JP2021509007A - トロポロンをアッセイする方法 - Google Patents

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Abstract

例えば、生成物(例えば組換えタンパク質、例えば抗体)の産生中に生成された、及び、その最終製剤中のトロポロンを検出及び/又は定量するために有用な方法が本明細書で開示される。トロポロン及びその誘導体(シクロヘプタトリエンケトン)は、トロポロン様化合物に(共有)結合する部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール(例えばペンタフルオロフェニルプロピル)を添加することによって混合物から分離される。その後、トロポロン及びその誘導体は、UV又はタンデム質量分析によりアッセイされる。トロポロン様化合物とフッ素化アルキル又はアリールとの反応混合物も開示される。【選択図】 図1

Description

発明の詳細な説明
本出願は、2017年12月5日出願の米国特許仮出願第62/594,863号の優先権を主張し、当該出願の全内容は、参照により本明細書に組み込む。
[発明の分野]
本開示は、生成物、例えば組換えタンパク質、例えば抗体の産生中にトロポロンを検出及び/又は定量する方法に関する。
[背景]
トロポロン(2−ヒドロキシ−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オン)は、バイオ製造において使用される細胞等の、細胞の成長に必須の金属イオンの取り込みを促進するために細胞培養培地で使用される低分子である。トロポロンは、製品の製造プロセス中に細胞培養物に添加される合成化学物質であるから、多くの場合、生物由来生成物を管理する規制当局によりトロポロンクリアランスが表示されることが要求される。
それゆえ、様々なバイオ医薬製品において、単純、迅速、効率的な様式でトロポロンを分離、検出及び定量する方法についての要求が存在している。
[概要]
本明細書で説明される方法及び組成物は、式Iの化合物、例えばトロポロンを他の試料成分から迅速且つ容易に分離すること、及び式Iの化合物、例えばトロポロンについてレベル及びクリアランスを試験することを提供する。このことは、生成物純度の評価を可能にする。本明細書で説明される方法及び組成物は、式Iの化合物、例えばトロポロンについての規制遅延及び時間並びに資源消費試験を最小化することができる。
したがって、一態様において、本発明は、式Iの化合物、例えばトロポロンを試料の別の成分から分離する方法であって、
試料を部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール、例えばフルオロフェニル、例えばペンタフルオロフェニルプロピル部分と、式Iの化合物、例えばトロポロンが、成分よりも大きく部分と関連付けられている、例えば部分に結合するか、又は部分によって保持される条件下で、接触させるステップと、
それによって、式Iの化合物、例えばトロポロンを成分から分離するステップと、
を含み、
式Iが、
Figure 2021509007

{式中、
Xは、O又はSであり、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであるか、又は
2つのRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成するか、若しくはR及びRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成し、
は、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
4a及びR4bは独立して、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
は、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、ハロ、オキソ又はシアノであり、
nは、0、1、2、4又は5である}
である、方法を対象とする。
別の態様では、本発明は、生成物を含む試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンの存在、例えばレベルを評価する方法であって、
a)i)一定分量の試料、例えば式Iの化合物(例えばトロポロン)枯渇相、例えば移動相を用意するステップであって、式Iの化合物、例えばトロポロンが、試料の別の成分から分離されている、ステップ、又は
ii)試料を、式Iの化合物、例えばトロポロンが、試料の別の成分から分離される条件に供して、例えば、式Iの化合物、例えばトロポロン富化相又は一定分量及び式Iの化合物、例えばトロポロン枯渇相又は一定分量を形成するステップと、
b)式Iの化合物、例えばトロポロンの存在、例えばレベルを評価する、例えば、試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を、
i)タンデム質量分析(MS)を使用して、又は
ii)紫外線(UV)吸収、例えば約242nm又は約238nmでのUV吸収を使用して
決定するステップと、
それによって、試料を分析するステップと、
を含む方法を対象とする。
別の態様では、本発明は、部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール、例えばフルオロフェニル、例えばペンタフルオロフェニルプロピル部分と、式Iの化合物、例えばトロポロン、別の成分及び任意選択で生成物を含む試料とを含む反応混合物を対象とする。
別の態様では、本発明は、生成物、例えば組換えポリペプチドを製造する方法であって、生成物と任意選択で式Iの化合物、例えばトロポロンとを含む試料を用意するステップを含み、
試料が、本明細書で説明される方法によって分析されるか、又は
式Iの化合物、例えばトロポロンが、本明細書で説明される方法によって試料の別の成分から分離される、
方法を対象とする。
図1は、UV検出を使用するRP−HPLCによるトロポロン分離のクロマトグラムの2つのビューを示す。下部のビューは、上部のビューを拡張したビューである。 図2は、Luna−NHカラムを使用した分離後の表1のSRM遷移の全イオン電流(TIC:total ion current)トレースを示す。 図3は、Discovery HS F5−3(Supelco)カラムを使用した分離後の表1のSRM遷移のTICトレースを示す。 図4は、水中のトロポロン標準の較正曲線プロットを示し、直線範囲を測定するグラフを示す。 図5は、プロセス試料における3つのTICトレースを示し、各々は、トロポロンピークを示さない。 図6は、トロポロンを加えたプロセス試料(上部の3つ)又はトロポロンを加えていないプロセス試料(下部の3つ)における3つのTICトレースを示す。 図7は、242nm(上部)及び238nm(下部)でのUV吸収を使用して、実施例2で決定されるクロマトグラフィー法によりプロセスされるトロポロン標準中のトロポロンを検出する2つのクロマトグラムを示す。 図8A及び8Bは、本開示の例示的なLC法の詳細なパラメーターを示す。 図8A及び8Bは、本開示の例示的なLC法の詳細なパラメーターを示す。
[詳細な説明]
組換えバイオ医薬タンパク質がヒト患者への投与に許容されるためには、製造及び精製プロセスから生ずる残留汚染物質が最終生物由来生成物、例えば組換えポリペプチドから除去されていることが重要である。これらのプロセス汚染物質は、細胞を培養する過程及び生物由来生成物を精製する過程で培養培地に添加された化合物を含む。
米国及び他の国の規制は多くの場合、そのような汚染物質の除去を必要とする。例えば、米国食品医薬品局(FDA)は、in vivoヒト使用に意図されるバイオ医薬品が異物免疫グロブリン及び非免疫グロブリン不純物を可能な限り含まないべきであることを要求し、潜在的な不純物の検出及び定量のための試験を要求している。なお、ハーモナイゼーション国際会議(ICH)は、バイオテクノロジー/生物由来生成物についての試験手技及び承認基準についてのガイドラインを提供している。
トロポロン(2−ヒドロキシ−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オン)は、7員芳香環である。それは、化粧品及び局所医薬製剤中の抗酸化物質としての使用、日焼け止め中のUV吸収剤としての使用、及びカテコール−O−メチル−トランスフェラーゼ(COMT)阻害剤としての使用を含む、いくつかの使用を有する。トロポロンは、細胞培養培地に添加されて、培養細胞における金属イオンの取り込みを促進することができる。一部の実施形態では、トロポロンは、0.1、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9又は10mg/ml未満又はこれに等しい濃度で細胞培養培地に添加される。
一部の実施形態では、式Iの化合物、例えばトロポロンは、細胞培養培地に添加されて、培養細胞における金属イオンの取り込みを促進することができる。一部の実施形態では、式Iの化合物、例えばトロポロンは、0.1、0.5、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9又は10mg/ml未満又はこれに等しい濃度で細胞培養培地に添加される。
多くの規制当局は、生物由来生成物を産生するために使用される細胞培養物に添加される合成化学物質としての式Iの化合物、例えばトロポロンの生物由来生成物からのクリアランスの実証を、例えばそれらがin vivoヒト使用について安全であることが宣言され得る前に、要求している。生物由来生成物を製造又は産生する多くの方法は、アフィニティクロマトグラフィーステップを含み、例えば、所望の生物由来生成物を選択的に保持する樹脂を含むカラムを使用し、式Iの化合物、例えばトロポロンは、所望の生物由来生成物の溶離前にそのようなアフィニティカラムを通過し得ることが予想される。任意の残留する式Iの化合物、例えばトロポロンは、(i)残留する可能性のある式Iの化合物、例えばトロポロンを生物由来生成物の他の成分から分離するための好適なクロマトグラフィーステップと、(ii)式Iの化合物、例えばトロポロンの存在及び存在量を決定するための好適な検出及び/又は定量ステップとを使用して生物由来生成物の試料中でアッセイされ得る。好適なクロマトグラフィーステップ及び検出法は、本明細書で説明される。
本開示は、特に、生成物と任意選択で式Iの化合物、例えばトロポロンとを含む試料を分析して、試料中に存在する式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定する方法であって、以前に使用可能な方法(例えばRP−HPLC及びUV/蛍光検出)と比較した場合、検出の直線範囲、精度、正確さ及び限界のうちの1つ又は複数に関して優れている方法を説明する。一部の実施形態では、本開示の方法は、以前に使用可能な方法(例えばRP−HPLC及びUV/蛍光検出)と比較した場合、ある範囲の生成物及び/又は生成物製剤にわたり検出の直線範囲、精度、正確さ及び限界のうちの1つ又は複数に関して影響を受けないか、又はあまり悪影響を受けない(例えばほぼ影響を受けない)。例えば、本開示の方法は、正確さにおける顕著な低下を伴わずに、様々な緩衝液成分を含む試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することができ、一方で、以前に使用可能な方法は、1つの緩衝液成分を含む試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定し得るが、別の緩衝液成分を含む試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定する場合に正確さの低下を示す。
一部の実施形態では、本開示の方法は、試料中に存在する式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関して、約0.1〜10000、0.2〜8000、0.3〜7000、0.4〜6000、0.5〜5000、0.5〜4000、0.5〜3000、0.5〜2000又は0.5〜1000μg/ml、例えば0.5〜1000μg/mlの直線範囲を有する。一部の実施形態では、本開示の方法は、試料中に存在する式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関して、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1μg/ml、例えば0.5μg/mlの直線範囲の下限を有する。一部の実施形態では、本開示の方法は、試料中に存在する式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関して、約500、600、700、800、900、1000、1200、1400、1600、1800、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000又は10,000μg/ml、例えば1000μg/mlの直線範囲の上限を有する。
一部の実施形態では、本開示の方法は、試料中に存在する式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関して、反復試料間の標準偏差により表される精度を有する。同じ実施形態では、精度は、約50、40、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1%、例えば17、16.5又は16%未満又はこれに等しい場合がある。
一部の実施形態では、本開示の方法は、試料中に存在する式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関して、3つの異なる試料中の単一点スパイク回復平均により表される正確さを有する。同じ実施形態では、正確さは、約70、75、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94又は95%、例えば91%を超えるか、又はこれに等しい場合がある。
一部の実施形態では、本開示の方法は、試料中に存在する式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関して、検出下限を有する。同じ実施形態では、検出下限は、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10μg/mlであり得る。
本開示は、特に、生成物、例えば組換えポリペプチドを製造する方法であって、生成物の試料が、式Iの化合物、例えばトロポロンの存在又はレベルについて本明細書で説明される試料を分析する方法によって分析される、方法をさらに説明する。
一部の実施形態では、試料は、例えば化粧品処方における使用のための生成物を含む、化粧品処方の試料である。
一部の実施形態では、試料は、例えば医薬製剤における使用のための生成物を含む、局所医薬製剤の試料である。
一部の実施形態では、試料は、例えば日焼け止めにおける使用のための生成物、例えば式Iの化合物、例えばトロポロン及び/又は日焼け止めにおける使用のための別の生成物、例えば別のUV遮断薬を含む、日焼け止めの試料である。
一部の実施形態では、試料は、例えばCOMT阻害剤としての使用のための生成物、例えば式Iの化合物、例えばトロポロン及び/又はCOMT阻害剤としての使用のための別の生成物を含む、COMT阻害剤の試料である。一部の実施形態では、試料は、L−DOPA(例えばレボドパ又はL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン)及び/又は芳香族L−アミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤(例えばDOPAデカルボキシラーゼ阻害剤、DDCI又はAAADI)を含む試料である。
本開示は、特に、フルオロフェニル部分、例えばペンタフルオロフェニルプロピル基と試料とを含む反応混合物であって、試料が、式Iの化合物、例えばトロポロン、別の成分及び任意選択で生成物を含む、反応混合物をさらに説明する。一実施形態では、そのような反応混合物は、式Iの化合物、例えばトロポロンを成分から分離するため及び/又は生成物から分離するために、さらなる実施形態では、次に式Iの化合物、例えばトロポロンの存在を検出するため又は式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルを決定するために有用であり得る。反応混合物の部分は、基質と関連付けられており、例えば基質に結合し、例えば基質に共有結合してもよく、基質は、不溶性基質、例えばクロマトグラフィーマトリックス、樹脂、ゲル又はビーズ、例えばシリカ、アガロース、セルロース、デキストラン、ポリアクリルアミド若しくはラテックスマトリックス、樹脂、ゲル又はビーズを含む。
[定義]
別に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって通常理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で説明される方法及び材料と同様又は均等の任意の方法及び材料は、本発明の実施において使用される場合、及び/又は本発明の試験のために使用される場合があるが、好ましい材料及び方法は、本明細書で説明される。本発明の説明及び請求において、定義が提供される以下の用語は、それがどのように定義されるかに従って使用される。
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためのみであり、限定であるとは意図されないことも理解されるべきである。
冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法的目的物のうちの1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために本明細書で使用される。例として、「a cell(細胞)」は、1つの細胞又は2つ以上の細胞を意味し得る。
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」は一般的に、測定の性質又は精度が与えられる測定される量についての誤差の許容可能な程度を意味する。例示的な誤差の程度は、所与の値又は値の範囲の20パーセント(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。
本明細書で使用される場合、「半定量的」という用語は、各個々の種についての特定の標準への参照を伴わない質量分析による様々な化学種の相対評価を指す。
本明細書で使用される場合、「内因性」という用語は、生物、細胞、組織又は系からの任意の材料、又はこれらの内側で天然に産生された任意の材料を指す。
本明細書で使用される場合、「外因性」という用語は、生物、細胞、組織又は系に導入された任意の材料、又はこれらの外側で産生された任意の材料を指す。したがって、「外因性核酸」とは、生物、細胞、組織又は系に導入された核酸、又はこれらの外側で産生された核酸を指す。一実施形態では、外因性核酸の配列は、外因性核酸が導入される生物、細胞、組織又は系の内側で天然に産生されないか、又は天然に見出すことができない。一実施形態では、外因性核酸の配列は、非天然配列であるか、又は非天然生成物をコードする。
本明細書で使用される場合、「異種の」という用語は、異なる種からの生物、細胞、組織又は系に導入された場合の、1つの種からの任意の材料を指す。
本明細書で使用される場合、「核酸」、「ポリヌクレオチド」又は「核酸分子」という用語は、互換的に使用され、一本鎖又は二本鎖形態の、デオキシリボ核酸(DNA)若しくはリボ核酸(RNA)又はそのDNA若しくはRNAの組合せ及びそのポリマーを指す。「核酸」という用語には、遺伝子、cDNA又はmRNAが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、核酸分子は、合成(例えば化学合成又は人工)又は組換えである。特に限定しない限り、この用語は、参照核酸と類似する結合特性を有し、天然又は非天然ヌクレオチドと類似する様式で代謝される天然ヌクレオチドのアナログ又は誘導体を含有する分子を包含する。別に示さない限り、また、特定の核酸配列は、明確に示される配列はもちろん、その保存的改変バリアント(例えば縮重コドン置換)、対立遺伝子、オルソログ、SNP及び相補配列を暗に包含する。特に、縮重コドン置換は、1つ又は複数の選択される(又は全ての)コドンの第3番目の位置が混合塩基及び/又はデオキシイノシン残基により置換されている配列を生成することによって達成され得る(Batzerら、Nucleic Acid Res.19:5081(1991);Ohtsukaら、J.Biol.Chem.260:2605〜2608(1985);及びRossoliniら、Mol.Cell.Probes 8:91〜98(1994))。
本明細書で使用される場合、「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、互換的に使用され、ペプチド結合によって、又はペプチド結合以外の手段によって共有結合されたアミノ酸残基からなる化合物を指す。タンパク質又はペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含有しなければならず、タンパク質の配列又はペプチドの配列を構成し得るアミノ酸の最大数についての限定はない。一実施形態では、タンパク質は、2つ以上の、例えば2、3、4、5つ又はそれよりも多いポリペプチドからなる場合があり、各ポリペプチドは、共有結合又は非共有結合/相互作用のいずれかによって別のポリペプチドと関連付けられている。ポリペプチドは、ペプチド結合によって、又はペプチド結合以外の手段によって互いに接合された2つ又はそれよりも多いアミノ酸を含む任意のペプチド又はタンパク質を含む。本明細書で使用される場合、この用語は、当該技術分野で例えばペプチド、オリゴペプチド及びオリゴマーとも通常呼ばれる短鎖、及び当該技術分野でタンパク質と一般的に呼ばれ、タンパク質には多くの種類がある長鎖の両方を指す。「ポリペプチド」には、数ある中で、例えば、生物学的に活性な断片、実質的に相同のポリペプチド、オリゴペプチド、ホモダイマー、ヘテロダイマー、ポリペプチドのバリアント、改変ポリペプチド、誘導体、アナログ、融合タンパク質が含まれる。
本明細書で使用される場合、「生成物」とは、生成物を産生するように改変又は操作された細胞によって産生される、例えば発現される分子、核酸、ポリペプチド又はそれらの任意のハイブリッドを指す。一実施形態では、生成物は、天然生成物又は非天然生成物、例えば合成生成物である。一実施形態では、生成物の一部分は天然であり、一方で、生成物の別の部分は非天然である。一実施形態では、生成物はポリペプチド、例えば組換えポリペプチドである。一実施形態では、生成物は、診断又は前臨床使用に好適である。別の実施形態では、生成物は、治療的使用のため、例えば疾患の処置のために好適である。一実施形態では、生成物は、表1、表2、表3又は表4から選択される。一実施形態では、改変又は操作された細胞は、発現を制御するか、又は生成物をコードする外因性核酸を含む。他の実施形態では、改変又は操作された細胞は、例えば核酸ではない、細胞内で生成物の発現又は構築を制御する他の分子を含む。
一実施形態では、細胞の改変は、内因性核酸配列、例えば内因性遺伝子の発現を制御又は変更、例えば増大する核酸配列を含む外因性核酸の導入を含む。そのような実施形態では、改変された細胞は、細胞によって天然に、又は内因的に発現される内因性ポリペプチド生成物を産生するが、改変は、非改変細胞と比較して、例えばポリペプチドの内因的産生又は質と比較して、生成物の産生及び/又は生成物の質を増大させる。
別の実施形態では、細胞の改変は、本明細書で説明されるように、組換えポリペプチドをコードする外因性核酸の導入を含む。そのような実施形態では、改変された細胞は、天然又は非天然であり得る組換えポリペプチド生成物を産生する。そのような実施形態では、改変された細胞は、細胞によって内因的にも発現され得るか、又は細胞によって内因的に発現されない組換えポリペプチド生成物を産生する。組換えポリペプチド生成物が、細胞によって内因的にも発現される実施形態では、改変は、非改変細胞と比較して、例えばポリペプチドの内因的産生又は質と比較して、生成物の産生及び/又は生成物の質を増大させる。
本明細書で使用される場合、「組換えポリペプチド」又は「組換えタンパク質」とは、本明細書で説明される細胞によって産生され得るポリペプチドを指す。組換えポリペプチドは、ポリペプチドをコードする配列の少なくとも1つのヌクレオチド、又はポリペプチドの発現を制御する配列の少なくとも1つのヌクレオチドが(細胞又は前駆細胞の)遺伝子操作によって形成されたポリペプチドである。例えば、少なくとも1つのヌクレオチドが変更されており、例えば、それは細胞に導入されたか、又はそれは遺伝子操作再配置の生成物である。一実施形態では、組換えポリペプチドの配列は、ポリペプチド又はタンパク質の天然イソ型と異ならない。一実施形態では、組換えポリペプチドのアミノ酸配列は、ポリペプチド又はタンパク質の天然イソ型の配列とは異なる。一実施形態では、組換えポリペプチド及び細胞は、同じ種からのものである。一実施形態では、組換えポリペプチドは細胞にとって内因性であり、換言すれば、細胞は第1の種からのものであり、組換えポリペプチドはその第1の種にとってネイティブである。一実施形態では、組換えポリペプチドのアミノ酸配列は、細胞の内因性ゲノムによってコードされるポリペプチドと同じであるか、若しくは実質的に同じであるか、又はこれとは1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%以下だけ異なる。一実施形態では、組換えポリペプチド及び細胞は異なる種からのものであり、例えば、組換えポリペプチドはヒトポリペプチドであり、細胞は非ヒト、例えばげっ歯類、例えばCHO細胞又は昆虫細胞である。一実施形態では、組換えポリペプチドは細胞にとって外因性であり、換言すれば、細胞は第1の種からのものであり、組換えポリペプチドは第2の種からのものである。一実施形態では、ポリペプチドは、合成ポリペプチドである。一実施形態では、ポリペプチドは、非天然供給源に由来する。一実施形態では、組換えポリペプチドは、ヒトポリペプチド又はタンパク質の天然イソ型とアミノ酸配列において異ならないヒトポリペプチド又はタンパク質である。一実施形態では、組換えポリペプチドは、1、2、3、4、5、10、15又は20個以下のアミノ酸残基においてヒトポリペプチド又はタンパク質の天然イソ型とは異なる。一実施形態では、組換えポリペプチドは、そのアミノ酸残基のうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は15%以下だけヒトポリペプチドの天然イソ型とは異なる。
「得る」又は「得ること」は、この用語が本明細書で使用される場合、物理的実体又は値を「直接的に得ること」又は「間接的に得ること」による物理的実体又は値、例えば数値の所有を得ることを指す。「直接的に得ること」とは、プロセスを行って(例えば合成又は分析法を行って)物理的実体又は値を得ることを意味する。「間接的に得ること」とは、別の当事者又は資源(例えば物理的実体又は値を直接的に得た第3者検査室)から物理的実体又は値を受容することを指す。物理的実体を直接的に得ることは、物理的物質、例えば出発材料における物理的変化を含むプロセスを行うことを含む。例示的な変化には、2つ又はそれよりも多い出発材料から物理的実体を製造すること、物質を剪断又は断片化すること、物質を分離又は精製すること、2つ又はそれよりも多い別々の実体を混合して混合物にすること、共有結合又は非共有結合を破壊又は形成することを含む化学反応を行うことが含まれる。値を直接的に得ることは、試料又は別の物質における物理的変化を含むプロセスを行うこと、例えば、物質、例えば試料、分析物又は試薬における物理的変化を含む分析プロセス(ときには「物理的分析」と本明細書で呼ばれる)を行うこと、分析法、例えば以下のこと:物質、例えば分析物又はその断片若しくは他の誘導体を別の物質から分離又は精製すること;分析物又はその断片若しくは他の誘導体を別の物質、例えば緩衝液、溶媒又は試薬と混合すること;又は例えば、分析物の第1の原子と第2の原子との間の共有結合又は非共有結合を破壊又は形成することによって分析物又はその断片若しくは他の誘導体の構造を変更すること;又は例えば、試薬の第1の原子と第2の原子との間の共有結合又は非共有結合を破壊又は形成することによって試薬又はその断片若しくは他の誘導体の構造を変更することによることのうちの1つ又は複数を含む方法を行うことを含む。
本明細書で使用される場合、「製造する方法」及び「産生の方法」は、互換的に使用され、生成物、例えば組換えポリペプチド又は治療用生成物を含む試料を産生する一連の1回又は複数回の操作及び/又は条件である。
本明細書で使用される場合、MSとは質量分析を意味する。
本明細書で使用される場合、MSとはタンデム質量分析を意味する。
本明細書で引用される各特許、特許出願及び出版物並びにどの特許、特許出願及び出版物の開示も、それらの全体を参照により本明細書に組み込む。本発明は、特定の態様に関して開示されているが、本発明の他の態様及び変形は、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者によって考案され得ることが明らかである。附属の特許請求の範囲は、全てのそのような態様及び均等な変形を含むと解釈されることが意図される。
[試料調製]
本開示の方法における使用のための試料は、生成物、例えば組換えポリペプチドの製造及び産生の方法の多くのステップによって生成することができる。一部の実施形態では、試料は、培養上清、細胞溶解物、生成物精製中間体(例えば、細胞タンパク質又は他の汚染物質から部分的に精製した生成物)、精製生成物及び最終製剤化生成物(例えば、in vivoヒト使用のために製剤化した)のうちの1つ又は複数を含む。試料内に含まれるか、又は製造及び産生の方法によって生成した生成物は、本明細書で説明されるか、又は当該技術分野で公知の任意の生成物であり得る。
[クロマトグラフィー]
本明細書で説明される方法における使用に好適なクロマトグラフィー法は、当業者に公知であり、例えばアフィニティクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーを含む。一部の実施形態では、クロマトグラフィー法は、HPLC逆相クロマトグラフィーである。クロマトグラフィーには、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)、キャピラリー電気泳動、イオン移動度が含まれ得る。また、例えば、Process Scale Purification of Antibodies、Uwe Gottschalk 2011 John Wiley & Sons ISBN:1118210743;Antibodies 1巻 Production and Purification、G.Subramanian 2013 Springer Science & Business Media;Basic Methods in Antibody Production and Characterization、Gary C.Howard 2000 CRC Pressを参照されたい。
追加の例示的なクロマトグラフィー法には、強アニオン交換クロマトグラフィー(SAX)、液体クロマトグラフィー(LC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、アミドカラムクロマトグラフィー及びそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、本開示の方法は、1つ又は複数の(例えば1つ、2つ又はそれよりも多い)移動相及び固定相を含むLCを使用する。一部の実施形態では、LCは、1つの移動相を使用することを含む。一部の実施形態では、LCは、2つの移動相(例えば第1の移動相及び第2の移動相)を使用することを含む。一部の実施形態では、移動相(例えば第1の移動相及び/又は第2の移動相)は、水中のギ酸、例えば水中の約0.01%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%又は1%のギ酸を含む。一部の実施形態では、移動相(例えば第1の移動相及び/又は第2の移動相)は、アセトニトリル中のギ酸、例えばアセトニトリル中の約0.01%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%又は1%のギ酸、例えばアセトニトリル中の0.1%のギ酸を含む。一部の実施形態では、「アセトニトリル中の」とは、溶液、例えば移動相を指し、溶液、例えば溶媒の少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100%がアセトニトリルであり、例えば溶媒の約100%がアセトニトリルである。一部の実施形態では、固定相は、部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール基、例えばフルオロフェニル基、例えばペンタフルオロフェニルプロピル基を含む。一部の実施形態では、固定相は、部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール基、例えばフルオロフェニル基、例えばペンタフルオロフェニルプロピル基に結合されたシリカゲル粒子を含む。一部の実施形態では、固定相孔サイズは、約100、110、120、130、140又は150Å(例えば120Å)である。一部の実施形態では、LCは、Discovery HS F5固定相、例えばDiscovery HS F5カラムを使用することを含む。
理論に束縛されるものではないが、カラム樹脂の部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール基、例えばフルオロフェニル基、例えばペンタフルオロフェニルでのコーティングは、トロポロンがどのようにカラムによって保持されるかを変化させると考えられる。より伝統的な逆相カラムは、トロポロンを干渉成分から十分に分離しなかった一方で、部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール基、例えばフルオロフェニル基、例えばペンタフルオロフェニルでの樹脂コーティングは、疎水基をより容易に保持すると考えられ、その結果、親水性部分はより容易に溶離する。
[質量分析]
本明細書で説明される方法における使用に好適な質量分析法は、当業者に公知であり、例えばエレクトロスプレーイオン化MS、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化MS(MALDI−MS)、飛行時間型MS、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴MS、四重極飛行時間型MS、線形四重極型、四重極イオントラップ型MS、orbitrap型、円筒イオントラップ型、三次元イオントラップ型、四重極マスフィルター型、タンデム質量分析、LC−MS、LC−MS/MS、フーリエ変換質量分析(FTMS)、質量分析を伴うイオン移動度分離(IMS−MS)、電子移動解離(ETD−MS)及びそれらの組合せを含む。一部の実施形態では、質量分析は、タンデム質量分析(MS)である。また、例えば、Protein Mass Spectrometry、Julian Whitelegge 2008、Elsevier;Protein Sequencing and Identification Using Tandem Mass Spectrometry、Michael Kinter 2005、John Wiley & Sons;Characterization of Protein Therapeutics using Mass Spectrometry、Guodong Chen 2014、Springer Science & Business Mediaを参照されたい。
一部の実施形態では、本明細書で説明される方法における使用に好適な質量分析は、選択反応モニタリング(SRM)、例えば選択された前駆体及び生成物イオン対、例えば遷移をモニターすることを含む。一部の実施形態では、本明細書で説明される方法における使用に好適な質量分析は、多反応モニタリング(MRM)、例えば1つ又は複数の前駆体イオンに由来する複数の生成物イオン、例えば複数の遷移をモニターすることを含む。一部の実施形態では、本明細書で説明される方法における使用に好適な質量分析は、並行反応モニタリング(PRM)、例えば単一の分析ステップにおいて例えば高解像度質量分析器を使用して複数の遷移をモニターすることを含む。一部の実施形態では、本明細書で説明される方法における使用に好適な質量分析は、例えば表1で列挙される条件下で、表1で列挙される遷移をモニターすることを含む。
[トロポロン及びバイオ製造において有用な化合物]
一部の実施形態では、細胞成長を向上させるために、化合物が細胞培養培地に添加され得る。例えば、化合物は、培養細胞において金属イオンの取り込みを促進するために使用され得る。一部の実施形態では、細胞培養培地に添加される化合物は、式(I)の化合物:
Figure 2021509007

{式中、
Xは、O又はSであり、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであるか、又は
2つのRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成するか、若しくはR及びRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成し、
は、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
4a及びR4bは独立して、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
は、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、ハロ、オキソ又はシアノであり、
nは、0、1、2、4又は5である}
又はその薬学的に許容できる塩、立体異性体、ラセミ体若しくは溶媒和物である。
一部の実施形態では、Xは、Oである。一部の実施形態では、Rは、OR(例えばOH)である。一部の実施形態では、nは、0である。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、トロポロン(すなわち、2−ヒドロキシ−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オン)である。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、
Figure 2021509007

又はその薬学的に許容できる塩である。
一部の実施形態では、Xは、Oである。一部の実施形態では、Rは、OR(例えばOH)である。一部の実施形態では、Rは、OR又はC(O)OR(例えばOH又はC(O)OH)である。一部の実施形態では、nは、3である。一部の実施形態では、nは、3であり、Rは、OH、OH及びC(O)OHである。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、プベルリン酸(すなわち、4,5,6−トリヒドロキシ−3−オキソシクロヘプタ−1,4,6−トリエン−1−カルボン酸)である。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、
Figure 2021509007

又はその薬学的に許容できる塩である。
一部の実施形態では、Xは、Oである。一部の実施形態では、Rは、水素である。一部の実施形態では、Rは、OR又はC(O)OR(例えばOH又はC(O)OH)である。一部の実施形態では、nは、3である。一部の実施形態では、nは、3であり、2つのRは、OHであり、1つのRは、C(O)OHである。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、スチピタト酸(すなわち、5,6−ジヒドロキシ−3−オキソシクロヘプタ−1,4,6−トリエン−1−カルボン酸)である。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、
Figure 2021509007

又はその薬学的に許容できる塩である。
一部の実施形態では、Xは、Oである。一部の実施形態では、Rは、OR(例えばOH)である。一部の実施形態では、Rは、OR、C(O)R又はC(O)OR(例えばOH又はC(O)OH)である。一部の実施形態では、nは、3である。一部の実施形態では、nは、3であり、1つのRは、OHである。一部の実施形態では、2つのRは接合されて、ヘテロシクリル環(heterocylyl ring)(例えば5員ヘテロシクリル環(heterocylylring)、例えば無水マレイン酸)を形成する。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、スチピタトン酸(すなわち、4,7−ジヒドロキシ−1H−シクロヘプタ[c]フラン−1,3,6−トリオン)である。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、
Figure 2021509007

又はその薬学的に許容できる塩である。
一部の実施形態では、Xは、Oである。一部の実施形態では、Rは、OR(例えばOH)である。一部の実施形態では、Rは、OR、C(O)R又はC(O)OR(例えばOH又はC(O)OH)である。一部の実施形態では、nは、3である。一部の実施形態では、nは、4であり、2つのRは、OHである。一部の実施形態では、2つのRは接合されて、ヘテロシリル環(例えば5員ヘテロシリル環、例えば無水コハク酸)を形成する。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、プベルロン酸(すなわち、6,7,8−トリヒドロキシ−1H−シクロヘプタ[c]フラン−1,3,5−トリオン)である。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、
Figure 2021509007

又はその薬学的に許容できる塩である。
一部の実施形態では、Xは、Oである。一部の実施形態では、Rは、OR(例えばOH)である。一部の実施形態では、Rは、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル又はOR(例えばOH)である。一部の実施形態では、nは、3である。一部の実施形態では、nは、3であり、1つのRは、OHである。一部の実施形態では、2つのRは接合されて、任意選択で1つ又は複数のRにより置換されているヘテロシリル環(例えば6員ヘテロシリル環、例えばピラニル環)を形成する。一部の実施形態では、Rは、OR(例えばOH)又はC〜Cアルキル(例えばCH)である。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、セペドニン(すなわち、3,7,9−トリヒドロキシ−3−メチル−3,4−ジヒドロシクロヘプタ[c]ピラン−6(1H)−オン)である。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、
Figure 2021509007

又はその薬学的に許容できる塩である。
一部の実施形態では、式(I)の化合物は、米国特許第3135768号で開示される化合物であり、当該特許はその全体を参照により本明細書に組み込む。
選択される化学的定義
特定の官能基及び化学用語の定義を、以下により詳細に説明する。化学元素は、元素周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics、第75版、見返しに従って特定され、特定の官能基は一般的に、その中で説明される通りに定義される。加えて、有機化学並びに特定の官能部分及び反応性の一般原則は、Thomas Sorrell、Organic Chemistry、University Science Books、Sausalito、1999;Smith及びMarch、March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons,Inc.、New York、2001;Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers,Inc.、New York、1989;及びCarruthers、Some Modern Methods of Organic Synthesis、第3版、Cambridge University Press、Cambridge、1987で説明されている。
別に指定しない限り、本明細書で示される構造は、構造の全ての異性体(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー及び幾何(又はコンフォメーション))形態;例えば、各不斉中心についてのR及びS配置、Z及びE二重結合異性体並びにZ及びEコンフォメーション異性体も含むことを意味する。それゆえ、本化合物の単一の立体化学異性体並びにエナンチオマー、ジアステレオマー及び幾何(又はコンフォメーション)混合物は、本発明の範囲内である。別に指定しない限り、本発明の化合物の全ての互変異性体は、本発明の範囲内である。加えて、別に指定しない限り、本明細書で示される構造は、1つ又は複数の同位体富化原子の存在においてのみ異なる化合物も含むことを意味する。例えば、重水素又はトリチウムによる水素の置換、又は13C又は14C富化炭素による炭素の置換を含む本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。そのような化合物は、本発明に従って、例えば分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、又は治療剤として有用である。
特定のエナンチオマーが好ましい場合、一部の実施形態では、特定のエナンチオマーは対応するエナンチオマーを実質的に含まないで提供される場合があり、「光学富化」とも呼ばれ得る。「光学富化」は、本明細書で使用される場合、化合物が顕著により大きな割合の1つのエナンチオマーからなることを意味する。ある特定の実施形態では、化合物は、少なくとも約90重量%の好ましいエナンチオマーからなる。他の実施形態では、化合物は、少なくとも約95重量%、98重量%又は99重量%の好ましいエナンチオマーからなる。好ましいエナンチオマーは、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)並びにキラル塩の形成及び結晶化を含む当業者に公知の任意の方法によってラセミ混合物から単離されるか、又は不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacquesら、Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience、New York、1981);Wilenら、Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill、NY、1962);Wilen,S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions 268ページ(E.L.Eliel編、Univ.of Notre Dame Press、Notre Dame、IN 1972)を参照されたい。
「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、一価の飽和、直鎖又は分岐鎖炭化水素、例としてC〜C12アルキル、C〜C10アルキル及びC〜Cアルキルと本明細書で呼ばれる、それぞれ、1〜12、1〜10又は1〜6個の炭素原子の直鎖基又は分岐鎖基を指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソ−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル等が含まれるが、これらに限定されない。
「ヘテロシクリル」という用語は、少なくとも1つの環が飽和又は部分的に不飽和であり(但し芳香族ではなく)、ヘテロ原子を含む、単環式、又は融合、スピロ融合及び/若しくは架橋二環式及び多環式環系を指す。ヘテロシクリルは、そのペンダント基に任意のヘテロ原子又は炭素原子において結合する場合があり、このことは安定な構造をもたらし、環原子のいずれかは、任意選択で置換され得る。代表的なヘテロシクリルには、(i)どの環も非芳香族であり、且つ少なくとも1つの環がヘテロ原子を含む環系、例えばテトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル及びキヌクリジニル;(ii)少なくとも1つの環が非芳香族であり、ヘテロ原子を含み、且つ少なくとも1つの他の環が芳香族炭素環である環系、例えば1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリニル;及び(iii)少なくとも1つの環が非芳香族であり、ヘテロ原子を含み、且つ少なくとも1つの他の環が芳香族であり、ヘテロ原子を含む環系、例えば3,4−ジヒドロ−1H−ピラノ[4,3−c]−ピリジン及び1,2,3,4−テトラヒドロ−2,6−ナフチリジンが含まれる。
本明細書で説明される場合、本発明の化合物は、「任意選択で置換されている」部分を含有し得る。一般的に、「置換されている」という用語は、「任意選択で」という用語が先行しているかどうかにかかわらず、指定される部分のうちの1つ又は複数の水素が好適な置換基により置換されていることを意味する。別に示されない限り、「任意選択で置換されている」基は、基の各置換可能な位置において好適な置換基を有する場合があり、任意の所与の構造における2つ以上の位置が特定の基から選択される2つ以上の置換基で置換され得る場合、置換基は、各位置において同じであっても、異なっていてもよい。本発明の下に想定される置換基の組合せは、好ましくは安定な、又は化学的に実行可能な化合物の形成をもたらす組合せである。「安定な」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書で開示される目的のうちの1つ又は複数のための化合物の産生、検出並びにある特定の実施形態では化合物の回復、精製及び使用を可能にする条件に供された場合、実質的に変えられない化合物を指す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容できる塩」という用語は、堅実な医学的判断の範囲内で、ヒト及びより下等な動物の組織との接触における使用に好適であり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わず、妥当な利益/リスク比に見合う塩を指す。薬学的に許容できる塩は、当該技術分野で周知である。例えば、Bergeらは、参照により本明細書に組み込むJ.Pharmaceutical Sciences、1977、66、1〜19において薬学的に許容できる塩を詳細に説明している。本発明の化合物の薬学的に許容できる塩には、好適な無機酸及び有機酸並びに無機塩基及び有機塩基に由来する塩が含まれる。薬学的に許容できる塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸等の無機酸で、若しくは酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸若しくはマロン酸等の有機酸で、又はイオン交換等の当該技術分野で公知の他の方法を使用することにより形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容できる塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれる。適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩及びN(C1〜4アルキル) 塩が含まれる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が含まれる。さらなる薬学的に許容できる塩には、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩等の対イオンを使用して形成される非毒性アンモニウム、四級アンモニウム及びアミンカチオンが含まれる。
「溶媒和物」という用語は、通常、加溶媒分解反応による、溶媒を伴う化合物の形態を指す。この物理的会合(physical association)は、水素結合を含み得る。従来の溶媒には、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテル等が含まれる。式(I)の化合物は、例えば結晶形で調製してもよく、溶媒和化してもよい。好適な溶媒和物は、薬学的に許容できる溶媒和物を含み、化学量論的溶媒和物及び非化学量論的溶媒和物の両方をさらに含む。ある特定の場合には、例えば、1つ又は複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合、溶媒和物は単離することができる。「溶媒和物」は、溶液相及び単離可能溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物には、水和物、エタノレート及びメタノレートが含まれる。
同じ分子式を有するが、原子の結合の性質若しくは配列、又は空間内の原子の配置において異なる化合物は、「異性体」と呼ばれることも理解するべきである。空間内の原子の配置において異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。互いの鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、重ね合わすことができない互いの鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、不斉中心が4つの異なる基に結合されている場合、1対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置により特徴付けることができ、カーン・プレローグのR及びS則により、又は分子が偏光面を回転する様式により右旋性又は左旋性と(すなわち、それぞれ、(+)又は(−)異性体と)呼ばれて、説明される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーのいずれかとして、又はそれらの混合物として存在し得る。等しい割合のエナンチオマーを含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
[産生パラメーター]
本明細書で説明される方法は、例えば組換えポリペプチドの製造及び産生の方法によって生成された試料を分析するために使用され得る。製造及び産生の方法は、様々な産生パラメーターによって特徴付けられ得る。
本明細書で使用される産生パラメーターは、産生プロセスにおけるパラメーター又は要素である。選択され得る産生パラメーターは、例えば、糖タンパク質調製物を産生するために使用される細胞又は細胞株、培養培地、培養プロセス又はバイオリアクター変数(例えば回分、流加回分又は灌流)、糖タンパク質調製物の精製プロセス及び処方を含む。
主要な産生パラメーターは、1)宿主の種類、2)宿主の遺伝学、3)培地の種類、4)発酵プラットホーム、5)精製ステップ及び6)処方を含む。二次的な産生パラメーターは、本明細書で使用される場合、主要な産生パラメーターの各々の中で調節可能又は可変である産生パラメーターである。例として、所望のグリカン特性に基づく宿主サブクローンの選択;構成的又は誘導的な宿主遺伝子レベルの調節;新規遺伝子又はプロモーターエレメントの導入;培地添加物(例えば表IVの部分的リスト);物理化学的成長特性;成長容器の種類(例えばバイオリアクター型、Tフラスコ);細胞密度;細胞周期;所望のグリカンタイプの生成物の富化(例えばレクチン又は抗体媒介富化、イオン交換クロマトグラフィー、CE又は同様の方法による);又は当業者に明らかな同様の二次的な産生パラメーターが含まれる。
培地
本明細書で説明される製造及び産生の方法は、所望のグリカン特性又は複数の所望のグリカン特性に正相関を有する培地成分及び/又は培地成分の濃度を決定及び/又は選択することを含み得る。培地成分は、培養条件に依存して、糖タンパク質産生の過程にわたり、又は培地交換のとき、添加又は投与され得る。培地成分は、培養物に直接添加される成分及び細胞培養物の副産物である成分を含む。
培地成分には、例えば緩衝液、アミノ酸内容物、ビタミン内容物、塩内容物、鉱物内容物、血清内容物、炭素源内容物、脂質内容物、核酸内容物、ホルモン内容物、微量元素内容物、アンモニア内容物、補助因子内容物、インジケーター内容物、小分子内容物、加水分解産物内容物及び酵素モジュレーター内容物が含まれる。
様々な培地成分の例を、以下に提供する。
Figure 2021509007
例示的な緩衝液には、トリス、トリシン、HEPES、MOPS、PIPES、TAPS、ビシン、BES、TES、カコジレート、MES、アセテート、MKP、ADA、ACES、グリシンアミド及びアセトアミドグリシンが含まれる。培地は血清を含まなくてもよく、又は例えばウシ胎児血清(FBS)、ウシ胎児血清(FCS)、ウマ血清(HS)、ヒト血清、動物由来血清代用品(例えばUltroser G、SF及びHY;脱脂粉乳;ウシEX−CYTE)、フェチュイン、ウシ血清アルブミン(BSA)、血清アルブミン及びトランスフェリン等の動物由来生成物を含んでもよい。血清非含有培地が選択される場合、例えばパルミチン酸及び/又はステリン酸(steric acid)等の脂質が含まれ得る。
脂質成分には、油、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、グリセリド、ステロイド、リン脂質、スフィンゴリピド及びリポタンパク質が含まれる。培地に含まれるか、又は培地から除去され得る例示的なアミノ酸には、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、プロリン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンが含まれる。培地中に存在するか、又は培地から除去され得るビタミンの例には、ビタミンA(レチノイド)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン(pyroxidone))、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンKが含まれる。
培地中に存在するか、又は培地から除去され得る鉱物には、ビスマス、ホウ素、カルシウム、塩素、クロム、コバルト、銅、フッ素、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、カリウム、ルビジウム、セレン、ケイ素、ナトリウム、ストロンチウム、硫黄、テルル、チタン、タングステン、バナジウム及び亜鉛が含まれる。例示的な塩及び鉱物には、CaCl2(無水)、CuSO4 5H2O、Fe(NO3).9H2O、KCl、KNO3、KH2PO4、MgSO4(無水)、NaCl、NaH2PO4H2O、NaHCO3、Na2SE3(無水)、ZnSO4.7H2O;リノール酸、リポ酸、D−グルコース、ヒポキサンチン2Na、フェノールレッド、プトレシン2HCl、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、ピルビン酸、コハク酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸.Na.六水和物、グルタチオン(還元型)、パラ−アミノ安息香酸(PABA)、メチルリノレート、バクトペプトン(bacto peptone)G、アデノシン、シチジン、グアノシン、2’−デオキシアデノシンHCl、2’−デオキシシチジンHCl、2’−デオキシグアノシン及びウリジンが含まれる。所望のグリカン特徴がフコシル化の減少である場合、産生パラメーターは、細胞、例えばCHO細胞、例えばdhfr欠損CHO細胞をマンガン、例えば約0.1μM〜50μMの濃度で存在するマンガンの存在下で培養することを含み得る。フコシル化の減少は、例えば細胞(例えばCHO細胞、例えばdhfr欠損CHO細胞)を約350〜500mOsmの浸透圧で培養することによっても得ることができる。浸透圧は、培地に塩を添加すること、又は産生中に蒸発を行う場合塩を副産物として産生させることによって調節され得る。
ホルモンには、例えばソマトスタチン、成長ホルモン放出因子(GRF)、インスリン、プロラクチン、ヒト成長ホルモン(hGH)、ソマトトロピン、エストラジオール及びプロゲステロンが含まれる。成長因子には、例えば骨形態形成タンパク質(BMP)、上皮成長因子(EGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、神経成長因子(NGF)、骨由来成長因子(BDGF)、形質転換成長因子−ベータ1(TGF−ベータ1)、[米国特許第6838284 B2号からの成長因子]、ヘミン及びNADが含まれる。培地に存在するか、又は培地から除去され得る界面活性剤の例には、Tween−80及びプルロニックF−68が含まれる。小分子には、例えばブチレート、アンモニア、非天然糖、非天然アミノ酸、クロロキン及びベタインが含まれ得る。
物理化学パラメーター
産生パラメーターは、物理化学パラメーターも含み得る。そのような条件には、温度、pH、浸透圧、剪断力又は撹拌速度、酸化、注入速度(spurge rate)、成長容器、接線流、DO、CO、窒素、流加回分、酸化還元、細胞密度及び供給法が含まれ得る。選択され得る物理化学パラメーターの例には、例えばpH、浸透圧、剪断力又は撹拌速度、酸化、注入速度、成長容器、接線流、回分溶解O2、CO、窒素、流加回分、酸化還元、細胞密度、灌流培養、供給法、温度及び培養時間が含まれる。
さらなる産生パラメーターは当業者に公知であり、例えばAntibody Expression and Production(2011)編Mohamed Al−Rubeai;Springer Publishingを参照されたい。
[生成物及び生成物をコードする核酸]
試料、例えば、例えば組換えポリペプチドの製造及び産生の方法によって産生される試料を分析する方法が本明細書で提供される。製造及び産生の方法は、生成物、例えば本明細書で列挙される細胞及び生成物を産生することができる細胞又は細胞株を特定、選択又は製造するステップを含み得る。本開示により包含される生成物には、細胞によって産生、例えば細胞において発現され得る分子、核酸、ポリペプチド(例えば組換えポリペプチド、例えば抗体、二重特異性抗体、多重特異性抗体)又はそれらのハイブリッドが含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、細胞は、生成物を産生するように操作又は改変される。そのような改変は、生成物の産生を制御するか、又はもたらす分子を導入することを含む。例えば、細胞は、ポリペプチド、例えば組換えポリペプチドをコードする外因性核酸を導入することによって改変され、細胞はポリペプチド、例えば組換えポリペプチドの産生、例えば発現及び分泌に好適な条件下で培養される。
実施形態では、培養細胞は、治療的使用のための、タンパク質、例えば抗体、例えばモノクローナル抗体及び/又は組換えタンパク質を産生するために使用される。実施形態では、培養細胞は、ペプチド、アミノ酸、脂肪酸又は他の有用な生化学中間体若しくは代謝産物を産生する。例えば、実施形態では、約4000ダルトン〜約140,000ダルトンを超える分子量を有する分子が産生され得る。実施形態では、これらの分子は、ある程度の複雑さを有する場合があり、糖鎖付加を含む翻訳後修飾を含み得る。
実施形態では、ポリペプチドは、例えばボトックス(BOTOX)、マイオブロック(Myobloc)、ニューロブロック(Neurobloc)、ディスポート(Dysport)(又はボツリヌス神経毒の他の血清型)、アルグルコシダーゼアルファ、ダプトマイシン、YH−16、絨毛性ゴナドトロピンアルファ、フィルグラスチム、セトロレリクス、インターロイキン−2、アルデスロイキン、テセロイキン(teceleulin)、デニロイキンジフチトクス、インターフェロンアルファ−n3(注射)、インターフェロンアルファ−n1、DL−8234、インターフェロン、サントリー(Suntory)(ガンマ−1a)、インターフェロンガンマ、チモシンアルファ1、タソネルミン、ディジファブ(DigiFab)、ビペラタブ(ViperaTAb)、エチタブ(EchiTAb)、クロファブ(CroFab)、ネシリチド、アバタセプト、アレファセプト、レビフ(Rebif)、エプトテルミンアルファ、テリパラチド、カルシトニン、エタネルセプト、ヘモグロビングルタマー250(ウシ)、ドロトレコギンアルファ、コラゲナーゼ、カルペリチド、組換えヒト上皮成長因子、DWP401、ダルベポエチンアルファ、エポエチンオメガ、エポエチンベータ、エポエチンアルファ、デシルジン、レピルジン、ビバリルジン、ノナコグアルファ、モノナイン(Mononine)、エプタコグアルファ(活性化)、組換え第VIII因子+VWF、リコネイト(Recombinate)、組換え第VIII因子、第VIII因子(組換え)、アルフンメート(Alphnmate)、オクトコグアルファ、第VIII因子、パリフェルミン、インジキナーゼ(Indikinase)、テネクテプラーゼ、アルテプラーゼ、パミテプラーゼ、レテプラーゼ、ナテプラーゼ、モンテプラーゼ、フォリトロピンアルファ、rFSH、hpFSH、ミカファンギン、ペグフィルグラスチム、レノグラスチム、ナルトグラスチム、セルモレリン、グルカゴン、エキセナチド、プラムリンチド、イミグルセラーゼ(iniglucerase)、ガルスルファーゼ、リューコトロピン(Leucotropin)、モルグラモスチム(molgramostirn)、トリプトレリンアセテート、ヒストレリン(ヒドロン(Hydron))、デスロレリン、ヒストレリン、ナファレリン、ロイプロリド(アトリゲル(ATRIGEL))、ロイプロリド(デュロス(DUROS))、ゴセレリン、ユートロピン(Eutropin)、ソマトロピン、メカセルミン、エンフビルチド(enlfavirtide)、Org−33408、インスリングラルギン、インスリングルリジン、インスリン(吸入型)、インスリンリスプロ、インスリンデテミル(deternir)、インスリン(ラピッドミスト(RapidMist))、メカセルミンリンファベート、アナキンラ、セレモロイキン、99mTc−アプシタイド、ミエロピド(myelopid)、ベタセロン(Betaseron)、グラチラマーアセテート、ジェポン(Gepon)、サルグラモスチム、オプレルベキン、ヒト白血球由来アルファインターフェロン、ビリブ(Bilive)、インスリン(組換え)、組換えヒトインスリン、インスリンアスパルト、メカセルミン(mecasenin)、ロフェロン(Roferon)−A、インターフェロン−アルファ2、アルファフェロン(Alfaferone)、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンアルファ、アボネックス(Avonex)組換えヒト黄体形成ホルモン、ドルナーゼアルファ、トラフェルミン、ジコノチド、タルチレリン、ジボテルミンアルファ、アトシバン、ベカプレルミン、エプチフィバチド、ゼマイラ(Zemaira)、CTC−111、シャンバック(Shanvac)−B、オクトレオチド、ランレオチド、アンセスチム(ancestirn)、アガルシダーゼベータ、アガルシダーゼアルファ、ラロニダーゼ、プレザチド(prezatide)酢酸銅、ラスブリカーゼ、ラニビズマブ、アクティミューン(Actimmune)、ペグイントロン(PEG−Intron)、トリコミン(Tricomin)、組換えヒト副甲状腺ホルモン(PTH)1〜84、エポエチンデルタ、トランスジェニックアンチトロンビンIII、グランディトロピン(Granditropin)、ビトラーゼ(Vitrase)、組換えインスリン、インターフェロン−アルファ、GEM−21S、バプレオチド、イデュルスルファーゼ、オマパトリラト(omnapatrilat)、組換え血清アルブミン、セルトリズマブペゴル、グルカルピダーゼ、ヒト組換えC1エステラーゼ阻害剤、ラノテプラーゼ、組換えヒト成長ホルモン、エンフビルチド、VGV−1、インターフェロン(アルファ)、ルシナクタント、アビプタジル、イカチバント、エカランチド、オミガナン、オーログラブ(Aurograb)、ペキシガナンアセテート、ADI−PEG−20、LDI−200、デガレリクス、シントレデキンベスドトクス(cintredelinbesudotox)、ファブルド(Favld)、MDX−1379、ISAtx−247、リラグルチド、テリパラチド、チファコギン、AA4500、T4N5リポソームローション、カツマキソマブ、DWP413、ART−123、クリサリン(Chrysalin)、デスモテプラーゼ、アメジプラーゼ(amediplase)、コリフォリトロピンアルファ、TH−9507、テデュグルチド、ダイアミド(Diamyd)、DWP−412、成長ホルモン、組換えG−CSF、インスリン、インスリン(テクノスフィア(Technosphere))、インスリン(AERx)、RGN−303、ディアペップ(DiaPep)277、インターフェロンベータ、インターフェロンアルファ−n3、ベラタセプト、経皮インスリンパッチ、AMG−531、MBP−8298、ゼレセプト(Xerecept)、オペバカン(opebacan)、エイズバックス(AIDSVAX)、GV−1001、リンフォスキャン(LymphoScan)、ランピルナーゼ、リポキシサン(Lipoxysan)、ルスプルチド、MP52、シプロイセル−T、CTP−37、インセジア(Insegia)、ビテスペン、ヒトトロンビン、トロンビン、トランスミド(TransMID)、アルフィメプラーゼ(alfimeprase)、プリカーゼ(Puricase)、テルリプレシン、EUR−1008M、組換えFGF−I、BDM−E、ロチガプチド、ETC−216、P−113、MBI−594AN、デュラマイシン、SCV−07、OPI−45、エンドスタチン(Endostatin)、アンギオスタチン(Angiostatin)、ABT−510、ボーマン・バーク(Bowman Birk)型阻害剤、XMP−629、99mTc−Hynic−アネキシン(Annexin)V、カハラリドF、CTCE−9908、テベレリックス(teverelix)、オザレリックス、ロミデプシン(rornidepsin)、BAY−504798、インターロイキン4、PRX−321、ペプスキャン(Pepscan)、イボクタデキン、rhラクトフェリン、TRU−015、IL−21、ATN−161、シレンジタイド、アルブフェロン(Albuferon)、バイファシックス(Biphasix)、IRX−2、オメガインターフェロン、PCK−3145、CAP−232、パシレオチド、huN901−DMI、SB−249553、オンコバックス(Oncovax)−CL、オンコバックス−P、BLP−25、サーバックス(CerVax)−16、マート(MART)−1、gp100、チロシナーゼ、ネミフィチド、rAAT、CGRP、ペグスネルセプト、チモシンベータ4、プリチデプシン(plitidepsin)、GTP−200、ラモプラニン、グラスパ(GRASPA)、OBI−1、AC−100、サケカルシトニン(エリゲン(eligen))、エキサモレリン(examorelin)、カプロモレリン(capromorelin)、カルデバ(Cardeva)、ベラフェルミン、1311−TM−601、KK−220、T−10、ウラリチド、デペレスタット(depelestat)、ヘマタイド、Chrysalin、rNAPc2、組換え第VIII因子(PEG化リポソーム)、bFGF、PEG化組換えスタフィロキナーゼバリアント、V−10153、ソノリシスプロリーゼ(SonoLysis Prolyse)、ニューロバックス(NeuroVax)、CZEN−002、rGLP−1、BIM−51077、LY−548806、エキセナチド(制御放出、メディソーブ(Medisorb))、AVE−0010、GA−GCB、アボレリン(avorelin)、ACM−9604、リナクロチドアセテート、CETi−1、ヘモスパン(Hemospan)、VAL、速効性インスリン(注射用、ビアデル(Viadel))、インスリン(エリゲン)、組換えメチオニルヒトレプチン、ピトラキンラ、マルチカイン(Multikine)、RG−1068、MM−093、NBI−6024、AT−001、PI−0824、Org−39141、Cpn10、タラクトフェリン(talactoferrin)、rEV−131、rEV−131、組換えヒトインスリン、RPI−78M、オプレルベキン、CYT−99007 CTLA4−Ig、DTY−001、バラテグラスト(valategrast)、インターフェロンアルファ−n3、IRX−3、RDP−58、タウフェロン(Tauferon)、胆汁酸塩刺激リパーゼ、メリスパーゼ(Merispase)、アルカリフォスファターゼ(alaline phosphatase)、EP−2104R、メラノタン(Melanotan)−II、ブレメラノチド(bremelanotide)、ATL−104、組換えヒトマイクロプラスミン、AX−200、セマックス(SEMAX)、ACV−1、Xen−2174、CJC−1008、ダイノルフィンA、SI−6603、LAB GHRH、AER−002、BGC−728、ALTU−135、組換えノイラミニダーゼ、Vacc−5q、Vacc−4x、Tatトキソイド、YSPSL、CHS−13340、PTH(1〜34)(Novasome)、オスタボリン(Ostabolin)−C、PTHアナログ、MBRI−93.02、MTB72F、MVA−Ag85A、FARA04、BA−210、組換えペストFIV、AG−702、OxSODrol、rBetV1、Der−p1/Der−p2/Der−p7、PR1ペプチド抗原、変異体rasワクチン、HPV−16 E7リポペプチドワクチン、ラビリンチン(labyrinthin)、WT1−ペプチド、IDD−5、CDX−110、ペントリス(Pentrys)、ノレリン(Norelin)、サイトファブ(CytoFab)、P−9808、VT−111、イクロカプチド(icrocaptide)、テルベルミン(telbermin)、ルピントリビル、レティキュロース(reticulose)、rGRF、HA、アルファ−ガラクトシダーゼA、ACE−011、ALTU−140、CGX−1160、アンギオテンシン、D−4F、ETC−642、APP−018、rhMBL、SCV−07、DRF−7295、ABT−828、ErbB2−特異的免疫毒素、DT3SSIL−3、TST−10088、PRO−1762、コンボトックス(Combotox)、コレシストキニン−B/ガストリン受容体結合ペプチド、111In−hEGF、AE−37、トラスツズマブ(trasnizumab)−DM1、アンタゴニストG、IL−12、PM−02734、IMP−321、rhIGF−BP3、BLX−883、CUV−1647、L−19ベースのra、Re−188−P−2045、AMG−386、DC/1540/KLH、VX−001、AVE−9633、AC−9301、NY−ESO−1(ペプチド)、NA17.A2ペプチド、CBP−501、組換えヒトラクトフェリン、
FX−06、AP−214、WAP−8294A、ACP−HIP、SUN−11031、ペプチドYY[3〜36]、FGLL、アタシセプト、BR3−Fc、BN−003、BA−058、ヒト副甲状腺ホルモン1〜34、F−18−CCR1、AT−1100、JPD−003、PTH(7〜34)(Novasome)、デュラマイシン、CAB−2、CTCE−0214、GlycoPEG化エリスロポエチン、EPO−Fc、CNTO−528、AMG−114、JR−013、第XIII因子、アミノカンジン(aminocandin)、PN−951、716155、SUN−E7001、TH−0318、BAY−73−7977、テベレリックス、EP−51216、hGH、OGP−I、シフビルチド、TV4710、ALG−889、Org−41259、rhCC10、F−991、チモペンチン、r(m)CRP、肝選択的インスリン、スバリン(subalin)、L19−IL−2融合タンパク質、エラフィン、NMK−150、ALTU−139、EN−122004、rhTPO、トロンボポエチン受容体アゴニスト、AL−108、AL−208、神経成長因子アンタゴニスト、SLV−317、CGX−1007、INNO−105、テリパラチド(エリゲン)、GEM−OS1、AC−162352、PRX−302、LFn−p24融合、EP−1043、gpE1、gpE2、MF−59、hPTH(1〜34)、768974、SYN−101、PGN−0052、アビスクミン(aviscumnine)、BIM−23190、多エピトープチロシナーゼペプチド、エンカスチム(enkastim)、APC−8024、GI−5005、ACC−001、TTS−CD3、血管ターゲティングTNF、デスモプレシン、オネルセプト(onercept)及びTP−9201である。
一部の実施形態では、ポリペプチドは、アダリムマブ(ヒュミラ(HUMIRA))、インフリキシマブ(レミケード(REMICADE)(商標))、リツキシマブ(リツキサン(RITUXAN)(商標)/マブセラ(MAB THERA)(商標))、エタネルセプト(エンブレル(ENBREL)(商標))、ベバシズマブ(アバスチン(AVASTIN)(商標))、トラスツズマブ(ハーセプチン(HERCEPTIN)(商標))、ペグフィルグラスチム(pegrilgrastim)(ニューラスタ(NEULASTA)(商標))又はバイオ後続品及びバイオ改良品を含む他の任意の好適なポリペプチドである。
他の好適なポリペプチドは、以下及び米国特許出願公開第2016/0097074号の表1に列挙されるポリペプチドである。
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実施形態では、ポリペプチドは、表2で示される通り、ホルモン、凝血/血液凝固因子、サイトカイン/成長因子、抗体分子、融合タンパク質、タンパク質ワクチン又はペプチドである。
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実施形態では、タンパク質は、表3で示される通り、多重特異性タンパク質、例えば二重特異性抗体である。
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一部の実施形態では、ポリペプチドは、がん細胞によって発現される抗原である。一部の実施形態では、組換えポリペプチド又は治療用ポリペプチドは、腫瘍関連抗原又は腫瘍特異的抗原である。一部の実施形態では、組換えポリペプチド又は治療用ポリペプチドは、HER2、CD20、9−O−アセチル−GD3、βhCG、A33抗原、CA19−9マーカー、CA−125マーカー、カルレティキュリン、炭酸脱水酵素IX(MN/CA IX)、CCR5、CCR8、CD19、CD22、CD25、CD27、CD30、CD33、CD38、CD44v6、CD63、CD70、CC123、CD138、癌腫胎児性抗原(CEA;CD66e)、デスモグレイン4、E−カドヘリンネオエピトープ、エンドシアリン、エフリンA2(EphA2)、上皮成長因子受容体(EGFR)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、ErbB2、胎児性アセチルコリン受容体、線維芽細胞活性化抗原(FAP)、フコシルGM1、GD2、GD3、GM2、ガングリオシドGD3、グロボH、糖タンパク質100、HER2/neu、HER3、HER4、インスリン様成長因子受容体1、Lewis−Y、LG、Ly−6、黒色腫特異的コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSCP)、メソセリン、MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、MUC5AC、MUC5、MUC7、MUC16、ミュラー管抑制因子(MIS)受容体II型、血漿細胞抗原、ポリSA、PSCA、PSMA、ソニックヘッジホッグ(SHH)、SAS、STEAP、sTn抗原、TNF−アルファ前駆体及びこれらの組合せから選択される。
一部の実施形態では、ポリペプチドは、活性化受容体であり、2B4(CD244)、αβインテグリン、βインテグリン、CD2、CD16、CD27、CD38、CD96、CD100、CD160、CD137、CEACAM1(CD66)、CRTAM、CS1(CD319)、DNAM−1(CD226)、GITR(TNFRSF18)、KIRの活性化形態、NKG2C、NKG2D、NKG2E、1つ又は複数の自然細胞傷害性受容体、NTB−A、PEN−5及びこれらの組合せから選択され、任意選択でβインテグリンは、CD11a−CD18、CD11b−CD18又はCD11c−CD18を含み、任意選択でKIRの活性化形態は、KIR2DS1、KIR2DS4又はKIR−Sを含み、任意選択で自然細胞傷害性受容体は、NKp30、NKp44、NKp46又はNKp80を含む。
一部の実施形態では、ポリペプチドは、阻害性受容体であり、KIR、ILT2/LIR−1/CD85j、KIRの阻害性形態、KLRG1、LAIR−1、NKG2A、NKR−P1A、Siglec−3、Siglec−7、Siglec−9及びこれらの組合せから選択され、任意選択でKIRの阻害性形態は、KIR2DL1、KIR2DL2、KIR2DL3、KIR3DL1、KIR3DL2又はKIR−Lを含む。
一部の実施形態では、ポリペプチドは、活性化受容体であり、CD3、CD2(LFA2、OX34)、CD5、CD27(TNFRSF7)、CD28、CD30(TNFRSF8)、CD40L、CD84(SLAMF5)、CD137(4−1BB)、CD226、CD229(Ly9、SLAMF3)、CD244(2B4、SLAMF4)、CD319(CRACC、BLAME)、CD352(Ly108、NTBA、SLAMF6)、CRTAM(CD355)、DR3(TNFRSF25)、GITR(CD357)、HVEM(CD270)、ICOS、LIGHT、LTβR(TNFRSF3)、OX40(CD134)、NKG2D、SLAM(CD150、SLAMF1)、TCRα、TCRβ、TCRδγ、TIM1(HAVCR、KIM1)及びこれらの組合せから選択される。
一部の実施形態では、ポリペプチドは、阻害性受容体であり、PD−1(CD279)、2B4(CD244、SLAMF4)、B71(CD80)、B7H1(CD274、PD−L1)、BTLA(CD272)、CD160(BY55、NK28)、CD352(Ly108、NTBA、SLAMF6)、CD358(DR6)、CTLA−4(CD152)、LAG3、LAIR1、PD−1H(VISTA)、TIGIT(VSIG9、VSTM3)、TIM2(TIMD2)、TIM3(HAVCR2、KIM3)及びこれらの組合せから選択される。
他の例示的なタンパク質には、Leaderら、「Protein therapeutics:a summary and pharmacological classification」、Nature Reviews Drug Discovery、2008、7:21〜39(参照により本明細書に組み込む)の表1〜10に記載される任意のタンパク質;又は本明細書で説明される組換えポリペプチドの任意のコンジュゲート、バリアント、アナログ若しくは機能的断片が含まれるが、これらに限定されない。
他の組換えタンパク質生成物には、非限定的に、DARPin、アフィボディ(affibody)及びアドネクチン(adnectin)等の非抗体スキャフォールド又は足場タンパク質代用品が含まれる。そのような非抗体スキャフォールド又は足場タンパク質代用品は、1つ若しくは2つ又はそれよりも多い、例えば1、2、3、4若しくは5つ又はそれよりも多い様々な標的又は抗原を認識するか、又はそれに結合するように操作され得る。
生成物、例えばポリペプチド、例えば本明細書で説明される組換えポリペプチドをコードする核酸、例えば外因性核酸も、本明細書で提供される。所望の組換えポリペプチドをコードする核酸配列は、標準の技法を使用して、例えば所望の核酸配列、例えば遺伝子を発現する細胞からのライブラリーをスクリーニングすることによる、所望の核酸配列を含むことが公知のベクターからの核酸配列に由来することによる、又は所望の核酸配列を含有する細胞及び組織から直接単離することによる等の当該技術分野で公知の組換え法を使用して、得ることができる。或いは、組換えポリペプチドをコードする核酸は、クローニングではなく、合成で産生され得る。組換えDNA技法及び技術は、当該技術分野で高度に進行しており、十分に確立されている。したがって、本明細書で説明される組換えポリペプチドのアミノ酸配列を知っている当業者は、組換えポリペプチドをコードし得る核酸配列を容易に想起又は生成し得る。
一部の実施形態では、外因性核酸は、宿主細胞によって内因的に発現される生成物の発現を制御する。そのような実施形態では、外因性核酸は、内因性生成物の発現を増大させる1つ又は複数の核酸配列(「内因性生成物トランス活性化配列」とも本明細書で呼ばれる)を含む。例えば、内因性生成物の発現を増大させる核酸配列は、構成的に活性なプロモーター、又はより強い、例えば所望の部位での転写を増大させる、例えば所望の内因性遺伝子産物の発現を増大させるプロモーターを含む。内因性生成物トランス活性化配列を含む外因性核酸の導入後、内因性生成物トランス活性化配列が所望の内因性生成物のトランス活性化又は発現を増大させるように、前記外因性核酸は、細胞の染色体ゲノムに、例えば内因性生成物をコードするゲノム配列に近接する事前に選択された場所において統合される。内因性生成物の発現を増大させるために、細胞を改変する、例えば外因性核酸を導入するための他の方法は、例えば米国特許第5272071号(その全体を参照により本明細書に組み込む)で説明されている。
本明細書で説明される生成物の発現は典型的に、組換えポリペプチド又はその部分をコードする核酸をプロモーターに作動可能に連結し、構築物を発現ベクターに組み込むことによって達成される。ベクターは、真核生物又は原核生物での複製及び統合に好適であり得る。典型的なクローニングベクターは、所望の核酸配列の発現の調節に有用な転写及び翻訳ターミネーター、開始配列並びにプロモーター等の他の調節エレメントを含有する。
生成物、例えば組換えポリペプチドをコードするか、又は内因性生成物の発現を制御し得る核酸配列を含む本明細書で説明される核酸配列は、いくつかの種類のベクターにクローニングされ得る。例えば、核酸は、非限定的にプラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、動物ウイルス及びコスミドを含むベクターにクローニングされ得る。特定の目的のベクターは、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター及びシークエンシングベクターを含む。実施形態では、発現ベクターは、ウイルスベクターの形態で細胞に提供され得る。ウイルスベクター技術は、当該技術分野で周知であり、例えばSambrookら、2012、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL、1〜4巻、Cold Spring Harbor Press、NY並びに他のウイルス学及び分子生物学マニュアルにおいて説明されている。ベクターとして有用なウイルスには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス及びレンチウイルスが含まれるが、これらに限定されない。一般的に、好適なベクターは、少なくとも1つの生物において機能的な複製起点、プロモーター配列、便利な制限エンドヌクレアーゼ部位及び1つ又は複数の選択可能マーカーを含有する(例えば国際公開第01/96584号、同第01/29058号及び米国特許第6326193号)。ウイルス由来のベクターは導入遺伝子の長期安定統合及び娘細胞におけるその増殖を可能にするので、ウイルス由来のベクターは長期遺伝子移行を達成するために好適なツールである。
また、ベクターは、例えば分泌を促進するシグナル配列、ポリアデニル化シグナル及び転写ターミネーター(例えばウシ成長ホルモン(BGH:Bovine Growth Hormone)遺伝子から)、エピソーム複製及び原核生物における複製を可能にするエレメント(例えばSV40起点及びColE1又は当該技術分野で公知のその他のもの)並びに/又は選択を可能にするエレメント、例えば選択マーカー若しくはレポーター遺伝子を含んでもよい。
一実施形態では、ポリペプチド、例えば組換えポリペプチドをコードする核酸配列を含むベクターは、ポリペプチド、例えば組換えポリペプチドの発現のための転写開始を可能にするポリメラーゼの動員の原因であるプロモーター配列をさらに含む。一実施形態では、本明細書で説明される方法に好適なプロモーター配列は通常、高い転写量を駆動し、それゆえ標的外因性mRNAの大量のコピーを送達するエンハンサーを伴う。一実施形態では、プロモーターは、サイトメガロウイルス(CMV)主要前初期プロモーター(Xia、Bringmannら 2006)及びSV40プロモーター(Chernajovsky、Moryら 1984)を含み、これらの両方はそれらの名前の由来となったウイルス又はそれに由来するプロモーターに由来する。ラウス肉腫ウイルスの長い末端反復配列(RSV−LTR)及びモロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)LTR(Papadakis、Nicklinら 2004)を含む、いくつかの他のより一般的でないウイルスプロモーターをうまく使用して、発現ベクターにおける包含に際して転写が駆動されている。別の実施形態では、特異的内因性哺乳動物プロモーターが、目的の遺伝子の構成的転写を駆動するために利用され得る(Pontiller、Grossら 2008)。CHO特異的チャイニーズハムスター伸長因子1−アルファ(CHEF1α)プロモーターは、ウイルスベースの配列に代わる高収率を実現した(Deer、Allison 2004)。プロモーターに加えて、本明細書で説明されるベクターは、上記に説明されるエンハンサー領域;転写因子を動員して転写速度をアップレギュレートし得る、コアプロモーターに近接する特異的ヌクレオチドモチーフ領域をさらに含む(Riethoven 2010)。プロモーター配列と同様に、これらの領域は多くの場合、ウイルスに由来し、hCMV及びSV40エンハンサー配列等のプロモーター配列内に包含されるか、又はアデノウイルス由来配列等にさらに含まれてもよい(Gaillet、Gilbertら 2007)。
一実施形態では、本明細書で説明される生成物、例えばポリペプチド、例えば組換えポリペプチドをコードする核酸配列を含むベクターは、選択マーカーをコードする核酸配列をさらに含む。一実施形態では、選択可能マーカーは、グルタミン合成酵素(GS);ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、例えばメトトレキセート(MTX)に対する抵抗性を与える酵素;又は抗生物質マーカー、例えばハイグロマイシン、ネオマイシン(G418)、ゼオシン、ピューロマイシン又はブラストサイジン等の抗生物質に対する抵抗性を与える酵素を含む。別の実施形態では、選択マーカーは、セレクシス(Selexis)選択系(例えばシュアテクノロジープラットホーム(SUREtechnology Platform)(商標)及びセレクシスジェネティックエレメント(Selexis Genetic Elements)(商標)、Selexis SAから市販されている)又はカタラント(Catalant)選択系を含むか、又はこれと適合性である。
一実施形態では、本明細書で説明される組換え生成物をコードする核酸配列を含むベクターは、細胞を特定することにおいて有用な選択マーカーを含むか、又は細胞は、本明細書で説明される組換え生成物をコードする核酸を含む。別の実施形態では、本明細書で説明される通り、選択マーカーは、細胞、又は組換え生成物をコードする核酸配列のゲノムへの統合を含む細胞を特定することにおいて有用である。細胞、又は組換えタンパク質をコードする核酸配列を統合した細胞の特定は、細胞、又は生成物を安定に発現する細胞株の選択及び操作に有用であり得る。
使用に好適なベクターは市販されており、Lonza Biologics, Incから入手可能なGSエクスプレッションシステム(GS Expression System)(商標)、GSエクシード(GS Xceed)(商標)ジーンエクスプレッションシステム(Gene Expression System)又はポテリジェント(Potelligent)(登録商標)CHOK1SV技術と関連付けられるベクター、例えばFanら、Pharm.Bioprocess.(2013);1(5):487〜502(その全体を参照により本明細書に組み込む)で説明されるベクターを含む。GS発現ベクターは、GS遺伝子又はその機能的断片(例えばGSミニ遺伝子)及び目的の遺伝子の発現のための1つ又は複数の、例えば1、2若しくは3つ又はそれよりも多い高効率転写カセット、例えば本明細書で説明される組換えポリペプチドをコードする核酸を含む。GSミニ遺伝子は、例えばゲノムCHO GS遺伝子のイントロン6を含み、例えばこれからなる。一実施形態では、GSベクターは、SV40Lプロモーター及び1つ又は2つのポリAシグナルに作動可能に連結されたGS遺伝子を含む。別の実施形態では、GSベクターは、SV40Eプロモーター、SV40スプライシング及びポリアデニル化シグナルに作動可能に連結されたGS遺伝子を含む。そのような実施形態では、例えば目的の遺伝子又は本明細書で説明される組換えポリペプチドの発現のための転写カセットは、hCMV−MIEプロモーター、及び第1のイントロンを含むhCMV−MIE遺伝子からの5’非翻訳配列を含む。他のベクターは、GS発現ベクターに基づいて構築することができ、例えば、他の選択マーカーは、本明細書で説明される発現ベクターにおいてGS遺伝子について置換されている。
本明細書で説明される方法における使用に好適なベクターには、pcDNA3.1/Zeo、pcDNA3.1/CAT、pcDNA3.3TOPO(Thermo Fisher、以前のInvitrogen);pTarget、HaloTag(Promega);pUC57(GenScript);pFLAG−CMV(Sigma−Aldrich);pCMV6(Origene);pEE12若しくはpEE14(Lonza Biologics)又はpBK−CMV/pCMV−3Tag−7/pCMV−Tag2B(Stratagene)等の他の市販されているベクターが含まれるが、これらに限定されない。
[細胞及び細胞培養]
実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞である。他の実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞以外の細胞である。実施形態では、細胞は、マウス、ラット、チャイニーズハムスター、シリアンハムスター、サル、類人猿、イヌ、ウマ、フェレット又はネコである。実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞、例えばヒト細胞又はげっ歯類細胞、例えばハムスター細胞、マウス細胞若しくはラット細胞である。別の実施形態では、細胞は、アヒル、オウム、魚類、昆虫、植物、真菌又は酵母からの細胞である。一実施形態では、細胞は、古細菌である。一実施形態では、細胞は、放線菌門の種、例えば結核菌(Mycobacterium tuberculosis)である。
一実施形態では、細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。一実施形態では、細胞は、CHO−K1細胞、CHO−K1 SV細胞、DG44 CHO細胞、DUXB11 CHO細胞、CHOS、CHO GSノックアウト細胞、CHO FUT8 GSノックアウト細胞、CHOZN又はCHO由来細胞である。CHO GSノックアウト細胞(例えばGSKO細胞)は、例えばCHO−K1SV GSノックアウト細胞(Lonza Biologics,Inc.)である。CHO FUT8ノックアウト細胞は、例えばポテリジェント(登録商標)CHOK1 SV(Lonza Biologics,Inc.)である。
別の実施形態では、細胞は、Hela、HEK293、HT1080、H9、HepG2、MCF7、Jurkat、NIH3T3、PC12、PER.C6、BHK(仔ハムスター腎細胞)、VERO、SP2/0、NS0、YB2/0、Y0、EB66、C127、L細胞、COS、例えばCOS1及びCOS7、QC1−3、CHOK1、CHOK1SV、ポテリジェントCHOK1SV、CHO GSノックアウト、CHOK1SV GS−KO、CHOS、CHO DG44、CHO DXB11及びCHOZN又はそれらに由来する任意の細胞である。一実施形態では、細胞は、幹細胞である。一実施形態では、細胞は、本明細書で説明される細胞のうちのいずれかの分化した形態である。一実施形態では、細胞は、培養物中の任意の初代細胞に由来する細胞である。
一実施形態では、細胞は、組換えポリペプチドをコードする外因性核酸を含む、例えば組換えポリペプチド、例えば表1又は2から選択される組換えポリペプチドを発現する本明細書で説明される細胞のうちの任意の1つである。
ラージスケール産生
本明細書で説明される方法は、試料、例えば製造及び産生のデバイス、設備及び方法によって産生される試料を分析することにおける使用の方法である。本明細書で説明される製造及び産生のデバイス、設備及び方法は、原核細胞株及び/又は真核細胞株を含む任意の所望の細胞株を培養するために好適である。さらに、実施形態では、製造及び産生のデバイス、設備及び方法は、懸濁細胞又は足場依存性(接着性)細胞を培養するために好適であり、ポリペプチド生成物、核酸生成物(例えばDNA又はRNA)、又は細胞及び/若しくはウイルス療法で使用されるもの等の細胞及び/若しくはウイルス等の医薬製品及びバイオ医薬製品の産生のために構成された産生作業に好適である。
実施形態では、細胞は、組換え治療用生成物又は診断用生成物等の生成物を発現又は産生する。細胞によって産生される生成物の例には、抗体分子(例えばモノクローナル抗体、二重特異性抗体)、抗体ミメティックス(例えばDARPin、アフィボディ、アドネクチン又はIgNAR等の、抗原に特異的に結合するが、抗体に構造的に関連しないポリペプチド分子)、融合タンパク質(例えばFc融合タンパク質、キメラサイトカイン)、他の組換えタンパク質(例えば糖鎖付加タンパク質、酵素、ホルモン)、ウイルス治療薬(例えば抗がん腫瘍溶解性ウイルス、遺伝子療法及びウイルス免疫療法のためのウイルスベクター)、細胞治療薬(例えば多能性幹細胞、間葉系幹細胞及び成体幹細胞)、ワクチン若しくは脂質被包粒子(例えばエキソソーム、ウイルス様粒子)、RNA(例えばsiRNA等)若しくはDNA(例えばプラスミドDNA等)、抗生物質又はアミノ酸が含まれるが、これらに限定されない。実施形態では、デバイス、設備及び方法は、バイオ後続品を産生するために使用され得る。
言及される通り、実施形態では、本明細書で説明される方法は、試料、例えば製造及び産生のデバイス、設備及び方法によって産生される試料を分析することにおける使用の方法である。製造及び産生のデバイス、設備及び方法は、真核細胞、例えば哺乳動物細胞、又は例えば酵母細胞若しくは糸状菌細胞等の下等真核細胞、又はグラム陽性若しくはグラム陰性細胞等の原核細胞の産生、及び/又は真核細胞若しくは原核細胞の生成物、例えばタンパク質、ペプチド、抗生物質、アミノ酸、核酸(DNA又はRNA等)がラージスケール様式で真核細胞によって合成されることを可能にする。本明細書で別に示さない限り、デバイス、設備及び方法は、非限定的にベンチスケール、パイロットスケール及び完全産生スケール能を含む、任意の所望の体積又は産生能を含み得る。
実施形態では、製造及び産生のデバイス、設備及び方法は、細胞の産生、及び細胞の生成物、特にタンパク質、ペプチド(上記に詳細に説明される)、抗生物質又はアミノ酸がラージスケール様式で細胞、例えば哺乳動物細胞によって合成されることを可能にする。
広範に整列させたフラスコ、瓶、リアクター及びコントローラーは、細胞培養系の産生及びスケールアップを可能にする。系は、少なくとも部分的には所望のグリカン特性又は複数の所望のグリカン特性と系との相関に基づいて選択され得る。細胞は、例えば回分、流加回分、灌流又は連続培養物として成長させることができる。選択され得る産生パラメーターは、例えば、いつ(培養時間中の初期、中間期又は後期)及びどのくらい頻繁に培地が回収されるかを含む培地の添加又は除去;細胞培養物を撹拌する際の増大速度又は減少速度;細胞を培養する際の増大温度又は減少温度;培養密度が調節される培地の添加又は除去;細胞培養を開始又は停止する時間の選択;及び細胞培養パラメーターが変更される時間の選択を含む。そのようなパラメーターは、回分、流加回分、灌流及び連続培養条件のいずれかについて選択され得る。
実施形態では、ラージスケール産生のための培養細胞は、真核細胞、例えば動物細胞、例えば哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞は、例えばヒト細胞株、マウス骨髄腫(NS0)細胞株、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株又はハイブリドーマ細胞株であり得る。好ましくは、哺乳動物細胞は、CHO細胞株である。
実施形態では、ラージスケール産生のための培養細胞は、上記に詳細に説明される抗体、例えばモノクローナル抗体及び/又は組換えタンパク質、例えば治療的使用のための組換えタンパク質を産生するために使用される。実施形態では、細胞は、ペプチド、アミノ酸、脂肪酸又は他の有用な生化学中間体若しくは代謝産物を産生する。
実施形態では、ラージスケール産生のための細胞は、医療、研究又は商業目的のための真核細胞、生化学マーカー、目的の組換えペプチド又はヌクレオチド配列、タンパク質、酵母、安定な昆虫細胞又はウイルス感染した昆虫細胞、鳥類細胞、又はCHO細胞、サル細胞等の哺乳動物細胞、溶解産物等である。
実施形態では、ラージスケール産生のための細胞は、原核細胞、桿菌(Bacillus)属及びストレプトマイセス(Streptomyces)属等のグラム陽性細胞の系統である。実施形態では、宿主細胞はファーミキューテス(Firmicutes)門の細胞であり、例えば宿主細胞は桿菌である。使用され得る桿菌(BSacillus)は、例えば枯草菌(B.subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、バチルス・リケニホルミス(B.licheniformis)、納豆菌(B.natto)、巨大菌(B.megaterium)等の系統である。実施形態では、宿主細胞は、枯草菌3NA及び枯草菌168等の枯草菌である。桿菌は、例えばBacillus Genetic Stock Center、Biological Sciences 556、484 West 12th Avenue、Columbus OH 43210−1214から得ることができる。
実施形態では、ラージスケール産生のための原核細胞は、サルモネラ菌種(Salmonella spp.)又は大腸菌(E.coli)等のグラム陰性細胞、例えば市販されている系統TG1、W3110、DH1、XL1−Blue及びOrigamiである。
好適な宿主細胞は、例えば、DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen and Zellkulturen GmbH、Braunschweig、Germany)等の微生物株保存機関から市販されている。
一実施形態では、細胞培養は、回分培養、流加回分培養、ドロー・アンド・フィル培養又は連続培養として行われる。一実施形態では、細胞培養は、懸濁培養である。一実施形態では、細胞又は細胞培養物は、組換えポリペプチドの発現のためにin vivoに置かれ、例えばモデル生物又はヒト対象に置かれる。
一実施形態では、培養培地は、血清を含まない。血清非含有及びタンパク質非含有培地は、例えばLonza Biologicsから市販されている。
哺乳動物細胞株のための好適な培地及び培養法は、例えば米国特許第5633162号で説明されるように、当該技術分野で周知である。研究用フラスコ又は低密度細胞培養のための、且つ特定の細胞種の要求に適合させた標準の細胞培養培地の例は、例えばロズウェルパーク記念研究所(RPMI)1640培地(Morre,G.、The Journal of the American Medical Association、199、519ページ f. 1967)、L−15培地(Leibovitz,A.ら、Amer. J. of Hygiene、78、1ページ 173ff、1963)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、イーグル最小必須培地(MEM)、ハムF12培地(Ham,R.ら、Proc.Natl.Acad.Sc.53、288ページ ff. 1965)又はアルブミン、トランスフェリン及びレシチン非含有イスコフ改変DMEM(Iscovesら、J.Exp.med.1、923ページ ff.、1978)である。例えば、ハムF10又はF12培地は、CHO細胞培養のために特別に設計された。CHO細胞培養に特別に適合された他の培地は、EP−481791で説明されている。そのような培養培地は、ウシ胎児血清(FBS、ウシ胎児血清FCSとも呼ばれる)を補充され得ることが公知であり、ウシ胎児血清は、過剰のホルモン及び成長因子の天然供給源を提供する。哺乳動物細胞の細胞培養は、今日、科学教本及びマニュアルにおいて十分に説明されているルーチン作業であり、それは、例えば、R.Ian Fresney、Culture of Animal cells,a manual、第4版、Wiley−Liss/N.Y.、2000で詳細に扱われている。
他の好適な培養法は、当業者に公知であり、組換えポリペプチド生成物及び利用される宿主細胞に依存し得る。細胞によって発現される組換えポリペプチドの発現及び産生に好適な条件を決定又は最適化することは、当業者の技術の範囲内である。
一態様では、ラージスケール産生のための細胞又は細胞株は、生成物、例えば組換えポリペプチドをコードする外因性核酸を含む。一実施形態では、細胞又は細胞株は、生成物、例えば治療用生成物又は診断用生成物を発現する。所望のポリペプチド又はタンパク質を発現するように細胞を遺伝子改変又は遺伝子操作するための方法は、当該技術分野で周知であり、例えばトランスフェクション、形質導入(例えばウイルス形質導入)又はエレクトロポレーションを含む。
核酸、例えば本明細書で説明される外因性核酸又はベクターを宿主細胞に導入するための物理的方法は、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、微粒子銃、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション等を含む。ベクター及び/又は外因性核酸を含む細胞を産生するための方法は、当該技術分野で周知である。例えばSambrookら、2012、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL、1〜4巻、Cold Spring Harbor Press、NY)を参照されたい。
核酸、例えば本明細書で説明される外因性核酸又はベクターを宿主細胞に導入するための化学的手段は、高分子複合体等のコロイド分散系;ナノカプセル;ミクロスフェア;ビーズ;及び水中油エマルション、ミセル、混合ミセル及びリポソームを含む脂質ベース系を含む。in vitro及びin vivoでの送達媒体としての使用のための例示的なコロイド系は、リポソーム(例えば人工膜小胞)である。ターゲティングナノ粒子又は他の好適なミクロン以下の大きさの送達系によるポリヌクレオチドの送達等の最先端の核酸ターゲティング送達の他の方法が、使用可能である。
実施形態では、外因性核酸の宿主細胞核酸、例えば宿主細胞ゲノム又は染色体核酸への統合が所望される。外因性核酸の宿主細胞ゲノムへの統合が起こったかどうかを決定するための方法は、GS/MSX選択法を含み得る。GS/MSX選択法は、組換えGS遺伝子によるグルタミン栄養要求性の相補を使用して、細胞からの高レベルタンパク質発現について選択する。簡潔に述べると、GS/MSX選択法は、組換えポリペプチド生成物をコードする外因性核酸を含むベクターにグルタミン合成酵素をコードする核酸の包含を含む。メチオニンスルホキシイミン(MSX)の投与は、組換えポリペプチド及びGSの両方をコードする外因性核酸をゲノムに安定に統合した細胞を選択する。GSは、一部の宿主細胞、例えばCHO細胞によって内因的に発現され得るので、MSXによる選択の濃度及び持続期間は、組換えポリペプチド生成物をコードする外因性核酸の宿主ゲノムへの安定な統合を有する高産生細胞を特定するために最適化され得る。GS選択及びその系は、Fanら、Pharm.Bioprocess.(2013);1(5):487〜502でさらに説明されており、当該文献はその全体を参照により本明細書に組み込む。
外因性核酸を宿主細胞ゲノムに安定に統合した細胞を特定及び選択するための他の方法には、外因性核酸へのレポーター遺伝子の包含及び細胞内のレポーター遺伝子の存在の評価、並びにPCR分析及び外因性核酸の検出が含まれ得るが、これらに限定されない。
一実施形態では、本明細書で説明される方法を使用して選択、特定又は生成した細胞は、組換えポリペプチドをコードする外因性核酸の安定な発現、例えば統合ついての選択法のみを使用して選択された細胞よりも高い収率のタンパク質生成物を産生することができる。一実施形態では、本明細書で説明される方法を使用して選択、特定又は生成した細胞は、タンパク質分解阻害剤と接触させていない細胞、又は組換えポリペプチドをコードする外因性核酸の安定な発現、例えば統合についてのみ選択した細胞と比較して、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍若しくは10倍又はそれよりも多い生成物、例えば組換えポリペプチドを産生する。
[細胞株及び組換えポリペプチド産生のための方法]
生成物、例えば組換えポリペプチドの回復及び精製のための方法は、当該技術分野で十分に確立されている。組換えポリペプチド生成物の回復のために、物理的若しくは化学的又は物理化学的方法が使用される。物理的若しくは化学的又は物理化学的方法は、濾過法、遠心分離法、超遠心分離法、抽出法、凍結乾燥法、沈殿法、結晶化法、クロマトグラフィー法又はその2つ又はそれよりも多い方法の組合せであり得る。一実施形態では、クロマトグラフィー法は、サイズ排除クロマトグラフィー(又はゲル濾過)、イオン交換クロマトグラフィー、例えばアニオン若しくはカチオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー及び/又は多モードクロマトグラフィーのうちの1つ又は複数を含む。
本明細書で説明される方法は、原核細胞及び/又は真核細胞を含む任意の所望の細胞を培養する製造及び産生方法によって産生される試料を分析するために好適である。製造及び産生の方法は、例えばリアクター、例えばバイオリアクターで行われ得る。さらに、実施形態では、試料及び生成物は、懸濁細胞又は足場依存性(接着性)細胞を培養するために好適な、且つポリペプチド生成物等の分子生成物、又は細胞療法及び/若しくはウイルス療法で使用されるもの等の細胞及び/若しくはウイルスの産生のために構成された産生操作に好適なデバイス、設備及び産生方法を使用して産生され得る。
実施形態では、細胞は、組換え治療用生成物又は診断用生成物等の生成物を発現又は産生する。以下により詳細に説明される通り、細胞によって産生される生成物の例には、抗体分子(例えばモノクローナル抗体、二重特異性抗体)、融合タンパク質(例えばFc融合タンパク質、キメラサイトカイン)、他の組換えタンパク質(例えば糖鎖付加タンパク質、酵素、ホルモン)又は脂質被包粒子(例えばエキソソーム、ウイルス様粒子)が含まれるが、これらに限定されない。実施形態では、デバイス、設備及び方法は、バイオ後続品を産生するために使用され得る。
実施形態では、デバイス、設備及び産生方法は、真核細胞、例えば哺乳動物細胞、及び/又は真核細胞の生成物、例えばラージスケール様式で真核細胞によって合成されるタンパク質、ペプチド、抗生物質若しくはアミノ酸の産生を可能にする。本明細書で別に示さない限り、デバイス、設備及び方法は、非限定的にベンチスケール、パイロットスケール及び完全産生スケール能を含む、任意の所望の体積又は産生能を含み得る。
さらに、且つ本明細書で別に示さない限り、デバイス、設備及び産生方法は、非限定的に撹拌タンク、気泡ポンプ、繊維、マイクロファイバー、中空繊維、セラミックマトリックス、流動床、固定床、噴流床及び/又は撹拌タンクバイオリアクターを含む任意の好適なリアクター(複数可)を含み得る。例えば、一部の態様では、例のバイオリアクターユニットは、以下のこと:栄養素及び/又は炭素供給源の供給、好適な気体(例えば酸素)の注入、発酵又は細胞培養培地の流動、気相と液相との分離、温度の維持、pHレベルの維持、かき混ぜ(例えば撹拌)及び/又は清浄化/滅菌のうちの1つ若しくは複数又は全てを行い得る。発酵ユニット等の例のリアクターユニットは、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90若しくは100個又はそれよりも多いバイオリアクターを含有し得る。様々な実施形態では、バイオリアクターは、回分、半流加回分、流加回分、灌流及び/又は連続発酵プロセスに好適であり得る。任意の好適なリアクター直径を使用することができる。実施形態では、バイオリアクターは、約100mL〜約50,000Lの体積を有し得る。非限定的な例には、100mL、250mL、500mL、750mL、1リットル、2リットル、3リットル、4リットル、5リットル、6リットル、7リットル、8リットル、9リットル、10リットル、15リットル、20リットル、25リットル、30リットル、40リットル、50リットル、60リットル、70リットル、80リットル、90リットル、100リットル、150リットル、200リットル、250リットル、300リットル、350リットル、400リットル、450リットル、500リットル、550リットル、600リットル、650リットル、700リットル、750リットル、800リットル、850リットル、900リットル、950リットル、1000リットル、1500リットル、2000リットル、2500リットル、3000リットル、3500リットル、4000リットル、4500リットル、5000リットル、6000リットル、7000リットル、8000リットル、9000リットル、10,000リットル、15,000リットル、20,000リットル及び/又は50,000リットルの体積が含まれる。加えて、好適なリアクターは、多数回使用、単回使用、使い捨て又は非使い捨てであってもよく、ステンレススチール(例えば316L又は他の任意の好適なステンレススチール)及びインコネル等の金属合金、プラスチック及び/又はガラスを含む任意の好適な材料から形成され得る。一部の実施形態では、好適なリアクターは、円形、例えば円筒形であり得る。一部の実施形態では、好適なリアクターは、四角形、例えば長方形であり得る。四角形のリアクターは、一部の場合、使用(例えば技術者によるローディング及び設定)の容易さ、リアクター内容物のより大きな混合及び均一性並びにより少ない占有床面積等の円形リアクターに優る利点を提供し得る。
実施形態では、且つ本明細書で別に示さない限り、本明細書で説明されるデバイス、設備及び産生方法は、そのような生成物の分離、精製及び単離のための操作及び/又は機器等の、別に言及されていない任意の好適な単位操作及び/又は機器も含み得る。伝統的な現場組立設備、モジュール式設備又は他の任意の好適な構築物、設備及び/若しくはレイアウト等の任意の好適な設備及び環境を使用することができる。例えば、一部の実施形態では、モジュール式クリーンルームを使用することができる。加えて、且つ別に示さない限り、本明細書で説明されるデバイス、系及び方法は、単一の場所若しくは設備で収容及び/若しくは実施されるか、又は或いは、別々の、若しくは多数の場所及び/若しくは設備で収容及び/若しくは実施され得る。
非限定的な例のために、且つ限定ではなく、米国特許出願公開第2013/0280797号、同第2012/0077429号、同第2011/0280797号、同第2009/0305626号並びに米国特許第8298054号、同第7629167号及び同第5656491号は、好適であり得る例の設備、機器及び/又は系を説明し、当該特許及び特許出願はその全体を参照により本明細書に組み込む。
実施形態では、細胞は、真核細胞、例えば哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞は、例えばヒト又はげっ歯類若しくはウシ細胞株又は細胞系統であり得る。そのような細胞、細胞株又は細胞系統の例は、例えばマウス骨髄腫(NS0)細胞株、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、HT1080、H9、HepG2、MCF7、MDBK Jurkat、NIH3T3、PC12、BHK(仔ハムスター腎細胞)、VERO、SP2/0、YB2/0、Y0、C127、L細胞、COS、例えばCOS1及びCOS7、QC1−3、HEK−293、VERO、PER.C6、HeLA、EB1、EB2、EB3、腫瘍溶解細胞株又はハイブリドーマ細胞株である。好ましくは、哺乳動物細胞は、CHO細胞株である。一実施形態では、細胞は、CHO細胞である。一実施形態では、細胞は、CHO−K1細胞、CHO−K1 SV細胞、DG44 CHO細胞、DUXB11 CHO細胞、CHOS、CHO GSノックアウト細胞、CHO FUT8 GSノックアウト細胞、CHOZN又はCHO由来細胞である。CHO GSノックアウト細胞(例えばGSKO細胞)は、例えばCHO−K1 SV GSノックアウト細胞である。CHO FUT8ノックアウト細胞は、例えばポテリジェント(登録商標)CHOK1 SV(Lonza Biologics,Inc.)である。また、真核細胞は、例えばEBx(登録商標)細胞、EB14、EB24、EB26、EB66又はEBv13等の鳥類細胞、細胞株又は細胞系統であり得る。
一実施形態では、真核細胞は、幹細胞である。幹細胞は、例えば、胚性幹細胞(ESC)、成体幹細胞、人工多能性幹細胞(iPSC)、組織特異的幹細胞(例えば造血幹細胞)及び間葉系幹細胞(MSC)を含む多能性幹細胞であり得る。
実施形態では、培養される細胞は、真核細胞、例えば哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞は、例えばヒト細胞株、マウス骨髄腫(NS0)細胞株、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株又はハイブリドーマ細胞株であり得る。好ましくは、哺乳動物細胞は、CHO細胞株である。一実施形態では、細胞は、CHO細胞である。一実施形態では、細胞は、CHO−K1細胞、CHO−K1 SV細胞、DG44 CHO細胞、DUXB11 CHO細胞、CHOS、CHO GSノックアウト細胞、CHO FUT8 GSノックアウト細胞、CHOZN又はCHO由来細胞である。CHO GSノックアウト細胞(例えばGSKO細胞)は、例えばCHO−K1 SV GSノックアウト細胞である。CHO FUT8ノックアウト細胞は、例えばポテリジェント(登録商標)CHOK1 SV(Lonza Biologics,Inc.)である。
実施形態では、細胞は、酵母細胞(例えば出芽酵母(S.cerevisiae)、トリコデルマ・リーセイ(T.reesei))、昆虫細胞(例えばSf9)、藻類細胞(例えばシアノバクテリア)又は植物細胞(例えばタバコ、アルファルファ、ニセツリガネゴケ(Physcomitrella patens))である。一実施形態では、細胞は、げっ歯類細胞である。別の実施形態では、細胞は、HeLa、HEK293、HT1080、H9、HepG2、MCF7、Jurkat、NIH3T3、PC12、PER.C6、BHK(仔ハムスター腎細胞)、VERO、SP2/0、NS0、YB2/0、Y0、EB66、C127、L細胞、COS、例えばCOS1及びCOS7、QC1−3、CHO−K1である。
実施形態では、細胞は、幹細胞である。一実施形態では、細胞は、本明細書で説明される細胞のうちのいずれかの分化した形態である。一実施形態では、細胞は、培養物中の任意の初代細胞に由来する細胞である。
実施形態では、細胞は、ヒト肝細胞、動物肝細胞又は非実質細胞等の肝細胞である。例えば、細胞は、播種可能代謝用ヒト肝細胞、播種可能誘導用ヒト肝細胞、播種可能クオリストトランスポーターサーティファイド(Qualyst Transporter Certified)(商標)ヒト肝細胞、懸濁用ヒト肝細胞(10人のドナー及び20人のドナーからプールした肝細胞を含む)、ヒト肝クッパー細胞、ヒト肝星細胞、イヌ肝細胞(単一の、及びプールしたビーグル肝細胞を含む)、マウス肝細胞(CD−1及びC57BI/6肝細胞を含む)、ラット肝細胞(Sprague−Dawley、Wistar Han及びWistar肝細胞を含む)、サル肝細胞(カニクイザル又はアカゲザル肝細胞を含む)、ネコ肝細胞(イエネコ短毛種肝細胞を含む)及びウサギ肝細胞(ニュージーランドホワイト種肝細胞を含む)であり得る。例の肝細胞は、Triangle Research Labs、LLC、6 Davis Drive Research Triangle Park、North Carolina、USA 27709から市販されている。
一実施形態では、真核細胞は、例えば酵母細胞(例えばピキア(Pichia)属(例えばピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピキア・クルイベリ(Pichia kluyveri)及びピキア・アンガスタ(Pichia angusta))、コマガタエラ(Komagataella)属(例えばコマガタエラ・パストリス(Komagataella pastoris)、コマガタエラ・シュードパストリス(Komagataella pseudopastoris)又はコマガタエラ・ファフィ(Komagataella phaffii))、サッカロマイセス(Saccharomyces)属(例えば出芽酵母、出芽酵母、サッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロマイセス・ウバラム(Saccharomyces uvarum))、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)属(例えばクルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus))、キャンディダ(Candida)属(例えばトルラ酵母(Candida utilis)、キャンディダ・カカオイ(Candida cacaoi)、キャンディダ・ボイディニ(Candida boidinii))、ゲオトリクム(Geotrichum)属(例えばゲオトリクム・ファーメンタンス(Geotrichum fermentans))、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、ヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)又は***酵母(Schizosaccharomyces pombe))等の低級真核細胞である。ピキア・パストリス種は好ましい。ピキア・パストリス系統の例は、X33、GS115、KM71、KM71H及びCBS7435である。
一実施形態では、真核細胞は、真菌細胞(例えばコウジカビ(Aspergillus)属(クロコウジカビ(A.niger)、アスペルギルス・フミガータス(A.fumigatus)、ニホンコウジカビ(A.orzyae)、偽巣性コウジ菌(A.nidulans)等)、アクレモニウム(Acremonium)属(アクレモニウム・サーモフィラム(A.thermophilum)等)、ケタマカビ(Chaetomium)属(ケトミウム・サーモフィラム(C.thermophilum)等)、クリソスポリウム(Chrysosporium)属(クリソスポリウム・サーモフィラム(C.thermophilum)等)、冬虫夏草(Cordyceps)属(サナギタケ(C.militaris)等)、コリナスカス(Corynascus)属、クテノマイセス(Ctenomyces)属、フサリウム(Fusarium)属(フサリウム・オキシスポラム(F.oxysporum)等)、グロメレラ(Glomerella)属(イネ科炭疽病菌(G.graminicola)等)、ボタンタケ(Hypocrea)属(ハイポクレア・ジェコリーナ(H.jecorina)等)、マグナポルテ(Magnaporthe)属(イモチ病菌(M.orzyae)等)、マイセリオフトーラ(Myceliophthora)属(マイセリオフトーラ・サーモフィル(M.thermophile)等)、アカツブタケ(Nectria)属(ネクトリア・ヘマトコッカ(N.heamatococca)等)、アカパンカビ(Neurospora)属(アカパンカビ(N.crassa)等)、アオカビ(Penicillium)属、スポロトリクム(Sporotrichum)属(スポロトリクム・サーモフィル(S.thermophile)等)、ティエラビア(Thielavia)属(ティエラビア・テレストリス(T.terrestris)、ティエラビア・ヘテロタリカ(T.heterothallica)等)、トリコデルマ(Trichoderma)属(トリコデルマ・リーセイ等)又はバーティシリウム(Verticillium)属(バーティシリウム・ダリエ(V.dahliae)等))である。
一実施形態では、真核細胞は、昆虫細胞(例えばSf9、ミミック(Mimic)(商標)Sf9、Sf21、ハイファイブ(High Five)(商標)(BT1−TN−5B1−4)又はBT1−Ea88細胞)、藻類細胞(例えばアンフォラ(Amphora)属、珪藻類(Bacillariophyceae)の属、ドナリエラ(Dunaliella)属、クロレラ(Chlorella)属、コナミドリムシ(Chlamydomonas)属、藍藻類(Cyanophyta)の属(シアノバクテリア)、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)属、スピルリナ(Spirulina)属又はオクロモナス(Ochromonas)属の細胞)又は植物細胞(例えば単子葉植物(例えばトウモロコシ、イネ、コムギ又はエノコログサ(Setaria)属)から、又は双子葉植物(例えばキャッサバ、ジャガイモ、ダイズ、トマト、タバコ、アルファルファ、ニセツリガネゴケ又はシロイヌナズナ(Arabidopsis)属)からの細胞)である。
一実施形態では、細胞は、細菌又は原核細胞である。
実施形態では、原核細胞は、桿菌属、ストレプトマイセス属、連鎖状球菌(Streptococcus)属、ブドウ球菌(Staphylococcus)属又は乳酸桿菌(Lactobacillus)属等のグラム陽性細胞である。使用され得る桿菌属は、例えば枯草菌、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・リケニホルミス、納豆菌又は巨大菌である。実施形態では、細胞は、枯草菌3NA及び枯草菌168等の枯草菌である。桿菌属は、例えばBacillus Genetic Stock Center、Biological Sciences 556、484 West 12th Avenue、Columbus OH 43210−1214から得ることができる。
一実施形態では、原核細胞は、サルモネラ菌種又は大腸菌等のグラム陰性細胞、例えばTG1、TG2、W3110、DH1、DHB4、DH5a、HMS174、HMS174(DE3)、NM533、C600、HB101、JM109、MC4100、XL1−Blue及びOrigami等、並びに大腸菌B系統由来のもの、例えばBL−21又はBL21(DE3)等であり、それらの全ては市販されている。
好適な宿主細胞は、例えば、DSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen and Zellkulturen GmbH、Braunschweig、Germany)又はATCC(米国培養細胞系統保存機関)等の微生物株保存機関から市販されている。
実施形態では、培養細胞は、治療的使用のための、タンパク質、例えば抗体、例えばモノクローナル抗体及び/又は組換えタンパク質を産生するために使用される。実施形態では、培養細胞は、ペプチド、アミノ酸、脂肪酸又は他の有用な生化学中間体若しくは代謝産物を産生する。例えば、実施形態では、約4000ダルトン〜約140,000ダルトンを超える分子量を有する分子が産生され得る。実施形態では、これらの分子は、ある程度の複雑さを有する場合があり、糖鎖付加を含む翻訳後修飾を含み得る。
[番号付き実施形態]
1.式Iの化合物、例えばトロポロンを試料の別の成分から分離する方法であって、
試料を部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール、例えばフルオロフェニル、例えばペンタフルオロフェニルプロピル部分と、式Iの化合物、例えばトロポロンが、成分よりも大きく部分と関連付けられている、例えば部分に結合するか、又は部分によって保持される条件下で、接触させるステップと、
それによって、式Iの化合物、例えばトロポロンを成分から分離するステップと、
を含み、
式Iが、
Figure 2021509007

{式中、
Xは、O又はSであり、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであるか、又は
2つのRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成するか、若しくはR及びRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成し、
は、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
4a及びR4bは独立して、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
は、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、ハロ、オキソ又はシアノであり、
nは、0、1、2、4又は5である}
である、方法。
2.部分が、ペンタフルオロフェニルプロピル基を含む、項目1に記載の方法。
3.ペンタフルオロフェニルプロピル基が、基質と関連付けられている、例えば基質に結合する、例えば基質に共有結合する、項目1又は2に記載の方法。
4.基質が、不溶性基質、例えばクロマトグラフィーマトリックス、例えばシリカゲルを含む、項目3に記載の方法。
5.部分を1つ又は複数の移動相(例えば1つ又は2つの移動相)と、化合物が優先的に溶離される条件下で接触させるステップを含む、項目1〜4のいずれか一項に記載の方法。
6.試料を液体クロマトグラフィー(LC)分離に供するステップを含む、項目1〜5のいずれか一項に記載の方法。
7.生成物を含む試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンの存在、例えばレベルを評価する方法であって、
a)i)一定分量の試料、例えば式Iの化合物(例えばトロポロン)枯渇相、例えば移動相を用意するステップであって、式Iの化合物、例えばトロポロンが、試料の別の成分から分離されている、ステップ、又は
ii)試料を、式Iの化合物、例えばトロポロンが、試料の別の成分から分離される条件に供して、例えば、式Iの化合物、例えばトロポロン富化相又は一定分量及び式Iの化合物、例えばトロポロン枯渇相又は一定分量を形成するステップと、
b)式Iの化合物、例えばトロポロンの存在、例えばレベルを評価する、例えば、試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を、
i)タンデム質量分析(MS)を使用して、又は
ii)紫外線(UV)吸収、例えば約242nm又は約238nmでのUV吸収を使用して
決定するステップと、
それによって、試料を分析するステップと、
を含み、式Iが、
Figure 2021509007

{式中、
Xは、O又はSであり、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであるか、又は
2つのRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成するか、若しくはR及びRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成し、
は、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
4a及びR4bは独立して、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
は、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、ハロ、オキソ又はシアノであり、
nは、0、1、2、4又は5である}
である、方法。
8.a)が、一定分量の試料、例えば式Iの化合物、例えばトロポロン枯渇相、例えば移動相を用意するステップであって、式Iの化合物、例えばトロポロンが、試料の別の成分から分離されている、ステップを含む、項目7に記載の方法。
9.a)が、試料を、式Iの化合物、例えばトロポロンが、試料の別の成分から分離される条件に供して、例えば、式Iの化合物、例えばトロポロン富化相又は一定分量及び式Iの化合物、例えばトロポロン枯渇相又は一定分量を形成するステップを含む、項目7に記載の方法。
10.a)が、試料を液体クロマトグラフィー(LC)分離に供するステップを含む、項目7〜9のいずれか一項に記載の方法。
11.a)が、試料を部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール、例えばフルオロフェニル、例えばペンタフルオロフェニルプロピル部分と、式Iの化合物、例えばトロポロンが、成分よりも大きく部分と関連付けられている、例えば部分に結合するか、又は部分によって保持される条件下で、接触させるステップを含む、項目7〜10のいずれか一項に記載の方法。
12.部分が、ペンタフルオロフェニルプロピル基を含む、項目11に記載の方法。
13.b)が、式Iの化合物、例えばトロポロンのレベル又は存在を評価する、例えば、試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を、タンデム質量分析(MS)を使用して決定するステップを含む、項目7〜12のいずれか一項に記載の方法。
14.b)が、式Iの化合物、例えばトロポロンのレベル又は存在を評価する、例えば、試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を、紫外線(UV)吸収、例えば約242nm又は約238nmでのUV吸収を使用して決定するステップを含む、項目7〜12のいずれか一項に記載の方法。
15.a)i)及びb)i)を含む、項目7、11又は12のいずれか一項に記載の方法。
16.a)i)及びb)ii)を含む、項目7、11又は12のいずれか一項に記載の方法。
17.a)ii)及びb)i)を含む、項目7、11又は12のいずれか一項に記載の方法。
18.a)ii)及びb)ii)を含む、項目7、11又は12のいずれか一項に記載の方法。
19.試料中に存在する式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する方法の直線範囲が、約0.1〜10000、0.2〜8000、0.3〜7000、0.4〜6000、0.5〜5000、0.5〜4000、0.5〜3000、0.5〜2000又は0.5〜1000μg/ml、例えば0.5〜1000μg/mlである、項目7〜18のいずれか一項に記載の方法。
20.試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する方法の直線範囲の下限が、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1μg/ml、例えば0.5μg/mlである、項目7〜19のいずれか一項に記載の方法。
21.試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する方法の直線範囲の上限が、約500、600、700、800、900、1000、1200、1400、1600、1800、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000又は10,000μg/ml、例えば1000μg/mlである、項目7〜20のいずれか一項に記載の方法。
22.試料中に存在する式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する方法の(例えば、反復試料間の標準偏差により表される)精度が、約50、40、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1%、例えば17、16.5又は16%未満又はこれに等しい場合がある、項目7〜21のいずれか一項に記載の方法。
23.試料中に存在する式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する方法の(例えば、3つの異なる試料中の単一点スパイク回復平均により表される)正確さが、約70、75、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94又は95%、例えば91%を超えるか、又はこれに等しい、項目7〜22のいずれか一項に記載の方法。
24.試料中に存在する式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する方法の検出下限が、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10μg/ml、例えば5μg/mlである、項目7〜23のいずれか一項に記載の方法。
25.LCが、逆相クロマトグラフィーである、項目6又は10に記載の方法。
26.LCが、逆相クロマトグラフィーではない、項目6又は10に記載の方法。
27.LCが、部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール、例えばフルオロフェニル、例えばペンタフルオロフェニルプロピル基を含む固定相を使用することを含む、項目6又は10に記載の方法。
28.LCが、フルオロフェニル基を含む固定相を使用することを含む、項目27に記載の方法。
29.LCが、ペンタフルオロフェニルプロピル基を含む固定相を使用することを含む、項目27に記載の方法。
30.LCが、第1の移動相及び第2の移動相を使用することを含む、項目6、10又は25〜29のいずれか一項に記載の方法。
31.第1の移動相が、水中のギ酸、例えば水中の約0.01%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%又は1%のギ酸を含む、項目30に記載の方法。
32.第1の移動相が、水中の約0.1%のギ酸を含む、項目31に記載の方法。
33.第2の移動相が、アセトニトリル中のギ酸、例えばアセトニトリル中の約0.01%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%又は1%のギ酸を含む、項目30に記載の方法。
34.第2の移動相が、アセトニトリル中の約0.1%のギ酸を含む、項目33に記載の方法。
35.第2の移動相が、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100%のアセトニトリル、例えば約100%のアセトニトリルを含む、項目33又は34に記載の方法。
36.LCが、ペンタフルオロフェニルプロピル基を含む固定相を使用することと、第1の移動相及び第2の移動相を使用することとを含み、第1の移動相が、水中の約0.1%のギ酸を含み、第2の移動相が、アセトニトリル中の約0.1%のギ酸を含む、項目6、10又は25〜35のいずれか一項に記載の方法。
37.LCが、Discovery HS F5−3カラムを使用することを含む、項目6、10又は25〜36のいずれか一項に記載の方法。
38.MSを使用することが、選択反応モニタリング(SRM)を含む、項目7〜13、15、17及び19〜37のいずれか一項に記載の方法。
39.MSを使用することが、多反応モニタリング(MRM)、例えば並行反応モニタリング(PRM)を含む、項目7〜13、15、17及び19〜37のいずれか一項に記載の方法。
40.SRM又はMRM(例えばPRM)が、表1の遷移i、ii、iii、iv、v及びviから選択される1つ又は複数の遷移をモニターするために使用される、項目38又は39に記載の方法。
41.SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移iをモニターするために使用される、項目40に記載の方法。
42.SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移iiをモニターするために使用される、項目40に記載の方法。
43.SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移iiiをモニターするために使用される、項目40に記載の方法。
44.SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移ivをモニターするために使用される、項目40に記載の方法。
45.SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移vをモニターするために使用される、項目40に記載の方法。
46.SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移viをモニターするために使用される、項目40に記載の方法。
47.部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール、例えばフルオロフェニル、例えばペンタフルオロフェニルプロピル部分と、式Iの化合物、例えばトロポロン、別の成分及び任意選択で生成物を含む試料とを含む反応混合物であって、式Iが、
Figure 2021509007

{式中、
Xは、O又はSであり、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであるか、又は
2つのRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成するか、若しくはR及びRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成し、
は、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
4a及びR4bは独立して、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
は、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、ハロ、オキソ又はシアノであり、
nは、0、1、2、4又は5である}
によって与えられる、反応混合物。
48.生成物、例えば組換えポリペプチドを製造する方法であって、生成物と任意選択で式Iの化合物、例えばトロポロンとを含む試料を用意するステップを含み、
試料が、項目7〜43、45又は46のいずれか一項に記載の方法によって分析されるか、又は
式Iの化合物、例えばトロポロンが、項目1〜6のいずれか一項に記載の方法によって試料の別の成分から分離され、
式Iが、
Figure 2021509007

{式中、
Xは、O又はSであり、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであるか、又は
2つのRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成するか、若しくはR及びRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成し、
は、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
4a及びR4bは独立して、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
は、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、ハロ、オキソ又はシアノであり、
nは、0、1、2、4又は5である}
によって与えられる、方法。
49.製造する方法が、複数の細胞(例えば複数のCHO細胞、例えば複数のGS−CHO細胞)からの発現及び分泌を含む、項目48に記載の方法。
50.試料が、培養上清を含む、項目1〜49のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
51.試料が、細胞溶解物を含む、項目1〜49のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
52.試料が、培養上清及び細胞溶解物を含む、項目1〜51のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
53.試料が、生成物、例えば組換えポリペプチドを製造する方法によって生成された、項目1〜52のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
54.試料が、最終生成物、例えば送達(例えば患者への投与)のために製剤化された最終生成物を含む、項目1〜53のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
55.生成物又は組換えポリペプチドが、ホモポリマーポリペプチド又はヘテロポリマーポリペプチド、例えばホルモン、成長因子、受容体、抗体、サイトカイン、受容体リガンド、転写因子又は酵素、好ましくは抗体又は抗体断片、例えばヒト抗体若しくはヒト化抗体又はその断片、例えばマウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ又はウシ抗体、典型的にはウサギ起源の抗体に由来するヒト化抗体又はその断片である、項目1〜54のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
56.生成物又は組換えポリペプチドが、治療用ポリペプチドである、項目1〜55のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
57.生成物又は組換えポリペプチドが、表1、表2、表3又は表4で開示される生成物又は組換えポリペプチドである、項目1〜56のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
58.生成物又は組換えポリペプチドが、抗体である、項目1〜57のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
59.抗体が、モノクローナル抗体である、項目58に記載の方法又は反応混合物。
60.モノクローナル抗体が、治療用抗体である、項目58又は59に記載の方法又は反応混合物。
61.細胞が、哺乳動物細胞である、項目49〜60のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
62.細胞が、マウス、ラット、チャイニーズハムスター、シリアンハムスター、サル、類人猿、イヌ、ウマ、フェレット又はネコである、項目61に記載の方法又は反応混合物。
63.細胞が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、項目61に記載の方法又は反応混合物。
64.CHO細胞が、CHO−K1細胞、CHO−K1 SV細胞、DG44 CHO細胞、DUXB11 CHO細胞、CHOS細胞、CHO GSノックアウト細胞、CHO FUT8 GSノックアウト細胞、CHOZN細胞又はCHO由来細胞である、項目63に記載の方法又は反応混合物。
65.細胞が、Hela、HEK293、HT1080、H9、HepG2、MCF7、Jurkat、NIH3T3、PC12、PER.C6、BHK(仔ハムスター腎細胞)、VERO、SP2/0、NS0、YB2/0、Y0、EB66、C127、L細胞、COS、例えばCOS1及びCOS7、QC1−3又はそれに由来する任意の細胞である、項目61に記載の方法又は反応混合物。
本発明は、以下の実験実施例を参照してさらに詳細に説明される。これらの実施例は、例示の目的のためにのみ提供され、別に特定されない限り限定であるとは意図されない。したがって、本発明は、以下の実施例に限定されるとは決して解釈されるべきでなく、むしろ、本明細書で提供される教示の結果として明らかになる任意及び全ての変形を包含すると解釈されるべきである。
さらなる説明がなくても、当業者は、先行の説明及び以下の例示的な実施例を使用して、本発明の化合物を製造及び利用し、特許請求の範囲の方法を実施し得ると考えられる。以下の作業実施例は、本発明の様々な態様を特に示し、本開示の残りの部分をどのようにも限定するとは解釈されるべきではない。
実施例1:機器及び試薬
以下の機器、試薬及び頭字語は、実施例2〜6で使用される。
Figure 2021509007
機器:
Phenomenex Luna−NH 150x2mm、5μmカラム、部品番号00F−4378−B0、シリアル番号H15−228806及びH15−045780。
Supelco Discovery HS F5 150x2.1mm 3μm、製品番号567503−U、カラム番号149000−03、BL:8129
Waters Acquity UPLCシステムID 270419。
Waters Xevo TQ−MS.システムID 270418。
5±3℃保存:ルームG100、スラフ(Slough)。
ソフトウェア:
ウォーターズマスリンクス(Waters MassLynx)(商標)質量分析ソフトウェア
ウォーターズターゲットリンクス(Waters TargetLynx)(商標)アプリケーションマネージャー
材料及び試薬:
トロポロン、Sigma Aldrich、部品番号15702−5G、バッチ番号BCBR4016V
溶離液1−処方:10mMリン酸ナトリウム/40mM塩化ナトリウム、pH7.5
溶離液2−処方:10mMリン酸ナトリウム/40mM塩化ナトリウム/400mMクエン酸ナトリウム、pH6.1
BASM−処方:30mMヒスチジン/ヒスチジンHCl、225mMソルビトール、pH6.0
実施例2:方法の開発
現存のRP−HPLC分離法及びUV検出を使用して、典型的な製剤成分を伴う典型的な試料中のトロポロンを分離及び検出した。UVクロマトグラムは、試料緩衝液成分に起因し、且つトロポロンの迅速且つ正確な特定及び定量を困難にし得るレベルの多数のピークの存在を示す(図1)。
IntelliStartソフトウェアを使用して、SRM遷移を展開した。トロポロンを50%アセトニトリルに溶解し、質量分析器に直接注入し、陽性及び陰性イオン化モードの両方をスキャンした。その結果を表1に示す。
Figure 2021509007
これらのSRMを、移動相Aとして40mM酢酸アンモニウムpH9.45/5%アセトニトリル及び移動相Bとしてアセトニトリルを使用するLuna−NH(Phenomenex)LCカラムを使用して、クロマトグラフィー分離の検出について試験した。この構成は分析物保持を示さず(図2)、そのため、このカラムはさらなる実験に使用しなかった。
LCカラムを、移動相Aとして水中の0.1%ギ酸及び移動相Bとしてアセトニトリル中の0.1%ギ酸を使用するDiscovery HS F5−3(Supelco)に変更した。この構成を使用して、両方のSRMは、50:50の移動相A:Bに溶解したトロポロンの注入について単一の鋭利なピーク(5.18分に溶離する)を示した(図3)。
実施例3:方法性能−直線範囲、精度及び正確さ
開発した実施例2のLC−MS法を、以下の方法性能パラメーター:直線範囲、正確さ及び精度について試験した。直線範囲を5点較正曲線(0.5、1.0、100.0、500.0及び1000.0μg/mL)を使用して評価し、2日間にわたり分析した(1回の注入後、三重の注入)。1つのさらなる較正点(0.1μg/mL)を分析したが、方法のLOD未満であることが分かり、そのため、ピーク領域をプロットしなかった(図4)。0.5〜1000.0μg/mLの範囲にわたり、直線性はR=0.9911であることが分かった。
標準曲線の反復注入からの相対標準偏差(RSD)の平均値を使用して精度を計算し、16.56%の値を得た。
単一点スパイク回復実験から3つの異なるプロセス試料への正確さを計算し、91.4%の平均回復を得た。
実施例4:方法性能−インプロセス試料の試験
実施例2及び3で開発及び試験した方法を、様々な精製段階の製造した生物由来生成物からの3つの試料についてさらに試験した。試験した3つのインプロセス試料は、様々な製剤の様々な下流段階からの試料(Sartobind Q及びSartobindフェニルカラム後、並びに原薬物質(BDS))であった。試料は、正味の注入として分析され、試料のいずれにおいてもトロポロンシグナルを示さなかった(図5)。
方法性能評価の部分として、トロポロン標準をこれらのインプロセス試料に0.05mg/mLで加えた(図6)。この実験は、様々な製剤のインプロセス試料からのトロポロンの回復を確認した。また、これは、試験した試料中にトロポロンが方法の検出低減(LLOD)(5.0μg/mL)を超えて存在しなかったことを確認した。
実施例5:UV検出及び方法
実施例2(図1)で見られる通り、242nmでのUV検出を使用する以前の方法は、試料マトリックスから検出される干渉ピーク(試料緩衝液ピーク)を示した。238nm吸収を使用することは、トロポロンピーク応答を増大し得るかどうかを考えた。実施例2〜4で確立及び試験した新しいクロマトグラフィー条件を使用して、MSの代わりにUV検出を試験すると、干渉緩衝液ピークの問題は、解決されたように見える(図7)。上部のトレースは242nmでのUV検出を示し、下部のトレースは238nmを示し、両方の波長において、以前に7.0分で見られた緩衝液ピーク(図1)は滞留時間を移動し、トロポロンピーク(5.28分)をもはや干渉しないように見える。ピーク分解能の増大により、新しいアッセイについてMS検出は必要とされない場合があるが、MS検出はUV検出よりも大きな特異性を提供し得る。
実施例6:結論
LC−MSを使用する、プロセス試料及び精製試料中のトロポロンの検出のための新しいアッセイを開発した。最適化することなく、これは、以前に使用されていたRP−HPLC−UV法について、変更したクロマトグラフィーによる干渉ピークの低減及び検出特異性の増大によって改善する。
方法性能パラメーターを、直線範囲、正確さ及び精度について評価し、結果は以下の通りであった:
直線性:R=0.9911
精度=16.56% RSD
正確さ=91.4%回復
238nmの検出波長を使用して、242nmと比較した場合、トロポロンピーク強度の小さな増大が観察された。Discovery HS−F5カラム及び関連付けられる移動相を使用して得られたクロマトグラフィー性能の改善は、以前に示される製剤緩衝液干渉の問題を解決する。このUV検出のみを伴うLC構成を使用することは可能であり得る。

Claims (65)

  1. 式Iの化合物、例えばトロポロンを試料の別の成分から分離する方法であって、
    前記試料を部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール、例えばフルオロフェニル、例えばペンタフルオロフェニルプロピル部分と、前記式Iの化合物、例えばトロポロンが、前記成分よりも大きく前記部分と関連付けられている、例えば前記部分に結合するか、又は前記部分によって保持される条件下で、接触させるステップと、
    それによって、前記式Iの化合物、例えばトロポロンを前記成分から分離するステップと、
    を含み、
    式Iが、
    Figure 2021509007

    {式中、
    Xは、O又はSであり、
    は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであり、
    各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであるか、又は
    2つのRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成するか、若しくはR及びRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成し、
    は、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    4a及びR4bは独立して、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    は、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、ハロ、オキソ又はシアノであり、
    nは、0、1、2、4又は5である}
    である、方法。
  2. 前記部分が、ペンタフルオロフェニルプロピル基を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ペンタフルオロフェニルプロピル基が、基質と関連付けられている、例えば基質に結合する、例えば基質に共有結合する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記基質が、不溶性基質、例えばクロマトグラフィーマトリックス、例えばシリカゲルを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記部分を1つ又は複数の移動相(例えば1つ又は2つの移動相)と、前記化合物が優先的に溶離される条件下で接触させるステップを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記試料を液体クロマトグラフィー(LC)分離に供するステップを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 生成物を含む試料中の式Iの化合物、例えばトロポロンの存在、例えばレベルを評価する方法であって、
    a)i)一定分量の試料、例えば式Iの化合物(例えばトロポロン)枯渇相、例えば移動相を用意するステップであって、前記式Iの化合物、例えばトロポロンが、前記試料の別の成分から分離されている、ステップ、又は
    ii)前記試料を、前記式Iの化合物、例えばトロポロンが、前記試料の別の成分から分離される条件に供して、例えば、式Iの化合物、例えばトロポロン富化相又は一定分量及び式Iの化合物、例えばトロポロン枯渇相又は一定分量を形成するステップと、
    b)前記式Iの化合物、例えばトロポロンの存在、例えばレベルを評価する、例えば、前記試料中の前記式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を、
    i)タンデム質量分析(MS)を使用して、又は
    ii)紫外線(UV)吸収、例えば約242nm又は約238nmでのUV吸収を使用して
    決定するステップと、
    それによって、前記試料を分析するステップと
    を含み、式Iが、
    Figure 2021509007

    {式中、
    Xは、O又はSであり、
    は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであり、
    各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであるか、又は
    2つのRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成するか、若しくはR及びRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成し、
    は、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    4a及びR4bは独立して、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    は、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、ハロ、オキソ又はシアノであり、
    nは、0、1、2、4又は5である}
    である、方法。
  8. a)が、一定分量の試料、例えば式Iの化合物、例えばトロポロン枯渇相、例えば移動相を用意するステップであって、前記式Iの化合物、例えばトロポロンが、前記試料の別の成分から分離されている、ステップを含む、請求項7に記載の方法。
  9. a)が、前記試料を、前記式Iの化合物、例えばトロポロンが、前記試料の別の成分から分離される条件に供して、例えば、式Iの化合物、例えばトロポロン富化相又は一定分量及び式Iの化合物、例えばトロポロン枯渇相又は一定分量を形成するステップを含む、請求項7に記載の方法。
  10. a)が、前記試料を液体クロマトグラフィー(LC)分離に供するステップを含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. a)が、前記試料を部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール、例えばフルオロフェニル、例えばペンタフルオロフェニルプロピル部分と、前記式Iの化合物、例えばトロポロンが、前記成分よりも大きく前記部分と関連付けられている、例えば前記部分に結合するか、又は前記部分によって保持される条件下で、接触させるステップを含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記部分が、ペンタフルオロフェニルプロピル基を含む、請求項11に記載の方法。
  13. b)が、前記式Iの化合物、例えばトロポロンのレベル又は存在を評価する、例えば、前記試料中の前記式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を、タンデム質量分析(MS)を使用して決定するステップを含む、請求項7〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. b)が、前記式Iの化合物、例えばトロポロンのレベル又は存在を評価する、例えば、前記試料中の前記式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を、紫外線(UV)吸収、例えば約242nm又は約238nmでのUV吸収を使用して決定するステップを含む、請求項7〜12のいずれか一項に記載の方法。
  15. a)i)及びb)i)を含む、請求項7、11及び12のいずれか一項に記載の方法。
  16. a)i)及びb)ii)を含む、請求項7、11及び12のいずれか一項に記載の方法。
  17. a)ii)及びb)i)を含む、請求項7、11及び12のいずれか一項に記載の方法。
  18. a)ii)及びb)ii)を含む、請求項7、11及び12のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記試料中に存在する前記式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する前記方法の直線範囲が、約0.1〜10000、0.2〜8000、0.3〜7000、0.4〜6000、0.5〜5000、0.5〜4000、0.5〜3000、0.5〜2000又は0.5〜1000μg/ml、例えば0.5〜1000μg/mlである、請求項7〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記試料中の前記式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する前記方法の前記直線範囲の下限が、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1μg/ml、例えば0.5μg/mlである、請求項7〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記試料中の前記式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する前記方法の前記直線範囲の上限が、約500、600、700、800、900、1000、1200、1400、1600、1800、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000又は10,000μg/ml、例えば1000μg/mlである、請求項7〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記試料中に存在する前記式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する前記方法の(例えば、反復試料間の標準偏差により表される)精度が、約50、40、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1%、例えば17、16.5又は16%未満又はこれに等しい場合がある、請求項7〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記試料中に存在する前記式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する前記方法の(例えば、3つの異なる試料中の単一点スパイク回復平均により表される)正確さが、約70、75、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94又は95%、例えば91%を超えるか、又はこれに等しい、請求項7〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記試料中に存在する前記式Iの化合物、例えばトロポロンのレベルについての値を決定することに関する前記方法の検出下限が、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10μg/ml、例えば5μg/mlである、請求項7〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記LCが、逆相クロマトグラフィーである、請求項6又は10に記載の方法。
  26. 前記LCが、逆相クロマトグラフィーではない、請求項6又は10に記載の方法。
  27. 前記LCが、部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール、例えばフルオロフェニル、例えばペンタフルオロフェニルプロピル基を含む固定相を使用することを含む、請求項6又は10に記載の方法。
  28. 前記LCが、フルオロフェニル基を含む固定相を使用することを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記LCが、ペンタフルオロフェニルプロピル基を含む固定相を使用することを含む、請求項27に記載の方法。
  30. 前記LCが、第1の移動相及び第2の移動相を使用することを含む、請求項6、10及び25〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記第1の移動相が、水中のギ酸、例えば水中の約0.01%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%又は1%のギ酸を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記第1の移動相が、水中の約0.1%のギ酸を含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記第2の移動相が、アセトニトリル中のギ酸、例えばアセトニトリル中の約0.01%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%又は1%のギ酸を含む、請求項30に記載の方法。
  34. 前記第2の移動相が、アセトニトリル中の約0.1%のギ酸を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記第2の移動相が、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100%のアセトニトリル、例えば約100%のアセトニトリルを含む、請求項33又は34に記載の方法。
  36. 前記LCが、ペンタフルオロフェニルプロピル基を含む固定相を使用することと、第1の移動相及び第2の移動相を使用することとを含み、前記第1の移動相が、水中の約0.1%のギ酸を含み、前記第2の移動相が、アセトニトリル中の約0.1%のギ酸を含む、請求項6、10及び25〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記LCが、Discovery HS F5−3カラムを使用することを含む、請求項6、10及び25〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. MSを使用することが、選択反応モニタリング(SRM)を含む、請求項7〜13、15、17及び19〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. MSを使用することが、多反応モニタリング(MRM)、例えば並行反応モニタリング(PRM)を含む、請求項7〜13、15、17及び19〜37のいずれか一項に記載の方法。
  40. SRM又はMRM(例えばPRM)が、表1の遷移i、ii、iii、iv、v及びviから選択される1つ又は複数の遷移をモニターするために使用される、請求項38又は39に記載の方法。
  41. SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移iをモニターするために使用される、請求項40に記載の方法。
  42. SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移iiをモニターするために使用される、請求項40に記載の方法。
  43. SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移iiiをモニターするために使用される、請求項40に記載の方法。
  44. SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移ivをモニターするために使用される、請求項40に記載の方法。
  45. SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移vをモニターするために使用される、請求項40に記載の方法。
  46. SRM又はMRM(例えばPRM)が、遷移viをモニターするために使用される、請求項40に記載の方法。
  47. 部分的又は完全フッ素化アルキル又はアリール、例えばフルオロフェニル、例えばペンタフルオロフェニルプロピル部分と、式Iの化合物、例えばトロポロン、別の成分及び任意選択で生成物を含む試料とを含む反応混合物であって、式Iが、
    Figure 2021509007

    {式中、
    Xは、O又はSであり、
    は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであり、
    各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであるか、又は
    2つのRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成するか、若しくはR及びRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成し、
    は、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    4a及びR4bは独立して、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    は、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、ハロ、オキソ又はシアノであり、
    nは、0、1、2、4又は5である}
    によって与えられる、反応混合物。
  48. 生成物、例えば組換えポリペプチドを製造する方法であって、前記生成物と任意選択で式Iの化合物、例えばトロポロンとを含む試料を用意するステップを含み、
    前記試料が、請求項7〜43、45及び46のいずれか一項に記載の方法によって分析されるか、又は
    前記式Iの化合物、例えばトロポロンが、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法によって前記試料の別の成分から分離され、
    式Iが、
    Figure 2021509007

    {式中、
    Xは、O又はSであり、
    は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、OR、C(O)R、C(O)OR、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであり、
    各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、N(R4a)(R4b)、C(O)N(R4a)(R4b)又はN(R4a)C(O)Rであるか、又は
    2つのRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成するか、若しくはR及びRは接合して、任意選択で1つ若しくは複数のRにより置換されているヘテロシクリル環を形成し、
    は、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    4a及びR4bは独立して、水素、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    は、C〜Cアルキル又はC〜Cヘテロアルキルであり、
    各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、ハロ、オキソ又はシアノであり、
    nは、0、1、2、4又は5である}
    によって与えられる、方法。
  49. 製造する前記方法が、複数の細胞(例えば複数のCHO細胞、例えば複数のGS−CHO細胞)からの発現及び分泌を含む、請求項48に記載の方法。
  50. 前記試料が、培養上清を含む、請求項1〜49のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
  51. 前記試料が、細胞溶解物を含む、請求項1〜49のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
  52. 前記試料が、培養上清及び細胞溶解物を含む、請求項1〜51のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
  53. 前記試料が、生成物、例えば組換えポリペプチドを製造する方法によって生成された、請求項1〜52のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
  54. 前記試料が、最終生成物、例えば送達(例えば患者への投与)のために製剤化された最終生成物を含む、請求項1〜53のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
  55. 前記生成物又は組換えポリペプチドが、ホモポリマーポリペプチド又はヘテロポリマーポリペプチド、例えばホルモン、成長因子、受容体、抗体、サイトカイン、受容体リガンド、転写因子又は酵素、好ましくは抗体又は抗体断片、例えばヒト抗体若しくはヒト化抗体又はその断片、例えばマウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ又はウシ抗体、典型的にはウサギ起源の抗体に由来するヒト化抗体又はその断片である、請求項1〜54のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
  56. 前記生成物又は組換えポリペプチドが、治療用ポリペプチドである、請求項1〜55のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
  57. 前記生成物又は組換えポリペプチドが、表1、表2、表3又は表4で開示される生成物又は組換えポリペプチドである、請求項1〜56のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
  58. 前記生成物又は組換えポリペプチドが、抗体である、請求項1〜57のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
  59. 前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項58に記載の方法又は反応混合物。
  60. 前記モノクローナル抗体が、治療用抗体である、請求項58又は59に記載の方法又は反応混合物。
  61. 前記細胞が、哺乳動物細胞である、請求項49〜60のいずれか一項に記載の方法又は反応混合物。
  62. 前記細胞が、マウス、ラット、チャイニーズハムスター、シリアンハムスター、サル、類人猿、イヌ、ウマ、フェレット又はネコである、請求項61に記載の方法又は反応混合物。
  63. 前記細胞が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、請求項61に記載の方法又は反応混合物。
  64. 前記CHO細胞が、CHO−K1細胞、CHO−K1 SV細胞、DG44 CHO細胞、DUXB11 CHO細胞、CHOS細胞、CHO GSノックアウト細胞、CHO FUT8 GSノックアウト細胞、CHOZN細胞又はCHO由来細胞である、請求項63に記載の方法又は反応混合物。
  65. 前記細胞が、Hela、HEK293、HT1080、H9、HepG2、MCF7、Jurkat、NIH3T3、PC12、PER.C6、BHK(仔ハムスター腎細胞)、VERO、SP2/0、NS0、YB2/0、Y0、EB66、C127、L細胞、COS、例えばCOS1及びCOS7、QC1−3又はそれに由来する任意の細胞である、請求項61に記載の方法又は反応混合物。
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