JP2021184349A - Fuel cell system - Google Patents
Fuel cell system Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021184349A JP2021184349A JP2020089504A JP2020089504A JP2021184349A JP 2021184349 A JP2021184349 A JP 2021184349A JP 2020089504 A JP2020089504 A JP 2020089504A JP 2020089504 A JP2020089504 A JP 2020089504A JP 2021184349 A JP2021184349 A JP 2021184349A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve
- compressor
- turbo compressor
- fuel cell
- value
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
Description
本開示は、燃料電池システムに関する。 The present disclosure relates to a fuel cell system.
特許文献1には、燃料電池に空気を供給するターボコンプレッサの運転動作点とサージング領域との距離が所定値以下になった場合に、ターボコンプレッサよりも下流に設けられたバルブの開度を、より大きな開度になるように補正することによって、ターボコンプレッサにサージングが生じることを抑制する燃料電池システムが開示されている。
上述した燃料電池システムでは、空気の流路を構成する配管やバルブの製造誤差等に起因して、燃料電池に供給される空気の流量や圧力がそれぞれの目標値からずれる場合がある。そこで、本願の発明者等は、目標値からのずれを抑制するために、積分動作を実行するフィードバック制御を用いてバルブの開度を調節することを検討した。しかし、ターボコンプレッサの運転動作点を変更している間に、バルブの開度を減少させるように積分動作が実行されることによって、ターボコンプレッサの運転動作点がサージング領域に入る可能性があることを本願の発明者等は見出した。 In the fuel cell system described above, the flow rate and pressure of the air supplied to the fuel cell may deviate from the respective target values due to manufacturing errors of the pipes and valves constituting the air flow path. Therefore, the inventors of the present application have considered adjusting the opening degree of the valve by using the feedback control for executing the integral operation in order to suppress the deviation from the target value. However, while the operating point of the turbo compressor is being changed, the operating point of the turbo compressor may enter the surging region by performing an integral operation to reduce the valve opening. Was found by the inventors of the present application.
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。 The present disclosure can be realized in the following forms.
(1)本開示の一形態によれば、燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池に空気を供給し、前記燃料電池からカソードオフガスを排出させる空気流路と、前記空気流路に設けられ、前記燃料電池に空気を圧送するターボコンプレッサと、前記空気流路のうちの前記ターボコンプレッサよりも下流側の部分に設けられたバルブと、前記ターボコンプレッサが吐出する空気の流量および空気の圧力比によって定められる動作点であって前記燃料電池への出力要求に応じて決定される要求動作点で前記ターボコンプレッサが運転されるように、前記ターボコンプレッサの回転数と前記バルブの開度とを調節する制御部と、を備える。前記制御部は、制御偏差の積分値に応じて調節量を変化させる積分動作を実行するフィードバック制御を用いて前記バルブの開度を調節し、前記要求動作点の時間変化に基づいて前記ターボコンプレッサの運転状態が過渡状態であるか否かを判定し、前記バルブの開度を減少させるように前記積分動作が実行されるか否かを判定し、前記ターボコンプレッサの運転状態が過渡状態であると判断された場合、かつ、前記バルブの開度を減少させるように前記積分動作が実行されると判断された場合に、初期化された前記積分値を用いて前記積分動作を実行し、前記ターボコンプレッサの運転状態が過渡状態であると判断された場合、かつ、前記バルブの開度を増加させるように前記積分動作が実行されると判断された場合に、初期化されていない前記積分値を用いて前記積分動作を実行する。
この形態の燃料電池システムによれば、ターボコンプレッサの運転状態が過渡状態であると判断された場合、かつ、バルブの開度を減少させるように積分動作が実行されると判断された場合に、制御部は、バルブの制御偏差の積分値を初期化して積分動作を実行するので、バルブの開度の調節量のうちの積分制御による成分がゼロになる。そのため、バルブの開度を減少させるように積分動作が実行されること起因してターボコンプレッサの運転動作点がサージング領域に入ることを抑制できる。また、ターボコンプレッサの運転状態が過渡状態であると判断された場合、かつ、バルブの開度を増加させるように積分動作が実行されると判断された場合に、制御部は、バルブの制御偏差の積分値を初期化せずに積分動作を実行するので、製造誤差等に起因して空気流路の閉塞度合いが高くなったとしても、積分動作が実行されることによって空気流路の閉塞度合いを低減できる。そのため、製造誤差等に起因してターボコンプレッサの運転動作点がサージング領域に入ることを抑制できる。
本開示は、燃料電池システム以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料電池システムの制御方法等の形態で実現することができる。
(1) According to one embodiment of the present disclosure, a fuel cell system is provided. This fuel cell system includes a fuel cell, an air flow path that supplies air to the fuel cell and discharges cathode off gas from the fuel cell, and a turbo provided in the air flow path that pumps air to the fuel cell. The fuel, which is an operating point determined by a compressor, a valve provided in a portion of the air flow path downstream of the turbo compressor, a flow rate of air discharged by the turbo compressor, and an air pressure ratio. A control unit for adjusting the rotation speed of the turbo compressor and the opening degree of the valve is provided so that the turbo compressor is operated at a required operating point determined in response to an output request to the battery. The control unit adjusts the opening degree of the valve by using feedback control that executes an integral operation that changes the adjustment amount according to the integral value of the control deviation, and the turbo compressor is based on the time change of the required operation point. It is determined whether or not the operating state of is a transient state, it is determined whether or not the integral operation is executed so as to reduce the opening degree of the valve, and the operating state of the turbo compressor is a transient state. When it is determined that the integral operation is executed so as to reduce the opening degree of the valve, the integral operation is executed using the initialized integrated value, and the integral operation is executed. The integral value that has not been initialized when it is determined that the operating state of the turbo compressor is a transient state and that the integral operation is executed so as to increase the opening degree of the valve. Is used to perform the integration operation.
According to this form of fuel cell system, when it is determined that the operating state of the turbo compressor is in a transient state, and when it is determined that the integral operation is performed so as to reduce the valve opening. Since the control unit initializes the integrated value of the control deviation of the valve and executes the integral operation, the component of the adjustment amount of the valve opening becomes zero by the integral control. Therefore, it is possible to prevent the operating operating point of the turbo compressor from entering the surging region due to the integral operation being executed so as to reduce the opening degree of the valve. Further, when it is determined that the operating state of the turbo compressor is a transient state and it is determined that the integral operation is executed so as to increase the opening degree of the valve, the control unit controls the valve. Since the integration operation is executed without initializing the integrated value of, even if the degree of blockage of the air flow path becomes high due to manufacturing errors, etc., the degree of blockage of the air flow path is performed by executing the integration operation. Can be reduced. Therefore, it is possible to prevent the operating operating point of the turbo compressor from entering the surging region due to a manufacturing error or the like.
The present disclosure can also be realized in various forms other than the fuel cell system. For example, it can be realized in the form of a control method of a fuel cell system or the like.
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における燃料電池システム50の概略構成を示す説明図である。燃料電池システム50は、燃料電池100と、空気給排部200と、大気圧センサ260と、水素給排部300と、制御部500とを備えている。本実施形態では、燃料電池システム50は、燃料電池車両に搭載され、燃料電池車両の走行用モータに電力を供給するための発電装置として用いられる。尚、他の実施形態では、燃料電池システム50は、住宅等に電力を供給するための定置型の発電装置として用いられてもよい。
A. First Embodiment:
FIG. 1 is an explanatory diagram showing a schematic configuration of the
本実施形態では、燃料電池100は、固体高分子形の燃料電池である。燃料電池100は、複数の単セルが積層したスタック構造を有している。各単セルは、電解質膜の両面に電極触媒層が設けられた膜電極接合体と、膜電極接合体を挟むように配置された一対のセパレータとを備えている。アノード側の膜電極接合体とセパレータとの間には水素ガスが供給され、カソード側の膜電極接合体とセパレータとの間には空気が供給される。各単セルは、水素ガスと空気とを用いた電気化学反応によって発電する。尚、燃料電池100は、固体高分子形燃料電池ではなく、固体酸化物形燃料電池でもよい。
In the present embodiment, the
空気給排部200は、燃料電池100に空気を供給し、燃料電池100からカソードオフガスを排出させる。カソードオフガスには、燃料電池100の発電で消費されなかった酸素や、燃料電池100の発電で生成された水や、窒素等が含まれている。空気給排部200は、空気供給流路201と、空気排出流路202と、空気バイパス流路203と、流量センサ210と、ターボコンプレッサ220と、圧力センサ230と、調圧バルブ240と、バイパスバルブ250とを備えている。尚、空気供給流路201と空気排出流路202と空気バイパス流路203とを合わせて空気流路と呼ぶことがある。
The air supply /
空気供給流路201は、燃料電池100に供給される空気が流れる流路である。空気供給流路201には、上流側から順に、流量センサ210と、ターボコンプレッサ220と、圧力センサ230とが設けられている。
The air
流量センサ210は、空気供給流路201を流れる空気の流量を測定する。流量センサ210によって測定された流量の情報は、制御部500に送信される。
The
ターボコンプレッサ220は、燃料電池100に空気を圧送する。本実施形態では、ターボコンプレッサ220は、遠心式コンプレッサである。ターボコンプレッサ220には、羽根車と、羽根車を回転させるモータとが内蔵されている。ターボコンプレッサ220は、羽根車の回転によって、吸入側から吸入された空気を圧縮して吐出側から吐出する。羽根車の回転数は、制御部500によって調節される。回転数とは、単位時間当たりに回転する回数のことを意味する。以下の説明では、羽根車の回転数のことをコンプレッサ回転数と呼ぶ。尚、ターボコンプレッサ220は、遠心式コンプレッサではなく、軸流式コンプレッサでもよい。
The
圧力センサ230は、ターボコンプレッサ220から吐出された空気の圧力を測定する。圧力センサ230によって測定された圧力の情報は、制御部500に送信される。
The
空気排出流路202は、燃料電池100から排出されたカソードオフガスが流れる流路である。空気排出流路202には、調圧バルブ240が設けられている。調圧バルブ240は、燃料電池100に供給される空気の圧力を調節する。本実施形態では、調圧バルブ240には、電動式のバタフライバルブが用いられている。調圧バルブ240の開度は、制御部500によって調節される。尚、調圧バルブ240は、空気流路のうちのターボコンプレッサ220よりも下流側の部分に設けられたバルブである。
The air
空気バイパス流路203は、ターボコンプレッサ220から圧送された空気を、燃料電池100を経由させずに排出するための流路である。本実施形態では、空気バイパス流路203は、空気供給流路201のうちの圧力センサ230と燃料電池100との間の部分と、空気排出流路202のうちの調圧バルブ240よりも下流側の部分とを接続している。尚、空気バイパス流路203は、空気排出流路202に接続されずに、空気供給流路201のうちの圧力センサ230と燃料電池100との間の部分と大気とを連通させるように構成されてもよい。
The air
バイパスバルブ250は、空気バイパス流路203に設けられている。バイパスバルブ250は、空気バイパス流路203を流れる空気の流量を調節する。本実施形態では、バイパスバルブ250には、電動式のバタフライバルブが用いられている。バイパスバルブ250の開度は、制御部500によって調節される。尚、バイパスバルブ250とは、空気流路のうちのターボコンプレッサ220よりも下流側の部分に設けられたバルブである。
The
大気圧センサ260は、大気圧を測定する。大気圧センサ260によって測定された圧力の情報は、制御部500に送信される。
The
水素給排部300は、燃料電池100に水素ガスを供給し、燃料電池100からアノードオフガスを排出させる。アノードオフガスには、燃料電池100の発電で消費されなかった水素ガス等が含まれている。水素給排部300は、水素ガスを貯蔵する水素ガスタンク等によって構成されている。
The hydrogen supply /
制御部500は、CPUと、メモリと、入出力インターフェースとを備えたコンピュータとして構成されている。CPUは、メモリに記憶された制御プログラムを実行することによって種々の機能を発揮する。本実施形態では、制御部500は、後述する要求動作点を決定し、ターボコンプレッサ220が要求動作点で運転されるように、ターボコンプレッサ220の回転数と調圧バルブ240の開度とバイパスバルブ250の開度とを調節する。制御部500は、フィードバック制御を用いて、ターボコンプレッサ220の回転数、調圧バルブ240の開度、および、バイパスバルブ250の開度を調節する。より具体的には、制御部500は、制御偏差の大きさに比例して調節量を変化させる比例動作と、制御偏差の時間積分値の大きさに比例して調節量を変化させる積分動作とを実行する比例積分制御(PI制御)を用いて、ターボコンプレッサ220の回転数、調圧バルブ240の開度、および、バイパスバルブ250の開度を調節する。尚、制御部500は、比例動作および積分動作に加えて、制御偏差の時間微分値に比例して調節量を変化させる微分動作をも実行する比例積分微分制御(PID制御)を用いて、ターボコンプレッサ220の回転数、調圧バルブ240の開度、および、バイパスバルブ250の開度を調節してもよい。
The
図2は、ターボコンプレッサ220の性能特性を示す説明図である。横軸は、コンプレッサ流量を表しており、縦軸は、コンプレッサ圧力比を表している。コンプレッサ流量とは、ターボコンプレッサ220から吐出される空気の流量のことを意味する。コンプレッサ圧力比とは、ターボコンプレッサ220に吸入される空気の圧力に対するターボコンプレッサ220から吐出される空気の圧力の比のことを意味する。以下の説明では、コンプレッサ流量とコンプレッサ圧力比とで定められるターボコンプレッサ220の運転状態を表す点のことをターボコンプレッサ220の動作点と呼ぶ。燃料電池100に対する出力要求に応じた流量および圧力の空気が燃料電池100に供給されるように、ターボコンプレッサ220に要求される動作点のことを要求動作点と呼ぶ。ターボコンプレッサ220が実際に運転される動作点のことを運転動作点と呼ぶ。
FIG. 2 is an explanatory diagram showing the performance characteristics of the
図2に示すように、ターボコンプレッサ220は、サージラインを有している。ターボコンプレッサ220をサージラインよりも低流量側のサージ領域内の動作点で運転すると、ターボコンプレッサ220に自励振動を引き起こすサージングが発生する。また、ターボコンプレッサ220は、ストールラインを有している。調圧バルブ240の開度、および、バイパスバルブ250の開度をそれぞれの上限値まで大きくしても、ストールラインよりも低圧力比側のストール領域内の動作点でターボコンプレッサ220を運転することはできない。
As shown in FIG. 2, the
図3は、本実施形態における動作点変更処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、燃料電池100による発電が実行される間、制御部500によって繰り返し実行される。まず、ステップS110にて、制御部500は、燃料電池100に対する出力要求に応じて、ターボコンプレッサ220の要求動作点を決定する。
FIG. 3 is a flowchart showing the contents of the operating point change process in the present embodiment. This process is repeatedly executed by the
次に、ステップS120にて、制御部500は、ターボコンプレッサ220の要求動作点の時間変化量を算出する。本実施形態では、制御部500は、ターボコンプレッサ220の要求動作点の時間変化量として、コンプレッサ回転数時間変化量dNACPを算出する。制御部500は、下式(1)を用いてコンプレッサ回転数時間変化量dNACPを算出する。下式(1)において、NACP_refは、コンプレッサ回転数指令値を表しており、NACP_ref_oldは、コンプレッサ回転数指令前回値を表しており、Δtは、制御部500の演算周期を表している。前回値とは、前回の制御タイミングにおける値のことを意味する。尚、他の実施形態では、制御部500は、ターボコンプレッサ220の要求動作点の時間変化量として、コンプレッサ回転数時間変化量dNACPではなく、コンプレッサ流量の時間変化量を算出してもよいし、コンプレッサ圧力比の時間変化量を算出してもよい。
Next, in step S120, the
その後、ステップS130にて、制御部500は、下式(2)を用いてコンプレッサ定常判定率rstdを算出する。下式(2)において、fstdは、コンプレッサ回転数時間変化量dNACPとコンプレッサ定常判定率rstdとの関係が表されたコンプレッサ定常判定率マップを表している。
After that, in step S130, the
図4は、コンプレッサ定常判定率マップの一例を示す説明図である。図4において、横軸は、コンプレッサ回転数時間変化量dNACPを表しており、縦軸は、コンプレッサ定常判定率rstdを表している。このマップは、予め行われる試験等によって作成されて、制御部500に記憶されている。コンプレッサ回転数時間変化量dNACPの絶対値の大きさが第1の値以下である場合には、コンプレッサ定常判定率rstdは「1」である。この場合、ターボコンプレッサ220の運転状態は定常状態であると判断される。コンプレッサ回転数時間変化量dNACPの絶対値の大きさが第1の値よりも大きい第2の値以上である場合には、コンプレッサ定常判定率rstdは「0」である。この場合、ターボコンプレッサ220の運転状態は過渡状態であると判断される。コンプレッサ回転数時間変化量dNACPの絶対値の大きさが第1の値よりも大きく、かつ、第2の値未満である場合には、コンプレッサ回転数時間変化量dNACPの絶対値が大きくなるほどコンプレッサ定常判定率rstdは小さくなる。この場合、ターボコンプレッサ220の運転状態は定常状態と過渡状態との間の中間状態であると判断される。つまり、図3のステップS130では、制御部500は、要求動作点の時間変化に基づいて、ターボコンプレッサ220の運転状態が、定常状態と過渡状態と中間状態とのうちのいずれに該当するかを判定している。
FIG. 4 is an explanatory diagram showing an example of a compressor steady-state determination rate map. In FIG. 4, the horizontal axis represents the compressor rotation speed change amount dN ACP , and the vertical axis represents the compressor steady-state determination rate r std . This map is created by a test or the like performed in advance and is stored in the
その後、ステップS200にて、制御部500は、バルブ開度指令値算出処理を実行して、調圧バルブ240の開度の調節に用いられる調圧バルブ開度指令値θARV_refと、バイパスバルブ250の開度の調節に用いられるバイパスバルブ開度指令値θABV_refとを算出する。
After that, in step S200, the
図5は、バルブ開度指令値算出処理の内容を示すフローチャートである。バルブ開度指令値算出処理では、まず、ステップS210にて、制御部500は、下式(3)を用いて調圧バルブFB制御偏差ΔAe_ARVを算出する。「FB」とは、「フィードバック」の略称である。下式(3)において、∂Ae/∂Qは、流量偏差をバルブ有効断面積偏差に座標変換するモデルを表しており、∂Ae/∂Prは、圧力比偏差をバルブ有効断面積偏差に座標変換するモデルを表しており、Qfc_refは、FC空気流量指令値を表しており、Qfc_mesは、FC空気流量現在値を表しており、PrARV_refは、調圧バルブ圧力比指令値を表しており、PrARV_mesは、調圧バルブ圧力比現在値を表している。「FC」とは、「燃料電池」の略称である。Qfc_refおよびPrARV_refは、燃料電池100に対する出力要求に応じて制御部500によって決定される。Qfc_mesは、流量センサ210による測定値、調圧バルブ240の開度、および、バイパスバルブ250の開度等を用いて制御部500によって推定される。PrARV_mesは、推定されたFC空気流量現在値、圧力センサ230による測定値、流量センサ210による測定値、および、大気圧センサ260による測定値等を用いて制御部500によって推定される。
FIG. 5 is a flowchart showing the contents of the valve opening command value calculation process. In the valve opening command value calculation process, first, in step S210, the
図6は、流量偏差をバルブ有効断面積偏差に座標変換するモデルの一例を示す説明図である。図7は、圧力比偏差をバルブ有効断面積偏差に座標変換するモデルの一例を示す説明図である。図6には、バルブ流量とバルブ圧力比と偏微分係数∂Ae/∂Qとの関係が三次元的なマップで表されている。図7には、バルブ流量とバルブ圧力比と偏微分係数∂Ae/∂Prとの関係が三次元的なマップで表されている。これらのマップは、予め行われる試験等によって作成されて、制御部500に記憶されている。尚、流量偏差をバルブ有効断面積偏差に座標変換するモデル、および、圧力比偏差をバルブ有効断面積偏差に座標変換するモデルは、マップではなく、関数によって表されてもよい。
FIG. 6 is an explanatory diagram showing an example of a model for coordinate-converting the flow rate deviation into the valve effective cross-sectional area deviation. FIG. 7 is an explanatory diagram showing an example of a model for coordinate-converting the pressure ratio deviation into the valve effective cross-sectional area deviation. FIG. 6 shows the relationship between the valve flow rate, the valve pressure ratio, and the partial differential coefficient ∂A e / ∂Q in a three-dimensional map. FIG. 7 shows the relationship between the valve flow rate, the valve pressure ratio, and the partial differential coefficient ∂A e / ∂ Pr in a three-dimensional map. These maps are created by a test or the like performed in advance and are stored in the
その後、図5のステップS220にて、制御部500は、調圧バルブ240のPI制御における調圧バルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ARV_oldがバルブ閉側の値であるか否かを判定する。バルブ閉側の値であるとは、バルブの開度が減少するように積分動作が実行される値であることを意味する。本実施形態では、制御部500は、下式(4)を満たす場合に、調圧バルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ARV_oldがバルブ閉側の値であると判断し、下式(5)を満たす場合には、調圧バルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ARV_oldがバルブ開側の値であると判断する。
After that, in step S220 of FIG. 5, the
ステップS220で調圧バルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ARV_oldがバルブ閉側の値であると判断された場合、ステップS230にて、制御部500は、下式(6)を用いて調圧バルブFB制御積分項ΣΔAe_ARVの値を算出する。この際、図3のステップS130でターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合には、コンプレッサ定常判定率rstdが「0」であるため、調圧バルブFB制御積分項ΣΔAe_ARVの値は、「0」に初期化される。一方、ステップS220で調圧バルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ARV_oldがバルブ開側の値であると判断された場合には、ステップS235にて、制御部500は、下式(7)を用いて調圧バルブFB制御積分項ΣΔAe_ARVの値を算出する。
When it is determined in step S220 that the previous value ΣΔA e_ARV_old of the pressure control valve FB control integral term is the value on the valve closed side, in step S230, the
ステップS230またはステップS235の後、ステップS240にて、制御部500は、下式(8)を用いてバイパスバルブFB制御偏差ΔAe_ABVを算出する。下式(8)において、∂Ae/∂Qは、図6に示した流量偏差をバルブ有効断面積偏差に座標変換するモデルを表しており、∂Ae/∂Prは、図7に示した圧力比偏差をバルブ有効断面積偏差に座標変換するモデルを表しており、Qbp_refは、バイパス空気流量指令値を表しており、Qbp_mesは、バイパス空気流量現在値を表しており、PrABV_refは、バイパスバルブ圧力比指令値を表しており、PrABV_mesは、バイパスバルブ圧力比現在値を表している。Qbp_refおよびPrABV_refは、燃料電池100に対する出力要求やターボコンプレッサ220の性能等に応じて、制御部500によって決定される。Qbp_mesは、流量センサ210による測定値、調圧バルブ240の開度、および、バイパスバルブ250の開度等を用いて制御部500によって推定される。PrABV_mesは、推定されたバイパス空気流量現在値、圧力センサ230による測定値、流量センサ210による測定値、および、大気圧センサ260による測定値等を用いて制御部500によって推定される。
After step S230 or step S235, in step S240, the
ステップS250にて、バイパスバルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ABV_oldがバルブ閉側の値であるか否かを判定する。本実施形態では、制御部500は、下式(9)を満たす場合に、バイパスバルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ABV_oldがバルブ閉側であると判断し、下式(10)を満たす場合には、バイパスバルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ABV_oldがバルブ開側の値であると判断する。
In step S250, it is determined whether or not the previous value ΣΔA e_ABV_old of the bypass valve FB control integral term is the value on the valve closed side. In the present embodiment, the
ステップS250でバイパスバルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ABV_oldがバルブ閉側の値であると判断された場合、ステップS260にて、制御部500は、下式(11)を用いてバイパスバルブFB制御積分項ΣΔAe_ABVの値を算出する。この際、図3のステップS130でターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合には、コンプレッサ定常判定率rstdが「0」であるため、バイパスバルブFB制御積分項ΣΔAe_ABVの値は、「0」に初期化される。一方、ステップS250でバイパスバルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ABV_oldがバルブ開側であると判断された場合には、ステップS265にて、制御部500は、下式(12)を用いてバイパスバルブFB制御積分項ΣΔAe_ABVの値を算出する。
If it is determined in step S250 that the previous value ΣΔA e_ABV_old of the bypass valve FB control integration term is the value on the valve closed side, in step S260, the
ステップS260またはステップS265の後、ステップS270にて、制御部500は、ターボコンプレッサ220の運転が停止された状態であるか否かを判定する。ステップS270でターボコンプレッサ220の運転が停止された状態であると判断された場合、ステップS280にて、制御部500は、下式(13)を用いて調圧バルブFB制御積分項ΣΔAe_ARVの値を初期化し、下式(14)を用いてバイパスバルブFB制御積分項ΣΔAe_ABVの値を初期化する。一方、ステップS270でターボコンプレッサ220の運転が停止された状態であると判断されなかった場合、ステップS285にて、制御部500は、調圧バルブFB制御積分項ΣΔAe_ARVの値、および、バイパスバルブFB制御積分項ΣΔAe_ABVの値を初期化せずに保持する。
After step S260 or step S265, in step S270, the
ステップS280またはステップS285の後、ステップS290にて、制御部500は、下式(15)〜(17)を用いて調圧バルブ開度指令値θARV_refを算出し、下式(18)〜(20)を用いてバイパスバルブ開度指令値θABV_refを算出する。下式(15)および下式(18)において、kpは、FB比例ゲインを表しており、kiは、FB積分ゲインを表しており、Ae_ARV_FBは、調圧バルブFB制御指令値を表しており、Ae_ABV_FBは、バイパスバルブFB制御指令値を表している。kpおよびkiは、制御部500に予め記憶されている。下式(17)において、Ae_ARV_refは、バルブ有効断面積で表された調圧バルブ制御指令値を表しており、Ae_ARV_FFは、調圧バルブFF制御指令値を表している。「FF」とは、「フィードフォワード」の略称である。Ae_ARV_FFは、制御部500によって算出される。下式(18)において、fARVは、調圧バルブ240のバルブ有効断面積を開度に座標変換するモデルを表している。このモデルは、例えば、バルブ有効断面積と開度との関係が表されたマップや関数で表される。このモデルは、予め行われる試験等によって作成されて、制御部500に記憶されている。下式(19)において、Ae_ABV_refは、バルブ有効断面積で表されたバイパスバルブ制御指令値を表しており、Ae_ABV_FFは、バイパスバルブFF制御指令値を表している。Ae_ABV_FFは、制御部500によって算出される。下式(20)において、fABVは、バイパスバルブ250のバルブ有効断面積を開度に座標変換するモデルを表している。このモデルは、例えば、バルブ有効断面積と開度との関係が表されたマップや関数で表される。このモデルは、予め行われる試験等によって作成されて、制御部500に記憶されている。
After step S280 or step S285, in step S290, the
ステップS290の後、制御部500は、バルブ開度指令値算出処理を終了する。その後、図3のステップS300にて、制御部500は、コンプレッサ回転数指令値算出処理を実行して、ターボコンプレッサ220のコンプレッサ回転数の調節に用いられるコンプレッサ回転数指令値NACP_refを算出する。
After step S290, the
図8は、コンプレッサ回転数指令値算出処理の内容を示すフローチャートである。コンプレッサ回転数指令値算出処理では、まず、ステップS310にて、制御部500は、下式(21)を用いてコンプレッサFB制御偏差ΔNACPを算出する。下式(21)において、∂N/∂Qは、流量偏差をコンプレッサ回転数偏差に座標変換するモデルを表しており、∂N/∂Prは、圧力比偏差をコンプレッサ回転数偏差に座標変換するモデルを表しており、QACP_refは、コンプレッサ流量指令値を表しており、QACP_mesは、コンプレッサ流量現在値を表しており、PrACP_refは、コンプレッサ圧力比指令値を表しており、PrACP_mesは、コンプレッサ圧力比現在値を表している。QACP_refおよびPrACP_refは、制御部500によって決定される。QACP_mesには、流量センサ210による測定値が用いられる。PrACP_mesは、流量センサ210による測定値、大気圧センサ260による測定値、および、圧力センサ230による測定値を用いて制御部500によって推定される。
FIG. 8 is a flowchart showing the contents of the compressor rotation speed command value calculation process. In the compressor rotation speed command value calculation process, first, in step S310, the
図9は、流量偏差をコンプレッサ回転数偏差に座標変換するモデルの一例を示す説明図である。図10は、圧力比偏差をコンプレッサ回転数偏差に座標変換するモデルの一例を示す説明図である。図9には、コンプレッサ流量とコンプレッサ圧力比と偏微分係数∂N/∂Qとの関係が三次元的なマップで表されている。図10には、コンプレッサ流量とコンプレッサ圧力比と偏微分係数∂N/∂Prとの関係が三次元的なマップで表されている。これらのマップは、予め行われる試験等によって作成されて、制御部500に記憶されている。尚、流量偏差をコンプレッサ回転数偏差に座標変換するモデル、および、圧力比偏差をコンプレッサ回転数偏差に座標変換するモデルは、マップではなく、関数によって表されてもよい。
FIG. 9 is an explanatory diagram showing an example of a model that coordinates the flow rate deviation into the compressor rotation speed deviation. FIG. 10 is an explanatory diagram showing an example of a model for converting the pressure ratio deviation into the compressor rotation speed deviation. FIG. 9 shows the relationship between the compressor flow rate, the compressor pressure ratio, and the partial differential coefficient ∂N / ∂Q in a three-dimensional map. FIG. 10 shows the relationship between the compressor flow rate, the compressor pressure ratio, and the partial differential coefficient ∂N / ∂Pr in a three-dimensional map. These maps are created by a test or the like performed in advance and are stored in the
次に、図8のステップS320にて、制御部500は、下式(22)を用いてコンプレッササージ流量QACP_SRGを算出する。下式(22)において、fSRGは、コンプレッササージラインマップを表している。
Next, in step S320 of FIG. 8, the
図11は、コンプレッササージラインマップを示す説明図である。コンプレッササージラインマップには、コンプレッサ圧力比PrACP_refに対するコンプレッササージ流量QACP_SRGが表されている。このマップは、予め行われる試験等によって作成されて、制御部500に記憶されている。
FIG. 11 is an explanatory diagram showing a compressor surge line map. The compressor surge line map shows the compressor surge flow rate Q ACP_SRG with respect to the compressor pressure ratio Pr ACP_ref. This map is created by a test or the like performed in advance and is stored in the
図8のステップS330にて、制御部500は、下式(23)を用いてコンプレッサ回転数サージマージンΔNSRGを算出する。下式(23)において、fACPは、コンプレッサ回転数マップを表している。QACP_refおよびPrACP_refは、上述したとおり、制御部500によって決定される。
In step S330 of FIG. 8, the
図12は、コンプレッサ回転数マップの一例を示す説明図である。図12には、コンプレッサ流量とコンプレッサ圧力比とコンプレッサ回転数との関係が三次元的なマップで表されている。このマップは、予め行われる試験等によって作成されて、制御部500に記憶されている。
FIG. 12 is an explanatory diagram showing an example of a compressor rotation speed map. FIG. 12 shows the relationship between the compressor flow rate, the compressor pressure ratio, and the compressor rotation speed in a three-dimensional map. This map is created by a test or the like performed in advance and is stored in the
図8のステップS340にて、制御部500は、コンプレッサFB積分項ΣΔNACPの値がコンプレッサ回転数サージマージンΔNSRG以下になるか否かを判定する。本実施形態では、制御部500は、下式(24)を満たす場合には、コンプレッサFB積分項ΣΔNACPの値がコンプレッサ回転数サージマージンΔNSRG以下になると判断し、下式(25)を満たす場合には、コンプレッサFB積分項ΣΔNACPの値がコンプレッサ回転数サージマージンΔNSRGよりも大きくなると判断する。
In step S340 of FIG. 8, the
ステップS340でコンプレッサFB積分項ΣΔNACPの値がコンプレッサ回転数サージマージンΔNSRG以下になると判断された場合、ステップS350にて、制御部500は、下式(26)を用いてコンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの値を算出する。この際、図3のステップS130でターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合には、コンプレッサ定常判定率rstdが「0」であるため、コンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの値は、「0」に初期化される。一方、ステップS340でコンプレッサFB積分項ΣΔNACPの値がコンプレッサ回転数サージマージンΔNSRGよりも大きくなると判断された場合には、ステップS355にて、制御部500は、下式(27)を用いてコンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの値を算出する。この際、図3のステップS130でターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合であっても、コンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの値は、「0」に初期化されずに、初期化下限値(ΣΔNACP_old+ΔNACPΔt−ΔNSRG)まで低減される。
When it is determined in step S340 that the value of the compressor FB integration term ΣΔN ACP is equal to or less than the compressor rotation speed surge margin ΔN SRG , in step S350, the
ステップS350またはステップS355の後、ステップS360にて、制御部500は、ターボコンプレッサ220の運転が停止された状態であるか否かを判定する。ステップS360でターボコンプレッサ220の運転が停止された状態であると判断された場合、ステップS370にて、制御部500は、下式(28)を用いてコンプレッサFB積分項ΣΔNACPの値を初期化する。一方、ステップS360でターボコンプレッサ220の運転が停止された状態であると判断されなかった場合、ステップS375にて、制御部500は、コンプレッサFB積分項ΣΔNACPの値を初期化せずに保持する。
After step S350 or step S355, in step S360, the
ステップS370またはステップS375の後、ステップS380にて、制御部500は、下式(29)および下式(30)を用いてコンプレッサ回転数指令値NACP_refを算出する。下式(29)において、NACP_FBは、コンプレッサFB制御指令値を表している。下式(30)において、NACP_FFは、コンプレッサFF制御指令値を表している。NACP_FFは、制御部500によって算出される。
After step S370 or step S375, in step S380, the
ステップS380の後、制御部500は、コンプレッサ回転数指令値算出処理を終了し、図3に示すように動作点変更処理を終了する。その後、制御部500は、ステップS110から動作点変更処理を再び開始する。
After step S380, the
図13は、FB制御積分項の変化の一例を示すタイムチャートである。タイミングt0からタイミングt1の間では、ターボコンプレッサ220の要求動作点は、図2に示したストールライン近傍の動作点Aに固定されている。そのため、ターボコンプレッサ220の運転状態は、定常状態になっている。タイミングt1からタイミングt2の間に、ターボコンプレッサ220の要求動作点は、動作点Aから図2に示したサージライン近傍の動作点Bに変更される。要求動作点の変更によって、ターボコンプレッサ220の運転状態は過渡状態になる。ストールライン近傍において燃料電池100に供給される空気の圧力を変化させるために必要な調圧バルブ240の開度やバイパスバルブ250の開度の変化量は、サージライン近傍において燃料電池100に供給される空気の圧力を変化させるために必要な調圧バルブ240の開度やバイパスバルブ250の開度の変化量よりも大きい。そのため、ストールライン近傍の動作点Aでターボコンプレッサ220を運転した後に、サージライン近傍の動作点Bでターボコンプレッサ220を運転した場合には、積分動作によって調圧バルブ240の開度やバイパスバルブ250の開度が意図せず小さくなり過ぎることがある。本実施形態では、ターボコンプレッサ220の運転動作点を動作点Aから動作点Bに変更する際に、コンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの値は、図8のステップS350で制御部500によって初期化されて「0」になる。調圧バルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ARV_oldがバルブ閉側の値であるため、調圧バルブFB積分項ΣΔNACPの値は、図5のステップS230で制御部500によって初期化されて「0」になる。バイパスバルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ABV_oldがバルブ開側の値であるため、バイパスバルブFB積分項ΣΔAe_ABVの値は、図5のステップS285で制御部500によって初期化されずに更新される。
FIG. 13 is a time chart showing an example of changes in the FB control integral term. Between the timing t0 and the timing t1, the required operating point of the
図13のタイミングt2からタイミングt3の間では、ターボコンプレッサ220の要求動作点は、動作点Bに固定されている。そのため、ターボコンプレッサ220の運転状態は、定常状態になっている。この間に、コンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの値は、再び増加しており、調圧バルブFB制御積分項ΣΔAe_ARVの値は、再びバルブ閉側に増加している。バイパスバルブFB積分項ΣΔAe_ABVの値は、バルブ開側の値で推移している。タイミングt3からタイミングt4の間に、ターボコンプレッサ220の運転動作点は、動作点Bから動作点Aに変更される。動作点の変更によって、ターボコンプレッサ220の運転状態は、過渡状態になる。この際に、コンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの値は、図8のステップS355で制御部500によって初期化下限値まで低減される。図12に示すように、コンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの変化量がコンプレッサ回転数サージマージンΔNSRGよりも大きい場合、ターボコンプレッサ220の運転動作点がサージ領域に入る可能性がある。そこで、ターボコンプレッサ220の運転動作点がサージ領域に入ることを抑制するために、コンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの変化量がコンプレッサ回転数サージマージンΔNSRGの範囲内になるように、コンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの初期化下限値が設けられている。調圧バルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ARV_oldがバルブ閉側の値であるため、調圧バルブFB積分項の値は、図5のステップS230で制御部500によって初期化されて「0」になる。バイパスバルブFB制御積分項前回値ΣΔAe_ABV_oldがバルブ開側の値であるため、バイパスバルブFB積分項ΣΔAe_ABVの値は、図5のステップS285で制御部500によって初期化されずに更新される。
Between the timing t2 and the timing t3 in FIG. 13, the required operating point of the
以上で説明した本実施形態の燃料電池システム50によれば、ターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合であり、かつ、調圧バルブ240の開度を減少させるように積分動作が実行されると判断された場合には、制御部500は、調圧バルブFB制御積分項ΣΔAe_ARVの値を「0」に初期化して積分動作を実行するので、調圧バルブ240の開度の調節量のうちの積分動作による成分が「0」になる。また、ターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合であり、かつ、バイパスバルブ250の開度を減少させるように積分動作が実行されると判断された場合には、制御部500は、バイパスバルブFB制御積分項ΣΔAe_ABVの値を「0」に初期化して積分動作を実行するので、バイパスバルブ250の開度の調節量のうちの積分動作による成分が「0」になる。そのため、ターボコンプレッサ220の運転動作点を変更している間に調圧バルブ240の開度やバイパスバルブ250の開度を減少させるように積分動作が実行されることに起因して、ターボコンプレッサ220の運転動作点がサージ領域に入ることを抑制できる。
According to the
また、本実施形態では、ターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合であっても、調圧バルブ240の開度を増加させるように積分動作が実行されると判断された場合には、制御部500は、調圧バルブFB制御積分項ΣΔAe_ARVの値を初期化せずに積分動作を実行する。また、ターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合であっても、バイパスバルブ250の開度を増加させるように積分動作が実行されると判断された場合には、制御部500は、バイパスバルブFB制御積分項ΣΔAe_ABVの値を初期化せずに積分動作を実行する。そのため、空気供給流路201と空気排出流路202と空気バイパス流路203とを構成する配管や調圧バルブ240やバイパスバルブ250の製造誤差や、燃料電池100内に滞留する生成水量の増減による燃料電池100内の圧力損失の変化等の外乱に起因して空気の流路の閉塞度合いが高くなったとしても、積分動作が実行されることによって空気の流路の閉塞度合いを低減できるので、製造誤差や外乱等に起因して、ターボコンプレッサ220の運転動作点がサージ領域に入ることを抑制できる。
Further, in the present embodiment, even when it is determined that the operating state of the
B.他の実施形態
(B1)上述した各実施形態の燃料電池システム50では、図5に示したバルブ開度指令値算出処理において、制御部500は、調圧バルブ240とバイパスバルブ250との両方について、ターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合、かつ、FB制御積分項前回値ΣΔAe_ARV_old,ΣΔAe_ABV_oldがバルブ閉側の値であると判断された場合に、FB制御積分項ΣΔAe_ARV,ΣΔAe_ABVの値を初期化し、初期化されたFB制御積分項ΣΔAe_ARV,ΣΔAe_ABVの値を用いて積分動作を実行してバルブ開度指令値θARV_ref,θABV_refを算出している。これに対して、制御部500は、調圧バルブ240とバイパスバルブ250とのうちの一方のみについて、ターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合、かつ、FB制御積分項前回値ΣΔAe_ARV_old,ΣΔAe_ABV_oldがバルブ閉側の値であると判断された場合に、FB制御積分項ΣΔAe_ARV,ΣΔAe_ABVの値を初期化し、初期化されたFB制御積分項ΣΔAe_ARV,ΣΔAe_ABVの値を用いて積分動作を実行してバルブ開度指令値θARV_ref,θABV_refを算出してもよい。この場合、制御部500は、調圧バルブ240とバイパスバルブ250とのうちの他方については、FB制御積分項前回値ΣΔAe_ARV_old,ΣΔAe_ABV_oldがバルブ閉側の値であるか否かにかかわらず、初期化されていないFB制御積分項ΣΔAe_ARV,ΣΔAe_ABVの値を用いて積分動作を実行してバルブ開度指令値θARV_ref,θABV_refを算出してもよい。
B. Other Embodiment (B1) In the
(B2)上述した各実施形態の燃料電池システム50では、ターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合には、図8に示したコンプレッサ回転数指令値算出処理において、制御部500は、コンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの値を初期化、または、初期化下限値まで低減している。これに対して、ターボコンプレッサ220の運転状態が過渡状態であると判断された場合であっても、コンプレッサ回転数指令値算出処理において、制御部500は、コンプレッサFB制御積分項ΣΔNACPの値を初期化、または、初期化下限値まで低減しなくてもよい。
(B2) In the
(B3)上述した各実施形態の燃料電池システム50では、図5に示したバルブ開度指令値算出処理において、ステップS270でターボコンプレッサ220の運転が停止された状態であると判断された場合、ステップS280にて、制御部500は、調圧バルブ240とバイパスバルブ250との両方について、FB制御積分項ΣΔAe_ARV,ΣΔAe_ABVの値を初期化し、初期化されたFB制御積分項ΣΔAe_ARV,ΣΔAe_ABVの値を用いて積分動作を実行してバルブ開度指令値θARV_ref,θABV_refを算出している。これに対して、ステップS270でターボコンプレッサ220の運転が停止された状態であると判断された場合に、ステップS280にて、制御部500は、調圧バルブ240とバイパスバルブ250とのうちの一方のみについて、FB制御積分項ΣΔAe_ARV,ΣΔAe_ABVの値を初期化し、初期化されたFB制御積分項ΣΔAe_ARV,ΣΔAe_ABVの値を用いて積分動作を実行してバルブ開度指令値θARV_ref,θABV_refを算出してもよい。
(B3) In the
(B4)上述した各実施形態の燃料電池システム50では、図8に示したコンプレッサ回転数指令値算出処理において、ステップS360でターボコンプレッサ220の運転が停止された状態であると判断された場合、ステップS370にて、制御部500は、コンプレッサFB積分項ΣΔNACPの値を初期化する。これに対して、コンプレッサ回転数指令値算出処理において、ステップS360からステップS370までの処理が省略されてもよい。
(B4) In the
(B5)上述した各実施形態の燃料電池システム50は、空気バイパス流路203とバイパスバルブ250とを備えている。これに対して、燃料電池システム50は、空気バイパス流路203とバイパスバルブ250とを備えていなくてもよい。この場合、制御部500は、ターボコンプレッサ220が要求動作点で運転されるように、ターボコンプレッサ220の回転数と調圧バルブ240の開度とを調節してもよい。この場合、制御部500は、図5に示したバルブ開度指令値算出処理からバイパスバルブ250についての処理が除かれた処理を実行して、調圧バルブ開度指令値θARV_refを算出する。
(B5) The
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。 The present disclosure is not limited to the above-described embodiment, and can be realized by various configurations within a range not deviating from the gist thereof. For example, the technical features in the embodiments corresponding to the technical features in each embodiment described in the column of the outline of the invention are for solving a part or all of the above-mentioned problems, or one of the above-mentioned effects. It is possible to replace or combine as appropriate to achieve the part or all. Further, if the technical feature is not described as essential in the present specification, it can be appropriately deleted.
50…燃料電池システム、100…燃料電池、200…空気給排部、201…空気供給流路、202…空気排出流路、203…空気バイパス流路、210…流量センサ、220…ターボコンプレッサ、230…圧力センサ、240…調圧バルブ、250…バイパスバルブ、260…大気圧センサ、300…水素給排部、500…制御部 50 ... Fuel cell system, 100 ... Fuel cell, 200 ... Air supply / exhaust section, 201 ... Air supply flow path, 202 ... Air discharge flow path, 203 ... Air bypass flow path, 210 ... Flow sensor, 220 ... Turbo compressor, 230 ... pressure sensor, 240 ... pressure control valve, 250 ... bypass valve, 260 ... atmospheric pressure sensor, 300 ... hydrogen supply / discharge unit, 500 ... control unit
Claims (1)
燃料電池と、
前記燃料電池に空気を供給し、前記燃料電池からカソードオフガスを排出させる空気流路と、
前記空気流路に設けられ、前記燃料電池に空気を圧送するターボコンプレッサと、
前記空気流路のうちの前記ターボコンプレッサよりも下流側の部分に設けられたバルブと、
前記ターボコンプレッサが吐出する空気の流量および空気の圧力比によって定められる動作点であって前記燃料電池への出力要求に応じて決定される要求動作点で前記ターボコンプレッサが運転されるように、前記ターボコンプレッサの回転数と前記バルブの開度とを調節する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
制御偏差の積分値に応じて調節量を変化させる積分動作を実行するフィードバック制御を用いて前記バルブの開度を調節し、
前記要求動作点の時間変化に基づいて前記ターボコンプレッサの運転状態が過渡状態であるか否かを判定し、
前記バルブの開度を減少させるように前記積分動作が実行されるか否かを判定し、
前記ターボコンプレッサの運転状態が過渡状態であると判断された場合、かつ、前記バルブの開度を減少させるように前記積分動作が実行されると判断された場合に、初期化された前記積分値を用いて前記積分動作を実行し、
前記ターボコンプレッサの運転状態が過渡状態であると判断された場合、かつ、前記バルブの開度を増加させるように前記積分動作が実行されると判断された場合に、初期化されていない前記積分値を用いて前記積分動作を実行する、
燃料電池システム。 It ’s a fuel cell system.
With a fuel cell
An air flow path that supplies air to the fuel cell and discharges cathode off gas from the fuel cell,
A turbo compressor provided in the air flow path and pumping air to the fuel cell,
A valve provided in a portion of the air flow path downstream of the turbo compressor,
The turbo compressor is operated at a required operating point determined by the flow rate of air discharged by the turbo compressor and the pressure ratio of the air, which is determined in response to an output request to the fuel cell. A control unit that adjusts the rotation speed of the turbo compressor and the opening of the valve,
Equipped with
The control unit
The opening of the valve is adjusted by using feedback control that executes an integral operation that changes the adjustment amount according to the integral value of the control deviation.
Based on the time change of the required operating point, it is determined whether or not the operating state of the turbo compressor is a transient state.
It is determined whether or not the integral operation is executed so as to reduce the opening degree of the valve.
The initialized integrated value when it is determined that the operating state of the turbo compressor is a transient state and when it is determined that the integral operation is executed so as to reduce the opening degree of the valve. Perform the integral operation using
The integral that has not been initialized when it is determined that the operating state of the turbo compressor is a transient state and that the integral operation is executed so as to increase the opening degree of the valve. Performing the integral operation using the value,
Fuel cell system.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020089504A JP2021184349A (en) | 2020-05-22 | 2020-05-22 | Fuel cell system |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020089504A JP2021184349A (en) | 2020-05-22 | 2020-05-22 | Fuel cell system |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021184349A true JP2021184349A (en) | 2021-12-02 |
Family
ID=78767494
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020089504A Pending JP2021184349A (en) | 2020-05-22 | 2020-05-22 | Fuel cell system |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021184349A (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114837983A (en) * | 2022-03-25 | 2022-08-02 | 湖南大学 | Control method of fuel cell air compressor |
-
2020
- 2020-05-22 JP JP2020089504A patent/JP2021184349A/en active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114837983A (en) * | 2022-03-25 | 2022-08-02 | 湖南大学 | Control method of fuel cell air compressor |
CN114837983B (en) * | 2022-03-25 | 2023-01-03 | 湖南大学 | Control method of fuel cell air compressor |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009123550A (en) | Fuel cell system | |
JP5698410B2 (en) | Fuel cell system | |
JP6573022B2 (en) | FUEL CELL SYSTEM AND CONTROL METHOD FOR FUEL CELL SYSTEM | |
JP6969432B2 (en) | Fuel cell system and fuel cell system control method | |
JP7077652B2 (en) | Fuel cell system and fuel cell system control method | |
EP3474362B1 (en) | Fuel cell system and control method of fuel cell system | |
US9029036B2 (en) | Systems and methods for controlling a compressor recirculation valve | |
US20190081340A1 (en) | Wet state control method for fuel cell system and wet state control device for the same | |
JP2019145433A (en) | Fuel cell system and control method thereof | |
JP6992541B2 (en) | Fuel cell system and fuel cell system control method | |
JP2009277502A (en) | Fuel cell system | |
CN113571747B (en) | Fuel cell air system control method | |
JP2019145338A (en) | Fuel cell system | |
JP2021184349A (en) | Fuel cell system | |
US7851099B2 (en) | Fuel cell system and control method for fuel cell | |
JP2018098191A (en) | Fuel cell system and method of operating fuel cell system | |
JP6090451B2 (en) | FUEL CELL SYSTEM AND CONTROL METHOD FOR FUEL CELL SYSTEM | |
JP7021565B2 (en) | Fuel cell system and its control method | |
JP2021064472A (en) | Fuel cell system | |
JP2019133750A (en) | Fuel cell system | |
JP4701664B2 (en) | Fuel cell system | |
JP2006147234A (en) | Control device of fuel cell | |
JP2006079892A (en) | Fuel cell system | |
JP7140000B2 (en) | fuel cell system | |
JP2021190303A (en) | Fuel cell system and method for controlling fuel cell |