JP2021165320A - シリコーン含有ブロック共重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低製造コスト、簡便な方法で合成可能なシリコーン含有重合体を提供すること。
【解決手段】ラジカル重合可能な単量体(a)を、メルカプト基を有する化合物の存在下に重合させて得られる重合体(A)と、シリコーン系重合体(B)とを結合して得られる、シリコーン含有共重合体であって、該単量体(a)がメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル、メタクリル酸アミド、及びアクリル酸アミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物であり、該メルカプト基を有する化合物が構造式Z−R−SH(式中、Rはアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基から選択される2価の有機基であり、Zはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基からなる群より選択される反応性官能基)で表される化合物であり、該シリコーン系重合体(B)が多官能性オルガノポリシロキサンである、シリコーン含有ブロック共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、工業化が可能で、かつ簡便な方法で合成されるシリコーン含有ブロック共重合体に関する。
シリコーン系添加剤は塗料の表面調整剤や消泡剤等として有用な添加剤であり、塗料分野において広く使用されている。なかでもアクリル変性シリコーン化合物はシリコーン化合物のなかでも比較的安価であり、多岐にわたり開発が行われている。
アクリル変性シリコーンに関して、例えば、特許文献1には、ラジカル重合可能な単量体を、チオカルボニルチオ基を有する化合物の存在下にラジカル重合させて得られる重合体と、シリコーン系重合体とを、互いに結合させて得られる、シリコーン含有ブロック共重合体が開示されているが、該シリコーン含有ブロック共重合体は、処理剤を用いてチオカルボニルチオ基をメルカプト基に変換する工程等があるため、製造コストや生産性の点で難点があった。
また、特許文献2には、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを用いて、末端に二重結合を有するポリマーと、ヒドロシリル基を有するシリコーン化合物とをヒドロシリル化反応により結合する工程と、を含むシリコーン複合高分子体の製造方法が開示されているが、ヒドロシリル化の反応性が低いため高価な触媒が多量に必要であり、製造コストの点で難点があった。
特許第4242283号公報 特開平8−302022号公報
本発明は上記事情を勘案してなされたものであり、低い製造コストでかつ簡便な方法で合成可能なシリコーン含有共重合体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定のラジカル重合可能な単量体(a)を、特定のメルカプト基を有する化合物の存在下にラジカル重合させて得られる重合体(A)と、特定のシリコーン系重合体(B)とを互いに結合して得られる、シリコーン含有ブロック共重合体によれば、上記目的を達成できることを見出した。
即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1、ラジカル重合可能な単量体(a)を、メルカプト基を有する化合物の存在下にラジカル重合させて得られる重合体(A)と、シリコーン系重合体(B)とを互いに結合して得られる、シリコーン含有共重合体であって、
該単量体(a)がメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル、メタクリル酸アミド、及びアクリル酸アミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、該メルカプト基を有する化合物が構造式Z−R−SH(式中、Rはアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基からなる群より選択される2価の有機基(該有機基の水素原子はヘテロ原子で置換されていてもよい)であり、Zはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基からなる群より選択される反応性官能基)で表される化合物であり、該シリコーン系重合体(B)が多官能性オルガノポリシロキサンである、重量平均分子量1000〜100000のシリコーン含有ブロック共重合体。
項2、重合体(A)が、カルボキシル基を有する重合体であり、重合体(B)がエポキシ基を有する重合体である請求項1に記載のシリコーン含有ブロック共重合体。
項3、重合体(B)が、両末端にヒドロシリル基を含有するシリコーン化合物に対して、エポキシ基を含有する不飽和化合物を付加させて得られる化合物である請求項1又は2に記載のシリコーン含有ブロック共重合体。
本発明のシリコーン含有ブロック共重合体は、上記特徴を有することにより、低い製造コストでかつ簡便な方法で合成可能なシリコーン含有ブロック共重合体を提供することができる。
以下、本発明のシリコーン含有ブロック共重合体について、さらに詳細に説明する。
本発明のシリコーン含有ブロック共重合体は、ラジカル重合可能な単量体(a)を、メルカプト基を有する化合物の存在下にラジカル重合させて得られる重合体(A)と、シリコーン系重合体(B)とを互いに結合して得られる、シリコーン含有共重合体であって、
該単量体(a)がメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル、メタクリル酸アミド、及びアクリル酸アミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、該メルカプト基を有する化合物が構造式Z−R−SH(式中、Rはアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基からなる群より選択される2価の有機基(該有機基の水素原子はヘテロ原子で置換されていてもよい)であり、Zはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基からなる群より選択される反応性官能基)で表される化合物であり、該シリコーン系重合体(B)が多官能性オルガノポリシロキサンであることを特徴とするものである。
重合体(A)
重合体(A)は、ラジカル重合可能な単量体(a)を、メルカプト基を有する化合物の存在下にラジカル重合させることにより得ることができる。
該単量体(a)は、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル、メタクリル酸アミド、及びアクリル酸アミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。上記単量体は単独で、又は複数を組合せて使用することができる。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸トルイル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸3−メトキシブチル、メタクリル酸2−アミノエチル、2−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、メタクリル酸トリフルオロメチル、メタクリル酸ペンタフルオロエチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸トリイソプロピルシリル等を挙げることができる。
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、2−アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、2−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸ペンタフルオロエチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸3−ジメチルアミノエチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ラウリル、アルキル変性ジペンタエリスリトールのアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、アクリル酸カルビトール、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールのアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アクリル酸テトラエチレングリコール、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート、アクリル酸1,9−ノナンジオール、アクリル酸1,4−ブタンジオール、2−プロペノイックアシッド〔2−〔1,1−ジメチル−2−〔(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ〕エチル〕−5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル〕メチルエステル、アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロジェンフタレート、3−メトキシアクリル酸メチル、アクリル酸アリル、アクリル酸トリイソプロピルシリル等を挙げることができる。
芳香族アルケニルとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン等を挙げることができる。
これらのラジカル重合可能な単量体(a)のうち、重合性の観点から、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−メトキシエチルを好適に使用することができる。
メルカプト基を有する化合物は、構造式Z−R−SH(式中、Rはアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基からなる群より選択される2価の有機基(該有機基の水素原子はヘテロ原子で置換されていてもよい)であり、Zはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基からなる群より選択される反応性官能基)で表される化合物である。
本発明のシリコーン含有ブロック共重合体において、上記メルカプト基を有する化合物は、連鎖移動剤として作用するものである。
構造式中、Zはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基からなる群より選択され、後記シリコーン系重合体(B)との結合における反応性官能基として作用するものである。
構造式中、Rはアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基からなる群より選択される2価の有機基である。
アルキレン基は、炭化水素から2個の水素原子が除かれた2価の飽和炭化水素置換基である。該アルキレン基中の少なくとも1つの水素原子は、ヘテロ原子で置換されていてもよい。
アルキレン基として、具体的にはメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、t−ブチレン、sec−ブチレン、イソ−ブチレン、2−エチルヘキシレン、イソ−オクチレン、ドデシレン、ヘキサデシレン、ベヘニエン等を挙げることができる。重合性の観点から、アルキレン基としては、エチレン、イソプロピレンが好ましい。
アリーレン基は、芳香族炭化水素から2個の水素原子が除かれた2価の飽和芳香族炭化水素置換基である。該アリーレン基中の少なくとも1つの水素原子は、ヘテロ原子で置換されていてもよい。
アリーレン基として、具体的にはベンジレン、フラニレン、ピペリジレン、ナフチレン等を挙げることができる。重合性の観点から、アリーレン基としては、ベンジレンが好ましい。
アラルキレン基とは、アラルキル基の芳香環から水素原子を1個除いた2価の有機基であり、アラルキル基とはアルキル基(炭化水素から1個の水素原子が除かれた1価の飽和炭化水素置換基)の水素原子の1つがアリール基(芳香族炭化水素から1個の水素原子が除かれた1価の飽和芳香族炭化水素置換基)で置換されている1価の有機基である。
該アラルキレン基中の少なくとも1つの水素原子は、ヘテロ原子で置換されていてもよい。
アラルキレン基として、具体的には、キシリレン、トルエニレン等を挙げることができる。
上記構造式Z−R−SHで表されるメルカプト基を有する化合物として、具体的には、ヒドロキシル基を有する化合物としては、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1−プロパノール等を挙げることができる。
カルボキシル基を有する化合物としては、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトイソ酪酸、2−メルカプト安息香酸等を挙げることができる。
アミノ基を有する化合物としては、1−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール、2−メルカプトエチルアミン等を挙げることができる。
上記のうち、重合性の観点から、カルボキシル基を有する化合物を好適に使用することができる。
上記カルボキシル基を有する化合物の中でも、汎用性の観点から、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸を特に好適に使用することができる。
本発明のブロック共重合体を構成する重合体(A)は、上記単量体(a)を、上記メルカプト基を有する化合物の存在下にラジカル重合させることにより得ることができる。このとき、メルカプト基を有する化合物は連鎖移動剤として作用する。
上記重合体(A)の調製におけるラジカル重合の方法については特に限定されず、従来公知の方法、例えば、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、微細懸濁重合等を挙げることができる。重合に供する単量体は、一括して反応器に仕込んで反応させてもよく、逐次添加してもよい。
本発明において、重合体(A)を溶液重合により製造する場合、使用する溶剤としては、特に限定されず、ヘプタン、ヘキサン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド等のアミド系溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン、スワゾール310(コスモ石油社製)、スワゾール1000(コスモ石油社製)、スワゾール1500(コスモ石油社製)等の芳香族石油系溶剤等、を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、複数を組合せて使用してもよい。
使用する溶剤種や溶剤量の決定に際しては、単量体の溶解度、得られる重合体の溶解度、十分な反応速度を達成するために適切な重合開始剤濃度や単量体濃度、メルカプト基を有する化合物の溶解度、人体や環境に与える影響、入手性、価格等を考慮して決定すればよく特に限定されない。
上記溶剤のうち重合性の観点から、メチルイソブチルケトン、トルエンを好適に使用することができる。
本発明において、重合体(A)を乳化重合又は微細懸濁重合により製造する場合、使用する乳化剤としては、特に限定されず、ドデシル硫酸ナトリウム等の脂肪酸石けん、ロジン酸石けん、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸アンモニウム、アルキル硫酸トリエタノールアミン、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルアミン塩酸塩等のカチオン性界面活性剤等を使用することができる。これらの乳化剤は単独で使用してもよく、複数を組合せて使用してもよい。必要に応じて、後述する懸濁重合の分散剤を使用してもよい。
乳化剤の使用量は乳化剤の種類等に応じて適宜選択すれば良く、単量体総量に対して0.1〜30質量%が好ましい。
本発明において、重合体(A)を懸濁重合により製造する場合、使用する分散剤としては特に限定されず、当該分野で通常用いられる分散剤を使用することができる。具体的には例えば、部分けん化ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリアルキレンオキサイド、アニオン性界面活性剤と分散助剤を組合せた分散剤を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、複数を組合せて使用してもよい。必要に応じて、上記乳化重合の際に用いられる乳化剤を使用してもよい。分散剤の使用量は特に限定されないが、通常、単量体総量に対して0.1〜30質量%が好ましい。
メルカプト基を有する化合物の存在下に、単量体のラジカル重合を行う際、使用する重合開始剤は特に限定されず、当該分野で通常用いられる重合開始剤を使用することができる。重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、1,4−ビス〔(t−ブチルパーオキシ)イソプロピル〕ベンゼン、1,3−ビス〔(t−ブチルパーオキシ)イソプロピル〕ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ビス(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、O−t−ブチル−O−イソプロピルパーオキシカーボネート、コハク酸パーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤;2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、アゾクメン、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2−(t−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、VPS−1001(和光純薬工業株式会社製)、VPS−0501(和光純薬工業株式会社製)等のポリジメチルシロキサン系高分子アゾ重合開始剤等のアゾ系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物;スチレン等の熱的にラジカル種を生成するビニル系単量体;ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノン、アシルフォスフィンオキシド、フォトレドックス系等の、光によりラジカル種を発生する化合物;亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート、アスコルビン酸、硫酸第一鉄等を還元剤とし、ペルオキソ二硫酸カリウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキサイド等を酸化剤とするレドックス型重合開始剤等、を挙げることができる。これら重合開始剤は単独で、或いは複数を組合せて使用することができる。
上記重合開始剤の使用量については特に限定されないが、分子量分布の小さい重合体を得られる点で、重合中に発生するラジカル種の量が、メルカプト基1モルに対して1モル以下が好ましく、0.5モル以下がより好ましく、0.3モル以下が特に好ましい。
重合を制御しやすい点で、熱的解離する重合開始剤を用い、その半減期が0.1〜10時間、特に0.1〜5時間、さらに特に0.1〜1時間となるような温度で重合することが好ましい。
重合体(A)において、複数の単量体(a)を用いてこれらを共重合させる場合、得られる共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラジエント共重合体、あるいはグラフト共重合体のいずれであってもよい。重合体(A)の分子形状は、直鎖状、星状、あるいは樹枝状のいずれであってもよい。分子設計の容易さからは直鎖状であることが好ましい。
メルカプト基を有する化合物の存在下に、ラジカル重合可能な単量体をラジカル重合させる際、メルカプト基を有する化合物の使用量は特に制限はなく、使用する単量体の量論から計算して使用することができる。一般的に、得られる重合体のモル数がメルカプト基を有する化合物のモル数にほぼ等しいため、使用する単量体とメルカプト基を有する化合物のモル比を調節することにより、得られる重合体(A)の重合度と分子量を制御することができる。すなわち、重合体(A)の重合度(DP)は、単量体の転化率が100%の場合、次式で表される。
DP=単量体のモル数/メルカプト基を有する化合物のモル数
重合体(A)の数平均分子量(Mn)は、上記DPに単量体の分子量を乗ずることにより計算することができる。単量体の転化率が100%に満たない場合には、転化率を100%として計算した値に、単量体の転化率を乗ずることにより計算することができる。
上記重合体(A)の分子量は特に限定されないが、最終的に得られるシリコーン含有ブロック共重合体の分子量から、重量平均分子量(Mw)が1000〜50000、特に1000〜25000の範囲にあることが好ましい。
上記重合体(A)の分子量分布は特に限定されないが、最終的に得られるシリコーン含有ブロック共重合体の分子量分布から、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の値が3.0以下、特に2.0以下であることが好ましい。
本明細書において、平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフを用いて測定した保持時間を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。
具体的には、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」を1本、「TSKgel G3000HXL」を2本、及び「TSKgel G2000HXL」を1本(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
シリコーン系重合体(B)
本発明のブロック共重合体の構成成分であるシリコーン系重合体(B)は、多官能性オルガノポリシロキサンであり、1分子中に少なくとも2つ以上の官能基を有し、かつ主鎖にシロキサン結合を有するポリマーであればよく、−(Si−O)n−(nは1以上の整数)で示される構造を有する重合体である。
シリコーン系重合体(B)の官能基は、ポリマー分子の末端、側鎖のいずれに有していても良い。
重合体(A)と結合させてブロック共重合体とする反応の容易さの観点からは末端に官能基を有することが好ましい。
シリコーン系重合体(B)としては、以下のシロキサンポリマーを主鎖構造に有し、かつ官能基を有するポリマーを挙げることができる:ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジエチルシロキサン)、ポリ(ジフェニルシロキサン)、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、ポリ(メチルエチルシロキサン)、ポリ(エチルフェニルシロキサン)、ポリ(メチル−トリフルオロエチル−シロキサン)、ポリ(メチル−ペンタフルオロプロピル−シロキサン)、(ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン)共重合体、(ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン)共重合体、(ジメチルシロキサン−ジエチルシロキサン)共重合体等。
シリコーン系重合体(B)における上記官能基は、重合体(A)中に前記メルカプト基を有する構造式Z−R−SHで表される化合物によりもたらされる反応性官能基Z(ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基からなる群より選択される反応性官能基)と反応させて互いに結合させることから、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかと反応性を有する官能基である。
ヒドロキシル基と反応性を有する官能基としては、例えば、イソシアナト基、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸無水基、アルコキシシリル基、アルコキシメチル基等を挙げることができる。
カルボキシル基と反応性を有する官能基としては、例えば、エポキシ基、ヒドロキシル基、イソシアナト基、アミノ基等を挙げることができる。
アミノ基と反応性を有する官能基としては、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、カルボン酸無水基等を挙げることができる。
工業的に有用なブロック共重合体が得られる点で、該官能基は、重合体の末端に存在することが好ましく、直鎖状重合体の両末端に存在することが特に好ましい。
シリコーン系重合体(B)の主鎖構造としては、価格及び入手の容易さの観点から、ポリ(ジオルガノシロキサン)が好ましく、特にポリ(ジメチルシロキサン)が好ましい。
シリコーン系重合体(B)において、重合体(A)と結合させた場合にブロック共重合体が得られる点で、上記官能基を末端に有するものが好ましい。特に、重合体(A)と結合させてABA型トリブロック共重合体を得る場合には、両末端に官能基を有する直鎖状ポリ(ジオルガノシロキサン)が好ましく、特に、価格及び入手の容易さの観点から、両末端に官能基を有する直鎖状ポリ(ジメチルシロキサン)が好ましい。
上記重合体(B)の分子量は特に限定されないが、最終的に得られるシリコーン含有ブロック共重合体の分子量から、重量平均分子量(Mw)が100〜50000、特に250〜25000の範囲にあることが好ましい。
上記重合体(B)の分子量分布は特に限定されないが、最終的に得られるシリコーン含有ブロック共重合体の分子量分布から、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の値が5.0以下、特に3.0以下であることが好ましい。
シリコーン含有ブロック共重合体
本発明のシリコーン含有ブロック共重合体は、重合体(A)とシリコーン系重合体(B)とを、メルカプト基を有する構造式Z−R−SHで表される化合物中より、重合体(A)中にもたらされる反応性官能基Z(ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基からなる群より選択される官能基)と、シリコーン系重合体(B)中の、反応性官能基Zと反応性を有する官能基を反応させて結合させることにより得ることができる。
シリコーン含有ブロック共重合体を構成する重合体(A)とシリコーン系重合体(B)の組成比は、(A)が5〜90質量%、(B)が95〜10質量%が好ましく、より好ましくは(A)が10〜80質量%、(B)が90〜20質量%、さらにより好ましくは(A)が15〜85質量%、(B)が85〜15質量%である。
重合体(A)の割合が5質量%より少ないと、シリコーン含有ブロック共重合体の重合性や均一性が低下する場合があり、重合体(B)の割合が10質量%より少ないと、シリコーン含有ブロック共重合体のシリコーン由来の性能が低下する場合がある。
シリコーン含有ブロック共重合体の重量平均分子量は、重合性の観点から、1000〜100000であり、好ましくは1000〜75000、特に好ましくは1000〜50000である。
上記反応させる官能基の組合せとしては、具体的には、例えば、以下を挙げることができる。
1.重合体(A)中のカルボキシル基とシリコーン系重合体(B)中のエポキシ基
2.重合体(A)中のヒドロキシル基とシリコーン系重合体(B)中のイソシアナト基
3.重合体(A)中のヒドロキシル基とシリコーン系重合体(B)中のアルコキシシリル基
上記1〜3のうち、1の組合せを用いた方法について、以下、具体的に説明する。
本組合せによる方法では、重合体(A)の合成において、メルカプト基を有する化合物として、構造式Z−R−SHのZがカルボキシル基である化合物を使用する。このようなメルカプト基を有する化合物は特に限定されないが、具体的には、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトイソ酪酸、2−メルカプト安息香酸等を挙げることができる。これらは単独で或いは複数を組合せて使用することができる。これらのカルボキシル基を有し、かつメルカプト基を有する化合物のうち、重合性及び汎用性の観点から、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸を好適に使用することができる。
上記カルボキシル基を有し、かつメルカプト基を有する化合物を使用することにより、重合体(A)中にカルボキシル基を導入することができる。得られたカルボキシル基を含有する重合体(A)にシリコーン系重合体(B)として、エポキシ基含有シリコーン系重合体を反応させる。
上記エポキシ基を有するシリコーン系重合体(B)としては特に限定されない。この方法によりABA型トリブロック共重合体を得る場合には、両末端にエポキシ基を有するシリコーン系重合体を好適に使用することができる。
両末端にエポキシ基を有するシリコーン系重合体は特に限定されないが、例えば、両末端にヒドロシリル基を含有するシリコーン化合物に対して、エポキシ基を含有する不飽和化合物をヒドロシリル化反応により付加させて得られる化合物を挙げることができる。
上記の両末端にヒドロシリル基を含有するシリコーン化合物としては、特に限定されないが、例えば、両末端にヒドロシリル基を有するポリジメチルシロキサン化合物等を挙げることができる。
エポキシ基を含有する不飽和化合物としては、特に限定されないが、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、グリシジルエーテルグリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマル酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕オキシメチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有不飽和化合物等を挙げることができる。これらは単独で、或いは複数を組合せて使用することができる。これらの中でも、汎用性の観点から、脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物が好ましく、特に重合性及び後処理の観点から、アリルグリシジルエーテルが好ましい。
重合体(A)のカルボキシル基と、シリコーン系重合体(B)中のエポキシ基とが反応により結合することにより、該重合体(A)とシリコーン系重合体(B)とをカップリングすることができる。必要に応じてカルボキシル基とエポキシ基との反応を促進する触媒を使用することができる。
具体的には、オニウム塩等を挙げることができる。オニウム塩は窒素、リン、イオウ等のような孤立電子対をもつ元素を含む化合物において、これらの孤立電子対にプロトン或いは他の陽イオン形の化合物が配位結合してなる化合物であり、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第3級スルホニウム塩等を挙げることができる。
オニウム塩としては、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、ジエチルジブチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロライド、ジメチルベンジルラウリルアンモニウムクロライド、ジメチルジシクロヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、ジメチルベンジルラウリルホスホニウムブロマイド、トリエチルスルホニウムクロライド等を挙げることができる。
カップリング反応の収率向上の観点から、重合体(A)中のカルボキシル基1モルに対して、シリコーン系重合体(B)中のエポキシ基が0.5〜1.1モル、特に0.6モル〜1.0モル、さらに特に0.7モル〜0.9モルの割合となるように反応させることが好ましい。
本発明のシリコーン含有ブロック共重合体は、塗料用途の表面調整剤や消泡剤等、シリコーン系添加剤として有用である。
以下、製造例及び実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらにより限定されない。各例において、「部」及び「%」は、特記しない限り、質量基準による。
製造例1(カルボキシル基を有するアクリル樹脂1の合成)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、および還流冷却管を備えた1000ml反応器に、メチルイソブチルケトン241.2g及びメルカプトプロピオン酸3.6gを仕込み、系内を窒素置換し、100℃に加熱した。加熱後、アクリル酸ブチル334.8g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)10.8g及びメチルイソブチルケトン7.2gの混合液とメルカプトプロピオン酸21.6g及びメチルイソブチルケトン72.0gの混合液を3時間かけて分離滴下し、30分間保温した。
保温後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)3.6g及びメチルイソブチルケトン39.6gの混合液を30分間かけて滴下し、さらに30分間保温し、カルボキシル基を片末端に有するポリアクリル酸ブチルを得た。GPC測定より、このカルボキシル基を有するアクリル樹脂1(ポリアクリル酸ブチル)は、重量平均分子量(Mw)が2740、数平均分子量(Mn)が 1440、 Mw/Mnが1.90であった。
製造例2(カルボキシル基を有するアクリル樹脂2の合成)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、および還流冷却管を備えた1000ml反応器に、トルエン241.2g及びメルカプトプロピオン酸3.6gを仕込み、系内を窒素置換し、100℃に加熱した。加熱後、メタクリル酸メチル334.8g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)10.8g及びトルエン7.2gの混合液とメルカプトプロピオン酸21.6g及びトルエン72.0gの混合液を3時間かけて分離滴下し、30分間保温した。
保温後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)3.6g及びメチルイソブチルケトン39.6gの混合液を30分間かけて滴下し、さらに30分間保温し、カルボキシル基を片末端に有するポリメタクリル酸メチルを得た。GPC測定より、このカルボキシル基を有するアクリル樹脂2(ポリメタクリル酸メチル)は、重量平均分子量(Mw)が2100、数平均分子量(Mn)が1220、 Mw/Mnが1.72であった。
製造例3 (エポキシ基を有するシリコーン重合体1の合成)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、及び還流冷却管を備えた100ml反応器に、重量平均分子量1400の両末端にヒドロシリル基を有するポリジメチルシロキサン(Modifier 1449 オランダBRB社製)42.0g及びアリルグリシジルエーテル8.2gを仕込み、系内を窒素置換し、115℃に加熱した。加熱後、塩化白金酸イソプロパノール溶液(1質量%)0.1gを滴下し、3時間保温後、未反応原料及び副生成物を減圧除去して精製した。1H−NMRスペクトルにより、5〜6ppmのアリル基のピークと4.6ppmのSiHのシグナルの消失が確認され、エポキシ基を有するシリコーン重合体1を得た。GPC測定より、このエポキシ基を有するシリコーン重合体1は、重量平均分子量(Mw)が2210、数平均分子量(Mn)が1200、 Mw/Mnが1.84であった。
実施例1(シリコーン含有ブロック共重合体1の合成)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、および還流冷却管を備えた100ml反応器に、製造例1で得られたカルボキシル基を有するアクリル樹脂1 22.4g及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.48gを仕込み、系内を窒素置換し、110℃に加熱した。加熱後、製造例3で得られたエポキシ基を有するシリコーン重合体1 5.2gを滴下し、5時間保温後、シリコーン含有ブロック共重合体1(アクリル変性シリコーン化合物1)を得た。GPC測定より、このシリコーン含有ブロック共重合体1は、重量平均分子量(Mw)が5270、数平均分子量(Mn)が2250、Mw/Mnが2.34であった。
実施例2(シリコーン含有ブロック共重合体2の合成)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、および還流冷却管を備えた100ml反応器に、製造例2で得られたカルボキシル基を有するアクリル樹脂2 22.4g及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.48gを仕込み、系内を窒素置換し、110℃に加熱した。加熱後、製造例3で得られたエポキシ基を有するシリコーン化合物1 5.2gとメチルイソブチルケトン13.6gの混合液を滴下し、5時間保温後、シリコーン含有ブロック共重合体2(アクリル変性シリコーン化合物2)の溶液を得た。GPC測定より、このシリコーン含有ブロック共重合体2は、重量平均分子量(Mw)が4750、数平均分子量(Mn)が2140、Mw/Mnが2.22であった。
低い製造コストでかつ簡便な方法で合成可能なシリコーン含有ブロック共重合体を提供することができる。

Claims (3)

  1. ラジカル重合可能な単量体(a)を、メルカプト基を有する化合物の存在下にラジカル重合させて得られる重合体(A)と、シリコーン系重合体(B)とを互いに結合して得られる、シリコーン含有共重合体であって、
    該単量体(a)がメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル、メタクリル酸アミド、及びアクリル酸アミド化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、該メルカプト基を有する化合物が構造式Z−R−SH(式中、Rはアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基からなる群より選択される2価の有機基(該有機基の水素原子はヘテロ原子で置換されていてもよい)であり、Zはヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基からなる群より選択される反応性官能基)で表される化合物であり、該シリコーン系重合体(B)が多官能性オルガノポリシロキサンである、重量平均分子量1000〜100000のシリコーン含有ブロック共重合体。
  2. 重合体(A)が、カルボキシル基を有する重合体であり、重合体(B)がエポキシ基を有する重合体である請求項1に記載のシリコーン含有ブロック共重合体。
  3. 重合体(B)が、両末端にヒドロシリル基を含有するシリコーン化合物に対して、エポキシ基を含有する不飽和化合物を付加させて得られる化合物である請求項1又は2に記載のシリコーン含有ブロック共重合体。
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