JP2021163410A - 流量測定方法および圧力式流量制御装置の校正方法 - Google Patents

流量測定方法および圧力式流量制御装置の校正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フッ化水素ガスの流量を適切に測定する。
【解決手段】 コントロール弁12を有する流量制御装置10と、コントロール弁の上流側に設けられた上流開閉弁4と、上流開閉弁と前記コントロール弁との間の供給圧力を測定する供給圧力センサ16とを有するガスシステムにおいて行われるフッ化水素ガスの流量測定方法は、設定流量のフッ化水素ガスが流れるように制御された状態で行われ、上流開閉弁およびコントロール弁が開かれた状態から上流開閉弁を閉じるステップと、上流開閉弁が閉じた状態で供給圧力センサを用いて供給圧力を測定するステップと、フッ化水素ガスがクラスタ化しないことが確認されている所定の計測開始圧力以下となって以降の供給圧力の変化からフッ化水素ガスの流量を求めるステップとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、流量測定方法および流量制御装置の校正方法に関し、特に、ビルドダウン法等を用いたフッ化水素ガスの流量測定方法およびこれを用いた圧力式流量制御装置の校正方法に関する。
半導体製造装置のガス供給システムにおいて、プロセスチャンバには多種類のガスが切り替えて供給される。供給されるガスの流量は、各ラインに設けられた流量制御装置によって制御される。プロセスチャンバに供給されるガスには、原料ガス、エッチングガス、パージガスなどが含まれる。エッチングガスとして、例えばフッ化水素(HF)ガスが用いられることがある。
流量制御装置の運用において、随時、流量精度の確認や流量制御装置の校正を行うことが望まれており、流量測定方法として、ビルドアップ法やビルドダウン法が知られている。ビルドアップ法は、既知容積のビルドアップ容量内の圧力の変化に基づいて、ビルドアップ容量に流れ込むガスの流量を測定する方法である。また、ビルドダウン法は、既知容積のビルドダウン容量内の圧力の変化に基づいて、ビルドダウン容量から流出するガスの流量を測定する方法である。
ビルドダウン法では、流量制御装置の上流側に設けられたビルドダウン容量の内部に存在していたガスを、ビルドダウン容量の上流側の開閉弁を閉じた後、流量制御装置を介して流出させる。そして、そのときのビルドダウン容量内の圧力降下率(ΔP/Δt)と温度(T)とを測定することにより、例えば、Q=K(ΔP/Δt)×V/RT(K:定数、R:気体定数、V:ビルドダウン容量の容積)から流量Qを演算により求めることができる(例えば、特許文献1および2)。ビルドダウン法によって求めた流量は、流量制御装置が示す流量と比較され、流量制御装置の校正のために用いることができる。
国際公開第2013/179550号 米国特許第8,667,830号明細書 国際公開第2004/066048号
ところで、ビルドダウン法で流量を測定するときのビルドダウン容量としては、流路に設けたビルドダウンチャンバ等が用いられるが、小流量の流量検定を行う場合は、圧力降下率が小さくなり流量測定に時間がかかる。また、フッ化水素ガスは、ステンレス鋼などからなる流路等の内表面に吸着しやすいという性質を有しているため、ビルドダウンチャンバ等を設けると、その後、清浄化しづらいという問題が生じ得た。
さらに、ビルドダウン法を用いるときに、フッ化水素ガスの小流量測定を行おうとすると、測定条件によっては、流量測定の精度が低下し得ることを本発明者は見出した。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ビルドダウン法を利用して、フッ化水素ガスの流量測定をより向上した精度で行うことができる流量測定方法およびこれを用いた流量制御装置の校正方法を提供することをその主たる目的とする。
本発明の実施形態による流量測定方法は、コントロール弁を有する流量制御装置と、前記コントロール弁の上流側に設けられた上流開閉弁と、前記上流開閉弁と前記コントロール弁との間の供給圧力を測定する供給圧力センサとを有するガスシステムにおいて行われる、フッ化水素ガスの流量測定方法であって、流量測定は、前記流量制御装置により設定流量のフッ化水素ガスが流れるように制御された状態で行われ、前記上流開閉弁および前記コントロール弁が開かれた状態から、前記上流開閉弁を閉じるステップと、前記上流開閉弁が閉じた状態で、前記供給圧力センサを用いて、前記供給圧力を測定するステップと、前記供給圧力が、前記フッ化水素ガスがクラスタ化しないことが確認されている所定の計測開始圧力以下となって以降の前記供給圧力の変化を用いて、前記フッ化水素ガスの流量を演算により求めるステップとを含む。
ある実施形態において、前記供給圧力の降下率をΔP/Δt(Torr/sec)とし、前記上流開閉弁と前記コントロール弁との間の流路の体積をVs(l)とし、前記フッ化水素ガスの温度をT(℃)、定数をKv(=1000・60/760)としたとき、Q=Kv・(273/(273+T))・Vs・(ΔP/Δt)に基づいて流量Q(sccm)が求められる。
ある実施形態において、前記計測開始圧力は、−0.03〜0.05MPaG(ゲージ圧)である。
ある実施形態において、前記上流開閉弁と前記コントロール弁との間の流路の体積は、0.5〜20ccである。
ある実施形態において、前記流量制御装置は、絞り部と、前記絞り部上流側の前記コントロール弁と、前記コントロール弁と前記絞り部との間の圧力を測定する上流圧力センサと、制御回路とを備えている。
ある実施形態において、前記流量制御装置は、温度測定部を備え、上記流量測定方法は、前記計測開始圧力を前記温度測定部によって測定された温度を用いて決定するステップをさらに含む。
本発明の実施形態による圧力式流量制御装置の校正方法は、絞り部と、前記絞り部の上流側のコントロール弁と、前記コントロール弁と前記絞り部との間の圧力を測定する上流圧力センサと、制御回路を有し、前記上流圧力センサの出力から算出された流量が設定流量となるように前記コントロール弁をフィードバック制御する圧力式流量制御装置を校正するための方法であって、前記圧力式流量制御装置は、前記コントロール弁の上流側に設けられた上流開閉弁と、前記上流開閉弁と前記コントロール弁との間の供給圧力を測定する供給圧力センサと共にフッ化水素ガスを供給するガスシステムを構成しており、前記圧力式流量制御装置により所定流量のフッ化水素を流すステップと、所定流量のフッ化水素が流れている状態で前記上流開閉弁を閉じるステップと、前記上流開閉弁を閉じた後、前記供給圧力センサによって測定された供給圧力が前記フッ化水素ガスがクラスタ化しないことが確認されている所定の計測開始圧力以下になって以降の供給圧力変化を用いて前記フッ化水素ガスの流量を演算により求めるステップと、前記上流圧力センサの圧力から算出された流量が前記演算により求められた流量になるように算出式を変更するステップとを含む。
本発明の実施形態によれば、フッ化水素ガスの流量測定を適切に行うことができる。
本発明の実施形態による流量測定方法が実施される流体制御システムを示す模式図である。 本発明の実施形態による流量測定方法に係るフローチャートである。 本発明の実施形態による流量測定方法を説明するためのグラフである。
まず、本発明の実施形態にかかる流量測定方法の概要について説明する。上記のように、小流量でのフッ化水素(HF)ガスの流量測定を行うという要請がある。本発明者は、特に、専用の流量測定器を別途設けることなく、圧力式流量制御装置の構成を利用して、HFガスの流量測定を行う方法について検討を行った。より具体的には、既存のガス供給システムの構成を利用して、小流量でのHFガスの流量をビルドダウン法によって測定することについて鋭意検討を行った。
その結果、圧力式流量制御装置の上流側に設けられた上流開閉弁と、この上流開閉弁と圧力式流量制御装置のコントロール弁との間の圧力(すなわち、圧力式流量制御装置の上流側の供給圧力)を測定する供給圧力センサとを用いて、ビルドダウン法によって小流量のHFガス流量測定を好適に行うことができることがわかった。
ただし、詳細に検討した結果、HFガスをビルドダウン法によって流量測定するときに、ガスの圧力や温度によって、流量測定精度が低下し得ることがわかった。そして、その原因は、HFガスがクラスタ化することにあることを見出した。
HFガスは、温度や圧力、濃度等の条件によって、クラスタ化することが知られており、例えば、本出願人による特許文献3には、クラスタ化を防止しながらHFガスの流量制御を行う方法が記載されている。ここで、クラスタ化とは、同種のガス分子が相互作用により結合して塊をなす現象である。
このため、本実施形態の流量測定方法においては、ビルドダウン法において、クラスタ化しない条件下でHFガスを流出させたときの供給圧力の変化を測定することによって、HFガスを精度よく流量測定するものとした。この方法においては、流量測定用の特別な装置を接続することなく、圧力式流量制御装置の構成を利用して、小流量であってもHFガスの流量測定を適切に行うことができた。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るガスシステム100を示す。ガスシステム100は、ガス供給源2からのガスを、流量制御装置10を介して、半導体製造装置のプロセスチャンバ8に供給できるように構成されている。
ガス供給源2からは、原料ガス、エッチングガスまたはパージガスなど、半導体製造プロセスに用いられる種々のガスが供給され得る。ただし、本実施形態では、ガス供給源2からHFガスが供給される。HFガスは、半導体製造プロセスにおいて、クリーニング用のガス、または、ドライエッチング用のガスとして一般的に用いられている。
プロセスチャンバ8には、真空ポンプ9が接続されており、チャンバ内およびチャンバに接続された流路を真空引きすることができる。なお、図1には、1系統のガス供給ラインのみが示されているが、種々のガスを供給するために、流量制御装置10が各々に設けられた複数のガス供給ラインが、共通ラインを介してプロセスチャンバ8に接続されていてもよい。
本実施形態で用いる流量制御装置10は、圧力式の流量制御装置であり、絞り部14と、絞り部上流側のコントロール弁12と、コントロール弁12と絞り部14との間の圧力(すなわち上流圧力P1)を測定する上流圧力センサ17と、制御回路(図示せず)とを備えている。また、本実施形態の流量制御装置10は、絞り部14の下流側の圧力である下流圧力P2を測定する下流圧力センサ18と、コントロール弁12の上流側の供給圧力P0を測定する供給圧力センサ16とを備えている。流量制御装置10は、コントロール弁12と絞り部14との間の温度を測定する図示しない温度センサを備えていてよい。
流量制御装置10は、上流圧力センサ17の出力等に基づいてコントロール弁12の開度を調整することによって、絞り部14の下流側に流れるガスの流量を制御するように構成されている。絞り部14としては、オリフィスプレート、臨界ノズルまたは音速ノズルなどを用いることもできる。オリフィスまたはノズルの口径は、例えば10μm〜2000μmに設定される。
コントロール弁12としては、例えば、ピエゾ素子駆動型バルブが用いられる。ピエゾ素子駆動型バルブは、ピエゾ素子への印加電圧の制御によってダイヤフラム弁体の移動量を調節することができ、その開度を任意に調節することができる。供給圧力センサ16、上流圧力センサ17、および、下流圧力センサ18としては、歪ゲージが設けられた感圧ダイヤフラムを有するシリコン単結晶製の圧力センサやキャパシタンスマノメータが好適に用いられる。温度センサとしては、サーミスタや白金測温抵抗体が好適に用いられる。
流量制御装置10において、制御回路は、CPU、メモリ、A/Dコンバータ等を内蔵し、後述する動作を実行するように構成されたコンピュータプログラムを含んでいてよく、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって実現され得る。
流量制御装置10は、臨界膨張条件P1/P2≧約2(ここで、P1は上流圧力、P2は下流圧力、約2は、窒素ガスの場合)を満たすとき、流量Qは下流圧力P2によらず上流圧力P1によって決まるという原理を利用して流量制御を行う。臨界膨張条件を満たすとき、流量Qは、Q=K1・P1(K1は流体の種類と流体温度に依存する定数)から算出される。また、下流圧力センサ18を備える場合、臨界膨張条件を満足しない場合であっても、流量Qを、Q=K2・P2m(P1−P2)n(ここでK2は流体の種類と流体温度に依存する定数、m、nは実際の流量から導出される指数)から算出することができる。
設定流量Qsが制御回路に入力されると、制御回路は、上流圧力センサ17の出力などに基づいて、上記の式に従って演算流量Qcを求める。そして、この演算流量Qcが、入力された設定流量Qsに近づくようにコントロール弁12をフィードバック制御する。演算流量Qcは、流量出力値として外部のモニタに表示されてもよい。
このようにして流量制御を行うように構成されたガスシステム100において、本実施形態では、流量制御装置10の上流側の上流開閉弁4と、流量制御装置10の下流側の下流開閉弁6とが設けられている。上流開閉弁4は、流量制御装置10へのガス供給の制御のために用いられるとともに、後述するビルドダウン法によるHFガスの流量測定を実行するために用いられる。下流開閉弁6は、プロセスチャンバ8へのガスの供給を確実に停止するために用いられる。複数のガス供給ラインが設けられている場合、下流開閉弁6は、供給ガス種の切り替えのためにも用いられる。
上流開閉弁4および下流開閉弁6としては、AOV(Air Operated Valve)などの流体駆動弁、電磁弁、または、電動弁などのオンオフ弁が好適に用いられる。下流開閉弁6は、絞り部14と一体的に形成されたオリフィス内蔵弁として流量制御装置10に内蔵されていてもよい。オリフィス内蔵弁として一体的に設けられる場合、下流開閉弁6は、絞り部14の直上流に配置されてもよい。
なお、本実施形態のガスシステム100において、流量制御装置10として用いられるものは上記の圧力式の流量制御装置に限られず、例えば、熱式流量制御装置や、その他のタイプの流量制御装置であってもよい。ただし、以下に説明するビルドダウン法による流量測定を行うためには、用いるガスシステムは、流量制御用のコントロール弁12と、その上流側の上流開閉弁4と、供給圧力P0を測定する供給圧力センサ16とを備えている必要がある。
以下、ガスシステム100を用いて行う、ビルドダウン法によるHFガスの流量測定方法を説明する。
図2は、本実施形態による流量測定方法のフローチャートを示す。本実施形態において、ステップS1に示すように、流量測定は、上流開閉弁4(V4)、下流開閉弁6(V6)および流量制御装置10のコントロール弁12(CV)を開いて、所望の流量でガスを流す状態から開始される。
このとき、典型的には、供給圧力P0は、上流圧力P1よりも十分に大きく、また、上流圧力P1は、下流圧力P2よりも十分に大きい。下流圧力P2は、通常、真空圧(例えば100Torr以下)に設定されている。そして、臨界膨張条件を満たす場合、コントロール弁12の開度調整により上流圧力P1を制御することによって、所望流量で絞り部14の下流側にHFガスが流れている。
流量測定開始前において、供給圧力P0は、例えば、−0.03〜0.05MPaGに設定され、上流圧力P1は、例えば、1〜65kPaaに設定されている。絞り部14の下流側に流れるHFガスの流量は、例えば、0.2sccm〜20sccmに設定されている。
次に、ステップS2に示すように、上流開閉弁4を閉じることによって、ビルドダウンを開始する。上流開閉弁4を閉じた後、供給圧力P0および上流圧力P1は、絞り部14を介してガスが流出するとともに低下する。図3には、時刻t0において、上流開閉弁4が閉じられた後の供給圧力P0の降下が示されている。
本実施形態では、上流開閉弁4とコントロール弁12との間の流路をビルドダウン容量Vsとし、このビルドダウン容量Vsからコントロール弁12を介して流出するガスの流量を、供給圧力センサ16の出力の時間変化に基づいて測定する。ビルドダウン容量は、例えば、0.5cc〜20ccに設定され、より好適には、1cc〜5ccに設定される。
ビルドダウンタンクを設けることなく流路の一部をビルドダウン容量として用いることによって、小型化・低コスト化を実現できるとともに、短時間で流量測定を行うことができるという利点が得られる。また、ビルドダウン容量を比較的小さく設定することにより、小流量のガス流出であっても圧力の低下が比較的大きく生じるので、小流量時の流量測定の精度を向上させることができる。
ただし、図3に示すように、本実施形態では、上流開閉弁4を閉じた時刻t0から即座にビルドダウン流量測定を開始するのではなく、供給圧力P0が所定の計測開始圧力P0Sに達した時刻t1を確認し、この時刻t1から、ビルドダウン流量測定を行う。その理由は、供給圧力P0が計測開始圧力P0Sより大きい状態のときには、HFガスがクラスタ化しているおそれがあり、適切な流量測定を行えない可能性があるからである。このため、クラスタ化が生じないと確認された計測開始圧力P0Sを予め設定しておき、この計測開始圧力P0Sよりも低い圧力範囲内でビルドダウン流量測定を行う。
このために、図2のステップS3〜ステップS4に示されるように、上流開閉弁4を閉じた後の供給圧力P0が監視され、計測開始圧力P0Sに達したとき(ステップS4のYES)には、そのときの時刻(開始時刻)t1が特定され、メモリに記憶される(ステップS5)。
また、HFガスのクラスタ化は、ガス温度が低い時にも生じやすいことが知られている。したがって、ガス温度が所定温度以上であることが確認された状態で流量測定を行うことも好適である。さらに、HFガスの濃度が低いほど、クラスタ化が生じにくくなるので、希釈ガスによりHFガスの濃度を低下させた状態で流量測定を行うようにしてもよい。
本実施形態におけるビルドダウンは、HFガスがクラスタ化しない条件で、ビルドダウン流量測定を行うようにしている。上記の計測開始圧力P0Sとしては、測定されたガス温度に応じて異なる値が用いられてもよく、また、ガス濃度に応じて異なる値が用いられてもよい。上記のように、ガス温度が高い、および、ガス濃度が低いほど、クラスタ化は生じにくいと考えられるので、ガス温度が高いとき、および/または、ガス濃度が低いときには、より高い計測開始圧力P0Sを用いるようにしてもよい。
計測開始圧力P0Sは、ガス温度が約60℃のときに、例えば30〜60kPaaに設定される。なお、ガス温度は、上流開閉弁4とコントロール弁12との間の流路(ビルドダウン容量)内のガスの温度を測定するように別途設けられた温度センサを用いて測定してもよいし、一般的な流量制御装置10が備えるコントロール弁12と絞り部14との間の流路の温度を測定する温度センサ(または温度測定部)の出力で代用してもよい。
そして、HFガスがクラスタ化しない条件下で、図2のステップS6〜S8に示すように、ビルドダウン圧力ΔP(ここでは、計測開始圧力P0Sと最終圧力P0Eとの差)に対応するビルドダウン時間Δtが計測される。そして、このときの測定される圧力降下率ΔP/Δt(図3に示すグラフの傾き)に基づいて、流量を測定することができる(ステップS9)。ガス温度も測定されているとき、HFガスの流量Q(sccm)は、例えば、下記の式に基づいて演算により求めることができる。
Figure 2021163410
上記の式において、Tはガス温度(℃)であり、Vsはビルドダウン容積(すなわち、上流開閉弁4とコントロール弁12との間の流路の容積)、ΔP/Δtは、上記のようにして供給圧力P0の測定から求められる圧力降下率である。
なお、図2および図3に示す態様では、最終圧力P0Eを予め設定しておき、計測開始圧力P0Sから最終圧力P0Eに達するまでの時間Δtを測定するようにして、圧力降下率ΔP/Δtを求めている。ただし、これに限らず、HFガスがクラスタ化しない条件下で実施する限り、種々の態様で圧力降下率ΔP/Δtを求め得る。例えば、計測開始圧力P0Sに達した時刻t1からサンプリング周期ごとに供給圧力の圧力値P0(t)を求め、所定の時刻t2(開始時刻t1から所定時間Δt経過後のt1+Δtの時刻)に達するまでに得られた圧力値P0(t)から最小二乗法によって直線の傾きΔP/Δtを求めるようにしてもよい。
以上のようにして、クラスタ化するHFガスであっても、ビルドダウン法により、好適に流量を求めることができる。また、上流開閉弁4とコントロール弁12との間の流路を比較的体積の小さいビルドダウン容量として用いることによって、小流量の測定を短時間のうちに行うことが可能である。このようにして求めた流量は、流量制御装置10の校正のために用いることも可能である。
圧力式の流量制御装置10の校正は、流量制御装置10により所定流量のフッ化水素を流し、所定流量のフッ化水素が流れている状態で上流開閉弁4を閉じ、上流開閉弁4を閉じた後、供給圧力センサ16によって測定された供給圧力P0が、所定の計測開始圧力P0S(フッ化水素ガスがクラスタ化しないことが確認されている圧力)以下になって以降の供給圧力変化を用いてフッ化水素ガスの流量(ビルドダウン流量)を演算により求め、求めたビルドダウン流量に基づいて、流量制御装置10の流量演算式(例えば、Q=K1・P1におけるK1の値)を更新することによって行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、種々の改変が可能である。例えば、上記にはガス圧力の時間変化に基づくビルドダウン法による流量測定方法について説明したが、流出前と流出後とでのガス温度の変化も考慮に入れた測定方法とすることもできる。
具体的に説明すると、まず、上流開閉弁4を閉鎖後、供給圧力P0が上記の計測開始圧力P0Sに達した時点(時刻t1)において、ビルドダウン容量内のHFガスのガス温度T1が測定される。このとき、計測開始時点でのビルドダウン容量内のガスの物質量(モル数)n1は、PV=nRT(理想気体の状態方程式)より、n1=(P0S・Vs)/(R・T1)と表すことができる。ここで、Rは気体定数、Vsはビルドダウン容積である。
その後、クラスタ化しない条件下でガスの流出が進み、最終圧力P0Eに達したとき(時刻t2)のガスの物質量n2は、このときに測定したガスの温度T2を用いて、n2=(P0E・Vs)/(R・T2)と表すことができる。
ここで、流量(質量流量)Qは、時間当たりの物質量変化に対応するので、Q=Δn/Δt=(n1−n2)/Δtと表すことができる。したがって、各時刻t1、t2でのガス温度の測定および時間Δt(時刻t1から時刻t2までの時間)の計測によって、下記式に基づいて、流量Qを求めることができる。
Q=((P0S・Vs)/(R・T1)−(P0E・Vs)/(R・T2))/Δt
=(Vs/R)・((P0S/T1)−(P0E/T2))/Δt
以上のようにして、ビルドダウン工程中の、ガスの温度の変化と、供給圧力P0の時間変化とに基づいて、流量を求めることも可能である。
また、上記の実施形態では、ビルドダウン法による流量測定の工程までを説明したが、流量測定が終わったあとは、上流開閉弁4を開放して、再び定常流でガスを流すようにしてもよい。上流開閉弁4の開放は瞬時に行うことができるので、供給圧力P0の回復を迅速に行うことができる。また、圧力式流量制御装置は、供給圧力P0の多少の変動にかかわらず、上流圧力P1に基づいて絞り部の下流に流れるガスの流量を制御することができるので、絞り部の下流側にガスを制御流量で流したまま、上記の供給圧力P0の変化に基づくビルドダウン法による流量測定を行うことも可能である。
本発明の実施形態による流量測定方法は、半導体製造装置等で用いられるフッ化水素ガスの流量を測定するために好適に利用される。
2 ガス供給源
4 上流開閉弁
6 下流開閉弁
8 プロセスチャンバ
9 真空ポンプ
10 流量制御装置
12 コントロール弁
14 絞り部
16 供給圧力センサ
17 上流圧力センサ
18 下流圧力センサ
100 ガスシステム

Claims (7)

  1. コントロール弁を有する流量制御装置と、前記コントロール弁の上流側に設けられた上流開閉弁と、前記上流開閉弁と前記コントロール弁との間の供給圧力を測定する供給圧力センサとを有するガスシステムにおいて行われる、フッ化水素ガスの流量測定方法であって、
    流量測定は、前記流量制御装置により設定流量のフッ化水素ガスが流れるように制御された状態で行われ、
    前記上流開閉弁および前記コントロール弁が開かれた状態から、前記上流開閉弁を閉じるステップと、
    前記上流開閉弁が閉じた状態で、前記供給圧力センサを用いて、前記供給圧力を測定するステップと、
    前記供給圧力が、前記フッ化水素ガスがクラスタ化しないことが確認されている所定の計測開始圧力以下となって以降の前記供給圧力の変化を用いて、前記フッ化水素ガスの流量を演算により求めるステップと
    を含む、
    流量測定方法。
  2. 前記供給圧力の降下率をΔP/Δtとし、前記上流開閉弁と前記コントロール弁との間の流路の体積をVsとし、前記フッ化水素ガスの温度をTとしたとき、下記式に基づいて流量Qを求める、請求項1に記載の流量測定方法。
    Figure 2021163410
  3. 前記計測開始圧力は、−0.03〜0.05MPaGである、請求項1または2に記載の流量測定方法。
  4. 前記上流開閉弁と前記コントロール弁との間の流路の体積は、0.5cc〜20ccである、請求項1から3のいずれかに記載の流量測定方法。
  5. 前記流量制御装置は、絞り部と、前記絞り部の上流側の前記コントロール弁と、前記コントロール弁と前記絞り部との間の圧力を測定する上流圧力センサと、制御回路とを備えている、請求項1から4のいずれかに記載の流量測定方法。
  6. 前記流量制御装置は、温度測定部を備え、前記温度測定部によって測定された温度を用いて前記計測開始圧力を決定するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載の流量測定方法。
  7. 絞り部と、前記絞り部の上流側のコントロール弁と、前記コントロール弁と前記絞り部との間の圧力を測定する上流圧力センサと、制御回路とを有し、前記上流圧力センサの出力から算出された流量が設定流量となるように前記コントロール弁をフィードバック制御するように構成された圧力式流量制御装置の校正方法であって、
    前記圧力式流量制御装置は、前記コントロール弁の上流側に設けられた上流開閉弁と、前記上流開閉弁と前記コントロール弁との間の供給圧力を測定する供給圧力センサと共にフッ化水素ガスを供給するガスシステムを構成しており、
    前記圧力式流量制御装置により所定流量のフッ化水素を流すステップと、
    所定流量のフッ化水素が流れている状態で前記上流開閉弁を閉じるステップと、
    前記上流開閉弁を閉じた後、前記供給圧力センサによって測定された供給圧力が前記フッ化水素ガスがクラスタ化しないことが確認されている所定の計測開始圧力以下になって以降の供給圧力変化を用いて前記フッ化水素ガスの流量を演算により求めるステップと、
    前記上流圧力センサの圧力から算出された流量が前記演算により求められた流量になるように算出式を変更するステップと
    を含む、圧力式流量制御装置の校正方法。
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