JP2021186974A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光ドラムへの書き込み開始タイミング精度を良化させる。【解決手段】光源からの光を感光ドラムに走査して画像を形成する画像形成装置において、光源の駆動を制御する駆動制御部と、光源からの光を検知して信号を出力する光検知部と、光検知部から出力された信号に基づいて感光ドラムへの書き込み開始タイミングを制御するとともに光源を光量指示値に応じた光量で発光させるように駆動制御部を制御する制御部とを備え、光検知部は複数のゲインを有するゲイン変更回路を有し、ゲイン変更回路は第1の光量領域で使用可能な第1ゲインと、第1の光量領域より低光量領域を含む第2の光量領域で使用可能な第2ゲインとを有し、制御部は、センサに光が入射されてから目標時間までに信号を出力するように、光量指示値に基づいてゲイン変更回路の第1ゲインまたは第2ゲインを選択する信号を光検知部に出力して、ゲイン変更回路を第1ゲインまたは第2ゲインに変更する。【選択図】 図9

Description

本発明は、光走査装置を有する画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置は、光走査装置を有する。光走査装置は、光源からの光を、回転多面鏡により偏向走査させ、結像光学系により感光ドラムの表面に集束させる。感光ドラムに集束させた光は、回転多面鏡の回転による主走査と、感光ドラムの回転による副走査に伴って、感光ドラムに静電潜像を形成する。
また回転多面鏡により偏向された光の一部はBD(Beam Detect)センサに入力され、BDセンサからの出力信号により感光ドラムへの静電潜像の書き込み開始タイミングを決定する構成が一般的に用いられる。しかし、BDセンサからの出力信号(BD信号)は、BDセンサへの光の入射光量によって遅延時間が変動するため、所望の書き込み開始タイミングを得られないという問題があった。
そのため、BD信号の遅延を所定範囲内に抑えるために、特許文献1には、BDセンサに入射された光量を検出し、BDセンサへの入射光量及びBDセンサ感度のいずれか一つを変更する制御を行うことが開示されている。
特開2007−320130号公報
しかしながら、画像形成装置が幅広い生産性に対応可能であるためには、光走査装置においてレーザ光を出射する光源としてのレーザダイオードの光量補正範囲は、広範囲に制御可能であることが要求される。レーザ光量制御動作時に調整された光量で画像領域での発光を行う構成の場合には、非画像領域で走査タイミング信号を出力するBDセンサに入射されるレーザ光の光量も、レーザダイオードの光量補正範囲に対応した光量レンジで検知できる必要がある。
ところが、画像形成装置の内部の環境(温度や湿度)によっては、画像領域で必要となるレーザ光の光量が、BDセンサが検知可能な光量レンジを下回る場合がある。このような場合には、BDセンサはレーザダイオードから出射されたレーザ光を検知できない。そのため、BDセンサから走査タイミング信号が出力されず、感光ドラムへの書き込み開始タイミング精度が悪化してしまうおそれがある。
そこで、本発明の目的は、幅広い生産性に対応する場合であっても、BDセンサの検知可能な領域を下回ることなく、感光ドラムへの書き込み開始タイミング精度を良化させることである。
上記目的を達成するため、本発明は、画像信号に応じて発光可能な光源と、前記光源からの光を感光ドラムに対して偏向走査する光偏向部と、を有し、前記感光ドラムに画像信号に応じた光を走査して画像を形成する画像形成装置において、前記光源の駆動を制御する駆動制御部と、前記光偏向部により偏向走査された前記光源からの光を検知して信号を出力する光検知部と、前記光検知部から出力された信号に基づいて前記感光ドラムへの書き込み開始タイミングを制御するとともに、前記光源を光量指示値に応じた光量で発光させるように前記駆動制御部を制御する制御部と、を備え、前記光検知部は、前記光源から入射される光を検知するセンサと、前記センサに光が入射されてから目標時間までに信号を出力する光量領域で使用可能な複数のゲインを有するゲイン変更回路と、を有し、前記ゲイン変更回路は、第1の光量領域で使用可能な第1ゲインと、前記第1の光量領域より低光量領域を含む第2の光量領域で使用可能な第2ゲインと、を有し、前記制御部は、前記光検知部が前記センサに光が入射されてから目標時間までに信号を出力するように、前記光量指示値に基づいて前記ゲイン変更回路の第1ゲインまたは第2ゲインを選択する信号を前記光検知部に出力して、前記ゲイン変更回路を第1ゲインまたは第2ゲインに変更する、ことを特徴とする。
本発明によれば、感光ドラムへの書き込み開始タイミング精度を良化させ、画像再現性を向上させることができる。
画像形成装置の全体構成を示す断面図 光走査装置におけるLDの構成を示す斜視図 画像形成装置における光走査装置の全体構成を示す斜視図 光量に対するBDセンサの応答模式図 所定BDゲインにおける入射光量と遅延時間の関係を示す図 第1実施例の光走査装置の制御回路を示すブロック図 目標濃度のレーザ光量を算出する制御シーケンスを示すフローチャート (a)(b)(c)(d)は画像形成時のレーザ光量を算出するためのテーブル及びトナーチェックパターン画像の例を示す図 第1実施例のBDセンサ部の回路を示すブロック図 第1実施例のBDセンサのゲイン切り替えテーブルを示す図 (a)(b)は第1実施例のBDゲインに対するBD信号のタイミングチャート 第1実施例のBDゲイン選択のフローチャート 第2実施例の光走査装置の制御回路を示すブロック図 第2実施例のBDセンサ部の回路を示すブロック図 第2実施例のBDセンサのゲイン切り替えテーブルを示す図 第2実施例のBDゲインにおける入射光量と遅延時間の関係を示す図 第2実施例のBDゲイン選択のフローチャート
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔実施例1〕
(画像形成装置全体の構成)
本実施例における画像形成装置1について説明する。図1に、画像形成装置1の全体の構成を示す。本画像形成装置1は、光走査装置2(2a,2b,2c,2d)、画像制御部5、画像読取部であるリーダースキャナ部500、感光体である感光ドラム25を含む作像部503、定着部504、給送/搬送部505から構成される。
リーダースキャナ部500は、原稿台に置かれた原稿に対して、照明を当てて原稿の画像を光学的に読み取り、その画像を電気信号に変換して画像信号を生成する。画像制御部5は、後述する画像処理部403及び画像信号出力部404(図6参照)を有し、光走査装置2(2a,2b,2c,2d)の発光制御並びに画像信号の生成を行う。
作像部503は、感光体である感光ドラム25を回転駆動し、帯電部である帯電器513によって感光ドラム25の表面を帯電させる。光走査装置2(2a,2b,2c,2d)は、前記画像信号に応じて光源が発光し、帯電された感光ドラム25の表面を露光することにより、感光ドラム25の表面に静電潜像を形成する。そして、現像装置512は、現像剤であるトナーを供給して感光ドラム25の表面に形成された潜像を可視化像(トナー像)にする。感光ドラム25の表面に形成されたトナー像は、一次転写部520にて中間転写体511に転写される。その後、クリーニング部522は、転写されずに感光ドラムの表面に残ったトナーを回収するクリーニングを行う。
作像部503は、このような一連の電子写真プロセスのプロセスユニット(画像形成ステーション)を4連持つことで作像を実現している。作像部503は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に並べられた4連のプロセスユニットを有している。4連のプロセスユニットは、イエローステーションの作像開始から所定時間経過後に、マゼンタ、シアン、ブラックの作像動作を順次実行していく。このタイミング制御によって、中間転写体511にフルカラートナー像が転写される。前記中間転写体511に形成されたトナー像は、給送/搬送部505から搬送されたシート514に二次転写部521にて転写される。定着部504は、二次転写部にてシートに転写されたトナー像を、熱と圧力によってシート514に定着させる。
環境センサ141は、画像形成装置1の内部環境である装置内部の温度及び湿度を計測するためのセンサである。また、濃度センサ142は、後述する中間転写体511上に形成されたトナーチェックパターン(図8(d)参照)の濃度を検知する。
また濃度センサ142による濃度検出用のトナーチェックパターンは、像担持体である中間転写体511上に形成したものに限定されるものではなく、画像形成装置1によって記録媒体であるシートS上に形成しても良い。画像形成装置1によってシートSに形成された濃度検出用のトナーチェックパターンをリーダースキャナ部500で読み取る場合には、前記シートSの濃度検出用のトナーチェックパターンが形成された面側を原稿台側となるように設置する。濃度検出用のトナーチェックパターン(濃度検出用トナー像)は、複数の濃度の異なるトナー像からなる。
(感光ドラムと光走査装置)
本実施例における光走査装置2について説明する。図2は、光走査装置2における光源であるLD201及びPD302を示す斜視図である。図3は、露光手段である光走査装置2及び感光体である感光ドラム25を示す斜視図である。
露光手段である光走査装置2は、光源であるレーザダイオード(以下、LD)201、コリメータレンズ202、絞り203、シリンドリカルレンズ204、光偏向部であるポリゴンミラー(回転多面鏡)205、fθレンズ206から構成される。
本実施例における光走査装置2で用いるLD201は、感光ドラム25に静電潜像を形成するために発光可能な光源である。LD201は、一方側(図2に示す右側)へ画像データに応じたレーザ光a(フロント光)を発光する。LD201が一方側に発光したレーザ光aは、感光ドラム25に照射され、感光ドラム25に画像データに応じた潜像を形成する。またLD201は、前記一方側とは逆方向である他方側(図2に示す左側)にもフロント光(レーザ光a)の一定の割合の光量でレーザ光a′(リヤ光)を発光する。LD201が他方側へ発光したレーザ光a′は、フォトダイオード(以下、PD)302に入射する。
ただし、LD201の構成は前述の構成には限定されない。例えば、LD201が一方側に発光したレーザ光(フロント光)の一部をPD302に入射する構成としてもよい。この場合、LD201は、一方側にレーザ光を発光し、他方側にはレーザ光を発光しない構成となる。
光走査装置2において、LD201が発光したレーザ光a(フロント光)は、コリメータレンズ202及び絞り203により平行光とされる。その上で、レーザ光aはシリンドリカルレンズ204により感光ドラム25の回転軸線方向に長い楕円像となり、所定のビーム径でポリゴンミラー205に入射する。
ポリゴンミラー205は、LD201からのレーザ光aを感光ドラム25の表面に対して主走査方向(図3に点線で示す矢印方向)に偏向走査する光偏向部(回転多面鏡)である。ポリゴンミラー205は、図3に示す矢印方向に等角速度の回転を行っており、この回転に伴って、入射したレーザ光a(光ビーム)が連続的に角度を変えて反射される。反射(偏向)されたレーザ光aは、fθ(エフ・シータ)レンズ206により集光作用を受け、感光ドラム25に照射される。
一方、fθレンズ206は、集光と同時に回転軸線方向への走査の時間的な直線性を保証するような歪曲収差の補正を行う。そのため、レーザ光aは、感光ドラム25の表面に感光ドラム25の回転軸線方向(図3に点線で示す矢印方向)に等速で結合走査される。感光ドラム101の表面の電位は、照射されたレーザ光の強度により電位が変位する。
なお、BD(Beam Detect)センサ209は、ポリゴンミラー205からの反射光(レーザ光a)の一部を、BDミラー208を介して検出するセンサである。BDセンサ209によるレーザ光aの検出信号(BD信号)は、ポリゴンミラー205の回転と感光ドラム25への画像データの書き込みの同期をとるための同期信号として用いられる。
(BDセンサへの入射光量に対する出力信号の応答)
ここで、BDセンサ209に入射される光量に対する出力信号(BD信号)の応答性について説明する。図4は、BDセンサ209に入射される光量に対する出力信号(BD信号)の応答性を示す図であり、横軸は走査時間[μs]、縦軸はセンサ出力電圧[V]を示す。図4では、LD201から出射された異なる光量(第1光量、第2光量、及び第3光量)の光がBDセンサ209に入射される状態を示す。図4では、LD201から出射された光の光量として、第1光量、第2光量、及び第3光量を例示している。ただし第1光量が最も光出力が大きく、次いで第2光量が大きく、第3光量が最も光出力が小さい場合を想定している(第1光量>第2光量>第3光量)。そして、BDセンサ209では、入射される光量に応じて光電変換が行われ、センサ出力電圧に変換される。そして、BDセンサ209が有する閾値Vthとコンパレートされ、デジタル的なBD信号が出力される。この時、BDセンサ209に入射される光の光量によってセンサ出力電圧の応答性が異なるため、BD信号の出力タイミングが異なる。具体的には、第2光量では、光出力が最も大きい第1光量に比べて時間td1の遅延がある。また、第3光量では、第1光量に比べて時間td2の遅延がある。すなわち、BDセンサ209に入射される光量が小さいほど応答性が遅くなるため、BD信号の出力タイミングが遅くなる。以上示した通り、BDセンサ209に入射される光量に応じて、出力であるBD信号は所定の遅延量を有する。
(BDゲインと遅延時間の関係)
そのため、BDセンサ209は、後述するBDゲイン変更回路701(図9参照)を用いることで、光電変換の感度(BDゲイン)を設定される。図5は、複数のBDゲインを用いた場合におけるBDセンサに入射される入射光量[μW]とBDセンサから出力されるBD信号の遅延時間[ns]との関係を示す。図5では、複数のBDゲインとして、第1の光量領域で使用可能な第1ゲインと、第2の光量領域で使用可能な第2ゲインに設定された場合を示す。ただし、同一の入射光量において、第2ゲインの方が第1ゲインより大きなセンサ出力電圧を得ることができる。そのため、画像形成時の書き出し位置の補正精度が定められる遅延時間目標値[ns]に対して、第2ゲインは第1ゲインに比べて低光量領域で使用可能となっている。一方、第1ゲインは第2ゲインに比べて高光量領域で使用可能となっている。すなわち、第2ゲインの使用可能な第2の光量領域は、第1ゲインの第1の光量領域より低光量領域を含み、第1ゲインの使用可能な第1の光量領域は、第2ゲインの第2の光量領域より高光量領域を含む。
また図5に示すように、画像形成で用いる使用光量レンジ(光量領域)が、第1ゲインの使用可能な光量領域及び第2ゲインの使用可能な光量領域よりも大きい場合を想定する。この場合には、BDゲイン変更回路701を図5に示すBDゲイン切り替えポイントで第1ゲイン又は第2ゲインに切り替える。これにより、使用光量レンジ内において、BDセンサ209に光が入射されてからBD信号を出力するまでの時間が常に遅延時間目標値(目標時間)[ns]を下回る制御を実施することが可能である。このように、入射光量に応じて適切なBDゲインを選択することで、幅広い使用光量レンジに対しても、画像形成で要求される書き出し位置精度を実現することが可能となる。
(光走査装置の制御回路)
本実施例における光走査装置の制御回路について説明する。図6は、本実施例における光走査装置の制御回路を示すブロック図である。本制御回路は、BD信号を基準として、非画像領域でレーザ光量制御(オートパワーコントロール。以下、APC。)を行い、画像領域において画像信号に応じた発光制御を行う。
図4を用いて制御回路の動作説明をする。まず、環境センサ141は、画像形成装置1の内部環境である装置内部の温度及び湿度を計測する。また、濃度センサ142は、後述する中間転写体511上に形成されたトナーチェックパターン(図8(d)参照)の濃度を検出する。環境センサ141は計測した画像形成装置1内部の温度情報と湿度情報を制御部であるCPU401の光量設定部に入力する。また、濃度センサ142は検出した波形信号をCPU401の光量設定部407に入力する。CPU410の光量設定部407は適切なトナー濃度(画像形成時の目標濃度)となる光量の目標値として、光量指示値をCPU401の記憶部408に格納しておく。
ここで図6、図7及び図8を用いて、CPU401に格納される光量指示値について説明する。
制御部であるCPU401は、画像形成時の目標濃度に応じて光走査装置2のLD201から出射する光量指示値(目標光量)を記憶部408より取得する。この記憶部408に格納された光量指示値は、LD201の光量を可変とするための光量PWM信号であり、以下に説明する図8の処理により算出され、記憶部408に格納される。
ところで、この記憶部408に格納された光量PWM信号(光量指示値)を、予め工場で100%にした状態で、後述するAPC制御を行いながら不図示の半固定抵抗器の抵抗値を調整することにより、LD201の光量が調整される。そして印刷時(画像形成時)には、適切な濃度に合う光量を、光量PWM信号のパルス幅を制御することによって設定する。
画像形成装置では、画像形成速度が変わったり周辺環境が変化したりした場合、又は画像形成装置の電源がオンされた場合やユーザからの要求により、適切な濃度となるようなレーザ光の光量を設定することにより画像の濃度設定が行われる。その際、濃度検出用のトナーチェックパターンが感光ドラム25上に形成され、中間転写体511上に転写される。そして、中間転写体511上に転写されたトナーチェックパターンを濃度センサ142によって濃度を検知したり、シートSに印刷されたトナーチェックパターンをリーダースキャナ部500で読み取ったりして濃度情報が取得され、濃度測定が行われる。
まず、環境(温度、湿度)に応じた目標光量の算出方法について説明する。図7は、環境(温度、湿度)に応じた目標光量を算出する制御シーケンスを示すフローチャートである。図7に示す処理は、画像形成速度が変わったり周辺環境が変化したりした場合、又は画像形成装置の電源がオンされた場合や印刷枚数が所定の枚数に到達した場合、ユーザからの要求があった場合等に起動され、CPU401により実行される。
図7に示す処理が起動されると、ステップ(以下、Sとする)901では、CPU401は、環境センサ141により検知された画像形成装置1内部の温度情報と湿度情報を取得する。S902では、CPU401は、S901で取得した温度情報及び湿度情報に基づいて、画像形成装置1内部の環境区分を決定する。図8(a)に示すテーブルは、画像形成装置1内部の温度と湿度に応じて環境区分を5段階に区分した環境区分テーブルであり、テーブルの縦軸は温度[℃]を示し、横軸は湿度[%]を示す。環境区分は温度が低い方から高い方に向かって、かつ湿度が低い方から高い方に向かって、環境区分1〜環境区分5に分かれている。CPU401は、S901で取得した温度情報及び湿度情報と、環境区分テーブルに基づいて、画像形成装置1の環境区分を決定する。例えば、S901で環境センサ141により検知された温度が25℃、湿度が45%だとすると、CPU401は環境区分テーブルより、環境区分が環境区分3であると決定する。
S903では、CPU401は、S902で決定した環境区分に基づいて、画像形成条件の一つである感光ドラム25を帯電する帯電器513の帯電電圧を決定する。図8(b)に示すテーブルは、環境区分と感光ドラム25を帯電する帯電器513の帯電電圧との対応を示す帯電電圧設定テーブルである。図8(b)の帯電電圧設定テーブルにおいて、環境区分の列に示す1〜5の数字は、それぞれ環境区分1〜環境区分5に対応する。また、図中、Y、M、C、Kは、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の感光ドラム25を帯電する帯電器513に対応している。また、表中の数字50、100、200、300、400は、帯電器513が感光ドラム25に印加する帯電電圧(単位:ボルト)を示している。なお、帯電器513が感光ドラム25に印加する帯電電圧は負電位である。したがって、50は、−50ボルト、400は、−400ボルトを意味する。CPU401は、S902で決定した環境区分と、帯電電圧設定テーブルに基づいて、帯電器513の帯電電圧を決定する。例えば、S901で環境センサ141により検知された温度が25℃、湿度が45%だとすると、環境区分は環境区分3であり、感光ドラム25に帯電器513から印加される帯電電圧は、−200ボルトとなる。
S904では、CPU401は、S903で決定した帯電電圧に基づいて、光走査装置2のLD201から感光ドラム25に照射可能な最大レーザ光量値を算出する。図8(c)に示すテーブルは、帯電器513から感光ドラム25に印加する帯電電圧と、感光ドラム25に照射可能なレーザ光量設定値(最大光量)との対応を示す最大レーザ光量値テーブルである。帯電電圧の列に示す50〜400は、それぞれ帯電器513が感光ドラム25に印加する−50ボルト〜−400ボルトの帯電電圧を示す。また、レーザ光量設定値は、CPU401がLD駆動制御部405に出力する光量PWM信号320の値である。なお、光量PWM信号320は8ビットのデータで示され、その値は0〜255で表現される。CPU401は、S903で決定した帯電器513の帯電電圧と、最大レーザ光量値テーブルに基づいて、最大レーザ光量値を算出する。例えば、S901で環境センサ141により検知された温度が25℃、湿度が45%だとすると、帯電器513の高電圧は、−200ボルトであり、この場合の最大レーザ光量値は、180となる。
S905では、CPU401は、帯電器513から決定した帯電電圧を印加された感光ドラム25に、図8(d)に示すようなトナーチェックパターンの画像形成を行う。図8(d)は、最大レーザ光量値180を100%として、段階的にレーザ光量を下げた濃度検知用のパッチ画像の例である。図中、(Y)、(M)、(C)、(K)は、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色のパターンデータを指している。また、図中の20、74、127、180の数字は、S904で算出した最大レーザ光量値180を100%とした、トナーチェックパターンに対応したレーザ光量設定値を示している。ここでは、レーザ光量設定値の最小値20までの4段階のレーザ光量を変更したパッチを形成するために、(180−20)÷3=53の光量PWM信号320の設定値を53ずつ変化させたトナーチェックパターン(濃度パッチ)を形成している。
S906では、CPU401は、各感光ドラム25上に形成され、中間転写体511上に転写されたトナーチェックパターンを濃度センサ142により濃度検知を行い、検知結果を取得する。S907では、CPU401は、PWM信号のデューティと濃度センサ142の濃度検知結果に基づいて上述した方法により、目標濃度に応じたレーザ光量(目標光量)を算出する。ここでは、最大レーザ光量値180を100%として、目標濃度に応じたレーザ光量(目標光量)、すなわち光量指示値(%)を算出する。CPU401は、算出したレーザ光量値(光量指示値)を記憶部408に格納し、処理を終了する。
なお、図7に示す処理では、中間転写体511上に転写されたトナーチェックパターンを濃度センサ142で濃度を検知する例について説明したが、本実施例は、これに限定されるものではない。例えば、トナーチェックパターンをシートSに印刷し、トナーチェックパターンが印刷されたシートSをリーダースキャナ部500により読み込んで、トナーチェックパターンの濃度検知を行う方法でもよい。すなわち、画像読取部であるリーダースキャナ部500が濃度センサとして機能する構成であってもよい。
次に図4を用いてAPC動作の説明をする。APC動作は、感光ドラム25の回転軸線方向において感光ドラム25の画像領域の外側となる非画像領域で行われる(図3、図5参照)。CPU401はAPC動作を実施する命令をAPC制御部406に出す。APC制御部406はLD駆動制御部405にLD201の駆動電流を入力する。LD駆動制御部405は目標光量に従いLD201の駆動電流ILDを決定し、LD201がレーザ光を発光する。LD201からのレーザ光の光量をPD302で検出し、APC制御部406に入力する。検出光量が光量設定部407からCPU401に通達される所定の光量指示値となるように、LD駆動制御部405によるLD201の駆動電流の調整を行う。以下、詳細を説明する。
PD302は、LD201の光量に応じてモニタ電流を発生し、モニタ電流はAPC制御部406に入力される。APC制御部406の内部において、モニタ電流は電流電圧変換により電圧値(モニタ電圧)に変換される。モニタ電圧は、予めCPU401によって設定されたAPC基準電圧と比較される。ここでモニタ電圧と比較されるAPC電圧は、前述したように、光量設定部407からCPU401に通達される所定の値である。APC制御部406は、比較結果に応じてAPC制御電圧Vapcを制御して、モニタ電圧がAPC基準電圧となるように調整する。LD駆動制御部405は、LD201の駆動電流ILDを生成させる。この時、LD201とPD302は共通の電源409に接続されている。
以上述べたAPC動作によって、LD201からのレーザ光の発光光量が所定の光量指示値となるように、LD201の駆動電流ILDが自動調整される。この光量調整時のレーザ光の光量は、画像形成時に必要な最大光量を調整する。APC動作のタイミングは、APC制御部406によって制御される。CPU401は、APC制御部406に対して、APC動作のタイミングを設定する。APC制御部406は、BD信号の入力タイミングを基準に内部クロックのカウント動作を行い、CPU401によって設定されたカウント値に基づき、APC動作のタイミングを制御する。APC動作は、非画像領域中に行われるようにタイミングの設定が成される。
以上の動作によって非画像領域中においてAPC動作が実行され、レーザ光の発光光量はAPC基準電圧に応じた光量に制御される。また本実施例では、上記APC動作によって決定された光量がBDセンサ209を有する光検知部であるBDセンサ部410に入射される光量となる。
次に感光ドラム25の画像領域において、画像信号に応じたLD201の発光制御を説明する。LD201の発光制御は、APC動作により決定された駆動電流ILDで、画像信号がオンの期間だけLD201を駆動してLD201を発光させ、画像信号がオフのときはLD201を発光しない非発光にして、LD201を明滅させる制御である。以下、詳細を説明する。
まずPC400又はリーダースキャナ部500は、画像処理部403に対して画像データを入力する。画像データは、RGBの色空間によって表現されているデータである。画像処理部403は、RGBの色空間からYMCKの色空間へと画像データの変換を行う。さらに画像処理部403は、YMCKの色空間に変換された画像データに対してスクリーン処理を行う。スクリーン処理とは、ドットやラインの数や密度を調整することで、階調表現を行う処理である。このスクリーン処理を行うことで、LD201の発光制御による階調表現が2値であったとしても、各色256階調のフルカラーを表現することが可能である。
次に、画像処理部403はスクリーン処理を施した画像データを画像信号出力部404に入力する。画像信号出力部404は、YMCK各色の画像データからLD201を明滅(発光または非発光)させる所定周波数の画像信号に変換する。次に画像信号出力部404は、BD信号を基準とした所定のタイミングでLD駆動制御部405に画像信号を出力する。この時、画像信号出力部404は、画像信号に対して画像データに応じたPWM制御を行っており、各階調に対してパルス幅(Duty)が決められている。LD駆動制御部405は、画像信号に応じてLD201の発光制御を行う。画像信号がオン状態の場合にはAPC動作によって決定された駆動電流ILDでLD201を駆動し、画像信号がオフ状態の場合にはLD201をバイアス電流IBIASで駆動する。バイアス電流IBIASは、LD201が発光開始する閾値電流ITH直前に調整されていることが望ましく、閾値電流ITHに近いほどLD201の発光遅延時間を抑えることが可能となる。画像領域においては以上のように、BD信号を基準のタイミングとし、APC動作によって決定された駆動電流ILDと画像信号の明滅パターンに基づいてLD201の発光制御を行う。
このため、BD信号の遅延時間がAPC動作で決定される光量によって異なることで画像形成位置が異なる。
そこで、光検知部であるBDセンサ部410は、BD信号の遅延時間を低減するために、BDゲイン変更回路を有する。
(BDセンサ部のBDゲイン変更回路)
次に図9を用いてBDセンサ部410について説明する。図9は、本実施例におけるBDセンサ部410の回路を示す図である。
本実施例における光検知部であるBDセンサ部410は、BDゲイン変更回路701と、BDセンサ209と、を有する。BDゲイン変更回路701は、ゲイン変更部704、第1ゲイン抵抗702、及び第2ゲイン抵抗703を有する。BDゲイン変更回路701には、図6に示すCPU401からゲイン変更信号が入力されている。ゲイン変更信号は、ゲイン変更部704を制御し、第1ゲイン抵抗702及び第2ゲイン抵抗703の使用有無を制御し、BDセンサ209の光電変換の感度(BDゲイン)を変更する。ここでは、図5を用いて説明したように、第1ゲインと第2ゲインをBDゲイン切り替えポイントで切り替えることで、使用光量レンジ内において遅延時間目標値を下回る制御を実施している。なお、第2ゲインは第1ゲインに比べて光電変換の感度(BDゲイン)が大きく、第2BDゲインは第1BDゲインに比べて低光量領域で使用可能となっている。本実施例では、CPU401からBDゲイン変更回路701にゲイン変更信号が入力され、ゲイン変更部704がON状態となると、第1ゲイン抵抗702と第2ゲイン抵抗703が並列接続されて第1ゲインが選択される。またCPU401からBDゲイン変更回路701にゲイン変更信号が入力され、ゲイン変更部704がOFF状態となると、第2ゲイン抵抗703を用いて第2ゲインが選択される。すなわち、第1ゲインを使用する際にはゲイン変更部704はON状態とされ、第2ゲインを使用する際にはゲイン変更部704はOFF状態とされる。
BDセンサ209は、BDセンサのフォトダイオードであるPDBD705、電流アンプ706、及びコンパレータ707を有する。PDBD705は、入力された光を光電変換し、変換した電流を電流アンプ706に出力する。電流アンプ706は、所定ゲインによってPDBD705からの電流を増幅し、増幅した電流をゲイン変更回路701に出力する。ゲイン変更回路701に入力された電流は、ゲイン変更信号によって制御された第1ゲインもしくは第2ゲインに応じて電流電圧変換され、センサ出力電圧に変換される。ゲイン変更回路701で電流電圧変換されたセンサ出力電圧は、コンパレータ707に入力される。コンパレータ707は閾値Vthとセンサ出力電圧を比較し、センサ出力電圧が閾値Vthより大きい場合にはLo電圧を出力し、センサ出力電圧が閾値Vthより小さい場合にはHi電圧を出力する。この時、コンパレータ707から出力されるHi電圧及びLo電圧のデジタル信号が、BDセンサ209から出力されるBD信号である。
図10には、本実施例におけるBD光量指示値に対するBDゲインの選択テーブルを示す。本実施例においてBDセンサに入射される光量は前述したAPC動作で決定される。そのため、図6に示すCPU401からAPC制御部406で通達される光出力の比率と、BDセンサへの入射光量の比率は等しい。また所定の画像形成装置で使用される使用光量レンジにおいて、最大光量を出力する際の光量指示値を100%としている。図10に示す選択テーブルでは、光量指示値が30%未満では画像形成が実施されない構成を想定している。そのため、光量指示値が30%未満では使用範囲外であり、BDゲインはDon't careである。ただし中間電位によって素子が熱破壊されることは懸念されるため、第1ゲインもしくは第2ゲインが選択されている状態である。次に図10に示す選択テーブルでは、光量指示値が30%以上65%未満では第2ゲインを選択し、光量指示値が65%以上では第1ゲインを選択する。図10に示す選択テーブルでは光量指示値65%が第1ゲインと第2ゲインの境界値として設定している。図5に示すBDゲイン切り替えポイントの入射光量の決定の仕方を説明する。光走査装置2が有する光学系の透過率、反射率のバラツキや、LD201の入力電流に対する出力光量のバラツキを計算し、その中心となる光量指示値で決定する。そのため、必ずしも光量指示値65%が図5に示すBDゲイン切り替えポイントと一致するわけではない。このように、適切なBDゲイン切り替えポイントを狙い、BDセンサへの光量指示値に基づくBDゲインの選択テーブルを有する。
図11(a)では、第1ゲイン及び第2ゲインの設定時に、BDセンサに所定の入射光量P又はPが入力された場合のBD信号の遅延時間との関係を示す。図11(b)では、第1ゲイン及び第2ゲインの設定時に、BDセンサに所定の入射光量P又はPが入力された場合のBD信号のタイミングチャートを示す。この時、入射光量Pは入射光量Pに対して十分大きい場合を想定している。
図11(b)に示すタイミングチャート(1)は、BD信号の遅延がない理想的なタイミングチャートを示している。図11(b)に示すタイミングチャート(2)は、第1ゲインが選択されているときに、入射光量PがBDセンサに入射された状態を示す。第1ゲインは高光量に対して適切なゲインであり、遅延がないBD信号の場合に比べて、遅延時間tg11経過後にBD信号が出力される。図11(b)に示すタイミングチャート(3)は、第2ゲインが選択されているときに、入射光量PがBDセンサに入射された状態を示す。第2ゲインは低光量に対して適切なゲインであるが、センサ出力電圧自体は大きく、遅延時間tg21経過後にBD信号が出力される。ただし入射光量に対してゲインが過大なため、BDセンサのリードフレームやパッケージ、もしくは光走査装置の筐体部などで発生する迷光によるセンサ出力電圧も増大し、誤検知を引き起こす可能性がある。図11(b)に示すタイミングチャート(4)は、第1ゲインが選択されているときに、入射光量PがBDセンサに入射された状態を示す。第1ゲインは高光量に対して適切なゲインであり、遅延時間tg12経過後にBD信号が出力される。図11(b)に示すタイミングチャート(5)は、第2ゲインが選択されているときに、入射光量PがBDセンサに入射された状態を示す。第2ゲインは低光量に対して適切なゲインであり、遅延時間tg22経過後にBD信号が出力される。
以上より、遅延時間の大小関係としては、tg11≒tg21<tg22<tg12の関係である。しかしながら遅延時間tg21となる状態ではBDセンサは誤検知を引き起こす可能性があり、書き出し位置制御が想定通り実施できない可能性が大きい。また、遅延時間tg12の場合には、他の遅延時間に比べてBD信号の遅延時間が大きく、書き出し位置制御の精度を満足できない場合が想定される。
そのため、図9に示したゲイン変更回路701を図10に示した選択テーブルで変更することで、遅延時間をtg11からtg22までの所定の範囲内に抑えることが可能となる。
次に図12を参照してBDゲインの選択を実施する流れを説明する。図12には、BDゲインの選択を実施するフローチャートを示す。CPU401は光量設定部407に通達された光量指示値に基づき、BDゲイン選択を開始する(S1001)。CPU401はAPC制御部406に設定する光量指示値が閾値以上(65%以上)である場合(S1002:Yes)には、図10に示した選択テーブルに基づき第1ゲインを選択し(S1004)、BDゲイン選択を終了する(S1005)。これにより、CPU401は、第1ゲインを選択するゲイン変更信号をBDセンサ部410に対して入力する。一方、CPU401はAPC制御部406に設定する光量指示値が閾値未満(65%未満)である場合(S1002:No)には、図10に示した選択テーブルに基づき第2ゲインを選択し(S1003)、BDゲイン選択を終了する(S1005)。これにより、CPU401は、第2ゲインを選択するゲイン変更信号をBDセンサ部410に対して入力する。
以上のように、本実施例では、BDセンサからのBD信号の遅延時間を低減させるために、光量指示値に基づきBDゲインを選択する構成とした。これにより、画像形成時の感光ドラムへの書き込み開始タイミングの精度を良化させることができ、画像の位置ずれ補正精度を向上させることができる。
ただし本実施例では、画像形成に用いるAPC光量とBD入射光量が同一の構成を示したが、BD入射光量に対して適切なBDゲインが選択されればよいため、APC光量とBD入射光量が一致する必要はない。
また、BDゲイン変更信号をCPU401から出力する構成を例示したが、光量指示値に基づきBDゲイン変更信号が入力されればよいため、CPU401以外のICから出力されても良い。また本実施例では、BDゲイン切り替え回路(ゲイン変更回路)に複数の抵抗、それぞれの抵抗の使用有無を選択する回路を有する構成を例示したが、これに限定されるものではなく、電子ボリューム(電子VR)のように抵抗値を選択できる回路を用いてもよい。加えて、本実施例ではBDゲイン切り替えの境界値を光量指示値65%としたが、光学系やLDの特性によって選択すればよいため、この限りではない。また、本実施例では2つのBDゲイン選択を有する構成を例示したが、これに限定されるものではなく、目標とする遅延時間(センサに光が入射されてから信号が出力されるまでの目標時間)に基づき、3つ以上のゲイン選択を実施しても構わない。
〔実施例2〕
次に実施例2に係る画像形成装置について説明する。前述した実施例1ではCPU401からBDセンサ部410に対して光量指示値に基づくゲイン変更信号を入力することでゲイン変更を実現した。そのため、CPU401にはゲイン変更信号を出力するポートを確保する必要があり、微小ではあるがCPU401のIOポート数の制約に影響がある。
実施例2では、CPU401からBDセンサ部410に対して光量指示値そのものを入力して、BDセンサ部410におけるゲイン変更を実施する。従来から使用している信号である光量指示値(光量PWM信号)を用いることで、画像形成装置として信号数の増加を低減しながら、BDゲイン切り替えを実施し、感光ドラムへの書き込み開始タイミングの精度を向上させる。
なお、実施例2における画像形成装置の構成は、実施例1における画像形成装置の構成と同様であるので、その説明を省略する。
(光走査装置の制御回路)
本実施例における光走査装置の制御回路について説明する。図13は、本実施例における光走査装置の制御回路を示すブロック図である。本実施例の制御回路は、図6を用いて説明した実施例1の制御回路とは異なり、CPU401からAPC制御部406に指示している光量指示値をBDセンサ部410にも入力している。これにより本実施例では、実施例1に比べて、CPU401のIOポート数が少なくて済む。本実施例ではAPC制御部406への光量指示値はPWM信号のDUTYで表現されていることとする。また本実施例においても、APC動作によって決定された光量がBDセンサ部410が有するBDセンサ209に入射される光量となる。なお、制御回路のその他の構成は、以下に説明するBDゲイン切り替え回路を含むBDセンサ部410の構成を除き、図6を用いて説明した実施例1の制御回路と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(光量指示値を用いたBDゲイン切り替え回路)
次に図14を用いてBDセンサ部410について説明する。図14は、本実施例におけるBDセンサ部410の回路を示す図である。
本実施例におけるBDセンサ部410は、BDゲイン切り替え回路1201と、BDセンサ209と、を有する。BDゲイン切り替え回路1201は、フィルタ部1202、ヒステリシスコンパレータ1203、及びBDゲイン変更回路701を有する。BDゲイン切り替え回路1201には、図13に示すCPU401からの光量指示値であるPWM信号が入力されている。PWM信号は、フィルタ部1202に入力され、フィルタ部1202によって所定電圧を有するDC信号に変換される。フィルタ部1202によって変換されたDC信号は、ヒステリシスコンパレータ1203に入力される。ヒステリシスコンパレータ1203は、抵抗R、R、R、R、プルアップ電圧V、及び電圧Vrefを有し、前記DC信号に対して下記式1の閾値VthH、下記式2の閾値VthLを有する。なお、下記式1、式2におけるaは、下記式3の通りである。
(式1)
Figure 2021186974
(式2)
Figure 2021186974
(式3)
Figure 2021186974
上記式1、式2において、VOHはHiレベル出力電圧であり、VOLはLoレベル出力電圧である。また閾値VthHは出力電圧がVOHである場合の閾値であり、Hiレベル出力電圧からLoレベル出力電圧に切り替わる閾値である。同様に、閾値VthLは出力電圧がVOLである場合の閾値であり、Loレベル出力電圧からHiレベル出力電圧に切り替わる閾値である。言い換えれば、閾値VthHは第2ゲインから第1ゲインに切り替わる第1の閾値であり、閾値VthLは第1ゲインから第2ゲインに切り替わる第2の閾値である。
そのため、光量指示値が高くなる、つまりPWM信号のDUTYが大きくなると、閾値VthHを上回り、ヒステリシスコンパレータ1203からLoレベル出力電圧が出力される。ヒステリシスコンパレータ1203から出力されるLoレベル出力電圧は、ゲインを選択する信号である。BDゲイン変更回路701にはヒステリシスコンパレータ1203の反転出力が入力されるため、第1ゲイン抵抗702及び第2ゲイン抵抗703が並列接続されることにより第1ゲインが選択される。
また光量指示値が低くなる、つまりPWM信号のDUTYが小さくなると、閾値VthLを下回り、ヒステリシスコンパレータ1203からHiレベル出力電圧が出力される。ヒステリシスコンパレータ1203から出力されるHiレベル出力電圧は、ゲインを選択する信号である。BDゲイン変更回路701にはヒステリシスコンパレータ1203の反転出力が入力されるため、第1抵抗により第2ゲインが選択される。
以上のように図14のBDセンサ部410の回路を用いることで、光量指示値そのものを用いてBDゲイン変更を実施することが可能となる。
図15には、図14に示したヒステリシスコンパレータ1203の設定値例を示す。図15ではPWM信号の電圧振幅が3.3Vである場合を想定している。図15に示すVref、R、R、R、VOH、及びVOLとなるように設定することで、閾値VthHと閾値VthLにPWM信号DUTY(光量指示値)で10%のヒステリシスを持たせている。
図16には図15で設定したBDセンサ部410の動作を表すグラフを示す。画像形成装置で使用する最大光量をPとし、使用する最低光量はPの30%までとする。この最大光量Pから最低光量0.3×Pまでを画像形成装置における使用光量レンジとする。この場合、低光量から高光量への推移を実線のグラフで表している。
具体的には、最低光量である0.3×Pでは低光量に適切である第2ゲインを使用しており、0.3×Pから光量を高くしていくと、0.7×PでBDセンサ部410によって第1ゲインに切り替わる。つまり、図16に示す例では、第1ゲインに切り替わる0.7×Pが前述の閾値VthHである。そして最大光量であるPまで光量を高くしていく間も、第1ゲインが使用される。
逆に最大光量であるPから光量を下げていく場合、0.6×Pで第2ゲインに切り替わる。つまり、図16に示す例では、第2ゲインに切り替わる0.6×Pが前述の閾値VthLである。そして、最低光量である0.3×Pまで第2ゲインが使用される。
このように図14に示したBDセンサ部410は、第2ゲインから第1ゲインへ切り替わる場合の閾値VthHと第1ゲインから第2ゲインへ切り替わる場合の閾値VthLに光量指示値で10%のヒステリシスを有してBDゲインの切り替えを実施する。
図17には本実施例におけるBDゲイン選択のフローチャートを示す。CPU401は光量設定部407に通達された光量指示値に基づき、BDゲイン選択を開始する(S1501)。CPU401がAPC制御部406に設定する光量指示値を通達する(S1502)。APC制御部406に設定された光量指示に基づいて、図14に示したBDセンサ部410はBDゲインの選択を回路動作として実施し(S1503)、BDゲイン選択を終了する(S1504)。具体的なゲインの切り替えについては、図15及び図16を用いて前述した通りである。
以上のように、本実施例では、CPU401がAPC制御部406に入力するポートを通してBDセンサ部410にも光量指示値を入力し、BDセンサ部410にて適切なゲインがハード的に選択される構成とした。これにより、画像形成時の感光ドラムへの書き込み開始タイミングの精度を良化させることができ、CPU401のIOポート数の制約に影響を与えない構成とすることができる。そして、BDセンサからのBD信号の遅延時間を低減させることができ、画像の位置ずれ補正精度を向上させることができる。
〔他の実施例〕
なお、前述した実施例では、画像形成に用いるAPC光量とBD入射光量が同一の構成を示したが、BD入射光量に対して適切なBDゲインが選択されればよいため、APC光量とBD入射光量が一致する必要はない。
また、BDゲイン変更信号(もしくは光量指示値)をCPU401から出力する構成を示したが、光量指示値に基づきBDゲイン変更信号が入力されればよいため、CPU401以外のICから出力されても良い。
また本実施例では、BDゲイン切り替え回路に複数の抵抗、それぞれの抵抗の使用有無を選択する回路を有する構成としたが、この限りではなく、電子VRのように抵抗値を選択できる回路を用いてもよい。
加えて、前述した実施例1ではBDゲイン切り替えの境界値を65%としたが、光学系やLDの特性によって選択すればよいため、この限りではない。
また、前述した実施例では2つのBDゲイン選択を有する構成としたが、目標とする遅延時間に基づき、3つ以上のゲイン選択を実施しても構わない。
また、前述した実施例では、画像を形成する作像部にて画像形成ステーションを4つ使用しているが、この使用個数は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
また前述した実施例では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。また、中間転写体を使用し、該中間転写体に各色のトナー像を順次重ねて転写し、該中間転写体に担持されたトナー像をシートに一括して転写する画像形成装置を例示したが、これに限定されるものではない。シート担持体を使用し、該シート担持体に担持されたシートに各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
a,a′ …レーザ光
1 …画像形成装置
2 …光走査装置
5 …画像制御部
25 …感光ドラム
141 …環境センサ
142 …濃度センサ
201 …LD
205 …ポリゴンミラー
209 …BDセンサ
302 …PD
401 …CPU
405 …LD駆動制御部
406 …APC制御部
407 …光量設定部
408 …記憶部
410 …BDセンサ部
500 …リーダースキャナ部
503 …作像部
504 …定着部
505 …給送/搬送部

Claims (8)

  1. 画像信号に応じて発光可能な光源と、前記光源からの光を感光ドラムに対して偏向走査する光偏向部と、を有し、前記感光ドラムに画像信号に応じた光を走査して画像を形成する画像形成装置において、
    前記光源の駆動を制御する駆動制御部と、
    前記光偏向部により偏向走査された前記光源からの光を検知して信号を出力する光検知部と、
    前記光検知部から出力された信号に基づいて前記感光ドラムへの書き込み開始タイミングを制御するとともに、前記光源を光量指示値に応じた光量で発光させるように前記駆動制御部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記光検知部は、前記光源から入射される光を検知するセンサと、前記センサに光が入射されてから目標時間までに信号を出力する光量領域で使用可能な複数のゲインを有するゲイン変更回路と、を有し、
    前記ゲイン変更回路は、第1の光量領域で使用可能な第1ゲインと、前記第1の光量領域より低光量領域を含む第2の光量領域で使用可能な第2ゲインと、を有し、
    前記制御部は、前記光検知部が前記センサに光が入射されてから目標時間までに信号を出力するように、前記光量指示値に基づいて前記ゲイン変更回路の第1ゲインまたは第2ゲインを選択する信号を前記光検知部に出力して、前記ゲイン変更回路を第1ゲインまたは第2ゲインに変更する、ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記光量指示値が閾値以上である場合に前記第1ゲインを選択し、前記光量指示値が閾値未満である場合に前記第2ゲインを選択することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 画像信号に応じて発光可能な光源と、前記光源からの光を感光ドラムに対して偏向走査する光偏向部と、を有し、前記感光ドラムに画像信号に応じた光を走査して画像を形成する画像形成装置において、
    前記光源の駆動を制御する駆動制御部と、
    前記光偏向部により偏向走査された前記光源からの光を検知して信号を出力する光検知部と、
    前記光検知部から出力された信号に基づいて前記感光ドラムへの書き込み開始タイミングを制御するとともに、前記光源を光量指示値に応じた光量で発光させるように前記駆動制御部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記光検知部は、前記光源から入射される光を検知するセンサと、前記センサに光が入射されてから目標時間までに信号を出力する光量領域で使用可能な複数のゲインを有するゲイン変更回路と、前記光量指示値に応じて前記ゲイン変更回路の第1ゲインまたは第2ゲインを切り替えるコンパレータと、を有し、
    前記ゲイン変更回路は、第1の光量領域で使用可能な第1ゲインと、前記第1の光量領域より低光量領域を含む第2の光量領域で使用可能な第2ゲインと、を有し、
    前記制御部は、前記光量指示値を前記コンパレータに入力し、
    前記コンパレータは、入力された光量指示値に応じて前記ゲイン変更回路の第1ゲインまたは第2ゲインを選択する信号を出力して、前記ゲイン変更回路を第1ゲインまたは第2ゲインに変更する、ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記コンパレータは、前記光量指示値が第1の閾値を上回ると、第1ゲインを選択する第1の信号を出力し、前記ゲイン変更回路を第1ゲインに変更し、前記光量指示値が第2の閾値を下回ると、第2ゲインを選択する第2の信号を出力し、前記ゲイン変更回路を第2ゲインに変更することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記第1の光量領域は、前記第2の光量領域より高光量領域を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 画像形成装置の内部の温度及び湿度を計測するための環境センサと、
    像担持体または記録媒体に形成されたトナーチェックパターンの濃度を検知する濃度センサと、
    を備え、
    前記制御部は、前記濃度センサ及び前記環境センサにより得た情報に基づいて光量指示値を設定し、記憶部に格納する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記画像形成装置は、シートに形成された画像を読み取る画像読取部を備え、
    前記画像読取部が前記濃度センサとして機能することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記環境センサにより得た情報から前記感光ドラムを帯電する帯電部の帯電電圧を決定するとともに、前記決定した帯電電圧に基づいて前記光源から照射可能な最大光量を算出し、前記帯電電圧で帯電された前記感光ドラムに前記最大光量から段階的に下げた光量ごとのパッチ画像からなる前記トナーチェックパターンを形成し、前記濃度センサにより前記トナーチェックパターンの濃度を検知し、検知した濃度から目標とする濃度に応じた光量指示値を算出し、記憶部に格納することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
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