JP2021183385A - インクセットおよび記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 樹脂エマルジョンを含有するインクを用いる形態において、ブリーディングの発生を抑制しつつ、光沢感を損なわずに記録を行う。【解決手段】 顔料を含有する第1の種類のインクと、顔料を含有せず多価金属塩の反応性成分を含有する第2の種類のインクと、樹脂エマルジョンを含有する第3の種類のインクと、において、第1の種類のインクに含まれる解離性基の酸価が第3の種類のインクに含まれる樹脂エマルジョンの解離性基の酸価より小さい。【選択図】 なし

Description

本発明は、インクセットおよび記録装置に関する。
記録ヘッドを記録媒体に対して走査方向に相対的に走査させながらインクの吐出することにより記録媒体上に画像を記録する記録装置が知られている。このような記録装置では、近年では様々な用途の記録物を記録するようになってきており、それに応じて様々な種類のインクが使用されている。
特許文献1には、顔料と樹脂エマルジョンを含有するインクを用い、インクを記録媒体上に着弾させた際にインクに熱を加え、記録媒体の表面にて樹脂エマルジョンを皮膜化することで定着を行う方法が開示されている。同文献には、上述の樹脂エマルジョンの皮膜化により、耐久性に優れた画像を記録することができることが記載されている。
一方、上述のような記録装置では、記録媒体上に付与された互いに異なる種類のインク滴が引き寄せ合い、インク滴間で滲み(ブリーディング)が生じ、画質が低下してしまう虞がある。これに対し、特許文献2では、多価金属塩を含む溶液を記録媒体上に付与した後、カルボキシル基を含有するインクを付与することが開示されている。同文献によれば、多価金属塩とカルボキシル基が記録媒体上で接触することにより不溶性物質が形成されるため、上述のブリーディングの発生を低減することができると記載されている。
特開2005−220352号公報 特開平5−202328号公報
しかしながら、発明者らの検討の結果、特許文献1に記載されたような顔料と樹脂エマルジョンを含有するインクを用いる系において以下の課題があることが分かった。即ち、ブリーディングを低減するために顔料と反応し得る溶液(以下、反応液とも称する)を用いる場合、十分な画質を得にくくなる虞があることがわかった。
以下、画質低下の理由について説明する。
まず、インクの固形分が増加することがある。通常のインクは顔料のみを含有するのに対し、特許文献1に記載されたインクでは顔料に加えて比較的多くの樹脂エマルジョンを含有する。そのため、記録媒体上に付与される1滴のインク滴に含まれる固形分(顔料、樹脂エマルジョン)が多くなってしまい、吐出口からの吐出動作を行おうとしたときに詰まってしまう虞がある。吐出口の径を大きくし、1つの吐出口からの吐出量を増加させることで上述の詰まりを低減させることができるが、これはインクの大滴化を招くため、精細さや光沢性の低下が生じてしまう。
また、不要な樹脂エマルジョンの付与も高画質な画像形成の妨げとなる場合がある。特に屋外に展示するような記録物を記録する場合、顔料と樹脂エマルジョンを含有するインクを用いて加熱することで樹脂エマルジョンを被膜化し、耐水性や耐擦過性に優れた記録を行うことができる。しかしながら、屋外展示用でなく、屋内で鑑賞することを前提とした記録物(写真画像や文書等)を記録する場合であっても、樹脂エマルジョンを付与することになり、光沢感が得られにくい。このように、樹脂エマルジョンを含有するインクを用いることで、却って光沢性を損なうことも心配される。
これに対し、顔料と樹脂エマルジョンを別々のインクに含有させることにより、上述の現象による画質低下はある程度抑制することができる。しかしながら、このような系であっても、樹脂エマルジョンと反応液の反応性が高い場合には光沢性が低下する虞がある。樹脂エマルジョンが反応液と反応してしまうと、樹脂エマルジョンの凝集が発生し、画像の表面を均一に被覆することができず、画像表面の凹凸が大きくなってしまうためである。
本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであり、樹脂エマルジョンを含有するインクを用いる形態において、ブリーディングの発生を抑制しつつ、光沢感を損なわずに記録を行うことを目的とするものである。
そこで、本発明は、互いに種類が異なる第1、第2、第3の種類のインクからなるインクセットであって、前記第1の種類のインクは、色材として水溶性樹脂により分散された顔料を含有し、前記第2の種類のインクは、色材を含有せず、且つ、前記第1の種類のインクと反応する反応性成分を含有し、前記第3の種類のインクは、色材を含有せず、且つ、解離性官能基により分散された樹脂エマルジョンを含有し、前記第2の種類のインクに含有される前記反応性成分は、多価金属塩であることを特徴とし、前記第1の種類のインクに含有される前記水溶性樹脂は、その酸価が前記第3の種類のインクに含有される前記解離性官能基により分散された樹脂エマルジョンの酸価よりも大きいことを特徴とする。
本発明に係るインクセットによれば、樹脂エマルジョンを有するインクを用いる形態において、ブリーディングの発生を抑制しつつ、光沢感を損なわずに記録を行うことが可能となる。
実施形態で適用する記録装置の斜視図である。 実施形態で適用する記録ヘッドの模式図である。 実施形態における記録制御系を示す模式図である。 実施形態におけるデータの処理過程を示す図である。 実施形態におけるマルチパス記録を説明するための図である。 実施形態におけるマスクパターンを示す模式図である。 実施形態におけるマスクパターンを示す模式図である。 実施形態におけるマスクパターンを示す模式図である。
以下に図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本実施形態に係るインクジェット記録装置(以下、記録装置、プリンタとも称する)の外観を示している。これはいわゆるシリアル走査型のプリンタであり、記録媒体PのY方向(搬送方向)に対して直交するX方向(走査方向)に記録ヘッドを走査して画像を記録するものである。
図1を用いてこのインクジェット記録装置の構成および記録時の動作の概略を説明する。まず不図示の搬送モータによりギヤを介して駆動される搬送ローラによって記録媒体Pを保持しているスプール6より記録媒体PがY方向に搬送される。一方、所定の搬送位置において不図示のキャリッジモータによりキャリッジユニット2をX方向に延在するガイドシャフト8に沿って往復走査(往復移動)させる。そして、この走査の過程で、エンコーダ7によって得られる位置信号に基づいたタイミングでキャリッジユニット2に装着可能な記録ヘッド(後述)の吐出口から吐出動作を行わせ、吐出口の配列範囲に対応した一定のバンド幅を記録する。本実施形態においては、走査速度40インチ毎秒で走査し、600dpi(1/600inch)の解像度で吐出動作を行う構成とした。その後、記録媒体Pの搬送を行い、さらに次のバンド幅について記録を行う構成となっている。さらに40インチ毎秒以上の速度で走査することもできる。
なお、キャリッジモータからキャリッジユニット2への駆動力の伝達には、キャリッジベルトを用いることができる。しかしキャリッジベルトの代わりに、例えばキャリッジモータにより回転駆動され、X方向に延在するリードスクリュと、キャリッジユニット2に設けられ、リードスクリュの溝に係合する係合部とを具えたものなど、他の駆動方式を用いることも可能である。
送給された記録媒体Pは、給紙ローラとピンチローラとに挟持搬送されて、プラテン4上の記録位置(記録ヘッドの走査領域)に導かれる。通常休止状態では記録ヘッドのフェイス面にはキャッピングが施されているため、記録に先立ってキャップを開放して記録ヘッドないしキャリッジユニット2を走査可能状態にする。その後、1走査分のデータがバッファに蓄積されたらキャッリッジモータによりキャリッジユニット2を走査させ、上述のように記録を行う。
また、記録装置内には後述するクリアエマルジョンインクを加熱して被膜化させるための加熱部(不図示)が設けられている。この加熱部は、記録ヘッドよりも鉛直方向上側に設けられ、上方から画像が記録された記録媒体を加熱する構成であっても良い。また、プラテン4の鉛直方向下側に加熱部が設けられており、下側から画像が記録された記録媒体を加熱する形態であっても良い。
ここで、本実施形態の記録装置では、記録ヘッドの複数回(n回)の走査で記録媒体P上の単位領域(1/nバンド)に対して画像を記録する、いわゆるマルチパス記録を行うことができる。このマルチパス記録については、後に詳細に説明する。
図2は本実施形態に係る記録ヘッド9を示している。記録ヘッド9は、色材を含有するインクとしてブラックインク(K)を吐出する吐出口列(K)、シアンインク(C)を吐出する吐出口列22C、マゼンタインク(M)を吐出する吐出口列22M、イエローインク(Y)を吐出する吐出口列22Yを備えている。これらのブラックインク(K)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)はそれぞれ色材として顔料を含有しているため、以降の説明では簡単のためこれらのインクを顔料インクとも称する。
また、記録ヘッド9は、色材を含有しない反応液(RCT)を吐出する吐出口列22RCTを備えている。この反応液は、色材を含有するインクと接触することによる画像品位の向上、詳細にはブリーディング、光沢性、粒状感の少なくとも1つの品位を向上させるための液体である。
更に、記録ヘッド9は色材を含有せず、樹脂エマルジョンを含有するクリアエマルジョンインク(Em)を吐出する吐出口列22Emを備えている。このクリアエマルジョンインクは、記録媒体上に付与された後に加熱されることにより膜を形成し、画像の耐擦過性、耐水性、対光性の少なくとも1つを向上させるための液体である。
記録ヘッド9には、これらの吐出口列がX方向左側から右側に吐出口列22K、22C、22M、22Y、22Em、22RCTの順で並んで配置されている。これらの吐出口列22K、22C、22M、22Y、22Em、22RCTは、それぞれのインクを吐出する1280個の吐出口30が1200dpiの密度でY方向(配列方向)に配列されることで構成されている。なお、本実施形態における一つの吐出口30から一度に吐出されるインクの吐出量は約4.5plである。
これらの吐出口列22K、22C、22M、22Y、22Em、22RCTは、それぞれ対応するインクを貯蔵する不図示のインクタンクに接続され、インクの供給が行われる。なお、本実施形態にて用いる記録ヘッド9とインクタンクは一体的に構成されるものでも良いし、それぞれが分離可能な構成のものでも良い。
なお、ブラックインク(K)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)、クリアエマルジョンインク(Em)、反応液(RCT)それぞれの詳細な組成については後述する。
図3は、本実施形態における記録装置100内の制御系の概略構成を示すブロック図である。主制御部300は、演算、選択、判別、制御などの処理動作、記録動作を実行するCPU301と、CPU301によって実行すべき制御プログラム等を格納するROM302と、記録データのバッファ等として用いられるRAM303を備えている。また入出力ポート304等を備えている。メモリ313には、後述するマスクパターン等が格納されている。そして、入出力ポート304には、搬送モータ(LFモータ)309、キャリッジモータ(CRモータ)310、記録ヘッド9及び切断ユニットにおけるアクチュエータなどの各駆動回路305、306、307が接続されている。さらに、主制御部300はインターフェイス回路311を介してホストコンピュータであるPC312に接続されている。
(データ処理過程)
図4は本実施形態における制御プログラムにしたがってCPU301が実行する記録データ生成処理のフローチャートである。
まず、ステップS1にてホストコンピュータであるPC312から記録装置100に入力されたレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)各色8ビット256値の情報(0〜255)によって表される画像データ(輝度データ)を取得する。
次に、ステップS2では、R、G、Bで表される画像データを記録に用いる複数種類のインク(K、C、M、Y、Em、RCT)で表される多値データに変換する。この色変換処理により、複数の画素からなる画素群それぞれにおけるK、C、M、Y、Em、RCT各インクの階調を定める8ビット256値の情報(0〜255)によって表される多値データが生成される。
次に、ステップS3では、K、C、M、Y、Em、RCTで表される多値データの量子化を実行する。これにより、各画素に対するK、C、M、Y、Em、RCT各インクの吐出または非吐出を定める1ビット2値の情報(0、1)によって表される量子化データ(2値データ)を生成する。ここで、量子化処理としては誤差拡散法やディザ法、インデックス法など、種々の量子化方法にしたがって処理を行うことができる。
そして、ステップS4では、量子化データを記録ヘッドの単位領域に対する複数回の走査に分配する分配処理を行う。この分配処理により、記録媒体の単位領域に対する複数回の走査それぞれにおける各画素に対するK、C、M、Y、Em、RCT各インクの吐出または非吐出を定める1ビット2値の情報(0、1)によって表される記録データが生成される。この分配処理は、複数回の走査に対応し、各画素に対するインクの吐出の許容または非許容を定めるマスクパターンを用いて実行される。
本実施形態では、以上のようにして生成された記録データにしたがって記録ヘッドからのインクの吐出が行われる。
なお、ここではS1〜S4の処理のすべてを記録装置100内のCPU301が実行する形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、S1〜S4の処理のすべてをPC312が実行する形態であっても良い。また、例えば一部をPC312が、残りを記録装置100が実行する形態であっても良い。
(マルチパス記録方式)
本実施形態では、K、C、M、Y、Em、RCT各インクを用い、記録媒体上の単位領域に対して複数回走査して記録を行う、所謂マルチパス記録によって画像を記録する。ここで、本実施形態では、ステップS4においてK、C、M、Y、Em、RCT各インクに同じマスクパターンを適用して記録を行う。したがって、本実施形態では複数回の走査においてK、C、M、Y、Em、RCTの付与順序は特に限定しない。なお、本実施形態では単位領域に対して6回の走査を行って記録を完了させる。
図5は本実施形態で行うマルチパス記録方式を説明するための図である。本実施形態では、各吐出口列22をY方向に分割して構成される6つの吐出口群A1〜A6それぞれから、単位領域に対する6回の走査それぞれにおいてインクを吐出する。なお、実際には記録ヘッド9の走査間に記録媒体3をY方向下流側に搬送するが、図5では簡単のため、走査間に記録ヘッド9をY方向上流側に移動させるようにして記載する。
まず、1回目の走査(1走査目)では、記録媒体3上の単位領域80と吐出口列22内の吐出口群A1が対向する位置関係において記録ヘッド9を走査する。そして走査しながらステップS4で生成された1回目の走査に対応する各種類のインクに対応する記録データにしたがって単位領域80に対して吐出口群A1からインクを吐出する。この1走査目が終了した後、記録媒体をY方向に1つの吐出口群に対応する距離だけ搬送する。その後、2回目の走査(2走査目)が行われ、単位領域80に対して吐出口群A2からインクを吐出する。以降、記録媒体の搬送と記録ヘッドからの吐出を交互に行い、単位領域80に対する3〜6回目の走査における吐出口群A3〜A6からの吐出を実行する。このようにして、単位領域80に対するマルチパス記録が完了する。
図6は本実施形態で用いるマスクパターンを示す図である。ここで、図6に示すマスクパターンのうち、黒く塗りつぶされた画素が量子化データによってインクの吐出が定められている場合にインクの吐出を許可する画素(以下、記録許容画素とも称する)である。白抜けで示された画素が量子化データによってインクの吐出が定められている場合であってもインクの吐出を許容しない画素(以下、非記録許容画素とも称する)を示している。また、図6にはそれぞれ4画素×8画素のサイズを有するマスクパターンを示しており、これらのマスクパターンをX方向およびY方向に繰り返し適用することで各単位領域に対応する量子化データのすべてについて分配処理が行われる。
図6に示す6個のマスクパターンそれぞれに存在する画素の数は4画素×8画素=32画素であり、6個のマスクパターン内の記録許容の合計は48画素である。マスクパターン内の画素数に対する記録許容画素の数の比率を記録許容率と称すると、図6に示すマスクパターンの合計の記録許容率は150(=48/32×100)%となる。
ここで、各走査に対応するマスクパターンをみると、1回目の走査(吐出口群A1)に対応するマスクパターンと、6回目の走査(吐出口群A6)に対応するマスクパターンでは、それぞれ6個の記録許容画素が配置されている。したがって、1、6回目の走査に対応するマスクパターンの記録許容率は約20%(=6/32×100)となる。
また、2回目の走査(吐出口群A2)に対応するマスクパターンと、5回目の走査(吐出口群A5)に対応するマスクパターンでは、それぞれ8個の記録許容画素が配置されている。したがって、2、5回目の走査に対応するマスクパターンの記録許容率は約25%(=8/32×100)となる。
そして、3回目の走査(吐出口群A3)に対応するマスクパターンと、4回目の走査(吐出口群A4)に対応するマスクパターンでは、それぞれ10個の記録許容画素が配置されている。したがって、3、4回目の走査に対応するマスクパターンの記録許容率は約30%(=10/32×100)となる。
上述したように、本実施形態では各インクに対応する量子化データに対して図6に示す同じマスクパターン群を適用する。そのため、複数回の走査におけるK、C、M、Y、Em、RCT各インクの付与順序は特に制御されず、ランダムな順序となる。
(インクの組成)
次に、本実施形態で用いるインクセットを構成する各インクの詳細について説明する。以下、「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り、質量基準である。
1.各インクの調製条件
本実施形態で用いる各インクは、反応液(RCT)に含有される反応性成分は多価金属塩であり、且つ、顔料インク(C、M、Y、K)に含有される水溶性樹脂の酸価が、樹脂エマルジョン(Em)インクに含有される樹脂Emの酸価よりも大きい。このように調製されている。
ここで、本明細書中の酸価(Acid Value)とは、樹脂1g中に存在する解離性官能基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数をあらわす。一般に酸価が大きいほど樹脂単位量当たりの解離性官能基数が多く、粒子の溶液中における分散安定性が高いといえる。
本実施形態で使用する反応液の反応性成分は、クリアエマルジョンインクに含有される樹脂エマルジョンの分散状態を保ち、且つ、顔料インクに含有される顔料の分散状態を破壊することができる量の多価金属塩であることが望ましい。
本実施形態では、樹脂分散の形態をとる樹脂エマルジョン及び顔料を用いている。より具体的には、顔料、樹脂エマルジョンそれぞれの表面には、解離性官能基を持つ水溶性樹脂が付着している。その上で、本実施形態では、顔料に付着する水溶性樹脂の解離性官能基と、樹脂エマルジョンに付着する水溶性樹脂の解離性官能基との間の酸価を以下のようにして調製する。なお、以下の記載においては、顔料に付着する水溶性樹脂の解離性官能基の酸価をPigAV、樹脂エマルジョンに付着する水溶性樹脂の解離性官能基の酸価をEmAVと称する。
本実施形態では、ブリーディングを低減するため、顔料インクに含有される顔料は反応液に含有される反応性成分と反応させる必要がある。
また、樹脂エマルジョンが反応性成分と反応することで顔料が不十分な反応となることを避けるため、樹脂エマルジョンは顔料インクに含有される顔料と比較して安定性が高い必要がある。
以上の点をまとめると、本実施形態で用いる各インクは、EmAV>PigAVという条件を満たしている必要がある。これにより、各インクを付与して互いに接触した際に、顔料は析出し易く、且つ、樹脂エマルジョンは析出しにくくなるようにしている。
以上の点を鑑み、本実施形態では、反応性成分と顔料、樹脂エマルジョンそれぞれの水溶性樹脂のアニオン性基と、の組み合わせを選択している。
詳細には、まず反応性成分として多価金属塩、特に本実施形態ではメタンスルホン酸カルシウム(以下、MSA−Ca)を用いる。
このように、多価金属塩を用いた場合に、分散された粒子の分散形態を破壊する挙動としては「塩析」もしくは「凝析」が考えられる。
塩析とは、官能基などで水和させた微粒子の周りに、電解質の多価金属濃度が高くなることで水和状態が破壊され、粒子同士が凝集する現象である。言い換えると、水和している粒子を、多量の多価金属イオンにより水和状態を破壊し粒子を凝集させる、といえる。
また、凝析とは、粒子同士が静電反発により分散している状態に、少量でも電解質物質のイオンが電気的に引き付けられて、もとの分散状態が破壊され、粒子同士が凝集する現象である。言い換えると、静電反発している粒子を、少量の多価金属イオンで反発力を低下させ、粒子を凝集させる反応、といえる。
本実施形態では、顔料および樹脂エマルジョンは、解離性官能基で水和させた状態で分散安定化を図っている。したがって、それらの粒子の凝集メカニズムは塩析が起こっていると推察できる。
塩析においては、解離性官能基を用いた分散粒子を水和させる官能基の数によって分散安定性が決まる。つまり、価数の大きな粒子は分散安定性が高く、価数の小さな粒子は分散安定性が低い。したがって、本実施形態ではEmAV>PigAVとすることで光沢の制御を可能としている。
2.各インクの組成
以下、各インクの組成について詳細に説明する。
本実施形態で使用する顔料インク(C,M、Y、K)、反応液(RCT)、クリアエマルジョンインク(Em)は、いずれも水溶性有機溶剤を含有している。水溶性有機溶剤は記録ヘッド9のフェイス面の湿潤性、保湿性の理由から、沸点が150℃以上300℃以下のものが好ましい。また、樹脂微粒子に対する造膜助剤の機能と樹脂の層が形成された記録媒体への膨潤溶解性の観点から、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系化合物、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコール誘導体が特に好ましい。N−メチル−ピロリドン、2−ピロリドンに代表されるラクタム構造を有する複素環化合物なども特に好ましい。吐出性能の観点から、水溶性有機溶剤の含有量は3wt%以上、30wt%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤とは、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数1乃至4のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類。アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類。エチレングリコール。又は、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が2乃至6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの低級アルキルエーテルアセテート。グリセリン。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類。トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。上記の如き水溶性有機溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用することができる。また、水としては脱イオン水を使用することが望ましい。なお、反応液(RCT)の水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されない。しかし、顔料インク(C、M、Y、K)とクリアエマルジョンインク(Em)は、必要に応じて所望の物性値を持たせるために、上記の成分のほかに、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤などを適宜に添加することができる。
また、本実施形態で使用する顔料インク(C,M、Y、K)、反応液(RCT)、クリアエマルジョンインク(Em)は、いずれも界面活性剤を含有している。界面活性剤は、インクジェット専用の記録媒体に対するインクの浸透性を向上させる目的のために、浸透剤として使用される。界面活性剤の添加量が多いほどインクの表面張力を低下させる性質が強くなり、記録媒体に対するインクの濡れ性と浸透性が向上する。本実施形態では、界面活性剤としてアセチレングリコールEO付加物などを少量添加し、各インクの表面張力が30dyn/cm以下となり、さらにインク間の表面張力の差は2dyn/cm以内となるように調整した。より詳細には、いずれのインクも表面張力が約28〜30dyn/cmに揃えた。表面張力の測定は、全自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学株式会社製)を使用した。なお、インクの表面張力を測定できるのであれば、測定器は上記例示したものに限定されるものではない。
また、本実施形態の各インクのpHはいずれもアルカリ側で安定しており、その値は8.5〜9.5となっている。記録装置や記録ヘッド内の各インクと接触する部材の溶出や劣化、インク内の分散樹脂の溶解性の低下などを防止する観点から、各インクのpHは7.0以上10.0以下であることが好ましい。pHの測定は、株式会社堀場製作所製のpH METER型式F−52を使用した。なお、インクのpHを測定できるものであれば、測定器は上記例示したものに限定されるものではない。
2−1.顔料インク
以下簡単のため、本実施形態で用いるブラックインク(K)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)のうち、シアンインク(C)とマゼンタインク(M)について詳細に説明する。
2−1−1.マゼンタインク
・分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸とを原料として、常法により、酸価300、数平均分子量2500のAB型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%ポリマー水溶液を作製した。
上記ポリマー溶液を100g、C.I.ピグメントレッド122を100gおよびイオン交換水を300gと混合し、機械的に0.5時間撹拌した。
次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とした。得られたマゼンタ分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が5質量%であった。
・インクの作製
インクの作製は、上記マゼンタ分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にする。そして、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム株式会社製)にて加圧濾過し、顔料濃度4質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調製した。
上記マゼンタ分散液 40部
2−ピロリドン 5部
2−メチル1,3プロパンジオール 15部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル株式会社製)イオン交換水 残部
2−1−2.シアンインク
・分散液の作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸とを原料として、常法により、酸価250、数平均分子量3000のAB型ブロックポリマーを作り、更に、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%ポリマー水溶液を作製した。
上記のポリマー溶液を180g、C.I.ピグメントブルー15:3を100gおよびイオン交換水を220gと混合し、機械的に0.5時間撹拌した。
次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理した。
更に、上記で得た分散液を遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とした。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が10質量%であった。
・インクの作製
インクの作製は、上記シアン分散液を使用し、これに以下の成分を加えて所定の濃度にする。そして、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム株式会社製)にて加圧濾過し、顔料濃度2質量%、分散剤濃度2質量%の顔料インクを調製した。
上記シアン分散液 20部
2−ピロリドン 5部
2−メチル1,3プロパンジオール 15部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル株式会社製)イオン交換水 残部
2−2.反応液
本実施形態で使用する反応液は、インクに含まれる顔料と反応し、該顔料を凝集又はゲル化させる反応性成分を含有する。この反応性成分とは、具体的には、イオン性基の作用によって水性媒体中に安定に分散又は溶解されている顔料を有するインクと記録媒体上などで混合された場合に、該インクの分散安定性を破壊することができる成分である。詳細には、上述したように本実施形態ではMSA−Caを用いる。
なお、必ずしもMSA−Caを用いる必要はなく、本実施形態では、水溶性であれば種々の多価金属塩を反応液の反応性成分として用いることができる。多価金属塩の具体例としては、無機塩(硝酸塩カルシウム、塩化マグネシウムなど)や有機塩(酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸マグネシウムなど)などがある。多価金属塩の含有量は、反応液に含まれる組成物の全質量を基準として、0.1質量%以上90.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上70.0質量%以下であることがより好ましい。
・インクの作製
本実施形態では、上述のように、有機酸としてグルタル酸(和光純薬工業株式会社製)を使用し、下記の成分を混合して反応液1を作製した。
MSA−Ca 3部
2−ピロリドン 5部
2−メチル1,3プロパンジオール 15部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル株式会社製)イオン交換水 残部
2−3.クリアエマルジョンインク
本実施形態で用いるクリアエマルジョンインクは、色材を含有せず、樹脂エマルジョンを含有する。
本実施形態において「樹脂エマルジョン」とは、水中に分散している状態で存在するポリマー微粒子を意味する。具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸アルキルアミドなどのモノマーを乳化重合するなどして合成したアクリル樹脂微粒子が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸アルキルアミドなどとスチレンのモノマーを乳化重合するなどして合成したスチレン−アクリル樹脂微粒子も挙げられる。ポリエチレン樹脂微粒子、ポリプロピレン樹脂微粒子、ポリウレタン樹脂微粒子、スチレン−ブタジエン樹脂微粒子なども挙げられる。また、樹脂微粒子を構成するコア部とシェル部でポリマーの組成が異なるコアシェル型樹脂微粒子や、粒径を制御するために予め合成したアクリル系微粒子をシード粒子とし、その周辺で乳化重合することにより得られる樹脂微粒子などでもよい。更には、アクリル樹脂微粒子とウレタン樹脂微粒子など異なる樹脂微粒子を化学的に結合させたハイブリッド型樹脂微粒子などでもよい。
また、「水中に分散している状態で存在するポリマー微粒子」とは、解離性基を有するモノマーを単独重合または複数種を共重合させて得られる樹脂微粒子の形態、いわゆる自己分散型樹脂微粒子分散体でもよい。ここで解離性基としては、上述のようにスルホン酸基を有している。この解離性基を有するモノマーとしてはアクリル酸やメタクリル酸等が挙げられる。
なお、上述のEmAV>PigAVの条件を満たしていれば解離性基は必ずしもカルボン酸基でなくともよく、例えば、リン酸基、スルホン酸基なども好適に用いることができる。上記条件を満たすように、モノマー濃度を変え、解離性基濃度を制御すればよい。
樹脂微粒子を構成する樹脂成分は、解離性基を含む樹脂であれば特に限定されず、一般的に用いられるあらゆる天然又は合成高分子、或いは本発明のために新規に開発された高分子等、いかなる樹脂成分であっても制限なく使用できる。特に、一般的に使用でき、樹脂微粒子の機能設計を簡便に行える観点から、アクリル樹脂やスチレン/アクリル樹脂が類される、ラジカル重合性不飽和結合を有する単量体成分の重合体或いは共重合体を使用できる。
本実施形態で用いられるスルホン酸基を有する親水性ラジカル重合性不飽和単量体(以下、モノマーと記す)としては以下が挙げられる。例えば、スチレンスルホン酸、スルホン酸−2−プロピルアクリルアミド、アクリル酸−2−スルホン酸エチル、メタクリル酸−2−スルホン酸エチル、ブチルアクリルアミドスルホン酸とそれらの塩等が挙げられる。
又、親水性モノマーとして、スルホン酸基を有する上記モノマーの他に、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマール酸等の如きカルボキシル基を有するモノマー及びこれらの塩が挙げられる。メタクリル酸−2−ホスホン酸エチル、アクリル酸−2−ホスホン酸エチル等の如きホスホン酸基を有するモノマー等をあわせて用いてもよい。
又、疎水性モノマーと分類されるモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチルが挙げられる。メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸トリデシルも挙げられる。メタクリル酸ベンジル等の如き(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の如きスチレン系モノマーも挙げられる。イタコン酸ベンジル等の如きイタコン酸エステル;マレイン酸ジメチル等の如きマレイン酸エステル;フマール酸ジメチル等の如きフマール酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等も挙げられる。この他、公知又は新規の各種オリゴマー、マクロモノマー等についても制限なく使用できる。
本発明にかかる製造方法で用いられるラジカル重合性モノマーは、水系析出重合を経てスルホン酸基を有する樹脂微粒子を構成する成分であるので、得たい樹脂微粒子の特性によって適宜に選択すればよい。本実施形態においても、従来から公知であるラジカル重合性モノマー、又は本発明のために新規に開発されたラジカル重合性モノマーのいかなるものでも使用できる。
本実施形態においては特に、スルホン酸基を有する樹脂微粒子を、上述したうち、少なくとも1種類のスルホン酸を有する親水性モノマーと、少なくとも1種類の疎水性モノマーとを含むモノマー成分の共重合体からなる構成とすると好ましい。これは、分散安定性と好適な印字特性を有する水性インクジェット記録用インクを得る点で好ましい。即ち、樹脂微粒子を作製する際に、例えば、使用する重合開始剤の種類や濃度、構成するモノマーの種類や共重合比率等の多くの制御因子によって、樹脂微粒子の種々の特性等を、適宜に制御することが可能である。
ラジカル重合反応条件は、使用する重合開始剤及び分散剤、モノマーの性質によっても異なるが、例えば、反応温度は100℃以下とし、好ましくは40℃以上80℃以下の範囲である。又、反応時間は、1時間以上、好ましくは6時間以上30時間以下である。反応中の撹拌速度は、50rpm以上500rpm以下、好ましくは150rpm以上400rpm以下とするのが望ましい。
前述した工程において、特に少なくとも1種類の疎水性モノマーと、少なくともスルホン酸基を含む親水性モノマーとを重合させてスルホン酸基を有する樹脂微粒子を得る際には、好ましくは前記モノマー成分を、水性ラジカル重合開始剤を含んだ水分散体中に滴下することが望ましい。疎水性モノマーと親水性モノマーのように性質の異なるモノマーの混合物から、所望のスルホン酸基を有する樹脂微粒子を均一に得るためには、前記性質の異なるモノマーの共重合比率を常に一定に保つことが望ましい。前記モノマーの混合物を一定時間内に重合反応で消費されるモノマー量に比して過剰に重合系内に添加した場合、特定のモノマー種のみが先行して重合し、残りのモノマーは先行で重合したモノマーが消費されてから重合する傾向がある。この場合生成するスルホン酸基を有する樹脂微粒子の性質に大きな不均一が生じる。
親水性モノマー成分の含有量の大きい樹脂成分に至っては、その高い親水性によって析出できず、スルホン酸基を有する樹脂微粒子を形成できずに水溶性樹脂成分として系内に残存してしまう場合がある。前記した樹脂微粒子の合成方法は公知である樹脂微粒子の一般的な合成方法によって実施され得る。
本実施形態では、先ず、分散剤として機能する水溶性樹脂にて不溶性樹脂微粒子を分散することによって水分散体とする。この工程により得られた樹脂微粒子は、スルホン酸基を有する樹脂微粒子であり、単独での分散安定性に優れている。以降、上記製造方法における好ましい実施形態を詳しく述べる。
・インクの作製
本実施形態において、具体的な樹脂微粒子の分散方法について説明する。
まず、窒素雰囲気下、70℃に加熱した状態で、モーターで撹拌しながら下記3つの添加液を少しずつ滴下して加え、5時間重合を行った。各添加液は、メタクリル酸メチル28.5部からならなる疎水性モノマー、p−スチレンスルホン酸ナトリウム4.3部と水30部からなる親水性モノマーを含む混合液、過硫酸カリウム0.05部と水30部からなる重合開始剤を含む混合液である。
得られた樹脂微粒子が、インク中に10%になるように、下記成分を混合し、さらに、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム株式会社製)にて加圧濾過し、クリアエマルジョンインクとした。なお、本発明のクリアエマルジョンインクにおける酸価は、100となるように調整した。
樹脂微粒子 10部
2−ピロリドン 5部
2−メチル1,3プロパンジオール 15部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル株式会社製)イオン交換水 残部
本発明における上記作成したインクは、それぞれ解離性基を含む樹脂濃度を調整することで酸価を調整することが可能である。さらに、その酸価は、以下の方法を用いて測定することができる。
顔料インクまたはクリアエマルジョンインク10gを量り採り、純水を加えて100mLにする。これに、数滴のフェノールフタレイン試薬を指示薬として加え、30秒間持続する淡紅色を呈するまで、0.1mol/L水酸化カリウム溶液で滴定する。酸価は、滴定に要した水酸化カリウム溶液の液量から、以下の式により算出する。
(酸価)=(0.1mol/L水酸化カリウム溶液量:mL)× 56.1
上記計算式により、それぞれのインク酸価を算出し、本発明における顔料インク酸価及びクリアエマルジョンインクの酸価とした。なお、計算における小数点以下は切り捨て、整数で、かつ、一の位は四捨五入した値を本発明では用いた。
上記方法により算出した酸価は、それぞれ以下の数値となるよう調整した。
顔料インク酸価:80
EM液1酸価:100
3.比較形態の作製
以下比較形態として、2種類の樹脂エマルジョン液(EM液2)を作製した。
EM液1では、上述のように酸価を100に調整したが、EM液2では酸価を50となるように調整した。そして、下記の成分を混合してEM液2を作製した。
(EM液2)
樹脂微粒子 10部
2−ピロリドン 5部
2−メチル1,3プロパンジオール 15部
アセチレングリコールEO付加物 0.5部
(川研ファインケミカル株式会社製)イオン交換水 残部
EM液2酸価:50
4.各インクの反応性
上述したように、本実施形態で用いる各インクは、顔料は反応液の反応性成分と反応し、樹脂エマルジョンは反応性成分と反応しにくいように調製されている。
以下、各インクの反応性を評価するための実験の結果を記載する。
上述した反応液1、2、3それぞれを純水で100倍に希釈し、希釈後の液体を5g入れた内径10mmの容器に対して上述した顔料、樹脂エマルジョンそれぞれの3%水溶液を0.25g滴下した。そして、60分間静置した後、上記容器底面から気液面までの高さに対する沈殿物の容器底面からの高さの割合を算出した。上記方法によって得られた算出値が高い程、反応液中の反応性成分と顔料との反応性が高いことを意味する。本実施形態においては、上記のようにして得られた算出値を、顔料、樹脂微粒子の反応液に対する凝析値(単に「顔料の凝析値」、「樹脂エマルジョンの凝析値」)と表現する。顔料、樹脂微粒子の凝析値を求めた結果、凝析値が0.1よりも小さい場合には反応している様子が見られなかった。そこで、本実施形態では、凝析値が0.1よりも小さい場合を「反応性がない」、凝析値が0.1よりも大きい場合を「反応性がある」として評価した。
(表1)に凝析値を算出した結果得られた、顔料、樹脂エマルジョンそれぞれが各反応液に対して反応性があるか否かの判定結果を示す。(表1)には「反応性がある」場合には○を、「反応性がない」場合には×をそれぞれ示している。
Figure 2021183385
比較例であるEM液2を用いた場合、(表1)からわかるように、顔料のみならず樹脂エマルジョンも反応してしまっている。一方、EM液1を用いた場合には、顔料は反応し、且つ、樹脂エマルジョンは反応していない。
上述した各インクを用い、記録を行った際の光沢性を評価するための実験の結果を記載する。
(表2)に上述したマゼンタインク、反応液、EM液1及びEM液2を用いて、光沢性を有する非吸収記録媒体であるグロス系塩ビ(KSM−VS2グロス 170μm/株式会社きもと製)に記録した結果を示す。ここでは、顔料インクをそれぞれ100%Duty、反応液を20%Duty、EM液を50%Duty吐出し、そのときのブリーディング、光沢性を目視により評価した。なお、ある領域内に含まれる1200dpi単位の画素のうちのすべての画素に1回ずつインクを吐出した場合を100%Dutyであるとして記載する。
なお、「光沢性」は、JIS K 5600−4−7に定められた方法に準じて測定される光沢度により評価した。簡易には、目視評価により記録面と記録媒体が同程度の光沢性を示す場合を「高」、印字面(記録面)の光沢性が下がるものを「低」とすることで評価を行った。
また、「ブリーディング」は、異なる色の顔料を用いた2種類の水性カラーインクを記録媒体上に吐出し、隣接する画像の境界部分の滲みの程度で定量的に評価した。詳細には、目視により異なる色の顔料を用いたインク同士の滲み具合を記録面から30cm離れた状態で観察し、滲みが認識できる場合を「低」とし、できない場合を「高」とした。なお、パーソナル画像品質評価システムPersonal IAS(Quality Engineering Associate,Inc製)(ISO13660準拠)を用いて、ブリーディングの程度を評価するためのブリード長Lを数値化しても良い。
Figure 2021183385
(表2)からわかるように、EM液2を用いた場合には光沢性が低下してしまっている。これは、樹脂エマルジョンが反応性成分に対して凝集しやすいため、反応して凝集が生じ、その結果画像表面を被覆できていないためであると考えられる。
一方で、EM液1を用いた場合、上述のようにPigpAV<EmAVを満足しているため、顔料は析出し易く、樹脂エマルジョンが析出しにくい。このように凝集性をコントロールすることで、ブリーディングを低減し、且つ、光沢性の低下も抑制することが可能となる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、K、C、M、Y、Em、RCT各インクに同じマスクパターン群を用い、それらのインクの付与順序を特に限定せず、ランダムな順序とする形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、顔料インク、反応液、クリアエマルジョンインクに対して互いに異なるマスクパターン群を適用し、単位領域に対する各インクの付与順序を限定して記録を行う形態について記載する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本実施形態では、単位領域に対し、16回の走査の走査で記録を完了する。
図7は本実施形態で適用するマスクパターンを示す模式図である。なお、図7(a)、(b)、(c)、(d)はシアンインクの吐出口列22C、マゼンタインクの吐出口列22M、反応液の吐出口列22RCT、クリアエマルジョンインクの吐出口列22Emのそれぞれに対応する量子化データに適用するマスクパターン群を示している。
図7(a)からわかるように、1〜16回目の走査に対応するシアンインクの吐出口列22C内の吐出口群B1〜B16は、中間の5〜12回目の走査に対応する吐出口群B5〜B12に対応するマスクパターンにのみ記録許容画素が配置されている。そして、最初の1〜4回目の走査に対応する吐出口群B1〜B4、最後の13〜16回目の走査に対応する吐出口群B13〜B16には記録許容画素が配置されていない。したがって、本実施形態では、シアンインクは16回の走査のうちの5〜12回目の走査のみで吐出されることになる。
マゼンタインクの吐出口列22Mについても同様である。図7(b)に示すように、1〜16回目の走査に対応する吐出口群C1〜C16のうち、中間の5〜12回目の走査に対応する吐出口群C5〜C12に対応するマスクパターンにのみ記録許容画素が配置されている。したがって、マゼンタインクについても、16回の走査のうちの5〜12回目の走査のみで吐出されることになる。
一方、反応液の吐出口列22RCTについては、1〜16回目の走査に対応する吐出口群D1〜D16のうち、最初の1〜6回目の走査に対応する吐出口群D1〜D6に対応するマスクパターンにおいて記録許容画素が配置されている。そして、それ以外の7〜16回目の走査に対応する吐出口群D7〜D16に対応するマスクパターンでは、記録許容画素が配置されていない。したがって、反応液は、16回の走査のうちの1〜6回目の走査のみで吐出される。
そして、クリアエマルジョンインクの吐出口列22Emについては、1〜16回目の走査に対応する吐出口群E1〜E16のうち、最後の走査に対応する吐出口群E11〜E16に対応するマスクパターンにおいて記録許容画素が配置されている。それ以外の1〜10回目の走査に対応する吐出口群E1〜E10に対応するマスクパターンでは記録許容画素は配置されていない。したがって、クリアエマルジョンインクは16回の走査のうちの11〜16回目の走査のみで吐出され、10回目の走査以前の走査では吐出されないことになる。
以上をまとめると、本実施形態では、最初の走査で反応液が、次の走査で顔料インク(シアンインク、マゼンタインク)が、最後の走査でクリアエマルジョンインクが吐出される。
詳細には、まず1〜4回目の走査で反応液のみが吐出される。5、6回目の走査では、反応液とともに顔料インクが吐出される。7〜10回目の走査では顔料インクのみが吐出される。11、12回目の走査では顔料インクとともにクリアエマルジョンインクが吐出される。そして、13〜16回目の走査ではクリアエマルジョンインクのみが吐出されることになる。
本実施形態では、反応液がある程度記録媒体上に付与された後、顔料インクを付与している。そのため、顔料インクは記録媒体に付与されるやいなや直後から反応液に接触するので、顔料の凝集がすぐに始まることになる。この結果、顔料インクのブリーディングを好適に低減することができる。
一方、クリアエマルジョンインクは反応液が付与されてから時間(7〜10走査目)が経った後に記録媒体上に付与される。そのため、クリアエマルジョンインクが付与される際には反応液は既に反応性を失っており、クリアエマルジョンインクが凝集することはない。
更に、クリアエマルジョンインクは顔料インクよりも後に記録媒体上に付与される。そのため、顔料インクを付与した段階で画像表面の凹凸が大きくなったとしても、クリアエマルジョンインクを最後に付与することで画像の表層を樹脂エマルジョンでオーバーコートし、光沢性を改善することができる。
以上記載したように、第1の実施形態で記載した各インクを用い、複数回の走査のうちの最初の走査で反応液を、中間の走査で顔料インクを、最後の走査でクリアエマルジョンインクを順番に吐出する。これにより、第1の実施形態よりもブリーディングの低減と光沢性の向上の効果をより顕著に得ることが可能となる。
なお、ここでは5、6回目の走査で反応液と顔料インクが、11、12回目の走査で顔料インクとクリアエマルジョンインクがともに付与される形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。
図8(a)は他の形態において反応液の吐出口列22RCTに適用するマスクパターンを、図8(b)は他の形態においてクリアエマルジョンインクの吐出口列22Emに適用するマスクパターンをそれぞれ示している。また、顔料インクについては、図7(a)、(b)に示すマスクパターンを用いる。
図7(a)、(b)、図8(a)、(b)に示す各マスクパターンを用いる場合、1〜4回目の走査では反応液のみを、5〜12回目の走査では顔料インクのみを、13〜16回目の走査ではクリアエマルジョンインクのみを吐出することになる。このような形態であっても、ブリーディングの低減と光沢性の向上の効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
なお、一般に反応液中の反応性成分濃度が大きいほど反応速度は大きくなる。本件発明における酸価が大きいことによる反応性の低下は、反応速度の低下と考えることができる。したがって、顔料は反応性成分と反応させる必要があるため、顔料の水溶性樹脂が持つ解離性基のAVと、EM液のAVの差分は大きい方が好ましい。具体的には、顔料のAVとEM液のAVの差分が10以上であることが好ましく、より好適には20以上であることがよい。
また、各実施形態における反応液とクリアエマルジョンインクは、色材を全く含有しないような形態について記載したが、画質に影響を与えない範囲であれば、多少色材を含有していても良い。なお、本明細書においては、画質に影響を与えない範囲で僅かながら色材を含有する場合も「色材を含有しない」という表現に含まれるものとする。
また、各実施形態には記録装置、および記録装置を用いた記録方法について記載したが、各実施形態に記載の記録方法を行うためのデータを生成する画像処理装置または画像処理方法にも適用できる。また、各実施形態に記載の記録方法を行うためのプログラムを記録装置と別体に用意する形態にも適用できる。
また、本発明はサーマルジェット型のインクジェット記録装置の他、例えば圧電素子を利用してインクの吐出を行ういわゆるピエゾ型のインクジェット記録装置等、様々な画像記録装置に対して有効に適用できる。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも含む。
9 記録ヘッド
301 CPU
302 ROM

Claims (12)

  1. 互いに種類が異なる第1、第2、第3の種類のインクからなるインクセットであって、
    前記第1の種類のインクは、色材として顔料と、解離性基を有する水溶性樹脂と、を含有し、
    前記第2の種類のインクは、色材を含有せず、且つ、前記第1の種類のインクと反応する反応性成分として、多価金属塩を含有し、
    前記第3の種類のインクは、色材を含有せず、且つ、解離性基を有し、かつ、加熱により被膜化する性質を有することを特徴とする樹脂エマルジョンと、を含有し、
    前記第1の種類のインクの酸価は、前記第3の種類のインクの酸価よりも小さいことを特徴とするインクセット。
  2. 前記第2の種類のインクに含有される前記反応性成分の多価金属塩は、メタンスルホン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第2の種類のインクに対する前記第1の種類のインクに含有される前記顔料の凝集性は、前記第2の種類のインクに対する前記第3の種類のインクに含有される前記樹脂エマルジョンの凝集性よりも高いことを特徴とする請求項1または2に記載のインクセット。
  4. 前記第2の種類のインクに対する前記第1の種類のインクに含有される前記顔料の凝析値は0.1よりも大きく、
    前記第2の種類のインクに対する前記第3の種類のインクに含有される前記樹脂エマルジョンの凝析値は0.1よりも小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記第1の種類のインクの酸価と、前記第3の種類のインクの酸価との差分は、20以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のインクセットを含む前記第1、第2、第3の種類のインクを吐出するための記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドからの記録媒体上に対するインクの吐出を制御する制御手段と、を有することを特徴とする記録装置。
  7. 前記制御手段は、記録媒体上の単位領域に対して前記記録ヘッドを複数回走査して記録を行うように、記録動作を制御することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記制御手段は、前記第2の種類のインクが前記第1の種類のインクに比べて前記複数回の走査のうちの先の走査で吐出される比率が多くなるように、記録動作を制御することを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記制御手段は、前記複数回の走査のうちの第1の走査以前の走査では前記第1の種類のインクを吐出せず、前記第1の走査よりも後の走査では前記第2の種類のインクを吐出しないように、記録動作を制御することを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
  10. 前記制御手段は、前記第3の種類のインクが前記第1の種類のインクに比べて前記複数回の走査のうちの後の走査で吐出される比率が多くなるように、記録動作を制御することを特徴とする請求項8または9に記載の記録装置。
  11. 前記制御手段は、前記複数回の走査のうちの第2の走査以前では前記第3の種類のインクを吐出せず、前記第2の走査よりも後の走査では前記第1の種類のインクを吐出しないように、記録動作を制御することを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
  12. 互いに種類が異なる第1、第2、第3の種類のインクからなるインクセットであって、
    前記第1の種類のインクは、色材として顔料と、解離性基を有する水溶性樹脂と、を含有し、
    前記第2の種類のインクは、色材を含有せず、且つ、前記第1の種類のインクと反応する反応性成分を含有し、
    前記第3の種類のインクは、色材を含有せず、且つ、解離性基を有する樹脂エマルジョンと、を含有し、
    前記第2の種類のインクに含有される前記反応性成分と前記第1の種類のインクに含有される前記水溶性樹脂の前記解離性基の反応性は、前記第2の種類のインクに含有される前記反応性成分と前記第3の種類のインクに含有される前記樹脂エマルジョンの前記解離性基の反応性よりも高いことを特徴とするインクセット。
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