JP2021518854A - T1dm及び膵島炎の治療に使用するための抗cd40抗体 - Google Patents

T1dm及び膵島炎の治療に使用するための抗cd40抗体 Download PDF

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Abstract

本開示は、抗CD40抗体を用いることによってT1DMを治療するための方法、治療レジメン、使用、キット及び治療法に関する。

Description

本開示は、CFZ533などの抗CD40抗体を用いることによってT1DM又は膵島炎を治療するための方法、治療レジメン、使用、キット及び治療法に関する。
インスリン補充は、命を救い、1型糖尿病(T1DM)の症状を治療するが、疾患進行を変化させることはない。世界中で毎年およそ132,600人の子供及び青年がT1DMを発症し(Cho et al 2018)、有病率は、上昇しており、1年あたり3%の増加であると推定される。欧州におけるT1DMを有する子供の数は、2010年から2050年までに3倍になると推定される(Imperatore et al 2012)。新規発症T1DMは、いずれの年齢でも起こり得るが、発生率のピークは、5歳〜15歳の年齢に存在する。平均余命は、一般集団と比較して平均で12歳低下する(Secrest et al 2010)。長期の微小血管及び大血管合併症は、T1DM患者、その家族及び社会にとっての負担であり続ける(Secrest et al 2010)。
最初の年にわたるT1DM疾患発症及び進行は、成人患者に対して小児患者で際立って侵襲性である。新規発症T1DMを有する小児患者は、成人と比較した場合、より低い疾患発症時の残存するβ細胞機能及び最初の年にわたる残存するβ細胞機能のより迅速な低下を呈する(Greenbaum et al 2012)。新規発症T1DMを有する小児患者は、無作為化された対照試験において、リツキシマブ及びテプリズマブなどの免疫調節介入に対してより応答性が高いように見える(Woittiez and Roep 2015)。しかし、T1DMの標準治療の技術的及び臨床的進歩にもかかわらず、患者、特に小児患者の大多数は、治療(例えば、血糖)目標を達成していない(Miller et al 2015)。残存するβ細胞機能を維持する治療法は、血糖コントロールを向上させ、且つT1DMに伴う重篤な短期及び長期合併症を回避する可能性を有するが、特に小児患者における、疾患進行を変化させるT1DMの免疫調節介入に基づく満足のいく治療は、利用可能ではない。したがって、T1DMの効率的な治療の発展、特に小児患者の治療の必要性が存在する。
CFZ533は、ヒトCD40に対して誘導されるヒトモノクローナル抗体である。これは、IgG1アイソタイプサブクラスに属し、FcγR結合並びにADCC及びCDCのような関連するエフェクター機能を無効にするFc−サイレンシング変異(N297A)を含む。CFZ533は、米国特許第8828396号明細書及び米国特許第9221913号明細書に開示されている。
ADCC活性が抑制された(silenced)ヒト抗CD40モノクローナル抗体は、T1DM及び膵島炎の治療に好適であることが本発明者らによって想定される。特に、抗体CFZ533は、T1DM及び膵島炎の治療のための新規の治療モダリティにおいて特に有用であると考えられている。
本開示の第1の態様によれば、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体であって、治療有効量の前記抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む、T1DMの治療に使用するためのものであり、負荷投薬(loading dosing)、それに続く維持投薬(maintenance dosing)によって投与され、且つ投与経路は、皮下若しくは静脈内又は皮下若しくは静脈内の組み合わせである、抗CD40抗体が提供される。
別の実施形態では、本開示の第1の態様による使用のための抗体は、静脈内注射を介して投与される負荷投薬を使用して、且つ皮下注射を介して投与される維持投薬を使用して提供される。
一実施形態では、本開示の第1の態様による使用のための抗体は、第1の用量として静脈内注射を介して投与される負荷投薬を使用して、且つ第1の用量と異なる第2の用量として皮下注射を介して投与される維持投薬を使用して提供される。
本開示の一実施形態では、本開示の第1の態様による使用のための抗体は、患者の1キログラムあたり約3mg〜約60mgの抗体の負荷用量を使用して投与される。
本開示の一実施形態では、本開示の第1の態様による使用のための抗体は、患者の1キログラムあたり約10mg〜約30mgの抗体の負荷用量を使用して投与される。
別の実施形態では、本開示の第1の態様による使用のための抗体は、小児患者に投与される。
追加の実施形態では、本開示の第1の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、第1日に静脈内に投与される30mg/kgの負荷用量を使用して、且つ第8日に開始する週1回の100mg〜350mgの固定用量として皮下投与される維持用量を使用して投与される。
追加の実施形態では、本開示の第1の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、
a.20kg〜30kgの体重を有する体重カテゴリーIの患者について135mg;
b.30kg〜50kgの体重を有する体重カテゴリーIIの患者について195mg;及び
c.50kgを超える体重を有する体重カテゴリーIIIの患者について300mg
の用量で、第8日に開始する週1回の体重ごとの固定用量として皮下投与される維持投与を使用して投与される。
一実施形態では、本開示の第1の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための維持用量の抗体は、
a)0.9mlの単回注射の形式において、体重カテゴリーI;及び
b)1.3mlの単回注射の形式において、体重カテゴリーII;又は
c)2mlの単回注射又は1mlの2回の注射の形式において、体重カテゴリーIII
の患者に投与される。
追加の実施形態では、本開示の第1の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、第1日後、52週まで持続する治療に使用される。
追加の実施形態では、本開示の第1の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、6〜21歳の範囲の年齢の患者に投与される。
一実施形態では、本開示の第1の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、
a.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
b.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
c.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
d.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体
からなる群から選択される。
追加の一実施形態では、本開示の第1の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む。
追加の実施形態では、本開示の第1の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、CFZ533である。
別の実施形態では、本開示の第1の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、患者におけるT1DMの診断後、最初の100日以内に前記患者に投与される。別の実施形態では、本開示の第1の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、患者におけるT1DMの診断後、最初の100日以内に、ただし診断後2週(14日)経過してから前記患者に投与される。
本開示の第2の態様は、治療有効量の、本開示の第1の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体と、1種以上の薬学的に許容し得る担体とを含む医薬組成物に関する。
本開示の第3の態様では、ヒト対象におけるT1DMを治療する方法であって、治療有効用量の、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体を前記対象に投与することを含み、前記抗体は、負荷投薬、それに続く維持投薬によって投与され、且つ投与経路は、皮下若しくは静脈内又は皮下若しくは静脈内の組み合わせである、方法が提供される。
追加の実施形態では、本開示の第3の態様による方法は、静脈内注射を介して投与される第1の用量の抗CD40抗体の負荷投薬と、皮下注射を介して投与される第2の用量であって、第1の用量と異なる第2の用量の抗CD40抗体の維持投薬とを含む。
一実施形態では、本開示の第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法は、患者の1キログラムあたり約3mg〜約30mgの抗体の負荷用量の抗CD40抗体を含む。
別の実施形態では、本開示の第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかの方法に従って治療される患者は、小児患者である。
追加の実施形態では、本開示の第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法は、第1日に静脈内に投与される30mg/kgの負荷用量の抗CD40抗体の投与と、第8日に開始する週1回の100mg〜350mgの固定用量として皮下投与される維持用量の抗CD40抗体の投与とを含む。
別の実施形態では、本開示の第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法は、
a.20〜30kgの体重を有する体重カテゴリーIの患者について135mg;
b.30〜50kgの体重を有する体重カテゴリーIIの患者について195mg;及び
c.50kgを超える体重を有する体重カテゴリーIIIの患者について300mg
の用量で、第8日に開始する週1回の体重ごとの固定用量としての維持用量の抗CD40抗体の皮下投与を含む。
追加の実施形態では、本開示の第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法は、
a)0.9mlの単回注射の形式において、体重カテゴリーI;及び
b)1.3mlの単回注射の形式において、体重カテゴリーII;又は
c)2mlの単回注射又は1mlの2回の注射の形式において、体重カテゴリーIII
の患者への抗CD40抗体の投与を含む。
別の実施形態では、本開示の第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法は、第1日後、52週までにわたる抗CD40抗体での患者の治療を含む。
一実施形態では、第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法を使用して治療される患者の年齢範囲は、6〜21歳である。
別の実施形態では、本開示の第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法において使用される抗CD40抗体は、
a.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
b.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
c.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
d.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体
からなる群から選択される。
追加の実施形態では、本開示の第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法において使用される抗CD40抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む。
一実施形態では、本開示の第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法において使用される抗CD40抗体は、CFZ533である。
別の実施形態では、本開示の第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法において使用される抗体は、患者におけるT1DMの診断後、最初の100日以内に前記患者に投与される。
別の実施形態では、本開示の第3の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、患者におけるT1DMの診断後、最初の100日以内に、ただし診断後2週(14日)経過してから前記患者に投与される。
本開示の第4の態様は、T1DMの治療のための医薬品の製造のための、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体、緩衝液、安定剤及び可溶化剤を含む液体医薬組成物の使用に関し、ここで、抗CD40抗体は、
i.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
ii.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
iii.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;
iv.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体;
v.配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む抗CD40抗体、及び
vi.CFZ533
からなる群から選択される。
追加の実施形態では、本開示の第4の態様は、T1DMの治療のための医薬品の製造のための、抗CD40抗体、緩衝液、安定剤及び可溶化剤を含む液体医薬組成物の使用に関し、ここで、抗CD40抗体は、
a.第1の負荷投薬で静脈内投与されることとなり;及び
b.その後、第2の維持投薬レジメンで皮下投与されることとなり、
ここで、前記抗CD40抗体は、
i.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
ii.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
iii.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;
iv.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体;
v.配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む抗CD40抗体、及び
vi.CFZ533
からなる群から選択される。
別の実施形態では、本開示の第4の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる医薬品の製造において使用される抗体は、患者におけるT1DMの診断後、最初の100日以内に前記患者に第1の負荷用量で投与される。
別の実施形態では、本開示の第4の態様の上に記載した実施形態による医薬品の製造において使用される抗体は、患者におけるT1DMの診断後、最初の100日以内に、ただし診断後2週(14日)経過してから前記患者に投与される。
第5の態様では、本開示は、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体であって、治療有効量の前記抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む、膵島炎の治療に使用するためのものであり、負荷投薬、それに続く維持投薬によって投与され、且つ投与経路は、皮下若しくは静脈内又は皮下若しくは静脈内の組み合わせである、抗CD40抗体に関する。
一実施形態では、本開示の第5の態様による使用のための抗体は、第1の用量として静脈内注射を介して投与される負荷投薬を使用して、且つ第1の用量と異なる第2の用量として皮下注射を介して投与される維持投薬を使用して提供される。
本開示の一実施形態では、本開示の第5の態様による使用のための抗体は、患者の1キログラムあたり約3mg〜約60mgの抗体の負荷用量を使用して投与される。
本開示の一実施形態では、本開示の第5の態様による使用のための抗体は、患者の1キログラムあたり約10mg〜約30mgの抗体の負荷用量を使用して投与される。
別の実施形態では、本開示の第5の態様による使用のための抗体は、小児患者に投与される。
追加の実施形態では、本開示の第5の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、第1日に静脈内に投与される30mg/kgの負荷用量を使用して、且つ第8日に開始する週1回の100mg〜350mgの固定用量として皮下投与される維持用量を使用して投与される。
追加の実施形態では、本開示の第5の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、
a.20kg〜30kgの体重を有する体重カテゴリーIの患者について135mg;
b.30kg〜50kgの体重を有する体重カテゴリーIIの患者について195mg;及び
c.50kgを超える体重を有する体重カテゴリーIIIの患者について300mg
の用量で、第8日に開始する週1回の体重ごとの固定用量として皮下投与される維持投与を使用して投与される。
一実施形態では、本開示の第5の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための維持用量の抗体は、
a)0.9mlの単回注射の形式において、体重カテゴリーI;及び
b)1.3mlの単回注射の形式において、体重カテゴリーII;又は
c)2mlの単回注射又は1mlの2回の注射の形式において、体重カテゴリーIII
の患者に投与される。
追加の実施形態では、本開示の第5の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための維持用量の抗体は、第1日後、52週まで持続する治療に使用される。
追加の実施形態では、本開示の第5の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、6〜21歳の範囲の年齢の患者に投与される。
一実施形態では、本開示の第5の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、
a.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
b.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
c.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
d.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体
からなる群から選択される。
追加の一実施形態では、本開示の第5の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む。
追加の実施形態では、本開示の第5の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、CFZ533である。
別の実施形態では、本開示の第5の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、患者における膵島炎の診断後、最初の100日以内に前記患者に投与される。
別の実施形態では、本開示の第5の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体は、患者におけるT1DMの診断後、最初の100日以内に、ただし診断後2週(14日)経過してから前記患者に投与される。
本開示の第6の態様は、治療有効量の、本開示の第5の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる使用のための抗体と、1種以上の薬学的に許容し得る担体とを含む医薬組成物に関する。
本開示の第7の態様では、ヒト対象における膵島炎を治療する方法であって、治療有効用量の、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体を前記対象に投与することを含み、前記抗体は、負荷投薬、それに続く維持投薬によって投与され、且つ投与経路は、皮下若しくは静脈内又は皮下若しくは静脈内の組み合わせである、方法が提供される。
追加の実施形態では、本開示の第7の態様による方法は、静脈内注射を介して投与される第1の用量の抗CD40抗体の負荷投薬と、皮下注射を介して投与される第2の用量であって、第1の用量と異なる第2の用量の抗CD40抗体の維持投薬とを含む。
一実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法は、患者の1キログラムあたり約3mg〜約60mg(抗体)の負荷用量の抗CD40抗体を含む。
一実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法は、患者の1キログラムあたり約10mg〜約30mg(抗体)の負荷用量の抗CD40抗体を含む。
別の実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかの方法に従って治療される患者は、小児患者である。
追加の実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法は、第1日に静脈内に投与される30mg/kgの負荷用量の抗CD40抗体の投与と、第8日に開始する週1回の100mg〜350mgの固定用量として皮下投与される維持用量の抗CD40抗体の投与とを含む。
別の実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法は、
a.20〜30kgの体重を有する体重カテゴリーIの患者について135mg;
b.30〜50kgの体重を有する体重カテゴリーIIの患者について195mg;及び
c.50kgを超える体重を有する体重カテゴリーIIIの患者について300mg
の用量で、第8日に開始する週1回の体重ごとの固定用量としての維持用量の抗CD40抗体の皮下投与を含む。
追加の実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法は、
a)0.9mlの単回注射の形式において、体重カテゴリーI;及び
b)1.3mlの単回注射の形式において、体重カテゴリーII;又は
c)2mlの単回注射又は1mlの2回の注射の形式において、体重カテゴリーIII
の患者への抗CD40抗体の投与を含む。
別の実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法は、第1日後、52週までにわたる抗CD40抗体での患者の治療を含む。
一実施形態では、第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法を使用して治療される患者の年齢範囲は、6〜21歳である。
別の実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法において使用される抗CD40抗体は、
a.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
b.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
c.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
d.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体
からなる群から選択される。
追加の実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法において使用される抗CD40抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む。
一実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法において使用される抗CD40抗体は、CFZ533である。
別の実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法において使用される抗体は、患者における膵島炎の診断後、最初の100日以内に前記患者に投与される。
別の実施形態では、本開示の第7の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる方法において使用される抗体は、患者におけるT1DMの診断後、最初の100日以内に、ただし診断後2週(14日)経過してから前記患者に投与される。
本開示の第8の態様は、膵島炎の治療のための医薬品の製造のための、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体、緩衝液、安定剤及び可溶化剤を含む液体医薬組成物の使用に関し、ここで、抗CD40抗体は、
i.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
ii.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
iii.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;
iv.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
v.配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む抗CD40抗体
からなる群から選択される。
追加の実施形態では、本開示の第8の態様は、膵島炎の治療のための医薬品の製造のための、抗CD40抗体、緩衝液、安定剤及び可溶化剤を含む液体医薬組成物の使用に関し、ここで、抗CD40抗体は、
a.第1の負荷投薬で静脈内投与されることとなり;及び
b.その後、第2の維持投薬レジメンで皮下投与されることとなり、
ここで、前記抗CD40抗体は、
i.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
ii.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
iii.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;
iv.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
v.配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む抗CD40抗体
からなる群から選択される。
別の実施形態では、本開示の第8の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる医薬品の製造において使用される抗体は、患者における膵島炎の診断後、最初の100日以内に前記患者に第1の負荷用量で投与される。
別の実施形態では、本開示の第8の態様の上に記載した実施形態のいずれかによる医薬品の製造において使用される抗体は、患者におけるT1DMの診断後、最初の100日以内に、ただし診断後2週(14日)経過してから前記患者に投与される。
T1DM患者におけるCFZ533についての概念実証研究(CCFZ533X2207)の第1の及び第2のコホートの研究デザインの概略図である。 体重(BW)カテゴリーI(≧20〜<30kg)、カテゴリーII(≧30〜<50kg)及びカテゴリーIII(≧50kg)における、体重カテゴリーごとの予測されるCFZ533血漿中濃度、予測されるPKプロフィールである。各カテゴリーにおいて、体重は、満遍なく標本抽出した。赤い線は、母集団予測値(個別予測値の中央値)であり、影付きの領域は、母集団の90%(個別予測値に対する5及び95パーセンタイル)を網羅する。T1DM患者におけるCFZ533の皮下バイオアベイラビリティは、健康なボランティア〜のPKデータ(CCFZ533X2101)を使用して推定した。 CFZ533を用いる進行中の又は完了した臨床研究において観察されたCFZ533トラフ濃度と比較した、体重カテゴリーIIIにおけるT1DM対象についての予測される定常状態トラフ血漿中CFZ533濃度(同様のCFZ533血漿Cトラフ,ss値は、3つすべてのカテゴリーについて予測される)を示すグラフである。体重(BW)カテゴリーIIIにおけるT1DM患者/対象についての予測されるトラフ定常状態血漿中CFZ533濃度(Cトラフ,ss)(222μg/mLの中央値;140〜344μg/mL 集団の90%;体重カテゴリーI及びIIについての予測される同様のCトラフ,ss値)を、進行中の(予備的なデータ)又は完了した臨床試験からの観察された(及び平均)トラフ濃度と共に示す。(i)重症筋無力症患者における研究CCFZ533X2204(IV)における第141日でのCトラフ、(ii)及び(iii)グレーブス病患者における研究CCFZ533X2205(IV)におけるそれぞれ第29日及び第85日でのCトラフ、(iv)研究CCFZ533X2203−コホート2(IV)における第113日でのCトラフ、(v)及び(vi)原発性シェーグレン症候群患者における研究CCFZ533X2203−それぞれコホート3(第2群)(IV/SC)及びコホート3(第1群)(SC/SC)における第85日でのCトラフ、及び(vii)腎移植患者における研究CCFZ533X2201−パート2(IV)における第337日でのCトラフ。 rCD154誘導性の経路活性化のインビトロCFZ533阻害を示すグラフである。 インビトロでのCFZ533最小刺激活性を示すグラフである。 CFZ533がインビトロで細胞枯渇を媒介しないことを示すグラフである。 recCD154又はCFZ533による結合時のCD40受容体の内在化を示す、個々のRI−1 B細胞の代表的な画像である。 非ヒト霊長類におけるCFZ533の薬物動態学的及び薬力学的(標的エンゲージメント;非B細胞枯渇)特性)を示すグラフである。 図9Aは、非ヒト霊長類におけるPK/PD及びワクチン接種研究の実験設計の概略図である。図9Bは、抗KLH IgG及び血漿CFZ533濃度(薬物動態)を示すグラフである。図9Cは、胚中心の組織学的分析の結果を示す。 MR1での10週の治療後のNODマウスの実験結果;唾液腺におけるELSにおけるCD40の特徴及び唾液腺における三次リンパ組織の減少を示す。 抗CD154での10週の治療後のNODマウスの実験結果;唾液腺におけるAQP−5陽性細胞の割合の増大を示す。
理論に拘泥されることは望まないが、本発明者らは、維持レジメン中のADCC活性が抑制された抗CD40抗体(抗体依存性細胞介在性の細胞傷害性が抑制された抗体;Borrok et al.,2017;例えばCFZ533抗体)の少なくとも40μg/mLの血漿中濃度の持続が、原発性シェーグレン症候群患者などの自己免疫疾患を患う患者における標的組織におけるCD40−CD40L経路を遮断するのに必要であることを明らかにした(PCT/IB2018/058537号明細書、公開されていない)。
CD40は、T1DM及び膵島炎における病因的役割を担い、CD40:CD154相互作用又は活性を阻害することは、本発明者らにより、この障害のための有効な自己免疫治療戦略であると予想される。T1DMは、病原となる自己反応性免疫細胞が膵島を侵し、且つインスリン産生β細胞を損傷させる場合に発生する(Katsarou et al 2017)。膵島炎は、侵襲性疾患の代表的疾患であり、小児患者においてより高い有病率を有する(Leete et al 2016)。
CD40は、免疫及び非免疫細胞によって発現される腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー内の膜貫通型糖タンパク質である。CD154、すなわちCD40に対するリガンドも広範に発現される(Peters et al 2009)。CD40:CD154相互作用は、T依存性B細胞反応を媒介し、CD4+自己反応性Tリンパ球及びCD8+細胞溶解性Tリンパ球のプライミング及び活性化にとって重要である。
CD40は、抗原提示細胞(APC)活性化時に上方調節され、Bリンパ球などのCD40+APCとナイーブTリンパ球との間の相互作用は、これらのリンパ球の表面上のCD154の産生を誘発する。CD40シグナル伝達は、胸腺におけるT細胞選択の段階で機能し、炎症性サイトカイン(これは、活性なTh17細胞へのT細胞分化にさらに影響を与えることができる)の産生を亢進することもできる(Iezzi et al 2009)。非臨床のデータは、自己反応性Tリンパ球における耐性不全、膵島炎及び糖尿病の発生におけるCD40:CD154共刺激経路の役割を裏付ける(Price et al 2014)。非肥満糖尿病(NOD)マウス、すなわち突発性の自己免疫性糖尿病のモデルにおけるデータは、NODマウスにおける膵島炎及び糖尿病の開始におけるCD40:CD154経路の原因的及び機能的役割を裏付ける(Balasa et al 1997;Eshima et al 2003、Vaitaitis et al 2014、Vaitaitis et al 2017)。
T1DMを有する患者における臨床データも疾患病因におけるCD40:CD154共刺激経路の役割を裏付ける。新規発症T1DMを有する小児患者は、可溶型CD40(sCD40)のレベルが2倍上昇している(Chatzigeorgiou et al 2010b)。1〜6か月の診断からの疾患期間を有するT1DM患者は、最も高いレベルのsCD40を呈する。新規発症T1DMを有する小児患者におけるsCD40のレベル上昇は、HbA1c、高血糖並びに炎症マーカー、CRP、IL−6及びMMP−9と正の関連を示す(Chatzigeorgiou et al 2010b、Chatzigeorgiou et al 2010a)。合わせて、これらの知見は、抗体が、本明細書に開示した治療及び投薬量レジメンに従って投与されることを条件として、CFZ533のようなADCC活性が抑制された抗CD40モノクローナル抗体での介入に応答する可能性がある、一般のT1DMにおける及び小児の新規発症T1DMにおけるCD40:CD154経路の役割を指し示す。
成人の患者と比較して、小児患者は、T1DM、糖尿病性ケトアシドーシス及び重度の低血糖(インスリンの副作用)の急性合併症;及びこれらの合併症による死亡のリスクが高い(Wherrett et al 2015)。小児患者は、慢性高血糖及び重度の低血糖に起因する神経認知変化のリスクも高い(Wherrett et al 2015)。T1DMを有する子供についての臨床転帰を改善するために、変形療法が緊急に必要とされる。
したがって、持続される且つ薬理学的に有効な血漿中濃度のADCC活性が抑制された抗CD40抗体(例えば、CFZ533抗体)をもたらす、本明細書に開示した治療レジメンを適用することによるCD40−CD154活性化の遮断は、免疫介在性β細胞破壊及び膵島炎を止め、残存するβ細胞機能の維持をもたらす可能性があることが本発明者らによって想定される。
さらに、本明細書に開示した通りの、持続され且つ薬理学的に有効な血漿中濃度のADCC活性が抑制された抗CD40抗体(例えば、CFZ533抗体)の提供は、新規発症T1DM及び/又は膵島炎を有する患者の治療に特に有効であり得ることが本発明者らによって想定される。
したがって、ADCC活性が抑制された、CD40−CD154シグナル伝達を遮断することが可能な任意の抗CD40抗体は、T1DM及び/又は膵島炎の治療に適している可能性がある。
また、CFZ533は、標的介在性の消失(これは、標的の代謝回転及び発現に関連する)にさらされ、且つT1DM患者は、体内で高いCD40発現を呈しているため、治療の開始時により高い用量又はより高頻度のレジメンを必要とする、CD40レベルが亢進されている状態では、これらの患者においてCD40受容体を十分に飽和させるために治療の開始時に負荷レジメンが必要であろう。したがって、CD40受容体の迅速な飽和を治療の開始時に提供する負荷投薬レジメン、それに続く少なくとも40μg/mLの血漿中濃度の持続を、治療期間全体を通して提供する維持投薬レジメンが、罹患した組織においてCD40発現が亢進されるであろう状況(状態の重症度)において治療効果のために考慮される。ADCC活性が抑制された抗CD40抗体、例えばCFZ533での以前の研究では、定常状態での観察される最大血漿中濃度は、約300〜400μg/mL(コホート3;研究NCT02291029;CCFZ533X2203)であり、感染症のリスク増大を示唆する重大なシグナルは存在せずに概ね安全であり且つ良好な耐容性を示した。血栓塞栓症は、観察されなかった。したがって、本明細書に開示した治療方法は、特にT1DM及び/又は膵島炎の発症時の小児患者のための、T1DM及び/又は膵島炎の効果的且つ安全な治療を初めて提供することが本発明者らによって想定される。
適切な投薬量は、例えば、用いられることとなる個々の抗CD40抗体若しくはその抗原結合断片(例えば、mAb1(本明細書ではCFZ533とも呼ばれる)、mAb2若しくはASKP1240)、患者の年齢及び体重、疾患の履歴(例えばT1DM疾患の発症及び進行)及び治療される状態(例えば膵島炎)の性質及び重症度に応じて変わることとなる。最終的に、担当する医療提供者が、本明細書に記載した通りの薬理学的に有効な血漿中濃度を実現するために、それぞれ個々の患者を治療する、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体の量を決定することとなる。いくつかの実施形態では、担当する医療提供者は、ADCC活性が抑制された低用量の抗CD40抗体を投与し、患者の反応を観察することができる。他の実施形態では、患者に投与されるADCC活性が抑制された抗CD40抗体の初回用量は高く、その後、再発の徴候が生じるまで下向きに用量調整される。患者にとって最適な治療効果が得られるまで、より大きい用量の、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体を投与することができ、この投薬量は、一般にそれ以上増大させない。
本開示の治療又は使用の想定される方法のいくつかを実施する際、ADCC活性が抑制された治療有効量の抗CD40抗体(例えば、mAb1(本明細書ではCFZ533とも呼ばれる)、mAb2、ASKP1240)又はその抗原結合断片が、患者、例えば哺乳類(例えば、ヒト)に投与される。
典型的には、抗体又はタンパク質は、注射により、例えば静脈内、腹腔内又は皮下に投与される。この投与を実行するための方法は、当業者に公知である。当業者によって理解されるであろう通り、選択された特定の投与経路に対して適切であるような、投与するのに適したあらゆる手段を使用することができる。
可能な投与経路の例としては、非経口(例えば、静脈内(i.v.、I.V.若しくはIV)、筋肉内、皮内、皮下(s.c.、S.C.若しくはSC)又は注入)、経口及び肺内(例えば、吸入)、経鼻、経皮(局所)、経粘膜及び直腸内投与が挙げられる。非経口、皮内又は皮下適用のために使用される液剤又は懸濁剤は、次の構成成分を含むことができる:無菌の希釈剤、例えば注射用水、生理食塩溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベン;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝液、例えば酢酸、クエン酸又はリン酸及び張度の調整のための薬剤、例えば塩化ナトリウム又はデキストロース。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基を用いて調整することができる。非経口調製物は、ガラス又はプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器又は反復投与バイアルに封入することができる。
負荷投薬部分と維持投薬部分とに分けられた治療レジメンを有することの利点は、最適な治療効果を可能にすることである。本明細書に記載したすべての治療レジメンについて、負荷投薬の目的は、標的飽和(40μg/mLに近い血漿中濃度)、したがって治療効果の開始を達成することであり、維持投薬の目的は、有効性を持続させることである。
本明細書に記載した通りの抗CD40抗体療法は、抗体又はその抗原結合断片の負荷レジメン又は負荷投薬を、抗CD40抗体療法を必要としている対象に投与することによって開始することができる。「負荷用量」は、対象に1回又は数回投与される抗CD40抗体又はその抗原結合断片の初回投薬を意図し、ここで、投与される抗体又はその抗原結合断片の用量は、より高い投薬範囲(すなわち約10mg/kg〜約60mg/kg、例えば約30mg/kg(静脈内)又は約600mg若しくは約300mg若しくは約150mg(毎週、隔週、最大4週間))の範囲内にある。「負荷レジメン」は、単回投与又は反復投与、例えば、単回又は反復静脈内注入として、又は疾患の重症度に応じて「負荷投薬」レジメンにおいて組み合わせられる反復皮下投与として投与することができる。次いで、「負荷レジメン」の施与後、1種以上の追加の治療有効用量の抗CD40抗体又はその抗原結合断片を対象に投与する(維持投薬/レジメン)。その後の治療有効維持用量は、例えば、毎週の投薬スケジュールに従って又は2週に1回(隔週)、若しくは3週に1回、若しくは4週に1回投与することができる。こうした実施形態では、その後の治療有効用量は、一般に、より低い投薬範囲(すなわち約0.3mg/kg〜約30mg/kg、例えば約10mg/kg、例えば10mg/kg(IV)又は毎週、隔週若しくは4週ごとに皮下に投与される、約150mg、約300mg若しくは約600mg)の範囲内にある。
代わりに、いくつかの実施形態では、「負荷レジメン」後、その後の治療有効用量の抗CD40抗体又はタンパク質が「維持スケジュール」に従って投与され、ここで、治療有効用量の抗体又はタンパク質は、1週に1回又は1か月に1回投与され、ここで、この治療を、最大6週、10週、3か月、4か月、5か月、6か月など、最大12か月又はそれを超えて継続することができる。
投薬のタイミングは、一般に、「ベースライン」としても公知である、活性な化合物(例えばmAb1)の第1の投与の日から測定される。しかし、異なる医療提供者は、異なる命名規則を使用する。
特に、第0週は、医療提供者によって第1週とみなされる可能性がある一方、第0日は、医療提供者によって第1日とみなされる可能性がある。したがって、異なる医師は、同じ投薬スケジュールを指すのに、例えば3週の間/第21日、3週の間/第22日、4週の間/第21日、4週の間/第22日にある用量が与えられると称することとなる可能性がある。一貫性を保つために、投薬の最初の週は、本明細書では、第0週とみなすこととするのに対して、投薬の最初の日は、第1日とみなすこととする。しかし、この命名規則は、単に一貫性を保つために使用され、制限的なものと解釈されるべきではない、すなわち、医師がある特定の週を「第1週」と呼ぶか「第2週」と呼ぶかにかかわらず、毎週の投薬は、抗CD40抗体、例えばmAb1の毎週の用量の提供であることが当業者によって理解されるであろう。ある用量が厳密な時点で提供される必要はないことが理解されるであろう。例えば、およそ第29日の予定である用量は、これが適切な週に提供されるのであれば、例えば第24日〜第34日、例えば第30日に提供される可能性がある。
したがって、T1DM又は膵島炎の治療に使用するための、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体は、異なる様式で、例えば負荷投薬、それに続く維持投薬によって投与することができ、且つ投与経路は、皮下若しくは静脈内又は皮下若しくは静脈内の組み合わせである。一実施形態では、ADCC活性が抑制された負荷用量の抗CD40抗体は、静脈内注射を介して投与され、維持投薬は、皮下注射を介して投与される。
別の特定の実施形態では、静脈内に投与されるADCC活性が抑制された負荷用量の抗CD40抗体は、第1の用量であり、皮下に投与される維持用量は、第1の用量と異なる第2の用量である。
開示した方法は、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体(例えば、mAb1/CFZ533、mAb2、ASKP1240)を使用してT1DM及び/又は膵島炎患者の治療を提供することが理解されるが、これは、患者が最終的にこうした抗CD40抗体で治療されることとなる場合、この療法が必然的に単剤療法であることを排除しない。実際、患者が、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体での治療について選択される場合、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体(例えば、mAb1/CFZ533、mAb2、ASKP1240)は、本開示の方法に従って単独で又は他の薬剤及び治療法と組み合わせて投与することができる。
ある種のT1DM又は膵島炎患者、例えば抗CD40抗体又はその抗原結合断片(例えば、mAb1(本明細書ではCFZ533とも呼ばれる)、mAb2、ASKP1240)での治療に対して不十分な反応を呈する患者にとって、レジメン変更が適切であり得ることが理解されるであろう。したがって、本明細書に記載した薬理学的に有効な血漿中濃度を達成するための投与(例えば、mAb1/CFZ533又はmAb2)は、毎週の投薬よりも高頻度であり得る。
いくらかの患者は、負荷レジメン(例えば、数週間の毎週投与[例えば、1〜4週、例えば第0、1、2及び/又は3週、例えば2週での投薬、第0及び1週での負荷投薬レジメン])、それに続く例えば第3又は4週で開始する維持レジメン(ここで、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体(例えば、mAb1/CFZ533、mAb2、ASKP1240)は、毎週、隔週又は4週ごとに数週間投与することができる)から恩恵を受ける可能性が高い。抗CD40抗体の本明細書に記載した特定の血漿中濃度を達成するために必要とされる投与経路(例えば皮下−対−静脈内)及び注射体積が投薬レジメンの適合を必要とする可能性があることが理解される。
例えば、mAb1/CFZ533又はmAb2にとって適切なレジメンは、毎週、数週間[例えば、1〜4週、例えば第0、1、2及び3週での投薬]、それに続く毎月の維持レジメンであり得る。
別の例では、mAb1/CFZ533又はmAb2にとって適切なレジメンは、毎週、数週間(例えば、2〜8週、例えば3週、例えば第0、1、2週での投薬)、それに続く隔週の維持レジメンであり得る。
投与(例えば、mAb1/CFZ533又はmAb2について)は、毎月の投薬よりも低頻度、例えば6週おき、8週おき(2か月おき)、年4回(3か月おき)の投薬などであり得ることも理解されるであろう。
ある種のT1DM又は膵島炎患者、例えば、CD40経路アンタゴニスト、例えば抗CD40抗体又はその抗原結合断片(例えば、mAb1(本明細書ではCFZ533とも呼ばれる)、mAb2、ASKP1240)での治療に対して不十分な反応を呈する患者にとって、疾患の重症度に基づいて用量漸増が適切であり得ることが理解されるであろう。したがって、皮下(s.c.)投薬量(負荷又は維持用量)は、約50mg(s.c.)、例えば約75mg、約100mg、約125mg、約175mg、約200mg、約250mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mgなどよりも大きい可能性があり;同様に、静脈内(i.v.)投薬量(負荷又は維持用量)は、約10mg/kg、例えば約11mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kgなどよりも大きい可能性がある。ある種のT1DM及び/又は膵島炎患者、例えばADCC活性が抑制された抗CD40抗体での治療に対する有害事象又は有害反応を呈する患者にとって、用量低下が適切である可能性もあることも理解されるであろう。
以下に記載する治療レジメンは、(i)標的組織(すなわち膵臓リンパ節)におけるCD40受容体を急速に飽和させ、且つ診断の100日以内の疾患(膵島炎、膵島における浸潤におけるB及びT−リンパ球、活性な異所性胚中心)の攻撃性が、高い組織CD40発現と関連する可能性が高い状態におけるCFZ533のCD40介在性の排除を最小限にし、且つ(ii)残存するβ細胞の侵襲性の自己免疫性破壊、膵島炎及び病原性の自己反応性Bリンパ球の局所的浸潤を急速に遮断すると考えられている。したがって、本開示の具体的実施形態では、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体又はその抗原結合断片(例えば、mAb1(本明細書ではCFZ533とも呼ばれる)、mAb2、ASKP1240)は、患者がT1DM又は膵島炎と診断された後、最初の100日以内に前記患者に投与される。
いくつかの実施形態では、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体又はその抗原結合断片(例えば、mAb1(本明細書ではCFZ533とも呼ばれる)、mAb2、ASKP1240)は、第1日(第0週)での3mg/kg〜60mg/kgの体重補正した静脈内(IV)負荷用量、例えば約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、11mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg又は60mg/kg、それに続いて、本明細書に開示した維持投薬量レジメン、例えば維持用量レジメンI、II、III又はIVで患者に投与することができる。
一実施形態では、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体は、第1日(第0週)での3mg/kg〜30mg/kgの体重補正した静脈内(IV)負荷用量、それに続いて、本明細書に開示した維持投薬量レジメン、例えば維持用量レジメンI、II、III又はIVで患者に投与される。
一実施形態では、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体は、第1日(第0週)での10mg/kg〜30mg/kgの体重補正した静脈内(IV)負荷用量、それに続いて、本明細書に開示した維持投薬量レジメン、例えば維持用量レジメンI、II、III又はIVで患者に投与される。
一実施形態では、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体は、第1日(第0週)での10mg/kg〜30mg/kgの体重補正した静脈内(IV)負荷用量、それに続いて、本明細書に開示した維持投薬量レジメンで患者に投与される。特に指定された実施形態では、維持用量は、第52週まで週1回、患者にs.c.投与される。
ある具体的実施形態では、3mg/kg CFZ533が、第1日(D1)に、それに続いて、本明細書に開示した維持投薬量レジメン、例えば維持用量レジメンI、II、III又はIVでi.v.投与される。
具体的実施形態では、10mg/kg CFZ533が、第1日(D1)に、それに続いて、本明細書に開示した維持投薬量レジメン、例えば維持用量レジメンI、II、III又はIVでi.v.投与される。
別の具体的実施形態では、30mg/kg CFZ533が、D1に、それに続いて、本明細書に開示した維持投薬量レジメン、例えば維持用量レジメンI、II、III又はIVでi.v.投与される。
別の具体的実施形態では、40mg/kg CFZ533が、D1に、それに続いて、本明細書に開示した維持投薬量レジメン、例えば維持用量レジメンI、II、III又はIVでi.v.投与される。
別の具体的実施形態では、50mg/kg CFZ533が、D1に、それに続いて、本明細書に開示した維持投薬量レジメン、例えば維持用量レジメンI、II、III又はIVでi.v.投与される。
別の具体的実施形態では、60mg/kg CFZ533が、D1に、それに続いて、本明細書に開示した維持投薬量レジメン、例えば維持用量レジメンI、II、III又はIVでi.v.投与される。
したがって、一実施形態では、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体(例えば、CFZ533とも呼ばれるmAb1)又はその抗原結合断片は、i.v.送達される10mg/kg又は30mg/kgの初回用量で患者に投与され、次いで維持用量が、第8日で開始して週1回s.c.送達される100mg〜350mgの固定用量に調整される(維持用量レジメンI)。
いくつかの実施形態では、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体(例えば、CFZ533とも呼ばれるmAb1)又はその抗原結合断片は、D1にi.v.送達される10mg/kg又は30mg/kgの初回用量で患者に投与することができ、維持用量は、週1回s.c.送達される100mg〜350mgの固定用量に調整され、ここで、小児患者は、次の体重カテゴリー固定維持用量:
i.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):100〜150mg、
ii.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):150〜250mg、
iii.体重カテゴリーIII(≧50kg):250〜350mg(合わせて維持用量レジメンII)
に従い、D1に開始して週1回投薬されるものとする。
具体的実施形態では、体重クラスI〜IIIの患者に投与される100〜150mg、150〜250mg又は250〜350mgの毎週のs.c.維持用量は、治療期間中の体重増加又は減少を明らかにするために、第1日/第0週、第85日/第12週、第169日/第24週、第253日/第36週及び第337日/第48週で、3か月ごとに記録される対象の体重に基づいて定義されることとなる。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される10mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、週1回(Q1W)s.c.投与される100〜350mgの単位用量、すなわちD8からの週1回の300mg CFZ533(s.c.)を含む維持用量が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1に患者にi.v.投与される10mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
i.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):100〜150mg、
ii.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):150〜250mg、
iii.体重カテゴリーIII(≧50kg):250〜350mg
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される10mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
i.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):135mg、
体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):195mg、
体重カテゴリーIII(≧50kg):300mg(合わせて維持用量レジメンIII)
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される20mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、週1回(Q1W)s.c.投与される100〜350mgの単位用量、すなわちD8からの週1回の300mg CFZ533(s.c.)を含む維持用量が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される20mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
iv.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):100〜150mg、
v.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):150〜250mg、
vi.体重カテゴリーIII(≧50kg):250〜350mg
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される20mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
ii.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):135mg、
iii.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):195mg、
iv.体重カテゴリーIII(≧50kg):300mg
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される30mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、週1回(Q1W)s.c.投与される100〜350mgの単位用量、すなわちD8からの週1回の300mg CFZ533(s.c.)を含む維持用量が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される30mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
i.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):100〜150mg、
ii.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):150〜250mg、
iii.体重カテゴリーIII(≧50kg):250〜350mg
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される30mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
i.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):135mg、
ii.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):195mg、
iii.体重カテゴリーIII(≧50kg):300mg
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される40mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、週1回(Q1W)s.c.投与される100〜350mgの単位用量、すなわちD8からの週1回の300mg CFZ533(s.c.)を含む維持用量が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される40mg/kg CFZ533の単位用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
i.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):100〜150mg、
ii.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):150〜250mg、
iii.体重カテゴリーIII(≧50kg):250〜350mg
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される40mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
i.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):135mg、
ii.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):195mg、
iii.体重カテゴリーIII(≧50kg):300mg
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される50mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、週1回(Q1W)s.c.投与される100〜350mgの単位用量、すなわちD8からの週1回の300mg CFZ533(s.c.)を含む維持用量が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される50mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
i.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):100〜150mg、
ii.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):150〜250mg、
iii.体重カテゴリーIII(≧50kg):250〜350mg
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される50mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
i.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):135mg、
ii.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):195mg、
iii.体重カテゴリーIII(≧50kg):300mg
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される60mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、週1回(Q1W)s.c.投与される100〜350mgの単位用量、すなわちD8からの週1回の300mg CFZ533(s.c.)を含む維持用量が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される60mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
i.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):100〜150mg、
ii.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):150〜250mg、
iii.体重カテゴリーIII(≧50kg):250〜350mg
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
さらに別の具体的実施形態では、D1にi.v.投与される60mg/kg CFZ533の単回用量を含む負荷用量後、次の体重カテゴリー固定用量:
i.体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):135mg、
ii.体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):195mg、
iii.体重カテゴリーIII(≧50kg):300mg
を含む、D8からの週1回の(Q1W)維持用量(s.c.)が続く。
特定の実施形態では、100〜150mg(体重カテゴリーI)、150〜250mg(体重カテゴリーII)又は250〜350mg(体重カテゴリーIII)の単位用量を含む維持用量は、第52週まで週1回、患者にs.c.投与される。
別の実施形態では、135mg(体重カテゴリーI)、195mg(体重カテゴリーII)又は300mg(体重カテゴリーIII)の単位用量を含む維持用量は、第52週まで、8日目から週1回、患者にs.c.投与される(合わせて維持用量レジメンIV)。
本開示の一実施形態では、負荷投薬量は、100mg/ml〜350mg/mlの濃度のCFZ533を含む液体医薬組成物を使用してi.v.投与される。特定の実施形態では、i.v.投与のための液体医薬組成物は、150mg/mL又は300mg/mLの濃度のCFZ533を含む。
本開示の一実施形態では、維持投薬量(例えば、維持用量レジメンI〜IV)は、100mg/ml〜350mg/mlの濃度のCFZ533を含む液体医薬組成物を使用してs.c.投与される。特定の実施形態では、液体医薬組成物は、150mg/mL又は300mg/mlの濃度のCFZ533を含む。このことから、次の投与レジメンが好ましいことになる
a)体重カテゴリーIの患者:135mg=0.9mLの単回注射;
b)体重カテゴリーIIの患者:195mg=1.3mLの単回注射;
c)体重カテゴリーIIIの患者:300mg=2mLの1回の注射又は1mLの2回の注射)。
抗CD40抗体又はその抗原結合断片は、CFZ533、その機能性誘導体又はそのバイオ後続品であり得る。
本明細書で定義される場合、「単位用量」は、約75mg〜900mg、薬物の例えば約150mg〜約600mg、例えば約150mg〜約600mg、例えば約300mg〜約600mg又は例えば約150mg〜約300mgから構成され得る用量を指す。例えば、単位s.c.用量は、薬物の約75mg、約150mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mgである。
本開示の特定の実施形態では、T1DM又は膵島炎の治療に使用するための、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体は、
a.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
b.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
c.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
d.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体
からなる群から選択される。
さらに別の具体的実施形態では、T1DM又は膵島炎の治療に使用するための、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む。
別の好ましい実施形態では、T1DM又は膵島炎の治療に使用するための、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体は、CFZ533である。
医薬組成物
治療用抗体は、典型的には、直ちに投与可能な水性の形態において又は投与前の好適な希釈剤での再構成のための凍結乾燥物として製剤化される。開示された使用又は治療に従う、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体は、凍結乾燥物として又は例えばプレフィルドシリンジに入れた水性の組成物として製剤化することができる。製剤は、薬物製品(DP)とも呼ばれる。
好適な製剤は、再構成して、患者への送達のための高濃度の抗体活性成分且つ低レベルの抗体凝集を伴う溶液を与えることができる、水性の医薬組成物又は凍結乾燥物を提供することができる。高濃度の抗体は、これにより、患者に送達されなければならない材料の量が減るため、有用である。投薬体積の低下により、患者に一定用量を送達するためにかかる時間が最小限になる。高濃度の抗CD40抗体を含む水性組成物は、皮下又は静脈内投与に特に適している。
ADCC活性が抑制された抗CD40抗体は、薬学的に許容し得る担体と組み合わせた場合、医薬組成物として使用することができる。こうした組成物は、mAb1又はmAb2などの抗CD40抗体に加えて、担体、種々の希釈剤、充填剤、塩、緩衝液、安定剤、可溶化剤及び当技術分野で周知の他の材料を含有することができる。担体の特性は、投与経路に依存することとなる。開示した方法に使用するための医薬組成物は、標的とされる特定の障害の治療のための追加の治療薬も含有することができる。
ある具体的実施形態では、開示した治療及び方法(薬物製品(DP))に使用するための組成物は、6.0のpHを有し、且つ
(i)150mg/mL mAb1又はmAb2、
(ii)270mM スクロース(安定剤として)、
(iii)30mM L−ヒスチジン(緩衝剤として)、及び
(iv)0.06% ポリソルベート20(界面活性剤として)
を含む、水性製剤から調製される凍結乾燥製剤である。
別の具体的実施形態では、医薬組成物(薬物製品(DP))は、6.0のpHを有し、且つ
(i)150mg/mL mAb1又はmAb2、
(ii)270mM スクロース(安定剤として)、
(iii)30mM L−ヒスチジン(緩衝剤として)、及び
(iv)0.06% ポリソルベート20(界面活性剤として)
を含む、水性医薬組成物である。
本明細書で開示したのは、患者におけるT1DM又は膵島炎の治療のための医薬品(ここで、医薬品は、容器を含むように製剤化され、各容器は、単位用量あたり少なくとも約75mg、150mg、300mg又は600mgの抗CD40抗体又はその抗原結合断片(例えばmAb1)の送達を可能にするのに十分な量の抗CD40抗体を有する)の製造のための抗CD40抗体(例えば、mAb1)の使用である。
本明細書で開示したのは、患者におけるT1DMの治療のための医薬品(ここで、医薬品は、単位用量あたり75mg、150mg、300mg又は600mgの抗CD40抗体又はその抗原結合断片(例えばmAb1)の全身送達(例えばi.v.又はs.c.送達)を可能にするための投薬量で製剤化される)の製造のための抗CD40抗体(例えばmAb1)の使用である。
本開示は、(場合に応じて)ADCC活性が抑制された抗CD40抗体又はその抗原結合断片、例えばmAb1で、T1DM又は膵島炎を有する患者を治療するためのキットも包含する。こうしたキットは、(例えば、液体又は凍結乾燥形態の)抗CD40抗体又はその抗原結合断片、例えばmAb1又は抗CD40抗体を含む医薬組成物を含む。さらに、こうしたキットは、T1DM又は膵島炎に使用するための、抗CD40抗体を投与するための手段(例えば、シリンジ及びバイアル、プレフィルドシリンジ、プレフィルドペン、パッチ/ポンプ)及び説明書を含むことができる。説明書は、具体的な投薬レジメンの一部として、患者に抗CD40抗体(例えば、mAb1)を提供することを明らかにすることができる。これらのキットは、T1DM又は膵島炎を治療するための、例えば封入される抗CD40抗体、例えばmAb1と組み合わせた送達のための追加の治療薬も含有することができる。
本開示の一実施形態では、T1DM又は膵島炎を有する患者の治療のためのキットは、a)治療有効量の本明細書に記載した抗CD40抗体又はその抗原結合断片を含む医薬組成物;b)抗CD40抗体又はその抗原結合断片を患者に投与するための手段;及びc)本明細書に記載した抗CD40抗体又はその抗原結合断片を、それを必要とする患者に、D1でヒト対象の1キログラムあたり約3〜約60mgの負荷用量として静脈内投与すること、それに続いて、例えば本明細書に開示した維持レジメンI〜IVに従う、抗CD40抗体の週1回皮下投薬を提供する説明書を含む。
ある具体的実施形態では、T1DM又は膵島炎の治療のための医薬品の製造のための、抗CD40抗体、緩衝液、安定剤及び可溶化剤を含む液体医薬組成物a)の使用が提供され、ここで、抗CD40抗体は、
a)配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
b)配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
c)配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;
d)配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体;
e)サイレントFc IgG1領域を含む抗CD40抗体:及び
f)配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む抗CD40抗体
からなる群から選択される。
ある具体的実施形態では、T1DM又は膵島炎の治療のための医薬品の製造のための、抗CD40抗体、緩衝液、安定剤及び可溶化剤を含む液体医薬組成物a)の使用が提供され、ここで、抗CD40抗体は、
i)第1日での又は1週おきに2回若しくは3回、ヒト対象の1キログラムあたり約3〜約30mg、例えば10mgの活性成分の用量で患者に静脈内投与されることとなり;及び
ii)その後、第8日で開始する週1回の100mg〜350mgの固定用量として、患者に皮下投与されることとなり、
ここで、前記抗CD40抗体は、
g)配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
h)配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
i)配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;
j)配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体;
k)サイレントFc IgG1領域を含む抗CD40抗体:及び
l)配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む抗CD40抗体
からなる群から選択される。
定義
本明細書で使用する場合、CD40は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー5とも呼ばれる表面抗原分類40を指す。用語CD40は、別段の記述がない限り、配列番号19において定義される通りのヒトCD40を指す。
数値xに関する用語「約」は、例えば、+/−10%を意味する。数値範囲又は数の列挙の前に使用される場合、用語「約」は、系列内のそれぞれの数に適用される。例えば、表現「約1〜5」は、「約1〜約5」と解釈されるべきであるか、又は例えば、表現「約1、2、3、4」は、「約1、約2、約3、約4など」と解釈されるべきである。
用語「含む」は、「包含する」並びに「からなる」を包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、専らXのみからなる可能性があるか、又は何らかの追加のものが含まれる(例えば、X+Y)可能性がある。
AUC0−tは、時間0から時間「t」(ここで、tは、投与後の定義された時点である)までの血漿中濃度−時間曲線下面積を示す[質量×時間/体積]。
AUCtx−tyは、時間「x」から時間「y」(ここで、「時間x」及び「時間y」は、投与後の定義された時点である)までの血漿中濃度−時間曲線下面積を表す。
maxは、薬物投与後に観察される最大血漿中濃度である[質量/体積]。
minは、薬物投与後に観察される最小血漿中濃度である。Cトラフは、投薬期間の開始の直前又は投薬間隔の最後に観察される血漿中濃度である。
maxは、薬物投与後に最大濃度に到達するまでの時間である[時間]。
ss(下付き文字)は、パラメータが定常状態で定義されることを示す。
本明細書で使用される用語「抗体」又は「抗CD40抗体」などは、CD40と(例えば、結合、立体障害、安定化/不安定化、空間分布によって)相互作用する抗体全体を指す。天然起源の「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互連結された少なくとも2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖とを含む糖タンパク質である。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVと略される)及び重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2及びCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVと略される)及び軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLからなる。V及びV領域は、フレームワーク領域(FR)と称される、より保存される領域に割り込まれた、相補性決定領域(CDR)と称される高頻度可変性の領域にさらに細分化することができる。各V及びVは、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配列される3つのCDR及び4つのFRからなる。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1の成分(Clq)を含めた宿主組織又は因子への免疫グロブリンの結合を媒介することができる。用語「抗体」には、例えば、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ抗体又はキメラ抗体が含まれる。抗体は、あらゆるアイソタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)又はサブクラスのもの、好ましくはIgG、最も好ましくはIgG1であり得る。例示的な抗体としては、表1に記述した通り、CFZ533(本明細書ではmAb1とも称される)及びmAb2が挙げられる。
軽鎖及び重鎖の両方は、構造的及び機能的相同性の領域に分けられる。用語「定常」及び「可変」は、機能に関して使用される。この点に関して、軽(VL)鎖部分と重(VH)鎖部分との両方の可変ドメインが抗原認識及び特異性を決定することを理解されたい。逆に、軽鎖(CL)及び重鎖(CH1、CH2又はCH3)の定常ドメインは、分泌、経胎盤移動性、Fc受容体結合、補体結合などの重要な生物学的性質を与える。慣例により、定常領域ドメインの付番は、抗体の抗原結合部位又はアミノ末端から遠位になるにつれて増加する。N末端は、可変領域であり、C末端は、定常領域であり、CH3及びCLドメインは、それぞれ重鎖及び軽鎖のカルボキシ末端を事実上含む。具体的には、用語「抗体」には、特にIgG−scFv型が含まれる。
「相補性決定領域」(「CDR」)は、Kabat et al.(1991),「Sequences of Proteins of Immunological Interest,」5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(「Kabat」ナンバリングスキーム)、Al−Lazikani et al.,(1997)JMB 273,927−948(「Chothia」ナンバリングスキーム)及びImMunoGenTics(IMGT)ナンバリング(Lefranc,M.−P.,The Immunologist,7,132−136(1999);Lefranc,M.−P.et al.,Dev.Comp.Immunol.,27,55−77(2003)(「IMGT」ナンバリングスキーム)によって記載されているものを含めた、いくつかの周知のスキームのいずれかを使用して決定される境界を伴うアミノ酸配列である。IMGTでは、抗体のCDR領域は、IMGT/DomainGap Alignプログラムを使用して決定することができる。
本明細書で使用される用語「Fc領域」は、抗体の定常ドメインの、CH3、CH2及びヒンジ領域の少なくとも一部分を含むポリペプチドを指す。任意選択により、Fc領域には、いくつかの抗体クラスに存在するCH4ドメインが含まれる可能性がある。Fc領域は、抗体の定常ドメインのヒンジ領域全体を含むことができる。一実施形態では、本発明は、抗体のFc領域及びCH1領域を含む。一実施形態では、本発明は、抗体のFc領域のCH3領域を含む。別の実施形態では、本発明は、抗体の定常ドメイン由来のFc領域、CH1領域及びCκ/λ領域を含む。一実施形態では、本発明の結合分子は、定常領域、例えば重鎖定常領域を含む。一実施形態では、こうした定常領域は、野生型の定常領域と比較して改変される。すなわち、本明細書で開示した本発明のポリペプチドは、3つの重鎖定常ドメイン(CH1、CH2又はCH3)の1つ又は複数に対する且つ/又は軽鎖定常領域ドメイン(CL)に対する変更又は改変を含むことができる。改変の例としては、1つ又は複数のドメイン内の1つ又は複数のアミノ酸の付加、欠失又は置換が含まれる。こうした変更は、エフェクター機能、半減期などを最適化するために含めることができる。
本明細書で使用する場合、用語「親和性」は、単一の抗原部位での抗体と抗原との間の相互作用の強さを指す。各抗原部位内では、抗体「アーム」の可変領域は、多数の部位で弱い非共有結合性の力を通じて抗原と相互作用し、相互作用が多いほど親和性が強くなる。本明細書で使用する場合、IgG抗体又はその断片(例えば、Fab断片)に関する用語「高親和性」は、標的抗原に対する10−8M以下、10−9M以下、又は10−10M、又は10−11M以下、又は10−12M以下、又は10−13M以下のKを有する抗体を指す。しかし、高親和性結合は、他の抗体アイソタイプについて異なる可能性がある。例えば、IgMアイソタイプについての高親和性結合は、10−7M以下又は10−8M以下のKを有する抗体を指す。
本明細書で使用する場合、「CD40ポリペプチドと特異的に結合する」抗体又はタンパク質は、100nM以下、10nM以下、1nM以下のKでヒトCD40ポリペプチドと結合する抗体又はタンパク質を指すことが意図される。
用語「K」は、本明細書で使用する場合、Kに対するKの比(すなわちK/K)から得られてモル濃度(M)として表される解離定数を指すことが意図される。抗体についてのK値は、当技術分野で十分に確立された方法を使用して決定することができる。抗体のKを決定するための方法は、表面プラズモン共鳴を使用するか又はBiacore(登録商標)システムなどのバイオセンサーシステムを使用することによるものである。
本明細書で使用する場合、用語「ADCC」又は「抗体依存性細胞傷害」活性は、細胞枯渇活性を指す。ADCC活性は、当業者に周知のADCCアッセイによって測定することができる。
本明細書で使用する場合、用語「サイレント」抗体は、ADCCアッセイにおいて測定された場合にADCC活性を呈さないか又は低いADCC活性を呈する抗体を指す。
一実施形態では、用語「ADCC活性なし又は低いADCC活性」は、サイレント抗体が、標準のADCCアッセイにおいて測定された場合に50%未満の特異的細胞溶解、例えば10%未満の特異的細胞溶解であるADCC活性を呈することを意味する。「ADCC活性なし」は、サイレント抗体が、1%未満であるADCC活性(特異的細胞溶解)を呈することを意味する。
ADCCエフェクター機能の抑制は、抗体のFc領域内の変異によって得ることができ、当技術分野において記載されている:LALA及びN297A(Strohl,W.,2009,Curr.Opin.Biotechnol.vol.20(6):685−691);並びにD265A(Baudino et al.,2008,J.lmmunol.181:6664−69;Strohl,W.,上記)。サイレントFc IgG1抗体の例は、IgG1 Fcアミノ酸配列内のL234A及びL235A変異を含む、いわゆるLALA変異体を含む。サイレントIgG1抗体の別の例は、D265A変異を含む。別のサイレントIgG1抗体は、グリコシル化/非グリコシル化抗体をもたらすN297A変異を含む。
用語「治療」又は「治療する」は、本明細書では、本開示による抗CD40抗体又はその抗原結合断片、例えばmAb1又はmAb2抗体の対象への適用又は投与或いは本発明の前記抗CD40抗体又はその抗原結合断片を含む医薬組成物の、対象由来の単離された組織若しくは細胞株への適用又は投与と定義され、ここで、対象は、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患に随伴する症状又は自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の発生の素因を有し、ここで、その目的は、特に、発症したT1DMを有する又は膵島炎を患う患者における自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患、自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患のあらゆる随伴症状又は自己免疫疾患及び/又は炎症性疾患の発生の素因を軽減、回復又は改善することである。
「治療」は、本発明の抗CD40抗体又はその抗原結合断片、例えばmAb1又はmAb2抗体を含む医薬組成物の対象への適用又は投与又は本発明の前記抗CD40抗体又はその抗原結合断片を含む医薬組成物の、対象由来の単離された組織若しくは細胞株への適用又は投与(ここで、対象は、自己免疫疾患及び/若しくは炎症性疾患、自己免疫疾患及び/若しくは炎症性疾患に随伴する症状又は自己免疫疾患及び/若しくは炎症性疾患の発症の素因を有し、その目的は、自己免疫疾患及び/若しくは炎症性疾患、自己免疫疾患及び/若しくは炎症性疾患のあらゆる随伴症状又は自己免疫疾患及び/若しくは炎症性疾患の発症の素因を軽減、回復又は改善することである)も意図する。
用語「予防する」又は「予防すること」は、予防的又は防止的処置を指し;疾患、障害及び/又はそれに随伴する症状の発症を遅らせること又はこれらの発症を予防することに関する。
本明細書で使用する場合、対象は、こうした対象が、こうした治療から生物学的に、医学的に又は生活の質において恩恵を受ける場合、治療「を必要として」いる。
用語「薬学的に許容し得る」は、活性成分の生物学的活性の有効性を邪魔しない非毒性の材料を意味する。
本明細書で使用する場合、対象化合物の用語「投与」又は「投与すること」は、治療を必要としている対象に対して本発明の化合物及びそのプロドラッグを提供することを意味する。1つ又は複数のさらなる治療薬「と組み合わせた」投与には、任意の順序での任意の投与経路での同時(並行)及び連続的投与が含まれる。1つの投与は、治療効果を達成するためにどの程度の薬物物質が投与される必要があるかに応じて、単回注射又は互いに併せて送達される複数回注射であり得る。
本明細書で使用する場合、「治療有効量」は、患者(ヒトなど)への単一用量又は反復用量投与時、障害又は再発性の障害の少なくとも1つの症状を治療するか、予防するか、発症を予防するか、治癒させるか、遅らせるか、重症度を低下させるか、回復させるか、又は患者の生存をこうした治療が存在しない場合に予測される生存よりも延長させるのに有効である、抗CD40抗体又はその抗原結合断片、例えばmAb1の量を指す。単独で投与される個々の活性成分(例えば、抗CD40抗体、例えばmAb1)に適用される場合、この用語は、その成分単独を指す。組み合わせに適用される場合、この用語は、組み合わせで、連続的に又は同時に投与されるかにかかわらず、治療効果をもたらす活性成分の合わせた量を指す。
表現「治療レジメン」は、病気を治療するために使用されるレジメン、例えばT1DMの治療中に使用される投薬プロトコルを意味する。治療レジメンには、負荷レジメン(又は負荷投薬)、それに続く維持レジメン(又は維持投薬)が含まれ得る。
表現「負荷レジメン」又は「負荷期間」は、疾患の初期治療のために使用される治療レジメン(又は治療レジメンの一部)を指す。いくつかの実施形態では、開示される方法、使用、キット、プロセス及びレジメン(例えば、T1DMを治療する方法)は、負荷レジメン(又は負荷投薬)を用いる。いくつかの場合、負荷期間は、最大の有効性に到達するまでの期間である。負荷レジメンの一般的目標は、治療レジメンの最初の期間中、患者に対して高レベルの薬物を提供することである。負荷レジメンは、医師が維持レジメン中に用いるであろうよりも多い用量の薬物を投与すること若しくは医師が維持レジメン中に薬物を投与するであろうよりも頻繁に薬物を投与すること又はこれらの両方を含むことができる。用量漸増は、負荷レジメン中又は後に行うことができる。
表現「維持レジメン」又は「維持期間」は、病気の治療中の患者の維持のため、例えば患者を負荷レジメン又は期間後に長期間(数か月又は数年)、寛解状態に維持するために使用される治療レジメン(又は治療レジメンの一部)を指す。いくつかの実施形態では、開示した方法、使用及びレジメンは、維持レジメンを用いる。維持レジメンは、継続療法(例えば、一定の間隔で、例えば毎週、隔週又は毎月(4週おきに)、毎年などで薬物を投与すること)又は間欠療法(例えば、断続的治療、間欠治療、再発時の治療又は特定のあらかじめ定められた基準の到達[例えば、疼痛、疾患顕在化など]時の治療)を用いることができる。用量漸増は、維持レジメン中に行うことができる。
表現「投与するための手段」は、限定はされないが、プレフィルドシリンジ、バイアル及びシリンジ、ペン型注射器、自己注射器、点滴静注バッグ、ポンプ、パッチ式ポンプなどを含めた、患者に薬物を全身的に投与するためのあらゆる利用可能な道具を示すために使用される。こうしたものを用いて、患者が薬物を自己投与する(すなわち薬物を自分自身のために投与する)ことができるか、又は医師が薬物を投与することができる。
本明細書で使用する場合、表現「[指定された用量]の送達を可能にするのに十分な量の抗CD40抗体を有する容器」は、所与の容器(例えば、バイアル、ペン、シリンジ)が、所望される用量を提供するために使用することができる、(例えば、医薬組成物の一部としての)ある体積の抗CD40抗体をその中に配置していることを意味するために使用される。一例としては、所望される用量が500mgであるならば、臨床医は、250mg/mlの濃度を有する抗CD40抗体製剤を含有する容器から2ml、500mg/mlの濃度を有する抗CD40抗体製剤を含有する容器から1ml、1000mg/mlの濃度を有する抗CD40抗体製剤を含有する容器から0.5mlなどを使用することができる。こうした各場合において、これらの容器は、所望される500mg用量の送達を可能にするのに十分な量の抗CD40抗体を有する。
本明細書で使用する場合、表現「[指定された用量]の[投与経路]送達を可能にするための投薬量で製剤化される」は、所与の医薬組成物が、指定された投与経路(例えば、s.c.又はi.v.)を介して、所望される用量の抗CD40抗体、例えばmAb1を提供するために使用することができることを意味するために使用される。一例としては、所望される皮下用量が500mgであるならば、臨床医は、250mg/mlの濃度を有する抗CD40抗体製剤の2ml、500mg/mlの濃度を有する抗CD40抗体製剤の1ml、1000mg/mlの濃度を有する抗CD40抗体製剤の0.5mlなどを使用することができる。こうした各場合において、これらの抗CD40抗体製剤は、抗CD40抗体の皮下送達を可能にするのに十分に高い濃度である。皮下送達は、典型的には、約2ml未満の体積、好ましくは約1mL以下の体積の送達を必要とする。しかし、例えばパッチ/ポンプ機構を使用して、時間をかけて、より高い体積を送達することができる。
表現「投与するための手段」は、限定はされないが、プレフィルドシリンジ、バイアル及びシリンジ、ペン型注射器、自己注射器、点滴静注バッグ、ポンプ、パッチ式ポンプなどを含めた、患者に薬物を全身的に投与するためのあらゆる利用可能な道具を示すために使用される。こうしたものを用いて、患者が、薬物を自己投与する(すなわち薬物を自分自身のために投与する)ことができるか、又は介護者若しくは医師が薬物を投与することができる。
抗CD40抗体
ADCC活性が抑制された抗CD40 mAbは、米国特許第8828396号明細書及び米国特許第9221913号明細書に開示されている。ADCC活性が抑制された抗CD40 mAbは、他の抗CD40抗体と比較して改善された安全性プロフィールを有することが予測され、特にT1DM及び/又は膵島炎などの非腫瘍性の適応症により適している可能性がある。
本発明者らの拘束力のない仮説によれば、mAb1及びmAb2と称される、米国特許第8828396号明細書及び米国特許第9221913号明細書による2種のmAbは、T1DM及び/又は膵島炎の治療に適した化合物であると考えられる。CFZ533とも呼ばれる抗体mAb1が特に好ましい。CFZ533(イスカリマブ(iscalimab))は、組換え(r)CD154誘導性のCD40シグナル伝達を遮断し、且つCD40発現細胞型の枯渇を引き起こさない(すなわちFc−サイレント;ADCC活性抑制)、完全ヒト免疫グロブリンG1(IgG1)抗CD40抗体である。
mAb1は、インビトロでのCD154誘導性の活性化並びにインビボでのT細胞依存性抗体形成及び胚中心形成を阻害する。T1DM又は膵島炎を有する患者では、mAb1でのCD40遮断は、新規の治療モダリティを提供することが想定されている(実施例7)。
当業者が本発明を実施できるようにするために、mAb1及びmAb2のアミノ酸及びヌクレオチド配列を下の表1に提供する。
当技術分野で公知の別の抗CD40 mAbは、例えば、米国特許第8568725B2号明細書に記載されている通りの、Astellas Pharma/Kyowa Hakko Kirin CoからのASKP1240である。
当技術分野で公知のさらに別の抗CD40 mAbは、例えば、米国特許第8591900号明細書に記載されている通りの、Boehringer IngelheimからのBI655064である。
当技術分野で公知のさらなる抗CD40 mAbは、例えば、米国特許第8669352号明細書に記載されている通りの、Fast Forward PharmaceuticalsによるFFP104である。
Figure 2021518854
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本開示の1つ以上の実施形態の詳細は、上の随伴する説明に記述されている。本明細書に記載したものと類似の又は均等なあらゆる方法及び材料を本開示の実施又は試験において使用することができるが、好ましい方法及び材料をここで記載する。本開示の他の特徴、目的及び利点は、この説明及び特許請求の範囲から明らかであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形には、文脈によって他に明確に指示されない限り、複数の指示内容が含まれる。他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。以下の実施例は、本開示の好ましい実施形態をより十分に説明するために与えられる。これらの実施例は、添付の特許請求の範囲によって定義される開示した主題の範囲を限定するものと決して解釈されるべきではない。
一般手法
実施例1:発現系
軽鎖及び重鎖の発現のために、重鎖及び軽鎖をコードする発現ベクターを標準の技術によって宿主細胞に遺伝子導入させる。様々な形式の用語「遺伝子導入」は、外来性DNAの原核生物又は真核生物宿主細胞への導入のために一般に使用される非常に様々な技術、例えば電気穿孔、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラン遺伝子導入などを包含することが意図される。本発明の抗体を原核生物宿主細胞又は真核生物宿主細胞のいずれかにおいて発現させることは、理論的に可能である。真核細胞、例えば哺乳類宿主細胞、酵母又は糸状菌における抗体の発現が論じられている。なぜなら、こうした真核細胞、特に哺乳類の細胞が、適切にフォールディングされた免疫学的に活性な抗体を構築及び分泌する可能性は、原核細胞よりも高いからである。
具体的には、クローニング又は発現ベクターは、好適なプロモーター配列に動作可能なように連結される、以下のコード配列(a)〜(b):
(a)mAb1の全長重鎖及び軽鎖をそれぞれコードする配列番号15及び配列番号16、又は
(b)mAb2の全長重鎖及び軽鎖をそれぞれコードする配列番号17及び配列番号18
のいずれかの少なくとも1つを含むことができる。
本発明の組換え抗体を発現させるための哺乳類宿主細胞には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(例えば、R.J.Kaufman及びP.A.Sharp,1982 Mol.Biol.159:601−621に記載されている通りのDH FR選択可能マーカーと共に使用される、Urlaub及びChasin,1980 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216−4220に記載されているdhfr−CHO細胞が含まれる)、CHOK1 dhfr+細胞株、NSO骨髄腫細胞、COS細胞及びSP2細胞が含まれる。特に、NSO骨髄腫細胞との使用のために、別の発現系は、PCT公報国際公開第87/04462号パンフレット、国際公開第89/01036号パンフレット及び欧州特許第0338841号明細書に示されているGS遺伝子発現系である。
抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターを哺乳類宿主細胞に導入する場合、抗体は、宿主細胞における抗体の発現又は宿主細胞が成長する培養培地への抗体の分泌を可能にするのに十分な期間、宿主細胞を培養することによって産生される。抗体は、標準のタンパク質精製方法を使用して培養培地から回収することができる(例えば、Abhinav et al.2007,Journal of Chromatography 848:28−37を参照されたい)。
宿主細胞は、mAb1又はmAb2の発現及び産生に適した条件下で培養することができる。
実施例2.薬理学
1.第1の薬理学
mAb1は、ヒトCD40と高親和性(0.3nMのK)で結合する。しかし、これは、Fcγ受容体(CD16が含まれる)と結合しないか、又は抗体依存性細胞傷害若しくは補体依存性細胞傷害を媒介しない。mAb1は、ヒト白血球の組換えCD154(rCD154)誘導性の活性化を阻害するが、単球由来樹状細胞(DC)によるPBMC増殖又はサイトカイン産生を誘発しない。mAb1は、非常に類似の親和性でヒト及び非ヒト霊長類CD40と結合する。
mAb1は、インビボで一次及び二次T細胞依存性抗体反応(TDAR)を阻止し、非ヒト霊長類における腎臓同種移植片の生存を延長させることができる(Cordoba et al 2015)。さらに、mAb1は、構築された胚中心(GC)をインビボで崩壊させることができる。
CD40受容体占有率と機能活性を、ヒト全血培養を使用してインビトロで同時に評価した。機能活性は、CD20陽性細胞(B細胞)上のCD69(活性化マーカー)のCD154誘導性の発現を介して定量化し、CD40占有は、蛍光標識したmAb1を使用して観察した。rCD154誘導性のCD69発現の十分な阻害のために、mAb1によるほぼ完全なCD40占有が必要であった。
2.第2の薬理学
血小板機能及び止血に対するmAb1の効果を研究し、mAb1が血小板凝集反応を誘発せず、むしろ、高濃度で血小板凝集に対するある種の穏やかな抑制効果を呈することが示された。
実施例3.非臨床の毒性学及び安全性薬理学
mAb1を用いる毒性研究は、抗CD154 mAbを用いる臨床試験において報告された場合に血栓塞栓症の証拠がなかったことを含めて、いずれの有意な臓器毒性も示さなかった(Kawai et al 2000)。カニクイザルにおける26週の慢性毒性研究では、有害なmAb1関連の所見は発見されなかった。これらのデータに基づいてNOAELを150mg/kg(26週)に設定した。平均(全動物)Cmax,ssは、1、50及び150(NOAEL)mg/kg(S.C.、毎週)でそれぞれ44、3235及び9690μg/mLであった。26週のカニクイザル研究から得られたNOAELは、臨床投薬レジメンを裏付けるために最も適切であると考えられる。
T細胞依存性抗体反応(TDAR)の完全な阻害が原因で、KLH、すなわちmAb1に対する抗薬物抗体(ADA)の形成が期待されず、したがってmAb1の濃度が継続的に薬理学的レベルに維持される場合、ADA関連の副作用はなさそうであると考えられる。
組織交差反応性研究は、CD40が、免疫細胞上に存在するだけでなく、様々な組織内にも存在することを示した。これは、主として、内皮及び上皮細胞(ここで、CD40は、創傷治癒プロセスに反応することなどのシグナル伝達、ウイルス防御の上方調節及び炎症関連メディエーターに関与する)上でのその発現に起因する。mAb1のような拮抗性の抗CD40モノクローナル抗体は、炎症プロセスに寄与することが期待されず、これは、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を使用するインビトロ研究によって確認された。
結論として、この非臨床データは、原発性T1DMを有する患者におけるADCC活性が抑制された抗CD40抗体を使用する研究を支持する。
実施例4:研究デザイン
これは、新規発症1型糖尿病(T1DM)を有する小児及び若年成人における、CFZ533の安全性、忍容性、薬物動態及び有効性を評価するための、研究者と対象に盲検化された無作為化されたプラセボ対照研究である。
1.目的及び理論的根拠
この研究の目的は、新規発症T1DMにおけるCFZ533の開発を可能にするための臨床データを提供することである。
2.主目的
有害事象(AE)及び標準の安全性検査を評価することにより、新規発症T1DMにおけるCFZ533の安全性及び忍容性を評価すること。
混合食負荷試験(MMTT)によって刺激時CペプチドAUCを評価することにより、1年後の新規発症T1DMにおける膵β細胞機能に対するCFZ533の治療効果を評価すること。
混合食負荷試験(MMTT)は、残存インスリン分泌及びβ細胞機能を検出するための適切な感度を有する。MMTTでは、体重に基づく流動食を6mL/kg(最大360mL)の混合食として提供し、5分かけて摂取し、摂取の10分前(t=−10)、ベースライン時(t=0)及び流動食の摂取を完了した後15、30、60、90及び120分の時点で、グルコース及びCペプチド決定のための決められた時間の血液サンプルを得た(Leighton et al 2017)。
血液サンプル収集により、曲線下面積(AUC0−2hr)及びピークCペプチド値の測定が可能となることとなる。MMTTは、ベースラインで、治療中の第12、24、36及び52週及び治療後の第18、24及び36か月で収集されることとなる。有効性の主要評価項目は、12か月での混合食負荷試験(MMTT)による、刺激時CペプチドAUC0−2hrに対する治療効果である。検出可能なCペプチドを有する対象の割合、ベースラインCペプチドからの低下率;検出不可能なCペプチドまでの時間が評価されることとなる。Cペプチド:クレアチニン比のための、決められた時間の尿もβ細胞機能の尺度として評価されることとなる。
3.第2の目的
ベースラインでの、治療中及び追跡調査期間中の、遊離CFZ533血漿中濃度を測定することにより、新規発症T1DMにおけるCFZ533の薬物動態(PK)を評価すること。
1年目の新規発症T1DMにおける、HbA1c≦6.5%(48mmol/mol)且つ外因性インスリン使用なしによる完全寛解又は1日のインスリン用量合計<0.5単位/kg/日を用いる、インスリン投与によって調節されるHbA1c(IDAA1c)≦9.0又はHbA1c<7.0%(53mmol/mol)による部分寛解に対するCFZ533の治療効果を評価すること。
MMTTによる刺激時CペプチドAUCを評価することにより、最終投与の2年後での、新規発症T1DMを有する対象における膵β細胞機能に対するCFZ533の効果の永続性を評価すること。
Figure 2021518854
4.研究デザインCCFZ533X2207
CCFZ533X2207(「研究)は、小児及び若年成人対象における新規発症T1DMにおける残存する膵β細胞機能の維持に対する、CFZ533の安全性、忍容性、薬物動態及び有効性を評価するための、非確証的な、研究者と対象に盲検化された無作為化されたプラセボ対照の第2相研究である。
新たに診断されるT1DM患者は、米国糖尿病学会(American diabetes Association)診断基準及び英国国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Care Excellence)(NICE)(Johnston 2004)並びに下のセクション集合に明記した通りの少なくとも1つの糖尿病関連自己抗体の存在に基づいて特定される。試験への登録は、診断及び第1の試験薬投与時から2週以上且つ100日以内に行われるべきである。登録は、スクリーニングとベースライン結果の両方に基づくこととなる。スクリーニング来診は、(本明細書に記載した通りの)対象の体重に応じて1又は2回の来診で実施することができる。
6〜21歳のおよそ102人の対象が登録されて、およそ81人の対象が確実に研究を完了することとなる。5つの一連の研究コホート(年齢及び体重に基づく)が計画されるが、登録目標が達成されるまで、以前のコホートへの登録が継続することとなる。すべての体重及び年齢コホートへの適切な登録を可能にするために、コホート1への登録は、およそ50人の対象の後に中断されることとなる。
コホートは、年齢及び体重群の降順に基づいている(図1)。
研究は、主要な有効性(12か月時)及び安全性評価項目(16か月時)について、16か月での81人の完了者について計画される。およそ102人の対象が登録されることとなる。
適格の対象は、登録され、2:1の比で活性剤又はプラセボに無作為に割り付けられることとなる。
研究タイムラインには、6週のスクリーニング期間、2週のベースライン期間、12か月の治療期間及び4か月及び最大2年のCFZ533の最終投与後の追跡調査期間が含まれる。各対象は、最低でおよそ1.5年及び最大3年間、研究中であることとなる。
この研究は、あらゆる徴候における小児集団におけるCFZ533を評価するための最初の研究であることとなる。したがって、登録は、安全性及び忍容性を時差的方式で評価し、また年齢がより若い及び体重がより軽い群の段階的な登録を可能にするために時間をずらすことになる。
CFZ533のPKプロフィールは、研究全体を通して(第3、6及び9か月)評価されることとなる。特に、コホート5(20kgという最も低い体重制限)についての投薬量調整は、この集団における新たなPKデータ(PK中間解析)に基づいて導入することができる。年齢及び体重(BW)カテゴリーによる一連の登録には、
・コホート1:年齢≧15〜≦21歳(青年期後期〜若年成人)、BW 40〜125kg
・コホート2:年齢≧8〜≦21歳(青年期初期〜若年成人)、BW 40〜」95kg
が含まれる。コホート3〜コホート5は、年齢及び体重の制限が異なる。
・コホート3:年齢≧8〜≦21歳、BW≧40〜<50kg。
・コホート4:年齢≧6〜≦21歳、BW≧30〜<40kg。
・コホート5:年齢≧6〜≦21歳、BW≧20〜<30kg。
後続のコホート(コホート2、コホート3及びコホート4について)を開放することは、4週での安全性及び忍容性再検討に基づくこととなる。後続のコホートを開放する前に、コホート1における少なくとも6人の対象及び他のすべてのコホートにおける10人の対象からの安全性及び忍容性データが、試験依頼者(Sponsor)及び研究責任者(Lead Investigator)によって再検討され、続行しても安全であると判断されなければならない。さらに、≧40〜<50kgの体重を有する少なくとも10人の対象は、コホート4に進む前に登録及び評価されなければならない。この体重範囲における10人の対象は、コホート1及び2で評価可能であるならば、コホート3は省略することができる。コホート4とコホート5との間の移行は、30〜40kgの体重の少なくとも10人の対象が、最初の8週の治療(第8週での皮下(SC)投薬が含まれる)を完了する場合に行われることとなり、8週での安全性及び忍容性並びにPKデータ(PK中間解析)に基づくこととなる。コホート5における用量調整は、PK中間解析及び安全性分析に基づいて実行することができる。登録目標が達成されるまで、以前のコホートへの登録が継続することとなる。
42日までのスクリーニング及びベースライン期間後、登録可能なコホートに適格の対象は、無作為化されて、強化インスリン療法でのバックグラウンド標準治療に加えて、CFZ533又はプラセボ(2:1の比)を1年間受けることとなるが、最重要目標は、T1DMの診断後、できるだけ早く治療を開始することである。結果的に、対象は、地域の指導によって推奨されるすべてのワクチン接種を受けておらず、これらのワクチン接種が投与されることを可能にするために、スクリーニング期間を42日よりも長く延長することができるが、試験薬の初回投与は、T1DMの診断の100日以内に投与されなければならない。
治療は、初回負荷用量のCFZ533(第1日/第0週に末梢静脈(IV)ラインを介して30mg/kgの用量で投与される;すべての対象は、mg/kgで同じ用量を受ける)又は適合するプラセボを含む。第8日(第1週)〜第365日(第52週;最終投与)までの、CFZ533(又は適合するプラセボ)のその後のすべての投与は、体重に基づく用量の皮下(SC)注射により、毎週の方式で投与される(用量/レジメン及び治療期間の理論的根拠の詳細を参照されたい)。
Cペプチドを使用してβ細胞機能を評価するための標準化された流動食MMTTを、本明細書に記載した通りに、研究の過程中、ベースライン、第12、24、36、52週並びに第18、24及び36か月(又は研究終了)時に実施することとなる。この研究中、次の糖尿病関連の評価項目も観察されることとなる:HbA1c、尿中Cペプチドとクレアチニンの比、インスリンの1日の総用量、連続的且つ継続的なグルコース測定並びに糖尿病性ケトアシドーシス及び低血糖イベント。
結果的に、少なくとも81人の無作為化され且つ治療された対象がその1年の評価来診を完了する場合に実施される一次分析は、β細胞機能に対する正の薬物効果を示し、すべての対象は、β−細胞維持に対する有効性の永続性を評価するために、最大でさらに2年の期間、追跡されることとなる。一次分析について、およそ1年の治療期間で正の薬物効果が見られない場合、各対象に対する安全性モニタリングについての追跡調査評価をCFZ533又はプラセボの最終投与の少なくとも4か月後に実施することとなる。
コホート拡大は、以下に基づくこととなる。
・コホート2を開放すること:CFZ533又はプラセボで4週間治療されたコホート1の少なくとも6人の対象(15〜≦21歳)が、その時点までに登録されているすべての対象についての安全性データと共に再検討され、満足なものであると判断されなければならない。このコホートにおける6人の対象の評価は、他のコホートにおける10人とは対照的に、この年齢及び体重範囲集団における対象についての既存の安全性データがより頑強であるためである。
・コホート3を開放すること:CFZ533又はプラセボで4週間治療されたコホート2の少なくとも10人の青年期初期〜若年成人(≧8〜≦21歳)が、その時点までに登録されているすべての対象についての安全性データと共に再検討され、満足なものであると判断されなければならず、その後、コホート3(年齢≧8〜≦21歳且つ体重(BW)≧40〜<50kg)は、登録のために開放することができる。しかし、この体重範囲における10人の対象は、コホート1及び2で評価可能であるならば、コホート3は省略することができる。
・コホート4を開放すること:CFZ533又はプラセボで4週間治療された少なくとも10人の子供〜若年成人(≧8〜≦21歳、体重(BW)≧40〜<50kg)が、その時点までに登録されているすべての対象についての安全性データと共に再検討され、満足なものであると判断されなければならず、その後、コホート4(年齢≧6〜≦21歳且つ体重(BW)≧30〜≦40kg)は、登録のために開放することができる。
・コホート5を開放すること:8週の治療を完了した≧30〜<40kg BWの少なくとも10人の子供/若者(コホート4)からのPKデータが、その時点までに登録されているすべての対象についての安全性データと共に正式なPK中間解析をもたらすこととなり(PK−IA;Section 4.4)、また再検討され、満足なものであると判断されなければならず、その後、コホート5(年齢≧6〜≦21歳且つ体重(BW)≧20〜<30kg)は、登録のために開放することができる。
研究全体を通して、以前のコホートへの登録が継続することとなり、コホート1(およそ50人の対象で上を覆われていることとなる)を除いて、次のコホートが登録のために開放する場合、停止することにはならない。最低で10人の対象が各コホートに登録されることとなる。しかし、上に記述した通り、≧40〜<50kgの体重範囲における10人の対象は、コホート1及び2で評価可能であるならば、コホート3は省略することができる。
登録された対象の少なくとも50%が6か月の治療を完了したら、無益性についての中間解析が計画される。登録された対象の少なくとも2/3が12か月の治療を完了したら、無益性及び有効性についての中間解析を行うことができる。
臨床的に妥当な期間にわたり、β細胞機能の低下に対する薬物効果(下降の減速)の可能性を自然な疾患進行と区別することを可能にするために、1年の治療が必要とされる。
5.集団
研究集団は、新規に診断されたT1DMの小児及び若年成人対象から構成されることとなる。6〜21歳(端値を含む)のおよそ102人の対象を、研究デザインに概説した通りの順序でこの研究に登録し、無作為化することとなる。
6.主な選択基準
・少なくとも1種の陽性の自己抗体:グルタミン酸デカルボキシラーゼ(抗GAD)、タンパク質チロシンホスファターゼ様タンパク質(抗IA−2);亜鉛トランスポーター8(抗ZnT8);島細胞(細胞質)(抗ICA)によって確認された、新規に診断された自己免疫性T1DM。
・無作為化前の1か月以内の標準の流動食MMTTに従う刺激時Cペプチドレベルのピーク≧0.2pmol/mL(0.6ng/mL)
・研究参加者は、地域の予防接種ガイドラインに従い、試験薬での初回投与前、少なくとも4週前に推奨されるすべての不活化(死菌)予防接種及び少なくとも4か月前に弱毒化(生)予防接種を完了するべきである。
7.主な除外基準
・若年発症成人型糖尿病(MODY)、成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)、後天性糖尿病(薬物適用又は手術に続発する)、2型糖尿病など、自己免疫性T1DM以外の糖尿病型。
・ベースラインMMTT検査の2週以内の糖尿病性ケトアシドーシス。
・多腺性自己免疫疾患、アジソン病、悪性貧血、セリアック病の病歴。
・高IgM症候群などの免疫不全障害の病歴;免疫不全障害を示唆する再発性感染症の病歴。
・CFZ533静脈内負荷投与の前の8日以内の重大な歯科治療;初回投与の前の48時間以内の熱性疾患。
・登録時点での又は登録の半減期の5倍以内の若しくは期待される薬理学効果がベースラインに戻るまでの(いずれか長い方);又は地方条例によって必要とされるならばそれよりも長い間の他の被験薬の使用又は免疫抑制剤の使用。
・B型肝炎(HBV)又はC型肝炎(HCV)を伴う慢性感染症。HBV表面抗原(HBsAg)検査陽性又は標準の地域診療ならばHBVコア抗原検査陽性は、対象を除外する。HCV抗体検査陽性である対象は、HCV RNAレベルが測定されるべきである。(検出可能な)HCV RNA陽性である対象は、除外されるべきである。
・活動性感染症を示唆する検査閾値を超えるウイルス負荷によるエプスタイン−バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)又は単純ヘルペスウイルス(HSV)の証拠。
・スクリーニング時の次の異常臨床検査値:1,500〜15,000/mm3(1.5〜15.0×109/L)の範囲を超える総白血球数(WBC)
・好中球数(<1500/mm3)(<1.5×109/L)
・リンパ球数<500/mm3(<0.5×109/L)
・ヘモグロビン(Hgb)<8.0g/dL
・血小板<100,000/mm3(<100×109/L)
のいずれか。
8.研究治療
対象を、2つの治療群、CFZ533又は適合するプラセボの1つに2:1の比で割り当てることとなる。
単回静脈内(IV)負荷投与について、すべての対象が研究第1日(第0週)に同じ用量:CFZ533 30mg/kg(IV)を受ける。
皮下(SC)維持レジメンについて、体重(BW)カテゴリーごとの固定されたCFZ533用量が第8日(第1週)〜第52週(最終投与)まで毎週投与されることとなる:
・BWカテゴリーI(≧20〜<30kg):135mg(0.9mLの1回の注射)、SC、毎週
・BWカテゴリーII(≧30〜<50kg):195mg(1.3mLの1回の注射)、SC、毎週
・BWカテゴリーIII(≧50kg):300mg(2mLの1回の注射又は1mLの2回の注射)、SC、毎週。
9.有効性評価
・MMTT中のCペプチド
10.薬力学的評価
・ベースラインでの、治療中及び追跡調査期間中の、血漿中の可溶型CD40(sCD40)濃度(全血における標的生物学及び標的結合)。
11.薬物動態学的評価
・血漿中のCFZ533濃度(ベースラインでの、治療中及び追跡調査期間中)。
12.他の評価
・継続的グルコースモニタリング。
・潜在的な作用様式、疾患及び早期有効性バイオマーカー(限定はされないが、濾胞性ヘルパーT細胞、血清CXCL13、血清及び尿CD40におけるT1DM自己抗体の標的パネルが含まれる)。
・CFZ533の免疫原性
(ベースラインでの、治療中及び追跡調査期間中の、血漿中の抗CFZ533抗体)。
13.データ解析
少なくとも81人の対象が12か月の治療を完了した後、主要な安全性及び有効性分析を行うこととなる。12か月での有効性のエビデンスが存在しないならば、すべての対象は、投薬後の安全性及びウォッシュアウト評価を可能にするために、各対象が、最終投薬から少なくとも4か月を経たときに研究終了来診を予定に入れることとなる。
すべての分析について、対象は、受けた研究治療に従って分析されることとなる。安全性分析集合には、いずれかの研究治療を受けたすべての対象が含まれることとなる。
PK分析集合には、いずれかの試験薬を受けた且つPKデータに影響を与えるプロトコル逸脱を有しない、少なくとも1つの利用可能な有効なCFZ533濃度測定値を有するすべての対象が含まれることとなる。PD分析集合には、利用可能なPDデータを有し且つPD結果に影響を与える重大なプロトコル逸脱を有しないすべての対象が含まれることとなる。
14.用量/レジメン及び治療期間の理論的根拠
新規発症T1DM対象におけるCFZ533についての投薬の理論的根拠は、
・腎移植(腎臓Tx;研究CCFZ533X2201−パート2)、
・原発性シェーグレン症候群(pSS;研究CCFZ533X2203)、
・グレーブス病(GD;研究CCFZ533X2205)、
・重症筋無力症(MG;研究CCFZ533X2204)、
・関節リウマチ(RA)対象(ファーストインヒューマン研究CCFZ533X2101)
においてCFZ533を用いる試験からの曝露、安全性及び忍容性データに基づいており、また腎移植、原発性シェーグレン症候群及びグレーブス病における有効性データに基づいている、
この投薬レジメンには、
・この試験におけるすべての対象に対する第1日(第0週)での30mg/kgの体重補正した静脈内(IV)負荷投与、それに続く、
・第8日(第1週)〜第52週(最終投与)まで毎週投与される固定された皮下(SC)投与
が含まれ、これは、次の体重カテゴリー
・体重カテゴリーI(≧20〜<30kg):135mg(0.9mLの1回の注射)
・体重カテゴリーII(≧30〜<50kg):195mg(1.3mLの1回の注射)
・体重カテゴリーIII(≧50kg):300mg(2mLの1回の注射又は1mLの2回の注射
に基づいている。
IV負荷用量は、研究医療機関で投与されることとなる。毎週のSC用量(135、195又は300mg)は、治療期間中の体重増減を考慮するために、第1日/第0週、第85日/第12週、第169日/第24週、第253日/第36週及び第337日/第48週の医療機関来診時に3か月ごとに記録される対象の体重に基づいて定義されることとなる。毎週のSC用量は、自宅で又は研究医療機関で投与することができる。
体重カテゴリーごとの新規発症T1DM対象における予測されるPKプロフィール(3つすべての体重カテゴリーについて、類似のCFZ533血漿中濃度が得られる)を図2に与える。
第1日の静脈内(IV)負荷用量の理論的根拠
第1日の30mg/kgのIV負荷用量は、
・標的組織(すなわち膵臓リンパ節)におけるCD40受容体を急速に飽和させ、且つ診断の100日以内の疾患(膵島炎、膵島における浸潤におけるB及びT−リンパ球、活性な異所性胚中心)の攻撃性が、高い組織CD40発現と関連する可能性が高い状態におけるCFZ533のCD40介在性の排除を最小限にすること
・残存するβ細胞の侵襲性の自己免疫性破壊、膵島炎及び病原性の自己反応性Bリンパ球の局所的浸潤を急速に遮断すること
が予測される。
新規発症T1DM患者におけるCD40発現:
自己免疫疾患(T1DMが含まれる)を有する患者は、一般に、標的組織におけるCD40発現増大及び血清/血漿の可溶型CD40(sCD40;シェディング受容体)レベルの上昇を呈する。
T1D患者では、血漿CD40レベルの上昇は、標的組織におけるCD40の発現上昇を反映すると思われる。
Chatzigeorgiou et al(2010a)では、
・小児のT1DM患者は、健康な対照(66pg/mL)と比較して有意に高い血漿sCD40レベル(93pg/mL)を有しており、これは、血漿インターロイキン−6(IL−6)、マトリックスメタロプロテアーゼ−9(MMP−9)及びCRPレベルの上昇と関係があった。
・T1DMでは、健康な対照と比較して尿CD40レベルも上昇し(それぞれ335pg/mL及び150pg/mL)、これらの患者におけるsCD40の血漿中濃度の上昇は、腎臓***減少ではなく、CD40産生増大を反映することを示唆していた。
・細胞性CD40(末梢血単核細胞)の上方調節も観察され、血漿sCD40、IL−6、CRP並びにヘモグロビンA1c(HbA1c)と正の相関があった。
・血漿及び末梢血単核細胞(PBMC)のCD40レベルは、T1DMを有する小児患者では上昇するように見え、炎症と正の相関がある。
Chatzigeorgiou et al(2010b)では、血漿CD40濃度も、糖尿病患者で健康な対照よりも有意に高く(約110pg/mL対55pg/mL)、HbA1cと正の相関があった。さらに、<1か月、1〜6か月又は>6か月の疾患期間を有する患者について、血漿CD40は、それぞれ約75、190及び88pg/mLであった。
IV負荷投与を通した治療(診断の100日以内の投薬)の開始時、膵島における飽和及び効果的な状態を達成することが、残存するβ細胞機能を維持するのに有効な免疫介入にとって重要である。
CFZ533 30mg/kg IV負荷投与は、CFZ533がCD40介在性の薬物消失(又は標的介在性薬物消失−TMDD;(用量に対して)かなりの割合の薬物がCD40受容体に結合し、CFZ533クリアランスに影響を与えるプロセス)を受けることを考慮して、さらに妥当なものにされる。
TMDDの程度は、組織中のCD40受容体のレベル及びこれらの受容体の飽和のレベルによって決定される。CD40発現の上昇は、CD40が十分に飽和していなければ、標的組織におけるCFZ533の高い排除率及び標的エンゲージメントの喪失と関連する可能性がある。
負荷レジメンは、治療の開始時に十分なCD40−CD154経路遮断を提供することが期待される。これらの条件では、CFZ533のクリアランス全体へのCD40の寄与は、最小限であり、CFZ533の消失は、主としてFcRn受容体へのCFZ533結合の結果である。
組織におけるCD40発現が著しく亢進される状態においてCD40受容体を飽和できないことは、臨床的有効性欠如につながる可能性がある。
これは、抗CD40抗体ASKP1240で実証された (ブレセルマブ(bleselumab);Goldwater et al 2013)。
ブレセルマブは、腎移植(Tx)対象(第2相試験;Harland et al 2017)において、また移植を受けたサル(Ma et al 2014)において調査されている。
ブレセルマブを用いる第2相試験では、カルシニューリン阻害剤なしの群における拒絶反応の大部分は、第60日よりも前に発生した。本発明者らは、ブレセルマブが、最初の1又は2か月にわたり、ブレセルマブの効率的なCD40介在性排除、最適以下の組織曝露及び高い割合の移植不全をもたらす、組織におけるレベルが増大したCD40発現を十分に飽和できない投薬状態に起因して、CNIなしのレジメンにおいて失敗したと仮説を立てる。
この仮説は、移植を受けたサルにおける前臨床データによって裏付けられる。移植を受けたサルが同種腎移植を受けた場合、レシピエントの免疫系は、迅速に活性化され、Bリンパ球、樹状細胞及びマクロファージにおける、また選択された同種移植片実質細胞上のCD40発現レベルの増大がもたらされる。同種抗原に対する免疫応答の結果として、活性化された細胞及び占有されていないCD40部位の数は、増加し、より高い用量及び/又はより高頻度のブレセルマブの投与を必要とすることとなり、考えは、移植を受けた動物において観察されたブレセルマブのクリアランスの増大によって裏付けられた。
30mg/kg IV負荷投与後のCFZ533曝露
CFZ533 30mg/kg IV負荷投与は、関節リウマチ(RA)及び腎移植患者に使用されている用量及びレジメンに相当する曝露に到達する(約826μg/mLのCmax中央値が含まれる)ことが期待される。
・関節リウマチ対象(N=4;ファーストインヒューマン研究)では、848μg/mL(635〜1120μg/mLの範囲)の平均Cmaxが観察された。この用量は、安全であり且つ良好な耐容性を示した。
・腎移植(N=33、最大の解析対象集団;CCFZ533X2201−パート2)では、負荷レジメンは、第1、3、7(最初の週の間は高頻度)、15、29、43及び57での10mg/kg(IV)であり、その後、第57日から、維持レジメンは、4週ごとの10mg/kg(IV)であった。この負荷レジメンは、良好な耐容性を示しており、CFZ533で治療された対象について、バックグラウンドの免疫抑制療法を受けている対照と比較して、感染症の割合の増大を伴わず、好中球減少の報告もなかった。観察された最も高い平均トラフ血漿中CFZ533濃度は、負荷レジメンの最後の第57日の306μg/mL(161〜419μg/mLの範囲)であった。
アカゲザルにおけるCFZ533(150mg/kg/週、IV)での13週の毒性研究では、Cmax(第1日)及び定常状態(ss)(第13週)でのCmaxは、それぞれ4060及び11650μg/mLであった。バックグラウンド感染症に起因すると考えられる異なる器官の炎症性の変化により、この研究におけるNOAELを10mg/kgに設定した。CFZ533の薬理学的特性に基づいて予想される可能性がある免疫抑制関連の感染症を除いて、毒性研究における他の所見は存在しなかった。
皮下(SC)維持レジメンの理論的根拠
IV負荷投与についての体重(BW)補正される手法とは対照的に、第8日に開始する第52週の最終投与までの毎週のSC維持レジメンは、次の3つの体重カテゴリー
・体重カテゴリーI(20〜<30kg):135mg、SC、毎週
・体重カテゴリーII(30〜<50kg):195mg、SC、毎週
・体重カテゴリーIII(≧50kg):300mg、SC、毎週
に従って選択される固定されたSC用量に基づいている。
固定された投薬戦略を仮定して、体重カテゴリーは、この研究における体重範囲全体にわたるすべての対象について同様の曝露レベルを維持するために作成した。これは、CFZ533のクリアランスに対する体重の予測される影響に基づいて妥当なものにされる。これは、モノクローナルAb様CFZ533について典型的であり、固定用量戦略が使用される場合のアロメトリーな原則と一致する(Wang et al 2009、Wang及びPrueksaritanont 2010)。
3つの体重カテゴリーが提案される(20〜<30kg、30〜<50kg及び≧50kg)。これは、各カテゴリー内の各対象のばらつき間で同様であることを確実にするために、また体重カテゴリー内の各境界間の同様の曝露の差の何倍か(体重に対する0.75のアロメトリック係数を仮定すると1.4〜1.6倍、これは、IgG1型抗体にも典型的である)に基づいて妥当なものにされる。
カテゴリーIII(≧50kg体重)では、定常状態で、予測される典型的なトラフCFZ533血漿中濃度(Cトラフ,ss)は、約222μg/mLである(集団の90%は140〜344μg/mL;図4−1)。カテゴリーI(20〜<30kg)及びカテゴリーII(30〜<50kg)について、同様のCFZ533血漿定常状態(ss)Cトラフ値が予測される。
T1DMにおける予測されるCFZ533血漿Cトラフ,ss値は、原発性シェーグレン症候群、腎移植、グレーブス病及び重症筋無力症患者においてCFZ533を用いる進行中の又は完了した臨床研究において、既に評価され、ここで、これらは、全般的に安全であり且つ良好な耐容性を示した。
体重カテゴリーIIIにおけるT1DM患者/対象についての予測されるCFZ533血漿Cトラフ,ss値(カテゴリーI及びIIについて、同様のCトラフ,ssが予測される)を、図3において、以前の臨床試験におけるCFZ533についての観察されたトラフ濃度についてのと比較する。また、上に言及した通り、腎移植(N=33;CCFZ533X2201−パート2)では、負荷期間(非定常状態条件)後、第57日に観察された平均トラフ血漿中CFZ533濃度は、306μg/mL(161〜419μg/mLの範囲;図3に示されない)であった。
体重≧50kg(カテゴリーIII)を有するT1DM患者のためのCFZ5533 300mg毎週SCレジメンは、研究CCFZ533X2203−コホート3(N=25;IV負荷用量後又はSC負荷レジメン後)により、原発性シェーグレン症候群患者において最近評価されている。
カテゴリーIIIにおけるT1DM患者/対象についての222μg/mLという予測される定常状態CFZ533トラフ濃度の中央値は、
・研究CCFZ533X2203−コホート2(10mg/kg IVレジメン;図3中の(i))における原発性シェーグレン症候群対象において観察される平均トラフレベルと同様であり、且つ
・研究CCFZ533X2203−コホート3(図3中の(vi))におけるCFZ533について観察される平均Cトラフ値をわずかに超える。この予測される差は、T1DMにおけるCFZ533についての、原発性シェーグレン症候群と比較してわずかに高い、予測される皮下バイオアベイラビリティの結果である。実際、(リンパ系のような全身を巡る前の部分)におけるCD40レベルの上昇に起因して、原発性シェーグレン症候群対象では、全身を巡る前のCFZ533のCD40介在性排除の結果として、より低いCFZ533のSCバイオアベイラビリティが予測される。新規発症T1DM患者/対象では、炎症を起こした膵臓における高いCD40発現が予測され、CD40受容体の全身を巡る前のプールは、原発性シェーグレン症候群対象と比較して低い可能性が高い。
カテゴリーI(135mg、SC、毎週)、II(195mg、SC、毎週)及びIII(300mg、SC、毎週)について、CFZ533の同様の定常状態トラフ血漿中濃度が予測される。
定常状態での予測される最大CFZ533血漿中濃度(Cmax,ss中央値)は、約294μg/mLである(体重カテゴリーIII;予測区間:207(5パーセンタイル)〜453(95パーセンタイル)μg/mL)。これらのCmaxは、非ヒト霊長類における13週又は26週の毒性研究において測定されるCmax,ss値よりも少なくとも19倍低い。
T1DM患者/対象における予測される血漿CFZ533曝露は、原発性シェーグレン症候群及び腎移植対象において効果的であると実証された観察された曝露の範囲内である。
・原発性シェーグレン症候群対象では、研究CCFZ533X2203−コホート2(10mg/kg(IV)レジメン)における約203μg/mL(第113日)及び135μg/mL(第141日;治療期間の最後)という平均トラフ血漿中濃度が、12及び24週での臨床的有効性と関連していた(CFZ533で治療された対象における、プラセボと比較した場合の、欧州リウマチ学会(European League Against Rheumatism)シェーグレン症候群疾患活動性指標(ESSDAI)の明らかな向上)。全体的に見ると、原発性シェーグレン症候群対象における10mg/kg IV CFZ533の反復投与(21週にわたる合計8回の投与が含まれる)は、安全であり且つ良好な耐容性を示している。
・研究CCFZ533X2201−パート2(第57日までの10mg/kg(IV)負荷レジメン、次いで第337日の最終投与までの4週ごとの10mg/kg(IV)−第337日でのおよそ156μg/mLの平均Cトラフ)では、CFZ533血漿中濃度は、良好な耐容性を示し、且つ効果的であった。CFZ533で治療される群における対象は、研究全体を通して有意に優れた腎機能を有しており(eGFRの差はおよそ10mL/分であった)、急性拒絶反応のリスクは、タクロリムスで治療された対象(標準治療群)のリスクと同様であった。
実施例5.非臨床の薬物動態及び薬力学
1.薬物動態(PK)
IgG免疫グロブリンに典型的であるが、mAb1の排除の主要な経路は、血漿と平衡状態にある部位で起こるタンパク質分解性の異化作用を介する可能性が高い。さらに、mAb1−CD40複合体の結合及び内在化は、迅速な飽和性のクリアランス経路をもたらした。これは、約10〜20μg/mLでの屈曲点を示す非線形のmAb1血清中濃度−時間プロフィールによって示された。クリアランス全体に対するCD40介在性のクリアランスの寄与は、CD40発現、内在化及び受容体代謝回転速度のレベルと共にmAb1濃度に依存する。mAb1>10〜20μg/mLの血清中濃度について線形の動態が予想されるのに対し、より低い濃度では非線形動態が明らかになる。
2.薬力学(PD)
カニクイザルにおけるPK/PD研究では、PKプロフィールにおける屈曲点(約10μg/mL)は、独立したリンパ球標的飽和アッセイにおいて決定される場合のCD40飽和の低下と関係があった。したがって、この屈曲点は、CD40の飽和のレベルについてのマーカー及び標的エンゲージメントを示す証拠とみなされる。
CD40占有率と薬力学的活性との関連を、KLHで免疫を受けたアカゲザルにおいてさらに実証した。サルは、KLHで3回免疫を受けた(1回目は、投薬の約3週前であり、2回目は、mAb1投与の2週後であり、3回目は、mAb1の完全なウォッシュアウト後であった)。第2のKLHワクチン接種時の血漿中濃度>40μg/mLのmAb1によるCD40占有は、リコール抗体反応を完全に予防した。mAb1がなくなると、すべての動物は、第3のKLHに対する十分なメモリー抗体反応を開始した。これらの結果は、既存のメモリーB細胞の機能が影響を受けなかったことを示唆する。mAb1の完全な排除後、破傷風トキソイド(TTx)での免疫化は、治療されていない動物と同様の抗TTx−IgG/IgM力価をもたらし、mAb1排除後に十分なTDARが回復したことを実証した。
3.免疫原性
免疫抑制薬から予測される通り、アカゲザル(単一用量)における免疫原性データは、KLH−TDAR実験からの結果と一致しており、mAb1による十分なCD40占有下ではmAb1に対する免疫応答が開始されない可能性があることを裏付けた。
実施例6.CFZ533、すなわち遮断性の非細胞枯渇抗CD40モノクローナル抗体のインビトロ及びインビボ特性の特徴
1.方法
CD40に対するCFZ533の親和性の表面プラズモン共鳴分析
組換えCFZ533の結合分析を、ランニング緩衝液としてHBS−EP+を用いて25℃で実施した。典型的な結合分析サイクルは、3つのステップ(i)チップ表面上に固定されたタンパク質Aを介する抗体の捕捉、(ii)捕捉された抗CD40抗体へのCD40抗原の結合、及び(iii)タンパク質A表面の再生から構成されていた。抗原−抗体結合相互作用の反応速度定数を決定するために、ブランク注射からの反応を二重参照して、結合データを処理した。結合曲線を、Biacore T100 Evaluationソフトウェアの1:1相互作用モデルを使用して局所的に適合させて、反応速度定数を決定した。平衡解離定数(KD)の値を速度定数kd/kaの比として算出した。すべての結合測定は、2つの独立した実験で実施した。
FcγRIIIAに対するCFZ533の親和性の表面プラズモン共鳴分析
4−アミノ酸精製タグ(4APP;Novartis)及びAviビオチン標識タグ(GLNDIFEAQKIEWHE;Avidity)でタグ付けされたヒトFcγRIIIAの細胞外ドメインをGeneart:ヒトFcγRIIIA(CD16a)158V(Uniprot:P08637、17−199)、ヒトFcγRIIIA 158F(Uniprot:P08637、17−199)によって合成し、HEK293細胞において発現させ、抗4APP親和性クロマトグラフィーを用いて精製した。受容体を、ストレプトアビジンセンサーチップ(General Electric)に結合させたBirA(Avidity)を用いて部位特異的にビオチン標識し、異なるAbの平衡−結合レベルを、記載されている通りに表面プラズモン共鳴(T100、General Electric)によって分析した(Warncke et al.2012)。平衡解離定数(K)は、1:1モデルによって算出した。
ヒト白血球培養
全血バフィーコートは、健康なボランティアから採取された全血から得た。ヒト扁桃試料は、Ergolz Klinik(Liestal,Switzerland)(研究プロトコルNo.1000244 v.03;Ethikkommission beider Basel;EKBBによって承認されている)及びKantonspital(Liestal,Switzerland)(研究プロトコルNo.TRI0149 v.01;EKNZによって承認されている)の両方から得た。インビトロ培養実験については、詳細な方法についての補足資料を参照されたい。簡単に言うと、全血、単離されたPBMC、インビトロで得られた単球DC又はヒト扁桃B細胞を単一濃度の又は用量漸増のCFZ533又は適切な対照抗体と共にインキュベートした。経路遮断実験について、これらの培養物は、EC80濃度の組換えヒトCD154(5μg/ml)及びIL−4(75ng/ml)も含んでいた。インビトロアッセイの読み取りには、チミジン取り込み(H−TdR)によって評価される増殖、B細胞上の活性化分子CD69の発現のフローサイトメトリーに基づく評価及びELISAによって評価されるサイトカイン分泌が含まれていた。NHP全血及びPBMCについて、同様のアッセイを使用した。いくつかのヒト全血実験では、蛍光的にタグ付けしたCFZ533を使用してCD40受容体占有も調べた。適切な場合、GraphPad Prism(登録商標)ソフトウェアにおける線形回帰に基づく曲線適合を使用してIC50値を推定した。
インビトロ細胞枯渇アッセイ
詳細な方法についての補足資料を参照されたい。簡単に言うと、CFZ533がCD20posB細胞の枯渇を媒介する能力を、B細胞枯渇抗体リツキシマブと比較して、3日の期間にわたってヒト全血においてモニタリングした。CDCについて、CFZ533をウサギ補体の存在又は非存在下でRAJI B細胞と共にインキュベートし、細胞溶解を発光によって評価した。
CFZ533の内在化
蛍光的にタグ付けしたCFZ533及びrCD154の内在化を、ヒトB細胞株RI−1(Th’ng et al,1987)を使用してインビトロで評価した。CFZ533内在化のCD40依存性は、CD40ノックアウトRI−1細胞株を使用して評価した。内在化は、製造業者の指示書に従ってAmnis(登録商標)イメージフローサイトメーター(image flow cytometer)(Merck KHaA,Darnstadt)を使用して評価し、データはImageStream(登録商標)ソフトウェアを使用して解析した。
インビボ研究
単一用量薬物動態/薬力学的(PK/PD)研究は、7.5〜8.5歳(6.5±2.6kg)の、フィリピン(Siconbrec,Makati City,Philippines)で飼育下繁殖された、生物製剤治療を受けていないカニクイザル(Macaca fascicularis)を利用した。この研究は、動物福祉法及び認められている動物福祉の標準に関して国の法的規制の徹底順守で、認可された研究プロトコル及び地域の標準の手術手順に従って実施した。
PK研究では、CFZ533は、16.2(5532)、18.5(5531)及び20(5530)mg/kgの計算された単一用量で3匹の動物に投与された。CFZ533血清中濃度、末梢T及びBリンパ球の数及びCFZ533による末梢B細胞上のCD40占有の分析のために血液を採取した。リコールTDAR実験について、動物は、研究第8日(初回抗原刺激)及び43日(リコール;CFZ533治療中)にそれぞれAlum中のキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)で免疫を受けた。初回抗原刺激及びリコール免疫化の1日前並びに7、14及び21日後に血清を採取した。KLH特異的なIgM/IgG力価は、標準としてカニクイザル抗KLH IgM/IgG標準血清を使用するサンドイッチELISAを用いて決定した。PK評価は、上に記載している通りに実施した。PK及びTDAR実験の追加的詳細については、補足資料を参照されたい。
胚中心の組織学的分析
ホルマリン固定し、パラフィンワックスに包埋した(FFPE)脾臓及びリンパ節(腋窩、下顎及び腸間膜)の切片を、ヘマトキシリン及びエオジンで、且つ以下のマーカー:抗CD20抗体(M0755、Dako)、抗CD8抗体(RM−9116−SO、Medac)及びKi67(M7240、Dako)を用いる間接的な免疫ペルオキシダーゼ方法(DakoによるHRP+DAB)で染色した。すべてのスライドを評価し、染色の強度に従って(陰性〜強度)等級分けした。さらに、組織内のあらゆる免疫組織化学的染色された細胞の染色パターン及び分布も記載した。
実施例7.CFZ533は、ヒトCD40と結合し、複数のCD40発現細胞型のrCD154誘導性の活性化を阻害する。
表3は、組換えヒトCD40に対するCFZ533のKDが表面プラズモン共鳴によって0.3nMと決定され、したがってその親抗体HCD122(CFZ533の野生型IgG1バージョン)と非常に類似していたことを示す。
Figure 2021518854
図4Aは、複数のドナー(それぞれ5、32及び6人のドナー)からのヒト全血培養物、PBMC及び単離された扁桃B細胞のrCD154及びIL−4介在性の増殖(3H−TdR)に対するCFZ533の効果を示す。データは、正規化されたcpmとして示す(rCD154+IL−4=100;点線)。図4Bは、CFZ533が、一晩の培養後のrCD154刺激されたmoDCによるTNF−α産生を阻害したことを示す。図4Cは、CFZ533の添加の遅延がrCD154+IL−4介在性のヒトPBMC増殖を阻害したことを示す。rCD154+IL−4での刺激の1時間前、同時又は2及び6時間後にCFZ533をヒトPBMCに添加し、その後の4日間の培養後に増殖(3H−TdR)を評価した(点線及び破線は、rCD154+IL−4及び細胞+培地対照を表す)。すべてのデータについて、rCD154誘導性の刺激の読み取りの平均値及びSDを、対数変換したCFZ533濃度の関数としてグラフで示した。適切な場合、IC50値を、線形回帰に基づく曲線適合を使用して決定した。図4Dは、CFZ533によるCD40占有と経路遮断との関係を示す。10人のドナーからのヒト全血を用量漸増のCFZ533の存在下でrCD154と共に一晩培養した。経路活性化の程度(B細胞上の%CD69pos)及びCD40占有の程度(CFZ533をAlexaFlour 488標識して染色)を評価した。白丸及び黒丸は、それぞれCFZ533によって占有されるCD40の割合及びCD20pos B細胞上のCD69pos発現細胞の割合を、対数変換したCFZ533濃度の関数として示す(平均値及びSDを示す)。点線及び破線は、すべてのドナーに対して正規化されたrCD154誘導性のCD69発現及び細胞+培地対照培養物を表す。
図4は、CFZ533が複数のドナーからのヒト全血培養物、PBMC並びに精製された扁桃B細胞のrCD154誘導性の増殖をそれぞれ0.024μg/ml(0.16nM)、0.017μg/ml(0.12nM)及び0.071μg/ml(0.47nM)の力価(IC50値)で完全に阻害したことを示す。さらに、本発明者らは、CFZ533が初代単球由来樹状細胞(moDC)によるrCD154誘導性のTNF産生を0.04μg/ml(0.27nM)のIC50で完全に阻止したことを実証することができた(図4B)。
以前に公表されている通り、CFZ533は、カニクイザル由来のPBMCのrCD154誘導性の増殖を阻害した(Cordoba et al.,2015)。CFZ533は、ヒト、アカゲザル及びカニクイザル動物由来のPBMCのrCD154誘導性の増殖を同様の力価(それぞれ0.02、0.03及び0.01μg/mlのIC50)で阻害し、またこれらの種由来のB細胞上のCD40とおよそ0.2μg/mlのEC50値で結合することができた(表4を参照されたい)。
Figure 2021518854
上の細胞データは、CFZ533がrCD154の前に又はrCD154と同時に添加される実験から得られ、この抗体が内在性リガンドの結合を妨げることができたことを示している。本発明者らは、rCD154を含有する白血球培養の開始の最大6時間後のCFZ533の添加が、最小限の力価の損失を伴って、細胞活性化の完全な阻害をもたらすことを実証することもでき、これは、CFZ533がCD40から内在性リガンドを外して取って代わることができることを示している(図4C)。
本発明者らは、CFZ533によるCD40占有の程度と、経路阻害の程度との間の関係を評価することも望んでいた。それを行うために、本発明者らは、複数のドナーからの全血において、CFZ533によるCD40受容体占有及びrCD154誘導性のCD69を同時に評価した。図4Dは、CFZ533による少なくとも90%のCD40受容体占有率がCD40経路活性化の完全な遮断のために必要とされていたことを示す。受容体占有と経路阻害との間の同様の関係は、CD40経路活性化の読み取りとしてCD23及びCD54を使用しても認められた(データは示さない)。
実施例8:CFZ533は、インビトロで最小限の刺激の可能性を呈する
CFZ533がヒト白血球の活性化を刺激する能力を、全血におけるB細胞上の活性化分子CD69の増殖及び上方調節を使用して評価した。図5Aは、以下に関するデータを示す。i.複数のドナー(n=13)からのヒト全血を用量漸増のCFZ533と共にインキュベートし、培養の3日後に増殖(H−TdR)を評価した。ii.複数のドナー(n=26)からのヒトPBMCを用量漸増のCFZ533と共にインキュベートし、培養の3日後に増殖(H−TdR)を評価した。いずれのグラフについても、データは、対数変換したCFZ533濃度の関数として、正規化されたcpmの平均値及びSDとして示す(rCD154+IL−4=100;点線、細胞+培地=0;破線)。図5Bは、CFZ533が追加の刺激の存在下でヒトPBMC増殖を誘発しないことを示す。ヒトPBMCをIL−4(i)又は抗IgM F(ab’)2.(ii)の存在下において用量漸増のCFZ533で3日間刺激した。3H−TdR(cpm)の平均及びSDを、対数変換したCFZ533濃度の関数として示す。図5Cでは、ヒト全血(41人のドナー)が、刺激なし、CFZ533、アイソタイプ対照又はrCD154と共にどのように一晩培養されたか、またB細胞上のCD69発現がFACSによってどのように評価されたかを示す。それぞれの点は、単一のドナーからのデータを表し、平均の%CD69値は、水平な赤線によって示される。
図5Aは、CFZ533が、rCD154と対照的に、ヒト全血(1:10希釈)又はPBMCによるチミジン取り込みを誘発できなかったことを示す。CFZ533が増殖を誘発できないことは、IL−4又は抗IgMなどの追加の共刺激物質の添加によって影響を受けなかった(図5B)。本発明者らは、CFZ533が、やはりrCD154と対照的に、複数のドナーからの全血におけるB細胞上のCD69の上方調節を誘発できなかったことを実証することもできた(図5C)。最後に、CFZ533は、CD40を発現している単球由来DC又はヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)によるサイトカイン産生を誘発できなかった(データは示さない)。
実施例9:CFZ533は、細胞枯渇を媒介しない
CFZ533を、FcγR結合を阻止し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)を媒介できないことをもたらすことが以前に示されているN297A変異を含有するように操作した。CFZ533は、HCD122(野生型IgG1)と比較すると、FcγRIIIAと結合することができず(表5)、本発明者らは、結合のこの欠如が、CFZ533が細胞枯渇を媒介する能力にどのようにして影響を与えるかを調べることを望んでいた。
Figure 2021518854
図6Aは、用量漸増のCFZ533又は50μg/mlリツキシマブの存在下で72時間インキュベートされたヒト全血培養物からのデータを示す。B細胞数は、リンパ球FSC/SSCゲートの範囲内にあるCD45pos及びCD19pos事象に基づいて決定した。個々の抗体濃度についての結果を、治療していない試料に関して、残存するB細胞(パーセント)として算出し、対数変換した抗体濃度の関数としてグラフで示した(100%に補正し、点線として示した)。データは、8人の独立したドナーの平均値及びSDを表す。図6Bは、異なる濃度のリツキシマブ又はCFZ533及び一定濃度のウサギ補体と共にインキュベートしたRaji B細胞からの結果を示す。Raji細胞の濃度依存性の死滅を2時間後に分析し、ここで、細胞の生存率を、ルシフェラーゼを使用する各ウェル内のATP濃度の決定によって測定した。結果は、対数変換した抗体濃度の関数として、アイソタイプ対照に対して正規化された相対ルシフェラーゼ単位(RLU)として示す。
図6Aは、枯渇抗CD20抗体リツキシマブがヒト全血におけるB細胞のおよそ80%を排除することができたのに対して、CFZ533が細胞枯渇を少しも媒介できなかったことを示す。さらに、CFZ533は、リツキシマブとは対照的に、Raji B細胞の補体依存性細胞傷害(CDC)を媒介することができなかった(図6B)。
実施例10:CFZ533は、B細胞によってCD40依存的に内在化される
本発明者らは、次に、CFZ533が、ヒトB細胞株RI−1において発現しているCD40によって内在化される可能性があるかどうかを調べることを望んでいた。図7Aは、rCD154が、非許容条件(4℃)と比較して、許容条件(37℃)下で内在化された(ここで、rCD154の弱い染色を原形質膜上に観察することができた)ことを示す。CFZ533も内在化されたが、37℃において残留する膜染色が確かにあるように見えた。図7Bは、rCD154の内在化の程度が、CFZ533について観察されるものよりも大きいように見えることを示した。本発明者らは、CD40ノックアウトRI−1 B細胞株を使用して、CFZ533(図7C)及びrCD154(データは示さない)の結合及び内在化がCD40依存性であることを実証することができた。
図7Aは、AlexaFlour 488で標識したrCD154又はCFZ533と共に37℃又は4℃で3時間培養した個々のRI−1 B細胞の代表的な画像を示す。図7B.許容条件下でのCFZ533及びrCD154の相対的な内在化侵食(非許容侵食値を引いたもの)。それぞれの点は、個々の実験からのデータを表し、集団平均は、水平な赤線として示される。図7C.Alexa488で標識したCFZ533と共に37℃で3時間培養した個々のCD40発現又はCD40ノックアウトRI−1細胞の代表的な画像。すべての実験において、細胞膜の境界を明確にするために、細胞は、AlexaFlour 647標識されたCD45で共染色した。
実施例11:非ヒト霊長類におけるCFZ533の薬物動態特性
図8A.16.2(5532)、18.5(5531)及び20(5530)mg/kg(静脈内)の計算された用量での単一用量投与後の3匹のカニクイザルにおけるCFZ533の血清中濃度。図8B.CD40占有率:利用可能なCD40(パーセント)(i)及び総CD40(パーセント)(ii)C.末梢B/T細胞:単回投与後の末梢血B細胞の割合。第0日は、CFZ533が投与されたときである。
上のデータは、CFZ533がNHP CD40に結合し、NHP B細胞のrCD154誘導性の活性化を同様の力価で阻害することができたことを示した。これは、カニクイザル及びアカゲザルが、CFZ533 PKとPDとの間の関係を調べるインビボ研究に適した種であろうことを示唆している。図8A中のデータは、CFZ533の単回静脈内投与(16.2、18.5及び20mg/kgの計算された用量)後の3匹のカニクイザルのPKプロフィールを示す。内在化している膜結合型抗原を標的にするモノクローナル抗体に典型的であるが(Mager et al.2006及びNg et al.2006)、CFZ533濃度の時間経過は、明らかな標的介在性の消失を呈し、非線形PKプロフィール並びに濃度依存性のクリアランス速度及び半減期がもたらされた。PKプロフィールにおいて観察される屈曲点は、標的エンゲージメントのマーカーであり、CFZ533のクリアランス全体へのCD40の寄与の増大及びより短い半減期と関連している。さらに、PKプロフィールにおける屈曲点は、CD40飽和の低下が観察される時間と一致していた(図8B、i)。これは、CFZ533がより急速な排除を受けた場合、およそ10〜20μg/mlで起こった。すべての動物において、細胞上のCD40受容体発現の喪失は存在しなかった(図8B、ii)。さらに、CFZ533は、研究全体を通したいくつかの観察される変動にもかかわらず、末梢血B細胞(図8C)又はT細胞(データは示さない)を枯渇させなかった。
実施例12:CFZ533は、リコールT細胞依存性抗体産生を阻害する
図9Aは、リコールTDARに対するCFZ533の効果を評価するための実験設計の概略図を示す。x軸よりも下の矢印は、一次及び二次KLH免疫化を強調する。単一用量の10mg/kg CFZ533のタイミングを上に示す。アスタリスクは、抗KLH IgG及び/又はCFZ533濃度が測定された時点を示す。図9B.各グラフは、個々の動物についての抗KLH IgG(黒塗記号)及び血漿CFZ533濃度(対数スケール;実線)を示す。対照動物からの平均抗KLH IgGレベル(白抜き記号)を比較目的で各グラフに重ね合わせる。図9C.CFZ533を使用する1mg/kg/週の皮下反復投与(26週研究)から得られるアカゲザルからのmLNにおける胚中心(Ki67染色)の組織学的分析。6匹の動物からの代表的なmLN切片を、(i)対照の画像、(ii).iii.治療期間の最後の個々の動物からの投薬期間にわたる平均の定常状態CFZ533血清中濃度と共に示す。
CD40が遮断されることの予測される狙い通りのPD効果は、TDARの阻害である(Kawabe et al.1994)。CFZ533は、NHP及びヒトにおける一次TDARを阻害し、本発明者らは、リコールTDARに対するこの抗体の効果を調べることも望んでいた。その実験設計の概要を図9Aに示す。簡単に言うと、4匹のアカゲザルは、研究第1日の10mg/kgでのCFZ533の単回静脈内投与前、研究第−28日(初回抗原刺激)にAlum中のKLHで免疫を受け、それに続いて研究第15日に第2のKLH免疫化を行った。
図9Bは、4匹のそれぞれの動物における、免疫を受けた対照(CFZ533なし)からのデータと比較した、抗KLH IgGリコール反応に対するCFZ533の効果を示す。CFZ533のPKプロフィールでは、動物間の変動性が存在しており、動物#1及び#3では、より迅速なCFZ533の排除が観察された。動物#2及び#4では、より長い期間、より高い血漿中濃度が観察された。興味深いことに、これらの動物は、研究第15日での抗KLH IgG(及びIgM;データは示さない)リコール反応の完全な抑制を示した(すべての動物は、KLHに対する一次TDARを開始したことに留意されたい)。対照的に、より迅速なCFZ533のクリアランスを有する動物(動物#1と比較すると、動物#3がより大きい遅延)では、特に血清CFZ533濃度が第2のKLH免疫化の時点でおよそ40μg/ml未満である場合、抗KLH IgG反応が(いくらかの遅れを伴っているが)観察された。移植された(Cordoba et al.2015)及び移植されていない(図8B)動物における、CFZ533での以前のインビボ実験で観察されている通り、末梢B細胞枯渇は、観察されなかった(データは示さない)。
上の結果は、NHPにおけるリコールTDARの完全な抑制のためにおよそ40μg/mlよりも高いCFZ533血清中濃度が必要であることを示した。本発明者らは、CFZ533曝露とCD40経路関連の組織薬力学的効果との間の関係をさらに調べることを望んでいた。1mg/kg/週のCFZ533(皮下)での26週の毒性研究の停止時、本発明者らは、腸間膜リンパ節(mLN)におけるGCの組織学的及び分子的分析を実施した。図9C(i)は、本発明者らが、投与された6匹の動物のうち、3匹の個体においてGCの完全な抑制を観察することができたのに対して、残りの動物のmLNでは依然としてGCが観察されたことを示す。図9C(iii)は、少なくとも38μg/mLの血清中濃度(投薬期間にわたる平均の定常状態濃度)がリンパ節の皮質B細胞領域におけるGC発達の完全な抑制を伴っていたのに対して、全血CD20posB細胞上の十分なCD40占有にもかかわらず(動物26842及び26772;データは示さない)、GCの不完全な抑制(動物26842)又は抑制なし(動物26772及び26837)が20μg/mL未満の血清中濃度で観察されたことを示す。末梢B細胞枯渇の証拠は存在しなかった(データは示さない)。
追加の好ましい実施形態
A.ADCC活性が抑制された抗CD40抗体であって、治療有効量の前記抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む、膵島炎の治療に使用するためのものであり、負荷投薬、それに続く維持投薬によって投与され、且つ投与経路は、皮下若しくは静脈内又は皮下若しくは静脈内の組み合わせである、抗CD40抗体。
B.負荷投薬は、第1の用量として静脈内注射を介して投与され、且つ維持投薬は、第1の用量と異なる第2の用量として皮下注射を介して投与される、実施形態Aに記載の使用のための抗体。
C.負荷用量は、患者の1キログラムあたり約3mg〜約60mgの抗体である、実施形態A又はBに記載の使用のための抗体。
D.患者は、小児患者である、実施形態A〜Cに記載の使用のための抗体。
E.負荷用量は、第1日に静脈内に投与される30mg/kgであり、且つ維持用量は、第8日に開始する週1回の100mg〜350mgの固定用量として皮下投与される、実施形態Dに記載の使用のための抗体。
F.維持用量は、
a.20kg〜30kgの体重を有する体重カテゴリーIの患者について135mg;
b.30kg〜50kgの体重を有する体重カテゴリーIIの患者について195mg;及び
c.50kgを超える体重を有する体重カテゴリーIIIの患者について300mg
の用量で、第8日に開始する週1回の体重ごとの固定用量として皮下投与される、実施形態Eに記載の使用のための抗体。
G.a.体重カテゴリーIの患者は、0.9mlの単回注射の形式で各維持用量を受けることとなり;及び
b.体重カテゴリーIIの患者は、1.3mlの単回注射の形式で各維持用量を受けることとなるか;又は
c.体重カテゴリーIIIの患者は、2mlの単回注射又は1mlの2回の注射の形式で各維持用量を受けることとなる、実施形態Fに記載の使用のための抗体。
H.治療は、第1日後、52週まで継続される、実施形態A〜Gに記載の使用のための抗体。
I.患者の年齢範囲は、6〜21歳である、実施形態Dに記載の使用のための抗体。
J.a.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
b.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
c.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
d.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体
からなる群から選択される、先の実施形態A〜Iに記載の使用のための抗体。
K.配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む、実施形態Jに記載の使用のための抗体。
L.CFZ533である、実施形態J又はKに記載の使用のための抗体。
M.治療有効量の、実施形態A〜Lのいずれかに記載の使用のための抗体と、1種以上の薬学的に許容し得る担体とを含む医薬組成物。
N.ヒト対象における膵島炎を治療する方法であって、治療有効用量の、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体を前記対象に投与することを含み、前記抗体は、負荷投薬、それに続く維持投薬によって投与され、且つ投与経路は、皮下若しくは静脈内又は皮下若しくは静脈内の組み合わせである、方法。
O.負荷投薬は、第1の用量の静脈内注射を介して投与され、且つ維持投薬は、第1の用量と異なる第2の用量の皮下注射を介して投与される、実施形態Nに記載の方法。
P.負荷用量は、患者の1キログラムあたり約3mg〜約60mgの抗体である、実施形態Oに記載の方法。
Q.患者は、小児患者である、実施形態N〜Oに記載の方法。
R.負荷用量は、第1日に静脈内に投与される30mg/kgであり、且つ維持用量は、第8日に開始する週1回の100mg〜350mgの固定用量として皮下投与される、実施形態Qに記載の方法。
S.維持用量は、
a.20〜30kgの体重を有する体重カテゴリーIの患者について135mg;
b.30〜50kgの体重を有する体重カテゴリーIIの患者について195mg;及び
c.50kgを超える体重を有する体重カテゴリーIIIの患者について300mg
の用量で、第8日に開始する毎週の体重ごとの固定用量として皮下投与される、実施形態Rに記載の方法。
T.a.体重カテゴリーIの患者は、0.9mlの単回注射の形式で各維持用量を受けることとなり;及び
b.体重カテゴリーIIの患者は、1.3mlの単回注射の形式で各維持用量を受けることとなるか;又は
c.体重カテゴリーIIIの患者は、2mlの単回注射又は1mlの2回の注射の形式で各維持用量を受けることとなる、実施形態Sに記載の方法。
U.治療は、第1日後、52週までにわたって継続される、実施形態Tに記載の方法。
V.患者の年齢範囲は、6〜21歳である、実施形態Q〜Uに記載の方法。
W.抗体は、
a.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
b.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
c.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
d.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体
からなる群から選択される、実施形態N〜Vに記載の方法。
X.抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む、実施形態Wに記載の治療の方法。
Y.抗体は、CFZ533である、実施形態W又はXに記載の治療の方法。
Z.T1DMの治療のための医薬品の製造のための、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体、緩衝液、安定剤及び可溶化剤を含む液体医薬組成物の使用であって、抗CD40抗体は、
1.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
2.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
3.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;
4.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
5.配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む抗CD40抗体
からなる群から選択される、使用。
AA.膵島炎の治療のための医薬品の製造のための、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体、緩衝液、安定剤及び可溶化剤を含む液体医薬組成物の使用であって、抗CD40抗体は、
1.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
2.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
3.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;
4.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
5.配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む抗CD40抗体
からなる群から選択される、使用。
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Claims (26)

  1. ADCC活性が抑制された抗CD40抗体であって、治療有効量の前記抗体を、それを必要とする患者に投与することを含む、T1DMの治療に使用するためのものであり、負荷投薬、それに続く維持投薬によって投与され、且つ投与経路は、皮下若しくは静脈内又は皮下若しくは静脈内の組み合わせである、抗CD40抗体。
  2. 前記負荷投薬は、静脈内注射を介して投与され、且つ前記維持投薬は、皮下注射を介して投与される、請求項1に記載の使用のための抗体。
  3. 負荷用量は、前記患者の1キログラムあたり約3mg〜約60mgの抗体である、請求項1又は2に記載の使用のための抗体。
  4. 前記患者は、小児患者である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
  5. 前記負荷用量は、第1日に静脈内に投与される30mg/kgであり、且つ維持用量は、第8日に開始する週1回の100mg〜350mgの固定用量として皮下投与される、請求項4に記載の使用のための抗体。
  6. 前記維持用量は、
    a.20kg〜30kgの体重を有する体重カテゴリーIの患者について135mg;
    b.30kg〜50kgの体重を有する体重カテゴリーIIの患者について195mg;及び
    c.50kgを超える体重を有する体重カテゴリーIIIの患者について300mg
    の用量で、第8日に開始する週1回の体重ごとの固定用量として皮下投与される、請求項5に記載の使用のための抗体。
  7. a.前記体重カテゴリーIの患者は、0.9mlの単回注射の形式で各維持用量を受けることとなり;及び
    b.前記体重カテゴリーIIの患者は、1.3mlの単回注射の形式で各維持用量を受けることとなるか;又は
    c.前記体重カテゴリーIIIの患者は、2mlの単回注射又は1mlの2回の注射の形式で各維持用量を受けることとなる、請求項6に記載の使用のための抗体。
  8. 前記治療は、第1日後、52週まで継続される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
  9. 前記患者の年齢範囲は、6〜21歳である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
  10. a.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
    b.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
    c.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
    d.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体
    からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
  11. 配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項10に記載の使用のための抗体。
  12. CFZ533である、請求項10又は11に記載の使用のための抗体。
  13. 治療有効量の、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用のための抗体と、1種以上の薬学的に許容し得る担体とを含む医薬組成物。
  14. ヒト対象におけるT1DMを治療する方法であって、治療有効用量の、ADCC活性が抑制された抗CD40抗体を前記対象に投与することを含み、前記抗体は、負荷投薬、それに続く維持投薬によって投与され、且つ投与経路は、皮下若しくは静脈内又は皮下若しくは静脈内の組み合わせである、方法。
  15. 前記負荷投薬は、第1の用量の静脈内注射を介して投与され、且つ前記維持投薬は、第1の用量と異なる第2の用量の皮下注射を介して投与される、請求項14に記載の方法。
  16. 負荷用量は、前記患者の1キログラムあたり約3mg〜約60mgの抗体である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記患者は、小児患者である、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記負荷用量は、第1日に静脈内に投与される30mg/kgであり、且つ維持用量は、第8日に開始する週1回の100mg〜350mgの固定用量として皮下投与される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記維持用量は、
    a.20〜30kgの体重を有する体重カテゴリーIの患者について135mg;
    b.30〜50kgの体重を有する体重カテゴリーIIの患者について195mg;及び
    c.50kgを超える体重を有する体重カテゴリーIIIの患者について300mg
    の用量で、第8日に開始する週1回の体重ごとの固定用量として皮下投与される、請求項18に記載の方法。
  20. a.前記体重カテゴリーIの患者は、0.9mlの単回注射の形式で各維持用量を受けることとなり;及び
    b.前記体重カテゴリーIIの患者は、1.3mlの単回注射の形式で各維持用量を受けることとなるか;又は
    c.前記体重カテゴリーIIIの患者は、2mlの単回注射又は1mlの2回の注射の形式で各維持用量を受けることとなる、請求項19に記載の方法。
  21. 前記治療は、第1日後、52週までにわたって継続される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記患者の年齢範囲は、6〜21歳である、請求項17〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記抗体は、
    a.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
    b.配列番号1、配列番号2及び配列番号3として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号4、配列番号5及び配列番号6として記述される高頻度可変領域を含む免疫グロブリンVLドメインとを含む抗CD40抗体;
    c.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号13のFc領域とを含む抗CD40抗体;及び
    d.配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVHドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリンVLドメインと、配列番号14のFc領域とを含む抗CD40抗体
    からなる群から選択される、請求項14〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列及び配列番号10の軽鎖アミノ酸配列;又は配列番号11の重鎖アミノ酸配列及び配列番号12の軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項23に記載の治療方法。
  25. 前記抗体は、CFZ533である、請求項23又は24に記載の治療方法。
  26. 前記患者は、T1DMの診断後、100日以内に治療される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の使用のための抗体。
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