JP2021188207A - 顔面保護装置、顔面保護装置の使用方法、及び、顔面保護装置の製造方法 - Google Patents

顔面保護装置、顔面保護装置の使用方法、及び、顔面保護装置の製造方法 Download PDF

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佳久 松田
Yoshihisa Matsuda
任弘 高階
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Abstract

【課題】着用者の頭部に取りつけやすい顔面保護装置、及びその製造方法を提供する。【解決手段】顔面保護装置100は、透明な前面部110と、互い違いに配置された複数のスリットを有する背面部120と、を備える。顔面保護装置の製造方法は、シートの所定の部分に互い違いに配置された複数のスリットを成形するスリット成形ステップと、所定の部分と、複数のスリットが形成されていない部分をつながっている状態で切り取る切り取りステップと、を備える【選択図】図1

Description

本開示の一側面は、着用者の顔面を保護する技術に関する。
特許文献1には、着用者の鼻および口を覆う気体透過性マスクに、着用者の目を覆う透明なプラスチック部材を連結する技術が記載されている。例えば、透明なプラスチック製のシールドは、マスクから延びている伸長可能なタイ・ストラップに取り付けることによって、着用者の頭部に固定することができる。
シールドとタイ・ストラップの取り付け方法としては、シールドの両端の円弧状ローブにマスクのタイ・ストラップを接合する、または、円弧状ローブに設けられたスリットにタイ・ストラップを通して巻きつけることが記載されている。
特表2003−527133号公報
しかしながら、透明なプラスチック製シールドを着用者の頭部に固定するために、マスクのタイ・ストラップを用いる方法では、着用者の頭部に合わせにくい。従って、着用者の顔面を保護する装置を着用者の頭部に取りつけやすくすることが求められている。
上記課題を解決するために、本開示の一形態に係る顔面保護装置の製造方法は、シートの所定の部分に互い違いに配置された複数のスリットを成形するスリット成形ステップと、前記所定の部分と、前記複数のスリットが形成されていない部分をつながっている状態で切り取る切り取りステップと、を備える。
本開示の一形態に係る顔面保護装置の使用方法は、使用前は平坦な前面部及び背面部を備え、前記背面部は互い違いに配置された複数のスリットを有する顔面保護装置の使用方法であって、前記前面部を着用者の一方の手でつかみ、前記背面部を前記着用者の他方の手でつかみ、前記前面部と前記背面部を拡げた状態で、前記着用者の頭部を挿入し、前記前面部が前記着用者の顔に向いた状態で、前記背面部が前記着用者の後頭部及び側頭部を支える。
本開示の一形態に係る顔面保護装置は、着用者が前方を視認可能な前面部と、互い違いに配置された複数のスリットを有する背面部と、を備える。
本開示によれば、着用者の顔面を保護する装置を着用者の頭部に取りつけやすくすることができる。
本発明の実施形態に係る顔面保護装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る顔面保護装置を利用者が着用している例を示す図である。 本発明の実施形態に係る顔面保護装置を、スペーサを予めつけた利用者が着用している例を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る顔面保護装置の展開図である。 図4の部分拡大図である。 本発明の実施形態に係る顔面保護装置の開く方向を説明するための図である。 図4の部分拡大図の変形例を示す図である。 本発明の実施形態に係るスリットの間隔などを説明するための図である。 本発明の実施形態に係る顔面保護装置の製造方法を説明するための図である。 図9(b)の変形例を説明するための図である。 図9(a)〜(d)の変形例を説明するための図である。 本発明の他の実施形態に係る顔面保護装置の概略構成図である。 顔面保護装置の他の変形例を説明するための図である。 顔面保護装置の他の変形例を説明するための図である。 顔面保護装置の他の変形例を説明するための図である。
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。ここで、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。また、図面は、理解の容易のため、一部を簡略化又は誇張している場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
[A.本実施形態に係る顔面保護装置の概要]
図1は、本実施形態に係る顔面保護装置の概略構成図である。顔面保護装置100は、着用者の顔面を覆う無色透明な前面部110と、複数のスリットが入っている背面部120を備えている。
同図(a)は、水平面上に置いた顔面保護装置100を表している。前面部110は、着用者の前面にいる患者の咳やくしゃみなどの飛沫物から、着用者の顔面(特に目、鼻及び口)を保護する程度の大きさであり、縦方向に長い(例えば、縦は約300ミリメートル、横は約200ミリメートル)。
前面部110は、着用者の顔面(特に目、鼻及び口)を保護する程度の大きさであることに限られず、目の部分だけを保護する程度の大きさであってもよい。着用者がマスクも併用してもよい。
前面部110のサイズは、縦の長さの下限は100mm以上であればよく、130mm以上が好ましい。さらに150mm以上であればより好ましい。縦の長さの上限は500mm以下であればよく、400mm以下が好ましく、370mm以下であればより好ましい。350mm以下であればさらにより好ましい。また、横の長さの下限は150mm以上であればよく、170mm以上が好ましい。さらに180mm以上であればより好ましい。横の長さの上限は350mm以下であればよく、300mm以下が好ましい。さらに250mm以下であればより好ましい。
前面部110にはスリットが入っていないが、これに限定されるものではない。前面部110に湾曲形状をつけるために折り目加工などを加えてもよいし、顔面との間隔を設けるためにスリット加工などを加えてもよい。また、ヘルメット、警察帽子などのつばを固定するための折り目、スリット、穴、又は、高摩擦部材を加えてもよい。
121は背面部120の上側(上辺)を示し、122は背面部122の下側(下辺)を示す。上辺121と下辺122の幅(縦の長さ)は例えば100ミリメートルである。背面部の幅の下限は40mm以上であればよく、50mm以上が好ましい。さらに60mm以上であればより好ましい。背面部の幅の上限は200mm以下であればよく、170mm以下が好ましい。さらに150mm以下であればより好ましい。また、背面部120の横の長さは前面部110の横の長さと同じであるが、これに限定されものではなく、異なってもよい。
次に、前面部110の(縦の)長さに対する背面部120の(上下の)幅の比率について説明する。「背面部幅/前面部長さ」の比の下限は、装着時の安定性の観点から0.2以上とすることができ、0.22以上が好ましい。さらに0.25以上であればより好ましい。「背面部幅/前面部長さ」の比の上限は1.0以下であればよく、0.8以下が好ましい。さらに0.6以下であればより好ましい。
本実施形態の一態様においては、「背面部幅/前面部長さ」の比が、上限に近づくにつれ、前面部の長さが短くなり、目元やアイガード付近をカバーする程度の大きさになる。一方、下限に近づくにつれ、背面部120の幅が小さくなり、前面部110がカバーするエリアが大きくなる。
また、一態様においては、下限の数値は、従来のフェイスガードよりも大きい値である。このように、本実施形態に係る顔面保護装置は、線で頭に巻くのではなく、面全体で頭部を覆うことが可能になり、装着時の安定感が増す。また、ヘルメットの上からでも装着することが可能になる。
背面部120は、縦方向に(上側121から下側122に向けて)複数のスリットが交互に(又は互い違いに)入っている。
図1においては、前面部110及び背面部120は、ポリエチレンテレフタラート(PET)フイルムで構成されている。背面部120の両端と前面部110の両端は接合されている。
前面部110は可視光透過性のあるフイルムで構成されていてもよい。前面部110は例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、その他オレフィン系モノマーからなる樹脂、アクリル樹脂、メタアクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、フッ素系樹脂などから構成されていてもよい。
前面部110を構成する可視光透過性のあるフイルムには、表面処理、又は、添加物を加える処理が施されていてもよい。例えば、曇り止め(防曇)処理、滅菌(除菌又は減菌)処理が施されていてもよい。
背面部120は例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、その他オレフィン系モノマーからなる樹脂、アクリル樹脂、メタアクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、フッ素系樹脂、不織布、織布、樹脂フォーム材などから構成されていてもよい。また、背面部120は前面部110と同一材料又は異なる材料で形成されていてもよい。
同図(b)は、背面部120を指でつまみ、少し持ち上げた状態の顔面保護装置100を表している。前面部110及び背面部120を構成しているPETフイルムは薄いため、背面部120の下側122の中央付近を持ち上げると、背面部120の複数のスリットが横方向に拡がり、背面部120は伸ばすことが可能になる。そして、背面部120の中央は持ち上がり、さらに前面部110は両端が持ち上がる。一方、前面部110の中央は自重により、水平面に接した状態になる。
このように、背面部120は伸長可能であり、前面部110と背面部120の間に、すき間130(点線で示す)ができる。利用者はすき間130から頭を入れ(利用者の顔が前面部110に向き、利用者の後頭部が背面部120に向くように)、さらに、頭を深く挿入し、頭が背面部120の上側121を少し出る程度になると、利用者は画面保護装置100を安定的に着用することが可能になる。
図2は、本発明の実施形態に係る顔面保護装置を利用者が着用している例を示す図である。なお、個人情報保護の観点から、目の部分を黒く塗りつぶしている。
同図(a)は、顔面保護装置を着用した者を前から表した図である。前面部110の下側112がその上側111よりも拡がっているように見えるのは、上側111が着用者の額(又は頭の前側)に巻きついているためである。
同図(b)は、着用者を右側面から表した図である。顔面保護装置100の背面部120は、複数のスリットが例えば六角形状に開くことによって、着用者の両側頭部及び後頭部をある程度の幅を持って固定している。これによって、前面部110は着用者の顔に安定的に取りつけられる。前面部110は着用者の前からかかってくる飛沫物をシールドすることが可能になる。また、前面部110の上側111から少し下がった部分が、着用者の額に直接当たるため、横から見ると、前面部110は傾き(利用者の額から見て、上側111が後ろへ、下側112が前へ)、前面部110の下側112と着用者の口の間に広いすき間(又は間隔)210が空いていることがわかる。広いすき間が開くことで、マスク、特に、カップ状等のかさ高いマスクを着用しても顔面保護装置と併用可能となる。一方、前面部110は着用者の眉毛付近113で接触していることがわかる。
同図(c)は、着用者の後頭部を表した図である。背面部120は、六角形状に開いた複数のスリットが穏やかに戻る(又は閉じる)復元力によって、着用者の後頭部及び側頭部をある程度の幅を持って(背面部120の上側121から下側122にかけて)安定的に支えることが可能になる。
このように、利用者は、片手(一方の手)で前面部110の下側112をつかみ、もう片方の手(他方の手)で背面部120の下側122をつかみ、前面部110の中央と背面部120の中央を両手で拡げると、背面部120の複数のスリットが拡がり、顔面保護装置100を頭部に着用することが可能になる。
[B.スペーサをつけた後に顔面保護装置を着用する場合]
図3は、スペーサを予めつけた利用者が本発明の実施形態に係る顔面保護装置を着用している例を説明するための図である。ここで、スペーサとは、顔面保護装置100の前面部110と着用者の額との間に空隙(又は、かさ高いスペース)を設けるための部品である。図3では、スペーサの一例としてヘアバンド300を着用している。
同図(a)は、利用者がヘアバンド300を頭の周囲に取りつけた状態を示している。ヘアバンド300は、通常のヘアバンドのように例えば30ミリメートル幅の包帯のようなもの310で頭を巻きつけ、さらに、額に当たる部分は、その中にスポンジなどの詰め物320が入っており、10から20ミリメートル程度の厚みがある。
同図(b)は、利用者が予めヘアバンドを頭に巻きつけた状態で、さらに、顔面保護装置100を着用した状態を示している。図3(b)の場合、着用者の額と前面部110の上部の間には、ヘアバンド300の詰め物320がある。詰め物320によって、着用者の額と前面部110に間隔が生まれ、前面部110の傾きは、図2(b)の場合の傾きよりもゆるやかになる。このため、図2(b)の間隔210よりも、図3(b)の間隔220は狭くなる。このようにすれば、図2の場合よりも効果的に、前面部110は着用者の前からかかってくる飛沫物をシールドすることが可能になる。さらに、前面部110は着用者の眉毛付近と間隔230が空き、着用者の使用感が増し、長時間、顔面保護装置100を着用しても疲れにくくなる。
また、顔面保護装置100は、ヘアバンド300も飛沫物からシールドすることができる。このため、顔面保護装置100は患者(又は感染者)毎に交換することもできるが、ヘアバンド300は繰り返し利用することが可能になる。
図3では、スペーサの一例として、ヘアバンド300を説明した。しかしながら、スペーサはこれに限られず、前面部110に両面テープなどで貼り付け可能なスポンジなど、前面部110の内側に空隙を設ける部品を用いてもよい。空隙を設ける部品が繰り返し使用できるようメカニカルファスナーなどを使用して取り外し可能に取り付けられてもよい。
このようなスペーサを前面部110の内側に設けることは、眼鏡などの器具と併用している人、まつげの長い人、又は、鼻が高い人などが顔面保護装置100を着用する際の快適性が向上する。
[C.本実施形態に係る顔面保護装置の展開図]
図4は本発明の実施形態に係る顔面保護装置の展開図である。同図は顔面保護装置100の展開図である。(AA)は点線で囲まれた部分を示し、後述する。説明の便宜上、前面部110及び背面部120はグレーで表し、背面部120のスリットを白抜きで表している。実際は、前面部110及び背面部120は透明であることに留意していただきたい。
同図に示す通り、前面部110は、縦300ミリメートル、横200ミリメートルの寸法である。背面部120は、縦100ミリメートル、横200ミリメートルの寸法である。また、背面部120には互い違いに複数のスリット(白抜き表示)を有している。
前面部110及び背面部120は、薄さ(又は厚み)が100μmのPETフイルムで構成されている。厚みの下限は20μm以上であればよく、30μm以上が好ましい。さらに40μm以上であればより好ましい。厚みの上限は500μm以下であればよく、400μm以下が好ましい。さらに300μm以下であればより好ましい。
背面部120は、前面部110と背面部120がつながっている部分(固定端)114に入れた折り目線に沿って前面部110に折りたたみ、背面部120の右端(自由端、又は開放端ともいう)124を前面部110の左端(自由端)113に合わせる。その後、右端124と左端113を接合すれば、顔面保護装置100が完成する。
図5は、図4の(AA)の点線で囲まれた部分を拡大した図である。図5(a)、(b)を用いて、互い違いに設けられた複数のスリットの配置と、このスリットがどのようにして六角形に開くかについて説明する。
縦方向(Y方向)に設けられたスリット410の長さは40ミリメートルである。同じ高さに配置された別のスリット420とスリット410の幅は10ミリメートルである。スリット430は、スリット410及びスリット420それぞれから横方向(X方向)に5ミリメートル離れ、かつ、スリット410の下端から25ミリメートル上にスリット430の下端があるように配置されている。また、スリット430の下端から10ミリメートル下にはスリット440の上端がある。このように複数のスリットが縦方向(Y方向)及び横方向(X方向)に互い違いに配置されている。
次に、複数のスリットが互い違いに配置されていることによって、スリット450が六角形に開くことについて説明する。前提として、図1で説明した通り、前面部110及び背面部120を構成しているフイルムは薄い。このため、背面部120に少し力をかけると、Z方向にずれやすい(又はせん断しやすい)。
スリット450が六角形に開く前の仮想的な頂点をA、B、C、D、E、Fで表し、頂点を結ぶ仮想的な線を点線で表す。例えば、頂点GとHは、紙面手前方向(+Z方向)にせん断し、頂点IとJが紙面奥行方向(−Z方向)にせん断するように前面部120に力が加わると仮定する。
このようなせん断方向に力が加わると、頂点BとCは紙面手前方向(+Z方向)にずれ、頂点EとFは紙面奥行方向(−Z方向)にずれる。このようにして、スリット450は頂点A、B、C、D、E、Fで構成される六角形状に開く。
そして、六角形状に開いたスリット各々は、閉じる方向に復元する力によって、前述した通り、着用者の頭部を安定的に支えることが可能になる。
図6は、本発明の実施形態に係る顔面保護装置の開く方向を説明するための図である。図5で説明した通り、背面部120の各スリットが六角形状に開くことによって、顔面保護装置100の前面部110と背面部120は離れる方向(Z方向)に開き、筒状になることが可能になる。
図7は、図4の部分拡大図の変形例を示す図である。図7(a)の点線で示される領域(AA’)が、図5(a)と異なる点は、スリット430とスリット440の間隔が4ミリメートルと短い点である。このように間隔が短いため、図7(b)に示す通り、スリット450が横に開く前の仮想的な頂点をA、B、C、D、E、Fで表し、頂点を結ぶ仮想的な線を点線で表す場合、開き方が、実質的にひし形(又は四角形)になる。すなわち、縦方向のスリット間の間隔(GとH、及び、IとJ)が近づくほど、開いた時に頂点BとCが近づき、頂点EとFが近づき、実質的にひし形(又は四角形)に開くことになる。
スリット450が横に伸びる(開く)幅は、BF(又はCE)の距離に応じる。また、スリット450が横に伸びる(開く)比は、AD、GH(又はBC)、GJ(又はHI)の比に応じる。スリットの縦方向の長さADが長くなると横方向の広がりに関与するAB(又はCD、DE、FA)の長さが長くなるためスリットが開き易くなる。一方で、ADの長さが一定でBC(又はFE)の長さが長くなると、ADを開いた際に横方向の広がりに関与するAB(又はCD、DE、FA)の長さが短くなるためスリットが開きにくくなる。また、GJ(又はHI)が短くなると、開く前の単位面積あたりに存在するスリットの数が増加するため、スリットが開きやすくなる。
頭部又はヘルメットなどの大きさにもよるが、一態様としては、スリットを縦方向に3個程度入れることができる。そこで、スリット間の幅、又は、スリット間の縦方向の間隔を短くすることによって、スリットが横に伸びる量を調整することが可能になる。
図8は、本発明の実施形態に係るスリットの間隔などを説明するための図である。図8(a)は、図5(a)で説明した寸法に相当する。すなわち、スリット間の幅Wは5mmである。一方、スリットの長さL1は40mmであり、スリット間の縦方向の間隔L2は、10mmである。
図8(b)はWを1/2にした場合のスリットのパターンである。同図(a)の場合よりも横に伸び、伸びる量は約2倍になる。
同図(c)は、L2を1/2にした場合のスリットのパターンである。同図(a)の場合よりも横に伸びる。
同図(d)は、スリットを直線ではなく、波線で入れた場合のパターンである。このように、スリットの長さ、スリット間の長さ、スリット間の幅の比率を変更することによって、スリットの復元力を調整することが可能になる。
[D.本実施形態に係る顔面保護装置の製造方法]
図9は、本発明の実施形態に係る顔面保護装置の製造方法を説明するための図である。同図(a)は、薄いPETフイルム製の細長いシート(上下を波線で表示)に予めスリット(細い点線で表示)が入っている状態を示す。このように互い違いに設けられたスリット(細い点線で表示)は、一般的なカッティング加工を用いればよい。それから、太い点線で示す切取線((b)で表示)で切り取ることによって、1個の顔面保護装置の材料を切り取ることが可能になる。
同図(b)は、同図(a)の太い点線で囲まれた部分を抽出した図である。前面部110と背面部120がつながっている部分(固定端)で折り曲げ、前面部110の自由端と背面部120の自由端を重ねる。このようにすれば、前面部110と背面部120を同一材料かつ1つの部品で作ることが可能になる。また、固定端には、同図(a)の段階で、折り目線を入れる等の折り目加工をすると、同図(b)から同図(c)の段階で折り曲げやすくなる。
同図(c)では、前面部110と背面部120を重ね合わせた自由端同士を接合し、使用前は平坦な前面部110及び背面部120を備える顔面保護装置100が完成する。接合方法としては一般的な溶着を用いればよい。接合方法はこれに限られず、テープや接着剤で取り付けてもよいし、機械式スナップ、圧力シール、超音波シールおよびヒートシールなどの周知な取り付け技術を用いてもよい。
同図(d)は、完成した顔面保護装置を梱包する際には、Y方向(縦方向)に背面部120が互い違いになるように(背面部120が+Y方向と−Y方向に交互に配置されるように)重ねると、梱包時の厚みを抑えることが可能になる。また、梱包時の厚みを抑え、梱包密度が高くなることによって梱包容器が小さくなり、梱包容器の輸送コストも抑えることが可能になる。また、顔面保護装置の材料がフイルムであるため、長期間保管することが可能になり、自治体や各種団体などで顔面保護装置を備蓄することに適している。
梱包する際には、同図(c)のように背面部120を前面部110に折り重ねた状態で梱包しなくてもよい。例えば、同図(b)の状態のシートと、上下に反転したシートを合わせた状態で重ねると、ダンボールなどの直方体の梱包容器に入れる場合に、空きスペースを少なくすることが可能になる。
また、同図(b)の状態で積み重ね、ダンボールなどの直方体の梱包容器に入れる場合、背面部120の下の部分(−Y方向の部分)に空きスペースができる。この空きスペースに、マスクを入れることによって、顔面保護装置とマスクをセットで保管することが可能になる。さらに、マスクと一緒に、又は、マスクの代わりにスポンジなどのスペーサを入れて、保管することも可能である。
同図(b)の状態で積み重ね、ダンボールなどの直方体の梱包容器に入れる場合、同図(b)で説明した固定端に折り目線が入っていれば、着用者が折り目線に沿って、背面部120を折り曲げ、前面部110の自由端と背面部120の自由端をテープなどで貼り付けることが容易になる。
図10は、図9(b)の変形例を説明するための図である。図9(b)では、前面部110の片側(右側)だけに背面部120が設けられている。一方、図10では、前面部110の両側に背面部120a、120bが設けられている。そして、一方の背面部120aの自由端と、他方の背面部120bの自由端をテープなどで接合して、顔面保護装置として用いてもよい。
前面部の両側から延びている背面部120a、120bは、一般的なフェースシールドのヘッドバンドなどよりも幅が広く、頭部を広く覆うことができる。さらに、利用者がヘルメットやゴーグルなどを着用した状態でさらに顔面保護装置をオーバー・カバーとして着用する場合、両側に背面部120a、120bが設けられているため、顔面保護装置の外周を広くすることが可能になる。
図11は、図9(a)〜(d)の変形例を説明するための図である。図9との相違点は、前面部110の上辺よりも、背面部120の上辺が低い位置にある点である。このような顔面保護装置100を形成することによって、背面部120を前面部110に取り付ける位置が低くなる。このような顔面保護装置100を着用すると、着用者の頭部へのフィット性が高くなる。そして、前面部110の下側が口元に近づき、顔面保護装置100が頭部からぬけにくくなる。
[E.他の実施形態に係る顔面保護装置]
図12は、本発明の他の実施形態に係る顔面保護装置の概略構成図である。背面部120については上述した実施形態と同じであるので、そちらを参照していただきたい。また、説明の便宜上、前面部410及び背面部120はグレーで表し、背面部120のスリットを白抜きで表している。
図12の前面部410が、上述した実施形態の前面部110と異なる点は、下部の両側が広がっており、張り出し部411及び412を備えている点である。このようにすれば、着用者の口の横側もシールドすることが可能になる。ここでは、一例として、張り出し部411及び412を説明したが、これに限られず、前面部110のサイドをカバー可能な形状であればよい。
顔面保護装置をオーバー・カバーとして用いる場合、張り出し部411及び412を備えていてもよい。なお、オーバー・カバーの場合、張り出し部411及び412を備えていることに限定されず、前面部410全体が広くなってもよい。このような場合、図10で説明したように、背面部120を前面部410の両側に設け、ヘルメットなどの後ろで両側の背面部を接合してもよい。
図13は、顔面保護装置の他の変形例を説明するための図である。同図(a)は前面部の下側の両端の角がR形状になっている場合を示す。また、同図(b)は前面部の4つの角がR形状になっている場合を示す。このように角をR形状にすることによって、着用者が快適に顔面保護装置を使用することが可能になる。
同図(c)は背面部のスリットの間隔が両側よりも中央の方が狭い例を示す。同図(d)は背面部の中央部分が両側よりも縦方向に短くなっている例を示す。同図(e)は背面部の中央部分が両側よりも縦方向に長くなっている例を示す。
図14は、顔面保護装置の他の変形例を説明するための図である。同図(a)は、背面部の上辺と下辺の各スリットの先端がR形状になっている。同図(b)は、同図(a)の部分拡大図であり、各スリットが六角形状に開いた状態を示す。
同図(b)のように各スリットが六角形状に開いた状態では、各スリットの先端に隙間121ができる。隙間121には、着用者の頭皮や髪の毛が挟まりやすくなる場合がある。しかしながら、各スリットの先端がR形状であるため、角が無くなり、着用者の頭皮や髪の毛への違和感を軽減することが可能になる。
図15は、顔面保護装置の他の変形例を説明するための図である。着用者がヘルメット510、アイガード520、マスク530を着用した状態で、さらにそれらの上から、顔面保護装置100を着用した状態を示している。同図(a)は着用者の正面を表した図であり、同図(b)は着用者の右側面を表した図である。顔面保護装置100に防曇処理がされていても、呼気が直接触れると、水滴になりやすく、視界を遮る可能性があり、マスク530などを着用した状態で、顔面保護装置100を着用してもよい。
前面部110は、アイガード520及びマスク530のオーバー・カバーとして機能している。また、背面部120は、伸長可能であり、ヘルメット510の周囲を安定的に保持している。さらに、顔面保護装置100は平坦なフイルムで構成されているため、顔面保護装置100それ自体を二重、三重に重ねて装着することができる。例えば、医療機関において急患が多くなっても、処置毎に一枚ずつ顔面保護装置を外すことで、毎回顔面保護装置を着けかえる必要がなく、早急な措置を施すことが可能になる。
[F.作用効果]
上述した通り、本実施形態によれば、着用者の顔面を保護する装置を着用者の頭部に取りつけやすくすることが可能になる。背面部が広い面で抑えるため、着用時の圧迫感が少なく、長時間使用可能である。また、着用者は特に限られず、医療従事者、販売店、飲食店、イベント会場、教育機関、公共施設など人が密集しやすい場所で働く人や、食品工場の作業者、ホテル、病院などの清掃業者など長時間働く様々な人々が着用可能である。
本実施形態に係る顔面保護装置は、簡易な構成であるため、口や鼻を覆うマスクと併用可能であり、患者毎に顔面保護装置を使い捨て、交換することによって、併用するマスクは繰り返し使用することが可能になる。また、前面部の材料が消毒によって繰り返し利用可能になる材料であれば、使い捨てでなくてもよい。
本実施形態に係る顔面保護装置は、一態様としては、薄い透明フイルムのみで構成されており、メガネフレーム、マスク固定用フックなどの複数の部品を使用しないため、製造コストを抑え、患者毎の使い捨てが可能になり、患者間での感染防止にも優れている。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、これらのうち、2つ以上の実施例を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施例を部分的に実施しても構わない。
また、本発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。例えば、顔面保護装置の前面部は、無色透明に限られず、着色されていてもよい。また、着用者が前方を視認可能な程度に透明または透けて見えてもよい。さらに、着用者の目の部分に相当する部分が少なくとも前方を視認可能であればよい。
100、400 顔面保護装置
110 前面部
120 背面部
300 ヘアバンド

Claims (9)

  1. シートの所定の部分に互い違いに配置された複数のスリットを成形するスリット成形ステップと、
    前記所定の部分と、前記複数のスリットが形成されていない部分をつながっている状態で切り取る切り取りステップと、
    を備える顔面保護装置の製造方法。
  2. 前記スリット成形ステップと、前記切り取りステップが同時に行われる請求項1記載の顔面保護装置の製造方法。
  3. 前記所定の部分と前記複数のスリットが形成されていない部分がつながっている部分に折り目加工をする請求項1記載の顔面保護装置の製造方法。
  4. 前記所定の部分である背面部と、前記複数のスリットが形成されていない部分である前面部とがつながっている固定端で折り曲げ、前記背面部を前記前面部に重ね合わせるステップと、
    前記背面部の自由端と、前記前面部の自由端を接合するステップと、
    を備える請求項1記載の顔面保護装置の製造方法。
  5. 使用前は平坦な前面部及び背面部を備え、前記背面部は互い違いに配置された複数のスリットを有する顔面保護装置の使用方法であって、
    前記前面部を着用者の一方の手でつかみ、
    前記背面部を前記着用者の他方の手でつかみ、
    前記前面部と前記背面部を拡げた状態で、前記着用者の頭部を挿入し、
    前記前面部が前記着用者の顔に向いた状態で、前記背面部が前記着用者の後頭部及び側頭部を支える顔面保護装置の使用方法。
  6. 着用者が前方を視認可能な前面部と、
    互い違いに配置された複数のスリットを有する背面部と、
    を備える顔面保護装置。
  7. 前記前面部及び前記背面部は同一の素材で形成されている請求項6に記載に顔面保護装置。
  8. 前記前面部の上辺よりも下の位置に、前記背面部の上辺がある請求項6に記載の顔面保護装置。
  9. 前記前面部の下部両側に張り出し部を備える請求項6に記載の顔面保護装置。
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