JP2021171954A - 樹脂基板積層体及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

樹脂基板積層体及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂基板を剥離層から容易に機械剥離可能なものとする樹脂基板積層体の提供。【解決手段】支持基板1と剥離層2を有する剥離層付き支持基板4と、剥離層2の支持基板1とは反対側の表面の上に剥離可能に積層された樹脂基板3とを備え、剥離層2の表面の組成をSixCyOz(x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.67を満たし、剥離層2と樹脂基板3との接着力が0.35N/cm以下であり、剥離層2が、蒸着膜である樹脂基板積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂基板積層体及び樹脂基板積層体を用いた電子デバイスの製造方法に関する。
近年、有機ELディスプレイ(OLED)、液晶パネル(LCD)、太陽電池(PV)などの電子デバイスの薄型化、軽量化が進んでいる。さらに、これらの電子デバイスに対して、曲げるという機能性、つまりフレキシブルを付与することが望まれている。そのような背景の下、従来の重くて曲げることができないガラス基板に代わって、軽量かつ柔軟な樹脂基板が用いられている。
これらの電子デバイスの製造工程では、支持基板の上に無機物や有機物からなる剥離層を形成し、剥離層の上にガラス基板や樹脂基板を剥離可能に積層した基板積層体が用いられている。具体的には、基板積層体のガラス基板や樹脂基板の上に電子部品を形成し、その後に電子部品付のガラス基板や樹脂基板を剥離層から剥離して、電子デバイスが製造されている。
特許文献1には、支持基板と、支持基板上に配置された無機層を備える無機層付き支持基板と、無機層上に剥離可能に積層されたガラス基板を備えるガラス積層体を用い、物理的にガラス基板を剥離する電子デバイスの製造方法が記載されている。
特許文献2には、支持基板と、支持基板の上に積層された剥離層と、を有する剥離層付き支持基板と、剥離層の支持基板とは反対側の表面の上に剥離可能に積層された樹脂基板と、を備え、剥離層の表面の組成が、Si(0.05≦x≦0.43,0.27≦y≦0.73,0.22≦z≦0.30,x+y+z=1)であり、剥離層は、アモルファス状態であり、波長355nmのレーザー光を強度60〜80mJ/cmで照射することにより樹脂基板が剥離層から剥離可能となる材料で構成されている樹脂基板積層体及び該樹脂基板積層体を用いた電子デバイスの製造方法が記載されている。
特許文献3には、支持体とポリイミドフィルムとから構成された積層体を用いたデバイス構造体に関し、支持体に対向させる面にプラズマ処理が施されたポリイミドフィルムを用い、支持体とポリイミドフィルムとが対向する面の少なくとも一方に、カップリング剤を用いて、接着剥離強度は異なり表面粗さは略同一である良好接着部分と易剥離部分とを形成するパターン化処理を施し、その後、支持体とポリイミドフィルムとを重ね合わせて加圧加熱処理をして製造した積層体の易剥離部分のポリイミドフィルムに切り込みを入れてポリイミドフィルムを支持体から剥離することが記載されている。
特許第5991373号公報 特許第6492140号公報 特開2013−10342号公報
特許文献1に記載の技術では、ガラス基板を用いているが、樹脂基板を用いることは想定されておらず、物理的に機械剥離を行う場合には厚みの薄い樹脂基板が破れてしまうという課題があった。
特許文献2に記載の技術では、レーザー光の照射を行い樹脂基板の剥離を行うが、高エネルギーのパルスレーザー光を用いるため、設備が高額となってしまうという課題があった。また、特許文献2に記載の技術では、ガラス基板などの支持基板越しにレーザーを樹脂基板側へ照射するため、支持基板の汚れ等の影響を受けることから、支持基板における裏面側の品質維持が重要となっており、さらに、支持基板の透過率の影響も受けやすいという課題があった。
特許文献3に記載の技術では、用いるポリイミドが限定されるとともに、カップリング剤の溶液を支持体やポリイミドフィルムに塗布、乾燥し熱処理を施し、更にエッチング等によりカップリング処理層の一部を選択的に不活性化処理して所定のパターンを形成する必要があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、樹脂基板を剥離層から容易に機械剥離可能なものとする樹脂基板積層体及び樹脂基板積層体を用いた電子デバイスの製造方法を提供することにある。
前記課題は、本発明の樹脂基板積層体によれば、支持基板と、前記支持基板の上に積層された剥離層と、を有する剥離層付き支持基板と、前記剥離層の前記支持基板とは反対側の表面の上に剥離可能に積層された樹脂基板と、を備え、前記剥離層の表面の組成をSi(x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.67を満たし、前記剥離層と前記樹脂基板との接着力が0.35N/cm以下であり、前記剥離層が、蒸着膜であること、により解決される。
上記構成により、蒸着法により剥離層を簡易的に形成できるとともに、樹脂基板を剥離層から容易に機械剥離することが可能となる。
このとき、前記剥離層の表面の組成が、Si(0.51≦x≦0.76,0.17≦y≦0.40,0.07≦z≦0.11,x+y+z=1)であると好適である。
このとき、前記剥離層の表面の組成をSi(x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.48を満たし、前記接着力が0.20N/cm以下であると好適である。
このとき、前記樹脂基板の膜厚が25μm以下であり、機械的に剥離されると好適である。
前記課題は、本発明の電子デバイスの製造方法によれば、剥離層を蒸着法により支持基板上に積層し、前記剥離層の前記支持基板とは反対側の表面上に樹脂基板を積層して樹脂基板積層体を用意する工程と、前記樹脂基板積層体の前記樹脂基板の表面上に電子デバイス用部材を形成する部材形成工程と、前記剥離層から前記樹脂基板を機械的に剥離する剥離工程と、を行い、前記剥離層の表面の組成をSi(x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.67を満たすこと、により解決される。
このとき、前記剥離層の表面の組成が、Si(0.51≦x≦0.76,0.17≦y≦0.40,0.07≦z≦0.11,x+y+z=1)であると好適である。
このとき、前記剥離層の表面の組成をSi(x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.48を満たすと好適である。
このとき、前記樹脂基板の膜厚が25μm以下であると好適である。
本発明の樹脂基板積層体は、蒸着膜である剥離層と、樹脂基板との接着力が所定値以下であり、機械的な剥離で樹脂基板を剥離層から容易に剥離可能であるため、樹脂基板に損傷を与えることなく、剥離を行うことができる。したがって、本発明の樹脂基板積層体を電子デバイスの製造に利用すると、生産性が向上するとともに、レーザー光を用いる場合と比較して、支持基板の選択肢が広がるとともに、製造コストを削減することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る樹脂基板積層体を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る樹脂基板積層体に電子デバイス用部材を形成した電子デバイス用部材付き積層体を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子デバイス用部材付き積層体において、剥離層付き支持基板から電子デバイスを剥離する様子を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子デバイスの製造方法のフロー図である。 横軸にC/(Si+O)、縦軸に接着力をプロットしたグラフである。
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)に係る樹脂基板積層体、該樹脂基板積層体を用いた電子デバイスの製造方法について図1乃至図5を参照して説明する。
<樹脂基板積層体S>
本実施形態の樹脂基板積層体Sは、図1に模式的断面図を示すように、支持基板1および蒸着膜である剥離層2を含む剥離層付き支持基板4と、樹脂基板3とを有する。本実施形態の樹脂基板積層体Sにおいて、剥離層付き支持基板4の剥離層2の剥離層表面2a(支持基板1側とは反対側の表面)と、樹脂基板3の第一面3aと、を積層面として、剥離層付き支持基板4と樹脂基板3とが剥離可能に積層している。換言すると、剥離層2の一方の面が支持基板1に固定されると共に、剥離層2の他方の面が樹脂基板3の第一面3aに接し、剥離層2と樹脂基板3との界面は剥離可能に密着されている。つまり、剥離層2は、樹脂基板3の第一面3aに対して易剥離性を具備する。以下、樹脂基板積層体Sの構成について詳述する。
(剥離層付き支持基板4)
剥離層付き支持基板4は、支持基板1と、その表面上に蒸着法で積層された剥離層2とを備えている。剥離層2は、後述する樹脂基板3と剥離可能に密着するように、剥離層付き支持基板4における最も外側に配置されている。次に、支持基板1および剥離層2について説明する。
(支持基板1)
支持基板1は、第一面1aと第二面1bとを有し、第一面1a上に配置された剥離層2と共に、樹脂基板3を支持する基板である。支持基板1としては、例えば、ガラス板、プラスチック板などが用いられるがこれに限定されるものではない。取扱いが容易であり、安価であることから支持基板1として、ガラス板を用いることが好ましい。
前記ガラス板としては、石英ガラス、高ケイ酸ガラス(96%シリカ)、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標))、ホウケイ酸ガラス(無アルカリ)、ホウケイ酸ガラス(マイクロシート)、アルミノケイ酸塩ガラス等が含まれる。これらの中でも、線膨張係数が5ppm/K以下のものが望ましく、市販品であれば、液晶用ガラスであるコーニング社製の「コーニング(登録商標)7059」や「コーニング(登録商標)1737」、「EAGLE」、旭硝子社製の「AN100」、日本電気硝子社製の「OA10」、SCHOTT社製の「AF32」、アヴァンストレート社製の「NA32SG」などが望ましい。
支持基板1の平面部分は、充分に平坦である事が望ましい。具体的には、表面粗さのP−V値が50nm以下、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。表面粗さの値が大きいと、剥離層2と支持基板1の接着強度が不充分となる場合がある。
支持基板1の厚さは、後述する樹脂基板3の厚さ、および最終的な樹脂基板積層体S厚さに基づいて、選択される。支持基板1としてガラス板を用いる場合、支持基板1の厚さは、電子デバイス用部材を形成した後に剥離する際に、割れずに適度に撓む性質を備えるために、10mm以下の厚さが好ましく、3mm以下がより好ましく、1.3mm以下がさらに好ましい。厚さの下限については特に制限されないが、取り扱い性の観点から、好ましくは0.07mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上である。
支持基板1の面積は、剥離層付き支持基板4や樹脂基板積層体S、フレキシブル電子デバイスの生産効率・コストの観点より、大面積であることが好ましい。具体的には、1000cm以上であることが好ましく、1500cm以上であることがより好ましく、2000cm以上であることがさらに好ましい。
(剥離層2)
剥離層2は、支持基板1の第一面1a上に積層され、樹脂基板3の第一面3aと接する層であり、剥離層表面2aの組成をSi(0.51≦x≦0.76,0.17≦y≦0.40,0.07≦z≦0.11,x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.67を満たす蒸着膜(具体的には、物理蒸着膜や化学蒸着膜)である。このとき、剥離層表面2aの組成をSi(0.59≦x≦0.76,0.33≦y≦0.40,0.08≦z≦0.11,x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.48を満たすと好適である。
剥離層2の剥離層表面2aとは、剥離層2の最表面(支持基板1とは反対側の最表面)のことをいう。より詳細には、剥離層2の剥離層表面2aは、剥離層2の厚さを100%として最表面から支持基板1側に向けて10%の距離までの領域をいう。
剥離層2における剥離層表面2aおよびそれ以外の組成は、X線光電子分光法(XPS)により測定できる。なお、剥離層2において、剥離層表面2a以外の組成は、剥離層表面2aの組成と異なっていてもよく、同一であってもよい。
剥離層2は、Si(0.51≦x≦0.76,0.17≦y≦0.40,0.07≦z≦0.11,x+y+z=1)が主成分として含まれていることが好ましい。ここで、主成分とは、剥離層2の全体を100質量%としたときに、Si(0.51≦x≦0.76,0.17≦y≦0.40,0.07≦z≦0.11,x+y+z=1)の総含有量が90質量%以上であることを意味し、95質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることがより好ましい。
剥離層2には、主成分であるSi(0.51≦x≦0.76,0.17≦y≦0.40,0.07≦z≦0.11,x+y+z=1)以外に、ドーパントが添加されていてもよい。ドーパントとしては、例えば、N(窒素)やB(ホウ素)、Al(アルミニウム)、P(リン)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。主成分であるSi(0.51≦x≦0.76,0.17≦y≦0.40,0.07≦z≦0.11,x+y+z=1)に対するドーパントの含有割合は、10原子%以下であることが好ましい。ドーパントの含有割合が上記範囲内であることにより、良好な剥離性を実現することができる。
本実施形態における剥離層2は、物理蒸着膜や化学蒸着膜などの蒸着膜であり、所定の組成となる剥離層表面2aを形成するために、別途カップリング剤を塗布するなどウェットプロセスを必要とせず、追加のパターニング処理など表面処理を行う必要も無い。また、蒸着法というドライプロセスを採用しているため、ウェットプロセスとは異なり、溶媒を用いていないため、電子デバイスの製造工程において、残存溶媒が影響を与えてしまうことがない。
剥離層2の厚さは、1nm〜20μm程度であるのが好ましく、10nm〜2μm程度であるのがより好ましく、40nm〜1μm程度であるのがさらに好ましい。剥離層2の厚みが薄すぎると、形成された膜厚の均一性が失われて剥離にむらが生ずる可能性がある。
剥離層2は、図1では単層として図示されているが、2層以上を積層して構成することも可能である。
また、剥離層2は、通常、図1に示すように支持基板1の第一面1aの全面にわたって積層されるが、適切な剥離性を有するのであれば、支持基板1の第一面1a上の一部に積層されていてもよい。例えば、剥離層2を、支持基板1の第一面1a上に、島状や、ストライプ状に設けられていてもよい。
(樹脂基板3)
樹脂基板3は、第一面3aが剥離層2と接し、剥離層2側とは反対側の第二面3bに後述する電子デバイス用部材Pが設けられる。樹脂基板3を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン(高密度、中密度又は低密度)、ポリプロピレン(アイソタクチック型又はシンジオタクチック型)、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、フッ素化ポリイミドといった芳香族ポリイミド、脂環族ポリイミドなどのポリイミド系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、ポリ−(4−メチルベンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンレンテレフタレート(PBT)、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロへキシレン・ジメチレン・テレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エボキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ナイロン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂等、又はこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
樹脂基板3として、耐熱性が100℃以上の高分子を用いたフィルム、所謂エンジニアリングプラスチックを用いたフィルムであることが好ましい。エンジニアリングプラスチックを用いたフィルムとは、例えば、芳香族ポリエステルフィルムであることが好ましく、さらには耐熱温度が150℃を越える芳香族ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルムなどのスーパーエンプラフィルムなどを挙げることができる。ここに耐熱性とはガラス転移温度ないしは熱変形温度をいう。
樹脂基板3の厚さは、特に限定されないが、厚みを薄くすることが可能であり、高分子フィルムの厚さは3μm以上が好ましく、より好ましくは5μm以上であり、さらに好ましくは7μm以上である。高分子フィルムの厚さの上限は特に制限されないが、最終的な電子デバイスの薄型化、フレキシブル化の観点から、250μm以下であることが好ましく、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは90μm以下であり、より一層好ましくは40μm以下、25μm以下、20μm以下である。なお、樹脂基板3は樹脂層を2層以上積層したラミネート体を用いてもよい。
(剥離層2と樹脂基板3との接着力について)
本実施形態の樹脂基板積層体Sでは、剥離層2と樹脂基板3との接着力(密着力)が、容易に機械的に剥離可能な程度に小さくなっている。接着力は、例えば、90°ピール試験で測定される90°ピール強度として測定することが可能である。
樹脂基板3の厚みにもよるが、剥離層2と樹脂基板3の接着力が、0.35N/cm以下、好ましくは0.30N/cm以下、より好ましくは0.20N/cm以下、更に好ましくは0.10N/cm以下であるとよい。
(樹脂基板積層体Sの用途について)
以上のように、本実施形態の樹脂基板積層体Sは、上述した剥離層付き支持基板4の剥離層表面2aと樹脂基板3の第一面3aを積層面として、剥離層付き支持基板4と樹脂基板3を剥離可能に積層してなる積層体である。つまり、支持基板1と樹脂基板3との間に、剥離層2が介在する積層体である。
このような構成の樹脂基板積層体Sは、後述するように電子デバイスの製造において使用される。具体的には、図2に示すように、樹脂基板積層体Sは、第二面3bの表面上に電子デバイス用部材Pが形成される。その後、図3に示すように、剥離層付き支持基板4は、樹脂基板3との界面で剥離され、剥離層付き支持基板4は電子デバイスを構成する部材とはならない。電子デバイス用部材Pが形成された樹脂基板3が分離された剥離層付き支持基板4には、新たな樹脂基板3が積層され、剥離層付き支持基板4として再利用できる。
本発明の樹脂基板積層体Sは、種々の用途に使用でき、例えば、液晶パネル(LCD)、有機ELディスプレイ(OLED)、電子ペーパー、フィールドエミッションパネル、量子ドットLEDパネル、MEMSシャッターパネル等の表示装置用パネル、太陽電池(PV)、薄膜2次電池、表面に回路が形成された半導体ウェハ等の電子デバイスを製造する用途などが挙げられる。
<電子デバイスDの製造方法>
本実施の形態の電子デバイスの製造方法は、剥離層を蒸着法により支持基板上に積層し、前記剥離層の前記支持基板とは反対側の表面上に樹脂基板を積層して樹脂基板積層体を用意する工程と、前記樹脂基板積層体の前記樹脂基板の表面上に電子デバイス用部材を形成する部材形成工程と、前記剥離層から前記樹脂基板を機械的に剥離する剥離工程と、を行い、前記剥離層の表面の組成をSi(x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.67を満たすことを特徴とする。
以下、各工程について図4を参照して詳細に説明する。
(樹脂基板積層体を用意する工程)
樹脂基板積層体を用意する工程(ステップS1)では、まず、支持基板1に剥離層2を蒸着法により積層し、剥離層付き支持基板4を得て、該剥離層付き支持基板4の上に樹脂基板3を積層する。
具体的には、所定のSi:Cの比であるターゲットを用いて蒸着法により剥離層2を支持基板1上に積層し、剥離層付き支持基板4を得て、該剥離層付き支持基板4における剥離層2の支持基板1とは反対側の表面2a上に樹脂基板3を積層する。
剥離層付き支持基板4において、支持基板1上に剥離層2を形成する方法は、均一な厚みで剥離層を形成可能な方法であればよく、剥離層2の組成や厚み等の諸条件に応じて適宜選択することが可能である。蒸着法としては、物理蒸着(PVD)や化学蒸着(CVD)を利用することが可能である。物理蒸着としては、例えば、スパッタリング法、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング、イオンビームデポジション、分子線蒸着(MB)、真空蒸着などを採用することが可能であるが、これら方法に限定されるものではない。また、化学蒸着としては、例えば、熱CVD、光CVD、プラズマCVD、有機金属気相成長法(MOCCVD)、低圧CVD、ECR―CVD法、等の各種気相成膜法などを採用することが可能であるが、これら方法に限定されるものではない。これらのうち2種以上の方法を組み合わせてもよい。
例えば、SiCターゲットを用いて、Ar等の不活性ガスとO等の酸素原子含有ガスの混合ガスを導入して、スパッタリング法やCVD法などの蒸着法により、支持基板1の第一面1a上に、剥離層2を設けることで剥離層付き支持基板4が製造される。このとき、ターゲットの組成や、混合ガス中の酸素原子含有ガスの量を調整することで、剥離層2の剥離層表面2aの酸素量(zの値)を制御することが可能である。なお、剥離層2の成膜条件は、用いる材料等に応じて、適宜選択すればよい。
剥離層2を成膜する際に用いるターゲットとしては、Si:Cの比が所定の比率となるように、SiC(炭化ケイ素)、SiCO(silicon carbon oxide)、SiO(酸化ケイ素)、Si(ケイ素)などの物質を、単独又は組み合わせて用いることが可能である。このとき、ターゲットのSi:Cの比を調整することで、剥離層2の剥離層表面2aのケイ素量(xの値)及び炭素量(yの値)を制御することが可能である。
樹脂基板積層体Sにおいて、剥離層付き支持基板4の剥離層2上に樹脂基板3を積層する方法は、特に限定されないが、樹脂基板3を構成する樹脂の溶液や、樹脂前駆体の溶液を塗布・乾燥してフィルム化する手法を用いることができる。
剥離層2上への樹脂の溶液や樹脂前駆体溶液の塗布は、例えば、スピンコート、ドクターブレード、アプリケーター、コンマコーター、スクリーン印刷法、スリットコート、リバースコート、ディップコート、カーテンコート、スリットダイコート等、公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
例えば、樹脂基板3がポリイミド系樹脂フィルムである場合は、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を剥離層2の上に所定の厚さとなるように塗布し、乾燥した後に、高温熱処理して脱水閉環反応を行わせる熱イミド化法又は無水酢酸等を脱水剤とし、ピリジン等を触媒として用いる化学イミド化法を行うことによって得ることができる。
また、樹脂基板3が熱可塑性樹脂フィルムである場合は、溶融延伸法により熱可塑性樹脂フィルムを得ることが出来る。また、熱可塑性樹脂フィルムでない場合は、溶液製膜法により樹脂フィルムを得ることが出来る。
(部材形成工程)
部材形成工程(ステップS2)では、樹脂基板積層体の樹脂基板の表面上に電子デバイス用部材を形成する。具体的には、図2に示すように、本工程において、樹脂基板3の第二面3b上に電子デバイス用部材Pが形成され、電子デバイス用部材付き積層体SPが製造される。まず、本工程で使用される電子デバイス用部材Pについて説明し、次に、本工程について詳述する。
電子デバイス用部材Pは、樹脂基板積層体Sの樹脂基板3の第二面3b上に形成される電子デバイスDの少なくとも一部を構成する部材である。具体的には、電子デバイス用部材Pとしては、OLEDなどの表示装置用パネル、太陽電池、薄膜2次電池、表面に回路が形成された半導体ウェハ等の電子部品などに用いられる部材が挙げられる。
例えば、OLED用部材としては、電極や、有機物層を積層してエッチングを行って形成したTFT素子や駆動回路などを挙げることができる。また、太陽電池用部材としては、シリコン型では、正極の酸化スズなど透明電極、p層/i層/n層で表されるシリコン層、および負極の金属等が挙げられ、その他に、化合物型、色素増感型、量子ドット型などに対応する各種部材等を挙げることができる。また、薄膜2次電池用部材としては、リチウムイオン型では、正極および負極の金属または金属酸化物等の透明電極、電解質層のリチウム化合物、集電層の金属、封止層としての樹脂等が挙げられ、その他に、ニッケル水素型、ポリマー型、セラミックス電解質型などに対応する各種部材等を挙げることができる。また、電子部品用部材としては、CCDやCMOSでは、導電部の金属、絶縁部の酸化ケイ素や窒化珪素等が挙げられ、その他に圧力センサ・加速度センサなど各種センサやリジッドプリント基板、フレキシブルプリント基板、リジッドフレキシブルプリント基板などに対応する各種部材等を挙げることができる。
電子デバイス用部材付き積層体SPの製造方法は特に限定されず、電子デバイス用部材Pの構成部材の種類に応じて公知の方法を用いて、樹脂基板積層体Sの樹脂基板3の第二面3bの上に、電子デバイス用部材Pを形成する。なお、電子デバイス用部材Pは、樹脂基板3の第二面3bの表面上に最終的に形成される部材の全部ではなく、部材の一部であってもよい。部分部材付き樹脂基板を、その後の工程で全部材付き樹脂基板(後述する電子デバイスに相当)とすることもできる。また、樹脂基板には、その剥離面(第一面3a)に他の電子デバイス用部材が形成されてもよい。また、全部材付き積層体を組み立て、その後、電子デバイス用部材Pが形成された樹脂基板3から剥離層付き支持基板4を剥離して、電子デバイスDを製造することもできる。
例えば、OLEDを製造する場合、樹脂基板積層体Sの樹脂基板3の第二面3bの表面上に有機EL構造体を形成するために、透明電極を形成する、さらに透明電極を形成した面上にホール注入層・ホール輸送層・発光層・電子輸送層等を蒸着する、裏面電極を形成する、封止板を用いて封止する、等の各種の層形成や処理が行われる。これらの層形成や処理として、具体的には、成膜処理、蒸着処理、封止板の接着処理等が挙げられる。
また、例えば、TFT−LCDを製造する場合は、樹脂基板積層体Sの樹脂基板3の第二面3bの表面上に、レジスト液を用いて、CVD法およびスパッタ法など、一般的な成膜法により形成される金属膜および金属酸化膜等にパターン形成して薄膜トランジスタ(TFT)を形成するTFT形成工程と、別の樹脂基板積層体Sの樹脂基板3の第二面3bの上に、レジスト液をパターン形成に用いてカラーフィルタ(CF)を形成するCF形成工程と、TFT付きデバイス基板とCF付きデバイス基板とを積層する、貼り合わせ工程等の各種工程を有する。
TFT形成工程やCF形成工程では、周知のフォトリソグラフィ技術やエッチング技術等を用いて、樹脂基板3の第二面3bにTFTやCFを形成する。この際、パターン形成用のコーティング液としてレジスト液が用いられる。なお、TFTやCFを形成する前に、必要に応じて、樹脂基板3の第二面3bを洗浄してもよい。洗浄方法としては、周知のドライ洗浄やウェット洗浄を用いることができる。貼り合わせ工程では、TFT付き積層体と、CF付き積層体との間に液晶材を注入して積層する。液晶材を注入する方法としては、例えば、減圧注入法、滴下注入法がある。
(剥離工程)
剥離工程(ステップS3)では、前記部材形成工程で得られた電子デバイス用部材付き積層体の剥離層から樹脂基板を機械的に剥離して、電子デバイス用部材Pおよび樹脂基板3を含む電子デバイスDを得る。つまり、電子デバイス用部材付き積層体SPを、剥離層付き支持基板4と電子デバイスDとに分離する工程である。
より詳細には、剥離工程では、前記部材形成工程で得られた電子デバイス用部材付き積層体の剥離層2を支持基板1に保持させたまま、物理的な力を加えることによって樹脂基板3を剥離層2から分離する。剥離後の樹脂基板3上の電子デバイス用部材Pが最終的な全構成部材の一部である場合には、剥離後、残りの構成部材を樹脂基板3上に形成すればよい。
物理的な力を加えて樹脂基板3を剥離層2から引き剥がすことで、樹脂基板3を剥離層2から分離させることができる。樹脂基板3を剥離層2から分離させる方法は、物理的な力を加える方法であれば特に限定されないが、例えば、駆動ロールによる巻き取りや引き剥がす方法、粘着シートや吸着パッドを利用した引き剥がす方法、端面からエアを噴きつけながらの引き剥がす方法、人の手によって引き剥がす方法などが挙げられる。
上記工程によって得られた電子デバイスDは、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット型PCなどのモバイル端末に使用される小型の表示装置の製造に好適である。表示装置は主としてLCDまたはOLEDであり、LCDとしては、TN型、STN型、FE型、TFT型、MIM型、IPS型、VA型等を含む。基本的にパッシブ駆動型、アクティブ駆動型のいずれの表示装置の場合でも適用できる。
本実施形態では、主として本発明に係る樹脂基板積層体および樹脂基板積層体を用いた電子デバイスの製造方法について説明した。ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
以下、本発明の樹脂基板積層体及び樹脂基板積層体を用いた電子デバイスの製造方法の具体的実施例について説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
<A.実施例及び比較例に係る樹脂基板積層体の形成>
(A−1.剥離層形成工程)
以下の条件で、支持基板としてガラス板(縦100mm、横100mm、板厚0.7mm、アヴァンストレート社製、商品名「NA32SG」)に剥離層を積層し、剥離層付き支持基板を作製した。このとき、剥離層に含まれるSiとCの組成比を変化させ、SiとCの組成比が剥離性能に与える影響を検討した。剥離層付き支持基板に対して、中性洗剤1層、純水2層、純水引き上げ層の4層バッチ式洗浄を実施した。
スパッタ装置 :カルーセル型バッチ式スパッタ装置
ターゲット :Si(ケイ素)とC(炭素)を二元スパッタ成膜
スパッタ方式 :DCパルス印加、マグネトロンスパッタ
排気装置 :ターボ分子ポンプ
到達真空度 :1.0×10-4Pa(7.5×10−6Torr)
基材温度 :200℃
スパッタ電力 :0.6〜2.5kW/cm(SiとCの比率に応じて値を設定)
膜厚 :60〜100nm
Ar流量 :330sccm
(A−2.樹脂基板積層工程)
以下のとおり、ポリイミド樹脂基板(樹脂基板)を積層した。ポリイミド樹脂成形材料の溶媒希釈溶液(東レ株式会社製、SP030N)をスピンコーター(共和理研製、K359S1)用いて、所定のスピンナー条件(樹脂基板の厚さ10μm:初速300rpm−10秒、2速1180rpm−20秒、樹脂基板の厚さ20μm:初速300rpm−10秒、2速560rpm−20秒))で、剥離層付き支持基板の剥離層の上に塗布した。塗布後の基板面内の均一化を目的として、レベリング(水平平置き)を1分実施した。ホットプレートを用いて120℃−6分の条件でプレベークした。次に、オーブンを用いて450℃−30分の条件でポストベークし、ポリイミド樹脂基板(縦100mm、横100mm、厚さ10μm(試料No.1−1〜1−7)又は20μm(試料No.2−1〜2−8))を積層し、樹脂基板積層体を得た。
<B.XPSによる組成分析)>
各試料について、XPS(装置:日本電子製、JPS−90000MC)による剥離層表面の組成分析を、以下の条件で行った。
(分析条件)
X線源 :MgKα
X線出力 :10kV×10mA(100W)
EPass :10eV
Step :0.1eV
Dwell time×積算回数:100mS×8
測定元素 :Si,C,O
<C.剥離試験(90°ピール試験)>
以下の方法で90°ピール試験を行い、剥離層2と樹脂基板3との接着力を測定した。まず、樹脂基板積層体上でポリイミドフィルム(樹脂基板)に10mm幅の切り込みを入れ、つかみ代を作製した。次に、ホットプレート上で乾燥した(150℃、20分間)。そして、50mm/分の速度で90°上側に引っ張りあげ、その強度(90°ピール強度)を測定し、接着力とした。測定には、デジタルフォースゲージFGJN−5及びフォースゲージスタンドFGS−50V−H(日本電産シンポ(株)社製)を用いた。
また、機械剥離時に、ポリイミド樹脂基板の端部における薄膜部に破れが生じたか否かについての官能評価を実施した。ポリイミド樹脂基板の端部は、厚みが薄くなっており、破れやすい箇所である。
結果を以下の表1及び図5に示す。表1において、組成比は原子濃度比(at%)で示されており、Si,C,Oの値(at%)を100で割った値が、それぞれx,y,zに対応する。また、C/(Si+O)は、y/(x+z)と同義である。
Figure 2021171954
以上の結果から、図5に示されるように、y/(x+z)が所定値以上で急激に接着力が大きくなり、ポリイミド樹脂基板を剥離層から機械的に剥離することが難しくなることがわかった。ポリイミド樹脂基板の厚みが20μm以上の場合(試料No.2−1〜2−8)の結果から、0.20≦y/(x+z)≦0.67の範囲で接着力が0.09又は0.10であり、ポリイミド樹脂基板を剥離層から機械的に剥離することが容易であることがわかった。ポリイミド樹脂基板の厚みが10μm以上の場合(試料No.1−1〜1−7)の結果から、0.20≦y/(x+z)≦0.62の範囲で接着力が0.35以下であることがわかった。
また、剥離層表面2aの組成をSi(0.51≦x≦0.76,0.17≦y≦0.40,0.07≦z≦0.11,x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.67を満たす場合に、剥離層2と樹脂基板3との接着力が0.35N/cm以下となることがわかった。
ポリイミド樹脂基板の厚みが20μm以上の場合(試料No.2−1〜2−8)と比較して、厚みが10μmの場合(試料No.1−1〜1−7)には、剥離層2との接着力が大きくなり、ポリイミド樹脂基板が剥離層から剥離しにくくなる。ポリイミド樹脂基板の厚みが10μmであっても、剥離層表面2aの組成が、Si(0.59≦x≦0.76,0.17≦y≦0.33,0.07≦z≦0.08,x+y+z=1)、0.20≦y/(x+z)≦0.48を満たす場合に、剥離層2と樹脂基板3との接着力が0.20N/cm以下となることがわかった。
S 樹脂基板積層体
1 支持基板
1a 第一面
1b 第二面
2 剥離層
2a 剥離層表面
3 樹脂基板
3a 第一面
3b 第二面
4 剥離層付き支持基板
P 電子デバイス用部材
SP 電子デバイス用部材付き積層体
D 電子デバイス

Claims (8)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板の上に積層された剥離層と、を有する剥離層付き支持基板と、
    前記剥離層の前記支持基板とは反対側の表面の上に剥離可能に積層された樹脂基板と、を備え、
    前記剥離層の表面の組成をSi(x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.67を満たし、
    前記剥離層と前記樹脂基板との接着力が0.35N/cm以下であり、
    前記剥離層が、蒸着膜であることを特徴とする樹脂基板積層体。
  2. 前記剥離層の表面の組成が、Si(0.51≦x≦0.76,0.17≦y≦0.40,0.07≦z≦0.11,x+y+z=1)であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂基板積層体。
  3. 前記剥離層の表面の組成をSi(x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.48を満たし、
    前記接着力が0.20N/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂基板積層体。
  4. 前記樹脂基板の膜厚が25μm以下であり、
    機械的に剥離されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂基板積層体。
  5. 剥離層を蒸着法により支持基板上に積層し、前記剥離層の前記支持基板とは反対側の表面上に樹脂基板を積層して樹脂基板積層体を用意する工程と、
    前記樹脂基板積層体の前記樹脂基板の表面上に電子デバイス用部材を形成する部材形成工程と、
    前記剥離層から前記樹脂基板を機械的に剥離する剥離工程と、を行い、
    前記剥離層の表面の組成をSi(x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.67を満たすことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  6. 前記剥離層の表面の組成が、Si(0.51≦x≦0.76,0.17≦y≦0.40,0.07≦z≦0.11,x+y+z=1)であることを特徴とする請求項5に記載の電子デバイスの製造方法。
  7. 前記剥離層の表面の組成をSi(x+y+z=1)としたときに、y/(x+z)≦0.48を満たすことを特徴とする請求項5に記載の電子デバイスの製造方法。
  8. 前記樹脂基板の膜厚が25μm以下であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の樹脂基板積層体。
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