JP2021535559A - Exdおよびptrを使用するトップダウンプロテオミクスのための方法 - Google Patents

Exdおよびptrを使用するトップダウンプロテオミクスのための方法 Download PDF

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Abstract

解離デバイスが、前駆イオンを断片化し、解離デバイス内で重複するm/z値を伴う少なくとも2つの異なる生成イオンを生成する。解離デバイスは、AC電圧およびDC電圧を印加し、少なくとも2つの生成イオンを含む、閾値m/zを下回るイオンを捕獲する、擬ポテンシャルを生成する。解離デバイスは、それらのm/z値がAC電圧によって設定される閾値m/zを上回って増加するまで、捕獲された少なくとも2つの生成イオンを電荷低減させる、電荷低減試薬を受容する。少なくとも2つの生成イオンのm/z値の増加は、それらの重複を減少させる。増加したm/z値を伴う少なくとも2つの生成イオンは、他のデバイスに印加されるDC電圧に対してDC電圧を解離デバイスに印加することによって、後続の質量分析のために別のデバイスに伝送される。

Description

(関連出願)
本願は、その内容が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2018年8月29日に出願された米国仮特許出願第62/724,497号の利益を主張する。
(緒言)
本明細書の教示は、質量分析の前に、閾値質量対電荷比(m/z)値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための質量分析装置に関する。より具体的には、解離デバイスが、前駆イオンを断片化し、交流(AC)電圧および直流(DC)電圧によって生成される擬ポテンシャルを使用して、閾値m/z値を下回る生成イオンを捕獲し、少なくとも2つの生成イオンのm/z値が、閾値m/zを上回って増加し、それによって、m/z重複を減少させるように、捕獲された生成イオンを電荷低減させる、電荷低減試薬を受容し、他のデバイスに対して直流(DC)電圧を印加することによって、後続の質量分析のために少なくとも2つの生成イオンを別のデバイスに伝送する。
本明細書に開示される装置および方法はまた、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または図1のコンピュータシステム等のコンピュータシステムと併せて実施される。
(質量分析背景)
質量分析(MS)は、それらの化合物から形成されるイオンのm/z値の分析に基づく、化学化合物の検出および定量化のための分析技法である。MSは、試料からの1つ以上の着目化合物のイオン化、前駆イオンの生成、および前駆イオンの質量分析を伴う。
タンデム質量分析または質量分析/質量分析(MS/MS)は、試料からの1つ以上の着目化合物のイオン化、1つ以上の化合物の1つ以上の前駆イオンの選択、生成イオンへの1つ以上の前駆イオンの断片化、および生成イオンの質量分析を伴う。
MSおよびMS/MSは両方とも、定性的および定量的情報を提供することができる。測定された前駆または生成イオンスペクトルは、着目分子を同定するために使用されることができる。前駆イオンおよび生成イオンの強度もまた、試料に存在する化合物の量を定量化するために使用されることができる。
(断片化技法背景)
電子ベースの解離(ExD)、紫外線光解離(UVPD)、赤外線光解離(IRMPD)、および衝突誘発解離(CID)が、多くの場合、タンデム質量分析(MS/MS)のための断片化技法として使用される。ExDは、限定ではないが、電子捕捉解離(ECD)または電子伝達解離(ETD)を含むことができる。CIDは、タンデム質量分析計における解離のための最も従来的技法である。
(生成イオン重複問題)
トップダウンおよびミドルダウンプロテオミクスでは、無傷または消化されたタンパク質が、イオン化され、タンデム質量分析を受ける。例えば、ECDは、ペプチドおよびタンパク質骨格を優先的に解離する解離技法である。結果として、本技法は、トップダウンおよびミドルダウンプロテオミクスアプローチを使用して、ペプチドまたはタンパク質配列を分析するための理想的なツールである。しかしながら、残念なことに、大規模な程度の生成イオン重複が、あるECDタンパク質分析で遭遇されている。特に、高電荷状態(>15+)を伴って、かつそれらの前駆イオンに非常に近いm/z値を伴ってECDによって生成される生成イオンは、相互と重複するm/z値を有し得ることが実証されている。これらの異なる生成イオンが、殆ど同一のm/z値を有するため、それらは、選択的に質量を検出することが困難(または殆ど不可能)である。
図2は、それらの前駆イオンの近傍の重複した高電荷生成イオンの領域を示す、タンパク質に関する生成イオン質量スペクトルの例示的な仮説的プロット200である。例えば、括弧210は、それらの前駆イオン220の近傍の重複した高電荷生成イオンの領域を示す。
イオンのm/z重複を低減させる1つの方法は、それらの電荷を低減させることである。イオンの電荷を低減させることは、そのm/z値を増加させる。類似m/z値を伴う2つのイオンの電荷を低減させることは、これらのイオンを、重複が殆どまたは全くない、より高いm/z値に移動させることができる。
McLuckey et al., Anal. Chem. 2002, 74, 336−346(以降では「McLuckey論文」)は、例えば、高質量多価イオンと関連付けられるイオン電荷が操作され得ることが周知であると説明している。また、蓄積されたイオンは、反対電荷のイオンと混合され、イオン/イオンプロトン移動反応(PTR)を生成し、イオンの電荷状態も低減させ得ることも周知である。
他者は、PTRをETDによって生成された生成イオンに印加し、生成イオンのm/z値を移動させ、生成イオン重複を防止し、生成イオンスペクトルを単純化した(www.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.0503189102 PNAS 2005 vol. 102 page 9463−946)。しかしながら、これらの研究では、(非常に大きいm/zを伴う)そのような電荷低減断片が、使用された質量分析器の質量範囲外に移動されたため、いくつかの大型断片が、失われた。
McLuckey論文は、イオンに印加されるPTRを具体的m/z値に限定する1つの方法を提供する。本技法では、イオン/イオンPTR率は、特定のイオンのみがトラップ内に維持されるように、選択的様式で阻止される。McLuckey論文は、本イオン/イオンPTRの阻止を「ピーク駐留」と称する。イオン/イオンPTRを阻止するために、McLuckey論文の技法は、双極共振励起電圧を四重極イオントラップのエンドキャップ電極に印加する。McLuckey論文に説明される例示的共振励起電圧は、約数万ヘルツの周波数を有する。
共振励起AC電圧は、種を励起させるように、事前設定された電荷状態における標的イオンピークの長期周波数において印加され、次いで、PTRが、多くの電荷状態を伴うイオン群に印加される。PTR反応率が、イオンの高運動エネルギーによって減少されるため、PTRは、イオン電荷状態またはm/zが励起標的に到達するときに停止される。
残念ながら、本アプローチは、必要とされる複雑なパラメータ設定により、市販の器具では実装されていない。本アプローチに関する別の問題は、イオンの共振励起が、イオンにグリコシル化等の脆弱な翻訳後修飾部分を失わせる可能性が非常に高いことである。換言すると、イオンの共振励起は、イオンを断片化させ得る。本アプローチに関するさらに別の問題は、それが駐留イオンのパルス放出を伴うことである。電荷低減イオンが、トラップ内に留まる。それらは、次いで、選択および分析のためにトラップから一度に全て放出される。本パルス放出は、多数のイオンが一度に放出され得ることを意味する。一度に多数のイオンの放出は、下流質量分析器の飽和につながり得る。
(要約)
装置、方法、およびコンピュータプログラム製品が、質量分析の前に、閾値質量対電荷比(m/z)値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるために開示される。本装置は、解離デバイスと、PTR試薬源デバイスとを含む。
試薬源デバイスは、電荷低減試薬を供給する。解離デバイスは、前駆イオンを受容し、前駆イオンを断片化して、複数の生成イオンを生成する。解離デバイスは、試薬源デバイスから電荷低減試薬を受容する。解離デバイスは、軸方向に擬ポテンシャルを生成し、解離デバイス内で閾値m/zを下回るm/z値を伴う複数の生成イオンのうちの生成イオンを捕獲する、AC電圧およびDC電圧を、その1つ以上の電極に印加する。AC電圧は、ひいては、捕獲された生成イオンのうちの少なくとも2つの生成イオンのm/z値が、閾値m/zを上回るm/z値まで増加するように、捕獲された生成イオンを受容された電荷低減試薬によって電荷低減させる。解離デバイスは、閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う少なくとも2つの生成イオンを、解離デバイスの後に位置付けられる次のデバイスに連続的に伝送させる、次のデバイスの電極に印加されるDC電圧に対して、DC電圧をその1つ以上の電極に印加する。
出願人の教示のこれらおよび他の特徴が、本明細書に記載される。
当業者は、下記に説明される図面が、例証目的のためにすぎないことを理解するであろう。図面は、本教示の範囲をいかようにも限定することも意図していない。
図1は、本教示の実施形態が実装され得る、コンピュータシステムを図示する、ブロック図である。
図2は、それらの前駆イオンの近傍の重複した高電荷生成イオンの領域を示す、タンパク質に関する生成イオン質量スペクトルの例示的な仮説的プロットである。
図3は、種々の実施形態による、試料イオンおよび試薬が、同時に異なるポートを通して受容される、質量分析の前に、閾値質量対電荷比(m/z)値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための装置の概略図である。
図4は、種々の実施形態による、電子捕捉解離(ECD)デバイスとして構成されるキメラデバイスの概略図である。
図5は、種々の実施形態による、キメラECD解離デバイスおよび衝突誘発解離(CID)セルの切断3次元斜視図である。
図6は、種々の実施形態による、差分電荷状態におけるミオグロビンの12個の異なる生成イオンに関するm/z値を仮説的に示す、例示的な仮説的表である。
図7は、種々の実施形態による、図6の12個の生成イオンが、1300のm/z閾値および図3の装置を使用して、単一の重複するm/z値から10個の別個のm/z値まで移動される様子を示す、例示的な仮説的プロットである。
図8は、種々の実施形態による、同時に異なるポートを通して試料イオンおよび試薬を受容する解離デバイスが、同一のポートを通して試料イオンおよび試薬を別個に受容する解離デバイスに置換される、図3の装置の概略図である。
図9は、種々の実施形態による、質量分析の前に、閾値m/z値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための方法を示す、フローチャートである。
図10は、種々の実施形態による、質量分析の前に、閾値m/z値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための方法を実施する、1つ以上の明確に異なるソフトウェアモジュールを含む、システムの概略図である。
本教示の1つ以上の実施形態が、詳細に説明される前に、当業者は、本教示が、それらの用途において、以下の詳細な説明に記載される、または図面に図示される、構造、構成要素の配列、およびステップの配列の詳細に限定されないことを理解するであろう。また、本明細書で使用される語句および専門用語は、説明の目的のためのものであって、限定的と見なされるべきではないことを理解されたい。
(様々な実施形態の説明)
(コンピュータ実装システム)
図1は、本教示の実施形態が実装され得る、コンピュータシステム100を図示する、ブロック図である。コンピュータシステム100は、情報を通信するためのバス102または他の通信機構と、情報を処理するためのバス102と結合されるプロセッサ104とを含む。コンピュータシステム100はまた、プロセッサ104によって実行されるべき命令を記憶するために、バス102に結合される、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスであり得る、メモリ106を含む。メモリ106はまた、プロセッサ104によって実行されるべき命令の実行の間に、一時的変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。コンピュータシステム100はさらに、プロセッサ104のための静的情報および命令を記憶するために、バス102に結合される読取専用メモリ(ROM)108または他の静的記憶デバイスを含む。磁気ディスクまたは光ディスク等の記憶デバイス110は、情報および命令を記憶するために提供され、バス102に結合される。
コンピュータシステム100は、バス102を介して、コンピュータユーザに情報を表示するために、ブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ112に結合されてもよい。英数字および他のキーを含む、入力デバイス114が、情報およびコマンド選択をプロセッサ104に通信するために、バス102に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ104に通信するため、かつディスプレイ112上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソル制御116である。本入力デバイスは、典型的には、デバイスが平面内で位置を規定することを可能にする、2つの軸、すなわち、第1の軸(すなわち、x)および第2の軸(すなわち、y)において2自由度を有する。
コンピュータシステム100は、本教示を実施することができる。本教示のある実装によると、結果は、プロセッサ104が、メモリ106内に含有される1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータシステム100によって提供される。そのような命令は、記憶デバイス110等の別のコンピュータ可読媒体から、メモリ106に読み込まれてもよい。メモリ106内に含有される命令のシーケンスの実行は、プロセッサ104に、本明細書に説明されるプロセスを実施させる。代替として、有線回路が、本教示を実装するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて使用されてもよい。したがって、本教示の実装は、ハードウェア回路およびソフトウェアの任意の具体的組み合わせに限定されない。
種々の実施形態では、コンピュータシステム100は、ネットワーク化されたシステムを形成するように、ネットワークを横断して、コンピュータシステム100のような1つ以上の他のコンピュータシステムに接続されることができる。ネットワークは、私設ネットワークまたはインターネット等の公衆ネットワークを含むことができる。ネットワーク化されたシステムでは、1つ以上のコンピュータシステムは、データを記憶し、他のコンピュータシステムに供給することができる。データを記憶および供給する、1つ以上のコンピュータシステムは、サーバ、またはクラウドコンピューティングシナリオではクラウドと称されることができる。1つ以上のコンピュータシステムは、例えば、1つ以上のウェブサーバを含むことができる。データをサーバまたはクラウドに送信し、そこから受信する、他のコンピュータシステムは、例えば、クライアントまたはクラウドデバイスと称されることができる。
本明細書で使用されるような用語「コンピュータ可読媒体」は、実行のために、命令をプロセッサ104に提供することに関与する、任意の媒体を指す。そのような媒体は、限定ではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む、多くの形態をとってもよい。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス110等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メモリ106等の動的メモリを含む。伝送媒体は、バス102を備えるワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。
コンピュータ可読媒体またはコンピュータプログラム製品の一般的形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD−ROM、デジタルビデオディスク(DVD)、Blu−ray(登録商標)ディスク、任意の他の光学媒体、サムドライブ、メモリカード、RAM、PROM、およびEPROM、フラッシュEPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、またはコンピュータが読み取り得る任意の他の有形媒体を含む。
種々の形態のコンピュータ可読媒体が、実行のために、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ104に搬送することに関与し得る。例えば、命令は、最初に、遠隔コンピュータの磁気ディスク上で搬送されてもよい。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリの中にロードし、モデムを使用して、電話回線を経由して、命令を送信することができる。コンピュータシステム100にローカルなモデムは、電話回線上でデータを受信し、データを赤外線信号に変換するために、赤外線送信機を使用することができる。バス102に結合された赤外線検出器は、赤外線信号内で搬送されるデータを受信し、データをバス102上に置くことができる。バス102は、データをメモリ106に搬送し、そこから、プロセッサ104は、命令を読み出し、実行する。メモリ106によって受信された命令は、随意に、プロセッサ104による実行前または後のいずれかで、記憶デバイス110上に記憶されてもよい。
種々の実施形態によると、方法を実施するためにプロセッサによって実行されるように構成される命令は、コンピュータ可読媒体上に記憶される。コンピュータ可読媒体は、デジタル情報を記憶するデバイスであり得る。例えば、コンピュータ可読媒体は、ソフトウェアを記憶するための当技術分野で公知であるようなコンパクトディスク読取専用メモリ(CD−ROM)を含む。コンピュータ可読媒体は、実行されるように構成される命令を実行するために好適なプロセッサによってアクセスされる。
本教示の種々の実装の以下の説明は、例証および説明の目的のために提示されている。これは、包括的ではなく、本教示を開示される精密な形態に限定しない。修正および変形例が、上記の教示に照らして可能である、または本教示の実践から入手され得る。加えて、説明される実装は、ソフトウェアを含むが、本教示は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして、またはハードウェア単独で実装されてもよい。本教示は、オブジェクト指向および非オブジェクト指向両方のプログラミングシステムを用いて実装されてもよい。
(擬ポテンシャルイオン蓄積および電荷低減)
上記に説明されるように、ECD等のExD技法が、特に、タンパク質およびペプチドを分析するために非常に適している。しかしながら、高電荷状態(>15+)を伴って、かつそれらの前駆イオンに非常に近いm/z値を伴ってECDによって生成される、いくつかの生成イオンは、相互と重複するm/z値を有し得る。これらの異なる生成イオンが、殆ど同一のm/z値を有するため、それらは、選択的に質量を検出することが困難(または殆ど不可能)である。
イオンのm/z重複を低減させる1つの方法は、それらの電荷を低減させることである。イオンの電荷を低減させることは、そのm/z値を増加させる。類似m/z値を伴う2つのイオンの電荷を低減させることは、これらのイオンを、重複が殆どまたは全くない、より高いm/z値に移動させることができる。
イオン/分子またはイオン/イオンプロトン移動反応(PTR)が、イオンの電荷状態を低減させるために使用され得ることが周知である。しかしながら、いくつかの純粋PTR実験では、(非常に大きいm/zを伴う)そのような電荷低減断片が、使用された質量分析器の質量範囲外に移動されたため、大型断片が、失われた。
McLuckey論文は、イオンに印加されるPTRを具体的m/z値に限定する1つの方法を提供する。本技法では、イオン/イオンプロトン移動反応(PTR)が、共振励起電圧を四重極イオントラップのエンドキャップ電極に印加することによって、選択された電荷状態またはm/z値において阻止される。残念ながら、本アプローチは、複雑なパラメータ設定を要求し、イオンを断片化させ得、電荷低減イオンのパルス放出に起因して飽和問題を引き起こし得る。
種々の実施形態では、生成イオンが、共振励起を使用することなく、断片化の直後に、解離デバイス内で低減電荷状態において蓄積される。代わりに、付加的交流(AC)電圧が、あるm/z値に到達した電荷低減生成イオンのみが伝送され得る、擬ポテンシャル電圧障壁を生成するように、解離デバイスの全てのロッドに、または解離デバイスの出射開口またはレンズに印加される。
McLuckey論文では、イオントラップに印加される付加的AC共振励起は、電荷低減が阻止されるm/z値に対応する周波数を与えられる。本周波数は、より高い運動エネルギーで本m/z値におけるイオンを励起させ、それらが電荷低減試薬と反応することを防止する。残念ながら、このより高い運動エネルギーもまた、これらのイオンを断片化させ得る。
対照的に、反応デバイス内のロッド電極全体に印加される付加的AC電圧は、種々の実施形態では、閾値m/z値を下回るm/z値を伴う生成イオンが解離デバイスの外側に移動することを防止する、擬ポテンシャル障壁を生成する。これは、それらが電荷低減試薬と反応し続けることを可能にする。付加的AC電圧の振幅は、例えば、閾値m/z値の平方根と比例する。結果として、AC電圧の振幅を低下させることは、閾値m/z値を低下させる。線形RFQに印加されるピーク駐留の場合、AC電圧は、電荷低減種の長期周波数を励起させるように半径方向に印加される。
対照的に、種々の実施形態では、AC電圧は、軸方向に印加され、これは、半径方向に共振励起を誘発しない。これは、解離セルの出口におけるロッドの間にポテンシャル障壁を生成する。AC電圧を解離セルに印加するための少なくとも2つのオプションが存在する。1つは、AC電圧が、解離セルロッドセットと解離セルの出口に設置されるレンズ電極(または出射レンズ電極)との間にAC電場を印加するように、解離セルのロッド上に印加されることである。別のオプションは、AC電圧が出射レンズ電極において印加されることである。質量選択的閾値を生成するために、DCバイアスが、出射レンズと解離セルとの間に印加される。正電荷を持つ前駆イオンに関して、出射レンズは、解離セルに対して負に設定される。負電荷を持つ前駆イオンに関して、出射レンズは、解離セルに対して正に設定される。
四重極解離デバイスでは、例えば、適切な無線周波数(RF)電圧が、半径方向にイオンを閉じ込めるために、解離デバイス内の反対の電極対に印加される。種々の実施形態では、付加的AC電圧は、擬ポテンシャル障壁を生成するために、RF電圧にわたって重畳される。擬ポテンシャルについての背景情報が、“The Encyclopedia of Mass Spectrometry,” Vol 1, 182−194(2003)内のGerlich, RF Ion Guides(参照することによって本明細書に組み込まれる)で見出されることができる。
2008年11月25日に発行された米国特許第7,456,388号(以降では「第‘388号特許」)(参照することによって本明細書に組み込まれる)は、例えば、イオンパケットを濃縮するためのイオンガイドを説明する。第‘388号特許は、例えば、事実上、伝送損失を伴わずに、広いm/z範囲にわたってイオンの分析を可能にする、装置および方法を提供する。イオンガイドからのイオンの放出は、(m/zにかかわらず)全てのイオンが、所望のシーケンスで、または所望の時間に、ほぼ同一のエネルギーを用いて、例えば、飛行時間(TOF)質量分析器の抽出領域または加速器等の空間内の指定された点に到着させられ得る、条件を生成することによって、影響を受ける。そのような方法で束にされるイオンは、次いで、例えば、TOF抽出パルスを使用して抽出され、TOF検出器上の同一のスポットに到着するために所望の経路に沿って推進されることによって、群として操作されることができる。
全てのイオンが、所望の場所に、所望の時間において、ほぼ同一のエネルギーを用いて到着するように、イオンガイドからイオンを放出するために、第‘388号特許は、付加的AC電圧をイオンガイドに印加する。本付加的AC電圧は、擬ポテンシャル障壁を生成する。第‘388号特許では、AC電圧の振幅は、最初に、最大m/z値を伴うイオンの放出のみを可能にするように設定される。次いで、AC電圧の振幅は、擬ポテンシャルウェルの深度を変化させ、ますます小さくなるm/z値を伴うイオンがイオンガイドから放出されることを可能にするように、段階的に次第に低減される。換言すると、第‘388号特許では、AC電圧振幅は、スキャンされる。
種々の実施形態では、解離デバイスに印加されるAC電圧は、スキャンされない。1つのAC電圧振幅は、m/z閾値に対応するように設定される。加えて、AC電圧は、異なるm/z値のイオンを連続的に放出するために使用されない。代わりに、AC電圧は、PTRに起因して電荷低減後に閾値m/z値に到達するイオンが連続的に放出される、障壁を生成するために使用される。
図3は、種々の実施形態による、試料イオンおよび試薬が、同時に異なるポートを通して受容される、質量分析の前に、閾値m/z値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための装置の概略図300である。図3の装置は、試薬源デバイス312と、Q1質量フィルタデバイス316と、解離デバイス317とを含む。本装置は、例えば、質量分析計310の一部である。
イオン源デバイス311は、試料の化合物をイオン化し、異なるm/z値を伴う前駆イオンのイオンビームを生成する。イオンビームは、例えば、オリフィスおよびスキマ313、イオンガイド314、およびQ0イオンガイド315を通して、Q1質量フィルタデバイス316によって受容される。
イオン源デバイス311は、限定ではないが、エレクトスプレーイオン源(ESI)デバイス、電子衝撃源および高速原子衝撃源デバイス、大気圧化学イオン化源(APCI)デバイス等の化学イオン化(CI)源デバイス、大気圧光イオン化(APPI)源デバイス、またはマトリクス支援レーザ脱離源(MALDI)デバイスであり得る。
試薬源デバイス312は、電荷低減試薬を供給する。電荷低減試薬は、電荷イオンであり得る。
Q1質量フィルタデバイス316は、イオンビームから試料の化合物の前駆イオンを選択し、前駆イオンを解離デバイス317に伝送する。
解離デバイス317は、選択された前駆イオンを断片化し、解離デバイス317内で複数の生成イオンを生成する。解離デバイス317は、軸方向に擬ポテンシャルを生成し、解離デバイス317内で閾値m/zを下回るm/z値を伴う複数の生成イオンのうちの生成イオンを捕獲する、AC電圧およびDC電圧を、その電極のうちの1つ以上のものに印加する。解離デバイス317は、試薬源デバイス312から電荷低減試薬を受容する。電荷低減試薬およびAC電圧は、捕獲された生成イオンのうちの少なくとも2つの生成イオンのm/z値が、閾値m/zを上回るm/z値まで増加するように、捕獲された生成イオンを電荷低減させる。解離デバイス317は、閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う少なくとも2つの生成イオンを次のデバイスに連続的に伝送させる、次のデバイスの電極に印加されるDC電圧に対して、DC電圧をその1つ以上の電極に印加する。次のデバイスは、例えば、解離デバイス317の後に位置付けられるQ2解離デバイス319である。Q2解離デバイス319は、例えば、質量分析のために、閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う少なくとも2つの生成イオンを質量分析器デバイス320に伝送する。
図3では、試薬源デバイス312が、解離デバイス317に結合される。解離デバイス317は、例えば、キメラデバイスである。キメラデバイスは、4つの分岐を提供する8つのL字形電極を含む。整合された一対の分岐は、Q1質量フィルタデバイス316から前駆イオンを受容する。別の整合された一対の分岐は、試薬源デバイス312からPTR試薬を受容する。
図4は、種々の実施形態による、ECDデバイスとして構成されるキメラデバイスの概略図400である。キメラデバイスは、電子エミッタまたはフィラメント410と、電子ゲート420とを含む。電子が、イオン430の流動と垂直に、かつ磁場440の方向と平行に放射される。
図3に戻ると、ExDまたはUVPD解離デバイス317を含む質量分析計は、典型的には、CIDのためのQ2解離デバイス319のような別の解離デバイスを含む。Q2解離デバイス319は、例えば、タンパク質またはペプチド以外の化合物を断片化するために使用される。タンパク質またはペプチドの分析の間に、Q2解離デバイス319は、イオンガイドとして作用し、単に、解離デバイス317から質量分析器デバイス320に生成イオンを伝送する。
図5は、種々の実施形態による、キメラECDおよびCID衝突セルの切断3次元斜視図500である。図5は、被分析物イオンの断片化が、選択的に、キメラECD514内の場所511で、またはCID衝突セル515内の場所512で実施され得ることを示す。
図3に戻ると、PTR試薬は、重複するm/z値を伴う少なくとも2つの生成イオンの電荷状態を低減させるために、解離デバイス317に供給される。しかしながら、ある程度の捕獲力がないと、少なくとも2つの生成イオンは、単に、解離デバイス317を通して通過するであろう。解離デバイス317内で少なくとも2つの生成イオンを捕獲するために、AC電圧が、例えば、AC電圧源322を使用して、解離デバイス317の全てのロッドに印加される。種々の代替実施形態では、AC電圧は、出射開口またはIQ2Bレンズ318の電極に印加される。上記に説明されるように、AC電圧は、少なくとも2つの生成イオンによって受けられる擬ポテンシャルを生成する。
プロット340は、質量分析計310内の異なる場所において異なる生成イオンによって受けられるポテンシャルを描写する。例えば、線341は、全ての生成イオンが解離デバイス317とQ2解離デバイス319との間で受けるDCポテンシャルを描写する。線342は、閾値m/z値を下回るm/z値を伴う生成イオンが受ける、複合ACおよびDC(擬)ポテンシャルを描写する。線342は、これらのイオンがQ2解離デバイス319まで移動することを防止する障壁が存在することを示す。
線343は、閾値m/z値を上回るm/z値を伴う生成イオンが受ける、複合ACおよびDC(擬)ポテンシャルを描写する。線343は、これらのイオンがQ2解離デバイス319まで移動することを防止する障壁が存在しないことを示す。
プロット340は、AC電圧が、閾値m/z値を下回るm/z値を伴う生成イオンを捕獲するが、また、閾値m/z値を上回るm/z値を伴う生成イオンがQ2解離デバイス319まで連続的に移動することも可能にすることを示す。AC電圧が、閾値m/z値を下回るm/z値を伴う生成イオンを捕獲し、解離デバイス317が、PTR試薬を供給されるため、これらの捕獲された生成イオンは、それらのm/z値が閾値m/zを上回って増加するまで、PTR試薬によって電荷低減される。このように、AC電圧は、PTRを限定している。
PTR試薬は、例えば、負電荷を持つイオンを含むことができる。この場合、AC電圧は、PTR試薬イオンを相互に捕獲することができる。
プロット340内のDCポテンシャル341は、例えば、出射開口またはIQ2Bレンズ318のDC電圧を解離デバイス317のロッドのDC電圧よりも低く設定することによって生成される。加えて、Q2解離デバイス319のDC電圧は、解離デバイス317のロッドのDC電圧よりも低く設定される。DC電圧および出射開口またはIQ2Bレンズ318の近傍のAC電圧によって生成される擬ポテンシャルを結合することによって、解離デバイス317は、高m/zフィルタ抽出を実施する。
PTRに起因して、解離デバイス317内の生成イオンの電荷状態が、連続的に減少しており、それらのm/z値が、増加している。生成イオンのm/z値が、高m/z抽出閾値に到達するとき、イオンは、解離デバイス317から抽出される。解離デバイス317の外側にPTR試薬がないため、さらなる電荷低減が、停止される。図6は、種々の実施形態による、差分電荷状態におけるミオグロビンの12個の異なる生成イオンに関するm/z値を仮説的に示す、例示的な仮説的表600である。図6では、各列は、異なる生成イオンを表し、各列の行は、異なる電荷状態におけるその生成オンに関する仮説的m/z値を示す。+21〜+10に及ぶ電荷状態を伴う12個の異なる生成イオンは、最初に、全て809.5238のm/z値を有する。結果として、全ての12個の生成イオンは、最初に、重複するm/z値を有する。
しかしながら、12個全ての生成イオンが、それらのm/z値が1300のm/z閾値を上回るレベルまで増加するまで電荷低減される場合、図6は、12個全ての生成イオンの間の重複が低減されることを示す。例えば、列601内の生成イオンが、そのm/z値が1300のm/z閾値を上回るレベルまで増加するまで電荷低減されるとき、その電荷は、+21から+13まで減少し、そのm/z値は、809.5238から1307.692まで増加する。列602内の生成イオンが、同様に、電荷低減されるとき、その電荷は、+20から+12まで減少し、そのm/z値は、809.5238から1349.206まで増加する。結果として、列601内の生成イオンおよび列602内の生成イオンは、もはやm/z値が重複しなくなる。
1300のm/z閾値でさえも、いくつかの生成イオンが、依然として、重複する。例えば、列602、607、および612内の生成イオンは、依然として、1349.206の同一のm/z値を有する。結果として、12個の生成イオンのうちのより多くのものを分離するために、m/z閾値は、より高くなる必要がある。しかしながら、m/z閾値を過剰に高く設定することは、いくつかのイオンのm/z値を、質量分析のためには過剰に高いレベルまで上昇させ得る。換言すると、付加的イオンの分離は、m/z閾値を過剰に高い値まで増加させることに対して平衡を保たれなければならない。
図7は、種々の実施形態による、図6の12個の生成イオンが、1300のm/z閾値および図3の装置を使用して、単一の重複するm/z値から10個の別個のm/z値まで移動される様子を示す、例示的な仮説的プロット700である。図6の12個の生成イオンは、ピーク710によって表され、全て809.5238のm/zを有する。1300のm/z閾値および図3の装置を使用して、これらの生成イオンのm/z値は、10個の別個のm/z値、すなわち、1307.692、1315.476、1324.675、1349.206、1376.19、1387.755、1398.268、1416.667、1439.153、1484.127まで移動される。
3つの生成イオンは、依然として、m/z値1349.206において重複し、ピーク720によって表される。しかしながら、他の9つの生成イオンのm/z値は、正常に分離されており、例えば、図3の質量分析器320による質量分析を通して検出されることができる。使用されるm/z閾値は、全ての前駆イオンに関する固定値であり得る、または分析されている前駆イオンまたは化合物に基づいて設定されることができる。好ましい実施形態では、m/z閾値は、1300等の固定値である。
図8は、種々の実施形態による、同時に異なるポートを通して試料イオンおよび試薬を受容する解離デバイスが、同一のポートを通して試料イオンおよび試薬を別個に受容する解離デバイスに置換される、図3の装置の概略図800である。具体的には、図3のキメラECD解離デバイス317は、図8の多極解離デバイス817に置換される。多極解離デバイス815は、限定ではないが、四重極、六重極、または八重極であり得、例えば、解離デバイス815と平行にETD試薬またはUVレーザビームを導入することによって、ETDまたはUVPDを実施することができる。
Q1質量フィルタデバイス316およびETDおよびPTR試薬源デバイス312が、ここで、それぞれ、それらの前駆イオンおよび試薬を、解離デバイス815の単一の入口ポートを通して解離デバイス815に伝送する。例えば、イオン源デバイス311および試薬源デバイス312が、ここで、それぞれ、それらの試料イオンおよび試薬を、解離デバイス815の単一の入口ポートを通して解離デバイス815に伝送する。試料イオンおよび試薬は、オリフィスおよびスキマ313およびイオンガイド314を通して伝送される。例えば、最初に、試料イオンが、解離デバイス815に伝送される。次いで、イオン源デバイス311が、停止され、試薬源デバイス312が、Q1フィルタによってETD試薬イオンを選択することによって、ETD試薬を解離デバイス815に伝送するように開放される。次いで、試薬源デバイス312が、Q1フィルタによって電荷低減試薬イオンを選択することによって、電荷低減試薬を解離デバイス815に伝送するように開放して保たれる。種々の実施形態では、電荷低減試薬は、負化学イオン化が大気圧において使用されるときに、試薬源デバイス312によってオリフィスおよびスキマ313およびイオンガイド314を通して導入される。
(擬ポテンシャル捕獲および電荷低減装置)
図3に戻ると、質量分析計310は、質量分析の前に、閾値m/z値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための装置を含む。本装置は、試薬源デバイス312と、解離デバイス317とを含む。
試薬源デバイス312は、電荷低減試薬を供給する。電荷低減試薬は、電荷イオンであり得る。
Q1質量フィルタデバイス316は、イオンビームから試料の化合物の前駆イオンを選択および伝送する。Q1質量フィルタデバイス316は、四重極として示される。しかしながら、Q1質量フィルタデバイス316は、磁場セクタ型質量分析器等の任意のタイプの質量フィルタであり得る。
解離デバイス317は、前駆イオンを受容し、選択された前駆イオンを断片化し、解離デバイス317内で複数の生成イオンを生成する。例えば、解離デバイス317は、Q1質量フィルタデバイス316から前駆イオンを受容する。解離デバイス317は、例えば、ExD、IRMPD、CID、またはUVPDを使用して、選択された前駆イオンを断片化する。
解離デバイス317は、試薬源デバイス312から電荷低減試薬を受容する。解離デバイス317は、軸方向に擬ポテンシャルを生成し、解離デバイス317内で閾値m/zを下回るm/z値を伴う複数の生成イオンのうちの生成イオンを捕獲する、AC電圧およびDC電圧を、解離デバイス317の電極のうちの1つ以上のものに印加する。AC電圧は、ひいては、捕獲された生成イオンのうちの少なくとも2つの生成イオンのm/z値が、閾値m/zを上回るm/z値まで増加するように、捕獲された生成イオンを受容された電荷低減試薬によって電荷低減させる。解離デバイス317は、閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う少なくとも2つの生成イオンを、解離デバイス317の後に位置付けられる次のデバイスに連続的に伝送させる、次のデバイスの電極に印加されるDC電圧に対して、DC電圧をその1つ以上の電極に印加する。
種々の代替実施形態では、試薬源デバイス312は、PTR試薬源デバイスである。電荷低減試薬は、PTR試薬イオンを含む。加えて、解離デバイス317は、AC電圧を印加し、複数の生成イオンおよび受容されたPTR試薬イオンの両方を相互に捕獲する。
種々の実施形態では、解離デバイス317の1つ以上の電極は、解離デバイス317のロッドである。種々の代替実施形態では、解離デバイス317の1つ以上の電極は、解離デバイス317の出射開口またはIQ2Bレンズ318を含む。
図8に戻ると、種々の実施形態では、前駆イオンおよび試薬源デバイス312からの電荷低減試薬は、解離デバイス817の同一の入口によって別個かつ連続的に受容される。解離デバイス817は、限定ではないが、四重極、六重極、または八重極解離デバイスであり得る。
図3に戻ると、種々の実施形態では、前駆イオンおよび試薬源デバイス312からの電荷低減試薬は、解離デバイス317の異なる入口において受容される。
好ましい実施形態では、解離デバイス317は、キメラECDデバイスである。本デバイスは、4つの分岐を提供する8つのL字形電極を含む。整合された一対の分岐は、Q1質量フィルタ源デバイス316から選択された前駆イオンを受容する。別の整合された一対の分岐は、試薬源デバイス312から電荷低減試薬を受容する。ExDを実施するために、電子ビームが、整合された分岐の対のうちの1つから導入される。UPVDを実施するために、UVレーザビームが、整合された分岐の対のうちの1つから導入される。
種々の実施形態では、次のデバイスは、Q2解離デバイス319であり、解離デバイス317は、閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う少なくとも2つの生成イオンを、Q2解離デバイス319に連続的に伝送させる、Q2解離デバイス319の電極に印加されるDC電圧に対して、DC電圧を解離デバイスのその1つ以上の電極に印加する。
種々の実施形態では、質量分析器デバイス320は、Q2解離デバイス319の後に位置付けられる。質量分析器デバイス320は、閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う少なくとも2つの生成イオンのm/z値を測定する。質量分析器デバイス320は、限定ではないが、飛行時間(TOF)質量分析器、四重極、イオントラップ、線形イオントラップ、オービトラップ、磁気セクタ型質量分析器、ハイブリッド四重極飛行時間(Q−TOF)質量分析器、またはフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析器を含むことができる。好ましい実施形態では、質量分析器310は、TOF質量分析器である。
種々の実施形態では、プロセッサ330は、命令を制御する、または試薬源デバイス312、Q1質量フィルタデバイス316、および解離デバイス317に提供するために、かつ収集されるデータを分析するために使用される。プロセッサ330は、例えば、1つ以上の電圧、電流、または圧力源(図示せず)を制御することによって、命令を制御または提供する。プロセッサ330は、図3に示されるような別個のデバイスであり得る、または質量分析計310の1つ以上のデバイスのプロセッサまたはコントローラであり得る。プロセッサ330は、限定ではないが、コントローラ、コンピュータ、マイクロプロセッサ、図1のコンピュータシステム、または制御信号およびデータを送信および受信することが可能な任意のデバイスであり得る。
(擬ポテンシャル捕獲および電荷低減のための方法)
図9は、種々の実施形態による、質量分析の前に、閾値m/z値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための方法900を示す、フローチャートである。
方法900のステップ910では、試薬源デバイスが、プロセッサを使用して、電荷低減試薬を供給するように命令される。
ステップ920では、解離デバイスが、プロセッサを使用して、前駆イオンを受容し、前駆イオンを断片化し、解離デバイス内で複数の生成イオンを生成するように命令される。
ステップ930では、解離デバイスが、プロセッサを使用して、試薬源デバイスから電荷低減試薬を受容するように命令される。
ステップ940では、解離デバイスが、プロセッサを使用して、軸方向に擬ポテンシャルを生成し、解離デバイス内で閾値m/zを下回るm/z値を伴う複数の生成イオンのうちの生成イオンを捕獲する、AC電圧およびDC電圧を、解離デバイスの1つ以上の電極に印加するように命令される。これは、ひいては、捕獲された生成イオンのうちの少なくとも2つの生成イオンのm/z値が、閾値m/zを上回るm/z値まで増加するように、捕獲された生成イオンを受容された電荷低減試薬によって電荷低減させる。
ステップ950では、解離デバイスが、プロセッサを使用して、閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う少なくとも2つの生成イオンを、解離デバイスの後に位置付けられる次のデバイスに連続的に伝送させる、次のデバイスの電極に印加されるDC電圧に対して、DC電圧を1つ以上の電極に印加するように命令される。
(擬ポテンシャル捕獲および電荷低減のためのコンピュータプログラム製品)
種々の実施形態では、コンピュータプログラム製品は、そのコンテンツが、質量分析の前に、閾値m/z値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための方法を実施するように、プロセッサ上で実行されている命令を伴うプログラムを含む、有形コンピュータ可読記憶媒体を含む。本方法は、1つ以上の明確に異なるソフトウェアモジュールを含む、システムによって実施される。
図10は、種々の実施形態による、質量分析の前に、閾値m/z値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための方法を実施する、1つ以上の明確に異なるソフトウェアモジュールを含む、システム1000の概略図である。システム1000は、制御モジュール1010を含む。
制御モジュール1010は、電荷低減試薬を供給するように試薬源デバイスに命令する。制御モジュール1010は、前駆イオンを受容し、前駆イオンを断片化し、解離デバイス内で複数の生成イオンを生成するように位置付けられる解離デバイスに命令する。
制御モジュール1010は、試薬源デバイスから電荷低減試薬を受容するように解離デバイスに命令する。制御モジュール1010は、軸方向に擬ポテンシャルを生成し、解離デバイス内で閾値m/zを下回るm/z値を伴う複数の生成イオンのうちの生成イオンを捕獲する、AC電圧およびDC電圧を、解離デバイスの1つ以上の電極に印加するように解離デバイスに命令する。これは、ひいては、捕獲された生成イオンのうちの少なくとも2つの生成イオンのm/z値が、閾値m/zを上回るm/z値まで増加するように、捕獲された生成イオンを受容された電荷低減試薬によって電荷低減させる。制御モジュール1010は、閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う少なくとも2つの生成イオンを、解離デバイスの後に位置付けられる次のデバイスに連続的に伝送させる、次のデバイスの電極に印加されるDC電圧に対して、DC電圧を1つ以上の電極に印加するように解離デバイスに命令する。
本教示は、種々の実施形態と併せて説明されるが、本教示が、そのような実施形態に限定されることを意図するものではない。対照的に、本教示は、当業者によって理解されるであろうように、種々の代替物、修正、および均等物を包含する。
さらに、種々の実施形態を説明する際、本明細書は、ステップの特定のシーケンスとして、方法および/またはプロセスを提示し得る。しかしながら、方法またはプロセスが、本明細書に記載されるステップの特定の順序に依拠しない限りにおいて、方法またはプロセスは、説明されるステップの特定のシーケンスに限定されるべきではない。当業者が理解するであろうように、ステップの他のシーケンスも可能であり得る。したがって、本明細書に記載されるステップの特定の順序は、請求項に関する限定として解釈されるべきではない。加えて、方法および/またはプロセスを対象とする請求項は、書かれた順序におけるそれらのステップの実施に限定されるべきではなく、当業者は、シーケンスが、変動され、依然として、種々の実施形態の精神および範囲内に留まり得ることを容易に理解することができる。

Claims (15)

  1. 質量分析の前に、閾値質量対電荷比(m/z)値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、前記少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、前記少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための装置であって、
    電荷低減試薬を供給する試薬源デバイスと、
    解離デバイスであって、前記解離デバイスは、
    前駆イオンを受容し、前記前駆イオンを解離して解離デバイス内で複数の生成イオンを生成し、前記試薬源デバイスから前記電荷低減試薬を受容し、
    軸方向に擬ポテンシャルを生成し、前記解離デバイス内で閾値m/zを下回るm/z値を伴う前記複数の生成イオンのうちの生成イオンを捕獲し、ひいては、前記捕獲された生成イオンのうちの少なくとも2つの生成イオンのm/z値が、前記閾値m/zを上回るm/z値まで増加するように、前記捕獲された生成イオンを前記受容された電荷低減試薬によって電荷低減させる、交流(AC)電圧および直流(DC)電圧を、前記解離デバイスの1つ以上の電極に印加し、
    前記閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う前記少なくとも2つの生成イオンを前記解離デバイスの後に位置付けられる次のデバイスに連続的に伝送させる前記次のデバイスの電極に印加されるDC電圧に対して、前記DC電圧を前記1つ以上の電極に印加する、
    解離デバイスと
    を備える、装置。
  2. 前記電荷低減試薬源デバイスは、プロトン移動反応(PTR)試薬源デバイスを備え、前記電荷低減試薬は、PTR試薬イオンを含み、前記解離デバイスは、前記擬ポテンシャルを生成し、前記閾値m/zを下回るm/z値を伴って前記複数の生成イオンおよび前記受容されたPTR試薬イオンの両方を相互に捕獲する、前記AC電圧を、前記解離デバイスの1つ以上の電極に印加する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記解離デバイスの1つ以上の電極は、前記解離デバイスのロッドを備える、請求項1に記載の装置。
  4. 前記解離デバイスの1つ以上の電極は、前記解離デバイスの出射開口またはレンズの電極を備える、請求項1に記載の装置。
  5. 前記前駆イオンおよび前記試薬源デバイスからの前記電荷低減試薬は、前記解離デバイスの同一の入口によって別個かつ連続的に受容される、請求項1に記載の装置。
  6. 前記解離デバイスは、四重極、六重極、または八重極解離デバイスを備える、請求項5に記載の装置。
  7. 前記前駆イオンおよび前記試薬源デバイスからの前記電荷低減試薬は、前記解離デバイスの異なる入口において受容される、請求項1に記載の装置。
  8. 前記解離デバイスは、4つの分岐を提供する8つのL字形電極を含むキメラ電子捕捉解離(ECD)デバイスを備え、整合された一対の分岐は、前記質量フィルタ源デバイスから前記選択された前駆イオンを受容し、同時に、別の整合された一対の分岐は、前記試薬源デバイスから前記電荷低減試薬を受容する、請求項7に記載の装置。
  9. 前記次のデバイスは、第2の解離デバイスを備え、前記解離デバイスは、前記閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う前記少なくとも2つの生成イオンを前記解離デバイスに連続的に伝送させる前記第2解離のデバイスの電極に印加されるDC電圧に対して、DC電圧を前記解離デバイスの1つ以上の電極に印加する、請求項1に記載の装置。
  10. 前記第2の解離デバイスの後に位置付けられる質量分析器デバイスをさらに備え、前記質量分析器デバイスは、前記閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う前記少なくとも2つの生成イオンのm/z値を測定する、請求項9に記載の装置。
  11. 前記次のデバイスは、質量分析器デバイスを備え、前記解離デバイスは、前記閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う前記少なくとも2つの生成イオンを前記質量分析器デバイスに連続的に伝送させる前記質量分析器デバイスの電極に印加されるDC電圧に対して、DC電圧を前記解離デバイスの1つ以上の電極に印加し、前記質量分析器デバイスは、前記閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う前記少なくとも2つの生成イオンのm/z値を測定する、請求項1に記載の装置。
  12. 前記解離デバイスは、電子捕捉解離ECDデバイスを備える、請求項1に記載の装置。
  13. 前記解離デバイスは、電子伝達解離(ETD)デバイス、紫外線光解離(UVPD)デバイス、赤外線光解離(IRMPD)デバイス、または衝突誘発解離(CID)デバイスを備える、請求項1に記載の装置。
  14. 質量分析の前に、閾値質量対電荷比(m/z)値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、前記少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、前記少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための方法であって、
    プロセッサを使用して、電荷低減試薬を供給するように試薬源デバイスに命令することと、
    前記プロセッサを使用して、前駆イオンを受容し、前記前駆イオンを断片化し、解離デバイス内で複数の生成イオンを生成するように解離デバイスに命令することと、
    前記プロセッサを使用して、前記試薬源デバイスから前記電荷低減試薬を受容するように前記解離デバイスに命令することと、
    前記プロセッサを使用して、軸方向に擬ポテンシャルを生成し、前記解離デバイス内で閾値m/zを下回るm/z値を伴う前記複数の生成イオンのうちの生成イオンを捕獲し、ひいては、前記捕獲された生成イオンのうちの少なくとも2つの生成イオンのm/z値が、前記閾値m/zを上回るm/z値まで増加するように、前記捕獲された生成イオンを前記受容された電荷低減試薬によって電荷低減させる、交流(AC)電圧および直流(DC)電圧を、前記解離デバイスの1つ以上の電極に印加するように前記解離デバイスに命令することと、
    前記プロセッサを使用して、前記閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う前記少なくとも2つの生成イオンを前記解離デバイスの後に位置付けられる次のデバイスに連続的に伝送させる前記次のデバイスの電極に印加されるDC電圧に対して、前記DC電圧を前記1つ以上の電極に印加するように前記解離デバイスに命令することと
    を含む、方法。
  15. 非一過性の有形コンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記非一過性の有形コンピュータ可読記憶媒体のコンテンツは、質量分析の前に、閾値質量対電荷比(m/z)値を上回って少なくとも2つの生成イオンのm/z値を移動させ、前記少なくとも2つの生成イオンのm/z値の間の重複を減少させるために、前記少なくとも2つの生成イオンの電荷を低減させるための方法を実施するように、プロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含み、前記方法は、
    システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の明確に異なるソフトウェアモジュールを備え、前記明確に異なるソフトウェアモジュールは、制御モジュールを備える、ことと、
    前記制御モジュールを使用して、電荷低減試薬を供給するように試薬源デバイスに命令することと、
    前記制御モジュールを使用して、前駆イオンを受容し、前記前駆イオンを断片化し、解離デバイス内で複数の生成イオンを生成するように解離デバイスに命令することと、
    前記制御モジュールを使用して、前記試薬源デバイスから前記電荷低減試薬を受容するように前記解離デバイスに命令することと、
    前記制御モジュールを使用して、軸方向に擬ポテンシャルを生成し、前記解離デバイス内で閾値m/zを下回るm/z値を伴う前記複数の生成イオンのうちの生成イオンを捕獲し、ひいては、前記捕獲された生成イオンのうちの少なくとも2つの生成イオンのm/z値が、前記閾値m/zを上回るm/z値まで増加するように、前記捕獲された生成イオンを前記受容された電荷低減試薬によって電荷低減させる、交流(AC)電圧および直流(DC)電圧を、前記解離デバイスの1つ以上の電極に印加するように前記解離デバイスに命令することと、
    前記制御モジュールを使用して、前記閾値m/zを上回って増加されたm/z値を伴う前記少なくとも2つの生成イオンを前記解離デバイスの後に位置付けられる次のデバイスに連続的に伝送させる前記次のデバイスの電極に印加されるDC電圧に対して、前記DC電圧を前記1つ以上の電極に印加するように前記解離デバイスに命令することと
    を含む、コンピュータプログラム製品。
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