JP2021183873A - 熱処理炉 - Google Patents

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隆司 井津
Takashi Izu
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Abstract

【課題】熱処理炉において、比較的大きな基板であっても、全体として均等に熱処理することが可能となる。【解決手段】熱処理炉10は、処理室12を内部に有する筐体11と、処理室12の右領域AR及び左領域ALそれぞれにおいてガスの還流を発生させるために設けられている還流発生機構15とを備える。左右の還流発生機構15それぞれは、後側から前側にガスを誘導するためのダクト21L(21R)と、ダクト21L(21R)内のガスを後側から前側に流すことで前記還流を発生させるためのファン22L(22R)と、ガスを加熱するヒータ23L(23R)と、21L(21R)、ガスを通過させて清浄化したガスを放出するフィルタ24L(24R)と、フィルタ24L(24R)を通過したガスの一部を処理室12の左右方向の中央側に誘導すると共に当該ガスの一部を後側に向かって放出するノズル25L(25R)とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、熱処理炉に関する。
工業製品の製造において、その中間品(処理品)に熱処理が施されることがある。特許文献1に、処理品が基板である場合の熱処理用の装置が開示されている。特許文献1に開示されている装置は、筐体と、筐体内に加熱ガスを供給する機構とを備える。筐体に、基板を出し入れするための開口が設けられていて、その開口は扉(シャッタ)によって閉塞及び開放される。
特開2005−183638号公報
近年、熱処理の対象となる基板は大型化しており、大型の基板を全体にわたって均等に熱処理するための取り組みが様々行われている。
特許文献1に開示の装置の場合、筐体内を加熱ガスが一方向に流れる。この場合、基板が大型であると、例えば基板の左右方向の中央部と両側部とで加熱ガスの流速が異なることがあり、均等に熱処理されない可能性がある。また、筐体内の温度に関して、扉が設けられている筐体の開口側は、他の領域と比較して低温となりやすい。このため、基板が均等に熱処理されない可能性がある。
そこで、本開示は、比較的大きな基板であっても、全体として均等に熱処理することが可能となる熱処理炉を提供することを目的とする。
(1)本開示の熱処理炉は、前後及び左右に広がる処理室を内部に有すると共に、当該処理室に対する基板の出し入れのために前側に設けられている開口を閉塞及び開放する扉を有する筐体と、前記処理室の右領域及び左領域それぞれにおいてガスの還流を発生させるために左右それぞれに設けられている還流発生機構と、を備え、左右の前記還流発生機構それぞれは、前記筐体に沿って後側から前側にガスを誘導するためのダクトと、前記ダクト内のガスを後側から前側に流すことで前記還流を発生させるためのファンと、ガスを加熱するヒータと、前記ダクトの前寄りに設けられガスを通過させて清浄化したガスを放出するフィルタと、前記フィルタを通過したガスの一部を前記処理室の左右方向の中央側に誘導すると共に当該ガスの一部を後側に向かって放出するノズルと、を備える。
前記熱処理炉によれば、筐体内の処理室の右領域及び左領域それぞれで、ヒータにより加熱されたガスの還流が生じることから、比較的大きな基板であっても、前記ガスによって、全体として熱処理することが可能となる。
処理室の右領域及び左領域それぞれで還流が生じると、処理室の前側であって左右方向の中央で温度が上昇し難いことがある。更に、処理室の前側が開口しているため、扉が開かれると、処理室の前側で温度が低下し易い。このため、処理室の前側であって左右方向の中央の範囲に位置する基板の一部は、他部と比較して低温となる可能性がある。
しかし、前記熱処理炉によれば、前記範囲に対して、ノズルからガスを放出することが可能となり、前記範囲の温度を高めることが可能となる。このため、比較的大きな基板であっても、全体として均等に熱処理することが可能となる。
(2)また、好ましくは、前記ノズルは、前記処理室の左右方向の端側に位置する前記フィルタから左右方向の中央に向かって延びる形状を有し、前記ノズルは、ガスを放出する放出口を左右方向の中央側に片寄って複数有する。この構成により、処理室の前側であって左右方向の中央の範囲に対して、効率よく、ノズルからガスが放出される。
(3)また、前記ノズルから放出されるガスによって、処理室の前側であって左右方向の中央の範囲の温度を、他の範囲と同等に高める機能が、より一層上手く活用されるために、前記左領域で発生するガスの還流と、前記右領域で発生するガスの還流とが、左右で対称となるように、左右の前記還流発生機構は左右で対称となって設けられている。
(4)また、好ましくは、前記筐体は、前部に、左右方向に長い梁状である仕切り部を上下方向に間隔をあけて複数有していて、上下で隣り合う前記仕切り部の間が、前記開口であり、前記仕切り部に、前記ノズルは取り付けられている。この構成によれば、開口を構成するための仕切り部が、ノズルを設置するための部材としても活用される。
(5)また、前記(4)に記載の熱処理炉において、好ましくは、前記開口を挟む上下の前記仕切り部それぞれに、前記ノズルが設けられている。この構成によれば、一つの開口を通じて複数枚の基板が処理室に投入され、これら基板が熱処理される場合であっても、複数枚の基板の上側及び下側それぞれに対して、ノズルからガスが放出される。
(6)また、前記(4)又は(5)に記載の熱処理炉において、好ましくは、前記ノズルの上下方向の寸法は、前記仕切り部の上下方向の寸法以下である。この構成によれば、ノズルによって前記開口が狭くならない。
(7)また、前記(6)に記載の熱処理炉の場合、ノズルの上下方向の寸法に制限があって小さくなる。そこで、更に好ましくは、前記ノズルの前後方向の寸法は、前記ノズルの上下方向の寸法よりも大きい。この場合、ノズルの前後方向の寸法が大きいため、ノズルのガス通過断面積をある程度大きく確保することが可能となる。このため、ノズルにおいて十分な量のガスを通過させ、左右方向の中央の範囲に放出することができる。
本開示によれば、比較的大きな基板であっても、全体として均等に熱処理することが可能となる。
熱処理炉の正面図である。 図1に示す矢印II方向から見た熱処理炉の断面図である。 図1に示す矢印III方向から見た熱処理炉の断面図である。 筐体の前側の一部を右側から見た断面図である。 ノズルを処理室側から見た場合の斜視図である。
〔熱処理炉の全体構成について〕
図1は、熱処理炉の正面図である。図2は、図1に示す矢印II方向から見た熱処理炉の断面図である。図3は、図1に示す矢印III方向から見た熱処理炉の断面図である。図1〜図3に示す熱処理炉10は、複数枚の基板Wを熱処理するための装置である。基板Wは、大型であり、例えば矩形であって、前後方向及び左右方向にそれぞれ3メートル程度の寸法を有する。基板Wの広い面(上面)が水平面に沿うようにして、基板Wは、熱処理10に投入され、加熱されたガスにより熱処理される。熱処理を終えると基板Wは取り出される。基板Wの投入及び取り出しは、図外のロボットアームによって行われる。
基板Wを筐体11内に投入するため、及び、基板Wを筐体11から取り出すため、筐体11に開口13が設けられている。筐体11は、開口13を閉塞及び開放する扉(シャッタ)14を有する。図2では、一つの扉14が開口13を開放している状態が示されている。本開示の熱処理炉10において、開口13が設けられている部分が「前」であり、その反対側が「後」である。熱処理炉10を前から見て右手側が「右」であり、左手側が「左」である。前後(前後方向)及び左右(上下方向)の双方に直交する方向、つまり鉛直方向が、上下(上下方向)となる。図1に示すように、筐体11の前部の左右両側に、扉14を開閉動作させるアクチュエータ19が設けられている。本実施形態では、アクチュエータ19はエアシリンダであるが、その他の形式であってもよい。
熱処理炉10は、一つの筐体11と、左側の還流発生機構15と、右側の還流発生機構15とを備える。
筐体11は、その内部に、前後及び左右に広がる処理室12を有する。処理室12は、上下方向にも広がって設けられている。処理室12に、複数枚の基板Wが上下方向に間隔をあけて設けられる。このために、筐体11は、基板Wを載せるラック部27(図3参照)を上下方向に複数段備える。開口13は、上下に複数設けられている。一つの開口13を通じて、二枚の基板W,Wの出し入れが可能となる(図4参照)。図4は、筐体11の前側の一部を右側から見た断面図である。
図4に示すように、筐体11は、その前部に、複数の仕切り部26を有する。仕切り部26は、左右方向に長い梁状の部材である。仕切り部26は上下方向に間隔をあけて設けられている。上下で隣り合う仕切り部26,26の間が、開口13である。
扉14と仕切り部26との間にはパッキン18が設けられていて、パッキン18によって、処理室12のガスの開口13から漏れが抑制される。扉14が開口13を閉じた状態で、パッキン18が仕切り部26に接触することで、ガスの漏れが抑制される。本実施形態では、扉14の外周縁に沿ってパッキン18が取り付けられている。
筐体11は、上下前後左右に壁を有する。これら壁は、断熱性を有する。これら壁に囲まれた領域が、処理室12である。図3に示すように、筐体11の前壁28Fに、仕切り部26、開口13、及び扉14が設けられている。筐体11の後壁28Bの更に後方に、点検室29が設けられている。点検室29と処理室12とが、後壁28Bによって区画されている。
還流発生機構15は、処理室12の右領域AR及び左領域ALそれぞれに設けられている。右領域ARは、処理室12の右側半分の空間であり、左領域ALは、処理室12の左側半分の空間である。還流発生機構15は、右領域AR及び左領域ALそれぞれにおいてガスの還流を発生させるために左右それぞれに設けられている。還流発生機構15によって発生するガスの還流は、上下方向の仮想線を中心とする還流である。図3では、ガスの流れの様子が白抜きの矢印で示されている。
〔還流発生機構15について〕
本実施形態では、図3に示すように、左領域ALで発生するガスの還流と、右領域ARで発生するガスの還流とが左右で対称となるように、構成を同じとする左右の還流発生機構15,15が左右で対称となって設けられている。第一の還流発生機構15が、筐体11の左側に設けられていて、第二の還流発生機構15が、筐体11の右側に設けられている。第一の還流発生機構15と第二の還流発生機構15とは、処理室12の中心線Cを基準として左右対称の構成を備える。中心線Cは、処理室12を左領域ALと右領域ARとに左右均等に二分割する線である。
左側の還流発生機構15は、ダクト21Lと、ファン22Lと、ヒータ23Lと、フィルタ24Lと、ノズル25Lとを備える。
ダクト21Lは、筐体11の内壁面に沿って後側から前側にガスを誘導する。ダクト21Lは、処理室12の左側の後部に設けられていて左右方向に延びる左後ろ仕切壁31Lと、この左後ろ仕切壁31Lの左端から前に延びて設けられている左仕切壁32Lとを有する。左後ろ仕切壁31Lと筐体11の後壁28Bとの間に空間が設けられていて、左仕切壁32Lと筐体11の左壁28Lとの間に空間が設けられていて、これら空間が、ガスの通る流路となる。左後ろ仕切壁31Lの右端と後壁28Bとの間に開口が設けられていて、この開口がガスの導入口33Lとなる。左仕切壁32Lの前側には開口が設けられていて、その開口をフィルタ24Lが覆っている。この開口がガスの放出窓34Lとなる。左後ろ仕切壁31Lよりも前方側であって、左仕切壁32Lよりも右側の領域が、基板Wが存在する領域となる。
ファン22Lは、例えばシロッコファンである。ファン22Lは、ダクト21Lのガスの流路において、導入口33L側の途中に設けられている。ファン22Lの作動により、基板Wが存在する領域のガスが導入口33Lから吸い込まれる。ファン22Lは、ダクト21L内のガスを後側から前側に流す。そのガスは、放出窓34Lからフィルタ24Lを通じて、基板Wが存在する領域に放出される。これにより、左領域ALにおいてガスの還流を発生させることができる。
ヒータ23Lは、ダクト21Lの前記導入口33Lから導入されたガスを加熱する。ヒータ23Lは、ダクト21L内に設置されていて、ダクト21Lを通過するガスを加熱する。ヒータ23Lは、ファン22Lと導入口33Lとの間に設けられている。
フィルタ24Lは、例えばHEPAフィルタであり、耐熱性を有する。フィルタ24Lは、ダクト21Lの前寄りに設けられている。本実施形態では、ダクト21Lの放出窓34Lは、前後方向に並んで三つ設けられている。フィルタ24Lは、放出窓34Lそれぞれを覆うようにして設けられている。フィルタ24Lは、ダクト21Lを流れて放出窓34Lから放出されるガスを通過させる。これにより、清浄化したガスが、フィルタ24Lから基板Wが存在する領域に放出される。
ノズル25Lは、フィルタ24Lを通過したガスの一部を処理室12の左右方向の中央側に誘導すると共に、誘導したガスの一部を後側に向かって放出する。ノズル25Lの具体的な構成については、後に説明する。ノズル25Lから放出されたガスは、処理室12の前側であって左右方向の中央の範囲Qに向かう。
右側の還流発生機構15について説明する。
右側の還流発生機構15は、ダクト21Rと、ファン22Rと、ヒータ23Rと、フィルタ24Rと、ノズル25Rとを備える。
ダクト21Rは、筐体11の内壁面に沿って後側から前側にガスを誘導する。ダクト21Rは、処理室12の右側の後部に設けられていて左右方向に延びる右後ろ仕切壁31Rと、この右後ろ仕切壁31Rの右端から前に延びて設けられている右仕切壁32Rとを有する。右後ろ仕切壁31Rと筐体11の後壁28Bとの間に空間が設けられていて、右仕切壁32Rと筐体11の右壁28Rとの間に空間が設けられていて、これら空間が、ガスの通る流路となる。右後ろ仕切壁31Rの左端と後壁28Bとの間に開口が設けられていて、この開口がガスの導入口33Rとなる。右仕切壁32Rの前側には開口が設けられていて、その開口をフィルタ24Rが覆っている。この開口がガスの放出窓34Rとなる。右後ろ仕切壁31Rよりも前方側であって、右仕切壁32Rよりも左側の領域が、基板Wが存在する領域となる。
ファン22Rは、例えばシロッコファンである。ファン22Rは、ダクト21Rのガスの流路において、導入口33R側の途中に設けられている。ファン22Rの作動により、基板Wが存在する領域のガスが導入口33Rから吸い込まれる。ファン22Rは、ダクト21R内のガスを後側から前側に流す。そのガスは、放出窓34Rからフィルタ24Rを通じて、基板Wが存在する領域に放出される。これにより、右領域ARにおいてガスの還流を発生させることができる。
ヒータ23Rは、ダクト21Rの前記導入口33Rから導入されたガスを加熱する。ヒータ23Rは、ダクト21R内に設置されていて、ダクト21Rを通過するガスを加熱する。ヒータ23Rは、ファン22Rと導入口33Rとの間に設けられている。
フィルタ24Rは、例えばHEPAフィルタであり、耐熱性を有する。フィルタ24Rは、ダクト21Rの前寄りに設けられている。本実施形態では、ダクト21Rの放出窓34Rは、前後方向に並んで三つ設けられている。フィルタ24Rは、放出窓34Rそれぞれを覆うようにして設けられている。フィルタ24Rは、ダクト21Rを流れて放出窓34Rから放出されるガスを通過させる。これにより、清浄化したガスが、フィルタ24Rから基板Wが存在する領域に放出される。
ノズル25Rは、フィルタ24Rを通過したガスの一部を処理室12の左右方向の中央側に誘導すると共に、誘導したガスの一部を後側に向かって放出する。ノズル25Rから放出されたガスは、処理室12の前側であって左右方向の中央の範囲Qに向かう。右側のノズル25Rは、左側のノズル25Lと左右対称であるが同じ構成を有する。このため、左側のノズル25Lを例としてノズルの具体的構成を後に説明する。
〔本実施形態の熱処理炉10について〕
以上より、本実施形態の熱処理炉10は、前後及び左右に広がる処理室12を内部に有する筐体11と、左右の還流発生機構15とを備える。筐体11は、扉14を有していて、その扉14は、処理室12に対する基板Wの出し入れのために前側に設けられている開口13を閉塞及び開放する。還流発生機構15は、処理室12の右領域AR及び左領域ALそれぞれにおいてガスの還流を発生させるために、左右それぞれに設けられている。左(右)の還流発生機構15は、ダクト21L(21R)、ファン22L(22R)、ヒータ23L(23R)、フィルタ24L(24R)、及び、ノズル25L(25R)を備える。
ダクト21L(21R)は、筐体11の内壁に沿って後側から前側にガスを誘導する。ファン22L(22R)は、ダクト21L(21R)内のガスを後側から前側に流すことでガスの還流を発生させる。図3において、左右のガスの還流が白抜きの矢印で示されている。ヒータ23L(23R)は、筐体11内でガスを加熱する。フィルタ24L(24R)は、ダクト21L(21R)の前寄りに設けられていて、ガスを通過させて清浄化したガスを放出する。ノズル25L(25R)は、フィルタ24L(24R)を通過したガスの一部を処理室12の左右方向の中央側に誘導すると共に、そのガスの一部を後側に向かって放出する。
この熱処理炉10によれば(図3参照)、処理室12の右領域AR及び左領域ALそれぞれで、ヒータ23Lにより加熱されたガスの還流が生じることから、比較的大きな基板Wであっても、前記ガスによって、全体として熱処理することが可能となる。
ここで、処理室12の右領域AR及び左領域ALそれぞれで還流が生じると、処理室12の前側であって左右方向の中央(範囲Q)で温度(雰囲気温度)が上昇し難いことがある。これは、左のフィルタ24Lの前寄りの一部から流れるガスと、右のフィルタ24Rの前寄りの一部から流れるガスとが衝突して、範囲Qではガスの流れが悪くなるためである。本実施形態では、特に左領域ALで発生するガスの還流と、右領域ARで発生するガスの還流とが、左右で対称となる。このため、前記範囲Qでは、ガスの流れが悪くなる。
更に、処理室12の前側が開口しているため、扉14が開かれると、処理室12の前側で温度(雰囲気温度)が低下し易い。このため、前記範囲Qに位置する基板Wの一部は、他部と比較して低温となる可能性がある。
しかし、本実施形態の熱処理炉10によれば、前記範囲Qに対して、ノズル25L(25R)からガスを放出することが可能となり、その範囲Qの温度(雰囲気温度)を高めることが可能となる。このため、大きな基板Wであっても、全体として均等に熱処理することが可能となる。
また、基板Wの熱処理によって昇華物が発生しても、ノズル25L(25R)から放出されるガスによって、その昇華物が筐体11内の後側へ送られる。このため、昇華物が筐体11の外部に流出するのを抑えることが可能となる。
更に、本実施形態の熱処理炉10では、処理室12が筐体11の外部(外気)よりも負圧となるように、処理室12の圧力が調整されている。このため、開口13の扉14が開状態となっても、昇華物が、筐体11内から筐体11外へ流出するのを抑えることが可能となる。
〔ノズル25L,25Rについて〕
ノズルの構成について更に説明する。
左側のノズル25Lと右側のノズル25Lとは、中心線Cを基準として左右対称に配置されているが、構成は同じである。そこで、その構成を左側のノズル25Lについて説明する。
図5は、ノズル25Lを処理室12側から見た場合の斜視図である。ノズル25Lは、処理室12の左端側に位置するフィルタ24Lの一部から左右方向の中央に向かって延びる形状を有する。ノズル25Lの端部は、フィルタ24Lの一部に取り付けられている。フィルタ24Lに対するノズル25Lの取付部45は、フィルタ24L側に向かって拡大する形状を有する。取付部45の一部がフィルタ24Lに固定されている。フィルタ24Lを通過したガスが、取付部45を通じて、ノズル25Lの左右方向の中央側へ導入される。取付部45は、フィルタ24Lの一部のみを覆っていて、フィルタ24Lの他部は、基板Wが存在する領域に露出する。つまり、フィルタ24Lを通過した一部のガスがノズル25Lに導入され、残りは基板Wが存在する領域に放出される。
ノズル25Lに、ガスを放出する放出口40が複数設けられている。フィルタ24Lを通過してノズル25Lに導入されたガスが、放出口40から、基板Wが存在する領域に放出される。放出口40は、後ろ向きに向かって開口する孔により構成されている。複数の放出口40は、左右方向の中央側に片寄って配置されている。本実施形態では、放出口40は、ノズル25Lの後面において、左右方向の中央側に複数設けられていて、左右方向の端側には設けられていない。このように、放出口40が左右方向の中央側に片寄って設けられていることで、処理室12(図3参照)の前側であって左右方向の中央の範囲Qに対して、効率よく、ノズル25Lからガスが放出される。
ノズル25Lは、梁状の部材である仕切り部26に取り付けられている。前記のとおり(図2参照)、筐体11は、複数の仕切り部26を有する。ノズル25Lは、全ての仕切り部26に取り付けられていてもよいが、一部の仕切り部26に取り付けられていなくてもよい。つまり、一部又は全部の仕切り部26に、ノズル25Lは取り付けられている。仕切り部26にノズル25Lが取り付けられていることで、開口13を構成するための仕切り部26が、ノズル25Lを設置するための部材としても活用される。
本実施形態の熱処理炉10では、筐体11に複数の開口13が設けられている。これら開口13のうちのほとんどに関して、その開口13を挟む上下の仕切り部26,26それぞれに、ノズル25Lが設けられている。一つの開口13を通じて二枚の基板Wが処理室12に投入され(図4参照)、これら基板Wが熱処理される。一つの開口13を挟む上下の仕切り部26,26それぞれに、ノズル25Lが設けられていることで、これら二枚の基板Wの上側及び下側それぞれに対して、ノズル25Lからガスが放出される。
図4及び図5に示すように、ノズル25Lは、横断面が矩形となるパイプにより構成される。ノズル25Lの上下方向の寸法H1は、仕切り部26の上下方向の寸法H2以下である(H1≦H2)。本実施形態では、ノズル25Lの前記寸法H1と、仕切り部26の前記寸法H2とは同じである。この構成により、ノズル25Lによって開口13が狭くならない。
ノズル25Lの上下方向の寸法H1が、仕切り部26の上下方向の寸法H2以下であることから、そのノズル25Lの前記寸法H1に制限があって小さくなる。そこで、ノズル25Lの前後方向の寸法W1は、そのノズル25Lの上下方向の寸法H1よりも大きく設定されている(W1>H1)。このように設定されることで、ノズル25Lの前後方向の寸法W1が大きく、ノズル25Lのガス通過断面積をある程度大きく確保することが可能となる。このため、ノズル25Lにおいて十分な量のガスを通過させ、前記中央の範囲Qに放出することができる。
以上より、本実施形態の熱処理炉10によれば、処理室12において、前記中央の範囲Qの温度を、他の範囲と同等に、高めることが可能となる。このため、比較的大きな基板Wであっても、全体として均等に熱処理することが可能となる。
〔その他〕
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
10:熱処理炉 11:筐体 12:処理室
13:開口 14:扉 15:還流発生機構
21L,21R:ダクト 22L,22R:ファン
23L,23R:ヒータ 24L,24R:フィルタ
25L,25R:ノズル 26L,26R:仕切り部
AR:右領域 AL:左領域 W:基板

Claims (7)

  1. 前後及び左右に広がる処理室を内部に有すると共に、当該処理室に対する基板の出し入れのために前側に設けられている開口を閉塞及び開放する扉を有する筐体と、
    前記処理室の右領域及び左領域それぞれにおいてガスの還流を発生させるために左右それぞれに設けられている還流発生機構と、
    を備え、
    左右の前記還流発生機構それぞれは、
    前記筐体に沿って後側から前側にガスを誘導するためのダクトと、
    前記ダクト内のガスを後側から前側に流すことで前記還流を発生させるためのファンと、
    ガスを加熱するヒータと、
    前記ダクトの前寄りに設けられガスを通過させて清浄化したガスを放出するフィルタと、
    前記フィルタを通過したガスの一部を前記処理室の左右方向の中央側に誘導すると共に当該ガスの一部を後側に向かって放出するノズルと、
    を備える、熱処理炉。
  2. 前記ノズルは、前記処理室の左右方向の端側に位置する前記フィルタから左右方向の中央に向かって延びる形状を有し、
    前記ノズルは、ガスを放出する放出口を左右方向の中央側に片寄って複数有する、
    請求項1に記載の熱処理炉。
  3. 前記左領域で発生するガスの還流と、前記右領域で発生するガスの還流とが、左右で対称となるように、左右の前記還流発生機構は左右で対称となって設けられている、請求項1又は2に記載の熱処理炉。
  4. 前記筐体は、前部に、左右方向に長い梁状である仕切り部を上下方向に間隔をあけて複数有していて、上下で隣り合う前記仕切り部の間が、前記開口であり、
    前記仕切り部に、前記ノズルは取り付けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱処理炉。
  5. 前記開口を挟む上下の前記仕切り部それぞれに、前記ノズルが設けられている、請求項4に記載の熱処理炉。
  6. 前記ノズルの上下方向の寸法は、前記仕切り部の上下方向の寸法以下である、請求項4又は5に記載の熱処理炉。
  7. 前記ノズルの前後方向の寸法は、前記ノズルの上下方向の寸法よりも大きい、請求項6に記載の熱処理炉。
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