並んだ第7コリオリ対を共に形成する第13コリオリマスおよび第14コリオリマスを含むコリオリマスの第4セットを備え、前記第14コリオリマスは、前記第13コリオリマスよりも前記x軸側にあり、前記コリオリマスの第4セットは、さらに、休止位置において前記x軸の第2側の前記y2軸上に並んだ第8コリオリ対を共に形成する第15コリオリマスおよび第16コリオリマスを含み、前記第15コリオリマスは、前記第16コリオリマスよりも前記y2軸側にあり、
    前記ジャイロスコープは、また、前記y2軸の第1側の第5周囲アンカーポイントセットと、前記第5周囲アンカーポイントセットから前記第5コリオリ対を懸架する第5周囲懸架部と、前記y2軸の第2側の第6周囲アンカーポイントセットと、前記第6周囲アンカーポイントセットから前記第6コリオリ対を懸架する第6周囲懸架部と、前記x軸の第1側の第7周囲アンカーポイントセットと、前記第7周囲アンカーポイントセットから前記第7コリオリ対を懸架する第7周囲懸架部と、前記x軸の第2側の第8周囲アンカーポイントセットと、前記第8周囲アンカーポイントセットから前記第8コリオリ対を懸架する第8周囲懸架部とを備え、
    前記ジャイロスコープは、さらに、実質的に前記第2中心点に位置する1以上の第2中央アンカーポイントから前記第5コリオリ対、前記第6コリオリ対、前記第7コリオリ対および前記第8コリオリ対を懸架する第2中央懸架部を備え、前記第2中央懸架部と、前記第5周囲懸架部、前記第6周囲懸架部、前記第7周囲懸架部および前記第8周囲懸架部とは、前記一次振動モードならびに前記x軸二次振動モードおよび前記y軸二次振動モードに柔軟に順応し、
    前記一次振動モードにおいて、前記コリオリマスの第3セットは、前記第9コリオリマスおよび前記第12コリオリマスが前記第2中心点に向かって前記x軸に沿って線形平行移動で動くと、前記第10コリオリマスおよび前記第11コリオリマスは前記第2中心点から遠ざかるように前記x軸に沿って線形平行移動で動き、その逆も同様であるように振動し、前記一次振動モードにおいて、前記コリオリマスの第4セットは、前記第13コリオリマスおよび前記第16コリオリマスが前記第2中心点に向かって前記y2軸に沿って線形平行移動で動くと、前記第14コリオリマスおよび前記第15コリオリマスは前記第2中心点から遠ざかるように前記y2軸に沿って線形平行移動で動き、その逆も同様であるように振動し、
    前記y軸二次振動モードにおいて、前記コリオリマスの第3セットは、前記第9コリオリマス、前記第10コリオリマス、前記第11コリオリマスおよび前記第12コリオリマスが垂直運動を受け、前記第10コリオリマスおよび前記第12コリオリマスが下がると、前記第9コリオリマスおよび前記第11コリオリマスは上がり、その逆も同様であるように振動し、前記x軸二次振動モードにおいて、前記コリオリマスの第4セットは、前記第13コリオリマス、前記第14コリオリマス、前記第15コリオリマスおよび前記第16コリオリマスが垂直運動を受け、前記第13コリオリマスおよび前記第16コリオリマスが下がると、前記第14コリオリマスおよび前記第15コリオリマスが上がり、その逆も同様であるように振動し、
    前記一次振動モードにおいて、前記第4コリオリマスが前記第1中心点に近づくと、前記第9コリオリマスは常に前記第2中心点から遠ざかり、その逆も同様であり、前記第9コリオリマスが前記第2中心点に近づくと、前記第13コリオリマスは前記第1中心点から遠ざかり、その逆も同様であるか、または、前記第13コリオリマスおよび前記第9コリオリマスは、同時に前記第2中心点から遠ざかり、そして前記第2中心点に近づく
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  11. 前記y1軸に対する前記第2コリオリマスの慣性モーメントに前記y1軸に対する前記第3コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、
    前記y1軸に対する前記第1コリオリマスの慣性モーメントに前記y1軸に対する前記第4コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、
    前記x軸に対する前記第6コリオリマスの慣性モーメントに前記x軸に対する前記第7コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、
    前記x軸に対する前記第5コリオリマスの慣性モーメントに前記x軸に対する前記第8コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、
    前記y2軸に対する前記第10コリオリマスの慣性モーメントに前記y2軸に対する前記第11コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、
    前記y2軸に対する前記第9コリオリマスの慣性モーメントに前記y2軸に対する前記第12コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、
    前記x軸に対する前記第14コリオリマスの慣性モーメントに前記x軸に対する前記第15コリオリマスの慣性モーメントを加えたものと、
    前記x軸に対する前記第13コリオリマスの慣性モーメントに前記x軸に対する前記第16コリオリマスの慣性モーメントを加えたものとは、実質的に等しい
    請求項10に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  12. 前記y1軸に対する前記第1コリオリマス、前記第2コリオリマス、前記第3コリオリマスおよび前記第4コリオリマスの慣性モーメントと、前記x軸に対する前記第5コリオリマス、前記第6コリオリマス、前記第7コリオリマスおよび前記第8コリオリマスの慣性モーメントと、前記y2軸に対する前記第9コリオリマス、前記第10コリオリマス、前記第11コリオリマスおよび前記第12コリオリマスの慣性モーメントと、前記x軸に対する前記第13コリオリマス、前記第14コリオリマス、前記第15コリオリマスおよび前記第16コリオリマスの慣性モーメントとは、すべて実質的に等しい
    請求項11に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
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