JP2021197454A - 配線基板及び配線基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線基板の特性向上。【解決手段】実施形態の配線基板は、芯材を含まずに形成されている第1絶縁層と、第1絶縁層を介して互いに対向するように設けられている第1導体層1a及び第2導体層1bと、第1絶縁層を貫通して第1導体層1aと第2導体層1bとを接続する複数のビア導体10cと、を含んでいる。第1導体層1a及び第2導体層1bは第1絶縁層を介して隣接し、第1絶縁層内には、所定の形状を有する磁性体3が、第1導体層1a、第2導体層1b、及び複数のビア導体10cのいずれとも接しないように埋設されており、第1導体層1a及び第2導体層1bそれぞれに含まれる配線パターン101、102、及び複数のビア導体10cによって磁性体3の周囲にコイル1が形成されており、コイル1は、配線基板の積層方向Zと交差する方向に沿って延在している。【選択図】図2

Description

本発明は配線基板及び配線基板の製造方法に関する。
特許文献1には、インダクタ回路を備えるプリント配線板が開示されている。インダクタ回路は、ビルドアップ層の各絶縁層上の導体層に形成されている。各導体層においてインダクタ回路は、ビルドアップ層をその積層方向に貫通する開口部内の磁性体の周囲に形成されている。隣接する導体層のインダクタ回路同士がビア導体で接続され、プリント配線板の積層方向を軸方向とするコイルが形成されている。
特開2016−100451号公報
特許文献1に開示のプリント配線基板のコイルの構造では、コイルを構成するインダクタ回路の数(コイルの巻き数)に応じた数の導体層が必要となる。従って、コイルインダクタに求められるインダクタンスが大きければ大きいほど、配線基板の層数が増加すると共に配線基板の厚さも増大すると考えられる。
本発明の配線基板は、芯材を含まずに形成されている第1絶縁層と、前記第1絶縁層を介して互いに対向するように設けられている第1導体層及び第2導体層と、前記第1絶縁層を貫通して前記第1導体層と前記第2導体層とを接続する複数のビア導体と、を含んでいる。そして、前記第1導体層及び前記第2導体層は前記第1絶縁層を介して隣接し、所定の形状を有する磁性体が、前記第1導体層、前記第2導体層、及び前記複数のビア導体のいずれとも接しないように前記第1絶縁層内に埋設されており、前記第1導体層及び前記第2導体層それぞれに含まれる配線パターン、及び前記複数のビア導体によって前記磁性体の周囲にコイルが形成されており、前記コイルは、前記配線基板の積層方向と交差する方向に沿って延在している。
本発明の配線基板の製造方法は、並列する複数の配線パターンからなる第1配線群を含む第1導体層を形成することと、前記第1導体層を覆う第1絶縁層を形成することと、並列する複数の配線パターンからなる第2配線群を含む第2導体層を前記第1絶縁層の上に形成すると共に、前記第1絶縁層を貫通して前記第1配線群と前記第2配線群とを接続する複数のビア導体を形成することと、を含む配線基板の製造方法であって、前記第1絶縁層を形成することは、第1絶縁性材料を前記第1導体層上に積層して前記第1導体層を覆う下層絶縁層を形成することと、前記下層絶縁層上に所定の形状を有する磁性体を設けることと、前記磁性体及び前記下層絶縁層を第2絶縁性材料で覆うことと、を含んでいる。そして、前記第2導体層を形成すると共に前記複数のビア導体を形成することは、前記複数のビア導体を前記磁性体に沿って前記磁性体の両側に形成することによって、前記第1導体層と前記第1絶縁層との積層方向と交差する方向に沿って延在するコイルを形成することを含んでいる。
本発明の実施形態によれば、配線基板に内蔵されるインダクタのインダクタンスを導体層の層数に依存せずに高めることができる。また、本発明の実施形態によれば、導体層の層数に制約されずに高いインダクタンスを有し得るインダクタ内蔵の配線基板を製造することができる。
本発明の一実施形態の配線基板の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態に含まれるコイルの概略を示す斜視図。 本発明の一実施形態に含まれるコイルの一例の平面図。 図3のIVA−IVA線での断面図。 図3のIVB−IVB線での断面図。 本発明の一実施形態に含まれるコイルの配置形態の一例を示す平面図。 本発明の一実施形態に含まれるコイルの配置形態の他の例を示す平面図。 本発明の一実施形態に含まれるコイルの配置形態の他の例を示す平面図。 本発明の一実施形態の配線基板の他の例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。 本発明の一実施形態の配線基板の製造方法の一例を示す断面図。
本発明の一実施形態の配線基板が図面を参照しながら説明される。図1には、一実施形態の配線基板の一例である配線基板100の断面図が示されている。また、図2は、本実施形態の配線基板に形成されるコイル1を概略的に示す斜視図である。さらに、図3には、コイル1の平面図が示され、図4Aには、図3のIVA−IVA線での断面図が示され、さらに図4Bには、図3のIVB−IVB線での断面図が示されている。
図1に示されるように、配線基板100は、コア基板5と、コア基板5の両面それぞれに形成されているビルドアップ層51及び52を含んでいる。ビルドアップ層51は、コア基板5の2つの主面(厚さ方向と直交する表面)のうちの第1面5f上に形成され、第1面5fに対向する主面である第2面5s上にビルドアップ層52が形成されている。ビルドアップ層51、52は、それぞれ、コア基板5上に交互に積層されている絶縁層及び導体層によって構成されている。ビルドアップ層51、52それぞれに含まれる各絶縁層には、各絶縁層を貫通するビア導体4が形成されている。ビア導体4によって、各絶縁層の両側の導体層同士が接続される。ビルドアップ層51、52それぞれのコア基板5と反対側の表面上にはソルダーレジスト6が形成されている。
図1の例において、ビルドアップ層51は、コア基板5側から順に積層されている、絶縁層2b、導体層1c、絶縁層2c、導体層1a、絶縁層2a、導体層1b、絶縁層2d、及び導体層1dを含んでいる。導体層1a及び導体層1bは、それぞれ、「第1導体層1a」及び「第2導体層1b」とも称される。また、絶縁層2aは「第1絶縁層2a」とも称される。第1導体層1a及び第2導体層1bは、第1絶縁層2aの厚さ方向において第1絶縁層2aを介して互いに隣接すると共に対向している。第1絶縁層2aに形成されているビア導体4は、第1絶縁層2aを貫通して第1導体層1aと第2導体層1bとを接続している。
ビルドアップ層52は、コア基板5の第2面上に交互に積層されている、4つの絶縁層2e及び4つの導体層1eによって構成されている。コア基板5からの階数として第1絶縁層2aと同じ階数を有している絶縁層2eは、「第2絶縁層2e」とも称される。なお「階数」は、ビルドアップ層51、52それぞれにおいて、積層されている各絶縁層にコア基板5側から1ずつ増加する数が1から順に付与されるときに各絶縁層に付与される数である。図1の例では、コア基板5側から3番目に位置する絶縁層2eが、「第2絶縁層2e」とも称される。
コア基板5は、絶縁層5aと、絶縁層5aの両面それぞれに形成されている導体層5bとを含んでいる。絶縁層5aには、絶縁層5aを貫通し、絶縁層5aの両側の導体層5b同士を接続するスルーホール導体5cが形成されている。
なお、図1に示される配線基板100の積層構造は、本実施形態の配線基板が有し得る積層構造の一例に過ぎない。本実施形態の配線基板は、任意の積層構造を有し得る。例えば、実施形態の配線基板は、コア基板を有さない所謂コアレス多層配線基板であってもよい。また、実施形態の配線基板に含まれる導体層の層数は図1の例に限定されない。実施形態の配線基板は、少なくとも第1導体層1a及び第2導体層1bを含む2以上の任意の数の導体層を含み得る。
下記の説明において、配線基板100の積層方向において絶縁層5aから遠い側は「上側」もしくは「上方」、又は単に「上」とも称され、絶縁層5aに近い側は「下側」もしくは「下方」、又は単に「下」とも称される。さらに、各導体層及び各絶縁層において、絶縁層5aと反対側を向く表面は「上面」とも称され、絶縁層5a側を向く表面は「下面」とも称される。さらに、配線基板100の積層方向は単に「Z方向」とも称される。
絶縁層2a〜2e及び絶縁層5aそれぞれは、任意の絶縁性樹脂によって形成される。絶縁性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)又はフェノール樹脂などが例示される。各絶縁層は、ガラス繊維やアラミド繊維で形成される芯材(補強材)を含んでいてもよいが、本実施形態において、第1絶縁層2aは、芯材を含まずに形成されている。第1絶縁層2aと同じ階数を有する第2絶縁層2eも、好ましくは、芯材を含んでいない。第2絶縁層2eが第1絶縁層2aと同様に芯材を含んでいない場合、配線基板100の反りが抑制されることがある。図1の例では、各絶縁層のうちコア基板5の絶縁層5aは芯材5dを含んでおり、ビルドアップ層51、52に含まれる各絶縁層は、芯材を含んでいない。
絶縁層2a〜2e及び絶縁層5aそれぞれは、さらに、所定の含有率で無機フィラーを含んでいてもよい。無機フィラーとしては、シリカ(SiO2)、アルミナ、又はムライトなどからなる微粒子が例示される。第1絶縁層2a、及び第1絶縁層2aと同じ階数を有する第2絶縁層2eは、他の絶縁層の無機フィラー含有率と異なる無機フィラー含有率を有していてもよい。なお、絶縁層2a〜2eは、導体層1a〜1eとの密着性を高め得るように、その表面が過マンガン酸処理等で粗化され得る材料で形成されていることが好ましい。
絶縁層2a〜2e及び絶縁層5aは、それぞれ任意の厚さを有し得る。図1の例では、ビルドアップ層51、52に含まれる各絶縁層は、互いに略同じ厚さを有している。例えば、後述する磁性体3が埋設される第1絶縁層2aは、ビルドアップ層51、52内の他の絶縁層(絶縁層2b〜2e)と略同じ厚さを有している。
導体層1a〜1e、導体層5b、スルーホール導体5c、及びビア導体4それぞれは、銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成される。これら各導体層、並びにスルーホール導体5c及びビア導体4は、それぞれ、複数の金属層を含み得る。例えば、各導体層、並びにスルーホール導体5c及びビア導体4は、無電解めっき膜又はスパッタリング膜からなる金属膜層と、その金属膜層を給電層として用いる電解めっきによって形成されるめっき膜層とを含み得る。各導体層は、上記金属膜層の下に銅箔やニッケル箔などからなる金属箔層を備えていてもよい。
ソルダーレジスト6は、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの任意の絶縁性材料を用いて形成される。ソルダーレジスト6には、各ビルドアップ層の最表層の導体層の一部を露出させる開口61が形成されている。導体層1dにおいてソルダーレジスト6の開口61に露出する部分には、導体パッド1d1が設けられている。導体パッド1d1は、例えば、配線基板100が用いられる電子機器のマザーボードとの接続に用いられる。
一方、第2ビルドアップ層52の最表層の導体層1eにおいて開口61に露出する部分には、導体パッド1e1が設けられている。導体パッド1e1は、例えば、外部の電子部品Eとの接続に用いられる。そのため、図1の例において配線基板100のビルドアップ層52は、電子部品Eが配置される領域である部品実装領域Aを有している。電子部品Eとしては、例えば、半導体集積回路装置、トランジスタ、又は、電気抵抗などが例示される。
図1〜図4Bに示されるように、本実施形態では、第1絶縁層2a内に磁性体3が埋設されている(図2では第1絶縁層2aの図示が省略されているが、各導体層1a、1b、磁性体3、及びビア導体10cそれぞれの間には第1絶縁層2aが介在している)。磁性体3は、少なくとも、第1絶縁層2aよりも磁性を帯び易い材料を含んでいる。磁性体3は、好ましくは、例えば、鉄、酸化鉄、コバルト、又はニッケルなどの強磁性を示す材料を含んでいる。磁性体3は、これらの強磁性を示す材料の他に、エポキシ樹脂又はウレタン樹脂などの樹脂材料を含んでいてもよい。例えば、磁性体3は、60%程度の含有率で鉄又は酸化鉄の粉末を含むエポキシ樹脂によって形成される。
なお各図面には示されていないが、第1絶縁層2aと同じ階数を有する第2絶縁層2eにも、磁性体3と同様の材料で形成されていて磁性体3と略同じ形状及び各部の寸法を有する磁性体が埋設されていてもよい。第2絶縁層2e中の磁性体は、配線基板100の反りを抑制し得ることがある。
そして、本実施形態では、第1導体層1a及び第2導体層1bそれぞれに含まれる配線パターン、及び複数のビア導体10cによって、磁性体3の周囲にコイル1が形成されている。コイル1は、配線基板100の積層方向(Z方向)と交差する方向に沿って延在している。配線基板100の積層方向は、各絶縁層及び各導体層が積み重ねられている方向である。図1などの例において配線基板100の積層方向は、平板状の形体の配線基板100の厚さが規定される方向である。図1などの例では、コイル1は、Z方向と略直交する方向に沿って延在している。すなわちコイル1は、配線基板100、及び配線基板100を構成する各導体層及び各絶縁層の表面と略平行な方向に沿って延在しており、この方向に沿う長手方向を有している。
図2などに示されるビア導体10cは、図1において第1絶縁層2a内に示されるビア導体4と同様に、第1絶縁層2aを貫通して第1及び第2の導体層1a、1b同士を接続するビア導体である。コイル1を構成する複数のビア導体は、他のビア導体と区別されて「ビア導体10c」とも称される。
コイル1は、具体的には、第1絶縁層2aを介して磁性体3の周囲に巻かれている電路10からなる。電路10は、第1導体層1aに含まれる複数の配線パターン101、第2導体層1bに含まれる複数の配線パターン102、及び複数のビア導体10cによって形成されている。電路10は、磁性体3の周囲に巻回されながら、全体として、Z方向と交差する方向に沿って延びている。従って、電路10からなるコイル1は、Z方向と交差する方向に沿う軸方向Xを有している。
図1の例のコイル1は、コア基板5に関してビルドアップ層52と反対側のビルドアップ層51に形成されている。ビルドアップ層52は、例えば電子部品Eなどが配置される部品実装領域Aを有している。コイル1がビルドアップ層51に形成されているので、コイル1に起因する、電子部品Eなどの実装部品への電磁ノイズの影響が小さいと考えられる。また、部品実装領域Aを有するビルドアップ層52には、多くの信号配線の高密度配置が求められることがある。図1のコイル1はビルドアップ層51に形成されているので、ビルドアップ層52において多くの信号配線の配置のための領域が確保され易いと考えられる。このように、コイル1が部品実装領域Aを有するビルドアップ層52と反対側のビルドアップ層51に形成されることが好ましいことがある。
磁性体3は、所定の形状を有するように第1絶縁層2a内に設けられている。磁性体3は、好ましくは、Z方向と略直交する任意の方向において長手方向を有し、所定の長さ、及び長手方向に直交する方向(幅方向)に沿う所定の幅を有している。磁性体3は、有限長の帯状、又は、短冊状の平面形状を有している。磁性体3が所定の形状を有しているので、その周囲に所定の巻き数で電路10が形成され得る。磁性体3は、その電路10からなるコイル1においてインダクタンスを高めるコアとして機能し得る。
磁性体3は、図1〜図4Bに示されるように、第1導体層1a、第2導体層1b、及び複数のビア導体10cのいずれとも接しないように第1絶縁層2a内に埋設されている。そのため、磁性体3とビア導体10cなどの導電体との接触による、電路10の電気的特性への干渉が防止されると考えられる。
コイル1の構造がさらに具体的に説明される。図2及び/又は図3に示されるように、第1導体層1aは、並列する複数の配線パターン101からなる第1配線群10aを含み、第2導体層1bは、並列する複数の配線パターン102からなる第2配線群10bを含んでいる。第1配線群10aの配線パターン101それぞれと、第2配線群10bの配線パターン102それぞれとが、複数のビア導体10cによって接続されている。
複数のビア導体10cは、図2及び図3に示されるように、所定の方向(軸方向X)に沿って延在する磁性体3に沿って磁性体3の両側に並べられている。図3に示されるように複数のビア導体10cは、磁性体3を挟んで互いに対向する第1ビア群10c1と第2ビア群10c2とを含んでいる。第1ビア群10c1は、磁性体3の幅方向において対向する2つの側面のうちの一の側面3aの外側に、この一の側面3aに沿って並んでいるビア導体10cの一群からなる。第2ビア群10c2は、一の側面3aと反対の他の側面3bの外側に、他の側面3bに沿って並んでいるビア導体10cの一群からなる。図2などの例において、第1ビア群10c1及び第2ビア群10c2それぞれを構成するビア導体10cの一群は、磁性体3の各側面に沿って一列に並べられている。また、各ビア群において複数のビア導体10cは、一定の間隔で配置されている。
第1配線群10aを構成する各配線パターン101は、一端において第1ビア群10c1の1つによって第2配線群10bのうちの一の配線パターン102(第1配線パターン)に接続される。そして各配線パターン101は、一端と反対の他端において第2ビア群10c2の1つによって、一端が接続される第2配線群10bの一の配線パターン102(第1配線パターン)に隣接する配線パターン102(第2配線パターン)に接続される。このように第1導体層1aの配線パターン101と第2導体層1bの配線パターン102とが複数のビア導体10cによって接続され、1つの連続的な電路10が、磁性体3の周囲に巻回された状態で形成される。その結果、Z方向と交差する方向に沿って延在するコイル1が形成される。
本実施形態は、配線基板100の積層方向(Z方向)と交差(好ましくは略直交)する方向に沿って延在するコイル1を備える構造を有している。コイル1は、Z方向と交差する方向に沿う軸方向Xを有している。そのため、コイル1の巻回数と配線基板100の導体層の層数との間に相関は存在しない。従って、導体層の層数への依存なく、すなわち配線基板100の厚さ又は導体層の層数による制約を受けずに、大きなインダクタンスを有するインダクタ(コイル1)を配線基板100に内蔵させることができる。例えば、コイル1は配線基板100の厚さを超える長さを有し得る。またコイル1は、配線基板100に含まれる導体層の層数以上の巻き数を有していてもよい。従って、従来の配線基板に備えられるインダクタよりも高いインダクタンスを有するインダクタを、従来と同じか従来よりも薄い厚さの配線基板に内蔵させ得ることがある。すなわち、インダクタを内蔵する配線基板において所望の特性の具備と薄型化とを実現し得ることがある。
さらに本実施形態では、コイル1の1巻きの電路10は2つのビア導体10c及び配線パターン101、102によって構成される。そのため、配線基板の積層方向に軸方向を有していて1巻きの電路が1つのビア導体及び配線パターンで形成されるコイルよりも本実施形態におけるコイルの方が、1巻きあたりの電気抵抗に関して小さいことがある。従って、良好なQ値(Quality Factor)を有するコイル1が形成されると考えられる。
磁性体3が埋設されている第1絶縁層2aは、前述したように芯材を含んでいない。そのため、ビア導体10cとして小径のビア導体を容易に形成することができる。従って、複数の配線パターン101及び複数の配線パターン102の配置ピッチを小さくすることができ、その結果、コイル1の巻回数を多くし得ることがある。従って、小型でインダクタンスの高いインダクタを形成することができる。なおビア導体10cの幅(ビア径)は、第1絶縁層2aに設けられていてコイル1を構成しない他のビア導体4の幅よりも小さくてもよい。また、ビア導体10cの幅は、第1絶縁層2a以外の絶縁層に設けられているビア導体4の幅よりも小さくてもよい。
図2及び図3に示されるように、第1配線群10a及び第2配線群10bそれぞれを構成する配線パターン101、102は、平面視で互いの間に所定の角度をなしている。また、配線パターン101、102は、平面視でコイル1の軸方向Xと交差している。「平面視」は、配線基板100の積層方向に沿う視線で配線基板100を見ることを意味している。各配線パターン101、102が、軸方向Xと適度な角度で交差しているので、配線パターン101、配線パターン102、及びビア導体10cによってコイル1が形成され得る。図2などの例では、配線パターン102は、コイル1の軸方向Xと略直交している。配線基板100では、コイル1を構成する配線パターン101及び配線パターン102のいずれかが、コイル1の軸方向Xと平面視で略直交していてもよい。
図2〜図4Bのコイル1において、配線パターン101と配線パターン102は、互いに略同じ幅W1を有している。また、配線パターン101同士、及び配線パターン102同士は、間隔G1を空けて均一なピッチで配置されている。磁性体3は、コイル1の長さLよりも長い長さL2を有しており、軸方向Xにおけるコイル1の両端から僅かに突出している。第1絶縁層2aがエポキシ樹脂からなり、そして磁性体3の透磁率が5〜15である場合、コイル1において、例えば2〜5ナノヘンリー程度のインダクタンスが得られる。
前述したように、磁性体3は、第1導体層1a、第2導体層1b、及び複数のビア導体10cのいずれとも接しないように第1絶縁層2a内に埋設されている。磁性体3と、第1導体層1a、第2導体層1b、及び複数のビア導体10cそれぞれとの間隔は、2μm以上、10μm以下である。磁性体3が、ビア導体10cなどとの間にこのような範囲の間隔を設計上有していると、各種のばらつきが生じても磁性体3とビア導体10cなどとが接触し難く、しかも、磁性体3によるインダクタンス向上の作用が効果的に得られると考えられる。
ビア導体10cは、図4A及び図4Bに示されるように、第2導体層1bから第1導体層1aに向って先細りする形状を有している。コイル1を構成するビア導体10cは、図4A及び図4Bの例のように、第1導体層1a及び第2導体層1bのいずれか一方から他方に向かって先細りするようにテーパーを付けられていてもよく、テーパーのない柱状体であってもよい。なお、磁性体3に沿って並ぶビア導体10cの一群は、一直線上に並んでいなくてもよく、また、不均一な間隔で配置されていてもよい。その場合、第1配線群10aを構成する配線パターン101同士は、平行でなくてもよく、また互いの長さが異なっていてもよい。同様に、第2配線群10bを構成する配線パターン102同士は、平行でなくてもよく、また互いの長さが異なっていてもよい。
図5A〜図5Cには、平面視におけるコイル1の配置形態の各例が模式的に示されている。
図5Aの例では、コイル1は、矩形の配線基板100の一辺Sと直交する方向における配線基板100の中央部に、一辺Sとコイル1の軸方向Xとが略平行になるように設けられている。コイル1は、全体として、一辺Sと平行な方向に直線状に延在している。図5Aには前述した部品実装領域Aが示されている。「部品実装領域」は電子部品E(図1参照)が実装されたときに、平面視において電子部品Eによって占められる領域である。図5Aの例ではコイル1は部品実装領域Aと平面視で重なっている。コイル1は、平面視でコイル1の両端において部品実装領域Aから突出している。すなわち、コイル1の軸方向の長さは、コイル1の軸方向Xに沿う方向における部品実装領域Aの長さよりも長い。従来の配線基板と比べて一層大きなインダクタンスが得られることがある。
図5Bの例のコイル1は、矩形の配線基板100の第1辺S1に沿う区間と、第1辺S1と直交する第2辺S2に沿う区間とを有している。すなわち、コイル1は、曲折部11を有しており、曲折部11において軸方向を変化させている。図5Bの例では、コイル1は、曲折部11において略90°の角度で曲がっている。図5Aの例よりもさらに高いインダクタンスが得られることがある。なお、コイル1は、曲折部11において90°以外の任意の角度で曲がり得る。
図5Cの例のコイル1は、矩形の配線基板100の四辺それぞれに沿う区間からなる外周区間と、外周区間の内側に形成されている内周区間とを有している。図5Cの例のコイル1は渦巻き状の全体形状を有している。そのため、図5Cの例のコイル1は、同一方向に沿って並走する2以上の区間(例えば区間12a、12b、12c及び12d)を有している。平面視において配線基板100が有する領域をコイル1の形成に有効に用いることができる。極めて長いコイル1、すなわち極めて高いインダクタンスを有するインダクタを形成することができると考えられる。例えば、第1導体層1a及び第2導体層1b(図1参照)それぞれの全体に、コイル1を構成する配線パターンが形成されていてもよい。第1導体層1a及び第2導体層1bそれぞれが、コイル1を構成する配線パターンだけを含んでいてもよい。
図6には、本実施形態の配線基板の他の例である配線基板100aが示されている。配線基板100aは、図1の例の配線基板100と同様の積層構造を有している。すなわち、配線基板100aは、コア基板5並びにビルドアップ層51、52を含み、ビルドアップ層51は、導体層1a〜1d及び絶縁層2a〜2dを含んでいる。そして、配線基板100aは、平面視においてコイル1と重なるシールドパターン7を含んでいる。シールドパターン7は、第1導体層1a又は第2導体層1bに第1絶縁層2aと異なる絶縁層を介して隣接する導体層(第3導体層)に含まれている。図6の例では、シールドパターン7は、絶縁層2cを介して第1導体層1aに隣接する導体層1c、及び、絶縁層2dを介して第2導体層1bに隣接する導体層1dの両方に設けられている。
シールドパターン7は、平面視においてコイル1を包含し得る大きさ及び形状を有している。導体層1cに形成されているシールドパターン7は、配線基板100aの内層側においてコイル1を覆っており、導体層1dに形成されるシールドパターン7は、配線基板100aの外層側においてコイル1を覆っている。シールドパターン7は、例えば、配線基板100の使用時に、グランドプレーンなどの安定した電位を有するインピーダンスの低い導体に接続される。シールドパターン7によって、コイル1で生成される磁束による、第1及び第2の導体層1a、1b以外の導体層への磁気的影響が軽減されると考えられる。配線基板100が用いられる電子機器において安定した動作が得られることがある。シールドパターン7を除いて、図6の配線基板100aの構造は図1の配線基板100と同様である。図6の配線基板100aにおいて図1の配線基板100と同様の構成要素には、適宜、図1に用いられている符号と同じ符号が付され、その説明は省略される。
つぎに、一実施形態の配線基板の製造方法が、図1の配線基板100を例に用いて図7A〜図7Hを参照して説明される。
図7Aに示されるように、コア基板5の絶縁層5aとなる絶縁層と、この絶縁層の両表面にそれぞれ積層された金属箔を含む出発基板(例えば両面銅張積層板)が用意され、コア基板5の導体層5b及びスルーホール導体5cが形成される。例えばドリル加工又は炭酸ガスレーザー光の照射によってスルーホール導体5cの形成位置に貫通孔が穿孔され、その貫通孔内及び金属箔上に無電解めっき又はスパッタリングなどによって金属膜が形成される。そしてこの金属膜を給電層として用いる電解めっきによってめっき膜が形成される。その結果、3層構造の導体層5b、及びスルーホール導体5cが形成される。その後、サブトラクティブ法によって導体層5bをパターニングすることによって所定の導体パターンを備えるコア基板5が得られる。
図7Bに示されるように、コア基板5の第1面5f及び第2面5sそれぞれの上に、絶縁層と導体層とが交互に積層される。第1面5f上には、まず絶縁層2bが形成され絶縁層2b上に導体層1cが形成される。第2面5s上には、絶縁層2eが形成され、絶縁層2e上に導体層1eが形成される。
絶縁層2b及び絶縁層2eは、それぞれ、絶縁性の樹脂を用いて形成される。例えばフィルム状に成形されたエポキシ樹脂やBT樹脂などの樹脂が、コア基板5の第1面5f又は第2面5s上に積層され、加熱及び加圧される。その結果、絶縁層2b及び絶縁層2eそれぞれが形成される。絶縁層2b及び絶縁層2eには、ビア導体4を形成するための貫通孔が、例えば炭酸ガスレーザー光の照射などによって形成される。
導体層1c及び導体層1eは、銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成される。導体層1c及び導体層1eは、例えばセミアディティブ法によって形成される。すなわち、絶縁層2b及び絶縁層2eそれぞれの表面の全面、並びに、絶縁層2b及び絶縁層2eそれぞれに穿孔された貫通孔内に無電解めっきやスパッタリングによって金属膜が形成される。その金属膜を給電層として用いる電解めっきを含むパターンめっきによってめっき膜が形成される。各絶縁層に穿孔された貫通孔内にはビア導体4が形成される。その後、金属膜の不要部分が例えばエッチングなどで除去されることによって、所定の導体パターンを含む2層構造の導体層1c及び導体層1eがそれぞれ形成される。
さらに、第1面5f側には、例えば絶縁層2bの形成方法と同様の方法で絶縁層2cが形成される。第2面5s側には、さらに絶縁層2eが、先に形成された絶縁層2eと同様の方法で形成される。
本実施形態の配線基板の製造方法は、図7Bに示されるように、第1配線群10aを含む第1導体層1aを形成することを含んでいる。図7Bに示されるように第1配線群10aは、並列する複数の配線パターン101からなる。第1導体層1aは、例えば、導体層1cと同様に、セミアディティブ法を用いて形成される。セミアディティブ法を用いる第1導体層1aの形成では、並列する複数の配線パターン101の形成に適した開口を有するめっきレジストが形成され、このめっきレジストを用いてパターンめっきが行われる。第1導体層1aの形成方法はセミアディティブ法に限定されず、例えばサブトラクティブ法が用いられてもよい。その場合、並列する複数の配線パターン101の形成に適した開口を有するエッチングマスクが用いられる。第2面5s側には、さらに導体層1e及びビア導体4が形成される。
図7C〜図7Eに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、第1導体層1aを覆う第1絶縁層2aを形成することを含んでいる。コア基板5の第2面5s側には、さらに絶縁層(第2絶縁層)2eが、第1絶縁層2aの形成方法と同様の方法で形成される。
本実施形態において第1絶縁層2aを形成することは、図7Cに示されるように、第1絶縁性材料21を第1導体層1a及び絶縁層2c上に積層して第1導体層1aを覆う下層絶縁層2a1を形成することを含んでいる。積層された第1絶縁性材料21からなる下層絶縁層2a1が形成される。第1絶縁性材料21の構成物としては、芯材を含まないエポキシ樹脂やBT樹脂などの樹脂が例示される。しかし、第1絶縁性材料21の構成物はこれらの樹脂に限定されない。
第1絶縁性材料21は、例えば、図7Cに示されるように、フィルム状又はシート状の状態で用意され、第1導体層1a及び絶縁層2c上に配置される。第1導体層1aなどの上に積層された第1絶縁性材料21は、加熱されることによって本硬化又は仮硬化されてもよい。なお、図7Cの例では、コア基板5の第2面5s側においても、下層絶縁層2a1と同様の形成方法で、下層絶縁層2e1が形成されている。
図7Dに示されるように、本実施形態において第1絶縁層2aを形成することは、下層絶縁層2a1上に磁性体3を設けることを含んでいる。磁性体3は、所定の形状を有するように設けられる。図1の配線基板100が製造される場合、磁性体3は、有限長の帯状、又は短冊状の平面形状を有するように設けられる。磁性体3は、平面視で複数の配線パターン101と重なる位置に設けられる。磁性体3は、好ましくは長手方向を有するように形成され、その長手方向が複数の配線パターン101それぞれと交差するように設けられる。
磁性体3は、例えば、鉄、酸化鉄、コバルト、又はニッケルなどの強磁性を示す材料からなる粉末と、エポキシ樹脂又はウレタン樹脂などの樹脂材料とを主材として含む磁性材料によって構成される。磁性体3を設ける工程では、このような磁性材料が例えばペースト状の状態で用意される。そして、適切な開口を有するマスクを用いた印刷によって下層絶縁層2a1上に磁性材料が供給される。その後、磁性材料が加熱され、熱により硬化した磁性材料からなる磁性体3が形成されてもよい。
磁性体3を下層絶縁層2a1上に設ける方法は、印刷による方法に限定されない。磁性体3は任意の方法によって設けられ得る。例えば、予め所定の形状に成形されて硬化された磁性材料を下層絶縁層2a1上に配置することによって磁性体3が設けられてもよい。配置された磁性体3は、第1絶縁層2a(図7E参照)への埋設によって固定され得る。
図7Eに示されるように、本実施形態において第1絶縁層2aを形成することは、磁性体3及び下層絶縁層2a1の上に第2絶縁性材料22を積層して磁性体3及び下層絶縁層2a1を第2絶縁性材料22で覆うことを含んでいる。磁性体3を覆う第2絶縁性材料22と下層絶縁層2a1とによって構成される第1絶縁層2aが形成される。
第2絶縁性材料22の構成物は、例えば、第1絶縁性材料21の構成物と同じである。従って、第2絶縁性材料22の構成物としては、芯材を含まないエポキシ樹脂やBT樹脂などの樹脂が例示される。しかし、第2絶縁性材料22の構成物はこれらの樹脂に限定されない。
第2絶縁性材料22は、例えば、図7Eに示されるように、フィルム状又はシート状の状態で用意され、磁性体3及び下層絶縁層2a1上に配置される。第1絶縁性材料21(図7C参照)及び第2絶縁性材料22がフィルム状又はシート状の状態で用意される場合、第2絶縁性材料22の厚さは、第1絶縁性材料21の厚さよりも厚くてもよい。磁性体3が適切に覆われ易いため、後工程で形成される第2導体層1b及びビア導体10c(図7G参照)と磁性体3との接触が起こり難いと考えられる。
磁性体3などの上に積層された第2絶縁性材料22は、加熱されることによって本硬化又は仮硬化されてもよい。その結果、下層絶縁層2a1と第2絶縁性材料22とが一体化し、一体化した絶縁体からなる第1絶縁層2aが形成されてもよい。図7Eの例では、コア基板2の第2面5s側には、第1絶縁層2aと同じ階数を有する第2絶縁層2eが形成されている。形成された第1絶縁層2a及び第2絶縁層2eには、ビア導体4(図7F参照)の形成用の貫通孔が炭酸ガスレーザー光の照射などによって形成される。
図7Fに示されるように、本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、第2配線群10bを含む第2導体層1bを第1絶縁層2aの上に形成することを含んでいる。第2配線群10bは、並列する複数の配線パターン102からなる。
本実施形態の配線基板の製造方法は、さらに、図7Gに示されるように、第2導体層1bの形成と共に、第1絶縁層2aを貫通して第1配線群10aと第2配線群10bとを接続する複数のビア導体10cを形成することを含んでいる。なお、図7Gは、図7Fと同様に第2導体層1bの形成後の状態を示しており、先に参照された図4Aと同様にビア導体10cを通る切断線での断面を拡大して示している。
第2導体層1bは、例えば、第1導体層1aと同様に、セミアディティブ法を用いて形成される。第2導体層1bの形成方法はセミアディティブ法に限定されず、例えばサブトラクティブ法などの任意の方法で形成され得る。セミアディティブ法又はサブトラクティブ法を用いる第2導体層1bの形成では、並列する複数の配線パターン102の形成に適した開口を有するめっきレジスト又はエッチングマスクを用いてパターンめっき又はエッチングが行われる。図7F及び図7Gに示されるように、第2導体層1bの形成と共に、第1絶縁層2a内にビア導体4及びビア導体10cが形成される。なお、図7Fの例では、コア基板5の第2面5s側に、第2導体層1b及びビア導体10cの形成方法と同様の方法で、さらに導体層1e及びビア導体4が形成される。
複数の配線パターン102は、第1導体層1aの複数の配線パターン101と平面視で所定の角度をなすように設けられる。また、複数の配線パターン102は、平面視で磁性体3と重なるように設けられる。さらに、複数の配線パターン102のそれぞれは、好ましくは、磁性体3の長手方向と交差するように設けられる。このように設けられる複数の配線パターン102それぞれと、第1導体層1aの複数の配線パターン101それぞれとがビア導体10cによって接続される。
本実施形態では、複数のビア導体10cは、先に参照された図3などに示されるように平面視で磁性体3に沿って磁性体3の両側に形成される。複数の配線パターン101それぞれにおいて、その一端及び他端は、互いに異なる配線パターン102に、磁性体3の両側それぞれのビア導体10cを介して接続される。各配線パターン101の一端は、その配線パターン101の他端が接続される配線パターン102に隣接する配線パターン102に接続される。
換言すると、複数の配線パターン102それぞれにおいて、その一端及び他端は、互いに異なる配線パターン101に、磁性体3の両側それぞれのビア導体10cを介して接続される。各配線パターン102の一端は、その配線パターン102の他端が接続される配線パターン101に隣接する配線パターン101に接続される。
このように各配線パターン101と各配線パターン102とがビア導体10cで接続されることによって、図7Gに示されるように、第1配線群10a、第2配線群10b、及び複数のビア導体10cからなる電路10が形成される。電路10は、複数の配線パターン101、102それぞれの数に応じた巻き数で磁性体3の周囲に巻回された状態で形成される。このように第2導体層1bを形成すると共に複数のビア導体10cを形成することによって、磁性体3の周囲に巻かれている電路10が形成される。その結果、第1導体層1aと第1絶縁層2aとの積層方向と交差する方向、すなわち配線基板100の積層方向と交差する方向に沿って延在するコイル1が形成される。コイル1は電路10によって構成されていて磁性体3に沿って延在している。
図7Hに示されるように、第2導体層1bの形成後、第2導体層1bの上に絶縁層2d及び導体層1dが形成される。絶縁層2d及び導体層1dは、それぞれ、例えば絶縁層2b及び導体層1cと同様の方法で形成され得る。コア基板5の第2面5s側には、さらに絶縁層2e及び導体層1eが形成される。図7Hに示されるステップで形成される導体層1eには、導体パッド1e1が設けられる。また導体層1dには、導体パッド1d1が設けられる。
その後、導体層1d及び絶縁層2d上にソルダーレジスト6が形成される。コア基板5の第2面5s側の最表層の導体層1e及び絶縁層2e上にもソルダーレジスト6が形成される。ソルダーレジスト6には導体パッド1d1、1e1を露出させる開口61が設けられる。ソルダーレジスト6、及びその開口61は、感光性のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを含む樹脂層の形成と、適切な開口パターンを有するマスクを用いた露光及び現像とによって形成される。
ソルダーレジスト6の開口61に露出する導体パッド1d1、1e1上には、無電解めっき、半田レベラ、又はスプレーコーティングなどによって、Au、Ni/Au、Ni/Pd/Au、はんだ、又は耐熱性プリフラックスなどからなる表面保護膜(図示せず)が形成されてもよい。以上の工程を経る事によって図1の例の配線基板100が完成する。
実施形態の配線基板は、各図面に例示される構造、並びに、本明細書において例示される構造、形状、及び材料を備えるものに限定されない。例えば、磁性体3が埋設される第1絶縁層は、配線基板を構成する絶縁層のうち、その二つの主面それぞれに導体層を備える任意の絶縁層であってよい。例えば、ビルドアップ層52が、第1絶縁層並びに第1及び第2の導体層を含んでいてもよい。従って、コイルも、配線基板を構成する任意の導体層の配線パターンによって形成されていてもよい。また、コイルを構成する第1導体層の配線パターン及び第2導体層の配線パターンの両方が、コイルの軸方向と直交する方向に対して傾いていてもよい。また、ビルドアップ層51、52内の1以上の絶縁層(例えば第1絶縁層2a)が、ビルドアップ層51、52内の他の絶縁層と異なる厚さを有していてもよい。
実施形態の配線基板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されない。例えば、第1絶縁層の形成時に、第1絶縁層と同じ階数を有する第2絶縁層は、1度の絶縁性材料の積層によって形成されてもよい。また、第1絶縁性材料及び第2絶縁性材料の積層方法は、フィルム状などに成形された成形品の配置に限定されず、任意の方法が用いられ得る。例えば、液状やペースト状の絶縁性材料が、塗布や印刷などの方法で第1導体層や磁性体の上に供給されてもよい。実施形態の配線基板の製造方法には、前述された各工程以外に任意の工程が追加されてもよく、前述された工程のうちの一部が省略されてもよい。
100、100a 配線基板
1 コイル
1a 導体層(第1導体層)
1b 導体層(第2導体層)
1c 導体層
1d 導体層
10 電路
10a 第1配線群
10b 第2配線群
10c ビア導体(コイルを構成するもの)
10c1 第1ビア群
10c2 第2ビア群
101、102 配線パターン
11 曲折部
2a 絶縁層(第1絶縁層)
2a1 下層絶縁層
21 第1絶縁性材料
22 第2絶縁性材料
3 磁性体
5 コア基板
51、52 ビルドアップ層
7 シールドパターン
A 部品実装領域
E 電子部品
X コイルの軸方向
Z 配線基板の積層方向

Claims (14)

  1. 芯材を含まずに形成されている第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層を介して互いに対向するように設けられている第1導体層及び第2導体層と、
    前記第1絶縁層を貫通して前記第1導体層と前記第2導体層とを接続する複数のビア導体と、を含む配線基板であって、
    前記第1導体層及び前記第2導体層は前記第1絶縁層を介して隣接し、
    所定の形状を有する磁性体が、前記第1導体層、前記第2導体層、及び前記複数のビア導体のいずれとも接しないように前記第1絶縁層内に埋設されており、
    前記第1導体層及び前記第2導体層それぞれに含まれる配線パターン、及び前記複数のビア導体によって前記磁性体の周囲にコイルが形成されており、
    前記コイルは、前記配線基板の積層方向と交差する方向に沿って延在している。
  2. 請求項1記載の配線基板であって、
    前記コイルは、前記配線パターン及び前記複数のビア導体によって形成されている電路からなり、
    前記電路は、前記第1絶縁層を介して前記磁性体の周囲に巻かれている。
  3. 請求項1記載の配線基板であって、前記磁性体と、前記第1導体層、前記第2導体層、及び前記複数のビア導体それぞれとの間隔は、2μm以上、10μm以下である。
  4. 請求項1記載の配線基板であって、
    前記第1導体層は、並列する複数の配線パターンからなる第1配線群を含み、
    前記第2導体層は、並列する複数の配線パターンからなる第2配線群を含み、
    前記複数のビア導体は、前記第1配線群と前記第2配線群とを接続している。
  5. 請求項4記載の配線基板であって、
    前記複数のビア導体は、前記磁性体に沿って前記磁性体の両側に並べられており、且つ、前記磁性体を挟んで互いに対向する第1ビア群及び第2ビア群を含んでおり、
    前記第1配線群の各配線パターンは、一端において前記第1ビア群の1つによって前記第2配線群の一の配線パターンに接続され、他端において前記第2ビア群の1つによって前記第2配線群の前記一の配線パターンに隣接する配線パターンに接続されている。
  6. 請求項4記載の配線基板であって、前記第1配線群の各配線パターン又は前記第2配線群の各配線パターンが前記コイルの軸方向と平面視で略直交している。
  7. 請求項1記載の配線基板であって、
    前記配線基板は、コア基板と、前記コア基板上に交互に積層されている絶縁層及び導体層によって構成されるビルドアップ層とを含んでおり、前記第1絶縁層は、前記ビルドアップ層に含まれている。
  8. 請求項1記載の配線基板であって、さらに、電子部品が配置される部品実装領域を有しており、
    前記コイルの軸方向の長さは、前記軸方向に沿う方向における前記部品実装領域の長さよりも長い。
  9. 請求項1記載の配線基板であって、前記コイルは、前記コイルの軸方向が変化する曲折部を有している。
  10. 請求項1記載の配線基板であって、前記コイルは、同一方向に並走する2以上の区間を有している。
  11. 請求項1記載の配線基板であって、さらに、前記第1導体層又は前記第2導体層に前記第1絶縁層と異なる絶縁層を介して隣接する第3導体層を含んでおり、
    前記第3導体層は、平面視において前記コイルと重なるシールドパターンを含んでいる。
  12. 並列する複数の配線パターンからなる第1配線群を含む第1導体層を形成することと、
    前記第1導体層を覆う第1絶縁層を形成することと、
    並列する複数の配線パターンからなる第2配線群を含む第2導体層を前記第1絶縁層の上に形成すると共に、前記第1絶縁層を貫通して前記第1配線群と前記第2配線群とを接続する複数のビア導体を形成することと、を含む配線基板の製造方法であって、
    前記第1絶縁層を形成することは、
    第1絶縁性材料を前記第1導体層上に積層して前記第1導体層を覆う下層絶縁層を形成することと、
    前記下層絶縁層上に所定の形状を有する磁性体を設けることと、
    前記磁性体及び前記下層絶縁層を第2絶縁性材料で覆うことと、を含み、
    前記第2導体層を形成すると共に前記複数のビア導体を形成することは、
    前記複数のビア導体を前記磁性体に沿って前記磁性体の両側に形成することによって、前記第1導体層と前記第1絶縁層との積層方向と交差する方向に沿って延在するコイルを形成することを含んでいる。
  13. 請求項12記載の配線基板の製造方法であって、
    前記第2導体層を形成すると共に前記複数のビア導体を形成することは、前記磁性体の周囲に巻かれていて前記コイルを構成する電路を形成することを含み、
    前記電路は、前記第1配線群、前記第2配線群、及び前記複数のビア導体からなる。
  14. 請求項12記載の配線基板の製造方法であって、
    前記第1絶縁性材料及び前記第2絶縁性材料それぞれは、フィルム状又はシート状の状態で用意され、
    前記第2絶縁性材料の厚さは、前記第1絶縁性材料の厚さよりも厚い。
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