JP2021530461A - Cd38およびtgf−ベータを標的とする、がんに対する組合せ療法 - Google Patents

Cd38およびtgf−ベータを標的とする、がんに対する組合せ療法 Download PDF

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Abstract

本開示は、CD38およびTGF−βを標的とする組合せがん療法であって、これらの標的に特異的な抗体を使用する組合せがん療法に関する。療法に有用な組成物も提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月10日に出願された米国仮出願第62/696,198号からの優先権を主張する。その出願の開示は、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出されており、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる配列表を含有する。配列表の電子コピーは、2019年7月9日に作成され、022548_WO025_SL.txtと称し、52,428バイトのサイズである。
トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGF−β)は、多様な生物学的プロセス、例えば、細胞外マトリックス形成、創傷治癒、胚発生、骨発生、造血、免疫および炎症応答、ならびに悪性転換を制御するサイトカインである。TGF−βの脱制御は、病理学的な状態、例えば、出生時欠損、がん、慢性炎症、ならびに自己免疫性および線維性疾患をもたらす。
TGF−βは、3つの公知のアイソフォームTGF−β1、2、および3を有する。3つのアイソフォームは、その機能が多面的であり、細胞および組織タイプにわたり異なるパターンで発現される。それらは、類似のインビトロ活性を有するが、特定の細胞タイプの個々のノックアウトは、同じ受容体に結合するとのそれらが共有する能力にもかかわらず、インビボでの役割が同一ではないことを示唆している(非特許文献1)。
TGF−βがTGFβRIIに結合すると、受容体の構成的なキナーゼ活性がTGFβRIをリン酸化および活性化し、これがSMAD2/3をリン酸化して、SMAD4との相互作用を可能とし、これが次に核に局在化し、TGF−β−応答性遺伝子の転写を開始する(同上)。この正規のシグナルカスケードに加えて、非古典的経路が、p38 MAPK、PI3K、AKT、JUN、JNK、およびNF−κBを含む他の因子を通してシグナルを伝達する。TGF−βシグナル伝達はまた、WNT、Hedgehog、Notch、INF、TNF,およびRASを含む他の経路によって調節されている。したがって、TGF−βシグナル伝達の最終結果は、全てのこれらのシグナル伝達経路のクロストークであり、これが細胞の状態および環境を統合する(同上)。
CD38は、45kDのII型膜貫通糖タンパク質であり、長いC末端細胞外ドメインおよび短いN末端細胞質ドメインを有する。CD38タンパク質は、二機能性エクトエンザイムであり、NADの環状ADP−リボース(cADPR)への変換を触媒し、またcADPRをADP−リボースに加水分解する。個体発生の間、CD38は、CD34陽性のコミット幹細胞およびリンパ系、赤血球系および骨髄球系細胞の系列コミット前駆細胞に出現する。CD38発現は、大部分はリンパ系系列に、様々な発現レベルで異なる段階のTおよびB細胞発生に存続する。
CD38は、多くの造血性悪性腫瘍および様々な造血性悪性腫瘍に由来する細胞株(非ホジキンリンパ腫(NHL)、バーキットリンパ腫(BL)、多発性骨髄腫(MM)、B慢性リンパ球性白血病(B−CLL)、BおよびT急性リンパ球性白血病(ALL)、T細胞リンパ腫(TCL)、急性骨髄性白血病(AML)、ヘアリーセル白血病(HCL)、ホジキンリンパ腫(HL)、および慢性骨髄性白血病(CML)を含む)において上方制御される。他方、造血系の最も原始的な多能性幹細胞は、CD38陰性である。造血性悪性腫瘍におけるCD38発現とその疾患進行との相関性は、CD38を抗体療法のための魅力的な標的にする。
Akhurst et al.、Nat Rev Drug Discov 11(10):790〜811 (2012)
CD38およびTGF−βを標的とする組合せ療法が本明細書において提供される。本発明者らは、抗TGF−β抗体が、抗CD38抗体の抗腫瘍効果を鈍らせるTGF−βの能力をブロックすることを見出した(例えば、TGF−βは抗CD38抗体のNK細胞−媒介性ADCCを阻害することができる)。抗体処置を含む、がんに対する現在利用可能な処置と比較して、本明細書において提供される組合せ療法は、優れた臨床的な効能を提供し得る。
したがって、CD38に特異的に結合する剤の効能を、TGF−βに特異的に結合する剤で強化する方法が本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、患者に、ヒトCD38に特異的に結合する剤およびヒトTGF−βに特異的に結合する剤を投与することによって患者(例えば、ヒト患者)におけるがんを処置する方法が本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、ヒトCD38に特異的に結合する剤は、抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメントである。ある特定の実施形態では、抗CD38抗体は、CD38陽性細胞をアポトーシス、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、および/または補体依存性細胞傷害(CDC)によって殺傷する能力があり、ここで、アポトーシスによってCD38陽性細胞を殺傷することは、間質細胞または間質由来サイトカインの非存在下で起こり得る。いくつかの実施形態では、ヒトTGF−βに特異的に結合する剤は、パン特異的抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメントである。
いくつかの実施形態では、必要とするヒト患者におけるがんを処置する方法であって、患者に、抗CD38抗体および抗TGF−β抗体またはその抗原フラグメントを投与する、方法が本明細書において提供される。
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は:
a)それぞれ配列番号15〜20のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
b)それぞれ配列番号13および14のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有するか;または
c)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する。
いくつかの実施形態では、抗TGF−β抗体は:
a)それぞれ配列番号5〜10のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
b)それぞれ配列番号3および4のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有するか;または
c)配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する。
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、それぞれ配列番号15〜20のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖CDR1(LCDR1)、LCDR2、およびLCDR3を有し、抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメントは、それぞれ配列番号5〜10のアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を有する。ある特定の実施形態では、抗CD38抗体は、それぞれ配列番号13および14のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(V)ならびに軽鎖可変ドメイン(V)を含み;抗TGF−β抗体は、それぞれ配列番号3および4のアミノ酸配列を含むVおよびVを含む。特定の実施形態では、抗CD38抗体は、それぞれ配列番号11および12のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)ならびに軽鎖(LC)を有し;抗TGF−β抗体は、それぞれ配列番号1および2のアミノ酸配列を含む重鎖ならびに軽鎖を有する。
本明細書において提供される、いずれかの実施形態では、抗CD38抗体はヒトIgG Fc領域を含み得、および抗TGF−β抗体はヒトIgG Fc領域を含み得る。
必要とするヒト患者における多発性骨髄腫を処置する方法であって、配列番号13の重鎖可変ドメインアミノ酸配列および配列番号14の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む抗CD38抗体、ならびに配列番号3の重鎖可変ドメインアミノ酸配列および配列番号4の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む抗TGF−β抗体を患者に投与することを含む方法も本明細書において提供される。
必要とするヒト患者における多発性骨髄腫を処置する方法であって、配列番号11の重鎖アミノ酸配列および配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む抗CD38抗体、ならびに配列番号1の重鎖アミノ酸配列および配列番号2の軽鎖アミノ酸配列を含む抗TGF−β抗体を患者に投与することを含む方法も本明細書において提供される。
本明細書において提供される、いずれかの実施形態では、抗CD38抗体および抗TGF−β抗体またはフラグメントは、患者に逐次投与される。
必要とするヒト患者におけるがんを処置することにおける使用のための、抗TGF−β抗体と組合せの抗CD38抗体、および必要とするヒト患者におけるがんを処置するための医薬の製造のための、抗TGF−β抗体と組合せの抗CD38抗体の使用も本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は
a)それぞれ配列番号15〜20のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
b)それぞれ配列番号13および14のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有するか;または
c)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する。
必要とするヒト患者におけるがんを処置することにおける使用のための、抗CD38抗体と組合せの抗TGF−β抗体、および必要とするヒト患者におけるがんを処置するための医薬の製造のための、抗CD38抗体と組合せの抗TGF−β抗体の使用も本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、抗TGF−β抗体は
a)それぞれ配列番号5〜10のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
b)それぞれ配列番号3および4のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有するか;または
c)配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する。
本明細書に記載される方法、使用のための抗体、および抗体の使用のいくつかの実施形態では、がんは、CD38陽性である。
本明細書に記載される方法、使用のための抗体、および抗体の使用のいくつかの実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、ヘアリーセル白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、メラノーマ、グリア芽細胞腫、肺がん、皮膚扁平上皮癌、結腸直腸がん、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、肝細胞癌、尿路上皮性がん、および腎細胞癌からなる群から選択される。
本明細書に記載される方法、使用のための抗体、および抗体の使用のいくつかの実施形態では、がんは、血液学的悪性腫瘍である。
本明細書に記載される方法、使用のための抗体、および抗体の使用のいくつかの実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。特定の実施形態では、本明細書に記載される処置は、多発性骨髄腫患者において、抗CD38抗体単独での処置よりも低い骨破壊を生じる、および/または骨形成を増強させ、骨リモデリングおよび/または骨折治癒を生じさせる。
したがって、いくつかの実施形態では、患者に、本明細書に記載されるヒトCD38に特異的に結合する剤(例えば、抗CD38抗体)および本明細書に記載されるヒトTGF−βに特異的に結合する剤(例えば、抗TGF−β抗体)を投与することを含む、ヒト多発性骨髄腫患者における骨破壊を低下させる方法が本明細書において提供される。ヒト多発性骨髄腫患者における骨破壊を低下させることにおける使用のための、抗CD38抗体と組合せの本明細書に記載される抗TGF−β抗体、およびヒト多発性骨髄腫患者における骨破壊を低下させるための医薬の製造のための、抗CD38抗体と組合せの抗TGF−β抗体の使用も本明細書において提供される。
患者に、本明細書に記載されるヒトCD38に特異的に結合する剤(例えば、抗CD38抗体)および本明細書に記載されるヒトTGF−βに特異的に結合する剤(例えば、抗TGF−β抗体)を投与することを含む、多発性骨髄腫患者における骨リモデリングならびに/または骨折治癒を生じさせる骨形成を増強させる方法も本明細書において提供される。ヒト多発性骨髄腫患者における骨形成を増強させることにおける使用のための、抗CD38抗体と組合せの本明細書に記載される抗TGF−β抗体、およびヒト多発性骨髄腫患者における骨形成を増強させるための医薬の製造のための、抗CD38抗体と組合せの抗TGF−β抗体の使用も本明細書において提供される。
本明細書に記載される方法、使用のための抗体、および抗体の使用のいくつかの実施形態では、がんは、Ab2での処置またはダラツムマブでの処置に不応性、または両方の処置に不応性である。いくつかの実施形態では、患者は、多発性骨髄腫を再発しているまたは不応性であり、少なくとも1つの前の療法または少なくとも2つの前の療法を受けている。
抗CD38抗体および抗TGF−β抗体を含む製品であって、前記製品が、患者におけるがんを処置するのに、例えば、本明細書に記載される処置方法に、適切である製品も本明細書において提供される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は
a)それぞれ配列番号15〜20のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
b)それぞれ配列番号13および14のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有するか;または
c)配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖を有し;
抗TGF−β抗体は
a)それぞれ配列番号5〜10のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
b)それぞれ配列番号3および4のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを有するか;または
c)配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する。
ELISAによって定量される1、2、または3日間での多発性骨髄腫細胞株によるTGF−βの放出を示すグラフを示す図である。 Ab2と濃度0、0.001、0.1、または1μg/mLでインキュベートされ、10ng/mL TGF−βで一晩、24時間、48時間、または72時間インキュベートされたヒトNK細胞によって1時間溶解された、MOLP8標的細胞からのカルセイン蛍光レベル(%溶解)を示すグラフを示す図である。 Ab2と濃度0、0.001、0.01、0.1、または1μg/mLまたはIgG対照でインキュベートされ、10ng/mL TGF−βおよび50μg/mL Ab1で90時間インキュベートされたヒトNK細胞によって1時間溶解された、MOLP8標的細胞からのカルセイン蛍光レベル(%溶解)を示すグラフを示す図である。 0.1、1、および10ng/mL TGF−βのNCI−H929細胞のAb2−媒介性ADCCにおける効果を示すグラフを示す図である。 100μg/mL IgG、100μg/mL Ab1、10ng/mL TGF−β、TGF−β+IgG、またはTGF−β+Ab1で処置したNCI−H929細胞のAb2−媒介性ADCCを示すグラフを示す図である。=p<0.05 対NT;**=p<0.005 対NT。 200μg/mL IgG、200μg/mL Ab1、10ng/mL TGF−β、TGF−β+IgG、またはTGF−β+Ab1で処置したNCI−H929細胞のAb2−媒介性ADCCを示すグラフを示す図である。=p<0.05 対NT;**=p<0.005 対NT。 内因性TGF−β−放出JJN3細胞および100μg/mL Ab1またはアイソタイプ対照で90時間インキュベートされたヒトNK細胞の細胞溶解活性によって溶解された、K562標的細胞からのカルセイン蛍光レベル(%溶解)を示すグラフを示す図である。 Ab2と濃度0、0.01、もしくは0.1μg/mLまたは対照Ab2変異体と濃度0.1μg/mLでインキュベートされ、内因性TGF−β−放出JJN3細胞および100μg/mL Ab1またはアイソタイプ対照で90時間インキュベートされたヒトNK細胞によって1時間溶解された、RPMI8226標的細胞のAb2−媒介性ADCCを示すグラフを示す図である。
本開示は、ヒトTGF−βおよびヒトCD38を標的とする新しい組合せ療法を提供する(例えば、これらの標的に結合する抗体を使用することによる)。組合せ療法は、がんなどの状態を処置するために使用される。特に明記されない限り、「TGF−β」は、本明細書においてヒトTGF−βを指す。ヒトTGF−βの3つのアイソフォーム(TGF−β1、TGF−β2、およびTGF−β3)のポリペプチド配列は、それぞれSwissProt受託番号P01137、P08112、およびP10600下で利用可能であり、本明細書において配列番号21〜23として示される。特に明記されない限り、「CD38」は、本明細書においてヒトCD38を指す。ヒトCD38ポリペプチド配列は、Genbank受託番号NP_001766下で利用可能であり、本明細書において配列番号24として示される。
本明細書に使用される用語「抗体(Ab)」または「免疫グロブリン(Ig)」は、ジスルフィド結合によって相互連結された2つの重(H)鎖(約50〜70kDa)および2つの軽(L)鎖(約25kDa)を含む四量体タンパク質を指す。各重鎖は、重鎖可変ドメイン(V)および重鎖定常ドメイン(C)で構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(V)および軽鎖定常領域(C)で構成される。VおよびVドメインは、「フレームワーク領域(FR)」と呼ばれるより保存されている領域で分散されている、「相補性決定領域(CDR)」と呼ばれる超可変領域にさらに細分される。各VまたはVは、下記の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4でアミノ末端からカルボキシ末端まで配置された3つのCDRならびに4つのFRから構成される。各領域に対するアミノ酸の割当は、IMGT(登録商標)定義(Lefranc et al.、Dev Comp Immunol 27(1):55〜77 (2003));またはKabat、Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health、Bethesda、MD (1987 および 1991));Chothia & Lesk、J. Mol. Biol. 196:901〜917 (1987);もしくはChothia et al.、Nature 342:878〜883 (1989)の定義によってもよい。
用語「親和性」は、抗原と抗体との間の誘引力の測定値を指す。抗原に対する抗体の固有誘引性は、特定の抗体−抗原相互作用の結合親和性平衡定数(K)として典型的には表される。Kが、例えば、表面プラズモン共鳴またはBio−Layer Interferometryによって決定されるような10−7M未満、例えば、10−8M(例えば、1〜9nM)未満である場合、抗体は抗原に特異的に結合するといえる。
用語「koff」は、特定の抗体−抗原相互作用の解離速度定数を指す。koff解離速度定数は、例えば、Bio−Layer Interferometryによって測定される。
本明細書に使用される用語「エピトープ」は、抗体に特異的に結合する抗原の部分(決定基)を指す。エピトープの決定基は、一般的には、分子、例えば、アミノ酸または炭水化物または糖側鎖の化学的に活性な表面基からなり、一般的には、特定の三次元構造の特徴および特定の荷電特徴を有する。エピトープは、「直鎖状」または「コンホメーション」である。直鎖状エピトープでは、タンパク質(例えば、抗原)と相互作用分子(例えば、抗体)との間の相互作用の全てのポイントは、タンパク質の一次アミノ酸配列に沿って直線的に生じる。コンホメーションエピトープでは、相互作用のポイントは、一次アミノ酸配列中で互いに離れているタンパク質のアミノ酸残基にわたって生じる。抗原上の所望のエピトープを決定し、当技術分野で周知されている技術を使用して、そのエピトープに対する抗体を生成することが可能である。例えば、直鎖状エピトープに対する抗体は、例えば、動物を直鎖状エピトープのアミノ酸残基を有するペプチドで免疫することによって生成される。コンホメーションエピトープに対する抗体は、例えば、動物をコンホメーションエピトープの関連性のあるアミノ酸残基を含有するミニドメインで免疫することによって生成される。特定のエピトープに対する抗体はまた、例えば、動物を、目的の標的分子またはその関連性のある部分で免疫すること、次にエピトープの結合に関してスクリーニングすることによって生成される。
抗体が、競合アッセイ、エピトープビニング、およびアラニンスキャニングを含む、限定されない、当技術分野で公知の方法を使用することによって、本明細書に記載される抗体と同じエピトープに結合するまたは、結合に対して競合するかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態では、試験抗体および本明細書に記載される抗体は、標的タンパク質(すなわち、TGF−βまたはCD38)における少なくとも1つの共通の残基(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10の残基)に結合する。さらなる実施形態では、標的タンパク質における接触残基は、試験抗体と本明細書に記載される抗体との間で完全に同一である。一実施形態では、本明細書に記載される抗体を、飽和条件下で標的タンパク質に結合させ、次に試験抗体の標的タンパク質との結合の能力を測定することができる。試験抗体が参照抗体と同時に標的タンパク質に結合できる場合には、試験抗体は参照抗体とは異なるエピトープに結合する。しかしながら、試験抗体が同時に標的タンパク質に結合できない場合には、試験抗体は、本明細書に記載される抗体によって結合されるエピトープに対して同じエピトープ、オーバーラップするエピトープ、または近接するエピトープに結合する。この実験は、例えば、ELISA、RIA、BIACORETM、SPR、Bio−Layer Interferometryまたはフローサイトメトリーを使用して行われる。抗体が別の抗体と交差競合するかどうかを評価するために、上記の競合法を二方向で使用してもよい(すなわち、既知の抗体が試験抗体をブロックするかを決定すること、逆も同様)。
用語「ヒト化」は、抗体が全体的または部分的に非ヒト起源(例えば、目的の抗原でのマウスの免疫から得られるマウス抗体、もしくはそのようなマウス抗体に基づくキメラ抗体)である場合、ヒトにおける免疫応答を回避または最小化するために、特に重鎖および軽鎖のフレームワーク領域ならびに定常領域中、ある特定のアミノ酸で置き換えることが可能であるとの事実を指す。免疫原性と、それによって特定の抗体のヒト抗抗体応答を正確に予想することは可能ではないが、非ヒト抗体はヒト抗体よりもヒトにおいてより免疫原性である傾向がある。外来(例えば、げっ歯類)定常領域がヒト起源の配列で置き換えられているキメラ抗体は、完全に外来起源の抗体よりも一般的には低い免疫原性であることが示されており、治療用抗体のトレンドはヒト化または完全ヒト抗体に向いている。したがって、非ヒト起源のキメラ抗体または他の抗体は、ヒト化されてヒト抗抗体応答のリスクが低下される。
キメラ抗体に関し、ヒト化には、典型的には可変ドメイン配列のフレームワーク領域の修飾が関与する。相補性決定領域(CDR)の一部であるアミノ酸残基は、たいていヒト化に関連して変更されないことが多いが、ある特定のケースでは、個体のCDRアミノ酸残基を変更することが望ましく、例えば、グリコシル化部位、脱アミド部位、アスパラギン酸異性化部位または望ましくないシステインもしくはメチオニン残基が除去される。N連結グリコシル化は、トリペプチド配列Asn−X−SerまたはAsn−X−Thr(式中のXはPro以外の任意のアミノ酸である)中のアスパラギン残基へのオリゴ糖鎖の付着によって生じる。Nグリコシル化部位の除去は、AsnまたはSer/Thr残基を異なる残基に、好ましくは保存的置換の手段によって変異させることによって達成される。アスパラギンおよびグルタミン残基の脱アミドは、pHおよび表面曝露などの因子に依存して生じ得る。アスパラギン残基は、主として配列Asn−Glyおよび程度は少ないが他のジペプチド配列(例えば、Asn−Ala)に存在する場合、脱アミドに対して特に感受性がある。したがって、そのような脱アミド部位、特にAsn−GlyがCDR配列に存在する場合、典型的には保存的置換によって関係付けられる残基のうちの1つを除去することによって、その部位を除去することが望ましいであろう。
抗体配列のヒト化に関する多数の方法が、当技術分野で公知である;例えば、Almagro & Fransson、Front Biosci. 13:1619〜1633 (2008)によるレビューを参照されたい。一般に使用される方法の1つはCDRグラフト化であり、これは、例えば、マウス由来キメラ抗体に関して、マウス可変ドメイン遺伝子に対するヒト生殖系列遺伝子対応物の同定およびこのフレームワークへのマウスのCDR配列のグラフト化が関与する。標的抗原との抗体の相互作用の特異性は、重鎖および軽鎖の6つのCDRに位置するアミノ酸残基に主として備わる。したがって、CDR内のアミノ酸配列は、CDRの外側の配列よりも個々の抗体の間で非常に可変性がある。CDR配列はほとんどの抗体−抗原相互作用を荷うため、例えば、異なる抗体からフレームワーク配列にグラフト化された特定の抗体からのCDR配列を発現する発現ベクターを構築することによって、特定の天然に存在する抗体の特性を模倣する組換え抗体またはより一般的には所与のアミノ酸配列を有する任意の特定の抗体を発現させることは可能である。結果として、非ヒト抗体を「ヒト化」し、当初の抗体の結合特異性および親和性を依然として実質的に維持することは可能である。CDRグラフト化はKabat CDR定義に基づいてもよいが、より最近の刊行物(Magdelaine−Beuzelin et al.、Crit Rev.Oncol Hematol. 64:210〜225 (2007))では、IMGT(登録商標)定義(the international ImMunoGeneTics information system(登録商標)、www.imgt.org)が、ヒト化の結果を改善し得ることを示唆している(Lefranc et al.、Dev. Comp Immunol. 27:55〜77 (2003)を参照されたい)。
いくつかのケースでは、CDRグラフト化は、CDRが得られる親抗体と比較して、CDRグラフト化非ヒト抗体の結合特異性および親和性、したがって生物活性を低下させることがある。復帰変異(時には「フレームワークリペア」とも呼ばれる)が、親抗体の結合特異性および親和性を再確立するために、CDRグラフト化抗体の選択された位置(典型的にはフレームワーク領域)に導入される。可能な復帰変異のための位置は、文献および抗体データベースに利用可能な情報を使用して識別される。復帰変異の候補のアミノ酸残基は、典型的には抗体分子の表面に位置するものであるが、埋め込まれ、低い度合の表面曝露を有する残基は通常は変更されない。
CDRグラフト化および復帰変異に対する代替のヒト化技術は、非ヒト起源の非表面露出残基が保持されるが、表面残基がヒト残基に変更される、リサーフェシングである。
ある特定のケースでは、標的エピトープに対する結合親和性を改善するために、1つまたはそれ以上のCDRアミノ酸残基を変更することが望ましい。これは「親和性成熟」として知られる。様々な親和性成熟方法が、当技術分野で公知であり、例えば、Burks et al.、Proc Natl Acad Sci USA、94:412〜417 (1997)によって記載されるインビトロスキャニング飽和突然変異誘発法、およびWu et al.、Proc Natl Acad Sci USA 95:6037〜6042 (1998)のステップワイズインビトロ親和性成熟法がある。
用語「ヒト抗体」は、可変ドメインおよび定常領域配列がヒト配列に由来する抗体を指す。用語は、ヒト遺伝子に由来する配列を有するが、それらの配列が修飾されて、例えば、免疫原性が減少し、親和性が増大し、および安定性が増大する、抗体を包含する。用語は、ヒト細胞の典型的ではないグリコシル化を与え得る、非ヒト細胞において組換え的に産生される抗体を包含する。用語は、ヒト抗体遺伝子を有するトランスジェニック非ヒト生物において産生される抗体も包含する。
抗体の「抗原結合部分」または「抗原結合フラグメント」の用語は、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の部分またはフラグメントを指す。いくつかの実施形態では、本開示の抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、またはscFvフラグメントである。ある特定の実施形態では、本開示の抗原結合フラグメントはF(ab’)フラグメントであり、これはヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメントである(Fabは、V、V、CおよびCH1ドメインからなる一価抗体フラグメントである)。いくつかの実施形態では、本開示の抗原結合フラグメントは、CH2またはCH3ドメインを含む場合もある。抗体フラグメントは、例えば、抗体全体のパパインまたはペプシン消化などの従来技術を使用して抗体全体から製造される。その上、抗体、抗体フラグメントおよび免疫接着分子は、例えば、本明細書に記載される標準的な組換えDNA技術を使用して得られる。
本明細書に記載される抗体および抗原結合フラグメントは、単離される。用語「単離されたタンパク質」、「単離されたポリペプチド」または「単離された抗体」は、その起源または誘導の供給源の効力によって、(1)そのネイティブ状態においてそれに付随する天然に関連する成分とは関連しない、(2)同じ種からの他のタンパク質から実質的に遊離している、(3)異なる種からの細胞によって発現される、もしくは(4)天然に生じない、タンパク質、ポリペプチドまたは抗体を指す。したがって、化学的に合成されたまたは本来の細胞とは異なる細胞システムにおいて合成されたポリペプチドは、その天然に関連する成分から「単離される」。タンパク質はまた、当技術分野で周知のタンパク質精製技術を使用する単離によって天然に関連する成分を実質的に遊離させる。
本明細書に記載される抗体のクラス(アイソタイプ)およびサブクラスは、当技術分野で公知の任意の方法によって決定される。一般に、抗体のクラスおよびサブクラスは、抗体の特定のクラスおよびサブクラスに対して特異的である抗体を使用して決定される。そのような抗体は市販されている。クラスおよびサブクラスは、ELISAおよびウエスタンブロットならびに他の技術によって決定される。あるいは、クラスならびにサブクラスは、抗体の重鎖および/または軽鎖の定常領域の全部もしくは一部をシークエンシングすること、それらのアミノ酸配列を、免疫グロブリンの様々なクラスおよびサブクラスの既知のアミノ酸配列と比較すること、ならびに抗体のクラスおよびサブクラスを決定することによって決定される。本開示の好ましいアイソタイプは、IgGアイソタイプである。
TGF−βを阻害する剤
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組合せ療法に使用されるTGF−βに特異的に結合する剤は、抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、Ab1、フレソリムマブ(fresolimumab)、XOMA 089/NIS793(Gramont et al.、Oncoimmunology 6(1):e1257453 (2017))、SRK−181(Scholar Rock Inc.)、ABBV−151(AbbVie Inc.)、レルデリムマブ(lerdelimumab)、またはメテリムマブ(metelimumab))またはTGF−βトラップ分子(例えば、M7824 (Knudson et al.、Oncoimmunology 7(5):e1426519 (2018))またはAVID200(Thwaites et al.、Blood 130:2532 (2017)))である。ある特定の実施形態では、抗TGF−β抗体は、ヒトモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗TGF−β抗体は、既知の抗体、例えば、フレソリムマブと比較して、半抗体を形成する傾向が低いパンTGF−β特異的モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗TGF−β抗体は、優れた薬物動態プロファイル(例えば、フレソリムマブと比較して、身体中での高い曝露性)を有する。
いくつかの実施形態では、抗TGF−β抗体は、PCT特許公開WO2018/134681号、PCT特許公開WO2006/086469号、PCT特許公開WO2014/153435号、米国特許第8,569,462号、または米国特許第7,527,791号(これらは参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる)に記載される抗体である。ある特定の実施形態では、抗TGF−β抗体は抗体Ab1またはそのバリアントであり、ここで、バリアントは、例えば、Ab1と比べて、抗体の抗原結合特異性を失うことのない、ある特定の最小のアミノ酸変化(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のアミノ酸変化であり、これらは例えば、フレームワーク領域にあってもよい)を含有していてもよい。
抗体Ab1は、未グリコシル化の時に、144kDの推定分子量を有する。その重鎖および軽鎖アミノ酸配列は、それぞれ、配列番号1および2である。これらの2つの配列は、以下に示される。可変ドメインは、イタリック体である。CDRは、ボックス中に示される。重鎖の定常ドメイン中のグリコシル化部位は、太字および小文字(N297)である。Ab1はヒトIgG定常領域を有し、ヒンジ領域中の残基228(EUナンバリング)はセリンからプロリンに変異されている。P228は、以下に示される配列番号1の配列においてボックス中の太字である。
Figure 2021530461
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体または抗原結合フラグメントは、TGF−βに対する結合に関してAb1と競合するまたはTGF−β上のAb1と同じエピトープに結合する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体は、以下を含む重鎖を有する:
a)それぞれ配列番号5〜7のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1−3(HCDR1−3);
b)配列番号3のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一である重鎖可変ドメイン(V);
c)配列番号3のアミノ酸配列を含むV;または
d)配列番号1のアミノ酸配列。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体は、以下を含む軽鎖を有する:
a)それぞれ配列番号8〜10のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1−3(LCDR1−3);
b)配列番号4のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一である軽鎖可変ドメイン(V);
c)配列番号4のアミノ酸配列を含むV;または
d)配列番号2のアミノ酸配列。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体は、任意の上記重鎖と任意の上記軽鎖との組合せを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体は、以下を含む:
a)それぞれ配列番号5〜10のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3;
b)配列番号3のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるVおよび配列番号4のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるV
c)配列番号3のアミノ酸配列を含むVおよび配列番号4のアミノ酸配列を含むV;ならびに
d)配列番号1のアミノ酸配列を含むHCおよび配列番号2のアミノ酸配列を含むLC。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体(例えば、Ab1の6つのCDRまたはVおよびVを有する抗TGF−β抗体)は、ヒトIgG定常領域を有する。ある特定の実施形態では、IgG定常領域のヒンジ領域中の残基228(EUナンバリング)はセリンからプロリンに変異されている。本明細書に記載される抗TGF−β抗体の定常ドメインはまた、例えば、Kabat残基L248で(例えば、変異L248Eを導入することによって)修飾されて、分子の任意の望ましくないエフェクター機能を低下させ得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体は、ヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖領域を有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体または抗原結合フラグメントは、ヒトTGF−β1、−β2、および−β3に特異的に結合する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体または抗原結合フラグメントは、TGF−β1、−β2、ならびに/もしくは−β3(例えば、TGF−β1、−β2,および−β3)と1×10−8Mもしくはそれ以下、例えば、9×10−9M、8×10−9M、7×10−9M、6×10−9M、5×10−9M、4×10−9M、3×10−9M、2×10−9M、もしくは1×10−9MのKで結合する。ある特定の実施形態では、抗TGF−β抗体または抗原結合フラグメントは、TGF−β1、−β2,および−β3と3×10−9Mもしくはそれ以下のKで結合する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体または抗原結合フラグメントは、1つまたはそれ以上の以下の特性を有する:
a)TGF−βシグナル伝達を阻害する;
b)ミンク肺上皮細胞アッセイにおいてアッセイされるときに、TGF−βを中和する;
c)A549細胞IL−11誘導アッセイにおいて決定される際に約0.05から1μg/mlのEC50を有する;
d)誘導性の制御性T細胞(iTreg)へのCD4陽性T細胞の分化を阻害する;
e)免疫抑制腫瘍微小環境を軽減する;
f)患者(例えば、患者の腫瘍組織)におけるMIP2レベルを増大させる;
g)患者(例えば、患者の腫瘍組織)におけるKC/GROレベルを増大させる;
h)CD8陽性T細胞、例えば、INF−γ陽性CD8陽性T細胞の腫瘍組織への活性化または浸潤を促進する;
i)患者(例えば、患者の腫瘍組織)におけるナチュラルキラー(NK)細胞のクラスタリングを増大させる;および
j)ヒト組換えTGF−βとのインキュベーション後のNK−92細胞の細胞溶解活性を回復させる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体または抗原結合フラグメントは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または全ての前記特性を有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体または抗原結合フラグメントは、フレソリムマブと比較して、増大した半減期、増大した曝露、または両方を有する。例えば、増大は、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは100%またはそれ以上の増大である。薬物、例えば、本明細書に記載される抗体またはフラグメントの曝露は、時間に対する身体中での薬物の濃度の関数である。身体中での薬物の濃度は、血液、血漿、または血清中の薬物レベルによって示されることが多い。薬物の半減期および曝露(生体曝露)は、周知の方法(例えば、PCT特許公開WO2018/134681に記載される)によって測定される。
CD38を阻害する剤
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組合せ療法に使用されるCD38に特異的に結合する剤は、抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメントである。ある特定の実施形態では、抗CD38抗体は、ヒト化モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる、米国特許第8,153,765号に記載される抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、寄託番号PTA−7670でAmerican Type Culture Collectionに寄託されているハイブリドーマ細胞株によって産生される。いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、Ab2、Ab3、Ab4、ダラツムマブ、MOR202(Raab et al.、Blood 128:1152 (2016))、TAK−079(Roepcke et al.、Pharmacol Res Perspect 6(3):e00402 (2018))、TAK−573(武田薬品工業株式会社)、TAK−169(武田薬品工業株式会社)、HexaBody(登録商標)−CD38(Genmab/Janssen)、抗CD38 SIFbody(Momenta Pharmaceuticals, Inc.)、またはTSK011010(CASI Pharmaceuticals Inc.)である。
特定の実施形態では、抗CD38抗体は抗体Ab2またはそのバリアントであり、ここで、バリアントは、例えば、Ab2と比べて、抗体の抗原結合特異性を失うことのない、ある特定の最小のアミノ酸変化(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のアミノ酸変化であり、これらは例えば、フレームワーク領域にあってもよい)を含有していてもよい。
Ab2の重鎖および軽鎖アミノ酸配列は、それぞれ、配列番号11および12である。これらの2つの配列は、以下に示される。可変ドメインは、イタリック体である。CDRは、ボックス中に示される。Ab2は、ヒトIgG定常領域を有する。
Figure 2021530461
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、CD38に対する結合に関してAb2と競合するまたはCD38上のAb2と同じエピトープに結合する。
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、以下を含む重鎖を有する:
a)それぞれ配列番号15〜17のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1−3(HCDR1−3);
b)配列番号13のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一である重鎖可変ドメイン(V);
c)配列番号13のアミノ酸配列を含むV;または
d)配列番号11のアミノ酸配列。
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、以下を含む軽鎖を有する:
a)それぞれ配列番号18〜20のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1−3(LCDR1−3);
b)配列番号14のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一である軽鎖可変ドメイン(V);
c)配列番号14のアミノ酸配列を含むV;または
d)配列番号12のアミノ酸配列。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体は、任意の上記重鎖と任意の上記軽鎖との組合せを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体は、以下を含む:
a)それぞれ配列番号15〜20のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3;
b)配列番号13のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるVおよび配列番号14のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるV
c)配列番号13のアミノ酸配列を含むVおよび配列番号14のアミノ酸配列を含むV;ならびに
d)配列番号11のアミノ酸配列を含むHCおよび配列番号12のアミノ酸配列を含むLC。
ある特定の実施形態では、抗CD38抗体は抗体Ab3またはそのバリアントであり、ここで、バリアントは、例えば、Ab3と比べて、抗体の抗原結合特異性を失うことのない、ある特定の最小のアミノ酸変化(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のアミノ酸変化であり、これらは例えば、フレームワーク領域にあってもよい)を含有していてもよい。
Ab3の重鎖および軽鎖アミノ酸配列は、それぞれ、配列番号25および26である。これらの2つの配列は、以下に示される。可変ドメインは、イタリック体である。CDRは、ボックス中に示される。
Figure 2021530461
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、CD38に対する結合に関してAb3と競合するまたはCD38上のAb3と同じエピトープに結合する。
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、以下を含む重鎖を有する:
a)それぞれ配列番号29〜31のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1−3(HCDR1−3);
b)配列番号27のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一である重鎖可変ドメイン(V);
c)配列番号27のアミノ酸配列を含むV;または
d)配列番号25のアミノ酸配列。
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、以下を含む軽鎖を有する:
a)それぞれ配列番号32〜34のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1−3(LCDR1−3);
b)配列番号28のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一である軽鎖可変ドメイン(V);
c)配列番号28のアミノ酸配列を含むV;または
d)配列番号26のアミノ酸配列。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体は、任意の上記重鎖と任意の上記軽鎖との組合せを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体は、以下を含む:
a)それぞれ配列番号29〜34のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3;
b)配列番号27のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるVおよび配列番号28のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるV
c)配列番号27のアミノ酸配列を含むVおよび配列番号28のアミノ酸配列を含むV;ならびに
d)配列番号25のアミノ酸配列を含むHCおよび配列番号26のアミノ酸配列を含むLC。
ある特定の実施形態では、抗CD38抗体は抗体Ab4またはそのバリアントであり、ここで、バリアントは、例えば、Ab4と比べて、抗体の抗原結合特異性を失うことのない、ある特定の最小のアミノ酸変化(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のアミノ酸変化であり、これらは例えば、フレームワーク領域にあってもよい)を含有していてもよい。
Ab4の重鎖および軽鎖アミノ酸配列は、それぞれ、配列番号35および36である。これらの2つの配列は、以下に示される。可変ドメインは、イタリック体である。CDRは、ボックス中に示される。
Figure 2021530461
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、CD38に対する結合に関してAb4と競合するまたはCD38上のAb4と同じエピトープに結合する。
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、以下を含む重鎖を有する:
a)それぞれ配列番号39〜41のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1−3(HCDR1−3);
b)配列番号37のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一である重鎖可変ドメイン(V);
c)配列番号37のアミノ酸配列を含むV;または
d)配列番号35のアミノ酸配列。
いくつかの実施形態では、抗CD38抗体は、以下を含む軽鎖を有する:
a)それぞれ配列番号42〜44のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1−3(LCDR1−3);
b)配列番号38のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一である軽鎖可変ドメイン(V);
c)配列番号38のアミノ酸配列を含むV;または
d)配列番号36のアミノ酸配列。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体は、任意の上記重鎖と任意の上記軽鎖との組合せを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体は、以下を含む:
a)それぞれ配列番号39〜44のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3;
b)配列番号37のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるVおよび配列番号38のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるV
c)配列番号37のアミノ酸配列を含むVおよび配列番号38のアミノ酸配列を含むV;ならびに
d)配列番号35のアミノ酸配列を含むHCおよび配列番号36のアミノ酸配列を含むLC。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体は、ヒトIgG定常領域を有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体は、ヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖領域を有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、CD38と1×10−8Mまたはそれ以下、例えば、9×10−9M、8×10−9M、7×10−9M、6×10−9M、5×10−9M、4×10−9M、3×10−9M、2×10−9M、もしくは1×10−9MのKで結合する。ある特定の実施形態では、抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、CD38と3×10−9Mまたはそれ以下のKで結合する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、アポトーシス、ADCC,およびCDCによってCD38陽性細胞を殺傷する;ある特定の実施形態では、前記CD38陽性細胞をアポトーシスによって殺傷することは、間質細胞または間質由来サイトカインの非存在下で生じ得る。いくつかの実施形態では、CD38陽性細胞は、悪性細胞である。いくつかの実施形態では、CD38陽性細胞は、B細胞である。ある特定の実施形態では、CD38陽性細胞は、造血悪性腫瘍に由来する腫瘍細胞である。より好ましい実施形態では、CD38陽性細胞は、リンパ腫細胞、白血病細胞、または多発性骨髄腫細胞である。さらに好ましい実施形態では、CD38陽性細胞は、NHL、BL、MM、B−CLL、ALL、TCL、AML、HCL、HL、またはCML細胞である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、インビトロで間質細胞または間質由来サイトカインの非存在下で、少なくとも10%、15%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、もしくは40%(例えば、少なくとも24%)のDaudiリンパ腫細胞を殺傷する能力がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、インビトロで間質細胞または間質由来サイトカインの非存在下で、少なくとも3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%(例えば、少なくとも7%)のRamosリンパ腫細胞を殺傷する能力がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、インビトロで間質細胞または間質由来サイトカインの非存在下で、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%(例えば、少なくとも11%)のMOLP−8多発性骨髄腫細胞を殺傷する能力がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、インビトロで間質細胞または間質由来サイトカインの非存在下で、少なくとも25%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、45%、もしくは50%(例えば、少なくとも36%)のSU−DHL−8リンパ腫細胞を殺傷する能力がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、インビトロで間質細胞または間質由来サイトカインの非存在下で、少なくとも20%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、もしくは35%(例えば、少なくとも27%)のNU−DUL−1リンパ腫細胞を殺傷する能力がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、インビトロで間質細胞または間質由来サイトカインの非存在下で、少なくとも50%、55%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、70%、もしくは75%(例えば、少なくとも62%)のDND−41白血病細胞を殺傷する能力がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、インビトロで間質細胞または間質由来サイトカインの非存在下で、少なくとも5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、もしくは13%(例えば、少なくとも9%)のJVM−13白血病細胞を殺傷する能力がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗CD38抗体または抗原結合フラグメントは、インビトロで間質細胞または間質由来サイトカインの非存在下で、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、もしくは8%(例えば、少なくとも4%)のHC−1白血病細胞を殺傷する能力がある。
いくつかの実施形態では、CD38に特異的に結合する剤は、細胞傷害剤に連結された本明細書に記載される抗CD38抗体または抗原結合フラグメントを含むコンジュゲートである。細胞傷害剤は、例えば、マイタンシノイド、小薬、トマイマイシン誘導体、レプトマイシン誘導体、プロドラッグ、タキソイド、CC−1065およびCC−1065類似体、または米国特許第8,153,765号(これは、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる)に記載される任意の細胞傷害剤から選択される。
本明細書に記載される抗TGF−βまたは抗CD38抗体のクラスは、別のクラスまたはサブクラスに変化またはスイッチされる。一態様では、VまたはVをコードする核酸分子は、CまたはCをコードする核酸配列を含まないように、当技術分野で周知されている方法を使用して単離される。VまたはVをコードする核酸分子は、次に異なるクラスの免疫グロブリン分子から、それぞれCLまたはCHをコードする核酸配列に作動可能に連結される。これは、上記のように、CLもしくはCH鎖を含むベクターまたは核酸分子を使用して達成される。例えば、当初IgMであった抗体は、IgGにクラススイッチされる。さらに、クラススイッチを使用して、1つのIgGサブクラスを、別のものに変換される(例えば、IgGからIgG)。κ軽鎖定常領域は、λ軽鎖定常領域などに変化される。所望のIgアイソタイプを有する本明細書に記載される抗体を産生する好ましい方法は、抗体の重鎖をコードする核酸分子および抗体の軽鎖をコードする核酸分子を単離すること、重鎖の可変ドメインを得ること、重鎖の可変ドメインを所望のアイソタイプの重鎖の定常領域とライゲーションすること、軽鎖およびライゲーションされた重鎖を細胞において発現させること、ならびに所望のアイソタイプを有する抗体を採取することの工程を含む。
本明細書に記載される抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、またはIgD分子であってもよいが、典型的にはIgGアイソタイプ、例えば、IgGサブクラスIgG、IgG2aもしくはIgG2b、IgG、またはIgGのものである。
一実施形態では、抗体は、Fc領域中に少なくとも1つの変異を含み得る。いくつかの異なるFc変異が知られており、これらの変異は変更されたエフェクター機能を提供する。例えば、多くのケースでは、エフェクター機能を低下または排除させることが望ましく、例えば、リガンド/受容体相互作用が望ましくないまたは抗体薬物コンジュゲートのケースの場合である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体、例えば、抗TGF−βおよび抗CD38抗体は、重鎖にC末端リジンを有さない。C末端リジンは、製造の間にまたは組換え技術(すなわち、重鎖のコード配列は、C末端リジンに対するコドンを含まない)によって除去される。したがって、C末端リジンのない配列番号1または11の重鎖アミノ酸配列を含む抗体も本開示内であることが意図される。
組合せ療法
本開示は、ヒトTGF−βに特異的に結合する剤およびヒトCD38に特異的に結合する剤を含む組合せ療法を提供する。いくつかの実施形態では、TGF−βに特異的に結合する剤は、本明細書に記載される任意の抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、CD38に特異的に結合する剤は、本明細書に記載される任意の抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメントである。本開示は、TGF−β(例えば、ガルニセルチブ、LY3200882、PF−06952229(Pfizer Inc.)、GFH−018(GenFleet Therapeutics Inc.)、および/もしくはバクトセルチブ)を阻害する1つまたはそれ以上の他の剤ならびに/またはCD38を阻害する1つまたはそれ以上の他の剤の組合せ療法も意図する。本明細書に記載される組合せ療法は、前記剤または前記剤を含む医薬組成物を使用する処置の方法の形態を取り得る。
本開示は、ヒトCD38(例えば、抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメント、例えば、本明細書に記載されるもの)に特異的に結合する剤およびLAP(例えば、抗LAP抗体)に特異的に結合する剤を含む組合せ療法も意図する。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、抗TGF−β抗体Ab1および抗CD38抗体Ab2を使用する。いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、Ab1と同じTGF−βのエピトープに対する結合と競合するもしくは結合する抗体またはその抗原結合フラグメントおよびAb2と同じCD38のエピトープに対する結合と競合するもしくは結合する抗体を使用する。ある特定の実施形態では、Ab1およびAb2剤は、別々の組成物に使用される(例えば、逐次的に投与される)。ある特定の実施形態では、Ab1およびAb2剤は、単一組成物に使用される。
ある特定の実施形態では、本開示の組合せ療法は、以下を使用する:
− それぞれ配列番号5〜10のアミノ酸配列を有するHCDR1−3およびLCDR1−3を含む抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメント;ならびにそれぞれ配列番号15〜20のアミノ酸配列を有するHCDR1−3およびLCDR1−3を含む抗CD38抗体;
− 配列番号3のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるVおよび配列番号4のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるVを含む抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメント;ならびに配列番号13のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるVおよび配列番号14のアミノ酸配列と、配列において少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるVを含む抗CD38抗体;
− それぞれ配列番号3および4のアミノ酸配列を有するVならびにVを含む抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメント;ならびにそれぞれ配列番号13および14のアミノ酸配列を有するVならびにVを含む抗CD38抗体;または
− それぞれ配列番号1および2のアミノ酸配列を有するHCならびにLCを含む抗TGF−β抗体;ならびにそれぞれ配列番号11および12のアミノ酸配列を有するHCならびにLCを含む抗CD38抗体。
いくつかの実施形態では、組合せ療法に使用される抗TGF−βおよび抗CD38抗体は、それぞれアイソタイプIgGおよびIgGを有する。ある特定の実施形態では、抗TGF−β抗体は、ヒトIgG定常領域を有し、ヒンジ領域中の残基228(EUナンバリング)はセリンからプロリンに変異されている。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメントは、本明細書に記載される抗CD38抗体によるNK細胞−媒介性ADCCにおけるTGF−βの免疫抑制効果を和らげ、本開示の組合せ療法を抗CD38抗体単独での処置よりも有効にする。
いくつかの実施形態では、ヒトTGF−βに特異的に結合する剤ならびにヒトCD38に特異的に結合する剤を含む組合せ療法(例えば、それぞれ抗TGF−β抗体および抗CD38抗体、例えば、Ab1およびAb2)は、追加の剤または療法をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、追加の剤または療法は、例えば、レナリドマイド、ポマリドミド、ボルテゾミブ、メチルプレドニゾロン、デキサメサゾン、プレドニゾン、メルファラン、イキサゾミブ、カルフィルゾミブ、サリドマイド、シクロホスファミド、ペムブロリズマブ、パン−ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、パノビノスタット)、レチノイン酸(例えば、オールトランスレチノイン酸)、放射免疫療法、化学療法などである。ある特定の実施形態では、追加の剤または療法は、レナリドマイドおよびデキサメサゾンの組合せである。ある特定の実施形態では、追加の剤または療法は、ボルテゾミブ、メルファラン、およびプレドニゾンの組合せである。ある特定の実施形態では、追加の剤または療法は、ボルテゾミブおよびデキサメサゾンの組合せである。ある特定の実施形態では、追加の剤または療法は、ポマリドミドおよびデキサメサゾンの組合せである。ある特定の実施形態では、追加の剤または療法は、デキサメサゾンである。いくつかの実施形態では、追加の剤または療法は、本開示の組合せ療法によって標的とされる状態に対する処置である。例えば、状態が骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)である場合に、処置は例えば、エロツズマブである。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法における剤は、1を超える組成物において投与される。ある特定の実施形態では、各剤は、別々の組成物において提供される。1を超える組成物が存在するケースでは、組成物は、同時に、逐次にまたは別々に投与される。他の実施形態では、剤は、単一組成物に投与される。例えば、抗TGF−β抗体および抗CD38抗体を含む組合せ療法は、両方の抗体を含む単一組成物または各抗体に関して別々の組成物(別々の組成物は、逐次にもしくは併せて投与される)の投与が関与し得る。
本開示の組合せ療法の治療用途
一態様では、本開示の組合せ療法は、CD38発現に依拠する状態を処置するために使用される。いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、過剰増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、または線維症状態を処置するために使用される。ある特定の実施形態では、本開示の組合せ療法は、がんを処置するために使用される。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、CD38陽性細胞(例えば、CD38陽性がん細胞、例えば、悪性B細胞)を標的にする。細胞は、例えば、組織学、フローサイトメトリー、RT−PCR、もしくはRNA−Seqによる遺伝子またはタンパク質発現を決定する任意の適切な方法によってCD38陽性と識別される。決定に使用されるがん細胞は、腫瘍バイオプシーを通してまたは循環する腫瘍細胞の採取を通して得られる。理論により拘泥されることを望むものではないが、CD38に特異的に結合する剤は、CD38陽性細胞に結合し、細胞においてADCC/CDCを媒介すること、およびTGF−βに特異的に結合する剤は、TGF−βの免疫抑制効果を低下させ、したがって、がん療法の効能を増強させることが意図される。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、骨髄腫、例えば、多発性骨髄腫(例えば、再発性および/もしくは不応性多発性骨髄腫、新たに診断された多発性骨髄腫(場合により、移植に適格ではない)、くすぶり型多発性骨髄腫、軽鎖骨髄腫、非分泌性骨髄腫、免疫グロブリンD骨髄腫、または免疫グロブリンE骨髄腫)を処置するために使用される。ある特定の実施形態では、本開示の組合せ療法は、CD38に特異的に結合する剤(例えば、抗CD38抗体)のみの療法よりも、骨髄腫骨病変において低い骨破壊を生じる。特定の実施形態では、本開示の組合せ療法は、骨髄腫骨病変の治癒の改善を生じ得る。理論により拘泥されることを望むものではないが、TGF−βに特異的に結合する剤(例えば、抗TGF−β抗体)は、骨芽細胞分化およびマトリックスミネラル化におけるTGFベータの抑制活性を阻害し、したがって、骨形成を増強し、骨リモデリングおよび骨折治癒を生じることが意図される。さらに、成熟骨芽細胞は多発性骨髄腫細胞のアポトーシスおよび細胞周期アレストを増強するため、TGF−βに特異的に結合する剤は多発性骨髄腫細胞増殖も抑制し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、例えば、アミロイド症(例えば、再発性または不応性の原発性アミロイド症または軽鎖アミロイド症)、骨髄異形成症候群(MDS)、単クローン性ガンマグロブリン血症、孤立性プラズマ細胞腫、延髄外プラズマ細胞腫、またはワルデンストレームマクログロブリン血症を処置するために使用される。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、血液学的な悪性腫瘍、例えば、白血病またはリンパ腫を処置するために使用される。例えば、悪性腫瘍は、慢性リンパ球性白血病、BおよびT急性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病(例えば、B細胞急性リンパ芽球性白血病またはB細胞もしくはT細胞前駆体急性リンパ芽球性白血病)、慢性リンパ性急性骨髄性白血病(chronic lymphocytic acute myeloid leukemia)、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、前骨髄球性白血病、およびヘアリー細胞白血病)、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫または胚中心B細胞リンパ腫)、T細胞リンパ腫(例えば、末梢T細胞リンパ腫)、ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫(例えば、鼻型)、リンパ芽球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、ならびに濾胞性リンパ腫である。ある特定の実施形態では、本開示の組合せ療法は、リンパ芽球性白血病を処置するために使用される。
本開示の組合せ療法によって処置される他のがんは、固形腫瘍であり、限定されるものではないが、皮膚がん(例えば、メラノーマ、切除不能または転移性メラノーマ、皮膚扁平上皮細胞癌、色素性乾皮症、および角化棘細胞腫を含む)、甲状腺がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、食道がん、胃がん、結腸がん、結腸直腸がん、膵臓がん、肝臓がん(例えば、肝細胞癌)、原発性腹膜がん、膀胱がん、腎がんまたは腎臓がん(例えば、腎細胞癌)、尿路上皮癌、乳がん(例えば、Her2陽性乳がんまたは三重陰性乳がん)、卵巣がん、ファロピウスがん、子宮頸がん、子宮がん、前立腺がん、精巣がん、頭頚部がん(例えば、頭頚部扁平上皮細胞癌)、脳がん、神経芽細胞腫、グリア芽細胞腫、神経膠腫、星細胞腫、シュワン腫、中皮腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫、セミノーマ、および奇形癌を含み得る。いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、非小細胞肺がん、前立腺がん(例えば、前立腺腺癌)、グリア芽細胞腫、肝細胞がん、卵巣がん、頭頚部がん、尿路上皮がん、または結腸直腸がんを処置するために使用される。
本開示の組合せ療法はまた、シクロスポリン媒介性悪性腫瘍またはがん進行(例えば、転移)を阻害するために有用である。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、早期、中期、進行性、または転移性段階でがんを処置するのに有用である。いくつかの実施形態では、組合せ療法は、少なくとも1つ前の療法を受けている患者(例えば、多発性骨髄腫患者)を処置するために使用される。いくつかの実施形態では、組合せ療法は、再発性または不応性のがんを処置するのに有用である。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、患者における本明細書に記載される任意の状態(例えば、本明細書に記載されるがん)を処置するために使用され、該患者は前記状態のための標準療法以後に進行しているまたは該患者の前記状態のための有効な標準療法が存在しない。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、患者における本明細書に記載される任意の状態(例えば、本明細書に記載されるがん)を処置するために使用され、該患者は前記状態のための1つまたはそれ以上の標準療法に対して耐性がある。ある特定の実施形態では、患者は、Ab2、Ab3、Ab4、ガルニセルチブ、LY3200882、XOMA089、ダラツムマブ、MOR202、TAK−079、TAK−573、TAK−169、HexaBody(登録商標)−CD38、またはその任意の組合せでの処置に対して不応性である状態(例えば、がん、例えば、多発性骨髄腫)を有し得る。前記状態は、CD38に特異的に結合する剤での処置に対して不応性である。特定の実施形態では、患者は、Ab2での処置またはダラツムマブでの処置に対して不応性である、または両方の処置に対して不応性である状態(例えば、がん、例えば、多発性骨髄腫)を有し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、本明細書に記載されるがんを処置するために使用され、ここで、がんは高レベルのTGF−β発現を示す。ある特定の実施形態では、がんは、高レベルのTGF−β発現を示し、CD38に特異的に結合する剤(例えば、Ab2、Ab3、Ab4、ダラツムマブ、MOR202、TAK−079、TAK−573、TAK−169、HexaBody(登録商標)−CD38、またはその任意の組合せ)での処置に対して耐性がある。特定の実施形態では、がんは、Ab2での処置もしくはダラツムマブでの処置に対して不応性または両方の処置に対して不応性である。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、新たに診断された多発性骨髄腫を有する患者を処置するために使用され、該患者は自身の幹細胞を使用する、あるタイプの幹細胞移植(自己幹細胞移植)を受け取ることができない。さらにまたはあるいは、患者は、多発性骨髄腫を処置するための少なくとも1つ前の医薬を受けている。特定の実施形態では、組合せ療法は、以下をさらに含む:
a)レナリドマイドおよび/もしくはデキサメサゾン、
b)ボルテゾミブ、レナリドマイド、および/もしくはデキサメサゾン、
c)ボルテゾミブ、メルファラン、および/もしくはプレドニゾン、または
d)ボルテゾミブおよび/もしくはデキサメサゾン。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、多発性骨髄腫を処置するために、少なくとも2つ前の医薬を受けている患者を処置するために使用される。ある特定の実施形態では、2つ前の医薬は、レナリドマイドおよび/またはプロテアソーム阻害剤を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、多発性骨髄腫を処置するために、少なくとも3つ前の医薬を受けている患者を処置するために使用される。ある特定の実施形態では、3つ前の医薬は、プロテアソーム阻害剤および/または免疫調節薬を含む。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、プロテアソーム阻害剤および/または免疫調節薬に対して反応しなかった患者を処置するために使用される。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法は、ポマリドミドおよび/またはデキサメサゾン(例えば、低用量デキサメサゾン)の組合せで再発性/不応性多発性骨髄腫を有する患者を処置するために使用される。ある特定の実施形態では、患者は、多発性骨髄腫を処置するための少なくとも2つ前の医薬を受けている。特定の実施形態では、2つ前の医薬は、レナリドマイドおよび/またはプロテアソーム阻害剤を含む。
「処置する」、「処置すること」および「処置」は、生物学的障害および/または少なくとも1つのその付随する症状を軽減するまたは抑止する方法を指す。本明細書に使用される疾患、障害または状態を「軽減する」は、その疾患、障害、または状態の症状の重症度および/または出現頻度を低下させることを意味する。さらに、本明細書に参照される「処置」は、治療的、緩和的および予防的処置に対する参照を含む。がん療法の文脈において「処置」は、患者の平均余命を延長するために、がん増殖の緩徐化、がん進行または再発の遅延、またはがん転移の低下、ならびにがんの部分的な緩解を生じる任意の医療行為を含むことが当然ながら理解されよう。
本明細書に使用される用語「共投与」、「共投与された」ならびに「組み合わせて」は、限定されることなく、(i)処置を必要とする患者に対する治療剤の同時投与であって、そのような剤が単一剤形に一緒に製剤化される場合の同時投与、(ii)処置を必要とする患者に対するそのような剤の実質的な同時投与であって、そのような剤が別々の剤形に互いに離されて製剤化される場合の同時投与、および(iii)処置を必要とする患者に対するそのような剤の逐次投与であって、そのような剤が別々の剤形(これらは、別々の時間に前記患者によって摂取される)に互いに離されて製剤化される場合の逐次投与を指す。
TGF−βに特異的に結合する剤(例えば、抗TGF−β抗体)とCD38に特異的に結合する剤(例えば、抗CD38抗体)の間の比は、剤が等量(すなわち、1:1の比)で投与されるものであるが、これが必ずしも必要とされるケースではない。個々の剤の特徴に依存して、非等量の剤を使用することが望ましいことがある。
本開示の組合せ療法が、本明細書に記載される処置の方法に使用されること、本明細書に記載される処置における使用のためであること、および/または本明細書に記載される処置のための医薬の製造における使用のためであることが理解される。
投与レジメン
本開示の組合せ療法は、所望の治療結果を達成するために必要な問題の状態の処置に関する有効量(すなわち、用量および期間)で投与される。治療有効量は、因子、例えば、患者の処置される特定の状態、年齢、性別、健康、および体重、ならびに投与される剤が、スタンドアロンの処置または1つもしくはそれ以上の追加の抗がん処置との組合せとして投与されるかどうかに従って変動し得る。
「治療有効量」は、処置される障害の1つまたはそれ以上の症状をある程度まで軽減する、投与される治療剤の量を指す。この量は、十分に確立された原理を使用してヘルスケア専門家が決定する。抗がん治療の治療有効量は、例えば、腫瘍収縮、生存度の増大、がん細胞の排除、疾患進行の減少、転移の逆転(reversal of metastasis)、またはヘルスケア専門家が所望する他の臨床エンドポイントを生じさせ得る。
いくつかの実施形態では、患者は、本開示の組合せ療法で処置される場合に、心臓および肺の副作用に関してモニターされる。
抗体および抗体組成物産生の宿主細胞および方法
本開示の一態様は、本組合せ療法のための抗体を産生する方法に関する。一実施形態は、抗体を発現する能力のある組換え宿主細胞を用意すること、前記宿主細胞を抗体の発現に適切な条件下で培養すること、および生じる抗体を単離することを含む本明細書に記載される抗体を産生する方法に関する。そのような組換え宿主細胞におけるそのような発現によって産生される抗体は、本明細書において「組換え抗体」と呼ばれる。そのような宿主細胞の子孫細胞および同じく産生される抗体も記載される。
本明細書に使用される用語「組換え宿主細胞」(または単純に「宿主細胞」)は、組換え発現ベクターが導入されている細胞を意味する。宿主細胞は、例えば、本明細書に記載される1つまたはそれ以上のベクターを含み得る。宿主細胞は、例えば、本明細書に記載される抗TGF−βおよび/または抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメントの、重鎖をコードするヌクレオチド配列もしくはその抗原結合フラグメント、軽鎖をコードするヌクレオチド配列もしくはその抗原結合フラグメント、または両方を含み得る。「組換え宿主細胞」および「宿主細胞」は、特定の対象細胞ばかりでなく、そのような細胞の子孫も意味することを理解すべきである。特定の修飾が変異または環境的影響に起因して後の世代において生じ得るため、そのような子孫は、実際、親細胞と同一ではないかもしれないが、本明細書に使用される用語「宿主細胞」の範囲内に依然として含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の宿主細胞は、以下を含む:
− 本明細書に記載される抗TGF−β抗体の、重鎖をコードするヌクレオチド配列もしくはその抗原結合フラグメント、軽鎖をコードするヌクレオチド配列もしくはその抗原結合フラグメント、または両方、および
− 本明細書に記載される抗CD38抗体の、重鎖をコードするヌクレオチド配列もしくはその抗原結合フラグメント、軽鎖をコードするヌクレオチド配列もしくはその抗原結合フラグメント、または両方。
抗TGF−βならびに/または抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメントの重鎖および/もしくは軽鎖アミノ酸配列をコードする核酸分子は、発現ベクターに含まれる。目的の核酸配列が必要な発現制御配列(例えば、転写および翻訳制御配列)に連結される発現ベクターは、プラスミド、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス(AAV)、植物ウイルス(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、タバコモザイクウイルス、コスミド、YAC、EBV由来エピソームなど)を含む。抗体軽鎖コード配列および抗体重鎖コード配列は、別々のベクターに挿入される、ならびに同じまたは異なる発現制御配列(例えば、プロモーター)に作動可能に連結される。一実施形態では、両方をコードする配列は、同じ発現ベクターに挿入され、同じ発現制御配列(例えば、共通プロモーター)に、別々の同一の発現制御配列(例えば、プロモーター)に、または異なる発現制御配列(例えば、プロモーター)に作動可能に連結される。抗体コード配列は、標準方法(抗体遺伝子フラグメントおよびベクターにおける相補的な制限部位のライゲーション、または制限部位が存在しない場合、平滑末端ライゲーション)によって発現ベクターに挿入される。
本明細書に記載される抗体および抗原結合フラグメントをコードする発現ベクターは、発現のために宿主細胞に導入される。いくつかの実施形態では、抗TGF−β抗体コード発現ベクターおよび抗CD38抗体コード発現ベクターは、別々の宿主細胞に導入される。他の実施形態では、発現ベクターは、同じ宿主細胞に導入される。宿主細胞は、抗体の発現に適切な条件下で培養され、次いで回収および単離される。宿主細胞は、哺乳動物、植物、細菌または酵母宿主細胞を含む。発現のための宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は、当技術分野で周知されており、American Type Culture Collection(ATCC)から利用可能な多くの不死化した細胞株を含む。これらは、とりわけ、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NS0細胞、SP2細胞、HEK−293T細胞、293 Freestyle細胞(Invitrogen)、NIH−3T3細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、アフリカ緑サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌由来細胞(例えば、Hep G2)、A549細胞、およびいくつかの他の細胞株を含む。細胞株は、それらの発現レベルに基づいて選択される。使用される他の細胞株は、昆虫細胞株、例えば、Sf9またはSf21細胞である。
さらに、抗体の発現は、いくつかの知られている技術を使用して増強される。例えば、グルタミン合成酵素遺伝子発現システム(GSシステム)は、ある特定の条件下で、発現を増強するための共通のアプローチである。
宿主細胞のための組織培養培地は、動物由来成分(ADC)、例えば、ウシ血清アルブミンを含んでもよいまたは含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、ADC不含培養培地は、ヒトの安全性に対して好ましい。組織培養は、フェッドバッチ法、連続灌流法、または宿主細胞および所望の収量に適切な任意の他の方法を使用して行われる。
いくつかの実施形態では、本開示は、抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメントおよび抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメントを含む抗体組成物を産生する方法に関し、該方法は、以下を含む:
− 第1の宿主細胞は本明細書に記載される抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメントを発現する能力があるおよび第2の宿主細胞は本明細書に記載される抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメントを発現する能力がある、第1ならびに第2の宿主細胞を用意すること、
− 抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメントおよび抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメントの発現に適切な条件下で第1ならびに第2の宿主細胞を培養すること、
− 生じる抗体または抗原結合フラグメントを単離すること、ならびに
− 場合により、抗体または抗原結合フラグメントを組み合わせて、抗体組成物を産生すること。
医薬組成物
本開示の別の態様は、活性成分として(例えば、唯一の活性成分として)、ヒトTGF−βに特異的に結合する剤(例えば、抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメント)およびヒトCD38に特異的に結合する剤(例えば、抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメント)を含む医薬組成物である。TGF−βに特異的に結合する剤およびCD38に特異的に結合する剤は、共製剤化され(例えば、混合され)、単一組成物に提供される。本開示は、同じ組合せ療法に使用される、(1)ヒトTGF−βに特異的に結合する剤を含む医薬組成物、および(2)ヒトCD38に特異的に結合する剤を含む医薬組成物も提供する。
いくつかの実施形態では、本開示の組合せ療法で投与される場合に、本明細書に記載される医薬組成物は、TGF−βならびにCD38の活性または発現の調節によって、障害、疾患、または状態の、改善またはその進行を減速させる、処置(例えば、寛解および/もしくは予防)のために意図される。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、がんの処置(例えば、寛解および/または予防)のために意図される。特定の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、1%未満の半抗体である本明細書に記載される抗TGF−β抗体を含む。半抗体形成は、例えば、非還元条件下のSDS−キャピラリー電気泳動法もしくは非還元SDS−PAGE分析、続いて濃度測定、またはRP−HPLCを使用することによる、モノクローナル抗体調製物の純度分析を通して決定される(Angal et al.、Mol Immunol 30(1):105〜8 (1993);Bloom et al.、Protein Science 6:407〜415 (1997);Schuurman et al.、38(1):1〜8 (2001);およびSolanos et al.、Anal Chem 78:6583〜94 (2006))。
一般的には、本明細書に記載される医薬組成物は、例えば、以下に記載される、1つまたはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤と一緒の製剤として投与されるのに適切である。
用語「賦形剤」または「担体」は、本開示の化合物以外の任意の成分を記載するために本明細書で使用される。賦形剤の選定は、投与の特定のモード、賦形剤が溶解度および安定性に及ぼす効果、ならびに剤形の性質などの因子に大きく依存する。「薬学的に許容される賦形剤」は、任意のおよび全ての生理的に適合性のある溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤などを含む。薬学的に許容される賦形剤のいくつかの例は、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセリン、エタノールなど、ならびにその組合せである。いくつかのケースでは、等張剤、例えば、糖、多価アルコール、例えば、マンニトール、ソルビトール、または塩化ナトリウムが組成物に含まれる。薬学的に許容される物質の追加の例は、湿潤剤または微量の補助物質、例えば、湿潤もしくは乳化剤、保存剤もしくは緩衝液であり、これらは抗体の貯蔵寿命または有効性を増強する。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、ヒアルロニダーゼ(例えば、組換えヒトヒアルロニダーゼ)を含む。ある特定の実施形態では、ヒアルロニダーゼを含む医薬組成物は、皮下投与のためである。
本開示の医薬組成物は、単一の単位用量としてまたは複数の単一の単位用量として、製造、包装、またはバルクで提供される。本明細書に使用される「単位用量」は、既定量の活性成分を含む別々の量の医薬組成物である。各活性成分の量は、一般的には、対象に投与されるであろう活性成分の用量またはそのような用量の便利な割合、例えば、そのような用量の半分もしくは三分の一と等しい。
本開示の医薬組成物は、典型的には、非経口投与に適切である。本明細書に使用される医薬組成物の「非経口的投与」は、対象の組織を物理的に突破することを特徴とする投与および組織の侵入を通しての医薬組成物の投与の任意の経路を含み、したがって、一般的には、血流、筋肉、または内部器官への直接的な投与を生じる。したがって、非経口投与は、限定されるものではないが、組成物の注射、外科的な切開を通しての組成物の塗布、組織を貫通する非外科的な創傷を通しての組成物の塗布などによる医薬組成物の投与を含む。特に、非経口投与は、限定されるものではないが、皮下、腹腔内、筋肉内、胸骨内、静脈内、動脈内、クモ膜下腔内、脳室内、尿道内、頭蓋内、腫瘍内、および滑膜内注射または輸液;ならびに腎臓透析輸液技術を含むことが意図される。局所潅流も意図される。好ましい実施形態は、静脈内および皮下経路を含み得る。
非経口投与に適切な医薬組成物の製剤は、典型的には、活性成分を薬学的に許容される担体、例えば、滅菌水または滅菌等張生理食塩水と組み合わせて含む。そのような製剤は、ボーラス投与または連続投与に適切な形態で製造、包装、または提供される。注射可能な製剤は、単位剤形で、例えば、保存剤を含有する、アンプル、または複数回用量容器で製造、包装、または提供される。非経口投与のための製剤は、限定されるものではないが、懸濁液、液剤、油性または水性ビヒクル中のエマルジョン剤、ペースト剤などを含む。そのような製剤は、限定されるものではないが、懸濁剤、安定化剤、または分散剤を含む、1つまたはそれ以上の追加の成分をさらに含み得る。非経口投与のための製剤の一実施形態では、活性成分は、再構成される組成物の非経口投与前に適切なビヒクル(例えば、滅菌発熱物質不含水)での再構成のための乾いた(すなわち、粉末または粒状)形態で提供される。非経口製剤はまた、賦形剤、例えば、塩、炭水化物、および緩衝剤(例えば、3から9までのpHを有する)を含有し得る水性液剤を含んでもよいが、用途によっては、それらは、滅菌非水溶液、または適切なビヒクル、例えば滅菌発熱物質不含水と共に使用される乾燥(例えば、凍結乾燥)形態としてより適切に製剤化される。例示的な非経口投与形態は、滅菌水溶液、例えば、水性プロピレングリコールもしくはデキストロース溶液中の溶液または懸濁液を含む。このような剤形は、必要に応じて適切に緩衝される。有用な他の非経口投与可能な製剤は、微結晶形態またはリポソーム調製物中に活性成分を含むものを含む。非経口投与のための製剤は、即時放出および/または放出調節となるように調合される。放出調節製剤は、遅延型、持続型、パルス型、制御型、標的指向型、およびプログラム型放出を含む。
製品およびキット
本開示はまた、ヒトTGF−βに特異的に結合する剤およびヒトCD38に特異的に結合する剤を含む製品を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の製品は、本明細書に記載される抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメントおよび本明細書に記載される抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。ある特定の実施形態では、製品は、Ab1およびAb2を含む。本開示は、前記製品を製造する方法をさらに提供する。
本開示はまた、ヒトTGF−βに特異的に結合する剤およびヒトCD38に特異的に結合する剤、ならびに組合せの剤を使用するための指示書を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、本開示のキットは、本明細書に記載される抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメントおよび本明細書に記載される抗CD38抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。ある特定の実施形態では、キットは、Ab1およびAb2を含む。
本明細書に特に定義されない限り、本開示に関連して使用される科学的および技術的用語は、当技術分野における当業者により一般に理解される意味を有する。例示的な方法および材料を以下に記載するが、本明細書で記載するものと類似または同等の方法および材料が、本開示の実施または試験においても使用され得る。矛盾するケースでは、定義を含めた本明細書が規制する。
一般的には、本明細書に記載の細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、分析化学、合成有機化学、医薬品および薬化学、およびタンパク質および核酸化学およびハイブリダイゼーションに関連して使用される命名法およびその技術は、当技術分野において使用される周知されかつ一般的なものである。酵素反応および精製技術は、一般に当技術分野において達成されるまたは本明細書に記載されるように、製造者の仕様に従って行われる。
さらに、文脈によって他に必要とされない限り、単数形は複数形を含み、複数形は単数形を含むものとする。本明細書および実施形態を通して、単語「有する(have)」および「含む(comprise)」または「有する(has)」、「有すること(having)」、「含む(comprises)」、または「含むこと(comprising)」などの変形は、所定の整数または整数の群の包含を意味するが、任意の他の整数または整数の群の除外を意味するものではないことが理解されよう。
本明細書に言及される、全ての刊行物および他の参照文献は、その全体が参照によって組み入れられる。いくつかの文書が本明細書に引用されるが、この引用は、これらの文書のいずれかが、当技術分野における共通の一般知識の一部を形成するという承認を構成するものではない。
本開示をより良く理解するために、以下の実施例が記載される。これらの実施例は、説明のみの目的であり、いかなる様式でも本開示の範囲を限定すると解釈すべきではない。
実施例1:TGF−βは多発性骨髄腫およびリンパ腫細胞株によって放出される
JJN3、NCI−H929、RPMI8226、LP1、MOLP8、SUDHL−4、DAUDI、OCI−LY19、およびSUDHL8細胞を、10%ウシ胎児血清(Invitrogenカタログ番号10082−147)を補充したRPMI1640(Invitrogenカタログ番号22400−089)中で培養した。
MMおよびリンパ腫細胞株によって放出されたTGF−βを定量化するために、1×10個の細胞の各細胞株を、1つの96ウェル組織培養処理プレートに、10%ウシ胎児血清を補充した100μLの容量のRPMIをプレートした。細胞を、5%COを含有する37℃の加湿インキュベーター中で1日、2日、または3日間、37℃でインキュベートした。5分間、250gの遠心分離後、各ウェルからの40μLの上清を採取し、総ヒトTGF−βのレベルを製造者の指示書に従ってMSD 96−ウェルマルチ−アレイヒトTGF−β1アッセイキット(Meso Scale Discoveryカタログ番号K151IUC−1)を使用して決定した。簡潔には、サンプルを、酸処理による活性化、引き続いて中和、続いて捕獲抗体とのインキュベーションによって活性化した。抗体を、次にELISAベースの方法を使用して検出し、結果をMSD SECTOR Imagerで読み取った。
総TGF−βを全てのMMおよびリンパ腫細胞株の上清中で500pg/mLを超えるレベルで検出し、長期にわたる蓄積をほとんどの細胞株、特にJJN3、RPMI8226およびMOLP8細胞中で観察した(図1)。
実施例2:TGF−βはヒトNK細胞の細胞溶解活性を低下させ、Ab2−媒介性ADCCを減少させる
log増殖期のNK92V細胞(NK92−05 CD16 V/V;Conkwest, Inc.)を、増殖培地(100単位/mLヒトインターロイキン−2(R&D Systems, Inc.カタログ番号202−IL−010/CF)を補充したMiddle MyeloCult H5100(STEMCELL Technologies Inc.カタログ番号05150))に懸濁し、10cmディッシュに1mL当たり0.8×10個の細胞の密度で播種した。細胞を、組換えヒトTGF−βを最終濃度10ng/mLで一晩、24時間、48時間、または72時間、37℃で処置した。
MOLP8細胞を、20%ウシ胎児血清(Invitrogenカタログ番号10082−147)を補充したRPMI1640(Invitrogenカタログ番号22400−089)中で培養した。
カルセイン(AM)(Invitrogenカタログ番号C3100MP)標識MOLP8標的細胞およびNK92Vエフェクター細胞を、96ウェルプレートに、ウェル当たり4×10標的細胞(MOLP8)および1.2×10個のエフェクター細胞(NK92V)の密度で播種した。細胞を、Ab2を濃度0、0.001、0.1、または1μg/mL、またはIgG対照(データ示さず)で1時間、37℃で処置した。上清中の溶解した標的細胞からの放出されたカルセイン蛍光を、マルチモードプレートリーダー(EnVision)を使用して測定した。蛍光シグナルの強度は、溶解した標的細胞の数に正比例した。
ヒトNK細胞とTGF−βの72時間までのインキュベーションは、Ab2−媒介性ADCC(E:T=3:1)の時間依存的な減少を生じた。TGF−βと24時間インキュベートしたNK細胞はそれらの溶解活性を保持したが、48または72時間インキュベートしたNK細胞による溶解はおよそ25〜60%低下した(図2)。
実施例3:TGF−β中和はNK細胞溶解活性およびAb2−媒介性ADCCを回復させる
log増殖期のNK92V細胞(NK92−05 CD16 V/V;Conkwest, Inc.)を、増殖培地(100単位/mLヒトインターロイキン−2(R&D Systems, Inc.カタログ番号202−IL−010/CF)を補充したMiddle MyeloCult H5100(STEMCELL Technologies Inc.カタログ番号05150))に懸濁し、10cmディッシュに1mL当たり0.8×10個の細胞の密度で播種した。細胞を、組換えヒトTGF−βを最終濃度10ng/mLで、および1D11(Ab1のマウス代理物)または抗体アイソタイプ対照(13C4;データ示さず)を最終濃度50μg/mLで、90時間、37℃で処置した。
カルセイン(AM)(Invitrogenカタログ番号C3100MP)標識MOLP8標的細胞およびNK92Vエフェクター細胞を、96ウェルプレートに、ウェル当たり4×10標的細胞(MOLP8)および1.2×10個のエフェクター細胞(NK92V)の密度で播種した。細胞を、Ab2を0、0.001、0.01、0.1、もしくは1μg/mL、またはIgG対照を1μg/mLで1時間、37℃で処置した。上清中の溶解した標的細胞からの放出されたカルセイン蛍光を、マルチモードプレートリーダー(EnVision)を使用して測定した。蛍光シグナルの強度は、溶解した標的細胞の数に正比例した。
TGF−βによって誘導されるNK細胞およびAb2−媒介性ADCCの溶解活性における減少は、TGF−βがAb1によって中和された場合、完全に回復されたが、対照抗体によってはされなかった(図3)。
実施例4:TGF−βは、NCI−H929細胞のAb2−媒介性ADCCを阻害し、Ab1はこの阻害をブロックする
ヒトNK細胞を、正常なヒトドナーからのネガティブ選択(STEMCELL Technologies Inc.)によって単離した。豊富化されたNK細胞を、IL−2(100IU/mL)、TGF−β(示される通り)および/またはAb1もしくはアイソタイプ対照の存在下、3日間、37℃、加湿インキュベーターで培養した。この時点で、指数関数的に増殖しているNCI−H929細胞を、カルセイン(AM)で標識し、Ab2を1μg/mLで30分間インキュベートした。NKエフェクター細胞を、次に再懸濁し、標識した標的NCI−H929細胞で1時間、加湿インキュベーター中で組み合わせた。Ab2−媒介性ADCCは、カルセイン(AM)で標識した標的細胞のレベルを分光光度計を使用して測定することによって定量した。TGF−βの用量が増大すると、正常なヒトNK細胞のAb2−前処置NCI−H929細胞を殺傷する能力を阻害し、0.1ng/mLではNK細胞媒介性細胞溶解にほとんど効果がなかったが、1および10ng/mLではADCCをおよそ50%ブロックすることが示される(図4)。ADCCを、次に2つの異なる濃度のAb1(100および200μg/mL)で評価した。TGF−βの非存在下で培養に加えられた場合、アイソタイプ対照Ab(IgG)もAb1も、ADCCになんらの効果も有していなかった(図5および6)。Ab1は、TGF−βの能力をブロックしてADCCを阻害するが(図5および6、p<0.005対未処置)、IgG対照はTGF−βの効果を同じ程度にブロックできないことが示された。したがって、このデータは、Ab1がNK細胞−媒介性ADCCにおけるTGF−βの免疫抑制効果を軽減できることを実証している。
実施例5:Ab1による内因性TGF−βの中和は初代NK細胞溶解活性およびAb2−媒介性ADCCを回復させる
JJN3、K562、およびRPMI8226細胞を、10%ウシ胎児血清(Invitrogenカタログ番号10082−147)を補充したRPMI1640(Invitrogenカタログ番号22400−089)中で培養した。
ヒト初代NK細胞を、製造者が提案したプロトコール(STEMCELL Technologies Inc.カタログ番号17955RF)に従って正常なヒトPBMCからネガティブ選択によって単離した。単離されたNK細胞を、6−トランスウェルプレート中のJJN3細胞の存在下、100mg/mlのAb1またはアイソタイプ対照の存在下もしくは非存在下、90時間、37℃で、5%COインキュベーター中で単独で培養または共培養した。
共培養の90時間後、トランスウェルからのNK細胞を、NK細胞の細胞溶解機能検出のためにカルセイン(AM)(Invitrogenカタログ番号C3100MP)で2時間、37℃、またはAb2−媒介性ADCC検出のためにカルセイン(AM)−標識RPMI8226で0.001もしくは0.1mg/mlのAb2、もしくは0.1mg/mlの対照Ab2変異体(Ab)の存在下、1時間、37℃で標識したK562細胞とインキュベートした。上清中の溶解した標的細胞からの放出されたカルセイン蛍光を、マルチモードプレートリーダー(EnVision)を使用して測定した。蛍光シグナルの強度は、溶解した標的細胞の数に正比例した。
初代NK細胞の増大した細胞溶解活性(図7)および増大したAb2−媒介性ADCC(図8)は、90時間共培養の間に、Ab1の存在が、JJN3細胞−放出内因性TGF−βを中和したことを実証している。
実施例6:多発性骨髄腫患者におけるAb1およびAb2での組合せ処置
抗体Ab1およびAb2との組合せ処置の効果が、CD38を標的とする1つまたはそれ以上の他の処置(例えば、イサツキシマブもしくはダラツムマブ)に対して耐性がある、ヒト患者、例えば、多発性骨髄腫患者においてさらに評価された。多発性骨髄腫患者は、例えば、CD38を標的とする他の処置に対して非反応性であるまたはCD38を標的とする他の処置での処置の間に進行していた。
Ab1およびAb2の組合せは、Ab2単独よりも有効に多発性骨髄腫を処置すると予想される。例えば、組合せ処置は、改善された症状、低下した骨破壊、強化された骨形成を生じ、Ab2単独での処置と比較して、骨リモデリングおよび/もしくは骨折治癒、遅延性がん進行もしくは再発、または長い平均余命を生じた。
Ab1およびAb2は、複数の用量(例えば、1〜20mg/kg)、投薬スケジュール(例えば、1、2、3、または4週ごと)を使用して、例えば、医師によって決定されるような所望の結果を達成するのに必要な期間投与された。いくつかの実施形態では、一方または両方の抗体が、点滴静注を介して投与された。特定の実施形態では、Ab2が、10mg/kgまたは16mg/kg実体重で、1、2、3、または4週、またはその任意の組合せで、処置の過程にわたって投与された。
配列の一覧
配列番号1(Ab1重鎖)
QVQLVQSGAE VKKPGSSVKV SCKASGYTFS SNVISWVRQA PGQGLEWMGG VIPIVDIANY
AQRFKGRVTI TADESTSTTY MELSSLRSED TAVYYCASTL GLVLDAMDYW GQGTLVTVSS
ASTKGPSVFP LAPCSRSTSE STAALGCLVK DYFPEPVTVS WNSGALTSGV HTFPAVLQSS
GLYSLSSVVT VPSSSLGTKT YTCNVDHKPS NTKVDKRVES KYGPPCPPCP APEFLGGPSV
FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSQED PEVQFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQFNSTY
RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKGLPS SIEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSQEEMTK
NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSRL TVDKSRWQEG
NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSLGK
配列番号2(Ab1軽鎖)
ETVLTQSPGT LSLSPGERAT LSCRASQSLG SSYLAWYQQK PGQAPRLLIY GASSRAPGIP
DRFSGSGSGT DFTLTISRLE PEDFAVYYCQ QYADSPITFG QGTRLEIKRT VAAPSVFIFP
PSDEQLKSGT ASVVCLLNNF YPREAKVQWK VDNALQSGNS QESVTEQDSK DSTYSLSSTL
TLSKADYEKH KVYACEVTHQ GLSSPVTKSF NRGEC
配列番号3(Ab1重鎖可変ドメイン)
QVQLVQSGAE VKKPGSSVKV SCKASGYTFS SNVISWVRQA PGQGLEWMGG VIPIVDIANY
AQRFKGRVTI TADESTSTTY MELSSLRSED TAVYYCASTL GLVLDAMDYW GQGTLVTVSS
配列番号4(Ab1軽鎖可変ドメイン)
ETVLTQSPGT LSLSPGERAT LSCRASQSLG SSYLAWYQQK PGQAPRLLIY GASSRAPGIP
DRFSGSGSGT DFTLTISRLE PEDFAVYYCQ QYADSPITFG QGTRLEIK
配列番号5(Ab1重鎖CDR1)
SNVIS
配列番号6(Ab1重鎖CDR2)
GVIPIVDIAN Y
配列番号7(Ab1重鎖CDR3)
TLGLVLDAMD Y
配列番号8(Ab1軽鎖CDR1)
RASQSLGSSY LA
配列番号9(Ab1軽鎖CDR2)
GASSRAP
配列番号10(Ab1軽鎖CDR3)
QQYADSPIT
配列番号11(Ab2重鎖)
QVQLVQSGAE VAKPGTSVKL SCKASGYTFT DYWMQWVKQR PGQGLEWIGT IYPGDGDTGY
AQKFQGKATL TADKSSKTVY MHLSSLASED SAVYYCARGD YYGSNSLDYW GQGTSVTVSS
ASTKGPSVFP LAPSSKSTSG GTAALGCLVK DYFPEPVTVS WNSGALTSGV HTFPAVLQSS
GLYSLSSVVT VPSSSLGTQT YICNVNHKPS NTKVDKKVEP KSCDKTHTCP PCPAPELLGG
PSVFLFPPKP KDTLMISRTP EVTCVVVDVS HEDPEVKFNW YVDGVEVHNA KTKPREEQYN
STYRVVSVLT VLHQDWLNGK EYKCKVSNKA LPAPIEKTIS KAKGQPREPQ VYTLPPSRDE
LTKNQVSLTC LVKGFYPSDI AVEWESNGQP ENNYKTTPPV LDSDGSFFLY SKLTVDKSRW
QQGNVFSCSV MHEALHNHYT QKSLSLSPGK
配列番号12(Ab2軽鎖)
DIVMTQSHLS MSTSLGDPVS ITCKASQDVS TVVAWYQQKP GQSPRRLIYS ASYRYIGVPD
RFTGSGAGTD FTFTISSVQA EDLAVYYCQQ HYSPPYTFGG GTKLEIKRTV AAPSVFIFPP
SDEQLKSGTA SVVCLLNNFY PREAKVQWKV DNALQSGNSQ ESVTEQDSKD STYSLSSTLT
LSKADYEKHK VYACEVTHQG LSSPVTKSFN RGEC
配列番号13(Ab2重鎖可変ドメイン)
QVQLVQSGAE VAKPGTSVKL SCKASGYTFT DYWMQWVKQR PGQGLEWIGT IYPGDGDTGY
AQKFQGKATL TADKSSKTVY MHLSSLASED SAVYYCARGD YYGSNSLDYW GQGTSVTVSS
配列番号14(Ab2軽鎖可変ドメイン)
DIVMTQSHLS MSTSLGDPVS ITCKASQDVS TVVAWYQQKP GQSPRRLIYS ASYRYIGVPD
RFTGSGAGTD FTFTISSVQA EDLAVYYCQQ HYSPPYTFGG GTKLEIK
配列番号15(Ab2重鎖CDR1)
DYWMQ
配列番号16(Ab2重鎖CDR2)
TIYPGDGDTG YAQKFQG
配列番号17(Ab2重鎖CDR3)
GDYYGSNSLD Y
配列番号18(Ab2軽鎖CDR1)
KASQDVSTVV A
配列番号19(Ab2軽鎖CDR2)
SASYRYI
配列番号20(Ab2軽鎖CDR3)
QQHYSPPYT
配列番号21(ヒトTGF−β1):SwissProt P01137
MPPSGLRLLL LLLPLLWLLV LTPGRPAAGL STCKTIDMEL VKRKRIEAIR GQILSKLRLA
SPPSQGEVPP GPLPEAVLAL YNSTRDRVAG ESAEPEPEPE ADYYAKEVTR VLMVETHNEI
YDKFKQSTHS IYMFFNTSEL REAVPEPVLL SRAELRLLRL KLKVEQHVEL YQKYSNNSWR
YLSNRLLAPS DSPEWLSFDV TGVVRQWLSR GGEIEGFRLS AHCSCDSRDN TLQVDINGFT
TGRRGDLATI HGMNRPFLLL MATPLERAQH LQSSRHRRAL DTNYCFSSTE KNCCVRQLYI
DFRKDLGWKW IHEPKGYHAN FCLGPCPYIW SLDTQYSKVL ALYNQHNPGA SAAPCCVPQA
LEPLPIVYYV GRKPKVEQLS NMIVRSCKCS
配列番号22(ヒトTGF−β2):SwissProt P08112
MHYCVLSAFL ILHLVTVALS LSTCSTLDMD QFMRKRIEAI RGQILSKLKL TSPPEDYPEP
EEVPPEVISI YNSTRDLLQE KASRRAAACE RERSDEEYYA KEVYKIDMPP FFPSENAIPP
TFYRPYFRIV RFDVSAMEKN ASNLVKAEFR VFRLQNPKAR VPEQRIELYQ ILKSKDLTSP
TQRYIDSKVV KTRAEGEWLS FDVTDAVHEW LHHKDRNLGF KISLHCPCCT FVPSNNYIIP
NKSEELEARF AGIDGTSTYT SGDQKTIKST RKKNSGKTPH LLLMLLPSYR LESQQTNRRK
KRALDAAYCF RNVQDNCCLR PLYIDFKRDL GWKWIHEPKG YNANFCAGAC PYLWSSDTQH
SRVLSLYNTI NPEASASPCC VSQDLEPLTI LYYIGKTPKI EQLSNMIVKS CKCS
配列番号23(ヒトTGF−β3):SwissProt P10600
MKMHLQRALV VLALLNFATV SLSLSTCTTL DFGHIKKKRV EAIRGQILSK LRLTSPPEPT
VMTHVPYQVL ALYNSTRELL EEMHGEREEG CTQENTESEY YAKEIHKFDM IQGLAEHNEL
AVCPKGITSK VFRFNVSSVE KNRTNLFRAE FRVLRVPNPS SKRNEQRIEL FQILRPDEHI
AKQRYIGGKN LPTRGTAEWL SFDVTDTVRE WLLRRESNLG LEISIHCPCH TFQPNGDILE
NIHEVMEIKF KGVDNEDDHG RGDLGRLKKQ KDHHNPHLIL MMIPPHRLDN PGQGGQRKKR
ALDTNYCFRN LEENCCVRPL YIDFRQDLGW KWVHEPKGYY ANFCSGPCPY LRSADTTHST
VLGLYNTLNP EASASPCCVP QDLEPLTILY YVGRTPKVEQ LSNMVVKSCK CS
配列番号24(ヒトCD38):GenBank NP_001766
MANCEFSPVS GDKPCCRLSR RAQLCLGVSI LVLILVVVLA VVVPRWRQQW SGPGTTKRFP
ETVLARCVKY TEIHPEMRHV DCQSVWDAFK GAFISKHPCN ITEEDYQPLM KLGTQTVPCN
KILLWSRIKD LAHQFTQVQR DMFTLEDTLL GYLADDLTWC GEFNTSKINY QSCPDWRKDC
SNNPVSVFWK TVSRRFAEAA CDVVHVMLNG SRSKIFDKNS TFGSVEVHNL QPEKVQTLEA
WVIHGGREDS RDLCQDPTIK ELESIISKRN IQFSCKNIYR
PDKFLQCVKN PEDSSCTSEI
配列番号25(Ab3重鎖)
QVQLVQSGAE VVKPGASVKV SCKASGYTFT SYAMHWVKEA PGQRLEWIGY IYPGQGGTNY
NQKFQGRATL TADTSASTAY MELSSLRSED TAVYFCARTG GLRRAYFTYW GQGTLVTVSS
ASTKGPSVFP LAPSSKSTSG GTAALGCLVK DYFPEPVTVS WNSGALTSGV HTFPAVLQSS
GLYSLSSVVT VPSSSLGTQT YICNVNHKPS NTKVDKKVEP KSCDKTHTCP PCPAPELLAG
PDVFLFPPKP KDTLMISRTP EVTCVVVDVS HEDPEVKFNW YVDGVEVHNA KTKPREEQYN
STYRVVSVLT VLHQDWLNGK EYKCKVSNKA LPLPEEKTIS KAKGQPREPQ VYTLPPSRDE
LTKNQVSLTC LVKGFYPSDI AVEWESNGQP ENNYKTTPPV LDSDGSFFLY SKLTVDKSRW
QQGNVFSCSV MHEALHNHYT QKSLSLSPG
配列番号26(Ab3軽鎖)
DIVLTQSPAT LSLSPGERAT ISCRASQSVS SYGQGFMHWY QQKPGQPPRL LIYGASSRAT
GIPARFSGSG SGTDFTLTIS PLEPEDFAVY YCQQNKEDPW TFGGGTKLEI KRTVAAPSVF
IFPPSDEQLK SGTASVVCLL NNFYPREAKV QWKVDNALQS GNSQESVTEQ DSKDSTYSLS
STLTLSKADY EKHKVYACEV THQGLSSPVT KSFNRGEC
配列番号27(Ab3重鎖可変ドメイン)
QVQLVQSGAE VVKPGASVKV SCKASGYTFT SYAMHWVKEA PGQRLEWIGY IYPGQGGTNY
NQKFQGRATL TADTSASTAY MELSSLRSED TAVYFCARTG GLRRAYFTYW GQGTLVTVSS
配列番号28(Ab3軽鎖可変ドメイン)
DIVLTQSPAT LSLSPGERAT ISCRASQSVS SYGQGFMHWY QQKPGQPPRL LIYGASSRAT
GIPARFSGSG SGTDFTLTIS PLEPEDFAVY YCQQNKEDPW TFGGGTKLEI K
配列番号29(Ab3重鎖CDR1)
GYTFTSYA
配列番号30(Ab3重鎖CDR2)
IYPGQGGT
配列番号31(Ab3重鎖CDR3)
ARTGGLRRAY FTY
配列番号32(Ab3軽鎖CDR1)
QSVSSYGQGF
配列番号33(Ab3軽鎖CDR2)
GAS
配列番号34(Ab3軽鎖CDR3)
QQNKEDPWT
配列番号35(Ab4重鎖)
QVQLVESGGG VVQPGRSLRL SCAASGFTFS SYGMHWVRQA PGKGLEWVAV IWYDGSNKYY
ADSVKGRFTI SGDNSKNTLY LQMNSLRAED TAVYYCARMF RGAFDYWGQG TLVTVSSAST
KGPSVFPLAP SSKSTSGGTA ALGCLVKDYF PEPVTVSWNS GALTSGVHTF PAVLQSSGLY
SLSSVVTVPS SSLGTQTYIC NVNHKPSNTK VDKKVEPKSC DKTHTCPPCP APELLAGPDV
FLFPPKPKDT LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYNSTY
RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPL PEEKTISKAK GQPREPQVYT LPPSRDELTK
NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG
NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPG
配列番号36(Ab4軽鎖)
AIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCRASQGIR NDLGWYQQKP GKAPKLLIYA ASSLQSGVPS
RFSGSGSGTD FTLTISGLQP EDSATYYCLQ DYIYYPTFGQ GTKVEIKRTV AAPSVFIFPP
SDEQLKSGTA SVVCLLNNFY PREAKVQWKV DNALQSGNSQ ESVTEQDSKD STYSLSSTLT
LSKADYEKHK VYACEVTHQG LSSPVTKSFN RGEC
配列番号37(Ab4重鎖可変ドメイン)
QVQLVESGGG VVQPGRSLRL SCAASGFTFS SYGMHWVRQA PGKGLEWVAV IWYDGSNKYY
ADSVKGRFTI SGDNSKNTLY LQMNSLRAED TAVYYCARMF RGAFDYWGQG TLVTVSS
配列番号38(Ab4軽鎖可変ドメイン)
AIQMTQSPSS LSASVGDRVT ITCRASQGIR NDLGWYQQKP GKAPKLLIYA ASSLQSGVPS
RFSGSGSGTD FTLTISGLQP EDSATYYCLQ DYIYYPTFGQ GTKVEIK
配列番号39(Ab4重鎖CDR1)
GFTFSSYG
配列番号40(Ab4重鎖CDR2)
IWYDGSNK
配列番号41(Ab4重鎖CDR3)
ARMFRGAFDY
配列番号42(Ab4軽鎖CDR1)
QGIRND
配列番号43(Ab4軽鎖CDR2)
AAS
配列番号44(Ab4軽鎖CDR3)
LQDYIYYPT

Claims (26)

  1. 必要とするヒト患者におけるがんを処置する方法であって、それぞれ配列番号15〜20のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1(HCDR1)、HCDR2、HCDR3、軽鎖CDR1(LCDR1)、LCDR2、およびLCDR3を有する抗CD38抗体、ならびにそれぞれ配列番号5〜10のアミノ酸配列を含むHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を有する抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメントを患者に投与することを含む前記方法。
  2. 抗CD38抗体は、それぞれ配列番号13および14のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み;抗TGF−β抗体は、それぞれ配列番号3および4のアミノ酸配列を含むVおよびVを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 抗CD38抗体は、それぞれ配列番号11および12のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)および軽鎖(LC)を有し;抗TGF−β抗体は、それぞれ配列番号1および2のアミノ酸配列を含むHCおよびLCを有する、請求項2に記載の方法。
  4. 必要とするヒト患者におけるがんを処置する方法であって、患者に、抗CD38抗体および抗TGF−β抗体またはその抗原結合フラグメントを投与することを含む前記方法。
  5. 抗CD38抗体は:
    a)それぞれ配列番号15〜20のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
    b)それぞれ配列番号13および14のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を有するか;または
    c)それぞれ配列番号11および12のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)および軽鎖(LC)を有する、請求項4に記載の方法。
  6. 抗TGF−β抗体は:
    a)それぞれ配列番号5〜10のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
    b)それぞれ配列番号3および4のアミノ酸配列を含むVおよびVを有するか;または
    c)それぞれ配列番号1および2のアミノ酸配列を含むHCおよびLCを有する、請求項4に記載の方法。
  7. 抗CD38抗体はヒトIgG Fc領域を含むおよび抗TGF−β抗体はヒトIgG Fc領域を含む、請求項1、2、または4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 必要とするヒト患者における多発性骨髄腫を処置する方法であって、配列番号13の重鎖可変ドメイン(V)アミノ酸配列および配列番号14の軽鎖可変ドメイン(V)アミノ酸配列を含む抗CD38抗体、ならびに配列番号3のVアミノ酸配列および配列番号4のVアミノ酸配列を含む抗TGF−β抗体を患者に投与することを含む前記方法。
  9. 必要とするヒト患者における多発性骨髄腫を処置する方法であって、配列番号11の重鎖(HC)アミノ酸配列および配列番号12の軽鎖(LC)アミノ酸配列を含む抗CD38抗体、ならびに配列番号1のHCアミノ酸配列および配列番号2のLCアミノ酸配列を含む抗TGF−β抗体を患者に投与することを含む前記方法。
  10. 抗CD38抗体および抗TGF−β抗体またはフラグメントは、患者に逐次投与される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 必要とするヒト患者におけるがんを処置することにおける使用のための、抗TGF−β抗体と組合せの抗CD38抗体。
  12. 必要とするヒト患者におけるがんを処置するための医薬の製造のための、抗TGF−β抗体と組合せの抗CD38抗体の使用。
  13. 抗CD38抗体は:
    a)それぞれ配列番号15〜20のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
    b)それぞれ配列番号13および14のアミノ酸配列を含むVおよびVを有するか;または
    c)それぞれ配列番号11および12のアミノ酸配列を含むHCおよびLCを有する、請求項11に記載の使用のための抗体または請求項12に記載の使用。
  14. 必要とするヒト患者におけるがんを処置することにおける使用のための、抗CD38抗体と組合せの抗TGF−β抗体。
  15. 必要とするヒト患者におけるがんを処置するための医薬の製造のための、抗CD38抗体と組合せの抗TGF−β抗体の使用。
  16. 抗TGF−β抗体は:
    a)それぞれ配列番号5〜10のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
    b)それぞれ配列番号3および4のアミノ酸配列を含むVおよびVを有するか;または
    c)それぞれ配列番号1および2のアミノ酸配列を含むHCおよびLCを有する、請求項14に記載の使用のための抗体または請求項15に記載の使用。
  17. がんは、CD38陽性である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法、請求項11、13、14および16のいずれか1項に記載の使用のための抗体、または請求項12、13、15および16のいずれか1項に記載の使用。
  18. がんは、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、ヘアリーセル白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、メラノーマ、グリア芽細胞腫、肺がん、皮膚扁平上皮癌、結腸直腸がん、乳がん、卵巣がん、頭頸部がん、肝細胞癌、尿路上皮性がん、および腎細胞癌からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法、請求項11、13、14および16のいずれか1項に記載の使用のための抗体、または請求項12、13、15および16のいずれか1項に記載の使用。
  19. がんは、血液学的悪性腫瘍である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法、請求項11、13、14および16のいずれか1項に記載の使用のための抗体、または請求項12、13、15および16のいずれか1項に記載の使用。
  20. がんは、多発性骨髄腫である、請求項19に記載の方法、使用のための抗体、または使用。
  21. 処置は、抗CD38抗体単独での処置よりも低い骨破壊を生じる、請求項20に記載の方法、使用のための抗体、または使用。
  22. 処置は、骨折治癒を強化する、請求項20に記載の方法、使用のための抗体、または使用。
  23. 処置は、デキサメサゾンをさらに含む、請求項20に記載の方法、使用のための抗体、または使用。
  24. がんは、Ab2またはダラツムマブでの処置に不応性、またはAb2およびダラツムマブでの両方の処置に不応性である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法、請求項11、13、14および16のいずれか1項に記載の使用のための抗体、または請求項12、13、15および16のいずれか1項に記載の使用。
  25. 抗CD38抗体および抗TGF−β抗体を含む製品であって、該製品が、必要とする患者において、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法でがんを処置するのに適切である前記製品。
  26. 抗CD38抗体は:
    a)それぞれ配列番号15〜20のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
    b)それぞれ配列番号13および14のアミノ酸配列を含むVおよびVを有するか;または
    c)それぞれ配列番号11および12のアミノ酸配列を含むHCおよびLCを有し;
    抗TGF−β抗体は:
    a)それぞれ配列番号5〜10のアミノ酸配列を含むHCDR1−3およびLCDR1−3を有するか;
    b)それぞれ配列番号3および4のアミノ酸配列を含むVおよびVを有するか;または
    c)それぞれ配列番号1および2のアミノ酸配列を含むHCおよびLCを有する、請求項25に記載の製品。
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