JP2021182841A - ノイズフィルタ、電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズを十分に抑制可能なノイズフィルタを提供する。【解決手段】電流に重畳されたノイズを抑制するノイズフィルタ1は、電流が流れる複数のバスバ12と、複数のバスバ12を支持するバスバ支持部14と、複数のバスバ12とバスバ支持部14の間にそれぞれ配置された絶縁層15とを備える。バスバ支持部14は導電体であり、バスバ12はバスバ支持部14に埋め込まれた埋込部125を有し、埋込部125は、バスバ支持部14と電気的に絶縁されている。【選択図】図2

Description

本発明は、電流に重畳されたノイズを抑制するノイズフィルタおよびこれを用いた電力変換装置に関する。
本発明に関する背景技術として、特許文献1が知られている。特許文献1には、コア部材と、互いに主面が対向した状態でコア部材をそれぞれ貫通する正極側導体および負極側導体と、これらを収納するベースとを備え、正極側導体および負極側導体がベースに絶縁部材を介して配置されている電力変換装置のノイズフィルタ回路が開示されている。
国際公開第2019/064833号
特許文献1の技術では、ノイズ抑制に伴うコア部材の発熱を十分に放熱させることが困難であり、フィルタ性能を維持するためには、コア部材に印加されるノイズレベルを一定値以下に制限する必要がある。したがって、ノイズの抑制に関して改善の余地がある。
本発明によるノイズフィルタは、電流に重畳されたノイズを抑制するものであって、前記電流が流れる複数のバスバと、前記複数のバスバを支持するバスバ支持部と、前記複数のバスバと前記バスバ支持部の間にそれぞれ配置された絶縁層と、を備え、前記バスバ支持部は、導電体であり、前記バスバは、前記バスバ支持部に埋め込まれた埋込部を有し、前記埋込部は、前記バスバ支持部と電気的に絶縁されている。
本発明による電力変換装置は、ノイズフィルタと、パワーモジュールと、直流電力を平滑化する平滑キャパシタと、前記パワーモジュールを制御する制御部と、を備える。
本発明によれば、ノイズを十分に抑制可能なノイズフィルタおよびそれを用いた電力変換装置を提供することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタの外観斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタの断面図である。 コモンモードノイズ電流が流れる電流経路の説明図である。 比較例に係るノイズフィルタの外観斜視図である。 比較例に係るノイズフィルタによるコモンモードノイズ電流の低減効果の説明図である。 比較例に係るノイズフィルタにおけるコモンモードノイズ電流の計算結果の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタによるコモンモードノイズ電流の低減効果の説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタにおけるコモンモードノイズ電流の計算結果の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタの容量値とスイッチング損失の関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るノイズフィルタの外観斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るノイズフィルタの断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るノイズフィルタによるコモンモードノイズ電流の低減効果の説明図である。 本発明の変形例に係るノイズフィルタの断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るノイズフィルタの構成図である。 本発明の第4の実施形態に係るノイズフィルタの構成図である。 本発明の第6の実施形態に係る電力変換装置を含むモータ駆動システムの構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタの構造について、図1、図2を参照して以下に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタの外観斜視図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタの断面図である。
図1に示すように、本実施形態のノイズフィルタ1は、磁性体コア11、複数のバスバ12、ベース部13およびバスバ支持部14を備えて構成される。各バスバ12は、板状の導電体、例えば銅等の金属を用いて構成され、磁性体コア11をそれぞれ貫通している。磁性体コア11は、磁石等の磁性体を用いて構成され、中心にバスバ12を貫通させるための貫通孔を有する。バスバ支持部14はベース部13の上に配置されており、各バスバ12を支持している。
なお、図1の例では3つのバスバ12を示しており、各バスバ12は三相交流モータのU相、V相、W相の各コイルと電気的にそれぞれ接続される。すなわち、ノイズフィルタ1の3つのバスバ12には、三相交流モータのU相電流、V相電流、W相電流がそれぞれ流れる。ノイズフィルタ1は、各バスバ12に流れるこれらの電流に重畳されたノイズを抑制するものである。ただし、バスバ12の数は3つに限定されない。ノイズフィルタ1がノイズの抑制対象とする電流の相数に応じて、任意数のバスバ12を設けることができる。
図2(a)は、図1に示したA−A’線におけるノイズフィルタ1の断面図であり、図2(b)は、図1に示したB−B’線におけるノイズフィルタ1の断面図である。図2に示すように、バスバ12は、一方の端部121と他方の端部124の間に、バスバ支持部14によって支持される被支持部122と、磁性体コア11を貫通する貫通部123とを有している。
被支持部122において、バスバ12の延在方向(図2(a)の左右方向)と直交する方向(図2(b)の左右方向)の両端には、バスバ12の延在方向に沿ってバスバ12を折り曲げることで形成された一対の埋込部125が設けられている。図2(b)に示すように、埋込部125はバスバ支持部14の表面側から内側に向かって、バスバ支持部14に埋め込まれている。
ベース部13およびバスバ支持部14は、導電体を用いてそれぞれ構成されており、電気的に接地されている。被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間には、絶縁層15が配置されている。これにより、被支持部122および埋込部125はバスバ支持部14と電気的に絶縁されており、被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間に寄生容量成分が形成されるようになっている。なお、ベース部13およびバスバ支持部14は、ノイズフィルタ1を収納する筐体の一部であってもよいし、ノイズフィルタ1が搭載される電力変換装置等の機器が有する筐体の一部であってもよい。また、ベース部13を非導電性の物質で構成し、バスバ支持部14のみを電気的に接地してもよい。これ以外にも、少なくともバスバ支持部14が電気的に接地されており、被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間に寄生容量成分が形成される構成であれば、任意の構成とすることができる。
次に、ノイズフィルタ1が抑制対象とするコモンモードノイズについて説明する。
図3は、コモンモードノイズ電流が流れる電流経路の説明図である。図3では、三相交流電流を出力するパワーモジュール401と、パワーモジュール401から三相交流電流の供給を受けて駆動する電動機408とが、ACバスバ403、ACノイズフィルタ404、ACバスバ405およびACケーブル406を介して互いに接続されており、これらの間にコモンモードノイズ電流が流れる場合の電流経路を示している。
パワーモジュール401内のコモンモードノイズ源402で発生したコモンモードノイズ電流は、パワーモジュール401が出力する三相交流電流に重畳される。コモンモードノイズ電流が重畳された三相交流電流は、ACバスバ403、ACノイズフィルタ404、ACバスバ405およびACケーブル406を経由して、電動機408に流れ込む。
パワーモジュール401と電動機408のフレームグランドには、グランド配線410が共通に接続されており、グランド配線410を介してそれぞれ電気的に接地されている。ここで、電動機408において、巻線407とフレームグランドの間には寄生容量成分409が存在しており、パワーモジュール401において、コモンモードノイズ源402とフレームグランドの間には寄生容量成分411が存在しているものとする。この場合、コモンモードノイズ源402から、電動機408の寄生容量成分409およびパワーモジュール401の寄生容量成分411を経由して、コモンモードノイズ源402に戻るループ電流経路が形成される。このループ電流経路を通って、パワーモジュール401と電動機408の間にコモンモードノイズ電流412が流れる。
本実施形態のノイズフィルタ1は、前述のような構造を有することにより、上記のようにして発生するコモンモードノイズ電流を抑制するものである。
続いて、本実施形態のノイズフィルタ1によるコモンモードノイズ電流の低減効果について、図4に示す比較例との比較を以下に説明する。
図4は、比較例に係るノイズフィルタの外観斜視図である。図4に示すノイズフィルタ1Cは、本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタ1と比べて、図1、2に示したバスバ支持部14が設けられておらず、各バスバ12Cがバスバ支持部14によって支持されていない点が異なっている。そのため、ノイズフィルタ1Cの各バスバ12Cは、図4に示すように板状の形状を有しており、図2に示した被支持部122や埋込部125はバスバ12Cにおいて設けられていない。
図5は、比較例に係るノイズフィルタ1Cによるコモンモードノイズ電流の低減効果の説明図である。図5において、パワーモジュール内のコモンモードノイズ電流源501から出力されたコモンモードノイズ電流502は、バスバ12Cに流れ込む。バスバ12Cとベース部13の間には、寄生容量成分503が形成されている。一方、バスバ12Cを介してパワーモジュールと接続されているモータや電源には、グランド線との間に寄生容量成分504が形成されている。そのため、バスバ12Cに流れ込んだコモンモードノイズ電流502は、寄生容量成分503を通る電流経路と、寄生容量成分504を通る電流経路とに分流されてグランド線にそれぞれ流れ込み、グランド線を経由してコモンモードノイズ電流源501に戻る。
ここで、図4に示したノイズフィルタ1Cの構造において、バスバ12Cとベース部13の間に形成される寄生容量成分503は、寄生容量成分504と比較して容量値が十分に小さい。例えば、三相交流電流に対応して設けられた3つのバスバ12Cにおいて、寄生容量成分503の容量値は3相合計で10.5pF程度であるのに対して、寄生容量成分504の容量値は数nF程度である。そのため、寄生容量成分503に流れるコモンモードノイズ電流は無視できるほど小さく、コモンモードノイズ電流源501からバスバ12Cに流れ込んだコモンモードノイズ電流502は、ほぼ全てが磁性体コア11を通過する。
図6は、比較例に係るノイズフィルタ1Cにおけるコモンモードノイズ電流の計算結果の一例を示す図である。図6では、最大出力が100kW程度である自動車用の車載モータが接続された場合のコモンモードノイズ電流をシミュレーションにより計算した結果を示している。図6の計算結果では、パワーモジュールからモータへ流れる電流において、実効値で約7.9Aのコモンモードノイズ電流が発生することを示している。
図6のようなコモンモードノイズ電流が重畳された電流がバスバ12Cを流れてノイズフィルタ1Cの磁性体コア11を貫通すると、磁性体コア11において発生するコア損失は数十W程度にまで達する。そのため、磁性体コア11の発熱が大きくなり、キュリー温度の超過によるフィルタ性能の低下や焼損などを引き起こすおそれがある。なお、磁性体コア11の放熱性を強化することでこうした問題を回避することも考えられるが、その場合には、構造の複雑化に伴うコストアップの要因になってしまう。
図7は、本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタ1によるコモンモードノイズ電流の低減効果の説明図である。図7において、パワーモジュール内のコモンモードノイズ電流源501から出力されたコモンモードノイズ電流502は、バスバ12に流れ込む。ノイズフィルタ1では、前述のように、被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間に、寄生容量成分603が形成されている。そのため、バスバ12に流れ込んだコモンモードノイズ電流502は、寄生容量成分603を通る電流経路と、寄生容量成分504を通る電流経路とに分流されてグランド線にそれぞれ流れ込み、グランド線を経由してコモンモードノイズ電流源501に戻る。
図1,2に示したノイズフィルタ1の構造において、被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間に形成される寄生容量成分603は、比較例における寄生容量成分503とは異なり、寄生容量成分504と比較して無視できない容量値を有する。例えば、三相交流電流に対応して設けられた3つのバスバ12において、寄生容量成分603の容量値は3相合計で7.8nF程度であり、寄生容量成分504の容量値(例えば数nF)と同程度である。そのため、コモンモードノイズ電流源501からのコモンモードノイズ電流502は、寄生容量成分603を通過する電流経路と寄生容量成分504を通過する電流経路とに分かれて流れることとなり、磁性体コア11を貫通するコモンモードノイズ電流が大きく減少する。その結果、比較例に係るノイズフィルタ1Cと比較して、磁性体コア11の発熱を抑制することができる。
図8は、本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタ1におけるコモンモードノイズ電流の計算結果の一例を示す図である。図8では、前述の図6と同様に、最大出力が100kW程度である自動車用の車載モータが接続された場合のコモンモードノイズ電流をシミュレーションにより計算した結果を示している。図8の計算結果では、パワーモジュールからモータへ流れる電流において、実効値で約2.0Aのコモンモードノイズ電流が発生することを示している。これにより、本実施形態のノイズフィルタ1を用いた場合には、比較例に係るノイズフィルタ1Cと比較して、コモンモードノイズ電流を実効値で約1/4に減少できることが分かる。
以上説明したように、本実施形態のノイズフィルタ1によれば、コモンモードノイズを抑制して磁性体コア11の発熱を低減する効果が確認できる。
なお、本実施形態のノイズフィルタ1をACフィルタに適用し、図7のようにパワーモジュールからモータに出力される三相交流電流に重畳されたコモンモードノイズ電流の抑制に用いる場合、被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間に形成される寄生容量成分603は、パワーモジュールから見て容量性負荷となる。これは、パワーモジュールにおいてスイッチング損失の増大の原因となるため、寄生容量成分603の容量値はあまり大きくしすぎないことが好ましい。
図9は、本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタ1の容量値とスイッチング損失の関係を示す図である。図9において、グラフの横軸はノイズフィルタ1の被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間に形成される寄生容量成分603の容量値を表し、グラフの縦軸はパワーモジュールのスイッチング損失の増加率を表している。図9のグラフでは、これらの関係をシミュレーションにより計算した結果の一例を示している。
ノイズフィルタ1において、寄生容量成分603の容量値が大きくなるほど、コモンモードノイズ電流の抑制効果が向上する。一方、図9のグラフから分かるように、寄生容量成分603の容量値が大きくなるほど、スイッチング損失が増加する。すなわち、ノイズフィルタ1では、コモンモードノイズ電流の抑制とスイッチング損失の低減とがトレードオフの関係にあり、これらの最適化を図る必要がある。
前述のように、寄生容量成分603の容量値が3相合計で7.8nF(一相あたり2.6nF)である場合、図9からスイッチング損失の増加率は0.9%と無視できる程度であることが分かる。例えば、自動車用の車載モータと組み合わせて使用されるインバータのパワーモジュールにおいて、ノイズフィルタ1によるスイッチング損失の増加率を5%程度に抑えるためには、図9より寄生容量成分603の容量値を3相合計で25.5nF(一相あたり8.5nF)以下とすることが望ましい。一方、コモンモードノイズ電流の抑制効果を十分に得るためには、寄生容量成分603の容量値を、モータとグランド線の間における図7の寄生容量成分504と同程度にする必要がある。そのためには、例えば寄生容量成分603の容量値を一相あたり1nF以上とすることが望ましい。
以上説明したように、本実施形態のノイズフィルタ1では、各バスバ12とバスバ支持部14の間に、1nF以上かつ8.5nF以下の容量がそれぞれ形成されていることが好ましい。
なお、図4に示した比較例のノイズフィルタ1Cにおいて、本実施形態のノイズフィルタ1と同様の効果を得るために、各バスバ12Cとベース部13の間にYキャパシタを配置することも考えられる。しかしながら、このような構造を採用した場合には、Yキャパシタのリード線に起因するESL(Equivalent Series Inductance)やESR(Equivalent Series Resistance)が発生し、高周波領域においてコモンモードノイズ電流の抑制効果が減少するおそれがある。また、Yキャパシタの追加による部材費の増加や、Yキャパシタをバスバ12Cとベース部13の間に電気的に接続するためのねじ止めや溶接等の工数増加が発生し、コスト増加の原因にもなる。一方、本実施形態のノイズフィルタ1では、これらの問題が発生しないため、Yキャパシタの追加よりも有利である。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)ノイズフィルタ1は、電流に重畳されたノイズを抑制するものであって、電流が流れる複数のバスバ12と、複数のバスバ12を支持するバスバ支持部14と、複数のバスバ12とバスバ支持部14の間にそれぞれ配置された絶縁層15とを備える。バスバ支持部14は、導電体であり、バスバ12は、バスバ支持部14に埋め込まれた埋込部125を有し、埋込部125は、バスバ支持部14と電気的に絶縁されている。このようにしたので、ノイズを十分に抑制可能なノイズフィルタを提供することができる。
(2)ノイズフィルタ1は磁性体コア11を備えており、複数のバスバ12は、貫通部123において磁性体コア11をそれぞれ貫通する。このようにしたので、バスバ12に流れる電流に重畳されたノイズをさらに抑制することができる。
(3)複数のバスバ12とバスバ支持部14の間に、1nF以上かつ8.5nF以下の容量がそれぞれ形成されていることが好ましい。このようにすれば、トレードオフの関係にあるノイズ電流の抑制とスイッチング損失の低減とをそれぞれ最適化したACフィルタを実現することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るノイズフィルタの構造について、図10、図11を参照して以下に説明する。図10は、本発明の第2の実施形態に係るノイズフィルタの外観斜視図である。図11は、本発明の第2の実施形態に係るノイズフィルタの断面図である。
図10に示すように、本実施形態のノイズフィルタ1Aは、複数のバスバ12、ベース部13およびバスバ支持部14を備えて構成される。本実施形態のノイズフィルタ1Aにおいて、図1、図2で説明した第1の実施形態のノイズフィルタ1との違いは、磁性体コア11が設けられていない点である。これ以外の点では、本実施形態のノイズフィルタ1Aと、第1の実施形態のノイズフィルタ1とは、同様の構造を有している。なお、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、ノイズフィルタ1Aが有するバスバ12の数は3つに限定されない。ノイズフィルタ1Aがノイズの抑制対象とする電流の相数に応じて、任意数のバスバ12を設けることができる。
図11(a)は、図10に示したA−A’線におけるノイズフィルタ1Aの断面図であり、図11(b)は、図10に示したB−B’線におけるノイズフィルタ1Aの断面図である。図11に示すように、バスバ12は、一方の端部121と他方の端部124の間に、バスバ支持部14によって支持される被支持部122を有している。第1の実施形態のノイズフィルタ1と同様に、被支持部122において、バスバ12の延在方向(図11(a)の左右方向)と直交する方向(図11(b)の左右方向)の両端には、バスバ12の延在方向に沿ってバスバ12を折り曲げることで形成された一対の埋込部125が設けられている。埋込部125はバスバ支持部14の表面側から内側に向かって、バスバ支持部14に埋め込まれている。
被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間には、絶縁層15が配置されている。これにより、被支持部122および埋込部125はバスバ支持部14と電気的に絶縁されており、被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間に寄生容量成分が形成されるようになっている。なお、少なくともバスバ支持部14が電気的に接地されており、被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間に寄生容量成分が形成される構成であれば、任意の構成とすることができる。
図12は、本発明の第2の実施形態に係るノイズフィルタ1Aによるコモンモードノイズ電流の低減効果の説明図である。図12において、パワーモジュール内のコモンモードノイズ電流源501から出力されたコモンモードノイズ電流502は、バスバ12に流れ込む。ノイズフィルタ1Aでは、第1の実施形態のノイズフィルタ1と同様に、被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間に、寄生容量成分603が形成されている。そのため、バスバ12に流れ込んだコモンモードノイズ電流502は、寄生容量成分603を通る電流経路と、パワーモジュールと接続されているモータや電源が有する寄生容量成分504を通る電流経路とに分流されてグランド線にそれぞれ流れ込み、グランド線を経由してコモンモードノイズ電流源501に戻る。
図10,11に示したノイズフィルタ1Aでは、寄生容量成分603と、バスバ12が有するインダクタンス成分701とにより、LCフィルタ構造が形成される。このLCフィルタ構造により、コモンモードノイズ電流502を大幅に抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態のノイズフィルタ1Aによれば、磁性体コアを使用せずにコモンモードノイズの抑制が可能なため、前述の比較例に係るノイズフィルタ1Cと比較して、製造コストを大きく削減することができる。
なお、本実施形態のノイズフィルタ1AをACフィルタに適用し、図12のようにパワーモジュールからモータに出力される三相交流電流に重畳されたコモンモードノイズ電流の抑制に用いる場合には、第1の実施形態で説明したのと同様に、各バスバ12とバスバ支持部14の間に、1nF以上かつ8.5nF以下の容量がそれぞれ形成されていることが好ましい。
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
(変形例)
なお、以上説明した第1および第2の実施形態において、バスバ12の形状は、図1,2,10,11でそれぞれ説明したものに限定されない。例えば、被支持部122や埋込部125の形状を変更し、以下の変形例で説明するような構造とすることができる。
図13は、本発明の変形例に係るノイズフィルタの断面図である。図13(a)、図13(b)、図13(c)では、図1、図10に示したB−B’線におけるノイズフィルタ1,1Aの各変形例の断面図をそれぞれ示している。
図13(a)に示す変形例では、被支持部122において、バスバ12の延在方向と直交する方向(図13(a)の左右方向)の一端側にのみ、バスバ12の延在方向に沿ってバスバ12を折り曲げることで形成された埋込部125が設けられている。図13(b)に示す変形例では、被支持部122においてバスバ12を角柱状の形状とすることで、バスバ12の延在方向と直交する方向(図13(b)の左右方向)の両端とその間に埋込部125が連続的に形成されている。図13(c)に示す変形例では、被支持部122の全体を埋込部125と一体化し、絶縁層15を介してバスバ支持部14に埋込部125(被支持部122)が挟み込まれた構造となっている。
なお、第1および第2の実施形態でそれぞれ説明したバスバ12の形状や、上記変形例でそれぞれ説明したバスバ12の形状は、いずれかを単独で用いることもできるし、複数を任意に組み合わせて用いることもできる。すなわち、バスバ12は、図1,2,10,11でそれぞれ説明した形状や、図13(a)、図13(b)、図13(c)でそれぞれ説明した形状のうち、いずれかの形状、または少なくとも2つ以上を組み合わせた形状とすることが可能である。
さらに、第1および第2の実施形態でそれぞれ説明した形状や、上記変形例でそれぞれ説明した形状以外のものを、バスバ12の形状として採用してもよい。被支持部122や埋込部125とバスバ支持部14との間に所望の容量値を有する寄生容量成分を形成することができれば、任意の構造を採用することが可能である。
以上説明した本発明の変形例によれば、Yキャパシタを用いることなく、バスバ12とバスバ支持部14の間に所望の容量値を有する寄生容量成分を形成することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図14を参照して以下に説明する。図14は、本発明の第3の実施形態に係るノイズフィルタの構成図である。
本実施形態のノイズフィルタは、直流電流に重畳されたコモンモードノイズ電流を低減するためのものであり、例えば、直流電力を供給する直流電源と、直流電力を交流電力に変換して交流モータに出力するパワーモジュールとの間に接続されて用いられる。直流電源は、例えば電池やコンバータを用いて構成され、パワーモジュールは、例えばIGBTやMOSFET、SiC、GaNなどの半導体素子をスイッチング素子に用いて構成される。図14に示すように、本実施形態のノイズフィルタ2は、フィルタ回路部21、正極バスバ22、負極バスバ23、正電圧入力バスバ24、負電圧入力バスバ25、Xキャパシタ26、Yキャパシタ27,28、平滑キャパシタ29を備えて構成される。
フィルタ回路部21は、第1の実施形態で説明したノイズフィルタ1、または第2の実施形態で説明したノイズフィルタ1Aと同様の構成を有する。すなわち、フィルタ回路部21は、複数のバスバ12、ベース部13およびバスバ支持部14を備えており、各バスバ12が有する被支持部122および埋込部125とバスバ支持部14との間に、寄生容量成分603が形成されている。フィルタ回路部21はグランド端子210を有しており、このグランド端子210を介して、バスバ支持部14が電気的に接地されている。例えば、パワーモジュールや直流電源が有する金属製の筐体や、ノイズフィルタ2自身が有する金属製の筐体をフレームグランドとして用いて、これとグランド端子210を電気的に接続することにより、バスバ支持部14を電気的に接地することができる。
正極バスバ22は、直流電源の正極側に接続される電池側正極端子221と、フィルタ回路部21に接続されるフィルタ側正極端子222を有する。負極バスバ23は、直流電源の負極側に接続される電池側負極端子231と、フィルタ回路部21に接続されるフィルタ側負極端子232を有する。正電圧入力バスバ24は、フィルタ回路部21に接続されるフィルタ側正電圧端子241と、パワーモジュールの正電圧入力側に接続される正電圧入力端子242を有する。負電圧入力バスバ25は、フィルタ回路部21に接続されるフィルタ側負電圧端子251と、パワーモジュールの負電圧入力側に接続される負電圧入力端子252を有する。これらのバスバ接続により、直流電源から出力される直流電圧がフィルタ回路部21を介してパワーモジュールに入力される。
なお、正電圧入力バスバ24のフィルタ側正電圧端子241および負電圧入力バスバ25のフィルタ側負電圧端子251は、フィルタ回路部21が有するバスバ12の一方の端部121とそれぞれ接続される。また、正極バスバ22のフィルタ側正極端子222および負極バスバ23のフィルタ側負極端子232は、フィルタ回路部21が有するバスバ12の他方の端部124とそれぞれ接続される。これにより、フィルタ回路部21が磁性体コア11を有する場合には、磁性体コア11よりも寄生容量成分603がパワーモジュール側に形成されるようになっている。
Xキャパシタ26は、正極バスバ22と負極バスバ23の間に接続されている。Yキャパシタ27は、正極バスバ22と接地電位の間に接続されている。Yキャパシタ28は、負極バスバ23と接地電位の間に接続されている。平滑キャパシタ29は、正電圧入力バスバ24と負電圧入力バスバ25の間に接続されている。なお、Yキャパシタ27,28の接地電位への接続は、フィルタ回路部21のグランド端子210と同様に、例えばパワーモジュールや直流電源が有する金属製の筐体や、ノイズフィルタ2自身が有する金属製の筐体との接続によって行われる。すなわち、接地電位と電気的に接続されたこれらの筐体をフレームグランドとして用いることにより、Yキャパシタ27,28の一端側をそれぞれ電気的に接地させることができる。
Xキャパシタ26は、正極バスバ22と負極バスバ23間の直流電圧における電圧変化(ノイズ)を平滑化する。Yキャパシタ27,28は、正極バスバ22および負極バスバ23と接地電位間の電圧変化(ノイズ)をそれぞれ平滑化する。Xキャパシタ26およびYキャパシタ27,28の容量値は、直流電源から出力される直流電圧において抑制すべきノイズの周波数帯域に応じて、任意の値でそれぞれ定めることができる。例えば、数nF〜数μFの容量値を有する容量素子が、Xキャパシタ26やYキャパシタ27,28として使用される。なお、必要に応じて複数個の容量素子を組み合わせてXキャパシタ26やYキャパシタ27,28を構成してもよい。このとき、各容量素子の容量値は同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。また、正電圧入力バスバ24と負電圧入力バスバ25の間に、必要に応じてXキャパシタを追加してもよい。
以上説明した本発明の第3の実施形態によれば、ノイズフィルタ2が有するフィルタ回路部21の各バスバ12は、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換して交流モータに出力するパワーモジュールと、直流電源との間に接続されている。また、ノイズフィルタ2は、直流電源の正極側に接続される正極バスバ22と、直流電源の負極側に接続される負極バスバ23とを有しており、フィルタ回路部21のバスバ支持部14は接地電位に接続されている。ノイズフィルタ2は、正極バスバ22と接地電位の間に接続されたYキャパシタ27と、負極バスバ23と接地電位の間に接続されたYキャパシタ28と、正極バスバ22と負極バスバ23の間に接続されたXキャパシタ26とを備える。このようにしたので、第1、第2の実施形態で説明したノイズフィルタを用いて、直流電流に重畳されたコモンモードノイズ電流を低減するDCフィルタを実現できる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図15を参照して以下に説明する。図15は、本発明の第4の実施形態に係るノイズフィルタの構成図である。
本実施形態のノイズフィルタは、第3の実施形態で説明したノイズフィルタ2と同様に、直流電流に重畳されたコモンモードノイズ電流を低減するためのものであり、例えば、直流電力を供給する直流電源と、直流電力を交流電力に変換して交流モータに出力するパワーモジュールとの間に接続されて用いられる。本実施形態のノイズフィルタ2Aは、第3の実施形態で説明したノイズフィルタ2と同じく、フィルタ回路部21、正極バスバ22、負極バスバ23、正電圧入力バスバ24、負電圧入力バスバ25、Xキャパシタ26、Yキャパシタ27,28、平滑キャパシタ29を備えて構成される。
本実施形態のノイズフィルタ2Aにおいて、第3の実施形態で説明したノイズフィルタ2との相違点は、Xキャパシタ26の位置である。具体的には、ノイズフィルタ2ではXキャパシタ26が正極バスバ22と負極バスバ23の間に接続されているのに対して、本実施形態のノイズフィルタ2Aでは、Xキャパシタ26が正電圧入力バスバ24と負電圧入力バスバ25の間に接続されている。これにより、Xキャパシタ26において、正電圧入力バスバ24と負電圧入力バスバ25間の直流電圧における電圧変化(ノイズ)を平滑化することができる。
なお、本実施形態においても、Xキャパシタ26およびYキャパシタ27,28の容量値は、直流電源から出力される直流電圧において抑制すべきノイズの周波数帯域に応じて、任意の値でそれぞれ定めることができる。例えば、数nF〜数μFの容量値を有する容量素子が、Xキャパシタ26やYキャパシタ27,28として使用される。また、必要に応じて複数個の容量素子を組み合わせてXキャパシタ26やYキャパシタ27,28を構成してもよい。このとき、各容量素子の容量値は同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。さらに、正極バスバ22と負極バスバ23の間に、必要に応じてXキャパシタを追加してもよい。
以上説明した本発明の第4の実施形態によれば、ノイズフィルタ2Aが有するフィルタ回路部21の各バスバ12は、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換して交流モータに出力するパワーモジュールと、直流電源との間に接続されている。また、ノイズフィルタ2Aは、直流電源の正極側に接続される正極バスバ22と、直流電源の負極側に接続される負極バスバ23と、正極バスバ22とパワーモジュールの間に接続される正電圧入力バスバ24と、負極バスバ23とパワーモジュールの間に接続される負電圧入力バスバ25とを有しており、フィルタ回路部21のバスバ支持部14は接地電位に接続されている。ノイズフィルタ2Aは、正極バスバ22と接地電位の間に接続されたYキャパシタ27と、負極バスバ23と接地電位の間に接続されたYキャパシタ28と、正電圧入力バスバ24と負電圧入力バスバ25の間に接続されたXキャパシタ26とを備える。このようにしたので、第3の実施形態と同様に、第1、第2の実施形態で説明したノイズフィルタを用いて、直流電流に重畳されたコモンモードノイズ電流を低減するDCフィルタを実現できる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について、図16を参照して以下に説明する。図16は、本発明の第5の実施形態に係る電力変換装置を含むモータ駆動システムの構成図である。
図16に示すモータ駆動システムは、電力変換装置100、電源200およびモータ300が互いに接続されることで構成される。電力変換装置100は、正極ケーブル201および負極ケーブル202を介して電源200と接続されており、複数の交流ケーブル301を介してモータ300と接続されている。このモータ駆動システムは、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両に搭載され、モータ300を駆動源として電動車両を走行させるために用いられる。
電源200は、電力変換装置100へ直流電力を供給する直流電源である。例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両に搭載されるモータ駆動システムでは、リチウムイオン電池等の二次電池を多数接続して構成された数百ボルトの高電圧バッテリを電源200に用いることができる。また、例えばX線診断装置などの医療装置において用いられるモータ駆動システムでは、商用の交流電源を整流回路やコンバ−タを用いて直流電源に変換することで、電源200を得ることができる。
モータ300は、電力変換装置100から出力される交流電力に応じて、不図示の固定子に設けられた各相のコイル302に電流が流れることにより、不図示の回転子が回転駆動する。これにより、モータ300は電力変換装置100の負荷として作用する。
電力変換装置100、電源200およびモータ300は、それぞれフレームグランドを有している。各フレームグランドは、共通の接地線を介して電気的に接地されている。
電力変換装置100は、正極ケーブル201および負極ケーブル202を流れる直流電流に重畳されるコモンモードノイズ電流を低減するためのDCフィルタとして、第3の実施形態で説明したノイズフィルタ2、または第4の実施形態で説明したノイズフィルタ2Aを有している。また、交流ケーブル301を流れる交流電流に重畳されるコモンモードノイズ電流を低減するためACフィルタとして、第1の実施形態で説明したノイズフィルタ1、または第2の実施形態で説明したノイズフィルタ1Aを有している。
電力変換装置100は、上記のDCフィルタ(ノイズフィルタ2,2A)およびACフィルタ(ノイズフィルタ1,1A)に加えて、筐体101、半導体モジュール102および制御部103を有している。
筐体101は、電力変換装置100の各構成要素を収納する金属製のケースである。なお、図16では筐体101に格納される回路や素子のうち、本実施形態のモータ駆動システムの説明において必要なもののみを図示している。筐体101は前述の接地線と電気的に接続されており、電力変換装置100のフレームグランドとして利用される。電力変換装置100のDCフィルタは、筐体101と接続されることにより、バスバ支持部14を電気的に接地することができる。
半導体モジュール102は、正電圧入力バスバ24および負電圧入力バスバ25を介してDCフィルタと接続され、さらに正極ケーブル201および負極ケーブル202を介して電源200と接続される。なお、図14,15と同様に、正電圧入力バスバ24と負電圧入力バスバ25の間には平滑キャパシタ29が接続されている。半導体モジュール102は、IGBT、MOSFET、SiC、GaNなどの半導体素子をスイッチング素子に用いて構成されたパワーモジュールであり、制御部103の制御に応じて動作することで、直流電力から交流電力への電力変換を行う。この電力変換動作によって生成された交流電流は、半導体モジュール102からACフィルタを介して交流ケーブル301に出力され、交流ケーブル301を通ってモータ300へ出力される。
制御部103は、半導体モジュール102が有する各半導体素子のスイッチング動作を制御することにより、半導体モジュール102の動作制御を行い、電力変換装置100からモータ300へ出力される交流電力の電圧や電流を制御する。制御部103は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成され、マイクロコンピュータにおいて所定のプログラムを実行することにより、半導体モジュール102の動作制御を行う。あるいは、LSI、FPGA、ASIC等の集積回路を用いて、制御部103が行う半導体モジュール102の動作制御を実現してもよい。
なお、図16のモータ駆動システムの構成では、電力変換装置100がDCフィルタとACフィルタの両方を備える例を示したが、これに限定されない。DCフィルタとACフィルタのいずれか一方のみを備え、他方を省略してもよい。また、DCフィルタとACフィルタの少なくとも一方において、図4の比較例に係るノイズフィルタ1Cで説明したような構造を採用してもよい。
以上説明した本発明の第5の実施形態によれば、電力変換装置100は、ノイズフィルタ1,1A,2,2Aの少なくともいずれか一つと、パワーモジュールである半導体モジュール102と、電源200から供給される直流電力を平滑化する平滑キャパシタ29と、半導体モジュール102を制御する制御部103とを備える。このようにしたので、ノイズフィルタ1,1A,2,2Aの少なくともいずれか一つを用いて構成されるACフィルタやDCフィルタにより、半導体モジュール102において生じるノイズ電流を効果的に減衰させることができる。そのため、電力変換装置100から電源200やモータ300へ漏れだすノイズを、適切なレベルまで減少させることができる。
以上説明した各実施形態や各種変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記では種々の実施形態や変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1,1A,2,2A:ノイズフィルタ
11:磁性体コア
12:バスバ
13:ベース部
14:バスバ支持部
15:絶縁層
21:フィルタ回路部
22:正極バスバ
23:負極バスバ
24:正電圧入力バスバ
25:負電圧入力バスバ
26:Xキャパシタ
27,28:Yキャパシタ
29:平滑キャパシタ
100:電力変換装置
101:筐体
102:半導体モジュール
103:制御部
122:被支持部
123:貫通部
125:埋込部
200:電源
300:モータ

Claims (9)

  1. 電流に重畳されたノイズを抑制するノイズフィルタであって、
    前記電流が流れる複数のバスバと、
    前記複数のバスバを支持するバスバ支持部と、
    前記複数のバスバと前記バスバ支持部の間にそれぞれ配置された絶縁層と、を備え、
    前記バスバ支持部は、導電体であり、
    前記バスバは、前記バスバ支持部に埋め込まれた埋込部を有し、
    前記埋込部は、前記バスバ支持部と電気的に絶縁されているノイズフィルタ。
  2. 請求項1に記載のノイズフィルタにおいて、
    磁性体コアを備え、
    前記複数のバスバは、前記磁性体コアをそれぞれ貫通するノイズフィルタ。
  3. 請求項1または2に記載のノイズフィルタにおいて、
    前記複数のバスバと前記バスバ支持部の間に、1nF以上かつ8.5nF以下の容量がそれぞれ形成されているノイズフィルタ。
  4. 請求項1または2に記載のノイズフィルタにおいて、
    前記バスバは、前記バスバの延在方向と直交する直交方向の両端に一対の前記埋込部が形成された第1の形状、前記直交方向の一端に前記埋込部が形成された第2の形状、前記直交方向の両端とその間に前記埋込部が連続的に形成された第3の形状、前記バスバ支持部に前記埋込部が挟み込まれた第4の形状、または前記第1、第2、第3および第4の形状の少なくとも2つ以上を組み合わせた形状を有するノイズフィルタ。
  5. 請求項1に記載のノイズフィルタにおいて、
    前記複数のバスバは、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換して交流モータに出力するパワーモジュールと、前記交流モータとの間に接続されているノイズフィルタ。
  6. 請求項1に記載のノイズフィルタにおいて、
    前記複数のバスバは、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換して交流モータに出力するパワーモジュールと、前記直流電源との間に接続されているノイズフィルタ。
  7. 請求項6に記載のノイズフィルタにおいて、
    前記複数のバスバは、前記直流電源の正極側に接続される正極バスバと、前記直流電源の負極側に接続される負極バスバとを有し、
    前記バスバ支持部は、接地電位に接続されており、
    前記正極バスバと前記接地電位の間に接続された第1のYキャパシタと、
    前記負極バスバと前記接地電位の間に接続された第2のYキャパシタと、
    前記正極バスバと前記負極バスバの間に接続されたXキャパシタと、を備えるノイズフィルタ。
  8. 請求項6に記載のノイズフィルタにおいて、
    前記複数のバスバは、前記直流電源の正極側に接続される正極バスバと、前記直流電源の負極側に接続される負極バスバと、前記正極バスバと前記パワーモジュールの間に接続される正電圧入力バスバと、前記負極バスバと前記パワーモジュールの間に接続される負電圧入力バスバとを有し、
    前記バスバ支持部は、接地電位に接続されており、
    前記正極バスバと前記接地電位の間に接続された第1のYキャパシタと、
    前記負極バスバと前記接地電位の間に接続された第2のYキャパシタと、
    前記正電圧入力バスバと前記負電圧入力バスバの間に接続されたXキャパシタと、を備えるノイズフィルタ。
  9. 請求項5から請求項8までのいずれか一項に記載のノイズフィルタと、
    前記パワーモジュールと、
    前記直流電力を平滑化する平滑キャパシタと、
    前記パワーモジュールを制御する制御部と、を備える電力変換装置。
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