JP2021182521A - 膜電極接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電性能を維持しつつ、耐久性を向上させた膜電極接合体を提供する。【解決手段】電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と、を有する燃料電池用の膜電極接合体であって、前記電解質膜と前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の少なくとも1つがスルホン酸を含み、前記電解質膜と前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の少なくとも1つがセリウムイオンを含み、前記スルホン酸の合計含有量をAとし、前記セリウムイオンの合計含有量をBとしたときに、B/Aが下記式(1){0.005 ≦ B/A(mol/eq) ≦ 0.05 式(1)}を満たす、前記膜電極接合体に関する。【選択図】図1
Description
本発明は、膜電極接合体に関する。
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池として固体高分子型燃料電池がエネルギー源として注目されている。固体高分子型燃料電池は、室温作動が可能であり、出力密度も高いため、自動車用途などに適した形態として、活発に研究されている。
固体高分子型燃料電池では、一般に、電解質膜である固体高分子電解質膜の両面に、それぞれ、触媒層からなる電極(燃料極(アノード触媒層)及び空気極(カソード触媒層))を接合してなる膜電極接合体(「燃料極−固体高分子電解質膜−空気極」)(以下、「MEA」ともいう)が使用される。また、MEAの両面には、さらにガス拡散層が接合されており、これは、膜電極ガス拡散層接合体(「ガス拡散層−MEA−ガス拡散層」)(以下、「MEGA」ともいう)と呼ばれる。
各電極は、触媒層から形成され、触媒層は、触媒層中に含まれる電極触媒によって電極反応をおこなわせるための層である。電極反応を進行させるためには、電解質、触媒及び反応ガスの三相が共存する三相界面が必要であることから、触媒層は、一般に、触媒と、電解質とを含む層からなっている。また、ガス拡散層は、触媒層への反応ガスの供給及び電子の授受をおこなうための層であり、多孔質かつ電子伝導性を有する材料が用いられる。
このような固体高分子型燃料電池として、例えば、特許文献1には、アノード及びカソードと、該アノードと該カソードとの間に配置される、スルホン酸基を有する高分子化合物を含む陽イオン交換膜とからなる膜電極接合体を備え、前記アノード及び前記カソードに相対湿度0〜50%のガスを供給し、前記膜電極接合体の温度を100〜120℃に維持して発電を行う固体高分子形燃料電池において、前記陽イオン交換膜が、下記条件(i){(i)120℃の雰囲気下、陽イオン交換膜上に円錐形プローブの頂点をあて、該円錐形プローブに2g/分の速度で10gから50gまでの荷重を加えた際、下記式(I)で求められる膜厚変位[膜厚変位=(10gの荷重を加えたときの陽イオン交換膜の膜厚−50gの荷重を加えたときの陽イオン交換膜の膜厚)/10gの荷重を加えたときの陽イオン交換膜の膜厚×100・・・(I)]が、35〜75%である}を満足することを特徴とする固体高分子形燃料電池が開示されている。
特許文献2には、燃料電池用の膜電極ガス拡散層接合体であって、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と、を有する膜電極接合体と、前記膜電極接合体の前記アノード触媒層に接合されたアノード拡散層と、前記膜電極接合体の前記カソード触媒層に接合されたカソード拡散層と、を備え、前記アノード拡散層と前記カソード拡散層の少なくとも一方は、前記膜電極接合体と接するマイクロポーラス層を有し、前記マイクロポーラス層は、セリウム化合物を含む、膜電極ガス拡散層接合体が記載されている。
固体高分子型燃料電池には、電解質膜などに含まれる電解質材料が、燃料電池の発電などで発生した過酸化水素ラジカルによって劣化しやすいという問題がある。
特許文献1には、前記陽イオン交換膜が、セリウム原子を含み、該陽イオン交換膜に含まれる−SO3−基の数に対する前記セリウム原子の割合が、1.67〜10%であることが記載されており、陽イオン交換膜にセリウム原子を含ませることによって、陽イオン交換膜の過酸化水素及び過酸化物ラジカルに対する耐性を向上させることができると記載されている。
また、特許文献2には、前記電解質膜と前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の少なくとも1つは、セリウムイオンを含むことが記載されており、電解質膜とアノード触媒層とカソード触媒層の少なくとも1つにセリウムイオンを含ませることによって、セリウムイオンによる過酸化水素ラジカルの無害化が実現できると記載されている。
しかしながら、セリウムイオンを過剰に添加した場合、セリウムイオンは、スルホン酸とイオン結合して、プロトン伝導を阻害し、したがって、プロトン抵抗を上昇させ、その結果、発電性能の低下、特に高温・低加湿状態における電解質膜のプロトン抵抗が反応の律速になる場合での発電性能の低下を引き起こす可能性がある。
したがって、本発明は、発電性能を維持しつつ、耐久性を向上させた膜電極接合体を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と、を有する燃料電池用の膜電極接合体において、電解質膜とアノード触媒層とカソード触媒層の少なくとも1つにスルホン酸を導入し、電解質膜とアノード触媒層とカソード触媒層の少なくとも1つにセリウムイオンを導入し、さらにスルホン酸の合計含有量をAとし、セリウムイオンの合計含有量をBとしたときに、B/Aが下記式(1)
0.005≦B/A(mol/eq)≦0.05 式(1)
を満たすように、MEA全体に含まれるセリウムイオンとスルホン酸との比率を規定したところ、得られた燃料電池用の膜電極接合体では、触媒層におけるプロトン抵抗及びスルホン酸分解量の上昇が抑制されることを見出し、本発明を完成した。
0.005≦B/A(mol/eq)≦0.05 式(1)
を満たすように、MEA全体に含まれるセリウムイオンとスルホン酸との比率を規定したところ、得られた燃料電池用の膜電極接合体では、触媒層におけるプロトン抵抗及びスルホン酸分解量の上昇が抑制されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と、を有する燃料電池用の膜電極接合体であって、
前記電解質膜と前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の少なくとも1つがスルホン酸を含み、
前記電解質膜と前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の少なくとも1つがセリウムイオンを含み、
前記スルホン酸の合計含有量をAとし、前記セリウムイオンの合計含有量をBとしたときに、B/Aが下記式(1)
0.005 ≦ B/A(mol/eq) ≦ 0.05 式(1)
を満たす、前記膜電極接合体。
(1)電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と、を有する燃料電池用の膜電極接合体であって、
前記電解質膜と前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の少なくとも1つがスルホン酸を含み、
前記電解質膜と前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の少なくとも1つがセリウムイオンを含み、
前記スルホン酸の合計含有量をAとし、前記セリウムイオンの合計含有量をBとしたときに、B/Aが下記式(1)
0.005 ≦ B/A(mol/eq) ≦ 0.05 式(1)
を満たす、前記膜電極接合体。
本発明により、発電性能を維持しつつ、耐久性を向上させた膜電極接合体が提供される。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本発明の膜電極接合体は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者がおこない得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
本発明の膜電極接合体は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者がおこない得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
本発明は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と、を有する燃料電池用の膜電極接合体であって、電解質膜とアノード触媒層とカソード触媒層の少なくとも1つがスルホン酸を含み、電解質膜とアノード触媒層とカソード触媒層の少なくとも1つがセリウムイオンを含み、スルホン酸の合計含有量をAとし、セリウムイオンの合計含有量をBとしたときに、B/A(mol/eq)が一定の範囲になる、膜電極接合体に関する。
ここで、電解質膜は、固体高分子電解質膜であり、プロトン伝導性を有する電解質膜が好ましい。プロトン伝導性を有する電解質膜としては、当該技術分野で公知のプロトン伝導性を有する電解質膜を使用することができ、限定されないが、例えば、電解質であるスルホン酸基を有するフッ素樹脂(ナフィオン(デュポン社製)、フレミオン(AGC社製)、及びアシプレックス(旭化成社製)など)から形成される膜などを使用することができる。
電解質膜の厚さは、限定されないが、プロトン伝導性の機能を向上させるために、通常5μm〜50μmである。
アノード触媒層は、燃料極、すなわち水素極になるものであり、カソード触媒層は、空気極(酸素極)になるものであり、各触媒層は、電極触媒(単に「触媒」ともいう)及び電解質を含む。
触媒としては、金属担持触媒が好ましい。金属担持触媒では、金属触媒が担体に担持されている。担体としては、当該技術分野で公知の担体を使用することができ、限定されないが、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの炭素材料、炭化ケイ素などの炭素化合物、又はそれらの2種以上の混合物などを使用することができる。
担体に担持されている金属触媒は、MEAの電極での反応
空気極(カソード):O2+4H++4e−→2H2O
水素極(アノード):2H2→4H++4e−
において触媒作用を示すものであれば限定されるものではなく、当該技術分野で公知の金属触媒を使用することができる。金属触媒としては、限定されないが、例えば、白金や白金合金、パラジウム、ロジウム、金、銀、オスミウム、イリジウムなど、又はそれらの2種以上の混合物を使用することができる。また、白金合金としては、限定されないが、例えば、白金と、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、バナジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、チタン及び鉛のうちの少なくとも一種との合金などを使用することができる。
空気極(カソード):O2+4H++4e−→2H2O
水素極(アノード):2H2→4H++4e−
において触媒作用を示すものであれば限定されるものではなく、当該技術分野で公知の金属触媒を使用することができる。金属触媒としては、限定されないが、例えば、白金や白金合金、パラジウム、ロジウム、金、銀、オスミウム、イリジウムなど、又はそれらの2種以上の混合物を使用することができる。また、白金合金としては、限定されないが、例えば、白金と、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、バナジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、チタン及び鉛のうちの少なくとも一種との合金などを使用することができる。
各触媒層における触媒の含有量は、限定されないが、触媒層の全重量に対して、通常5重量%〜40重量%である。
電解質としては、アイオノマーが好ましい。アイオノマーは、陽イオン交換樹脂とも称され、アイオノマー分子から形成されるクラスターとして存在する。アイオノマーとしては、当該技術分野で公知のアイオノマーを使用することができ、限定されないが、例えば、パーフルオロスルホン酸樹脂材料などのフッ素樹脂系電解質、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどのスルホン化プラスチック系電解質、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルケトン、スルホアルキル化ポリエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリスルホン、スルホアルキル化ポリスルフィド、スルホアルキル化ポリフェニレンなどのスルホアルキル化プラスチック系電解質、又はそれらの2種以上の混合物などを使用することができる。
各触媒層の厚さは、限定されないが、発電に必要な触媒の量を確保し、かつプロトン抵抗を低く保つために、通常1μm〜20μmである。
本発明の膜電極接合体では、電解質膜とアノード触媒層とカソード触媒層の少なくとも1つはスルホン酸を含む。アノード触媒層及びカソード触媒層では、スルホン酸は、アイオノマーに含まれる。スルホン酸は、各材料において、スルホン酸基(−SO3H基)で存在する。
さらに、本発明の膜電極接合体では、電解質膜とアノード触媒層とカソード触媒層の少なくとも1つはセリウムイオンを含む。セリウムイオンは、各材料において、3価のセリウムイオン(Ce3+)又は4価のセリウムイオン(Ce4+)で存在する。
本発明の膜電極接合体では、MEA全体に含まれるスルホン酸の合計含有量をA(meq/cm2−MEA)とし、MEA全体に含まれるセリウムイオンの合計含有量をB(mmol/cm2−MEA)としたときに、B/Aが下記式(1)
0.005 ≦ B/A(mol/eq) ≦ 0.05 式(1)
好ましくは、B/Aが下記式(2)
0.01≦ B/A(mol/eq) ≦0.02 式(2)
を満たす。
0.005 ≦ B/A(mol/eq) ≦ 0.05 式(1)
好ましくは、B/Aが下記式(2)
0.01≦ B/A(mol/eq) ≦0.02 式(2)
を満たす。
なお、MEA全体に含まれるスルホン酸の合計含有量A(meq/cm2−MEA)は、B/Aが前記を満たす限り限定されないが、通常0.0005meq/cm2−MEA〜0.01meq/cm2−MEA、好ましくは0.001meq/cm2−MEA〜0.005meq/cm2−MEAである。MEA全体に含まれるスルホン酸の合計含有量A(meq/cm2−MEA)は、電解質膜、アノード触媒層、及びカソード触媒層に使用した材料に含まれるスルホン酸の量から計算することができる。あるいは、MEAの成分分析によって測定することができる。
また、本発明の膜電極接合体において、電解質膜と、アノード触媒層及びカソード触媒層のうちの1つ以上とがスルホン酸を含む場合、電解質膜のスルホン酸の含有量は、限定されないが、触媒層のスルホン酸の含有量の、通常1倍〜50倍、好ましくは2倍〜10倍である。
さらに、MEA全体に含まれるセリウムイオンの合計含有量B(mmol/cm2−MEA)は、B/Aが前記を満たす限り限定されないが、通常2.50×10−6mmol/cm2−MEA〜5.00×10−4mmol/cm2−MEA、好ましくは5.00×10−6mmol/cm2−MEA〜2.50×10−4mmol/cm2−MEAである。MEA全体に含まれるセリウムイオンの合計含有量B(mmol/cm2−MEA)は、MEA製造時に、電解質膜、アノード触媒層、及び/又はカソード触媒層に添加したセリウムイオンを含有する材料の量から計算することができる。
本発明の膜電極接合体において、MEA全体に含まれるセリウムイオンとスルホン酸との比率を前記の通り規定することによって、MEAに含まれるセリウムイオンが、ラジカルクエンチ剤として、燃料電池の発電中に発生する過酸化水素ラジカルによる電解質膜やアイオノマーなどの電解質樹脂の分解を抑制し、燃料電池の耐久性が確保されると共に、過剰なセリウムイオン(カチオン)がスルホン酸とイオン結合することによる、プロトン伝導の阻害、すなわち、プロトン抵抗の上昇が抑制され、結果として、燃料電池の発電性能が確保される。
本発明の膜電極接合体では、セリウムイオンは、アノード触媒層からカソード触媒層の間で、また発電面内で、スルホン酸の中を濃度勾配に応じて濃い部分から薄い部分へ均一になるよう自由に移動することができる。
したがって、本発明の膜電極接合体は、(1)電解質膜を作製する際に電解質樹脂にセリウムイオンを含む溶液、例えば硝酸セリウムを添加するか、(2)アノード触媒層を作製する際に触媒インクにセリウムイオンを含む溶液、例えば硝酸セリウムを添加するか、(3)カソード触媒層を作製する際に触媒インクにセリウムイオンを含む溶液、例えば硝酸セリウムを添加するか、又は(4)前記(1)〜(3)の2つ以上の工程を行うかによって、前記の通りMEA全体に含まれるセリウムイオンとスルホン酸との比率を規定すること以外は、当該技術分野で公知の膜電極接合体の製造に従って、製造することができる。なお、セリウムイオンは、セリウムを含む化合物、例えば酸化セリウムを添加し、溶解させることで導入してもよい。
本発明の膜電極接合体では、各触媒層の電解質膜と接合されている面と反対の面、すなわちMEAの両面には、ガス拡散層が接合されていてもよい。ガス拡散層としては、導電性多孔質シートが好ましい。導電性多孔質シートとしては、当該技術分野で公知の導電性多孔質シートを使用することができ、限定されないが、カーボンクロス、カーボンペーパーなどの通気性、あるいは通液性を有する材料から形成されたシートなどを使用することができる。
さらに、本発明の膜電極接合体又はMEGAの両面に、ガスを流通させるセパレータが配置されることによって、燃料電池の単セルが形成される。また、単セルが複数積層されることで燃料電池が形成される。
本発明の膜電極接合体を備えた燃料電池は、向上した耐久性及び発電性能を有する。
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
膜電極接合体(MEA)を、MEA全体に含まれるスルホン酸の合計含有量をA(meq/cm2−MEA)とし、MEA全体に含まれるセリウムイオンの合計含有量をB(mmol/cm2−MEA)としたときに、B/Aが様々な値を有するように製造し、各MEAについて、MEAの相対湿度が30%のときにおける、アノード触媒層及びカソード触媒層のプロトン抵抗、並びにMEAのスルホン酸分解量、つまり過酸化水素ラジカルによるスルホン酸の分解量を測定した。なお、プロトン抵抗は、周波数応答解析によって測定し、スルホン酸分解量は、MEA分解物の成分分析によって測定した。
図1に、MEA全体に含まれるセリウムイオンとスルホン酸との比率B/A(mol/eq)と、触媒層プロトン抵抗(Ω・cm2)及びスルホン酸分解量(μm相当)との関係を示す。図1における左側の縦軸は、アノード触媒層及びカソード触媒層のプロトン抵抗を示す。図1における右側の縦軸は、MEAのスルホン酸分解量を示す。
図1より、MEA全体に含まれるセリウムイオンとスルホン酸との比率B/Aが0.005〜0.05、好ましくは0.01〜0.02を満たすことによって、燃料電池の発電中に発生する過酸化水素ラジカルのスルホン酸分解量を小さくしつつ、さらに、プロトン抵抗もまた小さくすることができることがわかった。
Claims (1)
- 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と、を有する燃料電池用の膜電極接合体であって、
前記電解質膜と前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の少なくとも1つがスルホン酸を含み、
前記電解質膜と前記アノード触媒層と前記カソード触媒層の少なくとも1つがセリウムイオンを含み、
前記スルホン酸の合計含有量をAとし、前記セリウムイオンの合計含有量をBとしたときに、B/Aが下記式(1)
0.005 ≦ B/A(mol/eq) ≦ 0.05 式(1)
を満たす、前記膜電極接合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020087823A JP2021182521A (ja) | 2020-05-20 | 2020-05-20 | 膜電極接合体 |
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