JP2021536443A - 高血圧治療をサーカディアンリズムと同期させる - Google Patents

高血圧治療をサーカディアンリズムと同期させる Download PDF

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Abstract

本発明は、テルミサルタンなどのアンジオテンシンII受容体拮抗作用を有する化合物、クロルタリドンなどの利尿剤およびシルニジピンなどのカルシウムチャネルブロッカーを含み、非常に安定で活性があり、長時間血圧のサーカディアンリズムを維持しながら、アンジオテンシンII受容体拮抗作用、利尿作用およびカルシウムチャンネルブロック作用を示す製剤を提供すること。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2018年8月25日に出願された米国仮出願第62/722,881号の優先権およびその利益を主張し、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、医薬組成物、より具体的には、3つの有効成分、すなわち、テルミサルタン、クロルタリドンおよびシルニジピンの相乗作用により、より優れた血圧降下作用を示し得、さらに高血圧のサーカディアンリズムを標的として使用され得、さらに抵抗性高血圧症を治療しうる、特異な製剤および医薬組成物に関する。
関連技術についての説明
本発明は、いわゆる「非ディッパー(non-dippers)」とよばれる夜から明け方にかけて血圧低下が鈍い個人、とりわけ24時間平均血圧が正常な正常血圧者において血圧のサーカディアン変動によってもたらされる心臓血管や脳血管などの血管の問題に起因する様々な疾患の発症時、とりわけ朝方におけるリスクを低減することができる組み合わせ薬剤に関する。
したがって本発明の目的は、医薬的に有効な物質に課された上述の厳格な要件に適合する、安定した形態のテルミサルタン、クロルタリドンおよびシルニジピンを含む新規の医薬組成物を提供することである。
我々は、テルミサルタン、クロルタリドンおよびシルニジピンを組み合わると、高血圧、アテローム性動脈硬化症および虚血性心疾患といった心臓血管の疾患の治療に有用で予想外に有利な組み合わせをもたらすことを見出した。
とりわけ今回、テルミサルタン、クロルタリドンおよびシルニジピンを組み合わせることによって相乗的な降圧作用がもたらされることが見いだされた。この発明の特徴は、このような組み合わせ薬剤の使用によって以下の作用の1または2以上を提供することである:相乗的降圧作用、長期間にわたる降圧作用および/または薬剤に関連して起こりうる副作用のより良い管理が可能になることである。さらには、このような組み合わせ薬剤を用いることで達成される血圧コントロールの改善によって、高血圧によって引き起こされる関連疾患からのより良好な保護が得られる。
シルニジピン/テルミサルタン/クロルタリドンの多剤混合薬の背後にある論拠
シルニジピン/テルミサルタン/クロルタリドン多剤混合薬によって、以下の理由により、その他の薬剤の組み合わせと比べて以下の利点がもたらされる。
1. カルシウムチャンネルブロッカー (CCB)-アンジオテンシンII受容体ブロッカー(ARB)、ARB-チアジドは、ともにより好ましいタイプの降圧組み合わせ治療であり、したがってCCB-ARB-チアジドが相乗的な降圧作用を有する好ましい組み合わせをもたらす。
2. 低カリウム血症または高カリウム血症のリスクは、高血糖や高脂血症などの代謝副作用のリスクとともに、当該組み合わせ薬剤によって減少する。
3. 組み合わせ薬剤は、シルニジピンおよびテルミサルタンの心臓保護作用および腎臓保護薬によって糖尿病患者に特に有益であり、非ディッパーまたは夜間高血圧者である糖尿病患者における抵抗性高血圧症の発症を克服し、インシュリン感受性を向上する。
4. 組み合わせ薬剤における3薬剤の薬物動態プロファイルにより、低血圧のリスクを下げ、患者コンプライアンスとアドヒアランスを向上しつつ、24〜48時間の持続的な降圧作用が可能になります。
5. 組み合わせ薬剤は、治療開始の時点から心血管系の合併症の迅速なリスク低減をもたらす点でユニークである。
6. シルニジピンは、クロルタリドンによって引き起こされる高尿酸血症のリスクを軽減し、シルニジピンおよびテルミサルタンが、相乗的にレニン−アンジオテンシン−アルドステロン系(RAAS) の活性化を防止する。
7. 3つの組み合わせの臨床的効果は、薬理学的には、以下の5薬剤の組み合わせ治療と同等である:ベータブロッカー、チアジド系利尿薬、ARB、CCBおよび直接血管拡張薬(シルニジピンは、他のいずれのCCBと比べてもより大きな血管拡張を腎動脈にもたらす)。
8. 当該組み合わせ薬剤によって利益を享受する患者としては、以下の患者が含まれる:他の治療が効かない抵抗性高血圧症患者、血圧変動がある患者、白衣高血圧または早朝高血圧の患者、虚血性心疾患の患者、糖尿病患者、心不全患者、虚血性脳梗塞の履歴がある患者、QT延長が高リスクである患者、慢性腎疾患患者およびメタボリックシンドローム患者。
9. 組み合わせ薬剤は、適格患者の一次治療や他の治療が効かないときの救命治療に適している点が特徴である。
10. 組み合わせ薬剤は、RAASや交感神経活性化などの内因性補償メカニズムによる降圧作用に対する将来の変化に抵抗する。
11. 薬剤相互作用や薬剤-食品相互作用のリスクが低い。すべての3薬剤が活性で、肝臓活性化とは無関係である。組み合わせ薬剤は、慢性腎疾患の場合に大きな利益をもたらす。
12. 組み合わせ薬剤は、その持続的な降圧作用のため、即時放出製剤として製造しうる。
本発明の1つまたは複数の実施態様の詳細は、以下に示す発明の詳細な説明と添付する図面において説明される。
二層錠剤設計を示す。 表13Aに示された製剤中のクロルタリドンの溶出結果を示す。 表13Aに示された製剤中のテルミサルタンの溶出結果を示す。 表13Aに示された製剤中のシルニジピンの溶出結果を示す。 即時放出二層錠剤とカプセル処方のDR錠剤とで同じ処方を用いた錠剤重量の効果(シルニジピン)を示す。表14A に関連する組成および表14Bに示す結果。実施例10試験に関連する結果を示す。 即時放出二層錠剤とカプセル処方のDR錠剤とで同じ処方を用いた錠剤重量の効果(テルミサルタン)を示す。表14A に関連する組成および表14Cに示す結果を示す。実施例10試験に関連する結果を示す。 即時放出二層錠剤とカプセル処方のDR錠剤とで同じ処方を用いた錠剤重量の効果(クロルタリドン)を示す。表14A に関連する組成および表14Dに示す結果実施例10試験に関連する結果を示す。 工程フローチャートを示す。 製造プロセスを示す。 図8Aに示す製造プロセスの続きを示す。
[発明の詳細な説明]
心室性不整脈、脳梗塞、狭心症および心筋梗塞を含む心血管イベントの開始頻度のサーカディアン変動はよく理解されている。そのようなイベントの頻度のピークは、早朝時間に見られ、理論的には心拍数と収縮期血圧の早朝上昇と関連して示されている。夕方前または夕方時間におけるそのようなイベントの頻度の第2ピークのいくつかの証拠もある。現在の降圧薬は、高血圧患者において観察される早朝の血圧上昇を減衰しないように見える。したがって、血圧と心拍数の典型的なサーカディアンパターンを考慮した降圧医薬組成物を設計することは生理学的に有利であろう。
高血圧は、心疾患罹患率やその他の関連する心疾患罹患率の原因である。高血圧は、血管が収縮するときに起きる。結果として、心臓は、より高い血圧で血流を維持するためにより激しく働き、このことが心不全につながりうる。ペースメーカーや除細動器を埋め込まれた患者の大部分のみならず、一般集団の大部分も、高血圧の影響を受ける。血圧と高血圧を低減しうるならば、この集団で生活の質のみならず長期間の死亡率が改善しうる。高血圧を患う多くの患者は、生活改善に関連する治療や高血圧薬に応答しない。サーカディアン放出様式で薬剤を体内に運ぶ錠剤、カプセル等の単位投与形態は、テルミサルタン、クロルタリドンおよびシルニジピン含有粒子(ビーズ、ペレット、顆粒等)の1または2以上の集団を含む。各ビーズ集団は、3〜6時間という所定のタイムラグがあるかまたはない、予め設計された即時または持続放出プロファイルを示す。サーカディアンリズム放出心血管薬送達システムは、3薬剤に対する血漿濃度−時間プロファイルをもたらすように設計されている。このプロファイルは、1日の間の血圧降下の生理学的必要性と適合している。すなわち、薬物動態学的および薬力学的検討に基づいて予測された、心血管疾患のサーカディアンリズムと重症度/兆候を模倣している。
心血管疾患の効果的な治療のための主要な目標は、最も必要性が高い時間帯、典型的には早朝時間に薬剤をより高濃度で送達し、例えば夕方前や入眠直後といった必要性が少ないときにより少ない濃度で送達することである。このことは、本発明にかかる3種混合治療剤形の投与によって達成しうる。これは、テルミサルタン、クロルタリドンおよびシルニジピンの剤形からの放出に関する。本発明の剤形は、就寝前の配合製剤の投与後、テルミサルタン、クロルタリドンおよびシルニジピンの結果として得られる血漿濃度が互いに全部揃うとサーカディアン放出様式となるようにテルミサルタン、クロルタリドンおよびシルニジピンを放出するように設計されている。それにより、脳卒中、心発作および心筋梗塞といった心血管疾患の潜在的リスクを最小化し、収縮期血圧を下げ、または高血圧もしくはβアドレナリン刺激を低減し、心不整脈、肥大性大動脈弁下狭窄もしくは狭心症を治療し、または、片頭痛を予防することで、治療コストを低減しつつ患者の服薬遵守を促進して治療効果を上げる。
本発明の剤形は、心血管疾患を効果的に治療するサーカディアンリズム様式で、患者が心血管イベントに対して最も脆弱な時間帯である早朝時間における最適な保護をもたらすことを含め、24時間にわたり血圧と心拍数の低下をもたらすように設計された新規の製剤である。定常状態で、組成物の血液レベルは、錠剤のようなこれらの剤形の就寝前投与後、おおむね4時間で増加しはじめ、早朝時間にわたり次第に増加し、投与後おおむね14時間後にピーク血漿濃度に達する。これらの錠剤は、起床に前後する心拍数や血圧の急上昇を抑えるように徐々に増加するピーク血漿濃度をもたらす。この増加は、カテコラミン分泌やレンニン遊離のサーカディアン変動と関連づけられている。これらの製剤を投与した後の血漿濃度の増加は、高血圧や虚血性心血管疾患の患者の標的臓器の損傷と関連づけられる早朝血圧のサーカディアン上昇と時を同じくしている。
本発明は、多数投与形態、すなわち多粒子剤形(ペレット、ビーズ、顆粒またはミニ錠剤)の形態または経口投与に適したその他の形態の薬剤製品に適用される。
以下の非限定的例は、狭心症のサーカディアンリズム薬物動態プロファイルに従ったインビボ血漿濃度とモデリングによって予測されるのと同様のインビボ薬剤放出プロファイルを示す本発明に従って製造された錠剤投与形態を説明している。就寝前投与されるこのような投与形態は、早朝時間の心発作の発生を最小化することに潜在的に有利なレベルに薬剤血漿濃度を維持することができるだろう。
テルミサルタン
テルミサルタンは、アンジオテンシン拮抗薬、とりわけアンジオテンシンII拮抗薬であり、その薬物動態特性により、例えば高血圧や心不全の治療、虚血性末梢循環障害や心筋虚血(アンギナ)の治療、心筋梗塞後の心不全の進行の予防、そして糖尿病性神経障害、緑内障、消化器疾患および膀胱疾患の治療に用いうる。
テルミサルタンの薬物動態
経口投与に引き続き、投与後0.5〜1時間でテルミサルタンのピーク濃度(Cmax)に達した。食品は、テルミサルタンのバイオアベイラビリティをわずかに低減する。具体的には、血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)を40mg錠剤で約6%、160mg投与後約20%低減する。テルミサルタンの絶対的バイオアベイラビリティは、用量依存性である。40mgおよび160mgでは、生体内利用率はそれぞれ42%、58%である。経口投与テルミサルタンの薬物動態は、20〜160mgの用量範囲にわたり、非線形であり、用量を上げるにつれ血漿濃度(C.sub.maxおよびAUC)は比例増加よりも大きくなる。テルミサルタンは、概ね24時間の終末相半減期で双指数関数的な減衰動態を示す。1日1回投与のテルミサルタンの血漿濃度トラフ値は、ピーク血漿濃度の約10〜25%である。テルミサルタンは、1日1回投与を繰り返すと、血漿中の蓄積率が1.5〜2.0になる。
薬剤代謝
テルミサルタンは、親化合物のグルクロニドに結合することよって代謝される。結合体には薬理活性はない。
***
テルミサルタンは、20時間を超える終末相半減期をもつ双指数関数的な減衰動態によって特徴づけられる。最高血漿濃度(Cmax)、そして増加の程度こそより低いが血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)は、用量増加とは不釣り合いに増加する。推奨用量で摂取した場合のテルミサルタンの臨床的に重要な蓄積の証拠はない。血漿濃度は、効能への影響はないものの、男性より女性の方が高い。
経口(そして静脈)投与後、テルミサルタンは、化合物として変化しないままほぼ完全に糞で***される。累積尿中排せつは、施用量の1%未満である。総血漿クリアランス(Cltot)は、肝臓血流(約1500ml/min)と比較して高い(おおむね1000ml/min)。
分布
テルミサルタンは、大部分(>99.5%)が血漿タンパク、主にアルブミンとα1酸性糖タンパクに結合する。分布の平均定常状態見かけ体積(Vdss)は、おおむね500である。
テルミサルタンは、その他のアンジオテンシンII受容体ブロッカーと比べて以下の特徴を持っている点でユニークである:
I. 大抵のARBsよりも長い24時間の半減期がある。
II. 心血管リスクと死の予防についてFDA承認された。
III. 拮抗性AT1受容体を通じた降圧作用に加えて、テルミサルタンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPAR-γ)を活性化する特異な性質を有し、インシュリン感受性を改善することが示唆されており、トリグリセリドレベルを低減し、アテローム性動脈硬化のリスクの低減につながる。
IV. (バルサルタンまたはカンデサルタンの代わりに)12週間テルミサルタンで治療することで、空腹時インシュリン値、空腹時血液グルコース値、ヘモグロビンA1cおよびトリグリセリドが著しく減少し、高比重リポタンパク(HDL)コレステロールとアディポネクチンが増加した。このことは、潜在的に代謝効果および抗動脈硬化効果があることを示唆する。
V. テルミサルタンは、ABC1の活性化を通じて逆コレステロール輸送を加速するか、または総コレステロール吸収を阻害し、総コレステロール(TC)と低比重リポタンパク(LDL)コレステロールの低下をもたらす(23)。これらの結果は、テルミサルタンがコレステロールを低下する能力を有しうることを示唆する。したがって、テルミサルタン単体または利尿薬/CCBとの組み合わせを用いることは、脂質異常症患者において効能をもたらしうる。
クロルタリドン
以下のことは、降圧療法の多剤混合薬においてクロルタリドンをかなり望ましいものにする、クロルタリドンのユニークな特性である。
I. チアジド利尿薬やチアジド様利尿薬のなかで最も降圧効果がある。
II. クロルタリドンは、半減期が40時間で、ヒドロクロロチアジドよりも一貫した24時間降圧作用をもたらす。
III. 12.5mgおよび25mg用量で、等効力用量のその他の利尿薬よりも高血糖、脂質異常症および低カリウム血症のリスクがより低い。例えば、クロルタリドンは、ヒドロクロロチアジドの効能の2倍の効能があると考えられているが、12.5mgおよび25mg用量のクロルタリドンは、それぞれ25mgおよび50mgのヒドロクロロチアジドに比べて代謝副作用がより低い。
薬物動態:経口投与後、約65%が吸収される。投与後2-6時間でピーク血漿レベルに達する。吸収用量のほとんど(98%)は、赤血球炭酸脱水酵素に結合している。血漿半減期は、長期間投与の間、50-90時間であり、用量の30-60%は、そのまま尿に***され、最大10%が便に***される。 代謝物は検出されなかった。
シルニジピン
シルニジピンは、アドレナリン作動性ニューロンにあるN型Ca2+チャンネルおよび心臓および血管系におけるL型Ca2+チャンネルに阻害的に作用するユニークなCa2+チャンネルブロッカーである。実際、シルニジピンは、他の古典的なCa2+チャンネルブロッカーとは異なり、交感神経遮断作用を発揮することが明らかにされている。興味深いことに、膨大な数の前臨床試験および臨床試験で、シルニジピンの心臓保護作用のほか、腎臓保護効果および神経防護作用が実証されている。
シルニジピンは半減期が約5時間だが、その降圧作用は他のCCBsや他の降圧剤と比べてユニークである。作用の開始はゆっくりだが、効果は長期間持続する。したがって、薬剤は、低血圧リスクがより低いが、高血圧患者において持続的かつ効果的に降圧するユニークな組み合わせを提供する。
吸収:生体内利用率は64-90%。経口投与後6-12時間でピーク血漿濃度。Tmax =2 hr,cmax(ng/ml) =8.9±4.2, ,AUCinf(ng・h/mL)=41.2±20.4
代謝
大部分(90%)が、肝臓でシトロクロームP450(3A4)アイソザイムを介して不活性の代謝産物に代謝される。
シルニジピンは、10mg投与後、(CYP3A)によって3つの代謝産物に迅速に代謝された。
M1シルニジピンのジヒドロピリジン環の加水分解代謝産物
M2シルニジピンのジヒドロピリジン環の側鎖脱メチル化代謝産物
M3シルニジピンの加水分解および脱メチル化代謝産物
***:主に尿;CL (L/hr.)=304.7±147.5
各薬剤の薬理活性と利点は、以下のように要約される:
組成物は、薬学的に許容可能な溶液で投与されうる。当該溶液は、薬学的に許容可能な濃度の塩、緩衝剤、保存料、適合担体、アジュバント、および任意にその他の治療剤を含みうる。
経口投与
記載された発明の組成物は、経口用途に適した形態でありうる。適した形態としては、例えば、錠剤、トローチ、ロレンジ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、ハードもしくはソフトカプセル、またはシロップまたはエリキシル剤がある。錠剤やカプセル形態での経口投与のため、活性薬剤成分は、経口毒性がない薬学的に許容可能な不活性担体と組み合わせることができる。不活性担体には、ラクトース、デンプン、スクロース、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、マンニトール、エチルアルコール(液体形態)等がある。
さらに、望ましい場合や必要な場合は、適したバインダー、潤滑剤、崩壊剤および着色剤も混合物に含めることができる。粉末と錠剤では、組成物の約5〜約95%を占めることがある。好適なバインダーとしては、デンプン、ゼラチン、天然の砂糖、コーン甘味料、アカシア、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールおよびワックスといった天然および合成ゴムが含まれる。潤滑剤には、これらの剤形での使用のために説明したものがあり、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等がある。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、グアーガム等が含まれる。
経口用途を意図した組成物は、既知の方法にしたがって調製され、そのような組成物は、医薬的にエレガントで苦味が少ない製剤を提供するため、甘味付与剤、香料添加剤、着色剤および保存料からなる群より選択される1または2以上の剤を含みうる。
錠剤は、有効成分と混合された無毒の薬学的に許容可能な賦形剤を含み得、これは錠剤の製造に適している。賦形剤としては、例えば、炭酸カルシウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤;例えば、コーンスターチまたはアルギン酸等の顆粒剤および崩壊剤;例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア等の結合剤;例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク等の潤滑剤がある。錠剤は、コーティングされていないか、または、例えば、胃腸管での崩壊や吸収を遅らせて、長期間にわたり持続的作用をもたらすため、酸化や光劣化から組成物を守るため、もしくは制御放出のために、既知の方法でコーティングされる。
例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはグリセリルジステアレートといった時間遅延材料を用いうる。
記載された発明の組成物はまた、ハードゼラチンカプセルまたはソフトゼラチンカプセルとして経口用途に製剤化しうる。ハードゼラチンカプセルでは、有効成分が不活性の固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されている。ソフトゼラチンカプセルでは、有効成分が水またはピーナッツオイル、液体パラフィンまたはオリーブオイルといった油媒体と混合されている。
液体形態の調製物には、有効成分が水性懸濁液およびエマルジョンの製造に適した賦形剤と混合されている溶液、懸濁液およびエマルジョンが含まれる。そのような賦形剤は、以下のような懸濁化剤である:カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアカシアゴム。分散剤または湿潤剤は、レシチンなどの天然に存在するホスファチド、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレエンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。例として挙げられるのは、静脈注射用の水または水-プロピレングリコール溶液、または、経口溶液、懸濁液およびエマルジョン用に1または2以上の着色剤、1または2以上の香料添加剤、スクロースやサッカリンなどの1または2以上の甘味付与剤、おしゃぶりの添加がある。
記載された発明の組成物は、有効成分を植物油または鉱油に懸濁させることによって油性懸濁液として製剤化しうる。植物油としては、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ごま油またはココナッツ油があり、鉱油としては例えば、液体パラフィンがある。油性懸濁液は、例えばビーワックス、ハードパラフィンまたはセチルアルコールといった増粘剤を含んでいてもよい。上述したような甘味付与剤や香料添加剤は、苦味の少ない経口製剤を提供するために添加しうる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加によって保存しうる。
記載された発明の組成物は、水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性粉末および顆粒の形態で製剤化しうる。このような粉末および顆粒中の有効成分は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1又は2以上の保存料と混合して提供される。適した分散剤または湿潤剤および懸濁化剤の例としては、既に上述したものがある。追加的な賦形剤、例えば、甘味付与、香料添加および着色剤もまた存在しうる。
本発明の組成物はまたエマルジョンの形態であってもよい。エマルジョンは、2つの非混和性の液体担体を組み合わせることによって調整される2相系である。液体担体のうち一方は、他方とは完全に分かれており、最も大きいコロイド粒子の径と同じかそれより大きい径を有するグロビュールからなる。グロビュールのサイズは、系が最大限の安定性を達成するようなものである必要がある。通常、2相の分離は、第3の物質、すなわち乳化剤が取り込まれない限り、起こらない。したがって、基本的なエマルジョンは、有効成分に加えて少なくとも3つの成分、すなわち、2つの非混和性の液体担体および乳化剤を含んでいる。大抵のエマルジョンは、非水性相中に水性相を取り込んでいる(またはその逆)。しかしながら、基本的に非水性のエマルジョン、例えば、非水性で非混和系のグリセリンおよびオリーブ油のアニオン性およびカチオン性界面活性剤を調製することは可能である。したがって、本発明の組成物は水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油性相は、植物油または鉱油またはこれらの混合物であり得、植物油としては例えば、オリーブ油またはラッカセイ油、鉱油としては例えば、液体パラフィンがある。好適な乳化剤としては、天然に存在するガム、例えば、アカシアゴムまたはトラガカントゴム、天然に存在するホスファチド、例えば、大豆、レシチン、ならびに脂肪酸および無水ヘキシトールに由来するエステルまたは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、ならびに部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートがある。エマルジョンはまた甘味付与剤または香料添加剤を含んでいてもよい。
本発明の組成物はまたシロップやエリキシル剤として製剤化してもよい。シロップやエリキシル剤は、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースといった甘味付与剤とともに製剤化してもよい。このような製剤は、鎮痛薬、保存料ならびに香料添加および着色剤を含んでいてもよい。鎮痛薬は、主に刺激、とりわけ粘膜や擦過組織への刺激を軽減するために用いられる。数多くの化学物質が鎮痛性を有している。これらの物質には、アルギン酸、ゴムのリ、ゴム、デキストリン、デンプン、いくつかの糖類およびポリマー性多価グリコールが含まれる。その他のものとしては、アカシア、アガー、ベンゾイン、カルボマー、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、トラガカントゴム、ハイドロゲル等がある。
口腔投与の場合、記載された本発明の組成物は、従来の方法で製剤化された錠剤またはロゼンジの形態をとりうる。
錠剤の調製には3つの一般的な方法がある:それは湿式造粒法、乾式造粒法、および直接圧縮である。調製方法および添加される成分は、錠剤の迅速な圧縮を可能にする望ましい物理的特性を錠剤製剤に与えるように選択される。圧縮後、錠剤は、多数の追加特性を有している必要がある。追加特性としては、外観、硬さ、崩壊能、適切な溶出特性、均一性などがあり、これらは、調整方法や製剤中に存在する追加物質によって影響される。
いくつかの実施態様では、錠剤は、圧縮錠剤である。圧縮錠剤は、圧力で形成した固体剤形であり、特別なコーティングは含まない。一般に圧縮錠剤は、粉末化した、結晶性のまたは顆粒状の物質単独で、またはバインダー、崩壊剤、制御放出ポリマー、潤滑剤、希釈剤および着色剤と組み合わせて作られる。
いくつかの実施態様では、錠剤は、砂糖でコーティングされた錠剤である。これらは、砂糖コーティングを含む圧縮錠剤である。このようなコーティングは、着色しており、不快な味や匂いをもつ薬剤物質を覆い、酸化しやすい材料を保護するのに有用である。
いくつかの実施態様では、錠剤は、フィルムコーティングされた錠剤である。これらの圧縮錠剤は、水溶性材料でできた薄層またはフィルムで覆われている。フィルム形成性の数多くのポリマー物質を用いうる。
いくつかの実施態様では、錠剤は、複合圧縮錠剤である。これらの錠剤は、2以上の圧縮サイクルによって作られる。積層錠剤は、以前に圧縮した顆粒上で追加的に錠剤顆粒を圧縮することによって調製される。操作は、2層または3層の積層錠剤を生産するために繰り返されうる。圧縮コート錠剤(ドライコート)は、以前に圧縮した錠剤を特殊な打錠機に供給し、プリフォームした錠剤の周りにもう1つの顆粒層を圧縮することによって調製される。
いくつかの実施態様では、錠剤は、制御放出錠剤である。圧縮錠剤は、長期間にわたり、ゆっくりと薬剤を放出するために製剤化しうる。したがって、これらの剤形は、長期放出または持続放出剤形と呼ばれている。
非経口投与
「非経口投与」という用語は、組成物が固体または液体経口剤形で提供されていない任意の投与方法を表し、ここで固体または液体経口剤形とは、古典的に、口および/または口腔を超えて胃腸管で薬剤を実質的に放出および/または送達することを意図している。このような固体剤形には、慣用されている錠剤、カプセル、カプレット等が含まれ、これらは、薬剤を口内または口腔内で実質的に放出しない。当然のことながら、溶液、懸濁液、エマルジョン等の多くの経口液体剤形およびいくつかの経口固体剤形は、これらの製剤を飲み込む間にいくつかの薬剤を口内または口腔内に放出しうる。しかしながら、口および口腔を非常に短い時間で通過するため、口内または口腔内におけるこれらの製剤からの薬剤の放出は、最小またはごくわずかとみなせる。したがって、「非経口」という用語は、非経口、経皮、吸入、移植ならびに膣または直腸製剤および投与を含むものと理解される。さらに、移植製剤は、移植の物理的位置にかかわらず「非経口」という用語に含まれる。とりわけ、移植製剤は、胃腸管に移植し、保持するために特別に設計されたものとして既知である。このようなインプラントもまた非経口送達製剤とみなされており、したがって、「非経口」という用語に含まれる。
直腸投与
記載された発明の組成物は、小児熱の治療用などの組成物の直腸投与用座薬の形態であり得る。本明細書に記載の「直腸」または「直腸に」という用語は、直腸壁を通じて吸収が起きる直腸を通じた体内への導入をいう。これらの組成物は、ココアバターやポリエチレングリコールといった好適な非刺激性賦形剤と薬剤とを混合することによって調製しうる。ココアバターやポリエチレングリコールは、常温で固体だが直腸温度で液体であり、したがって、直腸で溶解し薬剤を放出する。座薬として製剤化する場合、本発明の組成物は、トリグリセリドなどの古典的なバインダーや担体とともに製剤化しうる。
いくつかの実施態様では、錠剤は、圧縮座薬または挿入物である。座薬を調製する際、ココアバターのような脂肪酸グリセリドの混合物などの低温溶融ワックスを最初に溶かし、撹拌や類似の混合によって有効成分をそのなかに均一に分散させる。溶融した均一混合物は、都合の良い大きさの型に注がれ、冷やされて固体化する。
非経口投与
記載された本発明の組成物は、滅菌された注射用の水性または油性懸濁液の形態をとりうる。滅菌された注射用の水性または油性懸濁液のような注射用製剤は、適した分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて公知の技術にしたがって製剤化しうる。
滅菌された注射用製剤は、例えば1,3-ブタンジオール溶液のように、非経口で許容可能な非毒性の希釈剤または溶媒を含む滅菌された注射用溶液または懸濁液である。溶液は、概して2または3以上の物質の均一な混合物とみなされる;それは、必ずしもそうとは限らないが、しばしば液体である。溶液中で、溶質(または溶解した物質)の分子は、溶媒分子のなかで均一に分散している。懸濁液は、細かく分割された化学種が別の化学種と混合された分散液(混合物)である。細かく分割された化学種は、非常に細かく分割されて混合されているので、迅速に沈降しない状態となっている。日々の生活のなかで、最も一般的な懸濁液は、液体の水中に固体が懸濁したものである。用いる許容可能なビヒクルおよび媒体としては、水、リンゲル液および等張性の塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌された固定油は、慣用的に溶媒または懸濁媒体として用いうる。非経口用途の場合、特に適切なビヒクルは、溶液、好ましくは油性または水溶液のほか、懸濁液、乳濁液、またはインプラントからなる。適切な親油性溶媒またはビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなど、懸濁液の粘度を増加させる物質を含み得る。場合により、懸濁液はまた、化合物の溶解度を増加させて高濃度溶液の調製を可能にする適切な安定剤または薬剤を含み得る。代替的に、活性化合物は、適したビヒクル、例えば滅菌発熱性物質除去蒸留水とともに構成するため、使用前に粉末形態をとりうる。
局所的に送達することが望ましい場合、活性剤は、注射、例えばボーラス注入または持続注入による非経口投与のために製剤化しうる。注射用製剤は、単位投与形態、例えば、保存料を添加したアンプルまたは多数回投与容器で提示しうる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンの形態をとることができ、懸濁化、安定化および/または分散剤などの製剤化薬品を含みうる。非経口投与用の医薬製剤としては、水溶性形態の活性化合物の水溶液が含まれる。
医薬組成物はまた、適切な固相またはゲル相担体または賦形剤を含み得る。そのような担体または賦形剤の例としては、特に限定されないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれる。
適切な液体または固体の医薬製剤形態は、例えば、マイクロカプセル化され、適切な場合、1または2以上の賦形剤とともに、カプセル化され、微細な金粒子上にコーティングされ、リポソームに封入され、組織に移植するためのペレットにされ、または組織に擦り込まれる物体上で乾燥される。そのような医薬組成物はまた、顆粒、ビーズ、粉末、錠剤、コーティングされた錠剤、(マイクロ)カプセル、座剤、シロップ、乳濁液、懸濁液、クリーム、点滴薬、または活性化合物の徐放を伴う調製物の形態をとり得る。製剤中には、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、膨潤剤、潤滑剤もしくは可溶化剤などの賦形剤および添加剤および/または助剤が、上述のように慣習的に使用される。医薬組成物は、様々な薬剤送達システム用途に適している。薬剤送達法のブリーフレビューについては、参照によって本明細書に取り込まれるLanger R. "New methods of drug delivery." Science. 249(4976): 1527- 1533 (1990)を参照のこと。
ポリラクチド-ポリグリコライドなどの生体分解性ポリマー中に、記載された阻害剤が入った、マイクロカプセル化したマトリックスを形成することによって、注射可能なデポー形態が作られる。阻害剤とポリマーとの比率や、用いられている特定のポリマーの性質によって、薬剤放出速度をコントロールできる。そのような長期にわたり作用する製剤は、適したポリマー材料または疎水性材料とともに(例えば、許容可能なオイル中エマルジョンとして)もしくはイオン交換樹脂ととともに、またはやや難溶性の誘導体として、例えば、やや難溶性の塩として製剤化しうる。その他の生体分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(アンヒドリド)が含まれる。デポー注射可能製剤は、記載された発明の阻害剤を、生体組織適合性があるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に取り込むことによって調製される。
局所注射可能製剤は、例えば、バクテリア保持フィルターを通す濾過によって、または滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を取り込むことによって滅菌される。滅菌固体組成物は、使用前に滅菌水またはその他の滅菌注射可能媒体に溶解され、または分散されうる。滅菌された注射用の水性または油性懸濁液のような注射用製剤は、適した分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて公知の技術にしたがって製剤化しうる。滅菌された注射用製剤は、例えば1,3-ブタンジオール溶液のように、非経口で許容可能な非毒性の希釈剤または溶媒を含む滅菌された注射用溶液、懸濁液またはエマルジョンである。用いうる許容可能なビヒクルおよび媒体としては、水、リンゲル液、U.S.P.および等張性の塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌された固定油は、慣用的に溶媒または懸濁媒体として用いうる。この目的のため、合成モノ/ジグリセリドを含む任意のブランドの固定油を用いうる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸は、注射可能な製剤で用いられる。
非経口投与製剤には、水性および非水性滅菌注射溶液が含まれる。滅菌注射溶液には、製剤を意図したレシピエントの血液と等張性に変える抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および静菌性溶質;ならびに、懸濁化剤および増粘剤を含みうる水性および非水性滅菌懸濁液が含まれる。製剤は、例えば、密閉アンプルおよびバイアルのような単位投与または多数回投与容器で提示し得、使用前に直ちに滅菌液体担体(例えば、生理食塩水、注射用水)の添加をすればよいだけの凍結乾燥条件で保存しうる。即時調整の注射溶液および懸濁液は、以前に説明した種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製しうる。
薬剤または薬学的に許容可能なエステル、塩、溶媒和物またはプロドラッグは、望ましい作用を害しないその他の活性材料または望ましい作用を補う材料と混合しうる。非経口、皮内、皮下、髄腔内、または局所適用に使用される溶液または懸濁液としては、特に限定されないが、例えば、以下の成分が含まれ得る:注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたはその他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコールやメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸や亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝液;および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの張性を調整するための薬剤。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチックでできたアンプル、使い捨てシリンジまたは多数回投与バイアルに封入しうる。静脈内投与される場合、特別な担体としては、生理学的な食塩水またはリン酸バッファー生理食塩水(PBS)がある。
吸入または通気による送達
記載された発明の組成物は、(口または鼻を通じた)吸入または送気による送達用に分散可能な乾燥粉末の形態をとりうる。乾燥粉末組成物は、その開示が参照により組み込まれる国際特許公開公報WO91/16038および米国特許第6,921,527に開示されているような凍結乾燥やジェットミリングなどの当該分野で既知のプロセスによって調製しうる。記載された本発明の組成物は、単位投与治療を被験者に提供するのに十分な量で適した投与容器内に置かれる。投与容器は、適切な吸引器具内にフィットするものであって、乾燥粉末組成物のエアロゾル化を可能にする。乾燥粉末組成物はガス流内に分散することによりエアロゾルを形成し、次いで治療の必要な被験者による吸引のためにとりつけられたマウスピースがある容器内に生成したエアロゾルをとらえる。このような投与容器としては、ガス(例えば空気)の流れを容器に向け乾燥粉末組成物を分散することができる取り外し可能な部位を備えた容器で、ゼラチンまたはプラスチックカプセルといった当該分野で既知の組成物が入った容器を含む。このような容器としては、米国特許番号第4,227,522; 4,192,309;および4,105,027に示されているものが例示される。適した容器としては、Glaxoのベントリン(登録商標)、ロトヘイラーブランドの粉末吸引器またはフィソンのスピンヘイラー(登録商標)ブランドの粉末吸引器と組み合わせて用いられるものも含まれる。優れた防湿性をもたらす別の適した単位投与容器は、アルミホイル/プラスチック積層体から形成される。医薬ベースの粉末は、成形用ホイル中のくぼみに重量または体積単位で充填され、カバーホイル/プラスチック積層体で密封される。粉末吸引デバイス用の容器としては、米国特許第4,778,054号に記載されており、グラクソのディスクへイラー(登録商標)を用いて使用される。(米国特許番号第4,627,432; 4,811,731;および5,035,237)。これらの参照文献の各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
局所投与
記載された本発明の組成物はまた、経皮的に送達可能である。経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/またはエマルジョンを含み得、この目的のために当該分野で慣用されているような貯蔵型やマトリックスとしての経皮パッチ中に含まれる。「局所の」という用語は、本発明の組成物を適用ポイントまたは適用ポイントの直下に投与することについて言及する。「局所的に適用する」というフレーズは、上皮表面を含む1または2以上の表面に適用することについて記述している。経皮投与とは異なり、局所投与は、概して全身への効果というよりむしろ局所的効果をもたらすけれど、本明細書に記載されているように、別段断らない限り、局所投与および経皮投与という語は相互交換可能に用いられる。この適用目的の場合、局所適用は洗口液およびうがい液を含む。
局所投与は、当該分野で周知の技術および手順にしたがって調製される経皮パッチまたはイオントフォレシスデバイスといった経皮投与の用途も含みうる。「経皮送達システム」、「経皮パッチ」または「パッチ」という用語は、投与形態から皮膚に移行することにより、薬剤の時間放出投与をもたらし、体循環を介した分配に利用可能な皮膚上に配置される接着システムのことをいう。経皮パッチは、多様な医薬を送達するために仕様されている広く受け入れられた技術である。医薬としては特に限定されないが、乗り物酔いにスコポラミン、狭心症の治療にニトログリセリン、高血圧にクロニジン、閉経後の適応症兆候にエストラジオール、禁煙にニコチンが含まれる。
記載された本発明の用途に適したパッチとしては、特に限定されないが、(1)マトリックスパッチ;(2)容器パッチ;(3)多積層薬接着パッチ;および(4)モノリシック薬接着パッチ;参照によって本明細書に組み込まれるTRANSDERMAL AND TOPICAL DRUG DELIVERY SYSTEMS, pp. 249-297 (Tapash K. Ghosh et al. eds., 1997)が含まれる。これらのパッチは当該分野で周知であり、一般的に商業利用可能である。
追加的成分
記載された本発明の組成物には、さらに慣用の賦形剤、すなわち活性化合物とともに有害に作用しない、非経口用途に適した薬学的に許容可能な有機または無機担体物質が含まれうる。適切な薬学的に許容される担体としては、特に限定されないが、水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、石油エチル脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが含まれる。
組成物は、滅菌され、望ましくは活性化合物に有害に作用しない補助剤と混合される。補助剤には例えば、潤滑剤、保存料、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、着色剤、香料および/または芳香物質等がある。非経口用途の場合、特に適切なビヒクルには、油性溶液または水溶液といった溶液のほか、懸濁液、乳濁液、またはインプラントを含む。
水性懸濁液は、懸濁液の粘度を増加する物質を含み得、かかる物質としては、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよび/またはデキストランが含まれる。任意に、懸濁液はまた安定剤を含みうる。
これらの組成物は、保存料、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含むアジュバントを含みうる。微生物の作用の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の様々な抗菌剤および防カビ剤によって保証される。例えば、糖、塩化ナトリウム等の等張化剤を含むことが望ましいこともある。注射可能な医薬形態の持続的な吸収は、例えばモノステアリン酸アルミニウムやゼラチンといった吸収を遅らせる剤の使用によってもたらされうる。
懸濁液は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタヒドロキシアルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカント、ならびに、これらの混合物などの懸濁化剤を含み得る。
組成物は、所望により、少量の湿潤化剤、乳化剤、pH調整剤を含みうる。経口製剤としては、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的な担体を含みうる。適切な緩衝剤の例としては、酢酸および塩(1%-2% w/v);クエン酸と塩(1%-3% w/v);ホウ酸と塩(0.5%-2.5% w/v);リン酸と塩(0.8%-2%w/v)が含まれる。適した保存料には、塩化ベンザルコニウム(0.003%-0.03% w/v);クロロブタノール(0.3%-0.9% w/v);パラベン(0.01%-0.25% w/v) およびチメロサール(0.004%-0.02% w/v)が含まれる。
薬学的に許容可能な担体
記載された発明の範囲内の医薬組成物は、薬学的に許容可能な担体中に含まれる治療的有効量のRho キナーゼ阻害薬化合物と任意にその他の治療剤とを含む。医薬組成物の成分は、望まれる薬効に実質的な悪影響がある相互作用がないようなやり方で混ぜ合わせることもできる。
治療的有効量のRho キナーゼ阻害薬化合物は、粒子内に提供しうる。粒子は、コーティングによって取り囲まれたコアに治療剤を含みうる。治療剤はまた粒子全体にわたり分散しうる。治療剤はまた粒子内に吸収されている。粒子は、ゼロ次放出、1次放出、2次放出、遅延放出、持続放出、即時放出等およびこれらの組み合わせを含め、何次の放出速度則であってもよい。粒子は、治療剤に加えて、薬学および医学の分野で日常的に使用される任意の材料を含んでいてよく、これらには、特に限定されないが、浸食性、非浸食性、生分解性、または非生分解性の材料またはこれらの組み合わせを含みうる。粒子は、溶液中または半固体状態の治療剤を含むマイクロカプセルであってもよい。粒子は、実質的にいかなる形を有していてもよい。
非生分解性および生体内崩壊生分解性のポリマー材料は、ともに治療剤を送達するための粒子の製造に用いうる。このようなポリマーは、天然または合成ポリマーでありうる。ポリマーは、放出が望まれる期間に基づいて選択される。特に興味深い生体粘着性ポリマーには、Sawhneyらによって説明されている生体内浸食性ハイドロゲルが含まれる。この教示は、本明細書に組み込まれる。Sawhney A Sら., Macromolecules.26(4): 581-587 (1993).これらには、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルチン、ポリ無水物、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、キトサン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、およびポリ(オクタデシルアクリレート)が含まれる。
治療剤は、放出制御システムに含まれうる。薬剤の作用を長期化するため、皮下注射、くも膜下注射、または筋肉内注射からの薬剤の吸収をゆっくりにすることがしばしば望ましい。これは、難水溶性の結晶性または非結晶性材料の液体懸濁液の使用によって達成しうる。薬剤の吸収速度は、放出速度に依存し、ひいては結晶サイズおよび結晶形によることがある。代替的に、非経口投与薬剤形態の遅延吸収は、油性ビヒクルへの薬剤の溶解または懸濁によって達成されうる。
長期持続放出製剤の使用は、とりわけ慢性兆候の治療に適している。長期持続放出製剤は、当業者に周知であり、上述の放出システムのいくつかを含む。
薬学的に許容可能な塩
構造によっては、rhoキナーゼ阻害薬化合物および任意に少なくとも1つのその他の治療剤は、それ自体が投与され、または阻害薬の構造によっては、薬学的に許容可能な塩の形態で投与されうる。TN-アセチルシステインは、有機酸もしくは無機酸または有機塩基または無機塩基とともにと結合して薬学的に許容可能な塩を形成しうる。薬剤に使用した場合、塩は、薬学的に許容可能である必要があるが、非薬学的に許容可能な塩も、その薬学的に許容可能な塩を調製するために慣用的に使用しうる。
「薬学的に許容可能な塩」とは、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等なしにヒトや下等動物の組織と接触する使用に適した塩であって、合理的なベネフィット/リスク比に見合う塩を意味する。薬学的に許容される塩は、当該分野で周知である。例えば、P. H. Stahlらは、"Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use" (Wiley VCH, Zurich, Switzerland2002)で薬学的に許容される塩について詳細に説明している。
塩は、記載されている化合物の最終的な単離および精製中にその場で調製するか、または遊離塩基官能基を適切な有機酸と反応させることによって別途調製することができる。代表的な酸付加塩としては、特に限定されないが、酢酸塩、アジペート、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオネート)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバレート、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアネート、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸が含まれる。また、塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物、ヨウ化物などの低級アルキルのハロゲン化合物、ジメチル、ジエチル、ジブチル、ジアミルなどのジアルキル硫酸塩;デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物などの長鎖ハロゲン化物;ベンジルおよびフェネチル臭化物などのアリールアルキルハロゲン化物、その他の薬剤で四級化することができる。それにより、水溶性または油溶性または分散性の製品が得られる。薬学的に許容される酸付加塩を形成するために使用できる酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸などの有機酸が含まれる。塩基性付加塩は、カルボン酸含有部分を適切な塩基と反応させることによって、本発明の範囲内で記載した化合物の最終的な単離および精製中にその場で調製することができる。適切な塩基としては、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩またはアンモニアもしくは有機第一級、第二級または第三級アミンがある。薬学的に許容される塩としては、特に限定されないが、アルカリ金属またはアルカリ土類金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム塩など)に基づくカチオン、ならびに無毒の第四級アンモニアおよびアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミンなどのアミンカチオンが含まれる。塩基付加塩の形成に有用なその他の代表的な有機アミンとしては、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどが含まれる。薬学的に許容可能な塩は、例えば、アミンなどの十分に塩基性の化合物と生理学的に許容可能なアニオンを生成する適した酸とを反応させることによって、当該分野で周知の標準的手順を用いて得られる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)塩またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)塩も製造しうる。
いくつかの実施態様によれば、記載された発明は、組成物と包装材料とを含むキットを提供する。いくつかの実施態様によれば、キットは、さらに組成物を投与する手段を含む。いくつかの実施態様によれば、組成物は、少なくとも1つのROCK化合物を含む。いくつかの実施態様によれば、少なくとも1つのROCK阻害化合物はテルミサルタンである。いくつかの実施態様によれば、包装材料は、指示書である。いくつかの実施態様によれば、組成物の送達のための手段は、組成物を含むシリンジを含む。いくつかの実施態様によれば、キットの組成物はさらに薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
数値範囲が与えられると、文脈上別途断らない限り、下限の単位の10分の1まで、その言明された範囲におけるその範囲の上下限値と、その他の言明された値または介在する値との間の各介在値が、本発明に包含されるものと理解される。これらのより小範囲内に独立して含まれうる、より小範囲の上下限値も、本発明の範囲内に包含され、記載された範囲において特別に除外された限界値になる。記載された範囲が限界値の一方または両方を含む場合、限界値の一方または両方を除いた範囲もまた本発明に含まれる。
別途定義しない限り、全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野において当業者によって一般に理解されるものと同義である。本明細書に記載されたものと類似または等価な材料および方法は、いずれも記載された発明の実用または試験に使用しうるが、好ましい方法および材料が説明される。本明細書で触れたすべての文献が参照によって組み込まれて、当該文献が引用されている方法および/または材料と関連して開示され、記載されている。
製剤の成分:
原薬
化学名および構造
テルミサルタン:
化学名:4 '-[[4-メチル-6-(1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)-2-プロピル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル]メチル]ビフェニル-2-カルボン酸。
分子量:514.63gm/mol
分子式:C33H30N4O2
クロルタリドン:
化学名:2-クロロ-5-(1-ヒドロキシ-3-オキソ-2H-イソインドール-1イル)ベンゼンスルホンアミド。
分子量:338.762 g/mol
分子式:C14H11ClN2O4S
シルニジピン:
化学名:3-O-(2-メトキシエチル)5-O-[(E)-3-フェニルプロプ-2-エニル] 2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3,5-ジカルボキシレート。
(a) 物理化学的性質
(b.1) 溶解性:
テルミサルタン:白色または黄色の結晶性粉末、実質的に水に不溶<0.1 mg/mL (<0.01 %w/v)
クロルタリドン:白色から黄色がかった白色の結晶性粉末であるクロルタリドンは、水、エーテル、クロロホルムに不溶で、メタノールに溶け、アルコールにわずかに溶ける。
シルニジピン:わずかに黄色の粉末、実質的に水に不溶<1 mg/mL
(b.2) 安定性:
製品は、光や湿気から保護する必要がある。
製剤開発
実験設計(DOE)
錠剤は、2層からなり、第1層がクロルタリドン+シルニジピンおよび賦形剤を含み、第2層がテルミサルタンと賦形剤で構成されている(図1)。二層システムは、(アルカリ性微小環境)にあるテルミサルタン賦形剤が、その他の2つの影響を受けやすいAPIであるシルニジピンおよびクロルタリドンと相性が悪いために使用された。二層錠剤は、2つの別々の粒状混合物を特殊な二層回転打錠機上で圧縮するために設計される。
製造プロセスの設計スペースを規定するためにいかなる実験が必要か決定するため、重要品質特性(CQA)が以下のように特定される:
完成品仕様および極めて重要な品質特性(CQA)
Figure 2021536443
Figure 2021536443
CQAが以下のように決定された:
1.組み合わせ製品の最終剤形に関連する重要なパラメータ:
a. 第1層中にテルミサルタン、第2層中にクロルタリドンとシルニジピンを含む二層錠剤の設計。
b. 即時放出製剤としての全てのトリプル活性成分
c. 最終剤形中の各薬剤は、個々の参照製品と類似した溶出プロファイルを有している。
2.クロルタリドン/シルニジピン層に関連する重要なパラメータ:
a. 望ましい溶出プロファイルを得るため、ポビドン共重合体とともにシルニジピンとクロルタリドンとをメタノール中で共分散することは、必須であることがわかった。驚くべきことに、各薬剤を単独で分散させても、目標とする溶出プロフィールに達しない。このステップは、2つの薬剤の組み合わせにとって革新的で、新規であると考えられる。
b. 粉末混合物中に2つの有効成分を分散する湿式造粒技術。
c. 湿潤化と溶解促進のために粉体混合物中に界面活性剤を含めること。
d. 即時放出プロファイルを得るためのクロスポビドンなどの超崩壊の使用。
3.テルミサルタン層に関連する重要なパラメータ:
a. 活性成分は、この層を有効成分の溶出に影響するのに十分な程度にアルカリ性にするため、アルカリ性混合物(NaOH+メグルミネー)とバインダー(ポビドンK30)とともに溶解される。
b. 液体バインダーを吸収し、有効成分でアルカリ性を封じ込めるために微結晶性セルロースに加えて水溶性充填剤(マンニトールおよびソルビトール)を含む粉体混合物中の上記溶液の湿式造粒。
c. 溶解性材料を多く含むため、この層はゆっくりと溶解し、即時放出製剤の溶出に影響を及ぼす。
4.操作条件に関連したパラメータ:
a. テルミサルタン層の吸湿性があるため、操作条件は、乾燥条件とする必要がある(RH 40 %)。
b. シルニジピンの感受性があるので、全行程は、暗所で行った。
5.分析条件に関連したパラメータ:
a. シルニジピンの光感受性があるので、全分析活動は、条件の下である。
b. 溶解条件は、シルニジピンの溶出を増強し、インビボ条件を刺激するためのポリソルベート80(1%)界面活性剤ベースのシステムである。
6.主要包装材料に関連したパラメータ
A. 湿気と光から製品を守るため、以下の主要包装材料が推奨される:
Alu/Aluブリスター
乾燥剤を備えたHDPE不透明容器.
を備えたアンバーガラス容器
工程/製剤化因子から生じるテルミサルタン、クロルタリドン&シルニジピンの最初のリスク評価が表1に列挙されている。
重要な工程および製剤化パラメータは、表2のリスク分析プラン概要を用いてCQAへの影響に基づいて決定された。
上記リスク評価マトリックスにしたがい、以下の要素は製造プロセスに重要なものとして認識された:
1. API粒子サイズ
2. 固体分散液の調製
3. 団塊化(造粒)時間
4. 粉砕
5. 圧縮力(または硬さ)
有効医薬成分(API)の選択
有効成分のソースの選択は、以下に基づいている:
CTDフォーマットにおけるDMFの利用可能性
全ての必要なテストと仕様についての分析の証明書
ICHガイドラインに準拠した不純物プロファイル
要件にあう粒子サイズ分布
上記基準にあうことが判明したソース:
1. テルミサルタン:Alembic Pharmaceutical Ltd.
2. クロルタリドン:MENADIONA
3. シルニジピン:UNIQUE Chemicals (A Division of J.B Chemicals & Pharmaceuticals Ltd.)
賦形剤の選択
賦形剤の選択は、フィルムコーティングされた錠剤を生産するために実行された。この製品の定性組成についての公開データ、錠剤製剤の経験および利用可能な機械を用いてとりうる製造プロセスが基礎として使用されている。
以下の表3は、テルミサルタン、クロルタリドン&シルニジピンフィルムコーティング製剤試験で使用された賦形剤を示している。
原薬と賦形剤の適合性
この製剤に使用される賦形剤の適合性は、物理的および化学的に評価された。適合性がある賦形剤のみがこの製剤で使用された。
全ての意図する医薬用途をカバーするいくつかの賦形剤が評価されテストされた。以下の表は、本試験で使用される全ての賦形剤と適合性ステータスを概説している(表4)。サンプルは、HPLC安定性指示方法を用いて調製および評価された。
実験/実施例の一覧
実施例1:顆粒内外で使用した場合のシルニジピンおよびクロルタリドンの適合性の評価
実施例2:テルミサルタンの湿式造粒プロセスと二層錠剤化プロセスの評価
実施例3:テルミサルタンの湿式造粒プロセスと二層錠剤化プロセスの評価
実施例4:テルミサルタンの溶解性改善NaOH、PVP-K30およびメグルミンのような添加剤の効果。
実施例5:メグルミンがテルミサルタン溶解性および溶出に与える影響
実施例6:テルミサルタン薬剤放出の改善
実施例7:ポリソルベート20をクロルタリドン/シルニジピンIPA分散液に添加すること、および、ラクトース一水和物でプロソルブ90を置き換えることにより、クロルタリドンの溶解放出を改善すること
実施例8:PVP K-30に代えてPVP-K-12を用い、イソプロピルアルコールに代えてメタノールを用いることにより、クロルタリドンの溶解放出を改善すること。
実施例9:二層錠剤に関して、0.25%SLS溶解溶媒を用いて全ての活性剤の溶解放出を評価すること
実施例10:即時放出二層錠剤とカプセル処方のDR錠剤とで同じ処方を用いた場合の錠剤重量の減少。
実施例No.1
顆粒内外で使用した場合のシルニジピンおよびクロルタリドンの適合性の評価。表5Aは、製剤の組成を示す。HPLC(STP#)によってシルニジピンおよびクロルタリドンの適合性を試験するため、錠剤はHDPE製ジャー中に充填され、55℃で2ヶ月間保存された。シルニジピンを示す結果は、クロルタリドンと相性がよく、薬剤の1つが別の顆粒である1つの錠剤/層で使用しうる。(表5B)。
実施例No.2:
テルミサルタンの湿式造粒プロセスと二層錠剤化プロセスの評価
テルミサルタンの湿式造粒プロセスと二層錠剤化プロセスを評価する。錠剤の組成は表6Aにある。
手順:シルニジピンとPVP-k30をIPAに分散し、プロソルブ90およびクロスポビドンおよびSLSとともに造粒し、クロルタリドンを別途造粒として添加する。その後、水酸化ナトリウムを純水に溶かしてから、テルミサルタン、メグルミン、pvp-k30およびソルビトールとともに造粒してから二層を圧縮する。
溶出試験の結果は、許容限度内ではない(表6B);全有効成分に関して、溶解度および薬剤放出を改善する必要がある。
実施例No.3:
水性アルコール造粒液を用いたテルミサルタンの湿式造粒工程改善マンニトールおよびMCCの効果。錠剤製剤の組成は表7Aにある。
方法:シルニジピンおよびPVP-k30をIPAに分散し、プロソルブ90、クロスポビドンおよびSLSとともに造粒し、クロルタリドンを別途造粒して添加。その後、水酸化ナトリウムを少量の純水に溶かし、イソプロパノールで混合物を溶かしてから、テルミサルタン、メグルミン、pVP-k30およびソルビトールとともに造粒する。二層錠剤の最終圧縮。以下のパラメータを用いた3有効成分の溶解放出の試験:媒体:バッファー pH6.8, 75 RPM, 体積: 900。
溶出試験の結果は、許容限度内ではない(表7B);全有効成分に関して、溶解度および薬剤放出を改善する必要がある。
実施例No.4:
テルミサルタンの溶解性改善NaOH、PVP-K30およびメグルミンのような添加剤の効果組成物 表8A。
シルニジピンおよびPVP-K30をIPAに分散し、プロソルブ90、クロスポビドンおよびSLSとともに造粒し、クロルタリドンを別途造粒して添加。NaOH、テルミサルタン、PVP-K30およびメグルミンを水性アルコール溶液に溶解し、マンニトールファイン、マンニトールSDおよびクロスポビドンとともに造粒する。コンプレソールSMを別の顆粒に加える。二層錠剤の最終圧縮。
以下のパラメータを用いた3有効成分の溶解放出の試験:媒体:バッファー pH6.8, 75 RPM, 体積: 900。
テルミサルタンとシルニジピンに関する溶出結果は、改善した(表8B)が、クロルタリドンの溶出は、依然としてさらなる改善を要する。
実施例No.5:
メグルミンがテルミサルタン溶解性および溶出に与える影響
組成は、表9Aに示されている。
方法:シルニジピンおよびPVP-K30をIPAに分散し、プロソルブ90、クロスポビドンおよびSLSとともに造粒し、クロルタリドンを別途造粒して添加。その後、NaOH、テルミサルタン、PVP-K30およびメグルミンを水性アルコール溶液に溶解し、マンニトールファイン、マンニトールSDおよびクロスポビドンとともに造粒する。コンプレソールSMを別の顆粒に加える。二層錠剤の最終圧縮。以下のパラメータを用いた3有効成分の溶解放出の試験:媒体:バッファー pH6.8, 75 RPM, 体積: 900
溶出試験(表9B)は、許容限度内ではない;テルミサルタンおよびクロルタリドンに関して、溶解度および薬剤放出を改善する必要がある。
実施例No.6:
テルミサルタンの放出を改善すること、ならびに、SLSの量を増やしながらシルニジピンおよびPVP-k30に加えてクロルタリドンをIPA中に分散することにより、クロルタリドン/シルニジピン層に関する新しいプロセスを評価すること。組成は、表10Aに示されている。
方法:シルニジピン、クロルタリドンおよびPVP-K30をIPAに分散し、プロソルブ90、クロスポビドンおよびSLSとともに造粒する。その後、NaOH、テルミサルタン、PVP-K30およびメグルミンを水性アルコール溶液に溶解し、マンニトールファイン、マンニトールSDおよびクロスポビドンとともに造粒する。コンプレソールSMを別の顆粒に加える。二層錠剤の最終圧縮。以下のパラメータを用いた3有効成分の溶解放出の試験:媒体:水, 75 RPM, 体積: 900。
シルニジピンの溶出結果(表10B)は、許容限度内であるが、クロルタリドン放出は、依然としてさらなる改善が必要である。
実施例No.7:
ポリソルベート20をクロルタリドン/シルニジピンIPA分散液に添加すること、および、ラクトース一水和物でプロソルブ90を置き換えることにより、クロルタリドンの溶解放出を改善すること。組成は、表11Aに示されている。
方法:シルニジピン、クロルタリドン、ポリソルベート20およびPVP-K30をIPAに分散し、ラクトースメッシュ200、クロスポビドンおよびSLSとともに造粒する。その後、NaOH、テルミサルタン、PVP-K30およびメグルミンを水性アルコール溶液に溶解し、マンニトールファイン、マンニトールSDおよびクロスポビドンとともに造粒する。コンプレソールSMを別の顆粒に加える。二層錠剤の最終圧縮。
以下のパラメータを用いた3有効成分の溶解放出の試験:
媒体:バッファー pH6.8, 75 RPM, 体積: 900
クロルタリドンの放出結果(表11B)は、改善したが、さらなる最適化と類似性が必要である。
実施例No.8
PVP K-30に代えてPVP-K-12を用い、イソプロピルアルコールに代えてメタノールを用いることにより、クロルタリドンの溶解放出を改善すること。
方法:シルニジピン、クロルタリドンおよびPVP-K12をメタノールに分散し、ラクトースメッシュ200、クロスポビドンおよびSLSとともに造粒する。その後、単一錠剤クロルタリドン/シルニジピンの圧縮。以下のパラメータを用いた3有効成分の溶解放出の試験:
媒体:水, 75 RPM, 体積: 900
表12Aは、製剤の組成を示す。表12Bは、クロルタリドンの溶出結果と類似性が改善し、対照製品との類似性がマッチしたことを示す。
実施例No.9
二層錠剤に関して、0.25%SLS溶解溶媒を用いて全ての活性剤の溶解放出を評価すること。
方法:シルニジピン、クロルタリドンおよびPVP-K12をメタノールに分散し、ラクトースメッシュ200、クロスポビドンおよびSLSとともに造粒する。その後、NaOH、テルミサルタン、PVP-K12およびメグルミンを水性アルコール溶液に溶解し、マンニトールファイン、マンニトールSDおよびクロスポビドンとともに造粒する。コンプレソールSMを別の顆粒に加える。二層錠剤の最終圧縮。表13Aは、錠剤の組成を示す。以下のパラメータを用いた3有効成分の溶解放出の試験:媒体:0.25% SLS, 75 RPM, 体積: 900。
シルニジピン、クロルタリドンおよびテルミサルタンの溶出結果は、改善し(表13B(シルニジピン)、表13C(テルミサルタン)、図2(クロルタリドン)、図2(テルミサルタン)、図4(シルニジピン)、類似性が得られた。実験9は、好ましい製剤に似ている。対応する薬物動態挙動に加えて、3薬剤のインビトロ溶出速度は、抵抗性高血圧患者中のサーカディアンリズムを標的とし、通常に戻す原因となる。
実験例No.10:
即時放出二層錠剤とカプセル処方のDR錠剤とで同じ処方を用いた錠剤重量の効果。表14Aは、錠剤の組成を示す
別々の混合物中に各活性剤を調製し、各活性剤を単一錠剤に圧縮する。
以下のパラメータを用いた各単一錠剤の溶解放出の試験:
媒体:0.25% SLS, 75 RPM, 体積: 900。
全ての活性剤の溶出結果は、全ての活性剤に関して減少した。シルニジピン、クロルタリドンおよびテルミサルタンの溶出結果は、改善した(表14B(シルニジピン)、表14C(テルミサルタン)、表14D(クロルタリドン))。
即時放出二層錠剤とカプセル処方のDR錠剤とで同じ処方を用いた錠剤重量の効果(シルニジピン)は、図5に示す。即時放出二層錠剤とカプセル処方のDR錠剤とで同じ処方を用いた錠剤重量の効果(テルミサルタン)は、図6に示す。即時放出二層錠剤とカプセル処方のDR錠剤とで同じ処方を用いた錠剤重量の効果(クロルタリドン)は、図7に示す。
賦形剤の選択
表15は、錠剤製剤中に使用される賦形剤の原理的説明を示す。
過多量
製剤中のシルニジピン、クロルタリドンおよびテルミサルタンに関していかなる過多量も使用されない。
製造プロセス開発
シルニジピン+クロルタリドン層:
適切な賦形剤を用いた湿式造粒技術は、良好な溶出プロファイルをそなえた即時放出製剤を与える。
テルミサルタン層:
適切な塩基性賦形剤を用いた湿式造粒技術は、良好な溶出プロファイルをそなえた即時放出製剤を与える。
プロセスフローチャートは図8に示されている。
製造工程は図9Aおよび図9Bに示されている。
容器密封システム
主要包装材料の選択:
光および湿気に対するトリプル治療の感受性があるので、以下の容器密封システムが研究される必要がある:
1−Alu/Aluブリスター
2−白く不透明なポリプロピレン蓋(closure)および乾燥剤を備えた白く不透明なHDPE。
3−白く不透明なポリプロピレン蓋および乾燥剤を備えたアンバーグラスボトル。
長期(30℃±2℃)および加速試験(40℃±2℃)のいずれの安定性試験もこのタイプの容器を主要包装材料として使用することの信頼性を確認した。
包装材料は、製造管理および品質管理に関する基準(GMP)に準拠した正規の品質管理試験を経る。
微生物の特性
微生物の汚染に関するテストが製品に関して実施された。米国薬局方に準拠して、1gあたりの好気性細菌;1gあたりのカビ;1gあたりの大腸菌の仕様が含まれる。
相溶性
相溶性は、最終包装中の最終製品の安定性試験を通じて結論付けられる。
本明細書に使用されており、添付の特許請求の範囲にあるように、単数形「a」、「and」および「the」には、明確に別途記載しない限り、複数への言及を含む。本明細書に記載の全ての技術および科学用語は同義である。
表1:テルミサルタン、クロルタリドン&シルニジピンの最初のリスク評価
以下の表は、プロセス/処方要因から来る潜在的なリスクを列挙している。
Figure 2021536443
表2:重要な工程および製剤化パラメータは、以下のリスク分析プランを用いてCQAへの影響に基づいて決定された:
Figure 2021536443
表3:賦形剤を使用したテルミサルタン、クロルタリドン&シルニジピンのフィルムコート錠剤
Figure 2021536443
表4:表は、本試験で使用される全ての賦形剤と適合性ステータスを概説している。サンプルは、HPLC安定性指示方法を用いて調製および評価された。
Figure 2021536443
表5A:顆粒内外で使用した場合のシルニジピンおよびクロルタリドンの適合性の評価
組成
Figure 2021536443
表5B:シルニジピンを示す結果は、クロルタリドンと相性がよく、薬剤の1つが別の顆粒である1つの錠剤/層で使用しうる。
Figure 2021536443
表6A:テルミサルタンの湿式造粒プロセスと二層錠剤化プロセスを評価する。組成は以下に示す
Figure 2021536443
表6B:溶出試験の結果は、許容限度内ではない;全有効成分に関して、溶解度および薬剤放出を改善する必要がある。
Figure 2021536443
表7A:水性アルコール造粒液を用いたテルミサルタンの湿式造粒工程改善マンニトールおよびMCCの効果。錠剤製剤の組成
Figure 2021536443
Figure 2021536443
表7B:表7Aの錠剤製剤に関する溶出試験の結果は、許容限度内ではない;全有効成分に関して、溶解度および薬剤放出を改善する必要がある。
Figure 2021536443
Figure 2021536443
Figure 2021536443
表8A:テルミサルタンの溶解性改善NaOH、PVP-K30およびメグルミンのような添加剤の効果。製剤の組成
Figure 2021536443
Figure 2021536443
表8B:表8Aの製剤中のテルミサルタンとシルニジピンに関する溶出結果は、改善したが、クロルタリドンの溶出は、依然としてさらなる改善を要する。
Figure 2021536443
Figure 2021536443
Figure 2021536443
表9A:メグルミンがテルミサルタン溶解性および溶出に与える影響
Figure 2021536443
表9B:表9Aの組成物に関する溶出試験は、許容限度内ではない;テルミサルタンおよびクロルタリドンに関して、溶解度および薬剤放出を改善する必要がある。
Figure 2021536443
Figure 2021536443
Figure 2021536443
表10A:テルミサルタンの放出を改善すること、ならびに、SLSの量を増やしながらシルニジピンおよびPVP-k30に加えてクロルタリドンをIPA中に分散することにより、クロルタリドン/シルニジピン層に関する新しいプロセスを評価すること。実施例6に関する以下の組成:
Figure 2021536443
Figure 2021536443
表10B:表10Aに示す製剤に関するシルニジピンの溶出結果は許容限度内であるが、クロルタリドン放出は、依然としてさらなる改善が必要である
Figure 2021536443
Figure 2021536443
ポリソルベート20をクロルタリドン/シルニジピンIPA分散液に添加すること、および、一水和物でプロソルブ90を置き換えることにより、クロルタリドンの溶解放出を改善すること。実施例7に関する以下の組成。
Figure 2021536443
Figure 2021536443
表11B:表11Aの製剤におけるクロルタリドンの放出結果は改善したが、さらなる最適化と類似性が必要である。
Figure 2021536443
表12Aは、実施例8における製剤の組成を示す:
Figure 2021536443
表12Bは、クロルタリドンの溶出結果と類似性が改善し、参照製品との類似性がマッチしたことを示す。
Figure 2021536443
表13Aは、実施例9における錠剤の組成を示す。
Figure 2021536443
表13B:表13Aに示された製剤中のクロルタリドンの溶出結果
Figure 2021536443
表13B:表13Aに示された製剤中のテルミサルタンの溶出結果
Figure 2021536443
表14A:実施例10における錠剤の組成を示す。
Figure 2021536443
Figure 2021536443
表14B シルニジピンの溶出結果実施例10試験に関連する結果
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表14C テルミサルタンの溶出結果実施例10試験に関連する結果。
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表14D クロルタリドンの溶出結果実施例10試験に関連する結果。
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表15は、錠剤製剤中に使用される賦形剤の原理的説明を示す。
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Claims (21)

  1. 有効量のシルニジピン、テルミサルタンおよびクロルタリドンを含む血圧を降下させるための医薬組成物。
  2. 有効成分として、本質的にテルミサルタン、シルニジピンおよびクロルタリドンからなる、請求項1に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  3. テルミサルタン5〜80mgと、シルニジピン1.25〜20mgとを含む、請求項1に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  4. テルミサルタン10〜80mgと、シルニジピン1.25〜20mgと、クロルタリドン10〜25mgとを含む、請求項1に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  5. テルミサルタン、シルニジピンおよびクロルタリドンを16:8:10〜16:2:5の重量比で含む、請求項1に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  6. テルミサルタン80mgと、シルニジピン5mgと、クロルタリドン12.5mgを含む、請求項1に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  7. テルミサルタン40mgと、シルニジピン10mgと、クロルタリドン12.5mgを含む、請求項1に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  8. テルミサルタン20〜80mgと、シルニジピン5〜20mgと、クロルタリドン12.5〜25mgとを含む、請求項1に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  9. 請求項1に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  10. 経口剤形に製剤化された請求項1に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  11. 有効量のテルミサルタン、シルニジピンおよびクロルタリドンを含み、高血圧、心不全、冠動脈性心疾患、虚血性心疾患、虚血性末梢血管疾患、高血圧性腎不全、脳卒中またはアテローム性動脈硬化症、および、抵抗性高血圧症の治療のために用いられる、高血圧のサーカディアンリズムを標的として作用する、血圧を降下させるための医薬組成物。
  12. テルミサルタン5〜80mgおよびシルニジピン1.25〜20mgを含む、請求項11に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  13. テルミサルタン10〜80mgと、シルニジピン1.25〜20mgと、クロルタリドン10〜25mgとを含む、請求項11に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  14. テルミサルタン、シルニジピンおよびクロルタリドンを16:8:10〜16:2:5の重量比で含む、請求項11に記載の血圧を降下するための医薬組成物。
  15. テルミサルタン80mgと、シルニジピン5mgと、クロルタリドン12.5mgを含む、請求項11に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  16. テルミサルタン40mgと、シルニジピン10mgと、クロルタリドン12.5mgを含む、請求項11に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  17. テルミサルタン20〜80mgと、シルニジピン5〜20mgと、クロルタリドン12.5〜25mgとを含む、請求項11に記載の血圧を降下するための医薬組成物。
  18. 経口剤形に製剤化された請求項11に記載の血圧を降下するための医薬組成物。
  19. 二層錠剤を用いて作られた請求項11に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  20. テルミサルタンが第1層に製剤化され、シルニジピンおよびクロルタリドンが一緒に第2層に入っている請求項11に記載の血圧を降下させるための医薬組成物。
  21. シルニジピンおよびクロルタリドンが、シルニジピンおよびクロルタリドンの共分散によって調製された、請求項12に記載の血圧を降下するための医薬組成物。
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