JP2021194235A - ウイルス除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウイルス飛沫感染を防止すると共に、長時間着用可能なウイルス除去装置に関する技術を提供する。【解決手段】ウイルス除去装置は、着用者の口及び鼻を被覆可能であると共に、空気の流通を遮断するマスク部と、着用者の口及び鼻とマスク部との間の第1空間に連通し、空間内に空気を供給する供給経路と、第1空間に連通し、第1空間内の空気を排出する排出経路と、供給経路を通過して第1空間に供給される空気及び排出経路を通過して第1空間から排出される空気の少なくとも一方に紫外線を照射する紫外線照射機構と、を備える。【選択図】図1

Description

本明細書に開示する技術は、ウイルス除去装置に関する。
ウイルスの飛沫感染を防止することを目的として、マスクが着用される。マスクの着用者がマスクで口及び鼻を覆うと、マスクがフィルターとなって、着用者が吸気とともに体内に吸入するエアロゾルの量が減少し、又、着用者が呼気とともに大気中に排出するエアロゾルの量が減少する。なお、ウイルスは極小の飛沫であるエアロゾルの中にあって大気中を漂う。マスクの種類としては、布マスク、不織布マスク等が知られている。例えば、特許文献1には、不織布マスクの一例が開示されている。
国際公開第2018/151058号公報
径が5μm未満のエアロゾルは軽いので長い時間大気中に浮遊し、しかしながら、径が1μm未満のエアロゾルはまもなく水分を失って、これに含まれていたウイルスは無力化する。従って、口や鼻から吸引し、気管支の末端にある肺胞まで到達してウイルス感染を成立させるのは、径がおおよそ1〜5μmのエアロゾルと考えられる。
ウイルス感染を成立させるエアロゾルの径は、おおよそ1〜5μmであるから、理論的には不織布マスクや布マスクの繊維の隙間の大きさは1μm未満であるべきである。しかしながら、マスクの繊維の隙間が小さいほど、空気の流れに対するマスクの抵抗は大きくなる。従って、繊維の隙間が小さいマスクを着用すると、十分な換気量を確保するために、呼吸筋に余分な仕事を強いなければならなくなる。すなわち、努力呼吸が必要となる。
マスクの性能は、径が0.3μmの試験粒子の捕集率で示す。例えば、試験粒子を95%以上、捕集できるマスクをN95マスクと称することが知られている。N95マスクは目が細かいため、エアロゾルの通過をほぼ完全に阻止する。しかしながら、目の細かいマスクは空気の流通も制限するため、N95マスクの着用時には十分な換気量を確保するために、呼吸筋に余分な仕事を強いなければならない。すなわち、努力呼吸が必要となる。そこで、N95マスクを連続して着用できる時間は、例えば20分程度に過ぎない。しかしながら、たとえそうであっても、医療機関の感染区画では、N95マスクを使用せざるを得ない。一方、市中で一般に使用されている不織布マスクや布マスクの繊維の隙間は5μm程度である。このようなマスクでは空気の流通の制限はごくわずかなので、このようなマスクを着用している限り、努力呼吸をしなくても十分な換気量が確保されるが、エアロゾルは通過させてしまう。
本明細書は、ウイルスの飛沫感染を防止すると共に、長時間着用可能なウイルス除去装置に関する技術を開示する。
本明細書に開示するウイルス除去装置は、着用者の口及び鼻を被覆可能であると共に、空気の流通を遮断するマスク部と、着用者の口及び鼻とマスク部との間の第1空間に連通し、空間内に空気を供給する供給経路と、第1空間に連通し、第1空間内の空気を排出する排出経路と、供給経路を通過して第1空間に供給される空気及び排出経路を通過して第1空間から排出される空気の少なくとも一方に紫外線を照射する紫外線照射機構と、を備える。
上記のウイルス除去装置では、紫外線照射機構により、着用者の口及び鼻とマスク部との間の空間に連通する経路(すなわち、供給経路と排出経路の少なくとも1つ)を通過する空気に紫外線を照射する。これにより、空間に供給される空気又は空間から排出される空気中のウイルスが、紫外線によって除去される。このため、着用者へのウイルス感染又は着用者から他者へのウイルス感染を防止できる。また、空間内には、供給経路及び排出経路を介して空気が十分に流通される。このため、着用者が息苦しくなることを回避することができ、着用時間が制限されることを防止できる。
実施例に係るウイルス除去装置の概略構成を示す図。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。
本明細書に開示するウイルス除去装置では、紫外線照射部は、空気が流通する紫外線照射空間と、当該流路を流通する空気に紫外線を照射する紫外線照機構から構成されていてもよい。紫外線発生機構は、光源から、例えば、100〜280nmの波長の紫外線(いわゆる、UV−C)を紫外線照射空間に照射する。紫外線(例えば、UV−C)は、多くの種類のウイルスを無力化することが知られている。
本明細書に開示するウイルス除去装置では、紫外線照射機構は、空気を貯留して第2空間を形成する貯留部を備えていてもよい。貯留部の内面には、紫外線を反射する反射材が設けられていてもよい。このような構成によると、貯留部内に照射された紫外線は貯留部内で反射するため、第2空間内のエアロゾルには、より効率的に紫外線が照射される。
本明細書に開示するウイルス除去装置は、着用者の呼吸による前記第2空間内の気圧の変動を平坦化する気圧変動平坦化機構をさらに備えている。気圧変動平坦化機構によって、着用者の呼吸による紫外線照射機構内の気圧の変動が抑制される。これにより、紫外線照射機構内の空気の流れが抑制され、紫外線照射機構内の空気に十分な時間紫外線を照射することができる。紫外線照機構では、第2空間に紫外線を照射し続ける。したがって、わずかな空気の流れとともに、大気から流入したエアロゾルには紫外線が照射され、もしエアロゾル中にウイルスが存在すれば、ウイルスは無力化される。一方、着用者が排出したエアロゾルを含む呼気は、第1空間(マスク部と顔面との間の空間)から排出経路を通って、気圧変動平坦化機構に至り、その一部が紫外線照射機構に流通し、ここで紫外線を照射され、さらにわずかな空気の流れに乗って大気中へと排出されていく。その際、紫外線照射機構では、もしエアロゾル中にウイルスが存在すれば、ウイルスは大気中に排出される前に無力化される。
本明細書に開示するウイルス除去装置では、気圧変動平坦化機構は、伸縮可能な空気を通さない膜素材で形成された袋状の空気収容部を備えていてもよく、空気収容部は多数の大気と交通する孔を有する容器である保護部内に収容されていてもよい。気圧変動平坦化機構の容積は、身体が大きな人でも、身体が小さな人でも使えるように、身体が大きな人の一回換気量を上限としてもよく、身体が小さな人の一回換気量を下限としてもよい。一般に、人の一回換気量(mL)は理想体重(kg)に6ないし8を掛け合わせた値であると考えられている。例えば、本明細書に開示するウイルス除去装置を使用する人の中で最も身体が小さい人の理想体重を40kgと想定すると、一回換気量は40kg×6=240mLとなる。一方、本明細書に開示するウイルス除去装置を着用する人の中で最も身体が大きな人の理想体重を100kgと想定すると、一回換気量は100kg×8=800mLとなる。したがって、本明細書に開示するウイルス除去装置の気圧変動平坦化機構の容積は240〜800mLであってもよい。この構成においては、呼吸にともなって生じるはずの紫外線照射機構を流通する空気の流れは、気圧変動平坦化機構の収縮と拡張によって消去される。したがって、紫外線照射機構では空気の流れがほとんど消失する。したがって、紫外線照射機構に流入したわずかな量のエアロゾルは、より長い時間、紫外線の照射を受けることになる。
本明細書に開示するウイルス除去装置では、第1空間(マスク部と顔面との間の空間)と気圧変動平坦化機構とを連通する空気流通路は、第2空間から第1空間へ向かって一方方向に空気が流通する供給経路と、第1空間から第2空間へ向かって一方方向に空気が流通する排出経路とで構成されていてもよい。このような構成では、着用者が吸気により体内に吸入する空気と着用者が呼気により体内から排出した空気が、空気流通路内で混合することがない。
本明細書に開示するウイルス除去装置では、紫外線照射機構と外部とが酸素と二酸化炭素を流通させる境界膜(例えば、布あるいは不織布)で分離されていてもよい。このような構成では、紫外線照射機構と外部とを隔てる境界膜が気流に対する抵抗となるため、気圧変動平坦化機構がより効果的に紫外線照射機構の空気の流れを抑制し、以て、紫外線照射機構を流通する空気中のエアロゾルへの紫外線の照射時間が長くなる。一方、紫外線照射機構の空気の流れが遅くなるということは、境界膜を通過する空気の流れも縮小することを意味する。しかし、大気から取り入れなければならない酸素と、大気中に廃棄しなければならない二酸化炭素については、膜を通過する機序がそれぞれ拡散なので、たとえ境界膜を通しての気流が縮小しても、膜の通過に関して問題は生じない。なお、エアロゾルは拡散運動をせず、そしてエアロゾルが境界膜を通過する機序は空気の流れなので、境界膜を通しての気流が縮小すると、境界膜を通過するエアロゾルの量は減少する。
図面を参照して、本実施例に係るウイルス除去装置10について説明する。図1に示すように、ウイルス除去装置10は、マスク12と、供給管14と、排出管18と、紫外線照射部30と、気圧変動平坦化部40を備えている。
マスク12は、ウイルス除去装置10の使用者の口及び鼻を覆うような形状を有している。以下では、ウイルス除去装置10の使用者を、「使用者」又はマスク12を着用するため「着用者」と称することがある。マスク12は、空気を通さない材料で形成され、例えば、プラスチックで形成されている。マスク12は、ドーム状であり、マスク12の端部は、着用者がマスク12を装着したときに、着用者の口及び鼻の周囲に密着する形状を有している。着用者がマスク12を装着すると、マスク12と着用者との間に所定の容積の空間(以下、マスク12内の空間ともいう)が設けられると共に、マスク12内の空間とマスク12の外部との間で空気の流通が遮断される。マスク12には、供給管14及び排出管18が接続されており、マスク12内の空間は、供給管14及び排出管18と連通している。
供給管14は、一方の端部14aがマスク12内の空間と連通し、他方の端部14bが紫外線照射部30(詳細には、後述の貯留部32)に連通している。供給管14は、紫外線照射部30内の空気をマスク12内の空間に供給する。供給管14の端部14aの近傍には、逆止弁16が設置されている。逆止弁16は、紫外線照射部30からマスク12内の空間に空気が移動可能なように設置される。すなわち、逆止弁16は、マスク12内の空間から供給管14内に空気が移動(逆流)することを防止するように設置される。従って、供給管14内の空気は、逆止弁16を介してマスク12内の空間に流入する一方、逆止弁16によりマスク12内の空間から供給管14内に流入することが防止されている。なお、本実施例では、供給管14に逆止弁16が設置されているが、マスク12内の空間から供給管14内への空気の移動を防止できるように構成されていればよく、具体的な構成については限定されない。
排出管18は、一方の端部18aがマスク12内の空間と連通し、他方の端部18bが気圧変動平坦化部40に連通している。排出管18は、マスク12内の空間から気圧変動平坦化部40に空気を排出する。排出管18のマスク12側の端部18aの近傍には、逆止弁20が設置されている。逆止弁20は、マスク12内の空間から気圧変動平坦化部40に空気が移動可能なように、すなわち、気圧変動平坦化部40からマスク12内の空間に空気が移動(逆流)することを防止するように設置される。従って、マスク12内の空気は、逆止弁20を介して排出管18を通って外部に流出する一方、逆止弁20により気圧変動平坦化部40から排出管18を通ってマスク12内の空間に流入することが防止されている。なお、本実施例では、排出管18に逆止弁20が設置されているが、外部の空気が排出管18からマスク12内の空間に移動することを防止できるように構成されていればよく、具体的な構成については限定されない。
紫外線照射部30は、貯留部32と、光源34と、反射材36を備えている。貯留部32は円筒状であり、貯留部32内の空間は、外部、気圧変動平坦化部40内の空間及び供給管14と連通している。貯留部32と外部との間の端面には、境界膜38が配置されている。境界膜38は、酸素及び二酸化炭素が流通可能な細孔を有する膜で形成されており、例えば、不織布である。貯留部32の外部との間の端面とは反対側の端面には、貫通孔46が設けられており、貫通孔46を介して気圧変動平坦化部40内の空間と連通している。
光源34は、貯留部32内の空気に紫外線を照射するように構成されている。光源34は、例えば、100〜280nmの波長の光(いわゆる、UV−C)を照射する。紫外線(例えば、UV−C)を照射することにより、多くの種類のウイルスを無力化することが知られている。光源34で照射する紫外線を貯留部32内の空間に照射することにより、貯留部32内の空気に紫外線が照射される。これにより貯留部32内の空気中のウイルスが除去される。なお、本実施例では、光源34から100〜280nmの波長の光(すなわち、UV−C)を照射しているが、光源34から照射される紫外線の波長は特に限定されない。除去するウイルスの種類に適した波長の紫外線を用いることができる。
反射材36は、貯留部32の内面に沿って配置されている。本実施例では、反射材36は、鏡である。貯留部32の内面に反射材36を配置することにより、貯留部32に照射された紫外線が反射材36で反射され、貯留部32内の空気には、光源34から照射された紫外線だけでなく、反射材36で反射された紫外線も照射される。このため、貯留部32内の空気には複数回に亘って紫外線及びその反射光が照射され、ウイルス除去の効果を向上させることができる。なお、本実施例では、反射材36として鏡を用いているが、反射材36は、紫外線を反射する部材であればよく、その種類は限定されない。
気圧変動平坦化部40は、排出管18と紫外線照射部30との間に配置されている。気圧変動平坦化部40は、気体収容部42と、保護部44を備えている。
気体収容部42は、筒状であり、内部に空気を収容可能である。気体収容部42は、空気の流通を遮断すると共に、伸縮可能な弾性部材で形成されている。気体収容部42は、例えばゴム膜で形成されている。気体収容部42は、貯留部32及び排出管18と連通している。具体的には、気体収容部42は、貯留部32に設けられている貫通孔46を介して貯留部32内の空間と連通している。又、供給管14は、気体収容部42及び貫通孔46を貫通して、貯留部32内の空間まで延びている。気体収容部42は、貯留部32が接続されている面と対向する位置に、排出管18の端部18bが接続している。
本実施例では、貯留部32は、気体収容部42と連通すると共に、供給管14とも連通している。すなわち、貯留部32は、外部と連通する端面とは反対の端面で気体収容部42に接続(連通)している。貯留部32は、供給管14を通して、マスク12内の空間と連通している。このような構成においては、マスク12内の空間に供給される空気は、供給管14を介して貯留部32から供給され、マスク12内の空間から排出される空気は、排出管18を介して気体収容部42に排出される。このため、排出管18を通して気体収容部42に排出された呼気が、そのまま、供給管14を通して再吸入されることが抑制される。供給管14を通して吸入(又は再吸入)される空気は、気体収容部42から移動した呼気と共に、境界膜38を通して外部から酸素が供給され、境界膜38を通して外部へ二酸化炭素が排出された空気が混合した状態となる。又、気体収容部42は、伸縮可能であり、かつ排出管18と連通していると共に、貯留部32を介して供給管14とも連通しているので、着用者が吸気すると収縮し、排気すると拡張する。これにより、呼吸にともなって生じるはずの境界膜38を通しての空気の流れが消去される。このため、貯留部32内の空気に十分な時間紫外線を照射することができる。
気体収容部42の容積は、着用者の身体の大きさに関わらず、ほぼ全ての人が使用できる大きさであることが望ましい。このため、気体収容部42の容積の下限は、身体が小さい人の一回の換気量に合わせて設定すると共に、気体収容部42の容積の上限は、身体が大きい人の一回の換気量に合わせて設定する。一般に、人の一回の換気量(mL)は理想体重(kg)に6ないし8を掛け合わせた値であると考えられている。例えば、身体が小さい人の理想体重を40kgと想定すると、身体が小さい人の一回の換気量は約240mL(40kg×6=240mL)となる。また、身体が大きい人の理想体重を100kgと想定すると、身体が大きい人の一回の換気量は約800mL(100kg×8=800mL)となる。このため、気体収容部42は、その容積が、収縮時には約240mLであり、膨張時には約800mLであるように形成される。これにより、着用者の呼吸による空気の流れは、気体収容部42の収縮及び膨張によって吸収され、気圧変動平坦化部40より外部側に配置される紫外線照射部30には、着用者の呼吸による空気の流れの変動が生じなくなる。
保護部44は円筒状であり、気体収容部42を覆うように配置されている。保護部44には、外部の空気が流通可能な多数の孔が設けられている。これにより、保護部44と気体収容部42との間の空間の気圧が、外部と等圧になる。このため、保護部44は、気体収容部52の収縮・拡張を妨げることなく、気体収容部42を保護することができる。
着用者が息を吸うと、供給管14を通って貯留部32からマスク12内の空間に空気が流出することにより、貯留部32と接続している気圧変動平坦化部40は収縮する。したがって、吸気に伴う、気圧変動平坦化部40及びこれに連結する貯留部32内の気圧の低下は抑制される。一方、着用者が息を吐くと、排出管18を通ってマスク12内の空間から気圧変動平坦化部40に空気が流入することにより、気圧変動平坦化部40は膨張する。したがって、呼気に伴う、気圧変動平坦化部40及びこれに連結する貯留部32内の気圧の上昇は抑制される。このように、本実施例のウイルス除去装置10では、気圧変動平坦化部40及びこれに連結する貯留部32内の気圧が、呼吸によってほとんど変動しないため、境界膜38を通しての空気の流れがほとんど消失する。又、装着者が息を吐いている間、すなわち、呼気の間は貯留部32内の空気の流れは停止するため、次に着用者が吸入することになる空気は、より長い時間、貯留部32内に留まり、より長い時間、紫外線を浴びることとなる。このように気圧変動平坦化部40を設けることにより、外部からのウイルスを含むエアロゾルの侵入を最小限に防ぎ、わずかに侵入したエアロゾル中のウイルスも、ほぼ全て紫外線照射部30で無力化することができる。
また、上述したように、紫外線照射部30(詳細には、貯留部32)と外部(大気)とは細孔を有する境界膜38で隔てられている。境界膜38は空気の流れに対して抵抗となるので、境界膜38は気圧変動平坦化部40による気圧の吸収作用を助ける。すなわち、境界膜38を設置すると、貯留部32内の気圧の変動はほとんど消失し、境界膜38を通しての気流は消失する。又、装着者が息を吐いている間、すなわち、呼気の間は、気圧変動平坦化部40(詳細には、気体収容部42)は膨張し、そのため、呼気の間は、気体収容部42から貯留部32に空気は流入せず、貯留部32内での空気の流れは停止する。
貯留部32内の気圧の変動がほとんど消失するということは、境界膜38を通しての気流も消失することを意味する。ところで、酸素と二酸化炭素は、分子運動により、つまり拡散作用で境界膜38を通過する。すなわち、境界膜38を通しての気流がなくても、酸素と二酸化炭素は境界膜38を通って移動する。しかし、エアロゾルは、サイズが大きいため分子運動をせず、したがって、境界膜38を通してのエアロゾルの移動は、もっぱら境界膜38を通しての気流に依存する。すなわち、貯留部32内での空気の流れが減少すれば、貯留部32内へのウイルスを含む大気中のエアロゾルの移動量は減少する。同様に、貯留部32内の気圧の変動がほとんど消失すれば、着用者が排出したウイルスを含むエアロゾルの大気中への移動も消失する。さらに、呼気の間、貯留部32内での空気の流れが停止すれば、大気中から移行して来たわずかな量のエアロゾルも、着用者が体内から排出したエアロゾルも、より長い時間、貯留部32内で浮遊し、以て、より長い時間、紫外線を浴びることになる。
なお、本実施例では、紫外線照射部30と供給管14及び排出管18との間に、気圧変動平坦化部40を配置していたが、このような構成に限定されない。ウイルス除去装置は、気圧変動平坦化部40を備えていなくてもよいし、例えば、紫外線照射部30の壁を、紫外線によっては劣化しない、伸縮可能な膜で作成することにより、紫外線照射部30が気圧変動平坦化装置の機能も兼ねるようにしてもよい。また、供給管14の一端は、貯留部32内に配置されているが、例えば、気体収容部42に接続されていてもよい。
また、本実施例では、供給管14と排出管18の両方が紫外線照射部30に接続されているが、このような構成に限定されない。例えば、供給管14と排出管18のいずれか一方のみが紫外線照射部30に接続されていてもよい。供給管14が紫外線照射部30に接続されていると、供給管14からマスク12に供給されるウイルスが除去される。このため、着用者にウイルスが除去された空気を供給することができ、着用者がウイルスに感染することを防止できる。排出管18が紫外線照射部30に接続されていると、排出管18内のウイルスが除去される。このため、呼気に含まれるウイルスを外部に放出することを防止することができ、着用者から他者にウイルスを感染させることを防止できる。このように、目的に合わせてウイルス除去装置の構成を適宜選択してもよい。
実施例で説明したウイルス除去装置10に関する留意点を述べる。実施例のマスク12は、「マスク部」の一例であり、供給管14は、「供給経路」の一例であり、逆止弁16は、「第1逆流防止機構」の一例であり、排出管18は、「排出経路」の一例であり、逆止弁20は、「第2逆流防止機構」の一例であり、紫外線照射部30は、「紫外線照射機構」の一例であり、気圧変動平坦化部40は、「気圧変動平坦化機構」の一例であり、境界膜38は、「膜」の一例である。
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:ウイルス除去装置
12:マスク
14:供給管
16:逆止弁
18:排出管
20:逆止弁
30:紫外線照射部
32:貯留部
34:光源
36:反射材
38:境界膜
40:気圧変動平坦化部
42:気体収容部
44:保護部

Claims (9)

  1. 着用者の口及び鼻を被覆可能であると共に、空気の流通を遮断するマスク部と、
    前記着用者の口及び鼻と前記マスク部との間の第1空間に連通し、前記第1空間内に空気を供給する供給経路と、
    前記第1空間に連通し、前記第1空間内の空気を排出する排出経路と、
    前記供給経路を通過して前記第1空間に供給される空気及び前記排出経路を通過して前記第1空間から排出される空気の少なくとも一方に紫外線を照射する紫外線照射機構と、を備える、ウイルス除去装置。
  2. 前記供給経路は、前記第1空間から当該供給経路に空気が流れることを防止する第1逆流防止機構を備えており、
    前記排出経路は、当該排出経路から前記第1空間に空気が流れることを防止する第2逆流防止機構を備えている、請求項1に記載のウイルス除去装置。
  3. 前記紫外線照射機構は、
    空気を貯留する貯留部と、
    前記貯留部の内面に配置され、紫外線を反射する反射材をさらに備えている、請求項1又は2に記載のウイルス除去装置。
  4. 前記紫外線照射機構は、空気を貯留する貯留部を備えており、
    前記貯留部内の空間である第2空間と連通し、前記着用者の呼吸による前記第2空間内の気圧の変動を平坦化する気圧変動平坦化機構をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のウイルス除去装置。
  5. 前記供給経路は、前記第1空間側の端部とは反対側の端部が、前記第2空間に接続しており、
    前記排出経路は、前記第1空間側の端部とは反対側の端部が、前記気圧変動平坦化機構に接続し、前記気圧変動平坦化機構を介して前記第2空間と連通している、請求項4に記載のウイルス除去装置。
  6. 前記気圧変動平坦化機構は、空気の流通を遮断すると共に、伸縮可能な弾性部材で形成される空気収容部を備えている、請求項4又は5に記載のウイルス除去装置。
  7. 前記空気収容部の容積は、240〜800mLである、請求項6に記載のウイルス除去装置。
  8. 前記気圧変動平坦化機構は、前記空気収容部の周囲を囲う保護部をさらに備えている、請求項4〜7のいずれか一項に記載のウイルス除去装置。
  9. 前記紫外線照射機構と外部との境界に配置され、酸素及び二酸化炭素が流通可能な細孔を有する膜をさらに備えている、請求項4〜7のいずれか一項に記載のウイルス除去装置。
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